午前9時30分 開議
◯委員長(宍戸治重君) きのうまで大変御苦労さまでございました。ただいまから平成20年度予算審査特別委員会を開きます。
これから皆さんと協議事項1の附帯意見について協議したいと思いますので、しばらく休憩をいたします。
休憩します。
午前9時31分 休憩
午前9時34分 再開
◯委員長(宍戸治重君) それでは委員会を再開いたします。
それでは、附帯意見の調整については、ただいま御協議いただいたとおりとすることで御異議ございませんでしょうか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
御異議なしと認めます。
それでは、そのように確認をいたしまして休憩といたします。
休憩します。
午前9時35分 休憩
午後4時33分 再開
◯委員長(宍戸治重君) 委員会を再開いたします。
議案第19号 平成20年度三鷹市一般会計予算、本件を議題といたします。
本件に対する質疑を終了してよろしいでしょうか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
異議なしと認め、これをもって質疑を終了いたします。
◯委員(大城美幸さん) 本件についての動議を提出いたします。
◯委員長(宍戸治重君) 本件に対しましては、大城委員から動議が提出されました。この際、提出者の説明を求めます。
◯委員(大城美幸さん) お手元に配ったものを読み上げます。
議案第19号 平成20年度三鷹市一般会計予算の編成替えを求める動議
上記の動議を別紙のとおり提出する。
平成20年3月19日
予算審査特別委員長 宍 戸 治 重 様
提出者 予算審査特別委員 大 城 美 幸
賛成者 〃 栗 原 健 治
議案第19号 平成20年度三鷹市一般会計予算の編成替えを求める動議
議案第19号 平成20年度三鷹市一般会計予算について、市長はこれを撤回し、下記要領により速やかに編成替えを行い、再提出するよう求める。
記
歳入
歳入を156,055千円増額する。
1 第17款 繰入金を156,055千円増額する。
(1) 財政調整基金とりくずし収入について歳出増に対応し、156,055千円増額する。
歳出
歳出を156,055千円増額する。
1 第3款 民生費を156,109千円増額する。
(1) 乳幼児医療費助成事業費について所得制限を撤廃し、医療費助成金(扶)を20,682千円増額する。
(2) 義務教育就学児医療費助成事業費について所得制限を撤廃し、医療費助成金(扶)を118,702千
円増額する。
(3) 認可外保育所等利用者助成事業費を新設し、認可外保育所等利用者補助金16,725千円を計上する。
2 第4款 衛生費を54千円減額する。
(1) 家庭系ごみ減量・有料化関係費54千円を削る。
以上です。よろしくお願いします。
◯委員長(宍戸治重君) 提出者の説明は終わりました。
これより動議に対する質疑に入ります。質疑のある方。
◯委員(嶋崎英治君) 歳出の(3)、認可外保育所1,672万5,000円というのがありますけれども、これは保護者1人当たりになると幾らぐらいになるんでしょうか。
◯委員(大城美幸さん) 認可外保育所に通っている人数が年間3,345人ということで、5,000円を掛けた計算です。以上です。
◯委員(嶋崎英治君) わかりました。
◯委員長(宍戸治重君) ほかに。よろしいですか。
動議に対する質疑を終了してよろしいでしょうか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
これをもって動議に対する質疑を終了いたします。
これより動議に対する討論に入ります。
討論のある方。
(「省略」と呼ぶ者あり)
これをもって動議に対する討論を終了いたします。
これより議案第19号に対する大城委員から提出された動議について、採決いたします。
本動議に賛成の諸君の挙手を求めます。
(賛成者挙手)
挙手少数でございます。よって動議は否決されました。
次に、議案第19号の原案に対する討論に入ります。一般会計の予算案です。
◯委員(大城美幸さん) 平成20年度三鷹市一般会計予算について、日本共産党を代表して討論します。
日本共産党三鷹市議団は、中学生までの子ども医療費の助成について、所得制限撤廃、保育園の待機児解消のためにも認証保育園に通う保護者への助成を行うこと等を求めて、本予算に対して予算編成動議を提出しました。残念ながら採択されませんでしたが、予算審議を通して、貧困と格差の広がりの中、三鷹の市民も例外ではなく、市民生活が逼迫しているという認識は一致したと思います。三鷹の市税の滞納者は約1万3,000人。国保の滞納者は6,548世帯となっており、私どもが行ったアンケートに寄せられた声にも、「税の負担が重過ぎる」、「食費・病院代を削って生活している」といった声が多く寄せられ、生活の厳しさ、切実さがあらわれています。
