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平成25年第3回定例会(第1号)本文

               午前9時29分 開会
◯議長(伊藤俊明君)  おはようございます。ただいまから平成25年第3回三鷹市議会定例会を開会いたします。
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◯議長(伊藤俊明君)  これより本日の会議を開きます。
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◯議長(伊藤俊明君)  議事日程はお手元に配付したとおりであります。
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◯議長(伊藤俊明君)  この際、議会運営委員長より報告願います。
 2番 赤松大一君、登壇願います。
                〔2番 赤松大一君 登壇〕


◯2番(赤松大一君)  おはようございます。議会運営委員会の協議結果を報告いたします。
 8月28日の議会運営委員会において、議長より諮問を受けた会期の設定案及び会期内審議日程案等について協議いたしました結果、次のとおり決定いたしましたので、報告いたします。
 今次定例会の会期については、諸種の状況を勘案し、9月2日から9月30日までの29日間と設定することが妥当であるという意見の一致を見ました。
 さらに、会期内審議日程については、御配付のとおりの日程を審議目標として努力することを確認いたしましたので、ごらんいただきたいと思います。
 以上、本委員会に諮問された事項の協議結果を報告いたします。


◯議長(伊藤俊明君)  議会運営委員長の報告は以上のとおりであります。御協力のほどよろしくお願いいたします。
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◯議長(伊藤俊明君)  会期についてお諮りいたします。
 ただいま議会運営委員長より報告がありましたとおり、今次定例会の会期は、本日9月2日から9月30日までの29日間といたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
                (「異議なし」と呼ぶ者あり)
 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。
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◯議長(伊藤俊明君)  次に、会議録署名議員を定めます。
 本件は、会議規則第80条の規定に基づき、議長において指名いたします。
 25番 大城美幸さん
 26番 栗原健治君
にお願いいたします。
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◯議長(伊藤俊明君)  次に、諸般の報告を求めます。
 まず、事務局長より事務報告をいたさせます。


◯議会事務局長(郷原 彰君)  報告事項は、議員の派遣についてでございます。
 三鷹市会議規則第157条第1項ただし書きの規定に基づき、お手元に配付の報告書のとおり議員を派遣いたしましたので、御報告いたします。
 報告事項は以上でございます。


◯議長(伊藤俊明君)  次に、市長の行政報告を求めます。市長 清原慶子さん。
                〔市長 清原慶子さん 登壇〕


◯市長(清原慶子さん)  皆様おはようございます。報告事項は、固定資産評価審査委員会委員の選任についてでございます。
 さきの平成25年第2回市議会定例会におきまして、議会の御同意をいただきました山本剛嗣さんを、7月1日付で固定資産評価審査委員会委員に選任いたしました。
 報告事項は、以上でございます。


◯議長(伊藤俊明君)  以上をもって諸般の報告を終わります。
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◯議長(伊藤俊明君)  この際、議事の都合によりしばらく休憩いたします。
               午前9時33分 休憩



               午前9時59分 再開
◯議長(伊藤俊明君)  それでは、休憩前に引き続き、会議を再開いたします。
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    日程第1 市政に関する一般質問


◯議長(伊藤俊明君)  これより日程に入ります。
 日程第1 市政に関する一般質問、本件を議題といたします。
 これより順次発言を許します。15番 嶋崎英治君、登壇願います。
                〔15番 嶋崎英治君 登壇〕


◯15番(嶋崎英治君)  おはようございます。それでは、通告に基づきまして一般質問を行わせていただきます。
 2012年12月の衆議院選挙の結果、294議席を得て民主党にかわって自民党が政権に復帰し、第2次安倍内閣が発足し、自民党は憲法改正に向け具体的に動き出しました。振り返ってみると、第1次安倍内閣のときに、2007年5月14日、自公などの多数で強行採決により国民投票法が制定されました。2012年4月27日、自民党憲法改正草案を決定し、安倍晋三氏らは日本国憲法第96条を変えることに躍起になっています。また、自民党は国防軍を持つとしており、予断を許さない事態が進行していると言えます。また、憲法を変える理由に環境権がうたわれていない、プライバシー権がうたわれていないと主張する勢力がありますが、公害防止法、個人情報保護法を制定したように、個別法を制定すれば事足ります。憲法第96条を変えて憲法改正手続における改憲の国会発議要件を国会議員の3分の2以上から過半数で憲法の改正が発議できるようにして憲法第9条を改悪し、戦争をする国にするというのが狙いであると認識します。このような情勢下において、改めて日本国憲法を市政に生かし、市民が人間らしく暮らしていけるようにするには、市民から信託を受け、憲法第99条にうたわれているとおり、憲法を尊重し擁護する義務を負う市長並びに市議会議員の責務です。その立場から憲法を市政と市民の生活に生かすために質問をします。
 1、日本国憲法を市政と市民生活に生かすことについて。
 (1)、憲法前文について。
 憲法前文について、市長の基本的認識をお尋ねします。
 日本国憲法前文を読み上げます。「日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、われらとわれらの子孫のために、諸国民との協和による成果と、わが国全土にわたつて自由のもたらす恵沢を確保し、政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものであつて、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する。これは人類普遍の原理であり、この憲法は、かかる原理に基くものである。われらは、これに反する一切の憲法、法令及び詔勅を排除する。日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであつて、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。われらは、いづれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならないのであつて、政治道徳の法則は、普遍的なものであり、この法則に従ふことは、自国の主権を維持し、他国と対等関係に立たうとする各国の責務であると信ずる。日本国民は、国家の名誉にかけ、全力をあげてこの崇高な理想と目的を達成することを誓ふ。」となっています。
 前文は基本的人権の尊重、平和主義、国民主権の理念が相互に関連し合い、日本国民のみならず全世界の国民が平和的生存権があることを確認しています。
 そこでお尋ねいたします。
 Q1、憲法前文についての市長の所見をお聞かせください。
 Q2、前文は、日本国憲法に反する一切の憲法、法令及び詔勅を排除するとしていることから、裁判、法規範性を有する法規範であると私は認識します。市長はどのようにお考えでしょうか。
 (2)、憲法第9条と三鷹市における平和施策の推進に関する条例(平和条例)と平和祈念事業について。
 ア、憲法第9条があるがゆえに、憲法13条に基づく幸福を追求することができ、平和的に生存することができる。また、イラクに派遣された自衛隊も実弾を一発も撃たずに任務を終え帰国することができたと私は認識します。
 Q3、市長の所見をお聞かせください。
 イ、三鷹市が非核都市宣言を行い、平和条例を制定し、被爆者団体や憲法を記念する三鷹市民の会の皆さんと一緒になって三鷹市が平和事業を展開していることに誇りを持っています。
 Q4、三鷹市の平和条例について市長の所見をお聞かせください。
 Q5、2013年長崎平和宣言について、市長の所見をお聞かせください。
 Q6、憲法を記念する三鷹市民の会と本市の協働事業は、最終的にどのように決定するのでしょうか。
 Q7、三多摩ピースサイクルの皆さんと担当課長との意見交換を本年は実施なさらなかったようですが、いかなる理由でしょうか。次年度以降も同様の対応でしょうか。
 ウ、2013年の戦没者追悼式並びに平和祈念式典で「はだしのゲン」を上映しました。たくさんの子どもたちと一緒に、久しぶりに鑑賞させていただき、新たな発見がありました。一方、松江市教育委員会が中沢啓治作、漫画「はだしのゲン」を小・中学生には過激として閲覧制限の閉架措置をとったことに全国的な批判の世論を受け、松江市教育委員会は8月26日、委員会を開き、前教育長がとった閲覧制限を撤回しました。閲覧制限の撤回を求めてきた市民は、当然のこととしながらも、手続問題を撤回理由としたことに不満をあらわにしています。小学校4年の孫に、漫画「はだしのゲン」の話をしたら、友達は読んでいるが、僕が読んでいるのはもっと怖いよと言っていました。学校図書の選定権は学校側にあることでひとまず安心はしたところです。
 さて、2015年は原爆被爆・敗戦70周年になります。
 Q8、何か記念事業を企画されるのでしょうか。
 (3)、幸福追求権について。
 日本国憲法第13条は国民の幸福追求権を保障しています。他の条項も憲法第13条を意識して構成されていると私は考えます。
 ア、和歌山市内の生活保護受給者2人が、8月から始まった保護費切り下げを不服として審査請求しようとした際、同市の窓口で、審査するのは県、と受け取りを拒否されたことが社会問題になっています。
 Q9、本市における審査請求に対してどのように対応しているか、お聞かせください。
 (4)、学問の自由と奨学金制度について。
 本市議会は、6月25日、給付型奨学金制度の創設を求める意見書を賛成全員で可決しました。
 Q10、学生の奨学金をめぐる状況について、どのような認識をお持ちでしょうか。教育長にお尋ねします。
 Q11、利子つき奨学金がもたらしている若者や市民への影響をどのように認識していますか。教育長にお尋ねいたします。
 以上で壇上での質問は終わります。自席での再質問を留保させていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
                〔市長 清原慶子さん 登壇〕


◯市長(清原慶子さん)  それでは、御質問の1点目、憲法前文についてですが、憲法前文は国民主権、代表民主制、基本的人権の尊重、平和主義、国際協調主義という日本国憲法のエッセンスや理念をわかりやすく説明しているものと考えております。
 次に、憲法前文の裁判規範性についてですが、このことに関しましては、国民の間でいろいろと議論のあるところであり、裁判の判例においても幾つかの異なる判断が出されているようです。私といたしましては、この点については、幅広い国民の議論や司法の判断を尊重してまいりたいと考えております。
 次に、憲法第9条への所見ですが、日本国憲法の大きな柱の1つが平和主義です。さきの大戦を反省し、再び戦争の惨禍を起こさないという憲法前文の理念を踏まえ、平和主義を明確に示したものが憲法第9条であると、このように認識しております。
 次に、2013年長崎平和宣言への所見についてお答えします。
 長崎市とは平成22年に市制施行60周年記念事業といたしまして、三鷹・長崎平和交流事業を実施させていただくなど、市長、そして市民、子どもたちが交流のある自治体でございます。長崎市長が会長を務めていらっしゃる日本非核宣言自治体協議会にも三鷹市は加入をしております。こうしたことからも8月9日には市民の皆様とともに黙祷をささげるとともに、私自身、長崎市長から出されております長崎平和宣言を毎年注目し、傾聴しているところでございます。
 また、憲法を記念する三鷹市民の会との共催事業についてですが、市民団体である憲法を記念する三鷹市民の会の皆さんとは、憲法を記念する市民のつどいや市民憲法講座を共催しております。これらの事業の内容につきましては、市の職員が事務局として参加する憲法を記念する三鷹市民の会議で検討して複数の案を出していただきまして、事務局が調整した後、最終的には市長が責任を持って判断をしているところでございます。
 以上で私からの答弁を終えさせていただき、担当より補足の答弁をいたさせます。


◯教育長(高部明夫君)  それでは、私のほうから奨学金制度につきまして、学生の奨学金をめぐる状況、利子つき奨学金の若者や市民への影響への認識ということでまとめてお答えをいたします。
 義務教育修了後の若者に対する教育支援制度としましての奨学金についてでございますけれども、国や自治体、大学などさまざまな奨学金制度がございますけれども、規模的にはですね、貸与型、有利子型の奨学金が多いと、そういう状況だというふうに認識しております。そうした中、返済を考えると、借りたくても借りられない方、あるいは奨学金の受給者が就職後に経済的事情によりまして返済が困難となり信用調査上の影響が生じるなど、社会生活に影響を与える事例が新聞等で報道されているということも承知しております。教育的な観点からいたしますと、この奨学金制度につきましては、義務教育修了後のですね、高等教育の機会を提供するための大切な制度というふうに捉えているところでございます。
 現在の状況につきましては、国において、子どもの貧困対策の推進に関する法律の成立などを踏まえまして、経済的事情による教育格差や貧困の連鎖を生まないため、利子の引き下げですとか、あるいは給付型の奨学金などの検討を国も始めているところでございますので、早期に実現を図るべきものというふうに考えているところでございます。
 以上です。


◯企画部調整担当部長(内田 治君)  私からは、市長の答弁に補足をいたしまして3点ほどお答えさせていただきます。
 まず、三鷹市における平和施策の推進に関する条例への所見という御質問でございました。平成4年に制定された三鷹市における平和施策の推進に関する条例は、世界連邦都市宣言や三鷹市非核都市宣言の趣旨を踏まえまして、市民の皆様とともに平和の実現に努力していく決意を明らかにしたものです。この条例に基づきまして、各種の平和関連事業を実施しております。今後もこの条例の趣旨によりまして、市民の皆様との協働により平和の推進やその実現に努めてまいりたいと考えております。
 次に、三多摩ピースサイクルとの意見交換の件につきましての御質問にお答えいたします。
 市に対する陳情や要望につきましては、従前より文書で御提出していただきまして、回答につきましても文書で行うこととしているところです。個別の団体から意見交換を行いたいとの申し出につきましては、このピースサイクルに限らず基本的には実施を見送ることとしておりまして、今年度はその方針に沿った対応をしたところです。陳情や要望に関しましては、今後も原則として文書で回答を行うことといたします。
 最後でございますが、戦後70周年の記念事業につきましてお答えいたします。
 平成27年で戦後70周年を迎えるわけでございますが、その際の記念事業等の計画につきましては、今後、関係する団体の皆様とも相談をしながら検討してまいりたいと考えております。
 以上です。


◯健康福祉部長(木住野一信君)  私、市長の答弁に補足をさせていただきまして、クエスチョン9でございますね。本市における審査請求に対しての対応ということで御質問いただきました。お答えをさしていただきます。
 現在、本年8月に施行されました生活保護基準の改定に対しての審査請求はございませんが、審査請求の受け付け等につきましては、私どもの市の福祉事務所でもできることになっておりますので、相談、請求がございましたらですね、丁寧な対応をしていきたいというふうに考えております。
 以上でございます。


◯15番(嶋崎英治君)  それでは、再質問をさせていただきます。最初に、最後に木住野部長のほうからありました生活保護への対応の問題です。
 本当にそれは、しゃくし定規に言えば、国とか都とかになってしまうかとも思うんですが、しかし、今、答弁がありましたように、丁寧に対応していってくれるということです。それが、やっぱり基礎自治体、生活をこの場に置いている人たちへの責務だと思いますから、そこで、そういう姿勢で引き続いて貫いていっていただきたいというふうに思います。
 2つ目ですが、長崎の宣言──2013年平和宣言、清原市長は毎年傾聴をしている、そして事業について協力しているという関係にあって、引き続いてそうしたことで貫いていきたいというふうに受けとめました。私は、2013年の長崎平和宣言については、長崎市長は一歩突っ込んでっていうか、本当は当たり前のことかと思うんですけれども、ことし4月にジュネーブで開催された核不拡充条約──NPTですね、その再検討準備委員会で提出された核兵器の非人道性を訴える共同声明に80カ国が賛同して署名しているわけですが、南アフリカなどの提案国は我が国にも賛同の署名を求めたんですけれども、我が国は拒否をしたと、こう報道されておるし、その理由は、いかなる場合でも核云々ということでした。
 市長が8月15日の戦没者追悼及び平和祈念式典で、あの戦争で被爆した唯一の国としてということで、改めて平和に対する誓いを述べておられました。そのとおり、あの戦争でアメリカから、当時ですね、原子爆弾の爆撃を受けたのは日本であり、広島、長崎の人たちが多数亡くなり、今もその核の恐怖、あるいは被爆者援護法の不十分さもあり、人間らしく暮らしていくことができないという事態の中にあるということからすれば、首相は、あの場で眉をさらに八の字にした顔をするんではなくて、うん、足りなかったと。これがこの国の責任者としてすべきことだという対応を私はとってほしかったと思いますし、ぜひですね、市長もその立場で、今後も、あるいは長崎平和宣言を後押しすることでですね、この共同声明に日本が署名できるように努力していただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。


◯市長(清原慶子さん)  ことしの長崎及び広島における安倍総理の言葉の中にも、日本は戦争における唯一の被爆国であるということをおっしゃいました。これは日本国民にとっては、やはり大変重要な重い言葉であるというふうに思います。私は、長崎市の市長及び広島市の市長は、歴代にわたり戦争における唯一の被爆国の被爆地の自治体の首長として、それぞれの県とともにですね、世界にも問題提起をし、一貫して非核の取り組みを行動をもってされてきたということを大変尊敬している者の一人です。しかも、平和宣言というのは、それぞれの市民の声を代表して市長が述べているわけですから、私としては、そのことを重く受けとめたいと思います。
 なお、国政についてですね、私はいろいろな形で市民の暮らしが豊かになるように発言をしてきておりますので、この事柄につきましても、三鷹市長、三鷹市議会の皆様御一緒に非核宣言都市としてこれまできめ細かく取り組みをしておりますので、それを継続していきたいと考えているところです。


◯15番(嶋崎英治君)  過日のアメリカの新たな、何ていうんですかね、能力というか、核実験に対しても、市長、そして議長連名でアメリカ大統領及び在日の代理ですかね、に抗議・要請を行ったということで、これも国内外から評価をされていることであり、その姿勢は、私たちももちろんそうですが、市側と一緒になってこの姿勢を貫いていきたいというふうに思っています。そして、さらに長崎宣言では、いまだに収束しない東京電力福島第一原子力発電所の現実にも触れて宣言を出されているということであり、積極的な平和施策を展開する三鷹市として、こうしたことにさらに、何ていうんでしょうかね、日本の代表が署名できるように、ある意味ではリーダーシップを発揮されて取り組んでいただきたいということを申し上げて、この項については質問を終わります。
 次にですね、漫画「はだしのゲン」について、若干私は述べました。8月15日に「はだしのゲン」を見て、原爆被害者の悲劇──悲劇的なというんですかね、生活を通じて家族のきずなや命の大切さ、核兵器、ピカの恐ろしさ、平和の重要性を改めて認識をされました──認識をさせていただいたと言ったらいいでしょうかね。たくさんの本当に子どもさん来ていました。いいなと思って、本のほうではありませんけれどね、アニメーション映画ですけれども、見て私も、改めてというふうに申し上げましたけれども、そういう感じを持ったところです。
 さて、この「はだしのゲン」を上映するに当たってですね、上映前及び上映後、どのような意見が寄せられているでしょうか。感想文にはね、今、集約中かと思いますけれども、その辺御紹介いただければと思います。


◯企画部調整担当部長(内田 治君)  今、御質問ありました「はだしのゲン」の映画でございますけれども、御質問議員さん今おっしゃられたようにですね、まだ意見集約中ではあるところですが、この間、拝見している幾つかのものの中にはですね、やはり大変怖いものだなというふうに改めてこの映画を見て感じましたというようなお子さんの声、それから、子どもとともにですね、こういう機会を持つことができてよかったというような保護者の方の御感想などがですね、見受けられたというふうに思っております。
 以上です。


◯15番(嶋崎英治君)  ありがとうございました。映画及びもともとの中沢啓治さんの原作、作者自身がみずからの体験を通して、子どもらは素直に何が真実か見きわめてくれますと述べています。映画のシーンでいろんな、何ていうんでしょうか、レイプや人権侵害のシーンが流れるわけですね。そういうことについては何のクレームも出ずに、今回はそういうゲンの上映について批判的な意見はなかったというふうに受けとめていいんだろうと思うんですけれども、やっぱり子どもがしっかりと判断をする。それが今を生きる私たちが二度とあのピカを経験しない、あるいはそれを持つことをしない、こういう決意を含めて、そのツールとしてでもね、「はだしのゲン」の上映は私自身もよかったというふうに思います。
 次に、奨学金問題について触れさせていただきます。
 教育長がね、答弁で言ったように、国のほうはいろんな意見を踏まえて、利子の引き下げや、あるいは給付型の奨学金の創設を進められているようですが、ぜひですね、今、日本の学生の5割が実は奨学金を借りていて、その75%以上が利子つきだと。しかも、現実はまだ10%ですよね。住宅ローンでも3.幾つじゃないですかね。これは私、この問題に取り組んで初めて知って、ぞっとしたんですよ。私たちの生きる年はもう限られています。未来を担う若者、学生たちが10%の利息。私のところにあったのはですね、70歳の女性でした。その子の親がわりに、孫がかわって返しているということでね、返すまで18年かかる。私はそこまで生きていられるかどうか。88になっちゃいますからね。心配だと。引き続き返してはいきますけども、どうなっちゃっているんだろうということが1つありました。
 それから、若者です。今、非正規雇用がたくさんになってしまいましたから、非正規雇用同士が結婚するというのは、そう珍しいことではなくなっちゃったんですよね。実は僕は750万ほどある。いや、私も。2人合わせて1,500万。返したくても返せない。結婚というとね、バラ色の人生というかね、みんなで祝福されていくんですけど、出発時点で1,500万の負債を抱えているということはね、バラ色どころじゃないですよね。マイホームはもちろん、子どもを産むことさえということですよね。いろんな市の相談の中でも、あるいは税金の滞納なんかでもそうだと思います。なぜ税金を滞納しちゃうのか、国民健康保険を滞納しちゃうのかというふうに思ったらね、実はこの奨学金の返済が大変なんだと。本当に大変だと思いますよ、利息からどんどんいって、元金はちっとも減らないという仕掛けになっていますからね。
 そこで、こういう相談もありました。実は自分が連帯保証人になったつもりはない。日本学生支援機構からアンケートという形で書類が送られてくるんですね。私のところに──そのおじさんに当たるそうですけれども、私の家に訪ねてきました。遠く九州にいる人なんですけれども、嶋崎さん、これ、判こを押しちゃったら、私がかわって返さなきゃなりませんよね、この書類はと。こういうことでした。確かにそうです。ですから、法的な判断が必要でしたから、弁護士さんのほうに連絡して、そしてしかるべき対応。そうすると、あんまりやるとですね、めいが勝手に自分押しちゃったということにもなるから、大変慎重にやらなきゃいけない。そのことも含めて弁護士さんと相談して、日本学生支援機構とやったらいかがですかというふうにしました。ぜひですね、教育委員会でそういったことの相談というか、そういうことも受けられるような体制というのはできないものなんでしょうかね。例えば教育総合相談室って、今、なっていましたっけ。そこなどでいかがでしょうか。


◯教育長(高部明夫君)  奨学金の滞納状況というのは非常に深刻だというふうには受けとめております。33万人、870億を超える負債ということでございます。支援機構自体のですね、運営方法もあろうかと思います。そういったいろんな御相談についてはですね、なかなか義務教育を卒業されますと、直接教育委員会というのはなかなか難しいかもしれませんけれども、やはり困窮対策、福祉的な視点も含めてですね、市長部局と連携しながら、そういう御相談があれば対応していきたいというふうに考えております。


◯15番(嶋崎英治君)  それはそうですね。市長のほうに直接質問していませんから、教育ということの観点の中から、今回の質問にとどめています。可能な限り、市長部局との連携の中で相談をやっていただければというふうに思うんです。教育の機会均等と言いながらね、実は均等じゃないという感じを受けているわけですよ。それは何かといえば、国立大学に仮に受かったとしても、初年度納付金というのが82万円ぐらいになるのかな。たしかね。それで次年度から54万くらいということですから、私が学生時代のときには、たしか国立大学では月1,200円だったというような気がするんですね。それで私は夜間大学ですから、日本育英会から3,000円、で、月謝と言われているものが6,000円でしたから、本当に助かりましたよ。三鷹市役所に就職して、全額すぐ返しました。しかし、今は利子つきのということですからね、しかも、初年度に八十何万円納めるというのは、年収200万、300万の人たちが多い中で、これ、どうしようもないですよね。だから、自分で育英会の利子つきを借りて大学に行くと、こういう事態だというふうに思います。ですから、お金があろうがなかろうがですね、そうした、何というんでしょうか、勉強できるということは、これからの日本をしょって立つ皆さんですから、大切なことだと思います。
 教育委員長になられた方がね、国のほうのそういう機関にもいらっしゃるから、そういったことも含めてですね、三鷹には国際基督教大学ほか幾つかの大学があって、今度は杏林大学病院も三鷹に来るということで、そこに住まわれる若者たちがそういう事態というのは本当に大変なことだと思いますから、国のほうにさらにですね、早期に給付型、そして利子の引き下げ、あるいは廃止ですね。いうようなことで何らかの機会を通じて教育長にも奮闘していただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。


◯教育長(高部明夫君)  広く若者のですね、人材育成ということで、そういった経済的な状況によらない人材発掘、人材育成が必要ですので、教育的な観点からもですね、機会を捉えてそういった奨学金制度の見直しについて発言をしていきたいというふうに考えます。


◯15番(嶋崎英治君)  ピースサイクルなどの要望ということで、ことしから課長との懇談がなくなった。これは、この団体に限らず原則として全ての団体とそうだということなんですが、何が起こるということかわかりませんから、やっぱりそうしたことに敏感になり、何とか平和をどんどん、どんどん実現していきたいということで、市民グループ、あるいは運動をしている人たちと懇談をすることによって学ぶことがたくさんあると思うんですよ。書面でたくさんいただいて、そしてその書面を通しながら意見交換をするということが三鷹市における平和施策の推進に関する条例、略称平和条例の積極的な平和施策ということにもかなうんではないかと思うんですけれども、もう、そういうふうに線引きしちゃって、ことしは何らかの理由で忙しかったんでこうだったということであるならまだわかるんですけど、本当にもうやめちゃうんですか、そういう市民との懇談というのは。


◯市長(清原慶子さん)  例えば私、連合三多摩の皆さんと多様にわたる要望書を受けるときなどは、ちょっと本当に時間、なかなか難しいんですが、割いてお話をさせていただき、その中に防災や子ども、そして平和のお話が入ることもあります。質問議員さんは1つの団体のことを例にとられましたが、原則として私もですね、なるべく公正・公平に対応したいことから、原則としては、なかなか公務多用なので、いろいろな団体全てにお会いすることはできません。また、担当者も同様です。ですから、1つ今回こういうことがあったということで、全ての団体と意見交換しないのかというふうに、オール・オア・ナッシングではありません。できる限り調整をしてきております。ただ、私も身一つでございますし、何か市長と会えないとですね、もう全然三鷹市はだめな市だっていうふうに、そういうふうにどうぞ判断されず、できる限りアンケートにお答えしたりですね、要望書にお答えしたり、それは最大限、少し時間的余裕をいただいてさせていただいております。
 平和を希求する団体も多々ございます。その全てに市長も会えないし、全てに対応できないことがありますけれども、それは幅広い活動をさせていただいているということを鑑みて、一定の御理解はいただきたいというふうに思います。ですから、できる限りのことはこれまでも努力しておりますし、しかし、私も職員も全ての団体の皆様と一定時間濃密な議論をするのには時間的制約もある。その中の一定のあらわれが、今回、質問議員さんが支援されている団体とあったということだというふうに認識していただければと思います。


◯15番(嶋崎英治君)  市長は重々忙しいというのは承知しています。だから、市長に会えとか言っていることではなくて、担当課長との懇談──お互いに学ぶことがたくさんあると思うんですね。そういう事情だということがわかりました。ぜひそういう機会をいろんな形でつくっていただきながら、三鷹市における平和施策がですね、前に出る、進むというふうにしていただきたいと、このように思います。
 最後に、市民の会の皆さんと協働で行う平和事業、5月の憲法記念集会や8月、あるいは平和行動なんかもそうですね。その最終的には市長の判断と、それはそうだとは思います。ただ、参加する市民の皆さんから提案されたことでないことということが仮にあるとするとね、それは、一体市民の会って何なんだろうというふうになってしまうし、その場合には、やっぱりもう一回、その会の皆さんと協議しながら決めていく必要があると思いますので、そうしていただきたいというふうに思います。これは答弁は結構です。
 70周年記念事業、70年という節目、そして被爆者も戦争体験者も亡くなっていってしまう。戦争の悲惨さ──誰がどのように戦争を始めてきたのか、そして戦争をなくしたらどうしていくのかということでも、70周年記念事業は市民の皆さんと一緒になって、ある意味では不戦の誓いとして事業を実施していく必要があるだろうというふうに思いますので、ぜひ前向きに御検討していただきたいということを申し上げて、私の質問を終わります。
 以上です。


◯議長(伊藤俊明君)  以上で嶋崎英治君の質問を終わります。
    ──────────────────────────────────────


◯議長(伊藤俊明君)  次の通告者、17番 半田伸明君、登壇願います。
                〔17番 半田伸明君 登壇〕


◯17番(半田伸明君)  指定管理者制度について質問いたします。
 12月議会で数多くの指定管理者の再指定の議案が想定されるところでございます。その前の時点でですね、指定管理者制度を経費削減の観点から、より積極的に非公募のものを公募に切りかえるべきとの観点から、改めて指定管理者制度を現状どのように捉えていらっしゃるのかについて何点か質問をいたします。
 質問1、民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律、いわゆるPFI法は平成11年に制定されて、幾度の改正を経て現在に至っております。公共施設を民間が建設をして民間が管理をするという発想は、公が有するであろう施設の新規保有及び維持管理コストを減らすのに意味があったと考えます。この法律ができた背景及び同法が果たしてきた役割をどのように捉えていらっしゃるでしょうか。
 質問の2、かつて地方自治法上、公の施設の管理委託先は公共団体と公共的団体、地方公共団体の出資法人に限られておりましたが、指定管理者の導入により民間の営利法人も含めた法人、その他の団体にも広げられました。この改正は平成15年に実施をされました。PFI法制定から4年後です。この法律改正の狙いは、当時の議論等から推察すると、行政のスリム化と効率的、効果的な公の施設の管理だったことがうかがえます。施設の維持管理コストを減らす視点から、PFI法の後に指定管理者制度が地方自治法上導入されたことは大きな意味があったと考えております。PFI法制定から指定管理者制度導入までの一連の流れ、どのように捉えていらっしゃるでしょうか。
 質問の3、かつて東台保育園、指定管理者制度がまだ導入される前なんですが、施設の管理は公がやるが、運営は民間がやるという方式が編み出されました。民間企業では全国初だったと聞いているところでございます。このような方式が編み出されたのはどういう背景があったのでしょうか。
 質問の4、PFI法から東台保育園のような公設民営という手法を経て、指定管理者制度の導入という流れを今、改めて振り返ってみた場合に、国、そして三鷹市はどういう方向性をもって公の施設の管理を考えてきたと言えるのでしょうか。
 質問の5、指定管理者は平成15年の導入なわけですが、この制度、当時の総務省通知によりますと、経費の節減を図ることは目的の1つとしてあるわけです。公募によって指定管理者を決めた施設管理においては、経費節減効果はあったと考えていらっしゃるでしょうか。制度導入時点から現在に至るまでの経費節減額累計は幾らぐらいとお考えになっていらっしゃるでしょうか。ただし、この間、給与引き下げ等のものがもしある場合は、その分を除いた数字を教えていただければと思います。
 質問の6、先ほど述べましたように、平成15年の指定管理者制度の導入により民間も公の施設の管理委託先となれることになったわけですが、公と民で経費節減の競争ができる環境になったのに、三鷹市は競争がない非公募のケースが大半です。非公募による場合は、やはり例外と考えるべきではないでしょうか。それぞれの施設の性質にもよろうかと思いますが、現時点で非公募のケースでは、今後どのように経費の節減を見込んでいらっしゃるのでしょうか。
 質問の7、現状では学童保育所の一部で指定管理者制度による公募が活用をされておりますが、大多数は非公募のままということです。学童保育所は一つ一つの規模が小規模ですので、公募を活用しても目をみはる効果が期待できないとしても、現時点でですね、わかる範囲で1つ平均でどの程度の節減効果があったのでしょうか。また、指定管理者を公募する場合と非公募の場合との区分、どのような基準で区分けをされていらっしゃるのでしょうか。
 以上7点の質問になります。御答弁のほどよろしくお願いいたします。
                〔市長 清原慶子さん 登壇〕


