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平成27年第4回定例会(第2号)本文

                  午前9時30分 開議
◯議長(後藤貴光君)  おはようございます。ただいまから平成27年第4回三鷹市議会定例会第2日目の会議を開きます。
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◯議長(後藤貴光君)  本日の議事日程はお手元に配付したとおりであります。
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    日程第1 市政に関する一般質問


◯議長(後藤貴光君)  直ちに日程に入ります。
 日程第1 市政に関する一般質問、本件を議題といたします。
 昨日に引き続き、順次発言を許します。6番 小俣美惠子さん、登壇願います。
               〔6番 小俣美惠子さん 登壇〕


◯6番(小俣美惠子さん)  おはようございます。議長より指名をいただきましたので、市政に関する一般質問をさせていただきます。
 今回の質問は、小・中学校の不登校対策とフリースクール問題への対応について質問させていただきます。御答弁のほどよろしくお願いいたします。
 不登校とは、文部科学省の児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査によると、年間30日以上欠席した児童・生徒のうち、欠席理由が何らかの心理的、情緒的、身体的、あるいは社会的要因・背景により、登校しない、あるいはしたくともできない状況にある者。ただし、病気や経済的な理由によるものを除く、に該当する場合が不登校として捉えられている児童・生徒です。不登校となったきっかけと考えられる状況としましては、本人にかかわる問題やいじめを除く友人関係、そして学業の不振が小学校、中学校、高等学校を通して高い傾向にあります。小学校においては、特に親子関係をめぐる問題や家庭生活の急激な変化など、家庭状況の要因が高い割合を示しています。
 不登校の捉え方の変遷についてですが、日本で不登校が注目され始めた1960年代には、「学校恐怖症」という名称が使われ、神経症を中核とする個人の病理として捉えられていました。その後、70年代から80年代に入りますと、中学生を中心に、地域、階層、性差に関係なく不登校が増加しまして、個人の病理や特別な家庭の病理というのではなく、学校における教育問題として取り上げられ、「登校拒否」と呼ばれるようになりました。やがて小学生の不登校も増加しまして、1990年代に入りますと、当時の文部省から、不登校はどの子にも起こり得るという見解が出されまして、一種の社会病理として捉えられるようになりました。このころから、学校に行かないという生き方も選択肢の一つだという考え方も広がっていきました。
 2000年代に入りますと、学校に行かなくてはならないという規範意識の希薄化と、学校に行っても明るい未来が保障されるわけではないという諦めの感情とがまじり合いまして、学校が児童・生徒を引きつける力を弱める中で、学校という制度そのものの根底が問われる状況も生じてきました。現在は否定的な意味を含まずに現象だけを捉えた「不登校」という名称が一般化しています。
 現在の不登校を見ますと、社会性が未熟で内閉的な不登校や葛藤が見えない不登校、そして発達障がいの二次的問題としての不登校、虐待による不登校など多様を極めた不登校のタイプが出現しています。不登校はもはや学校現場の問題としてはおさまり切れない状況となりまして、対応に当たっては、学校と医療、福祉などの連携が不可欠なものとなっています。
 不登校の支援の現状は、文部科学省の平成22年度の調査結果を見ますと、何らかの支援の結果、登校する、またはできるようになった児童・生徒は全体の31.1%、また、登校に至らないものの好ましい変化が見られるようになった児童・生徒は20.6%とありまして、両者合わせますと半数近くになっています。約3分の1の子どもは、学校からも相談機関からも手を差し伸べられていないということになります。高校生は46.5%、この比率はさらに高まります。この数字を少しでも減少させることが今後の課題であると思われます。
 平成26年度の文部科学省学校基本調査の速報値によりますと、不登校の小・中学生は、前年度より3,285人増加の12万2,902人で、2年連続して増加しています。小学生は1,691人の増加で2万5,866人となりました。全児童に占める割合は0.39%ですが、わかりやすく表現しますと、255人に1人となりまして、過去最高となりました。文部科学省は、増加の要因を詳細に調査する方針を示しておりますが、子どもをフリースクールに通学させるなどの選択肢が広がる傾向にあることも一因として考えられるとしています。ことし3月時点でフリースクールなどに通う義務教育段階の子どもは4,196人いました。中等教育学校を含めた中学生の不登校は、1,594人増加の9万7,036人で、全中学生に対する割合は2.76%で、36人に1人でありました。クラスに1人は不登校の生徒がいるということになります。
 ここで質問させていただきます。1点目ですが、不登校になった児童・生徒は、みずから自信を失い、社会から孤立しがちになるとともに、生活の乱れを招いたり、学力習得の機会を失い、将来の進路選択が困難になるなど深刻な課題を抱えている場合が多くなります。不登校の問題は、子どもたちが、将来、社会的、経済的に自立することが困難になるという事態に陥る大きな社会問題であると認識しますが、御見解をお伺いします。
 2点目ですが、不登校の要因とその背景には、いじめや家庭の貧困など、多様かつ複合的な背景がある場合も少なくありません。不登校のきっかけとして、ひきこもり、居所不明、みずから命を断つといった事態にもつながりかねない状況があります。不登校の要因と背景について、どのように捉えておられるのかお伺いします。
 3点目ですが、不登校の問題解決には、学校自体の取り組みの改善と充実を図ることは重要な要素と認識します。しかしながら、学校独自の取り組みには限界が来ているように感じます。そこで、学校はもちろん、医療や福祉などのさまざまな支援の主体が、連携と協力によって社会全体で課題の解決に当たることが、今や求められているのではないでしょうか。現状と今後の課題についてお伺いします。
 次に、フリースクールについてですが、ことしの2月の報道によりますと、不登校の子どもたちが通うフリースクールにどのような公的な支援ができるのか、文部科学省は、有識者会議を設けて初めて検討を開始しました。戦前から一貫して子どもを正規の学校に通わせることを親に義務づけてきた就学義務の転換ともなる大きな課題です。フリースクールは不登校の子どもたちを対象に、学習の支援や体験活動といったことを行う民間の施設です。現行の制度では、保護者が子どもに教育を受けさせる就学義務を果たすには、小・中学校に通わせることが必要です。このため、フリースクールに通っても学校に通ったとはみなされないことになっています。
 一方、不登校の増加を受けて、1992年、当時の文部省は、フリースクールで勉強した場合も、在籍校の小・中学校の校長の判断で出席扱いができるように通知したこともありまして、不登校の子どもたちのための施設として認知されるようになりました。国が支援するとなれば、曖昧だったフリースクールの扱いを文部科学省が正式に決めるということ、という転換点になります。これまで国の不登校対策は、子どもたちの学校復帰が大前提とされてきました。こうした対策は、子どもが学校に戻ることを無理強いしているなどと、フリースクールと教育行政側との対立がたび重なることが多くなりました。フリースクールに通う子どもたちは、学校には行けないけれど、居場所が欲しかったり、伸び伸びと学ぶ場を求めたりして、ようやくたどり着いたというケースが少なくありません。
 今回発足しました有識者会議には、各地の教育委員会や大学の研究者に加えまして、フリースクール側からも委員が参加しています。ことしの1月に開催されました第1回の会議では、文部科学省側から市販のガイドブックなどをもとに各地のフリースクールにアンケートを行って、活動内容やスタッフの状況、通っている子どもたちの経済的な負担などを調査する方針が示されました。この方針に基づき、ことしの3月に文部科学省は、不登校の小・中学生が通うフリースクールについて確認のできた474カ所を対象に、初めて全国調査を実施しました。平成27年8月5日にその結果が公表され、対象の67%に当たる319カ所から回答が得られたとのことです。
 公表された内容についてですが、会費は月平均で3万3,000円となっていまして、入会金は約5万3,000円ということでした。いずれも公立の小・中学校に通っていれば不要でありまして、各家庭の経済的な負担が明らかになりました。ようやく検討が始まったフリースクールへの公的支援策ですが、きっかけとなったのは、昨年の7月の政府の教育再生実行会議の第五次提言でした。今の学校制度の見直しを求める提言の中で、フリースクールなどの教育の位置づけや公費負担のあり方を検討するという内容が盛り込まれました。これを受けて文部科学省は、昨年の11月に全国のフリースクールに呼びかけて、初めてフォーラムを開催しました。ここで出席した下村文部科学大臣は、フリースクールへのバックアップを約束しました。参加したフリースクールの関係者は、フリースクールを始めた当初は、怠けている子どもをなぜ助けなければならないのかと言われ続けた。ようやくここまで来たのかと思うと感慨深いものがあると言われました。平成4年には、国が不登校は誰にも起こり得ることと認めたにもかかわらず、学校に行くのが普通の子どもで、不登校になるのは特殊な子どもという偏見の大きさをうかがわせる言葉だと思います。
 国がこのような施策に乗り出す背景には、これまでの文部科学省の対策では不登校問題は解決が難しいという実態がありました。さらに文部科学省は、年間30日以上欠席した小・中学生を不登校としています。欠席が30日未満だったり、教室に通えなくても保健室登校をしていたりする子どもは、数字に含まれていないことになっています。教育上の大きな課題として広く認識されるようになった不登校を、学校現場への復帰も解決の選択の1つと言えますが、現実的には多くの子どもたちを引き受けているフリースクールの存在そのものを受け入れることが重要ではないのでしょうか。有識者会議では、フリースクールを制度上どう位置づけるのか、学習面や経済面でどんな問題があるのかといったことが論点として示されました。制度上の位置づけについてですが、行政側や学校関係者、そして保護者を含めて国が認めた小・中学校が全てだという発想を転換することが重要ではないでしょうか。例えば諸外国では、フリースクールに加えて、自宅で親が学びを支えるホームエデュケーションや、ドイツで生まれた芸術を中心とした教育を行うシュタイナー教育など、学校として認められた施設以外のさまざまな学びの場が制度として認められています。子どもたちの状況やニーズに応じて学びの場を選択できるようにするという考え方が求められています。学校一本やりという制度が子どもたちを窮屈にしていることを認識する必要があります。
 次に、学習面や経済面での問題については、国が支援するからといって、フリースクールの活動を規制するような方向に向かわないことが重要ではないでしょうか。多くのフリースクールが、財政面や教員確保に苦労しながら、通ってくる子どもたちの自主性を高めるような活動を模索し、そこに通う子どもたちが元気を取り戻しています。この点について文部科学省は、フリースクールの自主性や多様性は保障すると言っています。しかしながら、公費の支出となれば一定の管理が求められますが、フリースクールの特性を失うようなことは避けたいところです。
 昨年、歴代総理大臣として初めてフリースクールを視察した安倍総理大臣は、そこに通う子どもたちに、学びも育ちもいろいろあっていいと話したといいます。学校という一本のレールからおりたくてもおりられないと言われてきた日本の教育制度が、おりたいときはおりてもいいし、また、乗りたいときはいつでも乗れるような多様性のある制度が求められています。多様な学びの機会を進めようとする国政レベルでの新たな動向があります。フリースクールや家庭での学習を義務教育課程での学習とみなし、認めようとする、義務教育の段階における普通教育の多様な機会の確保に関する法律案(仮称)が超党派の議員立法として次期通常国会へ提出されるとの報道がありました。この法案は、ことしの5月に自民党、民主党、公明党などの超党派議員連盟が原案をまとめました。しかし、自民党内で不登校を助長し、学校制度が形骸化するといった懸念が高まり、法案が了承されず、国会提出が見送られました。しかし、今回は、学校への在籍を前提とするなどの原案を修正し、自民党の慎重派も容認に転じました。可決されれば、義務教育の現場を学校に限った昭和16年の国民学校令以来の大きな転換となります。
 この法案の概要ですが、不登校の子どもについて、保護者が市町村の教育委員会に対して、一定の期間学校に在籍したまま、学校に出席させないことができるよう申請します。この申請を教育委員会が認めた場合、原則では、籍を置いた小・中学校の卒業を目指しつつ、フリースクールや学校復帰のために教育委員会が設置する教育支援センターや家庭学習などの学校外での教育も認めるというものであります。学校への復帰を目指す場合は、籍を置いた学校の教育内容を踏まえた個別支援方針を市町村の教育委員会が作成します。対象の子どもは、教育委員会の支援を受けながら学習を進めます。
 一方、どうしても学校へ復帰が困難な場合は、保護者が学習方針をつくることを認めています。市町村教育委員会がこの学習方針を承認した上で、子どもの学習を支援し、義務教育の修了を認定します。この際、在籍校の卒業証書の受領はできませんが、高校進学はできるというものです。
 また、国と自治体には努力規定となっていますが、学校以外の学習機会を希望する家庭に対して財政上の支援をするよう盛り込まれております。平成26年度の不登校の児童・生徒は約12万3,000人で、2年連続して増加しています。この子どもたちに多様な学習の機会を提供して、将来において社会的、経済的に自立するよう導こうとする今回の法案が、国会において早期の成立を強く求めてまいりたいと考えております。
 本市におけるフリースクールなどに対する今後の取り組みの推進を求める立場から質問いたします。
 1点目ですが、何らかの心理的、情緒的、身体的、あるいは社会的要因や背景により、登校しない、あるいは行きたくても行けない状況にあって、フリースクールなどに通っている市内の児童・生徒の現状についてお伺いします。
 2点目ですが、これまで国の不登校対策は、子どもたちの学校復帰が大前提とされてきました。文部科学省は、現状のフリースクール等の実態から有識者会議を発足し、支援する方向で検討に入りました。また、超党派の国会議員による多様な学びの保障を実現するという議員立法などの動向もございます。この一連の動向をどのように捉えておられるのか、お伺いします。
 3点目ですが、フリースクールや自宅など学校以外の場で多様な学習機会を希望する児童・生徒に対する三鷹市の支援についてお伺いします。
 壇上での質問は以上でございます。御答弁よろしくお願いいたします。なお、御答弁によりましては自席での再質問を留保させていただきます。ありがとうございました。
                〔市長 清原慶子さん 登壇〕


◯市長(清原慶子さん)  おはようございます。小・中学校の不登校対策に関する御質問にお答えいたします。
 学校における不登校の問題は主として教育委員会の所管でございますが、市長にも御質問いただきましたので、私から総括的に答弁をさせていただきます。
 質問議員さん御指摘のとおり、1980年代、このような学校を長期に欠席している子どものケースについては、一般的には、例えば登校拒否というような表現で扱われるなど、現在では中立的な現象としての不登校と変化するなど、時代の影響を受けている1つのあらわれであると思います。不登校につきましては、憲法に定められている義務教育をいかに保障していくか、そして、いわゆる学習指導要領に基づいた学習内容について、全ての子どもたちにどう学びを保障していくかという観点から、学校教育における1つの課題であると認識しています。
 学校は、子どもが社会の中で、あるいは集団の中で生きていく力を育む機能を持っているわけですから、不登校の子どもが学校に行かないということについて生じる課題をどのように解決していくかということは、社会的な共通の課題として受けとめられてきているのが現在だと思います。不登校の要因につきましては、質問議員さんが列挙されましたように、非常に多様な要因があります。したがいまして、その対応につきましても多様な支援の形が求められていると思います。
 さて、三鷹市の場合は、在籍数に占める不登校の児童・生徒の出現率が都内で最少となっています。これは、コミュニティ・スクールを基盤とした小・中一貫教育の取り組みとして、例えば川上郷自然の村で行っております自然教室での小学校合同実施による小学生同士の交流、また、小学校と中学校の間での相互乗り入れの授業や交流活動を推進してきたこと、さらには保護者や地域の皆様の見守りや教育ボランティアの活動の1つの成果があらわれているものと認識しています。しかしながら、ゼロではないわけですから、一人一人に寄り添うということが必要です。そこで、これまでも教育委員会と、例えば三鷹市の市長部局の福祉部門、子ども家庭支援ネットワーク、あるいはスクールソーシャルワーカーらが連携して、不登校の問題に直面している当事者、保護者を支援してきた経過があります。したがいまして、今後ともそうした当事者や保護者に寄り添いながら、不登校にかかわる問題解決に努めていきたいと考えております。
 さて、フリースクールについて御質問をいただきました。
 実は、それぞれの子どもたちの問題に寄り添う形として、学校教育の充実を図る以外に、こうしたフリースクールなど多様な教育機会を保障していくというのは、国の動向であるとは認識しています。ただ、これは戦後一貫して単線型、すなわち学校教育における小学校、中学校、高校、大学、短期大学、専門学校といった、そうした学校の系統を進めてきた日本においては、副籍というか──正規の学校教育に籍を置きながら、その他の教育機会も認めていくという複線型に変わるという大きなターニングポイントに今はあるのだと思っています。したがって、市長の立場としては、国の動向を注視していきたいと思っています。
 ただ、これまでも正規の学校教育以外の受け皿として機能してきているフリースクールの実践については、三鷹市としても、これまでそうしたフリースクールに通う子どもたち、あるいは保護者と連携をしながら取り組みを進めてきた経過があると承知しています。したがいまして、新しい理念に基づく国の学校教育制度がどのように確立していくのか、教育委員会と情報共有をしながら、まずは国の動向を注視していきたいと思っています。原点は、子どもたちの視点に立って、憲法に定められた義務教育をいかに保障していくか、そのあり方について、今まで同様、丁寧に進めていきたいと思います。
 私からの答弁は以上です。


◯教育長(高部明夫君)  それでは、まず小・中学校の不登校対策につきまして、質問の1から3につきまして、まとめてお答えをいたします。
 不登校は学習のおくれを招くだけではなく、集団の中で社会性を育む機会が失われることにもなる問題でもございまして、児童・生徒の社会的な自立のためには、早期に解消を図る必要があるというふうに認識しております。不登校の要因や背景には、学校生活にかかわるもの──例えば友人関係とか学習のおくれとか、いじめ等もあるかもしれません。あるいは家庭環境によるもの。ネグレクトであるとか、過干渉、過保護というものもあるかもしれません。あるいは本人に起因するもの。無気力であったり、情緒の混乱であったり、生活リズムの問題であったり、さまざまあるわけでございます。そうした解消に向けた支援や指導も一律に設定できるものではございませんので、個別の状況に応じて学校と家庭が協力して取り組むこと、そして個別の状況に応じた関係者と連携した指導、支援を継続的に行っていくことが重要だと考えております。
 なお、三鷹の不登校の発生率につきましては、小学校の場合は0.04%、中学校でも0.68%ということで、小学校の場合は全国の10分の1、中学校でも4分の1ということで、これは都内最小の出現率でございまして、これまでですね、未然防止について三鷹市は手だてを講じて、それが相当有効であるということで、先ほど市長からもございましたけれども、コミュニティ・スクールでの支援や見守り、あるいは小・中一貫教育の中でのさまざまな児童・生徒、教員での交流・連携もございますし、あるいはスクールカウンセラーとの連携、そして、少しでも欠席が続いた場合はですね、不登校になる以前に教員が家庭訪問などをしてですね、きめ細かい対応を行ってきたところでございます。今後もそういった対策について継続をしていくということでございます。
 次に、フリースクールの問題につきまして、まとめてお答えをいたします。
 確かにこれまでの学校教育の有効性といいますか、教育基本方針や学習指導要領に基づいた、そういった義務教育の機会均等、教育水準の維持ということが一方ではあったわけですけれども、他方では児童・生徒、家庭のさまざまな困難な状況を踏まえて、今後、多様なですね、柔軟な対応を考えていかなければならない、やはり教育制度の大きな変革期にあろうかと思います。学校からは不登校や長期欠席の児童・生徒はですね、現在、小学校では3名、それから、中学校では8名の11名がフリースクールに通っているとの報告を受けているところでございます。現在、当該施設の運営や相談体制、指導体制などにつきましては、文部科学省のガイドラインに照らしまして適切と判断された場合には、在籍する校長の判断で、児童・生徒がフリースクールで相談・指導を受けた日数を指導要録上の出席扱いとすることができております。先ほどの11名のうち7名はですね、そのような対応をとっているところでございます。
 また、不登校や長期欠席の児童・生徒の支援のためには、こうした民間施設と学校が必要な連絡や連携をですね、図るということがより一層効果的だというふうに考えております。今、国のほうでもですね、法案に向けてさまざまな検討がなされておりますけれども、その中での──これまでは、やはり学校とフリースクールとの距離といいますか、コミュニケーションがなかなか十分ではなかったということもございます。そういった中で、今、構想されておりますような、フリースクールを初めとする施設そのものの教育環境や人員体制の整備、あるいは個別学習計画、個々の状況に応じた──個々の状況を把握してですね、個別学習計画をどのように認定していくか、こういったことにつきましては、現在、国が検討しております。まだ法案段階ということで、政省令等のですね、詳しい状況も明らかになっているわけではございませんので、今後、条件整備等につきましては、公的支援のあり方も含めて、今後、動向を注視して速やかな対応をしていきたいというふうに考えております。
 以上です。


◯6番(小俣美惠子さん)  丁寧な御答弁ありがとうございました。今回の就学義務の転換となる大きな教育改革は、ようやくたどり着こうとした新たな可能性をつくり出す朗報かと思います。ぜひこの三鷹市は、とても不登校の子どもも少ないという今、お話がございまして、とてもいい教育環境にある三鷹市だなということは認識しておりますが、この子どもたちが、将来社会的、経済的に自立することが困難にならないよう、引き続き保護者に寄り添いながら、きめ細かい対策をお願いしたいと思います。
 私はこれで終わります。ありがとうございました。


◯議長(後藤貴光君)  以上で小俣美惠子さんの質問を終わります。
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◯議長(後藤貴光君)  次の通告者、7番 加藤浩司君、登壇願います。
                〔7番 加藤浩司君 登壇〕


◯7番(加藤浩司君)  それでは、議長の御指名をいただきましたので、通告に従いまして市政に関する一般質問をさせていただきます。
 このたびの私の質問は、まち・ひと・しごと創生総合戦略、地方版総合戦略についてお伺いをいたします。御答弁のほどよろしくお願いいたします。
 我が国の人口は減少局面に入っています。将来人口の推計については、さまざまな研究機関などが発表しているところであります。推計における前提条件が異なれば、その結果に差が出るのは当然のことであります。しかしながら、差はあるものの、ほとんどの推計で将来人口が減少するという結論に達しております。例えば日本の人口は2013年、1億2,700万人をピークに、2100年、約5,200万人、2500年には44万人という推計があります。これは、出生数と死亡数が今後も今の状況と同一で一定で推移することを前提に計算されたものであります。国は、平成26年、昨年の12月、まち・ひと・しごと創生総合戦略を策定しました。まち・ひと・しごと創生総合戦略は、平成26年5月に公表された日本生産性本部の日本創成会議・人口減少問題検討分科会による「消滅自治体リスト」及び提言「ストップ少子化・地方元気戦略」が発端であると考えられます。
 この提言では、2040年には896自治体が消滅の危機を迎え、そのうち523自治体が人口1万人を割り込む等のデータが公表され、大きな話題となりました。また、政府の経済財政諮問会議に設置された有識者会議「選択する未来」が、国・政府は50年後に1億人の人口を維持するという目標を掲げ、その政策に総動員するべきであるとの報告を提示しました。そして、政府は、人口減少に対する対応と地域の活性化を平成26年6月の政府の骨太方針や成長戦略改訂版の目玉施策の1つに盛り込むこととしました。このようにして我が国における急速な少子高齢化の進展に的確に対応し、人口の減少に歯どめをかけることなどを目的としたまち・ひと・しごと創生法が11月に成立をしたのであります。
 平成26年12月には、人口の現状と将来の展望を提示するまち・ひと・しごと創生長期ビジョン及び今後5カ年の施策の方向を提示するまち・ひと・しごと創生総合戦略が閣議決定されました。国の総合戦略の基本的な考え方において、将来人口は2008年をピークに減少局面に入っており、2050年には9,700万人程度となり、2100年には5,000万人を割り込む水準まで減少するという国立社会保障・人口問題研究所の日本の将来推計人口を引用しています。
 また、人口減少に加えて、地方と東京圏の経済格差の拡大が若い世代の地方からの流出と東京圏への一極集中を招いている状況にあります。首都圏への人口集中度が約3割という実態は、諸外国に比べても圧倒的に高い数字を示すものであり、地方の若い世代が、過密で出生率が極めて低い東京圏を初めとする大都市部に流出することにより、日本全体としての少子化、人口減少につながることになります。
 人口減少は地域経済に対し、消費市場の規模縮小だけではなく、深刻な人手不足を生み出しており、それゆえに事業の縮小を迫られるような状況も広範に生じつつあるのが現状です。こうした地域経済の縮小は住民の経済力の低下につながり、地域社会のさまざまな基盤の維持を困難とすることになります。2020年オリンピック・パラリンピック東京大会開催を前に、東京一極集中と地方からの人口流出はますます進展すると考えられています。
 このように、地方は人口減少を契機に、人口減少が地域経済の縮小を呼び、地域経済の縮小が人口減少を加速させるという負のスパイラルに陥るリスクが高くなり、このまま地方が弱体化するならば、地方からの人材流入が続いてきた大都市もいずれ衰退し、競争力が弱まることは必至であります。
 まち・ひと・しごと創生総合戦略は、人口減少を克服し、地方創生をなし遂げるため、1、東京一極集中を是正する、2、若い世代の就労、結婚、子育ての希望を実現する、3、地域の特性に即して地域課題を解決する、以上の基本的視点から、人口、経済、地域社会の課題に対して一体的に取り組むことが何よりも重要であると定義しています。
 都道府県、市町村は法に基づき、まち・ひと・しごと創生総合戦略を策定することとなりました。東京都は、東京都総合戦略を策定、発表しました。先ほど述べましたとおり、国は、地方創生の実現に向けては東京圏の一極集中の是正が当面の目標とし、まるで東京対地方の構図で議論が進められているように感じ取れますが、東京が考える真の地方創生は、東京と他の地域がそれぞれの持つ魅力を高め、互いに協力し合うことにより、ともに栄え、成長することであり、その結果として日本全体の持続的発展へとつなげていくものである。東京と地方の共存共栄なくして日本全体の発展はあり得ないとの考え方が特徴的であります。
 三鷹市においては、国の長期ビジョン及び総合戦略、東京都総合戦略を勘案して、三鷹市における人口の現状と将来の展望を提示する三鷹市人口ビジョン及び三鷹市の実情に応じた今後5カ年の施策の方向を提示する三鷹市まち・ひと・しごと創生総合戦略を今年度末までに策定する方針であります。
 最初の質問です。総合戦略策定に向けた市長の思いや考え方についてお聞かせください。
 質問の2つ目、地方人口ビジョンを踏まえ、地域の実情に応じた総合戦略の目標や基本的方向についてお聞かせください。
 地方自治体が策定する地方版総合戦略の立案に当たり、国・政府は、人材面、財政面とともに、情報面、データ面からも支援していくことになっています。主要経済にかかわるさまざまなデータ、例えば人の流れ、人口動態、企業間取引などを提供するということであります。その支援システムは、地域経済システム、通称RESASというものであります。RESASの最大の特徴は、地域の現状や課題、強み、あるいは弱み、さらに将来像といったものについて、官民のビッグデータをわかりやすく可視化、見える化することで、策定にかかわる方々にさまざまな気づきを持ってもらえることだそうです。
 地方創生で最も重要なことは、客観的なデータに基づく基本目標、あるいは重要業績評価指標KPI、キー・パフォーマンス・インディケーターを設定するとともに、毎年度、政策の効果をデータで検証した上で、さらに政策を改善していくというPDCAサイクルを確立することであります。石破地方創生担当大臣は、記者会見において、このRESASに関して、PDCAサイクルを確立するに当たり、切り札ともなるべきものであり、今後の地方行政のあり方を抜本的に変える可能性を持っているものであると述べておられました。
 質問の3つ目であります。策定において国が提供するビッグデータ、地域経済分析システム、RESAS等の活用についてお聞かせください。
 質問の4つ目です。まち・ひと・しごと創生を実行する上では、住民、市長、関係団体や民間事業者等の参加が重要であることから、総合戦略の策定に当たり、その代表からなる推進組織などを設置し、審議することが望ましいとされています。三鷹市ではこれまでも民学産公の取り組みは数多く進められてきましたが、今回の総合戦略では、国は、産官学金労言と、これまでの民学産公に加え、金融機関、労働団体、メディア、マスコミなども含めた議論が期待されるところであります。総合戦略推進組織について市長の御所見をお聞かせください。
 最後に、総合戦略策定の今後のスケジュールについてお聞かせください。
 以上で壇上よりの質問は終わらせていただきますが、御答弁によりましては自席での再質問を留保させていただきます。御答弁のほどよろしくお願いいたします。
                〔市長 清原慶子さん 登壇〕


◯市長(清原慶子さん)  それでは、ただいまいただきましたまち・ひと・しごと総合戦略について答弁をいたします。
 さて、国が進めるまち・ひと・しごと創生の政策の柱としては、1点目に、人口減少の克服や、それぞれの地域での雇用確保、また、住みよい環境の確保などが主要な柱として位置づけられています。三鷹市のような都市部では、今後しばらく人口は横ばい傾向にあると見込まれていますが、全体として日本国の人口減少時代を見据えまして、持続可能な住み続けたいまちであることが大変重要な方向性だと考えています。
 三鷹市ではこれまでもまち・ひと・しごと創生の取り組みに先行しまして、第4次基本計画において、都市再生とコミュニティ創生を最重点事業として位置づけてきました。これは、まさに持続可能性を求めてコミュニティ創生を進めながら地方創生を実現する、そういうような心意気で市民の皆様、市議会の皆様と一緒に進めてきたものでございます。
 質問議員さんがおっしゃるように、私は、このまち・ひと・しごと創生の方向性というのは、国対地方でもなければ、東京以外の地方対東京でもないと思っています。それが証拠にですね、私は、こういう経験をしました。昨年の秋、このまち・ひと・しごと創生総合本部ができましたときに、全国市長会では、各テーマに基づいてヒアリングを実行するということになりましたときに、思いがけないことですが、少子化のテーマで全国市長会の代表として指名されたのが三鷹市長でございました。すなわち全国市長会の会長初め役員の皆さんも、絶対この取り組みを、東京を初めとする首都圏対地方にしてはならない。むしろ全国が総合して子育て支援に努め、少子化対策を進めていくことが重要であって、東京こそ出生率をふやしていくべきであるし、それができないのならなぜか、それを進めることにするならば、どういう取り組みが有用なのかを、まずは東京都の市長が発言してきなさいということで指名されたわけでございます。
 全国市長会は都市自治体の集まりとして、都市間競争はよい方向でこそあるべきであって、対立は望ましくないということでございます。したがって、このまち・ひと・しごと創生の方向性としては、子ども・子育て支援や健康長寿社会、雇用の増加を含む地域活性化などが重要視されているわけですが、三鷹市の第4次基本計画ではそれぞれが重点事業とされています。したがいまして、国が示すまち・ひと・しごと創生の方向性と三鷹市の第4次基本計画に含まれている施策の方向性は一致しているものと認識をしています。したがいまして、三鷹市は、第4次基本計画第1次改定に掲げた施策、事業を基本に、三鷹市の総合戦略で設定する基本目標の達成に向けて積極的に取り組みを進めていくことを予定しています。
 そこで、御質問の2点目は、人口ビジョンを踏まえた総合戦略の目標や基本的方向、そして質問の3点目は、策定におけるビッグデータ等の活用についていただきましたので、お答えいたします。
 総合戦略を策定するに当たりまして、まず出発点として、将来人口の推計と分析が必要です。平成26年度に行いました計量経済モデルによる三鷹市経済の長期予測調査の中で、三鷹市では独自の人口推計を行っています。また、御指摘の地域経済分析システム、通称RESASや国立社会保障・人口問題研究所のデータを活用するなど、複数の視点から人口推計を行いまして、分析を進めてきたところでございます。
 例えば三鷹市独自の推計では、標準ケースの場合、人口総数はほぼ横ばいで、2025年度は約18万人と予測しています。また、国立社会保障・人口問題研究所による2060年までの将来人口推計によりますと、三鷹市では2025年度まで増加傾向を示すものの、その後は減少していくものとされています。特に年少人口と生産年齢人口の割合は、2060年まで一貫して減少し、一方でいわゆる老年人口は一貫して増加していくものと推計されています。こうした基礎データを踏まえますと、年齢別の人口構成の推移にも留意しながら、次のような目標を掲げることを考えています。
 まず1点目には、子どもたちの健やかな育ちと親の妊娠期から出産、子育て期の希望をかなえるワーク・ライフ・バランスの実現を目指す方向性です。これは申すまでもなく、推計では人口減少が三鷹市でも推計されているわけですが、ぜひ親が妊娠期から出産、子育て期の希望をかなえてほしい。産みたい人が産むことをちゅうちょなくすることができる、そういう方向性をまず第一義的に置きたいと思っています。
 2つ目には、長寿社会というものが推計されているわけですから、市民同士がともに支え合い、健康で心豊かに生活を継続できる地域社会となるコミュニティ創生を目指すことです。これはまさに健康長寿社会を目指すということです。
 3点目には、民学産公の協働を通じて地域の活性化を図るとともに、持続可能な都市の実現を目指すということで、何よりもやはり三鷹市においても、雇用の確保、地域の産業の維持というのはもちろん重要な取り組みであると位置づけたいと考えております。
 それでは、このような目標を推進するためにはどのような推進体制が望ましいでしょうか。言うまでもなく三鷹市においては、既に基本計画の実現に向けましても、民学産公の協働を進めてきているわけです。それをさらに継続したいと思いますが、総合戦略策定段階においては、国の指針として、質問議員さんも紹介されました産官学金労言の有識者等による推進会議の取り組みを掲げられています。「産」というのは産業界、「官」というのは行政機関──三鷹市はあんまり「官」じゃなくて「公」とあらわしてきたんですけど、国は「官」と言ってしまうんですね。それから、「学」は教育・研究機関、「金」は金融機関、「労」は労働団体、そして、「言」はメディアということになります。
 私たちとしてはこのような目安を参考にしながら、各分野の皆様から幅広く意見等をお聞きするための推進会議を立ち上げる予定です。しかも、ぜひ実効性のある総合戦略の策定と推進に向けて積極的に取り組む体制として考えていることから、12月中にまずは第1回目の推進会議の開催を予定しております。そして、戦略をつくるときだけこのような皆様にかかわっていただくだけではなくて、やはり検証をしていくことが必要ですので、この計画は2015年から2019年の5年間の計画とされていますので、三鷹市の中期計画と、ちょっと1年先なんですが、きちんとした検証をする意味でもこの推進会議の皆様の御意見を聞き続けていきたいと思っています。
 なお、今後の策定スケジュールでございますが、これまでに実施したアンケート調査等の結果や今後開催を間近に予定している推進会議での御意見等を踏まえるとともに、市議会の御意見もいただきながら、できる限り12月中に素案として確定をしたいと考えています。そして年明けにはパブリックコメントを実施いたしまして、平成28年3月の確定を予定しています。
 他の自治体ではもう既にですね、これだけ単独で計画をつくっている自治体もあるのですが、三鷹市は第4次基本計画の第1次改定と同時期にこの戦略をつくることになりますので、整合性をしっかりととっていきたいと思いますし、中身についても具体的な施策は第1次改定の中できめ細かくつくられておりますので、それを基本的な目標を達成する施策内容として総合的にまとめていきたいと考えております。
 答弁は以上でございます。


