午前9時28分 開議
◯議長(伊藤俊明さん) おはようございます。ただいまから令和7年第1回三鷹市議会定例会第3日目の会議を開きます。
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◯議長(伊藤俊明さん) 本日の議事日程はお手元に配付したとおりであります。
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日程第1 市政に関する一般質問
◯議長(伊藤俊明さん) 直ちに日程に入ります。
日程第1 市政に関する一般質問、本件を議題といたします。
なお、一般質問の実施に当たっては、質問時間と答弁時間の比率が1対1との想定の下、原則として午後5時までに本会議が終わるよう予定を組んでおりますので、御協力のほどお願いいたします。
昨日に引き続き、順次発言を許します。2番 赤松大一さん、登壇願います。
〔2番 赤松大一さん 登壇〕
◯2番(赤松大一さん) おはようございます。議長より御指名をいただきましたので、通告に従い市政に関する一般質問をさせていただきます。
今回は、誰もが安心して暮らせる環境づくりについて、大きく2点質問いたします。
初めに、健診、検査の充実について、質問します。
健康診断、検査は、生活習慣病や様々な病気の早期発見、早期治療、病気の予防のために重要な取組であります。また、自分の身体を把握し、健康状態を維持、改善することにつながります。本市は市民の健康を守る取組としてあらゆる健診や検査を実施しておられますが、まずは本市の乳幼児健診について質問いたします。
乳幼児健診は、市町村などの自治体が赤ちゃんや幼児に対して行い、健康状態を把握し、日常生活で見過ごしがちな病気や障がいの早期発見や栄養状態を確認し、必要に応じての指導、子どもへの関わり方や育児の悩みの相談できる機会などに役に立ちます。乳幼児健診は、大人の健診のように、病気の有無や健康状態だけチェックするだけではなく、育児中の保護者やお子様が毎日健やかに過ごせるように、育児全般に関する様々な支援を受けることができる場でもあります。
まず初めに、質問の1、本市の乳幼児健診の受診率について伺います。
次に、乳幼児健診のデジタル化について伺います。
保護者は乳幼児健診を受ける際、受ける予防接種や健康診査ごとに問診票記入後に受けていただいております。これまで紙で案内していた問診票をデジタル化することにより、保護者が24時間いつでもどこでもスマートフォンなどから問診票の入力ができ、その場でデータを送信し、事前に問診票を提出することが可能となります。これにより、紙の問診票を記入したり、持参したりする必要がなくなります。デジタル化することで、健康診査の進行の効率化にもつながります。事前に問診内容を把握し、対応できるため、受診者への対応がスムーズとなります。
質問の2、乳幼児健診の利便性向上には問診票デジタル化が有効と考えますが、本市の乳幼児健診の問診票のデジタル化の導入について伺います。
次に、乳幼児健診の事後フォローは、母子保健法に基づいて行われております。乳幼児健診の事後フォローの目的は、病気や発達障がい、虐待などの早期発見と的確な指導、健診未受診者の状況把握と保健や福祉情報の提供ですが、乳幼児健診の結果を関係者で共有し、適切なフォローアップの方法、関係者の役割、スケジュール、評価方法を決めて行う必要があると考えます。
質問の3、本市の事後フォローアップの実施について、検討はどのようにされて実施されているのか、お伺いいたします。
次に、5歳児健診について質問いたします。脳の機能に原因があるとされる発達障がいは、自閉症スペクトラム障がいや学習障がい、注意欠如、多動性などの総称です。不登校やひきこもりにつながることもあります。小学校入学前の早い段階で発達障がいを把握して適切な支援を受けるには、乳幼児健診が重要であります。しかし、市町村で義務づけられているのは、1歳半と3歳を対象とした健診であります。しかし、3歳までに発達障がいの有無を判断することは大変難しいとされています。5歳児健診を独自に実施する自治体があります。この時期は言葉の理解度や社会性が発達することから、こだわりが強い、協調性が低いといった感情や行動の傾向を見ることで、発達障がいを発見しやすいとされております。落ち着きがない、周囲とうまく関われないなど、発達の特性を持つ子どもたちは、小学校への就学後に環境に適応できず不登校になったり、問題行動を起こしてしまったりすることは少なくありません。5歳児健診でそうした特性に気づき、適切な支援や療育につながることができれば、多くの子どもたちが問題なく学べることができ、実際に5歳児健診を実施している自治体では不登校が減ったという研究も報告されております。
小学校入学前の就学前健診がありますが、就学までの時間が短く、支援が難しいこともございます。また、子どもの成長に不安を感じているけれども相談できなく、1人で抱えてしまう保護者も多いとお聞きします。我が子の特性を理解し、関わり方などについて、保護者が専門家に相談できる機会としても有効であると考えます。発達障がいが早く見つかれば、家庭はもちろん、学校でも当事者に配慮したサポートを行うことができます。スムーズに学校生活をスタートさせる上で、5歳児健診の役割は大変に重要であります。
こうした中、こども家庭庁は5歳児健診についての取組を強化しております。実施自治体への補助を手厚くするため、来年度予算概算要求に必要経費を盛り込んだほか、昨年、5歳児健診ポータルサイトを開設し、自治体や医療関係者、保護者向けの情報発信を開始しました。
質問4、三鷹市でも、発達障がいなどを早期に発見し、安心な就学につながる5歳児健診を実施するべきと考えますが、御所見を伺います。
今年は団塊の世代が全員75歳以上になり、総人口の約5人に1人が後期高齢者となります。人生100年時代と言われる中、高齢になっても元気で生き生きと暮らせるよう、健康上の問題がなく日常生活を送れる健康寿命の延伸の取組が大切になってきております。
心不全の早期発見、早期治療の取組について質問いたします。
心不全は、心臓に何らかの異常があり、心臓のポンプ機能が低下して、全身の臓器に必要とする血液を十分に送り出せなくなった状態をいいます。心不全を含む心疾患は、日本人の死因として、がんに次ぐ第2位となっています。全国でおよそ1万人ずつのペースで、心不全により入院する患者さんが増加しています。一般社団法人日本循環器学会の循環器疾患診療実態調査によると、平成28年は26万157人、平成29年は28万1,481人、平成30年は28万9,599人が心不全で入院されました。現在、全国で約120万人の心不全患者がおられます。高齢化の進展に伴い、2030年には心不全患者の大幅な増加により、医療現場が逼迫する心不全パンデミックが来ると予想されております。
質問の5、本市の心不全の患者数の状況についてお聞きいたします。
心疾患の健康度が分かる血液検査、BNP検査があります。BNPとは心臓を守るために心臓から分泌されるホルモンのことで、心臓の機能が低下し心臓への負担が大きいほど多く分泌され、数値が高くなります。心不全は一度発症すると何度も入退院を繰り返し、悪化していく疾患のため、早期発見、早期治療が重要であります。このことからも、心不全にもっと注目し、その対策が必要と考えます。
質問の6、心不全の早期発見につながる心機能の健康が分かるBNP検査の公費助成を行うことへの所見をお聞きいたします。
平成28年に施行された障害者差別解消法は、障がいを理由とする差別をなくし、誰もが分け隔てなく共生する社会をつくることを目的としております。しかし、現実の社会には様々なバリアがあり、一人一人が社会にあるバリアから生じる困り事に配慮が、工夫することが大切と考え、障がいのある方々への支援について質問いたします。
初めに、視覚障がいの方々への支援について、質問いたします。
片目を失明された方々は、先天性や、がん、病気や事故などで失明され、その後の生活は視野が約30度ほど狭くなるほか、立体視ができず、遠近感も取りにくくなるそうです。階段などの段差が分かりづらく踏み外したり、見えない側が死角となり、人や物とぶつかる、容姿による偏見やいじめ、社会の理解不足など、多くの困り事を抱えながら生活されています。このような不自由があるにもかかわらず、身体障害者福祉法の規定では、片目を失明しても、見える目の矯正視力が0.6以下の人しか身体障がい者として認められません。片目失明者の中には、義眼を使用している方がおられます。しかし、義眼に健康保険が適用されるケースは眼球を摘出した場合のみのため、眼球が一部でも残っていてコンタクトレンズのようにかぶせるタイプは美容目的とされ全額負担となります。身体障がい者の認定を受けていれば、義眼の購入費を支給する補装具費支給制度が利用でき、原則1割の自己負担で購入できます。義眼の耐用年数は2年程度で、全額自己負担の場合の作成費用は15万円前後に上ります。乳幼児などでは義眼の使用により、発達の過程で生じる顔の左右差を防ぐことも期待できますが、成長に応じて二、三か月ごとに更新する必要があります。現在、三鷹市では、がん患者の方へのアピアランスケアの助成をしております。
質問の7、アピアランスケアの一環として、障害者手帳の交付がされない方への義眼購入に対する助成制度について、市の考え方を伺います。
次に、国の難病指定がされている網膜色素変性症は、目の中で光を感じる組織がある網膜に異常が起こり、暗い場所で物が見えにくい夜盲や視野が狭くなる視野狭窄が進み、さらには視力が低下する進行性の病気です。網膜色素変性症の方に御苦労を伺うと、特に暗くなると何も見えなくなってしまうため、外が明るいうちに帰宅できるように仕事を変えるなど、病気が進行することで生活を大きく変えなければならなくなるそうです。
近年、高度な技術を活用し、網膜色素変性症の方が暗いところでも見ることができる暗所視支援眼鏡が開発されています。これは超小型の高感度カメラで捉えた画像を自動修正して眼鏡のディスプレーに映し出すもので、暗い場所でも明るく昼間のように見ることができます。しかし、この眼鏡は高額なため、購入に踏み切れない実情があるとお聞きします。患者の就学や就労など自立へ向けた支援及び災害時の避難支援にも役立つと、日常生活用具給付事業の対象品目に追加する自治体も増えつつあります。
質問の8、三鷹市も暗所視支援眼鏡を日常生活用具給付事業の対象品目とすることについての市長の御所見を伺います。
糖尿病性網膜症や緑内障などの病気、高齢化、交通事故などによって失明されてしまった中途視覚障がい者も増えています。人生半ばで失明することで退職を余儀なくされるなど、将来を悲観し、身体的、精神的に追い込まれ、自殺を考えてしまうことが少なからずあるそうです。不安を抱えながら家の中に閉じ籠もってしまう方も多くおられるとお聞きします。
質問の9、中途失明者などの方へのピアカウンセラーやゲートキーパーなどと連携し、定期的に訪問するなど、心のケアに取り組むことが必要と考えますが、所見をお伺いいたします。
次に、障がい者(児)の日中支援について、お聞きいたします。
内閣府が2024年6月にまとめた障害者白書によれば、特別支援学校等に通う児童・生徒は2023年、約65万人おられます。全児童・生徒の6.8%になります。少子化で子どもの数が減っているのですが、障がいを持つ児童・生徒数の数は10倍に増加しています。障がいのある子どもの就学期の支援においては一定程度整っておりますが、保護者の方も仕事を持ちながらお子様を預けることができ、放課後デイサービスなどを利用すれば、保護者はフルタイムで働くことも可能であります。しかし、障がいを持つお子様が卒業すると状況は大きく変わります。福祉サービスは成人向けに変わり、就学期に比べて手薄になってしまいます。いわゆる18歳の壁です。特別支援学校の高等部を卒業すると、放課後デイサービスの利用ができなくなります。生活介護施設や就学継続支援施設などの多くは16時までの利用のため、それ以降は帰宅するために、御家族は仕事を早く切り上げたり、場合によってはパートに切り替えたり、仕事を退職することもあるとお聞きします。
質問の10、本市の障がい者(児)の18歳の壁の現状と市の認識についてお聞きいたします。
質問の11、三鷹市の生活介護施設や就労継続支援施設などの日中サービスを利用後の日中一時支援の現状と課題についてお聞きいたします。
質問の12、生活介護施設や就労継続支援施設などの利用後に一時的に預けることができる場所をさらに増やすことが必要と考えます。拡充の取組について、市長の御所見をお伺いいたします。
以上で壇上での質問を終わります。御答弁によりましては自席での再質問を留保いたします。ありがとうございました。
〔市長 河村 孝さん 登壇〕
◯市長(河村 孝さん) おはようございます。それでは、私から幾つか御答弁させていただきます。
まず、質問の5、本市の心不全の患者数と状況をどう捉えているかという御質問です。三鷹市における心不全の患者数について把握はしておりませんけれども、心不全により亡くなる方は増加傾向にあると聞いております。高齢になっても生き生きと元気に過ごすためには、心不全などの心疾患の原因となる高血圧症や糖尿病といった生活習慣病の予防が重要であると認識しております。こうしたことから、三鷹市では後期高齢者健康診査の受診データの分析を行った上で、住民協議会と連携して、健康課題に合わせた健康づくりセミナーを実施するなど、予防に向けた取組を進めているところでございます。
続きまして、質問の10、障がい者(児)の18歳の壁の現状と市の認識について、質問の11、生活介護や就労継続支援などの日中活動サービスを利用後の日中一時支援の現状と課題、質問の12、生活介護や就労継続支援などの利用後に一時的に預かる場所を拡充することについて、関連がありますので一括して御答弁させていただきます。
放課後等デイサービスを利用している方が18歳に到達した後につきましては、一般的には生活介護や就労継続支援A型もしくはB型の障がい福祉サービスの利用に移行いたします。18歳以降に利用する生活介護や就労継続支援のサービスは、放課後等デイサービスの帰宅時間より早まるため、就労している保護者の方にとっては18歳の壁となり、課題と認識しております。三鷹市では、生活介護や就労継続支援のサービス利用後の支援として、日中一時支援事業を実施しております。課題といたしましては、現在のところ市内には1か所しかなく、近隣の事業所を利用せざるを得ないといったところでございます。要因としては、福祉人材の不足や日中に一時支援事業を実施する登録事業者の減少などが挙げられています。今後につきましては、既存の障がい福祉サービス事業者等に対して周知を図るとともに、移動支援事業等を活用した日中支援の充実に努めてまいります。
私からは以上でございます。ありがとうございました。
◯子ども政策部調整担当部長(清水利昭さん) 私からは市長の答弁に補足して、1点目から4点目までの御質問に御答弁申し上げます。
まず、1点目の御質問です。乳幼児健診の受診率についてでございます。市で実施しております乳幼児健診の令和5年度の実績では、3〜4か月児の健診の受診率は99.9%、6〜7か月児健診は96.1%、9〜10か月児健診では99.1%、1歳6か月児個別健診、内科検診は96.0%、3歳児健診は99.5%となっております。なお、各健診の未受診者については、転出、出国、子どもの入院を理由とするケースを除きまして、電話や文書の送付によります連絡を経て、直接訪問等により、必ず状況を確認しているところでございます。
次に、2点目の御質問です。乳幼児健診問診票のデジタル化の導入についてでございます。現在、三鷹市では、紙の問診票を使用して乳幼児健診を実施しております。御指摘のように、問診票のデジタル化は、保護者の利便性の向上や健診会場での業務効率化などのメリットがあるとされております。国においては現在、令和9年度をめどとして、母子保健事業についてデジタル化の全国展開を図ることとしております。市としても、引き続き国の動向や他自治体の事例も参考にしながら、導入について検討してまいります。
次に、3点目の御質問です。健診後のフォローアップについてでございます。市では、健診ごとに多職種によるカンファレンスを実施し、医師の診察結果や心理相談、助産師相談、栄養相談、歯科相談等、各相談における親子の様子等を共有しているところでございます。その結果を基にしまして、さらに多職種によるアセスメントを行い、その親子にとって適切なフォローアップを検討し、切れ目ない支援につなげております。
次に、4点目の御質問です。5歳児健診の実施に係る所見についてです。5歳児健診は子どもの特性を早期に発見し、特性に合わせた適切な支援を行うとともに、生活習慣、その他育児に関する指導を行い、もって幼児の健康の保持及び増進を図ることを目的として行う健診で、令和5年12月に示された国のこども未来戦略の加速化プランにおいて、早期の全国展開に向けた支援を行うこととされております。5歳児健診の特徴は、個人の成長や発達を診察するだけでなく、集団における立ち振る舞いを評価して、社会的な発達の状況を把握することにあるとされており、実施に当たっては健康診査の結果、発達障がい等と判定された幼児について、就学前までに必要な支援につなげることができるよう、各関係部局や都道府県等とも協力しながら、地域における必要な支援体制の整備を行うこととされています。こうしたことから、健診の実施方法や健診従事者の確保、また健診後の支援体制の整備等、様々な視点から検討して進めているところです。今後、三鷹市医師会との意見交換や実施方法によっては、保育園及び幼稚園の状況を伺うなどし、引き続き検討を進めてまいります。
私からは以上でございます。
◯健康福祉部長(小嶋義晃さん) 私からは市長の答弁に補足いたしまして、4点お答えさせていただきます。
まず、質問の6点目、BNP検査の公費補助についてでございます。BNPの値を検査することで、心臓への負担の程度を測定することができることから、BNP検査は心不全の発見に一定の効果があるものと認識しているところでございます。ただ一方で、BNP検査だけでは心臓病の全てが分かるわけではなく、他の検査も含め総合的に判断することが重要であると認識しているところでございます。BNP検査につきましては、引き続き国や東京都の動向を注視するとともに、医師会等とも意見交換を行いながら、その効果について検討を行ってまいります。
続きまして、質問の7点目、義眼購入に対する助成制度についてでございます。病気や事故で失明した場合には義眼が用いられることがあり、義眼は日常生活を送る上での自信や社会的な交流の助けになるものでございます。一方で、アピアランスケアの一環として、義眼をはじめとした身体の欠損への装具等につきましては、助成対象の基準や条件を勘案して決める必要があると考えているところでございます。予算上の制約や他の制度とのバランスを踏まえ、検討課題とし、引き続き一人一人のニーズの把握に努めるとともに、国や都の動向を注視してまいります。
続きまして、質問の8点目でございます。日常生活用具の給付に暗所視支援眼鏡を対象とすることについてでございます。日常生活用具給付事業は、障がい者等の日常生活がより円滑に行われるための用具を給付すること等により、福祉の増進に資することを目的としているところでございます。給付等の対象となる用具、対象者、性能、給付限度額、耐用年数を、三鷹市障がい者等日常生活用具給付事業実施要綱に定め、事業を実施しているところでございます。現在、暗所視支援眼鏡につきましては、本要綱に給付対象用具として定めておりませんけれども、対象品目の拡充につきましては、必要性や近隣市の実施状況を見極めながら、引き続き検討を進めてまいります。
続きまして、私から最後になります質問の9点目、中途失明者の心のケアの取組についてでございます。三鷹市では、病気や交通事故等によって失明する中途失明者の方等の不安や困り事に対しましては、地区担当ケースワーカーが対応しているほか、基幹相談支援センターや障がい者相談支援センターぽっぷが様々な相談に対応しています。また、必要に応じて、同じような立場の障がい者、当事者の方や関係団体を御紹介したり、不安や困り事の内容により、関係機関と連携し、状況により訪問などを行いながらケアに取り組んでいるところでございます。
答弁は以上でございます。
◯2番(赤松大一さん) 御答弁ありがとうございました。順次再質問させていただきますが、まず、乳幼児健診のことでございます。
部長のほうからも、やはり懸念しているのは、未受診の方の対応のことが非常に心配されておるところでございます。今、御答弁によりますと、様々未受診の方に関しましても、市のほうからしっかりとアプローチしていただいて、確実に状況等を把握させていただいているということでございますので、それに関しては非常にきめ細かくしていただいているということを確認をさせていただいたところでございます。
ただその後の、例えば、どうしてもお会いできない方は、きっと電話とかで対応していただいているかと思うんですが、やはりその中でもなかなかこちらからアプローチしてもつながらない方等がいらっしゃることもあるかと思うんですけれども、一方的な、文書等でもアプローチしていただいていると思うんですが、どうしても連絡がつかない方とかいう方に関しては今どのような対応をされているのか、もしあればお聞かせください。
◯子ども政策部調整担当部長(清水利昭さん) 私どものほうから御連絡を差し上げてもなかなか御返事いただけないという方で、基本的には本当に丁寧に丁寧に何度も何度も様々な形で御連絡をして対応させていただいているところで、おかげさまで全ての方について、三鷹市にお住まいでいらっしゃる方については、きちんと対応ができているところです。ただ、私どものほうで健診を実施しようとしていて、途中で転出されてしまわれる方は、どうしてもそこのところは私どもが転出先まで追いかけるということはできませんので、そこのところは自治体間の連携ということで、この方はこういう状況ですということで、転出されたほうの自治体において対応していただくような連携を取っているところでございます。
以上です。
◯2番(赤松大一さん) ありがとうございます。やはり聞こうと思っていたんですが、転出先をどうするのかというところです。先に答弁いただいたので。やはりそういう形でしっかりときめ細かく、いろんな形での関わりを持っていくことが非常に大事だということがありますので、引き続き取組をしていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
また、続きまして、デジタル化に関してでございますけれども、今、国の方向性としてもデジタル化を進めているところでございます。様々な手法があるかと思いますが、やはり1つはマイナポータルを活用してデジタル化を導入されている自治体が多く、徐々にではございますが増えつつあるというところで、そのことによって様々プッシュ式にこちらからのアプローチもできるということで、非常に大きな利点があるということも聞いているところでございますが、もしもその辺のデジタル化の1つの、進める方の視野に置く中で、マイナポータルの活用の御検討等も必要かと思うんですけれども、その辺の検討はどうされているのか、お聞かせください。
◯子ども政策部調整担当部長(清水利昭さん) ただいまの再質問にお答えいたします。
マイナポータルの活用についても含めて、どういった形で実施するのがいいのか、どういうシステムを導入するのがいいのか、まだなかなか導入していらっしゃるような自治体もないので、ちょっといろいろと状況をお聞きしても参考になるようなデータが得にくいような状況ではございますけれども、引き続き情報収集に努めながら、その手法についてもきちんと対応していきたいというふうに考えております。
以上です。
◯2番(赤松大一さん) 分かりました。ありがとうございます。やはりまだまだ緒に就いたばかりということで、様々な事例が入手できないところでございますが、しっかりその辺に関しましては、先行的に取り組んでいる自治体と連携を取っていただきながら、また国の動向もしっかりと見定めていただきながら、デジタル化、やはり保護者の方のより一層の、これもより一層の受診率向上にもつながると思いますし、また、様々な問診票等の記入のことの御負担も──様々ないいところ、メリットも多くございますので、その辺に関しましては導入に向けて検討していただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
