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令和2年第1回定例会(第3号)本文

                  午前9時29分 開議
◯議長(石井良司君)  おはようございます。ただいまから令和2年第1回三鷹市議会定例会第3日目の会議を開きます。
    ──────────────────────────────────────


◯議長(石井良司君)  本日の議事日程はお手元に配付したとおりであります。
    ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
    日程第1 議案第1号 三鷹市組織条例の一部を改正する条例
    日程第2 議案第2号 三鷹市印鑑条例の一部を改正する条例
    日程第3 議案第3号 三鷹市非常勤職員の報酬、費用弁償及び期末手当に関する条例の一部
               を改正する条例
    日程第4 議案第4号 三鷹市災害弔慰金の支給等に関する条例の一部を改正する条例
    日程第5 議案第5号 三鷹市国民健康保険条例の一部を改正する条例
    日程第6 議案第6号 三鷹市介護福祉条例の一部を改正する条例
    日程第7 議案第7号 東京都後期高齢者医療広域連合規約の変更について
    日程第8 議案第8号 旧三鷹市第二体育館解体工事請負契約の締結について
    日程第9 議案第9号 令和元年度三鷹市一般会計補正予算(第4号)
    日程第10 議案第10号 令和元年度三鷹市下水道事業特別会計補正予算(第1号)
    日程第11 議案第11号 令和元年度三鷹市介護サービス事業特別会計補正予算(第1号)
    日程第12 議案第12号 令和元年度三鷹市後期高齢者医療特別会計補正予算(第2号)


◯議長(石井良司君)  直ちに日程に入ります。
 この際、日程第1 議案第1号から日程第12 議案第12号までの12件を一括議題といたします。
                    〔書記朗読〕
 提案理由の説明を求めます。市長 河村 孝君。
                〔市長 河村 孝君 登壇〕