◯7番(加藤浩司君)  御答弁ありがとうございました。三鷹市の総合戦略策定に向けて、今進められている第4次三鷹市基本計画の改定の取り組みと同時に進められているということでありました。三鷹市では、今、市長から御答弁ありましたとおり、基本計画という中で、国が第1目標として進めているこの総合戦略と同様なことを今までも進めてきたというふうには私も考えておりますけれども、やはりこれは、国が今まで何十年もかかって、いろいろな大きな施策を進めてきましたけれども、大きな、本当にこれはやらなければ日本はどうなってしまうのかなということを考えますと、今までの日本列島改造論等々いろいろな、ふるさと創生等いろいろな大きな施策を進めてまいりましたけれども、ちょっとそういう意味では形が違うのであろうと。この静かな有事と言われている人口減少の問題に関しては、やはり地方、そしてその地方自治体の1つである三鷹市──東京都もかなり力を入れてこの東京都総合戦略をつくっておりますので、ここでの取り組みというのは、この先50年、100年で振り返ったときに、ここでの三鷹市の取り組みが今の三鷹市を支えているということも言えると思いますので、ぜひこの取り組みについてはしっかりと取り組んでいただきたいというふうに思っております。
 幾つか再質問をさせていただきたいと思います。
 今、市長のほうから出生率、ワーク・ライフ・バランスということで、妊娠・出産・子育てなどの切れ目のない支援について取り組むというお話をいただきました。国は出生率を、目標として1.8を掲げております。三鷹市の出生率というのは、御存じのとおり全国ワースト20位という、1.04というのが最近の合計特殊出生率ということで発表されているところであります。このワースト20位までの間には、15の地方公共団体が東京都に属する市や区でありますので、三鷹市だけの問題というふうに捉えているわけではなく、東京全体の問題として捉えなければいけないのですが、市長が先ほど、人口の推計で横ばい状態という言葉もありました。出生率が極めて低いのに対し人口が横ばいということは、やはり三鷹の施策、三鷹市の進め方に対して共感を持ち、三鷹市に引っ越してくる方も多いんだと思います。しかしながら、やはり出生率を上げなければいけないということに対して、今、市長もワーク・ライフ・バランスに取り組むということで、もう一回、こういうことをですね、市民に知っていただくためにですね、この方向性など具体的に方針がありましたらお答えいただきたいと思います。お願いいたします。


◯市長(清原慶子さん)  再質問にお答えします。
 私が市長になりましたときには、三鷹市の合計特殊出生率が0.95、96で、その後0.94まで下がった時期がありましたが、おかげさまで平成26年(2014年)の数値は1.16となり、東京都の1.15と並ぶ──東京都平均にまで追いつきました。御案内のとおり、三鷹市ではコミュニティ・スクールを基盤とした小・中一貫教育及び保育の質を高める取り組みをして、この間、保育園の定員も1,200人、1,300人ふやしてきたのに待機児が200人ということと、ファミリー層の転入が顕著になっています。にもかかわらず数字で見ると1.16ということなんですね。
 私は、報道などによりますと、市部の中でも最小の合計特殊出生率とか、こう言われるんですが、最近、子育てしやすいまち、あるいはコミュニティ・スクールのあるまちということで、三鷹市に転入してきましたよという、転入してきたばかりの赤ちゃんを抱いているお母さんたちと会う機会がありまして、これはますますですね、やはり教育委員会にはコミュニティ・スクールの取り組みを充実してほしいし、私たちもできる限り──待機児童ゼロというのは、なかなか掲げにくい現実はありますけれども、質の高い保育や幼稚園教育を進める中でですね、やはり子育てしやすい、子どもを安心して産める三鷹市というのをもっともっと明確に発信していきたいと思っています。特にですね、昨日の答弁でも健康福祉部の調整担当部長も説明してくれましたが、妊娠期からの切れ目のない支援ということで、全ての妊婦さんを対象にですね、相談をする体制をつくっていきたいと。これは並々ならぬ私たちの思い、決意でございまして、やはり全て子どもを本当に産みたいと望む人は、産める地域ということが大事だと思うんですね。ちゅうちょする、ためらう、そういうことがないような雰囲気づくりを整えていきたいというふうに思っています。
 ただ、ここで大事なのはですね、子どもを産まない方もいらっしゃるわけですが、あるいは結婚もしない方もいらっしゃるわけですが、そういう自由というのもやっぱり保障していかなきゃいけないのが21世紀の社会だと思っています。繰り返しになりますが、結婚することをちゅうちょしたりですね、お相手がいるのに。あるいは出産することを、経済的事情等でちゅうちょされたりすることをとにかく払拭していくということが第一義的に重要なことだと思っています。
 私たちとしてもですね、合計特殊出生率の目標をしっかりと、総合戦略では増加というふうに掲げたいと思います。ただ、国の数字に合わせることはちょっとできないなと思っていて、身の丈に合って、増加ぐらいの表現になってしまうかとは思うのですが、今よりは産んでいただけるような、そういうことを目指すことを条件整備するとともに、市民の皆様、あるいは市外の皆様にも発信していきたいと考えています。


◯7番(加藤浩司君)  今、市長の御答弁のあったように、三鷹に魅力を感じて、子育て──ちっちゃな子どもを抱いて、そういう、コミュニティ・スクールがあるから引っ越してきたというふうに言っていただける方、そこまで考えている方は意外とまれなほうなのかもしれません。ですから、もう少しこのコミュニティ・スクールの大切さなどをですね、また、三鷹市は都心から近いながらも豊かな自然と緑に囲まれて生活ができる絶好の子育て環境があるという、三鷹の魅力である、そういうところもですね、ぜひ発信をしていただきたい。そして、当然並行して、そのような新鮮な野菜や果物を提供し、昔ながらの原風景を残せる、こういうすてきな農地もあるんだということをどんどん発信して、三鷹の魅力を広げていき、三鷹の人口減少には歯どめを──済みません、横ばいなので歯どめをという表現はちょっとおかしいかと思いますけれども、末永く人口減少がないまちにしていただきたいと思います。これに関しては答弁は結構でございます。
 国からの総合戦略の策定において、地方間の対立はやはり望ましくないということも書かれております。例えば市町村レベルの地域課題を広域連携により解消していくというような、そういうことも書かれているわけであります。この近隣、例えば中央線沿線であると武蔵野市や小金井市等々との連携、または京王線であると調布市や狛江、稲城までいくのでしょうか、そういうところまでの連携も考えながら、地域として進めていかなければならないこともあるのかなと思いますけれども、今の段階で、市町村レベルにおけるこの地域連携、広域連携がある、もし考えているのであればお示しをいただきたいと思います。お願いいたします。


◯企画部調整担当部長・行財政改革担当部長(土屋 宏君)  今回の近隣市との地域連携という観点では、既に四市連ですとか、そういった取り組みがございますので、それを引き続き継続していきたいと思います。
 また、ちょっとこれは話がずれますけれども、RESASのデータから得た情報では、三鷹市への転入者と転出者、これ、上位10市区町村がほとんど全く同じであるということがデータとして出てございます。したがって、来る方も出る方もほぼ同じところから来て、同じところに転出するという情報がございますので、こういった情報をこれからベースにして、三鷹市として独自性を出す、あるいは近隣市としてどういうところと協力できるか、そういったことをまた検討していきたいというふうに考えております。


◯7番(加藤浩司君)  ありがとうございます。待機児童の件や、また医療や健診の件など、やはり今でも連携をされていると思いますけども、その辺の連携を含めてですね、この地域が選ばれる、住みやすい、将来もずっと三鷹市が今のまま、僕らの子どもや孫の世代まで残っていただくような、そういった政策が今、ここで求められているというふうに考えておりますので、ぜひ広域連携においても慎重に進めていただければと思いますので、よろしくお願いをいたします。
 最後に、総合戦略推進組織について、先ほどの市長の答弁について、ちょっと再質問をさせていただきたいというふうに思っております。
 私は、この総合戦略推進組織の会合等がですね、1月ぐらいというふうには思っていたんですけど、今、御答弁で12月には開いていただけるということで──1月ぐらいだと、3月末までにやるのにちょっと慌ただしいだろうな、その後、我々議会にお示しをいただくなど、議会による審議もこの策定には書かれているので、ちょっと時間的に厳しいのではないかと思っていたところ、今の御答弁で12月というお話がありましたので、安心をしております。
 特に先ほど市長の話の中の、三鷹市内の経済の活性化というところでは、新たに加わった金融機関の関与というのがとても大事だというふうに思っております。市内には多くの金融機関がありますけれども、当然全てを網羅することは不可能であるというふうには私も認識をしておりますけれども、できる限り多くの意見を聞く観点で、そういった形での組織をつくっていただき、会議の中での御発言を求めていただければと思います。特に中小企業の味方で身近な信用金庫や信用組合の方々、そういった方々の実際の──もうあしたとか今月末の支払いとかでいろいろ苦慮されている中小企業の皆様の声を拾っていただいて、何が必要なのかということもこの総合戦略に酌んでいただけるとありがたいと思います。これに対して市長の御所見をお願いいたします。


◯市長(清原慶子さん)  御質問ありがとうございます。私たちもですね、この総合戦略については、基本計画の改定のときとはまた違う人口や地域活性化の観点から集中的な御意見をお聞きしたいと思っておりまして、金融機関も信用金庫の方に代表してお願いをいたしました。それは、大手メガバンクではなくて、やはり地域に根づいて、中小企業支援等をしていただいている立場からの御意見を主としていただきたいと思ったからです。そのほか商工会やJA東京むさしの代表の方以外に、やはり子ども・子育て支援にかかわる大学関係者ですとか、労働団体で言えば雇用にかかわるハローワークの皆さんや、あるいは企業の関係者にも入っていただきながら、多面的な視点でですね、なるべく──理念ではなくて、現場に根づいた戦略というのをつくっていくことが望まれていると思いますので、そうした御議論をいただきたいと思っています。そして、そのことも踏まえて今月、また市議会に総合戦略の内容も含めた第4次基本計画の第1次改定の素案をお示しする機会をいただければと考えております。


◯7番(加藤浩司君)  どうもありがとうございました。長々と質問をさせていただきました。この大事な局面における地方が策定する総合戦略ですので、かかわっている皆様は大変かとは思いますけれども、ぜひ市長の肝いりの戦略ということで、しっかりとつくっていただきたいということを申し述べ、質問を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。


◯議長(後藤貴光君)  以上で加藤浩司君の質問を終わります。
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◯議長(後藤貴光君)  この際、議事の都合によりしばらく休憩します。
                  午前10時38分 休憩



                  午前10時50分 再開
◯議長(後藤貴光君)  休憩前に引き続き、会議を再開します。
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◯議長(後藤貴光君)  市政に関する一般質問を続けます。
 次の通告者、22番 宍戸治重君、登壇願います。
                〔22番 宍戸治重君 登壇〕


◯22番(宍戸治重君)  議長より御指名がありましたので、市政に対する一般質問を行います。
 都市農業・農地の役割としては、市民に安全で新鮮な農産物の供給や緑の確保、災害時の防災空間等多面的な機能を有している。都市農業の維持保全こそが緑地空間確保の最善策である。緑豊かな高環境を守る観点から、都市計画法上の都市農地の位置づけが求められてまいりました。都市農業振興基本法の成立、農業協同組合法、農業委員会法、農地法が改正され、三鷹市の農業施策に大きく影響することが予測できます。また、地方創生、まち・ひと・しごと創生法に基づく地域活性化に向けて自治体がまとめる都道府県まち・ひと・しごと創生総合戦略及び市町村まち・ひと・しごと創生総合戦略の策定が義務づけられております。この機会を最大限に生かし、持続可能な三鷹市の創造を行うべきと考えます。
 まず、都市農業振興基本法の成立について。
 農地の相続税、贈与税猶予制度を堅持し、市民農園等に活用する場合の納税猶予適用新制度の創設、農業用施設用地や平地林、屋敷林を含めて都市農地等の所有、継承コストを低減する税制措置、生産緑地の追加指定の積極的な随時指定、また、宅地から生産緑地への復活、さらに生産緑地の面積要件の緩和、認定農業者制度の認定要件の緩和、また、更新・指定増加に向けて制度の充実、三鷹市優良農地育成事業の5年の保存協定期間、面積要件・申請要件・不動産担保等を緩和、申請受付時期、補助金支給時期の改正等、農業者との交流を通じて市民の都市農業への理解が深まるための取り組み、また市民の健康長寿や生きがいづくりのための市民農園や老人レジャー農園及び体験農園の拡充並びに附帯施設(洗面所、トイレ、シャワー、倉庫等)の整備・拡充、また援農ボランティアの育成支援、食の安全、地産地消のメリットを生かした安全安心な農産物を市民に提供するための流通販売網の構築、JA緑化センターの活性化、駅前直販所の新設、道の駅の整備、庭先販売の充実、学校給食への納入機会の拡大等、市民が身近に農業と緑について学び、体験し、触れ合う交流の場である農業公園のJA緑化センター等関係機関との連携したさらなる充実、新しい農産品の発掘、営農技術の開発、高付加価値商品の開発など多くの課題があります。
 都市農業振興基本法が成立し、都市農業の安定的な継続を図るとともに、多様な機能の適切かつ十分な発揮を通じて良好な都市環境の形成に資することを目的として制定され、都市農業が位置づけられました。都市農業の多様な機能の適切かつ十分な発揮と都市農地の施策が推進されるべく、都市農業振興基本計画の策定が義務づけられました。
 都市農業振興基本法が成立したことにより、農地にかかわる税制、農地の新しい活用、新しい営農技術の導入などの課題が解決できることが望まれております。多様な機能を生かしたまちづくりに活用するために、国及び東京都の進捗に注視し、必要な意見を発信、働きかけることが必要であります。また、三鷹市の農業政策についても、法成立に伴う実効性のある施策の展開が必要でございます。また、現在進められている三鷹市基本計画、個別計画の改正が必要となることが予測できます。政府の地方創生の一環としての地方版総合戦略づくりが進められておりますが、農業が多様な機能を持つ産業として、農業振興による雇用の創出、まちづくりへの参画が期待されております。三鷹市においても産業の重要な農業政策についてしっかりと取り組み、地方版総合戦略を策定し、将来の農業・農地を含めたまちづくり、三鷹市のビジョンを示す必要があります。
 ここで質問をいたします。都市農業振興基本法が成立し、都市農業の基本理念が示されました。三鷹市の農業政策に与える影響について、市長の御所見を伺います。
 また、国・都の都市農業振興計画についてはまだ示されておりませんが、都市農業の抱える課題や振興上の課題の解決に期待が大きく、国や都の取り組み状況、国・都への働きかけについて御所見を伺います。
 また、法の成立により三鷹市の農業振興計画に与える影響について、今後の改正への取り組みについて、市長の御所見を伺います。
 次に、成長戦略の規制改革として、農協法、農業委員会法、農地法の一体改革で法改正が行われました。農業を成長産業に導くとして法改正が行われたものであります。
 農業組合法の改正について。
 農業協同組合法等の一部を改正する等の法律は、農業の成長産業化を図るため、農業協同組合、農業委員会及び農業生産法人に関する制度の一体的な見直しを行おうとするものであります。農業協同組合及び農業協同組合連合会は、その行う事業によってその組合員及び会員のために最大の奉仕をすることを目的とし、その事業を行うに当たっては農業所得の増大に最大限の配慮をしなければならないこととするとともに、農産物の販売、その他の事業において高い収益性を実現し、その収益を事業の成長発展を図るための投資または事業利用分量配当に充てるように努めなければならないこととしました。JAの事業目的に農業所得の増大を新たに明記し、また、新たに農業組合が農産物の販売や六次産業化など積極的に取り組むよう意識改革を求めていると同時に、新たなJAのあり方について自己改革が求められているものでございます。政府の地方創生の一環として地方版総合戦略づくりが進められている。農業が多様な機能を持つ産業として、農業振興による雇用創出、まちづくりへの参画が期待されているところであります。
 ここで質問をいたします。農業協同組合法等の一部改正が行われた三鷹市や農業政策については、団体指導体制を推進してまいりました。今後の農業組合との関係について影響があるのかどうか、今後の方針について市長の御所見をお伺いします。
 次に、三鷹市における地方版総合戦略づくりの上で、産業振興としての農業振興計画が農業協同組合との協働の取り組みにより策定が求められていることへの市長の御所見をお伺いいたします。
 3、農業委員会法改正について。
 農業委員会は、農業振興や農地の利用の最適化、市内の貴重な農地の保全のために大きな役割を担ってまいりました。今後もその役割は重要であります。農業委員会は農地法等の法令に基づく事項のほか、農地等の利用の最適化の推進に関する事項に関する事務を行うこととし、農業委員会の選出方法の変更、農業委員の公選制は廃止し、農業委員は市町村長が議会の同意を得て任命することとするとともに、市町村長は、農業委員の任命に当たっては、原則として認定農業者が農業委員の過半数を占めるようにしなければならないこととする。農業委員会は、農地利用最適化推進委員を委嘱しなければならないこととし、農業委員会が定める区域内の農地等の利用の最適化の推進のために活動を行うこととする。
 以上でございますが、農業委員会ネットワーク機構については、「農林水産大臣又は都道府県知事は、一般社団法人又は一般財団法人であって、農業委員会相互の連絡調整等の業務を適正かつ確実に行うことができると認めるものを、全国又は都道府県にそれぞれ一を限って農業委員会ネットワーク機構として指定できることとする。」、以上のような大きな改正が決定をいたします。
 改正農業委員会法が来年4月施行となるための政省令案、政令で農業委員会の定数、推進委員の定数の基準が示され、省令では例外規定、委員・推進委員の推薦・公募及び任命・委嘱に係る手続の細則の規定が示されました。改正に伴う農業委員会のあり方を精査・検討し、現状維持とすることを求められているところであります。改正農業委員会法の成立について、今後の農業委員会の意義、あり方について市長の御所見を伺います。
 法改正に伴う農業委員会の変更手続について、御所見をお伺いします。
 農地法の一部改正について。
 農地を保有できる法人の規制改革として、農地を所有できる法人の要件に関し、農業者以外の構成委員の有する議決権の要件について、総株主の議決権等の2分の1未満まで認めることとともに、役員の農作業従事要件について、その法人の役員等のうち1人以上の者が農作業に、農林水産省令に定める日数以上従事すれば足りるということでございます。法人の農地保有の規制緩和に当たるものであります。
 以上で壇上での質問を終わりますが、答弁によりましては自席での再質問を留保いたします。
                〔市長 清原慶子さん 登壇〕


◯市長(清原慶子さん)  それでは、ただいまいただきました農業関連法令の制定及び改正等と農業振興に関する御質問にお答えいたします。
 御質問の1点目は、都市農業振興基本法の成立が三鷹市の農業行政に与える影響についてです。
 ことしの4月、私は、東京むさし農業協同組合の女性部の総会に出席しておりました。そのとき、まさに都市農業振興基本法が可決されたというニュースが入りました。都市農業は三鷹市においても、女性部の皆様を初め、まさに男女平等参画でこれまで進行し、そして維持をしてきてくださいました。その都市農業を、まさにですね、基本的な理念から変える法律が成立したことは大変大きな意義があると思っています。すなわち都市農業振興基本法は、従来の都市における農地は宅地化へという法制度から一転して、都市の農地を評価して保全する方向へと向かう、まさに農地保全を願う都市農地を持つ自治体にとっては待望の法律の制定となったわけでございます。
 この基本法によりまして、都市農業の位置づけが明確になりました。今後、国や東京都の積極的な農業振興施策への方向性が都市においてしっかりと示されるものと期待しているところです。三鷹市といたしましては、国や東京都の農業施策の展開を注視しつつ、東京むさし農業協同組合と引き続き連携しながら、農業振興の充実に取り組んでまいります。
 ただ、ここで振興というよりも、私は、これまで、本当に都市農地を維持して、都市農業を維持してきてくださった方がいることを忘れてはなりません。維持をするということから、振興へと、この法律の理念が生かされるということが最も重要なことではないかと認識をしております。
 そこで、国・東京都への働きかけについてでございますが、国は、今後、都市農業振興基本法に即しまして、的確な土地利用計画策定のための施策、そして、税制に関する措置のための施策など、具体的な検討を進めていくものと考えています。しかし、この都市農地が減少する最大の要因は、相続税の負担であると言われております。このことにつきましては、三鷹市も加盟しております都内38の自治体で構成する都市農地保全推進自治体協議会や農業会議が一貫して国・東京都に要望してきたことでございます。税制の改正というのが具体的になされなければ、やはり農地を守る農業者の今後というのは、なかなか厳しいものがあると思います。農業者の農地に負担軽減措置が講じられるよう、これまでに引き続いて国に、そして東京都に連携を要望してまいります。
 続きまして、今後の東京むさし農業協同組合との関係についての影響はどうかということでございます。
 これまで三鷹市は、東京むさし農業協同組合の三鷹地区、特に三鷹支店に対しましてですね、農業振興事業補助金を通じて財政的な支援を行ってまいりました。もちろんこの間ですね、実は見直しをしてまいりまして、減額もしてきた経過がございますが、実質的なものが大事でございまして、都市農業の振興・維持、援農ボランティアの養成、農業公園を中心とした都市農業理解への啓発活動など、協働して取り組んできたところが特徴でございます。
 農業協同組合の自主性は尊重しなければなりません。しかしながら、質問議員さんが繰り返し御指摘されましたように、この法律改正等の理念では、農業者の農業所得の向上ということがしっかりと掲げられているわけでございますので、農業者の農業所得の向上に向けた取り組みも、引き続き連携して推進していきたいと考えております。
 次に、農業委員会の意義、あり方及び法改正に伴う今後の農業委員会の変更手続等についてお答えいたします。
 農業委員会は、従来から、農地法及び農業委員会法によりまして、農地の適正な管理についての活動が位置づけられている行政委員会です。また、農業者の経営合理化の支援や調査及び情報の提供を行うとともに、東京都農業会議を通じまして、農業及び農業者に関する課題について、東京都や国などに要望する活動も行っています。三鷹市長に対しましても、積極的に建議などもしていただいてきた経過もありますし、この間ですね、三鷹市は農業委員会の皆様と御一緒に、経営の改革を計画的に進める認定農業者の認定も行ってきたわけでございます。したがいまして、今後も、何よりも市内の貴重な農地が適正に管理され、より多く保全するために、農業委員会に課せられる任務はますます重要であると認識しています。
 ところで、平成27年10月に農業委員会法が改正されたわけでございます。選出方法が選挙制度から市長の任命制へと変更をされました。新法による新農業委員の任期は、現農業委員の任期が満了する平成29年の7月22日からとなります。再来年でございます。その間、国や東京都、近隣の市区の状況を見ながら、適正にこの新しい農業委員会法が施行されますようですね、注意深く検討を進めていきたいと思っています。何よりも農業委員会の存在の意義というのを再確認したいと思います。農地の保全を推進することにふさわしい、地域をよく知った農家の代表者の方が農業委員として市議会の同意を得ていただきますように、そのための手続をですね、丁寧に進めていきたいと考えております。
 何よりも都市農業振興基本法が成立したことの実質の意義をですね、具体化していくのはこれからでございます。これまで長きにわたりですね、宅地化という動きの中でなかなか重視されなかった都市農地ですが、実はこんな御縁もございます。現在、まち・ひと・しごと創生本部で、まさに地方創生をつかさどっている石破大臣は、かねて農林水産大臣のときに、三鷹市の農協青壮年部の呼びかけに応じて、実際に三鷹市の農業者、農業後継者と語り合い、農業の実情をよくお知りになりました。そのとき、自分は今まで地方の農業を維持することが農林水産大臣の第一義的な役割と思っていたと。したがって、都市農業についてはほとんど重視してこなかったという本音をおっしゃいました。しかし、東京を初めとする都市に農地があることの意義、農業後継者が農業を維持・継続していくことの意義を確認したので、必ず都市農業振興についてですね、道筋をつけていくとおっしゃったのは数年前です。その後、しっかりとですね、農林水産省の中に都市農地を担当する都市農業担当の課長を置くなどですね、具体的な取り組みを経ての都市農業振興基本法でございます。質問議員さんが言われたように、具体化するにはなお課題がございますけれども、国・東京都と連携しながら、この法の趣旨が三鷹市の中においても具体化しますように、しっかりと仕事をしていきたいと考えております。
 他の質問については担当より補足いたさせますので、よろしくお願いします。


◯副市長(内田 治君)  それでは、私からは市長の答弁に補足をいたしまして、農業振興計画に関連をする2点についてお答えをいたします。
 まず、今後の農業施策の展開と三鷹市の農業振興計画、これへの影響、改正の取り組み等についてという御質問でございました。
 この都市農業振興基本法におきましては、地方公共団体は地域の状況に応じた施策を策定し、それを実施する責務を有するとされているところであります。三鷹市といたしましても、地方公共団体としてもですね、市の独自性をしっかりと保ちながら、国や東京都の動向を注視をいたしまして、都市農地保全等のですね、三鷹の農業を取り巻く諸課題にしっかりと取り組みをですね、平成28年度以降になろうかと思いますけれども、今後の農業振興計画のですね、変更に随時、適切に対応してまいりたいというふうに考えております。
 もう1点でございます。東京むさし農業協同組合との協働による農業振興計画の策定についてどうかと、こういう御質問でございました。
 三鷹市はですね、基本計画や農業振興計画の策定、また改定に当たりましては、これまでもですね、東京むさし農業協同組合や農業委員会の皆様などから幅広く御意見をいただきまして、その意向につきましては、可能な限り反映に努めてまいりました。今後も計画の策定及び改定に当たりましては、引き続き東京むさし農業協同組合初めとした農業関係者の皆様との連携をですね、密にしながら取り組んでまいりたいと思います。
 私からの答弁は以上でございます。


◯22番(宍戸治重君)  御答弁ありがとうございました。まだまだ法整備が、できたとはいいながらも、政省令、それから、計画づくりがまだだということでは理解をしております。その上で、ことしも技術の向上と市民の理解向上のために、盛大に農業祭が開催されました。農地面積が減少しているとはいいながら、農業者の活動がまだまだ──衰えるどころか、ますます活発だというような展示品の展示がございました。農家の持つ底力はまだまだ衰えていないというように思いますし、現在では農地の活用が、野菜、植木、果樹等を含めて約半々ずつだというふうにも捉えられます。これをいかに生かしていくかが、これからの農家の収入をふやすと同時に、地域の活性化、経済の活性化につながっていくものというふうに考えているところでございます。ぜひですね、これからの農業政策、もしくは振興についてはですね、また今までと違ったビジョンを掲げて計画づくりに取り組んでいただきたいというふうにも思います。
 また、農業の持つ多面的な機能が、経済の活性化や地域の活性化につながることを私たちは期待をしているところであります。そのために農業者や農業協同組合、行政、学校・研究機関などの専門機関、消費者やコーディネーターを含めたような研究会を新たに立ち上げる必要があるんではないか、市民全体で農業を支えていくような、または考えていくような組織づくりが必要だと思いますが、そのことについて、お考えがありましたら御答弁をお願いしたいと思います。
 それと、農業委員会についてはですね、これからも三鷹の農地を守るために、環境を守るために、緑を守るために、ぜひですね、新たな農業委員会の位置づけをですね、市としてはっきりとさせた上で適切な人材を選んでいただきますようにお願いをしたいなというふうに思います。とりあえず再質問は以上でございます。


◯副市長(内田 治君)  それでは、ただいまの再質問2点、お答えをいたします。
 まず1点目はですね、これで新たな農業の展開がですね、進むだろうということで、農業のビジョンですね、こういったものをこれからしっかりと考えてほしいと、こういうことでございました。
 先ほども若干触れましたけれども、国が今後ですね、都市農業振興基本法を受けまして、国としても計画を策定をされます。そして、国の計画を受け東京都も一定の計画や方向性をですね、明らかにしてまいると、こういう流れになってまいります。
 そして、その基本法の中ではですね、その基本理念の1つに、国民の理解のもとに施策の推進が図られるべきというような言葉がございます。今後もですね、農業振興のビジョンを語る場に、さまざまな分野の方とですね、意見を交わすことが必要だというふうに思っております。さきの農業祭においても、JAの関係者の方々がですね、ことしは少し冷たい雨でしたけれども、それでも多く集まった方々の前に、この法律の改正の意義をですね、御挨拶の冒頭で強調されまして、三鷹の農地の重要性について、改めて市民の皆さんにですね、熱い思いを語られておりましたので、そういったことを反映させられるですね、しっかりとしたビジョンというものも必要だというふうに思います。
 また、今、御提案がありましたようなさまざまな方面のですね、方々から知恵を集めた──今、質問議員さんの言葉では、研究会というようなですね、言葉がございましたけれども、名称や活動の方法はどのようにするかはさておきましてですね、いろいろな方々との知恵を集めていく。農業者だけでなく、今後のさまざまなまちづくりの中でですね、より一層市民の方や幅広い事業者の方々との連携というものも可能性が出てくると思いますので、そういったことは視野に入れて、ちょっと知恵を出していきたいなというふうに考えております。


◯22番(宍戸治重君)  それではですね、時間がないので最後にですね、一言申し上げて終わりたいと思いますが、都市農業振興基本法が成立して、11月2日が都市農業の日ということで決まりました。この記念日と申しますか、この日をですね、生かしたこれからの取り組みも必要だなというふうに考えています。農地の存続にはずみがついて市民に認知されて、親しまれる日となることを期待しているところでございます。
 それと、外国人でありますが、ジェニファー・コックラル・キングという方がいらっしゃいますが、最近の食について、グローバル化された食料生産と流通システムが限界に達していることに気づき始めて、都市住民が安全な食料の生産と供給をみずから確保しようと行動し始めていると、大都市の農業革命を紹介をしている部分がございます。まさにそのとおりではないかなと思うところであります。
 また、日本は社会環境が大きく変化して、人口減少、少子高齢社会となり、また、空き家率が年々増加して、住宅余りの時代に突入しました。都市住民からは多様な機能を生かした農地・農業の保全要望が高まっているというふうに考えているところであります。
 また、12月5日は国連が定めた世界土壌デーでもあります。地球規模での農地の砂漠化等がですね、土壌劣化が進んでいるということからすると、大きくするとどうしてもその辺のところが、耕作物、農産物を育てるだけでなく、日本の伝統的な土地を育てるということを、土を育てるということを忘れがちになってしまいます。そういうことからすると、食を生み出す土、命を育む土に感謝して土壌を考える1日となるように、ぜひこの世界土壌デーも何らかの視野に入れながら考えていく必要もあるというふうに考えているところであります。
 また、都市の食料備蓄はわずか3日と言われております。危機管理の面からも都市の中の食料生産こそ、今、求められているものというように考えます。このような観点からですね、ぜひ農地・農業を守る施策に十分に御配慮をいただきたいというふうに思います。
 終わります。


