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平成20年第1回定例会(第1号)本文

                午前9時29分 開会
◯議長(石井良司君)  おはようございます。ただいまから平成20年第1回三鷹市議会定例会を開会いたします。
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◯議長(石井良司君)  これより本日の会議を開きます。
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◯議長(石井良司君)  日程はお手元に配付したとおりでございます。
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◯議長(石井良司君)  この際、議会運営委員長より報告願います。
 3番 川原純子さん、登壇願います。
                〔3番 川原純子さん 登壇〕


◯3番(川原純子さん)  おはようございます。議会運営委員会の協議結果を報告いたします。
 2月25日の議会運営委員会において、議長より諮問を受けた会期の設定案及び会期内審議日程案等について協議いたしました結果、次のとおり決定いたしましたので、報告いたします。
 今次定例会の会期については、諸種の状況を勘案し、2月28日から3月31日までの33日間と設定することが妥当であるという意見の一致を見ました。
 さらに、会期内審議日程については、御配付のとおりの日程を審議目標として努力することを確認いたしましたので、ごらんいただきたいと思います。
 以上、本委員会に諮問された事項の協議結果を報告いたします。よろしくお願いいたします。


◯議長(石井良司君)  議会運営委員長の報告は以上のとおりであります。御協力のほどよろしくお願いいたします。
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◯議長(石井良司君)  会期についてお諮りいたします。
 ただいま議会運営委員長より報告がありましたとおり、今次定例会の会期は、本日2月28日から3月31日までの33日間といたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
                (「異議なし」と呼ぶ者あり)
 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。
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◯議長(石井良司君)  次に、会議録署名議員を定めます。
 本件は、会議規則第80条の規定に基づき、議長において指名いたします。
 10番 中村  洋君
 11番 高谷真一朗君
にお願いいたします。
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◯議長(石井良司君)  次に、事務局長より事務報告をいたさせます。


◯議会事務局長(武田秀己君)  おはようございます。報告事項は1点、議員の派遣についてであります。
 三鷹市議会会議規則第157条第1項ただし書きの規定に基づき、お手元に配付の報告書のとおり議員を派遣したので、御報告いたします。
 報告は以上でございます。


◯議長(石井良司君)  以上をもって事務報告を終わります。
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◯議長(石井良司君)  この際、議事の都合によりしばらく休憩いたします。
                午前9時33分 休憩



                午前10時00分 再開
◯議長(石井良司君)  それでは、休憩前に引き続き、会議を再開いたします。
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    日程第1 市政に関する一般質問


◯議長(石井良司君)  これより日程に入ります。
 日程第1 市政に関する一般質問、本件を議題といたします。
 これより順次発言を許します。
 26番 栗原健治君、登壇願います。
                〔26番 栗原健治君 登壇〕


◯26番(栗原健治君)  おはようございます。よろしくお願いいたします。
 若者就労支援策について質問します。貧困と格差の広がりが日本の大きな社会問題になっています。労働法制の規制緩和が進む中で、正規雇用が非正規雇用に置きかえられ、非正規雇用で働く人は3人に1人、低賃金で実質無権利の状態で仕事をする労働者が拡大しています。働いても働いても日々の生活もままならない、生活保護水準にも達しないワーキングプアと呼ばれる世帯数は、400万とも500万とも言われています。年収200万円以下の労働者は1,023万人、22.8%に上り、若者の多数がこうした低賃金に苦しんでいます。親には迷惑はかけられないが、自立のできる安定した正規の仕事につこうとしても、狭き門で難しい。就職はできたけど、派遣会社という話を聞きました。派遣やパート、アルバイトで生計を立てなければならない状況が広がっていることは深刻な問題だと思います。パート、アルバイトをかけ持ちしているという方も少なくありません。また、仕事につくことができても、厳しい労働条件のもと、いつまで続けられるか不安という30代の若者、自分もテレビのように、仕事がなくなればホームレスになっても不思議でないという若者、身も心もぼろぼろ、精神的にも追い込まれ、体調を崩して仕事が続けられなくなってしまった若者の相談も受けました。当然ながら、収入が少ないため将来設計も立てられない。また、経済的、精神的にゆとりがなく、結婚や子どもを持つことも考えることができない厳しい状況が生まれています。
 さらに深刻なのは、過度な競争教育や勝ち組、負け組をふるい分ける弱肉強食の競争社会が若者を追い込んでいます。少なくない若者が社会とのかかわり合いをうまく持てず、社会に一歩踏み込めずに思い悩んでいます。日本の将来を担っていく若者の現状です。
 三鷹市の若者も例外ではありません。さまざまな困難から厳しい状況に置かれているこのような若者を「ニート」や「フリーター」と呼び、若者の現状を本人の意識の問題として自己責任論を押しつける風潮があります。しかし、青年の意識の問題でもなければ自己責任でもありません。日本社会の構造的な問題、政治の問題です。今、若者に対する就職支援は、企業と求職者のマッチング事業、職業紹介や面接でのテクニックなどハウツーに加え、若者が社会人として社会にかかわっていく社会参画のための若者の自立支援としての取り組みが必要になっていると考えます。
 三鷹市には、2007年5月から、厚生労働省の事業である若者サポートステーションが行われています。全国50カ所、東京では3カ所のうちの1つで、若者の就労支援の点からも貴重な事業だと考えます。この若者ステーションは、三鷹市と連携して実施している事業と聞いていますが、この取り組みは、三鷹市だけでなく、近隣の若者にとっても大変重要な事業だと考えます。さまざまな悩み、困難に直面している若者のサポートを行う上で、地域との接点を持っている身近な自治体の三鷹市としての役割、取り組みは、この若者サポートでは特に大切だと考えます。また、大きな力を発揮できると考えます。
 この質問をするに当たり、私が若者サポートステーションを訪ねたところ、若者の深刻な現状や市への要望など、いろいろ話していただきました。引きこもりなど、社会参加から取り残されている若者が生まれていること、その状況が表にはなかなか見えてこないこと、どこに相談に行けばいいのかわからず悩んでいる家庭、家族、青年がいること、不登校の生徒や生活保護世帯の子どもたちが、自立できずに引きこもりやニートになり、貧困、格差、生活保護世帯の再生産が始まろうとしていること、就職支援というと生活経済課になると思いますが、引きこもりなど多様な問題が絡んでくる若者の実態と、その支援策から見ると、各課をまたがる総合的な対応が必要になってきていること、若者世代の問題を総合的に考え、取り組むためのハローワークや、ジョブカフェなど、就職支援機関、医療機関や福祉機関、行政機関、学校やNPOなど支援団体などの協議機関がないこと、信頼のある公の行政機関に若者の相談にワンストップで答える相談窓口がないこと、若者の自立を支援するNPOがほとんどないこと、この若者サポートステーションとその事業が、まだ多くの人たちに知られていないこと、気軽に立ち寄れる場所にサポートステーションがないことなどなどです。
 ここで質問します。1、三鷹市の若者就労支援、自立支援の考え方について、市長の御所見をお伺いします。
 2つ目に、今の若者の雇用、就労状況の把握と認識について、市長の御所見をお伺いします。ぜひ三鷹の若い世代の実態調査の実施を要望したいと思いますが、いかがですか。
 三鷹の地元で、三鷹市と連携して実施されている若者サポートステーションについて質問します。この若者サポートステーションの事業はとても重要と考えますが、三鷹市として支援していることは何があるか、お聞かせください。三鷹市として、連携して取り組んでいることがありましたら、教えていただきたいと思います。
 2、三鷹市として支援、協力についての市の対応と考え方について教えてください。
 若者の直面している多様な状況から、この若者の就労支援をするためには、若者の悩みや困難に総合的に取り組むことが必要だと考えます。教育委員会などとの連携も重要と考えます。教育委員会との連携の可能性とキャリア教育の必要性についてお尋ねします。また、三鷹市がイニシアチブをとり、若者に関係する関係諸機関、団体による若者問題に総合的に取り組む協議機関、集まりをぜひつくっていただきたいと思いますが、いかがですか。市長、お答えください。
 次に、母子家庭自立支援事業についてお尋ねをします。
 格差社会が進む中で、母子家庭では、経済的に厳しい立場に置かれながら、一生懸命働きながら子育てをして自立しようとしています。母子家庭の経済的な自立のために、厚生労働省は母子家庭自立支援事業を行っています。そのうちの1つに母子家庭高等技能訓練促進費の制度があります。三鷹市でもぜひ取り組んでほしいという声が寄せられました。資格を取って働き、経済的に自立をしたいという積極的な市民の方の声です。
 ここで母子家庭自立支援についてお尋ねをします。
 1つ目に、母子家庭に対する自立支援の市の考え方について、市長の御所見をお答えください。
 母子家庭自立支援給付金事業についてお聞きします。母子家庭高等技能訓練促進費の制度は、子育てをしながら経済的に自立しようとしている人にとって、大変重要な支援となる制度だと考えます。自立を目指す母子家庭の市民にとって有意義で必要な制度と考えますが、市長の認識をお尋ねします。
 3つ目に、高齢者無料入浴サービスについてお尋ねします。
 高齢者の健康と触れ合いの機会提供のために行われているのが高齢者無料入浴サービスですが、中原にお住まいの方から声が寄せられました。無料入浴券は大変ありがたく利用させていただいているのだけれど、利用できる銭湯が遠くになってしまい困っていますという話です。新川、中原、北野地域には銭湯がありません。昨年、下連雀七丁目の志乃夫湯もなくなり、現在、市内銭湯は5カ所だけです。場所も、西部と三鷹駅前と北東部の牟礼で、地域的に偏りが生まれています。銭湯が近所にない中で、調布の銭湯でも使えるとありがたいという声も寄せられました。少しでも近いところで高齢者無料入浴サービスが受けられるよう、お隣の自治体との協力ができないでしょうか。
 ここで高齢者無料入浴サービスの改善について質問します。
 1つ目に、市内銭湯が減少する中、利用者のため少しでも近い銭湯が利用できるよう、近隣自治体の銭湯でも利用できるよう他市との協働ができないでしょうか、お尋ねをします。御答弁よろしくお願いいたします。
                〔市長 清原慶子さん 登壇〕


◯市長(清原慶子さん)  皆様おはようございます。平成20年(2008年)第1回三鷹市議会定例会の最初の御質問に答弁をいたします。
 若者就労支援策について御質問いただきました。三鷹市の若者の就労状況については、若年層への就労支援そのものが市全体の活性化にもつながる重要な施策と考えています。三鷹市では、これまで関係機関と連携して、就職面接会やニート、フリーター対策を含む就職支援セミナー等の事業を積極的に展開をしてまいりましたが、今後もそれを継続していくつもりです。
 御意見をいただきました若者の実態調査の予定はございませんが、統計調査の活用により、若者の就労状況の把握に努めています。平成17年の国勢調査のデータでございますが、就業者数と完全失業者数を使って失業率を出しますと、15歳から34歳の若年層の失業率は、他の層に比べて高くなっておりまして、6.4%でございます。東京都平均より約1%、全国平均より約2%低い状況ではございますが、これらの認識を持っているところです。
 さて、地域若者サポートステーションについてでございますが、平成18年度末に当該NPO団体が厚生労働省の企画競争入札に参加する際に、三鷹市はその要件である団体推薦を行うとともに、都の同意を得るための協力を行いました。地域サポートステーション事業の目的は、就労等によるニート等の若者の自立支援ということであり、三鷹市も共有できるものでございます。そこで、当該団体と積極的に情報交換を行い、職場体験のための事業所の紹介など、可能な限り事業に協力するとともに、教育委員会との連携も検討したいと考えております。
 続きまして、母子家庭自立支援について御質問をいただきました。
 母子家庭等自立支援につきましては、平成14年に母子及び寡婦福祉法が改正され、自立と就労に主眼が置かれて以来、市では子育て・生活支援策、就業支援策、経済的支援策、そして養育費の確保という観点からの総合的な自立支援策を展開しており、その事業実績も着実に積み重ねられているところです。今後は、児童扶養手当の一部支給停止措置等の影響も勘案し、早期の就労と自立につながる、より効果的な母子家庭への支援策が必要であると考えます。また、市としましても、昨年秋に母子支援施設の建てかえについても重い決断をしたところです。国が提案する母子家庭等自立支援対策を受けとめつつ、基礎自治体としての役割を果たしていきたいと考えています。
 母子家庭自立支援給付事業につきましては、母子家庭高等技能訓練促進費事業の見直しにより、入学時におけるインセンティブとしての入学金の負担を考慮した額を、一時金として修了後に支給する入学支援修了一時金が創設されたことで、対象資格である看護師、介護福祉士、保育士、理学療法士、作業療法士等の専門性の高い資格取得希望者の増加と自立促進につながることを期待しています。
 市では、現在、この事業は実施しておりませんが、実施中の母子家庭自立支援教育訓練給付金事業の運用とあわせまして、導入に向けた検討もしていきたいと考えております。私からは以上です。


◯教育委員会事務局教育部長・調整担当部長(岩下政樹君)  教育委員会との連携の可能性とキャリア教育の必要性についてお答えをしたいと思います。
 当該団体の活動状況を見ますと、社会参画に向けて若者の自立を目指していくということが中心になろうかと思います。教育委員会としましては、この連携につきましては、教師を志望している若者の相談を受けることや、教師としての熱意や意欲がある若者を小・中学校の教育活動の補助を行うボランティアとして活動していただくというようなことが考えられるというふうに考えております。今後、児童・生徒が将来に向けて夢を持ち、その実現に向けた生き方指導、進路指導の一層の充実を図る中で、若者サポートステーションとの連携の可能性について検討してまいりたいというふうに考えております。
 次に、キャリア教育の必要性についてですが、将来の社会を担う子どもたちの自立に向けて、社会参加や社会貢献を促す教育を一層充実させることが必要というふうに考えております。また、子どもたち一人一人が、将来社会人、職業人として自立していくためにも、小学校で実施されている職場訪問でありますとか、各中学校で実施している職場体験活動など、キャリア教育を推進していく必要性があるというふうに考えております。
 教育委員会としましては、中学校における職場体験活動をより一層充実させていくとともに、小・中一貫カリキュラムの生き方・進路指導におきまして、児童・生徒がみずからの将来を考え、主体的に進路を選択する能力や態度を育てるキャリア教育を今後も推進してまいりたいというふうに考えております。以上です。


◯健康福祉部長(玉木 博君)  高齢者無料入浴サービスについてお答えいたします。
 高齢者無料入浴サービスは、高齢者の健康保持だけでなくて、ひとり暮らし高齢者の引きこもり予防、こういった意味合いも込めた重要な施策だというふうに認識しております。そこで御質問の無料入浴券の他市での利用でございますけれども、利用対象者の意見を十分踏まえながらですね──ただ、この事業が公衆浴場振興策という意味合いも持った事業でございますので、市内の浴場組合ともよく協議する中で、実施の可能性を検討してまいりたいというふうに考えております。


◯26番(栗原健治君)  御答弁ありがとうございます。まず初めに公衆浴場からいきましょうか。
 高齢者の実態に即して検討をしていきたいということで、ぜひお願いしたいというふうに思います。この間の実績をちょっと調べていただいたところですね、1人当たり30枚ずつ配付されるんですね。枚数でいうと18年度は12万枚ほどなんですけれども、その券がどのくらい利用されているのかというのを計算してみたらですね、約23%ほどなんです。平成19年度は、11月までの資料しかなかったんですけれども、それでも計算してみると、やはり23%ぐらいなんです。実際にすべてを使い切るというのはなかなか難しい。使い切れてないという部分がどうしてなのかということの1つの要因に、やっぱり銭湯が減ってきているという問題があると思うんですね。以前は北野にありましたし、新川にも2カ所銭湯があったというふうに思います。やっぱり銭湯がないために困っている方、また、コミセンの無料のおふろもなくなっている中で、やっぱりそういう銭湯事業の重要性というのは高まっているように思います。この点では、ぜひ利用者の声を聞いてですね、そのサービスが向上できるように対応していただきたいというふうに思います。
 高等技能訓練の促進費の件なんですけれども、私に寄せていただいた方は、もう福祉士になった──ヘルパーの資格を取った方なんですけれども、3年目で試験を通らなければならない。試験を通るために一生懸命勉強しなくてはならない。収入も、生活があるから得なければならない。学校に通いながら仕事もして家庭を支えて、その上に将来のために資格を取るための勉強もしっかりしなくちゃいけないということで、本当に睡眠時間を削っての取り組みだったんですね。三鷹市に住んでいて──同じ学校に通っている他市の方は、そういう最後の1年間の支援があると。三鷹市でもそういう制度があれば、自分には間に合わないけれども、自立しようとしている自分みたいな母子家庭の支援にはとても意味があるものじゃないかということで、声が寄せられました。
 この事業に取り組んでいるところは、近隣の自治体でも結構あって、武蔵野市、府中市、小金井市、調布市と、取り組まれています。実績はどうなのかというふうに聞いてみたんですね。そうしたら、2件から3件というところなんですけれども、府中市はですね、5件ほどの利用率になっていて、ほかのやっている自治体よりもちょっと多い取り組みになっているので、どうしてなのか、何か取り組み方がありますかということを聞きましたら、扶養手当だとか、そういう手続の申請の用紙を送るときに、その制度の紹介をしているというお答えがありました。制度をつくっているところの窓口でその制度を紹介しているというだけでは、なかなか数も上がらないみたいですけれども、潜在的に自立していこうというふうに考えている家庭の方は、そういう機会をとらえて積極的に自立しようとしているという点が感じられるものでもありました。御検討をしていただけるということなので、ぜひお願いしたいというふうに思います。
 最後に、若者就労支援なんですけれども、青年の実態調査もまだ今のところ考えてないということですけれども、国勢調査での失業率ということでは6.4%で、全体からいうと一、二%低い水準だけども、やはり若者の失業率というのは、認識としても問題があるものだというふうなお答えだったと思います。私は、失業率だけではなくて、働き方にもやはり問題があって、青年の実態調査が必要だというふうに思います。
 若者の実態なんですけれども、質問の中でも述べましたけれども、若者サポートステーションのNPOのですね、文化学習協働センターの報告の中にもですね、青年の本当に厳しい状況というのが、やはりそこで接しているという点でですね、わかっているものが記されています。ここにあるんですが、若者の状況でですね、ニートと呼ばれる若者への就業教育が社会的課題になっていると。若者の就職的自立を拒んでいるものは、若者の職業観や労働意欲といった若者の意識だけではなく、この間の就職難やパート、フリーターなどが大きな比率を占めてきた労働市場の変化と社会的、構造的背景があると。若者が働こうにも安定した職場が用意されておらず、少し働いては職を失い、また働いては職を失う、いわゆる飛び石フリーターとしての不安定な毎日を送っている若者も少なくないと。「ネットカフェ難民」という言葉がですね、社会的な問題としてもあらわれていることが、ここでも三鷹を拠点にして活動している就労支援の機関からも見えてくるわけです。私はここでですね、どういう取り組みが本当にこれから必要なのかという点で、三鷹市と連携して取り組むというものなのでね、もっと三鷹市の青年のためになるものにしていく必要があると思います。
 この間、サポートステーションでも、市との連携の中でですね、ハローワークですとか、武蔵野にある職業訓練機関との協働でですね、青年の支援の仕方を模索しながら一定の成果を積み上げてきています。そんな中でですね、これからの課題として何が必要なのかということで、その報告の中では、市の窓口や、教育、医療、福祉、雇用をつなげていくサポートステーションをセンターとして、地域の若者サポートのネットワークを築いていくことが課題になっているというふうに言っているんです。
 私はここでですね、サポートステーションというのは、基本的にはハローワークですとか、そういう、ここでも触れられていますけど、職業訓練機関ですとか、または医療だとか福祉機関も、当然、若者サポートにはこんなに課題が山積しているので必要になってきているということを言っているんですね。福祉の点でも、生活保護世帯の中で子弟が、また生活保護で働けない状況に陥りかねない状況があるということが指摘されていて、他市なんですけれども、西東京では生活保護世帯を対象にして、その中で若者支援をするということを、このネットワークですね──サポートステーションの力をかりて対応していこうという動きも今、出てきているんですね。
 私は、今までの1年間──昨年の5月からできたサポートステーションなので、まだ1年なんですけれども、委託の期間というのはたしか2年だったと思います。これからの1年が──これからさらに青年問題はなくなりませんので、どういう取り組みにしていくのか、三鷹市の果たすべき役割というのはすごく重要になっているというふうに思います。ネットワークの機関、協議をする場、共通認識を持ってですね、若者がどういう状況になっているのかというのを明確につかんで、それを生かしていく、支えていくことができるというふうに思うんですが、その点での協働のですね、機関をつくることに対して、お考えをもう一度お伺いしたいと思います。


◯健康福祉部長(玉木 博君)  無料入浴サービスについて再質問いただきましたので、お答えいたします。
 利用率の問題で、18年度、19年度、それぞれ23%と低い数値というお話をいただきましたが、私どもの把握している数値で言いますと、18年度がですね、配付枚数と利用枚数の関係から言いますと68.4%、19年度はですね、4月から11月までの集計でございますけども、44.9%という利用率になっております。いずれにせよ、18年度、19年度を比較しますと、かなり利用率が低下してきているという状況があります。それは、公衆浴場が減ってきているということも1つには原因があるのかなというふうに思いますし、また、三鷹のこの制度はですね、先ほどもお答えしましたけれども、引きこもりを予防していこうということでございますので、おうちにおふろがあったとしても、希望者には配付しているという状況がございます。そういったことから利用率が比較的低めになってきているのかなということも考えているところです。
 いずれにせよ、他市との相互乗り入れにつきましては、公衆浴場組合とも協議の上ですね、実施に向けて検討を進めていきたいというふうに思っております。


◯副市長(河村 孝君)  若者の就業問題についての御質問が再度ございましたが、市長が答弁したとおりですね、この問題は深刻な課題を抱えながら、景気の回復の中で一定の明るい兆しも見えつつありますけれども、基本的には、私ども、これは広域的なですね、課題だろうというふうに考えています。三鷹市でこういった事業を行いましても、三鷹市民の若者だけではなくて、他の自治体からも来ますし、また、三鷹の若い人たちも広域的なところにいろいろ御相談に行ったりしながらですね、行っている実態もあるようでございます。特に就業を求める企業の側というのは、三鷹の中では限定されているわけでありますから、これは基本的には都道府県といった広域的な事業の連携の中で考えられるものでありまして、私どもはそういうことを基本にしながらですね、できる限り連携とか、情報交換とかでは協力を惜しまずにやっていこうということでございますので、これまでのスタンスをですね、きちんと着実に進めていきたいということでございます。


◯26番(栗原健治君)  広域的な課題ということですけれども、じゃ、国がやるのか、青年の実態をどういうふうにつかむのかと言ったときに、やっぱり一番身近な三鷹市の、地域の役割というのは大きいというふうに思います。それを、全体は国が把握するというふうに言えるのかもしれないですけれども、やっぱり若者は地域で生活をしているんですね。そこをつかむのはやっぱり地域でしかあり得ない。NPOの活動というのもそうですけれども、そこのところに三鷹市がバックアップをする。公の機関の一番のありがたいというか、NPOだとか、協働していくときに果たすことのできる役割というのは、信頼関係なんですね。信頼感があるんですよ、公的な機関には。行政機関がその信頼をですね、持ってバックアップしているということによって、より調査活動とか、若者の就労支援もスムーズにできる。この点では、私は地域の青年の問題として、自立支援という観点からも三鷹市が大きな役割をですね、しっかりと支えてですね、果たしていっていただきたい。連携しての取り組みとしての若者サポートステーションということですから、若者サポートステーションからの──懇談などもする中でですね、申し入れなんかもあると思います。そういうことを検討して、若者支援という就労支援につながることは何ができるのかというのを、ぜひ考えていただきたい。そのためにできることをですね、施策の中にもつくっていっていただきたいというふうに思います。
 公衆浴場の件で1点だけ、お年寄りのですね、引きこもり、ここでも引きこもりの問題がありますけれども、引きこもりを防止するものだというふうに言っていました。18年度と19年度の違いで、配付人数が4月から7月、8月から11月という期間の申請数の数を見ますと、減少しているんですよね。減少している理由に、今まで非課税の方というものだったのが、非課税世帯になったというのが影響しているんじゃないかと思います。非課税なのか非課税じゃないのかという問題で、引きこもりの問題がないかあるかというのは分かれているわけではないので、この点では、制度のより使いやすい──引きこもりの防止ということであるんだったらば、その点も考慮した制度にしていく必要があると思いますし、今まで非課税だった人が課税になって受けられなかった人に対しての暫定措置がとられていると思いますけれども、これからの課題としてですね、それを継続していくことも重要な意味があると思いますので、ぜひ今後の検討の中に生かしていただきたいということを意見として述べさせていただきたいと思います。何か答弁がありましたらお願いします。なければいいです。


◯議長(石井良司君)  答弁なしですね。はい。
 以上で栗原健治君の質問を終わります。
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◯議長(石井良司君)  次の通告者、27番 森 徹君、登壇願います。
                〔27番 森  徹君 登壇〕