このような市民の生活を考えたとき、市長がみずから掲げたマニフェストに記した三鷹市独自の支援策を行うことこそ、市民が切望しているセーフティーネットであり、特に日本共産党三鷹市議団は、国民健康保険税についての三鷹市独自減免を実施することを求めました。
また、家庭ごみの有料化の検討についても、有料化に向けた仕組みづくりに取り組むとのことだが、市民はごみの分別を徹底し、ごみ減量に取り組んできた。ごみをつくり出している排出者責任を追及し、さらなるごみリサイクルの徹底が必要と考える。負担の公平性を理由に、市民の理解もないままに有料化を推進することには反対です。
また、暫定使用の多摩青果跡地の活用についても、その使用目的を明確にし、納得いく説明が必要と考えます。
教育においても、小・中一貫教育校については、二中学区での検証の課題解決が明確に示されていない中で、また保護者や市民への説明と理解が不十分な中での全市展開は拙速と考えます。
さまざまな法改正が行われ、市財政が厳しさを増している中、予算編成に苦慮し、妊婦健診の拡充などに取り組まれることは評価しますが、さきに挙げたように、市民の生活実態から考えると、市民が望むセーフティーネットに十分こたえるものになっているとは言えないので、本予算に反対します。
◯委員(野村羊子さん) それでは、2008年度一般会計予算について討論いたします。
格差社会、少子高齢化、そして地球温暖化と、今、社会構造が変化する時代に直面して、行政としての姿勢が問われる中での予算編成です。これから多くなると予想される公共施設の改修・改築について、市は「ファシリティ・マネジメントの推進に関する基本的方向」を示し、組織変更して、都市再生を推進する方向を打ち出しています。「都市再生に向けたビジョン」を08年度内に策定するとしていますが、具体的な長期計画を早期に示すこと、施設の改修・改築に当たっては、広く市民の意見を反映できる体制をつくることが必要です。
三鷹ネットワーク大学においては、三鷹市のいう「指定管理料」にはそぐわない内容が前年度含まれていたことが質疑の中で明らかになりました。2008年度は適切な管理運営がなされることを望みます。
文化費は年々増加傾向です。ただ建物をつくる、展示会をやるというだけで本当に「三鷹市民に」文化施策を行ったと言えるでしょうか。文化のまちづくりのあり方をどう考えていくべきなのか、今後検証していく必要があります。
三鷹子ども憲章については、現在パブリックコメントを募集中です。子どもたちの意見を取り入れたと言いますが、大人が子どもの権利の保障を約束するという子ども権利条約を反映しているかというと、甚だ不十分であると言わざるを得ません。積極的平和をうたう三鷹市にふさわしい、子どもの権利条約に基づいた、子どもの権利条例の早期制定を求めます。
星と森と絵本の家については、所有権があいまいなままでの予算設定には、公金の支出のあり方として多大なる疑問を感じていたことから、12月議会の際上程された一般会計補正予算案において修正案を提出いたしました。今回の質疑で、建物は市の所有物となることが確認されました。今後の維持管理の費用は、一般財源の中から執行され続けることになるので、その運用・事業内容については慎重に検証し続けていくことが必要です。
家庭ごみ有料化に関しては、「慎重な検討」という文言を、「有料化は実施しない」と受け取る市民もいます。有料化を前提とせず、広範な市民の声を聞き、さらなる分別と減量への努力を重ねることが必要です。
振り込め詐欺が相変わらずふえている中、消費者相談のさらなる拡充は急務であります。留守番電話での対応では問題解決が図られず、被害が拡大するおそれが多分にあります。夜間・休日も含めた相談体制の充実を図ることを求めていきたい。
南部図書館(仮称)整備事業に当たっては、08年度には基本プラン作成となる。市民会議を設置するといいますが、その進捗状況などについて、きめ細かな情報提供をし、市民の思いを生かすプランを作成するよう求めていきたい。
08年度予算について、施設の建てかえがある中で市債発行を抑えていること。また、各課の予算編成に当たって、政府の「構造改革」等の推進により、市民生活にもたらされる「痛み」と「格差」の課題が顕在化していることへの具体的な対応として、三鷹市として一定の配慮をした予算であると判断し、賛成いたします。
◯委員(中村 洋君) 三鷹市議会民主党を代表して、平成20年度予算について討論を行います。
市長の2期目の任期の最初の予算編成として、「未来への投資」を基本に編成されました。まず、「都市再生に向けたビジョン」の明確化について、ファシリティーマネジメントにより、施設の延命化により、支出の抑制を図ることで、建てかえによる財政負担の平準化と後年度負担の低減を図ることが重要です。同時に、少子高齢化時代を迎えるに際し、行政が責任を持って新しい「まちのかたち」を示し、市民への説明を十分に行いながら進めていただきたいと思います。