続きまして、5歳児健診でございますけれども、やはりこれに関しましては、国立成育医療研究センターの小枝先生のほうからは、5歳児健診によって早く特性に気づき、適切な支援や療育につながることができれば、多くの子どもたちが通常学級でも問題なく学べるようになり、実際には5歳児健診を導入した自治体では、不登校が減ったという研究があるというレポート、報告もございました。5歳児健診、新しい導入でございますので、様々な手法、やり方、今後検討されていくかと思いますが、例えば自治体によっては、まずは最初に5歳児の保護者の皆様に一斉にアンケートを送付して、その中で気になることに関しましては、具体的にお子様の、例えば保育園、幼稚園等に通園されている方に関しては、専門家がしっかりその園に訪問して、様々なお子様をしっかりと確認をさせていただくとかいう形でやっていたりとか、様々な手法をやっていく中で、やはり大きな成果としては、市の担当者の皆様のお声を聞くと、個々に合わせた支援を行い、子どもと保護者が安心して就学を迎えるために5歳児健診が非常に有効であるということになりますし、また、先ほども、やはり大事なことは保護者の方が不安な様々なお気持ちを相談とかでぶつけるとかいうところに大きなきっかけになるかと思いますので、5歳児健診を導入していただきたいと思いますけれども、1つやはり課題は、部長の御答弁にもありました、やはり専門家の人材の確保が非常に難しいというのがこの5歳児健診の導入に関しての各自治体の大きな課題であるということもお聞きしているところでございます。
本市は本当に医師会の先生方が大きくいつも御協力いただく中での様々な事業を取り組んでいただいてございますが、やはりその中で、市内においても子どもたちの5歳児健診を診察する、判断する専門家の先生の、要は絶対的な数という部分も非常に懸念されるところでございますけれども、例えば、東京都の療育センター等と連携を取る中で、そこから派遣をしていただくとかということも非常に有効だと感じているところでございますが、やはり市内の先生方には限らず、今申し上げたとおり東京都の療育センターと連携することによって、人材確保には有効かと思いますが、その辺のお考えをお聞かせいただければと思います。
◯子ども政策部調整担当部長(清水利昭さん) ただいまの再質問にお答えいたします。
人材確保は非常に難しいということで、全国的に今、それは問題になっているようなところでございますけれども、まずは先ほども御答弁申し上げましたように、この後、三鷹市の医師会と意見交換するということになっておりますので、まずはそちらのほうに御相談させていただいた上で、どういう形で人材を確保するのがいいのかということは、きちんと話を詰めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
以上です。
◯2番(赤松大一さん) ありがとうございます。ぜひとも5歳児健診を導入することによって、子どもの成長に伴う様々な課題等も解決につながることと感じているところでございますので、導入に向けて御努力いただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
続きまして、心不全関係のことでお聞きしたいと思います。やはり心不全の初期症状が出てくるのが、例えば息切れや動悸、少し歩いただけで息切れがする、重い荷物を持って歩けなくなった、疲れやすくなった、咳が出る、食欲不振が続く、あと胸が痛くなったとかということが初期症状でありますが、これを見る限り、聞く限り、何とかなるだろうということで、なかなかこれをきっかけとして、それでお医者様にかかるということはなかなか当事者の方、心不全の初期症状が出ているにもかかわらず、お医者様に御自身で足を運ぶことは非常に難しいかなということを感じているところでございます。やはりその中で、例えば本当に苦しくなってしまってお医者さんにかかってくると、最初にやはりお医者様が、例えば息切れが、動悸が続くんだと問診の中で出たときに、まず一番初めにやるのが、BNP検査を一番初めにお医者様がやって、その患者さんが心不全の疑いがあるかないかを判断するということでございます。
心不全に関しましては、先ほど壇上でも申し上げたとおり、徐々に徐々に、市長の御答弁からもやはり増加傾向にあるというところで、やはり心不全になる原因としましては、高血圧や糖尿病、高脂血症などによる生活習慣病をお持ちの方とか、喫煙や過度の飲酒、塩分の取り過ぎ、運動不足、過労やストレスということで、こういうことが要因となって心不全になってしまうという原因がございます。そういう形で、やはり本市においてもしっかりとBNP検査をしていただく中で、大きく市内の皆様の心不全の予防につながるかと思っているところでございますけれども、全員一定の年齢をかけてやるのではなくて、今、本市でやっていただいております特定健診の中で、例えばお医者様が健診の問診の中で、いろんな形の中で、例えば基礎疾患がある方とか、その中で心不全の疑いがある方に対してだけでもBNP検査を導入して、早期発見、早期治療につながるべきと考えます。やはり大きな、全員対象となると非常に難しいので、非常にちょっと心配のある方に関して、問診の中で、ここでスクリーニングかけるという形の手法も非常に有効かと思いますが、そういうことによって、ぜひとも検査の導入をしていただきたいと思いますが、お考えいかがでしょうか。
◯健康福祉部長(小嶋義晃さん) 再質問いただきました。
市長からの答弁でもお答えさせていただきましたけれども、心不全で亡くなっている方というのは増加傾向にあるということは間違いないことでございます。そうした状況の中で、より早く異常を発見して治療につなげるということは非常に重要なことかなと考えています。そうした中で、健診項目というのはやはり医師会とも十分調整しながら、スクリーニングの在り方、検査の仕方、その後のフォローの仕方等、医師会とも十分調整しながら、検討させていただければというふうに考えているところでございます。
また、質問議員さんもおっしゃっていましたけど、やはり生活習慣病予防というのが非常に心不全等に対して有効かなと考えていますので、そういった予防に関しましても、しっかりと周知啓発を取り組んでいきたいと考えているところでございます。
以上でございます。
◯2番(赤松大一さん) しっかりとまた医師会の先生方と御相談していただきながら、そういうことにならない予防も大変に、今部長おっしゃるとおり大事でございますので、予防しながらでも、しっかりとまた気づくようなきっかけとなるような検査でございますので、導入に向けて御検討いただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
続きまして、網膜色素変性症の方に対する日常生活用具認定のことでございますけれども、部長の御答弁いただきました日常生活用具認定に関しては、3つの要件があるということも伺っているところでございます。1つは、やはりこの要件に関しましては、障がい者が安全かつ容易に使用できるものであり、実用性が認められるもの、また、障がい者の日常生活上の困難を改善し、自立を支援し、かつ社会参加を促進すると認められたもの、また、用具の製作、改良と開発に当たって、障がいに関する専門的な知識や技術を要するもので、日常生活品として一般に普及していないものについて、この3つの要件があるということを伺っているところでございますが、今回のこの御提案させていただいた暗所視支援眼鏡に関しましては、やはりこの3つの要件にしっかりとかなっているというか、条件に合致しているなということも私、当事者の方からお話を聞かせていただく中で、またいろんな調べさせていただいた中で、要件にかなっているなということを感じているところでございますけれども、やはりぜひとも市内の網膜色素変性症になられている方、人数的にもそんな多くいらっしゃらないということもお聞きしているところでございますので、その辺に関してぜひとも──特にやはり心配なのが生活、特に夜とか避難する際に、真っ暗なところで、暗所視支援眼鏡がないと右行っていいんだか左行っていいんだか、どこに避難していいんだかも分からないとか、まさに命を守るためにも非常に重要な用具だと認識しているところでございますけれども、これに関してぜひとも検討していただいて、導入に向けていっていただきたいと思いますが、この3つにかなっているんですけれども、その辺のお考え、対象に向けての導入に向けての検討内容と、また、お考えをお聞かせいただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
◯健康福祉部長(小嶋義晃さん) 再質問いただきました。
暗所視支援眼鏡につきましては、やはり40万円程度するということで非常に高額であって、なかなか経済的な負担も大きいというところは認識しているところでございます。私どもも、今までもいろいろとこうした給付の品目については検討を行っていまして、必要に応じて拡充を行っているところでございます。暗所視支援眼鏡につきましては、市部でも6自治体あるというふうに確認しているところでございます。そうしたことも含めまして、バランスを考えながら、財政状況も勘案しながら検討させていただければというふうに考えているところでございます。
以上でございます。
◯2番(赤松大一さん) ありがとうございます。網膜色素変性症の方の協会の会長からも、実は私ども議会のほうにこの陳情をいただいて、今回それを受けて、また様々な取組の中で、今回特に一般質問の中で取り上げをさせていただいたところでございます。しっかりとまた他の自治体の導入の内容、また結果等を踏まえていただいて、ぜひとも三鷹市も対象にしていただければとお願いするところでございますので、よろしくお願いいたします。
続きまして、片目の視力を喪失された方に関しての再質問をさせていただきます。やはりこれに関しましては、私も当事者の方からお話を聞くと、先ほど壇上でも紹介させていただきましたとおり、片目が失明しているにもかかわらず、残った目の矯正視力が0.6以下じゃなければ障がい者としての認定が受けられないということで、非常に私もこれに関してはびっくりしたところでございますし、また、義眼に関しましても耐用年数、本当は二、三年で替えなければならないというところもあるところでございます。さらには、替えないことによって、例えば年齢によって、先ほどお子様の例を引かせていただきましたが、成人しても年齢に伴って義眼が合わなくなって、義眼が外れてしまって顔が変形して見えたり、そういうことによって人と会うことや外出が苦痛になってしまうというお声も聞かせていただいているところでございます。本市に関しては様々なアピアランスケアという角度から導入をしていただいているところでございますが、やはり義眼に関しましても、障害者手帳がもらえない方に関してこの対象にすべきであることで、東京都もいよいよアピアランスケアの対象に義眼を検討するということも、先日の都議会であったところでございますので、本市に関しましても、しっかりとこの対象にしていただくことをお願いするところでございますが、その辺を再度、御検討いただければと思いますが、いかがでしょうか。
◯健康福祉部長(小嶋義晃さん) 再質問いただきました。
三鷹市でも、がん患者さんに対するアピアランスケアというのは令和6年度、今年度から始めているところでございます。非常に御利用いただいているということで、ニーズが高かったのかなと改めて感じているところでございます。こちらの義眼につきましても、やはり十数万するということで、特に小さなお子さんに限っては頻繁に買い換える必要があるというふうに認識しているところでございます。アピアランスケアにつきましては、東京都の補助金等も活用しながらやっていますので、東京都の動向等も見ながら検討させていただければと考えているところでございます。
以上でございます。
◯2番(赤松大一さん) ぜひとも前向きに御検討いただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
続きまして、障がい者の18歳の壁について再質問させていただきます。特に日中一時支援に関しましては、障害者総合支援法の下で地域生活支援事業に位置づけられたサービスで、厚生労働省の通達によりますと、障がい者の日中における活動の場を確保し、障がい者等の家族の就労支援及び障がい者等を日常的に介護している家族が一時的な休息をするという目的で日中一時支援を進めているということでございます。特に18歳、就労移行支援や、また、就労継続支援の活動を終えた後の障がい者の過ごす場所として大変にニーズが高くなっているところでございますし、やはり障がいのあるお子様がだんだん、本当に少年からまた青年になられるというところでございます。この事業に関しましては、地域の特性や利用者の状況に応じて柔軟なサービスを提供し、障がい者の自立した日常生活と社会生活を支えるための地域生活支援事業であり、市町村の判断で実施する任意事業であるということもありますが、さっき市長からも御答弁いただいたところでございます。市内本当に少ない日中支援事業でございますが、様々な理由も、人材の不足とか、また事業所が移動という形ではありますが、その中でほかにまた様々な課題があるかと思いますが、その課題、ほかにあればお聞かせいただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
◯健康福祉部長(小嶋義晃さん) 再質問いただきました。
やはり、人材確保が難しいということは、やっぱり報酬等の問題があるのかなというふうに考えています。夕方の他のサービスが終わった時間帯に利用していただくような形になりますので、ニーズはあるけれども、なかなか事業者のほうで事業としてしていくことが難しい点があるのかなと考えています。そうしたところはやはり福祉人材の確保も含めて、市としては大きな視点に立って対応していく必要があるかなというふうに感じているところでございます。
以上でございます。
◯2番(赤松大一さん) ありがとうございます。やはり人材確保と併せまして、一度始めた事業は継続していただくことが非常に重要でございますので、その部分においての様々な財政的な支援等も視野に入れての支援が大事だと考えているところでございますので、ぜひともその辺の御検討もしていただければと思います。
また、18歳の壁に直面された保護者に関しましては、それこそ高等部、高校生になったぐらいから、既に保護者の方は御自身で就労継続支援施設や、また、今取り上げさせていただきました日中一時支援施設を御自分で探されて、自分のお子様が──保護者の方が一生懸命探されるけれどもなかなか見つからないということで、どこへ行ったらいいのかとか、どういうところにアプローチしていいのかということで非常に悩まれる。それこそ横のつながりで、保護者の皆様の連携、情報提供の中で、ここ行ったらいいよとかここが空いているよとか、話をお聞かせいただいたところでございます。
例えば、本当に三鷹市内でなければ市外を探されて、そこでどの市外に当たればいいのかということも非常に悩まれながら、一生懸命手探りで探されているお声も聞かせていただいたところでございますが、やはりその辺の支援に関しましても、しっかりと保護者の方が御相談できるような対応、また窓口、また、そういう形で対応が、本市としてはしっかりと導入していくべきであるかと感じるところでございます。現状の探されている方々が御相談できるのか、また、現状なければしっかりとまた御相談窓口を設けていただければと思いますが、お考えを聞かせいただければと思います。
◯健康福祉部長(小嶋義晃さん) 再質問いただきました。
日中一時支援事業につきましては、市内の事業者が少ないということは先ほど答弁させていただきましたけれども、そういった中でどうしても近隣市、例えば調布市さんであるとか、そういった施設を御利用いただくような形になっているケースがございます。やはりそういったところはケースワーカーがしっかりと相談に対応させていただいて、しっかり御案内できるような形で私どもも支援させていただきたいと考えています。
やはり18歳になるとどうしても時間が短くなりまして、保護者の方、ケアする方のライフスタイルにも大きな影響を与えると感じています。ケアする方の人生もしっかりと見据えながら、相談に乗っていく必要あるかなと感じているところでございます。
以上でございます。
◯2番(赤松大一さん) ありがとうございます。一般質問の中で取り上げた、増やすということも大事でございますが、やはりしっかり保護者の方に寄り添うということも非常に大事な、本当に1人じゃないということで──1人で探すのは本当につらいというお話も聞かせていただいたところでございますので、その辺に関しましても、しっかりと市としてケースワーカー等を中心に寄り添っていただけるような取組を続けていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
今回、本当にこの三鷹市の中での様々な障がいのある方、また、様々なバリアがある方が過ごしやすい生活を確保するための一般質問をさせていただきました。より一層、三鷹市が住んでよかったまちになるように、また住み続けたいまちになるような取組を続けていただければと願いまして、一般質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
◯議長(伊藤俊明さん) 以上で赤松大一さんの質問を終わります。
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◯議長(伊藤俊明さん) 次の通告者、5番 成田ちひろさん、登壇願います。
〔5番 成田ちひろさん 登壇〕
◯5番(成田ちひろさん) 食に関する取組について。
(1)、学校給食の残菜を減らす取組について。
学校給食を全額公費負担とする中で、家庭の金銭的な負担は軽減していますが、そもそも子どもたちが学校給食をどれぐらい食べているのか、残菜はどれぐらい出ているのかといったことに目を向ける必要があると考えます。現在、このようなことが把握できるような市の資料がないことから質問します。
質問1、学校給食の残菜量について、例えば季節ごとの違いや小学校と中学校の違い、各学校ごとの違いといった状況について伺います。また、その状況の分析を伺います。
質問2、現在行われている学校給食の残菜を減らす取組について、取組の成果と課題を伺います。
2019年に食品ロス削減推進法が施行されて、学校現場においても食品ロス削減に向けた取組の促進と、児童・生徒への食育の観点での理解促進も図られていると認識するところです。一方で、どの程度食品ロスの削減につながっているのかといったことが見えてこないのが現状です。例えば、残菜の量の推移といった何かしらの数値を定点観測することによって、もっと子どもたちに給食を食べてもらうためにはどのようにしたらよいかという視点での改善点が見えてくることにつながるのではないかと考えます。
質問3、教育委員会が主体的に学校現場と関わりながら、給食の食品ロス削減の取組を進めている自治体もあります。そういった事例も調査研究しながら、三鷹市でも取組を進める必要があるのではないでしょうか。
(2)、地域子どもクラブでの宅配弁当サービスについて。
質問4、学童保育所では既に利用が始まっている長期休み中の宅配弁当サービスを、地域子どもクラブでも利用できるよう検討していく必要があるのではないでしょうか。市民のニーズをどのように捉えているのかと合わせて見解を伺います。
(3)、キッチンカーの活用について。
キッチンカーの活用については、令和6年第1回定例会で、市職員の昼食の環境改善の視点から、ほかの議員からも質問がされています。その際に、副市長からは、公会堂さんさん館の食堂で新たな事業者による運営ができるような調整をしており、まずはそちらに取り組んだ後に検討するといった御答弁がありました。
質問5、現在の検討状況を確認します。
内閣府防災担当で、令和6年12月に改定した避難生活における良好な生活環境の確保に向けた取組指針の第2、発災後における対応の8、食事の質の確保の(4)に、キッチンカー等関係事業者と協定を締結するなど、平時からの連携体制を構築し、災害発生時には温かい食事を速やかに提供することとあります。
質問6、キッチンカーの活用について、市職員の職場環境の改善という目線だけではなく、災害時も視野に入れた平時からの取組という新たな目線を加え、活用の検討をする必要があるのではないでしょうか。
質問7、キッチンカー等関係事業者と協定を締結するといった平時からの連携体制の構築の取組について所見を伺います。
〔市長 河村 孝さん 登壇〕
◯市長(河村 孝さん) それでは、私から幾つか御答弁申し上げたいと思います。
まず、質問の6、災害時のキッチンカー活用も視野に入れた平時からの取組について、質問の7、キッチンカー関係事業者との協定締結による連携体制の構築についてでございます。関連がありますので、一括して御答弁させていただきます。
御指摘の内閣府の避難所における良好な生活環境の確保に向けた取組指針につきましては、令和6年、能登半島地震での災害対応等を踏まえた改定に伴いまして、特に今回新たに配慮すべき項目として、自治体が開設する避難所での食事の質の確保について、御質問のキッチンカー等の活用のほか、学校給食施設の利用等による多様な供給方法の確保、避難所での炊き出し設備や食材、燃料の提供等の必要性など、多様な観点からの対応策が示されたものと認識しております。本市の現段階での取組といたしましては、市立小・中学校における学校給食受託事業者との非常災害時の炊き出しに関する協定や市内飲食事業者との災害時の帰宅困難者に対する食事提供等の協定をそれぞれ締結しております。一方で、キッチンカーの活用に関しましては、平時における対応も含め、関係事業者との協定は未締結の状況でございます。
キッチンカーの活用は、特に災害時の避難所における食事の質の確保に向けて、多様な供給機会を確保するという観点からも、非常に有効な取組の1つとして評価するものでございます。今回の御提案も踏まえまして、市内事業者のみならず、より広域的な事業者団体との連携の可能性も含めて、先行自治体の事例を参考に、今後その導入に向けて調査検討してまいります。平時におけるキッチンカーの利用が災害時に活用できるというのは、非常に面白い、いい事例だと思いますので、いろいろ研究してみたいと思います。ありがとうございました。
◯教育部調整担当部長・国立天文台周辺地区まちづくり推進本部事務局次長(齊藤 真さん) それでは、私からは3点お答えいたします。
質問の1番目、学校給食の残菜量の状況と分析についてです。残菜量につきましては、季節により、夏季は食欲が落ちること、冬季は感染症の流行により欠席者が多くなることなどから、残菜量が増える傾向にあります。また、和食の献立において残菜量が多い傾向が見られ、これは和食の特徴である素材を生かした調理が苦手と感じる子どもが多いことが原因であると分析しております。なお、小学校においては発育に合わせ、1学期よりも3学期のほうが食べる量が多くなるといった傾向があります。
質問の2番目、取組の成果と課題についてです。残菜を減らす取組として各校において様々行っておりますが、お昼の放送で当日の献立を紹介する取組や、また、児童・生徒のリクエストメニューの提供、それから体験学習としてトウモロコシの皮むき、枝豆のさや取りといった授業を行っておりますので、そうした授業と連動した給食の提供等を実施しております。また、食べたことがないものや苦手と感じているものについては、一口だけ食べてみるといった一口チャレンジといったことを実施している学校もあります。取組の成果としては、食への関心が高まり、食事の楽しさが増加し、自然と喫食量が増加をしているという傾向にあります。都の取組におきましても、子どもたちに食べ切ることは強要しておりませんので、残菜量の減少は限定的なものとなっていることなどが課題として捉えているところです。
質問の3番目、先行事例を調査研究し、取組を進める必要性についてです。現在、残菜量は各校にて献立ごとに把握しておりますが、全校の数値を統計として生かすことにより、残菜量の減少や、また食品ロスの削減につながることと考えておりますので、先行する自治体の事例も参考にしながら、三鷹市でも取組を進めてまいります。
以上です。