◯市長(清原慶子さん)  それでは、私からはいただきました御質問の1点目、PFI法の背景、役割の捉え方について答弁をいたします。
 三鷹市の基本構想では、自治体経営の基本的な考え方において、行政の役割転換について記載しています。そこでは、行政の主な役割として、市民満足度の向上の観点から、積極的な民間活力の活用などを図るとともに、市は、主体性と責任を持って今までの直接的なサービス提供中心のあり方から、総合的なコーディネート機能を重視したあり方へ転換していくことを掲げております。こうしたことから、いわゆるPFI方式については、民間の資金や民間活力の活用の観点から、いわゆるバリュー・フォー・マネー、自治体ですから、バリュー・フォー・タックスと言ったほうがいいかもしれませんが、その最大化を目的に、支払いに対して最も価値の高いサービスを供給する仕組みの1つとして認識しております。そして、事業ごとにその適用の可能性について検討をしてきた経緯がございます。
 その他個別の御質問につきましては、担当より答弁をいたさせます。


◯企画部長・都市再生担当部長(河野康之君)  補足答弁をいたします。
 まず、2点目のPFI法から指定管理者制度導入の捉え方ですが、御案内のとおりPFIと指定管理者はそれぞれ趣旨、目的の違う別の制度です。PFI法は専ら施設整備を中心とした民間活力導入の仕組みであると言えますが、施設整備後の管理運営においては、なお地方自治法上の制約がありました。こうしたため、公の施設の管理において民間能力をさらに活用することを主な目的として指定管理者制度が続けて整備されたものとして理解しているところでございます。
 次に、東台保育園公設民営化の背景ですが、平成13年の東台保育園の公設民営化は、市立アニメーション美術館の設置とともに公民連携の取り組みの先駆けとなったところでございます。まず、市民が求める保育サービスの質を確保した上で、さらに民間ノウハウを公共サービスの向上に生かす観点から、施設整備や委託方法をトータルに検討しておりまして、その中で規制緩和された制度運用について当時の厚生省と協議を重ねた結果、全国で初の株式会社への保育園委託モデルとして実現したものでございます。
 次に、国及び三鷹市の公の施設の管理のあり方についてでございますが、サービス提供のあり方と一体のものというふうに考えております。施設という資源をですね、活用した公共的なサービスの提供によりまして、市民の皆様の満足度の向上を図ることが上位の政策目的であると考えております。
 PFIや指定管理者制度や民間委託などさまざまな選択と組み合わせが可能でございますので、そうした中でどの事業スキームが最も適しているか、バリュー・フォー・マネーの最大化を図ることができるのかという視点で、きめ細かく施設の管理を検討、運営しているところでございます。


◯総務部長・危機管理担当部長(馬男木賢一君)  私からは、市長の答弁に補足しまして、2点お答えいたします。
 まず、指定管理者を公募で決定した施設における経費節減効果についてでございます。
 本市におきましては、指定管理者制度を導入している施設で非公募から公募に切りかえましたのは学童保育所のみでございます。御質問にあったとおりでございまして、公募で決定いたしました学童保育所の節減効果でございますけれども、児童数の比較等ございますので、変更等がございますので、単純比較はできませんが、試算では5施設で年間約800万円、1施設当たり160万円程度と。それから、これまでの累計としては約5,000万円程度の効果があったのではないかと推計しておりまして、その意味では経費節減効果はあったと考えております。
 次に、現時点におきます非公募のケースで、今後どのような経費の節減が見込まれるかという御質問にお答えいたします。
 まず、指定管理者制度でございますけども、評価を実施する中で、非公募の施設の指定管理者に、例えば経営改善に関する計画等の提出を求めるなどの取り組みを行ってございます。また、公共施設総点検運動の中で、例えば非公募の施設であるコミュニティ・センター、あるいは芸文センターにおいて、平成23年度に調査を行いまして、その結果を平成24年度に反映するといった施設管理にかかわる経費の節減を図ったところでもございます。このように非公募の施設におきましても、指定管理者と連携を図りまして、経費の節減を図る取り組みを今後も継続していきたいと、かように考えてございます。


◯子ども政策部長(竹内冨士夫君)  私からは、市長の答弁に補足をいたしまして、最後の御質問、学童保育所の指定管理者公募の削減効果と公募、非公募の基準についてお答えをいたします。
 学童保育所の指定管理者公募によります経費の節減効果につきましては、繰り返しになりますけれども、5施設で年間約800万円程度、1施設で約160万円という効果があったと推計しているところでございます。また、公募、非公募の基準でございますが、学童保育所の運営につきましては、三鷹市子育て支援ビジョンにおきまして、指定管理者による管理運営を行っていくこととしておりまして、待機児の解消、障がいのある児童の入所の拡充、小1プロブレムの軽減・解消、小・中一貫教育校の学園内での連携、地域子どもクラブとの連携を推進するため、公募等による選定を進めていくこととしています。今回はこうした考え方に加えまして、各施設の整備予定や地域性、立地条件等を踏まえまして、公募する施設を学園単位で1学園選定をしたところでございます。
 以上です。


◯17番(半田伸明君)  御答弁ありがとうございました。学童保育所の一部を公募にしたことによってですね、発生した経費節減額のメリットの数字はわかりました。そんな感じなのかなとは思いました。
 一方ですね、非公募によるケースで、部長から御答弁ございました経営改善計画をですね、求めるだとか、現実的にはさまざまな御苦労があるわけですよね。そういったところで対応している、実際には削減できたという事例もあれば、そうでない事例もあるわけですね。非公募による指定管理先で経費削減がですね、進んでいない事例ということで、3月の予算審査のときにですね、例えば社会福祉事業団の話だったり、これ、民生費のときの質問だったので、副市長は覚えていらっしゃるかと思うんですが、どんぐり山の話だったりとか、いろいろ例を挙げてやらせていただきましたですよね。そういったことを考えた場合ですね、先ほど経営改善計画の話もございましたが、やはりですね、納得できるようなですね、基準まで行ってないというケースの場合、現実的にですね、指定管理先をかえるという選択肢っていうのはあり得るんでしょうか。そこをお聞かせいただきたいと思います。


◯副市長(津端 修君)  お答えをいたします。理論的にはかえることは可能だと思います。しかしながらですね、いろんな施設がですね、指定管理の多くはですね、今言ったような福祉施設、学童であり、あるいは老人福祉施設ですね。こうしたものはいわゆる人が相手なんですね。そうしますとですね、なかなか現実的にはですね、簡単に、きょうですね、決断して26年からかえるというようなのはなかなか難しいと。そこで、各指定管理者と協議をする中でですね、よりよい経営改善を目指しながら、運営手法等をですね、協議しながら改善を図っていくというのが今の現実でございます。
 それからですね、もう一つ、先ほどの部長の答弁に追加しますけども、学童を初めですね、あるいは他の施設もですね、一気に指定管理に持っていけるかといいますとですね、現実的にはそこには就労している職員がいるわけでございます。そうしたこともですね、慎重に配慮しながら指定管理の拡大を図っていかなきゃなりませんので、単に経費の節減だけをもってですね、一気にそういうふうな取り組みをすることっていうのは非常に難しいと、このように考えております。


◯17番(半田伸明君)  それがまさに現実の壁だろうと思うんですね。そのことはよくわかります。実際には人件費単価を切り下げるか、そういったことを現実的に考えなきゃいけない。ところが、市のほうも、なかなかお財布はやっぱり現実は厳しい状況が今後も続いていく。どこかで大きな決断を迫られる場面が多分来るのではないかと思います。
 それと、指定管理先のですね、議案のときに何度も我が会派が指摘をさせていただいていることで、ちょっと現実的なお話になるんですが、非公募による指定管理先でですね、実質的な代表者が、例えば副市長だったり、市のOBのいわゆる天下りと言われてもいいようなケースも現実にはありますね。コミセンとか、言い出したら切りがありませんが、指定をする者とされる者がともに市の関係者ということになるのであれば、選定過程のあり方の問題をやはりもう一度ここで議論しておく必要があろうかと思います。競争性を確保できないのは、これは無理もない話ではないでしょうか。競争性を確保することと同じぐらいの効果を現実的には発生させている。いや、実は人件費の部分があって、なかなか厳しい部分がある。いろいろお考えはあろうかと思いますが、少なくとも平成15年7月のですね、総務省通知のことを考えますと、経費削減のことが目的の1つとしてあるわけですから、ここでいま一度確認しておきたいのはですね、こういった現象が法の趣旨に反するのではないかという疑問があるわけです。この点について、改めてお答えをいただきたいと思います。


◯副市長(津端 修君)  今、天下りっていうお言葉をお使いになったんですけれども、私どもはそのようには考えておりません。まずそれを申し上げておきます。
 それからですね、指定管理を受けて団体にOBがですね、行っているのも、これも事実でございますが、OBがですね、そこについている目的というのもですね、単に指定管理の選考の競争性だけで行っているわけではございません。各団体のですね、運営について、そのOBの方が職員のとき培ってきたノウハウあるいは知識をですね、遺憾なく発揮していただくということでですね、それを超えた有益な効果があるというふうに判断して私どもはそうした対応をとっているわけでございまして、また、指定管理の選考に当たっても、OBがいるからっていうことでですね、それを意識してですね、手を緩めたり、あるいは特段のですね、判断をしたりということはございませんので、今、御指摘のようなことは当たらないというふうに考えています。


◯17番(半田伸明君)  先ほど非公募の場合の相手先でですね、経営改善計画の話がございました。学童保育所の場合ですね、800万という話がございましたですね。それは今、こうやって質問骨子を書いてですね、こうやって御答弁いただいた。非公募の場合、施設ごとにですね、この施設は幾ら経費削減効果があった、経営改善効果があったということが、現実として把握していらっしゃるでしょうか。で、それが一覧性のあるものとして市民に情報公開をされていらっしゃるでしょうか。


◯総務部長・危機管理担当部長(馬男木賢一君)  個々の施設におきます経費削減効果、評価委員会の中で一定の書類を提出することになってございます。書類の中で必要な経費についてございますので、そういった点で、前年度との比較、あるいは公募、非公募との比較という形ではなく、前年度の比較という形で把握はしております。ただ、それについての詳細な情報の提供については、現時点では行っておりません。総括的にホームページ等で御報告はしております。


◯17番(半田伸明君)  といいますのはね、指定管理者の指定もしくは再指定の議案のときの議案審査参考資料とか、実際の指定管理者制度に関しての市のホームページのあり方とかを考えた場合ですね、まず言えることは、今回は9月ですから決算委員会がありますけれども、予算執行実績報告書とかを見ますとね、以前は直営だったわけですから、かなり細かく数字出てくるわけですよね。電気代が幾ら、人件費が幾ら、植木の剪定が幾らだとか、いろいろ出てくるわけです。ところが、現実的にはですね、指定管理で指定してしまうと、指定管理料としか出ないんですね。で、指定管理料の中身がどういう中身で構成されてこの金額になったのかというのが、議案審査参考資料とかに現実にはなかなか出てこないっていう現実がありますね。私はこの点は大変問題だと思っておりまして、指定管理料になった後と指定管理料になる前の直営の時代との比較というのは、公募、非公募を問わず、やはり一定の情報公開をしてしかるべきではないかと考えます。この点についてお考えをお聞かせいただきたいと思います。


◯総務部長・危機管理担当部長(馬男木賢一君)  議案参考資料ということでお話になりましたけれども、私どもも平成22年以降、かなり資料については提出させていただいております。例えば指定管理の指定に当たりましては、指定期間における評価シートを委員会等に付託されました場合には御報告をさせていただいておりますし、また、平成24年度の12月の議案提案に際しましては、市長からの提案理由について明確にその理由を示しておるところでございます。このような一定の努力をさせていただいておりますことが1つ。それから、指定管理料の詳細につきましては、他の団体、要するに指定管理者側の事情といったもの、それから、例えば先ほどの学童保育所の件で言いますと、児童数の増減、あるいは施設整備、そういった点で大変細かな前提が違ってくるケースもございます。こういったところを勘案しながら、全体として情報提供について行っていきたいとは考えてございます。


◯17番(半田伸明君)  予算段階では、それは確かに他者のやりとりとかあろうかと思いますが、決算については、ここは決算議会なので、もうこれ以上は言いませんけど、終わったものについて指定管理料の中身は幾らだったというのは、これ、当然、情報を公開して当たり前だと思います。先ほど非公募のところで経営改善計画の話もございました。実際に経営改善計画でどれぐらい改善が見込まれたのか、どれぐらい市の財政支出がですね、減ったのかというその寄与した部分についても、実際にはなかなか情報公開がされていないという部分があります。12月のですね、議案、数多く出されるんでしょうが、ぜひそこの点は御留意をいただきたいということとあわせまして、指定管理者制度の現状については、直営時代との比較も含めまして、より一層見える化を推進していただきたい。市のホームページの充実を図っていただきたいことを申し上げまして、質問を終わります。


◯議長(伊藤俊明君)  以上で半田伸明君の質問を終わります。
    ──────────────────────────────────────


◯議長(伊藤俊明君)  次の通告者、16番 野村羊子さん、登壇願います。
                〔16番 野村羊子さん 登壇〕


◯16番(野村羊子さん)  おはようございます。今回、私の一般質問は、子どもの健やかな育ちを支えるまちづくりについてです。
 (1)、就学前の子どもの暮らしを支える施策について。
 ことしの春は、保育園待機児童について、さまざまな新聞報道がされました。そこで明らかになったのは、待機児童の基準が自治体によって異なること、保護者と行政での待機の受けとめ方が違うことでした。保護者の異議申し立ては、認可保育園に入園できなかったからです。しかし、待機児童数は国の基準では、認可保育園に入園を希望しながら入園できていない児童数から、保育室、保育ママ、家庭的保育事業、認証保育所、幼稚園預かりなどのケースを差し引いて算出します。単に認可保育園に入園できないだけでは、待機児童とカウントされないのです。しかし、保護者にとっては、認可保育園に入るのとそれ以外の保育施設に通うのでは、園庭などの保育施設、設備、保育料等が大きく違ってきます。たとえ認証保育所に入園できても、3歳児クラスになるときには新たな保育園探しと入園手続が必要になり、子どもの生活を一変せざるを得ない事態が近い将来、また起こります。
 一方で、横浜市では、待機ゼロ達成を発表しました。この数字は国基準の待機児童数から、さらに育児休業中や自宅で求職中のケース数を除いたものです。横浜市の待機児童解消への取り組みは、財政措置を含めさまざまな工夫によって達成されたもので、評価できる点は多々ありますが、本来、職場復帰しようと計画していた時期に復職できなかった保護者にとっては、納得のできない部分もあるのではないかと思います。異議申し立てを受けた杉並区は、子どもを預けられないため、やむを得ずやめた場合、あるいは育児休業を延長した場合、待機児童に含めて対応策を講じると報道されています。これらさまざまな自治体の取り組みやその報道などの状況を受け、この間、待機児童解消に取り組んできた三鷹市の現状と今後に向けての取り組みをお伺いいたします。
 ア、三鷹市における保育事情について。
 質問1、就学前の子どもを預かる施設について、市内には認可保育園、認証保育所、家庭的保育や無認可保育所、さらには幼稚園、幼稚園類似施設などがあります。三鷹市内の各施設数と定数、利用者数をまずお伺いします。
 質問2、市内のこれらの保育施設についての保護者への情報提供はどのようになされているでしょうか。
 質問3、これらのいわゆる保育サービスの提供は、保護者のニーズを満たしているのでしょうか。マッチングできているのでしょうか。これらについてどのような把握をしているのか、御所見をお伺いいたします。
 イ 保育の質の担保について。
 質問4、保育園待機児童問題は、当初、数の問題として報じられましたが、基準緩和によって保育定数をふやすことに対して異議申し立てした保護者らは、保育面積や保育者数の切り下げには反対し、保育の質の維持・確保を望むとの報道もなされました。三鷹市でも定員の弾力的運用等がなされていますが、質の確保のための取り組みについて、どのようなことに取り組んできたのかについてお伺いいたします。
 質問5、幼稚園の延長預かり保育は、保護者のニーズに合わせ、各園の自主的な判断で行われている現状だと認識しております。実施状況について市は具体的に把握しているのでしょうか。
 質問6、幼稚園においても、子どもが長時間施設にいる延長預かり保育では、子どもの健やかな育ちを支える養育が適切になされる必要があります。幼稚園教育要綱で定めた留意事項について、私立幼稚園において留意されているのかのチェックを行っているのでしょうか。このチェックの権限はどこにあるのでしょうか、お伺いいたします。
 ウ、保育園待機児童解消について。
 質問7、横浜市保育コンシェルジュは、保育を希望する保護者にマン・ツー・マンで情報提供し、適切な保育施設入所を支援する働きをしたと聞いています。三鷹市でもさまざまな情報の中から保護者のニーズに対応すると同時に、子どもの育ちを支える適切な保育サービスを選ぶ必要があり、きめ細かな相談体制が必要だと考えます。今後、さまざまな状況のもと、保育を必要とする子どもたちの健やかな育ちを支えていくための相談体制のあり方について、市長の御所見をお伺いします。
 次に、(2)、HPV、ヒトパピローマウイルスワクチン、いわゆる子宮頸がんワクチンへの対応についてお伺いします。
 HPVワクチンは子宮頸がん予防と言われていますが、実際には予防効果が期待されているだけで、予防することが証明されてはいないことが、厚生労働省の説明文にも、またワクチンの添付文書──製造元が医薬品等に添付する文書で、副作用・ふぐあい、あるいは回収、そして審査報告などの警告、使用上の注意といった安全性情報を中心に、品目、仕様も含め、その他重要事項を記載した文書、この添付文書にも予防することが証明されていないということが明記されています。
 このHPVワクチンは、ことし4月に定期接種となったものの、多くの副反応報告等により、6月14日の厚生労働省厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会において、積極的勧奨を中止するとの判断がなされました。当日、私は、厚生労働省でこの検討部会を傍聴いたしました。副反応について因果関係がわからないけれども、体中の痛みが続く症状の報告が何例もある。これについて国民に納得のいく説明ができない。だから、調査・検討が済むまで積極的なお勧めはしないようにしよう。しかし、一方、法定接種から外すと被害補償が半減されてしまうので、定期接種のままにしておこうというような議論がなされていました。
 そこでお伺いいたします。
 ア、積極的勧奨中止を受けて、市での対応について。
 質問8、現在、厚生労働省への副反応報告には、三鷹市内の副反応被害報告はあるのでしょうか。
 質問9、当該の年齢の子どもたちへの情報提供と周知について、どのような対応をしたのでしょうか。
 質問10、医師会との連携、情報交換についてはどのような対応をしたのでしょうか。具体的には接種状況の実数、ワクチンの添付文書などによる副反応被害の内容確認、疑わしき事例の有無の確認等の情報交換をしているでしょうか。それぞれについて具体的にお答えください。
 次に、この接種の対象年齢が主に中学生ですので、イ、学校現場での対応についてお伺いします。
 質問11、文部科学省の子宮頸がん予防ワクチンの接種に関連した欠席等の状況調査の結果について、どのような結果だったのかをお伺いします。
 質問12、担任や養護教諭に対して、ワクチン接種後の副反応被害の情報提供をしているでしょうか。どのような情報提供をしているのかについてお伺いします。
 ウ、HPVワクチンとその被害対策の今後の対応についてお伺いいたします。
 質問13、HPVワクチンの副反応は遅延性があり、まだ明確に定義づけられていない面もあり、痛みやしびれ、倦怠感など、それと知らずに我慢している生徒たちが多いと見られます。重篤な、例えばけいれん発作を起こすとか、手足の不随意運動がおさまらないとか、麻痺で動けなくなるなどが報道されていますが、軽度のさまざまな症状が見過ごされていると考えられます。保健センター、医療機関、学校等での相談対応が適切になされるよう、副反応被害の丁寧な情報提供が必要であると考えますが、今後の取り組みについて市長の御所見をお伺いします。
 質問14、子宮頸がんは大腸がんと同様に、検診で見つけることが可能な数少ないがんの1つです。検診受診率が諸外国に比べて著しく低い状況について、医師会と協力するなどして改善策の検討をすべきだと考えますが、御所見をお伺いします。
 質問15、子宮頸がん検診において、従来の細胞診に加えてHPV検査を併用する自治体が出てきました。確実性を期すために、細胞診に加えてHPV検査を併用すべきであると考えますが、今後の対応について市長の御所見をお伺いします。
 以上で壇上での質問を終わります。自席での再質問を留保いたします。御答弁よろしくお願いいたします。
                〔市長 清原慶子さん 登壇〕


◯市長(清原慶子さん)  それでは、質問の2点目、子育て支援施設について保護者にどのように情報提供しているかという御質問から順次答弁いたします。
 認可保育所や幼稚園など公的補助が入っている施設の保護者に対する情報提供は、ニーズの高い募集の時期を中心に、市内各施設で入園案内を配布したり、子育てねっとに掲載し、インターネット等でも情報を入手できるように行っています。このほか、毎年、市役所1階で実施しております子育てインフォメーションや子ども家庭支援センター、保育園の地域開放事業、出前ひろば事業などでも適宜情報を提供しています。広報での、あるいはホームページでの情報提供は言うまでもありません。
 それでは、保護者のニーズへのマッチングについてはどうかという3点目の御質問にお答えいたします。
 保護者のニーズを満たしているかについては、この間、保育ニーズに応えるべく最大限努力してまいりましたが、待機児童がいまだいる中では、新定義で除外できる認可外保育施設入所者の方など、必ずしも希望の保育施設に預けられているとは言えない場合もございます。マッチングにつきましては、年間を通しての入所受け付け相談や子ども家庭支援センターなどの養育相談の中で御希望を丁寧にお聞きし、できる限りのマッチングを図っています。
 次に、質問の4点目、定員弾力化と質の確保についてお答えいたします。
 今後も平成22年度から開始いたしました既存の公立保育園の運用定員の弾力化につきましては、私立保育園等との役割分担、共存を尊重しつつ取り組んでまいります。その中でも、私たちは、常に保育の質を確保しつつ量的な拡充を図らなければならない。そのような思いで取り組んでおりますので、現行の面積基準と保育士の配置基準を遵守いたしまして、保育の質のガイドラインを共有し、内容としての保育の質をしっかりと確保した上で推進していきたいと進めているところでございます。
 御質問の7点目、三鷹市の今後の適切な施設入所支援の相談体制についてお答えいたします。
 三鷹市においては、待機児童対策としてだけではなく、在宅子育て支援と施設保育支援の取り組みの中で、地域の全ての子育て家庭に対する支援のための相談事業として、子ども家庭支援センターを中心とした三鷹市子ども家庭支援ネットワークの連携によりまして、養育困難を抱える要支援家庭を中心とした相談体制を構築してまいりました。質問議員さんがこのたび挙げられました事例は、施設保育入所希望者の待機児童対策に特化した相談体制のあり方、充実についてでございますが、三鷹市といたしましては、喫緊の課題である待機児童対策としての入所相談ももちろん大切でございますけれども、要保護児童対策や母子保健、発達相談を含む在宅子育て支援をきちんと念頭に置いた子育て支援のための相談が重要であると考えています。
 三鷹市では相談体制を担う人材育成として、ファミリー・サポート・センターの援助会員を養成講座等で研修して、子育てサポーターの認定をしております。現在は出前型親子ひろばの公立保育園職員に帯同して、相談事業等の補佐をしていただいています。今後は、質問議員さんが問題提起されましたような利用者支援への活用も選択肢の1つと考えています。なお、この事柄については、国の子ども・子育て支援新制度において、こうした相談体制の充実が掲げられておりますので、そのような背景も認識していきたいと思っています。そのほか退職保育士の活躍やNPO法人の活躍もお願いしたい、このようにも検討しているところです。
 以上のように、これまでの総合的な三鷹市の子育て支援の相談体制の取り組みを踏まえまして、他の自治体の事例も学びながら、妊娠期から出産後の在宅子育てを経て施設保育へスムーズに移行するための支援を、多様な主体の参画と協働の場である子ども家庭支援ネットワークの連携によりまして進めていくことが望ましいと考えております。今、新制度の地域子ども・子育て事業がどのようなあり方で実践すべきかを、国の子ども・子育て会議でも議論が行われておりますので、この新しい取り組みを活用して行っていきたいと考えているところです。
 続きまして、HPVワクチン、いわゆる子宮頸がんワクチンへの対応について、私から3点お答えします。
 1点目、御質問の8番目ですが、三鷹市内の副反応被害の有無でございますが、現時点では三鷹市内での副反応の報告はありませんけれども、私といたしましても、副反応が存在しているということ、そしてそれが議論されているということについては極めて注視をしておりまして、現状の認識を正確にすることを進めております。とりわけ、質問10にもいただきました医師会との連携、情報交換については、市長、担当副市長、担当者が緊密な連携や情報交換を他の乳幼児等に対する予防接種と同様に医師会と行っています。実際の接種状況につきましては、医師会から月ごとに報告を受けております。また、予診票と一緒に送付する副反応についても記載されている説明書の内容は、医師会としっかり協議の上、作成をしております。また、万一の際の報告方法等については、協力医療機関全てに文書で送付しているところです。
 最後に、今後の取り組みについてお答えします。厚生労働省では、今後早急に調査すべきとされたHPVワクチン副反応症例について、可能な限り調査を実施した時点で速やかに専門家による評価を行い、積極的な勧奨の再開の是非を改めて判断する予定と承知しています。三鷹市では新たな情報を入手次第、随時ホームページ等で情報提供をいたします。また、総合保健センターでは、市民の健康に関するあらゆる相談の窓口として対応しております。そして、必要に応じて関係機関につないでおります。
 なお、東京都市長会では、今年度、まず、私も所属しております厚生部会でこのHPVワクチンについて熱心に協議いたしまして、7月に、ヒトパピローマウイルス感染症の定期接種に関する要請書を厚生労働省に提出することを決定し、去る8月30日に、厚生労働大臣宛てに東京都市長会として、この副反応への対応等を含めたあり方について要請書を提出いたしました。
 以上で私の答弁を終わりますが、その他につきまして担当より補足をいたさせます。


◯教育委員会事務局教育部長・調整担当部長(山口忠嗣君)  私から子宮頸がん予防ワクチンの接種に関連いたしました欠席等の状況調査の結果を御報告申し上げたいと思います。
 この調査は、去る6月11日付で東京都を通じまして文部科学省から依頼のあったものでございます。調査の結果、7つの全中学校で対象者はおりませんでした。
 次に、担任や養護教諭等への主な副反応についての情報提供でございますけれども、今回、調査の中でも副反応の具体的な例を示した上で、調査を依頼しているところでございます。また、この調査と同時期に、厚生労働省からの勧告通知を全小・中学校に情報提供いたしまして、現在、子宮頸がん予防ワクチンの接種を積極的に勧めていないことの情報提供も行っているところでございます。
 さらに、この通知の際にですね、厚生労働省が作成をいたしましたリーフレット、あるいはQアンドAを添付いたしまして、副反応への報告頻度などの情報も提供しているところでございます。
 次にですね、学校での相談対応でございますけれども、こちら、今回の学校への調査依頼の中でも、該当者には医療機関等への受診または相談を勧めるよう明示をされているところでございますが、引き続き適切な情報提供に努めてまいりたいと思います。
 以上でございます。


◯子ども政策部調整担当部長(宮崎 望君)  市長の答弁に補足をさせていただきます。
 三鷹市内の就学前の子どもを預かる施設についてでございます。平成25年4月1日現在、三鷹市内には認可保育所が31園、そのうち公立19園、私立12園でございます。東京都認証保育所が14園、家庭的保育が7施設、無認可保育施設が10園、幼稚園が16園、幼稚園類似施設が1施設など79施設がございます。
 各施設の三鷹市民の利用者数でございますが、認可保育所が定員2,498人に対し2,485人、東京都認証保育所が定員462人に対し377人、家庭的保育が定員33人に対し27人、幼稚園等が定員3,580人に対し2,725人となっています。なお、無認可保育施設の利用者については、正確な数字を把握しておりませんが、200人弱と推計しております。
 以上でございます。