◯市長(河村 孝君)  ただいま上程されました議案第1号から議案第12号までの12件につきまして御説明申し上げます。
 議案第1号 三鷹市組織条例の一部を改正する条例
 この条例は、第4次基本計画(第2次改定)の実行元年に当たる令和2年度を迎えるに当たり、同改定計画を着実に推進するとともに、人口増や人口構成の変化に対応し、また、まちの魅力発信の強化や都市交通政策の充実などを図るために、部の分掌事務の改正を行うものです。
 まず、企画部の分掌事務については、広報及びメディアに関することを加え、新たな課を設けて処理します。また、規則事項となりますが、予定している課の名称は広報メディア課としています。
 次に、総務部については、労働安全衛生に関する事務を職員課から分離して新たな課を設けることとし、同じく予定課名は労働安全衛生課です。
 生活環境部は、都市農業の振興及び農地保全に関することを加えて新たな課を設けることとし、予定課名は都市農業課です。
 健康福祉部は、介護保険に関する事務を高齢者支援課から分離して新たな課を設けることとし、予定課名は介護保険課です。
 都市整備部は、都市交通及び交通安全に関する事務を道路交通課から分離して新たな課を設けることとし、予定課名は都市交通課です。
 この条例は、令和2年4月1日から施行します。
 議案第2号 三鷹市印鑑条例の一部を改正する条例
 この条例は、まず、成年被後見人等の権利の制限に係る措置の適正化等を図るための関係法律の整備に関する法律の施行による、総務省の印鑑登録証明事務処理要領の一部改正に基づき、印鑑登録に関する成年被後見人に係る欠格条項の規定を改めるものです。
 次に、個人番号カードの公的個人認証方式による印鑑登録証明書の取得として、印鑑登録者は、多機能端末機を使用することにより、規則で定める日以後は新方式である公的個人認証方式により、印鑑登録証明書の交付を受けることができることとします。
 これらの改正を踏まえて、三鷹市個人番号カードの利用に関する条例について、成年被後見人に係る欠格条項の規定を改めます。さらに、経過措置を設けて同条例を廃止し、個人番号カードの独自利用に係る、旧方式であるアプリ方式を用いた多機能端末機等による証明書の交付サービスについて、取りやめることとします。
 その経過措置としては、施行日前に交付された個人番号カードについて、当該カードの有効期限までの間は、従来のとおり印鑑登録証明書、その他の証明書の交付サービスを受けられることとします。
 この条例は、成年被後見人に係る欠格条項の規定整備は公布の日から、個人番号カードによる印鑑登録証明書の取得の関係は規則で定める日から施行します。
 議案第3号 三鷹市非常勤職員の報酬、費用弁償及び期末手当に関する条例の一部を改正する条例
 この条例は、地方公務員法の一部改正により非常勤特別職職員の範囲が厳格化されたことに伴い、法改正に伴う総務省の指摘を踏まえて、男女平等参画相談員と顧問弁護士について、非常勤職員としての職の廃止を行うものです。
 この条例は、令和2年4月1日から施行します。
 なお、これらの職については、位置づけ等は変わりますが、新たな委嘱や契約を行い、引き続き同様の役割を担うこととしています。
 議案第4号 三鷹市災害弔慰金の支給等に関する条例の一部を改正する条例
 この条例は、災害弔慰金の支給等に関する法律の改正により、災害弔慰金及び災害障がい見舞金の支給に関する事項を調査審議するため、三鷹市災害弔慰金等支給審査会を置くことができることとするものです。
 次に、災害援護資金の償還金について、援護資金の貸し付けを受けた者等から、収入等の状況について報告等を求めることができることとします。
 この条例は、公布の日から施行するとともに、非常勤の特別職職員の報酬及び費用弁償条例等の一部改正により、審査会委員の報酬日額を記載のとおり定めます。
 議案第5号 三鷹市国民健康保険条例の一部を改正する条例
 この条例は、国民健康保険税の見直しとして、まず課税限度額を7万円引き上げ、課税限度額の総額を96万円とするとともに、所得割額の算定割合を100分の0.3引き上げ、所得割額の算定割合の合計を100分の8.3とします。
 また、均等割額を2,400円引き上げ、均等割額の総額を5万800円とします。
 次に、保険税の減額として、低所得者世帯に対する保険税均等割額の軽減について、5割減額の所得基準額については、基礎控除額33万円に加える額を被保険者等1人につき28万円から28万5,000円に、2割減額の所得基準額については、同じく51万円から52万円に引き上げます。
 この条例は、令和2年4月1日から施行するとともに、保険税の減額については規則で定める日から施行します。
 議案第6号 三鷹市介護福祉条例の一部を改正する条例
 この条例は、介護保険法の一部改正に基づく、消費税による公費を投入した低所得者に対する従前の保険料軽減強化について、消費税率引き上げに伴い、さらなる軽減措置の拡充を行うものです。
 具体的には、第1号被保険者のうち、所得段階が第1段階に該当する者の令和2年度の介護保険料の額は2万400円に、第2段階の当該額は2万7,600円とします。
 この条例は、規則で定める日から施行します。
 議案第7号 東京都後期高齢者医療広域連合規約の変更について
 この議案は、保険料軽減のための負担金制度を継続するため、同広域連合規約につきまして、令和2年度・令和3年度の2年間の時限措置として、審査支払手数料相当額等を市区町村が負担することとするものです。
 この規約変更は、令和2年4月1日から施行します。
 議案第8号 旧三鷹市第二体育館解体工事請負契約の締結について
 この議案は、旧三鷹市第二体育館の解体工事に係る請負契約を締結するものです。
 契約の方法は、制限付一般競争入札で、契約の金額は4億1,250万円、契約の相手方は株式会社丸利根アペックスです。
 工期は契約確定日の翌日から令和3年2月26日までです。
 議案第9号 令和元年度三鷹市一般会計補正予算(第4号)
 今回の補正は、歳入歳出予算の総額に、それぞれ7億1,894万5,000円を追加し、総額を756億3,425万9,000円とするとともに、繰越明許費の設定及び地方債の補正を行うものです。
 補正の内容について、歳出予算から御説明いたします。
 まず、総務費についてです。
 1点目は、職員人件費その他の減6,000万円で、決算見込みを踏まえて減額するものです。同様に、民生費、衛生費、教育費においても減額を行い、人件費全体では1億5,000万円の減となります。
 基金については、令和元年度の寄附金に平成30年度3月補正後の寄附金を加え、積立額としています。2点目の財政調整基金積立金を1,065万円、3点目のまちづくり施設整備基金積立金を3億837万5,000円、4点目の平和基金積立金を10万円、それぞれ増額します。同様に、民生費と衛生費においても、積み立てを行います。
 5点目は、社会保障・税番号制度推進関係費を2,659万3,000円増額します。これは、マイナンバーカードの普及促進に係る国の補正予算を踏まえ、地方公共団体情報システム機構への交付金を増額するものです。