◯子ども政策部長(近藤さやかさん) 私からは市長の答弁に補足いたしまして、御質問の4番目、地域子どもクラブでの宅配弁当サービスについて答弁をさせていただきます。
地域子どもクラブにつきましては、令和3年度から長期休業中も含む毎日実施の拡充に取り組んでおります。令和6年度では7校で毎日実施をしており、うち4校の地域子どもクラブについては、長期休業中の利用について、昼食を持参することを可能というふうにしております。今年度は1施設当たり平均で15人から20人ほどの児童が昼食を持参し、利用しております。地域子どもクラブでの宅配弁当サービスについては、現在のところ具体的な御要望はいただいておりませんが、今後、ニーズを見極めつつ、子どもを主体に考え、判断をしてまいります。
私からの答弁は以上です。
◯総務部長(高松真也さん) 市長の答弁に補足をいたしまして、5点目の御質問、職員の昼食環境としてのキッチンカー活用の検討状況について御答弁申し上げます。
公会堂さんさん館の職員食堂につきましては、令和6年3月末でそれまでの運営事業者が撤退したことから、公募型プロポーザルによりまして事業者を選定し、昨年10月の中旬にリニューアルオープンをしたところでございます。現在、食堂の利用方法、メニューなどにつきまして、事業者と協議を行いながら、安定的な運営と利用率の向上を目指している段階となっております。こうしたことから、現段階で職員の昼食環境としてのキッチンカーの活用について、他自治体の状況の調査を行っているところでございますけれども、具体的な検討には至っていないというところでございます。御質問の災害時の対応も含めまして、引き続き他自治体の事例などについてしっかり情報収集し、調査研究してまいりたいと考えております。
答弁は以上です。
◯5番(成田ちひろさん) 御答弁どうもありがとうございました。いずれも思っていたより前向きな御答弁をいただけたと思って、少し驚いております。ありがとうございます。
地域子どもクラブの宅配弁当サービスのことで一言だけなんですけれども、どのような運用をすれば導入できるのか、導入に当たってはいろいろ課題もあったりとかというところがあるんだろうなというふうにも私も思っておりますので、導入できそうなのかというところを探りながら、来年度は教育部に移る部署でもありますので、引き続きそこでもちゃんと検討していただきたいということをお願いさせていただきます。
キッチンカーについては、市長からちょっと評価、有効な取組と一応認識していただいているということで、引き続き御検討を進めていただきたいなというふうなところです。広域的なというところが私も、広域的に助けてもらえるような、何かがあったときにというところの視点は大事だなと思いますので、その辺りも含めて御検討を進めていただきたいと思います。
学校給食の残菜のところで少し時間を使わせていただきたいと思います。今回、都内自治体に調査も行っていまして、教育委員会は残菜量の把握しているのかというところと、平均残菜率とか、残菜を減らす具体的な取組を聞いた調査なんですけれども、残菜率とかの数値の計測というのはそれぞれの自治体で前提が異なっている部分もあるだろうと思いますので、単純な比較はしないでというところでは見ているということと、あと、教育委員会で数値の管理をしているからといって、残菜率が低いというわけではないんだろうなというところは、私はこの調査結果から読み取ったところです。ということでお話しするんですけれども、三鷹市の残菜率の状況は、令和6年の12月分のデータを出していただいたということで、御協力いただいた皆さんには感謝申し上げたいと思うんですけれども、こちらはやっぱり低くはないなというふうに私も感じているところです。
残菜量の記録が始まったのは、給食調理業務を委託化するときに開始されていると調査のときにお答えいただいているんですけれども、やはりこういう量を量っているなら活用しないともったいないなというふうなところを感じるんです。生かしていけるとしたら献立の改善とか調理業務自体の改善とか、食育指導に生かしていくというような、そういうところだと思います。量で競わせるということは私は望んでないんですけれども、あんまり多いようだったらとか、やっぱり比較して多いようだったら、献立や調理を確認したりとか、これを複数校で行っていくことによって、学校給食の、市全体の学校でおいしい給食というものにつながっていくのではないでしょうか。いかがでしょうか。
◯教育部調整担当部長・国立天文台周辺地区まちづくり推進本部事務局次長(齊藤 真さん) 答弁いたします。
残菜率につきましては学校ごとに把握しているところもありますので、多分これまで教育委員会、直接関わりを持ってこなかったんですが、こうしたところを全校的にまとめ上げて、そういった残菜率を提供して学校にフィードバックするということは非常に有効な取組と思いますので、こうしたことは実施していきたいなと考えております。
◯5番(成田ちひろさん) 栄養士さんが成長期の子どもたちのことを考えて献立を立てて調理しているのに、残菜率が多かったら意味がないよねというところの意識で質問していますので、よろしくお願いいたします。
おいしいという定義とかというのは、なかなかそれって何なのというイコールの数値というのを設定するのは難しいと思うんですけれども、残菜量の減少とか残菜率が低いということがおいしさがキープされているとか、そういうことの目安になるんじゃないかと思います。残菜を減らす取組を進める中では、子どもたちがもっと給食を食べるにはという視点がやっぱり欠かせません。児童・生徒の嗜好に合わせた味つけの調整とか研究が必要になってくると思いますが、この点についてはいかがでしょうか。
◯教育部調整担当部長・国立天文台周辺地区まちづくり推進本部事務局次長(齊藤 真さん) 答弁いたします。
残菜率を調べる中では、学校によっては非常に残菜率が低い学校、高い学校まちまちであります。特に低い学校については、どういった取組を行っているのかというのは非常に興味深いところなんですが、そうしたところの取組も横展開できて、多分そういうところでやっぱり給食調理のこと、献立のことも考えていると思いますので、そうしたところはしっかり横展開して、活用できたらと思っております。
◯5番(成田ちひろさん) ぜひよろしくお願いします。嗜好に合わせた味つけの研究をするのは残菜量目安というところもあるんですけれども、やはり子どもたちの話を聞いたりとか、栄養士さんと意見交換するような機会というのが欠かせないと思うんです。今までも各学校でいろんな取組していただいていると思うんですけれども、今の取組で十分なのかということについては、今はどのように考えていらっしゃるんでしょうか。
◯教育部調整担当部長・国立天文台周辺地区まちづくり推進本部事務局次長(齊藤 真さん) 答弁いたします。
子どもの意見ということで、例えばリクエストメニューを提供したりとか実施をしておりますが、実際に給食を食べて子どもたちがどう感じているのかは、多分アンケート調査等も実施しておりますので、そうしたところもしっかり勘案しながら、献立のほうは考えていきたいと思っております。
◯5番(成田ちひろさん) 子どもたちの意見も反映しつつ、栄養士さんの専門性も生かした学校給食の味の改善というか向上というか、そういうところについては両立できると思いますので、ぜひ研究を進めていただきたいと思います。
学校給食については、教育的な観点、今回質問としてはしなかったんですけれども、自分たちが食べ残しの状況を見ることができるので、それが減ったということは、自分たちの行動がSDGs達成にもつながっているということをやっぱり実感できるというような、フードロスを減らす実践的な学びの機会だと思うので、それは言うまでもないなと思って今回質問にはしなかったんですけれども、今後はそのような視点も加えながら、子どもたちの実際の食べている状況とかにもより注目して、子どもたちにもっと食べてもらえる給食とはという視点で取組を進めていただく必要があると思います。その思いを今日、教育委員会の方に伝え、共有させていただけたんじゃないかなというふうに思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
今回は、食に関する取組について、3つの項目について質問いたしました。ありがとうございました。
◯議長(伊藤俊明さん) 以上で成田ちひろさんの質問を終わります。
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◯議長(伊藤俊明さん) この際、議事の都合によりしばらく休憩いたします。
午前10時39分 休憩
午前10時54分 再開
◯議長(伊藤俊明さん) それでは、休憩前に引き続き、会議を再開いたします。
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◯議長(伊藤俊明さん) 市政に関する一般質問を続けます。
次の通告者、18番 中泉きよしさん、登壇願います。
〔18番 中泉きよしさん 登壇〕
◯18番(中泉きよしさん) 日本維新の会の中泉きよしです。どうぞよろしくお願いいたします。
今回、一般質問の前半は、河村市政における子育て支援の強化、教育費の無償化に向けた再来年度以降の市財源活用の在り方について伺います。
まず、前半の参考とすべく、ちょうど1年前、2月28日、令和6年第1回定例会における私の一般質問の議事録よりその一部を紹介します。私は、東京都の2分の1補助金を活用して、令和6年度からの学校給食費の無償化を決断した河村市長に敬意を表しながらこう述べました。子育て、教育支援策の強化は大きな流れ、これが全国規模で生まれつつありますので、近い将来、東京都政や国策として予算化されることでしょう。そうすると、あれ、今まで自前予算でやっていたこと、これが余っちゃったよ。じゃあ、これを活用してほかのやりたい事業ができるねという好循環が生まれます、引用はここまでです。これはその後に、東京都の給食費無償化補助率が8分の7に引き上げられたり、国政レベルで無償化が活発に検討されている1年後の現状をうまく言い当てているものであり、割とセンスのいい指摘、提案だったと思いますが、いかがでしょう。河村市長、たまには中泉を褒めてもいいんですよ。僕って褒められて伸びるタイプですから、B型だし。
同じ議事録から、河村市長の答弁を2か所ほど拾ってみます。1つ目、中泉さんの問題提起については、時間をかけて来年度予算、再来年度予算、どの時点になるか分かりませんけれども、真剣に考えていきたいというふうに考えております。もう1か所、中泉さんが御質問された中でいえば、1年間、半年間かけてしっかりもっともっと工夫してほしい、そういう趣旨だというふうに理解していますから、それはもっともっとやっていきます。そして、その分で、財源も含め捻出しながら、できることはしっかりやっていく、それは受け止めて聞いておりますので、誤解のないようにしていただきたいと思っています。いいですね。市長、私は誤解なんかしていませんからね、期待しています。検討時間を十分に取ってもらうために、2年連続で、この第1回定例会に再来年度の予算編成の考え方を問うているのですから。以下、議事録から離れて進めます。
なお、ここでの質問、答弁では、その規模感や方向性を重視するものであり、精緻な数字は必要なく、令和6年度学校給食費の無償化の実施における当初予算7億700万円を基礎として進めていきましょう。また、この一般質問では令和7年度予算には触れない約束ですので、令和8年度予算編成やそれ以降の市財源活用に向けた考え方を問います。
例えば、再来年度も当該事業費予算が7億700万円であり、都補助金8分の7負担が継続されたと仮定すると、三鷹市の一般財源による拠出額は、ざっと9,000万円弱となります。令和6年度当初予算で河村市長が確保した一般財源からの拠出金3億5,400万円とこの9,000万円ほどでは、2億6,500万円もの負担軽減が実現します。さらに言えば、一昨日、2月25日に日本維新の会と政府・与党が合意した全国一律での給食費無償化が実現すれば、3億5,400万全額、これが市が自由に使える予算に生まれ変わることとなります。市長、ここも私を褒めてもいいところですよ。くしくもこの金額は、令和5年第2回定例会の6月13日に、私が初の一般質問で行った教材費や自然教室、修学旅行などの経費など、学校が徴収しているものは小・中学校で幾らかという質問に対する教育部長答弁、約3億5,000万円とぴたり一致します。えっ、うそ、同じ3億5,000万じゃん。そのくらいびっくりしてもいい金額です。
そこで、1つ目の質問として、子育て支援充実に向けた三鷹市独自の目玉政策として、この教材費等の無償化実現に向けた河村市長の所見を伺い、2つ目に同じ質問、同様のことを松永教育長に伺います。1年前の答弁が心に残っていますので、お二人の答弁には期待せずにはいられません。なお、仮定の御質問にはお答えできませんなどと無能な政治家のような答弁はしないでください。政治家だろうが、教育者だろうが、企業経営者だろうが、優れたリーダーは様々な仮定、イフを想像し対策を考え、凡人の想定外を自らの想定内として備えるものです。その想定域の広さこそがリーダーの技量です。
では、第2部、後半に入りましょう。前回、令和6年第4回定例会の最終日、12月20日に書類配付にて報告された指定議決による市長の専決処分の報告についての報告時期は適切だったのかを問います。
ちなみにここで報告された専決処分は、令和6年3月29日に執行されたものです。地方自治法の第180条第2項において、議会への報告義務の時期は明示されていません。しかし、明示されていないことと、報告はいつでもよいということは同義ではありません。現在、行政側がその業務執行に当たり、基礎とすべき事例解釈は少なくとも2つほどあるものと認識しています。
1つは、昭和31年4月2日の佐世保市議会事務局宛て行政課長電信回答による法解釈です。その内容は、第180条の専決処分についても、次の会議において議会に報告することが法意と解せられるというものです。そしてもう一つは、学術界における有力な解釈としての、専決処分を行った後、遅滞なく報告するというものです。いずれの解釈でも、自治体の事務においては、次の定例会など適切なタイミングで報告が行われることが一般的です。本件については担当部局に何度も問い合わせましたが、その説明は一向に腹落ちがしません。そこで不本意ではありますが、3か月に一度、たった10分しかない貴重な一般質問の時間の一部を本件に充てることとした次第です。
3つ目の質問。三鷹市では、地方自治法第180条第2項の趣旨として、議会への報告はどのようなタイミングでなされるべきと解釈しているか、市長の所見を伺います。
4つ目の質問。その上で、令和6年3月29日になされた市長による当該専決処分の議会への報告が、9か月も経た12月20日となった報告の時期は最善だったのか、誠実な答弁と今後の対応を期待して、市長の所見を伺います。
最近はどうも厳しい質問になりがちですね。決して嫌われキャラを確立したいのではなく、三鷹愛の強さゆえの市執行部への叱咤激励、応援演説と御海容ください。期待という言葉を4回も使ったのは、その表れです。では、自席からの再質問でお会いしましょう。市長、褒められる準備をしておきますよ。おしまい。
〔市長 河村 孝さん 登壇〕
◯市長(河村 孝さん) それでは、私のほうから、質問の3番目、委任専決処分の議会報告時期に関わる法意についての市長の所見、質問の4、令和6年3月29日実施の専決処分に係る議会報告時期への市長の所見、この2つについて御答弁させていただきます。
地方自治法第180条の規定に基づく委任専決処分について、議会に御報告すべき時期としては、法律の趣旨として、できるだけ速やかに実施すべきであり、次の定例会等の機会を捉え、適宜適切に報告すべきものであると認識しております。御質問の令和6年3月29日付の専決処分に係る御報告に当たりましては、この法律の趣旨に基づく御報告時期を逸しておったというふうに考えております。昨年12月の定例会において、そのことにつきましては、本件の重大性を真摯に受け止めているということで、関係している議員の皆さんにおわびを申し上げていたということでございます。本件の重大性を真摯に受け止めまして、関係部課長については一定の処分を行い、私としては再発防止の徹底を指導したところでございます。今後、再発防止策を適正に実行するとともに、法令遵守の徹底を図り、さらなる適切な事務執行に努めてまいりたいというふうに考えております。
私からの答弁は以上でございます。ありがとうございました。
◯企画部調整担当部長(伊藤恵三さん) 私からは市長の答弁に補足いたしまして、質問の1番目、学校給食費の無償化のために確保した市費負担分の活用による教材費等の無償化について御答弁をさせていただきます。
社会資本の更新や社会保障関連経費のさらなる増加など、多岐にわたる財政需要が生じている中で、行財政改革や新たに確保した財源につきましては、基本的には個別にどの事業に充てるといった1対1の対応で考えるものではなく、選択と集中により各施策を推進していくための財源として配分をしております。教材費や自然教室等の経費の無償化に取り組むことにつきましては、国が責任を持って義務教育の無償化に係る制度設計をすべきものと考えております。
私からは以上です。
◯教育部調整担当部長・国立天文台周辺地区まちづくり推進本部事務局次長(齊藤 真さん) 答弁いたします。
質問の2番目、学校給食費の無償化のために確保した市費負担分の今後の活用方法についてです。新たに確保した財源について、選択と集中により各施策を推進していくための財源として配分されることについては、市長答弁と同様の認識です。教育に係る経費の無償化については、児童・生徒及び保護者が居住する自治体によって大きな教育格差を感じることがないよう、広域的な対応が必要であることから、国が責任を持って教育費の無償化に係る制度設計をすべきものと考えております。現在におきましても、就学援助制度による生活困窮世帯への支援を行っているところですが、保護者に必要以上の御負担が生じないよう、学校と連携した取組を進めていくとともに、先行自治体の事例などを研究し、市長部局とも連携しながら必要な対応について検討してまいります。
私からは以上です。
◯18番(中泉きよしさん) 答弁ありがとうございました。
では、最初に市長から答弁のあった専決処分の件ですが、どうも配られた12月20日付の専決処分の報告についてというのが、同条第2項の規定により報告しますということ、だからこれは、同条第2項の規定により報告されていないんじゃないですかということを私は何度も問うているんですが、この文書はこのままでよろしいのか、かがみというんですかね、この頭の表紙は。これについての市長の見解はどのようになっているでしょうか。
◯総務部長(高松真也さん) 再質問にお答えをいたします。
配付した資料につきましては、御指摘のとおりの文言になっているところでございます。市長から答弁させていただきましたとおり、この専決処分に係る御報告に当たりましては、法律の趣旨に基づく報告時期は逸する中で御報告させていただくというような事態になったというふうに考えております。この事案の重大性を認識しまして、誠意を持って御理解いただけるよう、対応に努めさせていただいたところと考えておりますけれども、その上で御指摘をいただいていることについては、真摯に受け止めさせていただきたいと考えております。
以上でございます。
◯18番(中泉きよしさん) 例えば、3月29日というと前年度ですよね。その前年度の予算や業務執行の適正さを議会で検討する9月の議会、決算特別委員会でもいいですよ。それまでに行われた業務が報告されていなかった。これ、場合によっては、その審議自体が何の意味もなさなくなってしまうということがあるかと思いますが、前年度にやったことがさらに9月の決算特別委員会をまたいでしまったこと、このことについてはもう少し具体的に所見をお伺いできますか。
◯総務部長(高松真也さん) 再質問にお答えをいたします。
御指摘のとおり、委任専決処分について議会に御報告すべき時期としては、できる限り速やかに実施すべきという法意というふうに認識をしておりまして、次の会議の機会を捉えて議場配付という形でさせていただいておりますけれども、適切に報告すべきものであると認識しております。特に6月、9月、2会期にわたりまして定例会での御報告を逸することによりまして、本件の専決処分事項であります無申告加算税、また延滞税の納付につきまして、御指摘の当該決算の議案提出時期も踏まえた適切な時期に報告を行うことができなかったことについて、その重大性について真摯に受け止めているところでございます。
◯18番(中泉きよしさん) 分かりました。分かったって納得はしていないんですが、これ以上私、時間をもらっていませんので。
学校、義務教育の無償化についてですが、これは1対1で予算は組まないというのは分かりますが、一旦子どものためにつくった予算、行財政改革でつくった予算、これをまさか子育て支援だとか教育費支援以外のために使うということはないと思いますが、その認識については、もう一度市側の考えをお伺いします。
◯市長(河村 孝さん) 以前御質問があったことに対して、何か褒めてほしいそうですけれども、予言のようなお話について褒めてもいいんですけれども、実際には御承知のように、この給食費の無償化のためには、私ども市長会を通して主要なやり取りが東京都ともありまして、その結果、東京都の判断で、ウルトラCみたいな形ですけど、小池都知事の英断によってかなりの補助金が出る。それがまたさらに今回、国のほうの動きも引き出してきたということであります。ですから、これは偶然そうなったとか予言が通ったとかいう話ではなくて、目に見えないところも含めて様々な努力があって、こういう結果が生まれたということの認識については、ぜひ共有化していただきたいと思いますし、私を褒めろとは言いませんが、市長会の皆さんの努力を褒めてやってほしいというふうに私はまず思います。
その意味でいいますと、御質問があった時点で何があったか、何がこれからあるだろうかということは予見できないわけです。そういう中で、政治が動いていったり行政が動くということを踏まえて言うと、先ほど担当者からも御説明させていただいたように、これがなくなったから、じゃあこれをこっちに使おうとか、そういう簡単な形で行政は進まないですよ。これから何があるか分からない。予算の額が相当上回っているように見えながら、実際は入札の不調とか成立しないという状況が多々生まれているわけですから、当然様々な市民の皆さんの生活の困窮とか、あるいは事業の実施に向けて上乗せするとかということも含めて、これから様々議会の皆さんと御議論をしていかなければいけないというときに、今これを教材費に充てるとか、そういうことを私は軽々に言える立場ではない。質問議員さんは言えると思いますけど、私は言えませんので、そのように御答弁させていただきます。
◯18番(中泉きよしさん) 先ほど申し上げましたとおり、市長の決断には敬意を表したいということは改めて申し上げます。それと子育て支援の強化は大きな流れであるということは、これも2年連続で申し上げて、終わります。
◯議長(伊藤俊明さん) 時間がまいりました。以上で中泉きよしさんの質問を終わります。
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◯議長(伊藤俊明さん) 次の通告者、19番 蛯澤征剛さん、登壇願います。
〔19番 蛯澤征剛さん 登壇〕
◯19番(蛯澤征剛さん) 議長からの御指名がありましたので、通告に従い質問をさせていただきます。
三鷹市の小・中一貫教育の課題と検証について。
平成18年から長年三鷹市が進めてきた小・中一貫教育について、三鷹市内でも現場を経験してきた立場から、多くの課題があると考えます。小・中一貫教育についてはメリットばかり強調されていますが、そもそも制度に問題はないのか、しっかりと検証すべきであるという主張の下、質問をいたします。なお、今回の質問に当たっては、義務教育学校の設置について触れるものではありませんので、御答弁におかれましては御配慮をお願い申し上げます。