◯子ども政策部長(竹内冨士夫君)  市長の答弁に補足をいたしまして、私のほうからは私立幼稚園の預かり保育についてお答えをいたします。
 まず、私立幼稚園における預かり保育の実施状況でございますが、毎年5月1日を基準日とした幼稚園の現況調査におきまして、実施状況を把握をしているところでございます。市内私立幼稚園では、16園中、15園で預かり保育を実施をしております。24年度の利用状況といたしましては、実施15園における1日の平均利用者数は326名となっております。
 もう一点、幼稚園の預かり保育における保育内容のチェック権限についてお答えをいたします。
 幼稚園における預かり保育は、幼稚園教育要領におきまして、教育課程に係る教育時間終了後等に行う教育活動に位置づけられております。幼稚園教育の基本を踏まえて実施することとされているところでございます。三鷹市内の幼稚園は全て私立でございまして、各園の教育方針にのっとって預かり保育をですね、実施をしているところでございまして、私立学校の建学の精神を重んじるという法の規定からですね、所轄庁である東京都にもチェック権限はございませんが、利用者とのかかわりの中で検証がなされているものと考えております。
 以上です。


◯健康福祉部長(木住野一信君)  市長の答弁に補足をさせていただきまして、子宮頸がんワクチンの対応について、3点ほどお答えをさしていただきます。
 まず、当該の年齢の子どもたちへの情報提供と周知ということでございます。今年度より定期、法定の予防接種に位置づけられたことからですね、5月2日に中学1年生の女子737名に対してですね、御本人と保護者宛てにですね、接種の勧奨通知を送付いたしました。しかし、6月14日付の厚生労働省勧告によって、定期接種に位置づけられたまま、積極的勧奨を差し控えるという措置になったためにですね、6月19日付に再度、三鷹市長名で737名の保護者宛てに接種を積極的に勧めていない旨の通知と厚生労働省のワクチンの有効性とリスクに関するリーフレット等をお送りさせていただきました。
 続きまして、検診の受診率の改善策ということで御質問をいただきました。
 厚生労働省が実施するがん検診推進事業を活用したですね、無料クーポン券事業が今年度、5年間の事業でございまして、終了する予定でございます。ただしですね、この個別の勧奨については、効果があることからですね、個別勧奨通知のですね、継続を含め、現在、三鷹市と医師会で取り組んでおります健康診査、がん検診等のあり方検討会の中で、受診率向上に向けたですね、方策についても協議してまいっておるところでございます。
 続きまして、ヒトパピローマウイルス検査の併用について御質問いただきました。
 ヒトパピローマウイルス検査についてはですね、今年度、厚生労働省でヒトパピローマ検査検証事業を実施しております。これは、最近、罹患率が高くなっております30歳代の方の中の30歳、35歳、40歳の方を対象に、ヒトパピローマ検査と細胞診を併用して一部の市町村において実施をしまして、その効果や全国的に導入する場合の方法と課題を調査検証するものでございます。三鷹市ではこの結果を踏まえてですね、医師会と協議をし、検討してまいりたいと思います。
 以上でございます。


◯16番(野村羊子さん)  御答弁ありがとうございました。それでは、保育のほうから再質問をさしていただきます。
 保育については、今までも三鷹市は待機児童解消に向けてさまざまな取り組みを行ってきた。本当に努力をしてきた部分は評価できる部分かなりあるというふうに思っています。しかしながらですね、今、この少子化の時代の中で、10年後、20年後を見据えた整備のあり方というふうなことが検討されているのかどうかということが、1つは、本当に私立の認可保育園がふえていく中で、20年後に一体どうなるのかというふうなこと、そのときに保育というものが、公はどれだけ支えられているのかというふうなことが、という懸念が残ると私は思っているのですが、その点について何か御所見があればお願いしたい。
 それと、保育の質の担保について、今、面積あるいは配置基準についてはしっかり堅持しながらというふうな答弁いただきました。現実に今回、定数の弾力的運用によってゼロ歳児をなくした保育園では、最終的に保育士の定数全体としてはマイナス1になったと思います。保育園運営について、ゼロ歳と1、2歳というふうな子どもたちの対応は違いますけれども、保育園全体として正規の保育者が減るということは、全体にとって何らかの影響は与えていないんでしょうか。この間、この4月からの運営状況を見て、その辺についてどういうふうに把握しているのか、確認さしていただければと思います。
 それから、この間、あわせて有資格者の保育士の不足が言われています。三鷹市の場合、きちっと定数の有資格者の保育士がきちっと各園いるのだというふうに思いますが、その辺の把握、特に認証保育所などにおいて、きちっとした保育士が配置されているのか。実際にその労働条件が十分でないために、保育の資格を取っても、保育士にならずに、その専門性を生かさずに違う仕事につかれるという方も多い。これは、過去、看護師についても起こっていた出来事ですし、介護士についても同様の問題が今までも起こってきました。こういうことについて、今後、保育士が安心して質のいい保育、自己研さんを積みながら、あるいは職場研修を積みながら質を維持した保育ができるような体制、有資格者の保育士を確保しながらそのような体制をとっていくことができるのかどうか、その点について、保育の質と全体像について、もう一度お伺いしたいと思います。


◯市長(清原慶子さん)  いただいた質問のうち、1点目の10年後、20年後のあり方をどう見据えているかという御質問に私からお答えいたします。
 子ども・子育て支援というのは、御指摘のとおり、長期的な視点を持って臨んでいかなければならないということから、国においてもそのような視点でこれまでも次世代育成の推進に関して計画をつくり、対応するようにというふうに都道府県あるいは市町村に法定で計画をつくるよう促してきたところです。現時点、次世代育成支援推進法から新しい子ども・子育て支援3法等に基づくですね、対応をする意味で、今年度、ニーズ調査を行うことともしております。それらを踏まえるとともに、新しい制度への移行の中で想定されている新しい地域型の子育て支援のサービスなども、先ほどの御質問にありました相談事業等も含めてございますので、それらをよく見据えてですね、しっかりとした計画をつくっていかなければならないというふうに認識をしております。ただ、20年後というところまで考えているかどうかと言われるとですね、これについては丁寧に慎重にしていきたいと思っています。
 三鷹市としては、現行の子ども・子育て支援ビジョンで、これは私が責任を持ってまとめたものですが、保育の質を確保していく上でも、公立保育園をゼロにはしないというふうに考えておりますので、公立保育園、公設民営保育園、民設民営保育園、そしてその他の地域型の多様な、保育ママさんを含めた小規模保育等も参入を考えながら、しかし、それぞれの調整の中でも、やはり現時点ではですよ、現時点では公立保育園をゼロにするというようなことは考えずに、進めていきたいと考えております。ただ、待機児ということについていえば、三鷹市は努力をしてきたおかげさまで、合計特殊出生率もふえてきているわけですから、少子化に対する対応を進めていく中で、一定程度、現行のですね、子育て支援施設にそんなに早い段階であきが出るというようなこともないのではないかなと思っておりますので、繰り返しになりますが、長期的視野を持ちつつ、適正なニーズ調査のデータを踏まえながら計画をしっかりつくっていきたいと考えております。


◯16番(野村羊子さん)  ありがとうございます。市長の言葉、本当にきちっと公で支えていくんだという思いがね、感じられるものでしたので、そこは本当に今後もぜひ堅持していただければと思います。
 保育士について、後でまたあれば別途お答えいただきたいと思いますが、次の幼稚園の預かり保育について、ちょっと確認をさせていただきたいんですけれども、今、東京都にもチェック権限がないというふうなことが言われました。確かに私立の教育、どのような教育を行うかはその学校に任されているものではありますけれども、就学前の子どもたちの暮らしを支える、成長を支援するという観点からいえば、本当に何のチェックもしない状態というのが大丈夫なのかどうか。これについては、今後、どのように移行していくかというふうなことがありますけれども、やはり幼稚園教育要綱でもね、子どもの心身の負担に配慮するとか、生活のリズムを踏まえつつ教師の責任と指導のもとに行うというふうなことがあります。教育というよりは、6時間、8時間いる場合に、やはり養育という視点でしっかりと子どもを支えるということが必要ではないかと思うんですね。この辺について、幼稚園ではどのような研修と研究等をしているかというふうな、そういうことについては把握しているでしょうか。
 横浜市ではね、幼稚園の預かり保育について、1日4時間以上、月12日以上の就労要件を定めて、要するに保育園待機児対策の一環として位置づけているというふうなことがあります。三鷹市についてはそのようなことではないというふうに今の答弁聞きましたけども、やはり子どもたちの暮らしを支えるという点で、チェックができないのであれば、どのような形で実施しているのかの聞き取り等、そういうことで確認をしていくってことができないのかというふうなことについてお伺いしたいと思います。


◯子ども政策部長(竹内冨士夫君)  お答えをいたします。先ほど法的な権限の観点からお答えをしましたが、日ごろから市の所管といたしまして幼稚園協会等とは情報提供、それから、情報交換に園長会等を通してですね、行っておりまして、先ほどの現況調査にもありますように、私どものほうではそういった現況調査、それから、園長会等を通して一定の状況把握をしているところでございまして、権限等はありませんけれども、預かり保育等で助言を求められれば積極的に協力をしていきたいというふうに思っておりますし、また、今後、子ども・子育て支援新制度の移行後は、幼稚園の預かり保育もですね、地域子ども・子育て支援事業の1つとして実施をされる場合もございますので、その際は、実施体制について三鷹市が定める一定の基準に基づき実施される場合もございますので、そういった今後の動き等を十分見据え、しっかり情報を収集をいきたいというふうに思います。


◯子ども政策部調整担当部長(宮崎 望君)  再質問にお答えいたします。質の確保という意味でですね、保育士の確保ということで、昨年度もですね、ゼロ歳児保育を2園で廃止をして、1、2歳児ということで、数としてはそこの保育に当たる数がですね、減ったりしていることはございますが、そこはですね、保育士の活躍の場がいろいろありまして、あとは定年退職していく保育士もおります。そういったところでしっかりとですね、体制を確保するということで、そういった有効活用を図っているところでございます。
 あと、有資格者の保育士の確保という意味ではですね、特に現在、議論されているのは、保育士の処遇改善ということが議論になっておりまして、今年度も補助金でですね、処遇改善の動きがございますので、そういったところにも手を挙げております。今後もですね、そういった保育士がですね、魅力ある仕事としてですね、いけるように、こちらのほうでもですね、支援をしていきたいと思っています。
 あと、研修制度につきましても、公立保育園、非常にですね、豊富な園内研修でありますとか、そういったものを持っておりまして、あとはそういった研修の際にもですね、市内の保育施設にも呼びかけて研修を実施しております。そういった保育のガイドラインというのを持っておりますので、全市的にですね、施設保育につきましては、公立保育園を中心とした指導体制でですね、質の確保をしていきたいというふうに考えております。
 以上でございます。


◯16番(野村羊子さん)  保育士がマイナスになったことによる影響ということ、直接の言及はありませんでしたが、なかったというふうな理解でいいんでしょうか。
 それで、最後に、保育関係の最後ですね。相談体制、全体の中で養育についての支援が必要な家庭への相談をしっかり充実させていくというふうな中で、さらには在宅から施設入所へをスムーズにというふうなお言葉がありました。本当に3歳児以降、今、4、5歳であれば、ほとんどがどこかの施設に通うというふうなのが現状です。在宅、実際の数でいえば、ほとんど全員、99%、98%くらいがどこかに通っている状況がある。そのときに、本当にそれぞれの親が、あるいは子どもの適性、あるいは必要に応じた保育、あるいは保育施設に入所できるのかどうかっていう、本当に幅広い情報提供と個別の適切な対応っていうのがね、子ども家庭支援センターだけでは不十分だろうと思います。
 今、いろいろ、ファミリー・サポート・センターの子育てサポーターとか、NPOとか、退職保育士とかっていうふうになりましたけれども、そういう人たちをきちっとした保育の相談を受ける人だということを位置づけて、それについてこの人たちが受けられるんだというふうなことの情報提供そのものが保護者に対してなされるのかどうか。こういう相談が受けられますよということを、あるいはこういうところで声かけてもらえば大丈夫ですよというふうなことの情報提供について、1つお伺いしたいと思います。


◯子ども政策部調整担当部長(宮崎 望君)  保育のですね、マッチングに関してですね、情報提供ということでございました。特にですね、3歳児以降はほとんどどこかの施設に入るというようなことがあります。今、いろんな情報提供はさせていただいておりますが、例えば子育てねっとの中で、幼稚園も含めて、いろんな施設の内容についても説明させていただいておりますが、まずはですね、今現在ある子育て支援の拠点であります子ども育成課を含めて、各子ども家庭支援センターとか市内の施設、あとは保育園もですね、現在、地域の拠点として相談事業も行っております。そういった中でもですね、しっかりと市内のですね、保育施設の内容について説明ができるような体制をですね、今後も充実させていきたいと思っております。
 以上でございます。


◯16番(野村羊子さん)  新制度に移行した場合にですね、本当に多様な保育の中で保護者が適切に選んでいかなければいけないといったときに、きちっと案内人となれるようなね、相談体制をぜひつくっていただければと思います。
 それでは、HPVワクチンについて質問したいと思います。
 今回、本当に4月に定期接種になって、6月に積極的勧奨を中止するというふうなことで、本当に大変な対応を迫られましたけれども、これについては、告知の対応っていうのは三鷹市は非常に早かったと思います。それについては大変評価できると思います。三多摩地域30市町村の調査があるんですけれども、個別通知をしてない自治体も結構ある中で、三鷹市はそうやって2回、しかも、6月14日の出された翌週ですね、すぐに6月19日っていうのは、武蔵野、国分寺と同時にですね、大変早い情報提供だったと思います。的確な情報をきちっと提供するっていう意味では、三鷹市の対応は評価できるなというふうに思っています。ただですね、ホームページへの掲載が、厚生労働省への資料へのリンクだけなんですね。これ、携帯端末とかの方では、PDFダウンロードっていうのは結構大変だったりする場合がありまして、ぜひですね、その文書を直接ホームページに張りつけて、そこへアクセスしたら見られるような形にしていただきたいんです。ちょっとこれについては1点、検討していただきたいと思います。幾つもの自治体ではそういう形で、しかも、厚生労働省の案内のようにですね、赤字を使ったりとか、太文字使ったりして強調したりして、わかりやすく掲載しているところが結構幾つもありますので、それについては、ちょっと、ぜひ検討いただきたいと思います。これ、後で答弁ください。
 それで、このワクチンについてですね、今、現状認識をどういうふうにね、していくのか、的確な情報っていうふうにありましたけども、4月28日の参議院の予算委員会で議員が質問をして、厚生労働省の局長の答弁でね、子宮頸がんっていうのは、HPVというのは併用検診でほぼ100%発見されて、適切な治療でおおむね100%治癒するものだと。だから、ワクチン接種しなくても、全ての人が子宮頸がんにかからないで済むんだというような答弁をしています。時間がないので細かくは言いませんけども、これをちゃんと把握しているでしょうか。これについて、きちっとした情報提供をできているのかどうか。
 実際にね、HPV16型、18型の2つにしか対応してませんけれども、これは、子宮頸がんに感染した人は5割から7割感染者がいるっていいますが、正常な女性は9割以下、16型、18型合わせて0.7%しか感染していないんですね。そのようなものに対して、実際には発症している、発症が増加している20代、30代の検診、これは検診クーポンが、でも、これも今年度で終わってしまう。そういうような検診体制、あるいは実際に死亡している50代、60代の方の検診体制、早期発見ですね。そういうような体制が先にとられるべきではないかというふうに私は思っています。2,700人もの方が亡くなっていると言っていますけれども、実際に亡くなっているのは50代、60代、そして80代なんです。その方々、50代、60代の方々が死なないようにするには、20代、30代、40代できちっと検診しなくちゃいけない。その辺について検診体制、しっかりとしていく必要があると思いますが、三鷹市として、単に厚生労働省のを待っているのではなくて、積極的にその辺について考える必要があると思いますが、これについて答弁をお願いいたします。


◯市長(清原慶子さん)  このHPVワクチンについては、かねてより市議会でも、ぜひこれは導入すべきであると。しかも、有効なことであるという御議論もあったようにですね、近年大変重要視されてきたワクチンの1つです。しかも、国が法定接種にするというふうにしたわけですから、私たちとしては、法定接種であれば、しっかり一般財源からこの費用を捻出しなければならないということで、真剣に担当者は議論し、調査し、国の情報を入手しておりますので、この国会で議論していることなども担当者初め市長も副市長もよくよく了解しております。法定接種の重みというのは本当に大きなことです。予算を確保しなければいけませんし、薬剤、ワクチンを確保しなければいけませんし、医師会の御協力もいただかなければなりません。それこそ真剣に取り組んでまいりました。あわせて検診についても、先ほど担当部長が答えましたように、それについては、今、国もしっかり実証をされているようですから、この結果を待ちながら、医師会とも連携しながら取り組んでいきたいと思います。
 その際重要なのは、やはり今回、国の方針が変わりましたことからですね、市町村本当に困惑をしました。ですから、法定接種の重み、そしてその責任を市町村が果たしやすくしていただかなければならないので、これについてはしっかりとですね、三鷹市のみならず市町村が連携して国に求めていくとともに、財源についてもですね、ゆとりがある中でいろいろな併用な検査等できればいいんですが、やはり私たちにとって優先順位もございますので、その他のがん検診等との兼ね合い、それから、市民の皆様にどのぐらい御負担いただくことでそれをお願いできるのか、そんなことを熱心にですね、緻密に検討していきたいと考えている段階です。


◯健康福祉部長(木住野一信君)  何点か御質問ありましたので、その部分をお答えをさせていただきます。
 まず、ホームページの関係のリンクの関係でございます。これにつきましては、御指摘をいただきましたので、早急にですね、ホームページの中で一定程度の情報がですね、見られるようにさしていただければというふうに思います。
 それから、検診体制の関係でございます。質問の15でもございましたとおり、まだまだヒトパピローマ検査につきましてはですね、国のほうも検診を、これでいいんだという方向性はまだ出ておりませんので、このような、今回行われます検証事業等を踏まえてですね、医師会とも連携をしながらですね、取り組みをしていきたいというふうに考えております。
 以上でございます。


◯16番(野村羊子さん)  わかりました。本当にこの子宮頸がんワクチンについて、予防するものだということで、ある意味で大キャンペーンが張られたというふうに思います。私も十分な勉強が足りなかったなというふうに思いますけれども、実際に被害を受けた少女たちが、8月23日に厚生労働大臣に要望書を提出して、記者会見に直接臨んだということがあります。本当に大変な状況の中、被害がきちっと救済されない事態があるということもあります。自治体としてきっちりと、これ、自治事務でもあるわけで、法定受託事務ではなくてね、市の責任としてしっかりと対応し、被害がどのようなことかっていうのもしっかりと担当者含めて、今後も研究、勉強していただいて対応していただければと思います。よろしくお願いします。


◯議長(伊藤俊明君)  以上で野村羊子さんの質問を終わります。
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◯議長(伊藤俊明君)  この際、しばらく休憩いたします。
               午前11時54分 休憩



               午後0時59分 再開
◯議長(伊藤俊明君)  それでは、休憩前に引き続き、会議を再開いたします。
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◯議長(伊藤俊明君)  市政に関する一般質問を続けます。
 次の通告者、7番 渥美典尚君、登壇願います。
                〔7番 渥美典尚君 登壇〕


◯7番(渥美典尚君)  議長より御指名をいただきましたので、通告に従い市政に関する一般質問をさせていただきます。よろしくお願いいたします。
 小学生のころ、テレビで映画を見るのが好きでした。見たい映画がある晩はその映画が終わるまで起きており、いつもよりちょっとだけ寝るのが遅くなりました。まだビデオデッキが家庭に普及する前のことです。中学生のころは、高額な1本立てのロードショーはなかなか見に行けず、三鷹のオスカーや文化劇場、吉祥寺の武蔵野劇場などの3本立て上映の映画館に通い、朝から夕方まで映画館にいたことがあります。まだレンタルビデオ屋ができる前の話です。当時は洋画ばかり見ていました。サンフランシスコやシカゴといった大きなまちなかで繰り広げられるカーチェイス、ニューヨークのまちやセントラルパークを闊歩するハリウッドスター、ビバリーヒルズの優雅なまち並み、映画の中から見知らぬまちの様子を知り、こんなところに行ってみたいものだなと憧れたものです。
 時がたち、洋画の中で舞台になったまちでは、撮影の際、そこの自治体が大々的に協力していることがあると知りました。積極的に撮影に協力し、そのまちのPRに活用しているというのです。まちの中の広大なエリアを立入禁止にし、警察までもが観衆や交通を整理し協力をする様子は、それまでに見かけた都内でのロケとは大きく様子が異なり、日本ではなかなかできないことではないかと当時は思ったものです。かつてのニューヨーク市長が、ロケ誘致を大きな施策に取り入れたということを聞いたときも、アメリカ的で先進的だなと感じました。当時の日本のロケ地では、何となくの協力が地域や行政によってとられていたのではないかと思います。
 さらに時がたち、フィルムコミッションという言葉を知りました。フィルムコミッションは、アメリカでは1940年代に既に発足していたとのことですが、日本では2000年代になってから大阪で発足したとされています。ちなみにフィルムコミッションの日本での先駆けと言われているものは、1980年代に制作された尾道三部作と呼ばれる「転校生」、「時をかける少女」、「さびしんぼう」を大林宣彦監督が広島県尾道市で撮影した際のこととされていす。このおかげで尾道市は、知名度は全国的なものとなり、観光客が劇的に増加したということです。
 昨今、各地においてフィルムコミッション事業の開始、また、フィルムコミッション的事業の担当部署の設立が相次いでおります。その数は全国で200以上に上るものと思われます。それらは多くの場合、自治体部署の一部の部門であったり、観光協会の中につくられたりしており、フィルムコミッションとしての専門の部や課を設けるということはまれだということです。フィルムコミッションの目的は、地元地域の魅力を市の内外に広く知らしめ、それらを見た多くの方々に、住みたいまち、住み続けたいまち、訪れてみたいまちとして思っていただくための事業であると考えます。また、それにより商業、工業、農業等の振興に寄与し、いわゆるまちの活性化にも役立たせることのでき得る事業であると考えます。三鷹市では来月10月中をめどに、フィルムコミッションを始めるということであります。この事業は、今後、三鷹市でも積極的に推進していく施策であると考えております。
 1点目の質問です。フィルムコミッション設置、事業の開始に当たっては、どの自治体においてもその目的に大きな相違はないと考えるところでありますが、三鷹市がフィルムコミッションに取り組むことに決めた三鷹市なりの理由、目的をまずお聞かせください。
 フィルムコミッションを実施している自治体は、その自治体規模の違いなどもあり、一概に比較はできません。村や町、島嶼などの小さなまちから政令市のような大きなまちまでありますが、それらそれぞれの自治体がみずから備え持つロケ資源やノウハウを駆使してフィルムコミッション事業を行っております。それら多くの先陣であるフィルムコミッションを研究することで、よりよい三鷹のフィルムコミッションがつくり上げられることと考えます。
 2点目の質問です。三鷹市が手本にする、参考にするべきと考えるフィルムコミッション事業はどこのものであり、どのようなものであるか、御所見をお聞かせください。
 今日に至るまでにおいても、三鷹市内におけるロケは多々見かけております。昨年の11月ごろには、三鷹駅前郵便局の前で俳優の松重 豊さんが、テレビドラマ「孤独のグルメ」の撮影をしているのを見かけたところです。時期が前のことであれば、市の協力支援がまだないころのものもあるかと思いますが、ここ最近であれば、フィルムコミッション事業の先鋒として行ったものもあるのではないかと思います。
 3点目、4点目の質問です。フィルムコミッション事業の一環として、市で協力したロケの内容や件数など実績があればお聞かせください。また、それら実績に対する自己評価はいかがお考えか、御所見をお聞かせください。
 かつて三鷹市公会堂では、ドリフの「全員集合」などの公開放送や収録が頻繁に行われていました。多くの観衆を集めて行われるテレビ番組などの公開放送も一種のフィルムコミッションではなかったかと考えるところであります。自治体のみが所有するような建物や施設を活用しなくてはならないことは、ドラマや映画のロケにおいても当たり前のことと考えます。このように考えると、公会堂や体育館、グラウンドなどを快く貸し出すことがフィルムコミッションの推進には不可欠であると考えます。
 5点目の質問です。市の持つ公共施設、例えば公会堂、体育館、グラウンド、コミュニティ・センター、地区公会堂、市庁舎、公園、図書館、学校等々をロケ用に提供することについての御所見をお聞かせください。
 協働によるまちづくりを推進する三鷹市は、他市と比べても高度な協働事業が行われております。フィルムコミッションを推進し円滑に事業を行うに当たっては、殊さらに市民や事業者の協力が欠かせないものであると考えます。もちろん今までも市では、ロケや取材の協力をする際には市民の協力を仰いできたことと思います。
 6点目の質問です。今までの時点での取材、ロケにおける市民の協力の様子をどのように評価されておりますでしょうか、御所見をお聞かせください。
 フィルムコミッションに当たり、その撮影にエキストラが必要になる場合があります。最近ではアイドルグループのミュージックビデオの撮影に約4,000人ものファンや市民が動員されたという福岡市の例も耳に入っているところです。このようにロケ地で多くのエキストラが必要になる状況は多々あるとのことで、フィルムコミッションにおいては重要な部分となるのではないかと思っております。
 7点目の質問です。フィルムコミッションにおいて、他の自治体の多くが採用しているエキストラ登録制度について、市ではどのような御所見をお持ちでしょうか。
 先ほど市が持つ施設をロケ地として提供する際の御所見をお聞きしたところでありますが、三鷹市内の民間の土地や施設を貸してほしいという要望も多く出てくることと考えます。市の施設であれば、事前に貸し出し基準等を設け、それに準じた貸し出しを行えばよいかと思いますが、民間ではそのような基準を定めていることはほとんどあり得ないでしょうし、また、オーナー側は、発生するメリットやデメリットに関して考えが及びつかない状況で貸し出し交渉をしなくてはならないのではないかと考えます。
 8点目の質問です。ロケ地として貸し出し基準等の取り決めが特にはない民間の場所においてロケをする場合、撮影する側と貸し出す民間側とのパイプ役をフィルムコミッションがしなくてはなりません。その際に留意する特筆すべき点はどのようなものであるか御所見をお聞かせください。
 現在、みたか都市観光協会にフィルムコミッションに関する事項を一任するとしていますが、所属する職員数を考えると手薄ではないかと考えます。ロケ隊の規模はさまざまでありますが、東京都産業労働局観光部が組織する東京ロケーションボックスのマニュアルによりますと、映画の場合、人員は60〜80人、車両が10台以上になることがあり、テレビドラマの場合は、人員が40〜50人、車両が10台程度とされています。もちろんタレントとスタッフ数人のごく小規模で撮影することもあるようですが、ロケの規模は相当な大きさになる場合があるということです。ということは、フィルムコミッション側の職員はロケ業務に習熟した人が必要でしょうし、ロケ隊の規模に合わせて人数も必要になるものと考えます。また、フィルムコミッションにおいて重要なことは、依頼が来たロケを受諾し、うまく実施するのはもちろんのことですが、それ以上に、ロケを誘致することが重要だとされています。単に依頼が来たものをさばけばいいだけなら、フィルムコミッションの常設窓口は必要はなく、積極的な誘致活動や働きかけといった実効的な活動を行うとすることが重要であるからこそ、常時対応できる部署が必要なのではないかと考えます。
 8点目の質問です。フィルムコミッションの実施に当たり、みたか都市観光協会への人員の増強や市による支援体制の明確化が必要であると考えますが、御所見をお聞かせください。
 以上で壇上での質問を終わらせていただきます。なお、御答弁によりましては自席での質問を留保いたします。ありがとうございました。
                〔市長 清原慶子さん 登壇〕