◯27番(森  徹君)  それでは、日本国憲法前文と歴史教科書検定について質問いたします。
 日本国憲法の前文は、政府の行為によって再び戦争の惨禍が起こることのないようにすると、日本国民としての決意を述べています。また、主権者が国民にあることを宣言し、さらに国際社会の一員として名誉ある地位を占めたいとし、日本国民は全力を挙げてこの崇高な理想と目的を達成することを誓う、このように宣誓しております。この憲法の前文は皆さん御存じのものです。
 1931年の満州事変から太平洋戦争までの15年にわたる日本の侵略戦争により、アジア・太平洋の国々では2,000万の犠牲者を含む多大な損害をもたらし、日本国民の犠牲者も310万人以上に上りました。しかし、歴代自民党政府は、15年戦争が侵略戦争であったという歴然とした事実さえ認めず、21世紀になっても世界から戦争の責任を問われ続けています。侵略戦争と植民地支配への反省を憲法で貫くことは、日本が世界で役割を果たしていくためにもますます重要になっています。にもかかわらず、侵略戦争を正当化する靖国神社への参拝に固執をした小泉元首相は、中国や韓国と首脳会談が持てないほど外交で行き詰まり、慰安婦問題で日本軍の強制性を否定した安倍前首相は、アジアだけでなくて、アメリカ、オランダに続いてカナダの下院でも、日本政府に真摯な謝罪を求める決議を全会一致で可決するなど、欧米諸国から厳しい批判を浴びました。
 ドイツ連邦大統領のワイツゼッカー氏の「過去に目を閉ざすものは、未来に対しても盲目になる」という、侵略戦争を反省した23年前の有名な言葉があります。事実と向き合わずに、歴史を教えることも学ぶこともできません。安倍前内閣は、「美しい国」、「戦後レジームからの脱却」を掲げ、教育基本法を改定し、さらに戦後の内閣で初めて憲法に手をつけようとしました。しかし、参院選での大敗と、その後の政権運営の迷走により、あの内閣がどうなったかは皆さん御承知のとおりです。
 そこでお聞きします。我ら日本国民が定めた憲法前文は何を求めているのでしょうか。また、今日的に憲法を理解し、生かすことが大切と考えますが、いかがでしょうか。
 当時の文部省は、1947年に「あたらしい憲法のはなし」を発行し、憲法教育を行いました。この副読本は、当時の子どもたちに憲法をわかりやすく語りかけるように説いています。この「あたらしい憲法のはなし」は子どもたちに何を語ったのでしょうか。前文は最後に、日本国民は、国家の名誉にかけ、崇高な理想と目的を達成することを誓うと述べています。その誓いとは何を指しているのでしょうか。現在、小・中学校の憲法教育の学習、また、三鷹市の平和教育はどのようにされているか、御所見をお聞かせください。
 次に、歴史についての認識と教科書検定について質問します。
 昨年3月、安倍政権のもとで、太平洋戦争末期の沖縄戦で起きた集団自決への日本軍の強制が、文科省の教科書検定で高校日本史の教科書から削られ、問題が起きました。検定から2週間後、沖縄県知事の疑義発言と、沖縄県議会と県内すべての自治体が撤回を求める意見書を採択し、9月29日には沖縄本土復帰後最大規模と言われる11万の県民集会が持たれました。党派を超えた運動と検定撤回を求める声は全国に広がり、昨年9月の三鷹市議会においても意見書を採択しています。こうした中、福田首相は、「沖縄の思いを深く受けとめる」と、コメントを出しています。教科書検定審議会自身、「軍の関与は集団自決の要因の主要なもの」と述べています。これまでも教科書には「日本軍に集団自決を強いられ」などの記述があり、削除を求められたことはありませんでした。しかし、文部科学大臣は、軍による強制の明記を認めないとする決定を下しています。
 そこで、教科書の検定制度についてお伺いします。日本の検定制度、また、欧米の検定制度とはどのようなものか、お聞きします。
 若い世代に歴史を正しく伝え、教えることが大切であると考えます。今回の文科省の対応をどうお考えでしょうか、お聞きします。
 歴史教科書では、従軍慰安婦問題、南京大虐殺に関する記述がたびたび問題にされ、本市議会においても質疑がなされたことを承知しております。そこで、歴史認識として何点かお聞きします。大江・岩波沖縄戦裁判についてです。来月の3月の28日に大阪地裁で判決が言い渡されますが、この裁判は、南京大虐殺事件が起こって60年後、大江健三郎氏の「沖縄ノート」が出版されて35年経てから起こされました。出版停止と名誉毀損による慰謝料の請求を求める裁判ですが、今なぜこの裁判が起こされたか、お考えがありましたらお聞かせください。
 外務省のホームページには、日本政府として、日本軍の南京入城後、多くの非戦闘員の殺害や略奪行為があったことは否定できないと考えていますと、このように掲載されていることを御存じでしょうか。2005年5月には「未来をひらく歴史−東アジア3国の近現代史」が、日本、中国、韓国で同時出版されました。日・中・韓の3国共通歴史教材委員会が3年の準備期間を経て、対話と討論を通じて歴史認識を共有しようと編さんをしたものです。対話と討論を通じての歴史認識共有へのこの日・中・韓の共通歴史教材委員会の努力。市長、教育長の御所見をお聞かせください。
 最後に、地球環境とごみ行政について質問いたします。
 日本では、排出されるごみの77%が燃やされています。EU諸国は、地球温暖化の防止対策から、ごみは「燃やす」から「生かす」への転換が進み、オランダは14%、フランス18%しか焼却されておりません。お隣の韓国でも焼却は16%と言われています。地球温暖化対策と、差し迫ったCO2の削減は日本としても全力で取り組むべき課題です。焼却中心の日本のごみ行政について真剣に考えるときだと考えますが、いかがでしょうか、御所見をお聞かせください。
 生ごみ減量の課題と対策についてお聞きします。
 町田市では2006年10月に公募市民委員134人によるごみゼロ市民会議がスタートし、市は生ごみ処理機を市民に無償貸与して、家庭生ごみの全量資源化・堆肥化など、市民参加の「ごみゼロまちだ」のモデル事業に取り組んでいます。この特徴は、発生源の家庭の生ごみを焼却せずに堆肥化することが目標で、市営住宅の大型ごみ処理機でつくられた町田の生ごみ堆肥が、長野県川上村の農家のレタス農場で栽培実験に利用されています。また、家庭でつくられた堆肥など、町田の農家の協力でコマツナが栽培され、39の小・中学校、保育園の給食に利用されています。参加した市民の座談会では、「毎日出すごみの量と重さが目に見えて違った」、「この実験に参加をして、プラスチックの包装材の方が量の多いことに気がついた」、「できるだけ残さないように食べて、ごみを出さないように冷蔵庫をチェックするようにもなった」などの意見がありました。
 このような身近なところで、生ごみを「燃やさず、生かす」の取り組みが行われております。三鷹市の生ごみ減量への具体的対策、また、検討されていることがあればお聞かせください。
 最後に、拡大生産者責任、第1にはリデュース、2、リユース、3、リサイクルの3Rの取り組みをさらに進める上で、市として解決すべき問題点、課題などあればお聞かせください。
 以上、地球環境とごみ行政についての質問を終わります。生ごみリサイクル、ごみ問題を積極的に進める立場から市長の御所見をお聞かせください。以上です。よろしくお願いします。
                〔市長 清原慶子さん 登壇〕


◯市長(清原慶子さん)  日本国憲法前文は、憲法の基本原理、理念、理想を示す役割を担っています。前文には、国民主権、代表民主制、基本的人権の尊重、平和主義、国際協調主義という憲法のエッセンスが凝縮され、これらの理念等を国民にわかりやすく説明するとともに、世界に対しても発信する意義を持っているものと考えています。前文末尾の日本国民の崇高な理想と目的を達成する誓いとは、前文に掲げられたこうした理念等の達成の誓いだと受けとめています。
 三鷹市は基本構想において、憲法に定める世界平和への寄与、基本的人権の尊重、そして、憲法本文にある自治の推進を基調として、「人間のあすへのまち」の実現を目指すと定め、その取り組みを進めています。御指摘の憲法を暮らしに生かすための取り組み、そして市民への平和啓発事業につきましては、子どもたち、中学生による憲法前文の朗読や、有識者による講演会などを行う「憲法を記念する市民のつどい」や、市民憲法講座などを実施しているほか、平和事業では、「みたか平和のつどい」や、子どもたち、小学生が描いた絵や、標語を用いた平和カレンダーの作成、平和映画祭などの事業を実施しています。
 さて、日中韓共通歴史教材委員会の取り組みについての御質問をいただきました。欧米でもそうした事例があると聞いてはおりますが、かつて戦争をした関係国の間でこうした取り組みがなされている、その取り組み自体、あるいはそのプロセスに大きな意義があると考えています。ただ、内容についてのコメントは差し控えさせていただきます。
 以上で私の答弁を終わります。


◯教育長(貝ノ瀬滋君)  では、私から日本国憲法の前文についてお答えをいたします。
 ただいま市長の方からも答弁がございましたけれども、基本的には変わりございませんが、再度申し上げますと、日本国の最高法規であります日本国憲法のですね、条文の前にある前文は、国民主権、憲法の最高法規性、平和主義、国際主義のですね、基本原則が記されているわけでございます。この日本国憲法の前文は、基本的人権の尊重、国民主権、平和主義といった日本国憲法の基本的原則等に関する根拠規定であるとされております。現行憲法である日本国憲法及び前文にあります趣旨等をですね、正しく理解をし、それに基づいて行動をしていくというのは、国民として当然のことであるというふうに受けとめております。
 それから、前文のですね、日本国民の崇高な理想と目的を達成する誓いとは何かということでございますけども、この前文に示されております日本国憲法の基本的原則であります基本的人権の尊重、国民主権、平和主義と国際平和、国際協調精神等をですね、崇高な理想と目的としてこれらを達成することを日本国民として誓うものであるというふうに受けとめております。
 次に、「あたらしい憲法のはなし」でございますけれども、御承知のようにですね、この本は1947年に当時の文部省がですね、同年の5月3日に公布された日本国憲法の解説のために、新制中学校1年生用の社会科の教科書として発行したものでございまして、日本国憲法の精神や中身を易しく解説しているものであります。その後、1950年にはですね、これが副読本ということになりまして、著作権は旧文部省に属しておりますけれども、保護期限は過ぎておりまして、各社から復刻版が出版されておりまして、三鷹市でも当時の文部省から複製の許可を得て冊子を作成して市民等に配布したという経緯があります。
 子どもたち、すなわち未来の大人に対しましてですね、基本的人権の尊重、国民主権、それから、平和主義の基本的原則を初めといたします日本国憲法についての正しい理解を深めることにねらいがあったというふうに認識しております。
 それから、小・中学校の憲法学習でございますけれども、小学校ではですね、第6学年の社会科におきまして、我が国の政治の動きについて学習する際に、日本国憲法の基本的な考え方について児童が学ぶことになっております。すなわち日本国憲法には、国家の理想、天皇の地位、国民の権利と義務が定められていること、日本国憲法に示されている基本的人権の尊重、国民主権、平和主義の基本的な原則、これらを踏まえて、日本国憲法の基本的な原則は、平和的、民主的な国家を築く上で極めて重要なものであるということ等についてですね、学ぶわけでございます。
 中学校では公民的分野におきまして、人間の尊厳と日本国憲法の基本的原則という内容におきまして、我が国の政治が日本国憲法に基づいて行われているということの意義、日本国憲法が基本的人権の尊重、国民主権、平和主義を基本的な原則にしているということの理解を深める学習を行っております。
 それから、戦前の歴史認識と教科書検定についてお答えいたします。
 まず、教科書検定制度についてでございますけれども、我が国はですね、学校教育法によりまして、小・中・高等学校の学校教育におきましては、国民の受ける権利を実質的に保障するとともに、全国的な教育水準の維持向上、教育の機会均等等の保障、適正な教育内容の維持、教育の中立性の確保を図るということのためにですね、文部科学省におきましては、小・中・高等学校等の教育課程の基準として学習指導要領を定めているわけですが、この教科の主たる教材としてですね、重要な役割を果たしている教科書について検定を実施しているわけでございます。
 教科書検定制度はですね、教科書の著作・編集を民間にゆだねるということによりまして、著作者のですね、創意工夫に期待するとともにですね、検定を行うことによって適切な教科書を確保するということをねらいとして設けられているものでございます。教科書に対する国の関与のあり方は、国によってさまざまでございまして、欧米の教科書制度についてでございますけれども、例えばドイツとノルウェーがですね、民間の教科書会社が作成した初等教育教科書、中等教育教科書を国が検定を行うという制度になっております。
 次に、大江・岩波沖縄裁判をどう考えるかでございますが、もと沖縄戦の指揮官及び遺族の方がですね、集団自決を強いたことについて名誉棄損であると、大江健三郎氏、岩波書店を訴えた裁判の提訴の背景ですとか、裁判目的についてはですね、さまざまな主張があるというふうに認識しておりますけれども、どれが背景であるのかにつきましてはですね、一概に述べるということは大変難しいというふうに私はとらえております。
 次に、南京事件に関する外務省のホームページの記載についてでございますが、質問議員御指摘のようにですね、日本政府としては、「日本軍の南京入城後、多くの非戦闘員の殺害や略奪行為等があったことは否定できないと考えています」というふうに記載されていることは存じております。それから、過去の歴史と向き合うことの大切さとですね、日本、中国、韓国共同編集の「未来をひらく歴史−東アジア3国の近現代史」でございますけれども、この近現代史はですね、日本、中国、韓国の研究者らが、これまでのそれぞれの国の歴史認識が異なっているという問題意識から共同編集した歴史教材であるというふうに認識しております。
 平成7年のですね、内閣総理大臣談話におきまして、我が国の植民地支配と侵略によって、多くの国々、とりわけアジア諸国の人々に対して多大の損害と苦痛を与えた事実を謙虚に受けとめ、痛切な反省と心からのおわびの気持ちを表明しておりますけれども、こうした認識は、私としても異なるものではございません。教育長といたしましては、児童・生徒がですね、我が国及び世界に対する理解を深め、近隣諸国を初め諸外国と未来志向的な関係を発展させるなど、国際社会に主体的にですね、生きる日本人としての自覚と資質を身につけることを期待しているところでございます。以上でございます。


◯生活環境部長(木村晴美君)  市長の答弁に補足をさせていただきます。
 日本のごみ行政をどう見るかという点でございますが、まず、焼却中心のごみ行政をどう考えるのかということでございます。
 全国にはですね、焼却を中心にごみ処理を行っている地方公共団体、これは数多くあるかと思います。三鷹市では従来からですね、このごみ処理につきましては、ごみ処理総合計画におきまして、一貫して持続可能な資源循環型社会の形成に向けたごみ処理の推進を基本理念に掲げまして、さまざまな事業の展開を図ってきているところでございます。今後も市民の皆様やですね、事業者の皆様の御努力と、それから御協力をいただきながら、ごみの減量と分別排出の徹底を図りながらですね、可能な限り焼却量の削減と埋め立てゼロを維持していきたいというふうに考えておりまして、今後も環境へのですね、負荷が少ないごみ処理を推進していきたいというふうに考えているところでございます。
 次に、生ごみ減量の課題と対策は何かということでございます。
 家庭から出る可燃ごみの約40%、これにつきましては、先ほどもございましたように生ごみでございまして、この生ごみの減量とリサイクルの推進は大きな課題というふうにとらえているところでございます。生ごみは水切りを行うことによってですね、約20%から30%の減量効果があるというふうに言われておりますので、これは引き続きですね、市民の皆様に、水切りの徹底による減量を、ホームページですとか、ごみカレンダー──これからごみカレンダーは配るわけでございますけれども、通じてですね、啓発をしていきたいというふうに考えているところでございます。
 また、従来から家庭ごみの生ごみの減量とリサイクルの推進に向けまして、家庭用の生ごみ処理機の購入費助成、これを行ってございます。排出抑制に大きな効果がありますので、普及にさらに努めていきたいというふうに思っているところでございます。さらに、生ごみだけに限らず、各施策を通じましてごみの発生を抑制し、排出量の削減に努めていきたいというふうに考えているところでございます。
 なお、有機性廃棄物を利用しました資源循環事業でございますけれども、これにつきましては事業の拡大を予定しておるところでございます。ただ、詳細につきましては、平成20年度の予算審議の中でお答えをしていければなというふうに思っているところでございます。
 最後に、拡大生産者責任と3Rの取り組みの強化についてでございます。
 3Rを踏まえましたごみの処理を推進するためにはですね、市民、事業者、市の3者が協働いたしまして取り組んでいかなければならないというところでございます。一方、生産者やですね、販売者などの事業者の方々におきましては、製品のですね、生産からリサイクル、廃棄まで責任を負うという、いわば拡大生産者責任の明確化を求めているところでございますが、この拡大生産者責任の明確化につきましては、素材の見直し、リサイクル処理費用のですね、負担割合の改善など、広域的な対応が必要ということになってまいりますので、国などにですね、引き続き要請をしていきたいというふうに考えているところでございます。
 市といたしましては、資源物の店頭回収の要請ですとか、市民の利用促進や──今の市民の利用促進というのは、店頭回収への市民の利用促進でございます。それから、マイバッグキャンペーンですとか、販売者のポイント制などによるレジ袋の削減協力など、身近な取り組みからですね、拡大生産者責任を踏まえた3Rの推進に努めていきたいと、このように考えているところでございます。以上でございます。


◯27番(森  徹君)  それでは再質問させていただきます。市長、教育長もおっしゃられました。やはり憲法は今日的にも生活の中に、また教育の中にしっかりと生かしていくということが大切である。また、憲法の前文は、絶対に日本は戦争をしてはならない。こういう反省の上に、我々にこの憲法をですね、しっかりとこれからの日本の、アジアの中でも日本の名誉ある地位、世界の中でも日本の果たす役割という点でこの憲法がつくられた。そして「あたらしい憲法のはなし」、これもやはり当時の子どもたち、また今日の我々にそのことを訴えたというふうに理解できると思います。
 実は知人の方で、最近86歳で亡くなられた方、銀行マンでして、非常に穏やかな方で、そういう安定した平穏な生涯をというふうに考えていたんですが、このお宅に伺ったときに、檄に書かれた日の丸と千人針ですか、私は映画ではそういうのは見たんですけれども、初めて見させていただきました。その方がなぜそれを持っていたのかということは、学徒出陣で、それで輸送艦の任務で硫黄島に行ったそうです。戦争の悲惨さ、常日ごろから絶対に戦争はしてはならない。戦争は本当にむごいものだという話を常々されていたそうでして、遺言の中にもですね、絶対に戦争の世の中にするなと、こういうことがあったそうです。我々のこの思いが結集したのが憲法、これをしっかりと受けとめて次世代に伝えるということが大切だというふうに思います。
 そこで、憲法の教育、学習──学習時間というのはどのくらい現在やられているんでしょうか、そのことがわかればお聞きしたいと思います。
 それから、憲法制度のことなんですけれども、その前に、外国の例で、ドイツ、スウェーデンでしたでしょうか、検定制度があると。ノルウェー、はい。紹介がありましたが、確かにそこには検定制度がございます。ドイツについては、いわゆるホロコーストというナチスの行った行為、これに対する反省から、そういう意味での厳格な教科書という点での検定、教育があると思います。それで、検定だけの紹介だったんですが、イギリスでも、フランスでも、ロシアでも、スウェーデンでも、フィンランドでも、アメリカでも、検定制度というのは行われておりません。このことを紹介しておきたいと思います。
 それから、外務省のホームページを見てみますと、外務省に「検定制度」というホームページが載っていましてね、これを見ますと、1989年にかなり簡略化されたと。出版社の表現の余地は拡大した。修正が求められても教科書自体が不合格は極めてまれである。こういうふうに外務省のホームページに出ているんですね。これは非常に外国向けな、そういうアピールかなと思うんですけれども、19年前、教育長が現場におられたとしたらですね、その当時の歴史教科書、こういう状況があったんでしょうか、この点についてお聞きしたいと思います。
 それから、ごみ問題ですが、日本が77%、欧州、韓国が10%台、この差というのはどこから来ているんでしょうか。やはり三鷹市が、ごみの減量で市民と一緒に努力されていることはよく認識しております。しかし、日本という国の焼却炉中心、このごみの行政というのがこのままでいいんだろうか、特に地球温暖化との関係でそのことを強く考えるわけです。気候変動に関する政府間パネルの報告書というのを見てもですね、地球温暖化の進行というのは疑う余地がない。原因は私たち人間の活動と断定したとなっております。
 そして、2020年までには90年比で10%の削減と言っておりますが、2020年といいますと、現在、三鷹市が新処理施設ですね、お隣でやっている、準備している。これが稼働して大体20年たつと新しい、そういう時期になるんじゃないかと思うんですよね。したがいまして、今、そういう施設で進んでいるんですけれども、どうなんだろうかと。90年代にかなり大型の焼却炉が日本全体に進んで、現在、処理能力というのは1日19万トンだそうです。しかし、ごみがあるのは10万トンで──実際に出ているごみは。だから、焼却炉自身はもう過剰だというんですね。こういう実態を考えると、やはり我々、温暖化との関係で、焼却中心という日本のごみ77%、EUでは10%台、これはどんなふうに見たらいいのか。この辺、今後の方向も含めてお答えできれば御所見をお聞きしたいと思います。


◯教育長(貝ノ瀬滋君)  憲法学習の時間でございますけれども、これは、小学生で1学年10時間前後だったと思いますが、またちょっと詳しく調べてみたいと思います。それから、歴史の教科書、私も教員時代、当然指導したわけでありますが、やはり大事なことはですね、さまざまないろんな考え方があるということ、そういうことを紹介しながらですね、さまざまなデータも資料もですね、提示しながら、やはり自分はどういうふうに考えるかというふうなですね、そういうことで指導したという覚えもありますが、やはり最終的にはですね、平和のとうとさについてですね、指導するということになったと思います。
 そんなことで、憲法の学習もそうですが、歴史の指導につきましてはですね、さまざまな解釈、意見がありますので、それらをですね、偏ることなくですね、やはり指導していくということが大事ではないかというふうに考えます。


◯生活環境部長(木村晴美君)  それでは、私の方から、ごみに関する御質問に御答弁をさせていただきたいと思います。
 今、諸外国のですね、焼却の数値をどう見るのか、日本の70%の焼却についてはどう見るのかということでございます。まず、それぞれのお国柄、それから、地域性によるものというふうに思う部分があることでございます。諸外国のお示しいただいております14%ですとか、18%、低い比率の焼却率でございますけれども、私も外国へ一歩も踏み出したことがないものでございますから、つぶさに見たわけではございませんけれども、ホームページ等々を見させていただきますと、例えばの話でございますが、ここに掲げられております、質問議員さんがおっしゃっていらっしゃるオランダの14%でございますが、ここの部分につきましても、リサイクルと、それから、埋め立てということで処理をされてきているというふうに認識しているところでございます。
 この埋め立てにつきましては、埋め立てることによりまして、メタンガスの発生、いわゆる温室効果ガスがですね、焼却によるCO2の発生の約8倍というような記事をホームページで見たことがございますけれども、そういったようなことから、オランダにおきましても、かなり焼却の方向性に向かっている部分があるというようなことを見たところでございます。
 一方、先ほどの御質問の中にございました三鷹市、それから、調布市が計画をしております新しいごみ処理施設の建設でございます。これにつきましても、私どもの三鷹市と調布市で、どういったようなものを、どう焼却をしていくのか、るる協議を重ねながら進めているところでございます。できるだけごみの焼却量につきましては減らしていこうというようなことから、両市ともども19年度にごみ処理計画の改定を行っているところでございまして、今後の予測をですね、行いました。この結果、両市ともどもですね、減量の方向性が見えたものでございますので、今、計画をしているごみ処理施設につきましても、一定の規模の縮小を考えていくという方向性に今、進んでいるところでございます。以上でございます。


◯27番(森  徹君)  生ごみのリサイクルといいましょうか、燃やすというところから、いろいろ研究を進めていくことが必要だというふうに思います。そういう点では、町田の例がすべてではないと思うんですが、市民の力を得ながら進めていくという点では非常に注目していいのかなと、学ぶものがあるのかなということで紹介させていただきました。
 三鷹市では集団回収というのは二十数年前からやっていると思いますし、市民の中にもノウハウがありますし、また、これからの団塊の世代、こういう人たちがいろんな知識を持って地域に出てくる。こういう市民の方々のエネルギー、また知識、力をもらいながら、生ごみ資源化・減量化というのは、市だけで検討するのではなくて、いわゆる市民参加、協働で進めていくことが必要だというふうに思います。ぜひ御検討いただきたいと思います。
 それから、憲法問題、それから教科書問題、ここに先ほど紹介した、これが3国共通で編集した「未来をひらく歴史−東アジア3国の近現代史」、これをちょっと紹介させていただきますと、ここには日本の若者の皆さんにという訴えが出ているんです。それから、中国、韓国で、お隣の一番近い韓国の編集者、開発委員会というところですが、こういうふうに書いてあります。韓国の執筆者から、近くて遠い国という言葉を御存じでしょう。韓国で日本を指すときに、よく使う言葉です。ここで、「近い」とは、すぐ隣に位置している国という意味で、遠いというのは心の障壁を意味しています。恐らくかつて日本が韓国を侵略して植民地にしたという記憶のためでしょうというふうに書いてあります。
 それで、日本の教科書、公民の教科書を見てもですね、非常にわずかなんですね、数行でしか書かれていない。従軍慰安婦も、従軍慰安婦ということでいろいろ問題にされているということしか書いてない。これではやはり教科書としては不十分じゃないかと思います。この教材には、それぞれ2ページにわたって、南京大虐殺、それから沖縄戦の問題、従軍慰安婦が書いてあります。やはり日本にとってつらいことでも、しっかりと目を向けて、それに向かっていくというこの勇気、そして憲法を教育や暮らしに生かすということが今、今日的に非常に求められているということを最後にこの場で訴えまして、質問を終わりにいたします。