1つ目の質問です。三鷹の小・中一貫教育の1つの特色として挙げられている小・中一貫カリキュラムですが、教科の系統性や9年間の指導の方向性を示す非常に重要なものであることは理解しています。しかし、私の現場の経験からすると、多くの教員は、そのカリキュラムを手にすることはほとんどありません。理由は単純で、多忙な現場では、授業計画を立てる上では、カリキュラムよりも教科書や指導書のほうが使い勝手がいいからです。つまり、このカリキュラムは小・中一貫教育の特色になるどころか、形骸化しているとも思われます。これは私だけの認識ではなく、三鷹の小・中一貫教育を経験した現職の教員にヒアリングした中でも同様の意見を持っている方がいます。三鷹市の小・中一貫カリキュラムが小・中一貫教育の特色として挙げられていることには疑問を感じます。教育委員会では、このカリキュラムの活用実態について、どの程度把握しているのか、伺います。
2つ目の質問です。小・中一貫教育では、在籍する学校の校務分掌以外にも、新たに学園での校務分掌が割り当てられます。校務分掌とは学校運営の業務を分担するもので、三鷹の小・中一貫教育では、通常の学校にはない学園単位の職員会議や部会、研究会があり、事務作業や拘束時間が増え、教員の負担は確実に増えます。実際に三鷹市から他市へ異動した教員の話では、放課後、つまり子どもの下校後、授業準備等に費やす時間の確保や心の余裕ができたと聞きます。この意見に私も同感です。教員の負担を増やしてまで、学園単位での校務分掌が必要な理由及びその成果について伺います。
3つ目の質問です。小・中一貫教育の大きな特徴として、小・中学校相互の乗り入れ授業がありますが、小・中学校の授業時間のずれや学校間の移動の問題もあり、これも教員の大きな負担になっています。乗り入れ授業の効果が全くないとは言いませんが、費用対効果を考えたときに、まずは教員の負担軽減を図ることが先決であると考えます。なぜなら、教員の働く環境こそ、子どもの教育環境に直結するからです。このような負担を上回る乗り入れ授業の効果はあるのでしょうか、所見を伺います。
最後の質問です。小・中一貫教育の制度面を教員目線で見ると、多くの負担や課題があると思われます。教員の働き方改革という視点や、小・中一貫教育に関する制度や教育的効果について検証するために、現場の全教員を対象にしたアンケート調査を実施するべきではないかと思います。少なくとも小・中一貫カリキュラムの活用実態、学園単位での校務分掌や乗り入れ授業、児童・生徒の交流活動の負担や効果については、日々子どもと向き合っている現場の教員の声を参考にするべきであると思います。所見を伺います。
以上で壇上での質問を終わります。自席での再質問を留保します。御答弁のほどよろしくお願いいたします。
◯教育長・教育部長事務取扱(松永 透さん) 厳しい御質問いただきました。私のほうから答弁させていただきます。
まず、初めに、小・中一貫カリキュラムの活用の実態についてというお尋ねです。現在使用している三鷹市小・中一貫カリキュラムは、個別最適な学びと協働的な学びとの一体的な充実を図り、主体的、対話的で深い学びの実現を、義務教育9年間の学びの連続性と系統性を明確にするために、現行学習指導要領の改定に合わせて平成31年に策定し、小・中一貫教育を推進する上で重要な柱となるものと認識しています。令和5年度には、三鷹市立小・中学校教育研究会、いわゆる鷹教研の各教科部会の先生方と協力しながら見直しを図り、更新版を作成したところでございます。
あまり手に取ったことがないという先生が多いということなんですけど、多分、これですから、かなり分厚い重いものです。なかなかこれを日常的に先生方が見ながらとか、いつも見ててくださいねということは、私たちも思っているところではございません。ただ、ポイントになってくるのはどこかというと、9年間の学びの連続性、系統性、これをきちっと担保した授業が、やっぱり小・中一貫教育校の先生としてはできるようになってもらいたい、そういう思いの中でのことです。小・中一貫教育自体が、子どもたちの確かな学力と豊かな心を育てる学び、これを小・中学校間で断絶させないといったことを目的としてやっています。そういう意味では、子どもたちの発達段階を考慮しながら、義務教育全体の中で学習内容や指導方法の在り方を見直し、各学年間や小・中学校間の円滑な接続を図る必要があるといったところから、三鷹市では平成18年のにしみたかの開園と同時に、小・中一貫教育を順次進めてきたところです。そういう意味で、小・中一貫教育ということ自体は手段であって、これは目的ではないといったところが前提だといったことは御理解いただければというふうに思っています。
そんな中で、小・中一貫カリキュラムについては、これを基に学園ごとの実態に応じた学園版の小・中一貫カリキュラムを作成していただいております。あまり教科に関するところというのはそう大きく変わるはずはありませんので、これは標準版を使われている学校が多いんですけれども、特に総合的な学習の時間等の地域学習であるとか、あるいは様々なアントレプレナーシップ教育とか、そういった部分については、各学園の創意工夫によって、あるいは地域の資源によって内容が変わってくることから、そちらも作っていただいているところです。これを学園版の小・中一貫カリキュラムを各学園で作った上で、学園の教育課程、教育計画と呼んでいますけれども、学園の教育計画に反映し、さらにそこから各学校の教育課程にということで、そういう流れで三鷹の場合は教育課程を編成させてもらっていますので、そういう意味では、小・中一貫カリキュラムが全くもって形骸化しているという認識はありません。日々の授業はこれに基づいて教育課程が編成され、実施されているというふうに考えています。ただ、先ほど申し上げましたように、これは非常に大きいものでありますので、今は先生方が各自のタブレットで全部これを見ることができるような形に、今回の改定から改めて、今使ってもらっているところです。
これの狙い、目的としてどんなことがあるのかといったところ──ちょっと時間かかっちゃってすみません。9年間の教科教育のつながり、これを理解した上で授業をするということが、小・中一貫教育校の先生としては必要なことだというふうに私は思っております。なぜならば、三鷹のカリキュラムで明示している、この学年のこの単元のことがここで理解できていないと2年先のこの単元で必ずつまずくといったところについて明示されているからです。いわゆる教科書を1ページずつ普通に教えていくという形のスタイルの先生も多いかなとは思うんですけれども、それでやる授業と、今日の指導するこの単元については、今日ここで理解する子が全員でないと、必ず2年先に行ってつまずくんだという思いで授業をするのでは、先生方の意欲、熱意、あるいは子どもへの働きかけ、これってやっぱり私は変わってくるだろうと思っています。そういう意味で、この小・中一貫カリキュラムを理解していただいた上で、ぜひ9年間のスパンでこの教科どうなっていくのかなと、ここでやったことがその先どうなっていくのかなといったことについても分かった上で授業をしていくということがすごく大事だと思いますし、マスタリーラーニングとよく言いますけれども、その場でちゃんときちっとマスターできるような授業をしていくというところ、これは逆に軽重をつけるところがあるんです。ここは概念だけ分かっていればよくて、もう一回ここで触れられるといったところについても、このカリキュラムの中では明示させていただいております。そういった意味で、ここに時間かけ過ぎちゃったらほかのところが時間がなくなるということではなくてできるという、そういう認識でこのものを作らせていただいているところです。
そういった意味で、小・中一貫カリキュラムというのは、にしみたか学園設立のときに、小・中一貫教育校開設に係る実施方策ということで、平成17年に作ったものが最初なんです。それを踏まえてやってきました。全学園が開園した、そしてそれにのっとって数年行ったところで、24年度に推進に係る実施方策というものに変えました。それは何かというと、実際にやってきたことについて、学園長会議を含めて、あるいは教務主任会等も含めて、様々な仕組み、仕掛けについて先生方と議論をしながら進めてきているところですけれども、その中でこういうふうな部分が効果が上がるとか、こういう部分については、ちょっとなかなか難しいねというようなことも含めて、改定してきたものを24年に、そして30年にもう一回改定してきています。私も今の現行の小・中一貫カリキュラムだけではなくて、実施方策については見直す時期に来ているかなというふうに考えておりますので、この後、そういった形のことを進めていこうかなとは思っているところです。
引き続き、カリキュラムについては、校長会、若手教員研修会等を通じて、意義とか活用方法、これについて周知をしながら、より効果的な取組になるように推進していこうと考えています。
2つ目、学園単位での校務分掌が必要な理由及びその成果についてということのお尋ねです。平成18年度からスタートした学園の制度において、発足当時から、これまでの各学校の校務分掌に加え、小・中一貫コーディネーターという学園の教育の調整役となる分掌が追加されています。学園を中心とした小・中一貫教育を軌道に乗せる上で、このような調整役は必要であり、そういったコーディネーターの先生方の御尽力があってこそ、三鷹の小・中一貫教育があると思っています。
先ほども申し上げましたが、単独校としての教育活動自体が、学園の教育計画に基づいて実施しているという、そういう意味では、小・中一貫教育の効果的な取組、これを継続しながら、教員の働き方改革の観点から、全ての学園において学園組織の見直しを図り、学校と学園の校務分掌が一本化されるように組織編成を行っているものと認識しております。そういった意味では、工夫もいろいろあるわけです。例えば、学園研究会の折に、それぞれの分担の担当するところが必ずそこで打合せをしていきながらやるということで、別の時間に集まるという必要がないという仕組みを整えたりとかやっております。そういう意味で、各学園工夫しながら取り組んでおりますので、今後も学園長会議等を通して情報共有を図り、効果的な分掌等の在り方について検討を進めていくとともに、多分実施方策改定の中でもこういったところについて触れながらやっていこうと思っています。
それから、乗り入れ授業の効果についてです。乗り入れ授業については、各学園が子どもたちの実態に応じて教育課程に位置づけながら進めているところです。例えば、中学校から小学校への乗り入れ授業では、中学校の英語担当の先生が小学校に乗り入れして授業を行っています。英語を専門とする中学校教員による指導は、ALTを活用した英語指導と合わせて質の高い英語教育の充実につながっており、子どもたちの学力向上にもあらわれているところです。また、小学校から中学校への乗り入れ授業では、中学校数学に小学校教員が乗り入れ、個別指導等を行っていただいたりもしています。数学でのつまずきは、小学校算数における理解に課題がある場合が多く、そのような視点から個別の声かけを行い、学習の支援を行っています。中には、生活指導上何か悩みや課題を抱えている場合、知っている小学校の先生のほうが相談しやすいという子どももおり、実際に小学校の先生が悩みを聞き取って中学校へつなげたという事例も報告を受けております。
こういったことから、乗り入れ授業については確かに負担感があることは十分に承知をしておりますけれども、児童・生徒の学力向上及び健全育成に資する効果、安定とか、子どもたちにとっては安心できると、そういった部分にもつながる効果が期待できると認識しています。
質問の4番目、現場の全教員を対象にしたアンケート調査の実施についてということですけれども、小・中一貫教育は三鷹市の教育施策の根幹であり、教員の負担感を理由に見直しを行うものではないというふうには考えております。そうはいっても、負担感があるのは事実です。それは理解しております。子どもたちの学びの保障、それから健全育成の観点から、よりよい小・中一貫教育の実現に向けた意見を先生方から広く集めることは意味のあることだと考えています。現在、三鷹市の小・中一貫教育の改善を図るために、小・中一貫教育の効果を感じますかとか、交流活動を通して子どもたちのコミュニケーション力を高めていますかとか、そういった項目を設定した教員対象のアンケートを、各学園が学園評価の中で、実際に実施したりしている学園もどんどん増えてきているところです。また、教員以外の保護者の皆様、コミュニティ・スクール委員や保護者の方にも御協力いただきながら、年度ごとにまとめて教育委員会にも共有しているところです。これらのアンケートも参考にしながら、今後も必要な見直しを図りつつ、三鷹市の小・中一貫教育の推進を図っていきたいと考えているところです。
答弁は以上です。
◯19番(蛯澤征剛さん) 御答弁ありがとうございます。細かくいろいろ御説明していただいてありがとうございます。
まず、再質問させていただきたいんですけれども、カリキュラムについてのところで、手段であって目的ではないというお話がありました。小・中一貫教育が目指すものというのは、僕はすごく大事だなと思って、そこは共感しているところです。だからこそ、今のカリキュラムというのが使われてない実態があるんじゃないかということで質問をしたわけです。カリキュラムを見ないというのは、別に小・中一貫教育だからじゃなくて、どこの学校へ行ってもそうなんですよね。カリキュラムを見ている先生はいないです、僕が知っている限りでは──15年間やってきましたけど。だから、それを手段に置いているところについて、私は疑問を感じていますというところだったんです。この辺り、もう一回お願いいたします。
◯教育長・教育部長事務取扱(松永 透さん) カリキュラム自体がそもそも手段という形になるものなんだろうなというふうな認識でいます。いずれにしても、三鷹に長くいらっしゃる先生方というのは、大体こういうものだな、9年間こういう形でこの教科はいくなということについて理解されているので、多分あまり細かくはもはや見ないだろうなとは思っています。ただ、若手の先生だとか、これから新採で来られた先生方にとってみると、今教えていることで多分精いっぱいなんですよ。でも、そこで教えていることというのが、この子にとって、子どもを中心に物事を考えていったときに、この子が2年生、3年生とどんどん上がっていったときに、ここで必ずつまずくんだというふうに分かっている単元があるんだとするならば、それを知った上で授業していただくということは物すごく意味のあることだと考えています。そういった意味では、見てくださいって、なかなか必ず見なさいとかという形でやることではないかもしれないんだけれども、そういった部分についての理解というのを促進させていくことというのは、教育委員会としてはとても大事なことだというふうな認識でおります。
◯19番(蛯澤征剛さん) ですから、忙しい学校現場だからこそ、皆さん教員は、教科書会社が作成している指導書を頼りにするわけです。指導書にもちゃんとそうやって系統性は載っていますから、そちらのほうがやっぱり使い勝手がいいんですよね。だからその辺り、小・中一貫教育の手段としてこのカリキュラムを作っていますということに関しては、ちょっと私は疑問です。
時間もあるので次行きます。校務分掌のことについてなんですけれども、僕はこの校務分掌がなぜ必要なんですかということを聞いているので、そこの辺り、もう一回御答弁をお願いいたします。
◯教育長・教育部長事務取扱(松永 透さん) 学園の教育計画を年間を通して実施していくためには、当然それぞれ分担されながら、様々な仕事というのはしていると思います。各学校のことをきちっと行う、それが学園の教育計画につながっていくということで、学校と学園の校務分掌を合わせて実施していこうということでやっているところがあります。ただ、そうはいっても、小・中一貫教育校それぞれに校長がいて、学校の組織があるといったことからするならば、そこの中でどうやって整合性を図っていくのかとか、あるいは統一感を持った形で前に進んでいくのか、様々な意見調整だったり、学校行事の関係調整等様々なことが出てくることがあります。そういった意味では、総合調整をしていくのは学園長の仕事ではあるんですけれども、先生方の中で、教務のチームだったり、生活指導のチームだったり、研究のチームだったり、特活のチームだったり、そういう形の各学校の分掌の部分の代表者の方々に、チーフとして学園の中の教育計画実現に向けて調整をしていただく必要が出てくるといったことで、今の分掌をつくっているという、そういう認識でおります。
◯19番(蛯澤征剛さん) 今のお話ですと、やっぱり子どもが全然出てこないんですよね。先ほど、小・中一貫をやることが目的ではないというふうにおっしゃっていましたけど、今の答弁だと子どもが全然出てこなくて、その体制を維持するためにやっているというふうにしか聞こえないんですよね。現職の教員にいろいろ聞いてみました。校務分掌について必要なのかと言ったら、やっぱり子どもに還元されているとは思えませんねとか、やっぱり拘束時間が増えて負担に感じるとか、そもそも小・中で目的が違うので、合同で研究をやる意味がないのではというような、結構負の意見が出てきているんです。カリキュラム同様に、やっぱり小・中一貫という理念はいいんですけど、理念に合わせようとして現場のシステムが追いついていないんじゃないのかなと思っているんですけど、いかがでしょうか。
◯教育長・教育部長事務取扱(松永 透さん) 子どもが見えないのは、今、分掌の話をしているからで当然そうなのかなとは思いましたけれども、ただ分掌で、そこで話し合われる中身というのはどういうことかというと、例えば、生徒会、児童会の交流についてのことであるとか、あるいは生活時間をどういうふうな形でやっていくのかとか、いろんな子どもに関わることを議論しているわけで、全然子どもの姿が見えない形でそういったことを協議するということは、学校としてはないんじゃないかなというふうに考えています。
また、いろんな意味で、学園研究は意味がないという人、私もいっぱい見てきました。私も校長をやっていましたから、そういう発想される先生方がいるんです。ただ、それって何でかというと、今までのことと変わる、変化がある、今までやってきた学校の仕組みと違うといったことについて、どういうふうな捉え方で今、向き合おうとされているのかなといったところが一番大きなところかなというふうに思っています。結論から言うと、これをやったことによってこういうふうなよさが出たとか、そういったことを実感した先生はそんなことを二度と言わなくなりました。つまり、成果が上がるような形の、子どもがこういうふうに変わったというようなことを実感できるような取組に向けて、様々な学園研究というのを進めていくことが大事なんだろうなというふうに思っています。
例えば、令和5年度の三鷹中央学園の学園アンケートの先生方の回答ということでいうならば、学園研究を授業に生かせたというふうに答えられている先生が88.1%、小・中が連携していろんなことに取り組むことができた、これが87.4%。小・中の一体感を生み出している、85.9%という形で、かなり成果を上げているところはすごく高い成果が上がっているんだといったこともあります。そういった意味では、いろんな意味で、学園全体のいろんな共通理解だとか、あるいはそこに向かって皆さんでベクトルを合わせていくとか、そういったマネジメントの部分も含めて取り組んでいくことが求められているんだろうなというふうに考えています。
◯19番(蛯澤征剛さん) とはいえ、この校務分掌がどのような効果があったかというのは、やっぱり伝わってこないですし、一部のそういう事例はもしかしたらあるのかもしれないですけど、だからそういった意味で、全職員にやっぱりアンケートを取っていただきたい。今のアンケートだと、やっぱり現場の先生ってどうしても教育委員会には忖度するんですよね。それは現場を経験されているからよくお分かりだと思いますけれども、皆さんも学校現場を見に行ったときに、よくできているなと思っても、あれが普通の姿ではないというふうに認識していただきたいなと思います。
それから、乗り入れのことに関してなんですけれども、先ほど、小学校に英語の先生が来る、中学校の数学に小学校の先生が行くということでした。これもほんの一部の事例でしかないと思います。これもいろいろヒアリングしてきた中で出てきましたし、僕も経験しているので分かるんですけれども、まず事前の打合せができてないので、いきなり中学校の授業を行っても何していいか分からない、お客様状態であると。自分が担任していない学年の場合もかなりあると。そうすると、子どもの実態がよく分かりませんと。中学校に行っても役に立っているように感じられないと。つまり、数学や英語に行っても分からないと、そういう先生もいらっしゃると。これ、逆の立場なんですけど、小学校の立場ですけど、クラスって安定したクラスばっかりじゃないですよね。自分が外すことによって何か問題が起こる可能性もあると。やっぱりそういうことがあるので、これは果たしていいものなのだろうかというのは出ています。
結局、後補充の先生のための授業準備もしなきゃいけないし、あと逆の立場で言うと、中学校の先生が意図しないことを授業で子どもたちにアドバイスすると、それなりに意図を持って授業をやっているのに余計なことを言わないでほしいと、そういうような意見もあります。また、毎学期、時間割の編成も非常に大変だと。これも僕も見ているので分かるんです。だから、やっぱり効果がないとは言わないんですけど、その割にはマイナス面ってたくさんあるんじゃないのかなと。このような現状というのは御認識いただいているんでしょうか。
◯教育長・教育部長事務取扱(松永 透さん) ポジティブなケースとネガティブなケースをぶつけ合っているような、そんな感じのような気がしないでもない議論なんですけれども、大変なのはよく分かります。私も学校におりましたので、三鷹市内の。先生方が出かけていくというのは大変なことなんだけれども、じゃあ何しに行くのかなといったときに、多分今のお話だと、先生方は、そこで何をしていいのか分からないといったところのつらさというのは多分あるのかなと思います。基本的には、相互乗り入れ授業に行ったときのミッションって何ですかといったことについて、先生方と共有することが私は大事なんだろうなと思っています。つまり、数学の教員が小学校に算数で乗り入れに行ったときに、そこで数学の教員は何ができるのか。いろんな形のことがあるんだけれども、今、ここで学習したことというのは、中学校何年生のここに必ずつながってくるから、全部ちゃんとここでできるようになっておこうねみたいな形のアドバイスをしながら、具体的な話をしています。
それでやっぱりミッションとして、あなたは何を求めているのかというようなことについて、私は校長のときは、乗り入れする先生方には伝えながらやらせてもらっていました。やはりミッションがないと、多分手持ち無沙汰な先生方というのは増えてくるんだろうなと思っているし、また、もう一つは中学校の先生が小学校に行ったら、小学校の授業の進め方とか教え方とか考えさせ方とか、そういうようなことを学んで戻ってきてくれます。逆に小学校の先生が中学校の授業というのは、こういうふうになっているんだったら、小学校6年生の段階でこういうふうな形のことをできるようにしておかなきゃなということを分かって帰っていただいています。そういう部分も含めて、小・中一貫教育で小学校と中学校の、いわゆる別の学校ですけれども、文化を1つにそろえていくというようなことについても、先生方一人一人がどういう思いでそれを取り組むのかといったことが、多分、先ほど申し上げた成果につながってくるんだろうなというふうに考えています。
◯19番(蛯澤征剛さん) いや、ですから、一部なんじゃないのかなというのを僕はお伝えしたいなと思っているんです。要はT2という役割で入る。講師の先生を用意しているんだったら、中学校専門、小学校専門のT2の役割の先生を用意すればいいだけの話じゃないのかなと、それのほうが負担が少ないんじゃないのかなというふうに思います。
そして、最後ちょっとアンケート調査のことなんですけれども、やっぱり小・中一貫というものが形だけになっているんじゃないのかなと思うんです。それは多分、多くの方が感じていることだと思うんです。伝わってこないんですね、どこがいいのかという。もしそうだとしたら、崇高な理念だけ掲げた自己満足になりかねないわけじゃないですか。だからこそ、現場でやっている先生たちの生の声をちゃんと吸い上げていただきたいなと思っているんです。もし今やっていることが本当にいいことだったら、いい回答が返ってくるわけじゃないですか。今、現場の先生たちが頑張っていること、いや、このままこういうふうに続けたほうがいいって。よりよいものにするためという意味合いだったら、全員に意見聴取するということはやらない理由はないと思いますが、いかがでしょうか。