 次に、民生費についてです。
 1点目は、介護サービス事業特別会計繰出金3,200万円の増額で、後ほど御説明いたします特別会計の補正に連動して、不足額を一般会計から繰り出すものです。
 基金については、2点目の健康福祉基金積立金を129万5,000円、5点目の子ども・子育て基金積立金を163万6,000円、それぞれ増額します。
 職員人件費その他については、3点目の保育所費、4点目の子ども発達支援センター費、あわせて3,000万円の減額を行います。
 次に、衛生費についてです。
 職員人件費その他については、1点目の保健衛生総務費、3点目の清掃総務費、あわせて2,000万円の減額を行います。
 2点目は、環境基金積立金を18万9,000円増額します。
 4点目は、ふじみ衛生組合関係費を8,518万4,000円減額します。これは、同組合の平成30年度決算に伴う繰越金の精算によるものです。
 農林費は、強い農業・担い手づくり総合支援事業費259万2,000円の計上です。これは、令和元年9月の台風第15号により被害を受けた農業用ハウス等の再建・修繕や撤去に係る費用の助成を行うものです。
 次に、教育費についてです。
 職員人件費その他については、1点目の教育総務費、2点目の小学校費、5点目の中学校費、あわせて4,000万円の減額を行います。
 3点目と6点目の学校空調設備整備事業費は、小学校費で1億4,987万1,000円、中学校費で1億4,003万4,000円を増額します。これは、国の補正予算で増額された交付金を活用し、高山小学校と第三中学校の空調設備の改修工事を実施するものです。
 4点目と7点目の学校給排水設備等整備事業費は、小学校費で1億6,611万4,000円、中学校費で1億1,468万円を計上します。これは、国の交付金の追加内定を受け、第五小学校など4校のトイレ改修工事を実施するものです。
 続きまして、歳入予算について申し上げます。
 市税では、固定資産税が当初予算を上回る見込みのため、2億円を増額します。
 次に、国庫支出金についてです。
 1点目は、社会保障・税番号制度事業費補助金2,659万3,000円の増額で、総務費の同推進関係費の財源とするものです。
 2点目は、学校施設環境改善交付金6,384万4,000円の増額で、教育費の学校空調設備整備事業費及び学校給排水設備等整備事業費の財源とするものです。
 次に、都支出金についてです。
 1点目は、強い農業・担い手づくり総合支援交付金189万6,000円の計上で、農林費の同事業費の財源とするものです。
 2点目は、公立学校施設トイレ整備支援事業補助金3,517万4,000円の計上で、教育費の学校給排水設備等整備事業費の財源とするものです。
 次に、財産収入は、土地売払収入を4億7,600万円減額します。これは、中原三丁目公共用地について、令和元年度中の売却を予定していましたが、良好な環境の確保を図る観点から、令和2年度にプロポーザル方式により売却することとしたため、減額するものです。
 次に、寄附金では、一般寄附金1,064万5,000円、総務費寄附金10万円、民生費寄附金160万7,000円、衛生費寄附金18万9,000円、土木費寄付金2億9,276万9,000円、教育費寄附金53万5,000円、全体で3億584万5,000円を増額し、寄附者の意向を踏まえ、その目的に沿った基金への積み立てを行います。
 繰入金は、今回の補正予算の財源不足に対応するため、財政調整基金とりくずし収入1億4,479万3,000円を増額するものです。
 次に、市債は、教育費の学校空調設備整備事業費及び学校給排水設備等整備事業費の財源とするものです。
 1点目、三鷹の森学園第五小学校4,470万円、2点目、三鷹の森学園高山小学校1億3,910万円、3点目、鷹南学園中原小学校4,480万円、4点目、連雀学園第一中学校3,280万円、5点目、三鷹の森学園第三中学校1億2,770万円、6点目、三鷹中央学園第四中学校2,770万円の事業債をそれぞれ計上します。
 続きまして、繰越明許費について申し上げます。
 1点目の私立保育園整備事業費は、新園舎への移転を予定しているあかね保育園について、建築資材の調達に時間を要し、年度内に工事が完了しない見込みであることから、繰越明許費を設定するものです。なお、開設時期は、当初計画どおり令和2年5月を予定しています。
 2点目の強い農業・担い手づくり総合支援事業費、3点目から6点目の学校空調設備整備事業費と学校給排水設備等整備事業費は、国の補正予算等に関連した事業で、翌年度に繰り越して執行するものです。
 続きまして、地方債補正では、小学校と中学校の大規模改修事業及び空調設備整備事業について、市債の借り入れを行うため増額等を行うものです。
 議案第10号 令和元年度三鷹市下水道事業特別会計補正予算(第1号)
 今回の補正は、歳入歳出予算の総額に、それぞれ2,141万9,000円を追加し、総額を40億8,510万3,000円とするものです。
 補正の内容について、歳出予算から御説明いたします。
 下水道事業費の1点目は、下水道事業運営費3,771万7,000円の減額です。これは、平成30年度決算に伴う申告消費税の確定申告により、令和元年度分の予定納税が当初の見込みを下回ったことによるものです。
 2点目は、流域下水道等処理委託費を5,913万6,000円増額します。これは、台風の影響などにより処理量が増加し、委託料に不足が見込まれるため、増額するものです。
 続きまして、歳入予算について申し上げます。
 まず、繰越金の前年度繰越金を314万4,000円増額します。
 また、諸収入は、消費税等還付金1,827万5,000円の計上です。これは、確定申告に伴い、平成30年度に予定納税を行った消費税等の還付が生じたため、計上するものです。
 議案第11号 令和元年度三鷹市介護サービス事業特別会計補正予算(第1号)
 この補正は、歳入予算のみの補正を行うものです。
 令和元年度末に廃止する特別養護老人ホームの入所者が当初の見込みを下回ったため、介護サービス収入を3,200万円減額します。その一方で、一般会計からの繰入金を3,200万円増額することで、本特別会計の収支の均衡を図るものです。
 議案第12号 令和元年度三鷹市後期高齢者医療特別会計補正予算(第2号)
 今回の補正は、歳入歳出予算の総額に、それぞれ5,867万2,000円を追加し、総額を43億2,782万7,000円とするもので、東京都後期高齢者医療広域連合の補正予算にあわせて増額します。
 歳入予算では、後期高齢者医療保険料を5,867万2,000円増額します。この特別会計では、歳入の保険料を財源として、東京都後期高齢者医療広域連合へ保険料負担金を支出しています。広域連合から示された額を当初予算に計上しましたが、令和元年度の保険料収納額が当初予算を上回る見込みとなったことから、歳出の広域連合納付金を歳入と同額、増額します。
 提案理由の説明は、以上でございます。
 どうぞよろしく御審議のほど、お願いします。ありがとうございました。