◯議長(石井良司君)  以上で森 徹君の質問を終わります。
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◯議長(石井良司君)  次の通告者、28番 岩田康男君、登壇願います。
                〔28番 岩田康男君 登壇〕


◯28番(岩田康男君)  それでは、通告をいたしました食の安全対策について質問をさせていただきたいと思います。
 1番目は、食の安全をめぐる事件についてです。
 昨年、一連の食品──チョコレートやお菓子など食品偽装事件が続きました。ことしは中国製のギョーザ等の中毒事件、これが発生をいたしまして、食の安全問題というのが強く求められました。まず、どうしてこんなに食の問題での事件が続くのかという要因について考えてみました。
 1つは、企業のモラルといいますか、道徳。消費者への責任を持っているというこの道徳が決定的に欠如している。中国の問題も、農薬の混入過程というのはいまだ判明をしていませんが、以前から野菜に相当の農薬を使用していたということはもう指摘をされておりまして、消費者に対する責任ということについて、大変、最近欠けているというのが1つ。いわゆるもうけ本位だということです。
 もう一つは、国内で食の問題での規制をするという、その国の対応、農水省、厚生労働省、公正取引委員会、それぞれが対応しておりまして、縦割りで相互の連帯がないということが指摘をされています。さらに、食品衛生法が改悪をされまして、食品輸入の食品衛生監視員、これが徹底的に削減をされました。しかも、検査の目的が、流通を防止するというその立場から、事後調査、後から検査をするという体制に変わりまして、輸入食品の全体の7.5%しか水際検査をしていないという実態も明らかになりました。
 もう一つは、東京都の保健所が統廃合されまして、地域で監視体制、これをするということは決定的に弱まりました。今、偽装問題や中毒問題の発見というのはすべて告発によるものであります。さらに背景としては、食糧の自給率が39%、ほとんどが輸入に頼っているという問題や、長時間労働、過密労働等働く人たちの生活様式の変化、こういったものが今回の背景に挙げられるというふうに思います。
 食品偽装も中毒事件も、消費者、市民が直接的被害者になってきます。福田首相は所信表明演説で、消費者の立場に立った行政によりまして、食品の安全・安心を守るというふうに述べました。国や東京都はもちろん、市民生活に最も身近な市政でも取り組む課題になってきたというふうに思いますが、質問の第1は、こうした中で食品事件の直接的被害は市民生活、何より市民生活の安全を守る視点が大事だと思いますが、市長の認識をまずお伺いしたいと思います。
 2つ目の質問は、食品の安全問題と、最近、にわかに話題になりました食育、この問題は大変関連が深いというふうに思います。この法律の役割について質問をしたいと思います。
 平成15年(2003年)5月に、雪印の食中毒事件が発生をいたしまして、これを契機に食品安全基本法──従来の食品衛生法から食品安全基本法というのができまして、施策の総合的推進、事業者、国や地方自治体、消費者の連携・役割、こうしたものが位置づけられました。2005年(平成17年)の6月に食育基本法が成立をいたしました。ここでは国民の食に関する考え方を育てて、健全な食生活を実現することを求めています。その基本法第18条で食育の推進に関する指針が市町村に求められました。三鷹市は本年2月14日に、教育委員会が「三鷹市立学校における食育の推進に関する指針」を決めました。
 そこで質問です。食品行政は国と都道府県の仕事とこれまでされてきました。それは、何よりも許可権限の問題としてこの食品問題が扱われてきたからであります。今日の状況は、許可、検査の範囲で取り扱うものではなく、市民生活の課題として扱うべきものだというふうに思います。この点でも市長の見解をお伺いしたいと思います。
 また、食育の推進指針、これは教育の分野だけでなく市民生活全体に求められているというふうに理解をいたしますが、なぜ教育委員会だけだったんでしょうか、お尋ねいたします。
 3点目に、学校での食育の推進指針と学校給食についてお尋ねします。
 「三鷹市立学校における食育の推進に関する指針」、これを拝見いたしますと、学校における食育の指導体制、学校・家庭・地域の連携、このことを述べています。また、学校の食育と言えば給食の問題が大きな要素でありますが、昨年、4校で給食調理の民間委託を実施いたしました。そこで質問をいたします。
 教育委員会のこの指針で、具体的には、これまでと違った何を目指しているのでありましょうか、お尋ねいたします。
 給食調理の民間委託も1年を経過した実績・課題をお伺いしたいと思います。もちろん安全で安心の給食を提供するというこの立場から、私どもは昨年、請負、委託というこの問題は、労働力の単に派遣ではないか、委託という方式の安全性の関連についても、昨年、問題提起をいたしましたが、法的にこの問題というのはどういうふうにクリアをしてきたのでありましょうか、お尋ねをしておきたいと思います。
 4点目に、食の安全と都市農業についてお尋ねいたします。
 食の安全や食育と言いますと、地元産の食料を地元で消費するというふうに直結をいたしますが、これは、新鮮さを求める、新鮮な野菜を求めるという問題や、都市農業振興問題と扱われるわけでありますが、同時に、安心した野菜を提供するということが求められなければならないというふうに思います。さらに都市農業の振興について言えば、安心・安全な食べ物を提供するとともに、環境を守っていく、こうした重要な課題も最近は言われるようになりました。
 そこで質問です。都市農業の振興の課題を食の安全や食育の視点でどう位置づけているのか、お尋ねをしたいと思います。
 最後に5点目の質問です。市政の中での食の安全対策についてお伺いいたします。
 今回、中国製ギョーザ中毒事件が起きたときの初期対応、これが大変話題になりました。東京都の保健所が遠くなる。身近な市役所で啓発や相談、これがどうしても必要ではないかという声が多数寄せられました。その保健所と三鷹市の関係は縦割りのつながりになっています。健康推進課とのつながり、消費者相談の経済課、あるいは教育委員会、さまざまな部署が保健所とのつながりを持っていますが、すべて縦割りであります。食育を計画に記載しているのは、教育委員会はもちろん、次世代育成支援行動計画、この中にも位置づけをされています。こうした全体的な食の安全や食育問題を掌握することが求められていると思いますが、質問をいたします。
 質問の1点目は、どこがこうした全体を掌握し、連携をしているのでありましょうか。国でも縦割り行政が危機を招く要因の1つだということで法整備が行われて、連携ということが大変強調されました。多くの市で、協議会、研究会というのが市政の段階で立ち上がっておりますが、三鷹市としてはどう対応されているんでしょうか。
 2つ目は、食品安全の最後のとりでは消費者だというふうに言われています。その消費者が、食の問題について正しい知識を得るという上で、啓発活動というのは大変重要です。東京都の保健所に昨日行って初めて知ったんですが、従来、「保健所だより」というのが町会の回覧板に添えられておりました。これが廃止になりまして、「保健所だより」というのはなくなりました。そこで、「保健所ねっと」という小冊子がかわりにできました。年2回の発行ですが、これが町会に1部配布をされまして、回覧で見てほしいということになりました。ところが、それも廃止になりました。では、今、「保健所だより」というのはどこで見るかといいますと、インターネットです。保健所のホームページの中に、「保健所だより」というコーナーがあります。このコーナーを見ますと「保健所だより」が出てくるというのが実態です。初めてきのう聞いて驚きました。こういう大事な問題での啓発を、三鷹市報にお願いをして──各市報が大事な問題を掲載しているということは私も知っておりますが、保健所から直接消費者、市民に知らせる情報が、これでは大変不十分だ。東京都に要望をすることはもちろんのこと、三鷹市でこうした啓発活動、これをどう進めていくのかお尋ねをしたいと思います。
 最後に、食の危機管理体制、これの必要性についてお伺いをいたしまして、壇上の質問といたします。よろしくお願いします。
                〔市長 清原慶子さん 登壇〕


◯市長(清原慶子さん)  食の安全対策について御質問いただきました。本当に昨年からことしにかけまして、私たちの食の安全を損ねる事案が多く発生して、市民の皆様の不安な気持ちも寄せられているところです。
 食の安全をめぐる事件につきましては、その発生の要因については、質問議員さんが詳細に分析をされました。私もそれぞれの要因について大変重要だと思っておりますし、特に食品関係事業者における消費者の軽視、また、消費者基本法第6条に定められた、事業者の責務としての消費者の信頼の確保の観点が著しく欠如して生じているのではないかと認識しています。市民の皆様の生活に直結する基礎自治体である三鷹市としましては、大変憂慮すべき事態が食の安全に関係して起こっているところでございますので、食の安全確保に向けた迅速な対応について、国を初めとした関係機関、団体に強く要望するところでございます。
 市といたしましても、食の安全確保につきましては、もちろん基礎自治体の権限を超えている課題など存在するわけですが、しかし、市民の皆様の生活の安全を守る上で大変重要な課題であると重く受けとめ、位置づけているところでございます。
 さて、大きく2点目で、食品安全基本法改正と食育基本法の役割に関連した御質問をいただきました。
 食生活が豊かになる一方、それを取り巻く環境は近年大きく変化し、食に対する関心も高まってきています。こうした国民、市民の皆様の変化に的確に対応するために食品安全基本法が制定され、これに基づいた新たな食品安全行政が展開されることとなりました。この食品安全基本法では、国民の健康の保護が最も重要と定められております。この視点に立った事業の推進は、三鷹市においても重要なことでございます。
 また、食育基本法では、食品の安全性の確保等における食育の役割があります。食の安全対策においては、食の安全に関する安全性、栄養、食習慣、食糧の生産と流通、そして消費並びに食品廃棄物の発生やその再利用など、市といたしましては、これらの事業の実施や情報の提供を幅広く市民の皆様に伝えていく必要があると考えています。
 また、食育の推進計画は、学校だけではなくて市民生活の全体に必要ではないかという観点からの御質問をいただきました。三鷹市は、食に関する普及啓発の取り組みを各ライフステージごとに推進してまいりました。また、平成17年には、三鷹市健康づくり目標「市民も地域も健康みたか2010」を策定し、市民・地域・行政、そしてそれぞれの協働による目標を設定しまして、特に栄養・食生活分野においては市民の皆様との協働で推進をしています。
 御指摘のとおり、食についての取り組みは、子どもから高齢者まであらゆる世代に必要です。そして、具体的な目標達成への取り組みといたしましては、保健センターにおいては、妊婦、乳幼児から高齢者対象の講習会、また、健康診断や相談等を行っております。また、住民協議会と協働で行っている事業としましては、栄養料理講習会、保健・栄養相談、そして保育園や学校との連携、また、地域の八百屋さんに協力していただくなどの食育を推進しております。
 大きな5点目で、市政の中での食の安全対策について御質問いただきました。
 食の安全については、基本的には保健所の所管となっておりますけれども、市の関連部署としては、生活経済課や健康推進課等、担当する分野ごとに連携をとっています。消費者行政においては、国・東京都の要請に基づきまして、食品に関する消費者相談の内容を情報提供しています。
 食育につきましては、健康づくりにおける食育の推進として、三鷹市健康づくり目標「市民も地域も健康みたか2010」に基づき、特に各住民協議会の皆様と協働の事業に取り組んでいます。東京都多摩府中保健所では、飲食店、食料品店、食品製造業の許可・届け出や、食品衛生に関する相談・指導を行っていますが、これらの業務につきましては、定期的に三鷹市の保健センターを会場として、身近な場所で実施をしていただいています。さらに、食中毒などの事故発生時には、その原因究明、事故の拡大や再発防止について行うと同時に、三鷹市に対しても情報提供をすることとなっております。また、事業者の皆様が主体的に努力をしていただいております三鷹市食品衛生協会とは、私自身も情報交換をしておりますし、三鷹市におきましても、そうした事業者の自主的・自発的な食品衛生管理について協力をしているところです。
 次に、食品安全対策についての日常的啓発についてでございます。
 御指摘がありましたように、「保健所だより」につきましては、現在、保健所はホームページでお知らせをしておりまして、紙ベースで発行はしておりませんから、町会での配布が行われておりません。しかしながら、私たちとしましては、消費者団体との共催による食の安全をテーマとした講座の開催、消費者活動センターでのパンフレットの配布などを実施しています。また、保健所のポスターやチラシなどは各施設に掲示しまして、日常的な啓発に役立てていますけれども、今後とも保健所との連携を密にし、市民への情報提供に努めてまいります。また、議会月以外、年に8回開催しております三鷹市の公共機関との連携の懇談会におきましては、必ず多摩府中保健所の所長さん、そして武蔵野三鷹地域センターの担当課長さん、それぞれ医師でいらっしゃいますけれども、御出席いただきまして、食に関する情報については、必ず三鷹市のみならず、関係機関との情報の共有、そして、この近隣で例えば食中毒事案、ノロウイルス等の事案が発生いたしましたときには、適切な対処の連携の取り組みを協働で進めているところです。
 その上で、食の危機管理体制に関する御質問もいただきました。食の危機管理体制につきましては、予防がまず先決ですし、また、発生後の迅速な対応の両面が考えられます。いずれも保健所と連携のもとで行っております。まず、予防についてでございますが、保健所の研修への参加によりまして最新情報を得るなど、迅速に市民への情報提供を行うよう努力をしております。例えばノロウイルス食中毒の予防について、O−157への対応についてでございますが、各施設にポスターの掲示やリーフレットを設置するなど、市民への周知に努めております。また、高齢者等関係機関の事業者の協議会等でも、このようなテーマについて検討をしていただいております。
 また、発生後の対応についてでございます。集団で食品を介しての問題が発生した場合には、保育園、学校、高齢者施設などにおいては、マニュアルを作成し、対応しているところです。また、保健所へのいち早い通報と緊密な連携により、拡大や再発防止策に取り組んでおります。なお、全庁的な取り組みにつきましては、経営会議、経営本部での対応としているところですけれども、現状、深刻な食の危機が発生しているわけではございませんけれども、最近発生いたしました、中国において生産されました加工食品における農薬の混入につきましては、被害者が三鷹市内では発生はしておりませんけれども、そうした事案が発生しました場合には、経営本部としてきちんとした対応をするべく体制を整えているところでございます。私からは以上です。


◯教育長(貝ノ瀬滋君)  学校での食育の推進指針についてお答えをいたします。
 御承知のようにですね、本市教育委員会では平成20年の2月14日、「三鷹市立学校における食育の推進に関する指針」を策定いたしました。この中で食育の目標と基本方針を明確にいたしまして、具体的な学校におきます食育の指導体制、学校・家庭・地域への連携等について示しました上で、三鷹市立学校におきます食育のさらなる推進を図ることを目指しているわけでございます。
 学校での具体的な指導におきましてはですね、今までのようにですね、食事の重要性ですとか、食べる喜びですとか、楽しさ、それから、望ましい食事とか栄養のとり方、それから、食事のマナー等ですね、これも引き続き大事な指導になってきますが、それプラスですね、やはりこれからは御指摘のですね、食品の安全性ですとか、品質を判断する能力を身につけさせるという、そういったこと。それから、食事を大事にしてですね、その生産にかかわる人々へ感謝すると、そういう心をはぐくむんだということですとか、食文化ですとか、食にかかわる歴史等を理解して尊重する心を持つというふうな、そういうこともですね、大事なこととしてこれからも指導してまいります。
 各学校ではですね、この指針に基づきまして、学校の実態に即して子どもたちの発達段階に応じた指導を行っていくわけでございますが、食育をより効果的に展開するためにはですね、やはり家庭・地域との密接な連携が大事でございますので、それを図りながら推進していくところになります。
 この指針をもとにいたしましてですね、学校教育関係者、それから、栄養士等で構成します委員会を新年度に立ち上げまして、食育に関する指導資料を作成していきます。この指導資料のですね、活用を通しまして、学校でのですね、食育に関する取り組みを一層充実させていくということと同時にですね、家庭や地域への食育に関する啓発もですね、強めていくということを考えております。以上でございます。


◯教育委員会事務局教育部長・調整担当部長(岩下政樹君)  教育長の答弁に補足をさせていただきます。
 まず、学校給食調理業務の民間委託を実施して1年、そろそろたつわけでありますが、その実績と課題についてという御質問をいただきました。
 教育委員会では委託実施校にはですね、学校長、給食主任、栄養士や保護者代表で構成する学校給食運営協議会を設置いたしまして、委託実施後の課題や改善策などを学期ごとに協議し、学校給食の円滑な運営を推進しております。この間の委託実施校の検証結果はおおむね良好に推移しているところでございます。
 また、教育委員会事務局に学識経験者と各委託校関係者、保護者代表などで構成いたします三鷹市学校給食調理業務委託検証委員会を設置いたしまして、安全衛生の徹底、安定的なおいしい給食の提供、学校給食の充実をポイントに検証を行っております。この委員会でも、安全でおいしい給食が提供されており、全体として円滑な給食運営がなされていると評価をいただいているところであります。
 その中で、今後の課題といたしましては、給食の充実といたしまして、セレクト給食、あるいはバイキング給食など、学校や児童・生徒の要望に応じた多様な食事形態の提供を行っていくこと、あるいは学校栄養職員が学校の中でですね、食育の重要性を児童・生徒に訴える時間を確保していくことなどが課題になっているというふうに承知をしているところでございます。
 それから、給食調理業務委託事業が労働者派遣事業か、請負かということについての御質問がございました。この根拠につきましては、昭和61年4月17日の労働省告示第37号の「労働者派遣事業と請負により行われる事業との区分基準の具体化、明確化についての考え方」というのが、厚生労働省、都道府県の労働局から出されておりまして、その中に請負と労働者派遣事業との違いが述べられておりまして、私どものそれに対する認識では請負というふうに判断しているところでございます。以上です。


◯生活環境部調整担当部長(藤川雅志君)  食の安全と都市農業について、市長の答弁を補足させていただきます。
 三鷹市では、現在、約300戸の農家のうち149カ所の庭先販売所、それから、共同の野菜直販所といたしましては、緑化センターほか、非常に多くの市民の皆さんに利用されているところでございます。これらは、まさに顔の見える農業ということで、だれが、いつ、どこで、何を、どのように生産したかがすぐ住民の皆さんにもわかる、都市農業本来の姿ではないかというふうに考えているところでございます。農家の方々もですね、現場を常に見られているという意識もございまして、農薬の散布、肥料、非常に気を使っておりまして、日ごろから減農薬、減化学肥料にも心がけておられますので、食の安全安心につながっているものと考えております。
 こうした安全で、しかも新鮮な農産物を身近に住む市民の皆さんの台所にお届けするところにこそ、都市農業のよって立つ基盤があるというふうに言えるところでございます。こうした都市農業のすぐれた点をですね、しっかりとアピールしながら、それを食育の視点に立って、市民の皆さんにもよく理解していただいた上で産物を享受していただくということが大変重要であるというふうに考えております。そして、こうしたお互いの信頼感の上にですね、多くの市民の皆さんに都市農業の持つ意味を理解して支援していただくということが、都市農業の振興という点からも非常に大事であるというふうに考えているところでございます。以上です。


◯28番(岩田康男君)  今、御丁寧にいろいろ御答弁をいただきましたように、保健所と三鷹市のかかわりというのは、相当広い分野でたくさんのかかわりを持って活動しているということで、私もいろんな方々にお話を伺ったんですが、どういう関係になっているのかというのがいま一つわからなかったんですね。保健所に行って初めてわかりました。保健所の行政のあり方というのは、三鷹市を1つの事業所として見ているんですね。もちろん数字にもカウントしてあるんですよね、事業所として。それは給食を提供する事業所としての教育委員会とのかかわり、それから保育園、それから、高齢者の給食サービス、それから、離乳食等幼児のですね、かかわり。こういうところに保健所とですね、行政とのかかわりがあると。それはそれで大事なことなんですけど、私が福田首相の所信表明演説をここで紹介したのは、今後ですね、そういう体制だけでは食の安全は守り切れない。消費者の立場に立った行政のあり方が必要だというふうに国が述べたように、食品安全基本法も、食育基本法もそういう立場でつくられた。つまり、食品衛生法は事業者を徹底管理・監督をしてですね、指導をして食の安全を守る。今度はですね、消費者、国民がこの食の安全に対してどう対応できるかというか、そういうものに対してどう行政が支援していくのかというね、こういう立場での食品安全行政を進めようということから、こういう法律ができたという背景があるんだというふうに思うんですね。
 だから、今、盛んにこういう両方の法律も、連携だとかですね、そういうものを強調しているのは、そういったゆえんではないかと思うんです。そうなれば、今やっているそういういろんな事業をですね、市民の健康と、大げさに言えば命を──大げさでもないんでしょうけれども、命を守るというね、こういう立場から、やはり総合的なですね、横の連携したそういう対応というのが今、求められるんじゃないかと。そういう点で各自治体が協議会とか研究会とかというのを今、立ち上げているわけですけれども、三鷹市として、そういう対応の仕方というのを考えていらっしゃるかどうかというのを再度お伺いしたいと思います。
 あわせてですね、食育推進計画も、そういう点で言えば教育委員会だけがつくれば済むというんではなくて、東京都食育推進計画というのがあるのはもう御存じだと思うんですが、その東京都の食育推進計画によれば、各市町村との協議会をつくって、そこで食育の計画を推進していくということがうたわれているわけですが、そういう関係からしますとね、教育委員会がつくったことは、それはそれですごいと思うんですが、三鷹市がですね、三鷹市がそういう食育の推進計画の中で食の安全問題をね、どう取り扱うかという推進計画をつくる必要があると思いますが、再度お尋ねをしたいと思います。
 それから、啓発なんですが、確かに保健所はいろんな機会をとらえてですね、いろんな場面でPRしているというのは私もわかります。ただですね、「保健所だより」がインターネットでしか見えないというね、じゃ、インターネットでこういう行政情報を得る市民が何%いるかというと、これは残念ながらね、非常に少ない数字ではないかと思います。後期高齢者の議会で議論したときにですね、高齢者は1%しか行政情報をインターネットで取得してないというアンケート調査結果が発表されましたけど、現実にはそんなもんではないかというふうに思います。
 紙媒体で市民の人たちにそういう情報をですね、お知らせをするという工夫はとれないかということを保健所にお尋ねしたら、実は保健所は東京都の機構改革で、その保健所の広報担当が廃止をされてしまった。ですから、発行しようがないと、こういう大変ひどいというかね、お話でしたけど、保健所としても、それでもいろんな宣伝物を発行しています。大量の宣伝物を渡されましたが、発行しています。じゃ、その宣伝物をどこに配布をしているのかと言ったら、配布をする場所がないんですね。配布をする場所がない。だから、保健所の窓口だとか公共施設の窓口にですね、置くしかない。と、どうしてもそういうところでそういう情報を得る人というのは、市民よりも事業者が多いんですね、事業者が。つまり、指導はそういう体制になっていますから。事業者を通じて食品安全を守ると、こういう立場になっていますから、事業者が多い。
 そうすると、その内容もですね、よく見ると事業者向けの内容になっているんですね。事業者向けの内容にしないと受け取ってもらえないと、こう保健所は言っていましたけど、そういうふうになってしまった。だから、やっぱりですね、東京都自身に、全都民に周知するということを求めるのは当然だと思うんですが、あわせてですね、自治体としてこういったものを普及するという取り組みができないかということを再度お尋ねします。