◯教育長・教育部長事務取扱(松永 透さん) 市立の、先ほど質問議員さんからも出てきたんだけれども、多分学校によって全然その辺の状況というのは違っていると思います。ですから、先ほども申し上げました、成果って何なのといったところで、これってやっぱり先生方が、子どもたちがこう変わったといったことの変容の実感だと私は思っているんです。そういった部分についての体験というのを小・中一貫教育の制度にのっとってやってくれている先生方が回答するものと、要するに、食わず嫌いではないけれども、これについてはネガティブな見方しかしないという先生方とで、一斉にアンケートを取ったときに、あまり意味をなさないだろうなというふうな半分思っているところがございます。そういった部分も含めて、私は三鷹の先生、着任された先生方には、せっかく三鷹に来られたんで、小・中一貫教育のよさとか、それから、それによって子どもがこう変わってくるんだというようなことというのを実感していただいた上でやっていく必要があるのかなと思っています。長くいるとか短いとか、そういうことではないだろうなと思ってはいるんですけれども、でも仕掛けづくりとして、どうやったらこういうことで成果が上がるのか、子どもが変容をするのかみたいなところについて実感できる体験というのを、私は三鷹の先生方には全員にしていただければなというふうに思っています。
アンケートについては考えますけれども、具体的に今すぐやろうとは思っていません。なぜならば、先生方は6年間しかいられない風の人だから。今、20年近くやってきている三鷹のこの教育をつくってきた先生方と、全然多分発想が違う部分というのはあると思うんです。ただ、私は、最初につくったものを絶対厳守して最後までやり遂げようとは思っていませんので、先ほども申し上げましたように、実施方策をどうやって今度変えていこうかな、より効果の上がるものにするにはどうしたらいいのかな、そういうことについて、この後、議論していければなというふうに思っているところです。
◯19番(蛯澤征剛さん) ぜひ現場の生の声を聞いていただきたいと思います。
以上で終わります。ありがとうございました。
◯議長(伊藤俊明さん) 以上で蛯澤征剛さんの質問を終わります。
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◯議長(伊藤俊明さん) 次の通告者、7番 原めぐみさん、登壇願います。
〔7番 原めぐみさん 登壇〕
◯7番(原めぐみさん) 市民の心の声の実現に向けて。
(1)、総合的な若者支援の窓口の設置について。
乳幼児期や学童期、そして高齢者には行政の担当部署や相談窓口が分かりやすく、生活の上でも行政の様々な施策があります。しかし、若者に特化した政策、また、担当部署や相談窓口が分かりづらい現状があり、そうした課題を踏まえて、若者の受皿となる場を創設し、若者支援政策を推進するよう、都民ファーストの会は東京都に働きかけてまいりました。
多様な生き方の選択肢が広がる一方で、若者は学業、人間関係、就職など、多くの悩みを抱えているのにもかかわらず、相談できる場所が不足しています。厚生労働省は地域若者サポートステーションに若者支援を委託しています。そこで就職を希望する15から49歳までの方に向き合い、本人や御家族の方だけでは解決が難しい、働き出す力を引き出し、職場定着するまでバックアップしています。しかし、就職の希望の有無にかかわらず、若者の悩みは多岐にわたります。既に就職をしている若者には、仕事、生活など、あらゆる若者の悩みに応えられる機関は大変有意義です。三鷹市には東西の多世代交流センター、庁舎には児童青少年課の窓口がありますが、若者が東西の多世代交流センターや児童青少年課に行って、就職を含めた様々悩みを相談するイメージがつきにくいのではないかと推察いたします。三鷹市としても、若者が気軽に相談できる若者専門の窓口を設置し、若者の悩みに一括して寄り添う部署の設置が必要と考えますが、見解を伺います。
また、若者が相談できる場所の選択肢を増やす意味でも、武蔵野市など近隣の若者サポートステーションとさらに連携し、三鷹市の若者も利用しやすくするべきであると考えますが、見解を伺います。
高校卒業後、8割以上が進学する一方で、特別支援学校を卒業した子どもたちは、就労や福祉施設の通所が一般的で、学びの選択肢がほとんどない現状です。三鷹市でも障がい児の高校卒業後の進路や継続した学びの支援を進めるべきであり、こうした支援は総合的な若者支援にもつながると考えますが、見解を伺います。
(2)、小1ギャップ解消に向けた取組の推進について。
現在、教員不足は深刻化しており、経験の浅い教員も1年生を担当するケースが増えていることや、環境の変化により学校に適応できない生徒が増えています。小学1年生のときに学校に行けなくなることや行き渋りが出てしまうことは、保護者にとって心配なだけではなく、仕事を休まなければならないなど、生活に支障を来すことが多々あります。
港区では、令和7年度より、全ての区立の小学校に入学当初は仮の学級、プレクラスを編制し、一定の期間を経てから正式な学級を編制するプレクラス制度を導入します。この制度は、教員等が児童の特性や発達段階などの理解を深めた上で学級編制を行えるため、学年体制でのきめ細やかな指導が可能となり、安定した学年、学級運営につながります。三鷹市でも小1ギャップ解消の取組としてプレクラス制度を導入すべきと考えますが、見解を伺います。
(3)、小・中学校の校則と指導の在り方について。
文部科学省で学校の校則は、学校が教育目的を実現していく過程において、児童・生徒が遵守すべき学習上、生活上の規律として定めるものとし、学校が教育目的を達するために必要かつ合理的範囲内において校則を制定し、その権限は学校運営の責任者である校長にあるとされています。校則のみならず、行事ごとのルール、部活動での決まり、子どもたち自身による先生の支配下であるとの認識により、児童・生徒は様々な制限、決まりの下、学校生活を送っています。三鷹市教育委員会によると、校則は学校の決まりとして引き継がれてきており、ブラック校則とならないよう生徒会などで1年に一度程度のペースでアップデートしていると伺っております。引き継がれてきている校則、ルールに対して疑問を感じたとき、生徒会のみならず、全ての児童・生徒が、誰にどこで相談できるのかを明確化すべきと考えますが、見解を伺います。
また、年度途中であっても改めて先生、児童・生徒が参画し、見直しすべきときもあると考えますが、見解を伺います。
学校内で決めることは前提にありつつも、三鷹市教育委員会として校則見直しのガイドラインを策定すべきと考えますが、見解を伺います。
児童・生徒が校則違反をしたときに、支配的、威圧的な指導ではなく、教育的な指導があるべきです。しかし、違反した場合の指導として、その児童・生徒のみならず、ほかの生徒にも自動的に罰則が与えられる連帯責任という指導が行われ、その指導法について疑問を感じると、児童・生徒、保護者から伺いました。連帯責任は、学校の中で、自分以外の生徒の違反に対して責任を問われることです。結果、監視し合ったり友達を批判したりすることにつながってしまう可能性があります。これは教育基本法が掲げる一人一人を尊重するといった部分でも逆行しており、非常に危険な指導です。校則やルールに反した場合であっても、罰を与える方法ではない、教育的な指導であるべきと考えます。教育委員会としてどのような指導が適切であると考えているのか、伺います。
連帯責任という指導法には問題があると指摘します。三鷹市教育委員会として、学校の校則に違反したときの指導の在り方を学校に一任するだけではなく、大枠の指導法を定め、学校側に示すべきと考えますが、見解を伺います。
(4)、保護者が学校にアクセスしやすい取組について。
保護者が学校に関与することで、保護者と学校、保護者と子どもとの関係が深められます。学校での生活を共有でき、子どもや学校との信頼関係が構築されます。また、学校で生まれる保護者同士の交流も非常に重要です。保護者間での情報交換、情報共有、相互理解や支援は、より学校や子どもを知るきっかけとなります。こうした学校を中心としたコミュニティの醸成により、学校全体が支えられ、活性化することにつながっています。学校は、保護者の参加を積極的に促進すべきと考えます。しかし、学校に行くときに、自転車であれば間に合うのに、学校側は徒歩でのみ来るようにと保護者に伝えている場合があると伺いました。学校に行きたくても断念することにつながってしまい、これでは双方にとって本意ではないと考えます。保護者が学校行事に参加しやすくするための工夫が必要です。例えば、臨時自転車置場を設置するなどの工夫が必要と考えますが、見解を伺います。
以上です。御答弁よろしくお願いいたします。
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◯議長(伊藤俊明さん) それでは、原めぐみさんの質問の途中でございますが、この際、しばらく休憩します。
午前11時54分 休憩
午後0時59分 再開
◯議長(伊藤俊明さん) それでは、休憩前に引き続き、会議を再開いたします。
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◯議長(伊藤俊明さん) 市政に関する一般質問を続けます。
原めぐみさんの質問に対する答弁をお願いします。
〔市長 河村 孝さん 登壇〕
◯市長(河村 孝さん) それでは、私のほうからまず答弁させていただきます。
質問の2、障がい児の高校卒業後の学びの支援という御質問がございました。障がい児の卒業、学びの支援ということでありますけれども、特別支援学校卒業後の進路につきましては、進路担当教諭が本人の意向を尊重した上で、御家族とも相談しながら決めている実態がございます。その結果、就労や福祉施設への通所が一般的となっていると認識しております。卒業後の学びの支援につきましては、御質問者が言われたように、障がい者御自身もそうですけれども、御家族の方も含め、人生そのものと向き合う、そういう状況になるというふうに考えています。そういう意味で、御本人も大変ですし、家族の方も大変だという実態は私も何件か知っています。そういう意味で、就労の場所を確保するのはとても大切なことだと思いますけれども、同時に市が直接できるところで、生涯学習の分野においてどういう支援をするのかということが、やはり課題として最近どんどん認識されるような実態になっているんじゃないかと思います。
私どもも、例えばスポーツの分野ですと、今、これはパラリンピックの、そういう意味ではレガシーだと思いますが、チリのパラリンピックで活躍した選手たちを私どもが支援したという御縁から、やっぱりそういう分野について、様々な展開をしてきているというふうに思っています。例えば、1つはサッカーでの対応、あるいは今、デフバレーボールの選手の練習の場所をどうするかとか、あるいは車椅子のバスケットボールを支援するとかそういうことをしていますけれども、非常に重要なのは、それは単発的な事業展開でありますけれども、実際にはそこで見えてくるものがいろいろある。それはどういうことかというと、やはり受け入れて本格的に展開しようとすると、恐らくバスケットボールもそうですけれども、障がいの程度によってはいろいろな選手構成をしなきゃいけない、そういう問題だとか、あるいは一概に、例えば障がいを持っている子どもといっても本当に多種多様でありますから、それに合わせてどういうふうにやっていくかということも含めて大変大きな問題がある。
そして、練習場所も、例えば、障がいの種類によって場所が違うともう来なくなっちゃう。つまり、同じ場所を抽せんじゃなくて定期的にずっと使えないかとか、そういう特殊な問題もあって、非常にこれからさらに広げていくためには大きな課題、ハードルを幾つも乗り越えていかなきゃいけないなというふうに思っています。
そういう意味で、もしも定期的に押さえるとすれば、健常者がやっているスポーツのグループに対して、ある意味我慢してもらわなければいけないというような側面だったり、あるいはもうちょっと違うことも考えていかなければいけないのかもしれませんが、まだまだ大きな課題がいろいろあるなということを、今、その入り口で気づかされたという状況であります。
あるいは、芸術の分野でも、今、障がい者の団体と、それから、以前は商工会でありましたが、スポーツと文化財団との連携で、そういう障がい者の皆さんの作品を展示するようなことをやっていますけれども、そこもまたいろいろな課題が幾つもあります。そういうことをやっぱり一つ一つ丁寧にやりながら、まちの人にも理解してもらい、また、障がい者の団体自体でもそういうことが、就労も大事だけれども芸術活動も大事だということの認識を広めていく必要がある。いろいろな課題がそちらのほうも見えてきたというふうに思っています。
御指摘の質問にありましたようなことを含めて、まさに障がいを持っている方が、まさに学校を卒業して、義務教育じゃない部分になってきた。高校卒業後というのは、本当に基礎自治体の場合には、小・中学校を卒業すると、基本的にあとは福祉の分野になっちゃうという感じでありますから、一つ一つそこを丁寧に社会全体でも見守っていくような体制づくりを我々はしていかなければいけないなということを、現在感じているところであります。
私からは以上でございます。ありがとうございました。
◯教育長・教育部長事務取扱(松永 透さん) 私からは質問の3番目、いわゆる小1のプレクラス、それから質問の4番から7番目のいわゆる校則についてという、その部分について答弁させていただきます。
まず初めに、質問の3番目です。小1ギャップ解消に向けたプレクラス制度の導入についてです。小学校1年生入学時においては、児童が円滑に学校生活に慣れることができるよう、様々な配慮を進めているところです。例えば、就学支援シート等を活用し、幼稚園、保育園時代からの個別の情報の引継ぎを行っており、小学校ではそれらの情報に基づきながら、管理職や養護教諭なども含めた複数の教員でクラス編制を検討しています。入学後は学習支援員を全校に配置をし、学校生活に適応するための支援を行っています。それでもなお、様々な要因により行き渋りや不登校になってしまう児童もいることは事実でありますので、学校への登校渋り、不登校の要因を分析するとともに、今後、港区のプレクラスにおける効果や課題を注視しながら導入の可否について検討してまいりたいと考えております。
続きまして、質問の4点目、いわゆる校則に関する相談先の明確化と年度途中の見直しに対する見解です。児童・生徒が遵守すべき学習上、生活上の規律として定められている校則は、児童・生徒が健全な学校生活を送り、よりよく成長、発達していくために設けられるものです。その策定や運用については、常に児童・生徒の主体性を尊重し、校則の合理性と透明性を高めていこうとする学校側の姿勢が大切だと思います。
三鷹市教育委員会では、児童・生徒が意見を表明する機会を確保し、各学校が社会や児童・生徒の状況の変化に応じて校則を見直すよう指導しております。主には児童会や生徒会がアンケートを実施し、集まった意見を基に教員を含めた熟議を開催したり、児童会や生徒会の代表者が要望を学校長に提案したりする機会を充実させていただいております。また、生徒会の提案を受けて十分に議論された内容に関しては、年度内に新たな校則として取り入れている学校もございます。日常の相談先として、生活指導主任が随時相談に応じることをポスターにして掲示したり、廊下に意見箱を設置していたりする学校もございます。校則やルールに疑問を感じたとき、児童・生徒が安心して相談できる窓口を明確にしておくことは重要だと考えますので、児童・生徒が自分の意見を表明しやすくなるよう、相談先の周知を含め、各校における取組を一層促してまいります。
質問の5点目です。校則の見直しのガイドラインを策定することについてというお尋ねです。文部科学省生徒指導提要において、校則は、各学校が教育基本法等に沿って教育目標を実現していく過程において、児童・生徒の発達段階や学校、地域の状況、時代の変化等を踏まえて、最終的には校長により制定されるものとされています。学校の教育目標の実現という観点から、校長が定めるものでありますので、三鷹市教育委員会としてガイドラインを示すものではないと考えておりますが、校則の制定に当たりましては、少数派の意見も尊重しつつ、児童・生徒個人の能力や自主性を伸ばすものとなるように配慮するよう、今後も学校への周知と指導を続けてまいります。
質問の6点目、校則やルールに反した場合の指導方法について、質問の7点目、指導方法を定め、学校側に示すことについて、関連しますので一括で答弁させていただきます。
議員の御指摘のとおり、児童・生徒が校則やルールに反した場合であっても、教員はむやみに罰を与えるのではなく、思いやりのある大人として教育的な指導を行うことが大切だと考えます。先ほども引用した生徒指導提要には、生徒指導とは、児童・生徒が社会の中で自分らしく生きることができる存在へと自発的、主体的に成長や発達する過程を支える教育活動のことであるとあります。よって、教員が生徒指導に当たる際には、児童・生徒一人一人に自己指導能力を育てていくことが大切であり、児童・生徒自身が深い自己理解に基づいて何をするべきかを主体的に選択し、自己決定していけるように促すことが適切な指導の在り方だと考えます。自己指導能力というのは様々な選択肢の中から、自分が今この場でふさわしい行動ってどんなことなのかなといったことを自己決定していく、そういう力というふうに認識していただければと思います。
校則やルールに反した児童・生徒の指導に当たる際には、個々の事情に応じた細やかな対応が必要となりますので、三鷹市教育委員会としての指導の大枠を示す考えはございませんが、いたずらに連帯責任等の罰を与えるのではなく、生徒指導提要に基づき、児童・生徒の特性や心情に寄り添いながら、本人や関係者の言い分をしっかりと聞いた上で、自己指導能力の育成を促す指導を行うよう、校長会や生活指導主任会等において各校への指導や啓発に力を入れてまいります。
私からは以上です。
◯子ども政策部長(近藤さやかさん) 市長の答弁に補足いたしまして、私から質問の1点目、若者専用の相談窓口の設置と若者サポートステーションとの連携について答弁をさせていただきます。
若者は多様な課題、悩みを抱えており、多世代交流センターの若者の居場所づくり事業の中で、スタッフが気軽に相談に応じているほか、福祉、就労、健康、生計など、その方にとって必要な相談や支援を庁内の関係部署で実施しております。このほか、東京都若者総合相談センターで実施している相談事業、「若ナビα」や、厚生労働省の事業である地域若者サポートステーションの紹介も行っております。一方で、若者にとってより気軽に相談できる窓口については、相談窓口があることが若者に届きにくいという課題があると認識しておりますので、SNSの活用や他自治体の事例も参考にしながら情報を発信してまいります。
また、むさしの地域若者サポートステーションについては、若者支援の専門家による相談や就職、職場定着のためのプログラムなどの事業を実施されておりますので、市に寄せられた相談内容に応じて同ステーションにつなげるなど、さらなる連携に努めてまいります。
私からの答弁は以上です。
◯教育部調整担当部長・国立天文台周辺地区まちづくり推進本部事務局次長(齊藤 真さん) 私からは質問の8番目、臨時自転車置場を設置することについて答弁いたします。
議員の御指摘のとおり、保護者の皆様が学校に参画いただくことは、コミュニティ・スクールにとっても大変重要なことであると考えております。子どもたちの学校での様子を見ていただいたり、教育活動に参加していただいたりできるような機会を多様な形で設けることは必要だと考えております。保護者が来校しやすくするための臨時自転車置場の確保についても各校で検討していると認識しておりますが、学校の敷地の状況や児童・生徒数、教育活動の予定等により空きスペースの確保が難しい状況があることも承知をしております。保護者の皆様に御理解、御協力をいただけるよう、学校だより等で周知を徹底するとともに、また、運用の改善について各学校側に促していくように今後していきたいと思っております。
◯7番(原めぐみさん) 御答弁ありがとうございます。
まず、教育長にお伺いいたします。こちら、連帯責任をという指導をなさっていたことは把握なさっていたでしょうか。こちらは非常に大きな問題であると考えます。私は何度か子どもたち、保護者から直接相談を受けてきました。学校のルールについての相談を、学校に直接相談できない風土であると受け止めてしまいますが、教育長の見解を伺います。
◯教育長・教育部長事務取扱(松永 透さん) 状況については把握しております。聞きました。連帯責任は結構古いあれで、昭和の時代には当たり前のように学校でよく行われていたことで、私もひどい目に遭ったことがありますけれども、それで教わった先生にとってみると、そういうふうにするものだと。つまり、割と先生って、自分が教わったようにしか教えられないようなところってないわけじゃないんだろうなというふうに分析はしています。ただ、時代が時代ですし、状況とかそういったものをどう読み解いていくのかというようなことも含めて、先ほども申し上げましたけど、自己指導能力を高める指導になるのかどうかといったところはすごく重要なことだと考えております。そういった意味も含めて、よろしくないですよねといったことで、どういうふうにしますかという形で、学校のほうにお話をさせていただいたところです。
以上です。
◯7番(原めぐみさん) 大人も間違いを犯します。その間違いと真摯に向き合っていただき、認めて、その上で、子どもたちに教育的な指導というものをしていただきたいと思います。連帯責任に関しては、事実を把握した上で間違った指導法であると、時代錯誤であると認めていただいた場合は、今後どのように教育、指導していくのかなど、学校側と児童・生徒との話合いとともに、連帯責任を負わせた教員から児童・生徒に謝罪があるべきと考えますが、見解を伺います。
◯教育長・教育部長事務取扱(松永 透さん) お答えします。
事情、状況等も含めて、どれが事実なのかといったことをもう一回明確にした上で、学校と話をしていきたいと思います。
◯7番(原めぐみさん) ありがとうございます。2025年1月19日号の「みたかの教育」の松永教育長のコラムの中で、学校は子どもたちが「安全・安心で快適な学校生活」を送れるよう、多様性を認め合い、自分が大切にされていると感じる場への転換が求められています。私たち大人は、子どもたちの意見にきちんと耳を傾け、もっと子どもたちを信じ、待ち、失敗が許される風土の中で一人一人に寄り添う必要があります。こうした「学校風土の改善」が、一人一人を真に大切にする教育の実現には不可欠であると書かれてありました。先ほどまでお伝えしていました学校での出来事は、教育長のおっしゃる子どもたちの意見に耳を傾けること、信じること、失敗が許されること、一人一人に寄り添うことを大切にされている学校風土とは思えません。教育長の求める学校風土に賛同します。間違った教育がなされている現場には、目指すべき教育を現場と1つになって進めていくべきと考えますが、見解と今後の見通しをお願いいたします。
◯教育長・教育部長事務取扱(松永 透さん) 今おっしゃったことというのは、私、本当にそれを実現しなければいけないという、そういうミッションを自分に与えながらやらせてもらっているところです。先日も、いわゆる鷹教研という小・中学校の教員全部が集まるところで、光のホールでやったんですけど、そこでもその話をさせていただきました。管理職も全部の教員も聞いているところでやらせていただいたところです。そういった意味で、そこの部分についてはきちっと、私はやっぱり学校が、子どもが失敗してもいいんだよという、そういう状況をつくってあげないと、やっぱり不登校の子どもたちは減らない、私はそう思っています。失敗してもいいんだ、もう一回そこの中でどうやって頑張れるかなというふうに、子どもを方向づけしてあげるのが教員の仕事だと考えておりますので、そういった意味ではおっしゃるとおり、それを実現するためにいろんな策を講じながら進めていきたいと考えています。
◯7番(原めぐみさん) 期待しています。お願いします。