◯議長(後藤貴光君)  以上で宍戸治重君の質問を終わります。
    ──────────────────────────────────────


◯議長(後藤貴光君)  次の通告者、23番 吉野和之君、登壇願います。
                〔23番 吉野和之君 登壇〕


◯23番(吉野和之君)  議長より御指名をいただきましたので、通告に従い一般質問をさせていただきます。
 本日は道徳教育について質問をいたしますが、道徳教育においては、学校において実際に指導する教師に対する信頼が最も重要であります。市内の小学校に勤める小学校教諭がわいせつ容疑などで逮捕されるという、決してあってはならない事件が発生し、教育委員会では遺憾のコメントを出しましたが、今回の事件を痛切に反省し、教師が襟を正し、しっかりとした倫理観を持ち、信頼回復のために全力を尽くして道徳教育に当たるべきであるということを申し上げて質問に入ります。
 道徳教育については、平成26年10月に中央教育審議会で道徳に係る教育課程の改善等についての答申が出され、その答申を受けて平成27年3月に、特別の教科である道徳として教科化が正式決定され、新たな段階に入りました。答申の出た段階で平成26年12月に質問をいたしましたが、正式決定をされたこと、また、三鷹市においては、教育長も新制度のもとで前議会で再任されたこともあり、道徳教育についての基本的考え方をお伺いいたします。
 1、道徳教育について。
 (1) 、教科化の意義について。
 いじめ、青少年の犯罪の凶悪化、ネットを媒介とする新たな問題の発生等、青少年をめぐる社会問題は深刻度を増していると考えます。これらの問題について、時間はかかっても抜本的な解決として道徳教育の充実が求められ、昨年10月の中央教育審議会の答申を受けて正式な教科化が行われたものであり、今回の教科化を契機として道徳教育の充実を図っていくべきものと考えます。
 しかし、以前、一般質問でも述べたとおり、道徳の教科化については、新聞社の社説においてもさまざまな見解があり、また一方では、道徳教育を推進している学校でも、いじめにかかわる重大事件が発生しており、教科化に対して批判的な意見もあります。しかし、教科化の意義は、教育長も前回、答弁で述べたとおり、教科化により内容の体系化、構造化が図られ、今までの道徳教育の狙いが明確になることによってこれまで以上に充実した指導が図られるというメリットがあるということであり、正式な教科ではなかったがために、大学では道徳教育の専攻や講座はほとんど設置されておらず、理論的な基盤が明らかに脆弱であったと言われております。教科化を受けて、今後は大学における道徳の教育が充実されるとともに、現場においても教師の指導力、指導方法の向上を本格的に図っていくことが要請されます。
 また、今まで正式な教科でなかったがために、評価も行われず、教科書もありませんでした。教科の性格上、評価も数値ではなく、文章による評価が行われるとのことでありますが、評価を通じて児童・生徒一人一人がどのように道徳に取り組んでいるか、教師が真剣にそのことを生徒に知らせることも重要であり、私は、教科化を通じて教師一人一人が道徳についてより深く、児童・生徒一人一人について見詰めることができると考えます。私は、今回の教科化の正式決定を受けて、その意義について再度確認し、学校の教職員が共通認識を持てるよう努めることが必要であると考えます。
 最初の質問ですが、教科化の正式決定を受けて、教科化の意義についてどのように捉えているかお伺いいたします。
 また、教科化に向けて教職員の間で共通認識を持つことが必要であると考えますが、教科化の正式決定を受けて、各校においてどのように取り組んでいるか、お伺いをいたします。
 特別の教科である道徳が完全実施され、検定教科書が使用されるのは小学校では平成30年度より、中学校では平成31年度からですが、市としても完全実施に向けて計画的に準備する必要があります。
 ここで質問ですが、道徳の教科化に向けてどのようなスケジュールで行っていくのか、お伺いいたします。
 次に、道徳教育といじめについてお伺いいたします。
 ことし1月に施行された三鷹市いじめ防止対策推進条例第8条、保護者の責務において、保護者は、子の教育について第一義的責任を有するものであり、その保護する児童等がいじめを行うことのないよう、当該児童に対し、規範意識を養うための指導その他の必要な指導を行うよう努めるとともに、と規定されております。私も、いじめを防止するためにも、家庭においてしっかりとした道徳教育を行っていくべきものと考えます。
 教育委員会では、条例施行を受けて、「いじめのない社会をつくる」という文書を学校を通じて全保護者に配布いたしました。その中で「いじめをしない子どもの心を育てるためにできること」という項目があり、保護者の書き込む欄が設けられています。保護者一人一人がいじめという問題と直接向き合い、心の教育のために何をすべきかを問うています。
 ここで質問ですが、本文書について保護者の反応は、また、その後のフォローをどのように行ったかをお伺いいたします。
 次に、現代における道徳教育の意義についてお伺いいたします。
 現代は、情報化社会、生命科学の発達、核兵器の問題、環境問題など、過去の時代には存在しなかった大きな問題があり、これらの問題については、道徳的観点から向き合っていくことも必要なことであると考えます。その意味でも、しっかりとした人としての道、道徳教育がより必要性を増してきていると考えます。これらの現代的課題に対処していくためには、いわば白熱教室型の道徳教育も必要であると考えます。
 市の教育委員会では、来年度に向けて8月の校長会において、道徳教育において、考え議論する道徳の授業への転換を基本的スタンスとして提示したとのことであります。道徳教育においては、先人のとうとい教えより学ぶという面と、新たな課題に道徳という観点から考え議論するという面があると考えます。
 ここで質問ですが、考え議論する道徳教育への転換について、基本的見解をお伺いいたします。
 次に、道徳教育と修身についてお伺いいたします。
 道徳教育の教科化に対して、修身の復活につながるのではないかという批判が一部にはありますが、私は、修身を全否定するのではなく、その意義についても再認識すべきであると考えます。貝塚茂樹教授は、その著「道徳の教科化」の中で、「修身科の全否定が道徳教育論を思考停止させている元凶である。肯定論も同様である。」、「これまでの二項対立の不毛な議論を反省し、歴史と向き合い、歴史から学ぶ姿勢を持つことで、今後の道徳教育のあるべき姿を真摯に考えることである。」と述べております。
 道徳の教科化に当たっては、修身の復活という批判にとらわれることなく、修身についても、現代の視点よりその反省すべき点、生かす点をしっかりと見きわめていくべきものと考えます。
 ここで質問ですが、修身と道徳との関係についても、修身の全否定ではなく、よき点は学ぶべきと考えますが、御見解をお伺いいたします。
 次に、道徳と宗教についてお伺いいたします。
 憲法第20条第3項において、国及びその機関は、道徳教育その他いかなる宗教的活動もしてはならないと規定されており、公立学校における宗教教育が禁止されていることから、公立学校における宗教にかかわる教育については、今までいわばタブー視されていた感がありました。確かに教育基本法第15条第2項においては、憲法を受けて、国及び地方公共団体が設置する学校は、特定の宗教のための宗教教育その他宗教的活動をしてはならないと規定されていますが、第1項においては、宗教に関する寛容の態度、宗教に関する一般的な教養及び宗教の社会生活における地位は、教育上尊重されなければならないと規定されています。また、学習指導要領においても、人間の力を超えたものに対する畏敬の念を深めると書かれております。この畏敬の念は、必ずしも宗教的なものに限られてはいないとは解釈されていますが、平成18年11月15日の衆議院教育基本法に関する特別委員会において、当時の伊吹文明文部科学大臣は、次のように発言しております。「自然に対する畏敬の念、我々は決して宇宙には及ばない、大きな山には及ばない、そういう気持ちを常に持ち続けているということがあらゆる宗教のやはり原点にあると思います。そういう意味で、宗教的涵養というのはぜひ必要なことだと私は思います。」と答弁しており、私も同様に考えるものであります。多くの有識者たちも、教育における宗教の重要性を唱えております。また、諸外国においても、多くの国々では宗教を教育に取り入れております。
 例えば山折哲雄氏は読売新聞紙上で「死とは何かを教えない教育ほど弱いものはない。宗教アレルギーから自由になって教育を見直す」と言っておられます。また梅原 猛氏も「梅原 猛の授業 仏教」──これは梅原氏が私立中学校において行った授業をまとめたものでありますが、これにおいて、「教育においては数学も大事です。英語も大事です。しかし、もっと大事なものがある。それが道徳や宗教です。」とも述べております。
 また、公益財団法人中央教育研究所では、押谷由夫昭和女子大教授──この方は文科省の中央教育審議会教育課程部会道徳教育専門部会主査を務めた方でございますが、この方がプロジェクト主幹となり、「学校における「宗教にかかわる教育」の研究、日本と世界の「宗教にかかわる教育」の現状」という論文を発表しており、世界各国の宗教にかかわる教育について報告しております。本研究の意図と狙いについて押谷教授は、「今日の国際社会で生きていく上には宗教の理解が不可欠です。」宗教と教育とに関しては、なかなか難しい問題を含んでいて、さまざまな議論のあるところだろうと私は考えますが、押谷氏は、道徳教育の中立という観点から、「「宗教にかかわる教育」の在り方を探ることによって、論争に深入りすることなく、具体的に考えられるのでないかという思いがあります。」と、そういう意味合いで本研究を発表いたしました。
 ここで質問です。教育基本法第15条の規定は学校教育においてどのように生かされているか、お伺いいたします。道徳教育において宗教をどのように扱うべきか、基本的見解をお伺いいたします。
 以上で壇上よりの質問を終わりますが、御答弁によりましては自席での再質問を留保させていただきます。


◯教育長(高部明夫君)  それでは、道徳教育についてお答えをいたします。
 まず、教科化の意義でございますけれども、道徳教育におきましては、子どもたちの自立の精神や相手への礼儀、思いやり、そして命のとうとさや社会の決まりなど、集団や社会とかかわるために徳目を身につけることが大切だというふうに捉えております。
 道徳の教科化につきましては、教科としての系統性、構造化を図る中で、このような道徳教育の狙いを明確にするとともに、さらに指導の充実が図れるものと考えているところでございます。その際には、道徳的価値を一方的に教えるということではなく、児童・生徒がみずから自覚し、主体的に判断し、適切に行動できる信条や態度を育てていくことが必要であるというふうに考えております。また、道徳教育のさらなる充実に向けましては、教員の指導力の向上や児童・生徒の道徳性の変容を的確に把握していく、評価する力を高めていくことは必要であるというふうに考えております。
 次に、教科化に向けての各校での取り組み、そして教科化に向けてのスケジュールにつきまして、まとめてお答えをいたします。
 学校では道徳教育の計画や推進を主に担当いたします道徳教育推進教師を中心に、道徳の授業の効果的な指導方法や特別の教科道徳に示されました新たな指導内容等について研修を進めているところでございます。道徳から特別の教科道徳への移行につきましては、御指摘のように小学校は平成30年度、中学校は31年度から全面実施されるということでございますけれども、学習指導要領が改訂されました平成27年度から先行実施も可能とされております。そして、東京都もですね、この先行実施に向けて、市教委、学校を支援していくということにしておりますので、三鷹市の小・中学校におきましては、来年度、平成28年度の教育課程の編成に当たりましても、可能な限り道徳の年間指導計画の改定に取り組むこととしておりまして、今後示されます東京都教育委員会の教材などを活用しながら、全面実施に向けた準備を順次進めていく予定でございます。
 次に、質問の5番目の考え議論する道徳教育でございます。
 特別の教科道徳では、児童・生徒が道徳的価値についての理解をもとに、物事を多面的、多角的に考え、自己の生き方について考えを深める指導が求められており、文部科学省は、考え議論する道徳への転換が必要であるとしております。答えが必ずしも1つではない道徳的な課題を、一人一人の児童・生徒が自分自身の問題として捉え、道徳的価値を理解するためには、従来の教員主導型の道徳の授業から、児童・生徒が主体的に考え議論する授業に転換することが重要であるというふうに考えております。今後は教員が道徳指導の視点や効果的な指導方法を身につけるために研修の充実を図るなど、三鷹市も東京都と協力しながら取り組みを進めてまいります。
 次に、修身と道徳との関係でございます。
 現在の道徳教育では、修身で扱っていた徳目の中で、正直さ、勤勉さ、正義感、公徳心など、地域や時代が異なっても普遍的でかつ極めて重要な共通の項目があるというふうに考えております。一方で、道徳教育に求める重点的な道徳的価値というのは時代により変わる部分もございますので、学ぶべきものは学び、継承し、変えるべきものは変え、今の子どもたちで求められる道徳的価値を児童・生徒が自覚し、生活の中に生かして実践していけるよう、主体的に判断し、適切に行動できる人間を育てるため、道徳教育の充実に努めてまいります。
 次に、教育基本法第15条の規定でございます。
 御指摘のように教育基本法の15条では、宗教に関する一般的な教養及び宗教の社会生活における地位は尊重されなければならないとございまして、その中で、国及び地方公共団体が設置する学校は、特定の宗教のための宗教教育、その他宗教的活動をしてはならないという規定がございます。そこで、宗教についてのですね、具体的な活動や教義に立ち入ることはございませんけれども、三鷹市立の小・中学校においては、社会科のですね、地理的な分野、あるいは歴史的な分野の学習を通して、さまざまな国の生活、文化、暮らしと宗教のかかわりについて学習をしているところでございます。
 次に、道徳教育における宗教の扱いでございますけれども、道徳教育におきましては、直接宗教を扱うことはございませんけれども、生命の大切さですとか、自然への崇高な気持ちを養う、あるいは人間の力を超えたものに対する畏敬の念を深めることを初めとしまして、一般教養として地理的、歴史的な分野の中でですね、特定の活動に結びつかないような、宗教とのかかわりのある地域の伝統文化ですとか、あるいは歴史的建造物等の文化を通じながら、多様な文化を尊重する態度、自国の伝統文化に誇りを持つとともに、多様な文化を尊重する態度を育んでいくということが大切であるというふうに捉えております。
 その他につきましては、担当よりお答えをいたします。


◯教育委員会事務局教育部長・調整担当部長(山口忠嗣君)  それでは、私からは教育長の答弁に補足をいたしまして、お尋ねの4番目、配布文書に対する保護者の反応、またそのフォローについてお答えをしたいと思います。
 いじめ問題につきましては、学校、保護者、地域が一体となり、未然防止及び解決に向けて取り組むことが大切だと考えております。そういった考えの中でこのリーフレットを作成をしたところでございます。保護者の皆様からは、親として、また保護者として、このリーフレット、児童・生徒に向けた記入欄がございますけれども、その内容について、みずから考え、何ができるかということで、改めていじめ問題を考えるよい機会となったという声をいただいているところでございます。
 本文書配布後につきましては、保護者会や便りを通しまして、その利用の仕方を提案する中でですね、それぞれの家庭での状況に応じた利用、活用を推進しているところでございます。
 以上でございます。


◯23番(吉野和之君)  御答弁ありがとうございました。それでは、再質問をさせていただきます。
 私、5項目にわたって質問をしたわけなんですが、やはり道徳教育を行うに当たってはですね、やはりその基本は指導する人にあると思います。
 私、骨子の中でも言ったんですけど、教科化に向けてですね、教職員の間で共通認識を持つことが必要である。これが私は最も重要なことであると思います。この共通認識というのはですね、先ほど私が、この道徳教育の教科化については、新聞社の社説でもさまざまです。教師の側でもですね、この教科化に向けてのその意義について、やはりいろいろ御意見のある方もあると思うんですよ。ですから、そこら辺はしっかりとですね、国が決めたからではなくて、教科化をすることの意義というものについて、しっかり、一人一人の教師と話し合っていくことが必要である。ぜひとも皆さんの御理解をいただくようなそういう努力をですね、各学校で行うような、こういう指導をね、教育委員会でもしていくべきではないかなと思います。まずこの意義について、しっかりとね、一人一人の教職員が自覚をするということ、まずこの点についてお伺いいたします。すなわちですね、やはりかつて教師の見方についてですね、聖なる職、聖職か、あるいは労働者か、こういう議論がされたことがあります。そしてまた、専門職の面もあるんですね。私は、教師というのは労働者でもあり、専門職でもあり、しかし、聖職でも私はあると思うんです。聖なる職、これは必ずしも宗教的意味合いだけじゃないです。しっかりとした倫理観を持つ。高い倫理性を持った人間である。これも非常に重要だと思います。
 ですから、こういう議論──先ほどもですね、修身の復活化や、修身についてのいろんな議論がありました。こういう対立的な議論じゃなくて、やはり教師における聖職的な面のね、ここもやはりしっかりとこの教科化に当たって、一人一人の先生と議論をしていく、そして理解をしていただく、このことが必要だと思います。
 実は教師という問題についてですね、先日、論語を読んでいましたら、「曾子のいわく、吾、日に三度吾が身を省みる。人の為に謀りて忠ならざるか、朋友と交わりて信ならざるか」、最後に「習わざるを伝うるか。」というね、これが非常に心に残ったんです。つまり、自分でまだ実践できるほど身についていないことを人に伝えているのではないかという、そこら辺をですね、省みる。まず自分が倫理的にですね、しっかりしていく。そしてこの道徳の教科の意義というものをですね、しっかりと捉えて、そして教科化に向けて前進していっていただきたい。これについての御見解をお伺いいたします。


◯教育長(高部明夫君)  教師の一人一人の自覚ということで御質問ございましたけれども、まず教える側の問題でございますけれども、当然、道徳の中身に入る以前の問題としてですね、教育基本法の9条にも、教職というのは単なる1つの職業ではなくて、崇高な使命を有すると、そういうことについて、その職務をですね、自覚と責任を持って遂行していくんだという、そういう規定があるわけでございます。それは教師の教員活動全てに共通していることでございますので、今回改めてですね、そこのところを徹底していけるようにしていきたいというふうに思います。
 それから、なお、道徳教育に当たっての共通認識ということでございますけれども、これは東京都のほうでもですね、この教師、これからは専門の一部の教師ではなくて、これは全ての担任の教師が担当するということ──担任教諭とかですね、中学生でも担任している教員が道徳を教えるんだということになって、広範な教員の育成をしていかなければいけないということで、これも計画的にですね、先ほど言いましたように、道徳教育推進教諭養成講座を行いまして、どういう内容を、いかに教え、どういう評価をしていくのか、そういうことの指導方法についても、そういう教員が、今度は学校に帰ってOJTをしてですね、モデルになって道徳授業を展開していくということで、そういうやり方を通じながらですね、全ての教員に道徳教育のあり方について共通認識を持つようにしていきたいというふうに考えております。
 以上です。


◯議長(後藤貴光君)  以上で吉野和之君の質問を終わります。
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◯議長(後藤貴光君)  この際、議事の都合によりしばらく休憩します。
                  午前11時50分 休憩



                  午後0時59分 再開
◯議長(後藤貴光君)  休憩前に引き続き、会議を再開します。
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◯議長(後藤貴光君)  市政に関する一般質問を続けます。
 次の通告者、24番 石井良司君、登壇願います。
                〔24番 石井良司君 登壇〕


◯24番(石井良司君)  それでは、通告に従いまして一般質問をいたします。
 今回は、超高齢化問題についてであります。御答弁よろしくお願いいたします。
 世界保健機構や国連の定義による高齢化率が平成19年に21.5%となり、日本は世界の超高齢社会の最前線に位置しております。平成25年9月の総務省の現在統計では、高齢者人口は3,186万人で、総人口に占める割合は約25%となり、人口、割合ともに過去最高となりました。平成37年には、高齢者人口が約3,600万人、高齢化率は約30%に達するとしております。これまでの高齢化の問題は、高齢化の進展の速さの問題でありましたが、平成27年以降は高齢化率の高さが問題となります。看護師や医師などの医療業界の人材不足、社会保障費や介護負担の増大、生産年齢人口の減少など、どれも国に深刻なダメージをもたらすものになります。
 また、高齢社会が進むということは少子化が進むということでもあり、高齢化と少子化という2つのベクトルは表裏一体の関係にあります。そのため高齢化対策と少子化対策を同時に取り組むことは急務となっており、国だけでなく、各自治体や企業、団体など率先して対策を行っているのが現状です。
 平成24年の総務省の就業構造基本調査によれば、平成19年10月から平成24年9月までの5年間に、介護、看護の理由で離職した人は48万7,000人に上り、介護が家庭に大きな負担がかかっていることをあらわしております。急速に進む高齢化と家族や地域コミュニティでの対応の限界を踏まえ、公的に支える仕組みとして平成12年に介護保険制度が導入されましたが、数年後に財政上の課題を抱えることになりました。平成18年には地域包括ケアシステムが導入されました。平成26年には医療・介護総合推進法が成立し、介護サービスの利用料を一定以上の所得者は2割とし、軽度者向けの介護予防サービスの一部を保険制度から切り離し、市町村の単独事業へ移すことが定められました。現状はある程度社会保障制度が機能している状況ですが、これは財源を借金に頼っているからであって、社会保障費の増大と比例するように国の借金である国債の発行額も増大しております。
 日本は、租税や社会保険料負担の引き上げに対する合意が得られにくく、必要なケアを担う担い手確保が難しい。今までの延長線での対応ではこれを乗り切ることはできません。
 (1) 、超高齢化問題の影響についてであります。
 さて、三鷹市の高齢化率は、平成27年4月現在、21.1%となりまして、平成37年のそれは22.5%としております。今後も高齢化率は上昇傾向にあります。平成22年の三鷹市の全世帯の29.9%が65歳以上の高齢者もいる世帯、高齢者のみの世帯7.8%、高齢者単独世帯8.5%ということであります。高齢者世帯や単身高齢者の増加等により緊急時対応のおくれ、孤独死等といった事態が発生しています。こうした課題への社会的な地域の対応が急務です。平成25年の厚生労働省国民生活基礎調査によれば、同居の家族等が主介護者である割合は、全体の61.9%と高い。また、老老介護の割合は5割を超えております。平成25年度三鷹市の一般高齢者調査では、調査人数に対して60歳以上の主介護者は約7割を占めております。
 ここで質問であります。質問1、超高齢社会の影響について、三鷹市の現状分析と社会保障関連及び税収構造等をどのように考えていくのか、御所見をお聞きしておきたいと思います。
 (2) 、超高齢化問題とコミュニティについてであります。
 内閣府の国民生活基礎調査によれば、隣近所で行き来があるとする回答が4割、行き来がないとする回答は5割程度となっております。地域コミュニティを通し、家族や地域、企業で担っていた見守り、支え合い、ケア、さらには地域で担ってきた道路の維持管理など、地域の維持機能が地域コミュニティで補うことが難しい状況となっております。高齢者の増加に伴い、町会・自治会は減少し、人材不足もあります。また、サラリーマンの増加による職住分離もこの状況に拍車をかけております。
 三鷹市では地域ケアネットワークのような新たな共助の支え合いの仕組みづくりが進み、見守りネットワーク事業なども行われております。平成16年10月に最初のケアネット・井の頭が設立されました。10年が過ぎ、平成27年2月14日に最後の地域ケアネットワーク・大沢が設立され、市長の基調講演もありました。これで7つのコミュニティ住区に住民協議会や町会、商工会また商店会、ほのぼのネット、ボランティア、地域包括支援センター等で構成されている7つの地域のケアネットワークが活動することになりました。
 ここで質問であります。地域ケアネットワークの活動が地域により理解されるための取り組みについて、どのように考えているのか、御所見をお聞きしておきたいと思います。
 高齢者や障がい者などの孤立死を防ぐため、民生・児童委員、地域包括支援センター、町会・自治会、地域ケアネットワーク、ボランティア団体などに加えて、企業などの見守り協力、31団体との多職種の連携・協力による見守りネットワーク事業が行われております。一方、見守りの担い手となる人材の育成や個人情報の適切な共有等が必要です。高齢化の進展に伴いさまざまな問題が起こります。
 質問であります。今後の各協力団体との連携・協力や見守りの仕組みづくりについて、どのようにお考えになっているか、御所見をお聞きしておきたいと思います。
 以上で壇上からの質問は終わりますが、御答弁によりましては自席からの再質問を留保いたします。
 よろしくお願いします。
                〔市長 清原慶子さん 登壇〕


◯市長(清原慶子さん)  超高齢化に伴う問題について御質問をいただきました。順次お答えいたします。
 1点目、超高齢社会が市政にもたらす影響についてでございます。
 現在は高齢者人口がふえているだけではなくて、平均寿命が男女ともに大変長いという長寿社会でもあります。したがいまして、この長寿の皆様がふえていく社会、そして、御指摘のように少子化も伴う社会がどのように市政に影響を与えていくかということについては、現時点の課題だけではなくて、将来をさらに見据えた視点が必要と考えております。
 平成26年度には計量経済モデルによる三鷹市経済の長期予測を行いました。それによりますと、三鷹市の65歳以上の人口割合は引き続き上昇しまして、2025年には22.8%となると予測されています。65歳以上の高齢者人口と高齢者に係る福祉の費用というのは強い相関関係にあります。介護保険や後期高齢者医療に係る経費の増加傾向が続くものと認識しています。
 次に、税収構造についての影響を考えてみたいと思います。
 第4次三鷹市基本計画の第1次改定に当たりまして、まちづくり総合研究所に設置いたしました持続可能な都市経営と基本計画改定等の将来課題に関する研究会の中で、この点について調査研究を行いました。
 この報告書では、経済の低成長が続くいわゆる悲観ケースでは、平成27年以降、個人市民税の税収が減少し、平成42年には──15年後ですが、扶助費が個人市民税を上回ると推計しています。その一方で経済が今後も微増ながら成長するいわゆる楽観ケースでは、平成27年以降も税収は増加し、扶助費の増加に対しても個人市民税が下回ることはないと推計しているわけでございます。
 個人市民税における65歳以上の高齢者の割合は増加傾向にありまして、稼働収入から年金収入への移行などから、もちろんその所得額は減少傾向にあります。その一方で、いわゆる団塊ジュニアの稼働世代が堅調な所得状況に支えられていると推定されておりまして、全体では納税義務者1人当たりの所得額は増加傾向にあります。そうしたことから、当面ですね、税収構造へ大きな影響はないものと認識していますけれども、言うまでもなく景気の動向等にもちろん影響を受けるわけでございますから、その点については、慎重に丁寧に見きわめていく必要があると考えております。
 質問の大きな2点目、超高齢化問題とコミュニティについて。
 地域ケアの活動が地域にさらに理解されるための取り組みについてお答えいたします。
 三鷹市も他の地域同様、核家族化が定着しておりますし、世帯構成の人数が減少傾向にあることは全国と同様です。そこで地域ケアネットワークというのは、今は最重点プロジェクトであるコミュニティ創生の1つの柱として位置づけておりますが、当初は──私が市長になりました直後は、長寿の皆様を支える仕組みの1つとして構想したところがあります。長寿の皆様だけではなくて、もちろん障がいのある方、また、子育て中の方まで、結局は地域の支え合いが必要であるということから、その後、コミュニティ創生の重要な協働の取り組みとして位置づけてまいりました。
 当初は長寿社会を考えていたわけで、質問議員さんが言われる超高齢化が進むということを想定しておりましたので、一番高齢者の比率が高い地域である井の頭の住民協議会の皆様と御相談しながら、最初に出発したという経過があります。おかげさまでことしの2月には、市内7カ所目となる地域ケアネットワーク・大沢が設立されました。大沢の皆さんは、41年前に初めて住民協議会を創設した地域でありますから、地域ケアネットワークに関心がなかったわけではありません。むしろ健康づくりや福祉の取り組みを通して住民協議会の活動の中にいわゆる地域ケアネットワークの活動が含まれていたというふうに考えられます。しかし、改めて地域ケアネットワークとして7つのコミュニティ住区に7つの活動が展開されているということは、まさに質問議員さんが御指摘の超高齢化問題について地域の皆様が考え、そして、どのようにしたら支え合うことができるのかということを一貫してともに考えて進めてきてくださっているということは、三鷹市の、何でしょうかね、誇りというか、まさにありがたいことだと思っています。
 これらの活動は、住民協議会を初めとする地域の団体、事業者や関係機関など50人から100人規模の構成メンバーが、丁寧な検討と協議によりまして地域課題を抽出して、その課題解決に向けたそれぞれ特色ある事業を進めてくださっています。具体的な事業としては、居場所づくりや身近な相談を行える場所づくり、また、講座の開催や、言うまでもなく、質問議員さんも評価されている多世代の交流事業、また、見守りや声かけなどを進めてくださっています。これらが構成メンバーの主体的な参加により運営されているということはありがたいことです。特にですね、私は、社会福祉協議会が全国に先駆けて始めてくださっていたほのぼのネットの取り組みがあったこと、これは7つのコミュニティ住区よりもはるかに多い20カ所以上でですね、班を組んでやってくださってきていたという前身の取り組みがあるということは、かけがえのないことだと思っています。
 先ごろですね、市長、津端副市長、健康福祉部の両部長を初め、三鷹市と、それから地域ケアネットワークの代表者の皆様と意見交換をいたしました。そのときにも、改めて地域ケアネットワークは、地域の持つ福祉力を生かした取り組みであると、それぞれがみずからの役割を確認してくださっていました。
 ただですね、超高齢社会を迎えていることから、質問議員さんも御心配なさっていると思います。人材をですね、どう確保し続けるか、そして、私の考えでは、地域ケアネットワークの代表者の方も、後期高齢者というか、75歳以上の方もいらっしゃいまして、元気高齢者が支援を必要な人を支える、あるいは子どもたちを支えるというような仕組みについても、真っすぐに取り組んでいただいているということがあります。さらにですね、PTA、あるいはコミュニティ・スクールを通じて保護者や父親の会などにも声がけをしながら、改めて子育て世帯の参画というのを工夫したいと言ってくださっていることも心強かったです。さらにですね、印象的なのは、例えばにしみたかのケアネットワークでは、ルーテル学院大学の教員の皆さんが、絶えず専門的な視点からサポートされているんですが、それに加えて他のケアネットワークの皆さんも、杏林大学が井の頭キャンパスとして統合されるチャンス、あるいは国際基督教大学や福祉の専門学校もあることから、そうした大学や教育機関と連携をして、大学生の参加でこの地域ケアネットワークの世代の厚みというのをつくっていきたい、こういうふうに指摘されていました。これは、超高齢社会の中で高齢者の皆様がふえていくことになりますが、その世代だけがまとまるのではなくて、まさに若い世代と一緒になって多世代交流型の支援の共助の仕組みを充実していくことが期待されているというふうに認識したところです。
 大きな3点目、見守りネットワーク事業協力団体との連携協力や今後の仕組みづくりについてお答えいたします。
 独居高齢者や高齢者のみの世帯の増加から、高齢者や障がい者などの孤立死を防止することは、ますます重要な課題となっています。地域ケアネットワークの仕組みは、医師会、歯科医師会、薬剤師会といった専門の皆さん、地域包括ケアセンターや社会福祉協議会、ほのぼのネットの皆さん、そうした医療や福祉に関係する皆様に加えて、町会や自治会や、また商店会の皆さん等にも輪を広げるという取り組みで共助の仕組みづくりをしていただいてきました。しかし、さらにですね、私たち三鷹市として支援の担い手になっていただきたいと考えたのが、事業者でございました。都営住宅を管理する住宅供給公社やUR都市機構の皆さんとは、住んでいる皆様の命を守るという共通点があります。さらにですね、郵便を配達される方や新聞を配達される方、そして宅配事業者でありますとか、お米やお酒などを配達される方、さらには信用金庫や農協さんのように金融関係で各戸を訪問される方、そうした方が高齢者等の御自宅の異変に気づいて通報していただければ、さらに命をお救いできるのではないかということで、平成24年にこの取り組みのスタートを切ったわけです。
 おかげさまでこの間、命を救わせていただいたこともありますし、ドアを警察、消防と一緒に破らせていただいたら、親戚の方の御心配とは裏腹に、たまたま旅行にお出かけになっていて、ドアを破損しただけで大変申しわけなかったこともありますが、残念ながら御遺体を発見したこともあります。しかし、一番大切なのは、地域の皆様が、ちょっとした異変、例えば雨戸が閉めっ放しであるとか、郵便物がたまっているときに、全くちゅうちょせず三鷹市役所に御連絡をいただけるようになったことです。これは、本来は声をかけていただいてもいいのですが、お声が戻ってこないときに、ドアをあけるということはなかなか勇気の要ることで、これはやはり三鷹市が関係することで警察、消防と連携してドアをあけて、倒れて急病で苦しんでいる方をお救いできたということになります。
 したがいまして、今後の充実の方向性としては、第1に、見守りネットワーク事業連絡協議会等において、見守りネットワークに参加してくださっている事業者や団体の皆様の一層の連携強化をすること、2番目に、市民の皆様への事業周知による見守りの輪の拡大、3番目に、民生・児童委員の皆様や地域包括支援センターなど関係機関による見守りの充実、そして4番目に、市の職員が警察、消防と連携して緊急時に適切に対応するということを強化していくことです。
 どのような状況が緊急事態に当たるのか、その見きわめと確実な対応の迅速化など、これまでの事例の蓄積をもとに事例検討、いわゆるケーススタディも行っています。何よりもですね、市内は防犯の安全安心パトロールを初め、事業者の皆様が公益的な視点から地域の見守りをしてくださっています。超高齢社会の中においては、また、高齢者のひとり暮らし、二人暮らしが多い三鷹市においては、幅の広い多元的な見守りが必要です。したがいまして、見守りネットワークや地域ケアネットワークはそのきっかけをつくらせていただいて、この間事例を蓄積していますが、質問議員さんが言われましたように、さらにですね、網の目を細かくする必要がありますので、一層PRに努めたいと思っています。
 なお、地域ケアネットワーク10周年を記念して、来年1月にはシンポジウムを開催する予定ですし、実は次号の「広報みたか」でも、市長コラムで見守りネットワークについて御紹介をさせていただきたいということで、原稿をまとめたところです。いろいろなメディアで、また新聞やテレビ局などにも御協力をいただいて、見守りの輪の広がりと網の目の細かさを推進していきたいと思います。
 答弁は以上です。


◯24番(石井良司君)  1番目については、超高齢社会の影響についてですね、これについては、やはり社会とか経済環境、いろいろありますので、予測の議論をしてもしようがない、余り意味がないかと思いますので、これについては一定の理解しましたので、次の問題に行きたいと思っております。
 コミュニティの問題なんですけども、地域ケアネットワーク、それと見守りネットワークなんですけどね。私、思うんですけど、ちょっと矛盾した言い方になるかもしれませんけども、地域ケアネットとか見守りネットワークがあります。そして各種団体が入ります。ただし、町会でも自治会でも人手不足なんですね。そういう中にあって、地域で多くの組織をつくることはいいんですね。だけども、そこには重複して入る方もいらっしゃる。無理して入る方もいらっしゃる。言いかえれば重荷になって入っている方も私はいらっしゃるのかなと思うんですね。だから、そういうことについて、個人に対する負担、地域に対する負担というものをどのように考えているのかなというところをちょっと聞いておきたいなと思いますので、お願いいたします。
 それとあと見守りネットワークなんですけどもね、見守りネットワークの場合は、何かしらをきっかけに起こる兆し、そして生活の様子を見られない気づき、そういう、最近見かけないな、ごみ出しがないな、これはやっぱり気づきだと思うんですよね。そして、もっとその前の段階で、ひとり暮らしになった、ひきこもりになった、病気がちになったなどなどというのは、これは兆しだと思うんですけど、そういうものっていうのは、地域の協力者の範囲とか限界があるんですよね。それと、特に気づきの場合には、発見者の精度の高さというか、気配りというか、そういうものがないと、なかなか気づきまでには結びつけられないのではないかなと思うんですね。確かに事業者ならば、郵便物がたまっている、新聞がたまっている、または電気を使ってないということでわかるんですけども、やはりそういう地域の方とか個人に対しては、大変にそういう点の見きわめというのは難しいと思うんですけども、確かに今、市長が、それは、見守りのネットワークの連絡協議会をつくる、どうのこうのというお話をされましたけども、その辺についての精度を高める方法、地域で──やはり地域ですから、基本は。その精度を地域で高める方法というのはどういうふうに考えているのかなということをお聞きしておきたいと思っております。
 それとですね、地域包括ケア会議というのがありますよね。これは、地域の包括ケアシステムの実現に向けた手法だということで、主に個人の課題解決機能とか、地域包括支援ネットワーク構築機能とか、地域の課題発見機能、これは大切だと思うんですけどね。それとか、または地域づくり、資源開発機能ですね、それとか政策形成機能、この5つの機能を有するんだとしております。それで、多職種の連携とか多団体の連携ということをやるときに、いかにこれ、ルールづくりをしていくかというのが大切だと思うんですよね。東大と柏市でやっている──私、発音悪いんですけど、市長には負けちゃうんですけどね、ジェロントロジーというんですか、そういう方法で今やっているけど、これは、医学とか心理学と社会学と経済学などなどのあらゆる学問を使ってやっていく。言うなれば私は、この三鷹でやっている地域包括ケア会議というのは、実際に動いている方も入っているから、私はその上を行っているような組織かなという、大変自負もしているところなんですけども、その点について、今言ったルールづくりとか、その進みぐあいはどうなっているのか、お聞きをしておきたいと思っております。