◯議長(石井良司君)  提案理由の説明は終わりました。
    ──────────────────────────────────────


◯議長(石井良司君)  この際、議事の都合によりしばらく休憩いたします。
                  午前9時56分 休憩


                  午前10時34分 再開
◯議長(石井良司君)  それでは、休憩前に引き続き、会議を再開いたします。
    ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
    日程第13 議案第13号 令和2年度三鷹市一般会計予算
    日程第14 議案第14号 令和2年度三鷹市国民健康保険事業特別会計予算
    日程第15 議案第15号 令和2年度三鷹市介護サービス事業特別会計予算
    日程第16 議案第16号 令和2年度三鷹市介護保険事業特別会計予算
    日程第17 議案第17号 令和2年度三鷹市後期高齢者医療特別会計予算
    日程第18 議案第18号 令和2年度三鷹市下水道事業会計予算


◯議長(石井良司君)  この際、日程第13 議案第13号から日程第18 議案第18号までの6件は、いずれも令和2年度予算に関する議案でありますので、一括議題といたします。
                    〔書記朗読〕
 それでは、施政方針並びに提案理由の説明を求めます。市長 河村 孝君。
                〔市長 河村 孝君 登壇〕


◯市長(河村 孝君)  施政方針、令和2年度予算編成に当たって
 令和2年度の一般会計予算及び特別会計予算を提案するに当たりまして、施政方針を申し上げます。
1 はじめに
  新時代「令和」の幕あけを第7代三鷹市長として迎え、間もなく1年が経過しようとしています。これまで、緊急に対応すべき課題については、補正予算の機会等を捉えて施策を推進してきましたが、令和2年度予算は、市長就任後、初めての本格予算の編成となります。
  振り返ってみますと、「平成」という時代は、バブル経済とともに幕をあけ、平成3年度のバブル崩壊後、「失われた30年」とも言われる経済的に停滞する時代となりました。その間、私は、市の職員として、そして、副市長として、三鷹市政に携わってきましたが、経済的な停滞期にあっても三鷹市が輝き続けることができた原動力は、進取の気概をもって「人間のあすへのまち」を創造していこうという市民の皆様の熱い思いでした。
  「令和」という時代を迎えても、将来の不安要素を挙げれば切りがありません。例えば、三鷹市では2038年まで人口増加が続くものと推計していますが、生産年齢人口の減少と老年人口の増加が見込まれており、人口構成が変化していきます。また、住民協議会や町会などにおいても、担い手の高齢化が進んでおり、地域で支え合う仕組みづくりを含めて、あり方を見直すべき時期にあると捉えています。さらに、高度成長期に整備した公共施設は老朽化が進んでおり、時代のニーズにあわせた機能への転換を検討しながらも、安全に利用できる環境を確保するためには、計画的に更新していく必要があります。
  解決すべき課題が山積すると、結論を先送りし、継続していくことに重きを置いた市政運営に陥りやすくなります。しかし、施策を継続するだけでは、まちの輝きは失われ、縮小再生産の悪循環に陥り、気づいたときには、市政運営が立ち行かなくなり、周辺自治体から埋没してしまうのではと強い危機感を抱いています。自治体間競争を勝ち抜くためにも、将来を見据えたビジョンを示し、施策を重点化する中で、積極果敢なまちづくりを進めていきたいと考えています。そして、新たなにぎわいの創造と活性化を通して、市内外の人や事業者が三鷹市に魅力を感じ、興味を持ってまちづくりに参画していただく好循環を生み出し、三鷹のブランド力を高め、さらには、税収増と安定した財政運営へとつなげていきたいと思っています。
  私は、市長就任後から、職員と議論を交わす中で施策を磨き上げ、その方向性を「第4次三鷹市基本計画(第2次改定)」や個別計画に盛り込みました。そして、令和2年度は、施策を具体化した上で、議員各位及び市民の皆様の御理解をいただきながら「決断」し、共感を得て「実行」していく年度とします。
  また、単なる施策の継続を前提とせずに、時代の変化を読み取り、将来のまちづくりを展望する中で、市民サービスのあり方自体を抜本的に見直す大きな転換期を迎えています。私は、この抜本的な変革を伴う、新たな挑戦を「令和の大改革」と位置づけ、きめ細かく地域課題を捉えながら、改革を実行していきたいと考えています。
2 「第4次三鷹市基本計画(第2次改定)」と各個別計画に基づく施策の推進
  市長就任直後の「補正予算編成にあたっての市政運営の基本的な考え方」において、私は、防災都市の構築を大きな柱に位置づけました。そして、昨年の台風第19号の経験を通して、ハード・ソフト両面における防災・減災のまちづくりの重要性を再確認いたしました。
  近年、甚大な被害をもたらす自然災害が相次いでおり、令和元年9月の台風第15号は、千葉県を中心に強風の被害をもたらし、大規模な停電が長期化することとなりました。その1カ月後の台風第19号の際には、気象庁から大雨への警戒と早目の対策が呼びかけられていたため、三鷹市においても、事前に庁内で対応を確認し、一定の態勢を整えて当日を迎えましたが、大雨は想像を超えるものとなりました。
  三鷹市にとって初めて、避難所と自主避難所を開設し、私自身、避難された皆様とお話させていただきました。そして、市民の皆様の命と暮らしを守る市長としての責務の重さとともに、災害時という非日常的な活動を平常時から意識し、災害発生時の迅速な初期活動につなげていくことの重要性を痛感いたしました。そして、多くの教訓を得る中で、課題も浮き彫りになりました。
  そこで、「第4次三鷹市基本計画(第2次改定)」では、各施策を推進していくための基本理念を「市民の暮らしを守り、三鷹の魅力を高める「質の高い防災・減災まちづくり」」とし、全ての施策に防災・減災の横串を通し、「都市再生」と「コミュニティ創生」を中心に事業展開を図っていきます。また、国際連合が掲げる「SDGs」の理念を踏まえた、誰一人として取り残さない持続可能なまちづくりを推進していきたいと考えています。