次に「「人財」の育成」については、小・中一貫教育校を中心とした公立教育の再生により、親の経済力による格差を生み出さないこと。子ども憲章や子ども・子育てビジョンの制定、保育園の待機児童解消に向けてのさらなる取り組みに期待します。
ワーク・ライフ・バランスの取り組みについても積極的に推進をしていただきたいと思います。また、「すべての世代の皆様が、安心して、快適に健康に生活できる仕組み」について、地域で住み続けられる医療や社会保障制度の充実により、セーフティーネットの構築を行っていただきたいと思います。
妊婦健診の拡充、特定健診の上乗せ項目の設定、がん検診の拡充、地域ケアなどの政策を評価します。しかし、後期高齢者医療制度のように、国の弱者切り捨ての政策に対しては、自治体の立場から意見を出していただきたいと思います。
これらの取り組みのためには、地域主権の確立、健全な財政運営が必要です。市債の発行の抑制、東京都からの市町村総合交付金の獲得は評価します。厳しい財政状況のもと、責任ある市政運営のため、市民への新たな負担の増加を行う場合は、目的と財政状況を丁寧に説明して、市民の理解を得ながら検討することが大切です。
参加と協働のまちづくりにおいては、説明責任を果たす中から、むしろ前向きな提言が生まれる土壌をつくり、それを第4次基本計画の策定につなげていっていただきたいと思います。
今後もさらなる「高環境・高福祉」のまちづくりを目指して予算の執行に当たっていただくことを要望して、賛成の討論とします。
◯委員長(宍戸治重君) これをもって討論を終了いたします。
これより議案第19号の原案について採決いたします。
お手元に御配付の附帯意見を付し、原案のとおり決することに賛成の諸君の挙手を求めます。
(賛成者挙手)
挙手多数であります。よって、本件は原案のとおり可決されました。
議案第20号 平成20年度三鷹市国民健康保険事業特別会計予算、本件を議題といたします。
本件に対する質疑を終了してよろしいでしょうか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
異議なしと認めます。これをもって質疑を終了します。
これより討論に入ります。
◯委員(嶋崎英治君) 2008年度国民健康保険事業特別会計予算について、にじ色のつばさを代表して、反対討論をさせていただきます。
三位一体改革による国の税制改革、さらに医療制度改革に伴うここ数年来のさまざまな改革は、特に中・低所得者層への負担を増加させ、同時に高齢世帯を直撃し、医療費負担増が顕著になった。その結果、医療費を支払うことができなくなった世帯が生活保護申請急増となり、本市においても補正予算を組んで対応することとなった。
配偶者特別控除の廃止、65歳以上の老年者控除の廃止、公的年金等控除の縮小、控除額が減れば課税対象となる所得がふえ、所得税や住民税は上がり、最も大きな「痛み」を受けたのが前年の合計所得が125万円以下の年金受給者(世帯)である。住民税非課税措置が廃止され、非課税だから受けられていた介護保険料の減免も奪われた。
国民健康保険税が数倍にはね上がる世帯に、一定の経過措置をとったとはいえ、生活への影響は避けることができずに、日々の食費を切り詰める、外出を減らす、診療控えとなっているなど、自己防衛を余儀なくされている。それは、介護予防の観点からもマイナスになっていることは言うまでもない。さらに、それが国民健康保険税の現年度課税分の納期内納付率の悪化となっている。国民健康保険税の構造が、年金生活者など、中・低所得者に負担が重くなっている事実、高額所得者については一刻も早く最高限度額56万円に引き上げることを求めて、反対討論といたします。
◯委員長(宍戸治重君) これをもって討論を終わります。
これより採決いたします。
議案第20号について、原案のとおり決することに賛成の諸君の挙手を求めます。
(賛成者挙手)
挙手多数であります。よって、本件は原案のとおり可決されました。
議案第21号 平成20年度三鷹市下水道事業特別会計予算、本件を議題といたします。
本件に対する質疑を終了してよろしいでしょうか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
これをもって質疑を終了します。
これより討論に入ります。
(「省略」と呼ぶ者あり)
これをもって討論を終わります。
これより採決いたします。
議案第21号について、原案のとおり決することに賛成の諸君の挙手を求めます。
(賛成者挙手)
挙手全員であります。よって、本件は原案のとおり可決されました。
議案第22号 平成20年度三鷹市老人医療特別会計予算、本件を議題といたします。
本件に対する質疑を終了してよろしいでしょうか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
これをもって質疑を終了します。
これより討論に入ります。