◯市長(清原慶子さん)  今の3つの再質問に通底するところを私が答えまして、あと各論は担当の部長から答弁をしてもらいます。
 最後に、千葉県柏市が東京大学と連携をしながら進めている取り組み、ジェロントロジーというか、無理やり訳せば老年学みたいなことなんですが、それは、何よりも目標としては健康寿命を延ばし、健康長寿を実現していくということのために、多元的なつながりを、学問とか、あるいは企業とか、連携しながら、情報通信技術も活用しながら進めているところがあると思います。
 今、質問議員さんが言われた現場、現実で実際にかかわっている多職種の連携を進めていくという意味では、三鷹市が少し先を行っているんじゃないかというふうにおっしゃっていただき、ありがたく思います。ついこの間、柏市長さんと直接お目にかかって意見交換をする機会があったのですが、お互いにそれぞれですね、望ましいまちづくりを刺激し合いながら進めていきましょうと話したところですが、今、御指摘の現場の多職種がいかに連携していくかというルールづくり、これは、例えば三鷹市の強みは、医師会の皆様がですね、医師の専門職でありながら、多職種とつながっていこうと。そして、何よりも対象となる高齢者の健康寿命を中心に支援していくために、どうつながれるかということをざっくばらんに話し合いの場で進めてきてくださっていることです。
 医師会の皆さんがそうであれば、ほかの職種というのは、そんなにですね、何ていうんでしょうか、迷わず連携をすることができていくかと思います。そうした三鷹の強みを超高齢社会の中で進めていきたいと思いますが、再質問の1、2、3について担当より補足の答弁をいたさせますので、よろしくお願いします。


◯健康福祉部長(伊藤幸寛君)  私から市長の答弁に補足をさせていただきまして、3点目は市長の答弁でと思いますけれども、1点目と2点目なんですが、まず個人の負担という点なんですけれども、私も直接ですね、例えば有償ボランティアを導入してはどうかなどの提案もお聞きしているところです。しかしながら、有償ボランティアとかいう前にですね、まず新たな担い手の確保、市長の答弁にもありましたけれども、大きく2つの方向性があるのかなと考えています。
 1つは元気高齢者の参加なんですけれども、超高齢社会を前提とすれば、互助といいますか、あるときは支えられ、あるときは支える。そうした社会の中でですね、例えば地域ケアネットワークで活動されている方の中にも、地域ケアネットワークの活動が私の生きがいといいますか、やる気といいますか、ふだんの生活の質を高めることになっている、そのようなありがたいお言葉もいただいております。
 また、元気高齢者の参加、これ、最大の介護予防にもなりますので、これからさらにそうした元気高齢者の参加を進めていきたい。もう一つは、市長の答弁にもありました、若手の参加です。杏林大学のお話もありましたけれども、4,000人、自治基本条例でいう三鷹市民になるわけですから、そうした中で若手の参加によって、高齢者とか活動している方の活性化、非常に元気が出てくる。こうした事例も何度も見ておりますので、そうした中でその2点から主に進めていきたいと考えているところです。
 それから、見守りネットワークの精度を高めるという御質問なんですけど、これ、1つ好事例がありまして、これは10月30日に第3回の見守りネットワーク事業者連絡協議会があったんですが、その中で、通報までには至らなかったんだけれども、訪問に当たって、ちょっと部屋が暑過ぎるな、エアコンちゃんと使っていただいているのかな、あるいはちょっと外を、徘回とまではいかないんですけど、あれ、どうしたのかな、気づいた事例があった。これを、事業者の方がみずから必要な機関に連絡をしたりして、解決につなげた──解決といいますか、そうした改善につなげたという事例がありました。
 また、市におきましても、例えば夏の暑い時期ですと、熱中症の危険も高まります。そうしたときには、ふだんより気づきを早くといいますか、なるべく早目に連絡をいただきたい。通常3日ぐらいで新聞がたまっていると連絡ということになるんですけれども、2日でも、ちょっと気づきがあればすぐに連絡をしてほしいという文書も発出しまして、そうした中でより一層気づきをですね、認識を高めていただくこともしているところです。今後もこうした取り組みを通して、さらに事例検討を重ねて、早目の気づきにつなげるように、またはどういった場合に緊急対応でしていくのか、そうしたことを進めていきたいと考えております。
 以上です。


◯24番(石井良司君)  地域包括ケア会議というのは非常に大切だと思うんです。ですから、しっかりとして、やはりいろんな方が入ってきて、いろんな議論をされる場だと思うんですね。だから、そういう中でやはりルールはしっかりつくっておきませんと、やはり地域に合った──地域に合ったというのは、それぞれの7つの地域に合ったというか、それぞれの地域に合ったという、そういうようなものができにくくなってしまいますので、しっかりとしたルールづくりというものはしていただきたいと思いますので、その点よろしくお願いしたいと思っております。
 あと精度なんですけども、はっきり言って、そういう、私は、今、部長が言われたように、非常に難しい問題だと思うんですよ。やはりある程度の役割分担みたいなことをしていただかないと、余りそれを気づきに入らないケースが私は非常に多いと思うんですよ。ですから、そういう部分でも、やはりしっかりと、どういう会議でやるのか、ここでは当然のことながら、先ほども出た見守りのネットワーク、また連絡協議会等で行われるんでしょうけども、兆しについては、ある程度の意識があればわかると思うんですけど、気づきについては非常に難しいと思います。ですから、その点はしっかりと何らかの対応をしませんと私は難しいと思いますので、その点はもう少し掘り下げてですね、検討なり考えていただきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
 あと、地域の組織の個人、または地域の問題なんですけども、私の理解と少し違います。地域の方は非常に苦労して、いろいろな会議に出ております。それで、その中の方にはいろいろな三鷹市の、そういう関連の会議に入ってやっている方は非常に多いです。部長も御存じのように。ですから、いい部分だけをとるんじゃなくて、全体を見て私はもらいたいと思います。実際に私は何人かの方に話を聞いておりますけど、これは、私は牟礼だから牟礼地区とは言いません。いろんな地域の方から話を聞いていますけど、実際は私はそうではないと思いますよ。非常に皆さん、苦労して、頑張って、確かに口に出さないでやっている方も非常に多いです。ですが、そういう方が非常に多いということを理解していただいた上で、しっかりとその点は調査なり、何らかの補佐をしていただきたい。
 それで、また職員の方も確かに忙しいのはわかるけども、できるだけやはり三鷹のコミュニティというものは、協働というものは、やはり一緒にやることでありますからね、もう少し現場に出てやっていくことも必要だと思いますので、その点も考えていただきたいと思います。
 あと、まだちょっと時間がありますので、質問をちょっとしたいと思うんですけども、昨日も答弁の中で市長からありましたけども、三鷹市の東部地区なんですけども、非常にマンション、建て売り住宅が盛んに建っておりますし、また居住者の方はサラリーマン家庭が多いようであります、私の聞いた範囲では。そうしますと、やっぱり職住の分離も進む一方であったり、または単身の高齢者の方もほかの部分ではふえてくるわけですから、地域のコミュニティの機能の衰退とか、さまざまな暮らしの支援を今後は行政がしていくようになると思うんですけども、やはりいろいろな調査に関しては行政がやるけども、いろいろなこういうケアネットワークとか、見守りネットワークとかいう事業を各地域につくって、そういう方々にお願いしてやっていくようなことも、いろいろあると思います。だけども、やはり最終的には、私は、これ、行政で何らかの方策を持ってやっていかなければできない事業が多くあるのかなと思うんですね。
 そういう中で、東部地区の、何ていうかな、分析とか対応っていうのはどうされているのかなという思いがしますので、その点お聞きしておきたいと思います。
 以上です。


◯市長(清原慶子さん)  御指摘のとおり、東部地域においては相対的にマンションの建設が多く、また新しく転居して来られている皆さんがふえています。団地の再生等もありましたし、民間の開発等もあります。その中で長寿化ということにつきましては、井の頭、牟礼、新川・中原地区というのは、一定程度顕著にですね、その傾向が見られてきたということから、一方で私たちが地域ケアネットワークであれ、見守りネットワークであれを進めてきたのに加えて、新たな介護保険制度の改革にも見られますように、自治体の責務というのもふえてきているのは事実です。ただ、自治体が直営でですね、長寿の皆様に何らかの働きかけをするというよりは、コーディネートをさせていただきながら、民間の小規模であれ、地に足のついたですね、身近な介護事業者であったり、あるいは支援のNPOであったりの御活躍をいただいていくということが現実的ではないかと思っています。
 また、先ほど来、超高齢社会の問題というのは、少子化の問題と関係ありますよというふうに指摘がありました。私、少子化という面でいえば、東部地区は多くまた転入者があり、ファミリー層がありますので、小学校でも児童数がふえていくなどのですね、子ども数もふえていくという傾向が指摘されます。そういう意味で超高齢社会の中での御質問ではありましたけれども、人口増加傾向が相対的に見られる地域においてはですね、超高齢の皆様を支える若い人材の発掘と、それから、先ほどの御質問に関連しますが、やりがいを持って、負担感や疲弊がですね、全て解消されるわけではないと思いますけれども、できる限り達成感を持って地域ケアネットワーク等の活動に加わっていただく方をふやしながら、多世代交流の場所に東部地区が先駆けてなっていただければ、井の頭住民協議会の取り組みなどの成果も還元されるのではないかなと考えています。


◯24番(石井良司君)  今の東部地区の問題ですね、お金とかそういうような支援じゃなくて、全体的な人の支援とか、役所でしっかり考えて支援をお願いしますということですので、その点は誤解しないでいただきたいと思います。
 それと、やはり地域全体でネットワーク化して、トータル的なケアシステムとなる。課題も多いので、今後頑張っていただきたいと思います。よろしくお願いします。
 以上です。


◯議長(後藤貴光君)  以上で石井良司君の質問を終わります。
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◯議長(後藤貴光君)  次の通告者、3番 大倉あき子さん、登壇願います。
               〔3番 大倉あき子さん 登壇〕


◯3番(大倉あき子さん)  議長より指名をいただきましたので、通告に従い市政に関する一般質問をさせていただきます。
 市民の健康を守るためにという観点から4点にわたって質問をさせていただきます。
 まず、受動喫煙防止対策について。
 喫煙による煙には、4,000種類以上の化学物質が含まれ、有害物質約250種類の中には、少なくとも約60種類以上に発がん性物質があると言われています。たばこの煙はPM2.5であり、大気汚染が国境を越えて発生源から遠く離れた地域まで運ばれてくることよりも、たばこの煙による屋内空気感染のほうがはるかに深刻であると言われています。これらにより、さまざまな健康障がいの原因になっていることが国内外の多くの研究から示されています。
 また、喫煙による煙に含まれるさまざまな有害物質は、喫煙者が直接吸い込む主流煙よりも、吸っていないときに立ち上る副流煙により多く含まれていると言われております。厚生労働省研究班によると、受動喫煙を原因とする肺がんや心筋梗塞の死亡者数は、年間約6,800人に上ると言われています。ましてや発達の途中にある子どもは、中耳炎、気管支炎、肺機能の低下などが起こり、深刻な影響を受ける可能性があります。国立がん研究センターが都民に行った調査では、東京オリンピック前の罰則つきたばこ規制を求める声は、都民の半数を超えていると言われております。
 ことし6月の厚生労働省主催のがんサミットで、厚労相が、年内をめどにがん対策加速化プランを策定し、がん死亡者数の減少に向けた取り組みを強化する方針を表明しました。こうした状況を受けて予防の充実を掲げ、2020年東京オリンピック・パラリンピックに向けた受動喫煙防止対策の導入を提唱しています。また、オリンピックを開催する都市で受動喫煙を防止する条例や法を整備するのは世界的な潮流となっています。また、WHOのガイドラインに沿って既に世界の多くの国や地域が、職場や公共の場での喫煙を法律や条例で禁止しています。本市において受動喫煙のことは、これまでも本会議や委員会等で多くの先輩議員の皆さんが質問をし、議論されてきました。たばこ税の税収の関係等難しい問題があると思いますが、2020年のオリンピック・パラリンピックや2019年ラグビーワールドカップの開催会場に味の素スタジアムが決定していることを考えても、本市において受動喫煙防止対策の強化・推進がさらに必要と考えて、質問をいたします。
 問い1、オリンピック開催地の喫煙規制がないのは東京だけです。2020年東京オリンピック・パラリンピック、2019年のラグビーワールドカップの開催に向けた受動喫煙防止対策について、本市ではどのように受けとめ、考えておりますでしょうか。
 質問2、本市における分煙の明確な基準についてお伺いいたします。
 質問3、2012年厚生労働省から出された局長通知には、今後の受動喫煙防止対策の基本的な方向性として、多数の者が利用する公共的な空間については、原則として全面禁煙であるべきである。一方で、全面禁煙が極めて困難な場合においては、当面、施設の対応や利用者のニーズに応じた適切な受動喫煙防止対策を進めることとすると示されています。本市において、公共施設において受動喫煙を防止するための取り組みをお伺いいたします。
 質問4、駅前デッキの喫煙所について、本市は、平成21年11月24日付で日本たばこ産業株式会社と三鷹駅南口に設置する喫煙設備の取り扱いに関する覚書を締結し、譲渡された設備を5年間継続して使用するに供することと伺っておりますが、既に5年間が経過しています。武蔵野市は、広場などの公共空間での喫煙は、市民など多くの方々から、受動喫煙により不快な思いをされるとのことで、マナーポイントの廃止を希望する意見が多く寄せられたため、平成26年4月には吉祥寺駅、三鷹駅北口、武蔵境駅の喫煙所を廃止し、完全禁煙エリアとなりました。三鷹駅南口のペデストリアンデッキの上は、強度の関係から分煙設備困難と伺っておりますが、本市においても、この機会に禁煙エリアにするということも、市民の健康を守る上で必要と考えますが、どのようにお考えでしょうか。御所見をお伺いいたします。
 質問5、厚生労働省では、屋外で子どもの利用が想定される公共空間では、受動喫煙防止の配慮が必要としています。渋谷区では2014年に全ての区立公園を順次禁煙または分煙化しています。新宿区では、面積が2,000平方メートル以下の公園は禁煙にしています。他の自治体でも公園を禁煙化する動きがあります。三鷹市内の公園には、灰皿は撤去されておりますが、吸い殻が落ちていることがあります。公園は園庭のない保育園などの遊び場でもあり、園児が誤飲する可能性も考えられます。子どもが受動喫煙の害にさらされないためにも、児童公園、児童遊園は全面禁煙にして、注意看板または禁煙マークをつけることが必要と考えますが、本市の考えをお伺いいたします。
 質問6、受動喫煙を防ぐには副流煙の害を正しく知ることが大切だと考えます。市民に対して喫煙と受動喫煙の健康影響についての周知と普及啓発はどのような取り組みがされておりますでしょうか。また、そのことにより市民にどのような理解と促進が図られていると考えるか、お伺いいたします。
 質問7、喫煙、受動喫煙が妊婦に与える影響として、流産、早産のリスクが高まる低体重児の割合が増加、先天性異常のリスクが高まると言われております。また、乳児に与える影響には、ぜんそく性疾患、中耳炎、肺機能の低下などの呼吸器疾患、齲歯、歯肉の色素沈着の原因、キレやすい、集中力がないなどの精神疾患、注意欠陥多動症、鬱病、乳幼児突然死症候群があるとされています。また、受動喫煙による学力の低下が報告されています。妊婦に対して、喫煙、受動喫煙による赤ちゃんへの健康被害の周知・指導が大切と考えますが、本市ではどのような取り組みがされているか、お伺いいたします。
 質問8、日本の飲食店等のサービス産業の受動喫煙は深刻であると言われています。東アジア7カ国、日本、中国、韓国、インド、スリランカ、マレーシア、パキスタンで飲食店等のサービス産業の受動喫煙の状況をPM2.5の濃度で比較した研究では、日本の状況が最も悪いことがわかりました。飲食店で働く人の健康を考えると、禁煙が望ましいと考えますが、屋内施設や飲食店などが禁煙なのか、分煙なのか、または喫煙可なのか、マークを表示するなどして周知していくことも受動喫煙防止対策には有効と考えます。今後、屋内施設や飲食店などにどのような指導・啓発が必要と考えるか、御所見をお伺いいたします。
 続きまして、乳がん、子宮がん検診事業についてお伺いいたします。
 乳がんは検診により早期発見が非常に有効ながんと言われておりますが、日本で乳がんにかかる人は、年間約8万1,000人、死亡者は年間1万3,000人に上ります。欧米では死亡率が下がっておりますが、日本は上がっています。一生のうちに乳がんと診断される女性は12人に1人と言われ、日本女性がかかるがんの中では第1位、現在をふえ続けています。特に30代後半から急増し、40代後半から50代前半が一番乳がんにかかることの多い年代と言われています。子宮頸がんは対策次第で予防ができるがんだと言われておりますが、1年間に約1万5,000人が罹患し、およそ3,500人が死亡しています。本年6月に発表されたがん対策推進計画の中間発表では、子宮頸がんに至っては死亡率が増加傾向にあると予想されています。特に20代から30代の若い世代にふえており、多くの子宮と命が失われています。
 私の学生時代の友人、またお母さんの友達の中にも、7人、女性特有のがんに罹患し、大変な思いをされている方がいます。その中の一人は、非常に残念なことですが、命を落とされました。まさに30代から50代の子育て真っ盛りのお母さん方です。これまで公明党の推進で、乳がん、子宮頸がんの検診無料クーポンの配布や個別の受診を勧めるコール・リコール制度の導入で、2割程度にすぎなかった乳がん検診の受診率は、近年の調査で43.4%にまで上昇しました。しかし、乳がん、子宮頸がんの検診率は、欧米が70%から80%に対して、日本は30%から40%台とOECD加盟国の検診受診率と比較しても、日本は最低水準です。本年8月、女性の活躍推進法案が可決されましたが、女性の健康を守るためにも、検診受診率を上げるための取り組みが非常に重要と考えます。本市においても、ある年齢を対象とした無料クーポン券の配布、個別勧奨など、受診向上に向けた取り組みを推進していただいておりますが、より一層の受診率向上のための取り組みが必要であるとの観点から質問いたします。
 質問9、厚生労働省の受診率の目標は50%を掲げておりますが、本市における受診率をどのように評価されているか、お伺いいたします。
 質問10、国が掲げている第2期のがん対策推進基本計画において、重点的に取り組む課題には、働く世代のがん対策の充実があり、その中に女性へのがん対策と働く世代への受診率向上等が挙げられています。乳がんは40代から50代に多く、子宮頸がんが20代から30代の若い女性にふえております。本市は年代別の受診率を把握しているか、お伺いいたします。
 質問11、本市におけるがん検診受診率の目標値はあるか、お伺いいたします。
 質問12、平成21年度から女性特有のがんを対象とした国の補助事業が制度変更され、26年度は、21年度から24年度までの対象年齢の女性に、再度受診勧奨を実施しました。本市においてもこの制度を実施し、女性の検診受診率向上を図っておりますが、事業を行っての効果、課題についてお伺いいたします。
 質問13、検診率を上げるためには、広報紙、ホームページ、ポスター、啓発イベント等検診への周知、また、がん検診への意識啓発も重要と考えますが、本市ではどのような取り組みがされているか、お伺いいたします。
 質問14、三鷹市内で乳がん検診で要精密検査の方が、精密検査の結果、がんであると診断された方の人数ですが、24年に3人、25年に9人、26年に9人いらっしゃいます。子宮頸がんについては、24年に4人、25年が36人、26年が2人です。要精密検査の方を確実に受診に結びつけることが必要と考えますが、本市の受診に結びつける取り組みについてお伺いいたします。
 質問15、本市においては、30歳の方の乳がん検診に受診勧奨を行うなど独自の取り組みもされております。受診率向上のため、これからも無料クーポンや再度受診勧奨の継続などが必要と考えます。国の動向もあると思いますが、本市の今後の取り組みの方向性についてお伺いいたします。
 続きまして、がん教育について質問いたします。
 がんは日本人の死因の1位を占め、もはや2人のうち1人が生涯のうちにかかる国民病です。がんで亡くなる人は36万人を超えると言われています。対策を進めるには、がんを知り理解することがとても重要です。小さいうちから、がんへの正しい理解を通じて命の大切さを学ぶことは、将来の検診受診率に結びつくだけでなく、両親ら大人たちのがん検診受診率の大幅アップにつながっていくと考えます。実際、ある中学校で実施された専門家やがん経験者を外部講師として招いて行われたがん教育前後のアンケート調査では、がんについて早期発見すれば治る病気と答えた生徒は68%が97%に増加しました。特にこの事業の後、家族にがん検診を受けるよう勧めようと思うと回答した生徒は95%にも達したと言われております。
 国は2014年度から3年間かけて、全国21地域70校でがん教育のモデル事業を実施し、さらに今後、教材等の開発も進める予定になっております。本市においても子どもたちに正しくがんへの理解を深め、健康と命を守るためにもがん教育の強化が必要と考え、質問いたします。
 質問16、がん教育の本市における現在の取り組みについてお伺いいたします。
 質問17、がん体験者や外部講師を招いてなどのがん教育の強化について、本市の考えと課題をお伺いいたします。
 最後に、高齢者肺炎球菌ワクチンの接種について質問をいたします。
 肺炎は日本人の死亡原因の第3位で、しかも、亡くなる方の約95%が65歳以上です。また、肺炎球菌感染症は頻度が高く、重症化しやすいと言われております。
 肺炎は65歳以上の方にとって、決して軽視できない疾患で、予防することは命を守る意味でとても重要になってきます。2014年10月から高齢者向け肺炎球菌ワクチンは自治体の定期接種に追加され、国の財政支援を受けられるようになりました。当初、65歳以上の希望者1,000人に助成がなされておりましたが、2014年10月から、過去に接種を受けたことがない65歳から100歳までの5歳刻みの方を対象にしています。国は2018年までに、同じ年齢の方を対象に実施することで、65歳以上の全員の接種を目指しています。2019年からは65歳のみが対象年齢に変わります。本市においては、年度の初めに対象者の方に個別勧奨のはがきを送ってくださっておりますが、この事業は高齢者インフルエンザワクチンとは異なり、一生涯に一度きりの事業であるために、今年度忘れたら助成を受けることができません。しかし、年度初めにはがきをもらっても、後で受けようと思ってうっかり忘れてしまったという声を多く聞きます。今後、市の取り組みや周知で2018年までに大きな差が開くことが予想されます。高齢者の健康と命を守る接種率の向上が医療費の削減にもつながると考えます。今後、本市において高齢者に配慮した市の取り組みが必要と考え、質問をさせていただきます。
 質問18、平成26年度は10月から制度が始まって、この年度は半年間しかありませんでした。受診率の結果を本市としてどう考えるか、お伺いいたします。
 平成27年度の市の周知の取り組み及び定期接種対象者の接種状況をお伺いいたします。
 質問20、この制度は、特に御高齢の方には少しわかりづらい制度のように感じます。CMで西田敏行がPRもしておりますが、制度が始まって1年経過し、この事業に市民からどのような声があったかお伺いいたします。また、その声を今後に生かすための情報共有はどのようにされていますでしょうか。
 質問21、受診率向上のため、広報紙の掲載、ポスター等により丁寧な周知が必要と考えますが、本市の見解をお伺いいたします。
 質問22、高齢者の置かれているさまざまな状況を考えますと、医療機関や介護施設等との連携も必要と考えますが、本市の御所見をお伺いいたします。
 質問23、厚生科学審議会感染症分科会予防接種部会ワクチン評価に関する小委員会の報告書では、65歳の方に高齢者肺炎球菌ワクチンを接種することで、1年当たり5,115億円の医療費削減効果があると試算されています。本市の人口に置きかえるとどのくらいの削減効果になるか、お伺いいたします。
 質問24、予防接種の未接種者はどのように把握をされておりますでしょうか。
 質問25、年度初めの個別通知では、後で接種しようと思ってもうっかり忘れてしまう可能性が大きいと思われます。また、5年後も機会があると思っていたとか、生涯に1回であれば、いつでも好きなときに受けられるなどの勘違いもあります。ある自治体では、未接種者にはがきで呼びかけたところ、40%台だった接種率が60%台に増加したと言われております。未接種者に対しては、年度末までに個別の再通知をするなど、接種し忘れがないよう、高齢者に配慮した取り組みが必要と考えますが、本市の御所見をお伺いいたします。
 以上で壇上での質問は終わらせていただきます。御答弁のほどよろしくお願いいたします。なお、答弁によりましては自席での再質問を留保させていただきます。
                〔市長 清原慶子さん 登壇〕


◯市長(清原慶子さん)  それでは、市民の健康対策の充実に関する御質問にお答えいたします。
 御質問の1点目、オリンピック、ラグビーワールドカップ開催に向けて、受動喫煙防止対策をどのように考えているかということです。
 東京オリンピック・パラリンピックやラグビーワールドカップ大会の開催はもとより、国際的な取り組みとしての受動喫煙防止対策の推進は、国を挙げて取り組むべき課題と考えています。三鷹市といたしましても、国や東京都の取り組みを踏まえて、公共空間を中心とした受動喫煙防止対策の推進を図ってまいります。
 さて、これについて三鷹市における分煙の明確な基準、あるいは公共施設における市の取り組みということで御質問いただきましたので、お答えいたします。
 受動喫煙防止対策につきましては、健康増進法第25条の規定に基づき、国を初め東京都においても一定の基準が示されているところです。分煙について、三鷹市独自の基準等は設けておりませんが、市役所では分煙、学校施設では禁煙というように、法の趣旨を踏まえた国や東京都の基準を参考に対応しております。
 御質問の4点目、三鷹駅前デッキの喫煙所についてお答えいたします。
 三鷹駅前デッキの喫煙につきましては、全面的に禁煙するということではなく、たばこを吸う人も吸わない人も、誰もが気持ちよく歩けるまちづくりに取り組み、分煙を行ってまいりました。駅前デッキの喫煙所についてですが、現在のすき間のある生け垣により囲われた喫煙コーナーから、パーテーションで明確に分ける形の喫煙コーナーへ変更し、対策を図っていきたいと考えています。現在、年内の完成に向けまして、日本たばこ産業株式会社と調整を行い、整備の準備を進めているところでございます。
 続きまして、大きな2点目、乳がん、子宮がん検診事業についてお答えいたします。
 御質問の9番目から12番目まで一括してお答えいたします。
 三鷹市における乳がん検診、子宮がん検診の受診率は、平成26年度の実績で乳がん検診が17.5%、子宮がん検診が18.2%となっています。年代別の受診率に関しては、乳がん検診では50代が最も高く27.9%、次いで40代が23.5%、子宮がん検診では30代が最も高く32.5%、次いで40代が22.3%で、比較的罹患率の高い年代の方の受診率が高い結果となっています。
 無料クーポン事業を実施する前年の平成20年度の受診率は、乳がん、子宮がんともに12%程度でしたので、クーポン事業には一定の効果があったものと評価しています。リコールということで未受診者に再度クーポンをお送りしても受診率が伸びなかった理由として、私のケースもそうなんですけど、人間ドックでですね、受けてしまったということもありますし、お勤め先の検診等で受診された方の受診履歴が把握できませんので、対象者の絞り込みが不十分であったことが課題の1つであると捉えています。
 受診率の目標につきましては、三鷹市としては定めておりませんが、国は、がん対策基本法に基づき策定したがん対策基本計画に、受診率を50%という数値目標を掲げています。三鷹市の受診率を近隣自治体と比べてみますと、特別に低いものではございません。しかしながら、私は、やはり女性の一人として、乳がん検診、子宮がん検診は極めて重要な検診であると思い、市長に就任直後から拡充してきた経過もあります。引き続き三鷹市医師会と連携を図りながら、受診率向上に向けて取り組んでまいります。
 そこで、検診への周知・啓発ですが、検診の内容について、対象年齢の方に直接勧奨通知をお送りしています。そのほか「広報みたか」やホームページでのPR、また、各種イベントなどでも機会を捉えて積極的に取り組んでおります。かねて非常に効果がありましたのは、小・中学校の保護者会でのPRでございまして、引き続き教育委員会と連携をしながらですね、保護者会を通してお伝えしたいと思っています。と申しますのも、働いている方は、健康診断であるとか、あるいは人間ドックに行くという動機づけが相対的に強いのですが、家事、育児に専念されている方は、どうしても自分自身の検診が後回しになるというような傾向があります。したがって、しっかりとそうした遠慮をする層にですね、働きかけていくということが重要ではないかと考えております。
 次に、大きな4点目、高齢者肺炎球菌ワクチンについて答弁をいたします。
 御質問の18番目、平成26年度における接種率の評価についてです。
 高齢者肺炎球菌ワクチンの接種に関しましては、平成25年8月から65歳以上の任意接種として、また、平成26年10月からは定期接種として、65歳以上の節目年齢の方を対象に接種費用の一部助成を行っています。平成26年度の実績では、任意接種が923人、定期接種化以降の方が2,726人で、合計3,649人の方に接種していただきました。単年度としての定期接種対象者の接種率は33.7%となります。ただし、市の助成制度開始以前に接種を済ませた方は、本来は接種の対象外となるため、人数の把握は困難です。実際に接種が必要な方を分母として算定できれば、さらに接種率は上がることになります。
 御質問の19番目、平成27年度対象者の接種状況でございますが、ことしの4月末に対象者に対してはがきによる接種勧奨通知を送付いたしました。また、「広報みたか」やホームページ等とあわせてPRに努めています。現時点において、既に昨年度を上回る約1,200人の方が接種を済まされている状況です。冬が本格化するこの時期以降、インフルエンザの予防接種と相まって、さらに多くの方に接種していただけるものと予測しています。
 御質問の20番目から22番目まで一括してお答えします。事業に対する市民の声などについてです。
 電話などによるお問い合わせで、市民の声として多く寄せられる質問等については、FAQとして整理して係内で共有するなど、組織として常に正確で丁寧な対応ができるように努めております。また、接種率向上に向けて、ホームページや「広報みたか」などを通じて、当該年度の助成対象年齢や、過去に接種歴のある方は対象外となること、また、市内協力医療機関のほか、近隣の武蔵野市、調布市の医療機関でも接種可能な点などを中心に、一人でも多くの方に接種いただけるよう、医師会等関係機関とも連携して積極的な周知・啓発を行っています。さらに、市外の介護施設等に入所中の三鷹市民が、現地で接種を希望する場合には、先方の自治体や施設と相談しながら、現地での接種を依頼するなど、個別事案に応じた対応を行っているところです。
 御質問の23番目、ワクチン接種による医療費削減効果についてお答えします。
 この点につきましては、国の専門委員会での報告以外にも、ワクチンの導入コストと肺炎関連の医療費に着目した推計が存在しています。いずれの推計においても、ワクチン投与によって削減できる医療費がワクチン接種費を上回りまして、結果として総費用の削減が期待できるとの結論が一般的です。御指摘の削減額5,115億円は、毎年65歳全員にワクチン接種を行い、その効果が5年間持続する過程で算出された1年当たりの推計値であると承知しています。これを単純に三鷹市の65歳人口約2,200人で試算すれば、約6億4,000万円になります。ですから、御指摘のように医療費削減効果はかなり大きいものと思いますが、何よりも肺炎というのはとても苦しい病でございますので、これが防げるということは、質問議員さんの質問の趣旨にありますように、とてもとても大切な効果だと思っております。
 次に、24番目、25番目の御質問にお答えします。
 高齢者肺炎球菌ワクチンの定期接種は、過去に接種歴のある方は対象外となります。したがって、正確に未接種者の人数の把握をすることが困難でございますけれども、未接種者への勧奨というよりも、対象外の方を含めて勧奨することになりますので、個別にですね、未接種の方にお知らせすることのきめ細やかさの点では課題があると承知しています。しかし、市民の皆様に肺炎球菌ワクチンの効果については大変評価が高く、私も何人もの65歳以上の方からですね、肺炎球菌ワクチンを接種したんだけれども、これは肺炎に効くと思っているんだけれども、気のせいか知らないけれども、風邪が引きにくくなったとかですね、本当にこれ、医学的にはわからないんですけれども、肺炎球菌ワクチンを接種して、みずから健康にきっとさらに留意されるようになったと思うのですが、大変この事業は皆様からお声がけをいただくことが多いので、きょう御質問いただきました子宮がん検診、乳がん検診と同じように、市民の皆様に確かに効果が確認されていると思いますので、一層PRに努めまして、多くの方に接種を受けていただき、がん検診は受診していただくように、現場の皆様、医師会の皆様と連携していきたいと考えております。
 その他の質問については担当より補足いたさせます。


◯教育長(高部明夫君)  それでは、私のほうからがん教育の取り組みについてお答えをいたします。
 健康に関する教育では、小・中学校のうちから正しい知識を学んで、みずからの健康を適切に管理するという意識を高め、正しい生活習慣を身につけられるように指導することが重要であるというふうに認識しております。こうした観点から、小学校におきましては、体育科の病気の予防の中で、死亡の原因や生活習慣病の1つとしてがんがあるということを扱ったり、さらに喫煙の害として、がんや心臓病にかかりやすいことを学んでいるところです。
 また、中学校では保健体育の生活習慣病の予防の中で、重い症状としてがんの症状を取り上げ、喫煙と肺がんの関係ですとか、あるいは動物性脂肪のとり過ぎと大腸がんとの関係があるということを学び、それぞれ健康教育の一環としてがん教育に取り組んでいるところでございます。
 次に、がん教育の強化についての考え方と課題ということでございます。
 がん教育の強化につきましては、御存じのとおり、国が現在、「がん教育」の在り方に関する検討委員会を設置し、次期の学習指導要領の改訂を視野に入れて、がん教育の基本方針、必要な教材の開発、外部人材の活用等について検討を進めているところでございます。
 外部人材の活用についても大変有効であるというふうに考えておりまして、今後、三鷹市でも杏林大学を初めですね、医療機関との連携が重要になってくるというふうに思います。今後、文部科学省のモデルプラン事業などの動向を踏まえながら取り組んでまいりますけれども、がん教育を進めることによってですね、がんに対する正しい理解とがん患者に対する正しい認識を深めるとともに、みずからの健康管理やがん予防に役立つような教育内容の検討を進めてまいります。
 以上です。