プレクラス制度についてなんですけれども、こちら、非常に面倒な部分も多いと考えます。もう一度クラスを考え直す手間など、学校側としては負担感に感じると考えます。他方、長い目で見れば、不登校、行き渋りが減ることにはメリットが多く、その子の6年間を左右する非常に有効な取組であると考えます。三鷹市の場合は小・中一貫ということもございますし、9年間の長い年月の中で子どもを育んでいきます。そのスタートラインの1年生でつまずくことのないよう、初めの一歩を手厚くサポートしていただきたいと考えますが、見解を伺います。
◯教育長・教育部長事務取扱(松永 透さん) 非常に面白い取組だと思いますし、三鷹でもかつて数年前ですけれども、ある校長先生から、これやりたいんですけどという御相談を受けたことがありました。ただ、その先生、その年で異動しちゃうんで、ちょっとその先の4月からどうしていくのかといったところまで面倒見られないけど大丈夫と言ったら、ちょっと考えますということで。ただ方法論としてはあるし、実際にやっている港区等の状況も踏まえて、何が課題なのかといったことについても合わせてちょっと調査研究していきたいなと思っております。
◯7番(原めぐみさん) ありがとうございます。期待しています。
近隣自治体で、中野区にはみらいステップなかのという、義務教育修了後から39歳までの若者を対象とした様々な課題を相談する場所があります。武蔵野市でも、みらいるや、ひきこもりの方を対象にしたそれいゆというのがあります。こういった先進事例を参考にしながら、三鷹市も独自の若者支援事業を打ち出すべきだと考えますが、見解を伺います。
◯子ども政策部長(近藤さやかさん) 再質問に答弁させていただきます。
近隣の自治体、いろいろ取り組まれているところでございます。ただ一方で、若者の相談って本当に多種多様になりますし、かつ先ほど御質問ありましたように東京都、それから厚生労働省、各種NPO法人等たくさんいろいろあるんです。市で一括して、じゃあ若者の相談窓口をつくるかというよりは、そういった窓口がたくさんあって、対面であったりオンラインであったり好きな方法を選べる、こういったことがあるよということを案内するほうが解決につながりやすいというふうに考えております。
以上です。
◯議長(伊藤俊明さん) それでは、以上で原めぐみさんの質問を終わります。
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◯議長(伊藤俊明さん) 次の通告者、6番 山田さとみさん、登壇願います。
〔6番 山田さとみさん 登壇〕
◯6番(山田さとみさん) (1)、児童・生徒に伝わる授業について、伺います。
ア、オンライン授業の質の向上について、伺います。
これまでICTを活用した多様な子どもたちの学びの保障として、オンライン授業の充実を求めてきました。この間、三鷹市は1人1台タブレットの導入、欠席者に対するオンライン授業の実施、AIドリルの導入、短焦点プロジェクターを活用したICT教材の活用、不登校児童・生徒への対応として、無学年オンライン教材のすららの導入など、ICTを駆使しながら、子どもたちの学びの保障と、その質の向上に積極的に取り組んでこられました。
三鷹市立の学校では、欠席するお子さんが希望すれば必ずオンライン授業を受けられることになっていますが、時折対応してくれない教員がいると市民から相談を受けます。必ずオンライン授業を実施するよう、全学校、全教員に対して改めて周知徹底を求めますが、見解を伺います。
オンライン授業が実施されている場合であっても、児童・生徒が見ている画面上では、黒板が一部しか映っていない、音声が聞こえないなど、配慮が十分でない場合もあり、せっかく学習したいと思ってオンライン授業を受けていても、結局何をしているか分からず、置いてけぼりになってしまっている、かえって精神的に苦しい思いをするというお声もいただきます。ハード、ソフトの両面から、オンライン授業の質の向上が必要です。
オンライン授業の質の向上のため、オンライン会議によく使用されているような集音マイクや360度カメラ等を導入すべきと考えますが、見解を伺います。また、機器の導入に加えて、教員一人一人がタブレットの先に、学びたいという姿勢でオンライン授業を受けている児童・生徒がいることを常に意識して、画角や音声、そして声かけにも気を配って授業を行っていただけるよう強く求めますが、見解を伺います。
イ、聞き取りやすい授業について、伺います。
市内の児童・生徒から、さきに述べたオンライン授業だけでなく、対面の授業でも、先生の声が聞き取りづらいという御相談をいただきます。声質や声量の問題だけでなく、近年はマスク越しの声が聞き取りづらいというお声もいただきます。声質については生まれ持ったものもあると思いますし、声量については大きな声を出すのが難しいと感じる教員もいらっしゃると考えます。さらに、先生方がマスクを着用することは自由ですし、喉のコンディションがよくない日もあると考えます。こうした課題は、合理的配慮で乗り越えていただきたいと考えます。
授業中の教員の声が児童・生徒にしっかり届くよう、必要に応じて授業中にマイクを使用できるよう配慮すべきと考えますが、見解を伺います。また、その際には、オンライン授業の音声に干渉しないような音声環境の整備が重要と考えますが、見解を伺います。
(2)、教育メタバースについて伺います。
今年度、教育メタバースを活用した学校の運用についてトライアル実施をされました。メタバースの取組は、外出が難しいお子さんの学びや人との交流に対する前向きなアプローチとして重要と考えます。
今年度の教育メタバースを活用した学校の運用のトライアル実施の実績について伺います。応募人数、参加人数、利用者アンケートの結果やいただいたお声、今後の課題について伺います。また、本事業はトライアルということでしたが、ぜひ継続をしていただきたいと考えますが、見解を伺います。
(3)、子育て支援の選択肢の拡充について、伺います。
三鷹市は、子育て中の市民が可能な限り、御自身のライフスタイルに合わせた子育て支援を受けられるよう、子育て支援の幅を広げるべきです。令和5年第4回定例会一般質問で、子育て支援の選択肢の拡充について伺いました。その質問の後、ベビーシッター利用支援事業(一時預かり利用支援)を導入してくださり、ありがとうございます。子育て支援の選択肢が拡充し、より三鷹市での子育てがしやすくなったと考えます。しかしながら、まだ実現に至ってない点について再度質問します。
三鷹市では、東京都のとうきょうママパパ応援事業を活用し、育児支援ヘルパーとふたご家庭等支援事業を行っていますが、三鷹市の育児支援ヘルパー事業、ふたご家庭等支援事業は、東京都の制度よりも条件が厳しくなっています。例えば、東京都の制度は、家事育児サポーターとして産後ドゥーラ、ベビーシッター、家事支援ヘルパー等を派遣し、産後の家事、育児支援をすることを想定していますが、三鷹市の育児支援ヘルパー事業、ふたご家庭等支援事業では、産後ドゥーラ、ベビーシッターの選択肢はありません。また、都は対象を3歳未満の子どもを育てる世帯としていますが、三鷹市の育児支援ヘルパー事業では、1歳未満のお子さんがいる御家庭としています。子育て中の市民が可能な限り御自身のライフスタイルに合わせた育児支援の選択ができるよう、育児支援ヘルパー事業では、対象者を3歳まで拡充し、育児支援ヘルパー事業、ふたご家庭等支援事業とともに、産後ドゥーラ、ベビーシッターを導入すべきと考えますが、見解を伺います。
(4)、安心して外出できる公共トイレの取組について、伺います。
排せつのタイミングが読みづらい幼い子どもと外出の際、道中に利用しやすいトイレがあるかどうかは考慮すべき重要な要素の1つとなります。また、歩行機能の衰えにより、トイレに間に合わない高齢者にとっても同様と考えます。他方で、市内の公園にはトイレが設置されていなかったり、設置されていても怖くて使えないというお声も市民からいただいており、安心して利用できる清潔なトイレを確保することは重要です。町田市では、市民や来訪者がいつでもどこでもトイレを利用できる環境を確保するため、町田市公共トイレ協力店制度として、協力店に対し1店舗当たり年2万円を事業協力謝礼とし支払っており、コンビニエンスストアをはじめ、民間の店舗、寺社など、幅広く協力を得ています。神奈川県大和市では、コンビニエンスストアの協力を得ており、協力店にはトイレットペーパーの支給をしています。
市民が安心して外出できるよう、まずは公園のトイレや公共施設でトイレを一般に開放している場所を公共トイレとしてマッピングし、スマホなどですぐに確認することができるよう、市民に分かりやすく情報を提供すべきです。さらに、公共トイレのある施設の視認性の高い場所に、公共トイレがあることを知らせるステッカーを貼るなど工夫すべきと考えますが、見解を伺います。
公共トイレが付近にない空白地については、コンビニエンスストアなどの民間事業者に公共トイレの協力店として連携していただける取組をすべきと考えますが、見解を伺います。また、その際には、清掃員の巡回清掃や謝礼金など、協力していただきたい店舗と協議しながら制度を構築していくべきと考えますが、見解を伺います。
御答弁のほどよろしくお願いいたします。
〔市長 河村 孝さん 登壇〕
◯市長(河村 孝さん) それでは、私のほうから幾つか御答弁させていただきます。
まず、質問の5、ライフスタイルに合わせた育児支援の選択肢の拡充についてでございます。保護者の身体的、精神的負担や孤立感の軽減を図るため、東京都のとうきょうママパパ応援事業を活用し、育児と家事を支援する育児支援ヘルパー事業とふたご家庭等サポーター事業を行っております。派遣するヘルパーにつきましては、地域人材を活用いたしまして、地域全体での子育て支援の機運を高めるため、市内に住む方に市の研修を受けていただいた上で活動をしていただいているところでございます。ヘルパーの派遣を希望される方には、子ども家庭支援センターの相談員が具体的な要望を聞き取り、要望に合わせてヘルパーをマッチングするほか、初回利用時に支援の場に相談員も立ち会い、利用者、ヘルパー双方の意向や支援手順を確認しております。また、特に支援が必要な場合には、総合保健センターの保健師なども連携し相談に応じるなど、幅広い支援を行っております。丁寧なマッチングや立会い、関係機関へのつなぎを大切にした支援を行うため、民間事業者に委託せず事業を実施してきたところでございます。
今年度から、子どもの対象年齢を9歳までとしたベビーシッター利用支援事業を始めたところでございますが、1歳以上の家庭も利用があることなどから、対象年齢の拡充について検討するとともに、現在活動していただいているヘルパーの方の声や利用者のニーズも把握しながら、選択肢の拡充についても検討してまいりたいと考えております。
次に、質問の7、トイレ空白地帯における対応について。御質問にあるようなトイレが一定の範囲内にない空白地においては、地域性など、その必要性を十分に検証した上で、何らかの対応を考えていくことも想定されます。一方で、先進市事例のように謝礼金を支払い、行政が主導して民間事業者と連携して公共トイレとしての利用を促すことは、利用者の集中によるトラブルの発生など課題も多いと認識しているところでございます。例えば、善意でやっているお店で、トイレを善意で貸しているところがこの制度を導入したことによって、協力店といいますか、トイレを開放していたことをやめたという、そういう店舗もあるそうでございます。あるいは、半径500メートルに1か所トイレを設置することが望ましいというふうに条例の中で定めていたけれども、現状では新規店舗を全て、今、依頼をしていないという事例もあるというふうに聞いています。恐らく様々な課題がやはりあるんじゃないかというふうに思いますので、現状、既にコンビニなどで来店者に対してトイレを開放しているところも多数あるわけでございますので、状況をまず確認して、空白地がどのぐらい本当にあるのかということを検討する必要があるんじゃないかというふうに思っています。
そういうところで問題提起をしていただきましたので、慎重に検討して、どういう形ならば協力してもらえるのかということを、さらに必要ならば考えていきたいというふうに思っているところでございます。今回の御提案の取組について、引き続き公共施設のトイレを所管する関連部署とも連携しながら、検討を深めてまいりたいというふうに思っております。
私からは以上でございます。ありがとうございました。
◯教育長・教育部長事務取扱(松永 透さん) 私からは、質問の1番目から4番目について答弁申し上げます。
まず、初めに、児童・生徒に伝わる授業ということでのオンライン授業に関してです。オンラインでの授業配信につきましては、1人1台学習用タブレット端末を導入した令和3年より、三鷹市立全小・中学校で実施をすることとしています。学習用タブレット端末を活用したオンラインでの授業配信は、様々な事情で学校での授業に参加できない児童・生徒の学びを止めないこと、学級への帰属意識を持たせることなどの効果が期待できると考えています。議員御指摘のとおり、オンラインを活用した授業配信について希望する児童・生徒に対しては必ず実施するようにということで、改めて周知を図ってまいります。
質問の2点目、オンライン授業の質の向上についてです。集音マイクについては、現在、全学級に配置をしておりますが、必要に応じて活用を図るよう、改めて周知を行っていきます。また、360度カメラについて、現段階では導入の予定はありませんが、オンライン授業を行う際には、画面越しの児童・生徒を意識しながら、画角等に十分配慮するよう教員に対して周知をしてまいります。
また、オンラインで授業を受けている児童・生徒への声かけなどの配慮につきましては、先ほど申し上げた児童・生徒の学びの継続、学級への帰属意識という点からも必要なことであると考えます。一方、先生から見ると、教室で授業を受けている児童・生徒への対応もございますので、可能な範囲で声かけ等の配慮を図るように学校へ指導してまいりたいと考えています。
質問の3点目です。授業中のマイクの使用と音声環境の整備について。児童・生徒が聞き取りやすい授業を行うことはとても大切です。議員のお話にもありましたように、体調管理のためにマスクを着用する教員もおりますが、その際に児童・生徒に声がしっかりと届いているかについては確認しながら授業を進めていく必要があると考えます。現在でも、体育や図工など、広い場所で授業を行う場合には、必要に応じてマイクを用いて授業を行っている教員もおります。そうはいうものの、大きな音に敏感な子どももいますので、まずは肉声で聞き取りやすくすることが大前提であるというふうに考えています。必要に応じてほかの学級への影響がないように音量に配慮しつつ、マイク等も活用しながら、児童・生徒にしっかり届く授業を行うよう指導してまいります。
なお、現在の各校のオンライン配信状況では、授業中に同時に2本のマイクを使用するなどの特殊な状況にない限り、マイクの音がオンラインの音声に干渉することはないと聞いておりますが、状況を確認しながら音声環境の整備に努めてまいります。
それから、質問の4点目、教育メタバースの実績、課題と今後の継続についてです。三鷹市では、長期欠席、不登校の児童・生徒の増加に伴い、誰一人取り残さない教育の実現とともに、多様な学習環境の確保を目指して、小金井市、武蔵野市、三鷹市の3市合同で、不登校支援の1つとして、教育メタバースのトライアル実施を行いました。三鷹市の児童・生徒は33名が申し込み、27名が参加いたしました。参加率としては一番高かったですね、3つの市の中で。児童・生徒及び保護者アンケートからは、生活習慣の改善が見られたことや勉強する機会が増えたこと、居場所ができたことなど、肯定的な意見が多くありました。
その一方で、仮想空間内での学習指導や支援の内容について、学校とどのように連携を図っていくか、また、運営に当たっての人材や財源の確保など、課題もあると捉えています。実際やってみると、一番のポイントは、いわゆる管理人さんではないんですけれども、中に入っていただいて、子どもたちの様子を見たりする人のスキルに尽きるのかなというふうに思っています。なかなかそういう方が、どれだけ一自治体でできるかという問題もあるので、できればこれはやっぱり広域でやっていくことが望ましいのかなというふうには考えています。また、今大学と連携してちょっとこれをやってみないかみたいな形の話も進めているところでありますので、今後も国や東京都の動向も注視しながら、ほかの先行自治体の取組の状況なども参考にして、導入に向けた検討については進めていきたいと思います。
不登校対応の中でも、一番多分症状として重いひきこもりであるとか、家から、部屋から出ないとかというお子さんも中にはいらっしゃいますので、そういうお子さんがどう社会とつながるのかというチャンネルにはなると考えています。
私からは以上です。
◯生活環境部長(垣花 満さん) 私からは市長の答弁に補足をいたしまして、質問の6番目、公共トイレのマッピングやステッカーによる市民への周知についてです。
幼い子どもや高齢者の外出時に、安心して利用できる公共トイレがあることの重要性については認識しております。誰もがいつでもどこでも利用できるトイレの確保は、住みやすく訪れやすいまちづくりに資するものと考えております。一方で、公共トイレは入りやすく見えにくいことから生じる心配や、非常にマナーの悪い利用者がいることなどから、安易に広く周知し、利用を促すことには懸念も生じる場合がございます。また、民間のトイレ検索アプリ等利用者目線の情報提供等も行われておりますけれども、市による公共トイレの情報提供については、市民の皆様の利便性とリスクなどを考慮した上で、慎重に検討していく必要があると考えています。いずれにいたしましても、今回御提案いただきました取組につきましては、引き続き情報収集を図りながら研究をしてまいりたいと考えているところでございます。
答弁は以上になります。
◯6番(山田さとみさん) 御答弁ありがとうございます。
子育て支援については拡充検討していただけるとのこと、ありがとうございます。ぜひよろしくお願いします。
トイレについては、民間事業者の苦悩も承知しております。私も記事を読んだんですけれども、ただ清掃が大変であったりとか、そういったマイナスの部分を補うような連携の在り方などもあると思いますので、ぜひ空白地帯を把握していただきまして、まずはそこから連携を広めていただければと思いますが、いかがでしょうか。
◯生活環境部長(垣花 満さん) 再質問に御答弁申し上げます。
やはりそういった調査、実情というんですかね、あとお店の方の声とか市民の方の声、そういったものを把握していくことは必要かなというふうに考えております。一方で、やはり善意での提供のトイレに、善意で市民の皆さんが返していく関係というのも大事にしていく──コミュニティ醸成にはそういったことも必要で、必ずしも市役所が全てそこに入っていって制度化することだけがいいかどうかというのは、やっぱりそこも慎重に検討しながら考えてまいりたいというふうに思っております。
◯6番(山田さとみさん) ありがとうございます。あと、先ほどトイレの件で、リスクと利便性ということをおっしゃいました。確かにそうなんですけれども、怖くて入れないトイレがあるというのはまさにそういうことだと思っています。例えば、産業プラザとかは知る人ぞ知る公共トイレ的に1階のトイレが使われていたりとか、お子さん連れて駆け込んだりする姿もよく見られます。先方もありますけれども、公共トイレとして開放するとか、そういうちょっと施設とも連携したりしながら、ぜひ考えていただければと思いますが。あと入り口にステッカーを貼って、使っていいですよなんていうのも重要だと思うんですが、いかがでしょうか。
◯生活環境部長(垣花 満さん) 再質問に御答弁いたします。
いざというときに駆け込める場所があるというのは、非常に市民にとっても大変必要ですし、私も何回か助けられたことがございます。産業プラザの1階のトイレにつきましては、かなりマナーが悪い方もいます。ただ、どの程度まで周知するのかとか、どういった利用を促していくのかとか、それからそういった関係性がちょっと嫌だというような方々に対してはどう対処していくのか。横浜市なんかも始めているようですけれども、先進事例でちょっと聞き取り等をしながら、あと、生活環境部だけではできませんので、関係部署とも連携しながら、ちょっと協議、研究はしていきたいと思っております。
以上です。
◯6番(山田さとみさん) よろしくお願いします。
オンライン授業について伺います。ぜひ周知を図っていただきたいと思うんですけれども、市民から御相談いただく中で、集音マイクあるはずだからつけてほしかったんですけれども、配信用のパソコンが古くてなかなか対応できないみたいなお声も伺ったりしていて、生徒用のじゃなくて、そういうオンライン配信に関する機器みたいなものもぜひ検討していただければなというふうに思います。
あと、メタバースなんですけれども、やはりポジティブな影響もありますので、ぜひ通年実施に向けて検討していただければと思います。
以上です。
◯議長(伊藤俊明さん) 以上で山田さとみさんの質問を終わります。
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◯議長(伊藤俊明さん) 次の通告者、20番 半田伸明さん、登壇願います。
〔20番 半田伸明さん 登壇〕
◯20番(半田伸明さん) いましばらくお付き合いください。
公債費についてという大きなタイトルになりましたが、言うまでもなく今回、予算審査の時期です。当該年度、次年度予算の公債費について直接触れるものではなく、中長期的に公債費をどう考えるんだという質問ということで御理解いただきたいと思います。3つ質問します。
1つ目。各特別会計を含めた全会計及び土地開発公社を含めて、借金の推移を見ると、この20年で大きな変化がありました。私が初当選した当時は市税収入の倍以上あった借金が、今や市税収入以下にまで削減ができています。一方、天文台敷地への羽沢小移転や駅前再開発が同時期に発生をすると、元の大借金時代に戻るのではないかと危惧をしています。大事業を同時期にやるべきではないと考えますが、御所見をお伺いします。
2つ目です。さきの9月の令和5年度決算審査特別委員会審査参考資料というB4の横長の資料なんですが、その中に市債償還の計画表というものがございます。この市債償還計画表には、下水道事業会計につき、今後数年間返済する元金以上の新たな借金を想定して、この計画表は作られています。つまり、下水道事業会計は借金が膨らむ一方という想定が当時あったわけです。ここで考えなければならないのは、一般会計からの繰り出しが心配になってくるわけです。これが年々増えていく一方となるわけですが、そのことを財政上の言わばリスクとみなし、全会計レベルでの単年度公債費で考えるならば、決して油断がならない状況はいまだ続いていると考えますが、御所見をお伺いします。なお、この質問については、同じく9月に東京都のほうで大きな変更があったということで、この点も併せて御指導いただきたいと思います。
3つ目。特別会計を含め、現状では単年度公債費の元金部分は、おおよそ40億円前後で推移をしております。大ざっぱな表現になりますが、市税収入の約1割といったところでしょう。基金については一定のルールがあり、そのルールにつき、もう少し上方修正すべきではないかと過去質問してきましたが、これは達成をされました。ところが、単年度公債費については、そもそもルール自体がありません。たまたま税収増に偶然支えられているのが今なんですが、例えば、単年度公債費の元金部分は市税収入の1割までとするなどのルールづくりをしておかないと、今後、むちゃな起債につながるのではないか、そこを危惧しています。幾らまでなら借りられるかという総体の議論ではなく、毎年幾らまでなら返せるかという議論のほうが大事になってくるのではないでしょうか。御所見をお伺いします。
自席での再質問を留保します。御答弁のほどよろしくお願いいたします。
〔市長 河村 孝さん 登壇〕
◯市長(河村 孝さん) それでは、私からまず御答弁申し上げます。
質問の1、大事業を同時期に実施することについて。国立天文台周辺のまちづくりと三鷹駅前再開発は、それぞれの拠点整備の効果をまち全体に広げ、付加価値の高いまちへとしていく重要な一歩であるというふうに考えております。最優先プロジェクトに位置づけていることからも、これらの事業についてはなるべく早期に実施していきたいと考えておりますが、その一方で、それぞれ多額の経費を要することから、将来的な公債費の負担の試算などもしっかりと行いながら、一遍に支出が増えるというような、そういう形で進まないように、財政計画をしっかりと組み立てて、整備に着実に着手していくつもりでございます。