  まず、「都市再生」では、防災拠点に必要な機能、目標とする機能水準などを「防災都市づくり方針(仮称)」として策定するとともに、「三鷹市地域防災計画」の改定を行い、各防災拠点における機能を見直し、機能連携を強化することで、面的な防災都市づくりを推進します。
  災害時における停電や通信環境の悪化への対応としては、帰宅困難者のスマートフォン充電などを想定した蓄電池を配備します。また、三鷹中央防災公園・元気創造プラザにWiFi環境を整備するほか、駅前WiFiを更新して利便性向上を図るなど、通信伝達手段の多重化を図ります。
  さらに、東京都の想定を踏まえた浸水ハザードマップの作成と全戸配布を行うほか、デジタル技術を活用した防災・減災対策のモデル事業などに取り組みます。
  そして重点的な取り組みとして、三鷹駅南口中央通り東地区再開発事業を推進します。市の表玄関、三鷹の顔となる三鷹駅前が、子どもの笑顔と夢であふれる空間となるように、「子どもの森(仮称)」のイメージコンセプトを基礎として、取り組みを進めます。活性化の拠点となるように、「にぎわい」に寄与する施設機能の検討を進め、地権者等との合意形成を図るとともに、「新三鷹駅前地区再開発基本計画(仮称)」を策定します。
  公共施設の老朽化への対応としては、庁舎の劣化診断などの調査結果を踏まえ、建てかえ・改修の基本的な方針となる「新都市再生ビジョン(仮称)」の策定に取り組みます。学校施設についても、同ビジョンに含める形で長寿命化計画を策定しますが、早急に対応が必要な箇所の改修工事等を先行して実施します。
  また、都市計画制度を活用したまちづくりを積極的に推進します。防災・減災の視点に加え、住環境と商・工・農が調和した良好な都市環境を形成するため、用途地域等の見直しに取り組み、地域特性にあわせたまちづくりを誘導していきます。コミュニティバスについては、交通不便地域の解消とともに、まちの魅力の向上と活性化の視点を加えて、抜本的な見直しに取り組みます。そのほか、「緑と水の公園都市」や防災など、多面的な役割を担う農地を保全していくため、特定生産緑地の指定とともに、学校給食に使用する市内産農産物の購入助成制度を創設するなど、「農のあるまちづくり」を進めます。
  「コミュニティ創生」においては、地域におけるつながりの希薄化が課題となっています。市民の皆様の生の声に耳を傾け、共感を得ながら市政へと反映し、市民本位のまちづくりを進めていくことは、ともに支え合う地域社会の実現のための基礎となります。
  そこで、新たな枠組みとして、市民ボランティアで構成する「参加と協働支援チーム」を設置し、若手職員を中心とした市職員も参加しながら、地域の課題発見と解決を主体的・日常的に図っていく、参加と協働のまちづくりの取り組みを進めていきます。住民協議会や町会などの地域に出向き、エリアやテーマごとのワークショップ、まち歩きを開催するなど、市民の皆様とともに考え、汗を流すことで、まちの魅力発見と同時に、地域課題の解決を図っていきます。また、三鷹ネットワーク大学において、ソーシャルメディアでの市民意見等を活用した参加と協働の手法のほか、ボランティアの継続的な活動を支援する「ボランティア・ポイント制度(仮称)」の研究など、支援策の調査研究に取り組みます。
  子ども・子育て支援や高齢者支援施策の分野では、人材の確保と育成が重要な課題となっています。三鷹市に魅力を感じ、生きがいを持って従事していただく環境整備が重要となることから、保育士等キャリアアップや宿舎借り上げ助成の対象を拡充するほか、介護職員の研修費補助の範囲を拡大するなど、処遇改善やキャリア形成への支援などを行います。また、令和2年3月に閉鎖となる旧どんぐり山の施設については、在宅医療・介護連携のモデル施設とともに、福祉人材育成の拠点となるような利活用に向けて、民間活力の導入も視野に入れながら調査研究を進めていきます。
  学校教育の分野では、コミュニティ・スクールを基盤とした小・中一貫教育を推進する中で、保護者や地域で活動されている皆様の参画を得て、地域の力を生かした創意工夫と特色ある学校運営に努めてきました。この取り組みの成果をさらに発展的に展開していくため、令和2年度から全学園に「スクール・コミュニティ推進員」を配置するなど、「スクール・コミュニティ」として、学校を核としたコミュニティづくりに取り組んでいきます。
  また、個別最適化された学びの実現に向けて調査研究を行うとともに、市独自の学力・学習状況調査を実施し、経年変化等を把握することで、指導方法の工夫改善を図ります。なお、快適な教育環境の整備として、令和3年度までに学校体育館の空調設備の整備を完了するよう、計画的に取り組みます。
  さらに、災害時におけるコミュニティのあり方や新たなコミュニティの仕組みづくりについて研究を行うほか、「産後ケア事業」に宿泊型を追加し、家族等からの十分な支援を受けられない方へのサービスを拡充します。そのほか、引き続き地域ケアネットワークの活動への支援を行うなど、ともに支え合う地域社会の実現に向けた取り組みを進めます。
  また、待機児童の解消は、市長就任直後から緊急対応方針を策定するなど、スピード感を持って取り組んできた施策の1つです。
  令和2年度は、私立認可保育園1園の開設を支援し、定員拡充を図りますが、将来的には児童数の減少が見込まれていることも踏まえ、従来型の開設支援に加えて、多様な施策を組み合わせて、令和3年4月の待機児童解消を目指します。
  特に、ゼロから2歳の待機児童の解消が課題となっていることから、一定の待機児童枠を設定することも可能な東京都の「定期利用保育事業」を行う事業者への支援を新たに行います。また、認証保育所の定員にあきが生じていることなどから、認可保育園の保育料以下の負担となるように、所得区分に応じた助成制度に再構築し、認可外保育施設を利用しやすい環境を整備するなど、さまざまな創意工夫を図りながら早急な対応を進めることとしました。
  また、学童保育所についても、地域的に待機児童が生じていますので、緊急整備方針に基づき、むらさき子どもひろばの一室を機能転換するほか、日本無線株式会社三鷹製作所跡地の開発事業における建物の一区画に、下連雀こでまり学童保育所を開設するなど、令和2年4月から定員拡充を図ります。また、民間賃貸物件を活用し、三小学童保育所を新たに整備するほか、今後の利用ニーズの推移を見据え、学校施設等への配置など多角的な視点から検討を進めます。