◯市長(清原慶子さん)  再質問にお答えします。質問議員さんから、福田内閣総理大臣の所信表明が引用されまして、国の食品の安全安心を守る方向性はあくまでも消費者の立場に立った行政の総点検から始まるということを受けて、三鷹市ではどうかという御質問です。
 国では、福田総理が、消費者、国民の視点から行政の総点検をということで、ただいま国民生活審議会の方でそうした観点からの見直しがなされていて、その重要な分科会の1つ、ワーキンググループの1つに「食」が置かれています。あと、「住まう」と、それから「暮らす」で、私自身は「暮らす」という方のワーキンググループの委員を務めているわけですが、関係したワーキンググループの動向を聞きましたら、「食」の方では、最近起こった問題をですね、重視しながら、改めて食品表示法の改正などですね、法の改正というところを1つの方向性として示していくというふうに聞いております。
 私は、「暮らす」というワーキンググループにおりましたので、国がさまざまなですね、取り組みをされるんだけれども、基礎自治体としては、それがそれぞれおりてきてですね、総合性を必要とされる基礎自治体としては、その対応に大変苦慮していると。どんなにいい取り組みであろうと、私たちが総合行政として取り組んでいくときに、やはり各府省からさまざまな取り組みに対して、法律であるとか、新しい制度の枠組みとかがおりてきて苦慮しておりますので、ぜひ基礎自治体がもっと総合的に取り組めるようなものにしてほしいというふうに声を上げておりましたので、そのような方向性の提案が出ると思いますが、私が申し上げたいのはですね、国がそのような消費者視点、国民視点で総点検をしていただいた上で、「食」についても重視していただくというのは大変重要だと思います。これは、内閣の中に担当大臣を置いて、内閣府がそれに取り組みながらしていくということですが、三鷹市においてはですね、小さな政府としてさまざまな入り口で、市民の皆様に健康づくりの観点から、あるいは消費者行政の観点から、食の問題について問題提起もいただき、啓発も行わせていただいてきました。教育委員会でも、そのような観点では食育で今回は象徴的に取り組みが重視されていますけれども、給食を進めていくときにも、栄養士を置いてしてきたことからも象徴されておりますように、食育が重視されない前からそのような取り組みをしてきてくださいました。
 子育て施設では、あるいは高齢者施設では、配食、あるいは給食等のサービスで食育の観点をやはり念頭に置いてやってきました。入り口、あるいは市民の皆様にとっては窓口が多いということは、決して私はマイナスではないと思っています。むしろ広い方がいい、たくさんある方がいいと。ただし、危機的な取り組みがあったときに、1つの一元的なものは必要でしょうから、危機的な場合には経営本部で対応しますし、また、総合的な施策が何らかの場合、必要な場合には、経営本部でまたそれも取り上げていくでしょう。そのように私たち基礎自治体としては幅広くしていきたいと思います。
 2点目、保健所行政について御質問をいただきました。これは東京都の所管でございますから、それを承知した上での問題提起を質問議員さんはされたと思います。
 私は、6市で1つの保健所になるとき、大反対をさせていただきました。そして、武蔵野三鷹に地域センターを存置していただきました。それは、端的に言いまして、健康の問題も、そして食の問題も、地域に根づいた保健所行政が必要だと考えたからです。したがいまして、今後もですね、多摩府中保健所との連携は一層強化し、地域の保健センターと密接なかかわりを持つ取り組みを進めていくとともに、都に、啓発については引き続き十分なことをしていただくべく声を上げますが、私たちにとりまして有力なメディアは「広報みたか」です。これにつきましては、折々にですね、保健所からの情報を掲載させていただき、量的には少ないかもしれませんが、かなり濃密に情報は伝達させていただいておりますので、東京都の広域行政たる保健所行政に対して、やはり三鷹市がですね、市民の皆様に向けて、都に成りかわってする分野をふやすことは必ずしも望ましくないと思っておりますので、都に引き続き強く要請をしていきたいと思いますし、繰り返しになりますが、市民の皆様に必要な情報はですね、それぞれ必要な窓口が多元的にありますから、そこできめ細かく有効な情報を提供し続けていきたいと、このように考えております。


◯28番(岩田康男君)  三鷹市がいろんな窓口を設けて市民との接点をですね、食品の安全、あるいは食育について窓口を設けているということは私も承知しているし、それが大事だということも承知しています。
 ただですね、そういう窓口の仕事の扱いというのは、東京都の行政側から見ますと、事業所としての仕事の内容というふうに位置づけている。そもそも東京都だけじゃなくて、すべて国もね、国が本当に言ったとおりやるかどうかというのは私も疑問なんですが、ただ引用したのはですね、そういう視点が大事になっているんだということで引用したんですが、そういう縦割りになっているんですよ、仕事がまだまだ。全体はね。市長がたびたびおっしゃる、「市民も地域も健康みたか2010」というのがありますよね。すばらしい内容ですけれども、これが、じゃ、保健所でどう扱われているかといいますとですね、食品安全の部門では扱われてないんですよ、これね。どこで扱われているかというと、保健所の扱われている部署というのは、いわゆる健康環境ですか、その部署で扱われているんですよね。
 食の安全問題、当然、食育と安全問題というのは切り離せない問題ですから、この中に食の安全問題というのは当然位置づけられているわけですけれども、行政の側が縦割り対応になっているわけですよ。だから、私が言っているのは、窓口を狭めろとか、一本化しろとかっていうんじゃなくて、そういう市民全体の健康や安全を守る、食の安全を守るという、そういう連絡組織がですね、行政の中に必要ではないか。で、やる仕事は窓口をもっと広げるという、こういう形をね、とることによって、いわゆる消費者の立場、市民の立場で食の安全問題とか食育問題を取り扱うということになるんではないかということを申し上げているんですが、そういうお考えというふうにはならないんでしょうか。
 したがってですね、市長がおっしゃった、いろんなことをやっているから、三鷹市が食育の推進計画をつくる必要はないというふうに受け取ったんですが、今のね。そういうお考えなんでしょうか。私は、食育基本法ができたときに、2010年までに全国の市町村の50%、2010年までにね、50%がこの推進計画をつくるという目標が示されたわけですよね。で、その三鷹市は、じゃ、残りの50%に入るのかというふうに今感じたんですけども、そういう50%の市町村が推進計画をつくるというふうに目指されたのに対して、三鷹市はどうなんでしょうか。それが私は決め手だというふうには思っていませんが、しかし、少なくともですね、消費者全体の食の安全、食育を行政が扱っていくというためには、横の連絡組織、研究会とか協議会とかですね、そういうものが必要だというふうに再度質問したいと思います。
 もう一つ、啓発なんですが、東京都がやらないから三鷹市が全家庭にですね、「保健所だより」を配ってほしいということは私も申し上げたくはないんです。もちろん東京都がやるべき仕事でして、三鷹から都議会議員が1人でしたっけ、あっ、2人、いらっしゃいますよね。だから、そういう人を通じてですね、やっぱりもっと働きかけるということもそれは必要でしょう。それもありますし、東京都自身が、「消防署だより」もそうですけどね、大事なそういう情報を都民になかなか知らせない、知らせることができないということに対して強く申し入れをしてもらうというのは当然なんですが、しかし、事はですね、食の安全問題というのは、ある意味重大な危機問題なので、ぜひ三鷹市としてもですね、市報のスペースをもっと割くとか、三鷹市独自のPRだとかですね、そういうものも検討してもらいたいということを、それも再度質問します。
 もう一つ、危機体制なんですが、マニュアルを保育所も持っています。学校も持っています。高齢者施設も持っています。ただ、市民対応マニュアルというのはないわけですよね、この食の問題について。市民全体の食の安全問題に対する危機対応マニュアル、つまり、事業所単位のマニュアルなんです、それはね。だから、市民に起きたときにどうするか。東京都も現実には初期対応がおくれたというのは、メールを発信して、年末年始だからメールを開かなかった、保健所がね。という事件だったんですよ、あのギョーザ問題ってね。だけども、東京都には、電話をすれば休みでも駆けつけるという職員体制ってあるわけですよ。それがなぜ利用できなかったのかというのは問題なんですけども、そういう市民全体のですね、危機対応マニュアルというのは、いつ起きるかわからない戦争……


◯議長(石井良司君)  質問者に申し上げます。時間となりましたので。


◯28番(岩田康男君)  はい。危機対策よりも、食の危機問題が私は大事だと。再度お答えをいただきたいと思います。


◯副市長(河村 孝君)  食の安全の問題というのは、所管で言いますと私の方も消費者相談で関係していますので、危機管理全般ということで私の方でお答えさせていただきますが、ちょっと論点が少しずつ何かずらされて質問されているような気が私どもはしまして、ちょっと答弁がですね、難しいんですけれども、まず、「保健所だより」をですね、全戸に配布しなくていいのかという、そういう御質問がございましたから、そういう意味で言いますと、私どもはですね、東京都の仕事を代替するつもりはありませんということです。
 ただ、当然のことながら、食の安全の問題とか食育の問題は大変重要でありますから、三鷹市としてもですね、これまで食育とか食の安全という言葉では使っていなくともですね、さまざまなところで総合的に対応しておりますので、これからも充実させていかなければいけませんし、御質問議員さんが言われたような横の連携なり、勉強会なり、そういうことは適宜、必要に応じてこれからも充実させていきたいというふうに考えているところでございます。
 それから、事実認識の問題としましてですね、保健所は三鷹市を事業所の1つとしてとらえているというのは、一面ではそういうことを改めて御指摘されれば、そういう面はあるんでしょうけれども、当然のことではありますが、行政あるいは公の立場同士の連携ということでありまして、保健所さんが事業所として管理監督する対象として見ているというのは、だけではなくて当然のことですが、公共的な立場での連携をしていくという立場をとっているからこそ、これまでもそういった連携の協力要請があり、また、市としても連携の対象として重要視し、これまで展開してきたということを申し上げておきます。以上です。


◯議長(石井良司君)  以上で岩田康男君の質問を終わります。
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◯議長(石井良司君)  一般質問の途中でございますが、議事の都合によりしばらく休憩します。
                午後0時09分 休憩



                午後0時59分 再開
◯議長(石井良司君)  それでは、休憩前に引き続き、会議を再開いたします。
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◯議長(石井良司君)  市政に関する一般質問を続けます。
 次の通告者、15番 浦野英樹君、登壇願います。
                〔15番 浦野英樹君 登壇〕


◯15番(浦野英樹君)  それでは、通告に従いまして質問をさせていただきます。
 私はですね、以前、都心に毎日通勤するサラリーマンだったんですけれども、電車の中からですね、景色を見ていて非常に目につくのがですね、スプレーによって落書きされた壁や商店のシャッターです。新宿、中野といった人が多く集まるまちの近辺では大変多くの落書きを見かけますし、三鷹近くでは、吉祥寺周辺ではかなりの落書きが見られます。三鷹市内におきましても、駅周辺、また幹線道路沿いでは落書きによる被害が多く見られます。そこで、今回はスプレーによる落書き被害についての市の現状認識、対応について質問いたします。
 さて、このまちにあふれる落書きなんですけれども、以前はですね、暴走族などによる「何々参上」だとか、「何々上等」と書かれたようなものが多かったんですけれども、最近は、タグですとか、タギングとか呼ばれるらしいんですけれども、落書きをする人の自己アピールを目的とした意味不明なデザインのものが多くなっております。この最近の落書きの中には、かなり芸術的と言えるものもあるんですけれども、もし自分の家が落書きの被害の当事者になったときの精神的、物理的ダメージの影響ははかり知れないものがあります。実際に私は、落書きの被害に遭った方からですね、話を直接伺ったんですけども、なぜうちに落書きされたんだろう、どこに被害の報告をすればいいんだろう、そしてどうやって消せばいいんだろう、どうしていいかわからないという気持ちになり、そして、現状では落書きの犯人を捕まえて補償させるということが難しいわけです。どこに怒りをぶつけてよいかわからないという感想を持たれたそうです。
 自分の家や商店に落書きをされてしまった場合、その落書きを消すのは、最終的には個人の責任であると思います。しかし、一方で、個人の力で落書きの被害を防ぐことができるかどうかとなると、限界があるのも事実であります。地域、そして自治体も何らかのこの落書き問題に対する関与があってよいのではないかと考えます。さらに、このまちにあふれる落書きは、治安に対する影響があります。落書きが犯罪を呼ぶとして、まちじゅうの落書きを徹底的に消したニューヨーク市の取り組みは有名です。また、三鷹近辺ではですね、三鷹・吉祥寺間のJRの高架下には非常に多くの落書きがあるのですが、夜に高架下を歩いたり、自転車で走るのは非常に怖いという女性の声を聞きます。安心・安全のまちづくりという観点からも、自治体がこの落書き問題に取り組むという視点も必要かと思います。
 そこで、まず質問ですけども、三鷹市内のスプレー落書き被害についての件数の大小、また、地域的な傾向についての市の現状認識、また、落書き被害に遭われた方から、市にどういった内容の相談、問い合わせが寄せられているのか、お聞かせいただければと思います。
 さて、落書きに対する対応策ですが、大きく分けて2つあろうかと思います。1つは、落書きできるスペースをなくしてしまうというものです。先ほどニューヨーク市では落書きを徹底的に消したという話をしましたが、フィラデルフィア市ではですね、全く逆の発想で、壁に巨大なアートをかくというプロジェクトを立ち上げ、そこに、もともと落書きをしていた少年らをプロジェクトに参加させるということで落書き被害を減少させたという例があります。国内においても、落書きされやすい壁にですね、地元の小学生やNPO団体が絵をかいたりという対応をしている例もあるようです。
 また、新宿区は非常に落書きの被害が多いんですけれども、非常に落書きの多い壁があったんですけれども、ある日見ていましたら、そこに、「路上喫煙禁止」と大きく呼びかける看板がありまして、ぜひ三鷹でもお願いしたいなと思うんですけれども、それは予算委員会の方で議論していただくとしてですね。しかしですね、落書きするスペースをなくしてしまうという対応はですね、限界があるのも事実ではなかろうかと思います。いわゆる公共の場所についてはですね、落書きが多い場所に絵をかいてしまうというのは有効な対策かもしれませんが、民家や商店のシャッターについては、これは限界があろうかと思います。やはり落書きに対しては、素早く消す、これにまさる対策はないかと思います。
 そこで、今まで市がですね、スプレー落書きについてとられてきた対応について質問いたしますが、まず、市が管理する建物、これは、塀ですとか、ガードレールなども含みますけれども──へ落書きされた場合、どのような対応をされてきたのか。また、電柱、線路沿いの壁、また国や都が管理する建物等ですね、直接市が管理するわけではないが、公共的な建物や構造物に落書きされた場合、関係諸機関にどのような対応を求めてこられたのか。また、民家や商店に落書きをされて報告があった場合、どのような対応をされてきたのか。また、今後ですね、落書き被害を減少させるために、自治体としてどういった対策ができるとお考えなのか、答弁をよろしくお願いいたしたいと思います。なお、次年度予算案に直接触れる事項については、答弁は不要でございます。
 以上で壇上での質問は終わりますが、自席での再質問を留保させていただきます。よろしくお願いします。
                〔市長 清原慶子さん 登壇〕


◯市長(清原慶子さん)  落書きについての御質問をいただきました。落書きは刑法上の器物損壊罪に当たり、懲役または罰金が適用される犯罪です。そして、落書きはまちの美観を損ねるだけではなく、その地域が落書きがなされるような無関心な場所であると思われ、犯罪が起きやすくなると言われています。「地域安全マップ」におきましても、このような場所は地域のルールが守られていないところとして犯罪が起きやすいので、注意を呼びかけています。
 今後の市の対応ですが、落書きは、先ほど申し上げましたように犯罪であり、そして、現行法での対策を強化することが必要と考えています。市の対応といたしましては、夜間行われる悪質な落書きに対しましては、三鷹警察署へパトロールの強化と取り締まりを要請するとともに、地域においては、既に取り組んでおります安全安心・市民協働パトロールの活動が、落書きを防ぐ対策として効果があると考えており、これからも市民、事業者、警察と市が協働で落書きを防止し、良好なまち並みを維持することにより、安全で安心なまちづくりを進めてまいります。


◯生活環境部調整担当部長(藤川雅志君)  市長の答弁に補足させていただきます。
 まず、市内の落書きの状況でございますけれども、三鷹警察署で被害届を受理した件数は、平成19年15件、平成18年15件となっております。被害の状況は、主に塀、車、壁、店舗のガラスなどとなっております。地域別では、下連雀、井口、深大寺、牟礼地区は若干多いようですけれども、市内全域で発生しているところでございます。
 続きまして、市へ寄せられる相談内容でございますけれども、ここ数年、ほとんど市への受け付けというのはございません。警察署でも相談はほとんどないということでございます。
 それから、市の対応でございますけれども、公共施設へ落書きされた場合につきましてはですね、これまで、道路とか、公園とかございますけれども、それぞれの施設管理者が消去するなどの措置を講じてまいりましたが、間々再発することもございまして、その都度対応してまいったところでございます。例えば具体的に言いますと堀合地下道──上連雀の電車庫を挟んでの堀合地下道ではですね、落書き被害が以前は相次ぎまして、防止対策として消しやすい塗装をですね、施すなどの工夫をしてきました。また現在は照明を明るくしまして、防犯カメラ等をつけたことによりまして全く発生しないという、そういう状況が出ているところでございます。東京都の施設などにつきましては、その都度ですね、東京都に対して要請をしているという形になっているところでございます。
 それから、民家・商店等でございますけれども、この場合はですね、警察へ被害届を出していただく。そして、その上で所有者自身が負担して、現在までのところ、消去しているというふうに考えることができると思います。以上です。


◯15番(浦野英樹君)  御答弁ありがとうございます。まずですね、幾つか再質問させていただきますけれども、まず、市が管理する施設への対応なんですけれども、とにかく落書きをする犯罪者に対してですね、市はですね、絶対落書きを許さないというメッセージを送るためにもですね、とにかく素早い対応をお願いしたいなと思います。
 またですね、私もここ半年ぐらい、いろいろまちを歩いたりして状況を見ていたんですけれども、確かに吉祥寺周辺と比べたら落書きは少ないなと思うのですが、新たにですね、落書きをされているような場所を見かけたりしましてですね、少しずつ被害は拡大しつつあるのかなというような印象を持っております。先ほどですね、年間、警察に連絡があったのが18件ということなんですけれども、被害に遭った方に話を伺うとですね、とにかくどこに相談していいかわからないというようなケースもありましてですね、警察にも相談してないケースというのがかなりあろうかと思いますし、また、多分、警察に言ってもどうせ捕まらないだろうから、あきらめているというような状況もあろうかと思います。
 落書きというのは、特効薬的な対策があるかと言われると、ないというのが現状ではないかと思いますし、これは、自治体ですとか、警察だけの力でも解決できる問題でもないですし、最終的には民間の住宅ですとか、個人の場合は自分で消してもらうしかないんですけども、じゃ、自治体は何ができるのかなということを考えた場合にですね、まず、情報を集約する、そして提供するということは自治体ができる大きな役割なのではないかなと思います。もちろん、まちの安全を守るという意味でもですね、市が落書きの被害の状況の情報を集約していく意義はあると思いますし、市にですね、情報があればですね、もし町会や商店会が何らかの行動を起こすときに、行動をとりやすいということはあろうかと思います。関係する、例えば都ですとか、国に対するですね、呼びかけについてもですね、情報が集約されていれば素早い対応ができるのかなと思うんですが、警察とも連携しつつですね、市の方で落書き被害の情報を集約する必要性につきまして、御所見をお聞かせいただければと思います。
 あと、民家ですとか商店、個人の建物にですね、落書きされたケースの話なんですけども、実はですね、スプレーによって落書きされた場合ですね、火災保険、損害保険が使えるケースが結構あるんですね。実際にはですね、保険が使えるにもかかわらず、自分で消してしまったと。その結果、結構汚れてしまったですとか、また、使えないと思って放置していたケースがありました。
 これは個人の住宅の話になるんですけれども、一般的な住宅が加入している火災保険は大体3種類ありまして、1つがですね、火災と落雷ぐらいしかカバーされない純粋な火災保険。2つ目がですね、火災ですとか、水害ですとか、外来物の飛来など、総合的にカバーできる住宅総合保険。また3つ目がですね、いわゆる実損てん補型と呼ばれているらしいんですけれども、リスク細分型の保険がありまして、これは、盗難ですとか、不注意によって壁を傷つけてしまったというような事例などもカバーできる、最も事故に対してカバーされる範囲が広いタイプの保険なんですけども、スプレーによる落書きはどういった事例に相当するかというと、外来物の飛来と同じ扱いになるそうです。要は野球のボールが飛んできて窓が割れた、それと同じような扱いでスプレーの落書きは対応できるそうです。
 火災しか補償されない保険は、これ、だめなんですけれども、いわゆる水害ですとか、外来物の飛来など総合的にカバーのできる住宅総合保険という名称の保険であればですね、大抵の場合が──若干例外はあるんですけども、スプレーによる落書きは対応可能ということです。
 損害保険会社の方にですね、ちょっと話を伺ったんですけども、今から20年以上前、いわゆる昭和の時代に建てられた住宅についてはですね、純粋に火災しか出ないようなですね、保険しか入ってないケースもあるそうなんですけれども、平成になってから建てられた住宅については、かなりの部分がスプレーの落書きに対応できる住宅総合保険に加入しているということです。
 目安としてですね、水害に対応できるか。水害に対応できる保険であれば、ほとんどがスプレーによる落書きには対応できるということですね。あと、また商店についてもですね、普通、盗難等に備えててん補型の総合的な保険に加入しておりますので、これは加入している商品の内容にもよるんですけれども、スプレーによる落書きにも対応している商品もあるということです。
 個人の住宅や商店が落書き被害に遭った場合の対応なんですけれども、加入している保険によっては落書きに対応できるケースがある。またですね、地域的に落書きが非常に多いという場所については、あらかじめ落書きに対応しているですね、保険を検討すれば、もし被害に遭ったとき、素早い対応が可能になるというですね、情報提供をですね、行うということは市もできるかと思いますし、一定の効果が見込めるかと思うのですが、御見解を伺いたいと思います。よろしくお願いします。


◯生活環境部調整担当部長(藤川雅志君)  何点か御質問がございました。市が管理している施設の問題でございますけれども、私も、新しい施設を立ち上げるという経験はこれまで随分ございまして、その際に、オープニングセレモニーを予定しているそのさなかですね、その前にですね、落書きを書かれて、非常につらい思いをしたことがございます。もちろん素早い対応をしまして、オープニングには間に合わせるというような対応をとってまいりましたので、それは御理解をいただきたいと思います。
 それから、警察に出されている被害届から言いますと、ふえているというふうには言えませんので、現状同じようなレベルで推移しているのかなというふうに考えているところでございます。
 それから、相談窓口は警察でも市役所でも一応相談はお受けできますので、そのように御理解いただきたいと思います。
 それから、情報収集の問題でございますけれども、市内の犯罪件数の総数の中で、我々、総数としては理解しておりますけれども、落書きというような形で、区分した形でですね、我々は情報を収集しておりませんので、今後そういったことも検討してみたいというふうに思っております。
 それから、情報提供でございますけれども、もちろん御相談をいただければ、保険の問題だとか、いろいろ情報提供していきたいと思いますし、また、広く一般の市民へのPRということについてもですね、今後ちょっと研究してみたいなというふうに思っております。


◯15番(浦野英樹君)  私も落書きの被害については、例えば周辺の吉祥寺等と比べたら、まだ少ないし、予防という観点からですね、落書きがふえてから対応するんじゃなくて、このまちは落書きを許さないという姿勢で対応に当たっていただければなと思います。
 またですね、さっき保険の話をしましたけれども、実際にはかなり複雑でして、スプレーによって落書きされた場合は外来物の飛来ということになるんですけれども、ペンキで落書きされた場合ですね、また扱いが違ってきまして、これは出入り業者とか、個人が不注意で壁を傷つけたというような扱いになるらしくてですね、カバーできないこともあるそうです。スプレーはオーケーだけれども、ペンキはだめというような例もあるらしいということと、例えば黒っぽい壁にですね、黒で落書きされちゃうと、これはだめという例もあるそうなんですね。
 生命保険や自動車保険というのは、結構、補償の内容というのはチェックされている方が多いと思うんですけれども、火災保険というのは余りチェックされてなくて、自分がどんな保険に入っているか知らないという方が多いのが現状だと思うんですけれども、とにかく自治体がですね、自分が加入している保険の補償内容を確認してくださいと呼びかけることは可能かなと思いますし、それはスプレーによる落書きに限らず、個人の財産を守るという意味でも意義が深いことだと思いますので、今後、情報提供のあり方を検討していただければと思います。以上で終わります。


◯議長(石井良司君)  以上で浦野英樹君の質問を終わります。
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◯議長(石井良司君)  次の通告者、14番 嶋崎英治君、登壇願います。
                〔14番 嶋崎英治君 登壇〕