◯市長(清原慶子さん)  それでは、ただいまいただきました三鷹市におけるフィルムコミッションに関する御質問に順次お答えいたします。
 1点目、フィルムコミッションに取り組むべき理由と目的です。
 現在、アナログからデジタルの時代へとの移行しておりまして、今では写真であれ、また映像であれ、実はフィルムそのものを使うことは日常生活ではほとんどなくなっているのではないでしょうか。しかしながら、映像メディアの元祖、映画に敬意を表して、あえてフィルムコミッションと呼んでいることから、私たちは改めまして映像の持つ力を見直し、評価し、そしてそれを三鷹市の新しい発信、あるいは価値の創造と共有に向けて生かそうと考えてきました。
 三鷹市は、太宰 治を初め近代の文学者たちが作品を生み出した文学のまちですし、野川流域など自然豊かな風景が残っています。また、三鷹の森ジブリ美術館を有するアニメーション拠点など、さまざまな、いわゆる観光資源があります。また、先ごろ三鷹市初の無形文化財と認定されました野崎の八幡様の薬師のだんごまきの風俗など、私たちにとっては継承していただいたさまざまな文化が、外側から見ると魅力あり、価値があるということは多々あると思います。こうした文化の資源、観光の資源を市内外に広く情報発信し、都市型観光を推進するとともに、市民の皆様の郷土愛の醸成を図ることが望まれています。そのプロセスで、映画やドラマなどで撮影された映像の力というのは、三鷹のPRや、いわゆるシティーセールスの役割を担うことが期待されます。そこでフィルムコミッションをNPO法人みたか都市観光協会との協働により、協会内に今年度中に設置することを決定したわけでございます。
 そこで、2点目に、参考とするべき自治体のフィルムコミッションはどういうところかという御質問をいただきました。
 実は最近、姉妹市でありますたつの市でも、いわゆる2時間ドラマ、連続2週間というですね、これはサスペンスでございますので、殺人事件も起こるわけでございますから、なかなか三鷹市でいきなり殺人事件というのはどうかなと思いましたが、例えばたつの市さんではそのような取り組みも積極的に行っています。また、友好市であります岩手県遠野市でも多くの映画を誘致して、発信をしています。しかし、三鷹市の状況はどうかと考えますと、これらの地域と違いまして、いわゆる制作会社が集まっている都心に近いわけでございます。そこで、ロケが宿泊を伴うことは考えづらい立地にあります。むしろ多摩地域の自治体のフィルムコミッションの取り組みが参考になるものと考えて研究をしてまいりました。
 現在、多摩地域には八王子市、立川市、武蔵野市、府中市、日野市、福生市、多摩市にフィルムコミッションがありますし、調布、国分寺、国立、稲城を加えて多摩地域フィルムコミッション連絡会が組織されております。そんなことから、私たちにとりましては、このような身近な自治体の取り組みを学ぶ中で、三鷹らしいフィルムコミッションのあり方を検討してまいりました。なお、三鷹市が出資しております味の素スタジアムでも、このところ、さまざまな映像メディアを声がけをしながら誘致し、そして映像の媒体の中に多く協力をしています。
 そこで御質問ですが、市で協力したロケの内容や件数等の実績をどのように認識し、それをどう評価しているかということでございます。
 今年度に入ってからも、みたか都市観光協会を含め制作会社からのお問い合わせは数件来ております。ただ、総件数としては把握できておりません。内容につきましては、さまざまな分野から問い合わせが来ております。これまで、例えば都立井の頭恩賜公園等々、また三鷹の公園や各種施設等を対象に、さまざまなロケ撮影の問い合わせを受けてまいりました。この週末も幾つか、いわゆるグルメとか、あるいは名所案内で三鷹市が登場しているのですが、それらが全て三鷹市の広報課やあるいは都市観光協会を経ない形で今までは撮影されてきた経過がございます。そこで、所属部署が異なることから、制作会社の立場に立ってみれば、三鷹市の市域で撮影をと思っていても、その問い合わせ先等がわかりにくかったということが推測され、そのことからもフィルムコミッション設置の必要性を改めて再認識しております。したがいまして、現在10月に予定しておりますが、フィルムコミッションを設置することによって、みたか都市観光協会と制作会社が準備段階で信頼関係の構築を図りつつありますので、そのことが結果として多くのドラマや映像作品への窓口としての信頼へとつながっていくものと考えております。
 そこで、御質問の5点目、公共施設のロケへの提供の考え方でございます。
 昨年放映されましたドラマでは鎌倉市役所が出てまいりましたし、多く市役所が撮影の現場になることもあります。しかしながら、市役所は本来、市民の皆様、あるいは市外から用向きがあって来られた皆様のサービスのためにあるわけですから、施設本来の使用目的への配慮は第一義的に重要です。その上で積極的に推進をしていきたいとも考えています。具体的な提供方法については、今後、庁内の関係部署で連携をとりながら検討をしてまいります。
 私からの最後の答弁でございますが、人員の増強や三鷹市による支援体制をどう考えるかという御質問でございます。
 実は今年度4月から、みたか都市観光協会に臨時職員を1名増員しております。それは御指摘のとおり、具体的にフィルムコミッションの設置を準備する段階でも、やはり制作会社あるいは関係者と調整をしていく必要性が生じているからでございます。また、ことしは国体も開催されますので、市外から訪れる方の御相談もふえております。また、ことしはジブリの映画も上映されておりますので、三鷹の森ジブリ美術館の御利用等も多いことから、やはりフィルムコミッション設置に向けての取り組みの1つとしてこのように臨時職員を増員したわけで、その効果はあらわれております。
 ただ、ここで私たちは考えておりますのは、公共施設の提供等につきましては、全庁的に連携をとりながら推進していきたいと考えておりますが、事業の性格上、具体的な対応には、職員のみならず市民のボランティアの皆様、あるいは有志の皆様の参加や連携が必要不可欠と考えております。規模に応じて対応するときには、柔軟にこうしたボランティアの皆様や有志の御活躍をいただきたいと思っております。また、いつでも御依頼があるわけではありませんので、恒常的な人員増については、やはりほかに人員を必要としている分野もございますので、バランスを持って判断をしていきたいと思っております。しかしながら、このフィルムコミッションの設立によって着実に実績が上がっていきましたら、質問議員さんがおっしゃいましたように、受けるだけではなくて積極的に誘致するあり方についても、それはそれで進んでいくものと考えております。最初から大規模にはできないという状況がございますけれども、先ほど申し上げましたフィルムコミッションの果たす機能というのは市民の皆様の誇りと愛着を増し、また、市外の皆様から三鷹市に対する評価や、あるいは来訪者をふやすというような効果もあることが期待されておりますので、丁寧に取り組みを進めてまいりたいと考えております。
 その他については担当より補足をいたさせます。


◯教育長(高部明夫君)  それでは、公共施設のロケ用への提供という御質問でございまして、市内の小・中学校施設を初めとした図書館、体育館等の教育施設をロケ用に提供することにつきましては、学校施設であればですね、授業などの教育活動や、あるいは児童・生徒の個人情報保護に支障を生じないよう配慮をすることは必要ですけれども、先ほど市長が申しましたように、フィルムコミッション設置の趣旨に基づきまして、それぞれの施設のですね、本来の利用目的を踏まえた一定のその基準、手続づくりは必要でしょうけれども、そういったことも含めて市長部局と連携をして積極的な検討をしていきたいというふうに考えております。


◯生活環境部調整担当部長(宇山正幸君)  市長の答弁に補足をいたします。
 まず、市民の協力への評価ということでございますが、これまでの例えば撮影時におきましては、必ずその撮影の場面のキーパーソンのような方が出てきていただいておりまして、いろんな方を巻き込む形で撮影等に協力を、個々にということですけれども、していただきましたことについて、やっぱり三鷹らしく市民の方が積極的にそういうことに参加するということについては、やはり誇りを持って評価したいというふうに考えております。今現在は個別の案件ごとに市民の方にお願いをするということでございますけれども、特に店舗等のPRにつながるロケの撮影については、積極的に働きかけをして御協力を現在もいただいているところでございます。
 次に、エキストラ登録制度に対する考え方でございます。ほかのフィルムコミッションは、主に市民の参加場面はエキストラというところが多いんですけれども、ここはまた三鷹らしさということで、エキストラだけにはとどまらず、観光事業、特にフィルムコミッションもそうですけれども、運営にまで市民ボランティアの募集を検討しております。市民ボランティアにはロケ時の立ち会い支援、エキストラ出演、イベント時の支援、フェースブック特派員、案内所運営支援等を担っていただきたいというふうに考えております。
 続きまして、撮影側と民間の施設のパイプ役として留意する点でございます。
 これは何と申しましても、制作会社に対して窓口は一本化されていることでございます。施設所有者との交渉、調整や撮影時の現場立ち会いなど、ワンストップで対応することが最も重要であるというふうに考えております。また、ロケ撮影に御協力いただいた方々に対しては、そのロケの二次利用の推進も重要であると考えています。撮影風景写真の掲示、出演者のサインや記念品の提供に関する交渉、ロケ地マップの作成など、ロケ撮影が行われたことを二次的に利用することでまちのにぎわい創出にもつながることから、みたか都市観光協会が担うフィルムコミッションがそのパイプ役を担っていただくものと考えております。
 以上でございます。


◯7番(渥美典尚君)  御答弁ありがとうございました。今回の件はこれからの事業ということですので、これから検討をすることも多々あるかと思います。私のきょうのこの質問が、新たなる課題やアイデアの投げかけになっていればいいのかなと思って質問をさせていただいたところでございます。
 三鷹市ではですね、このフィルムコミッション事業に当たって、調査をして、大変、こんな資料をつくられております。平成25年3月に報告されております観光振興に関する資源基礎調査報告書、これは外注にかけて専門の業者さんに頼んで調査していただいたものであるようなんですけども、これ、非常に読んでいるとおもしろい。また、三鷹の新たな発見、そんなものが多々書いてございます。特にですね、興味深く読んだのが、ほかの自治体でフィルムコミッションをやっているところのアンケート調査ですね、これの集計の部分が非常に興味深く読まさせていただいています。いい点、悪い点、特に悪い点がこれからやるに当たって課題として上がってくるであろうということは三鷹でも同じことだと思いますので、こちらはぜひよく参考にしていただいて、いいものをつくっていただければと思います。結構シビアなことが書いてありますね。都心より近いと、先ほど、宿泊とかお弁当などの経済効果にはつながらない。費用対効果について、目標について指標となるものがなく、成果を把握しづらい。ほかの業務兼務だと対応できません。それから、担当者について兼任では大変、覚悟が必要。そんなことが書いてあります。
 それから、ロケのやりたいという場所のリクエストが多いのが市庁舎とか学校というのがあるんですね。こんなこともですね、なかなかほかでは受け入れてくれてないからこそ、要望が多いのかなというところです。また、セットなどをつくるとしても大変なんで、つくられることが多いのかなと思います。
 それと、あと東京都でもですね、東京ロケーションボックスっていう組織を立ち上げていまして、施設管理者のためのロケ撮影対応マニュアルというのがつくられています。これにもメリット・デメリットが書いてありまして、大変デメリットのほうが参考になったなというのが私の感想です。撮影に使ってやっている、テレビに出してやっている、宣伝してやっているといった態度が見えてきてしまうという、依頼をしてきた側のよくない点なんかも正直に書いてあるのがこのマニュアルですので、ぜひ読んでいただきたいと思います。
 そして、この観光振興に関する資源調査報告書、三鷹市で出したものなんですけども、これ、私が請求していただいたものです。担当の例えば商工審ですとか総務委員会などには、こちらは提出されてなかったと思うんですけども、まずそのあたりのいきさつをお聞かせいただければと思います。


◯生活環境部調整担当部長(宇山正幸君)  質問にお答えをいたします。
 昨年度やった調査でございまして、これは東京都の緊急雇用を活用して行ったものでございます。主な目的は、現況調査、近隣も含めて全国87団体のフィルムコミッションの団体のアンケート調査等も行いましたけれども、そこの部分のデータを集めているというところでは、分析という意味では今年度、都市観光協会を中心にしていきながら、一定の結論を得た上でスタートを10月にしたいということの趣旨で、言うなればデータベースでしかないということでしたので、分析が終わった後御報告をしたいというふうに考えておりました。
 以上でございます。


◯7番(渥美典尚君)  ありがとうございました。今回、この件、先週の月曜日に通告いたしました。その後、その翌々日の水曜日の深夜にですね、NHKの1チャンネルで、再放送だったんで真夜中にやっていたんですけども、北九州市のフィルムコミッションの現場にお笑いタレントの方が1週間お手伝いしに行くという番組がちょうど放映されていたんですけども、ごらんになっている方いらっしゃいますでしょうか。これ、私もちょうどタイミングよく拝見させていただいたんですが、本当にフィルムコミッションを本気でやると厳しい事業なんだなというのを、この番組を見て感じました。内容としてはね、お笑いタレントの方がこのフィルムコミッション事業のほんの一部、表面だけにかかわったのかもしれませんけれども、それでも大変な事業なのかなというのは感じております。映画をつくるのをお手伝いするというよりも、一緒に映画をつくっていく。そのスタッフの一人としてフィルムコミッションの市の職員が入り込んでおりまして、それぐらいの熱意と情熱と時間をかけてやっている事業じゃないかと思ったところです。ですから、ぜひ、観光協会の担当の方にもですね、過度な負担にならないように、お手伝いをしていただく嘱託の職員、臨時職員というんでしょうか、入られたということなんで、さらに状況に応じては、三鷹市からの支援をお願いしたいと思っております。
 それとですね、ここのところ、テレビとか新聞にも取り上げられたんですけども、アニメの舞台になったまちが非常に話題になっております。茨城県大洗町、「ガールズ&パンツァー」というアニメがですね、この大洗町をそのまま生き写しにしたような背景、ロケーションでアニメをつくっておりまして、それこそ聖地巡礼というらしいんですけども、アニメファンが大洗に殺到しているということであります。このアニメで取り上げるということも三鷹市にとって非常に重要な部分だと思いますし、アニメのまちを標榜している三鷹市でもあります。また、ジブリなどのアニメ制作とも非常にかかわりのあるところなんですけども、アニメの舞台として三鷹市が画面に登場するシーンに関して、何かお考えになったことがあるのかなというところをお聞きしたいと思うんですが、御所見いかがでしょうか。


◯生活環境部調整担当部長(宇山正幸君)  御質問にお答えします。実は過去に、これ、2007年の公開でしたけれども、マッドハウスという杉並区にあるアニメーション会社がつくった「ピアノの森」っていうアニメーション映画がありまして、これが実は三鷹市の市内のところをかなり使っているということがございました。残念ながら聖地巡礼のずっと前の話ですので、そういう意味では、今でしたらということは言えるのかなというふうに思います。当然、議員御質問のとおり、アニメのまちでございますので、制作会社も多く立地しておりますし、いろんな事業に御協力をいただいている中で、そういうお願いも下心を持ちながらやっていきたいというふうに思っております。
 以上です。


◯7番(渥美典尚君)  ありがとうございます。ぜひ積極的にですね、お願いできればなと思っております。やはりね、ジブリとのかかわりというのは非常に大きい三鷹市であります。土星座でやるような映画もまだまだこれからつくるということですので、ぜひトップセールスでしていただいて、このようなことも実現するとすてきなのかなと思っておるところでございます。
 ぜひですね、この観光振興に関する資源基礎調査、これから分析としてやっていかれるというお話も出ました。ある意味バイブル的な調査資料になるのではないかと思うぐらいのよくできた資料だなと私、感じております。いいものに取り組んでいっていただければと思います。三鷹市でも、またここでロケやってるわみたいな感じで、市民がね、ロケになれたまちになるくらいに、活発に活用していただけるとすばらしいまちになるのかな。子どもたちにも、そして外部の市民の方々にもPRでき、三鷹に住みたい、三鷹に住み続けたい、三鷹に訪れてみたい、そんなまちづくりとしてこのフィルムコミッション事業、大変私、期待しておりますので、頑張っていっていただければと思います。
 以上で終わります。


◯議長(伊藤俊明君)  以上で渥美典尚君の質問を終わります。
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◯議長(伊藤俊明君)  次の通告者、8番 伊東光則君、登壇願います。
                〔8番 伊東光則君 登壇〕


◯8番(伊東光則君)  議長より御指名をいただきましたので、通告に従い市政に関する一般質問をさせていただきます。よろしくお願いいたします。
 三鷹市の市民にとって、三鷹市の歴史や文化、施設などを知ることは、郷土愛を育む点において非常に重要なことだと考えます。机上で資料等を読んだり、インターネット上の情報を検索することなどでも一定の満足感を得ることができると思いますが、実際にその場に行き、紙面や画面で表現されていない雰囲気、空気のようなものを五感で感じていただけることは、とても貴重なことだと思います。市内には三鷹市美術ギャラリー、三鷹市芸術文化センターを初めとする文化施設や大沢総合グラウンドを初めとする運動施設、三鷹市遺跡調査会展示場、出山横穴群を初めとする歴史関係施設、そのほかにも商業施設、医療施設等、市民にとって興味深いもの、行ってみたいところ、行かなければならないところが数多くあります。今回の一般質問では、市内の文化施設等に対する交通利便性についてお聞きいたします。
 まず初めに、市内文化施設等のソフト面での充実についてお聞きいたします。
 太宰治文学サロンや星と森と絵本の家などは、その施設に1回は行ってみたいと思われて訪れていただける方もいらっしゃると思いますが、再び訪れていただくにはそれなりの工夫が必要だと思います。イベントの開催や展示内容の工夫とその周知方法に工夫が必要だと思います。
 Qの1です。市内のさまざまな市内文化施設等をハード的に充実することは大切ですが、現状の施設を利活用してソフト面の充実をさせることが大変重要だと考えます。市長、教育長の御所見をお聞かせください。
 次に、小・中学生にとっての市内文化施設等の利活用についてお聞きいたします。
 市内には大沢の里や丸池の里では、地域の方々の御尽力で田植えという貴重な農業体験を経験できます。芸術文化センターや三鷹市公会堂、光のホールでは、演劇や音楽の鑑賞が可能です。クリーンプラザふじみ、三鷹警察署、三鷹消防署、JR三鷹駅、市庁舎なども社会科見学等に利活用できると思います。
 Qの2です。市長、教育長にお聞きいたします。
 小・中学校での利活用について。
 教育において市内のさまざまな施設の利活用は有効であると考えますが、現状と課題をお聞かせください。
 続いて、市外からの市内文化施設等の訪問手段についてお聞きいたします。
 三鷹市内では国際的にも知名度がある三鷹の森ジブリ美術館や、市外の訪問者も多いと思われる井の頭恩賜公園、国立天文台があります。隣接にはなりますが、味の素スタジアム、神代植物公園も多くの来場者がいらっしゃいます。その方々が三鷹市内のどこかもう一カ所訪れていただければ、三鷹市の知名度も上がり、商業振興にも結びつくのではないかと思います。
 Qの3です。市長にお聞きいたします。
 移動手段には、徒歩、バス、自転車、車、タクシーなどがありますが、その現状と課題をお聞きします。
 続きまして、バス網の利活用についてお聞きいたします。
 三鷹市民が三鷹市のさまざまな施設を利用するための利用交通手段としてバスが非常に有効であると考えます。既に多くの方が利用されています。しかし、まだバス網が充実しているとは言いがたい状況だと思います。特に子育て世帯や高齢者の方々にもっと自由に市内を行き来していただけるように、バス網の早期充実が必要だと考えます。
 Qの4です。市長にお聞きいたします。
 市内文化施設へのアクセスにかかわる既存路線の見直しを含めたバス網の利活用について、現状と課題をお聞かせください。
 最後は、自転車の利活用と安全対策についてお聞きいたします。
 自転車はとても利便性の高い移動手段だと思います。それゆえに、小さな子どもから高齢者の方まで多くの市民の方に利用されています。地球規模の問題となっている温室効果ガスの点からも、自然に優しく、運動が伴いますから健康面でも利点があると思います。しかし、利用状況を見ますと、安全安心の点で問題を感じることがあります。交通安全をしっかりと考えた利用を徹底する必要を感じます。
 Qの5です。市長、教育長にお聞きいたします。
 市内文化施設を利用するためのアクセス手段として自転車を利用される市民が多くいらっしゃいます。特に小・中学生や高齢者においては、事故を起こさない、事故に遭わない安全な利用について啓発活動がさらに必要ではないかと考えますが、現状と課題をお聞かせください。
 以上で壇上での質問を終わらせていただきます。なお、御答弁によりましては自席での再質問を留保させていただきます。ありがとうございました。
                〔市長 清原慶子さん 登壇〕


◯市長(清原慶子さん)  それでは、ただいまいただきました市内文化施設等に関する御質問に順次お答えいたします。
 まず御質問の1つ目、市内文化施設のソフト面の充実についてです。
 三鷹市では市内の文化施設を活用して、すぐれた芸術や文化を市内外の皆様に鑑賞していただく機会を提供しています。公益財団法人三鷹市芸術文化振興財団と連携して、芸術文化センター、公会堂、美術ギャラリー、山本有三記念館、井心亭、そして太宰治文学サロンにおいては、音楽や演劇、展覧会、文芸資料の展示、朗読会などさまざまな芸術文化事業を展開しています。事業の実施に当たりましては、それぞれの分野で専門の学芸員が、三鷹らしさ、三鷹ならではの企画・制作のために創意工夫をしてくれています。市内外からなるべく多くの皆様に来場していただけるよう、アイデアを出し合いながら企画立案をしています。企画展示の中でも、三鷹市がユニークであることから、ほかの美術館等から、その後、ぜひ展示を貸し出してほしい、あるいは連携しようという声があることも力強く思っております。
 また、国立天文台の中にあります星と森と絵本の家、そして三鷹市立アニメーション美術館、三鷹の森美術館においては、常に先を見た企画に取り組んでいただいています。私がそのようにお願いし、また、それぞれが取り組んでくれているのは、視聴覚だけではなくて、触覚とか嗅覚とか、もちろんある場合には味覚も使いながら、要するにデジタル時代、受け身ではなく、みずから体全体を使って感じ取ることができる取り組みに力を入れてくださっています。特に三鷹の森ジブリ美術館は、そうしたコンセプトをむしろ貫いた展示の企画をしていただいていることは重要だと思います。
 広報活動についても、「広報みたか」のチケットインフォメーションでこの芸術文化振興財団の企画を紹介したり、星と森と絵本の家、三鷹市立アニメーション美術館の企画展を適時に紹介しています。もちろん、今はインターネットの時代でございますし、スマートフォンの時代ですので、そうした媒体でも利用できるよう、ホームページや情報紙はもちろんのこと、チラシですとか、また、月2回発行しております市長のメルマガ等でもできる限り、情報量に制約はありますが、情報提供するようにしております。大切なのは、質問議員さん言われたように、こうしたソフト面の充実が伴ってこそ、ハード面の施設の整備が生きるわけですし、それを幅広くお知らせして、そういう機会を活用していただくことが重要だというふうに認識を共有しております。
 次に、2点目、施設の利活用についての御質問ですが、三鷹ゆかりの文化人のうち、山本有三については三鷹市山本有三記念館、太宰 治については太宰治文学サロン、三木露風につきましては、高山小学校の図書室内にある三木露風コーナーにおいて顕彰事業を実施しています。小学生は学校の授業の一環として施設を訪れ、施設を利用した学習をしています。また、中学校の音楽発表会では、多くの生徒が合唱などの発表のために公会堂を利用しています。また、小学校の児童は、市役所及び市議会の、この本会議がされる議会棟も訪問し、見学をしてくれています。国立天文台も常時公開しておりますし、私たちは、このような市内の文化施設を第一義的に市内の児童・生徒が見学しやすいように、教育委員会とも連携をしながら取り組みを進めているところです。今後もさらに活用されるように工夫をし、文化施設の管理者と学校関係者との連携を強めてまいります。
 次に、文化施設への訪問手段について御質問がありました。
 例えば星と森と絵本の家においては、交通の便が従来余りよくありませんでした。ただ、平成24年4月に国立天文台の駐車場が整備されましてからは、自動車での来場も可能となり、また、駐車場の開設に伴い、天文台裏の門が開かれたことによりまして、星と森と絵本の家へのアクセスがわかりやすくなり、評価されているところです。その他の文化施設についても、三鷹駅からの案内表示を設置するなど、市内外から訪れる方々にわかりやすいように工夫をしています。また、都市観光協会では、わかりやすい音声ガイドも使えるマップを用意してくれていたり、また、JR三鷹駅は、JR東日本の取り組みとしても、三鷹市内を歩きやすいような取り組みをすることを通して、一緒にですね、三鷹市の文化施設をPRしてくださっています。さらに、三鷹市の観光ガイド協会の皆様のボランタリーな取り組み、あるいはそれぞれの文化施設のガイドを三鷹ネットワーク大学で養成していることなどから、市民の皆様、あるいはこのボランティアガイドさんは市外の方もいらっしゃるのですけれども、そうした方が国立天文台と連携して養成した星のソムリエとか、そうした専門家の取り組みも含めてガイドをしていただいているのも三鷹市の特徴だと思います。
 私からの最後ですが、市内文化施設へのアクセスに係る既存路線の見直しを含めたバスの利活用についての御質問にお答えいたします。
 市内各文化施設へのアクセスは、バス路線の乗り継ぎなどにより可能となっています。しかしながら、もちろん質問議員さんの問題認識にもおありになると思うんですが、乗り継がないで行けないかというニーズは常にあるわけです。ただ、三鷹市の場合、路線バスが整備されているところもありますので、必ずしもコミュニティバスのみで新規路線をつくっていくというのも難しい条件があります。ほかの公共施設、病院、駅などへのアクセスについても、市民の皆様のニーズがあることから、これに御指摘の市内各文化施設へのアクセス改善を目指しながら、地域公共交通活性化協議会において、公共交通総合協働計画2022に基づきまして検討を進めてまいりたいと考えております。
 その他につきましては担当より補足をいたさせます。


◯教育長(高部明夫君)  市内文化施設等のソフト面での充実につきまして、教育長にも御質問ございました。
 市内の文化施設の中で文化財の施設としましては、大沢の里水車経営農家、あるいは出山横穴墓群8号墓などがございます。そうした施設の価値、あるいはその保存についてのですね、意義を市民に伝えていくということも行政の重要な使命の1つであるというふうに認識しております。
 例えば新車に関しましては、市民解説員が水車を解説する活動ですとか、あるいはその水車の精米、製粉作業を見学していただく特別公開日の設定、また、地域で伝えられてきました年中行事などを伝える講座などを実施しているところでございます。今後もこうした講演会あるいは体験講座の開催などを通じまして、学びの循環づくりに向けた結びつきといった、そういったソフト面の充実を図っていきたいというふうに考えております。
 次に、市内小・中学生の市内文化施設の利活用の現状と課題ということでございます。
 身近な地域への理解を深め、三鷹市に愛着や誇りを育む上で、市内の文化施設等を利活用するということは大変意義の深いということと認識しております。現在は小学校の3年生が社会科見学の中で大沢の里の水車、横穴墓、国立天文台、星と森と絵本の家、ジブリ美術館、市役所等々に来まして、三鷹市内のさまざまな施設に直接触れ、地域の理解を深めているところでございます。
 課題といたしましては、見学日程を15校の小学校がですね、日程が重ならないように調整して決定しているところから、学校によりましては、受け入れ施設側の状況として、当日訪問する施設の中で見学できる場所が制限されるとか、あるいはその施設で行われているイベント期間がですね、終了してしまって、一部その部分をですね、見学できないというような場合が生じているところでございますので、できるだけ施設側とも調整してですね、十分活用を図っていきたいというふうに考えております。
 その他については担当よりお答えいたします。


◯都市整備部長(大石田久宗君)  自転車の安全利用につきましてですね、現状と課題、お尋ねがございました。
 この安全利用につきましてはですね、教育委員会、学校とですね、協力して行っておりますので、私のほうから一括してですね、お答えをさせていただきます。
 まず、交通安全意識の啓発として、小学校16校で3年生ですね、3年生を中心とした自転車安全教室を実施しております。また、中学校につきましては、スタントマンによるですね、スケアードストレート、実技っていうか、模擬事故みたいなですね、そういう疑似体験を実施して、自転車の安全な利用の啓発に努めているところでございます。
 また、高齢者の方はですね、高齢者で別にですね、高齢者交通安全教室というのを開催しまして、自転車の安全利用も含め交通安全全般についての講習を実施して、これは結構好評ですね。やってもらってよかったというふうに声が聞こえております。しかしながら、依然として交通事故に対する自転車、関与率50%ですね、ございまして、事故を抑制するためですね、小・中学校、高齢者を対象として今まで以上にですね、自転車の安全利用の対策を進めていく必要があると考えております。


◯教育委員会事務局教育部長・調整担当部長(山口忠嗣君)  それでは、教育長の答弁に補足をさせていただきたいと思います。
 小・中学生の自転車の安全利用についてでございます。言うまでもなく児童・生徒は健康で交通事故等に巻き込まれることなくですね、安全で安心して日常生活を送ることは、これは全ての方々の強い願いでございます。学校におけます安全教育につきましては、ただいま市長部局のほうからお答えをしたとおりでございますけれども、そのほか、どうしても小・中学生といいますと被害者という視点が強くなりますけど、中学生になりますと加害者という視点も必要になってまいります。特に携帯電話を使用しながらの運転、あるいは傘差し運転、夜間の無灯火運転などにつきまして、これは道路交通法違反ということになることなどにつきまして、強く指導を行っているところでございます。今後とも児童・生徒が、みずからがですね、交通安全の大切さに気づきが持てるような、そういった交通安全教育を推進してまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。


◯8番(伊東光則君)  御答弁ありがとうございました。実は今回の質問をさせていただいた一番は、やはりバス網をもっとしっかりとですね、市内に張りめぐらせていただければなという思いからです。そのためには、市内に点在しているというかですね、ありますいろんな施設、それをもっと利活用して、そこに訪れる方がふえる。そうすれば、そのためのアクセスとしてバス網を発展しなければいけないんじゃないかということでありまして、市内の各施設をですね、もっと利活用していただいて、その上でバス網、または違う、先ほど市長のほうからありましたが、駐車場の整備とかですね、そういうことにつながるんじゃないかなという思いからであります。
 その中で、まだまだすばらしい催し物とか芸術とか、三鷹市内で展示されたり、実演されたりしているんですが、知名度がですね、まだまだじゃないかなと思っております。やっているイベントの広報について──広報というか、市民に対しての周知に対してですね、もっと何か違う──今まで従来考えられているようなこととまたちょっと違うですね、見方というか、方向から考えてもいいのかなという気もします。例えばその催し物なり展示なりを年代別につくっていただいて、これは小学生、中学生のためのものだよというような展示だとか、逆に高齢者をメーンに絞った催しだよというような展開をして、学校を中心に広報するとか、町会の年配の方中心に広報するとか、そんな工夫もあっていいのかなという気もいたします。
 また、小学生の社会科見学の点でありますが、答弁の中にもありましたが、なかなかですね、聞いているところによりますと、市庁舎、市のこの付近に来てもですね、市民センター周辺に来ても、議場の見学ができなかったりとか、もしかすると市長の公室です、市長室とかも見学できる可能性はあるとは思うんですが、なかなかそういうのがうまく調整できなかったりしているようでありますので、さらにですね、その辺、うまく調整してあげて、多分、三鷹市の議場に来る機会というのはそうはないことでありますので、ぜひ実現してあげてほしいなと思います。
 また、先ほど16校、17校の調整をしなければいけないというお話がありましたが、同じ日でもうまくですね、時間をずらすなり、また合同でやるなどの工夫もあるかと思いますので、その辺は丁寧に扱っていただいて、うまくいろんな部署でですね、連携をとっていただいて、市民、特に子どもたちというのは三鷹市を担っていただく存在でありますので、その子たちが三鷹市のさまざまな施設を見学していただくということはすごい貴重なことだと思うんですが、その辺をもっとしっかりとですね、ちょっと工夫をしなければいけないかもしれませんが、うまく調整をして、ぜひ希望に沿うような見学をさせてあげていただければなと思います。
 あとバス網のことでまた再度なんですが、ことしの夏、きょうもすごい暑いところなんですが、特に8月中とかはですね、もう本当に暑くて、家の外に立っているだけでですね、汗がだあっと出てくるような状況でした。そんな中で、バスで移動するときに、やはり高齢者の方とかお子さん連れの方は、何十分、下手すると30分ぐらい待つ場合があると思うんですね。そういうのに、すぐにはもしかすると対応できないかもしれませんが、何かうまい、この暑さ対策ができないかなと、ことしの夏は特に思いました。そして冬になれば、今度、雪が降ったりしてですね、ふだんは自転車で行っているところも、雪が降ったためにバスで行かなくちゃいけない。そんな方もいらっしゃると思うんですね。そういう方のためにもうまい工夫というのが必要ではないかなと思いますが、その辺について何かお考えがあればお聞かせ願えればと思います。とりあえずそこでお願いします。