  そのほか、特に重点を置いた施策について、その内容を申し上げます。
  1点目は、市制施行70周年事業についてです。令和2年11月3日に市制施行70年の節目を迎えます。「新時代への飛躍〜輝く三鷹の未来に向けて〜」をテーマに、新時代の三鷹のブランド力向上を目指し、多様な周年事業を実施します。11月の記念式典に加えて、同時期に周年を迎える三鷹商工会、JA東京むさし、JR三鷹駅、小田急バス株式会社とともに、三鷹駅周辺で「ふるさと三鷹周年祭」としてイベントを開催するほか、市民の皆様に70周年を実感していただくためのプロモーション活動、年間を通したイベント等での冠事業の実施など、70周年を盛り上げ、今後のまちづくりに向けた機運を高めていく契機としていきます。
  2点目は、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の開催による感動体験の創出とレガシーの創造です。1964年以来2回目の東京開催となりますが、多くの市民の皆様にとって、得がたい貴重な機会になるものと思います。市内を走る聖火リレーや各種競技の観戦による感動が記憶に刻まれ、人生に勇気と希望を与えるものと確信しています。特に、子どもたちにとっては、一生の思い出となることから、この世界的なイベントを市全体で盛り上げ、記憶に残るすばらしい大会となるように取り組みを進めていきたいと思います。
  さらに、令和2年は、戦後75年の節目の年となります。平和への願いを次世代に継承するため、平和資料コーナーを拡充するほか、仙川公園の名称を平和への願いを込めた名称に変更するなど、平和施策を拡充します。また、三鷹中央防災公園・元気創造プラザについては、市民参加を図りながら、課題を検証し、さらなる魅力向上につなげていくため、「総点検市民会議(仮称)」を設置します。
  複数の自治体で住民情報システムを共同利用する自治体クラウドの導入については、令和3年度の稼働に向けて、システム構築に取り組みます。休日診療所・休日調剤薬局等の一体的整備については、関係機関と連携・調整しながら、旧総合保健センター跡地に各機能を集約する暫定施設の整備に着手します。また、受動喫煙防止の取り組みとしては、喫煙する人としない人が共存できるようなマナーやルールに関する条例の制定に向けた検討を進めるとともに、三鷹駅南口「緑の小ひろば」への喫煙所の設置に向けて、関係機関と連携しながら設計を行います。なお、令和元年10月の台風第19号により大きな被害を受けた川上郷自然の村については、12月から事業を再開していますが、校外学習施設及び市民レクリエーション施設としての機能を継続していくため、体育館及び多目的広場の復旧対策工事を行い、全面復旧に向けて取り組みます。
3 「都市経営」の視点に立った持続可能な自治体経営の推進
  将来的な人口構成の変化による税収の減少が想定され、さらに、社会保障関連経費の増加傾向が続いており、サービスの量的削減に重きを置いた従来型の行財政改革だけでは、限界があるものと捉えています。そのため、市の資産や民間活力を含めた地域資源を有効活用し、まちの活性化を通して魅力や価値を高め、さらには税収増にもつなげていく「都市経営」の視点を加え、次の5つの視点で行財政改革を推進していくこととしました。
  まず、1点目として、機動的に施策を推進するため組織力の強化を図ります。
  これまで、部や課の統合により職員定数を削減し、スケールメリットを生かした組織運営を行ってきましたが、規模が大きいために業務が非効率になる課題も生じています。社会経済情勢が変化しニーズが多様化する中で、機動性を持って諸課題に対応する組織体制へと転換していく必要があり、規模を適正化しながら課や係を新設することとしました。
  これまで係で行ってきた業務を独立させ、広報メディア課、労働安全衛生課、都市農業課、都市交通課とします。また、高齢者人口や業務量の増加を見据え、介護保険に関する事務を高齢者支援課から分離し、介護保険課とするなど、目的意識を明確にしながら、地域の特性を生かしたまちづくりやきめ細かなサービスを提供するための推進体制を整備します。
  また、多様化、複雑化する諸課題に的確かつ迅速に対応するため、法的な資格を有する職員として特定任期付職員を新たに配置するなど、組織力の強化を図ります。
  2点目は、働き方改革と職員定数の適正な管理の推進です。
  令和元年度に策定する「次世代育成支援対策推進法及び女性活躍推進法に基づく三鷹市特定事業主行動計画(後期計画)」に基づき、性別にかかわらず育児または介護と仕事との両立を実現するなど、職員が働きやすい環境づくりに率先して取り組みます。学校における働き方改革としては、部活動指導員や副校長業務支援員を増配置するなど、教員の負担を軽減し、学校教育の質の向上を図ります。
  また、学校給食調理業務とリサイクル市民工房の運営業務について、サービスの質を維持しながら委託化を行い、職員配置を見直します。その一方で、事業の新規・拡充に係る職員配置を行うなど、職員定数の適正な管理を進めます。なお、令和2年度から会計年度任用職員制度を導入し、非常勤特別職職員との職務を整理したうえで、任用、勤務条件等を明確にするなど制度の趣旨に沿った運用に努めていきます。
  3点目は、デジタル技術等を活用した業務の効率化と利便性の向上です。
  AI(人工知能)やRPA(ロボットによる業務の自動化)などの先進技術を活用し、手書きの申請書類等を電子データに変換して入力業務を自動化するなど、業務の効率化を図ります。また、令和元年度から「ごみ分別案内サービス」で実施しているAIを活用した問い合わせ自動応答システムを拡充し、新たなサービスを追加して実施します。さらに、将来的な人口減少に伴う窓口業務のあり方などを見据え、事務負担の最適化を図る中で、行政サービスの利便性向上を図ります。
  4点目は、行政サービスの適正化に向けた再点検です。
  予算編成を通して、事業に要する経費とサービス水準を検証し、質と量の再点検を行いました。多言語自動翻訳ソフトを活用し、「広報みたか」を10言語で電子配信するなど、頻度と鮮度の高い情報提供を拡充して実施する一方で、従来の英語版広報紙を廃止します。