◯14番(嶋崎英治君)  質問に入ります前に、つい先日、千葉県の沖でイージス艦と衝突し、まだ行方が知れない吉清さん親子に対して心よりお見舞い申し上げたいと思います。そして同時に、二度にわたって航海長を事情聴取していながら、増田事務次官は「記憶にない」という、このことについても摩訶不思議なことであり、私としては抗議を申し上げておきたいと思います。
 さて、今回は地球温暖化対策について質問をさせていただきます。この質問をする動機について、まずお話をさせていただきたいと思います。
 その1つは、今日的状況を考えると、温暖化というよりは地球発熱化と言った方がもう適切なのかなというふうには思いますが、陸地が海に沈む海面上昇、砂漠化の進行、北極の氷山が溶けシロクマなどの生息動物が流されていく。森林の乱伐によりアマゾン川の水がかれる。中央アジアの積雪が減り、アフガニスタンなどでは水がかれ、日本人医師の中村 哲さんたち、ペシャワール会やJVCの皆さんがボランティアで井戸掘りやかんがい用水づくりに行く。奥多摩のシカがふえ、山を裸にしてしまう。檜原村の杉の木が重い雪で折れ倒木してしまう。食糧不足や生態系の破壊など、温暖化、地球発熱による自然界に影響が顕著になっていること。それは私たちの化石エネルギーによる文明の享受によるもので、胸を痛めています。ライフスタイルの変更をしなければ地球発熱は深刻になる。しかし、ライフスタイルの変更は、言うはやすし、行うはかたしです。
 2つ目は、京都議定書は2005年に国際法として正式に発効され、日本は二酸化炭素などの温室効果ガスの排出を、2012年までに1990年の排出量よりも6%削減しなければならないと義務づけられているにもかかわらず、日本の地球温暖化対策は先進国中で最低ということが昨年11月、世界銀行調査結果で発表されました。これはもう本当にショックでした。京都議定書締約国として責任を自覚し、削減を果たしていると信じていましたからです。
 世界銀行の調査は、全体で世界の化石燃料、石油、石炭、天然ガスなどによる二酸化炭素、CO2排出量の95%を占める上位70カ国について、1994年から2004年にかけての排出量を数値化して順位づけしたものです。消費された化石燃料の単位当たりの平均排出量など5つの要素を検討しています。つまり、化石燃料の単位当たり平均排出量に基づき算出された係数で、1位はウクライナ、1,130万トン減少、2位はルーマニアで30万トン増加、3位はデンマークで130万トン減少です。アメリカは610万トン増加で21位、日本は4,180万トン増加し、マイナス31.9で、70カ国中62位です。京都議定書で定められた先進国では最低となっています。三鷹市議会も2002年3月28日、「京都議定書」早期批准・発効を求める意見書を私が提案し、満場一致をもって採択された経過もあるからです。
 3つ目は、いわゆる巨額の富を生み出すと言われている白いダイヤとして、CO2(二酸化炭素)が日本向けに売られているということです。
 そこで、お尋ねをいたします。地球温暖化について市長の基本的な考え方をお伺いします。
 2005年の予算委員会だと記憶しますが、発効した京都議定書を意識され、市役所が率先して環境対応をさらに向上させることによって、市民の皆様のさらなる地球温暖化防止の取り組みを呼びかける旨、答えています。地球温暖化についての基本的な認識と、具体の取り組みを進めてこられた成果をお聞かせください。
 2つ目は、学校教育での取り組み状況について、教育長にお尋ねします。地球温暖化、発熱問題について、小学校、中学校の授業でどのように実践されてきたのでしょうか。
 3つ目、「環境基本条例」から個別条例「地球温暖化対策条例(仮称)」制定の必要性について、市長にお聞きします。
 千代田区は、地球温暖化対策条例をことし1月1日から施行しました。この条例は、千代田区の地球温暖化対策の基本的な考え方、区民、事業者の責務、対策の総合的な推進について定めているとしています。誤解のないように申し上げておきますけれども、1番目の質問に対して、この間、市が進めてきた施策とその成果がお答えとしてあると思います。したがって、この質問は、三鷹市も即条例化せよということではありません。条例化することの必要性、意義をお尋ねしています。どうぞよろしく御答弁のほどをお願いいたします。自席での答弁を留保させていただきます。
                〔市長 清原慶子さん 登壇〕


◯市長(清原慶子さん)  地球温暖化についての取り組みに関して答弁をいたします。
 三鷹市は、昨年の3月に改定しました環境基本計画(改定)におきまして、協働で取り組む3大プロジェクトの1つとして温室効果ガス排出量徹底削減プロジェクトを掲げました。そして、市民や事業者の皆様とともに、地域全体での省エネルギー活動の推進に取り組んでおります。
 これまでも公共施設の省エネルギー対策であるESCO事業の実施、そして、環境マネジメントシステムの国際認証であるISO14001の認証を受け、地球温暖化対策実行計画を策定して取り組んでおります。このISO14001の認証に当たりましては、三鷹市の環境方針というのをまとめまして、実は職員は、私もそうですが、つけておりますネームプレートとともにですね、三鷹市環境基本方針を常に携帯して、業務を行うときに、この方針に照らし合わせながら検証をしております。基本理念の後半には「地球的な視野で環境に配慮した活動をすすめ、環境安全都市を次世代に継承していくための役割を担ってまいります」と、このようにまとめられているわけですが、具体的な場面では、身近なことですが、職場で使用する物品購入をする際には、グリーン購入基本方針・ガイドラインにのっとりまして、こうした観点からの購入に心がけております。
 また、「循環・共生・協働のまち みたか」を目指してという基本計画(改定)に当たりましては、市民の皆様に御検討いただいたわけですが、市民の皆様、事業者の皆様とこの計画を推進していくべきだということで、昨年、市民の皆様、事業者の皆様の代表による環境基本計画推進市民会議も設立いたしました。三鷹市が率先垂範をさせていただくといいましても、そのことが、ともに三鷹市から、さらなる地球温暖化防止を進めようとしている市民の皆様や、あるいは事業者の皆様との協働なくしてはなし遂げられません。今後もこのような積極的な取り組みをともに進めていきたい、このように考えております。私からは以上です。


◯教育長(貝ノ瀬滋君)  地球温暖化対策につきまして、学校教育での取り組みについてお答えをいたします。
 地球温暖化を含めまして、環境教育ではですね、人間と環境とのかかわりにつきまして、総合的な理解と認識の上に立ちまして、環境への責任ある行動がとれる態度と実践力を育てるということを目指しております。小・中学校におきましては、地球温暖化を内容として取り扱う具体的な学習についてでございますけれども、小学校では、社会科などにおきまして、化石燃料の消費、そして、二酸化炭素が増加することによって地球の温暖化が進行しているということ、それから、地球温暖化防止京都会議の開催についても紹介したりですね、地球の環境と平和を守るための人々の努力について学習する機会が設けられております。
 また、中学校ではですね、社会科におきまして、地球環境破壊について、それから、温暖化での水没の危機にさらされている国ですとか、それから、理科の分野でもですね、自然環境の変化ですとか、海面上昇の問題、それから、化石燃料の消費による大気中の二酸化炭素の増大等、こういったことも学習いたします。保健体育でもですね、健康と環境の学習においてですね、環境問題も取り上げられております。さらに、三鷹市では、御承知のように小・中一貫教育を進めておりますが、そのカリキュラムの中に地域学習──三鷹学習がございますけれども、そのカリキュラムの中に、小学校、中学校ともですね、身近な地域の環境について課題意識を持たせて、解決に向けました実践力を育成する内容を盛り込んでおります。
 環境教育というのは極めて大事な分野でございますので、今後ともですね、各教科等の特性を踏まえつつ、小・中一貫カリキュラムでの一層の充実を図っていくということ、そして、学校の教育活動全体を通して環境教育が適切に行われていくように、各学校を支援してまいりたいというふうに考えております。以上です。


◯生活環境部長(木村晴美君)  市長の答弁に補足をさせていただきます。
 最後にございます個別条例、いわゆる地球温暖化対策条例(仮称)ということについての御質問でございます。全国に先駆けて千代田区で、この1月1日からですね、施行がされてきているわけでございますけれども、この条例に掲げてございます区の目標、省エネルギーのですね、機器の導入の支援など、こういったようなものが盛り込まれておりますとともに、大規模なですね、ビルの開発などに当たっての助成、負担等々がですね、書かれているところでございます。
 三鷹市では、環境基本条例や環境基本計画におきまして、市民、事業者、市がですね、この3者が協働いたしまして環境保全に努めていることですとか、役割をですね、担ってきているところでございます。また、三鷹市のまちづくり条例に基づく環境配慮制度におきましても、一定規模以上の開発事業につきましては、再生可能エネルギーの設備ですとか、省エネルギー機器の導入を求めているとともにですね、緑と水の公園都市の実現ですとか、ヒートアイランド防止のための緑化への取り組みの基準も定めているところでございます。したがいまして、現時点ではですね、既存の条例ですとか、計画などをもとに、市民の方々とともにですね、温室効果ガスの削減を進めるとともに、事業者の方にもですね、地球温暖化対策や緑化などへの協力をいただきまして、三鷹市が目指す環境像、先ほど市長が申し上げましたけれども、「環境・共生・協働のまち みたか」、この実現に向けて努めていきたいなというふうに考えているところでございます。以上でございます。


◯14番(嶋崎英治君)  市長から基本的な考えをお伺いいたしました。そして、既に市長が答弁されたような形で実践をされて、そして、市民と一緒につくっている環境基本計画推進市民会議ですか、ここでさまざまな議論がされて、お互いに認識が共通になっていくということで、大変大きな成果を私は上げているというふうに思っていますし、その姿勢で続けていってほしいと、まずは思います。
 そこで、この問題に携わっている市の職員の皆さんがいらっしゃると思います。名札のところに、今、緑のものを入れて、常にそのことを意識されて仕事をされている。これは大変すばらしいことだというふうに思います。それは、現場には専門的な技術職員がいらっしゃる。余人にかえがたい知識、実践を持っている方がいらっしゃる。それを市全体、あるいは教育現場でどう生かしていくのかということも大切なことだと思うんです。
 教育長の方からですね、るる社会科、理科、保健体育、小・中一貫校でありました。実はもっと──申しわけないんですけどね、生きた教育というんでしょうか、子どもたちがですね、奥多摩のシカがふえちゃって、山がこんなになっちゃう。何でこんなことが起きたんだろうかというようなことを見る。北極のクマが流されていくということを見れば、どうしてということに印象づけられていくと思うんですね。三鷹市の職員が学校教育に行って、私は実践しているというふうに伺っているんですけども、そういった例はないのでしょうか。あればお答えをいただきたい。そして、どういう成果が上がっているのかということをお聞かせいただきたいと思います。
 それから、千代田区へ行って、いただいてきました。これは広報ですけどね、ここにあります。千代田区地域温暖化対策条例施行ということで、「区民や事業者と手を携えて、地球温暖化防止に取り組みます」と。三鷹市は、ここに書かれているよりもさらに進んでいるものがね、基本計画だったり、実践しているというふうに私も認識しています。この中で私はね、すごく評価をしたのは、この条例をつくるに当たって、前文ですよね。前文を区内の九段中等教育学校の生徒さんたちに区がお願いをした。これが大きいと思うんですよね。
 先ほど私、ライフスタイルを変えていくということについては、言うのは本当にね、簡単ですけど、実践するのは、こんな文明社会にいますと本当に大変だと思うんですよ。私たち大人たちは、一定の資源がなかった時代を経験していますけども、今の30代以降の人たちというのはそういう経験がない。そうすると、子どもたちがこれからは頼りだと思うんですね。区が条例を制定した意味は、大人たちが地球環境を保全して引き継いでいってもらうんだ、これが責務だということで、子どもたちに前文をつくってもらったと、こうなんですね。これは大切なことだと思うんです。教育をすること──これからもしそういうのをつくる場合に、やっぱりこれから未来を担う子どもがそのことを意識したときには大分変わると思うんですけども。そして、この広報ではですね、中学生たちの作成した条例の前文ということで、イラスト入りで区民の皆さんに知らせていると、こうなっているんですよね。私はこのことも大人たちにいろいろなことを、影響を感化するというふうに思っております。その辺についてどうでしょうか、環境部長の方とか、教育長の方から御見解をいただければと思います。


◯生活環境部長(木村晴美君)  2点ほど御質問をいただきました。三鷹市の職員が実際に学校へですね、お伺いいたしまして、環境学習の指導に当たっているということがございます。実は18年度でございますね。七小の小学校6年の皆さんとですね、「環境問題について考えよう−三鷹市そして世界」というサブタイトルをつけて、私どもの生活環境部の環境対策課のですね、職員が実際に赴いて講義をしてございます。2時間単位のプログラムを3こま講義をしてきたというお話でございます。本人自身もですね、ここへ出向いてお話をすることについて、一部戸惑いがあったかのように聞いておりますけれども、伺いましたらば、何と小学生の皆さんがですね、目を輝かせて自分の話を聞いてくれ、また、写真等についてもですね、真剣に見ていただいたというようなことを、私、実際に職員から聞いているところでございます。今後もですね、こういったようなことについては、引き続き続けながら、環境に対する目をお子様のうちからですね、育てていきたいというふうに考えているところでございます。
 また、仮称、どうだろうかという私どもの条例についても、同じように、先ほど申し上げましたようにですね、これから担っていくお子様たち、この方々がどういうふうにものをこれからとらえていくのか、そんなことで物を大切にし、緑を大切にし、それから、地球全体規模のですね、環境について考えていくのか、こんなことをですね、つくる際にはですね──まだ今のところ考えておりませんけれども、つくる際にはそんなことも盛り込みながら、挿入できたらなというふうに考えているところでございます。以上でございます。


◯教育長(貝ノ瀬滋君)  環境教育というのは、本当に今、重要なですね、分野でございまして、これは学習指導要領の中にもですね、総合的な学習の時間の扱いのですね、大事な柱の1つともなっております。三鷹市の子どもたちもですね、この問題を主体的にね、自分の問題としてやはり考えて問題解決に当たれるような、そういう子どもを育てていきたいと。そういう意味で、1つとしてですね、今、生活環境部長の方からもお話がありましたように、三鷹市のですね、第一線で環境問題に取り組んでいる職員の方々のお話を聞いたり、それから、今、映画でも「アース」という映画がですね、大変好評でございますけれども、そういった問題を授業で取り上げたりというふうなことをしながらですね、できるだけ実体験に近いいろんな教材等を準備してですね、学校教育は工夫を重ねております。
 日本としてもですね、大きく言えば、やはりこれから世界の中で環境問題についてやっぱりリーダーシップをとっていける国の1つではないかと思っておりますので、そういう意味でも、そういうことを担えるようなですね、子どもたちを育てていきたいというふうに考えております。


◯14番(嶋崎英治君)  七小の6年生の取り組みの御報告をいただきました。本当にそうだろうと思うんですよね。そういうことを通じながら職員も鍛えられ、仕事に誇りが持てるということにつながっていくのかな。私もその場にいれば、その子どもたちの目を見ることができたら、大人としてやっていかなければいけないことというものをね、認識したんだと思いますが、七小の6年生の1回ということで、2時間3こま、6時間ということになるんでしょうか。それをもっとね、ふやしていってほしいな。そのためには、教育委員会との連携と、職員体制、出ていく一方になったら現場の作業ができなくなっちゃうという問題があると思いますから、ぜひ市長におかれましては、14001という認証を取ったと同時に、そのことを市の職員が子どもたちに実践をしていくという大変貴重な取り組みになっていきますから、そういうバックアップ体制もぜひお願いできればというふうに思います。
 それから、生活環境部長から答弁がありました。すぐ条例化するということじゃありません。つくればいいという問題じゃないですからね。そういうことも認識を置きながらやっていくと、市民、行政、事業者の心が1つになって、そして今、心ない事業者が、先ほど私は「白いダイヤ」というふうに表現しましたけれども、環境に配意した仕事をやれば金がかかってしようがないんだけど、買えばいいんだという人たちが堂々と出てきているんですよね。これは一番危惧したことだけれども、そうじゃないと思うんです。そういう意味で自治体レベルから、この基礎自治体から、生活者からこのことをやっていくことによって、日本のノルマということに対して、政府も、また事業者も──大企業ですね、本気になっていくのかなというふうに思いますので、地道かもしれませんが、そういう子どもたちの教育を通じながら大人たちが逆に学んでいくということをこれからも積極的に推進していってほしいということを申し上げまして、私の質問を終わりたいと思います。


◯議長(石井良司君)  以上で嶋崎英治君の質問を終わります。
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◯議長(石井良司君)  次の通告者、16番 野村羊子さん、登壇願います。
                〔16番 野村羊子さん 登壇〕


◯16番(野村羊子さん)  こんにちは、野村羊子です。市政に関する一般質問をさせていただきます。
 最初に、三鷹市議会においては、一般質問はその議会に提出予定の議案は直接触れないように自粛することとされております。これから私の質問の中にそれにかかわる文言がたとえありましても、それは提出予定の議案に関する答弁を求めるものではないことをあらかじめ申し上げておきます。
 今回の私の一般質問は、外国とつながる子どもたちについてです。
 外国とつながる子どもたちと一口に言っても、そこにはさまざまな子どもたちがいます。一番先に思い浮かべるのが外国籍の子どもたちでしょう。両親ともに外国籍で、親の都合で日本で暮らす子どもたち。しかし、その実態は多様です。在日コリアンのように、日本で三世、四世と世代を超えて生まれ育つ子どもたち、中国残留法人の呼び寄せ家族のように、家族とともに暮らすため、永住するために日本にやってきた子どもたち、母国での迫害を逃れて日本にたどり着いた難民家族の子どもたち、さらには国際化、グローバリゼーションの中で、国境を越えて働き、学ぶために移動する大人たちに引きずられて日本に移動してきた子どもたち。また、親の一方が外国籍であるという国際結婚家庭の子どもたちがいます。今や東京での婚姻の10組に1組、これは外国籍同士も含んだ数ですが、10組に1組が国際結婚です。そして、東京23区では14人に1人が外国とつながりのある赤ちゃん、親の一方、または両方が外国籍という赤ちゃんです。国際結婚家庭の子どもたちには、日本国籍と外国籍をあわせ持つ子どもたちもいれば、日本国籍だけの子どもたち、あるいは外国籍だけの子どもたちもいます。外国にルーツを持つ、外国とつながりのある子どもたちであっても、国籍だけではその状況がとらえられないのが現状です。さらに両親とも日本国籍であっても、長期間の海外滞在などによって外国とつながっている子どもたちもいます。
 そこで、三鷹市に暮らす子どもたちの現状についてお伺いします。
 三鷹市の外国人登録者数は、2008年2月で3,143人となっています。このうち、義務教育就学年齢に当たる子どもたちは何人いるのでしょうか。公立学校に通っている子どもたちのほかに、インターナショナルスクールや、いわゆる民族学校などに通っている子どもたちについて、把握はしているでしょうか。あるいは学校と接触していない、学校に通っていない不就学の外国籍児童・生徒について、新宿区などでは2割前後はいるのではないかと言われています。三鷹市ではそのような子どもたちがいるのかどうか、実態を把握しているでしょうか。また、日本国籍であっても、国際結婚等で外国とつながる子どもたちについて、人数等の把握はしていますか。国籍を問わず、外国で育つ、あるいは保護者の母語──母語とは「母」の「言語」と書きます。人が生まれて最初に身につける言語であり、その人のアイデンティティーの基礎となるものです。保護者の母語が外国語であるなどにより、外国語を母語とする子どもたちの存在は把握されているのでしょうか。
 2007年度の海外からの編入児童・生徒は、小学生35人、中学生3人と伺いました。このうち日本語が十分に使えない児童・生徒、そして同様に日本語が十分に使いこなせない保護者の人数は把握していますか。日本語能力が不十分と言っても、そのレベルはさまざまです。日本語は平仮名、片仮名、さらに漢字と3通りの文字を学ぶなど、読み書きの習得が難しい言語です。さらに、学校で使われる言葉、教科学習に使う言葉は、日常会話では通常使われないものも数多くあります。そこで、日本語が十分にできない子どもたちへの日本語指導と学習支援の現状についてお伺いします。
 現在、日本語教育はどのような形でなされていますか。だれを対象に、どういう人が指導し、どのくらいの期間、どのような形態で、どういう内容の教育を行っていますか。外国とつながる子どもたちへの日本語指導において、日常会話などを扱う生活言語能力の習得と、教科学習などに使う学習言語能力の習得支援の両方が必要だと言われていますが、それぞれへの支援の現状についてお答えください。
 語学の習得は初期の短期集中が効果的と言われています。日本語が全くできない状態なら、短期集中で毎日語学指導を行うことがまずは必要な教育支援と言えます。教育支援という言葉は、三鷹では特別支援教育、すなわち心身の発達につまずきや偏りのある子どもたちへ特別配慮が必要な教育への支援という意味で用いられておりますが、私は、日本語を十分に使いこなせない子どもたちも特別な配慮を持った教育の支援が必要であるとの考えから、あえて教育支援という言葉をここでは使います。
 さて、日本語が一切わからない子どもたちが、何の取っかかりもないまま、クラスにほうり込まれても混乱するだけではないでしょうか。もちろん子どもたちの適応能力、順応性には目をみはるものがありますが、それだけに頼るのは不十分です。系統だった専任者による日本語指導が、クラス編入の前にまず確保されるべきではないでしょうか。あるいは日本で生まれ育った子どもたちでも、外国語が母語の保護者が片言の日本語で子育てしてきた場合、母親の母語も日本語もどちらも不十分な状態、これを「セミリンガル」といいます。どちらも不十分な状態で小学校に入学する子どもたちがいます。この子どもたちに対して、就学前に集中的な日本語指導の場があれば、子どもの成長は随分と違ったものになるのではないでしょうか。
 また、せっかく始めた日本語指導を、長期休暇のために中断することがあるようです。それではまたゼロからのスタートになりかねません。長期休暇中も継続した日本語指導が必要だと思いますが、いかがでしょうか。日常会話がこなせていても、学習言語能力が不十分なため、教科学習でつまずいている子どもたちもいます。日本語の日常会話が流暢に話せるために、特別な教育支援が必要とはみなされていないのですが、その実、教科学習の成績は全く振るわない。その子自身の能力ではなく、学習言語の習得状況を確認する必要があります。
 保護者の日本語が不十分な場合、家庭学習で補うことも困難ですし、教科学習のための言語習得が必要であるという認識も持ちにくいのが現状です。小学校高学年、中学生の子どもたちにとって、教科学習の成績は、進学、進路に大きく影響し、人生を左右する問題です。こういう子どもたちには日本語指導のほかに、母語保持と日本語による教科学習支援、両方が必要です。言語を使って物事を論理的に考え、まとめる力を身につける、それをどう保障するかが問われているのです。将来日本の社会を担うべき人材でもある外国とつながる、この子どもたちについての教育支援について、どのようにあるべきか、教育長の見解をお伺いします。
 日本語指導と同時に、母語保持、母国文化の尊重も大変重要な課題です。子どもの権利条約には、「児童の父母、児童の文化的同一性、言語及び価値観、児童の居住国及び出身国の国民的価値観並びに自己の文明と異なる文明に対する尊重を育成する」とあります。永住など長期滞在が前提の子どもたちに対して、ともかく日本語習得のみを優先にする考えがありますが、それでは不十分です。1つは、先ほど述べました物事を論理的に、あるいは抽象的に考える力は言語によって成り立っているからです。母語も日本語も中途半端な状態であれば、考える力のベースとなる学習言語能力が伸びないのです。
 もう一つは、母語を喪失した子どもは、母語しか話せないあるいは日本語が不十分な親とのコミュニケーションギャップに陥ります。自分の困難な状況を相談できないどころか、日常の生活を維持するために必要な伝達すら難しくなります。また、日本語のできない親を恥と思い、自尊心を持てなくなる。文化の継承やアイデンティティーの確立などの問題が起こりがちです。このような観点から、外国とつながる子どもたちの母語保持及び母国文化の尊重は大変重要だと考えますが、それについての見解も教育長にお伺いします。
 さらに、外国籍保護者への、外国語を母語とする保護者への学校生活オリエンテーション等の支援についてお伺いします。子どもたちと同様に、日常会話が流暢なように見えても、さまざまなサポートが必要な保護者がいます。海外から直接転入してきたのであれば、学校側も、日本語での理解度などを慎重に探るなどの対応をするでしょう。しかし、滞日年数が長い場合、学校生活について、文化的背景の全く違う外国籍の保護者には理解できないことも間々あるということを伺っています。就学時健診の案内や入学通知などを外国籍の子どもたち全員に送っていますでしょうか。それは日本語の読み書きが不十分な保護者への配慮がなされたものでしょうか。就学時あるいは編入時に、子ども自身の状況に加え、保護者自身の日本語の読み書き能力や、必要としている支援も具体的に把握する必要があると思いますが、いかがでしょうか。
 文化的背景が違う保護者には、学校生活全体のオリエンテーションのほか、配布物、用具などの説明といった日常的な支援が必要だと考えますが、いかがでしょうか。さらには、日本語の読み書きが不十分であれば、子どもの宿題や持ち物を確認することができません。それを、だらしがない、あるいは子どもの教育に無関心と決めつけられることもあると聞いています。だれも声をかけてくれない、あるいはしかられてばかりと萎縮して、学校に足を向けなくなり、さらに孤立を深めている保護者もいると聞きました。保護者自身が生活に追われて手いっぱいの場合ももちろんあります。しかし、地域で孤立している状況を変えていくことそのものが子ども自身の生活環境支援となります。親が安定すれば子どもも安定します。学習に集中するには、何よりも安定が必要です。
 また一方、外国とつながる子どもたちの中には、インターナショナルスクールなどに通っている子どもたちがいます。伺ったところによれば、母語保持、あるいは母国文化の維持継承のためという理由が多いようです。しかし、学費に年間200万ほどかかる場合もあり、負担が大きいとも聞きました。これらの保護者へのサポートも検討すべきではないでしょうか。
 以上、外国とつながる子どもたちの保護者への支援について、教育長の見解をお聞かせください。
 三鷹市は、三鷹市教育ビジョンにおいて、「一人ひとりの子どもの状況やニーズに対応した、ぬくもりのある教育環境」をつくり、「基本的な力をつけるための多様な学習機会」を提供することをうたっています。また、三鷹市教育支援プランにおいて、「障がいのある子もない子も学校・家庭・地域の力を得て次代を担う人として心豊かに育っていくことを支援する」としています。言葉は子どもたちの生きる力、考える力に直結するものです。この基礎的な力をどの子たちにも保障される権利を持っています。それこそが教育を受ける権利ではないでしょうか。これは子どもたちだけではなく、日本で暮らす外国籍の大人たちの問題でもあります。
 三鷹市は国際化円卓会議を設置し、外国籍市民の意見を行政に反映させる仕組みをつくっています。円卓会議での提言を受けて、これまでもさまざまな取り組みをしてきていることは評価しております。円卓会議は現在第5期となり、1期ごとにテーマを決めて提言をしているようですが、テーマではなくても、教育がたびたび話題となると伺っております。外国籍市民の間で子どもの教育というのは大きな関心事です。外国とつながる子どもたちは、多様ではあっても、共通の課題を抱えています。対応は個別である必要がありますが、専門的見地から人権問題としてとらえ、その子ども全体をサポートするシステム、その保護者も含めて生活全体を支援していく、そのようなシステムが必要だと思いますが、いかがでしょうか。
 外国とつながる子どもたちは、日本と海外、2つの国や文化をつなぐかけ橋となる存在です。この子どもたちが誇りを持ち、ともに生きる市民として育っていけるような支援のあり方について、市長及び教育長の見解をお伺いします。
 自席での再質問を留保して、壇上での質問を終わります。
                〔市長 清原慶子さん 登壇〕