◯都市整備部調整担当部長(田口久男君)  私からはですね、市長の答弁に補足いたしまして、5番目の質問にお答えいたします。
 公園の受動喫煙防止対策についてでございます。
 公園は児童・生徒など子どもたちに遊び場として利用していただくほか、市民の皆さんが広く利用する憩いのための場所であります。市の管理する公園については、全面禁煙の措置はとっておりませんが、受動喫煙及び防災上の配慮からも、喫煙に関するマナーの向上が重要であると考えております。
 公園では喫煙者、非喫煙者を問わず、全ての利用者に安全に安心して利用していただくため、児童・生徒など子どもや多くの利用者が集まる場所などでは喫煙を控えていただくとともに、歩行喫煙や吸い殻のポイ捨てなどをしないことの周知を図っていきたいと考えております。
 児童遊園等の全面禁煙については、今後、検討していきたいと考えております。


◯健康福祉部調整担当部長・保健医療担当部長(濱仲純子さん)  市長の答弁に補足いたしまして、私から、まず受動喫煙防止対策について3点お答えいたします。
 質問の6、受動喫煙の健康影響に関する市民への周知と理解促進の現状、問い7、妊婦に対する喫煙、受動喫煙の健康被害に関する周知・指導の現状について、一括してお答えいたします。
 喫煙と受動喫煙の健康影響については、三鷹市が主催するイベントや講座、「広報みたか」やホームページなどを利用して、市民の皆様への周知・啓発に努めております。特に妊娠期の喫煙、受動喫煙については、新しい命の誕生を前に、妊婦のみならず御家族も含めて喫煙習慣を見直す意識が高まりますので、三鷹市ではこの機会をチャンスと捉え、母子健康手帳の発行時や両親学級、母親学級、健診等でその周知・指導を行っております。
 なお、禁煙外来のある市内の医療機関の紹介などにも取り組んでいるところですが、今後も三鷹市医師会や多摩府中保健所など関係機関と連携しながら、禁煙に向けた啓発活動に取り組んでまいります。
 続きまして、質問の8、屋内施設、飲食店等に対する禁煙表示等の指導・啓発についてでございます。
 多くの市民の皆様が利用する施設や飲食店等において、禁煙や分煙の実施の有無が外から確認できる禁煙・分煙マークの表示や、喫煙可能な区域と禁煙区域との境界をはっきりわかるように表示することは、国の示す受動喫煙防止措置の具体的な取り組みの1つでございます。三鷹市としても関係部署、関係機関と連携して、今後、こうした取り組みの普及啓発に努めてまいります。
 続きまして、乳がん、子宮がん検診事業についてです。
 問いの14、要精密検査者を受診に結びつける取り組みについての御質問をいただきました。
 検診の結果、要精密検査とされた方へは、現在、乳がん検診、子宮がん検診とも要精密検査の受診勧奨を実施し、受診結果の把握にも努めているところでございます。
 問いの15、無料クーポンやコール・リコール制度に係る今後の方向性についてという御質問ですが、無料クーポン事業の今後につきましては、現時点では明確な指針は示されておりませんので、これからも国の動向等を注視しながら、市としての対応を検討してまいります。しかしながら、検診の必要性についてはですね、引き続き啓発に努めてまいりたいと考えております。
 私からは以上です。


◯3番(大倉あき子さん)  御答弁ありがとうございました。受動喫煙防止対策なんですけれども、国や都の動向もあると思うんですが、先駆的な市、三鷹でもございますので、ぜひ一歩前進した対策をお願いをしたいと思います。
 そこで1つ確認なんですけれども、学校の施設では全面禁煙ということで市長から御答弁いただいたんですけれども、9月の定例会のときの山口部長の答弁のときに、学校の施設においては全面禁煙が多く──ちょっとごめんなさい、表現が、申しわけありません。校舎内禁煙で、敷地内禁煙も全面禁煙としている学校が多くあるという、こういう御表現いただいたんですけれども、基本的には学校は禁煙ということでいいんでしょうか。それとも、ある学校では明確になってないところもあるということなんでしょうか。そこをちょっと1つお願いいたします。
 それとあと乳がん、子宮がん検診に関してなんですけれども、この8月に熊谷市で行われたピンクリボンの会という会合に参加してきました。また、この秋には国の超党派の女性議員が、乳がん、子宮頸がんの受診率向上のために連盟をつくって開催した勉強会、乳がん・子宮がん検診促進大会というのに参加をさせていただいたんですけれども、そこでピンクリボンの会のようなNPO法人が来られて、協働で参加をされておりました。非常に、本当、啓発されて有効だなと思ったんですけれども、市としてそのようなNPO法人とともに取り組み等を実施する方向性が、考えがあるかということをお伺いをさせていただきたいと思います。
 それと、今、さまざま三鷹市においても、乳がん、子宮頸がん、本当、受診率向上に向けた周知の取り組みを伺わさせていただいたんですけれども、やはりまだまだ50%目標には足りないと思っております。さらなる本当に工夫が必要かと考えるんですけれども、墨田区でも乳がんに関する意識調査で、検診に関する情報不足と情報伝達方法の工夫というのが挙げられていたんですけれども、先ほど、本当に、ちょうどその年代に対する保護者会での本当、周知がすごく有効だったということで伺いました。私も、本当にそれ、とても有効だなということを実感しております。また、町内会で回覧板等とかでそれをまた周知していくという、そういう取り組みもできるかなということと、あと、30歳での個別勧奨のときに、はがきだけではなくて、さらなる啓発をしていけるよう、なにかキットというか、またそこのはがきに文面を入れてもいいと思うんですけれども、そういった工夫もできるかなと思うんですけれども、この辺に関して市のお考えを教えていただけたらと思います。
 続きまして、肺炎球菌ワクチンなんですけれども、こちら、本当になかなか未接種者の把握が難しいということで市長から御答弁いただいたんですけれども、やはり周知──広報紙とか、もちろんホームページとかでも周知していただいていると思うんですが、やはり高齢者の方は、ホームページを見られる方は少ないと思いますし、目が悪くなって、広報紙も文字がちっちゃくて見えないという方もたくさん、多くいらっしゃると思います。本当に費用はかかると思うんですけれども、やはり再通知、お知らせというのが非常に有効だと思っております。
 そこで、もう既にされている方に重複通知されてしまうという、そういうおそれもあるかと思うんですけれども、そこに、過去に接種した方は対象外ですよということを明記していただいて送っていただくのも有効かなと思いますので、ちょっとその辺のところのお考えを教えていただけたらと思います。よろしくお願いいたします。


◯教育委員会事務局教育部長・調整担当部長(山口忠嗣君)  学校におけます喫煙の状況ということで御質問をいただきました。
 市内小・中学校を合わせて22校ございますけれども、学校の施設内、これについては全ての学校で禁煙ということでございます。ただ、敷地内ということですと、職員の中で喫煙者もいる学校がございます。そういった中では、学校長の判断でですね、そういった教員と吸わない教員との完全な分煙というものが必要でございますので、決められた場所を定めまして、そこで喫煙をするような、そういった対応をとっている学校も一部ございます。


◯健康福祉部調整担当部長・保健医療担当部長(濱仲純子さん)  ただいまの再質問にお答えいたします。
 まず、NPO法人との協働の啓発のあり方があるかという御質問をいただきましたけれども、現在、三鷹市は特に乳がん検診ですとか、そういったものに、コミュニティまつりでですね、自己触診の説明をさせていただいたりとか、住民協議会の健康づくり委員会との協働というような取り組みも行っておりますので、将来的な課題として受けとめさせていただきたいと思います。
 また、情報不足ということの解消について、さらなる工夫ということでございますけれども、やはり今でも機会を捉えて周知・啓発に努めているところでございますが、もう少し、さらにほかのがん検診との重複したお知らせですとか、そういったことも考えてみたいかなと思います。
 あと、肺炎球菌のですね、未接種者への再通知ということでございますが、こちらは、やはり最初にですね、肺炎球菌ワクチンの定期接種化になったときにもですね、副反応被害というものを考えて、一瞬、そこをしっかりと受けとめていきたいということでですね、最初の個別の通知も検討をさせていただいた経過もございますので、またさらにですね、三鷹市医師会とも連携をいたしまして、かかりつけ医からの勧奨といったような対応もさせていただきながら、対応させていただきたいと考えております。
 以上でございます。


◯3番(大倉あき子さん)  御答弁ありがとうございました。学校内に関してなんですけれども、学校内だけでは、せめても禁煙にしていただけたらと思っております。これは私の思いです。
 きょうは本当にありがとうございました。市民の健康のために、またさらなる推進、よろしくお願いいたします。


◯議長(後藤貴光君)  以上で大倉あき子さんの質問を終わります。
    ──────────────────────────────────────


◯議長(後藤貴光君)  次の通告者、4番 粕谷 稔君、登壇願います。
                〔4番 粕谷 稔君 登壇〕


◯4番(粕谷 稔君)  それでは、議長より御指名をいただきましたので、通告に従いまして市政に関する一般質問をさせていただきます。
 今回は、アール・ブリュットの推進についてとユニバーサル社会への三鷹のまちづくりについて、この2項目、質問をさせていただきます。
 12月3日から9日にかけて障害者週間となります。三鷹市においても、心のバリアフリーを目指してさまざまな企画が予定をされているとのことです。この取り組みや課題を踏まえて、今後の拡充について、まずお伺いをしたいと思います。
 今月、東京都は、障がい者アートを中心としたアール・ブリュットと呼ばれる芸術分野を推進するため、東京芸術文化評議会に有識者検討会を設け、初会合を開きました。舛添東京都知事は、会合で四、五年以内に展示する場所をつくり、アーティストが交流する場を考えたいと述べ、2020年東京オリンピック・パラリンピックまでに拠点整備を目指す考えを示したとの報道がありました。
 アール・ブリュットは、専門的な美術教育を受けていない人が、衝動のまま独自の発想や方法で表現した作品のことを指す美術の概念で、アールは芸術で、ブリュットは磨かれていない、加工されていない、生のままという言葉をあらわすフランス語であります。このアール・ブリュットは1945年、画家のジャン・デュビュッフェにより考案されたカテゴリーだとされております。
 このアール・ブリュットをめぐりましては、アーティストとして活躍している方々には、障がいのある方も多く含まれています。2010年から11年にフランスのパリの市立美術館で開かれたアール・ブリュット・ジャポネ展には、実に12万人が訪れ、関心が高まっております。日本では滋賀県におけるアール・ブリュットの取り組みが有名で、近江八幡市でのボーダーレス・アートミュージアムNO−MAが平成16年設置され、注目を集めております。近年では池袋や立川のデパートや、またしながわ水族館などを会場として作品の展示会が開催をされ、話題を集めているとのことでございます。都の有識者検討会では、アーティストの日比野克彦氏が部会長に就任し、拠点の都心での設置や展示作品の評価や収蔵等、意見交換と才能発掘の場や機会の創出、普及啓発施策について議論を進めているということであります。
 三鷹市では、障がい者の皆さんが、積極的に市民協働の大切なパートナーとして三鷹のまちづくりに参画をされている実情がございます。明年4月に施行される障害者差別解消法のこのときに合わせ、障がい者への理解をさらに推進するためにも、我が市でのアール・ブリュットを積極的に推進し、障がい者の皆さんの芸術に触れる機会の拡充及び芸術活動の支援をさらに拡充することが必要であると考えます。こうした取り組みによって、2020年東京オリンピック・パラリンピックの開催へ向けての機運醸成、障がいのある方々への理解促進につながり、ハードとソフト両面での真の意味でのバリアフリー社会構築への一助となり得るものと考えます。こうした観点から質問をさせていただきます。
 1、障がい者のための芸術イベントについてお伺いをしたいと思います。
 三鷹市で開催されている芸術イベントについて、障がいのある方々へ特化した企画は開催されているのでしょうか。また、今後の機会拡充への検討に向けた御所見をお伺いをいたしたいと思います。
 質問の2、聴覚障がいや視覚障がいのある方々が、映画館での映画鑑賞ができる機会が少なく、近年になりようやくバリアフリー映画の概念が定着しつつあると聞きます。視覚や聴覚に障がいがある方々のため、例えば日本語字幕つき、音声ガイドつきの上映が開催をされている機会がふえております。通常、日本映画には字幕はなく、日本映画にまで字幕がつき、聴覚障がいのある方々も鑑賞でき得る機会として喜ばれている現状があります。三鷹市芸術文化センターでの往年の名優に特化した映画鑑賞では、多くの市民が参加し、大変に好評を博しているとの報告をいただいております。三鷹市でのバリアフリー映画の開催についての御所見についてお伺いをしたいと思います。
 質問の3、三鷹市芸術文化センターでの企画開催において、会場へ同伴できない子どもたちのために、保育つきの企画が多く実施をされております。保育つき企画の際の障がいのある子どもの保育については、現状どのように対応されていますでしょうか。取り組みについてお伺いをしたいと思います。
 続いて2点目、障がい者の芸術活動支援についてお伺いをしたいと思います。
 この秋も三鷹市内では市民文化祭が盛大に開催をされました。また、公務で幾つかの障がい者施設公開にも参加をさせていただく機会に恵まれました。どこの施設でも障がい者の皆さんの絵や陶芸等の作品が展示をされ、独自の感性と作風ですばらしい作品が展示をされておりました。そこで、三鷹市として、障がいのある方々の作品に特化した展示会等の開催についての現状と御所見をお伺いしたいと思います。
 次に、三鷹市では、長年にわたり、市内児童・生徒の絵画での平和カレンダーを作成してきた経緯がございます。例えばこうした取り組みとあわせまして、障がいのある児童・生徒の絵画を活用したカレンダーの作成等で、障がいのある方々の作品がより多くの市民の目に触れる機会の拡充につながるものと考えられます。こうした市の発行するものと、障がい者の方々の芸術とのコラボレーション、こうした観点における御所見をお伺いしたいと思います。
 次に、芸術等を初めとした活動の場として、身近なコミュニティ・センターの活用が考えられるわけでありますが、三鷹市では積極的にバリアフリーのまちづくりを推進してきました。公共施設情報はもとより、障がいのある方々や事業主さんの御協力を得まして、市内のバリアフリーマップを公開し、皆様方のお出かけに活用をされ、喜ばれている実態があります。
 そこで、地域の例えばコミュニティ・センターの情報によりますと、センターによっては、ピクトグラムという──さまざまな施設が絵文字で点字をわかりやすく、バリアフリーマップの中に提示をされているわけですが、コミュニティ・センターによっては点字ブロックが設置されていない実態があります。全てのコミュニティ・センターにおける点字ブロック設置についての御所見はいかがでしょうか。お伺いしたいと思います。
 続きまして、三鷹市におけるアール・ブリュットの推進についてお伺いいたします。
 三鷹市では、障がい者の方々の就労についても積極的に推進していただいてきていると認識しておりますが、先日も、この障害者週間の一環としての障がい者施設の自主製品の販売機会拡充へ、マルシェ形式で販売するイベントが三鷹駅南口緑の小ひろばで実施をされ、このことがマスコミでも報道され、注目を集めました。東京都の推進するアール・ブリュット事業に歩調を合わせて、障がい者のアート作成を積極的に推進することで、障がいのある方々にとっての新たな目標や生きがいとなり得て、アール・ブリュットアーティストの育成にも寄与するものではないでしょうか。三鷹市におけるアール・ブリュットの推進についてのお考え、御所見をを改めてお伺いしたいと思います。
 4点目、2020年東京オリンピック・パラリンピックに向けたアール・ブリュット活用についてお伺いします。
 障がいのある方々の支援の一環として、アール・ブリュットを推進することで、2020年東京オリンピック・パラリンピック開催に向けてのさらなる機運醸成や市民参加、子どもたちへの障がい者理解にもつながるものと考えます。市長及び教育長の御所見をお伺いしたいと思います。
 続きまして、大きな2点目、ユニバーサル社会への三鷹のまちづくりについてお伺いいたします。
 三鷹市では、地域ケアの事業がいよいよ全市展開がなされます。さまざまな地域の諸課題解消に向けた取り組みに期待の声が寄せられております。中でも高齢化社会へと突き進む中、三鷹市独自の地域特性として、地域における公共交通網の整備と課題解消こそが今後の持続可能な自治体運営の大きな鍵となり得るものと考えます。ここ数年、多くの市民から寄せられる交通不便、買い物不便の課題をめぐる声に応えることが喫緊の課題であると考えます。こうした背景から質問をさせていただきます。
 初めに、交通・買い物不便地域解消のためのユニバーサルデザイン、UDといいますが、UDタクシーの活用についてお伺いしたいと思います。
 三鷹市では、現在、コミュニティバスの三鷹台ルート、西部ルートの見直しに取り組む中ではありますが、高齢化により、より多くの市民が身近な場所でのバス乗降、定時運行及び本数の増加への要望が続いております。かつて10人乗りワゴン車による実証実験の結果から、多くの市民が期待していた小型循環型バスの導入に至れなかった経緯も三鷹市は持っております。こうした経緯からも、民間路線バス、コミュニティバスが入り込めない地域を補完するには、タクシーを活用した市民の移動手段の確保が重要であるものと考えます。また、今後はタクシー業界においても、高齢化社会に対応していくために、セダン型タイプ車両からワゴンタイプ車両であるユニバーサルデザインタクシーへの切りかえが進んでいくものとお聞きしました。オンデマンド型交通の早期導入に期待が寄せられておりますが、高齢者や障がいのある方々、子育て世代の母親たち等にも、今後、UDタクシーの利用がさらに進んでいくものと考えます。ドア・ツー・ドアとまではいかないまでも、オンデマンド的性質を備えた交通不便地域解消の一助となるのではと考えられます。
 そこで、交通不便地域解消のためのユニバーサルデザイン(UD)タクシーの活用について、市長の御所見をお伺いしたいと思います。
 近年、駅以外の地域では、大通りであっても日中にタクシーがつかまりにくい状況があります。バス便も不便、タクシーをつかまりにくい状況で、高齢者が移動に不便を感じることで、引きこもりがちになってしまう傾向が助長されている実態があるのではないでしょうか。交通不便地域解消のためにも、身近な地域における乗車しやすい環境の整備が不可欠であると考えます。
 そこでお伺いいたします。そこで、今後は、市民が移動しやすい環境整備に向けて、UDタクシー専用の待機場所の確保が課題であると考えます。そのために、例えばコミュニティ・センター駐車場を待機場所として活用していただくことで市民のUDタクシーの利用促進につながり、より移動しやすい生活環境につながるものと考えます。コミュニティ・センターの駐車場等をUDタクシー待機場所に、活用に向けた御所見をお伺いしたいと思います。
 次に、都営住宅住民の高齢化が進む中、自動車運転免許の返納が進む等で、都営住宅の敷地内駐車場が多くあいている実態があります。多くの都営住宅の駐車場では、あいた駐車場には柵が設置をされ、有効的な活用を求める声も寄せられております。こうしたURを初めとしましたJKK等も含めた事業者との連携・協力を得ることで、UDタクシー専用の待機場の設置が可能ではないのかと考えられます。日中の買い物や病院への通院等の移動に役立つものと考えます。事業者との連携による敷地の活用についての御所見をお伺いしたいと思います。
 次に、移動スーパーの導入についてお伺いいたします。
 先日、委員会視察で訪れました愛知県春日井市では、買い物不便地域解消の施策として、移動販売車の購入を自治体が支援し、地域のスーパーの協力のもとで移動スーパーを導入し、商店のない地域の住民サービスとして、事業をこの4月から開始をされておりました。市が商工会を支援する形で保冷車を購入し、地元の2つのスーパーが移動販売を公団住宅や市の関連施設敷地や公園等を移動販売の会場として活用し、高齢者を初めとして多くの住民に利用され、喜ばれているとのことでありました。
 買い物支援事業としては、より積極的に自治体が主導して進めることが求められると考えます。私の地元である大沢の地域でも、最近、商店の廃業があり、生鮮品を初めとして、ますます買い物に困っているとの声が寄せられております。商店の多い地域での民間企業の業務の妨げになるような事業や取り組みは別として、商店がない、高齢者の多い地域においては、今後の開発事業や民間事業者による事業展開も考えられません。積極的な取り組みが求められる喫緊の課題として存在している現状の今こそ、力強い行政主導による買い物不便地域住民への支援策が求められていると考えます。移動スーパーの導入に向けての検討について、市長の御所見を改めてお伺いしたいと思います。
 次に、団地・都営住宅等での学生の活躍についてお伺いいたします。
 近年、高齢化に伴い都営住宅の住民の高齢化も比例し、住民による自治の限界を超え社会問題となっている実態があります。練馬区や日野市を初めとして大きな都営住宅を持つ自治体が、住宅の空き室を地域の大学生や若い世代に割安で貸し、ルームシェア等で学生たちが地域の自治会イベント等を初め、地域の課題解消の担い手となって活躍してもらう取り組みを進めている実態があります。大学の経営においても地域貢献が求められる時代となっております。三鷹市にもルーテル学院大学や、明年からの杏林大学の移転の計画があります。若い力の地域での活躍が期待をされております。
 そこで、団地や都営住宅での学生の活躍について、その仕組みづくりを初め、若い世代の地域貢献活動ができる場や環境の提供が必要であると考えます。市長の御所見をお伺いしたいと思います。
 以上で壇上での質問を終わらせていただきますが、御答弁のほどよろしくお願いいたします。なお、御答弁によりましては自席での再質問を留保させていただきます。ありがとうございます。
                〔市長 清原慶子さん 登壇〕


◯市長(清原慶子さん)  それでは、ただいまいただきましたアール・ブリュットの推進について等、御質問に順次お答えいたします。
 まず御質問の1点目、障がい者に特化した芸術イベントの実施についてお答えいたします。
 アール・ブリュットはハードとソフトの両面から、真の意味でのバリアフリー社会構築への一助となり得るものとの御説明がありました。ここ数年の間に、日本でも障害者権利条約の批准、障害者基本法の改正など、障がい者の福祉に関するさまざまな法制度の整備が進展しています。こうした中で、平成25年に制定されました障害者差別解消法も、3年間の周知及び準備期間を経て平成28年4月に施行されます。障害者権利条約の目的であります障がい者の人権及び基本的自由の共有を確保し、障がい者の固有の尊厳の尊重を促進することは、市民に最も身近な基礎自治体である三鷹市にとりまして、大変重要な目標です。したがいまして、積極的な取り組みの推進を図ってまいります。
 そこで、障がい者に特化した芸術イベントについてでございますが、これまで三鷹市では実施してきていません。障がいがあってもすぐれた芸術家として著名な方は多くいらっしゃいます。ただ、障がいの有無によって特化することの意義については、十分な検討が必要だとも考えています。今まではこうしたことをしてきませんでしたが、今後ですね、アール・ブリュットにかかわる機運が国及び東京都で高まっている中、三鷹市でそれではどのようなことができるのかということについては、検討課題だと認識しています。
 次に2番目の御質問、バリアフリー映画についてです。
 障害者基本法に定める障害者週間は12月3日から9日ですが、この期間の前後に、心のバリアフリーの事業というのを三鷹市では実施してきました。私が市長になりましてから、いわゆるハードのバリアフリー基本構想に基づく取り組みは見える化できていたのですが、実際には心のバリアフリーこそ大事ではないかということで、三鷹市と障がい者福祉懇談会の皆様の共催によって、この心のバリアフリーの事業を進めてきました。そして、平成24年度よりは、バリアフリー映画の上映会を継続して開催してきました。視覚に障がいのある方のために、音声ガイドなどのナレーションを加えることで情景の描写が行われること、また、聴覚に障がいのある方のためには、詳細な字幕で内容をわかりやすく表現しております。障がいの有無にかかわらず楽しむことができる貴重な機会になっていると認識しています。
 たまたま市民の皆様で、緑内障等によって視覚に、高齢者になってから障がいが発生した方が、このバリアフリー映画に家族で参加して、自分も含めて映画を見ることができたというふうに言っていただくなど、その感想については、毎年、評価高いものが届いているところです。
 最近では障がいへの理解が浸透し、企業の社会貢献の普及も伴いまして、一般の映画館においてもバリアフリー映画が上映されるということも目立ってきました。また、ことし11月には、株式会社まちづくり三鷹のコミュニティ映画祭においても、初めてバリアフリー映画が上映されましたので、三鷹市民の皆様には心のバリアフリーの事業としての映画会に加えて、コミュニティ映画祭でもバリアフリー映画に身近に接していただいたものと思っています。引き続き民間の事業者や自主上映などによりまして、さらに普及が図られることを期待しているところです。
 次に、御質問の4番目、5番目の障がいのある方の作品に特化した展示会等について、またカレンダーの作成についてお答えいたします。
 三鷹市では障がい者、障がい児の美術活動を支援し、広く市民の皆様にごらんいただくことを目的に、障がい者作品展については毎年開催しています。平成26年度からは、その作品展を障害者週間に合わせて市役所のロビーで開催しているわけですが、第41回を迎える今年度は、11月30日から12月4日までを開催期間としています。作品展では市内外の特別支援学校や通所施設等に通っていらっしゃる障がい者、障がい児が製作した絵画、陶器、織物、工作などを展示するとともに、クッキーやパン、ハンカチなどの自主製品の販売も併設しています。
 さて、カレンダーの作成もどうかということで、御提案を含めた御質問をいただきました。
 現在、三鷹市では平和カレンダーの絵、環境ポスター、農のある風景など、児童・生徒の作品を募集しています。ここでは、すぐれた作品であれば、障がいの有無にかかわらず選考対象としてきました。したがいまして、現時点では、障がい者、障がい児に特化したカレンダーの作成等は考えておりません。
 次に、アール・ブリュットの推進について、御質問の7番目、8番目にお答えいたします。
 11月に東京都知事宛てにですね、東京都の26市の市長、そして東京都の町村長がですね、直接予算要望をいたしまして、その後、懇談会をしたときのテーマが、東京オリンピック・パラリンピックをどう多摩地域でも生かすかということだったんですが、その際に、実はアール・ブリュットについて話題になりました。アール・ブリュットは御指摘のとおり、専門の美術教育を受けることがなかった人たちが、既成の価値観にとらわれることなく表現する芸術であると言われています。ちょうどですね、立川市でこのアール・ブリュットが──百貨店でありましたが、展開されたということもありまして、話題になったわけです。市内には生産活動のほかにも、リハビリテーションや情緒の安定等を目的にした創作活動を中心に支援する通所施設もあります。これらの施設は、市の作品展や個別の施設単位での展覧会などを通じまして、その成果を広く公開する機会を設けていただいています。こうした作品の中には、カレンダーであったり、エコバッグであったり、ペンダントであったり、自主製品として製品化されているものも多数あります。また、市が毎年発行しております障がい者のためのしおりの表紙に採用をしている作品もあります。
 東京都の東京芸術文化評議会アール・ブリュット検討部会においては、2020年東京オリンピック・パラリンピックまでに才能の発掘機会の創出や作者間の交流の場としての拠点整備などの考え方が示されています。今後、この検討部会において進められる拠点の整備を含めた施策の動向を注視したいと思います。そして、引き続き障がい者、障がい児の作品展の開催、また、学校や各障がい者(児)支援施設との連携によりまして、障がいの有無にかかわらず、芸術文化を享受できる環境の整備に努めてまいります。
 次に、大きな2点目、ユニバーサル社会への三鷹のまちづくりに関する御質問にお答えいたします。
 まず御質問の9番目は、交通不便地域解消のためのユニバーサルデザインタクシーの活用についてです。
 鉄道駅や路線バス及びコミュニティバスのバス停といった公共交通機関が近隣にない交通不便地域では、このようなタクシーは交通不便地域の解消につながるものと認識しています。また、大型車両が通行することが困難な生活道路でも、こうしたタクシーは有用と考えられます。その中でユニバーサルデザインタクシーは、高齢者や障がい者、子育て世帯まで幅広い方々の移動利便性の向上が図られるものと考えています。
 現時点、このようなユニバーサルデザインタクシーを導入されている会社においては、病院の送迎などに利用されていることが多いと聞いています。このユニバーサルデザインタクシーの導入自体は、タクシー事業者によって進められていますので、そういった車両を指定して呼んでいただくという──介護タクシーというような案内をされているタクシー会社もあるようですが。したがって、送迎というか、迎車──迎えに来るということが一般的ですので、まさにオンデマンド的な利用が浸透してきつつあります。
 ただ、地域公共交通活性化協議会でオンデマンドタクシーですとか、ワンコインタクシーについて検討した経験からいたしますと、実はなかなか国土交通省のですね、こうした取り組みに対する規制というのが根強くありまして、私たちも、モデル事業として導入しようということで、かなり積極的に条件整備を行ってきました。相変わらず諦めてはいないわけですし、一部の関係者は、いやいや、少し高齢社会の中で、また障がい者の移動支援のために、国土交通省も規制が変わってきたんじゃないかというお声もあるんですが、私が確認している場合、なかなかこれが難しくてですね、ユニバーサルな車両はできているんですけれども、何かそういう取り組みをすることについては、まだ何だかユニバーサルじゃないなという感じがしておりまして、慎重にですね、考えたいなと思っているわけです。ただ、ありがたいのは、そうした事業者の皆様の中に、そういうニーズがあるのだということをですね、考えて導入をしてくださっている、そういう方がいらっしゃるということです。
 次に、移動スーパーの導入についてお答えいたします。
 現在行っている買物環境整備事業では、宅配サービスを行っている店舗をPRする冊子づくり、あるいは朝市を初めとするマルシェ事業など、商店会が主体となって消費者の利便性向上のために取り組む事業について、株式会社まちづくり三鷹など関係団体が本部体制をつくって支援を行っています。
 質問議員さん言われたように、大沢地域からもですね、高齢化が進み、商店などの廃業が目立っているので、ぜひ買い物支援を強化できないかという問題提起をいただいていることも事実です。そこで移動スーパーの導入についてですが、消費者の要望がさらに高まり、関係する地域の商店会としても、連携しながら移動スーパーに取り組みたいというような機運があるという環境整備が求められていると思います。共存共栄といいましょうか、地域に踏ん張って頑張っているお店でお買い物もしていただかないと、そのお店が、移動スーパーが本当に導入されてですね、ほかの皆様がお店に行かなくなったら、そのお店もまた閉店ということになりますから、この共存共栄をですね、どうしていくかということがかなり中核的な課題になるのではないかと考えております。ただ、ニーズがあるということは確かに認識しておりますので、創意工夫が求められていると思います。
 私からの最後の答弁ですが、団地・都営住宅での学生の活躍についてお答えいたします。
 実は三鷹市市民協働センターでは、学生企画によるトークサロンというのを平成25年度から26年度にかけて積極的に進めてくれました。地域活動において学生に何が期待されているか、そして、学生が超高齢社会における支え合いや震災発生時にどんな貢献ができるか、あるいは具体的な例として、空き家をどういう活用をしたら活動できるのかとかですね、かなり掘り下げた取り組みを継続して進めてくださっており、杏林大学や国際基督教大学、ルーテル学院大学の教員の皆様の理解や参画も得ているわけです。これからは、この学生との協働の輪が、市民協働センターとの間だけではなくて、町会・自治会や住民協議会等の活動、さらには援農ボランティアですとか、また三鷹のコミュニティ・スクールのサポーターであるとか、あるいは地域ケアネットワークであるとか、そうした幅広い分野にですね、活躍されることを願っているわけです。
 御質問の趣旨は、団地や都営住宅というのは、ちょっとあいているようなところもあるしですね、何か生かせないかということなんですが、例えばですね、来年市内に移転される杏林大学の学生、教員は多いわけで、例えばUR都市機構では、URの団地をですね、学生寮というわけじゃないけれども、今、浸透しつつあるシェアハウスっていうんでしょうか、そういう使い方もできるかもしれないし、何か学生の活躍、あるいは住まうことを通しての地域の自治組織等との連携などに展開できないかというような提案もあったりします。したがいまして、質問の御趣旨にありますように、ユニバーサル社会の三鷹のまちづくりについては、ハード面だけじゃなくて、人との交流が幅広く、垣根なく、障がいのある人もない人も、また、さまざまな属性を持っている方も進めていくということが重要なのではないかと考えております。
 その他の質問については担当より答弁いたさせます。


◯生活環境部調整担当部長(田口智英君)  私から市長の答弁に補足をいたしまして、2点お答えをさせていただきます。
 まずは問いの3番目でございます。三鷹市芸術文化センターでの企画開催における子どもの保育についてでございます。
 三鷹市芸術文化センターでの音楽や演劇の事業の開催に当たりまして、平成26年度におきましては、保育つきの企画を29事業、33公演で実施をいたしました。平成13年度からこの保育を実施するようになりましたけれども、障がいのあるお子さんの保育の実績は、これまではございませんでした。現状の保育の体制が集団保育を基本としておりますので、障がいの程度によっては対応できない場合もあろうかと思います。しかし、今後、そのような御要望がございましたら、御相談の上、対応をしてまいりたいというふうに考えてございます。
 次に、質問の6点目です。コミュニティ・センターの点字ブロックの設置についてでございますが、コミュニティ・センターにおける点字ブロックの設置につきましては、バリアフリーのまちづくり基本構想に定める重点整備地区に位置するコミュニティ・センターを中心として、他の地域に先駆けて対応を図ってまいりました。未設置のコミュニティ・センターにつきましても、順次設置をしていく予定でございます。
 以上です。


◯教育委員会事務局教育部生涯学習担当部長(宇山陽子さん)  私からは、アール・ブリュットの推進についての質問の8、2022年東京オリンピック・パラリンピックに向けたアール・ブリュットの活用についてお答えいたします。
 東京芸術文化評議会の有識者検討部会において、アール・ブリュットの拠点整備や才能発掘のための場や機会の検討を始めたところとのことですので、こうした動きを捉えて2020年オリンピック・パラリンピックに向けた機運醸成や多様性が尊重されることの大切さを子どもたちにも大人にも感じていただけるように取り組みが可能かどうか、検討してまいりたいというふうに思います。