◯教育長(高部明夫君)  社会科見学の件でございますけれども、確かにおっしゃるようにですね、市役所に見学に来られてもですね、この本会議場が日程的に見れないという非常に残念なケースがあったということは聞いております。やはり子どもたちにとって、本会議場が実際、自分たちで、目で見てですね、体験できるというのは、今後の学習の興味・関心を増す上で非常に重要だと思いますので、万全を期してですね、日程調整させていただきたいというふうに思います。


◯副市長(河村 孝君)  バス交通網の関係で、強化という視点から、文化施設だとか観光のポイントなどを結ぶことも考えたらどうかということでございますが、バス交通網は基本的には平常時の通勤・通学が中心で考えていますが、土日の場合にですね、仮にそういうところを通っていても、本数が少なくなったりすることがございますから、PRとかですね、それに応じて観光客の方とか市内の利用者が多くなっていくような状況の場合にはですね、当然、バス会社とも交渉しながら、便数の確保だとか、あるいは臨時の増便なども含めてですね、対応していくことになろうかというふうに思います。
 具体的には、今回の国体などにあわせてですね、そういった便の強化がされていくものと思いますし、通常においても、例えば芸術文化センターでお客様が多いときにはですね、緊急にバス会社に対応していただいているようなこともございますので、その辺は柔軟に対応してまいりたいなというように思います。
 それから、知名度がまだまだではないかと。年代とかですね、さまざまな対象を、ターゲットを絞ってPRする方法というものを検討していいんではないかということでございます。我々もそういうふうにしているつもりではございますが、よりそういうところはですね、きめの細かな対応を、ある場合には御指摘のように、教育委員会とも連携しながらやっていくことが必要だと思っていますし、現にやっているわけでありますが、そういう工夫をさらに一層進めていけたらなというふうに思います。
 それから、バスの待ち時間といいますかね、待っている場合のバス停のところでの暑さ対策、雪の対策ということでございます。本来的には、質問者の方も恐らくそういうことを想定していると思いますが、バスベイでですね、あって屋根もあるとか、ベンチがあるとか、そういうこと、あるいは風よけがあるとかいうようなことも含めてですね、対応するのが一番望ましいことでありますが、相当なお金がかかるということで、幹線を中心にですね、拠点のところを、あるいは道路の後ろ側にそういうセットバックできるような余裕のある土地があるところなどをですね、計画的に整備をしてきておりますので、なかなか工夫はっていいますか、そういう抜本的な方法が軸になると思いますけれども、拠点を中心ということでありますので、全部に対応できませんが、より一層ですね、そういう整備に努めてまいりたいというふうに思っております。よろしくお願いいたします。


◯8番(伊東光則君)  ありがとうございました。三鷹市交通総合協働計画2022という資料をですね、読ませていただきました。この中には、主にオンデマンドバスやオンデマンドタクシーというようなこと、また、バスに対しては、乗りかえを市内で展開して利便性を向上させようという内容が含まれていました。乗りかえというのは、電車網については乗りかえが普通のことだと思うんですが、まだまだバス路線で乗りかえというのはですね、市民にまだそれほどなじんでないことなのかなと思います。それについて課題──市民に浸透させるための課題とかですね、そういうのがあるのかどうか。また、これは2022を目標とした計画であると思うんですが、それを前倒しにできる可能性というのはどのぐらいあるのか、その点についてお聞かせ願えればと思います。


◯都市整備部長(大石田久宗君)  乗りかえについてですね、お尋ねがございました。乗りかえはですね、乗りかえカードということで、乗りかえできるんですけれども、限られた路線しか使われないですね。それで、これはなぜかというとですね、バス会社がですね、ICカード化、IC化を進めているんですけども、この乗りかえシステムをですね、IC化するには莫大な費用がかかるんですね。ですから、もちろん交通の幸福で、「交福」というのを目指したですね、その計画の中にもあるように、目指しはしているんですけども、費用対効果の問題もありますから、これはバス会社にですね、計画にあるからやってくれよっていうだけではなくて、システムとして、例えば1日乗車券だと500円で済むわけですよ。何回乗ってもですね、乗りかえて乗りかえて乗りかえて、3回ぐらい乗りかえてもですね、500円で済むと。実際にはその何倍もかかるのがですね。そう考えると、今のIC化の時代の中で乗りかえのシステムというのはですね、もう一度、例えばICカードでぴっとやったらですね、乗りかえと言ってぴっとやったら、少し割り引くとかですね、そういうシステムができないかどうかですね、これはじっくり相談をさせていただくと。経営の問題もありますから。そうすると、2番目の前倒しという議論もありましたけれども、これはバス事業者さんとですね、じっくり時間をかけて、焦ってやってもですね、無理なオーダーをしてもですね、それは事業として成り立ちませんから、前倒しになるかもしれませんけれども、努力をしてまいりたいというふうに思います。


◯8番(伊東光則君)  ありがとうございました。この総合協働計画2022を見させていただいてですね、本当にバス路線、新しい路線をつくるだけがバス網ではなくて、やはり乗りかえの利便性を向上させるということは、既存の路線で済むわけですから。よく市内のバス路線を見ますと、多分、大抵のところは行けるような、もうバスが走っていて、それをうまく、いかに市民の方がですね、なるべく負担の少ない状況で乗りかえができるかというところがすごい課題であったり、また、先ほど言われていましたが、今、SuicaとかPASMOですか、そういうICカードも普及しているんですが、その利便性を質問しようかと思いましたら、費用がかかるということでしたが、多分、これは何だろう、そのカードができた流れからいくと、必然的にそっちに行くんじゃないかっていう気もするんですね。ですので、もしできれば、三鷹でその第1号ができるような、その辺の取り組みができれば、日本中に先駆けてですね、そんな取り組みができればいいのかなと思っていますし、また、本当にスピード感のある対応というか、先ほど前倒しというお話をさせていただきましたが、きょう使いたい人もやはりたくさんいるわけですので、1日も早い乗りかえ、バス網を乗りかえでうまく利用するという事業が展開できますことをお願いして、私の一般質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。


◯議長(伊藤俊明君)  以上で伊東光則君の質問を終わります。
    ──────────────────────────────────────


◯議長(伊藤俊明君)  次の通告者、9番 土屋健一君、登壇願います。
                〔9番 土屋健一君 登壇〕


◯9番(土屋健一君)  議長の御指名がありましたので、通告に従い市政に関する一般質問をいたします。御答弁のほどをよろしくお願いいたします。
 平成28年(2016年)4月、杏林大学八王子キャンパスが三鷹市下連雀五丁目の下連雀総合運動場跡地約3万5,000平方メートルの広大な土地に移転し、新キャンパスが開設されることになりました。建物概要は、地下1階、地上5階建ては保健学部棟が2棟と大学本部棟、地上5階建ては共有棟と文系学部講義棟、それと文系学部研究棟。地下1階、地上4階建ては厚生棟など、計8棟、総延べ床面積約5万3,000平方メートルであり、また、この三鷹の新キャンパス移転に伴い移動する人員は、杏林大学発表によります本年4月時点の概数によりますと、学生約3,500人、教員約410人、職員約100人でありますことから、新たに4,000人を超す方々が三鷹市に通う、あるいは住まうことになります。オープンはおよそ2年半先ではありますが、工事は来年4月に着工予定でありますことを考えますと、この大規模なキャンパス移転に伴う受け入れ態勢の喫緊の環境整備が必要に迫られているという危機感や緊張感とともに、新キャンパス設置後には各方面とのさまざまな連携がなされますことへの大きな期待感を持っております。
 既に杏林学園と三鷹市との連絡会が設置されており、杏林大学新キャンパス施設計画等について議論され、本年5月21日に締結されました杏林大学と東京都三鷹市との包括協定に向けた覚書に基づき、連携における検討協議がされていると伺っておりますが、今後、三鷹市民や三鷹市のまちづくり、そして杏林大学の新キャンパスを初めとします杏林学園との双方にとりまして、より意義のあるよう、さらなる取り組みがなされていくことが大切であると認識しております。このような観点より、今回は、杏林大学八王子キャンパスの三鷹移転に関し、連絡会や各作業部会における協議の進捗状況及び今後の取り組み等について質問をさせていただきます。
 杏林学園は1966年、現在の三鷹キャンパスの地に杏林学園短期大学の設立に始まり、1970年に杏林大学医学部が創立されましたことから、この三鷹市とは長年にわたります御縁があり、これまでもさまざまな連携等の実績があります。杏林大学医学部付属病院は三鷹市の後方医療施設に位置づけられており、東日本大震災の発災以前に、既に大地震を想定した三鷹市や三鷹市消防団、三鷹市医師会等と連携した地震訓練であります医療連携訓練を実施されておりますし、東日本大震災後におきましては、大震災その教訓や三鷹市等の要望にも応えられ、広域的な医療をカバーいたします目的でヘリポートの設置もされております。大変ありがたいことだと思っております。
 さて、このたびの八王子キャンパス移転の背景には、三鷹キャンパスと離れていることによります学部教育や大学院教育におきます連携の困難や学生、教職員の一体感の欠如等のこれらデメリットの解消、さらには学生たちの通学の利便性向上が挙げられているようであります。ここで新キャンパス設置へ双方が期待されている点、期待している点について質問をいたします。
 杏林大学側は、三鷹の地へと移転することへの意義についてどのように抱いていると認識されていますでしょうか。また、三鷹市の行政へ何を期待していると市長は受けとめていますでしょうか。御所見をお伺いいたします。私同様に、三鷹市も杏林大学新キャンパスへ期待していることは多大だと考えますが、期待する主な点について御所見をお伺いいたします。また、移転に伴う他への波及効果についての御所見も伺います。
 教育長には、三鷹市教育委員会が杏林大学新キャンパスへ期待することについての御所見をお伺いいたします。
 次に、新キャンパスの受け入れ態勢の環境整備について質問いたします。
 杏林学園と三鷹市との連絡会も本年4月3日には2回目が開催され、交通・周辺環境部会も5月27日、6月24日、8月6日と3回開催されたとのことです。まず、周辺環境の整備についての主な検討課題についてお答え願います。
 新キャンパスの位置は、西に吉祥寺通り、東に弘済園通り、南に東西道路、市道801号線と三方が公道に面しております。バス交通の現状は、南西側吉祥寺通りには吉祥寺駅方面のみの下連雀八丁目バス停があり、逆方向にはありません。東側人見街道には三鷹シティバスのパークシティ牟礼南バス停があり、少し離れますと新川バス停や牟礼団地のバス停があります。現状のバス交通環境のままでは、多くの学生さんは、帰宅時には野村病院前にあります下連雀八丁目バス停を利用すると予想できますことから、バス停付近の混雑や、このバス停からの乗車以降終点までのバスの満員状態、さらには長目の停車時間によります交通渋滞等への影響などが懸念されます。それと、バスによる電車駅へのアクセスはほとんど吉祥寺駅と予想されますことから、三鷹駅周辺の活性化や三鷹駅以西、三鷹駅より西側等のバス通学の利便性向上のためにも、三鷹駅との動線の確立が望ましいと考えます。また、バス通学以外では多くの自転車通学も考えられます。
 ここで交通環境の整備について質問いたします。
 新キャンパスの完成予想パース等を見ますと、キャンパス内にバスの入れそうなスペースが見当たりません。新キャンパスが始発・終点となるバス路線の整備が必要と考えますが、検討されている点を含め御所見を伺いたいと思います。また、新キャンパスと三鷹駅を結ぶ路線の整備も大切と考えますが、御所見を伺いたいと思います。自転車交通の対策につきましても、検討されている件を含め御所見を伺います。
 次に、杏林大学新キャンパスと三鷹市並びに三鷹市教育委員会との教育、福祉、防災面などさまざまな連携について、8月14日の地域貢献部会等におきます検討の進捗状況を市長、教育長にそれぞれお伺いいたします。
 最後に、杏林大学のホームページによりますと、新キャンパスの名称は未定とあります。キャンパス名に「三鷹」の文字が入るよう希望いたしますので、まだ要望されていないようでしたら、ぜひ検討されるよう早急に要望していただきたいと思います。「三鷹」の文字がある新キャンパスの命名要望について、市長の御所見を伺います。
 以上で壇上での質問は終わりますが、御答弁によりましては自席での再質問を留保いたしますので、よろしくお願いします。ありがとうございます。
                〔市長 清原慶子さん 登壇〕


◯市長(清原慶子さん)  それでは、ただいまいただきました杏林大学八王子キャンパスの三鷹移転に関する御質問にお答えいたします。
 1点目、三鷹市へ移転することの意義に関して、どのように認識しているかということでございます。
 杏林大学は、平成28年4月に新キャンパスの開学に向けまして準備を進めています。この平成28年は杏林学園の創立50周年に当たります。したがいまして、杏林学園としても歴史的な一大事業と位置づけているということは共感できます。また、八王子キャンパスを移転して新キャンパスを三鷹市内に設置することによって、先ほど質問議員さんが御指摘されましたが、学生や職員の交通の利便性の改善、あるいは総合大学としての学部間の学術的な連携が一層円滑になるということが効果として挙げられます。しかも、杏林大学として地域により一層貢献する大学として、活力ある地域社会の創造やさまざまな事業連携を進めていただけると思っています。そのことは大学の新たなブランドの形成、また高等教育、必要な教養教育のカリキュラムの強化につながるというふうに認識されていると思います。三鷹市ではこれまでの多様な連携を踏まえまして、それをさらに拡充することが可能と考えています。同じ大学としての一体感が増すということは言うまでもありません。そのことが三鷹市にキャンパスが移転することによって、杏林大学のまさに高等教育の力、研究の力が増すものと認識しております。
 それでは、杏林大学が三鷹市の行政へ何を期待していると受けとめているかという2つ目の御質問にお答えいたします。
 杏林大学の主要なキャンパス機能のほぼ全てが三鷹市に集約されることは、今後の三鷹市との協働の取り組みへの期待や可能性がさらに高まるものと思います。実は具体的な点で御紹介いたしますが、杏林大学が文部科学省の大学に対する補助事業である地(知)の拠点整備事業、これは、「ち」というのは地域の「地」、そしてその後に括弧、知識の「知」が入ります。地(知)の拠点整備事業に新しい都市型高齢社会における地域と大学の統合知の拠点をテーマとして採択されたということに象徴的にあらわれていると思います。今後、三鷹の地を、地、つまり、地域の「地」ですが、地を拠点とした全学的な取り組みを通して、教育や地域貢献、研究分野での連携が強化される予定です。大学と市民の皆様との交流や地域と学生の皆様との交流活動の促進、そして、地域のさまざまなコミュニティ活動に学生や教職員が参加されるということによって、さまざまな連携事業が可能性として存在し、杏林大学としてもそれを大いに期待しているものと考えております。
 それでは、三鷹市は杏林大学へ何を期待するのかという3つ目の御質問にお答えいたします。
 三鷹市はこれまでも、杏林大学のみならず、国際基督教大学やあるいは公益財団法人アジア・アフリカ文化財団、また日商簿記、福祉の専門学校など、地域内にある高等教育の機関の皆様にはさまざまな市政への御協力をいただいてきましたし、三鷹ネットワーク大学推進機構の理事を務めてくださっている各大学の専門家の御活躍をいただいてきました。まさに高等教育機関は専門家の人材宝庫でございます。市役所や関係の機関では、審議会の会長、副会長、委員をお引き受けいただいたり、理事や評議員をお引き受けいただいたり、その専門性に基づく地域貢献を重ねてきてくださっています。三鷹キャンパス及び付属病院の皆様とのこれまでの連携活動に加えて、新キャンパス設置に伴い移転する保健学部、総合政策学部、外国語学部と大学院の学生や教職員が約4,000名三鷹市に来られるということは、新たな協働の取り組みの可能性を大いに期待しているところです。
 具体的には既に設置している連絡会等の場で丁寧に協議をしていくこととしています。先ほど御紹介いたしました文部科学省の補助事業というのは、1年度で終わるものではありません。したがいまして、これから八王子キャンパスから移転してこられるこのプロセスにおいて、三鷹市と地(知)の拠点とした連携の取り組みが進むことは、地域での生涯学習への協力、あるいはキャンパスの施設・設備を市民の皆様への活動の場として提供していただくことなど、もちろんこれから協議を丁寧にさせていただきますけれども、重要と考えております。また、災害時の応急対応といった三鷹市と杏林大学が協働のパートナーとしてともに活動をできる可能性については、幅広く検討をしていきたいと考えています。
 そこで、波及効果についてどのように期待しているかという御質問にもお答えしたいと思います。
 新しいキャンパスができますことによって、先ほど申し上げましたような市民の皆様との交流の場が生まれる。大学としての社会的活動の場が拡大されるわけですが、このことに加えまして、約4,000名の学生や教職員の方が三鷹のキャンパスにいらっしゃるということは、三鷹市で活動することによって、住宅ニーズも高まるでしょうし、商業施設等の利用もふえることが想定されるわけですから、経済的な波及効果がもたらされるように私たちも条件整備を商業の皆様、あるいは住宅を提供している皆様とも協働していく必要があると思っています。したがいまして、医学部があったときにも、三鷹市という地域とかなり開かれた関係を持ってくださっていた杏林大学ですから、その他の学部が移転することによって、もちろん経済的な波及効果のみならず、生涯学習に与える波及効果ですとか、市民の皆様の地域の防災力の向上やさまざまな分野での波及効果がよい方向でもたらされるようにと考えております。
 交通問題については担当より補足答弁いたさせますが、交通問題についても負の影響が出ませんように取り組んでいくことが、現在、近隣にお住まいの皆様の不安解消に向けても優先課題だと認識しております。
 私からの答弁の最後でございますが、キャンパス名に「三鷹」の文字が入ることについてなんでございますが、これ、悩ましいのはですね、現在、新川にあります杏林大学医学部及び付属病院がありますところは既に三鷹キャンパスと命名されているわけでございまして、八王子キャンパスと現在のところが三鷹キャンパスに既になっているわけでございます。そうであるならば、三鷹市内にあるキャンパスの新たに移転していく場所がそのまま三鷹キャンパスと呼ばれるかどうかについては、杏林学園でお決めになることでございます。しかし、私としてもですね、ぜひ──三鷹キャンパスはそのままあるわけでございますが、三鷹市にちなんだ名称を、もし何らかほかのキャンパス名を選ぶなら選んでいただきたいと、このように期待もし、現時点ではつぶやいているところでございますけれども、ぜひですね、期待をしていきたいと考えております。
 私からは以上でございます。その他については他の担当に答弁いたさせます。


◯教育長(高部明夫君)  それでは、教育委員会としまして、今後、杏林大学に期待するということでございますけれども、現時点では、例えば大学の知的資源の活用によります市民の生涯学習の場の拡大が図られることですとか、あるいは学生が市内の小・中学校の児童・生徒と交流を促進したり、あるいは学習支援を受けることが可能になると。さらには学校の図書館、教室等の大学施設の開放の可能性などが考えられるところでございまして、多様な連携を期待しているところでございます。
 次に、連絡会における検討の進捗状況ということでございますけれども、連絡会に設置されました2つの作業部会のうち、8月14日に地域貢献部会が開かれまして、その中で生涯学習、あるいは学校教育分野におきます連携事業の検討が始まったばかりでございます。今後、市長部局とも十分連携しまして、さまざまな取り組みにつきまして可能性を探っていきたいというふうに考えております。
 以上です。


◯副市長(河村 孝君)  杏林学園と三鷹市の連絡会での検討についてお話をさせていただきたいと思います。
 市長が申し上げましたようにですね、杏林大学の全学部が、八王子にあった学部が全部三鷹市に来るということでございますので、三鷹市にとっては大変大きなことでございます。都市構造、あるいは都市の構成ですね、人口構成、それから、都市の交通動線、それらが大きく変わるということでありますので、杏林大学と三鷹市の両者で、御指摘のように、連絡会を設置して検討を進めているところでございます。特にですね、全学、そしてまた全市を挙げての検討ということで、三鷹市側では市長のほうから言われまして、私が、副市長が三鷹市側ではトップということで出させていただきまして、連絡会の座長を務めさせていただいています。杏林側のほうは松田副理事長がですね、向こう側のトップということで会の副座長を務めて総合的に協議を進めているということでございます。
 中に2つの部会を設けまして、交通・周辺環境部会と地域貢献部会の2つの作業部会で具体的な議論を今、詰めている段階でございます。まず御指摘のバスとか自転車の利用の問題につきましては、前者の交通・周辺環境部会のほうで今、検討をしておりまして、具体的なところは、私の後に、都市整備部長のほうが部会長をしておりますので、説明させていただきますが、バスのですね、終発着点といいますかね、それをどこにつくるかということを含めてですね、御指摘の方向も含めて検討させていただいているということでございます。
 そして、地域貢献部会のほうはですね、新キャンパスを拠点としました地域との連携活動、そして地域での医療・福祉との連携の充実の政策のあり方、そしてまた、三鷹市でお願いしていますネットワーク大学とのですね、連携、そして多角的な、例えば観光事業だとか、防災活動との連携などをテーマにですね、逐次議論を進めてもらっているというところでございます。かなり大がかりな、また広範にわたる検討をしていまして、一定の方向が確認されたところで議会の側の皆様方にもですね、情報提供をしながら進めてまいりたいというように考えております。


◯都市整備部長(大石田久宗君)  私のほうからはですね、交通・周辺環境作業部会の部会長としての立場でですね、お答えをしていきたいと思いますけども、主にですね、交通関連をですね、総合的にお答えさしていただきます。
 まずですね、新キャンパスが始発・終点となるバス路線の整備の必要性ということで、普通考えますとね、座ってちゃんと安全に行けて、混まないでまた帰れてというですね、そういうイメージで大学の校内にロータリーがあってというようなことで期待されたんだと思うんですけども、図面には今、ありませんけども、そういうことが可能になるようにですね、今、弘済園通りのバス路線を拡充する方向でいろいろ検討さしていただいています。ただし、道路をですね、拡幅したりですね、交通環境を変えるにはですね、交通管理者との協議が必要ですし、決定もしてないのにですね、こうします、ああしますという段階にはありませんので、これは、きちっとですね、こうしますということがですね、最終的に決定されましたらですね、御報告、御協力をですね、議会あるいは市民の皆さんにお願いしていきたいというふうに考えております。そういう方向で考えているわけですね。弘済園のほうを拡充して、そっちから進入すればですね、よりスムーズにいくだろうと。
 吉祥寺のですね、今の吉祥寺通りのバス路線というのはですね、日本でも有数のですね、バス路線でありまして、というのは混んでいるという意味ですね。バスが非常に混んでいるという意味では有数の状況になっていますから、ぜひそちらの方向で考えたい。
 それから、新キャンパスと三鷹駅を結ぶバス路線、これは本当に私も心の底からですね、三鷹からバスで行ってねというふうに思っているわけですけども、アンケートではですね、いろんなアンケートのとり方があるんですけれども、バスで行くとしたら三鷹駅というのが一応、一番今は多いんですね、学生さんのアンケートではですね。ただ、実態はわかりませんけども、実際にそういうふうになるためにはですね、三鷹駅から新キャンパスへのですね、路線の充実というのがですね、非常に重要になってくると思います。それについて、また今、検討をしているところでありまして、吉祥寺駅の、参考までにですね、これは自治の問題がありますから余計なことなんですけども、吉祥寺駅のバスの発着スペースは一定の限界があるだろうと。じゃあ、三鷹はというとですね、全部、全て限界には達してないんですけれども、どこにどういうふうに路線をというのはですね、十分慎重に検討させていただきたいと思います。
 それから、自転車ですね、自転車交通につきましては、学生さんというのはですね、非常になれてくると自転車を使いがちなんですね。ICUでもそうですけども、かなりの数のですね、自転車通学がですね、発生するというのは、学生さんの場合ですね、元気ですし、春とか季節のいい秋とかですね、そういうときは自転車を利用されるんでしょう。それで、新キャンパスのですね、中に駐輪場は充実しているんですが、自転車でアクセスするためには、駅からのアクセスですと、例えば吉祥寺、あるいは三鷹からのですね、アクセスになれば、それぞれ駐輪場が必要になりますね。ですから、じゃあ、どういうふうな駐輪場の整備がその時期までにできるのかという問題もありますし、三鷹はですね、三鷹駅でレンタサイクルのトライをしておりますから、そういったこともですね、十分視野に入れながらですね、杏林大学と協議をしてまいりたいというふうに思っております。


◯9番(土屋健一君)  御答弁ありがとうございました。この三鷹というこの移転地ですけれども、先ほど申しました背景を考えても、御答弁にありましたように、この三鷹という場所は、連携、一体感等にとりましてベストだと私も思っていますが、現在の三鷹キャンパスからそれほど離れていなければ、三鷹市以外の隣接自治体でも移転候補地になっていたのではないかということも考えられます。このたび杏林学園はこの三鷹を選んでくれたのか、結果的に適した土地が三鷹市だったのか、それとも、市長初め水面下で誘致活動をしたその成果なのか、この点は大事だと思いますので、お聞きしておきたいと思います。
 また、杏林学園は、用地取得に関しまして、三鷹市、八王子市の行政等の御協力をいただきましたと、感謝のコメントをされておりますけれども、三鷹市では具体的にどのような協力をしてきたのでしょうか、お伺いをしたいと思います。
 市長の御答弁のとおり、杏林大学は平成25年度の文科省の地(知)の拠点整備事業に採択されました。すごい難関で、私立大学としては単独、共同212の申請に対し採択17ですし、単独校186校の申請に対し採択はわずか16校という超難関を、先ほど市長の御答弁にありました新しい都市型高齢社会における地域と大学の統合知の拠点という事業で突破されました。この事業概要を見ますと、都市型高齢社会の健康と安全を主題に、1、学生と地域関係者がともに学ぶ「生きがい創出」、2つ目に、退職団塊世代の「健康長寿延伸」、健康長寿を伸ばすということ、3番目に、大規模自然災害に備える「災害に備えるまちづくり」に三鷹市を中心に、もちろん八王子市とか羽村市とも取り組むという、この事業に対する期待されている点は、先ほども御答弁がありましたように、かなりあると思いますけれども、実際、この杏林大学側へ協力や支援について、この事業──5年間でしたっけ、この事業期間に三鷹市が具体的に協力や支援についてされる予定というか、検討している点について御所見を伺いたいと思います。
 波及効果です。先ほど御答弁にも、住宅ニーズという市長からの御答弁ありました。私もこの三鷹市内のアパートや寮などの空き室が、結構解消されるのではないかと期待をしております。特に三鷹の東側ですけども。今の八王子キャンパスの住居対策としましては、現在の1年生が4年生のときに三鷹に移ることから、3年生になった平成27年度初めまでに希望者を把握し、夏過ぎから学生への支援を開始するというお話を聞いております。現時点でまだはっきりわからない状態ではあると思うんですけども、この新キャンパス周辺に居住するであろう人数の見込み、もちろん概数で結構ですので、10人とか100人とか1,000人とか、おおよその見込みについてお伺いをしたいと思います。既に我が会派の自由民主クラブでは、平成25年度会派要望におきまして、学生、職員等の住居の受け入れ態勢について取り組むよう要望はしておりますけれども、まだその要望当時、その回答当時とすれば、まだ明確な回答ができなかったように考えます。今後、三鷹市として具体的に住居対策、支援等についてどのようにされていくのか、その点について御答弁をお伺いしたいと思います。
 周辺環境の整備についてですけども、近隣の方は多かれ少なかれ、不安はお持ちだと思います。近隣の環境が大きく変わるということで、当然のことだと思いますけども、その周辺住民や施設利用者、関係者たちへの配慮というか、その点についての御答弁をお願いしたいと思います。あと、現在、周辺からどのような声が上がっているのか、もしありましたらお伺いをしたいと思います。
 周辺道路についてですけど、弘済園通りの拡幅を検討しているという御答弁をいただきました。このキャンパスができることによって、歩行空間の新たな確保とかはあるのか。また、この南側道路です。801号線でしたっけ、市道の。南側道路、現在でもかなり幅員があるのですけども、さらに幅員が広がるのか、その点についてお伺いをしたいと思います。
 三鷹駅への動線についてですけども、以前より指摘しておりますように、山中通りは大成高校前の交差点から下連雀八丁目の交差点まで、三鷹通りから吉祥寺通りまでの路線バスがないことからも、大成高校、山中通り経由の新キャンパスと三鷹市を結ぶバスルートの新設を提案したいと思いますが、この点についての課題等の所見を伺いたいと思います。
 自転車通学についてですけど、先ほどICUという御答弁もありました。ICUの国際基督教大学では、現在、生活道路を通り抜ける自転車通学を全面禁止にしております。学長名において立て看板もかなりの数ついておりますけれども、杏林大学とこの点についての議論はされているのでしょうか、お伺いしたいと思います。
 三鷹市との連携についてですが、建物は、ホームページによりますと厚生棟と管理棟以外の6棟が免震構造の計画とあります。大地震が来ても被害がない、もしくは軽微と考えますが、この免震の建物をこの利点を生かした震災時の連携についてどのような検討がされているか、御所見を伺いたいと思います。
 キャンパス名ですけども、現在、市長はつぶやいているという御答弁ですけれども、この杏林大学三鷹キャンパスは、どうしても大学の医学部というよりも杏林大学病院というイメージがすごく強くて、この三鷹キャンパスという名前は余り知られていないのではないかなと思っております。そこで、現在の三鷹キャンパスは、もちろんそのままでしょうけども、今度の新キャンパス名が、例えば吉祥寺南キャンパスとなったらショックですので、三鷹の価値向上にもぜひ「三鷹」の文字が入ってほしいと思っております。