(「省略」と呼ぶ者あり)
これをもって討論を終わります。
これより採決いたします。
議案第22号について、原案のとおり決することに賛成の諸君の挙手を求めます。
(賛成者挙手)
挙手全員であります。よって、本件は原案のとおり可決されました。
議案第23号 平成20年度三鷹市介護サービス事業特別会計予算、本件を議題といたします。
本件に対する質疑を終了してよろしいでしょうか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
これをもって質疑を終了します。
これより討論に入ります。
◯委員(野村羊子さん) 三鷹市介護サービス事業特別会計について討論いたします。
介護施設においても職員の確保が困難になっている現状がある。利用者が安心してサービスを受けられる職員配置とするよう、市が指導していくことを求めて、本予算に賛成いたします。
◯委員長(宍戸治重君) これをもって討論を終わります。
これより採決いたします。
議案第23号について、原案のとおり決することに賛成の諸君の挙手を求めます。
(賛成者挙手)
挙手全員であります。よって、本件は原案のとおり可決されました。
議案第24号 平成20年度三鷹市介護保険事業特別会計予算、本件を議題といたします。
本件に対する質疑を終了してよろしいでしょうか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
これをもって質疑を終了します。
これより討論に入ります。
◯委員(野村羊子さん) 三鷹市介護保険事業特別会計予算について討論いたします。
介護保険は利用抑制と言える改正後、さまざまな矛盾が生じています。利用者の生活実態に合わせて生活の質を向上させることが難しい状況がつくられています。さらに、介護職員が人らしく生きることが難しい労働条件、事業所が柔軟な運営ができないような介護報酬のあり方があります。国の制度の問題ではありますが、三鷹市において地域包括支援センターのあり方を含め、利用者の立場に立った柔軟な対応が求められています。また、ボランティアや職員の熱意に頼るだけではなく、質を確保できるサービスが提供し続けられるよう、介護事業の展開を市が支援していく必要があります。
第四期の計画策定に当たり、介護保険料について所得700万円以上、1,000万円以上などを設定し、所得200万円以下の層を軽減することを求めて、本予算に反対意見といたします。
◯委員長(宍戸治重君) これをもって討論を終わります。
これより採決いたします。
議案第24号について、原案のとおり決することに賛成の諸君の挙手を求めます。
(賛成者挙手)
挙手多数であります。よって、本件は原案のとおり可決されました。
議案第25号 平成20年度三鷹市受託水道事業特別会計予算、本件を議題といたします。
本件に対する質疑を終了してよろしいでしょうか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
これをもって質疑を終了します。
これより討論に入ります。
(「省略」と呼ぶ者あり)
これをもって討論を終わります。
これより採決いたします。
議案第25号について、原案のとおり決することに賛成の諸君の挙手を求めます。
(賛成者挙手)
挙手全員であります。よって、本件は原案のとおり可決されました。
議案第26号 平成20年度三鷹市後期高齢者医療特別会計予算、本件を議題といたします。
本件に対する質疑を終了してよろしいでしょうか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
これをもって質疑を終了します。
これより討論に入ります。
◯委員(嶋崎英治君) 三鷹市後期高齢者医療特別会計に反対する討論を、にじ色のつばさを代表して行います。
新制度であり、反対の点を述べさせていただきます。この特別会計は「高齢者の医療の確保に関する法律」に基づき、後期高齢者医療に関する経理を明確にするため、三鷹市において新たに設置するものであるが、次の理由により本特別会計に反対する。
新しい制度でもよい制度なら、市民・高齢者は歓迎するが、悪い制度なので制度が知れ渡れば知れ渡るほど怒りが広まり、かつ高まっている。また、「6カ月の凍結」ではなく、国会での審査により制度そのものの廃止を期待する世論、高齢者の声も高まっている。また、3月末でその「役割」を終える「老人保健法」は、その後の社会保障制度の後退・国庫支出金の削減の引き金になった事実経過を踏まえると、「老人保健法」の延長線上にある後期高齢者医療制度は、社会保障制度のさらなる後退につながることが必至であることから、次の諸点を指摘し、この特別会計に反対する。