◯都市整備部長(若林俊樹君)  私のほうから市長の答弁に補足しまして、問いの10番目、ユニバーサルデザインタクシーの待機場としての公共施設の活用についてでございますけれども、ユニバーサルデザインタクシーの利用環境整備の1つとして、駐車場の確保の必要性については、地域公共交通活性化協議会の中で御意見もいただき、把握しているところでございます。公共施設の駐車場の活用につきましては、課題等を整理し、庁内の関係部署やタクシー事業者等と関係機関と調整する必要があると考えております。
 続きまして、11番目、空き駐車場におけるユニバーサルデザインの専用待機場としての活用についてでございますけれども、UR賃貸住宅や都営住宅の住民の高齢化の状況やユニバーサルデザインタクシーの普及状況等を踏まえ、あいている駐車場の利活用についてですね、事業者等にですね、研究するようにですね、働きかけていきたいと思っております。
 以上です。


◯4番(粕谷 稔君)  御答弁ありがとうございました。市長からもお話いただきまして、先日も朝日新聞──多分、市長がおっしゃっていた、立川が、ぜひこのアール・ブリュットの拠点づくりをということで名乗りを上げられたという記事も出ておりました。中野でも、特例子会社があったりとか、障がい者施設の方々が中心となって、中野にもぜひというようなですね、このアール・ブリュットの拠点づくりという形で推進を今、進んでいるというような情報もお伺いしました。そうした意味からするとですね、東京23区、多摩地域でも立川とか中野、ちょうど間が三鷹になると思いますので、何かしらですね、なかなか公共用地が三鷹市も大きくあるわけでもございませんし、難しい課題等はあるかとは思うんですけれども、すごくこれから、オリンピックに向けた、またユニバーサル社会に向けてですね、アール・ブリュットの推進、大事かと思いますので、さまざまな可能性について検討していただければというふうに思います。これ、1点、御要望なんですが。
 次にですね、先ほど市長からもありましたユニバーサル映画についてなんですが、今回、三鷹市でもですね、ユニバーサル映画、「おくりびと」を皆さんで12月5日ですかね、協働センターで障がい者福祉懇談会の皆様と、ユニバーサル映画の開会の機会があるということで、先ほどちょっと触れましたけども、芸文のですね、例えば往年の惜別シリーズですかね、往年の俳優の映画、本当に中高年を初めとしてですね、多くの方で、毎回、大好評を得ているというお声もいただきました。まず障がい者の方がそういう機会に触れるということも必要ですし、健常者、普通の方々もですね、このバリアフリー映画ですね、の存在をこれから知っていただくという意味でも、例えば芸文とか公会堂等で、こういう企画するところでバリアフリー映画のですね、上映をふやしていっていただきたいと思うんですが、この点について、御所見をまず1点伺いたいと思います。


◯副市長(内田 治君)  ただいまのですね、御質問につきまして、特に具体的に芸術文化センターとかですね、というような話もありましたので、失礼して私のほうからお答えしますが、先般の別の議員さんの御質問でもお答えしましたとおり、毎年度ですね、しっかりと当該年度や前年度の事業の振り返りをしながらですね、課題の洗い出しをして取り組む形で芸術文化振興財団も事業に当たっております。
 ここで、また私も新しく理事長についてですね、事業全般にわたって、今、御指摘があったような新たな課題などもしっかり見据えてですね、職員を初めさまざまな幅広い意見を聞きながらですね、新しいチャレンジなどもですね、可能かどうか含めて、しっかりとこれ、対応をしてみたいと。検討はしていきたいというふうに考えております。


◯4番(粕谷 稔君)  ありがとうございます。社会福祉法人聴力障害者情報文化センターというところでですね、この16ミリ、字幕映画フィルムというのをですね、郵送費だけで貸し出しをしていると、これ、ちょっとデータ的には2010年という古いデータなんですが、先ほど来、指摘させていただいて恐縮ですが、寅さんの字幕映画もほぼ全部そろっているのかなというような状況もございますので、こうしたこととまた連携していくということで、さらに障がい者の方々、また健常者の方もですね、三鷹市が本当に市のバリアフリーのまちづくり、真剣に目指しているんだということにつながるというふうに思いますので、この辺もまたさらに進めていただければと思います。
 それから、ユニバーサルデザインタクシーの件につきまして、都市整備部長からも御答弁いただきました。本当に今、先ほどの学生の活躍の場もそうなんですが、なかなか、コミュニティバスの見直しも一生懸命やっていただいているかと思います。しかしながら、やっぱり90分に1本だったり、1時間に1本のバスルートではなかなか、そうはいっても出づらいものがあるということでですね、本当にオンデマンドの交通の要望というのは高いと思うんですけれども、こうした例えば公共施設──民間事業者と連携をすることでですね、公共施設の駐車場を待機場所という形で活用していただければ、これがいいか悪いかは抜きにして、タクシーシェアリングということでは、なかなかこれも、タクシーが何カ所か人を拾ってということが、国土交通省もお認めになっていただけないという状況がある中で、例えばこうしたところに待機場があればですね、高齢者の方々も、待ち合わせをして買い物に行く。私は途中で病院におりて、もう一人の方は、例えば三鷹駅まで買い物に行くというですね、タクシーですから、やっぱり初乗りの料金、どうしても高くなりますから、そうした利活用もね、できるというような住民の方からのお声もあります。こうしたこともありますので、積極的に公共施設、並びに都営住宅で今、いっぱい──私の近所の都営住宅もそうですけれども、駐車場ががらんとあいてしまって、違法駐車を避けるために柵が無造作に置かれているという、何かこう、まちづくりというかですね、の風景としてはいかがなものかなんていうような殺風景な空気もありますので、こうした事業者ともですね、先ほど市長も、URからもそうした提案がある旨の御答弁いただきましたけれども、積極的に、規制はあるにしても、連携をとりながらですね、課題解消に向けて、また市民のニーズに応えるための力強い行政のやっぱり主導が僕は必要だというふうに思いますので、この点1点、また再質問させていただきまして、市長の意気込みをお伺いできればと思います。


◯市長(清原慶子さん)  そこにニーズがあり、そして、公共空間にあいている場所があるので、今、質問議員さんが言われたようなタクシーが、高齢化が進んでいる団地等に待機場所があるというのは、有効なように考えてはいます。ただ、ここで課題があるのはですね、じゃあ、どこのタクシー会社がそこを使うのか、全てに開いていくのか、指定するのか、つまり、オンデマンドのメリットというのは、時間がある程度特定されていて、迎えに行ってもロスがないわけですが、そこに待機はしています。でも、待っていますが、なかなかお客様が来ませんといったときに、やっぱり営業上困難になりますから、ボランティアではないので、そこの辺が難しいなと思います。
 ハンディキャブの皆さんは、福祉運送ということで特別な免許も持って、研修も積んでやってくださっています。ただ、もちろんそれだけでニーズに応じ切れないので、ワンコインのオンデマンドタクシーも頑張ってくださいよっていうふうな機運があるのが三鷹市であることも事実です。したがいましてですね、これ、なかなか難解な問題で、ニーズがあって、もし開いてくれたら、そして協力してもいいよというタクシーの会社等があればいいんですが、それが本当のニーズとどのぐらい合致するか、それをどう、誰がコーディネートするかというあたりだと思います。
 先ほど担当部長も答弁いたしましたように、地域公共交通活性化協議会では、鉄道やバスだけじゃなくて、タクシーも重要な公共交通として位置づけて議論をしていただいていますので、ぜひ、今いただきましたような問題提起を受けてですね、ニーズがあるわけですから、それが本当に充足されるあり方について検討を進めていきたいと考えております。


◯4番(粕谷 稔君)  市長から心強いお言葉いただきましたので、我々もまたしっかりとですね、地域の声、地域の代表でございますので、課題解消に向けてできることを何でもさせていただく決意でございます。
 先ほどコミュニティ・センターの──済みません、もう1点、点字ブロック、重点的にということでお話をいただきました。今回ですね、私も日ごろ、駅に、1週間に一遍なり立たせていただいて、視覚に障がいのある方がですね、点字ブロックを使われているところを拝見させていただきまして、今回、自分自身も武蔵境の駅、三鷹の駅、吉祥寺の駅、井の頭公園、三鷹台駅、それぞれ点字ブロックが今、どういう状況なのかというのを全部見させて、歩かせていただきました。その中で、今回、点字ブロックに関しましては質問を見送った経緯なんですが、収穫としては、井の頭線の吉祥寺駅の1番ホームにホームドアが設置されて、12月の6日から稼働するという情報を駅員さんから仕入れられたことが成果だったんですが、やはり自分自身がそうやって歩いてみて、本当に今、なかなかホームドアの問題も以前質問させていただいて、進まない状況があるわけですけれども、本当にそうした中で真のバリアフリーということが、難しい課題でもあり、大変重要な課題であるなということを痛感させていただいたために、今回こういう質問をさせていただきました。
 これからもですね、12月、この障害者週間なんですが、温暖化防止月間でもあったりとかですね、やっぱり月々のイベントってなると、本当に市長は一番わかっていらっしゃると思いますけれども、忙しいですよね、我々も含めてなんですが。だけれども、特にこういった大事な課題に関しましては、日ごろから我々一人一人が障がい者の皆様方と触れ合って、真の意味で心のバリアフリーを感じられる夢のある三鷹のまちづくり、さらに進めていただきますようにですね、アール・ブリュットの推進とあわせましてお願いをしまして、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。


◯議長(後藤貴光君)  以上で粕谷 稔君の質問を終わります。
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◯議長(後藤貴光君)  この際、議事の都合によりしばらく休憩します。
                  午後3時14分 休憩



                  午後3時45分 再開
◯議長(後藤貴光君)  休憩前に引き続き、会議を再開します。
    ──────────────────────────────────────


◯議長(後藤貴光君)  一般質問を続けます。
 次の通告者、1番 寺井 均君、登壇願います。
                〔1番 寺井 均君 登壇〕


◯1番(寺井 均君)  議長より御指名をいただきましたので、通告に従いまして市政への一般質問をさせていただきます。
 今回は、認知症の取り組みについてと出生率についての2つの観点からお聞きします。
 最初の項目、認知症の取り組みについて質問します。
 10年後の2025年には認知症の方が約700万人、高齢者の5人に1人の割合になると推計されています。政府は、これまでのオレンジプラン(認知症施策推進5か年計画)を国家戦略へと拡充し、新オレンジプラン(認知症施策推進総合戦略)を策定しました。新オレンジプランでは、認知症の人の意思が尊重され、できる限り住みなれた地域のよい環境で自分らしく暮らし続けることができる社会の実現を目指すことを基本的な考え方としています。今後ますます認知症の方が増加すると考えられることから、認知症への理解を深めるために普及啓発の推進は欠かすことはできません。
 三鷹市では、認知症の高齢者等が住みなれた地域で、いつまでも安心して暮らせるまちづくりを進めるために、認知症にやさしいまち三鷹の取り組みを進めています。認知症に対する意識啓発のために、地域包括支援センター、関係市民団体と協働し、キャンペーン、講演会やパネル展、認知症サポーター養成講座を開催し、三鷹・武蔵野認知症連携を考える会で作成したもの忘れ相談シートを活用するとともに、認知症施策の検討及び推進を行う認知症地域支援推進員を配置し、認知症疾患医療センターに指定されている杏林大学医学部付属病院と連携して、認知症の早期発見・早期診断のための体制整備を進めています。
 さらに、ヘルパーやケアマネジャー等を対象に認知症に係る研修を実施し、人材の育成、介護レベルの向上を図っています。そして、目標指標を地域包括支援センター等と連携して、認知症に対する意識啓発を図り、認知症疾患医療センターと連携して、認知症の早期発見・早期診断のための体制整備を進めるとともに、認知症にかかわる介護人材のレベル向上を図るとしています。
 その中で、認知症にやさしいまち構築のために、認知症地域支援の推進、機能・施策の充実が大切と考え、質問いたします。
 1番目に、認知症地域支援についてお聞きします。
 認知症の方が、できる限り住みなれた地域で暮らすためには、必要な医療や介護、さらには日常生活における支援が有機的に結びついた体制を構築することが大切と言われています。そのために、医療機関、介護サービス事業所や地域の支援をつなぐ体制の強化が必要であります。そこで、認知症地域支援推進員の取り組みについて、4つお伺いします。
 最初に、認知症地域推進員は、どういう方が、どれぐらい配置されるのか、また、当初の充足度及び2025年以降のピーク時に向けて、増員等の方向性、見通しをお伺いいたします。
 また、地域において認知症の方への支援を行う関係者が、情報交換や支援事例の検討は、現在どのように行われ、認知症地域支援推進員の取り組みとしてどのような深化が図られるのかお伺いいたします。
 次に、三鷹市における地元医師会やサポート医等とのネットワーク形成の検討はどのように進み、認知症地域支援推進員による取り組みによる効果はどのように考えられるのか、お聞きいたします。
 そして、現在における認知症の方や家族が、状況に応じて必要な医療や介護等のサービスが受けられるよう、関係機関等への周知やつなぎ及び連絡の調整はどのように行われ、今後、どのように強化されるのでしょうか、お尋ねをいたします。
 次に、認知症地域支援の取り組みについてお聞きします。
 最初に、若年性認知症の方の状況に応じた適切な支援の検討及び支える家族へのサポートの現状と今後の取り組みについてお伺いいたします。また、在宅介護サービス事業者に対する認知症研修の把握状況と今後の取り組みについてもお伺いをいたします。そして、認知症の方を介護する家族等のネットワーク構築を目的とした交流会等の実施状況と今後の取り組みについてお聞きをいたします。さらに、多職種が参加する認知症の方の支援のための研修会や事例検討会の開催状況と今後の取り組みについてはいかがでしょうか。
 2番目に、かかりつけ医の認知症対応力向上についてお聞きします。
 早期診断のためには、家族とともにかかりつけ医による初期段階での気づきが症状の悪化を防ぐことにつながることから、認知症診断の知識や家族からの相談に対応する能力などの向上を図るため、認知症対応力向上研修を実施することが大切だと考えます。そこで、高齢者が日ごろから受診する医師を対象に、認知症診断の知識や家族からの相談に対する能力などの向上を図るかかりつけ医認知症対応力向上研修を実施している市もありますが、三鷹市における三鷹市医師会とのこれまでの協議、取り組み、受講状況をお伺いします。
 また、受講啓発の現状と研究修了者をどのような方法で市民の方に周知されているのか、お尋ねいたします。
 3番目に、認知症初期集中支援チームについて質問します。
 認知症サポート医の指導・助言のもと、保健師、看護師、介護福祉士、社会福祉士、精神保健福祉士などの専門職が、認知症が疑われる高齢者のもとを訪問し、専門医療機関への診断を行えるようにしていく認知症初期集中支援チームを展開している他市の事例もあります。認知症初期集中支援チームについての御見解、これまでの協議、今後の検討についてはいかがでしょうか。
 4番目、認知症の方を支える介護者への支援の取り組みについて質問します。
 認知症の方の介護を行っておられる家族が集う交流会の開催や、家族介護教室、認知症講座、介護者リフレッシュ事業などの取り組みが大事と考えます。これまでの市としての認知症の方を支える介護者への支援の取り組みについて伺います。
 また、認知症の方及び家族介護者の憩いの場、情報交流の場として、以前にもお話しした認知症カフェなど家族の支援ということで取り組んでいる自治体もあります。これまでの市としての取り組み、今後の深化についてのお考えをお聞きします。
 5番目に、認知症教育について質問します。
 子どもたちに認知症について正しく理解してもらい、認知症の方やその家族を温かく見守る応援者となってもらうことは、非常に大事なことと考えます。学齢期にある子どもたちに、認知症と認知症の方に対する正しい知識と理解の普及啓発として、サポーター養成講座やオレンジ教室を行い、学校や地域などと連携して養成すべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。
 大きな2つ目の項目、出生率について質問します。
 我が国の生産年齢人口は2010年から減少し続け、今後もさらなる減少が見込まれています。政府はこれまでも少子化対策に取り組み、合計特殊出生率は2005年の1.26を底に上昇傾向に転じたものの、直近2014年は1.42で、出生数100万3,539人で、前年比はマイナス2万6,277人、このペースでいくと早ければ来年にも年間出生数が100万人を切るという状況になっており、依然として少子化傾向の改善は見られません。生産年齢人口の減少は、労働力不足や内需の縮小による経済活力の低下に加え、世代間格差など社会保障制度の崩壊を招きかねません。
 このため、女性や高齢者等多様な人材の活躍を促進することはもとより、徹底した少子化対策を進めることが重要であります。特に自治体としても、若い世代が明るい将来を見通せるように、持続的な経済成長の達成に全力を挙げるとともに、結婚し子どもを産み育てるという社会的機運を高め、環境を早急に整備し、人口減少社会からの脱却を図らなければならないと考え、質問をいたします。
 最初に、東京都の市部での出生率最低になった状況について質問いたします。
 厚生労働省の人口動態統計で、女性が生涯に産む子どもの総数を推定した2014年の合計特殊出生率が全国最低1.15(全国1.42人)となった東京都は、10月20日、都内の詳細な統計を発表しました。それによりますと、出生率は前年より0.02ポイント上昇、30代の出生数の増加が全体を押し上げ、40から44歳の出生数も18年連続で増加しているとのことでありました。
 区市町村別に見ると、区部の最高は江戸川、港両区の1.39、最低は新宿区の0.97で、市部の最高はあきる野、東久留米両市の1.43で、最低は清瀬、三鷹両市の1.16であります。都内全62区市町村のうち、全国の出生率を上回ったのは9自治体にとどまりました。また、都の平均初婚年齢は、夫32.3歳(全国31.1歳)、妻30.5歳(全国29.4歳)で全国最高。23年に全国で初めて30歳を超えてから上昇を続けており、晩婚の傾向が顕著になりました。都内における市部の最低となった三鷹市において、出生率向上の取り組みをさらに進めるべきと考え、質問をいたします。
 最初に、都内における市部の最低となった状況をどう捉えているのか、改めてお伺いいたします。
 次に、妊娠・出産・育児に当たり、困ったことや不安の解消についてお聞きします。
 ある調査では、妊娠・出産・育児に当たり、困ったことや不安なことの第1位が、育児にかかる費用が負担になるということであります。新しい命が社会に仲間入りする際に、費用は必要不可欠なものでありますが、それが保護者らの大きな負担になるのでは問題と言わざるを得ません。ただし、これらの費用においては、公的補助の制度も複数存在しており、それを知らずに利用していない事例もあるとのことであります。両親に対し、コミュニティ、リアル、ネットともに情報収集をして、制度の周知徹底を行うことが必要とのことであります。三鷹市の現状をどのように捉えているのか、お尋ねいたします。
 次に、出生率向上の取り組みについて質問します。
 出生率の低下の主因は、未婚率の上昇によるものであります。我が国が少子化に転じる前の1970年代前半と現在とを比較すると、合計特殊出生率は2.13から1.42まで大幅に低下しており、特に25歳から29歳の女性の未婚率の上昇が著しいとのことであります。未婚化は少子化の直接の原因の7割を占めるとの研究もあり、若い世代の結婚意識が高い中、未婚化が進む大きな要因として、経済的基盤が弱く、将来の見通しが立てられないことが挙げられています。特に年収が300万円未満の20代、30代の男性の既婚率、結婚3年以内はわずか9%であり、年収300万円以上600万円未満の男性より20ポイント以上も低くなっています。20代、30代の男性のうち、年収300万円未満は47.4%、すなわち20代、30代の男性の約半数は結婚が難しい状況にあるということであります。こうした状況を改善するためには、未婚者自身が、結婚可能な経済的基盤の形成に最大限努めることはもちろんであり、職業能力開発や就労支援の強化を通じて、若い世代の雇用安定、所得向上を図ることが重要でございます。特にジョブ・カード事業は、訓練修了者の正社員率(76.7%)や、前職からの給与の伸び率(15.6%増)が高く、効果的であることから、一層の普及が必要であると考えます。三鷹市におけるジョブ・カード事業の取り組み状況、市民の利用状況をお伺いいたします。
 次に、待機児童ゼロの取り組みについて質問します。
 内閣府男女共同参画局のワーク・ライフ・バランスに関する意識調査によると、第一子妊娠がわかったときには就業しており、その子が1歳になったときには就業していなかった、現在6歳未満の子どもと同居中の女性で構成されている調査対象母集団では、自分の就業について、保育園に子どもが預けられれば、自分は仕事を続けていただろうと考える人が最も多く、半数を超えていることがわかりました。次いで時短勤務など職場における育児との両立支援制度、職場における仕事、家庭の両立に対する理解があれば仕事を継続できていただろうと考える人が上位についています。出産しても必ず保育所に預けられ仕事を続けることができ、経済的にも安心である確証がなければ、出産に踏み込めない事実があります。出生率向上のためにも待機児童ゼロの取り組みを進めなければなりません。改めて市長の決意をお聞きしたいと思います。
 また、夫婦相互理解の取り組みについてお聞きします。
 意識の男女差を見ると、絶対値で最大の差が開いているのは、自分の自由な時間が持てない、仕事との両立が難しいも合わせ、夫婦間での時間的な負担は主婦のほうが大きいことがわかります。夫が主婦の気持ちを推しはかり、手助けを積極的に行うことで負担が減り、安心して子育てが営め、積極的なサポートが子育てにポジティブになることは、結果論的な数字ですが、夫の家事手伝い時間が長い夫婦ほど、さらに子どもをもうける確率がアップしているということであります。夫婦相互理解のためには、出産育児講座が有効と考えます。現在の取り組み、成果、今後の展開についてお伺いいたします。
 次に、少子化対策、地域活性化を目的とした婚活事業についてお聞きします。
 東京商工会議所の各支部を初め、各地の商工会議所では、少子化対策や地域活性化策として婚活事業を展開しています。平成23年に婚活事業を実施した商工会議所は134カ所、実施回数は述べ237回、延べ参加者数は男性9,373人、1回平均40人、女性8,925人、1回平均38人で、1,071組のカップルが成立したとのことであります。三鷹市としても商工会議所等とタイアップした婚活事業を推進すべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。
 次に、妊娠・出産をちゅうちょさせない医療体制等の整備についてお聞きします。
 現在、国民の希望する出産が2人以上という中で、晩婚化や晩産化等により、子どもを欲しいと思っていても、身体的理由で妊娠できない人がふえてきています。また、高年齢で妊娠や出産に不安を感じ、希望する子どもの数を持てない夫婦も増加傾向にあります。こうした動向等を背景に、アンケートでは、子どもが欲しいと思う人をふやすために有効な施策として、安心して子どもを産み、育てることができる医療体制の整備が多く挙げられています。
 自治体には、妊娠や出産への不安を解消するために、産科・小児科医の確保、夜間診療体制の確立等医療体制の整備が求められているとともに、安心して子どもを産める環境が整えられていることを市民に周知することが重要であります。不妊・不育を予防するために、妊娠に関する専門的かつ正確な情報を提供することも不可欠であるとのことであります。また、ニーズの高い不妊・不育治療費を年齢や回数等の一定の要件のもと助成することや、無痛分娩費への助成を検討する必要があると考えますが、御所見をお伺いいたします。
 以上で壇上からの質問は終わりますが、御答弁によりましては自席からの再質問を留保させていただきます。御答弁のほどよろしくお願いいたします。
                〔市長 清原慶子さん 登壇〕


◯市長(清原慶子さん)  認知症の取り組みについての御質問から答弁をいたします。
 去る11月28日土曜日に、第4回認知症にやさしいまち三鷹の取り組みをいたしました。これは、三鷹市と三鷹市の地域包括支援センターの共催で行ったものですが、午前中の認知症サポーター養成講座、実は参加無料、申し込み不要、当日会場までお越しくださいとしたものですから、会場を結構広く用意したんですが、100人を超える方が認知症サポーター養成講座を受けてくださいました。そして、その皆様を含めて、午後の市内ののぞみメモリークリニック院長の木之下徹先生の、「認知症とともに生きる」という講演も、その皆様、100名以上の方が聞いていただいて、席をふやすほどでした。後藤議長にも応援に駆けつけていただきましたけれども、認知症にやさしいまち三鷹の取り組みは4回目となりますけれども、実は国の動向などを踏まえて、市民の皆様の関心度は今まで以上に高まっているというふうに認識をしております。
 そこで、御質問の1番目から4番目、認知症の家族支援や認知症地域支援推進員について、一括してお答えいたします。
 三鷹市では、認知症の早期発見・早期診療における支援体制の整備を進めるため、平成27年4月に認知症地域支援推進員──これは保健師を1名、高齢者支援課に配置いたしました。その役割は、地域包括支援センターや介護サービス事業者、専門医療機関等と連携し、地域において認知症の方々を支えていく仕組みづくりとコーディネートを行うものです。これまでも三鷹市では、質問議員さんも御紹介されました三鷹・武蔵野認知症連携を考える会の取り組みによりまして、地域包括支援センター等の相談機関、かかりつけ医や専門医療機関等との密接な連携体制を構築してきました。また、在宅ケアを支える多職種交流会などを通して情報共有と事例の検討などを行う中で、認知症への共通理解を深める取り組みを進めてきています。
 さらに、平成27年10月には、認知症疾患医療センターであります杏林大学医学部付属病院と協定を締結いたしまして、認知症の方への訪問支援、いわゆるアウトリーチを始めました。これまで認知症の方や御家族からの御相談につきましては、主に地域包括支援センターが相談を受けて、必要な医療機関や介護保険のサービスにつなげてきました。今後は、複数の関係機関との連携や困難を伴うケース等については、認知症地域支援推進員がコーディネートすることで、より迅速できめ細やかな支援ができるものと考えております。なお、増員につきましては、現状を検証しつつ、今後の検討課題とさせていただきます。
 次に、御質問の5点目、若年認知症の支援の現状と今後の取り組みについてお答えします。
 若年認知症は、高齢で発症する認知症とは異なりまして、社会的、家庭的に深刻な問題を生じる病気でございます。したがいまして、専門のコーディネーターが個別の相談に対応する東京都若年性認知症総合支援センターを御案内したりしています。
 若年性認知症につきましては、地域包括支援センターが御本人や、あるいは御家族から相談を受ける例もありまして、先ほど申し上げました東京都若年性認知症総合支援センターや専門医療機関と緊密に連携をとりながら、個々のケースに応じて丁寧に対応をしています。御本人や御家族が少しでも早く適切な支援を受けられますよう、今後も広域的な視点で東京都や関係機関と連携を図りながら取り組んでまいります。市や地域包括支援センターの窓口には、東京都福祉保健局が作成しました若年性認知症ハンドブックを置きまして、相談の際に活用しています。
 御質問の6番目、在宅介護サービス事業者に対する認知症研修についてお答えします。
 三鷹市を経由して参加者を募集している研修といたしましては、東京都の主催する認知症介護実践者研修や実践リーダー研修等があります。そのほかにも関係機関等で研修が行われているようです。しかしながら、これらは管理者向けの研修が多いことから、本年度三鷹市の主催で、認知症の方の目線で認知症を理解するという内容の研修を、認知症高齢者に直接かかわることが多いケアマネジャー向けに実施することにしております。さらに、ケアマネジャー向け研修や実地指導などにおきまして、認知症高齢者に対する虐待防止研修の受講などを促しまして、支援の質の向上に努めているところでございます。
 次に、御質問の8番目、多職種が参加する認知症の方の支援のための研修会等の開催状況と今後の取り組みについてお答えします。
 三鷹・武蔵野認知症連携を考える会では、認知症の方の支援について、研修や事例の検討を行っているほか、在宅ケアを支える多職種交流会においても、認知症支援に対する意見交換や事例の検討を行っています。
 次に、御質問の7番目の認知症の方を介護する家族等の交流会の実施状況と今後の取り組みを、12番目、13番目の御質問と一括してお答えいたします。
 現在、認知症の方を介護する御家族を支援する取り組みとして、社会福祉協議会に委託して家族介護者交流事業を行っています。介護者の方々が集い、情報交換する場の介護者談話室の開催や、リフレッシュや交流を目的とした介護者のつどいという1泊旅行などを実施するほか、介護者サポーターの養成にも取り組んでいただいています。今後は介護者が必要とする支援について、認知症カフェなども含め、認知症ケアパスを作成する中で検討を進めていきたいと考えています。
 なお、実は御家族からこんな御相談もあります。ちょっと疲れてきたので、ショートステイを使いたいんだけれども、なかなか本人がそれを納得しない。したがって、もう介護者が疲れている。このような場合に、先ほど申し上げましたような認知症の支援推進員がきめ細かい御相談に乗ることで解決に向けられればと考えております。
 御質問の9番目、10番目、三鷹市におけるかかりつけ医の研修の取り組み状況、また市民への周知についてお答えいたします。
 東京都の認知症サポート医養成研修の修了者につきましては、市ごとに東京都の認知症ポータルサイトの認知症サポート医名簿に掲載されております。このほか三鷹市では、三鷹・武蔵野認知症連携を考える会の取り組みの中で、三鷹市医師会の御協力のもと、もの忘れ相談医として登録していただいた医療機関について、市のホームページやお年寄りのためのしおりなどで御案内をしています。今後は在宅医療、介護連携の体制整備を進める中で、認知症についての理解をより一層深めていただく研修等についても検討していきます。
 次に、認知症初期集中支援チームについてお答えします。
 国の認知症施策推進総合戦略、いわゆる新オレンジプランでは、平成30年度までに全ての市町村が認知症初期集中支援チームを設置することを目標としています。今後は医療・介護等関係機関とのより一層の連携を進めていく中で、ことしの10月から始めました認知症アウトリーチの取り組み状況及び先行事例を検証しながら、目標年次に向けて検討してまいります。
 次に、大きな2番目として出生率についてお答えいたします。
 御質問の15番目、市として都内における市部の最低となった合計特殊出生率の状況をどう捉えているかという御質問です。
 出生率が26市の中で最低となったということですが、三鷹市として最低であった10年前の0.94から着実に上昇し続けていることもありまして、私たちとしては冷静に受けとめています。1.16という出生率については、各市、各区が子育て支援に力を入れている中で、23区の区部に接しているという三鷹市の立地的条件を鑑みますと、以前からおおむね都内の平均と同レベルであること、また、隣接区が三鷹市と同レベル、あるいはそれ以下の出生率であることから、ある程度想定していた数字でございます。一方で三鷹市は、子育て世代に選ばれる自治体でありたいと考えており、就学前の児童人口及び児童人口がともに引き続き増加し続けていることも事実です。保育の質を確保しつつ、待機児童の解消を図ることに努めるとともに、地域子ども・子育て支援事業等適切なサービスメニューを有効に活用していただくため、利用者の支援事業を充実する必要があると考えております。
 御質問の16番目、妊娠・出産・育児にかかわる三鷹市の制度の周知を進めるなど、不安解消策についての御質問です。
 妊娠届、母子手帳交付時に配付している母子バッグや、乳児家庭全戸訪問時に配付しているオレンジパックを初め、従来から子育て支援事業の積極的な情報提供に努めています。出生届後に子育て支援課で行う児童手当と乳幼児医療費助成の手続時に、新生児訪問と乳児家庭全戸訪問事業の御案内を実施しています。
 さらに今年度から子ども・子育て支援新制度とともに導入されました利用者支援事業を活用して、相談機能を充実させてきています。支援拠点の拡充や子ども政策部と健康福祉部の総合保健センターとが密接に連携することによりまして、妊娠期からの切れ目のない支援に取り組んでいます。
 また、さきの質問議員さんにお答えいたしましたが、やはり大切なのは、全ての妊娠された女性に対して、妊娠期からの切れ目のない支援をさせていただくことで、特別な問題がなくても、全ての妊娠中の方にですね、ぜひ妊娠届の際等に丁寧な御相談と情報提供に努めていければと思っています。なお、最近の妊婦さんはインターネット世代でございます。したがいまして、みたか子育てねっとを活用した情報提供や、インターネット利用子育て相談についても充実させてきております。もちろん直接会うということも大事なんですが、まずは最初の一歩として、こうしたネットワークを活用した支援にも取り組んでまいります。
 次に、待機児童ゼロの取り組みについて市長の決意をということでございまして、保育定員については、民間の認可保育園や認証保育所を開設支援し、市立保育園の定員を弾力化してきたことにより、平成15年度から平成27年7月までの12年間で約1,500人の定員の増加をしてきたわけでございます。しかしながら、入所申込者の急増によりまして待機児童の解消には至っておりませんで、まだ200人いるわけでございます。
 待機児童の解消については、子ども・子育て支援新制度においても最重要課題の1つと認識しています。この3月に策定した三鷹市子ども・子育て支援事業計画では、平成30年4月に待機児童を解消する見込みを立てたところです。計画では、ニーズ調査に基づくニーズの見込みの前提となる推計人口には、今後の大規模開発による流入人口も一定程度見込んだところです。しかし、開発行為や入所申し込みの状況、そして、子育て支援を妊娠期から進めようとしているわけですから、もっと言えば妊娠前からですね。ですから、これによってですね、見込みを立てておりましたが、ひょっとしたら出生数がふえるかもしれない。いやいや、ふやさなければいけないと思っているわけですから、30年4月に解消と言いましたけれども、ひょっとしたらですね、見込みどおり解消が進まないこともあるかなということを思っているわけです。
 ただ、私が心がけているのは、子ども政策部の保育担当の職員や保育園長と話しているんですけど、いかに保育の質を維持・向上し、民間の認可保育園や認証保育所等々の皆さんにも、三鷹市の保育の質を一緒に高めていきましょうと、こういうことを進めながら保育定員の拡充に取り組むことが重要であると思っております。したがって、私の場合は、待機児ゼロを目指しているんですけれども、あんまり気持ちがないわけじゃなくて、宣言するんじゃなくて、一緒に目指しながら、何よりも質を担保したい。そして、在宅子育て支援にひろば事業や一時保育がとても役に立っていますので、そうしたサービスを充実していくというバランスも考えていきたいと思っております。
 私からの最後の答弁でございまして、夫婦相互理解のための取り組みっていうことで、あんまり市長初め職員が、夫婦関係に立ち入ることはできないんですね。しかしながらですね、とても大切なのは、出産前に御夫婦で参加していただける講座の、両親学級の意義なんですね。これは、隔月の土曜日に実施しまして、平成26年度には622人の方に参加していただきました。受講後のアンケートでは、ほとんどの参加者が、積極的に育児に参加していきたいと、このように思いを表明されています。子育てを夫婦で行う意識づけに効果があったものと考えています。
 両親学級では、妊娠期から産後に起こる母親の心身の変化、母親の育児負担などの話題を取り上げまして、夫婦で子育てする意義なども御夫婦そろって学んでいただいています。また、積極的に育児に参加していただくためのきっかけづくりとして、プレパパには沐浴の実習や妊婦の疑似体験なども行っていただいているわけですね。今後も御夫婦が育児や家庭での役割分担などについて話し合い、これがベストで、こうしなさいということはないわけですね。御夫婦によって、御家族によって条件が違うわけですから。しかし、大切なのは、生まれてくる子ども、そしてもう既に生まれている上の子がいるならば、そうした子どもたちを含めて、ともに話し合い、支え合い、育児をしていくという、こういう気持ちをですね、強めていただくことでございます。引き続き、そうした機運醸成の講座内容を工夫し、ワーク・ライフ・バランスをですね、積極的に取り入れていただくよう取り組みを進めてまいります。子ども政策部と健康福祉部の総合保健センターとは、これまでもそうした支援で連携をしてまいりましたが、今後ともですね、連携を強化するとともに、ファミリー・サポート事業等さまざまな育児サービスについても周知をさせていただきまして、母親の育児負担が軽減され、夫婦そろって、両親そろって子育ての喜びを感じていただけるような条件整備に心がけていきたいと思います。
 その他については、担当より答弁いたさせます。