今後、それぞれの事業について、施設計画や配置などを具体化していく中で、費用負担の見込みや整備のスケジュールとともに、市財政への影響について明らかにしていきたいと考えております。
私からは以上でございます。
◯企画部調整担当部長(伊藤恵三さん) 私からは市長の答弁に補足しまして、残りの質問2点についてお答えをさせていただきます。
質問の2番目、下水道事業債の償還費用に係る一般会計からの繰出金の負担増に対するリスクについてでございます。予算、決算時にお示ししている市債償還計画表の下水道事業債の起債額につきましては、東部処理区の流域下水道への編入に当たり、野川水再生センター(仮称)の建設に係る負担金等の発生を令和6年度以降見込んでいたものですが、今後改定される東京都の多摩川・荒川等流域別下水道整備総合計画において、野川水再生センターを建設する案が廃止され、既存の北多摩一号水再生センターを増強し、送水する内容が盛り込まれる予定であるため、この起債額については今後変更となる見込みでございます。
下水道事業は、地方財政法上の公営企業とされ、独立採算制の原則が適用されています。雨水公費、汚水私費の原則の下で、汚水処理に要する経費は使用料で賄うことになっており、一般会計とは異なり、企業債の多寡が負担増に直結する財政構造とはなっておりません。しかし、多額の資本的支出を長期にわたり回収していくための方策が求められます。減価償却と企業債の借入期間のバランス、使用料での汚水処理費の回収など、経営的な視点を持ってリスクへの備えをしていくことが重要と考えております。
続きまして、質問の3番目、単年度公債費のルールづくりについてでございます。公債費に関する指標につきましては、第5次三鷹市基本計画におきまして実質公債費比率を定めており、当該計画期間中は5%超えないことを目標としております。この指標は、標準財政規模等に対する公債費負担等の度合いを客観的に示すもので、公債費だけでなく、公営企業会計や一部事務組合の公債費に係る負担や、債務負担行為なども含んだ自治体の借金の実態等を厳密に示すもので、財政の健全性を判断する上で重要な指標であると考えております。公債費の元金は既借入額を長期にわたり返済するもので、その年度の市税が減収しても変更することはできないため、市税収入とリンクしたルールづくりは困難と考えております。世代間負担の公平性の観点から、市債借入れと公債費の見通しを示し、市民の皆様に御理解を得ながら、将来負担に留意した財政運営に努めてまいります。
答弁は以上でございます。
◯20番(半田伸明さん) ありがとうございました。質問2についてちょっと掘り下げてみたいと思います。
野川水再生センターの記述がなくなって、北多摩第一という話になりましたね。もともと野川水再生センターというのを想定していた。北多摩第一ということで今度変わっていった。我々議場にいる人間は当然分かっているわけなんですけど、そこを前提として、ここはネット中継もされていますので、今までの下水道事業の想定と大きな変更が発生をしたわけです。この歴史的な経過を、いま一度御説明をしていただきたいと思います。
◯都市整備部長・新都市再生ビジョン担当部長(小泉 徹さん) ただいまの再質問にお答えをいたします。
東京都全体の下水処理のエリアですとか処理場の場所ですとか水質、そういったものを定めているのが多摩川・荒川等流域別下水道整備総合計画でございます。現在の計画は平成27年に見直されたものでございます。そうした中では、野川処理区のほうに現在単独処理区で処理しております東部処理区、こちらのほうが野川処理区のほう、流域下水道のほうに編入されるというふうな計画に位置づけられております。そうしましたら野川処理区につきましては、東部処理区の下水が流入することになりますので、当然野川処理区での処理する下水量、こういったものが増えてくるといったことになります。そうしますと現在、野川処理区については、現状は大田区の森ヶ崎水再生センターのほうで処理をされておりますけども、そこだけでは処理がし切れないということになりまして、そこで新たに水再生センターを造るということで、野川水再生センターの計画が流総計画の中で位置づけられていたということになります。
今回、計画期間が満了することに伴いまして、全体的な下水処理の内容について見直しをされたと。そうした中で、やはりかなり節水等が進んでいるといったような現状がございますので、将来的に処理する下水量の総量が都内全体的に減ってきたといったこともございます。そうした中でいきますと、野川処理区につきましても、東部処理区が加わっても一定程度規模が縮小すると。また、ほかの処理区についても処理をする水量が縮小するといったことがございまして、野川処理区が今後、東部処理区が入ることによって増えるような量、こちらについても既存の北多摩一号水再生センターのほうに送水し──一部増強が必要となりますけれども、そういったことにすれば処理ができるといったようなことが見込まれるということから、今回、今年度末に見直しを予定をしております流総計画の中で、これまでありました野川水再生センターの建設計画を廃止いたしまして、お隣の北多摩一号水再生センターのほうに施設を増強し、野川処理区の一部をそちらに持っていくといった形で、東部処理区が入った後の野川処理区につきましては、これまで送水をしておりました森ヶ崎水再生センターと、新たに北多摩一号水再生センターのほう、2か所のほうに送水をして処理をするといったような計画に、今回、見直し案が提示されたというところでございます。
◯20番(半田伸明さん) つまり、令和5年度決算審査特別委員会審査参考資料の市債償還計画表時点では野川再生センターの話で進んでいたのが、急遽変わって北多摩第一という話に変わっていっているわけですよね。私、ちょっと危惧しているのは、今、汚水はいずれ減っていくだろうという想定を部長はなされましたけれども、もともとの流総計画から今回変わることによって、10年、15年、長期的に、野川水再生センターの構想のままだと幾らだというのがあるわけですよね。で、今回は今回で新しく変わっていっているわけでしょう。この長期的な財政負担が増えるのか減るのかについて、結局、全体の公債費に私は大きな影響があるのではないかと思うんですよ。これが減っていくと断言できるんだったら、ああ、よかったですねで終わりなんだけど、ここは一抹の不安があるので、長期的にどのように見ていくのが適切なのか、現時点でのお考えをお聞かせいただきたいと思います。
◯都市整備部長・新都市再生ビジョン担当部長(小泉 徹さん) ただいまの再質問にお答えいたします。
当初、野川水再生センターが建設される計画、こちらが1日の処理量としては10万立方メートル規模の処理場を建設するといったような内容となっておりました。そちらにつきましては、今回は東京都のほうから、建設事業費の規模といたしましては、約2,000億円を見込んでいるといったことでお話をいただいております。また、今回新たに北多摩一号水再生センターのほうに送水することになった場合について、先ほど申し上げましたように増強が必要だといったことなどがありまして、そういった建設経費といたしまして、全体事業費で900億円というような試算がいただいているところでございます。全体事業費としては、半分以下となっているということでございます。
ただこれに対しまして、別途国庫補助金ですとか都費の負担金が入りますので、野川処理区につきましては関係6市で構成されておりますけれども、6市での負担金につきましては、そういった国費、都費を引いた分で、なおかつそれを6市で負担するといった形になっておりますけれども、ただこちらのほうについての事業費もまだまだ概算という費用でございますし、負担割合につきましても、今後各市との調整の中で決まっていくということでございますので、明確な数字ということではなかなかお示しはできませんけれども、全体事業費としては減っているということでございますので、一定程度そういった財源的な効果があるものというふうに考えております。
◯20番(半田伸明さん) となると、気を楽にしていいのかな。ここ、大事な話だと思うんです。単年度公債費って、どうしても我々一般会計で見てしまいます。一般会計では枠空き、今出始めていますよ。市長も御努力いただいて、口やかましく言っていた井口の部分も頑張って打ち出してくださっています。これについては予算議案に関わりますのでこれ以上のことは言いませんが、結果的に一般会計で単年度公債費の枠空きが進みつつあるんだけれども、下水とか、あともう一つ、介護サービス事業特別会計もありますよね。
当たり前のことを質問します。一般会計の単年度公債費が減ったから、新たに天文台やるよ、再開発やるよではなく、特別会計を含め全体で単年度公債費が幾ら減ったかを見ていくのは私は当たり前だと思うんですが、当然ここの認識はお持ちだと思うんですが、確認をしたいと思います。いかがでしょうか。
◯市長(河村 孝さん) 当然三鷹市全体のことでありますから、一般会計だけではなくて特別会計のほうにもちゃんと配慮しながら、全体をコントロールといいますか、束ねて事業執行していくということは当然のことだと思っています。また、先ほどもちょっと申し上げましたけれども、ある年に全部が重なってということにならないようにしなければいけない。もちろん少しずつ出していくというのは事業によってはあるかもしれませんけれども、基本的にそういう凸凹がないように、集中して市の財政が痛めつけられちゃうみたいなことは、私でなくてもその次になる人でも、当然同じように配慮すると思います。そういった全体のグリップといいますか、それを効かせながら事業運営をしていきたいというふうに思っています。
◯20番(半田伸明さん) あと、先ほど担当部長からの答弁で、独自の企業会計ということでしたよね。特別会計から下水道事業会計って変わってもう何年かたちますよね。独立採算というのはよく分かります。分かるんですが、例えば、今回八潮の問題がありましたよね。道路の問題で二、三人質問していたかな。ああいうふうになって、うちも緊急に、例えばですよ、下水の管の入替えが、例えばちょっと何キロか増やさないかんねみたいなことが仮に発生した場合に、それ、下水道事業会計でやりくりという問題じゃないでしょう。なぜなら一般会計から下水道事業会計に対して、土木費でしたかね、支出金があるじゃないですか。
(「はい」と呼ぶ者あり)
そうですよね。ですから、ここはちょっと事務的なことを確認しておきたいんですが、雨水、汚水という原則はよく分かりますよ。分かりますけれども、そういう急な工事云々となっていった場合に、結果的に一般会計から出す金額が増えていくのかどうか、それとも下水道事業会計だけでぼおんと値上げして賄うのか、この辺りいかがでしょうか。
◯企画部長(石坂和也さん) ただいまの再質問にお答えします。
八潮の例を引かれまして、緊急的な対応があった場合どうなるのかというところでございますが、そういった復旧等につきましては、基本的に企業債を全額100%充てて当面は対応するといったような形の経営になるかなというふうには想定をしています。ということは、当面、その場では一般会計の負担は生じないと。ただ、やっぱり30年、40年、50年と長期にわたる償還期間というふうになりますので、そこは将来的なインパクトがあるといったところがありますので、そうなりますと使用料とのバランス、それをどう捉えていくのかというのは、やはり同時並行的に考えていく必要がある、そういった課題かなというふうに捉えています。
◯20番(半田伸明さん) あれ、そうなんですか。一般会計から行かないの、お金。それだったらそれでいいんですよ。何十億、何百億という管の入替えの工事が今後発生したとした場合に、企業債といったって、じゃあ企業債の償還元金は一般会計から出ないんですか。この辺り、ちょっともう少しシステムを教えてください。
◯都市整備部長・新都市再生ビジョン担当部長(小泉 徹さん) ただいまの再質問にお答えいたします。
まず、下水道の費用負担の考え方なんですけれども、まず、先ほど申し上げましたように、雨水は公費、汚水は私費ということで使用料から賄うといった考え方になっております。そして、特に建設費の関係なんですけれども、こちらについては当然工事費というのは一定のかなり大きなお金がかかります。ただ一方で、建設された下水道施設については、長年にわたって使用できるということになりますので、例えば、建設当時の皆さんだけに費用負担をしていただくということではなくて、後年にわたって使用していただく方に費用負担をいただくと、それを使用料に反映させるという考え方から、先ほど申し上げましたように、建設費につきましては基本100%公債費を充てて、そういったような使用者の費用の公平性を担保しているというような形になっております。
◯20番(半田伸明さん) となると、工事については企業債を下水道事業会計の中でつくって、そこの収支だけで終わっちゃうということ。一般会計から行かないのか。そこをちょっともう一回、くどいようだけど確認したいと思います。
◯企画部長(石坂和也さん) ただいまの再質問にお答えします。
一般的には、先ほど申し上げたように、汚水、雨水という考え方があります。ただ現状では、100%を下回るような形の回収率になっているといったところでございます。ですので、そこの今の状態でいけば、当然負担が増えれば一般会計の負担が増えると。ただやっぱりその原則に立ち返ったときに、どこのバランスを持っていくのかというところはありますので、100%のそのまま増になるということじゃなくて、やっぱりその辺の使用料で回収する水準というのをきちっと見定めながら運営していくといったところがあります。繰り返しになりますが、そういった意味でいくと、現状の水準でいけば、そこについては一般会計の負担についても一定程度増えるといった形の想定となります。
◯20番(半田伸明さん) そうなんだよね。結局、一般会計からの負担は増えるんですよ。これは土木のほうでの下水の支出金という形ですよね。視点が変わると国保も同じなんですよ。赤字繰り出しで支出金がありますね。これらの支出金のほかに、例えば元プラでいうと、償還元金が毎年五、六千万返しですよ。これらははっきり言って債務なんです。ところが、公債費ではないんですよ。だから、私が公債費ということで今回大きく聞いたのは、これらの支出金の増についても、一種の債務として考えていくべきではないかという問題提起でもあるんですよ。御所見をお伺いします。
◯企画部長(石坂和也さん) ただいまの再質問にお答えします。
先ほど担当部長からも答弁させていただきました、特に単年度の公債費のルールのところで、実質公債費比率といった形で触れさせていただきました。実はこの実質公債費比率は夕張の財政破綻を機にしてつくられた指標でございます。というのはどういうことかといいますと、単純に一般会計の公債費負担じゃなくて、連結ベースで考えるといったような考え方でございます。議員おっしゃったように、特別会計の負担金、繰出金についても公債費的な要素が含まれる。さらに一部組合に対する事務負担金についても、そういった償還費的な要素、先ほど元プラの割賦償還の例も引かれたところでございます。私どもで言うと、その比率をまずベースにしているところで、すなわち連結ベースで考えているといったところでございます。先ほど市長からもございました、一般会計のみならず全ての債務的な要素、そういったところを総合的に勘案しながら事業着手、そういったところに取り組んでいきたいというふうに考えています。
◯20番(半田伸明さん) 担当部長の答弁にけちつけるわけじゃないけど、実質公債費比率という答弁が来るのは分かっていたんだよね。それは破綻するか否かなんですよ、軸は。私が言っているのは、単年度で返せるかどうかの方式が、破綻云々とは別の話なんですよ。ある日突然、税収がばあんと落っこって返せないということはまずいよね。だから、毎年幾ら返せるということを、単年度公債費の元金の在り方から考えてみたらどうかというのが3つ目の質問なんです。もう一度答弁願います。
◯副市長(土屋 宏さん) 先ほど御答弁申し上げましたとおり、税収とのバランスで幾らというルールをつくるということは非常に難しい、技術的に難しいというふうには思っております。ただ、繰出金を含めた一般会計の総額の規模というのは、我々は肌感覚としてしっかりと把握しておりますし、それに対しての特定財源の割合等々も把握しております。そうした中で、公債費としてどこまで持つのかという一定の規模感、そこは我々意識しながら、公債費の今後の負担を考えていくところでも、しっかりと意識しながらつくっていきたいと思いますので、確かにある年にリーマン・ショックのようなことが起きた場合、確かに厳しいことはあります。そうしたときのために基金というものもございますので、そのバランスもしっかりと我々自身で認識しながら、しっかりとした財政運営に努めていきたいというふうに思っております。
◯20番(半田伸明さん) いいやり取りができたかなと思います。公債費の在り方について、より厳格に、かつ広義的に捉えて、もう少し厳しめの数字をつくるべきではないかという観点の問題提起でした。答弁には満足しております。ありがとうございました。
◯議長(伊藤俊明さん) 以上で半田伸明さんの質問を終わります。
これをもって市政に関する一般質問は終わりました。
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◯議長(伊藤俊明さん) この際、議事の都合によりしばらく休憩いたします。
午後2時10分 休憩
午後2時40分 再開
◯議長(伊藤俊明さん) それでは、休憩前に引き続き、会議を再開いたします。
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日程第2 議案第2号 三鷹市常勤の特別職職員の給与等に関する条例の一部を改正する条例
日程第3 議案第3号 刑法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係条例の整理に関する条
例
日程第4 議案第4号 三鷹市個人番号の利用及び特定個人情報の提供に関する条例の一部を
改正する条例
日程第5 議案第5号 三鷹市印鑑条例の一部を改正する条例
日程第6 議案第6号 三鷹市職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例の一部を改正する
条例
日程第7 議案第7号 三鷹市職員退職手当支給条例の一部を改正する条例
日程第8 議案第8号 三鷹市国民健康保険高額療養資金及び出産資金貸付基金条例を廃止す
る条例
日程第9 議案第9号 三鷹市介護保険高額サービス費資金貸付基金条例を廃止する条例
日程第10 議案第10号 三鷹市手数料条例の一部を改正する条例
日程第11 議案第11号 三鷹市国民健康保険条例の一部を改正する条例
日程第12 議案第12号 三鷹市消防団員に係る退職報償金の支給に関する条例の一部を改正す
る条例
日程第13 議案第13号 令和6年度三鷹市一般会計補正予算(第7号)
日程第14 議案第14号 令和6年度三鷹市後期高齢者医療特別会計補正予算(第1号)
◯議長(伊藤俊明さん) この際、日程第2 議案第2号から日程第14 議案第14号までの13件を一括議題といたします。
〔書記朗読〕
提案理由の説明を求めます。市長 河村 孝さん。
〔市長 河村 孝さん 登壇〕
◯市長(河村 孝さん) ただいま上程されました議案第2号から議案第14号までの13件につきまして御説明申し上げます。
議案第2号 三鷹市常勤の特別職職員の給与等に関する条例の一部を改正する条例
この条例は、市長及び関係する副市長に対し令和7年3月分として支給する給料月額について、市長については100分の20、関係する副市長については100分の10に相当する額をそれぞれ減額する内容となります。
この条例は、公布の日から施行します。
議案第3号 刑法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係条例の整理に関する条例
この条例は、刑法等の一部を改正する法律の施行に伴い、懲役及び禁錮が廃止され、これらに代えて拘禁刑が創設されたことから、関係する10件の条例について用語を改めるほか、規定を整備する内容となります。
この条例は、令和7年6月1日から施行します。
議案第4号 三鷹市個人番号の利用及び特定個人情報の提供に関する条例の一部を改正する条例
この条例は、情報通信技術の活用による行政手続等に係る関係者の利便性の向上並びに行政運営の簡素化及び効率化を図るためのデジタル社会形成基本法等の一部を改正する法律の施行に伴い、引用する法律の条項番号を改める内容となります。
この条例は、令和7年4月1日から施行します。
議案第5号 三鷹市印鑑条例の一部を改正する条例
この条例は、地方公共団体情報システムの標準化に関する法律に基づいて実施する、令和7年9月末のガバメントクラウドを活用した標準準拠システムへの移行の機会を捉え、従来どおり印鑑登録証を交付する方法に加え、個人番号カードを印鑑登録証として利用できるよう規定を設ける内容となります。
この条例は、規則で定める日から施行します。
議案第6号 三鷹市職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例の一部を改正する条例
この条例は、職員の子育てと仕事の両立を支援する観点から、時間外勤務の制限の対象となる子の範囲を拡大するほか、「子どもの看護休暇」の取得事由の拡大に伴い名称変更を行うとともに、小学校1年生から3年生までの子を養育する職員を対象とする「子育て部分休暇」を新設する内容となります。
あわせて、職員の介護と仕事の両立を支援する観点から、支援制度等の周知のほか、勤務環境の整備に関する措置等を規定します。
この条例は、令和7年4月1日等から施行します。
議案第7号 三鷹市職員退職手当支給条例の一部を改正する条例
この条例は、雇用保険法の一部改正により失業等給付の見直しが行われたことに伴い、規定を整備する内容となります。
この条例は、令和7年4月1日から施行します。
議案第8号 三鷹市国民健康保険高額療養資金及び出産資金貸付基金条例を廃止する条例
議案第9号 三鷹市介護保険高額サービス費資金貸付基金条例を廃止する条例
これら2件の条例は、それぞれの基金による貸付の需要が減少してきたことを踏まえ、同様の貸付制度は継続しますが、基金としては廃止するため、いずれも基金条例を廃止する内容となります。
これらの条例は、令和7年4月1日から施行します。
議案第10号 三鷹市手数料条例の一部を改正する条例
この条例は、建築物のエネルギー消費性能の向上等に関する法律等が一部改正され、省エネルギー基準を適合する義務がある対象建築物が拡大されたこと、建築確認において建築物の特例対象が見直しされたこと等に伴い、審査等に係る手数料を新設及び改廃するほか、規定を整備する内容となります。
この条例は、令和7年4月1日から施行します。
議案第11号 三鷹市国民健康保険条例の一部を改正する条例
この条例は、国民健康保険税の見直しとして、課税限度額を3万円引き上げ、その総額を109万円とするとともに、所得割額の算定割合を100分の0.5引き上げ、その合計を100分の10とする内容となります。
あわせて、低所得者世帯に対する保険税の減額について、均等割額の5割減額及び2割減額の軽減基準額を引き上げて、軽減対象となる世帯を拡充します。
この条例は、令和7年4月1日から施行します。
議案第12号 三鷹市消防団員に係る退職報償金の支給に関する条例の一部を改正する条例
この条例は、消防団員等公務災害補償等責任共済等に関する法律施行令の一部改正に伴い、消防団員に係る退職報償金の勤務年数の区分に、新たに35年以上の区分を追加し、その額を定める内容となります。
この条例は、令和7年4月1日から施行します。
議案第13号 令和6年度三鷹市一般会計補正予算(第7号)
今回の補正は、歳入歳出予算の総額に、それぞれ33億2,250万1,000円を追加し、総額を891億9,226万1,000円とするとともに、繰越明許費及び債務負担行為の補正を行います。
補正の内容について、歳出予算から御説明いたします。