◯市長(清原慶子さん)  多くの再質問をいただきましたが、私からは3点答弁いたします。
 1点目、杏林大学が八王子市のキャンパスから三鷹のキャンパスに移転するに当たって、それはどういう経過かということですが、明快に申し上げますが、これは杏林学園、杏林大学の意思です。これは創立50周年を間近に控え大学経営の観点からしっかりと杏林学園さん、杏林大学が自主的、自律的に判断され、話を運ばれてきまして、これは大変大きな意思であります。
 2点目に、それに対して、三鷹市あるいは八王子市がどのような協力をしたのかということでございますけれども、私立大学が八王子市のキャンパスを離れると。全て引き上げるわけではないようですが、そのことについてはきちんと杏林学園さんのほうで、当時の八王子市長にお話をされ、現在の八王子市長にも継承されて、それを了承するということを明確に示されていますし、三鷹市にキャンパスをお持ちになるとき、そのキャンパスの用地について、国の財務省のほうから、ここにおいて杏林学園が取得し、ここで高等教育の場とすることについて意見の照会を受けましたので、三鷹市として異存はないということを言ったということでございます。したがいまして、繰り返しになりますが、私立大学がその大学の意思として理事会等の協議を経て決定されたことであり、それを尊重させていただいたということです。
 今回の地(知)の拠点においても、御案内のように、三鷹市だけではなくて八王子市も、それから、従来協定を交わしておりますけれども、羽村市も加わっていることから、まさに大変杏林学園、杏林大学さんは、今のキャンパスでも、そしてこれから移転される三鷹市ともですね、円滑なコミュニケーションをされてきたということではないかと思っています。
 私からの答弁の最後ですが、キャンパス名についてです。私も質問議員さんと全く同じ思いでございまして、まさか吉祥寺通りの脇にあるからといって吉祥寺キャンパスにはならないと思っておりますが、しかし、先ほどつぶやきましたって申し上げましたのは、私立大学の自由というのがございます。私立大学というのは、私たち公共団体、連携・協働はいたしますが、最大限その大学の自由を尊重したいと思っています。ただ、しかしながら、せっかく三鷹市内のこれまでの新川の三鷹キャンパスを踏まえて総合大学として三鷹市内に移転してくださるのですから、必ずや三鷹市ゆかりのキャンパス名をつけていただくものと期待している旨は、もちろん申し上げております。私立大学の自由を最大限尊重しつつ、地元の市長としてですね、きちんと意向はお伝えしているつもりですが、つぶやくという表現をいたしましたのは、大学の自治、私立大学の自治を尊重する意味から、強制力についてはですね、私としては信頼関係という名でお考えいただければ幸いだなと思っておりますので、質問議員さんと思いは全く同じでございます。今後もそのように、ただ願うのではなくですね、機会を捉えていきたいと考えております。
 私からは以上です。


◯副市長(河村 孝君)  市長の答弁に補足をさせていただきます。
 まず、地(知)の拠点の関係での文科省の事業、5年間、市が、三鷹市も協力することになっていますが、その中身は何かということでございますが、その中身自体も含めてですね、検討する5年間ということでございまして、大筋の方向性、メニューのようなものはあるわけでありますけれども、それを本当に具体的にそれをやるのかどうか、新しい医療、福祉、介護とかですね、そういう領域の連携はどうするのかということは、まだ未知数でございますので、これからやっていこうというふうにしています。ただ、杏林大学のほうの文科省への提案の中ではですね、アメリカ型の富裕層を対象としたそういう医療と地域の連携というのではなくて、日本型のものを目指したい。それを三鷹の地でやっていきたいということでございますから、行政とかさまざまな、医師会も含めた関係機関、団体との協力をですね、していく新しいモデルをつくりたいというのが研究テーマでございます。三鷹市もそういうことで、行政としても、フィールドとしてもですね、協力をしていきたいというふうにその面の事業については考えているところです。
 波及効果についてですが、私どもも同じ気持ちで、同じ働きかけもしていますけれども、いろいろ話は順番、緊急性というのがございまして、まだそこまでは至っていません。おおむね方向感覚は同じだと思いますが、市内のそういう民間アパート等のですね、あっせんをしてほしいというのは、向こうも当然思っているわけですが、具体的な協議まではまだ至っていませんので、随時その段階でそのようなことを具体化していきたいというふうに思っています。
 それから、周辺住民の皆さんの、あるいは周辺の施設との関係ではですね、これは既に地区計画を通して、かなりゆったりとした緑の環境をつくっておりますので、当初、日陰になるんじゃないかとかですね、学生さんの建物がすぐそばだと、近接するとどうなのかみたいなお話もありましたけれども、実際の土屋議員さんも見た、そういう図面等を見てですね、地域の周辺の住民、施設の方は安心されているというふうな報告を受けております。
 それから、南側の道路についてですが、さらなる拡幅ということは今、考えていません。既にかなりたっぷりとした歩行空間が用意されていますし、それから、弘済園通りの延長線にある今の一方通行のですね、杏林大学の東側の用地も、杏林さんの協力によりまして道路用地の一定の供給をしていただいて、歩行空間ももちろん拡幅されるというふうに考えているところです。
 それから、山中通りの活用はですね、将来的な課題としては考えています。ただ、用地の買収も含めてですね、課題もありますので、今は将来課題として考えているということでございます。
 自転車の通学はですね、生活道路を全面禁止にするかどうかということも、そういう段階にまだ行っていませんが、部会のほうでは、都市整備部のほうからですね、ルートについても安全で、推奨ルートみたいなものは市としても示したいなというふうなことを現状では言っているところです。
 免震構造の地下の建物の──地下だけじゃないですね。建物の活用についても、まだそこまで議論がいっていませんが、防災上の協力については、ハード面、そして人的な資源も含めてですね、当然、大学側も考えておりますので、そのような方向で検討が進められるものというふうに考えています。


◯9番(土屋健一君)  御答弁ありがとうございました。まだこれからのことなので、まだ検討中だという御答弁がとても多いんですけども、では、その中で具体的に地(知)の拠点事業で1点だけ、この事業概要は、大学と自治体が組織的、自主的に協力するという項目があります。その中で自治体からの支援ということで、この自治体というのが三鷹市なのか東京都なのか私にはよく理解できないんですけれども、この三鷹市が財政支援とか土地貸与だとか人員派遣等が起こり得るのか、そういう点も考えているのかという点と、あと、杏林CCRC研究所を三鷹駅前に設置するとされておりますけれども、この点について該当するのか、この点について三鷹市が協力していくのかという点について再質問をしたいと思います。
 それと、この南側道路の拡幅、現在でもかなり広いですけれども、この道路をさらに拡幅、大学側に協力を願ってバスが通れるぐらいの道路にできれば、新たなバスルートという点にもつながると思いますので、その点について大学側への申し入れというか、そういう点をされているのかという点もお伺いしたいと思います。
 自転車ですけども、東京都自転車の安全で適正な利用の促進に関する条例がこの7月1日に施行され、事業者としての杏林大学の役割も明確になったと思います。今後、この都条例に基づき、三鷹市の具体的な取り組みを検討するに当たり、大学生の扱いもぜひ検討して、検討の中に入れてほしいと思いますけれども、その点について御所見をお伺いしたいと思います。


◯副市長(河村 孝君)  CCRC研究所って、要するに地域のことを研究する杏林大学さん側のですね、研究所なんですけれども、これの整備にかかわる費用は、杏林さんが今回の文科省の補助金の中でやるということで、常駐の研究者とか事務的な対応をする人とかいう人、それから、賃借料も含めてですね、想定をしています。もちろん場所の選定とかですね、そういうところで協力できるところは全面的に協力していきたいというふうに思っています。どんなふうな、三鷹市が具体的な支援をするかということについてですね、金銭的な発生がどういうふうになるのかということについて、具体的に詰めてはいません。これからの課題です。ただ、中心的には恐らく、ほとんど杏林大学さんの側で負担するものというふうに現在は思っています。
 それから、南側の道路の拡幅によってバスルートということですが、今回のバス交通の問題で私どもが一番前提としておりましたのは、先ほど都市整備部長も答弁いたしましたように、吉祥寺通りに負担をかけない。現状でも通勤・通学時はかなりバスに乗りおりの人でたくさんいますし、それから、ちょっと時間がずれれば、病院側の東八道路の南側のほうでも、吉祥寺通りのところはですね、かなり混雑をしますので、そこを余り使わないようにするにはどうするかというところで考えておりますので、南側からあそこにバスが出てくるとですね、それだけでまた交通渋滞が発生する可能性があるので、現状ではそういうことは避けようということを議論の上で考えているところです。
 自転車交通については都市整備部長にお願いします。


◯都市整備部長(大石田久宗君)  自転車の東京都が設置した条例というのはですね、安全に関する条例なんですけれども、ほとんど既に今の市が持っている条例とかぶっておりまして、事業者責任というのは何かというと、事業者が駅から例えば従業員が通っている場合にですね、駅の駐輪場を借りているということの確認をしなければいけない。同じことを演繹するとですね、大学は、駅に例えば学生さんがね、ちゃんと駐輪場を借りているかなということを確認して、自分のところの駐輪場の確保だけではなくてというふうになるわけですが、まだ先のことですし、28年ですね。問題は、この東京都の条例でいうと、とりあえずもっと細かいですね、さまざまな計画が出てきますから、今の段階では駅の近くに駐輪場を借りたということを確認するということが事業者の責任というふうになります。


◯9番(土屋健一君)  御答弁ありがとうございました。杏林大学とのよりよい関係、今までどおり保ちつつ、杏林大学側、そして三鷹市側双方にとりまして、より連携・協力、支援などなど、いわゆるウイン・ウインの取り組みが、お互いの発展への取り組みがこれからもなされていくことを希望いたしまして、質問は終わりたいと思います。


◯議長(伊藤俊明君)  以上で土屋健一君の質問を終わります。
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◯議長(伊藤俊明君)  この際、しばらく休憩いたします。
               午後3時05分 休憩



               午後3時30分 再開
◯議長(伊藤俊明君)  休憩前に引き続き、会議を再開いたします。
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◯議長(伊藤俊明君)  市政に関する一般質問を続けます。
 次の通告者、6番 加藤浩司君、登壇願います。
                〔6番 加藤浩司君 登壇〕


◯6番(加藤浩司君)  それでは、議長の御指名をいただきましたので、通告に従いまして市政に関する一般質問をさせていただきます。御答弁のほどよろしくお願いいたします。
 我が国は世界有数の地震発生地域にあり、過去より頻繁に大きな被害が生じるような地震に見舞われてきました。さらに近年、日本付近は地震の活動期に入っており、近い将来には、東海地震、東南海地震、南海地震や首都直下地震などが発生すると言われています。住宅や建築物の耐震化は、死者の軽減、出火、火災延焼などによる被害拡大の防止に及ぼす直接的な効果や社会全体のコストを軽減する副次的な効果が高く、中央防災会議でも最も重視される課題の1つであります。
 本市では、市内の小・中学校を避難所と指定していることから、学校施設は子どもたちの活動の場であるとともに、非常災害時には地域住民の避難所としての役割を果たすため、その安全性の確保は極めて重要であります。特に地震による被害から子どもたちを守るため、地震に強い施設づくりは喫緊の課題であり、地震による倒壊などの危険性が高い建物について、優先的に耐震化を図るなど、学校施設等の耐震化を推進しなくてはなりません。
 文部科学省は8月7日、福島県の一部を除く全国公立小・中学校等の校舎や体育館など12万460棟の耐震化状況を発表しました。これによりますと、耐震性の確保されている割合、いわゆる耐震化率は88.9%と、昨年調査結果の84.8%と比べると4.1ポイント増加いたしました。耐震化率を都道府県別に見ますと、東京都は98.2%で、1位の静岡県99.2%、2位に愛知県99.0%、3位に宮城県98.7%に続いて第4位で、以下、三重県、山梨県、神奈川県と続きます。東京都は、昨年度調査96.7%で5位でしたから、1.5ポイントアップして、順位も三重県を抜いて1つ上がったことになります。三鷹市では、三鷹中央学園第三小学校建替事業により、昨年12月新校舎が完成し、ことしの3月に新校舎への移転が進み、小・中学校校舎の耐震化率は100%となりました。我が会派は、市長に対し、毎年、全ての避難所を早期耐震化の要望を出しておりますが、市の取り組みは東日本大震災以前から、市民の安全安心の観点から耐震化を推進してきた結果であると、大いに評価をいたしております。多くの自治体が、東日本大震災発災以降、耐震や防災・減災の取り組みを加速してきました。引き続き本市におかれましても、全ての避難所の耐震化にスピーディーに取り組んでいただきたいと考えております。
 昨年度の大沢コミュニティ・センター耐震補強工事に引き続き、今年度は牟礼コミュニティ・センター耐震補強工事に着手するとともに、2つの小学校体育館の耐震化に向けて耐震補強設計など準備が進められているところであります。それでもまだ耐震度の不足している施設はゼロにはなりません。
 ここでお尋ねいたしたいと思います。防災上重要な施設の耐震化率100%の今後の取り組みについて、市長の御所見をお伺いいたします。
 政府は7月9日、天井の落下防止措置を盛り込んだ建築基準法施行令の一部を改正する政令を閣議決定しました。2014年4月1日施行する予定で準備に取り組んでいる段階であります。改正建築基準法施行令では、落下によって重大な危害が生じるおそれがある天井を国土交通大臣が特定天井と定め、構造方法について認定工法の採用等を義務づけることになっております。告示案では、特定天井の対象となる天井は、床から高さ6メートルを超え、面積200平方メートルを超えるつり天井としています。さきに申し上げましたが、建物の耐震化は、全国的に加速度を増して進められています。しかし、一方で、近年の大規模な地震では、天井材の落下など、いわゆる非構造部材の被害が発生しております。
 ここでお尋ねいたしたいと思います。本市の防災上重要な施設において、落下によって重大な危険が生じるおそれがある天井とはどの程度あると把握しておりますでしょうか。
 このように非構造物に対する耐震化は、建物の耐震化と比べ、進んでいないのが現状であります。いつでも起こり得る大規模な地震に備え、可能な限り早期に点検を実施する必要があります。学校施設など避難所と指定しているような市内の防災上重要な施設における安全確保のため、地震発生時の被害を軽減するよう、過去の被害状況を踏まえ、想定される危険の芽を摘み取ることが大切であると考えます。非構造部材は多種多様であり、部材によっては耐震対策の方法が十分に確立されていないものもあるようです。また、非構造部材に関する耐震点検などは、比較的容易なものから専門的な知識や多額の費用を伴うものまでさまざまであります。
 ここでお尋ねいたしたいと思います。小・中学校施設の非構造部材の安全性について、どのような方法で調査し、把握をしているのでしょうか、お尋ねいたします。
 これで壇上よりの質問は終わらせていただきますが、御答弁によりましては自席での再質問を留保させていただきます。御答弁のほどよろしくお願いいたします。
                〔市長 清原慶子さん 登壇〕


◯市長(清原慶子さん)  それでは、安全な避難所の積極的な推進に関する御質問に答弁をいたします。
 昨日9月1日は大正12年関東大震災が発生した日であり、あれから90年が過ぎました。しかし、市長として、災害対策の責任者として、防災については常に緊張して臨んでおりまして、いただきました防災上重要な公共建築物の耐震化についても、常に心がけ、その取り組みを進めているところでございます。
 平成25年3月に改定しました三鷹市耐震改修促進計画において、防災上重要な公共建築物111棟の耐震化の現状をお示ししているところです。現在、耐震性を満たす建築物が93棟、耐震補強を必要とする建築物は、新川防災公園・多機能複合施設(仮称)に集約される施設を含めて18棟あります。平成28年度までに耐震化率を100%とすることを目標として計画的に取り組みを進めております。
 大きな2点目としまして、避難所の非構造部材の耐震化についての御質問にお答えいたします。
 公共施設の安全性の確保については、主要構造部の耐震化だけではなくて、天井材や照明器具などの二次的な非構造部材についても耐震化することの重要性を強く認識しているところでございます。市内の防災上重要な公共建築物の天井については、緊急対策を講じなければならないとまでは至らないものの、経年劣化等への対応が必要であると考えております。
 そこで、建築基準法で定められた定期点検にあわせまして、建築設備などの老朽化の点検や天井材、照明器具、テレビ台、外壁など非構造部材の目視による点検調査を計画的に行い、適切な対応を検討してまいります。また、耐震補強工事を実施する際には、耐震天井を導入するなどの取り組みをあわせて行っています。また、新川防災公園・多機能複合施設(仮称)においては、メーンアリーナなどの大空間では、落下の可能性のある部材の使用を避けまして、安全に利用できるもので、しかも、開放感のある空間とする計画でございます。
 私からの答弁は以上でございます。


◯教育長(高部明夫君)  それでは、小・中学校施設の非構造部材の安全性についてお答えをいたします。
 学校の天井材、内装、照明器具などの非構造部材につきましては、平成24年の12月から翌年平成25年の1月にかけまして点検を行ったところでございます。文部科学省が示しております学校施設の非構造部材の耐震化ガイドブックにあります点検チェック表(学校用)というのがございますけれども、これに基づきまして、各学校の教職員による目視を中心とした点検を行ったところでございます。この結果、緊急対応を要する箇所は見当たりませんでした。該当はございませんでした。また、平素からふぐあいを発見した際には、速やかに必要な改修等の対応を行っているところでございます。
 今後はですね、これらの非構造部材につきまして、専門事業者によります専門的な点検調査を計画的に行いまして、これに基づく適切な対応に努めてまいりたいというふうに考えております。
 以上です。


◯6番(加藤浩司君)  御答弁ありがとうございました。施設の耐震化率100%について再質問をさせていただきたいと思います。
 今、市長の御答弁にありました、三鷹市ではここ市民センター内の市庁舎、議場棟を初め、市立小・中学校校舎、体育館、7つのコミュニティ・センターや北野ハピネスセンターなどの福祉施設を含め、111棟を防災上重要な公共建築物として指定をしているわけでありますけれども、この防災上重要な施設の耐震化にまだ数年かかってしまう実態が、今、市長の答弁の中でもありました。28年を目途ということでありますけれども、先ほどの他の議員の質問の言葉をかりるわけではありませんが、前倒しという言葉を使うのがいいかどうかは別としまして、もう少しスピーディーに進めることはできないか、改めて御所見をいただきたいと思います。いつ起こり得るかわからないものに関して、28年──集約されるものに関しては、しようがないかなとは思いますけれども、この市民センター内の第二体育館の天井は、このつり天井、特定天井に指定されるような天井だというふうに認識をしております。答弁の中でもありましたけれども、照明器具または放送機器、テレビ台なども含めてですね、今、行われている点検というのはあくまでも目視の点検でもあったりとかしますので、先ほど申し上げました建物の耐震化とあわせて、この非構造部材の耐震化についてもしっかりと進めていただきたいと思いますけれども、御所見をお願いいたします。


◯企画部長・都市再生担当部長(河野康之君)  耐震化のですね、完了時期についてのですね、御指摘がありました。市としてはですね、極力、一刻も早くということで進めておりますが、この28年度末というのは、御案内のとおり新川防災公園・多機能複合施設の竣工年度でございます。したがいましてですね、ここがですね、1つのめどということで、今、鋭意進めておるところでございますので、ぜひ御理解いただきたいと思います。


◯都市整備部調整担当部長(若林俊樹君)  照明器具等のところですね、目視ということで今はやっておりますけれども、外壁等につきましてはですね、赤外線等を使ってですね、浮いてないかとかですね、そういう調査もあわせてやっております。今後、先ほど教育長のほうもありましたけれども、天井材等については、ある程度の金額がかかるものがありますので、その辺についても、財政フレーム等のですね、中で調整して、できるものはやっていきたいというふうに考えております。


◯6番(加藤浩司君)  最終的に防災公園が竣工することによって全てが100%になるということに関しては理解を示すものでありますので、そこに集約されるもの以外に関しては、早期にやっていただければと思います。特に学校施設に関してですけれども、文部科学省は、平成27年度までに全ての建物を耐震化するようにということで、地方公共団体に対して要請をされていると思います。そして、特別措置法によりまして、たしか補助金のかさ上げも27年度までというふうに、調べたところ書いてあります。そうであるならば、三鷹市の財政という言葉が端々に出てくるところでありますので、ぜひ27年度までそのかさ上げされている補助金を上手に利用しながら、27年度まで進めるべきではないかと思いますけれども、その点に関して御所見をお願いいたします。


◯都市整備部調整担当部長(若林俊樹君)  学校施設、特に体育館の話になるかと思いますけれども、先ほど議員もおっしゃったとおり、ことし2棟設計しておりまして、今、議員のおっしゃった補助がありますので、来年度、残りの4棟についても、今、設計をしようということで計画を立てておりますので、27年までに終わらせようという形の計画を立てているところでございます。


◯6番(加藤浩司君)  済みません。体育館の建てかえは27年度までその補助金を使ってできるということを今、御答弁いただきましたけれども、非構造部材に関しても27年度までにできるのかどうかをちょっとお尋ねしたいと思います。


◯教育長(高部明夫君)  学校施設につきましてはですね、もちろん非構造部材、大変重要なポイントですけれども、全体の老朽化改修というのもですね、やはり次に控えたテーマですので、非構造部材が終わってから次に老朽化ということではなくて、やっぱりそれも含めてですね、計画的に実施していきたいということで第4次基本計画の中に盛り込んでおりますので、できるだけ東京都、国の財源を活用しながらですね、早急にやっていきたいというふうに思っております。


◯6番(加藤浩司君)  ぜひ進めていただきたいと思います。先ほど教育長がお話しされた文部科学省が出しているガイドブック、耐震化によるガイドブックということで、とりあえず当面は、設置者や教職員による目視の点検ということがここにうたわれているわけですけれども、過去のトンネル事故はですね、やっぱり老朽化で、目視でわからなかったものの天井が落っこってきたりとか、そういうものもありますので、三鷹市の事例ではありませんが、やはり過去のそういう被害をですね、勉強していただいて、そのような点をどんどん進めていただければと思います。文部科学省が行った講演会に出席した技術者を派遣──紹介なのかな、する事業もたしかあると思います。そういうものを活用して、早期にですね、点検をしていただいて、危険な芽を摘み取るようにしていただきたいと思っております。
 今、28年度までに防災公園を終えることによって、全ての建物の耐震化を終わらせるというお話をいただきました。そして、それ以外に関しては、なるべく三鷹市の独自財源を使うことなく進めていただけるということですので、確実に子どもたちのですね、活動する場、そして万が一の際は、市民がそこに避難をしてくるわけですから、避難所としての安全性を確保できるべく努力をしていただきたいと思います。
 以上で質問を終わります。ありがとうございました。


◯議長(伊藤俊明君)  以上で加藤浩司君の質問を終わります。
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◯議長(伊藤俊明君)  次の通告者、23番 吉野和之君、登壇願います。
                〔23番 吉野和之君 登壇〕


◯23番(吉野和之君)  議長の御指名をいただきましたので、通告に従い一般質問をさせていただきます。
 ICTに関しましては、かつて何度か一般質問でも取り上げましたが、その後の技術革新は目覚ましく、私がかつて質問した当時には存在しなかったかほとんど普及していなかったツイッター、スマートフォン、フェースブック、LINE等が隆盛となり、当時とは大きく時代状況も変化しておりますので、その後の状況変化も踏まえ、ICTについて質問をさせていただきます。
 まず、ICT教育について質問をさせていただきます。
 三鷹市は、ICT教育の小・中一貫教育のカリキュラムを作成し、先進的にICT教育を行っており、21世紀を生き抜く子どもたちにとって、ICTの活用は必須であり、ICT教育は今後とも先進的に、積極的に推進していくべきものと考えます。しかしながら、一方、厚生労働省の研究班の調査によると、ネット依存生徒は全国で約51万8,000人になるとの結果が出たとの報道がありました。この調査結果を見ても、ICT教育を推進していく上で、その問題点についても十分に考慮しながら推進していくべきものであると考えます。
 そこで、まず、いわゆるICT社会そのものに存する問題点について考えたいと思います。第1に、デジタル社会であるという点が挙げられます。この点は、以前にも指摘しましたが、コンピューターは基本的には二進法であり、原因と結果しかありません。しかし、人生は過程であり、結果のみを追い求めるものではないかと私は考えます。人生における過程の重要性については、高名な宗教家である松原泰道氏もその著「一日一生」という本で、二宮金次郎の「この秋は 雨か嵐か 知らねども きょうのつとめに 田草取るなり」という歌を紹介し、結果よりも過程の重要性を説いております。しかし、今言ったように二進法を基礎とするコンピューター社会は、結果が全てであると言っても過言ではありません。検索エンジンに調べたい項目をインプットすれば、結果が一瞬のうちに画面上に出てくるわけであります。調べるための過程の苦労、そういうものが全く欠如していると言ってもいいのではないでしょうか。
 第2に、第1点と関連しますが、歴史・文化・伝統という発想が全く存しないという点であります。一言で言えば、横の発想しかなくて、縦につながる悠久の歴史とは無縁の社会であるということであります。
 以上の点については、ICT社会そのものが抱える問題であり、特に教育の分野においては、この部分をどう克服するかが重要な問題になると考えます。
 ICT社会の抱える問題点について、以前、当時の教育部長より、情報教育を推進する中で、情報機器の操作性等にとらわれて失いがちな人間性豊かな心の教育をあわせて推進していくことが大変重要である。(中略)心の教育の推進については、道徳時間がかなめであるという趣旨の答弁をいただきましたが、もう一歩踏み込んで、デジタル社会そのものの抱える非人間性とともに、日本人としての歴史・伝統・文化の必要性について、道徳教育の中で指導することが必要であると考えます。
 ここで質問です。以上のコンピューターそのものに存する問題点に関して、基本的にどのような見解をお持ちか、また、教育の場において、これに対してどのように対応していくべきかについて、教育長の基本見解を伺います。
 次の質問ですが、また、デジタル社会の抱える問題点について、保護者の方々とともに考えていく機会を持つことも必要と考えますが、ICT社会の抱える問題点について、保護者との意見交換を行っているのか、行っているとしたら、どのような意見が保護者から出ているのかについてお伺いいたします。
 次に、もう一つの問題として、冒頭に挙げたネット社会に埋没する危険性、ネットに過度に依存することがあるということであります。昨年、当時のローマ法王ベネディクト16世が、ツイッター上で、チャットやツイートを控え、一人、静かに考えなさいという内容のことを発したことが伝えられ、話題となりました。ツイッター上で、ツイッターの使用を控えなさいということを発すること自体、自己矛盾ではないかと思う方もいるかもしれませんが、情報メディアを使用する際、常にその問題点を認識しつつ使用すべきであるという警告であると考えます。
 また、ことし3月、NHKで放映された時論公論において、「“ネット依存”対策を急げ」というテーマで取り上げられ、番組内では、1日15時間、常に携帯でネットにつながっていたり、夏休みに毎日16時間オンラインゲームを行い、病院でカウンセリングを受けている中学生がいるとの例が挙げられ、ネット依存対策の必要性を訴えておりました。先ほど挙げた厚生労働省研究班の調査によると、ネット依存の疑いの強い生徒は、中学生では約6%、不適切な使用は約16%に当たると推計しております。これを合計すると、中学生の約2割以上がネットの不適切な使用をしているという結果であります。
 このような現状を受け、8月24日付の読売新聞によると、政府は、生徒に「ネット断食」合宿を来年度から実施する方針を打ち出したと報じられています。これは、小学生から高校生までを主な対象に、一定の時間、インターネット環境から遠ざかるネット断食を来年度から開催し、ネット依存の症状や処方箋を探るものとされております。三鷹市では、小学校全校の6年生、中学校全校の2年生が参加する川上郷自然教室が毎年行われており、現地では、当然、ネット断食状態であるものと推察いたしますが、この機会にネットから離れることの重要性について体験し、過度のネット依存の危険性について学ぶことが必要であると考えます。
 ここで質問ですが、三鷹市ではネット依存の現状をどのように捉えているでしょうか。市内の小・中学生のネット依存の現状を把握していますか。また、今後、ネット依存対策をどのようにしていくのかお伺いいたします。
 次に、ICT小・中一貫カリキュラムについてお伺いいたします。
 同カリキュラムでは、三鷹市の子どもたちにつけたいICT教育の力を掲げ、この力を身につけるために、A、基礎的操作能力・科学的理解、B、情報活用の実践力、C、情報モラルの3つに分け、指導をしております。
 ここで質問ですが、まず、ICT教育を小・中一貫で行うメリットはどこにあるのか、基本的見解をお伺いいたします。
 次に、A、基礎的操作能力・科学的理解についてであります。これについての質問ですが、近年、OSも更新され、新しい技術が日進月歩で導入されていますが、できるだけ新しいバージョンを使用するとともに、新しい技術に対応するためには、このカリキュラムも絶えず更新される必要があると考えます。この点、現状ではどのようになっているのかお伺いいたします。
 次に、Bの情報活用の実践力と情報モラルについてです。情報活用と情報モラルは大いに関連性があり、カリキュラムにおいても関連づけて指導するようになっていますが、近年、スマートフォン、LINE等、新たな画期的なコミュニティツールが急速に進展してきており、これら新たなコミュニケーションツールに対する対応も急務であると考えます。
 8月27日、NHKで放映されたクローズアップ現代において、「スマホで広がる違法就労〜10代闇のネットワーク〜」というテーマで、スマホを使用していかに違法行為がなされているかが放映されていました。番組中ではSNSのシステムを悪用した会員サイトの例などが取り上げられました。SNSは多くの仲間に一斉に情報を伝えられるという便利な側面がある一方、会員のみに限定されたものであり、外部からは一切その内容を知ることができない。また、1つのグループがネズミ算的に増殖していくことも可能な仕組みであり、SNSを悪用した違法就労の実態が放映されておりました。これら新しく出現し、急速に広まっているメディアに対しても、的確に対応していくべきであることが必要であると考えます。
 ここで質問ですが、新たなコミュニケーションツールに対する対応について、どのように行っているかお伺いいたします。
 次に、大きな質問の2つ目、情報セキュリティーについてお伺いいたします。
 8月14日付読売新聞1面トップで見ると、こういう見出しがありました。「感染サイト急増 改ざん2,500件個人情報流出恐れ」。こういう見出しで、官公庁や企業のウエブサイトを見ただけでウイルスに感染するケースが急増しているとの記事が出ていました。また、8月23日付の同紙には、中野区で通知表データが紛失、大手生命保険会社の個人情報約3万人の情報が流失したなどと報道され、連日のようにセキュリティーの不備から来る事件が発生している現状があります。
 三鷹市では、情報セキュリティーに関してはISMSの認証を取得し、全庁挙げて先進的に取り組んでいます。ISMSについては、かつて一般質問でも取り上げられ、一定の答弁をいただきましたが、その後、情報セキュリティーに関しても、今挙げた例のように新たな事件が連日のように発生しており、セキュリティーレベル向上のための一層充実した取り組みが必要と考えます。
 平成21年には、本会議において、ISMSを遵守するということになると、かなり細かい基準などがあるので、業務を行う主管課の方も、また、そのチェックをする内部体制もかなり負担があるということも事実であるので、その簡易版をつくって、より裾野を広げるということも1つの方策というふうに考えている、こういう趣旨の答弁がありました。地域情報化プラン2022には、ISMS認証取得課とそれ以外の課では、情報セキュリティーに対するギャップが生じていると考えられる。今後は認証取得課と認証取得未実施の課のセキュリティーレベルの格差を縮小すべく、全庁を視野に入れたセキュリティーレベル向上のための取り組みを行いますと書かれています。
 以上のことを踏まえて、以下質問いたします。
 ISMSを遵守するには、主管課、内部体制にかなりの負担があるということですが、遵守するに当たって、現実にどのような人的負担があるのかお伺いいたします。
 次の質問ですが、現在、ISMS認証取得登録範囲は、企画部情報推進課、市民部5課、総務部2課、教育委員会3課及び市政窓口となっており、健康福祉部、生活環境部、都市整備部等は登録範囲外となっていますが、登録の範囲を決めるに当たっての基準はどのようになっているか、お伺いいたします。
 次に、セキュリティーの基本は、最終的には人に帰するものであると考えます。職員の意識啓発を行い、情報倫理、モラルを確立していくことが重要であります。この点について、地域情報化プラン2022では、研修やeラーニングの充実化を図るなどして職員の意識啓発を促進します。また、意識啓発に当たってはなるべく職員が実施するなど、外部委託費の抑制を意識しますと書かれています。
 意識啓発には技術的側面とモラル的側面があり、両者とも必須であるべきものと考えますが、特にモラル的側面の啓発は、職員が自主的、主体的に行っていくべきものであると考えます。島田達巳先生の書かれた「自治体の情報セキュリティ」という本があり、三鷹市の事例も紹介されており、読まれた方も多いと思いますが、その中で、増大する情報倫理問題に対処するに際して、情報倫理特有の種々の倫理行動が求められると見られがちであり、ITを使用した倫理問題の現象は多様化してきているものの、次が大事なポイントなんですが、基本的には日常の倫理観で対処することで、大きな問題は十分回避できることであると述べられていることは、十分傾聴に値する言葉であると思います。情報セキュリティーに関する意識啓発を行う際には、技術的側面とともに、日常、倫理的側面にも重点を置いて行っていくべきであると考えます。
 ここで質問ですが、以上の点を踏まえ、情報セキュリティーに関する職員研修及びOJTはどのように行われているか、お伺いいたします。
 次の質問ですが、セキュリティーに対するウイルス側の攻撃は日々進んできています。先ほど挙げたように、万全のセキュリティー体制を組んでいるはずの国の機関や大企業においても、数々の事件が日常茶飯事に起きています。ウイルスやセキュリティーに対する新たな脅威については、時々刻々その情報を得る体制を整備しておく必要があると考えますが、新たなセキュリティーに対する脅威について、即対応できる体制はどのように整備されているのかについてお伺いいたします。
 以上で壇上での質問を終わりますが、御答弁によりましては自席での再質問を留保させていただきます。
                〔市長 清原慶子さん 登壇〕