◯教育長(高部明夫君)  それでは、私のほうから認知症教育についてお答えをいたします。
 小学生、中学生が認知症について学ぶということは、現在進行中の核家族化、超高齢化の中で、高齢者との接し方を理解するのみならず、高齢者に対する人権意識、あるいは相手を気遣う思いやりの心を育てるという意味で大変意義があるということと捉えております。現在、福祉というものを1つのテーマにした総合的な学習の時間ですとか、あるいは特別活動の時間など、限られた時間の中で工夫をして活動を行っている小学校の例もございます。子ども向けのプログラムも用意されておりますので、今後はそういった認知症ジュニアサポーター養成講座も含めてですね、この学習をさらにほかの学校にも広げていくための検討を進めてまいります。
 以上です。


◯子ども政策部長(竹内冨士夫君)  私からは市長の答弁に補足をいたしまして、出生率向上の取り組みに関連をいたしまして、三鷹市におけるジョブ・カード事業の取り組み状況、市民の利用状況についてお答えをいたします。
 御指摘のように出生率低下の要因と言われる未婚化を食いとめるため、若い世代の雇用安定、所得向上を図ることが重要というふうに考えております。御質問の中のジョブ・カード事業については、国が都道府県労働局や公共職業安定所等において直接実施している事業であり、三鷹市における取り組み状況や市民の利用状況について、直接把握することは困難でございますが、若い世代への普及啓発と市が国と連携してできる役割については、十分果たしていきたいと考えております。
 なお、ハローワーク三鷹管内での交付枚数については、平成25年度305件、平成26年度718件、平成27年度上半期については350件と伺っているところでございます。
 以上です。


◯生活環境部調整担当部長(田口智英君)  私からは質問の20番目の婚活事業についてお答えをさせていただきます。
 婚活や街コンなど、結婚支援の活動が全国的に行われているところでございますが、都市部におけるこうした活動につきましては、そのほとんどが民間主導で行われてございます。平成25年には三鷹商工会の青年部が中心となりまして、青年会議所、JA青壮年部、まちづくり三鷹、みたか都市観光協会等と連携して、街コンの実施に向けた協議を進めてまいりました。実施には至りませんでしたけれども、今後、そうした機運が高まってきた場合には、市としても協力をしていきたいというふうに考えてございます。


◯健康福祉部調整担当部長・保健医療担当部長(濱仲純子さん)  市長の答弁に補足いたしまして、御質問の21番、医療体制の整備と不妊治療や無痛分娩費の助成についてお答えいたします。
 三鷹市内の29カ所の小児科医院があり、東京都の周産期母子医療センターに指定されている杏林大学もあります。また、隣接する武蔵野市には、武蔵野赤十字病院もございます。また、小児初期救急平日準夜間診療や休日診療の体制も整備されていることから、出産・子育てをされる世代にとっては大きな安心につながっているものと考えております。
 不妊治療の助成については、現在、国の助成制度を活用して東京都が実施しています。三鷹市といたしましては、これからも国や都に助成制度の充実を要望していくとともに、市民への適切な情報提供に努めてまいります。なお、一部自治体で実施されている不育治療への助成につきましては、まずはその制度を調査させていただきたいと考えております。
 無痛分娩については、自由診療の分娩の方式となりますので、助成については現時点では困難であると考えております。
 私からは以上でございます。


◯1番(寺井 均君)  御答弁ありがとうございました。幾つか再質問をさせていただきたいと思います。
 最初に、認知症のほうですけども、認知症のアウトリーチチームが発足してですね、進められているということで、これを検証しながら、認知症の初期集中支援チームのところの、平成30年までですかね、進めていきたいということなんですけども、そうしますと、杏林大学付属病院に設置する認証アウトリーチチームと市の認知症地域推進員で今、一緒に相互協力ということでやっているかと思うんですけど、その方がそのままそういう集中支援チームになるということじゃなくて、それとは別の形で集中支援チームが発足されるというふうな考え方でよろしいのか、ちょっとお聞きしたいと思います。
 認知症サポーター養成講座ということで、市民の方のですね、理解というのも大分広がっているかと思うんですけども、なかなかハード面といいますか、インフラ面でまだまだ認知症を支える方の介護者への支援というのが、なかなかまだ理解が進んでないではないかというような意見もいただくんですけども、例えば都営住宅に住まわれている方で、例えば認知症の方が勝手に外に出てしまうので、外にですね、例えば鍵をつけて外に出れないようにしたいということがありました。何でそうなったかというと、やっぱりちょっと目を離したすきにですね、ちょっと買い物に出たすきに、やっぱり出て行かれてしまって、2泊3日ぐらい行方不明になってしまったということがあって、そういうことを踏まえて、外に出られないように外から鍵ができるようにできないかということで、都営住宅の管理をするほうに言ったところですね、そういう鍵の設置とか、そういうものはしないでほしいという形で言われたということなんですね。
 そういう、外から鍵をすると、世間体といいますか、周りから見ると虐待ではないんですけど、そういうイメージも少しあるのかなと思うんですけども、介護している方からすると、それどころではないということもあると思うんですね。そういう理解というものを含めて、都営住宅もそうですけども、例えば三鷹市として市営住宅、そういう案件があった場合、どういう対応をされるのか、ちょっとお聞きさせていただきたいと思います。
 あと、認知症ケアパス、これからつくっていただけるということで、去年の白書にも認知症ケアパスの作成ということがありました。今年度もという形で、他市の認知症ケアパスの冊子を見させていただき、非常に、どういうときに、どういうところに行けばいいか、どういう対応をしてくれるのかというのが細かく載っていまして、すごいいいなと思って、早く三鷹市でもできてほしいなと思っているんですけども、今どういう形で進んでいるのか、どのぐらいをめどにそういうものがつくられてくるのかを教えていただきたいと思います。
 あと、出生率です。市長からも御答弁いただきまして、いろいろな形で頑張っていただいている、当然理解もしていますし、それでもほかの市も頑張っていただいて、三鷹市がこういう形になったときに、やっぱり周りの方から、ええっ、三鷹市って一番低いのということで言われて、環境面からいうと非常に子育てしやすい環境にあるとは思っているんですけども、そういう部分でまた頑張っていきたいなと思うんですけども、新しい、安倍政権が新三本の矢ということを出しまして、その中で希望出生率1.8の実現ということであります。いろんなアンケートをとったところ、夫婦で理想の子ども数はとかですね、予定の子ども数はとか、独身の女性の理想の子ども数を聞いても、全て2人以上で答えるケースが多いということで、子どもが欲しいけどつくれない、マイナス要因を削除することが必要であろうということのデータが出ております。
 アンケート調査でいうと、一番妊娠した、育児に当たって困ったこと、不安なことというのは、育児にかかる費用の負担がということがやっぱり一番なんですね。これが4割ぐらい近くあります。2割ぐらいのところに、出産にかかる費用が負担になるということがあるんですね。さっき出生届を出すときにそういう案内をするということがありましたけども、やはり婚姻届を出すときに、今後やるときに、例えば費用がどのぐらいかかるか、いわゆるマップみたいな、行程表みたいなのがわかるといいかと思うんですけど、婚姻届を出すときに、そういう案内をしていただくっていうことは、今後御検討いただけるかどうか、ちょっとお聞きしたいと思います。
 以上です。よろしくお願いします。


◯市長(清原慶子さん)  再質問の最後の質問なんですが、婚姻届を出されるときに、もしお子さんを産んだら、こういうような支援があるとか、こういう制度があるとか、確かにそういう情報は日本社会では極めて少ないと思います。ただですね、一方で、やはり婚姻をされたからといって、出産についですね、何らかの情報を提供すると、そのこと自身がそれぞれの皆様の、何ていうんでしょうか、ライフプランというか、そういうものに、情報としてだけではなくて、何かすぐ子どもを産むように期待しているんですかというような、そういう感覚を提供してしまわないとも限らない。これは極めてデリケートでして、ただニュートラルにですね、例えばどういうような補助制度があるとか、助成制度があるとか、そういうことを淡々とお知らせできればいいなと思っているんですね。ですから、出産を予定されている方に、こうですとか、そんな切り口が必要だと思うんです。だから、結婚をされたからって、そういう情報を提供すること自体がですね、やや難しさがあるかなと思います。
 実際に、何ていうんでしょうか、周りから余り、結婚したらいつ子どもができるの、いつどうなのっていうことを言われ過ぎて、ちょっとそれがストレスだっていうお声などの相談も届いていないわけではないので、できる限り、質問議員さんの趣旨は、いろんなときに、いろんな情報があったほうがいいし、産もうか産まないかなと悩んでいる人に、こういう支援があるし、出産一時金というのもあるしというのがあれば、それが少しでもヒントになるだろうし、保育園も、2人目、3人目からこういうような補助がありますよということも、知っているか知らないかで全然また判断違ってきますよね。ですから、ただ、婚姻届のときは難しいかなというような印象が現時点あるんですが、いろんなきっかけのときに、適切な社会保障制度、子ども・子育て支援制度、それが広くあまねく同じものなのか、三鷹市独自のものなのか、そういうことがなるべくわかりやすいような情報提供に心がけたいと思います。


◯健康福祉部調整担当部長・保健医療担当部長(濱仲純子さん)  市長の答弁に補足いたしまして、再質問にお答えいたします。
 まず、初期集中支援チームですけれども、今回の杏林大学医学部付属病院とのアウトリーチの協定とはまた別にですね、今後、認知症サポート医である専門医を、嘱託なりというような形になるかどうか、ちょっと今後の検討でございますけれども、そのあたりもですね、今後進めます在宅医療・介護連携の推進協議会の中で、本来あるべき姿というか、三鷹市に一番合った対応の仕方というのを検討していきたいというふうに考えております。
 2点目の都営住宅での例示をいただきましたけれども、個別のケースですので、しっかりとですね、地域包括支援センター、関係者で相談をさせていただいて、その方に一番適した介護サービスなり対応を検討させていただきたいというふうに考えております。
 次に、認知症のケアパスの作成でございますが、こちらもですね、在宅医療・介護連携推進協議会の中でですね、一番適切な、市民にお示しするのに一番わかりやすい形での提供の仕方を検討していきたいと考えております。
 私からは以上でございます。


◯1番(寺井 均君)  御答弁ありがとうございました。認知症ですけども、認知症の方に寄り添うのはもちろんと思うんですけども、介護をされている親御さんといいますか、保護者の方といいますか、御家族の方、その方にやっぱり寄り添う取り組みというのがこれから本当に大事になってくるのかなと思いますので、ぜひいろいろな形でのですね、取り組み、ぜひお願いしたいと思います。
 三鷹市もですね、子育て支援、本当に頑張っていただいて、先ほどありましたようにもう千幾つという形でですね、やっていただいて、いろんな形でやっていただいていることがあるかと思うんですけど、引き続きですね、来年も、出生率最低ってならないような形で、せめて隣の武蔵野市には、頑張ってですね、武蔵野市に抜かれるとは思ってなかったんですけども、そういう形になりましたけども、連続してならないような取り組み、一緒になってですね、取り組みさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。ありがとうございました。質問を終わります。


◯議長(後藤貴光君)  以上で寺井 均君の質問を終わります。
    ──────────────────────────────────────


◯議長(後藤貴光君)  お諮りいたします。間もなく定刻となりますが、本日の予定の終了するまで、時間の延長をいたしたいと思いますが、これに御異議ございませんか。
                (「異議なし」と呼ぶ者あり)
 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。
    ──────────────────────────────────────


◯議長(後藤貴光君)  次の通告者、15番 嶋崎英治君、登壇願います。
                〔15番 嶋崎英治君 登壇〕


◯15番(嶋崎英治君)  それでは、通告に基づきまして質問をさせていただきます。
 現在、本市は第4次三鷹市基本計画第1次改定などで都市交通環境整備について検討を進めているところですが、全国的に地域公共交通の見直し・検討が行われています。とりわけ移動制約者の数は年々増加しており、本市においても例外ではありません。今後も移動ニーズはますます高まっていくものと予測できます。交通空白地域の解消とあわせて、移動制約者への対応は急務であるとの観点から質問をします。
 1、移動制約者のための地域公共交通政策について。
 (1)、移動制約者のための移動手段の確保について。
 障がい者・児に限定しても、2011年の厚生労働省の生活のしづらさなどに関する調査(全国在宅障害児・者等実態調査)結果によれば、回答した障がい者・児等の中で、外出時に支援が必要な者の割合は、65歳未満で52.4%、65歳以上では57.2%です。
 ア、本市における移動制約者のための移動手段の確保の現状と課題について質問します。
 質問1、本市では移動制約者の移動手段のニーズをどのように把握しているでしょうか。
 質問2、移動制約者の移動手段確保について、その現状と課題をどのように認識し、施策を展開しているのでしょうか。
 質問3、デマンド型交通導入についての検討はどのように進んでいるのでしょうか。
 質問4、公共交通空白地有償運送・福祉有償運送を実施するにはどのような課題があるのでしょうか。
 質問は以上です。どうぞよろしくお願いいたします。
                〔市長 清原慶子さん 登壇〕


◯市長(清原慶子さん)  それでは、ただいまいただきました移動制約者のための地域公共交通施策についてお答えいたします。
 1点目、移動制約者の移動手段のニーズの把握についてです。
 平成25年度に実施いたしました高齢者・障がい者等の生活と福祉実態調査では、バスや電車に乗っての外出について、援助の必要性をお尋ねしています。この結果を見ますと、要支援・要介護の認定を受けていない一般高齢者で、8%の方が援助なしにはできない。また、難病患者を含めた障がい者等では、35%の方が、一部または全面的に援助が必要と回答しています。また、障がい者等への調査では、外出する際に必要と感じている支援策についての設問をさせていただきました。3つまでの複数回答ですが、上位から、タクシー費用の助成が29.2%、同行者、すなわち付添人の確保が22.3%、ガソリン、タクシー以外の交通費用の助成が15.9%、バス、電車等の交通機関のバリアフリーが14.6%という結果になっています。そのほかにも交通手段に関する御意見を把握する方法として、平成22年度には公共交通アンケート調査を実施しています。また、平成26年にはコミュニティバス沿線住民ヒアリングも行いました。さらに三鷹市地域公共交通活性化協議会におきましても、委員である関係団体の皆様から御意見等をいただきまして、ニーズの把握に努めているところです。
 2点目の御質問は、移動制約者の移動手段の確保に関する現状と課題、施策の展開についてです。
 近年、民間事業者による公共交通機関のバリアフリー化が進んでいます。路線バス、コミュニティバスのノンステップ化100%や、タクシー会社のユニバーサルデザインによる車両の導入が推進されまして、鉄道における駅、車両等の構造が移動制約者に配慮したものになっていることとあわせて、相対的に使い勝手がよくなっていると思います。
 三鷹市では、移動に制約のある高齢者や障がい者に対して、公共交通機関による外出の手段を補完する形で、リフトつき乗用自動車運行事業、自動車等燃料費助成事業、福祉タクシー事業、福祉有償運送事業の支援など、きめ細かく移動支援を実施してきています。こうした現状を踏まえまして、今後も地域における公共交通機関の主体的な取り組みを支援し連携するとともに、公共交通施策、福祉施策の両面を一体的に捉えて、移動手段確保への取り組みを進めていきたいと考えております。
 次に、御質問の4点目でございますが、福祉有償運送事業に関する御質問にお答えいたします。
 福祉有償運送事業は、道路運送法の福祉有償運送として国に登録をする必要があります。その登録申請には、自治体が設置した運営協議会での審議を経ることが必要です。三鷹市を含む多摩地域では、多摩地域福祉有償運送協議会を共同で設置しておりまして、福祉有償運送の必要性や実施に伴う安全の確保、旅客の利便性の確保などについて協議し、新規の登録や定期的な更新の審査を行っています。
 三鷹市内では御存じのNPO法人が運営するみたかハンディキャブが福祉有償運送を行っています。今後も公共交通機関の利用が困難な方の移動の手段の確保を図るため、財政的な支援とともに、必要な助言や指導等を行いながら、適正な事業の実施を支援していきたいと考えております。
 なお、公共交通空白地有償運送の実施は、過疎地域または交通が著しく不便な地域において、道路運送法で定められた条件を満たさなければならないため、三鷹市で導入するのは困難となっております。
 私からの答弁は以上です。その他については補足いたさせます。


◯都市整備部長(若林俊樹君)  私から市長の答弁に補足しまして、問い3のデマンド交通についてでございますけれども、こちらにつきましては、市長がさきの質問者のときに答えたようにですね、法的な課題がありまして、事業実施が難しい状況です。今後は可能な新たな方法について、他市の事例研究も含めて、民間事業者のアイデアを中心に研究をしていきたいと思います。
 以上です。


◯15番(嶋崎英治君)  ありがとうございました。三鷹ではこれまでコミュニティバスをね、一生懸命走らせながらきた。しかし、この高齢化、あるいは障がい者というようなことの中で、バス停まで行けないというところが大きな課題だと思います。さまざまな調査の中で、実態、ニーズを把握されているということがつぶさにわかりました。
 国はですね、2001年以来、制度改善、あるいは法改正、法制定を積み重ねてきていると思うんですよ。その狙いは地域公共交通の維持・改善の責任を国と交通事業者から自治体に移すことにあるんではないのかな。そのほうが私は、地域事情もよくわかるし、きめの細かいサービスができるから、そのほうが私もいいと思います。特に2014年5月14日、活性化再生法の改正が成立して、持続可能な地域交通網の形成に資する公共交通の制度活性・再生を推進することを法に追加したと思うんです。
 そこで、今、三鷹市としてこれからどうしていくかということについてですね、地域の福祉あるいは交通、そのことを総合的に把握していく必要があるというような御答弁もありました。ぜひですね、御検討していただきたいのは、1つは、デマンド交通では壁、法の問題、今、どこにあるのかということなんだけども、ですが、それは地域の自治体の主体の計画で克服することができるんではないのかなというふうに思うんで、もう少し詳しく、デマンド交通の法の壁っていうのはどの辺にあるのか教えていただきたいのが1つです。
 それから、これまで調査もされて、ニーズ、そしてどうあったらいいかというところまで来ているということだと思うんで、地域公共交通を専管的に所管する課の設置ということが私は必要ではないのかなというふうに思います。そういう中で、実はさっきの粕谷さんの質問の中にもあったようなことで、答弁があった、事業者がどこまでやってもらえるかということがあるんですね。私もそう思います。聞いていてなるほどなと思ったんですが、さらに自家用有償交通輸送、白ナンバーですよ。それでできるような仕組みもあるんではないのかなと思いますから、そういったことも含めて総合的に研究する部署を市に設けたらどうだろうかと思うんですが、いかがでしょうか。


◯都市整備部長(若林俊樹君)  再質問でデマンドの法的な問題、実際にはどのようなことかということでございますけれども、まず第1にですね、道路運送法の中でタクシー運転手はタクシー会社は一般乗用という許可でですね、バス会社のほうは、一般乗り合い許可という形になっておりまして、これを両方持たないとできないということと、デマンドの場合には起終点を決めて、とまるところも決めるというような形のものでなければだめということなんで、今、皆さんも考えているデマンド交通というのは、多分、それぞれの希望のあったお宅へ伺うとかいう話だと思うんですけれども、そうすると、今、法律的な問題の中でそれができなくなるということがございます。
 それと、この専門の部署をつくるということでございますけれども、これにつきましては、今、うちのほうのですね、道路交通のほうで、都市交通係というところで、実際には専門的にやっておりますので、その中で今後検討していければいいと思います。


◯15番(嶋崎英治君)  法の問題、きっとニーズがあれば解決できると思います。私どもも努力しますけども、引き続き努力をお願いしたいということと、ぜひ専任の要員をね、配置をして検討していただきたいなということを申し上げて、質問を終わります。


◯議長(後藤貴光君)  以上で嶋崎英治君の質問を終わります。
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◯議長(後藤貴光君)  次の通告者、16番 野村羊子さん、登壇願います。
               〔16番 野村羊子さん 登壇〕


◯16番(野村羊子さん)  それでは、今回、私の一般質問は、住み続けられるまちづくりについてです。
 1980年代以降、日本社会の経済格差は拡大し、雇用の不安定化と同時に、安定して居住権を確保できる住宅に住んでいない人の現状が明らかになっています。いわゆる野宿者、ホームレスと言われる人のほかに、ネットカフェ難民と言われている人たち、友人・知人宅に居候している人たち、住み込みの仕事で失職と同時に路頭に迷ってしまう人たちなど、広い意味でのホームレス状態の人は、数万とも数十万に上るとも考えられています。一方で高度経済成長期に建てられた戸建ての住宅やアパートが空き家となっていく傾向が今後ますます加速され、自治体も空き家対策に苦慮する事態となっています。本年から空家対策特別措置法が全面施行され、放置された特定空き家への対策強化がなされ始めています。住宅に困る人が数多くいる一方で、使われない空き家が多数ある。このアンバランスな状態を改善し、全ての人が住宅確保できるような住宅施策の展開が今後必要となってきます。
 (1) 、市民住宅のあり方について。
 三鷹市は、低額所得者向けの市営住宅63戸、中堅所得者ファミリー向け市民住宅として、特定公共賃貸住宅(建設型)12戸、特定優良賃貸住宅(借り上げ型)22戸を管理運営しています。市営住宅は高倍率の応募数で空き室はすぐに埋まる状態です。一方、市民住宅は2012年から空き室が埋まらない状況にあります。市は、傾斜家賃によって近隣同種の賃貸住宅との家賃比較して高くなったことが理由だとして、2013年12月に市民住宅条例を改正、保証金を廃止し、現在は敷金なしとして募集しています。また、不動産鑑定による家賃の見直しで借り上げ型1棟の家賃を15%引き下げました。しかしながら、本年11月募集の際には、空き室は34戸中11戸で、空き室率は3割となっています。
 そこで質問です。質問1、中堅所得ファミリー層向け市民住宅の役割をどのように評価するのか、市長の御見解をお伺いします。昨今の不動産市況では、中堅所得者層向け賃貸住宅は飽和状態となっているようです。
 質問2、不動産市況から見ても、中堅所得者ファミリー向け住宅は一定の役割は終えたと見ますが、市長の御見解をお伺いします。
 質問3、市民ニーズに合わせ、市民住宅の位置づけを変更し、所得制限を下げるなどによる空き室の活用を提案いたします。市長の御見解をお伺いいたします。
 (2) 、住宅確保が困難な人への支援について。
 国交省は、低額所得者、被災者、高齢者、障がい者、子育て家庭などを住宅確保要配慮者として、民間賃貸住宅への円滑な入居促進を図るため、情報交換や協議などの活動を行う居住支援協議会を設置することを奨励しています。三鷹市においては、2008年から高齢者・障がい者入居支援・居住継続支援事業を行ってきています。入居相談自体は、高齢者は年間数件、障がい者は退院・施設退所時などの入居相談で、やはり年間10件程度と聞いています。その後、障がい者の居住継続支援相談は、24時間対応していることもあり、年間1,000件近い相談件数となっています。
 質問4、高齢者・障がい者入居支援・入居継続支援事業の現状をどのように評価するのでしょうか、市長の御見解をお伺いします。
 質問5、高齢者・障がい者だけでなく、低所得者、ひとり親世帯、多子世帯などを含む幅広い住宅確保に配慮が必要な人々への支援を視野に入れた居住支援協議会の設置が必要であると考えますが、市長の御見解をお伺いします。
 (3) 、URや民間賃貸住宅の空き室活用について。
 さらに課題となるのは、制度のはざまにいる高齢ではない単身世帯への支援です。養護施設退所後の若者の支援などが話題になっていますが、就職氷河期世代など不安定な職にしかつけない人々の今後の安定的な居住の確保が課題となってきます。独立行政法人都市再生機構(UR)の賃貸住宅も地域によっては空き室が目立ち、地域コミュニティの運営にも影を落としている現状があります。市民住宅と同様、市民ニーズとマッチしていないことが原因です。一方で低所得者向けの都営住宅などへの応募倍率は高く、入居が困難な状況が続いています。URの空き室によるストックはまさに国民の財産、これをいかに活用するのか、そこが問われてくるのではないでしょうか。
 また、民間賃貸住宅でも建築年数のたった古いアパートの空き室が目立ちますが、活用が十分図られていない現状があります。低所得者や単身世帯の住宅確保を図るため、これらの住宅ストックの活用を市が主体的に行い、または民間事業者や団体などが活用できるよう、国やURに求めていくことが必要だと考えます。
 質問6、市の住宅施策としてUR、民間事業者などと連携し、空き室を活用していくことについて市長の御見解をお伺いします。
 以上で壇上での質問を終わります。自席での再質問を留保いたします。御答弁よろしくお願いいたします。
                〔市長 清原慶子さん 登壇〕


◯市長(清原慶子さん)  住み続けられるまちづくりについての御質問にお答えいたします。
 私からは、市民住宅のあり方について答弁をいたします。
 御質問の1点目、中堅所得ファミリー層向け市民住宅の役割と評価についてです。
 本事業を着手した当時、中堅所得者層向けの良好な住宅が不足していたため、市民の安定した住宅環境を整備する観点から、国の制度を活用して進めたものです。同様の制度を活用した都民住宅等とあわせまして、中堅所得者層に対応した良好な住宅を供給することができたと認識しています。
 御質問の2点目です。本事業を着手した当時、中堅所得者層向けの良好な住宅が不足していたため、市民の安定した住宅環境を整備する必要があり、多くの需要がありました。しかしながら、御指摘のとおり昨今の住宅市場は大きく変化し、中堅所得者ファミリー向け住宅としましては、低い利率の住宅ローンを活用した分譲住宅市場が良好な展開を示す一方で、賃貸住宅の市場は大変厳しい状況になっております。一般の賃貸住宅においても、1割から2割程度の空き室が発生している住宅が多いと認識しておりますので、中堅所得者ファミリー向け住宅というのも、なかなか時代の趨勢の中でですね、役割が変わってきたと、このように認識します。
 そこで、御質問の3点目です。市民住宅の空き室を市民ニーズに合わせて活用するのはどうかという御質問です。
 下連雀市民住宅のような市建設型の市民住宅につきましては、用途変更はできませんが、借り上げ型の市民住宅につきましては、公営住宅や地域優良賃貸住宅へ用途転用することは可能です。しかしながら、用途転用につきましては、供給計画の変更等について都知事の承認を受け、かつその住宅の処分について国土交通大臣等の承認を受けた上で、市民住宅としての用途を廃止する必要があります。また、用途転用に伴うリフォーム経費などが生じる場合も想定されます。こうしたことについて、住宅供給者、オーナーの同意を得る必要がありますが、これまでの協議の中ではなかなか難しいと、このように考えております。
 私からの答弁は以上です。その他については担当より補足いたさせます。


◯健康福祉部長(伊藤幸寛君)  私からは、市長の答弁に補足をさせていただきまして、高齢者・障がい者入居支援・居住継続支援事業の現状についてお答えをいたします。
 本事業につきましては、住宅に困窮し、またはそのおそれのある高齢者及び障がい者を対象とし、民間賃貸住宅への入居及び居住を継続するための支援を行う事業でございます。事業内容は、高齢者と障がい者で異なる部分はあるところですけれども、いずれも丁寧な相談支援を行いまして、保証人がいない方には、保証会社の紹介や初年度の保証料を半額助成する支援も実施をしているところでございます。
 相談の実績としましては、高齢者が年間約50件程度、障がい者につきましては、居住継続の相談を含めまして延べ900件から1,000件の相談に対応しているところでございます。
 平成26年度では、入居決定が4人、年度末における居住継続支援の対象者は26人いらっしゃいます。本事業につきましては、障がい者福祉計画の目標である入所施設から地域生活への移行、こうしたことも踏まえまして、高齢者、障がい者が住みなれた地域で生活を継続できるために必要な支援であると認識しておりますので、今後も取り組みを推進してまいります。


◯都市整備部調整担当部長(田口久男君)  私からは市長の答弁に補足いたしまして、5番目と6番目の御質問にお答えいたします。
 まず5番目の御質問でございますが、住宅確保に配慮が必要な方への支援、居住支援協議会の設置についてでございます。
 居住支援協議会は、低所得者や高齢者、障がい者など住宅の確保に特に配慮を要する方への支援を目的とした組織で、都内では東京都のほか、豊島区など3区で協議会が設立されています。三鷹市においての設置につきましては、先行する自治体の事例も参考としつつ、関係団体等との意見交換を行いながら、効果的な住宅政策のあり方を検討する中で、今後の課題とさせていただきたいと思います。
 続きまして、6点目、URや民間事業者などと連携し、空き室を活用するという御質問でございますが、市は、都市再生機構や民間事業者の空き室状況は把握しておりませんので、基本的にはそれぞれの事業者や管理者において空き室の活用を図るものと考えております。しかしながら、空き室を活用する新しい動向については、都市再生機構のみならず先進市の活用事例も参考にしながら、地域のニーズに適合した空き室活用の検討を課題として進めていきたいと考えております。
 以上でございます。


◯16番(野村羊子さん)  御答弁ありがとうございました。借り上げ型の市民住宅は、とにかく市民住宅そのものが一定の役割は変わってきているのかなという御答弁の中で、今後どうするのかというふうなことで用途変更、非常に手続はさまざまで、困難であるというふうな答弁でしたけれども、現実、借り上げ型は20年間一括借り上げ契約ですので、1棟は2016年9月末、もう1棟は2018年3月末の契約で、実際に現在ですね、家賃補助として三鷹市は1,000万以上のお金を出すという事態に昨年度からなっているわけですよね。これ、このままでいいのかというのが1つ、すなわち本来であれば、国や東京都から出てきた家賃補助、減額補助というのが、年数がたって傾斜家賃の考え方などでなくなってきている中で、一方で家賃を下げるというふうな事態があり、それについて一括契約の中で市が補填せざるを得ないというふうなことになっていますよね。このまま、空き室のままずっといくと、この金額もあと1年、2年、3年というふうなこと、3年までいくかどうかわかりませんが、このストックをね、このままあかせておくというのはいいのかどうか、これについて何らかの工夫はできないのか、どう検討しているのかどうかというふうなこと、それから、建設型の用途変更はできないと言っていますけれども、じゃあ、収入基準を下げるとか、あるいは家賃補助をつけるとかというふうな形で、もう少し低所得者の方が、今の基準のね、基準収入、下限と上限がある中での募集ですから、その基準を下げて、もう少し幅広い人が応募できるような、そのような検討というのは可能なのかどうか、考えているのかどうかということをまず質問したいと思います。


◯都市整備部調整担当部長(田口久男君)  再質問にお答えします。
 まず1点目の不足分をですね、市が補填するという点でございますが、これまでも適正家賃ということで、近傍等と比較しながらですね、そういった検討を進めてですね、できる限り地域のニーズに合ったような施策をまちづくり三鷹のほうといろいろな調整をして、なるべく借りられるような展開を図ってきたところですが、どうしても、先ほどの社会状況等の中では、今のところ難しいんですが、今後もまたそういった改善をですね、2年という期間でありますが、できる限り入居されるような取り組みを進めていきたいと考えております。
 2点目の御質問でございますが、制度上、特優賃の制度、そこに補助を新たに入れることはできないかという御質問かと思いますが、こちらは、最初の法律に基づいた制度を活用してまちづくり三鷹に一括借り上げ契約という形で進めておりますので、そのスキーム自体を今の特優賃として利用している限りは、変えることは難しいと考えております。


◯16番(野村羊子さん)  借り上げ型のほうは年限が決まっているものですが、建設型はね、市の財産、これをどういうふうに使っていくのか、活用できるのかということは、もうちょっと慎重に、さまざまな工夫の中で検討するべきではないかというふうに思います。市民の財産ですから、有効な活用というふうなことを検討していただきたいと思います。
 世田谷区の場合は、これは多分借り上げ型だと思いますけれども、子育て世帯へ補助金を出して入居を促進するというふうな事業を実際にやっていますので、その辺はしっかりと検討していただければと思います。
 居住支援協議会のほうですが、今、調布でもつくるということで動いています。都内で3区だけではありませんので、その辺はもうちょっと情報収集いただければと思います。そして、福祉とね、住宅施策をしっかりと融合させて住宅提供していくということ、それが今、非常に求められていることだということで、そこをまずしっかりと庁内連携で検討チームをね、つくっていただきたいというふうに思います。衣食住と言われるように、住まいは基本的な権利です。欧米では今、ホームレス支援という中でハウジングファースト、まず住まいを確保するという支援に変わってきています。そのことが、コミュニティの中でその人がコミュニティの一員となって回復・継続はできるという包摂的社会、そういう支援のあり方ということで、今、経済的にもこれのほうが有効だ。医療費が安く済むとかね、緊急対策費用がなくて済む、削減できるということでなっています。なので、単に、日本ではホームレスというと、本当に野宿をしている、公共空間に寝泊まりしている人というイメージですが、先ほど言いましたように、冒頭言いましたように、本当にさまざまな形で居住権を持たずに暮らしている方々はたくさんいるわけで、そういう人たちの居住支援、住まいの権利を確保するということから、さまざまな形で市が、自治体が、公がこれを支援するということが必要だと思います。
 それで、先ほどURとか、民間住宅の件ですけれども、これも、居住支援協議会の中でこういうことは検討できるわけですよ。居住支援協議会では、不動産関係者とか、NPOなどの支援団体とか入っていただいて、協議をし、情報交換し、あるいは入居支援の継続をするというふうなことも、そのスキームの中では可能なはずなんですね。設置に当たっては国交省の補助金が出るわけですよ。その辺も含めてですね、本当にUR、民間住宅の空き室対応というふうなこともしっかりと検討していただきたいと思います。
 先ほどほかの議員のところでもちょっと出てきましたけれども、大学がURの部屋を借りて、それを学生に提供するということはできるわけですね。社宅として提供するみたいな形の提供はできるわけで、そういう形で例えば今あいているところをね、使っていただければありがたいわけですけども、そういう情報提供も含め、情報交換ということもね、考えないのかということ。
 それから、空き室に関しては、例えば横須賀では、所有者に空き室の改修費用を補助して、学生さんたちにシェアルームとして住んでいただくと。その学生さんたちに、家賃補助をするかわりに、地域のための活動、地域パトロールとか、地域の清掃とかしていただくとかね、というふうなことをしていますし、文京区では、ひとり暮らしの高齢者の家に学生が下宿をするという、異世代ホームシェアっていう試みをしているとか、コーディネートは民間の事業がやっていますけども。あるいはひたちなか市では、民間住宅の空き家に市営住宅入居資格がある方が入居した場合に家賃補助をする。そういういろんなことが今、起こっています。ですので、ぜひその辺、検討していただきたいと思います。居住支援協議会を含めて住宅施策全体をですね、どのように検討していくのか、今後の方向性について再度お願いいたします。