初めに、総務費についてです。
1点目は、職員人件費その他1億1,800万円の増額です。退職者が見込みを上回るとともに、教育費との間で内訳に調整が生じたことなどから、退職手当を増額します。なお、民生費と教育費において減額を行い、人件費全体では増減はございません。
2点目の財政調整基金積立金を12億3,349万4,000円、3点目のまちづくり施設整備基金積立金を5億445万3,000円、4点目の平和基金積立金を29万6,000円、それぞれ増額します。基金については、令和6年度の寄附金に加え、今回の補正予算で生じる財源について、基金残高の状況、今後の財政需要を勘案し、財政調整基金とまちづくり施設整備基金、民生費の健康福祉基金と子ども・子育て基金、衛生費の環境基金に積み増しを行います。
次に、民生費についてです。
1点目の健康福祉基金積立金を5億87万2,000円、6点目の子ども・子育て基金積立金を5億471万1,000円、それぞれ増額します。
2点目は、職員人件費その他を2,800万円減額します。
3点目の私立保育園運営事業費と、4点目の施設型給付関係費、合わせて5億6,799万7,000円の増額は、私立保育園及び認定こども園の運営費の基礎となる公定価格が引き上げられたことなどに伴う対応で、保育士等の処遇改善等を図ります。同様に、教育費では、幼稚園等に対する施設給付費を増額します。
5点目の認証保育所等運営事業費1,319万4,000円の増額は、国の公定価格の改定に準じて、東京都の単価の引き上げが行われることなどから、同様に運営費補助金を増額し、保育士等の処遇改善等を図ります。
次に、衛生費についてです。
1点目は、妊婦のための支援給付・妊婦等包括相談支援準備事業費200万円の計上で、令和4年度から実施している妊婦等への経済的支援について、令和7年4月よりギフトから現金に給付方法を変更することに伴い、システム改修を行います。
2点目は、環境基金積立金を7,070万3,000円増額します。
3点目のふじみ衛生組合関係費は、同組合の令和5年度決算に伴う繰越金の精算などにより、1億1,181万1,000円を減額します。
次に、教育費についてです。
1点目は、職員人件費その他を9,000万円減額します。
2点目は、施設型給付関係費を3,659万2,000円増額します。
続きまして、歳入予算について申し上げます。
市税では、当初予算を上回る見込みの個人市民税6億5,000万円、法人市民税8億5,000万円、固定資産税1億円、全体で16億円の増額を行います。
各種交付金については、東京都の見込みを反映して、配当割交付金を1億円、株式等譲渡所得割交付金を3億円、地方消費税交付金を2億円、それぞれ増額します。
次に、国庫支出金についてです。
1点目と2点目の施設型給付費負担金及び3点目の子ども・子育て支援交付金は、合わせて2億9,375万6,000円の増額です。民生費と教育費で申し上げた私立保育園、認定こども園、幼稚園等の公定価格の引き上げなどに伴う対応で、都支出金についても同様に増額します。
4点目は、出産・子育て応援交付金200万円の増額で、衛生費で申し上げた妊婦のための支援給付・妊婦等包括相談支援準備事業費の財源とします。
次に、都支出金についてです。
1点目と2点目の施設型給付費負担金及び3点目の子ども・子育て支援交付金は、合わせて1億2,930万円増額します。
4点目は、認証保育所運営費補助金659万7,000円の増額で、民生費で申し上げた認証保育所等運営事業費の財源とします。
次に、寄附金では、総務費寄附金29万6,000円、民生費寄附金475万5,000円、衛生費寄附金74万3,000円、土木費寄附金445万3,000円、教育費寄附金78万8,000円、全体で1,103万5,000円を増額します。寄附者の意向を踏まえ、その目的に沿った基金への積立てを行います。
次に、繰越金は、前年度繰越金6億7,981万3,000円の増額で、令和5年度決算で生じた実質収支の残額を増額します。
続きまして、繰越明許費補正について申し上げます。
妊婦のための支援給付・妊婦等包括相談支援準備事業費は、システム改修の完了が令和7年度となることから、繰越明許費を設定します。
続きまして、債務負担行為補正について申し上げます。
井口グラウンド(仮称)等整備事業は、整備工事を進める中で、地中空洞箇所が発見されたことなどに伴い、事業費を増額するため、限度額を増額するとともに、条例上の施設名に合わせて事項名を変更します。
議案第14号 令和6年度三鷹市後期高齢者医療特別会計補正予算(第1号)
今回の補正は、歳入歳出予算の総額に、それぞれ7,153万9,000円を追加し、総額を52億9,523万9,000円とする内容で、東京都後期高齢者医療広域連合の補正予算に合わせて増額します。
歳入予算では、後期高齢者医療保険料を7,153万9,000円増額します。この特別会計では、歳入の保険料を財源として、東京都後期高齢者医療広域連合へ保険料負担金を支出しています。広域連合から示された額を当初予算に計上しましたが、令和6年度の保険料収納額が当初予算を上回る見込みとなったことから、歳出の広域連合納付金を歳入と同額、増額します。
提案理由の説明は以上です。
どうぞよろしく御審議のほど、お願い申し上げます。ありがとうございました。
◯議長(伊藤俊明さん) 提案理由の説明は終わりました。
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日程第15 議案第15号 令和7年度三鷹市一般会計予算
日程第16 議案第16号 令和7年度三鷹市国民健康保険事業特別会計予算
日程第17 議案第17号 令和7年度三鷹市介護サービス事業特別会計予算
日程第18 議案第18号 令和7年度三鷹市介護保険事業特別会計予算
日程第19 議案第19号 令和7年度三鷹市後期高齢者医療特別会計予算
日程第20 議案第20号 令和7年度三鷹市下水道事業会計予算
◯議長(伊藤俊明さん) この際、日程第15 議案第15号から日程第20 議案第20号までの6件は、いずれも令和7年度予算に関する議案でありますので、一括議題といたします。
〔書記朗読〕
施政方針並びに提案理由の説明を求めます。市長 河村 孝さん。
〔市長 河村 孝さん 登壇〕
◯市長(河村 孝さん) 令和7年度の一般会計予算及び特別会計予算を提案するに当たりまして、施政方針を申し上げます。
1 はじめに
〜「祈る平和」と「創る平和」、共に進める三鷹〜
「市民参加でまちづくり協議会(愛称:マチコエ)」の多層的な市民参加を軸に、多くの市民の皆様の声を反映した「三鷹市基本構想」と「第5次三鷹市基本計画」を令和6年に策定しました。まちづくりのビジョンを共有し、市民の皆様と共に未来に向けて、着実な一歩を踏み出した年度となりました。
さて、私たちを取り巻く社会は急速に変化しています。物価高騰や少子高齢化、加速するデジタル化、そして深刻化する気候変動等は、日々の市民生活やまちの在り方に大きな影響を及ぼしています。だからこそ、これまで築き上げてきた地域力と共生の精神を大切にしながら、次世代に持続可能な豊かな暮らしを引き継いでいかなければなりません。私たちはその責務をしっかり果たしていかなければいけないと改めて強く思っています。
令和7年度は、戦後80年という歴史の節目を迎えます。幸いにも、その間、日本は直接、戦争に関わることは一度もありませんでした。しかし、それは決して偶然ではありません。これまでの先人たちの努力、知恵と工夫によって実現してきたものです。だからこそ、私たちはこの節目に当たり、「祈る平和」と「創る平和」を世界に向けて発信し、共に進んでいかなければなりません。私たちに今できることは何かを問い、「命の大切さ」、「平和の尊さ」を真正面から受け止めていきたいと考えています。
一方、激甚化する自然災害が全国各地で猛威を振るっています。近年、三鷹市では大きな被害はなかったものの、令和6年8月の台風では避難所を設置するなど、紙一重での厳しい状況が続いています。市民の皆様の生命と財産を守り、質の高い防災・減災体制を構築し、引き続き「防災・減災のまちづくり」を進めます。また、地球温暖化による気候危機への対応は喫緊の課題と言えます。三鷹市は「ゼロカーボンシティ」を宣言した自治体として、2050年までに二酸化炭素排出量実質ゼロを目指し、脱炭素社会の実現に向けた取組を一層前進させます。再生可能エネルギーの活用等に率先して取り組むほか、持続可能な未来に向けて皆様と共に歩みを進めていきます。
時代の転換点にあって、様々な課題が山積しています。政策の重点化と優先順位を明確にしながら、これらの課題の解決に邁進します。また、デジタル技術の活用、柔軟で機動的な組織づくりによって、行財政改革の推進を図るなど、「あすへのまち三鷹」を目指してまちづくりを推進します。
2 「第5次三鷹市基本計画」に基づく施策の推進
令和7年度は、「三鷹市基本構想」と「第5次三鷹市基本計画」の2年目の年となります。より一層スピード感を持って、優先課題である「コミュニティ創生と未来への投資」を中心に、次の5つの施策を着実に推進します。
1点目は、市全体を緑あふれるまち並みとする「百年の森」の実現と地域の特性が生きるまちづくりです。「子どもの森(仮称)」をコンセプトとした「三鷹駅南口中央通り東地区再開発事業」については、地権者等と合意形成を図りながら、令和8年度の都市計画決定を目指すとともに、さくら通り駐車場・駐輪場用地の一部にUR賃貸住宅を整備するための更地化工事を行います。また、当地区では段階的に整備を進めることにより、事業進捗に応じて駐輪場や駐車場の代替えのほか、事業継続を希望する地区内事業者の仮移転先等が必要となることから、まちづくり用地の確保に向けて検討を進めます。「子どもの森(仮称)」との連携を見据えて検討を進めている三鷹幼稚園跡地については、地権者との調整を踏まえ、事業スケジュールを見直すとともに、開設に係る経費については、補正予算で計上します。老朽化が進んでいる上連雀三丁目暫定集会施設については、民間事業者との協働による施設整備を視野に、測量等の事前調査を行うほか、三鷹こ線人道橋の跡地については、階段や橋桁の一部を保存するポケットスペースを整備します。
大沢地区では、国立天文台敷地を中心とした地域の共有地「コモンズ」の創出に向けて、建物の配置や道路計画案等を盛り込んだ「土地利用整備計画」を策定するとともに、大沢総合グラウンドのリニューアル整備に伴い、ボール遊びエリア、バスケットボールエリア及びスケートボードエリアを新設します。
井口地区では、恒久的なスポーツ施設となる井口グラウンドと隣接する児童遊園を地域の防災力を高める防災拠点として一体的に整備し、令和7年7月から利用を開始します。また、敷地南側への医療機関の誘致については、令和10年4月の開設に向けて、定期借地契約を締結します。
牟礼地区では、牟礼の里農園(仮称)の整備を進めるとともに、隣接する農地の借用等により体験農園と市民農園を開設し、公園エリアから玉川上水までの連続した緑と農の空間を創出します。
2点目は、脱炭素社会の実現と気候変動に適応したまちづくりです。まちづくり総合研究所において、再生可能エネルギー等の活用の研究を進めるとともに、市民センターにおいてカーボンオフセット都市ガス及び再生可能エネルギー電気への切り替えを行い、市が率先して温室効果ガスの削減を図ります。
気候変動への対応としては、市内児童遊園2か所にミスト設備を設置します。
3点目は、防災・減災・安全安心のまちづくりです。総合的な防災施策と交通安全を含めた平時からの安全・安心のまちづくりを一元的に推進するため、「防災安全部」を新設します。災害情報伝達の充実としては、防災行政無線の難聴地域解消に向けた戸別受信機の貸与等を新たに実施するとともに、消防活動困難地域である井の頭地域の道路の拡幅整備に向けて、土地開発公社による用地の先行取得に取り組みます。また、災害時における要支援者・要配慮者の支援として、福祉避難所の在り方の検討などに取り組みます。
防犯対策としては、大沢地域で発生した強盗未遂事件を受け、緊急対策として新設した住宅等防犯対策の補助を継続するとともに、防犯カメラ、街路灯の増設や安全安心パトロールの拡充を図るなど、犯罪の抑止と地域防犯力の向上に取り組みます。
老朽化した施設への対応としては、「新都市再生ビジョン」に基づき、学校施設の大規模改修や図書館、コミュニティ・センターの設備改修、本庁舎・議場棟の空調設備等の改修に向けた実施設計など、計画的な維持保全と更新に取り組みます。
4点目は、コミュニティの創生と地域と人をつなぐまちづくりです。高齢化や担い手不足、連携不足といった地域コミュニティの課題を踏まえ、令和9年度の事務局機能の法人化を目指し、事務の共通化に向けた業務のDX化やデジタル機器等の更新を支援します。また、みたか地域ポイントについては、ポイント付与対象事業を拡充するほか、市が寄贈を受けた物件については、若手クリエーターのスタートアップ支援の場として改修を行い、地域と連携した事業展開を図ります。
誰もが暮らしやすいまちの実現に向けては、当事者を含めて多様な意見を反映し、「認知症にやさしいまち三鷹条例(仮称)」の制定に取り組みます。また、調布基地跡地における障がい者福祉施設の整備については、令和8年4月の開設を目指し、調布市及び府中市とともに建設費及び開設準備の支援を行います。
コミュニティバスの抜本的な見直しとしては、「北野ルート」のAIデマンド交通への転換を検討するほか、西部地区のエリア外運賃については、妊婦等を対象とした割引を開始するなど、さらなる利便性の向上を図ります。
5点目は、子どもが輝き安心して暮らせるまちづくりです。令和8年度の制定を予定している「三鷹市子どもの権利に関する条例(仮称)」については、子どもの意見を反映するためのアンケート調査を実施し、素案を作成します。また、子育て世帯の負担軽減として、東京都の補助制度を活用し、第1子の保育料を無償化し、保育料を完全無償とするほか、保護者の就労等に関わらず、0〜2歳児を対象とした保育所や幼稚園等での定期的な預かり事業を開始します。
「学校3部制」の取組では、第2部の子どもの居場所となる地域子どもクラブについて毎日型の実施校を拡充するほか、今後の3部制の事業展開の方向性を示す推進プランを策定します。中原小学校の建て替えに向けた取組では、学校3部制のモデルとなる施設機能を検討するとともに、基本設計に着手します。また、戦後80年の平和事業として、市内中学生を長崎市に派遣する事業や近隣市との連携事業を実施し、戦争の記憶と平和への願いを次世代に継承していきます。
3 持続可能な自治体経営の推進
令和7年度は、市税や各種交付金が堅調な見通しとなる一方、ウクライナ戦争や円安などに起因した物価上昇や、労働力の不足による調達コストの増嵩などにより、歳入の伸びが財政的な余力に直結しない厳しい予算編成となりました。今後も予断を許さない財政状況が見込まれており、経済状況の影響を最小限となるよう強固な財政基盤の構築に向けて、行財政改革を推進します。
行政サービスの適正化に向けた取組としては、公設民営保育園4園を公私連携型保育所へ移行し、保育の質の確保と安定した事業運営を支援しながら、財源確保を図ります。そのほか、サンセット事業として実施してきた自転車用ヘルメット購入費の助成を廃止するとともに、事務事業の全般について、費用対効果等に課題のある事業を洗い出す「歳出の総点検」を試行的に実施します。
効率的で効果的な組織体制の構築に向けては、「防災安全部」を新設するとともに、学童保育所及び地域子どもクラブに関する事務については、教育委員会に移管し、放課後の学校施設における一体的な居場所づくりを早期に進めます。また、事業の新規・拡充に合わせ、適切に職員を配置します。
サービスの質や働き方の変革を実現するためのDXの推進は、今後の行財政改革の中心となるものです。ガバメントクラウドへの移行を9月に予定しており、国の補助金を活用しながら市の負担が最小限となるよう努めるほか、学童保育所及び保育園入所等のオンライン申請の拡充や、庁内の文書のペーパーレス化に向けた試行、生成AIの試行利用の継続などに取り組みます。
受益と負担の適正化に向けては、国民健康保険税を低所得者の負担に配慮しながら改定を行うほか、学童保育所の育成料について、待機児童ゼロの継続や多様なニーズへの対応などを踏まえ、改定を行います。
なお、ふるさと納税による市税への影響は年々拡大し、令和7年度は約17億円の減収となる見込みです。三鷹こ線人道橋跡のポケットスペースの整備に当たり、橋の解体後の部材を活用したオリジナルグッズ等を返礼品とするクラウドファンディングを実施するなど、市の魅力発信と財源確保を図ります。
また、引き続き、国や東京都等の補助金を有効に活用し、財源確保を図りながら、事業の拡充に取り組みます。令和6年度の国の補正予算で措置された物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金の一部を令和7年度に振り向け、介護・障がい福祉サービス事業所や保育施設、医療機関等への支援の財源とします。
市債については、世代間負担の公平性を確保する観点から、都市再生の取組などの財源として活用するほか、三鷹中央防災公園整備事業債について、利率見直しの機会を捉えて、一部繰上償還を実施し、返済期間の短縮を検討します。基金については、一定の活用を図りますが、令和6年度補正予算において、今後の財政運営を見据えて基金積立てを行い、一定水準の基金残高を確保するよう努めます。
4 令和7年度予算の財政的特徴点
令和7年度の予算規模は、一般会計が894億5,373万9,000円で、前年度比62億6,576万7,000円、7.5%の増となります。社会保障関連経費の伸びとともに、物価高騰や労務単価の上昇などにより行政コスト全般が増嵩し、過去最大の規模となっています。市政運営の根幹となる市税収入は419億1,134万2,000円で、令和6年度に実施した定額減税による減収分の回復などもあり、前年度比20億6,188万5,000円、5.2%の増を見込んでいます。また、基金のとりくずしは31億6,832万9,000円で、前年度比3億1,034万円、8.9%の減、市債の発行予定額は25億2,700万円で、前年度比11億6,100万円、85.0%の増となります。
下水道事業会計を除く特別会計全体の予算規模は393億3,090万8,000円で、前年度比3億8,916万4,000円、1.0%の減となります。下水道事業会計の収益的収支予算は1億5,221万円の純利益、資本的収支予算は6億4,408万9,000円の不足で、この不足額は損益勘定留保資金等で補填します。
以上が、令和7年度を迎えるに当たっての施政方針及び予算概要です。
議員各位の御理解と御協力をいただきながら、市民の皆様の暮らしに寄り添いつつ、まちの声をカタチにする未来志向のまちづくりをスピーディーに進めていくために、誠心誠意、努力していく所存です。
御審議のほど、どうぞよろしくお願い申し上げます。
令和7年2月
三鷹市長 河 村 孝
ありがとうございました。
◯議長(伊藤俊明さん) 次に、補足説明を求めます。
◯企画部調整担当部長(伊藤恵三さん) 引き続き、令和7年度予算について、会計別に計数面を中心とした補足説明をさせていただきます。お手元の施政方針、予算概要の36、37ページをお開きください。
初めに、一般会計予算についてです。(表7)によりまして、歳入予算の特徴点から申し上げます。
第1款 市税は、前年度比5.2%増の419億1,134万2,000円です。定額減税の減収分の回復のほか、個人市民税を中心に堅調な伸びを見込み、市税全体では過去最高の予算額となります。
第10款 地方特例交付金は、前年度比85.3%減の1億5,958万8,000円で、定額減税の原資補填分が減となることなどによるものでございます。
第13款 分担金及び負担金は、前年度比58.6%減の1億8,093万8,000円で、令和7年9月から第一子の保育料が無償化されることに伴う保育所保育料負担金の減などによるものです。
第15款 国庫支出金は、前年度比8.3%増の162億552万6,000円で、児童手当の拡充の通年化に伴う児童手当負担金の増などによるものです。
第16款 都支出金は、前年度比19.9%増の135億283万2,000円で、学校給食費の無償化の財源などとして拡充された市町村総合交付金の増などによるものです。
第22款 市債は、前年度比85.0%増の25億2,700万円です。これは大沢総合グラウンドの整備や、下連雀複合施設の大規模改修に伴う事業債の増などによるものです。
続きまして、46ページを御覧ください。(表11)によりまして、歳出予算の特徴点を申し上げます。
第2款 総務費は、前年度比21.4%増の114億9,401万5,000円で、ガバメントクラウドを活用した標準準拠システムへの移行に係る事業費の増などによるものです。
第3款 民生費は、前年度比6.0%増の456億2,939万4,000円で、児童手当の拡充の通年化や公定価格の改定等に伴う私立保育園運営費の増などによるものです。
第10款 教育費は、前年度比19.7%増の129億2,264万7,000円で、大沢総合グランドのリニューアル整備の実施などにより増となります。
続きまして、特別会計予算の概要について申し上げます。150ページを御覧ください。
国民健康保険事業特別会計です。(表15)のとおり、予算規模は178億5,626万5,000円で、前年度比9億2,800万円余、4.9%の減となります。
歳出では、第2款 保険給付費が、被保険者数の減などを反映して減となります。
また、第3款 国民健康保険事業費納付金は、令和5年度の決算余剰金を活用し、市町村の負担軽減が図られたことなどにより減となります。
歳入では、第1款 国民健康保険税が、被保険者数は減となるものの、保険税の改定を行うことなどから増となります。
また、第5款 繰入金は、前年度比6億800万円余、20.5%の減となります。
152ページを御覧ください。介護サービス事業特別会計です。
表(16)のとおり、予算規模は8億1,789万5,000円で、前年度比1億2,600万円余、18.2%の増となります。
歳出では、第1款 介護サービス事業費が給与改定、物価高騰を反映して、指定管理料が増となります。
歳入では、第3款 繰入金が前年度比1億4,000万円余、78.5%の増となります。
155ページを御覧ください。介護保険事業特別会計です。
(表17)のとおり、予算規模は153億2,434万1,000円で、前年度比3億400万円余、2.0%の増で、第九期介護保険事業計画の2年目の予算計上となります。
歳出では、第2款 保険給付費が、サービス利用者数の伸びを反映して増となります。
これに連動して、歳入の第2款 国庫支出金、第3款 支払基金交付金、第4款 都支出金、第6款 繰入金についても増を見込んでおります。
157ページを御覧ください。後期高齢者医療特別会計です。
(表18)のとおり、予算規模は53億3,240万7,000円で、前年度比1億800万円余、2.1%の増となります。
歳出では、第2款 広域連合納付金が増となっています。これは被保険者数の伸びを反映して、東京都後期高齢者医療連合への納付金が増となるものでございます。
これに連動して、歳入の第1款 後期高齢者医療保険料は前年度比7,300万円余、2.5%の増、第3款 繰入金は前年度比3,900万円余、1.8%の増となります。
159ページを御覧ください。下水道事業会計です。
(表19)のとおり、収益的収入及び支出の純利益は1億5,221万円で、前年度比3,800万円余の減となっています。これは減価償却費の増などに伴う営業費用の増などによるものです。資本的収入及び支出は6億4,408万9,000円の不足で、この不足額につきましては、損益勘定留保資金等で補填いたします。
なお一般会計からの負担金、補助金の合計額は、前年度と比較すると1億6,200万円余の増となっています。
令和7年度予算に関する補足説明は以上のとおりです。
◯議長(伊藤俊明さん) 以上で施政方針並びに提案理由の説明は終わりました。
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◯議長(伊藤俊明さん) 本日はこれをもって延会いたします。
なお、次回の本会議は3月4日午前9時30分に開きます。文書による通知はいたしませんから、さよう御了承願います。お疲れさまでした。
午後3時27分 延会