◯市長(清原慶子さん)  質問議員さんの表現による外国とつながる子どもたちについて、私から包括的に答弁をさせていただきます。
 多様な言語や文化的背景を持つ外国籍の方々が三鷹に暮らし、その中には日本語の理解が十分でない方もいらっしゃると推察されます。三鷹市で地域からの国際化を推進するために設置したみたか国際化円卓会議の中でも、外国籍児童・生徒、そして保護者の皆様が直面している課題に関する意見が出されています。私は、外国籍市民の方々の中には、生活の不自由さや、母語を表現したり、母国の文化を学ぶことのできる場が限られている方もあると認識しています。そして、現代、国際化、グローバル化がますます進み、世界の国々とのかかわりを抜きにして私たちの生活を考えることができない社会においては、国際社会から求められる日本国の役割もますます多様になると認識しています。
 そこで、国際人として人権意識と国際感覚を高めることは極めて重要だと考えています。言語哲学的、言語社会学的にいうならば、言語は思考を規定すると言われます。思考、つまり、考える力を身につける上で基本的な言語の習得は不可欠です。それが母語であるか、あるいは日本国で生活する上で、母語の維持に加えて日本語の学習や文化に関する学習機会も大切な課題です。こうした現状を踏まえまして、地域に根差した国際化施策に重点を置きつつ、通訳・翻訳ボランティア制度等を生かしながら、教育委員会、財団法人三鷹国際交流協会等と連携した取り組みを進めてまいります。私からは以上です。


◯教育長(貝ノ瀬滋君)  それでは、外国とつながる子どもたちの教育についてということでございますので、それについてお答えいたします。
 社会や経済、文化の国際化、グローバル化が進展しているという今日にありましては、外国籍児童・生徒、それから、海外からのですね、帰国児童・生徒を含めまして、三鷹市で学ぶすべての子どもたちにですね、個々のニーズに応じました教育支援を行っていくということはですね、学校、それから、教育委員会の大きな役割であるというふうに認識しております。また、未来を担う子どもたちがですね、国際社会で活躍する資質や態度を身につけるに当たりましては、三鷹市の学校教育に円滑に溶け込んだ外国籍児童・生徒、帰国児童・生徒等とのですね、日常的な交流を通して異文化を理解して尊重する態度を育てていくということも意義深いことであるというふうに受けとめております。
 教育を受ける権利の保障とですね、日本と海外を結ぶかけ橋になる市民、子どもたちの育成でございますけども、外国籍児童・生徒等にかかわる教育につきましてはですね、御承知のように昭和54年に我が国が批准いたしました「経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約」によりまして、希望する外国人の就学を認めて、公立学校で受け入れることを義務づけております。
 また、平成18年12月にですね、公布・施行いたしました改正教育基本法ではですね、「伝統と文化を尊重し、それらをはぐくんできた我が国と郷土を愛するとともに、他国を尊重し、国際社会の平和と発展に寄与する態度を養うこと」を目標の1つに位置づけておりますが、こうした経緯を踏まえましてもですね、教育委員会では、人権教育及び国際理解教育の観点に立ちまして、児童・生徒一人一人の人権が尊重されて、その成長発達と自己実現を図れるようにですね、教育活動を推進していくということにしております。今後ともですね、現在実施している施策のもとにですね、実情に応じたきめの細やかな教育支援やサポートをですね、行っていきたいというふうに考えております。私からは以上でございます。


◯教育委員会事務局教育部長・調整担当部長(岩下政樹君)  教育長の答弁に補足をさせていただきたいと思います。
 まず、三鷹に暮らす子どもたちの現状についてでございます。最初の御質問ですが、市の外国人登録者のうち、義務教育就学年齢に当たる子どもたちは、平成20年2月27日現在で109人おります。また、現在、三鷹市公立小・中学校には、小学校49人、中学校10人の外国籍児童・生徒が在籍しております。
 外国籍の方は、就学先の学校を選択する権利があるために、私立の私学やインターナショナルスクール、民族学校などに在籍している児童・生徒の数は把握をしておりません。また、義務教育就学期間でありながら就学していない児童・生徒の人数等の実態についてでありますが、外国籍の子どもは就学義務がなく、そのため私どもも把握に至っておりません。また、母国語が外国語である児童等についても、把握をしていないところでございます。
 次に、十分に日本語を使えない児童・生徒の人数ですが、海外から帰国した児童・生徒や外国籍児童・生徒が三鷹市立小・中学校に編入等をした場合に、校長が保護者、児童・生徒と面接いたしまして、一人一人の願いや思い、また、日本語の習得状況を把握しております。平成19年度に海外から編入した児童・生徒のうち、十分に日本語を使えない児童・生徒は8名おりました。また、児童・生徒の保護者で十分に日本語を使えない方の人数については、教育委員会としては把握しておりませんが、各学校で把握した場合には、関係機関への照会、相談等を行っているところでございます。
 次に、教育支援、生活環境支援についてでございます。まず、日本語指導についてもですね、あわせて御答弁をさせていただきたいと思います。
 日本語指導につきましては、海外から帰国した児童・生徒や外国籍児童・生徒が三鷹市立小・中学校に編入等をした場合に、日本語が必要であると校長が判断した場合には、校長が教育委員会に日本語指導員の派遣を依頼いたします。そして、当該の児童・生徒の指導に従事するようにしております。御質問の中にもありましたが、日本語指導員による指導形態は、個別の指導を行う場合は生活言語能力の習得を中心に、また、学習言語能力を習得するためには、日本語指導教員が教室に入りまして、担任の教員と連携して教科授業への指導を行い、生活言語能力と学習言語能力をバランスよく指導しているところでございます。
 質問議員の御指摘のように、外国籍児童・生徒や海外からの帰国児童・生徒につきましては、生活言語能力、学習言語能力の両面から早期的な支援や継続的な支援が必要であるというふうに十分に認識をしているところでございます。外国籍児童・生徒や帰国児童・生徒が一日も早く日本の学校や学習に適応し、従来から在籍している児童・生徒と一緒に楽しく学べるための支援について、今後も充実を図ってまいりたいと考えております。
 続きまして、母語の保持と母国文化の尊重についてですが、人権尊重の教育の視点に立ちまして、外国籍児童・生徒はもちろんのこと、日本人児童・生徒に対しましても、お互いに国籍等を異にする住民であることを理解させまして、外国や自国の母語や文化だけでなく、ともに人権を尊重する態度を養うことが重要であるというふうに考えております。
 次に、外国籍保護者への学校生活オリエンテーション等のですね、生活環境整備についての考え方と今後の方向性についてでございます。翌年度の4月1日に満6歳で小学校就学年齢になる外国籍児童を含めたすべての保護者に対しまして、前年の10月に三鷹市立小学校の入学案内を送っているところでございます。
 また、外国籍児童・生徒が市立小・中学校に編入することになった場合におきましては、保護者に対しまして、学校において、学校の生活時程や教育内容に関すること、また、学校生活をよりよく過ごすための基本的事項などについて説明をしております。生活環境整備等につきましては、学校において可能な範囲の内容では相談に応じておりますが、基本的には関係の相談機関等を紹介するなどしております。
 それから、最後の御質問で、学費負担が大きいインターナショナルスクールなどに対するですね、支援ということでございますが、インターナショナルスクールにつきましては、原則的に受益者負担の観点からですね、学費が高いというふうに聞いておりますが、現在、三鷹市教育委員会では、私立学校に在籍する児童・生徒の保護者と同様に、三鷹市私立小・中学校等補助金を交付しておりますので、申請をして御活用いただくという支援を行っているところでございます。以上です。


◯16番(野村羊子さん)  御答弁ありがとうございました。幾つか確認をしたいと思います。
 子どもたちの日本語指導について、日本語指導員が派遣されるというふうに今、言いました。校長が必要と判断して指導員が派遣されるということですけれども、三鷹の場合は、基本的に上限が20時間と伺っておりますが、それでいいでしょうか。それで十分な日本語指導ができるというふうに思っていらっしゃるのかどうかというのをちょっと確認したいのですが。
 というのはですね、お隣の武蔵野市では、日本語指導、小学生80〜100時間、中学生150〜180時間を限度とするというふうな形で、帰国・外国人教育相談室というのができていましてですね、保護者懇談会とか、通訳や翻訳などのサポートをするというふうな場所が一元化されているわけですけれども。あるいは新宿区では、日本語指導は小学生は50時間、中学生は60時間、さらに延長が可能だというふうな形になっています。20時間というのは、通常、海外に留学する生徒、学生さんたちが現地校で、20時間の現地語学学校で、さあ、授業に入る。わかるかというと、私自身もそれでわかるとは思いにくいんですね。もちろん、学校のクラスの中で子どもたち同士で学ぶことは大変大きいとは思いますけれども、やはり専門的な系統立った日本語指導というのがまずあって初めて、ああ、これはこういうことなんだとだんだん類推してわかってくるというふうなことがあると思うんですね。そういう意味で、もう少し実態を確認して、これで本当に足りているのかどうかというような実態をですね、確認していただければなというふうに思いますが、その辺どうでしょうか。
 それとですね、保護者に関して相談機関等を紹介するというふうにおっしゃっていましたが、実際はどのような相談機関、あるいは具体的にそこでどのようなサポートが得られるのかというふうなことは御存じでしょうか。とりあえずそれについてお答えいただければと思います。


◯教育委員会事務局教育部長・調整担当部長(岩下政樹君)  お答えしたいと思います。
 外国人児童・生徒、海外帰国子女ともにですね、日本語指導が必要な児童・生徒が編入学した当初に、20時間を単位に日本語指導を実施しておる現状でございます。20時間でまだ十分に日本語を習得していない児童・生徒につきましては、さらに追加で20時間人的配置を行うという考え方でおるところでございます。
 それから、先ほどちょっと答弁が漏れておりましたが、長期休業中の指導につきましてもですね、実施をしているところでございます。この日本語指導教員のですね、配置時間といいましょうか、指導時間につきましては、子どもたちの状況によってですね、かなり変動がございますので、私どもとしましては、引き続きですね、御質問にありましたように実態の把握に努めまして、子どもたちのよりよい日本語習得能力を伸ばしていくということで努めてまいりたいというふうに考えております。
 それから、保護者に対するですね、相談機関、どんなところがあるかということでございますが、言語に関してですね、あるいは日本の生活習慣でありますとか、それから、住宅の問題ですとか、医療の問題、これらにつきましては、東京都においてですね、相談機関が設置をされておりますので、そちらを御紹介することができますし、そして三鷹市におきましてもですね、三鷹国際交流協会が設置されておりますので、そちらの方で通訳のボランティアでありますとか、そういったですね、ボランティアの要請などをですね、御紹介をするということで、そちらの方ともですね、十分連携をとって、十分なサポート体制をですね、しいていきたいというふうに考えているところであります。


◯16番(野村羊子さん)  当初20時間、それからプラス20時間という日本語指導の話ですけれども、学習支援についてはですね、これもその中に入っているというふうに先ほどのお話では思うんですが、それで本当に学習言語能力、それこそ中学生で転入してきて、高校受験しなくちゃいけないというふうな子どもたちなどに対してのサポートというのが、そのようなことで足りるのかどうかというのは、非常に難しいのではないかという気がします。
 現実に、外国から転入してきた子どもたち、本当に小学校高学年、中学生で転入してきた子どもたちに、進路がなくて大変困っている状況がある。あるいは三鷹の市内でNGOがですね、子どもたちの学習支援をしておりますけれども、中学校高学年、あるいは中学生になってから、本当につまずいてからそこへやってくる。実際、自信喪失して傷ついていて、学習になかなか向かえない。そのような状況があって、もっと早期にこういう子どもたちに学習支援がなされていればというふうなことを思うというふうに伺っています。今のお話では非常に前向きな答弁で、ぜひこの子たちのためにきちっと、本当に実態をね、必要性を把握して、きちっと考えていただきたいというふうに思うんですね。現実には、本当に大変な状態になってから、そういうNGOにようやくたどり着いても、まず子どもたちのケア、心のケアをしてからじゃないと向かえないと。もう自暴自棄になっているような子たちがいる。
 現実に本当に外国籍の子たちが多い場所では、セミリンガルの子どもたちが、学校に行けない、あるいは暴力団に取り込まれるとしてね、補導をされたり、少年院に入ったりというような子たちが大変いると。中には少年院に入ったことで、ちゃんと逆に日本語が勉強できてよかったと。外国籍の保護者の中には、少年院に入れるためにはどうしたらいいんだって聞くような、そういう事態まで起こっている。いかに日常的な、学校の中でその子たちがきちっとケアされてこなかったかというふうなことだと思うんですね。そういうようなことがありますので、三鷹ではそういうことはないだろうと勝手に推測したいですが、もちろんね、一生懸命やっているというのはわかっていますから、思いたいですが、でも、そういうことも想定して、例えばですね、こういう援助ができますよ、こういうサポートがありますよということをきちっと、外国籍の、日本語が母語でない人たちに情報が伝わるような情報提供というのをね、どういう形でしていくか。
 通訳・翻訳ボランティアが、せっかく円卓会議の提言で今、ありますけれども、それは、学校に対しても使えるんですよね。公共機関の手続だけじゃなくて、学校に対しても使えるから、先生との面談にも、申請すれば一緒に派遣されるはずなんですよね。あるいは学校のプリントを翻訳してもらうということもできるはずなんですけれども、そういうことを日常的に使われてないようなんですね。もっとそういう情報を、どうしたら本当に……。日本語で情報を発信してもだめなわけでというのが、いつもこういうところで難しいところですけれども、どういうオリエンテーションというか、どういう伝え方をするか、学校長にどれだけ情報を持たせるかということも1つ重要なことだと思うんですね。なので、その辺の対策というのをもっときっちり見ていただきたいと思うんですが、もう少し実態を見ていただくということで、今後の方向性というのをもう一回ちょっと、どういう方向でやれるかというのがもしあればお答えいただきたいと思います。


◯教育委員会事務局教育部長・調整担当部長(岩下政樹君)  御質問の中にもありましたように、いろんなですね、専門機関、相談機関、NPO、あるいはNGOといったですね、支援機関もございますので、学校長に対しましても、そういったものにつきましての情報提供をきちっと定期的に行うとかですね、また、学校長を通じまして子どもたちの日本語の習得程度といいましょうか、そういったものを定期的に把握するなどですね、引き続き、これにつきましてはですね、配慮していきたいというふうに考えております。


◯16番(野村羊子さん)  ありがとうございます。人数的には本当に少ないですけれども、やはり力の弱い存在が大切にされることそのものが、私たち市民の暮らし全体が支えられていくということだと思いますので、これからもぜひ、きちっとその辺をカバーしていっていただければと思います。これで終わります。ありがとうございました。


◯議長(石井良司君)  以上で野村羊子さんの質問を終わります。
    ──────────────────────────────────────


◯議長(石井良司君)  次の通告者、17番 半田伸明君、登壇願います。
                〔17番 半田伸明君 登壇〕


◯17番(半田伸明君)  では、質問をいたします。
 公共施設はどうあるべきか、公共サービスのあり方はどうあるべきかという、非常にぼかした質問になりましたが、きっかけはこういうことです。要するに前回の議会でですね、指定管理者制度についての質問をさせていただきました。指定管理者制度の賛否がね、いろいろ分かれているんですが、それは置いといて、指定管理者は本来、政策的事業主体者であり得べきじゃないかという問題提起をさせていただきました。その時点での私の問題意識は、個々の施設の管理の主体はどこがふさわしいのかというところを一生懸命、秋ごろ勉強しておりました。質問が終わった後に、その考えをちょっといろいろ推し進めてですね、一つ一つの、そもそも、A、B、C3つ建物があったとして、Aという施設の建物の管理はどこがやった方がいいのかという議論の手前にね、Aという建物はなぜ必要なのか、Aという建物を所有してですね、そこを経由してサービスを提供することの意義は果たしてどこに本当の重みがあるのかというところを、今、一生懸命勉強させていただいているところでございます。
 なお、ファシリティーマネジメントの件も当然絡んできますが、言うまでもないことですが、予算議会ということでもございますので、その部分については答弁の方は御配慮いただければと思います。
 施設面での協働ということの質問になろうかと思うんですが、要するに一つ一つの施設の性質がですね、これはどうしても行政がやらんといかんというものもあれば、施設の設置自体をですね、民間のノウハウを引き入れた方がいいんじゃないかというものもあり得るだろうし、中間というのもあろうかと思うんですね。そういったものも含めての区分けというのを公共施設のあり方から解きほぐすという時代が多分来ているんだろうなと。
 PFIインフォメーションというホームページがありましてですね、もし御関心のある方はぜひ見ていただければと思うんですが、アメリカでですね、100%完全PPPの市が生まれたんですよね。そういった記事を見たり、また、我孫子市ではですね、基本計画のやり方に民間資金の活用ということを堂々とうたったりだとか、そういったことを含めて考えてみた場合に、公共施設の使命という部分についてですね、再配置のあり方云々というのは、さっき言ったように議論はしませんが、公共施設の使命というものをもう一回ゆっくり検証することは絶対やらなきゃいけないのかなということを、最近、ちょっと考えております。
 そこで、今回の質問に至ったわけですが、要するにですね、つくる主体が行政でなければいけないのか、行政でなくてもいいのかの議論と、あと行政でなくてもいい場合に、いかにして民間を引き入れるかの議論と、やっぱり複数いろいろ出てくると思います。主体が行政でなくてもですね、達成可能なケースとして、そこで初めて多分PFIの議論が出てくるんだろうなと。主体が行政でなければならないとした場合には、いわゆる将来負担比率の議論が出てくるだろうという、そういう流れになるのかなということを今、勉強している最中でございます。
 そこで、じゃあ、PFIとは一体何ぞやということでですね、日本のPFIの失敗例をいろいろ見てみたんですが、簡単にまとめてしまうと、要するに施設整備費を割賦払いしているにすぎない現状ですよね。世界の標準的なPFIとは何ぞやということで、これもいろいろ勉強してみたんですが、施設の建物、ハード自体をですね、担保にとっての資金調達ということではなくて、そこから生み出されるサービスの受給権、そこを担保にする。つまり、もともと施設を持っていることによってのリスクを完全に移転してしまう。最初からリスクは来ない。そういうリスク移転及びサービス購入型というモデルが標準的なんだそうです。要するに行政は民間から施設を購入する。所有権が来る。BOTだ、DBOだ、いろいろありますが、そういったことではなくてですね、民間の施設提供サービスを購入するのであり、サービスが購入できないのであれば、施設にふぐあいが生じたということで、施設提供サービス自体を受けることができなかったから料金を支払わなくてもよいという仕組みが現にあるんだそうでございます。
 そこで、今回は予算議会ということもありましてですね、大変重要な課題がありますので、それについての答弁は、もちろん御配慮いただければと思います。正直申し上げまして、当日、私も愕然とした次第なんですが、公共施設のあり方というものをですね、設置の義務及び公共施設の使命、そこを通じて何を提供するのかというところを解きほぐすにはやっぱり質問するべきだなと思いまして、今回は質問させていただくことになりました。
 そこで質問になります。概括的な質問で恐縮ではございますが、公共施設のあり方についてですね、行政がどうしても主体となって設置しなければいけないもの、そうではなくて民間が主体的に設置をしてもいいもの、そのノウハウを引き入れるべきものというような形で、建物ごとにですね、過去どういった検証がなされてきたのか。例えばごみの施設とかですね、コミセンだとか、芸文だとか、いろいろな施設があります。その施設ごとにですね、どういった検討がなされてきたのかということを質問させていただきたいと思います。
 あわせまして、日本版PFIということについて、今いろいろたたかれているような状況ではございますが、施設の割賦払いというのではなくて、リスク移転型のですね、PFIというものに対して三鷹市はどう取り組むべきなのか、それについての御所見をお聞かせいただきたいと思います。
 壇上の質問はこれで終わります。自席での再質問を留保いたします。
                〔市長 清原慶子さん 登壇〕


◯市長(清原慶子さん)  ホームページ等で勉強されているプロセスの中での御質問ということで、今、壇上での御質問の焦点がですね、私なりにちょっと受けとめかねているところがありますので、御質問に敷衍するところまで答弁が及ぶかもしれませんが、もちろん議案にはかかわらないで答弁をいたします。
 公共施設と公共サービスのあり方については、私たちは常に念頭に置いて仕事をしております。三鷹市において、施設の所有を目的として整備を行ったことは一度もありません。公共施設による公共サービスを提供するために、施設の整備や維持管理を行ってきているということは自明のことでございます。すなわち施設という資源やリソースを活用した公共的なサービスの提供によって、市民の皆様の満足度の向上を図ること、それが上位の政策目的でございますので、この視点に立つならば、施設の所有やサービスの提供の主体が行政でなくともよい場合もあるでしょう。公設民営による施設整備や、あるいは民間施設の開放や利用を誘導・助成する政策によっても当初の目的を達成できる場合もあると考えます。
 ただ、民間のノウハウをですね、公共サービスの向上に生かす視点からの施設面での協働につきましては、三鷹市は指定管理者制度やPFI法ができる以前から、既に民間のノウハウを活用した、例えば市立アニメーション美術館の整備や公設民営保育園の設置の実績を持っています。私たちは、このような取り組みを基礎に置いて、今後も市民本意の取り組みをしていきたいと思っております。
 そこで、施設の性質ごとに民間のノウハウを導入する場合は、あるときはPFIで、また、主体が行政でなければならないものについては公共で行うというような区分が必要ではないかという観点からの御質問をいただいたわけですが、実際の政策の立案において、三鷹市はもっときめ細やかな事業スキームの検討と制度の検討を行っております。直営の場合でも、サービス提供や施設管理の一部は民間に委託する場合もありますし、PFIの場合でも、施設整備後に公共側に施設の所有権移転を行い、公共がサービス提供の主たる部分を担う場合もあり得ると、このように柔軟に考えているわけです。つまり、PFIや指定管理者制度や民間委託などさまざまな政策の選択と組み合わせが可能な中で、どの事業スキームがその目的において、いわゆるバリュー・フォー・マネーの最大化を図ることができるのかという視点が求められてくるわけです。民間事業者の創意工夫や専門技術、経営努力を活用することによって、支払いに対して最も価値の高いサービスを市民の皆様に供給する仕組みをつくり出していくことが重要であると考えております。
 質問議員さんは定かにはおっしゃらなかったのですが、念頭には、日本のPFIは間違っているのではないかと。世界標準というのは、リスク移転やサービス購入モデルがあるのに、日本はおくれているのではないかというような問題認識からの御質問をいただいたように受けとめましたが、バリュー・フォー・マネーの最大化による市民サービスの向上には、私は、確かな官民パートナーシップ──「官」というと三鷹市には似合いません、公・民のパートナーシップを構築する取り組みが不可欠であると考えています。現在、EUではPFIを含めた民間委託や公共調達のプロセスにおいて、競争的対話方式とは、PFIや民間委託の要求水準書や仕様書をつくるときに、行政のみで作成するのではなく、競争に参入する民間事業者と公共側との個別の対話を通して、行政の政策目的を明確に民間事業者に伝えるとともに、民間事業者の提案を踏まえてアウトソーシングの仕様書などを作成する方式をとっているということです。三鷹市は、例えば公設民営保育園の設置において、いち早くプロポーザル方式を導入しました。これは、単にですね、価格のみで判断はしないということです。公の営みとしての質を確保する主体性というものを担保する仕組みを配慮してきたということになります。
 最近では、公設民営保育園の設置や、指定管理者の選定におけるプロポーザル方式は、三鷹市の導入後に全国に広がっているようですけれども、私は、質問議員さんは、民間へのリスク移転を強調する立場から御質問いただいておりますけれども、私は、市民生活に密接なサービスを提供する基礎自治体においては、民間事業者やNPO等との対話とパートナーシップによってこそ、より望ましい市民の満足度を高めるPFI方式や、いわゆるアウトソーシングが実現できるのではないかと考えています。