  また、訪問介護等利用者助成については、公費による低所得者の介護保険料軽減措置が拡充されてきており、被保険者の負担の公平性を確保する観点から廃止することとしました。
  5点目は、受益と負担の適正化の推進です。
  受益と負担の適正化は、自治体経営の根幹となる考え方で、これまでも定期的に対象事業費と使用料収入とのバランスについて検証を行ってきました。令和元年10月から消費税率が引き上げられたため、改めて使用料及び手数料等全般について検証を行いました。
  検証の結果、おおむね均衡が図られていることを確認しましたが、学童保育所育成料については、待機児童解消を進める中で、指定管理料が増加傾向にあるため、令和3年度からの見直しに向けた検討を行っていきます。なお、国民健康保険税については、一般会計からの多額の法定外繰り入れによる支援を行わざるを得ない厳しい財政状況が続いていることから、低所得者の負担に十分配慮しながら国民健康保険運営協議会の審議を経て、改定を行うこととしました。
  以上、5つの視点で行財政改革を進めていきますが、持続可能な自治体経営には、強固な財政基盤の構築が不可欠となります。
  地方財政を取り巻く課題としては、ふるさと納税の影響の拡大による減収があります。令和2年度は8億円を超える規模の減収と見込んでおり、市政運営に支障が生じるレベルにまで達しています。普通交付税不交付団体の三鷹市は減収分が補填されないため、財政運営を直撃する大きな課題となっています。そこで、クラウドファンディングを実施し、事業の趣旨に賛同をいただきながら広く財源確保を呼びかけるほか、新たにふるさと納税への返礼を開始し、市の魅力を幅広く発信しながら、多くの寄附をいただけるような取り組みを進めていきます。
  また、令和元年10月からの消費税率の引き上げにあわせて、法人市民税法人税割の一部国税化が拡大され、令和2年度から減収の影響が顕在化し、令和3年度には平年度化して減収が拡大します。今回の一部国税化に伴う減収分については、普通交付税の交付・不交付を問わず、東京都からの法人事業税交付金で一部補填されることになりました。不交付団体を狙い撃ちしたかのような措置が回避されたことは評価するものの、国と地方の役割分担に応じた財源配分と総体としての地方財源の充実こそが、真の地方分権に資するものであり、引き続き、東京都市長会を中心に要望活動を行っていきます。
  さらに、国や東京都の補助金を積極的に活用し、市の施策に合致した取り組みを進めます。令和元年に拡充された東京都の認可外保育施設利用支援事業補助金を活用して、認可外保育施設利用助成を所得区分に応じた助成へと再構築するなど、待機児童解消の取り組みを進めることとしました。なお、学校施設の空調設備やトイレ改修については、国の補正予算を含めた学校施設環境改善交付金の活用に向けて、令和元年度3月補正予算に計上し、令和2年度に繰り越して実施することとしています。
  持続可能な自治体経営を進めていく上で必須となる財政基盤の構築に向けては、市債の借り入れの抑制とともに、基金残高を確保することとしました。市債については、借入額を抑制する中で、世代間負担の公平性を確保する観点から、都市再生や公共施設の予防保全の財源として活用を図ります。なお、公債費については、今後も減少傾向が続くものと推計しています。また、基金については、残高を確保しながら、令和元年度に創設・再編した基金の趣旨を踏まえた活用を図ります。子ども・子育て支援や学校教育の分野においては、待機児童解消や学校における個別最適化された学びの実現に向けた取り組み、さらに、障がい、高齢、健康施策においては、介護人材の確保支援や産後ケア事業の拡充などに有効に活用します。
  なお、「第5次三鷹市基本計画」の計画期間内に三鷹駅南口再開発、環境センター跡地の利活用、ふじみ衛生組合リサイクルセンターの更新、公共施設の長寿命化などの事業が本格化し、多額の経費を要することが想定されています。そのため、市債の借り入れと基金の取り崩しを抑制するとともに、当初予算において、まちづくり施設整備基金の元金積み立てを計上するなど、将来の財政負担を見据えた計画的な財源確保を図ることとしました。
4 令和2年度予算の財政的特徴点
  このような観点から編成した令和2年度の予算規模は、一般会計が721億8,447万6,000円で、前年度と比較して32億867万4,000円、4.7%の増となります。
  令和2年4月に私立認可保育園3園が開設するほか、令和3年4月の新規開設1園への整備費補助を行うなど、待機児童解消の取り組みを進めるとともに、令和元年10月からの幼児教育・保育の無償化の影響が平年度化することなどから、予算規模は過去最大となります。
  市政運営の根幹となる市税収入は382億8,117万円で、前年度比2億2,167万3,000円、0.6%の増を見込んでいます。また、令和元年10月からの消費税率の引き上げにより、地方消費税交付金が増となるなど、市税及び各種交付金を含めた一般財源総額は、前年度を大幅に上回ることになりました。
  基金の取り崩しは12億4,352万2,000円で、前年度比6億6,519万3,000円、34.9%の減、市債の発行予定額は12億1,530万円で、前年度比3億3,240万円、21.5%の減となっており、市債依存度は1.7%となりました。
  特別会計全体の予算規模は368億8,117万9,000円で、前年度と比較して29億9,870万2,000円、7.5%の減となります。これは、国民健康保険事業特別会計及び介護保険事業特別会計における保険給付費が増となるものの、下水道事業特別会計が公営企業会計へ移行するため、特別会計が廃止されることなどが要因です。その一方で、地方公営企業法の一部を適用した新たな会計「下水道事業会計」を新設しました。
 以上が、令和2年度を迎えるに当たっての施政方針及び予算概要となります。議員各位及び市民の皆様の御理解と御協力をいただきながら、「令和の大改革」を断行し、子どもたちの笑顔が輝き、生き生きとしたまちとしてさらなる活性化が図られるように、「明日のまち・三鷹」の創造に向けて、誠心誠意、努力していきたいと考えています。
 議員各位におかれましては、令和2年度予算につきまして、どうぞよろしく御審議を賜りますようにお願い申し上げます。
 令和2年2月
                               三鷹市長 河 村   孝