1、法に基づくものとして、また東京都広域連合として、当面幾つかの軽減策等がとられているが、収入の少ない高齢者にとって、保険料が過重な負担になること。新たに保険料を支払わなければならなくなる高齢者も含めて、確実に保険料負担がふえる高齢者が多数生じること。2年ごとの見直しで後期高齢者の増加に応じて、ほぼ自動的に保険料が引き上げられる仕組みになっていることなど、高齢者の生活実態を無視し、高齢者自身に負担を強いる制度であること。
2、東京都後期高齢者医療広域連合議会の「緊急要望書」が指摘しているように、本来、後期高齢者の医療制度は、国の責任のもとに、国民皆保険の一環として国民が安心して医療を受けることで健全な生活を保障する制度であり、その費用は国が責任を持って負担するべきものであるにもかかわらず、この新制度構築の最大のねらいは、国の医療財政負担の削減そのものにあり、国が自治体及び市民にその責任を押しつけていること。
3、障がい者や被爆者と同じくこれまで75歳以上の人は保険証を取り上げることを禁じていたが、制度上はこれが廃止され、今後はこのような人道的配慮がなされなくなるおそれがあること。
4、75歳になった途端に、現在加入している医療保険から全員が脱退させられ、後期高齢者医療制度に強制的に加入させられていく。その結果、今まで被用者保険の扶養家族になっていた75歳未満の人は、国民健康保険に移行させられる。また、「個人加入」としながら、世帯単位で所得を認定するなど、さまざまな制度矛盾を抱えていること。
5、75歳以上の人は、まさに悲惨な戦争を体験され、敗戦後、この国の復興・再建のために懸命に働いてきた人である。そのような人々に国がすべきことは、日本社会には77歳、喜寿、88歳、米寿、90歳、卒寿、99歳、白寿というように、長寿の方を敬い、祝うことであり、朝日新聞投書にあったように、「「あの世に早く行け組」に編入させられる感じだ」と思わせるようなことはしてはならないこと。後期高齢者医療制度を新たにつくるというなら、「75歳になりました、長生きしておめでとうございます。きょうから医療費は心配ありません、安心・安全な医療が受けられます」。これがすべき政治であること。
以上の点だけ考えても、後期高齢者医療制度は「命と安全を守り、高齢者の心身の特性にふさわしい制度」というかけ声とは裏腹に、高齢者の皆さんが長生きしてよかったと思える制度とはほど遠いものである。高齢者の命をおろそかにする国に未来はない。国において4月実施は中止、廃止すべきであることを主張し、三鷹市後期高齢者医療特別会計についての反対討論とする。
◯委員(栗原健治君) 後期高齢者医療特別会計について討論します。
後期高齢者医療制度は、75歳以上の方を後期高齢者と呼んで、75歳という特定の年齢に達したら、現在加入している医療保険から全員を強制的に脱退させ、別枠の医療保険に囲い込み、負担増、給付減を強いるものである。保険料は軒並み引き上げられ、受けられる医療も制限される。国民皆保険を持つ国の中で、高齢者の医療を別建てにしている国はありません。政府は、後期高齢者には3つの特徴があるとし、1、治療が長引き、複数の病気にかかっている。2、認知症が多い。3、いずれ死を迎えるとしている。これは75歳以上の人を「治療が長期化し、複数疾患だ。認知症で、いずれ死が避けられない」と決めつけ、高齢者への必要な医療を抑制し、年齢による医療差別を行うものである。人道上からも認められない。
また、老人保健法のもと、高齢者には発行してこなかった「資格証」も発行するとしている。保険料納付困難者が医療を安心して受けることができない事態を生み出しかねない。高齢者の命と健康を守る観点からも、資格証の発行はやめるべきである。
保険料を低くするため、4事業を加盟自治体の負担にし、低所得者対策の財源投入を評価しながらも、依然としてこれまでより高い負担になり、その上、財源を理由に高齢者の医療を削り、高齢者の命をおろそかにするものである。
我々は、後期高齢者医療制度の速やかな撤回と4月実施の中止を求め、国会には野党4党で廃止法案を提出している。
以上申し上げ、本特別会計予算に反対します。
◯委員長(宍戸治重君) これをもって討論を終わります。
これより採決いたします。
議案第26号について、原案のとおり決することに賛成の諸君の挙手を求めます。
(賛成者挙手)
挙手多数であります。よって、本件は原案のとおり可決されました。
以上で予算に関する議案の審査は、すべて終了いたしました。皆さん、どうもお疲れさまでございました。
予算審査特別委員会審査報告書は、次回に正副委員長案をお示ししたいと思います。なお、先ほど付された附帯意見については、若干の字句の修正等、正副委員長に御一任をいただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
それでは、御異議なしということで確認をさせていただきます。
本日の予算審査特別委員会はこれをもって散会いたします。
なお、次回は3月26日、午後2時より開きます。文書による通知はいたしませんから、さよう御了承願います。本日は御苦労さまでした。お疲れさまでした。
午後5時05分 散会