◯17番(半田伸明君)  御答弁ありがとうございました。過去、いろいろちょっと議事録を見ていたらですね、こういう質問──公設民営のあり方がね、いいか悪いかという議論は幾つか散見できたんですが、施設のあり方ということで真正面から聞くというのは、検索ではなかなか見つからなくてですね、かなり苦労したんですが、だからこそ、やっぱりちょっと聞いておいた方がいいかなと思った次第です。
 基本的な考えをですね、市長の方からお考えをお聞かせいただいたので、それを理解をいたしました。三鷹市ならではのね、PFIに対する取り組み方というのは今後出てくると思いますから、どう出てくるかは言いません。それはいろんなケースが今後あり得ようかと思いますけどね。
 ただ、私が今後をにらんだ場合に、どうしてもやっぱり気になる点が幾つか出てきたので、それをちょっとお話ししておきますと、まず仙台の事案がありますね、スポパークの。あれはですね、ああいう事故が起きていながら、分割払いをとめられなかったですよね。仙台のその事故についてもそうですし、何か問題があった場合に、支払いをとめる、要するにさっき申し上げたように、サービスが受給できなくなるわけですからね。だから、支払いをしないのは当然でしょうという流れで支払いをとめてしまうというリスク移転型PFIというのが言われている。それを先ほどお話を申し上げた。
 ところが、市長のおっしゃるお話も個人的には理解できるんですが、要するにサービスを受給できませんよと。じゃ、サービスを受給できないとなったら支払いをしませんからねで終わらない世界だと思うんですね、公共の世界というのは。逆にいうと、サービスを受給できないから、支払いできませんね。市民の皆さん、Aという部分についてですね、サービスの提供はできませんからごめんなさいねというのが通じる部分もあろうかと思うんですね。
 その部分の検証を市町村レベルでどこまでやっているのかという事例を、今、一生懸命探しているんですが、なかなかちょっと見えてこないんですね。ですから、今後、かなり大型な案件がいろいろメジロ押しだと思うんですが、例えば前回議会でですね、東台の案件がありましたですよね。東台の案件についても、議会の外で私は半ば冗談っぽくPFIはどうだったんだと聞きましたけども、あれはあくまでも冗談でですね、学校の事業にPFIを使えるかと言ったら、これは現実に失敗事例しかなかなかないわけですよね。学校の事業についてサービスが受給できませんでしたよと。子どもたちの皆さんごめんなさいで済まされるかというと、済まされるわけがないですよね。こういった部分については、やはり公の方がですね、責任を持って整備をしなければいけない。
 じゃあ、一方、健康増進に関する方はどうなのか、芸術文化はどうなのか、産業振興はどうなのか、農業振興はどうなのか、一つ一つの建物の性質についてですね、今のサービス受給権のあり方から考えていった場合に、やはりそれなりの公式が多分、今後出てくるんじゃないかなと思うんですね。ですから、そのことを、市長からそれに対する答弁はいただきましたけれども、今後の大きな問題に対してはですね、そういった意識で取り組んでいただければなと。要するに金融機関側はですね、私は銀行にいたのでよくわかるんですが、どうしても不動産担保なんです。これはしようがないんですね。そうじゃなくて、リスクを移転するという立場から考えて──それがもし可能だという案件の場合ですよ、サービス受給権を担保にとるというやり方をもし金融機関がとってきたとなると、これは必然的に三角関係の契約を結ばざるを得ないですね。それはそうですね、動産担保ですからね。これは一番金融機関は慌てるケースです。ですから、当然事業のあり方に介入をしてきます。そういった部分について、むしろ介入させた方がいいケースもあり得るわけですね。
 私は、何でもかんでもリスク移転型で起債をするなということではなくて、今まさに大きな節目を迎えている我が市でですね、一つ一つの建物の性質をもう一回みんなで考えてみませんかということの問題提起をしたかったんですね。そういったことについての議論だったということで御理解をいただければと思います。
 今後の大きな案件についてはですね、これ、ちょっと今、たまたま手元にふじみで配った資料、公設公営だ、DBOだ、BTOだ、BOTだとあって、公共の関与がここまでだよとかいうのがありましたね。これは今ちょっと忘れないように手元に持ってきたんですが、公の施設というのはやっぱりDBOが限界かなと個人的には思いますが、何%かの比率でBOTはあり得るだろうなと。今一度ですね、そういったことの観点を御検証いただければと思います。
 そこで、具体的に再質問に移るわけですが、今後のですね、課題に対してですね、どういった姿勢で臨むべきかということは最初の質問で申し上げたとおりなんですが、再質問の1つでですね、既存のインフラに対するですね、民間参入というのは考えられないだろうかというのをちょっとお聞きしておきたいんですね。ちょっと市の名前は、固定されちゃうので、ちょっと申し上げられませんが、西の地方で非常におもしろい事例を発見しまして、これは水道の案件だったんですが、水道をこういう対象に含めていいかどうかの議論はさておきですね、既存のインフラの買い取りを民間がしてもよいというケースがどうやら出てきそうです。これは出てきたら出てきたで、かなり多分ニュースになると思うんですが、考え方は2つあると思うんです。例えば佐賀市の事例で、ガスの売却がありましたですよね。ガス事業の売却をしたときも、既存の事業を売却しているわけですよね。河野さん、私、勘違いしていたら、ちょっと御指摘くださいね。
 あともう一つは、完全な売却をするというのではなくて、既存の建物に民間資金を入れて、いわば合弁会社というんですかね、そういった形で既存の資本に費やした債務といいますかね、それを一部移転させることって物理的にできるのかな、できないのかなっていうことについて、御専門の立場からですね、ちょっと御指導いただきたいと思うんですが、その点いかがかと思います。いや、済みません。率直な気持ちです。私も今、勉強を始めたばっかりなんでね。指定管理者からですね、話がこうやって広がって、勉強しながらですね、中途半端な状況ではあったんですがね、やっぱりちょっと聞いておきたいというので、見切り発車で聞いたというのが正直な気持ちでございますので、御答弁いただければと思います。
 それがまず1つと、あともう一つはですね、さっきの既存の資本に対しての佐賀市の売却の事例をちょっとお話ししましたけれども、例えばある建物があったとしてですね、それが例えば100億かかりましたと。分割返済を進めていますと。今、例えば50億になりましたというようなケースで、例えば15年ごとなんでしょうかね、実際は。50億残額期日一括返済の形をとりながら、もう一回借りかえをしてね、繰り延べをする。実際は、例えば箱物だと30年というのがほとんど多いのかなと思うんですが、そういうことをですね、やっていくときに、支払いのあり方というのは、やっぱり考えられてもいいのかなと最近、ちょっと思っています。例えば今の現状ですと、例えば土地・建物を行政が持ったとしてですね、分割払いをしていくよと。そういったケースで、例えば先ほど申し上げたような、例えば民がやりましょうと、ある建物を建てましょうとなって、例えば国土交通省とかで、100年住宅、200年住宅の話が出ていますよね。内部で議論されていると思うんですが、そういった視点から考えていった場合に、例えば100分の30──30年間でですね、100年の建物に対して100分の30、これを受給権で、要するに施設の所有権移転がないという状況でですね、100分の30を当初30年間払い続けますよと。100年の建物ですから、じゃ、残りの70年間はどうなのとなった場合には、30年たった段階のですね、インフラの価値を見きわめて、その数字を算出をしてですね、その段階で施設の買い取りができるかどうかという検討もありなのかなと思うんですね。
 そのPFIについての今、2つ質問を差し上げました。1つは既存の、既に建てられた部分に対しての資金を民間から入れるということの考え方ができるのかと。それによって行政の負担を減らすことができるのかという質問と、あともう一つは、先ほど申し上げたように、より長期的な建物をつくる。で、30年ごととかで切り返していった場合ですね、本当にその受給権のみで、期日が来たら担保をやると言えば形がとれるんじゃないか。
 あともう一つ質問したいんですが、入札の件です。今までは入札についてはですね、価格は決まっていて、その価格に対してですね、いいか悪いかの議論があった。より安い業者をですね、選定していくという方向性が今まではあった。この勉強をしているうちにはっと気づいたんですが、今までの入札の議論というのは、どれだけ安くですね、かつ総合評価方式なども含めてですね、よりコストの最適化、バリュー・フォー・マネーの考え方からですね、議論されてきて、より高いからおかしいじゃないか、じゃ、みんなでたたけ。で、より安くしましょう、一般競争とかいうふうにやっていたんだけども、さっき申し上げたように、民のノウハウをですね、公の世界にある意味引っ張ってですね、公と民とで協働で将来の三鷹市を描いていくと考えた場合には、価格決定のあり方の入札というのは、多分、限界がいずれ来るんじゃないかなということを今思っています。
 例えばAという部門について……。


◯議長(石井良司君)  質問者に申し上げます。質問項目に沿っての再質問をお願いいたします。


◯17番(半田伸明君)  わかりました。じゃ、入札の件は削除していただいて構いません。要するに公共調達のあり方についてですね、いずれ変わっていく時期が多分来るだろうなということの問題提起でもありました。
 じゃ、今、議長に御指摘いただきましたので、3番目はカットしていただいて、前2者について、概括的なお考えでございますので、お聞かせをいただければと思います。言うまでもなく、議案、予算にかかわることは答弁は御配慮いただければと思います。よろしくお願いいたします。


◯企画部調整担当部長・ファシリティ・マネジメント担当部長(河野康之君)  御質問にお答えいたします。
 一般論ということで御説明しますが、まず1点目がですね、既存の公共施設を民間に売り払うことがあるかという御質問でございますが、あり得るだろうというふうに考えています。1つの例としては、まず、例えば保育所というサービスがありますが、これはですね、御案内のとおり官民共存の事業でございます。官で行っているものもありますし、民で行っているものもありますし、中間の形の委託という形もありますが、これはですね、平成16年の三位一体の改革でですね、いわゆる公共保育所がですね、補助金がなくなったというところからですね、これを手放して民間化にするということで売り払ったケースがある。こういう実例があるところでございますので、これを例に御判断いただきたいと思います。
 もう一つがですね、100億と100年の30分割という理屈について、すべてわかっているわけではないんですが、いわゆる受給権という考え方でお話しいただきました。いわゆるですね、その相当の価値をですね、割賦買い取りするというようなイメージだろうなというふうに解釈いたしましたが、それは当然あり得るということで、その評価に応じたサービスが受けられるかどうかで判断するべきでありますし、30年後においてもですね、そのときの評価において、また同じような算定はあり得るだろうというふうに考えております。以上でございます。


◯17番(半田伸明君)  わかりました。まずですね、全般的に取りとめのない質問になったことをまずお許しいただきたいと思います。逆に申し上げると、それだけ事例がなかなか見つからなかったんですよね。事故事例だとかいうのはいっぱい出てくるんだけれども、理想的な事例というのはなかなか見つかってこない。ということは、理想的な事例をうちがつくればいいじゃないか、そういうことになりますね。ですから、今後さらに議論を深めていただければと思います。
 最後に一言、公債の返還がですね、ある程度、時期がピークを過ぎてですね、今後、残高が少し、毎年の負担がですね、減っていく時期が来るだろうと企画部長もよくおっしゃっていますよね。そのとおりなんですね。そのとおりで、減っていって、またふえていって、減っていってという繰り返しが、多分、日本の自治体は今後、何十年何百年と続いていくんでしょうけども、ポイントなのは、いずれそういうことを続けていったとしても、もしにっちもさっちもいかなくなった場合には──にっちもさっちもいかなくなったというのは、多分、通貨危機だとか、大変な事態なんでしょうけれども、1つ、示唆に富む発言だなと思うのは、慶応大学の上山先生がよくおっしゃっているんですが、究極の行財政改革は、資産も負債も両方落とすことだという言い方をよくなさっていらっしゃいます。要するにBSでですね、左側も右側も等分にストーンと落とします。そうなると何が待っているか、金利負担減が待っていますよと。多分、今までの自治体は行革といったら定量的な削減が中心だったし、多分、今後もそういう議論がどんどん出てくるかと思います。
 ただし、三鷹市の場合は、定量的削減はもう私は限界を迎えていると思いますし、なおかつ、質的な行革は三鷹市は成功していることは、これは言うまでもありません。私も評価をさせていただいているところでございます。となると、次に待っているのは何か。これは多分、BSを真剣にもう一回見詰め直して、資産と負債を落とす時期というのが、多分、ひょっとしたら来るかもしれない。来ないかもしれない。それは、今後の市長のかじ取りによろうかと思いますが、いずれその第3段階の部分が多分来るんだろうなというのは、個人的には思っております。そうなった場合に、資産のあり方について、施設のあり方については、やはりもう一回議論を、そのときにするよりは、今の段階から丁寧な議論を積み重ねていただきたいという思いからですね、中途半端な勉強ではありましたけれども、質問させていただいたというのが正直なところでございます。今後の議論の発展に、さまざまな方面からですね、通告のときに、ある本の名前も書かせていただきましたが、そういったものを読んでいただくなりして、全庁的に議論をしていただければと思います。
 これで質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。


◯議長(石井良司君)  以上で半田伸明君の質問を終わります。
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◯議長(石井良司君)  一般質問の途中でございますが、しばらくの間、休憩いたします。
                午後2時50分 休憩



                午後3時19分 再開
◯議長(石井良司君)  それでは、休憩前に引き続き、会議を再開いたします。
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◯議長(石井良司君)  市政に関する一般質問を続けます。
 次の通告者、8番 伊東光則君、登壇願います。
                〔8番 伊東光則君 登壇〕


◯8番(伊東光則君)  通告に従いまして市政に関する一般質問をさせていただきます。今回はサステナブル都市、持続可能な都市について質問させていただきます。よろしくお願いいたします。
 私たち人類は、昔から、生きていくために自然界から食べ物を得ていました。さまざまな動植物を食べてきました。その中にはおいしいものやまずいもの、毒のあるものまでさまざまだったと思います。そして、前の年には大量だったものが、翌年には少量になってしまったもの、また、乱獲などでなくなってしまったものもあったと思います。さまざまな動植物の中で、米や大豆、野菜などを農産物として栽培したり、牛や豚などを家畜として飼育したり、水産物については、養殖したり、漁獲高を調整するなど計画的に農産物、水産物を確保するように努力されてきたものもあります。これには、その年だけの収穫を考えるのではなく、翌年、3年後、5年後、10年後の収穫についても考え、将来においても農産物、水産物が確保できるようにしなければいけないという思いが農水産業の関係者にあったからだと考えます。
 食べ物以外でも、森林の伐採についても同様なことが言えます。
 また、18世紀から19世紀にかけて起こった産業革命、いわゆる工業化でありますが、それを契機に、鉱物、化石燃料を中心に、さまざまな資源を消費するようになりました。それとともに、社会経済活動によって、汚染物質、廃棄物を環境に放出してまいりました。徐々に地球上の資源を減少させ、環境汚染による影響を顕在化させてきました。そのような状況下、1966年(昭和41年)にアメリカの経済学者、ボールディングは、地球を1つの宇宙船と見立て、宇宙船の中のものは有限であり、宇宙船の内部で出す物質は宇宙船内部を汚染するという「宇宙船地球号(スペースシップ・アース)」の考え方を示しました。この考え方は、人類が地球上で生存していくためには、常に地球の有限性を考えて行動しなければならないという基本的な原則を、わかりやすい言葉で明らかにしたものとされています。
 その後、地球環境問題に人々の関心が集まるようになると、1987年(昭和62年)に環境と開発に関する世界委員会の報告書「我ら共有の未来(アワ・コモン・フューチャー)」において、今後の地球の目指すべき社会のあり方は、将来の世代の欲求を満たしつつ、現在の世代の欲求も満足させるような開発(持続可能な開発)であると提唱しました。この報告書が現在使われているサステナブルという言葉と、その概念の普及の始まりとされています。現在、欧米では、深刻化する環境問題と、貧困や失業問題、犯罪の同時解決に向けて持続可能な都市、サステナブル・コミュニティをキーワードに、さまざまな取り組みがなされています。日本においても、持続可能、サステナブルという用語は頻繁に使用されるようになりました。多くの自治体においても、それらの用語を使用した計画やプロジェクトが実施されています。しかし、依然として環境問題や失業問題、犯罪などの問題は存在しています。
 そのような中、民間企業の外部評価ではありますが、昨年の12月に日経グローカルにおいて、全国都市のサステナブル度調査の結果が公表されました。この調査は、全国782市と東京23区の合計805市区を対象に行われ、有効回答を得た460の市、21の区でランキングされました。今回のランキングは、市と区では別にランキングされたようではありますが、有効回答を得た460の市の中で三鷹市が最もサステナブルな都市に選ばれました。三鷹市に住んでいる一人として大変にうれしいことだと思います。
 市長にお聞きいたします。三鷹市がさまざまな施策を行っているのは、このサステナブル度調査のためではないことは明らかなのですが、サステナブル都市全国1位という評価について、三鷹市の市長としてのお考えをお示しください。
 このサステナブル度調査について細かく考察いたしますと、持続可能な都市はどこかということを、環境保全度、経験豊かさ度、社会安定度の3つの側面から調査し、それぞれ細かく71の指標で評価されています。環境保全度という側面では、大気保全や土壌汚染防止については1位、自動車交通抑制、エネルギー対策は2位にランキングされ、環境保全度全体では全国1位と評価されています。このことについて市長のお考えをお示しください。
 さらに、経験豊かさ度という側面では、財政力指数、起債制限率、実質公債比率、住民1人当たりの住民税課税対象所得額が指標なのですが、27位です。よい評価だと思いますが、市長のお考えをお示しください。
 そして、残る1つの側面は社会安定度です。269位でした。この評価については、人口分布や小売店、医療機関の数などに関する指標がありました。社会安定度の各指標については、詳細な点が公表されていないので、情報不足な点があるとは思いますが、私個人の感想では予想外に低い評価だと思いました。市長のお考えをお示しください。
 ところで、冒頭でも申したように、このサステナブル都市、持続可能な都市についての概念は、元来からあったものです。漁業では最大維持可能漁獲量、林業では最大伐採可能量という概念が既にありました。環境保全と経済成長の両立の考え方も古くからあり、自然に密着した伝統的な生活スタイルにその根本があると考えられます。サステナブル都市、継続可能な都市ということが全く新しい概念ではないということです。ですから、市民の皆様にも受け入れやすい概念だと考えます。三鷹市では、既にESCO事業を初め温暖化対策などを推進しているところです。また、町会・自治会、住民協議会などのコミュニティ活動も盛んです。三鷹市にとってのサステナブル都市とは何なのか、御所見をお聞かせください。三鷹市がさらにサステナブル都市、持続可能都市に向かっていくことは、市民にとって、いつまでもこの三鷹市に住み続けていただけること、満足していただけることにつながると考えます。
 最後になりますが、サステナブル都市を推進していくことと、市民の満足度の関係について、御所見をお聞かせください。
 自席からの再質問を留保いたしまして質問を終わらせていただきます。御答弁のほどよろしくお願いいたします。
                〔市長 清原慶子さん 登壇〕


◯市長(清原慶子さん)  サステナブル都市について御質問いただきました。質問議員さんがおっしゃいますように、私たちの命というのは、野菜であれ、果物であれ、あるいは魚であれ、肉であれ、ほかの生物、生きとし生けるものの支えによって成り立っている命です。そうであるならば、私たちがその命を十分に生かし、生かされていくために、広い視点に立って持続可能なあり方というものを考えていくことは必要不可欠のものであるというふうに認識しています。
 そこで、質問議員さんからは、サステナブル都市について幾つかの項目、御質問をいただきました。まず最初に、総合評価1位についての市長の所見です。
 昨年12月に日本経済新聞社が、経済的な発展と環境保全の両立を持続する可能性を尺度として、今回初めて実施しましたサステナブル都市調査の結果を公表しました。三鷹市は、調査に回答した全国の約460の市の中から、この尺度によれば第1位のサステナブル都市であると評価されたわけです。
 この調査は、環境のよさと経済の活力の両立とともに、生活面でも快適に過ごせるまちをサステナブルな都市としています。環境の取り組みのほか、経済・財政や暮らしの各分野においてバランスがとれた都市が評価されています。三鷹市が第1位となりましたのは、環境施策と経済・財政状況を中心としながら、交通や安全安心などの総合的な取り組みが評価されたからであると受けとめています。つまり、三鷹市がこれまで進めてまいりました高環境・高福祉を目指すという長年の取り組みが、結果として今回の調査の総合評価1位につながったものだというふうに考えています。
 このような第三者機関等による高い評価結果は、市民の皆様や市議会の皆様との取り組みの成果であると、まずは喜んで受けとめ、そうした評価が実感を伴ったものとなるよう、さらに努力をしていきたいと考えています。申すまでもないことですが、さまざまな機関等による各種の調査や評価の結果について、決して一喜一憂するのではなく、三鷹市としましては、今後も引き続き、着実で謙虚な歩みを進めていきたいと考えているところです。
 環境保全度1位と、各分野の評価につきましては、せっかくの機会ですので、担当からその内容について答弁をさせていただきますが、私としましては、今後の方向性につきまして、お尋ねの三鷹市にとってのサステナブル都市とは何かの視点も踏まえてお答えいたします。先ほどせっかくの機会ですと申し上げましたのは、実はこのようなアンケート調査が三鷹市に対して送られてきますとき、最終的な責任は私にございますので、すべての調査について確認をしておりますが、しかし、個別具体の事柄につきましては、各担当に誠心誠意回答してもらっています。私たちは、三鷹市を代表してアンケートを受けているわけで、市が窓口になっていることでも、市民の皆様の活躍や団体、関係機関の活躍を代表してお答えするということになります。したがいまして、もちろんすべての調査に十分な回答ができているかと言えば、時間的な制約等で不十分な場合もあるかもしれませんが、今回の日本経済新聞社の調査については、その意義をよく考え、誠心誠意詳細回答し、私も最終チェックをしたわけです。
 さて、今回の日本経済新聞社の調査を私たちが注目しましたのは、EUの都市で実施されている各種の都市持続性可能性指標も参考にしてつくられたものであり、しかも日本では初めての調査というところでした。ヨーロッパの各都市においては、経済、社会、環境の総合的な発展を図る視点に立って、都市の更新においても、社会資本のストックを生かした修復型の再開発としての都市のリノベーションが進められ、伝統的な建物や歴史的な景観も尊重した魅力あるまちづくりが実現されています。EUの都市で進められている都市の持続性に関するベンチマーキングの取り組みや、経済、社会、環境の総合的な発展を図る視点などは、今回の調査結果をかんがみますと、三鷹市の市政の方向性とも軌を一にするものであったと考えています。
 現在、三鷹市は都市の再生・更新のプロジェクトを進めていますが、このようなEUの都市の取り組みを参考にしますと、都市の再生・更新に必要なコストは、単に短期的な経費として考えるのではなく、三鷹のまちの未来への投資として、将来的、長期的な視点も考えて位置づけることが必要です。つまり、今の子どもや孫の未来の世代まで三鷹のまちの環境のよさと経済の活力を維持し、そして、生活面でも快適に過ごして生活し続けることができる、文字通り持続可能な都市をつくることが三鷹市の目指すサステナブル都市であると考えます。
 最近、ある機会でこの調査の評価委員を務められた、ある東大の教授とお目にかかりました。その先生によりますと、財政力等で三鷹市を凌駕する都市があったけれども、全体の均衡、つまり、バランスを見たとき、三鷹市が総合的に第1位になったこと、その意味が重要であると説明をしてくださいました。今回の調査では、総合評価の1位を得ることができましたが、あくまでも三鷹市が目指しているのは、市民満足度の向上です。しかも、その市民満足度は、現在生活する市民にとどまるものではありません。子どもや孫の世代にわたって、将来的にも市民の満足度を継続的に高めることがまさにサステナブル都市に必要な視点であると考えます。私からは以上です。