◯議長(石井良司君)  次に、補足説明を求めます。


◯財政課長(石坂和也君)  それでは、引き続き、令和2年度予算について、会計別に計数面を中心とした補足説明をさせていただきます。お手元の施政方針予算概要の30、31ページをお開きください。
 まず初めに、一般会計予算についてです。(表7)によりまして、歳入予算の特徴点から申し上げます。
 第1款 市税は、前年度比0.6%増の382億8,117万円です。これは個人市民税がふるさと納税の影響などにより減となるものの、固定資産税・都市計画税が家屋の新・増築などにより増となることなどによるものです。
 第6款 法人事業税交付金は、1億7,446万1,000円を新たに計上するもので、令和元年10月の消費税率の引き上げに合わせて、税源の偏在是正等を図るため、東京都の法人事業税の一定割合が交付されることとなりました。
 第7款 地方消費税交付金は、前年度比34.2%増の41億6,293万3,000円で、令和元年10月の消費税率の引き上げなどにより増となるものです。
 第13款 分担金及び負担金は、前年度比53.8%減の5億1,460万9,000円で、令和元年10月から、幼児教育・保育の無償化に伴い、保育所保育料負担金が減となるものです。
 第15款 国庫支出金は、前年度比10.7%増の120億8,586万7,000円、第16款 都支出金は、前年度比18.4%増の99億7,623万3,000円です。これは令和元年10月からの幼児教育・保育の無償化に伴い、施設型給付費負担金などが増となるものです。
 第17款 財産収入は、前年度比980.6%増の5億2,962万3,000円です。これは中原三丁目公共用地について、令和元年度に売却する予定でしたが、良好な環境の創出と財源確保の観点から、プロポーザル方式により、令和2年度に売却することとしたため、増となるものです。
 第19款 繰入金は、前年度比34.9%減の12億4,352万3,000円で、今後本格化する都市再生を見据え、まちづくり施設整備基金の取り崩しを行わないことから減となります。
 第22款 市債は、前年度比21.5%減の12億1,530万円です。これは和洋弓場整備や中仙川改修工事の完了に伴う、同事業債の減などによるものです。
 続きまして、39ページをごらんください。(表11)によりまして、歳出予算の特徴点を申し上げます。
 第2款 総務費は、前年度比8.6%増の91億6,657万8,000円です。これは自治体クラウドの導入に向けたシステム構築業務のほか、まちづくり施設整備基金への積み立てを行うことなどによるものです。
 第3款 民生費は、前年度比4.3%増の370億1,539万7,000円です。これは私立認可保育園の整備や3園の新規開設、認可外保育施設の利用助成事業などの待機児童対策に係る経費が増となることなどによるものです。
 第8款 土木費は、前年度比9.6%増の61億5,116万6,000円です。これは三鷹台駅前広場と都市計画道路3・4・13号の整備に向けた用地取得費の増などによるものです。
 第10款 教育費は、前年度比5.9%増の83億153万6,000円です。これは幼児教育・保育の無償化による幼稚園への給付費等が増となるほか、旧第二体育館解体工事費の計上などによるものです。
 続きまして、特別会計予算について申し上げます。134ページをごらんください。国民健康保険事業特別会計です。
 (表15)のとおり、予算規模は180億2,091万4,000円で、前年度比4億6,600万円余、2.7%の増となります。下の表、歳出では、第2款 保険給付費が、1人当たりの医療費の伸びを反映して増となっています。
 第3款 国民健康保険事業費納付金は、東京都全体の療養給付費などを反映して増となっています。
 上の表、歳入では、第1款 国民健康保険税が、保険税の改定により増となっています。
 第4款 都支出金は、歳出の保険給付費に連動して増となっています。
 また、第5款 繰入金は前年度比1億2,800万円余、4.8%の減となります。
 136ページをごらんください。介護サービス事業特別会計です。
 (表16)のとおり、予算規模は6億5,665万9,000円で、前年度比2億4,500万円余、27.2%の減となります。
 歳出では、第1款 介護サービス事業費が減となるとともに、歳入では、第1款 介護サービス収入などが減となっています。これは特別養護老人ホームどんぐり山の令和元年度末の廃止などを反映したものです。
 第3款 繰入金は、前年度比1億500万円余、45.0%の減となります。
 139ページをごらんください。介護保険事業特別会計です。
 (表17)のとおり、予算規模は137億9,302万4,000円で、前年度比6億9,900万円余、5.3%の増となります。
 歳出では、第2款 保険給付費が、サービス利用者数を反映して増となっています。
 これに連動して、歳入の第2款 国庫支出金、第3款 支払基金交付金、第4款 都支出金についても増を見込んでいます。
 第1款 保険料は、低所得者の軽減措置の拡充等により減となっています。
 また、第6款 繰入金のうち、一般会計繰入金は前年度比1億4,700万円余、7.4%の増、基金繰入金は前年度比1億5,400万円余、89.8%の増となります。
 141ページをごらんください。後期高齢者医療特別会計です。
 (表18)のとおり、予算規模は44億1,058万2,000円で、前年度比1億4,400万円余、3.4%の増となります。
 歳出では、第2款 広域連合納付金が増となっています。これは長寿化の進展による被保険者数の伸びを反映して、東京都後期高齢者医療広域連合への納付金が増となるものです。
 歳入では、第1款 後期高齢者医療保険料が、保険料の改定や被保険者数の伸びなどを反映して増となっています。
 また、第3款 繰入金は前年度比2,600万円余、1.5%の増となります。
 144ページをごらんください。下水道事業会計となります。
 下水道事業については、令和2年4月から地方公営企業法の一部を適用し、企業会計方式へと移行します。(表20)のとおり、経常的な営業収支である1の収益的収入及び支出は、収益が35億6,200万円余、費用が34億5,900万円余、差し引き1億200万円余の純利益となっています。
 建設改良等に関する収支である2の資本的収入及び支出は、収入が13億2,100万円余、支出が19億7,100万円余となっており、差し引きが6億4,900万円の不足となっており、不足額については、当年度分損益勘定留保資金等で補填いたします。
 一般会計からの負担金・補助金の合計は12億9,500万円余で、会計基準は異なりますが、前年度と比較すると、5,700万円余の減となっております。
 令和2年度予算に関する補足説明は以上のとおりです。


◯議長(石井良司君)  以上で施政方針並びに提案理由の説明は終わりました。
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◯議長(石井良司君)  この際、市長から発言を求められておりますので、これを許します。市長 河村 孝君。
                〔市長 河村 孝君 登壇〕


◯市長(河村 孝君)  御発言の機会をいただき、ありがとうございます。
 昨日、令和2年2月27日に開催された政府の第15回新型コロナウイルス感染症対策本部において、安倍首相のほうから、全国全ての小学校、中学校、高校、特別支援学校で、3月2日から春休みまで、臨時休校を行ってほしい旨の要請がございました。その件について、市の考え方を含め、説明をさせていただきたいというふうに思います。
 三鷹市といたしましても、児童・生徒を初め、市民の皆様の健康と安全を何よりも最優先し、さらなる感染拡大を防止するため、来週から、3月2日から、春季休業までの期間について、全ての三鷹市立小・中学校22校を臨時休校することといたしました。ただし一方で、保護者の皆さんの都合により、自宅等で過ごすことが困難な小学校の児童の安全確保のため、現時点では、学童保育所は従来どおり開設することとし、必要な対応を行うことといたしました。また、小・中学校の教育支援学級についても、受け入れの態勢を整えることといたしております。教育委員会との連携をしっかりと図りながら、全庁を挙げて、できる限りの対応をいたしたいと考えています。
 なお、保育園につきましても、市民生活に及ぼす影響が多大であるということを鑑み、臨時休園等の対応は行わず、通常の運営を行っていく考えでございます。議員各位、また市民の皆様におかれましても、今般の国難とも言える状況を踏まえ、市民の皆様の健康と安全を第一とした、この緊急対応につきまして、御理解と御協力をお願いしたいというふうに考えております。よろしくお願いします。
 ありがとうございました。


◯議長(石井良司君)  以上で市長の発言を終わります。
    ──────────────────────────────────────


◯議長(石井良司君)  本日はこれをもって延会いたします。
 なお、次回の本会議は3月4日午前9時30分に開きます。文書による通知はいたしませんから、さよう御了承願います。御苦労さまでございました。
                  午前11時25分 延会