◯市長(清原慶子さん)  それでは、私からは、大きな2点目で御質問いただきました情報セキュリティーについて答弁をいたします。
 1点目、ISMS遵守に係る人的負担についてでございます。
 ISMSでは、ISO27001という規格に従いまして認証を受けることを基本としています。認証の取得では、システムはもちろん、紙媒体による情報を含めた全業務の洗い出しから始まりまして、想定されるリスクの検証を経て対応策の確認により認証に至ります。認証取得後も、基準に従った厳しい運用を行うとともに、職員による改善及び見直しを常に実施しています。中でも認証取得課で中心となる情報セキュリティー担当者は、情報セキュリティーに関する専門研修のほか、課内の規格文書の更新、他の部局の内部監査を行う情報セキュリティー監査担当となる研修を受けるなど、より積極的な参加を求められております。
 さて、この認証取得をしている課で、ISMSの運用を経験した職員は、他の認証していない部局に異動した際、その課の情報セキュリティー向上のキーパーソンになるなど、職員による継続的、自発的な取り組みが全庁のセキュリティーレベル向上の原動力にもなっております。
 先ほど質問議員さんは、ICTについては極めて重要だけれども、その使い方においてはですね、非常に留意することが必要であるとおっしゃいました。そして、過程が結果よりも大切とおっしゃいました。このインフォメーションセキュリティーマネジメントシステム、ISMSというのは、まさにプロセスが重要でございまして、プロセスを正当なものにしていかなければよい結果が得られませんので、御指摘のことで言えば、一定のISMS遵守に係る人的負担はございますが、そのことによって実は認証を取得していない課においても、異動等により全庁的な情報セキュリティーマネジメントシステムの力が向上してきたという経過がございます。
 さて、情報セキュリティーマネジメントシステムに関します2つ目の御質問、選定基準についてお答えいたします。すなわち全ての課で認証を取得していないわけだけれども、今まで認証を取得した課を選定した基準は何かという御質問にお答えいたします。
 ISMSの認証を取得している課については、質問議員さんが列挙されたとおりでございます。この認証を受けている課のうち、1つには市民部市民課、市政窓口、市民税課、資産税課、納税課、保険課というのは、住民記録情報や税関連情報など全ての市民を対象とした情報を取り扱う部門です。したがいまして、全ての市民を対象とした情報を取り扱う部門をまずは対象といたしました。
 2つ目でございますが、施設や契約を担当する部署であります総務部の契約管理課、あるいは文書や条例に携わる政策法務課、全庁の情報システム部門を管理する企画部情報推進課は、文書、庁舎、情報システムといった全庁の業務に関連する基本的な機能を果たすセクションでございます。したがいまして、この部門を対象にしておくということは、この部門との関連性を通して他の部門の基盤的な機能を果たすことから、情報セキュリティーの向上につながるという判断です。
 そして3つ目でございます。これは、教育部門における情報セキュリティー体制を確保したいということで、教育委員会の事務局の総務課、学務課、指導課が認証を取得しました。すなわち教育現場であります学校の教職員、また東京都の事務職員は認証の対象外でございます。ただし、教育委員会の職場が認証を取得していることから、学校のLAN環境──ローカルエリアネットワークのLANですね、LAN環境であるとか、校務システムなどに情報セキュリティーのポリシーが適用されております。したがいまして、教育委員会事務局総務課、学務課、指導課が認証を取得することによって、学校教育全体における個人情報、成績情報等ありますので、それらをきちんと守るということを通したわけでございます。
 次に、質問の9番目、情報セキュリティーに関する職員研修及びOJTについてお答えをいたします。
 質問議員さんが言われたように、情報セキュリティーについては、最終的には人ではないか、情報倫理が重要であるということについて、私は同感でございます。そこで、職員に対する研修については、1つとして、外部からの、例えば責任監査法人等からの講師を迎えまして、専門的な研修をしていただいております。また、ISMS事務局による内部研修を充実しております。そのほか、財団法人地方自治情報センターが実施しております、インターネットを通じて職場で受講できるeラーニングという手法を活用いたしまして、積極的に行っています。ISMS事務局担当者が外部機関の研修を受講することによって、少し職場を離れてですね、専門的な知識を習得する機会を得ています。加えて、これは私の考え方でございますけれども、研修を受ければ情報倫理が培われるのかといったらですね、これは個人的な力だけでは培われません。職場の風土というのが重要でございまして、具体的に無意識に失敗してしまうこともあるわけですから、常に職場はフェース・ツー・フェースで同じ場所で同じ空気を吸って仕事をしているわけでございますし、目の前には市民の皆様がいらっしゃる部署もあるわけですから、私たちとしては、この研修を単に学ぶ、情報を得るということだけではなくて、実際に職員同士が話し合いながら、ともに刺激し合いながらという風土を強めております。あわせて職員は、無意識にヒューマンエラーをすることも避けられないわけでございますから、ヒューマンエラーを防止するために、例えば窓口にお客様が来て立て込んでいて、急にシャットダウンしないまま窓口に立つことがあります。しかしながら、三鷹市の場合は、あっという間に画面が消えてしまいますので、職員でない人間がその職員の前に行っても、そのデータ等を使えないようにしているわけです。すなわち意識だけではなくて、ヒューマンエラーを防ぎ危機対応できるような、そうしたハード面のですね、っていうか使い勝手の面での取り組みをしております。だから、中には、またシャットダウンしてしまったので、一々立ち上げるのが面倒だという声も全くないわけではありませんが、それはヒューマンエラーを防いでいるものです。
 私からの答弁の最後でございますが、ウイルスやセキュリティーに対する新たな脅威への対応についてお答えいたします。
 まず、御紹介ありました読売新聞の感染記事に関してですが、現時点、三鷹市において、このウイルスの感染及び三鷹市ホームページ改ざん等の事実はないことを確認しています。このウイルスの侵入についてですが、その経路は複数ございまして、それぞれに必要とされる対応をとっています。この性質上ですね、答弁としては具体的な説明は差し控えさせていただきますけれども、少しわかる形で申し上げますと、ホームページでは改ざん防止策として、外部委託事業者による24時間監視を実施しています。また、サーバーやネットワークへ不正侵入しようとする脅威については、IPS(イントリュージョンプリベンションシステム)という、いわゆる侵入防止システムですね、という装置を導入しております。何を導入しているかは、ここでは明らかにするのを控えさせていただきます。
 また、先ほどのように、職員がどうしても席を外すときにシャットダウンを忘れたときに、直ちにというか、かなり早く消えていくように、USB等の外部記憶媒体による感染もあり得ますので、庁内のパソコンで使用できる媒体につきましては登録制にするなどですね、どんなUSBでも差し込めるということにはなっておりません。これも侵入を防ぐ、感染を防ぐとともに、ヒューマンエラーを防止する対策でございます。このようにウイルス感染につきましては、最新の取り組みを毎日更新しながらするようにしておりまして、特にメールの添付ファイルによる侵入には対応しておりまして、国のですね、官庁のホームページ等のウイルス感染というのは、かなり私たちに脅威を与えておりますので、私たち自治体がみずから守ることによって、特に私たちがお預かりしている情報は市民の皆様にとって大切な大切な情報ですので、最大限ウイルス感染を予防するとともに、対処についての研修についても強めているところです。
 私の答弁は以上でございます。


◯教育長(高部明夫君)  それでは、ICT教育につきまして、まずコンピューターに存する問題についてお答えをいたします。
 コンピューターによる情報化の進展につきましては、私たちの暮らしを豊かにし、誰もが世界中のさまざまな情報を入手することを可能にした反面、インターネットの持つ匿名性ゆえに誹謗中傷、いわゆるネットいじめなどを初めとします犯罪やトラブルの発生など、さまざまな問題も同時に引き起こしているというふうに認識しております。学校教育の場では、いかに社会や環境が変化しても、人としての正しい判断力や規範意識、人を思いやり尊重する心など、豊かな人間性を育むための心の教育というのは欠かせないものと考えておりますので、各教科を通じてそういった指導をするとともに、コンピューターの持ちますメリット・デメリットを児童・生徒に十分認識させ、とりわけ情報モラルの育成を重視してまいりたいというふうに考えております。
 次に、保護者との意見交換でございます。
 三鷹市立小・中学校におきましては、情報モラル教育について保護者や地域の方々と意見交換の機会を設定し、実施しているところでございます。具体的には学校公開日におきますセーフティー教室、道徳授業地区公開講座、また、保護者会等の機会にですね、インターネット上の非行や犯罪被害から児童・生徒を守るための具体的な実施につきまして、保護者、地域住民、教員、三鷹警察署担当者の方々によります意見交換を行っているところでございます。
 保護者からの意見としましては、携帯やスマホを子どもに与えるかどうか、どういったルールが必要なのか、ルールをどのように守らせるのかということについて意見が出されているところでございます。
 次に、小・中学生のネット依存の現状と対策ということでございます。
 先ほど引用されました厚生労働省研究班の調査、これはサンプル調査でございまして、三鷹市を含めた全国をですね、直接調査を行っているものではございません。三鷹市立の小・中学校の児童・生徒のパソコンや携帯電話の使用状況につきましては、三鷹市学習到達度調査の学習意識調査で行っておりまして、それによりますと三鷹市立中学校3年生の11%が1日に3時間以上コンピューターゲームを行っているという状況、それから、21%が1日1時間以上携帯電話を使用しているということの結果がございます。インターネット依存といった明確な判断基準があるわけではございませんので、厚生労働省を初めとしました、文科省も含めてですが、今後の調査研究を注視してまいりたいというふうに考えております。
 教育委員会の対策としましては、子どもたちに対しまして、インターネットについての使い方についての教育をしていく。インターネットの使用による悪影響が見られる場合は、早期に発見をし、相談を行っていく体制づくりを進めてまいります。今後も学校、家庭、地域と連携を図りながら、可能な限り実態把握に努めるとともに、学校に対してはですね、小・中一貫教育カリキュラム、ICT教育に基づきまして、児童・生徒の実態に応じた情報モラル教育の実践を指導してまいりたいというふうに考えております。
 その他については担当よりお答えをいたします。


◯教育委員会事務局教育部長・調整担当部長(山口忠嗣君)  それでは、教育長の答弁に補足をさせていただきます。
 ICT教育を小・中一貫教育で行うメリットでございます。
 三鷹市ではICT教育に関しまして、小学校の1年生から中学校3年生までの児童・生徒が小・中一貫教育カリキュラムにおきまして、各教科単元の中でICT機器を効果的に活用できる学習内容を例示いたしまして、子どもの成長に合わせて9年制を見通した計画的、系統的な指導を行っております。この中で基礎的な操作からインターネット閲覧の危険性、情報ネットワークに関する法律までを体系的に学習をしているところでございます。この9年間にわたります連続的、段階的な教育こそが、三鷹市小・中一貫教育ならではの大きなメリットであると認識をしているところでございます。
 次に、小・中一貫教育カリキュラム更新の必要についてでございます。
 小・中一貫教育カリキュラムにつきましては、ICT機器の操作を身につける段階的な指導のあり方を示したり、それらを用いて情報リテラシーを身につけたり、思考力、判断力、表現力といったような、そういった能力を向上させる現行の学習指導要領を踏まえました観点から、計画的、系統的に作成をしております。そのため、個別具体のOS、あるいは情報機器の操作を指導内容としたものではございませんけれども、そういったことによって直ちにカリキュラムに影響が出るというふうには考えてございません。しかしながら、その時々の状況に注視をしながらですね、計画的な更新に努めてまいりたいと考えているところでございます。
 最後、新たなコミュニケーションツールに対する対応についてでございます。ICTを利活用いたします新たなコミュニケーションツールの利用、このことで得られます情報活用におきましても、情報の内容を見きわめる力、他人を尊重する気持ちを持つということが大切なものと考えられますので、引き続き、ICT機器の取り扱い技術やツールの利活用方法に対する注意事項等について、適切な指導に努めるとともに、新たなコミュニケーションツールについてもですね、できるだけ迅速な対応に心がけて、その中に潜む危険性、管理のあり方、的確な対応等について、児童はもとより家庭にもですね、その普及を図ってまいりたいというふうに考えてございます。
 以上でございます。


◯23番(吉野和之君)  御答弁ありがとうございました。それでは、まず教育のほうから質問をさせていただきたいと思います。
 ICT社会の抱える問題点についてなんですけども、文明の利器というものはですね、その力が大きければ大きいほど取り扱いには十分注意しなければいけないと。これはまさにICTについて言えることなんですね。21世紀を、世界を相手に生き抜く子どもたちにとって必要なのは、この世界のレベルに負けないためのですね、ICT、これを自由自在に駆使できる力をつける。そのための基礎力を小・中学校で養う。これが絶対に必要である。まさに商取引もこれからですね、交渉も全てICTなしでは考えられないわけですから、世界の諸国もこのICT教育には最高の力を入れている。日本においてもですね、特に最先進都市である三鷹は、このICT教育に大きな力を入れる。このことを十分に評価しているし、常に最先進であるべきであると思います。しかし、一方ですね、先ほど言ったように、情報化社会はその使い方を誤ると大変に大きな弊害をもたらすということですね。それで今回の質問をさせていただいたわけです。
 そこで、まず三鷹市にとって必要なのは何かといいますとですね、まず、三鷹市の子どもたちのネット使用の現状をより細かに知ることではないでしょうか。先ほどの御答弁の中で、調査の中でですね、必ずしもネットの調査ではないですよね、学習意識調査ですか。この中の一端で見ただけでもですね、3時間以上利用が11%という結果が出ていますね。これは、やはり実態をもう少し市で詳しく知る必要があるのではないかなと思います。国の動きを見るというのも1つの方法でしょうけど、ICT教育の最先進都市である三鷹市は、やはりですね、今、子どもたちがどのようなICT環境の中に置かれ、どのようにICTを使っているのか、先ほど言ったLINEとかですね、ツイッターとか、あるいはスマートフォン、こういうのを現実にどれくらい使っているのか。あるいはテレビゲームを含めてですね、コンピューターゲームを含めて。これをもう少し細かくですね、まず現状把握が必要であると思います。まずこの点をお伺いいたします。
 先ほど御答弁にもありましたように、いわゆるICT依存症に対するですね、明確な判断基準がないという、これはね、やはり国の問題だと思うんですよ。このネット依存社会に対してですね、どのような対応をすべきか。当然、自治体には一定の限界があると思いますが、最も進んでいる三鷹市であればこそですね、逆に国を一歩リードするような、ネット社会に対する対応が必要ですね。その第一歩として、まずより細かに子どもたちのネット環境、どれだけ利用しているかを調べることが必要である。これをまずもって質問いたします。
 先ほどちょっとNHKの番組の例を挙げたんですけれども、この中でですね、行政側が考えるべきことということで3つ挙げているんですね。これは、さっき言ったネット依存の診断基準づくり、これはね、市だけではなかなかできないと思いますけれども。それから、あと基準をもとに実態調査を行うということですね。ただ、これは基準ができなければですね、調査を行えないということではないと思うんですね。現状、今の子どもたちがどんな環境に置かれているか、これをまず調べる。これは私は市でもできると思うんです。いや、むしろ市が率先してね、やり方はいろいろあるでしょうけど、これはやはりまず現状把握をしっかりとする。ここからスタートすべきであると思います。
 それから、もう一つ挙げているんですね。専門的な相談機関や医療機関の拡充、これは実はまだ国のレベルでもなかなか注目されてないところなんですけども、やはりネット依存症も過度になるとですね、やはり専門的な相談機関とか、そういう医療機関が必要であるというですね、こういうことも言われております。ですから、相談体制は今どうなっているのかですね。子どもたちが、例えばネット依存で困っている。親がですね、自分の子どもがネット依存で困っている。そういうときの相談体制、現在どうなっているのか。この相談に当たる人は、やはりそれなりのネットに対するですね、ある程度の専門的知識が必要だと思うんですよ。この点について、現状どうなっているのかお伺いいたします。
 それからもう一つ、これは私が考えることなんですけども、まずネット依存にならないための環境づくり、意識啓発、これは一番重要だと思いますし、これは十分、自治体がリーダーシップを持ってできることだと思います。つまり、子どもだけではなくてですね、大人も含めてですね、大人のネット依存も全て含めると500万人以上いるというような報道もありますしね。大人自体がですね、依存にかかっている人もいるかもしれない。親がですね。そんなことで、大きくですね、親も含めて、子どもも含めてですね、先ほどいろんな意見交換を行っていると言いましたけども、このネットに絞ってですね、やはり親も含めた形で環境づくり、意識啓発を行っていくべきではないか。これは教育委員会だけでできることではないと思いますけども、やはりこれについてはやはり市がリーダーシップを持ってですね、やっていくべきではないかなと思います。
 実は先ほど、この30日の読売の社説でですね、「悪ふざけ投稿 ネット交流に潜む危険な誘惑」という読売新聞の社説が出ておりました。これは恐らくごらんになったと思いますけれども、いわゆるネット上にですね、非常にふざけた写真をですね、載せる。コンビニの店員がですね、冷蔵庫の中に寝そべっているとか、そういうのがすごい、今、多いわけなんですよ。これはやはり、専門家の中には、ネットの世界に浸ると正常な判断力を失いがちになると、こういう指摘もあるわけですね。これは社説に出ていたんですけれども。つまり、働いている最中でも、ネット上でどんな会話や投稿をするかが頭から離れずに、ネット仲間に受ける行動に走ってしまうという、こういう騒動が今、短期間のうちに集中的に起きていますね。ですから、そういう意味ではですね、この社説も最後のほうに、SNSなどネット利用者はですね、今後もふえ続けると見られるが、学校だけでなく社員教育の中でも、ネットとの適切なかかわり方を指導していくことが必要だということですね。
 三鷹の場合はコミュニティ・スクールですから、まさにこういう問題こそですね、生徒だけではなくて、地域も大人も巻き込んでともに考えていくような場、これをネットというものに絞ってですね、そういう場をこれからも考えていくべきではないかと思いますが、この点についての御見解をお伺いいたします。
 それからですね、次にセキュリティーに関してお伺いいたします。
 市長も情報化の専門家であらせられますし、御丁寧な御答弁ありがとうございました。そういう意味で三鷹はですね、かなりこのセキュリティーに関してはですね、先進的な市であるということがきょうの答弁でわかったわけなんですが、先ほど情報セキュリティー担当者に研修を受けさせるというお話がございました。セキュリティーに関しては、やはり2つの面からのアプローチが必要である。一つは専門性ですね。もう一つは、これモラルですね。この専門性としての考え方なんですけども、情報セキュリティーっていうのは、これ、非常に専門的な分野でして、プログラムを理解しなきゃいけないという、かなりのですね、高度な専門性が要求されるものであると思います。
 そんなことで経産省では情報セキュリティスペシャリスト試験というですね、こういう資格も用意しているわけなんですね。そういう意味では、この情報セキュリティー担当者にしっかり勉強してもらうということも1つの方法ですけども、やはりこういう、ある意味では有資格者を養成するということ、そういう有資格者がいるということでですね、かなり、そういう意味では、外部のこういう専門家と話すときにもですね、例えば新たなコンピューターシステムを導入するときにも大きな力となると思いますが、現在、この情報セキュリティーのですね、スペシャリスト、この資格を持った方、市にはどれくらいいらっしゃるのでしょうか。あるいはこういう国家資格を目指したですね、研修というものがどのように行われているかについてお伺いいたします。
 それから、あとですね、ISMSの選定基準、よくわかりました。全ての市民対象ということで、こういう形になっているんですけれども、ただ、健康福祉部はかなりですね、機密のあるですね、情報があると思うんですけども、機密性のあるですね。ここら辺はどうなのか。ここは入ってない。当然、そういう意味ではキーパーソンがね、来ていろいろと、それと同様のですね、当然、セキュリティーを行っていると思いますけれども、どうなんでしょうかね。健康福祉部、やはりかなり機密性のある情報をある意味では全市民的に持っているんではないかなと思うんですが、そこら辺に対するセキュリティーはどうなっているのか、お伺いいたします。
 以上です。


◯市長(清原慶子さん)  再質問にお答えします。最初のですね、これは、最初の御質問ではICT社会、ネット社会については教育長への御質問ということでございますが、再質問の内容については、子ども政策部を含めて市長部局も連携しながら取り組むべき大きな枠での御質問をいただきましたので、その点について市長の立場から答弁いたします。
 御指摘されましたネット依存の問題というのは、本当にICT社会の光もあれば影もあるとするならば、かなり深刻な問題提起であろうと思います。したがいまして、三鷹市では子ども政策部所管で青少年問題協議会、これは議員さんにも御参加いただいておりますが、そこでも、かねて携帯電話の普及に伴って児童、青少年に与える影響について最優先でですね、取り組んでいただき、しかも、青少年問題委員さんみずから携帯電話に関する研修も受けていただいたというような経過もございます。したがいまして、今後、青少年問題協議会でも質問議員さんが言われたような厚生労働省の調査結果などをですね、御紹介しながら、一定の御意見や御議論も伺ってみたいなと思ったところでございます。
 なお、国においてもですね、国会で議員立法でつくられました、青少年を情報社会の中において、特にインターネット利用の際に、加害者にも被害者にもしてはいけないということで、青少年インターネット法と通称呼んでいる法をつくられ、その検証を内閣府中心に進めています。ところが、今までこの内閣府の検討では、警察庁、文部科学省、総務省、経済産業省は入っていたのですが、厚生労働省が入っていませんでした。さきに開かれました会議で私も委員を務めておりまして、ぜひ厚生労働省の今回の調査結果というのは深刻な状況を示しているので、厚生労働省にも加わってもらって、国としてしっかり議論していただきたいという意見を申しましたところ、そのような方向性を進めていただけるということになっております。したがいまして、質問議員さんも教育委員会だけではないかもしれないとおっしゃったのは、まさに国もですね、インターネット青少年法担当の部局だけではなくて、かなり国家レベルの子どもの問題として議論をしていく方向性が見られますので、三鷹市としてもその国の動きをウオッチしながら連動してですね、すべきところを考えていきたいと思っています。
 次に、情報セキュリティーについてでございますけれども、御指摘のように、情報セキュリティーマネジメントシステムについての専門性だけではなくて、モラルが重要でございます。したがって、モラルについては、とにかく全職員が、何ていうんでしょうか、習得し、醸成できるようにですね、していきたいと思っております。ただ、技術的な専門性については、これは大変言いにくいんですが、全ての職員に適性もないでしょうし、またそれをすること自体がストレスになるというようなところもありますので、必要なところは職員で育成もいたしますけれども、さらに、先ほど紹介いたしましたような、情報セキュリティーマネジメントシステムを認証するに当たって協力をいただいている専門機関等のですね、御指導をいただきながら、全職員というわけにはいかないと思いますが、それなりの人数の職員が育っておりますので、それらの職員の力量をですね、この技術革新におくれないように高めていきたいと考えているところです。
 私からは以上です。


◯教育長(高部明夫君)  今、市長のほうからもお話ございましたけれども、まず、ネット依存の現状の把握ということでございますが、こういったICTの利活用が悪影響といいますか、問題になるというのは、当然、学校教育の利活用の部分だけではなくてですね、いろんな最新機器も含めて家庭の中でどういった活用がされるかということもあります。それは時間だけなのかどうかですね、あるいはそれがどういった症状とか生活の乱れにつながるのかということもございますので、やっぱり調査方法とかですね、その後の診断とか、対応方法も含めて、やっぱり1つのこれはやっぱり仕組みづくりが必要なのかなというふうに思っておりますので、学校のレベルとしましては、やはりそういったことが学校の生活で表にあらわれるような状況、例えば集中できないとか、友人関係がうまくいかないとかですね、そういったいろんなさまざまな状況で外に出てきますので、やっぱりそういった日常の観察の中でそういったことを早目に捉えてですね、その原因が何なのか、インターネットであるとすればですね、やっぱりそういった指導をしていくということで、御指摘のように、今、専門的な相談体制が確立されているわけではございません。担任とかですね、養護教諭とか、ICTの専門の担当教諭はおりますけれども、専門家ではございませんので、やはりそういったインターネット依存に伴う影響ということで、専門家につなげられるようなですね、体制づくりについて検討していきたいというふうに考えております。
 それから、意識啓発につきましてはですね、まさに議員さんが指摘されたように、これは教育の土台にかかわる部分、生活習慣、睡眠とか食事も含めて、やはり情報コントロール、この情報社会の中でいかに利活用していきながら、その負の部分の影響を少なくしていくかというのは、まさに家庭や地域も含めた課題であるというふうに思いますので、校長会や保護者会、CS等ですね、機会を捉えてこのことの重要性をですね、十分共通認識ができるように、そしてお互いの役割が確認できるようなアクションプランづくりとかですね、そういったものに反映をしていきたいというふうに考えております。


◯企画部長・都市再生担当部長(河野康之君)  市長の答弁に補足いたします。
 ISMSにおけるですね、いわゆる専門的な職員の御指摘がありましたが、現在ですね、そうした専門的な有資格者はおりません。市長のお話があったとおりですね、こうした非常に技術進歩が激しい中でですね、むしろそうした信頼できる有資格者を有したコンサルティングで活用するという形で、現在進めているところでございます。また、ISMSのですね、認証対象職場もですね、当面は現状の対象課で進めていきますが、全庁への普及も課題でございますが、一方でですね、情報セキュリティハンドブックを活用したですね、セキュリティーポリシーの浸透、こうしたことを優先して進めていくとともにですね、また、社会保障と税の番号制度、いわゆるマイナンバーというのも実施スケジュールに上っておりますので、そうしたことを優先的に対応する中でですね、今後検討していきたいと思います。


◯23番(吉野和之君)  御答弁ありがとうございました。それでは、まだちょっと時間がありますので、再質問をさせていただきます。
 専門的な技術者ということでですね、先ほど市長もおっしゃったとおり、確かにですね、全ての職員が技術的専門性を持つこと、これはもうね、当然、そんなことは考えておりませんし、ある一定のレベルだと思います。これはもう十分達成していると思います。ただ、やはり有資格者が現在三鷹市に一人もいらっしゃらないという現状があるんですね。超専門的なことになると、コンサルにですね、うまくというお話もありましたが、やはり私は内部にですね、そういう超専門的な知識を持った方が、やはり少なくとも1人はいる必要があるんではないかなと。これは別に職員をふやすとか、そういうことではなくてですね。つまり、外部のコンサルと対等に話し合うことができる人がね、少なくとも1人はこちらの内部側にいる、これがやはり必要ではないかなと思うんですね。もし今いなければ、そういう試験をですね、受けるように叱咤激励してですね、有資格者がやはりあくまでも市の立場からね、コンサルと話すというね、そういうことも必要ではないかなと思うんですが、その有資格者がやはりこちらの内部にね、本当によく専門的技術にたけた人がやはりいるべきではないか。特にセキュリティーの問題、これから日進月歩ですから、そういう意味では、外部の方と対等に技術的問題についても話し合える、そういう力は持っている方は多いと思いますけれども、ある意味では有資格者もね、養成するような、そういう方向性っていうものを1つ考えていくべきではないかと思いますが、その点についての御見解をお伺いいたします。
 それから、あとですね、ネット依存の現況についてですね、教育長からお話あったんですけども、より細かな調査ですね、これ必要だと思うんですね。例えば今の三鷹の子どもたちが、どれだけネットを実際使っているのかと、こういうデータもね、私は情報最先進都市三鷹であれば、国がやる前にね、やはり、やり方はいろいろあると思いますけども、大まか大体1日ね、ネットをこれくらい使っている、あるいはその後出てきた新しいLINEとかですね、こういうのをどれぐらい使っているのか、そこら辺もですね、含めて今後、調査をしていくべきじゃないかなと思います。ここら辺に関してはですね、やはり一番重要なのは教育委員会だと思うんですよ。これだけネットの問題が社会問題化している中で、教育委員会ではこのネット社会の問題についてどのような議論が戦わされてきているのか、この点についてお伺いいたします。
 以上です。