◯企画部長(城所吉次君)  それでは、市長の答弁に補足をさせていただきます。
 今、市長からもございましたとおり、項目数では71項目ということで、市政全般──市政といいますか、市の例えば人口を含めたですね、さまざまな総合的な指標を用いて、今回この算定がなされているというふうに聞いております関係で、そうした意味で私の方から、全体を総括的にですね、個々の分野、3つの大きな分野についての評価ということでございますので、3つの分野につきまして私の方からお答えをさせていただきたいと思います。
 それで、まず、環境保全度の1位についてでございます。こちらにつきましては、71項目中の48項目ということで、当然この調査の表題からいたしましても中心的なものになっております。こちらにつきましては、特に生活環境部が所管する事項を中心にですね、また都市整備部が取り組んでいる事項、こうしたことについて高い評価を得たというものでございます。具体的には、質問議員からもございましたとおり、大気保全、土壌汚染防止、またエネルギー対策、自動車交通抑制、そうした点でですね、高い評価を受け、環境保全度については全国1位というものでございます。
 課題といたしましては、省エネルギー設備の設置に対する助成制度等について、まだ未整備の部分がございまして、こうした点についてですね、今後拡大ということで、現在検討しているところでございます。
 それから、経済豊かさ度の27位でございます。こちらにつきましては、質問議員からございましたとおり4つの指標というものでございますが、こちらにつきましては、三鷹市が御案内のとおり、住民1人当たりの住民税額が高いこと、これを反映いたしまして財政力指数が例年全国で20番目ぐらいに位置しているというようなことから、一方でですね、起債制限比率などは全国のトップレベルではございませんけれども、同様に健全な状況にあることから、こうした評価が得られたというものだと思います。
 あと社会安定度の269位という点、御質問議員からもございましたとおり、こちらが460都市の中でですね、269位ですから、偏差値で申し上げますと40台後半になっておりますが、実はこれにつきましては、東京の他の市でも、50台が2市、そのほかはすべて40台という状況でございまして、都市部の自治体におきましてですね、なかなかこの社会安定度は上位に行けない項目設定などがございました。
 具体的にはですね、1世帯当たりの住宅の延べ床面積、これが生活水準の基準になっていたこと、また、住民1,000人当たりの刑法犯認知件数、交通事故件数、こうしたものは、当然農村地域を──地方の都市は、まあ、都市部はありますが、農村地域を抱えております関係で、かなり三鷹のような地域とは異なっております。こうした条件が異なった関係で都市部の自治体としてはかなり低くなったということで、私どもとしては、こうした設定ですね、こうした条件設定自体をさらに改善していただければというふうには思いますけれども、一応真摯に受けとめていきたいと思っております。
 いずれにしましても、それぞれの評価はそれなりに私どもとして受けとめながらですね、総合評価1位をいただいたわけでございますので、今後もですね、高環境都市を目指す三鷹市といたしまして、こうした取り組みをですね、今現在の取り組みをさらに維持・向上させていきたいというふうに考えているところでございます。


◯8番(伊東光則君)  御答弁ありがとうございました。今、細かい点まで考察をしていただきまして、ありがとうございます。市長の最後の答弁に、サステナブルを進めていく上で一番の目的は、市民満足度の向上ということを言っていただきました。私もこの点が何をおいても一番最終目的、市民の皆様に満足してもらうことが本当に一番のことだと思います。どんなに建物をきれいにしたりとかですね、自然を大切にしたりしたとしても、やはり市民の方々の満足度という点で、満足できないというものであってはどうにもならないと思いますので、その点について今後も頑張っていっていただきたいと思います。
 何点か質問をさせていただきます。このサステナブルを進めていく上で自分なりに思ったことではありますが、まず、三鷹市にはまちづくり条例というのがあります。その中で、最初のまちづくりの基本理念の中に、「高環境及び高福祉の都市づくりをめざし、自然と人間の調和を図りながら、人間主体の都市を協働で創造するものである」。また、「市民は、安全でうるおいのある快適な環境を実現するためのまちづくりに参加する権利と責任を有する」というふうに出だしの方に明記されております。
 この中で1カ所だけですね、「市民の責任」という項目がですね、今、余り市民の方々が考えていない項目なのかなというふうに感じております。行政の責任ばかりをですね、まちづくりの中で指摘して、自助の部分ですか、自助の部分が少し薄れているのかなと思います。なかなか今の立場上、自助を強調するわけにはいかないのですが、自助を抑えてですね、我慢していただくべきことを、我慢しなくていいんだ、もっと行政にぶつけなさいという社会状況があるような気がします。その辺について、もう少し市民の自助を強調できるような活動ができないのかなというふうに考えています。それができますと、サステナブルの都市、また、ほかのことについても問題が少し低減してですね、すんなり物事が進んでいく世の中になるんじゃないかなと考えておりますが、その点についてはいかがでしょうか。


◯副市長(河村 孝君)  まちづくり全般に関してですね、自助ということの大切さというのは御指摘のとおりだというふうに思っています。自助とか、あるいは自立性とかですね、あるいは自立を高めるための施策というのは一番の基本だと思いますけれども、その上で、今、御指摘はございませんでしたけれども、公助の前にまた共助というのがございまして、ともに近隣とか、そういうところで助け合う精神、こういうものがそれぞれ複合的にですね、絡み合っていいまちができてくるんじゃないかなというふうに思っています。そうした視点もですね、基本的なところでは、このサステナブル都市の中の考え方に入っていると思います。都市をつくる、まちをつくるというのは、当然のことですけれども、そういった市民のまずお一人お一人のところから始まるわけでありますから、そういう御指摘は私どももそのように考えておりますので、そんなふうに今後も市としても頑張っていきたいというふうに思っております。


◯8番(伊東光則君)  ありがとうございました。全体的にサステナブルということは、まず最初に自然と人間の共存というところから始まって、その上でさまざまな経済活動を行っている。その中で、いわゆる公害という問題を出してしまった。そして、CO2の関係で温暖化に結びついて、将来にわたって危機感を感じている。そういう中でもう一度全世界的にですね、考えていこうという考えだと思います。その中で三鷹市が少しでも進んで取り組んでいるということがはっきりわかりました。これからもぜひ頑張っていっていただきたいと。それで、そういう啓発活動の部分について、市民に納得していただくという活動を我々はしていかなければいけないのかなというふうに感じております。
 どうもありがとうございました。以上で質問を終わります。


◯議長(石井良司君)  以上で伊東光則君の質問を終わります。
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◯議長(石井良司君)  次の通告者、9番 土屋健一君、登壇願います。
                〔9番 土屋健一君 登壇〕


◯9番(土屋健一君)  議長の指名がありましたので、通告に従いまして、市民にわかりやすい用語についての考え方をお伺いいたしますので、御答弁のほどよろしくお願いいたします。
 まず初めに、中学生から高齢者にもわかりやすい用語活用について質問いたします。
 「IT社会に向けて」という言葉も最近聞かなくなり、いよいよ情報通信技術の社会、ICT社会へと突入した感があります。国の政策も、IT政策における世界最先端のインフラ環境は実現したものの、まだその利活用が不十分と考え、これからはITの利活用に重点を移したユビキタス社会を目指すICT政策へと移行しつつあります。しかしながら、幾らICT社会が進歩したにしても、紙媒体による情報提供などは永久になくならないと考えます。
 さて、現在のメディアではさまざまな用語が、例えば「取説」などの略語、これはもともと家電メーカーの業界用語だったそうです。「ドタキャン」などの隠語、これは旅行業界や芸能界の隠語です。そして、一世を風靡しました、空気を読めないの「KY」とか、あと「やばい」などの若者言葉までが乱用されています。ほかにもハイテクノロジーの略の「ハイテク」、あと「エコ」などの片仮名語、AEDとかNGO、NPO法人などの欧文略語やアルファベット略語、さらには専門用語、造語、新語など、多くの難しい用語があふれております。
 三鷹市においても、平成13年2月に、市民にわかりやすい外来語の使用についても周知徹底を図られ、一般への定着が十分でないものには、日本語に言いかえ、先ほど使いました「インフラ」や「ユビキタス」のほか、例えば「SOHO」や「リノベーション」のような、一言で適当な言いかえができない場合には注釈をつけるように見直したと伺っております。
 五年一昔と言われるほど急速に時代が流れている今、多くのお年寄りや中学生にも理解できる用語活用については、その後も常に配慮していると思いますが、どのような点に一番工夫すべきと考えるかをお伺いいたします。
 次に、外国人にもわかりやすい日本語について、質問させていただきます。
 国際交流基金で実施している日本語能力試験における3級は、日常生活に役立つ会話ができ、簡単な文章が読み書きできる能力で、基本的な文法、300字程度の漢字、約1,500語の語彙の理解が求められております。小学校中学年レベルの日本語です。ある社会言語学の教授が、このようなレベルを「やさしい日本語」と位置づけておりますが、これは外国人向けの防災マニュアル用にも使われている言葉です。
 1995年の阪神大震災では、被災者に対する支援情報は、普通の日本語とその英訳のみであったため、英語圏以外の多くの外国人には理解ができず、情報過疎に置かれたという教訓により、この「やさしい日本語」を呼びかけております。三鷹市の外国人登録者だけでも3,000人を超え、3,143人、実際にはその2倍、3倍の、しかも、かなりの多国籍な外国籍市民がいると考えられます。日本で勉強したり、仕事をしながら現に生活をしているのですから、それなりに易しい日本語ならわかるのではとは思われますが、情報提供についての配慮としましては、各国それぞれの言葉を使用した方が正確に情報を提供できる気もしますし、一方、易しい日本語ですべての外国籍市民に対応した方が、煩雑にならず、本人にも紛らわしくない気もします。これについてのお考えをお伺いいたします。
 次に、目に優しい文字活用についてお伺いいたします。
 新聞の基本文字は、高齢化社会を見越し、1980年以後、およそ10年に約20%の文字の拡大を2回行ってきました。高齢社会が進み、65歳以上の人口は約2,800万人、実に総人口の約22%となり、しかも、そのうち68%が老眼鏡を使用しているとのデータがあります。それはさらにふえ続けていくでしょう。そのような今、より大きな文字を求める声は強く、読売新聞では、より目に優しく親しまれる紙面づくりが必要との判断から、ことし3月31日よりさらに23%拡大し、しかも、線を太くするとのことです。恐らく他紙においてもこれに続くと考えられます。
 一方、出版業界でも、例えば新潮社では、活字を大きくすることにより売り上げを伸ばしているとのことです。読みやすい文字は、肩こり、疲れ目になりにくく、いらいら感を減らします。また、文字情報を正確に判断する割合が向上すると、理解度や満足感も高まります。さらに、大きな文字による刺激は脳を活性化するという報告もあります。このような観点から、市や教育委員会からの情報発信はもちろん、学校や町会や住協、そして各種市民団体などからの情報発信にもその配慮が必要と考えます。高齢化に向かった市民への伝達方式の指導についてどのようにお考えかをお伺いいたします。
 最後に、三鷹市独自の意味で使用されている用語についてお伺いいたします。
 三鷹市での「市民」の用語の意義は、「市内に住み、又は市内で働き、学び、若しくは活動する人」全般を言っておりますと三鷹市自治基本条例の第2条にあります。三鷹市の考え方やまちづくりにおいて、三鷹市で使っています「人財」──「人」に財産の「財」なんですけれども、「人財」のような造語や、「協働」のような三鷹市独自の意味で使用されている用語を使わずして語ることはできません。しかし、この「人財」という、個人的にはとても気に入っている用語なんですけれども、国語辞典にもなく、パソコンでも変換されません。何度か印刷ミスだと市民に指摘を受け、説明したことがあります。
 「協働」という用語は、「共」に「同じ」という「共同」という意味の「co」と、プロダクションを合わせたコプロダクションの日本語訳である新語であります。最近ようやく幾つかの辞書に載るようになりましたが、コラボレーションやパートナーシップと同様、同じ目的のために協力して働くという意味にとどまり、まさに読んで字のごとくであります。
 三鷹市では「多様なグループ・団体と市が、自治に関わる地域の目標を共有し、それぞれの役割分担を明確にし、対等の立場で相互協力をしながら、それぞれの特性を最大限発揮し、その実現のために共に汗をかき、さらには評価や改善も共に行っていくこと」と、「協働推進ハンドブック」において説明をしておりますが、新しく三鷹市に来た市民や、初めてこの文字を目にする人にはなじみがありません。このような三鷹市独自の意味で使用されている用語とその意義の扱いについて、どのように考えているかをお伺いいたします。
 以上で壇上の質問は終わりますが、答弁によりましては自席での質問を留保いたします。
                〔市長 清原慶子さん 登壇〕


◯市長(清原慶子さん)  市民にわかりやすい用語ということについて御質問をいただきました。
 まず、1点目の御質問です。中学生から高齢者までにわかりやすい用語活用についてです。
 日本語は大変語彙が豊富な言語で、しかも、外来語や略語、あるいは専門用語や流行語を柔軟に生み出す、そういう力のある言語ということができます。このことは、質問議員さんが指摘されましたように、だからこそ行政で使用するときには配慮が必要であるということになってくると思います。
 三鷹市では、市が作成する公文書につきましては、平易で簡潔な文章となるよう、三鷹市公文規程において、文体や表現の基本原則、用字用語の用い方についての通則を定めています。さらにこれを補充するため、文書作成のマニュアルの作成や、御指摘いただきました通知文により、さらに親しみやすく、わかりやすい表現の工夫をしています。市としましては、これらを基本としながら、市民向けのパンフレット等については、その対象者、年齢層を十分に考慮し、専門用語や外来語等の言いかえや注釈、前提となる情報の提示、あるいは具体例の補充など、さらにわかりやすさを工夫していく必要があるととらえています。
 市の広報紙の文章においても、このことは同様です。広報紙の記事は、質問議員さんの言われる中学生レベルでも内容が理解できるように、平易で簡潔な文章とするよう心がけています。例えば日本語ではニュアンスが伝えにくいものや、代替の言葉が見当たらないなどで、やむを得ず外来語などを使用する場合には、記事の中に「キーワード」という欄を設けて、注釈や解説をつけることで理解を手助けするようにしています。
 いただきました大きく4点目で、三鷹市独自の意味で使用している用語についてお答えいたします。
 御例示いただきました自治基本条例における「市民」の定義や、「協働推進ハンドブック」における「協働」の定義は、非常に重要な意味を持っています。市内で活動する人を「市民」とする自治基本条例の定義は、三鷹市が広範な市民の皆様と進めてきた協働の経験を踏まえたものであり、三鷹市独自の解釈と言えます。このことにつきましては、単に用語の周知にとどまらず、重要な市の条例、計画、方針等の内容について広く市民の皆様に周知を図ることが重要であると考えています。
 また、「人」に財産の「財」と表示する「人財」という言葉は、地域の宝、組織の宝、財産という意味でかいへんの「財」という字を使用していますが、こうした新しく表現や表示をつくり出した用語を計画や方針等で使用する場合には、注釈や解説をつけて、例えば誤植ではないかというような誤解がないように趣旨の説明に努めてきましたし、これからもそうしたことには十分な配慮をしていきたいと考えております。私からの答弁は以上です。


◯企画部長(城所吉次君)  市長の答弁に補足をいたします。
 外国籍市民にもわかりやすい日本語についてという点でございます。外国人市民への情報提供の手段として、英語版の広報を私ども出しておりますが、こちらは世界的に一番通ずる言語ということで、英語版の広報を発行しております。また、外国語版では「市民便利帳」を発行しておりますが、こちらにつきましては、英語、中国語、ハングル、この3つの言語を用いた形でですね、表記をいたしまして、その中に防災情報なども含めて生活全般にかかわる事項につきまして表記をさせていただいているところでございます。そのほか、「お助けカード」といいまして、名刺大の大きさでですね、事故とか病気など緊急時とか、あるいは生活相談の連絡先、これは三鷹市もそうですが、東京都や国の関連機関等を含めた緊急連絡先を3カ国語で表示したカードなどをつくっております。
 もう1点御質問のございました外国人にもわかりやすい日本語ということで、これは情報バリアフリーという観点も踏まえまして、先ほど市長が申し上げましたとおり、中学生や高齢者へも配慮をした形でのわかりやすい、易しい言葉をですね、できるだけ使用するようにということで、例えば難解な漢字にはルビを振るとかですね、そうした工夫にも心がけているところでございます。
 また、目に優しい文字活用ということで、私ども、これはホームページでございますけれども、庁内にプロジェクトチームを設置いたしまして、平成18年にバリアフリー指針を策定しておりますが、こちらでは文字サイズ、レイアウトなどについて一定の指針を定めたわけでございますが、三鷹の場合、市報につきましてはですね、「広報みたか」ですが、ホームページが広報原稿の基本となるということで、これはシステム上そのようにしておりまして、そうしたこともあります関係で、こうした考え方をホームページの研修等を通じて全職員に周知徹底をしておりまして、広報原稿、市の主要なPR紙でございますが、そこにも生かされているものと考えているところでございます。
 また、高齢化社会対応といたしまして、御指摘のありました活字の大きさにつきましても、広報紙におきましては、過去から数回、数字を大きくしておりますけれども、今後もこうした点については、適切な大きさ、見やすさになるようなですね、配慮に努めていきたいというふうに考えております。
 また、町会、住協、その他市民団体等が発行する文書についても同様な配慮が必要ではないかという御指摘もいただいたところでございます。こちらにつきましても、文字の大きさはもちろんですね、外来語、専門用語等を使用するに当たっての、先ほど来申し上げている配慮すべき点ですね、そうしたことにつきまして、こちらにつきまして御質問者からもございましたが、さきに文書でもって全庁通知なども三鷹市ではしているところでございますが、さらに一層ですね、こうした点につきまして、先ほどの広報の関係も含めましてですね、各所管課を通じまして各団体にも、なるべく平易な文章を用いるような形での取り組みについてですね、そうしたことの協力も呼びかけていきたいと思っております。以上でございます。


◯9番(土屋健一君)  ありがとうございました。幾つか再質問させていただきます。
 まず、中学生から高齢者にもわかりやすい用語についてなんですけれども、先日新聞で見たんですけれども、今、問題になっている給食であります。三鷹でもマッシュルームが1.5倍になるとか、記事に載っていましたけれども、その給食の「給」が、窮屈の「窮」になっているんですね。それで「窮食」、しかも、あと「食」の振り仮名で「ショック」なんて書いてありましたけれども、そういう新聞とか、スポーツ新聞とかの、これはしゃれの域で、これは別のお話としまして、国際化によって新聞の用語もね、どんどん難しくなっています。逆の場合の日本語の「津波」とか、「もったいない」とか、「折り紙」とかは、直訳しにくかったり、長くなるので、やはり外国では注釈つきで、そのままほとんど使っていると聞いております。
 先ほど市長が申されました、広報紙のかわいらしいかぎのマークの「キーワード」ですね、あの注釈によって、市民の方もよく理解できると思いますけれども、その「キーワード」に使う使わないの基準というんですか、ある程度具体的な基準というのがもしありましたら、お伺いいたします。一般では7割以上の方が理解していると、そのまま使ってもいいよと。それ以下だったら、やはり注釈が必要かななんていうことを言う方もおります。それとですね、もしその基準を設けるんでしたら、市民の用語の理解度調査、そういうのも必要なのかどうかというお考えを質問させていただきます。
 次に、外国人にもわかりやすい日本語についてなんですけれども、確かに先ほど「お助けカード」ですよね。小さいですね、これ、字がすごく小さい。財布に入る程度の「お助けカード」とか、「生活ガイド」を読ませていただきました。日本語の部分だけ読ませていただきました。確かに英語、中国語、あとハングル語、日本語ですか、4カ国語でよく書かれているとは、英語、中国語は読めないので言えませんけれども、よくできていると推測されます。
 私が読めたのは日本語のところだけなんですけれども、やはり今、すごく国籍が多いと思うんですね、日本にいらっしゃっている方は。もちろん主にこの3カ国なのかなとは思いますけれども、例えば消防庁で出している地震のときのパンフレットを読んだんですけれども、まず表紙が「地震に自信を」と、日本には「じしん」という言葉の意味がいろいろあるんだよというところから教えているのかなと思いますけれども、これを見てもですね、動詞を名詞に変える表現の仕方、我々はふだん目にしていても、多分気がつかないんだろうなと思うんですけれども、これがすごく難しいらしいですね。例えば「揺れを感じたら」って書いてあるんですよね、「外に逃げましょう」と。「揺れを感じたら」じゃなくて、「揺れたら」でいいと、それが易しい日本語だと理解しております。
 あと、例えば「火が出たらまず消火を」と書いてあるんですけど、これは「火が出たら」というよりも、「燃えたら」でいいんですって。その方がわかりやすい。わざわざ難しく……。要するに日本人用に書いてあるのをそのまま全部振り仮名を振ってあるんですね、日本語の部分は。その日本語の部分をもう少し重視した方がいいのかなと私は思います。
 というのは、いろんな国の言葉、さっき母語というお話が出ていましたけれども、16番議員さんの答弁の中で、外国人登録者以外は把握してないという答弁がありました。国籍の種類もわからないほど多くあると思います。そのためには、確かに英語、中国語、ハングル語も大切なんですけれども、日本で生活しているんですから、やはり日本語明記の日本語、この部分を重要視して、もっとわかりやすい日本語で載せたらなと思いますけれども、その辺についてのお考えをお願いします。
 次に、目に優しい文字活用なんですけども、先ほど御答弁の中で、数回文字を大きくしてきて、さらに大きくしていきますという御答弁をいただきました。ぜひ目に優しい文字、読売新聞ですと「メガ文字」とか書いてありましたけれども、より大きな文字にしていけたらなと思います。そのとき、文字が大きくなると、やはり紙媒体ですとページ数がふえたりとか、そういう問題が起きてくると思いますので、簡潔で明瞭な文章とか、あとレイアウトとかを工夫すれば、ページ数をふやさないで、さらに情報を減らさないでできるのかなと私は思っていますけれども、その辺についてどうでしょうか。以上です。


◯企画部長(城所吉次君)  それではお答えいたします。
 まず、わかりやすい用語ということでございます。わかりやすい用語につきましては、御質問者も相当勉強されていらっしゃいましてですね、どのぐらいの方が理解できるのか、外来語も専門語も含めましてですね、そうしたものについて、私どももですね、日本語についてですね、この基準といたしまして、よりわかりやすい、例えば外来語の使用の基準で申し上げますと、これは当たり前のことですが、既に定着しているものとして、例えば非常にシンプルですが、「アメリカ」と言えばアメリカ合衆国で、もう間違いないわけですね。あるいは「ガス」と「マッチ」とか、そうしたものもあります。そのほか、もう今では一般化しているものは、「アピール」とかですね、「ブランド」とか、そうしたものは一般化されていますので、こうしたものはそのまま用いていいのではないかというような形の基準をですね、これは文章の書き方といたしまして庁内に通知をしているところです。
 そのほか、例えば日本語に言いかえた方がわかりやすい、あるいは、何がしかの注釈をつけた方がいいということで、例えば「リノベーション」であるとかですね、例えば「スキーム」とかですね、そうした点については、言いかえをするか、あるいは注釈をつけるというような基準も庁内に示して対応しているところでございます。
 それから、外国人への配慮ということで「お助けカード」などを例にとって、あるいは消防庁の文書を例にとっておっしゃられましたが、確かに御質問議員のおっしゃるとおり、日本語そのものをまずわかりやすくすること。日本語独特の文法というのはもちろんあろうかと思うんですね、あるいは言い回しはあろうかと思いますが、こちらをできるだけ平易なわかりやすい形にしていくことが大切であるという御指摘ごもっともでございますので、そうした点は努力していきたいと思っております。
 また、市報等につきまして、より一層見やすい形で、目に優しい文字を使うようにという点についても、私どもも引き続きですね、その点については努力をしていきたいというふうに考えております。


◯9番(土屋健一君)  どうもありがとうございました。再質問のうちの1つ、市民の用語に対する理解度調査のお考え方はいかがでしょうか、お願いします。


◯副市長(河村 孝君)  現状でその理解度調査をする予定はないんですけれども、先ほど具体的な事例を述べましたようにですね、最近出てきている新しい言葉がですね、なかなか知っている方と知らない方がいらっしゃるということ、それから、コンピューター関係の言葉とかですね、使っていらっしゃる方にとっては、物すごく当たり前の日常語になっていてもですね、わかりにくい言葉、それから、きょう議員さんの御指摘がありました三鷹市独自の言葉の使い方というのは、確かにそれは非常に重要な御指摘だと思いますから、そういうことに特に留意しながらですね、市民の皆さんにわかりやすくしていきたいと思いますので、それらの点で特にまた問題とか、苦情がたくさん来るようでしたら、そういったことも調査も含めてですね、今後視野に入れていきたいと思いますが、現状ではそういうところで手直しをしながら進めてまいりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。


◯9番(土屋健一君)  どうもありがとうございました。よろしくお願いします。
 最後にですね、私は個人的に市長のあいさつはとても大好きなんですね。別にお世辞ではないんですけれども、「皆様こんにちは。三鷹市長の清原慶子です」と、必ずそこから始まる。たとえ全員の方が清原慶子市長だと知っていても、あれをおっしゃる。でも、まず自己紹介というか、名を名乗るのは、相手に敬意を示す礼儀だと私は思っています。ぜひ続けていただけたらと思います。
 あいさつの中で、市長は必ず「何々の何々」と、先ほどの答弁でもありましたけれども、用語説明をしながら、すごく丁寧にあいさつされていると思います。長いとか短いは別の話としまして、例えばですね、「施設の古くなったところを直すだけでなく、新たに価値をつけて改修するリノベーションを行う」とか、「学校で子どもたちの安全安心のために支援してくれるスクールエンジェルの方々」とか、ぜひ活字になってもですね、このような配慮とか、思いやりは常に欲しいものだと思っております。これからも常に市民の目線で、中学生やお年寄り、外国人の目線でのわかりやすい用語活用をお願いしまして終わりにしたいと思います。ありがとうございます。


◯議長(石井良司君)  以上で土屋健一君の質問を終わります。
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◯議長(石井良司君)  本日はこれをもって延会いたします。なお、次回の本会議は2月29日午前9時に開きます。文書による通知はいたしませんから、さよう御了承願います。御苦労さまでございました。
                午後4時22分 延会