◯副市長(河村 孝君)  有資格者養成の問題ですけれども、現状ではですね、三鷹市の情報関係の担当の職員というのは、全国的に見ても名の通った職員がいたりですね、やはり現場の中で行政にとっての立場から相当レベルの高い職員がいます。ただ、御指摘のようなですね、そういう資格を目指すことによって得られる専門性というのも幅広く必要だというふうに思いますので、その点については、今後のですね、人材養成という立場から広く検討してまいりたいというふうに思います。


◯教育長(高部明夫君)  1つインターネットの利用状況につきましてはですね、利用実態につきましては、その調査方法も含めて積極的に検討をしていきたいというふうに思っております。
 それから、インターネット依存という部分でですね、教育委員会の中で議論をしてきた部分というのはほとんどないんですが、ただ、インターネットそのものが与える負の影響については、先ほどお話ししましたように、9年カリキュラムの中でもですね、有害サイトですとか、著作権の問題ですとか、チェーンメールですとか、チャットの問題ですとか、やはりいろいろ子どもたちの人間関係にも及ぼす負の影響の部分ということで、モラル教育の中で組み込んできた部分はありますので、それをさらに時代、環境に合ったように、強化できるようにですね、さらに検討を進めたいというふうに思っております。


◯議長(伊藤俊明君)  以上で吉野和之君の質問を終わります。
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◯議長(伊藤俊明君)  お諮りいたします。間もなく定刻となりますが、しばらくの間、時間の延長をいたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
                (「異議なし」と発言する者あり)
 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。
    ──────────────────────────────────────


◯議長(伊藤俊明君)  次の通告者、24番 石井良司君、登壇願います。
                〔24番 石井良司君 登壇〕


◯24番(石井良司君)  それでは、時間をいただいて一般質問をさせていただきたいと思います。
 今回は生活保護についてであります。御答弁のほどよろしくお願いいたします。
 政府は、来年度の一般会計予算を約99.2兆円と発表いたしました。社会保障費は約29兆円を超えておりますが、消費税収入は約11兆円にも満たない状況であります。社会保障費は、高齢化で毎年約1兆円程度ふえ続けております。消費税を5%から10%に引き上げても追いつかない状況であります。財政の立て直しというものは一朝一夕には達成できません。
 平成25年度の予算の生活保護費は、国、地方を合わせて3.7兆円、これは毎日新聞の5月17日付でございますが、毎年このように確実にふえておるわけであります。平成初期のバブルの崩壊、平成20年のリーマン・ショックなどによる景気の低迷と高齢化などの影響で生活保護受給者はふえ続け、平成25年3月の時点で216万人を超え、受給世帯数約158万世帯と過去最高を更新しております。一方、国立社会保障・人口問題研究所の調査による保護廃止内訳は、死亡・失踪が約44%と最も多く、続いて収入増が15%、社会保障給付金の増などによるものが6%と続いております。厚生労働省の調査などによると、生活保護受給世帯の世帯主の25%は、育った世帯も生活保護を受けていたという報告がございます。親から子への貧困の連鎖という報告があります。特に母子世帯の受給率が約13%と最も高かったわけであります。生活保護の理念とは大きくかけ離れていると指摘がございます。このままでは日本はどうなるのでしょうか。
 この状況を考えますと、生活保護制度そのものを自立支援中心に見直すことが必要と思います。そうした中で、ことしの6月4日、生活保護法の改正案と生活困窮者自立支援法案が衆議院本会議で自民党、民主党、日本維新の会、公明党、みんなの党、生活の党などの賛成多数で可決されました。ここまでは順調でしたが、参議院に送られ、事もあろうに廃案となってしまいました。しかし、ことし7月の参議院選挙でねじれ現象も解消され、廃案となった関連法案も再度、秋の臨時国会に提出される予定であります。早い時期の成立を期待しているところであります。
 それでは、初めに、生活保護受給の状況について質問いたしたいと思います。
 昨年12月の朝日新聞の調査では、生活保護費の内訳は、医療費が約47%、生活費約35%、住宅費約15%、その他3%ということであります。受給別では高齢者世帯約42%、障がい者・傷病者約33%、母子家庭約8%、その他が17%ということであります。医療費と生活費で82%を占め、受給者は高齢者、障がい者等で75%を占めております。ところで三鷹市の平成24年度は、民生費が約293億円で、生活保護費、これは扶助費と生活保護総務費がございますけども、これを合わせまして24.3%、約71億5,600万円ということであります。
 ここで質問でございます。三鷹市の生活保護受給世帯数と受給者数の動向と状況についてお聞きをしておきたいと思います。
 次に、8月の生活保護基準の改定の影響について質問をいたします。
 母子家庭でも正社員やパートやアルバイトなどをしながら、2人、3人の子どもを育てている元気なお母さんたちがたくさんおります。ひとり親や夫婦で働く家庭のために子育て支援、保育園設置から労働支援、就労支援など、国・東京都の他施策もございます。就労についても選択肢を広げれば一定の仕事はあります。やる気、気持ちの問題であるという専門家も多いようであります。決められた賃金で働くより、生活保護費のほうが収入が高く、そちらに走る人がふえています。8月1日から生活保護費、生活扶助費が引き下げられました。3年で約10%下げ、金額に直すと700億円程度でございますが、本年度、総額約150億円の削減、これは96%が対象と見込まれております。改正前の生活保護費受給者は、家族が多い世帯で高く、ひとり暮らしの高齢者、高齢者夫婦世帯で低くなっております。今回の改正は、子育て中の世帯、特に夫婦プラス複数の子どもという構成の世帯で最も引き下げ額が大きく、その他の世帯でも一定の減額となるそうであります。高齢者に対しては、わずかな減額から、わずかな増額となる場合もあると聞いております。生活保護受給者は既得権益を守るため、猛反発をしておると聞いております。その元気を就労に向けてもらえばよいのではないかとも思うわけであります。
 生活扶助は食費や水道、光熱といって基礎的な日常生活を賄うものであります。改定はデフレによる物価の下落や生活扶助以外の他扶助で賄われる品目、原則生活保護受給世帯には生じない品目などを除いて生活扶助相当物価指数を算出し決定しているということであります。決定方法には納得いくものであります。
 ここで質問であります。8月の生活保護費の基準改定による三鷹市及び受給者にどのような影響があったのか、お聞きをしておきたいと思います。
 次に、生活保護費の不正受給についてであります。
 厚生労働省が発表する平成23年度の生活保護費の不正受給件数は全国で3万5,568件、これは前年度比で1万213件の増であります。金額では173億1,299万円、同じく44億3,874万円の増であります。これは過去最悪を更新しました。また氷山の一角とする専門家もおります。内容は収入があるのに申告しないケースが45.1%と最も多く、年金を申告しないケースが24.8%で続いております。当然のことながら、厚生労働省は不正受給の罰金引き上げや資産調査の徹底など、対策強化方針を出している状況でございます。
 ここで質問でございます。三鷹市の不正受給の状況とその対応についてお聞きをしておきたいと思います。
 これで壇上からの質問を終わりますが、御答弁によりましては自席からの再質問を留保いたします。よろしくお願いします。
                〔市長 清原慶子さん 登壇〕


◯市長(清原慶子さん)  それでは、生活保護に関する御質問に順次答弁いたします。
 1点目、三鷹市の生活保護受給世帯数、受給者数の動向や状況についてです。
 生活保護受給者は、厳しい経済、雇用情勢などによりまして、三鷹市におきましても、近年、一貫してふえ続けております。特にリーマン・ショック以降の平成21年度から22年度の増加が顕著でした。特に稼働年齢層を中心としたその他の世帯の増加が全体の増加の半分を占め、就労支援の充実が適正実施の面からも緊急の課題でした。そこで、平成23年度より自立支援担当組織を設置して体制強化を図ってまいりました。その結果、就労自立による生活保護廃止世帯が、22年度の26世帯から23年度は32世帯に、そして24年度は67世帯へと大きくふえるなど、その成果が顕著にあらわれてきました。直近の25年7月末現在の生活保護世帯数は2,759世帯、3,610人です。経済状況の好転及び就労支援の充実によりまして、その他の世帯の数が減少に転じています。また、生活保護受給者に占めるその他世帯の割合だけでなく、受給者全体の増加が緩やかになってまいりました。
 一方、最も割合の多い高齢者の世帯は、高齢化の進展や年金制度等の要因により、むしろ増加傾向にあります。雇用情勢の改善や就労支援の充実だけでは生活保護を取り巻く状況が好転しないことも事実でございます。このように高齢者世帯数がふえてきていること、これが最近の特徴です。ただし、保護率については、26市の中で三鷹市は長い間上位の6位、7位──位でいうんじゃないですかね、6番目、7番目ということでしたが、平成25年5月末現在の東京都福祉保健局、福祉行政・衛生行政統計月報では9番目となりました。これは、先ほど申し上げました就労支援等が少しずつですが、影響を与えているものと思われます。
 続きまして2点目、8月の生活保護費の基準改定による三鷹市及び受給者への影響についてです。
 今回の生活保護基準の見直しは、国の社会保障審議会生活保護基準部会における検証結果を踏まえまして、年齢、世帯人員、地域差による影響を調整するとともに、平成20年以降の物価動向を勘案して決定されております。激変緩和措置を設けて増減幅は10%を限度とするとともに、3年間をかけて段階的に実施されているものです。三鷹市における厳密な影響額はなかなか算出できませんので、概算で申し上げますが、8月の基準改定による影響額は約360万円、1世帯当たり約1,310円というふうに受けとめております。
 三鷹市では生活保護受給者向けのお便りであります福祉便りの7月発行号において、事前の周知に努めました。また、マスコミにおいても事前にこのことについては周知がされました。そのこともあってか三鷹市では基準改定の前後にお問い合わせをいただいておりましたけれども、支給後に受給者から苦情の電話などは、今のところ、ありません。
 3点目、三鷹市の不正受給の状況とその対応についてお答えいたします。
 生活保護受給者のいわゆる不正受給は、生活保護法第78条に基づく返還金として処理をしています。就労収入の申告や年金収入の申告を故意に怠ることが原因の大半です。これらは課税調査などにより発見されております。不正受給者は、受給者全体から見ればごくごく一部です。ただ、これを放置すれば生活保護制度への市民の皆様の信頼を損ねます。そして、生活保護受給者全体への誤解を生んでしまいます。本当に支援が必要な方に申請をためらわせるような一因ともなります。したがいまして、日ごろよりこの年金収入や就労収入の申告の徹底に努めているところです。
 また、開始時における生活保護のしおりをもとにした丁寧な説明を職員がしておりますので、受給後は、収入のある方には毎月の収入申告書、収入のない方には毎年の無収入の申告書の提出を義務として求めております。
 答弁は以上でございます。


◯24番(石井良司君)  ありがとうございました。それでは最後からいきたいと思いますが、これ、不正受給の額が税務調査で1,200万ほどになったと。それで、この返還金のですね、納付状況というのはどうなっているのでしょうか。または、過去にもあったと思うんですけども、過去のそういう調定額を出したと思うんですけども、その返還金のですね、納付状況についてお聞きをしておきたいと思います。
 それとですね、何ていうんでしょう、そういう調査なりケースワーカーさんが年に2回か3回、また3カ月に1回ほど各家庭を訪問されていると思うんですけども、そうした状況の中で、在宅の確認というのはどのようにされているのか、その点も確認をしておきたいと思います。
 次に、生活保護の改定の影響なんですけども、ただいまは市長から、影響額が約360万で、1世帯当たり、1人ですか、これ。1人当たりかな、1世帯かな、1世帯に1,310円の影響がありますということだったんですけども、これは今後、3年なりという、将来的にですね、この影響っていうのは私はもっと出てくるのかと思うんですね。それで、前にも質問したように、三鷹市と受給者、2つの影響ってあると思うんですよ。要するに地方税の非課税の基準とか、国民健康保険の保険料とか、介護保険料とか、いろいろありますよね。あと障がい者の方々の自立支援法による利用率の減額基準とか、いろいろあると思うんですけども、そういうことは今後、影響として出るわけなんですよね。そういうことについて、今の状況だと対応はいいんですけど、今後考えていく問題でございますので、将来的の考え方っていうのはちょっと聞いておきたいなと思います。
 それとですね、あとは世帯数とか受給者数の動向ということで質問しました。これは生活保護に対する批判というのはよく聞きます。市内を歩いていても、また、ネット上でもよくあります。それで、今、市長は、受給者は高齢者が多いというんですけども、確かにそうです。ただ、これ、1つ2つ紹介したいと思うんですけどね、ことしの3月の朝日新聞の生活面で、41歳の母親と2人の子どもで月に29万円以上の生活保護費を受給していたと。それで、その生活費と住宅費のほかに、習い事、娯楽費が4万円ですよと。それで、被服費が2万円、交際費が1.6万円、あと携帯と固定電話で2.8万円ということで、これは非常にネット上で批判が集まり、批判がすごかったです。それで、私が見たときには、約600件のそういう回答があって、そのうち9割がもらい過ぎというような状況でございました。これ、考えてみますと、私は習い事に4万円も使っておりませんが、税金とか保険料とか生命保険料を引くとやはり29万ぐらいかなという、そんな思いがして、私と余り変わらないのかなという、そんな思いがするんですけど。
 それとですね、あと、これは8月28日の、これも朝日なんですよ。どういうわけか朝日がよく出てくるんですけども、2DKで住んでいる40代の母親と、あとお子さんなんですけどもね、この方は、要するに生活保護をもらいながら、体が悪いということで仕事はしないでやっていたと。しかし、子どもに言わせると、母は単なるぐうたらなだけだというふうに記事には書いてありました。それで、そのときに子どもがアルバイトをして、福祉事務所に通報があり、見つかってしまったと。それで70万円の返還を言われたと。それで調定の結果、3万円月々返済することになったんですが、これもやはり生活保護費で返還するのかなと思うし、また、場合によっては息子さんがアルバイトして返すのかなと思いますし、非常にここは複雑な気持ちなんですけども、やはりこう考えてみると、生活保護費はちょっともう少し厳格にやらないといけないなと思うんです。特にここでは2点聞きたいんですけども、これ、母子家庭について、大変こうやっています。こうやって大きく取り上げているんですけども、これ、子育ての相談とか、また生活指導も大変重要だと思うんですよ。そのためには、大変なんですけど、やはりケースワーカーさんの家庭訪問と調査状況、これ、調査をしっかりしなくちゃいけないと思うんですけど、それはどのように対応されているのか、お聞きをしておきたいと思います。
 それともう一点はですね、この項目で、高齢者とか障がい者、あと傷病者等の受給者というのは、これ、平均と余り変わらないんですね。全国平均といいましょうか、平均とほぼ変わりません。ただし、ちょっと問題はこのその他なんですね。これ、その他の平均というのは17%なんですけど、三鷹市は5%も多い22%なんですね。ですから、この5%について、やはりそれなりの分析はされていると思うんですけども、分析とかその対応をどのようにされているのか、その点をお聞きをしておきたいと思います。お願いします。


◯健康福祉部長(木住野一信君)  再質問にお答えをさしていただきます。
 まず不正受給の返還の納付状況ということでございますが、もともとですね、見つかる段階でですね、ほとんどが年金で得たもの、それから、息子さんの例えばアルバイト等の収入等についてもですね、支出をしている状況でございますので、なかなか返還についてはですね、収入が見込まれない状況です。ただし、それでいいというものではございませんので、家庭訪問等でですね、指導をしながら返還に努めておるところでございます。
 それから、訪問時の在宅の確認ということで、これも今の不正受給とも絡みますが、先ほど市長の答弁の中にもありました、生活保護を受給する際にですね、いろんな形でその義務を、こういう義務があるんですよという中にですね、収入等があったときには申告してくれということを指導さしていただいてですね、今後ともそういう形でですね、徹底に努めていきたいというふうに考えております。
 それから、今回の生活扶助費の基準の見直しの中での影響ということでございます。これは、保護基準を参照して対象者を選定する制度と、それから、保護基準を参考に給付金等を改定する制度等がございますので、今後、2014年の税制改正等の中でですね、見直しは図っていきますので、影響についてはその動向を見ていきたいなというふうに考えております。
 それから、お話の中で、もらい過ぎではないか、母子家庭等、生活指導等、調査等をどういうふうにしているのかということでございますが、私ども、計画に基づいてですね、その御家庭を訪問し、そういう中でですね、組織的な取り組みを行う中で、市民から信頼されるですね、生活保護制度の適正運営の確保とですね、それから、保護者の方の自立に向けての支援をですね、今後とも徹底していきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 それから、高齢、障がいの世帯よりも、三鷹の場合にはその他の世帯が多いんではないかということについてはですね、他市に比べ多少多いのかなというふうに思いますが、ここについての具体的にどうして多いのかというあたりについては、ちょっと手持ち資料がございませんので、だんだんだんだんここの世帯については、自立支援に向けてですね、就労支援等をしながらですね、現状、市長の答弁にもありました、減ってはいますので、今後ともさらに努力をしていきたいというふうに考えております。
 以上でございます。


◯24番(石井良司君)  ありがとうございました。これ、先ほど市長が、確かに保護率を見ると毎年下がって、最初は6位ですか、20年ごろは6位で、7位となって、8位となって、ことしは、25年度は9位ということなんですけども、まだ高いですよね、9番というと。そういうことを考えますと、やはり、ケースワーカーさんは大変だと思うんですよ、私もいろいろお話聞いて。だけど、やはり税金ですからね、ある程度訪問もしなくちゃいけないし、それで、よく在宅確認の場合のときには、いないケースが割と多いと思うんですよ。だから、そういう場合はどうしているのか、そこの答弁はなかったんだけど、やはり在宅確認をしっかりしないと私、いけないと思うんですけども、その対応、そしてまた、不在の場合どういう対応をしているのか。年に先ほど言ったように3回なり4回なり、三鷹市の場合、行っていられると思うんですけども、それで、いてもやはり在宅確認って非常に難しいと思うんですよ。だから、そういう状況をどういうふうに対応しているのか、不在の場合。それを、答弁なかったんで、聞いておきたいと思います。
 それとですね、要するに、私は心配しているといいましょうか、考えているのは、大変今、ニートというのがふえてきておりますよね。それで、そのニートさんの、これは政府の8月18日の閣議でということで、本年度版の子ども・若者白書というのが決定したそうですけども、これによると、ニートの割合が──これ、ニートというのは15歳から34歳の若者を対象って書いてありますが、過去最多の63万人、昨年よりも2.3%上昇ということでございます。それで、そのニートさんというか、ニートたちはですね、仕事を探したが見つからない。希望をする仕事がない。知能、能力、体力に自信がない。急いで仕事につく必要がない。資格試験などの勉強中である。これが30歳過ぎてからも言っている人の言葉であります。それで、こうして見ると、やはりその後どうするのか、要するに30だ、40だになってもいることはいるんですね。これは統計で見ると、35から59まで、これ、総務省の統計局、労働力調査というのをもとにですね、私なりに算出したのは、120万人以上なんです、35歳から59歳になっても。だから、そうした中で年齢とともに──親が当然面倒を見ていく。実家でそういうニートさんを面倒見ていく。しかし、あるときから要するにお金が足りなくなる、生活費がなくなるということで生活保護に移る可能性が大変多いわけですよね。そういう状況で、非常に心配なのは、そういう自分に合った仕事がないからとか、急いで仕事を探す必要がないという、やっぱりこれはその人間の問題、人の問題かもしれないけども、やはり今後のことを考えると非常に心配なわけであります。
 そうした中で、そういうやはり就労支援なり自立支援というのが一番今後重要になってくるのかと思うんですけども、そういう部分についての考え方というのはあるのかどうかお聞きをしておきたいと思います。ただ単に生活扶助費、はい、これが住宅費ですよ、またこれが医療費ですよと渡すのではなくて、そういうことに、就労支援、自立支援のためにいかに進めていくかということが大変今後重要になってくると思うんですけど、その点の考えについてお聞きをしておきたいと思います。
 8月の生活保護費の基準の改定については、始まったばっかりですから、今、部長の言うことで一定の理解をしたところでございます。
 あと、生活保護費の不正受給なんですけれども、これ、返還率、どのくらいなんでしょうかね。金額について、今、お答えはなかったんだけど、返還金とか返還率というのはどういう状況になっているのかお聞きをしておきたいと思います。お願いします。


◯健康福祉部長(木住野一信君)  4点ほどですかね、御質問に対してお答えをさしていただきます。
 まず、いない場合、電話等をまたしながらですね、対応しておるところでございますが、不在の場合は不在連絡票を置いてですね、連絡するように指導をさしていただいているところでございます。必要に応じですね、再訪問等もしております。
 それから、ニート等の対応でございます。これはですね、平成22年度から子ども・若者支援事業ということで取り組んでおりまして、地域のNPO法人に委託をして実施しているところでございます。不登校や引きこもり状態により社会生活が困難になっている状況の方々に対してですね、自立支援のプログラムに基づきまして、14人の方に対して24年度は支援をしたところでございます。また、委託したNPO法人が運営する塾等を利用した方も17人ほどいたというふうに報告を受けております。事業への参加により引きこもり等を脱出しつつある方ができるなどの効果がありますので、今後ともですね、必要に応じ、自立支援に向けたですね、支援をしていきたいなというふうに考えております。
 それから、返還の率ということでございますが、実質的には、先ほど言いましたように、1,200万強のお金でございまして、額的にはですね、1.7%ぐらいの返還の率でございました。この辺についてはですね、今後、また各家庭にですね、指導をしてですね、返還をしていただくようにですね、指導をですね、今後ともしていきたいというふうに考えております。


◯24番(石井良司君)  ありがとうございました。この返還なんですけどもね、返還率1.7%というのは、ちょっとこれ、ひどいですよね。やはりこれは不正受給して受けたお金ですから、それについてはやっぱりしっかりと調定をして決まった額ですから、やはりこれはもう少ししっかりと返還してもらわなくちゃいけないと思うけど、思うけども、生活保護費でやっているわけだから、いただいている生活保護費から、またそこから返還金ということになると非常に大変だと思います。これは各市の状況、また23区もそうですけど、大変厳しい状況であるというのはわかるんですけども、やっぱりこれ、1.7%はまずいと思いますよ。もう少ししっかりと回収していただかないと。そういうところは、やはりね、もうちょっと考えていただきたいなと思いますので、よろしくお願いをしたいと思います。
 また、在宅確認なんですけども、これは、在宅確認をする場合に、不在でしたということで、連絡くださいということで、そういう紙を入れる、またはそういうお手紙を入れて、それで連絡が来たら、その後どうするんでしょうか。それでまた、その後しっかりと在宅確認をして、本人と面談をするのでしょうか、その点をお聞きをしておきたいと思います。とりあえずそれだけお願いします。


◯健康福祉部長(木住野一信君)  今回のですね、質問議員さんのほうからありました、改正の生活保護法の中でもですね、大きな柱の1つとしてですね、不正・不適正受給者の対策の強化といたしまして、地方自治体の調査権の権限の強化、それから、就労の指導の強化、それから、返還金の上乗せ等が実施される方向で考えておりますので、この辺、国の動向等を見ながらですね、返還金の収納には努めてまいりたいというふうに考えております。
 それから、不在についてはですね、連絡票を置いて連絡するようにしておるということと、それから、本当に必要に応じてですね、再度訪問が必要な場合にはですね、何回も行ってですね、訪問しつつ、それから、ちょっと来ないでくれというふうなケースもありますので、その場合にはですね、役所のほうに来てですね、生活の状況等を把握しながら自立支援をしているところでございます。


◯24番(石井良司君)  これ、国の動向を見てじゃないんですよ。だって、これ、調定額を決めたんでしょう。決めたら、やっぱりしっかりそれに沿ってやるべきでしょう。確かに厳しいのはわかりますよ。だけど、そのくらいやらないとしようがないでしょう。もう少し私は、これはしっかりやるべきだと思います。
 それと、不在を確認であっても、連絡をとって電話で済ますような場合もあるとしたらばね、それは私はまずいと思うのね。ないと思うけど。やっぱりしっかり面談をして、そのお話を聞くようにしていただきたいと思うんです。それでですね、国の動向云々というお話だったけども、これはやはり、ケースワーカーさんなり市の職員さんは大変だけども、そこはしっかりとやってもらわなくちゃいけませんので、これは再度、答弁をお願いいたします。


◯健康福祉部長(木住野一信君)  国のほうからですね、不正受給に対してはですね、告発基準を策定するという方向も出ておりますので、この辺考えながら、国の動向というふうにちょっと言葉はありましたけれども、積極的にですね、勧奨をしていきたいというふうに考えておりますので、よろしくお願いいたします。
 それから、不在の方についてはですね、確かに質問議員さんありましたとおり、お越しいただくことも含めてですね、面談をしながらですね、その人個々のですね、状況に応じたですね、生活指導をしていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。


◯24番(石井良司君)  それでは、よろしくお願いいたしたいと思います。
 それで、少し心配なのがまだ幾つかあるんですけどね。これはことしの5月に発覚したわけですけども、これ、韓国人女性のクラブ経営云々ということで、20年から25年まで月14万円の生活保護費で、合計で840万円をだまし取ったということで警視庁に逮捕されたわけでございますけども、三鷹市じゃないと思うんですけどもね、そういう言葉とか風俗、習慣の違いはある外国人に対してどのような対応をしているのか。また、そのチェック体制──チェック体制というのは、要するにケースワーカーさんも大変なところだと思うけど、やっぱり昼間の訪問が多いと思うんですね。ほとんどそうだと思うんですよ。そうした場合、こういうケースだと夜の行動だから、わからないと思うんですね。そういう場合、どのような対応をしているのか。ですから、外国人のそういう受給者がいるのか、またそういう方に対してどういう対応をしているのか、その点お聞きしたいと思います。


◯健康福祉部長(木住野一信君)  外国人の方に対する保護ということで御質問をいただきました。生活に困窮しております外国籍の方に対してもですね、人道的といいましょうか、国際道義上の観点からですね、日本の国民に準じた形で対応しておるところでございます。したがいまして、生活支援等の指導につきましてもですね、ほかの市民の方と同様な対応ということになるかと思います。


◯24番(石井良司君)  じゃあ、そういう方は今のところいないという理解でいいんですね。いないという理解でいいですね。いいですね。はい。
 それでですね、わかりました。これ、ことしの3月27日ですけども、御存じのように兵庫県の小野市では、福祉給付制度適正化条例というのが成立したわけでありますけども、これ、施行後に、これはインターネットで調べただけで詳しい内容はわかりませんけども、施行後の調査では、市に寄せられた意見2,700件ほど、そのうちの市民からの反対意見は1%以下であったと。これは、やはり生活保護制度について無関心から関心へ市民の目が向いてきたと。それと、やはりそういうときに、やはり先ほど市長が言われたように、お年寄りがほとんどなんだから、それとまた、病気の方、傷病者等が多いわけですから、そういう方にはやっぱりしっかりと私は見守りする必要もあると思うんですよ。そういう意味でも、このような条例まではいかなくてもね、つくっていただきたいのはつくってほしいけど、いかなくても、そういう体制というかね、そういうのはしっかりやっていただきたいと思うんですけども、今後の考え方についてお聞きをしておきたいと思います。


◯市長(清原慶子さん)  生活保護の制度を適正化していくことと、高齢者あるいは障がい者、疾病があって独居していらして、なかなか生活をしていく上で困難な方の見守りっていうのは、必ずしも一致しない部分があります。私としては、生活保護というのは、まさに私たち国民全体のセーフティーネットですから、質問議員さんが重ねて再質問されていらっしゃいますように、絶対にですね、適正に私たちがその制度を守っていかなければならないと考えております。ただし、見守りについては、また私たちは見守りネットワークの取り組みなどを、地域ケアの視点からも事業者の御協力もいただいてしておりますので、現時点ではこのような条例をですね、三鷹市において直ちにつくらなければならないというような必要性を感じておりません。まずはケースワーカー初め三鷹市の生活福祉課の職員がですね、公明正大、公正な生活保護制度の運用に向けて、そして絶対にですね、不正受給ということがないように、困難に直面していらっしゃる市民の皆様の理解と、また、先ほど来申し上げております自立支援、就労支援等を強めていく中で乗り越えていきたいと、このように考えております。


◯24番(石井良司君)  ありがとうございました。今回の生活保護を考えるときに、私は、キーワードといいましょうかね、やっぱり自立支援、そして見守り、それと地域のきずなというのはやっぱり基本なのかなという、そんな思いがいたしました。それで、今後ですね、最低賃金の問題とか、生活保護基準の問題とか、国民年金の問題とかっていうことがあると思うんですよね。やはりこれらの問題というのは別々には考えられないと思うんですね。そういうことを考えながら、やはり今後とも生活保護費受給者の方々の内容もしっかりと精査しながらですね、進めていただきたいと思っております。
 大変時間をいただいてもったいないと思うんですけども、皆さんもぼちぼち終わるのかなという顔をしておりますので、この辺にしたいと思いますので、よろしくお願いします。ありがとうございました。


◯議長(伊藤俊明君)  以上で石井良司君の質問を終わります。
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◯議長(伊藤俊明君)  本日はこれをもって延会いたします。
 なお、次回の本会議は9月3日午前9時30分に開きます。文書による通知はいたしませんから、さよう御了承願います。お疲れさまでした。
               午後5時34分 延会