◯都市整備部調整担当部長(田口久男君)  再質問をいただきました。今後の住宅政策ということでございますが、当然いろいろな方がですね、住宅入居の際に、なかなか入れないとか、そういった状況もお聞きしているところでございます。福祉施策の部分と快適な居住環境の部分、そういったものを都市整備部、また福祉のほうとですね、連携して、こういった支援、協議会、今後のちょっと検討にはなりますが、そういったことをよく情報交換しながら、国・東京都の制度等も活用できるものがいっぱいあるというふうに認識しておりますので、今後そういったところを深く研究・検討をしていきたいと思います。


◯16番(野村羊子さん)  本当に住まいをね、どのように確保して、安定的に住んでいただくか、そのことがね、本当に国の政策そのものにもなると思いますけども、低所得者の人たち、あるいは若者世代、特に単身のね、若者たちが公営住宅に今、申し込めないという状況、これを変えていかなければ、それこそ、先ほどほかの議員ので出てきたように、結婚もできなければ子育てもできないという状況がやはりあると思うんです。正規職員になった方でもね、今、正規、非常に給料安いですから、最初の何年間か本当に安い家賃で住むことができれば、そこから人生スタートしていく、しっかり組み立てていくことができる。そういうようなものとして住まいというものを、本当に人生をつくる、市民支援の基礎となるものだというふうなこととして、しっかり捉えてですね、福祉的な部分、市民生活を支えるものとして、単に箱のものをつくるということではなくてやっていただきたいというふうに思います。
 生活困窮者自立支援制度についてもね、住宅の給付というのは本当にごくわずかの期間でしかありませんけども、現実には住宅さえ供給されれば、自立していける、動いていけるという方がいるはずなんですね。その辺の、生活保護だとストック全部ね、丸々なくなってから生活保護を受けるということですけども、単に住宅の補助ということであれば、ストックを持ちながら、今後の人生設計、自分なりの生き方をできるというふうなことになります。単に本当に低所得者ということだけではなく、さまざまな人たちが暮らし続けられるまち、暮らし続けられる国ということを、住み続けられるまちをしっかりとつくっていただくよう、これからの検討をお願いしたいと思います。ありがとうございました。


◯議長(後藤貴光君)  以上で野村羊子さんの質問を終わります。
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◯議長(後藤貴光君)  この際、議事の都合によりしばらく休憩します。
                  午後5時13分 休憩



                  午後5時25分 再開
◯議長(後藤貴光君)  休憩前に引き続き、会議を再開します。
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◯議長(後藤貴光君)  市政に関する一般質問を続けます。
 次の通告者、17番 半田伸明君、登壇願います。
                〔17番 半田伸明君 登壇〕


◯17番(半田伸明君)  国の税制改正に対し、三鷹市として、おかしいことはおかしいと言い続けていく必要があるという主張のもと、税制面から地方分権を改めて考えてみるというタイトルで、以下質問をいたします。
 地方法人税の創設、ふるさと納税という都市の自治体から地方の自治体への税収の移管に加え、2016年以降の税制改正では、1兆円規模で地方税である法人住民税を国が吸い上げ、地方交付税交付金の原資とすることで、さらなる税源移譲を目指しているという報道がありました。合計で3兆円程度の税収のうち1兆円程度を一旦国が集め、国からの資金支援である地方交付税交付金としてですね、財政力が弱い自治体に配るという内容でございます。不交付団体にとっては、お金がただただ出ていくだけということになります。
 都市と地方の税収の偏在を是正するとの名目で、2008年度から続く税の再配分の措置は、少し余裕のある自治体から税を取り上げ、地方へ配分するやり方で、本来国が地方交付税として加算すべきものを、地方税を納入した住民には還元されず、ほかの自治体へ持っていくというか、とても認めがたいやり方を国が主導で行ってきたものです。この一連の配分で、2008年度以降、都の税収減少額は1兆3,000億円にも上るとされています。本来、都市圏で使うべきお金が使えないというわけで、いわば不足が不足を生む事態がさらに発生し、そのうち不交付団体が交付団体になるという、今まで冗談のような話が何と国主導でなされていくのではないかとすら思えてしまいます。いわば地方が地方を食べる共食い現象であり、ふるさと納税についても同じなんですが、国は本当にお金がないのだなというのが率直な感想でございます。既に昨年から6,000億円もの法人住民税が地方に回されています。これらの現象は、長期的には日本全体の足を引っ張っていく、つまり、じり貧現象を生み出すことは火を見るより明らかです。
 直近の地方財政白書を見ますと、法人関係2税につきましては、東京都と奈良県で約6倍の格差があり、これはこれでなるほどという気はします。収入に着目するなら格差ははっきりしているわけですね。一定の修正が必要だとの論に傾きやすいのはよくわかります。しかし、そもそも税とは、必要な支出があるからこそ確保すべきものであり、その観点から、本来必要なのは行政需要の比較なんです。このように考えると、収入格差に着目することだけで議論が進んでいくことに私たち不交付団体からは問題提起をしていく必要があります。
 一方、その報道の数日前、実質無借金ゼロの自治体がふえたとの報道がありました。全国の市町村と東京23区のうち3分の1以上に当たる598市区町村が、2014年度決算で実質無借金だったと総務省が発表した内容を受けての報道でした。よくよくこの総務省の発表を見てみますと、地方債残高などの負債から基金や、国が将来支払いを約束した地方交付税を差し引き、ゼロまたマイナスの場合、実質無借金を意味するというもののようでございます。国が支払いを約束した地方交付税を差し引きというのは、これは大きなポイントだと思います。つまり、片や実質無借金ゼロ自治体がふえたとあおる一方で、もう一方で交付税原資が足りないから法人住民税吸い上げという、何ともわけのわからない状態になっているわけです。
 以上を踏まえ、以下4つ質問いたします。
 質問1、今回のこの2つの報道を市長はどのように受けとめられたでしょうか。
 質問2、三鷹市は東京都から一定額の交付金を受けていますが、市町村総合交付金なんかそうですね。2008年度以降、交付額にどのような変化があったでしょうか。
 質問3、法人住民税吸い上げが報道どおりに仮に実施された場合、三鷹市にはどのような影響が発生をするのでしょうか。東京都からの市町村総合交付金が減になる危険性について、どうお考えでしょうか。
 質問の4、2016年度から予定されている1兆円規模の財政調整について、三鷹市として、国に対してやめるよう求めていくことが必要だと思います。東京都やほかの自治体と協力して、何か具体的なアクションを検討していらっしゃいますでしょうか。
 自席での再質問を留保いたします。御答弁のほどよろしくお願いいたします。
                〔市長 清原慶子さん 登壇〕


◯市長(清原慶子さん)  御質問の税制面から地方分権を改めて考えるという趣旨の御質問にお答えいたします。
 御質問の1点目は、法人住民税から1兆円の財源調整、実質無借金自治体の増加というこの2つの報道に対する市長の所見についてお答えいたします。
 私は、地方間の税収の偏在の課題を解決するのは、本来、国税及び地方税のあり方を基本に、国の責任において行われるべきものと考えています。そもそも税収偏在の課題を補完する制度として地方交付税制度が存在するものでありまして、これに加えて地方自治体の固有の税収をもって地方間の財源調整を行うことは、地方分権の流れに逆行するものとこれまでも主張してまいりました。
 そこで、今回の2つの報道につきましても、地方交付税不交付団体が富裕であるという誤った前提のもとで、地方間で税財源を調整するという考え方は大いに問題がありまして、まずは総体としての地方財源の拡充こそが重要であると考えています。一般に税収偏在の課題に対しては、制度設計上、自治体間の税収間で調整する水平調整と、国が財源不足分を補填する垂直調整の2種の手法があります。日本では、国税と地方税において、それぞれ税目と税率のバランスを設定した上で、地方税の補完財源として地方固有の税としての交付税を国税に含めて徴収し配分するという垂直調整の制度をとっています。国の法人住民税の一部国税化は、この交付税による垂直調整の前に、自治体から配分資金を拠出させるという水平調整を事前に行うというものです。
 さて、そこで三鷹市はどういう行動をしていくのかという御質問ですが、もう実は具体的な問題提起をしてまいりました。平成27年6月に策定されました経済財政運営と改革の基本方針2015、いわゆる骨太の方針においても、偏在是正策を講じることが示されていました。来年度の税制改正において、このような不合理な措置が拡大することが危惧されることから、実は東京都市長会でもこの点については大いに協議をしてまいりました。そこで、平成27年11月12日に、東京都と東京都市長会、東京都の特別区長会、そして東京都の町村会の4者で連携しまして、総務大臣へ共同要請活動を行いました。三鷹市としては、引き続き東京都市長会の一員として要請活動に加わっていきたいと考えています。
 そして、同時に東京都はですね、平成27年の11月12日に「日本再興を支える地方税財政の確立に向けて」として、総務大臣に要請活動を神奈川県、愛知県、大阪府、名古屋市と連名で行っているわけです。その要旨ですが、地方財政が抱える巨額の財源不足は、地方間の水平調整では解決しないことは明らかである。都市と地方が限られた財源を奪い合うのではなく、日本全体を活性化させ、税収全体のパイを拡大させていくことが重要であるというものです。不合理な偏在是正措置の撤廃と地方分権に資する地方税財政制度の抜本的な改革の推進を主張しているところでございまして、このように東京都と東京都市区長会、町村会は、まさに質問議員が御指摘のような問題についてはですね、これまでアクションを起こしておりますが、今後とも相当強くアクションを起こしませんと、何しろ813の市の中でもですね、東京都の26と23ということでございますから、本当に厳しい環境の中での問題提起になりますので、ぜひ議会の皆様にも、この取り組みについては全面的にですね、御支援を賜りたいということを申し上げまして、私からの答弁を終わります。その他につきましては担当より補足いたさせます。


◯企画部長(河野康之君)  市長答弁に補足しまして、2点目と3点目の御質問に対してお答えします。
 まず、東京都市町村総合交付金についてでございますけれども、この交付金は、東京都から23区以外の市町村に対する総合的な財政補完制度として創設されたものでございます。これまで東京都市長会を通じてですね、重点要望事項とするほか、三鷹市も制度の充実を独自に要望するなど、安定的な財源確保に向けた活動を行ってまいりました。そして、その交付金の推移ですけれども、御指摘の平成20年度におきましては、決算額が7億6,701万2,000円でございましたが、平成26年度の決算では12億243万6,000円となっており、1.5倍の増となっているところでございます。
 次に、法人住民税のさらなる国税化の影響という御質問ですが、税率等の詳細な情報が示されていないため、現段階では答弁は差し控えさせていただきます。また、これに関連して、東京都の先ほどの市町村総合交付金に対する影響についてでございますが、都税であります法人事業税の一部を分離して導入されました地方法人特別税が創設されました平成20年度以降もですね、東京都市長会の要望などによりまして増額が図られてきた経緯もあります。そうしたところから、東京都の税収動向については懸念材料であるものの、東京都市長会を通じてですね、引き続き要望を継続していきたいと、このように考えているところでございます。


◯17番(半田伸明君)  御答弁ありがとうございました。今、垂直調整と水平調整のお話ございました。6月議会にふるさと納税の質問をして、9月議会に今後の景気悪化リスクの質問をして、今回、国税のあり方の疑問点を続けて取り上げたわけなんですが、明らかに税制度がもう破綻を迎えていると思うんですね。垂直調整がきかずに水平調整に手を出したこと自体が本来的にはアウト。ところがそのアウトをさらにもっと深めようとしている。この質問を取り上げた背景は、先ほど申し上げた2つの質問がある。その中の1つ、実質無借金ゼロの報道の部分で、明らかにこれはちょっと誤解が誤解を呼んでいる可能性があるな。だから、取り上げたほうがいいなと思って今回の質問に取り上げた次第でございます。
 我々自治体は、単年度で予算を組まなければいけません。ふるさと納税では、ワンストップサービスの導入により、より多くの税収が逃げていく可能性があるのではないかと指摘をいたしました。9月の一般質問ではですね、突如やってくる景気悪化リスクに備える必要があるという質問をいたしました。今回の税制についてはですね、市長初め、多くの汗を流してですね、市長会などを通じてさまざまな要請行動を過去やってきて、さらに今後もやろうとして、にもかかわらずですね、税制が国の法律でやるレベルで変えてしまうとなると、我々自治体としてはですね、新たな局面を考えなければいけない。それは何かといいますと、9月では景気悪化リスクの話をしましたが、実は国家主権リスクを自治体側は考えていかなきゃいけない時代に入ってしまったのではないか。法人住民税にしてもですね、考えたくはないことですが、下手したら個人住民税もそう、固定資産税もそう、ある日、突然、ニュースで、こういう検討がなされているということを知らされることになる。こういうことがどんどん続くとなるとですね、もちろんさまざまな抵抗、おかしいことはおかしいと今までと同じように言い続けていく一方で、予算を編成する段階では、これがもしなくなってしまったらどうしようというリスクはやはり考えておく必要があると思います。景気悪化リスクに対する基本的な考え方は、9月の一般質問で御答弁頂戴して、一定の理解はしておるところなんですが、こういうですね、国家主権リスクに対するですね、予算編成の考え方、どうあるべきなのかはやはり聞いておきたいと思います。いかがでしょうか。


◯企画部長(河野康之君)  御指摘の点については全く同感だというふうに考えております。過去にもですね、三位一体の改革等の試練を乗り切ってきたところでございます。その際にもですね、住民税のフラット化ということが行われました。これで大幅な水平調整がされたものというふうに考えておりますが、一応このときには大義があった改革であったというふうには考えております。今回のふるさと納税等から始まりましてですね、昨今のふるさと納税企業版、法人税版につきましてはですね、これはもう、不交付団体には適用しないなどの報道も得ているところでございます。こうしたところをですね、非常に注目しましてですね、やはり東京都自身も先頭に立って運動を行っていただいておりますので、そうしたこともですね、連動しながらですね、三鷹市としてもできることをする必要があるというふうに考えております。


◯17番(半田伸明君)  この点についてはですね、執行側も議会側も意見を異にする人は、多分誰一人いないと思います。ぜひ今まで以上に力強い運動をですね、市長にはお願いをぜひ申し上げたいと思います。あわせまして、予算編成のときは──今は景気はいいわけですよね、戻りの局面ですから。ですが、9月議会で景気悪化リスクについて取り上げたと同時に、今、国家主権リスクというのにも取り上げました。ある日、突然、あるべきお金がなくなっている。しかもそれが国レベルで動いてしまった。こういう危険性がある。そういう時代を私たちは生きているということを認識をしなければいけない。ぜひ予算編成も、かなり厳し目の姿勢で臨んでいただきたい。その旨を申し上げまして質問を終わります。ありがとうございました。


◯議長(後藤貴光君)  以上で半田伸明君の質問を終わります。
    ──────────────────────────────────────


◯議長(後藤貴光君)  次の通告者、10番 伊沢けい子さん、登壇願います。
               〔10番 伊沢けい子さん 登壇〕


◯10番(伊沢けい子さん)  私は、高齢者への生活支援と補聴器購入への助成制度について一般質問しますので、よろしくお願いをいたします。
 現在、高齢者を取り巻く生活環境がかつてなく厳しくなっています。特に年金の支給額が減少していることに対する不満や苦情の訴えを、三鷹市内の御年配の方々から本当によくお聞きしております。年金が月8万円で、今は100円が大金とおっしゃる方、また、ある女性から、ぬか漬けにするキュウリは1本88円もして高いので、今はキャベツの葉っぱや大根にかえて食べているというお話を聞いたときには、本当に悲しさと怒りの感情が込み上げてきました。年金が減っていることに加えて、介護保険料の引き上げ、医療費負担の増加、物価の上昇、消費税8%への引き上げなどが高齢者を追い詰めています。全国的な生活意識の調査でも、生活がやや苦しいと答えた高齢者が31.1%、大変苦しいと答えた方が23.2%、合計54.3%もの高齢者世帯が生活の苦しさを訴えております。
 ことし6月、埼玉県で生活困窮する高齢者を、生活保護などの行政サービスにつなげる救援活動をNPOで12年間、実際現場に入って活動してきた藤田孝典さんという若い方が「下流老人」という本をあらわしました。この本です。この本は、わずか3カ月余りで10万部を超えるベストセラーとなっております。「下流老人」という言葉を著者は、生活保護基準相当で暮らす高齢者及びそのおそれのある高齢者と定義しています。高齢者の貧困は進行し続けている。しかし、下流老人たち当事者が自分からは声を上げられない状況にある。このような分析を著者がしていることから、貧困の現実を直視し、解決する政策を打ち出す必要がある。そのことで注目を集める言葉として下流老人という言葉をあえて選んだのだと思います。先日、生活福祉課でお聞きしましたら、ことし4月から三鷹市役所の2階で始めた生活困窮者支援の窓口を訪れた方のうち3分の1は高齢者であるとのことでした。
 そこで質問をします。三鷹市としては高齢者の生活環境が悪化していることについて、どのように把握し、認識していますでしょうか。また、平成26年度の三鷹市の生活保護受給者3,452人のうち60歳以上の高齢者が1,824人、52.2%と半数を超えており、平成22年に比べて223名増加、年々ふえております。生活保護受給者のうち高齢者の人数がふえている理由について、三鷹市ではどのように分析されていますでしょうか。また、困窮する高齢者に対して、三鷹市としてはどのような生活支援が必要だと思いますか。その考え方を伺います。
 さて、こうしたことから高齢者からの生活相談を受けることがありますが、その内容は、介護保険料の減免を求めるものや、電動車椅子や補聴器など高額の補装具の購入及び修理の助成を求めるものなどがありました。補聴器に関しては、小売店で勧められるメーカー品だと、最低でも片耳用、つまり、1個だけで十五、六万円もします。これは高齢者の年金で賄える金額ではありません。しかし、介護保険でも助成制度がありません。また、助成を得ようと障害者手帳の申請をしても、70デシベル以上の難聴でないと手帳の交付が受けられず、補聴器購入の助成を受けることができません。しかし、実際は70デシベル以下であっても、日常の会話に不自由することになり、生活の質が著しく落ちることや不便を生じることになります。こういうことから、18歳未満の子どもに対しては、いわゆる中等度の難聴者に東京都も助成を行っています。しかし、高齢者については、東京都また三鷹市においても助成制度がなく、お金がなければ補聴器購入を諦めざるを得ない方も出てきております。
 そういう中で、全国では自治体が独自に高齢者の補聴器購入の助成を行っているところがあります。東京都内でも23区内の6自治体で助成を行っています。葛飾区のように3万5,000円と助成の上限を定めて助成している自治体と、江東区や新宿区のように現物支給を行っている自治体と二通りあります。中でも江東区は、所得制限を257万2,000円以下とし、現物支給を行っていますが、この10年間で約8,000名の利用があり、年間で約800人の方がこの制度を利用しています。江東区の独自の取り組みに対し、東京都も現物支給の場合は包括補助に該当するので、事業費の2分の1を助成しているということです。ですから、江東区としては、年間1,000万円の予算で年間約800人に補聴器の現物支給の支援ができているのです。江戸川区の場合は、住民非課税の世帯に絞って2万円を上限とする助成を行い、平成26年度の利用者は197名となっております。三鷹市においても具体的な高齢者支援として、障害者手帳の交付の対象とならない中等度の難聴の高齢者に対する補聴器購入の助成制度の導入を行うべきではないかと思います。三鷹市としての考え方をお示しください。
 以上をもちまして壇上での質問を終わります。自席での再質問については留保いたします。よろしくお願いいたします。
                〔市長 清原慶子さん 登壇〕


◯市長(清原慶子さん)  ただいまいただきました高齢者の生活支援について答弁いたします。
 御質問の1点目と2点目、高齢者の環境悪化についての認識と生活保護受給者の高齢者の増加についてです。
 少子高齢化の進行と核家族化、世帯規模の縮小、独居高齢者や高齢者のみの世帯の増加が進んでいます。したがいまして、高齢者の生活環境の変化は、単に経済的な問題だけではなくて、寝たきりや認知症に対する不安、また今後の生活にさまざまな不安を抱いていることが三鷹市の高齢者の実態調査からも明らかになっています。こうした現状から、低所得者への一定の配慮を行いつつ、介護保険制度の適正な運用を初め、高齢者の生活を支える総合的な取り組みを各部各課の連携により推進しているところです。
 そこで、生活保護受給者における高齢者の増加についてですが、60歳以上の生活保護受給者は、平成25年度は1,808人で51.9%、平成26年度は、先ほど御指摘されましたように1,824人で52.8%です。すなわち人数、比率ともに増加しています。これは、高齢者人口の増加がもちろんございますけれども、家族関係の変化や年金制度等の問題などがあると考えています。また、退職に伴いまして稼働収入の減少、また預貯金の減少などから生活保護の申請につながる方が多く、今後も増加傾向は避けられないものと認識しています。
 そこで、御質問の3点目、困窮する高齢者への生活支援についてお答えします。
 三鷹市では、生活困窮者自立支援法に基づきまして、平成27年4月に生活就労支援窓口を開設し、ハローワークや地域包括支援センターを初めとする関係機関とも緊密な連携を図りながら、相談に応じています。何よりも相談者の意思を尊重しつつ、就労や介護保険の利用など個々の状況に応じた適切な支援を行っています。また、この相談の中では生活保護を必要とする方には、生活保護制度を御利用いただくことも御案内しています。60歳以上が3分の1いらっしゃいまして、就労支援もと求めていらっしゃるんですが、その中身にはですね、経済的な理由だけではありません。御家族の事情で、例えばお子さんがひきこもりであるとかですね、なかなか自立できていないということなども含めた御相談がありまして、丁寧に対応しているところです。今後も支援が必要な方が適切に支援を受けられますよう、適切な制度の周知ときめ細かな支援の実施に努めてまいります。
 近隣の市の皆様とも話しているんですが、三鷹市は相対的にですね、生活困窮者の窓口、御利用されている方が多いというふうに感じています。しかも、それが就労や自立支援に結びついている比率も高いと思っておりまして、これはとても大切なことだと思っています。ぜひ今後とも自立支援に向けて積極的な支援をさせていただくとともに、高齢者でいらっしゃいますから、御質問が。適切に介護保険などもですね、使っていただくということが大事だと考えております。
 私からは答弁は以上です。その他については担当より補足いたさせます。


◯健康福祉部調整担当部長・保健医療担当部長(濱仲純子さん)  私からは市長の答弁に補足いたしまして、中等度の難聴高齢者に対する補聴器購入助成制度の導入についてお答えいたします。
 高齢者の難聴に関する御相談については、主に地域包括支援センター等の相談窓口で対応しております。必要に応じて耳鼻科やその他の関係機関等への御案内をしているところでございます。障害者手帳の対象とならない中等度の難聴の高齢者の方が補聴器を購入する際の助成制度についてはですね、現時点では考えておりませんけれども、高齢者では、聞こえが悪いということによって、御家族以外との方との交流が少なくなる事例もございますので、生活状況をお伺いする中でデイサービスを御案内するなど、今後も適切な生活支援に努めてまいりたいと考えております。
 私からは以上でございます。


◯10番(伊沢けい子さん)  なぜ質問したかと申しますと、実際にそういう高齢の方から御相談を受けたんですけれども、結局、障害者手帳には該当しなかったので、結局諦めるという結論になったんですね。東京都の社会福祉協議会から貸し付けという制度もあるんですけれど、やっぱり高額の借金を負うのはできない、嫌だということになって、結局、今も、だから、補聴器なしっていう状態なんです。でも、ところが、やっぱり、本当に会話していても、こんな声では聞こえないんですね。大きい声で話さないと聞こえないっていう状態で、実際に、さっきおっしゃったように、お仲間で話しているときに、話が通じなくて、それですごく指摘をされて困ったというところから、補聴器を求めるということになったんです。
 ですから、今、2階でやっている生活困窮の方々への支援というのを、実際に現状である支援につなげていくというのは、本当に大原則で、本当に必要なことかと思いますけれど、またさらに三鷹市としてできることを、やっぱり一歩踏み込んで、制度として特にボーダーの方ですよね、制度に当てはまらない方──実際、三鷹市でも、障害者手帳で補聴器を受けている成人という集計を見ますと、26年度で50余名なんですよね。大体五、六十人しか毎年、この障害者手帳には至っておりませんので、これは、しかも高齢者に絞ってないです。ですから、そういうことを考えると、そこに当てはまらない方っていうのが相当数いて、実は、でも、日常生活に支障を来すという状態になっているんです。ですから、これは1つの事例で、でも具体的な事例なんですけれども、こういうことっていうのはほかにもたくさんあると思いますが、今回はですね、補聴器っていうことを実際に相談があったので、取り上げましたけれども、ぜひとも、こういった東京都の補助金なども得ながらできるということで、区内ではそういう実績も、年間に800人も利用している江東区のような場所もありますので、できることについては、やっぱり一個ずつやっていく必要があるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。


◯健康福祉部調整担当部長・保健医療担当部長(濱仲純子さん)  ただいまの再質問にお答えいたします。
 今、補聴器というのは事例だということでお話を伺いました。確かにその方の状況に応じて寄り添った対応ということをまず御相談の中で対応させていただきたいなというふうに考えております。経済状況、また生活状況をあわせてですね、御相談の中でより適切な対応を検討していきたいと思います。
 なお、助成制度そのものを、今回、補聴器について、導入についてはという御質問ですけれども、やはり補聴器が必要な方も電動車椅子が必要な方も、いろいろな方が現在いらっしゃると思います。そういったところはですね、やはり優先度というものをですね、しっかりと見きわめて検討していく必要があるかなと考えておりますので、今後またそういうことを1つずつ検討してまいります。
 以上です。


◯10番(伊沢けい子さん)  事例でもありますけれど、本当に具体的な要望です。ですから、ぜひとも今後、そういった本当に具体的なことをですね、実現をしていっていただきたいということをお願いして、質問を終わります。


◯議長(後藤貴光君)  以上で伊沢けい子さんの質問を終わります。
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◯議長(後藤貴光君)  次の通告者、5番 増田 仁君、登壇願います。
                〔5番 増田 仁君 登壇〕


◯5番(増田 仁君)  通告により質問をいたします。
 経費の効果的な配分についてということで、児童・生徒の事故を防ぐ取り組みについて、順次質問をしていきます。
 ア、事故の現状把握。
 児童・生徒は、教育や遊び、日々多くの活動を経て育ちます。この中では事故に遭い、けがをすることもあります。昨年度の小・中学校の事故データを議会事務局の調査で取得し、命を失う事故はないとわかりました。小・中学校で骨折、捻挫、脱臼が293件、打撲・切り傷が244件、やけどや歯や目の負傷が17件でした。しかし、これは幸運にもであり、学校を含め大人は、最新の知見を用いた対策で備えねばなりません。他自治体での死亡、後遺障がい事例や厚生労働省人口動態統計年報最新版によると、死因順位別に出た年齢階級・性別死亡数・死亡率・構成割合で4歳まで、9歳まで、14歳までの各級で不慮の事故が死因の1位です。防ぐには学校での事故の状況を詳細にデータベース化しておかねばなりません。
 問いの1、先ほどの調査結果について、小・中学校各区分において、後遺障がいの有無、武道やスポーツといった種目別体育、その他授業、部活、休憩時間、組み体操を含めた課外活動、校外での活動など詳細をお伺いします。
 イ、事故の発生抑止。
 先日、超党派の学校管理下における重大事故の勉強会に参加し、保護者の方々のお話を伺うことができました。話の中では、指導時休憩がない、トレーニング体系を無視した精神論、体罰で教育を逸脱したもの、柔道で投げわざでの注意がなかったという、管理不行き届きのものでした。さいたま市では、死亡事故から重大事故対応を、被害に遭ったお子さんの名前を用い、ASUKAモデルという名称で明確化しました。危機管理認識や資質の向上、生命身体の安全確保を最優先としています。
 問い2、問い1の各活動について、どう指導を行うか。大人が席を外した際の対応、子どもの健康管理や事故防止の点でどう対応しているか。また、第三者の巡視の有無、指導計画どおり実施したのかの確認はなされているのか、お伺いをいたします。
 ウ、重大事故や事件後の市と学校の調査検証、渉外対応。
 さきのASUKAモデルは、事故発生時の検証や対応も明確化しました。今まで死亡や後遺障がいになる重大事故、いじめで命を絶った過去の報道事案において、事実を隠蔽し、捜査や訴訟になったからと情報を出さない、保護者を置き去りにした行為がありました。ASUKAモデルでは、事実確認を職員や児童・生徒等に行い、分析を3日以内に行います。その後、傷病者の保護者などへ正確に伝え、保護者を情報弱者にしません。
 問いの3、重大事故や事件が起きた際、市及び教育委員会はどのような体制で傷病者の保護者や中立な第三者の参加を求め、直ちに関係者の情報を聞き取り、初動調査を分析して原因を究明し、公開、謝罪し、再発防止策をとるのでしょうか。
 エ、人命を守る行動、動機づけ。
 不慮の事故は発生時の早急な対処が鍵です。救命講習を受けた皆さん、運転免許を持つ方は、心肺停止後数分で脳や臓器に障がいが起き始め、さらに数分で仮に助かったとしても深刻な後遺障がいが残ることを知っています。救急車の到着は約10分、待てば救命率がゼロになり、その間、児童・生徒にもできることがあります。
 中学3年は全校で普通救命講習受講ですが、小学校は現在2校のみ、また学外で同行する保護者についても、救命講習はありません。事故が起きた際、救命講習修了者がいない状況では、人を呼びに行く間で数分経過し、その場に居合わせた児童・生徒や保護者は声かけしかできず、救命率が下がり続けます。救命できなかった場合、居合わせたことだけでPTSDの原因となりかねません。さいたま市では保護者を対象とする救命講習を行い、校外での事故対応を可能としています。以前、議会で議論のあった山形県の自治体の例、ほかにもNPOが行うPUSH──押すですね、PUSHプロジェクトでは、学校でPUSHとして胸骨圧迫とAEDに重点を置いて、安価な器具を用い、簡単な講習を行います。45分と短時間でバイスタンダーの役割を子どもの発達段階に応じて指導し、小学生でもできるようになります。
 問いの4、心肺蘇生法を知らない小学生や保護者への講習が、学外を含めた事故発生時の対策として重要と考えます。現状で資格保持者不在時に備えたバイスタンダーの拡大についてどうお考えでしょうか。
 オ、日常における重大事故の意識。
 事故について皆さんが陥りがちな思考があります。たまたま事故が起きた、けがはつきもので仕方のないこと、この思考で事故ゼロの発想は消え、治療すればいいになります。多くの犠牲から、ここ最近、さまざまな見直しがなされ、柔道の事故はやっと減少傾向ですが、それでもことし、死亡事故が起きました。ある程度の抑止では事故の危険性は除去できないのです。
 問いの5、行政及び教育委員会は、学校や地域の活動で児童・生徒が保険の対象となるような事故に遭うことについて、不可抗力である程度やむを得ないのか、それとも公的な問題として、過去の多くの事故を踏まえ、解決できるリスクとして取り組みを進めるつもりがあるのか、お伺いをいたします。
 カ、事故に対処する教職員の負担軽減。
 事故の抑止や発生時の対応について、最前線で対応に当たるのが教職員です。しかしながら、残業代もなく、休憩時間も時間を割くことがあり、放課後も残務に当たり、常に長時間労働状態となっています。緊張状態にある中、一たび事故や問題が起きればさらに上乗せとなり、体調を崩しかねません。こうした状況を改善するため、校務支援システムによる業務の効率化、授業準備その他の共通化、書面作成や会議の削減などがまず挙げられます。しかしながら、導入済みのシステムについて過去の議事録を見ても、進捗A、効果B、成果が出た学校とまだ途上の学校があるようです。また、校務の集中を避けるため、事務職員やソーシャルワーカーも含めた事務の見直しが必要です。
 問いの6、新システムの効果について、具体的な残業時間の減や書面の削減など数値は出ていますでしょうか。また、ばらつきの原因と対策はとられていますでしょうか。
 問いの7、教師が抱える仕事は多岐にわたり、さらにふえることも多いと聞きますが、分担なども含め、減らすことはここ数年、どれだけできたでしょうか。
 自席での再質問を留保いたします。
                〔市長 清原慶子さん 登壇〕


◯市長(清原慶子さん)  それでは、児童・生徒の事故を防ぐ取り組みについての御質問、1問、2問、3問、5問を一括してお答えいたします。
 三鷹市の小学校全校で地域子どもクラブを実施しています。放課後の校庭、体育館開放を初めとして文化的な活動も含め、さまざまなプログラムが展開されています。平成26年度には参加者数が、年間延べ20万人を超える事業に拡充されています。
 そこで、事故の発生状況ですが、打撲や骨折等を含みまして、平成25年度は31件、平成26年度は33件となっています。事故発生場所としては大多数が校庭で、サッカーなどの運動時の発生となっています。それぞれの地域子どもクラブでは、安全管理者を配置いたしまして、安全管理マニュアルに従って各クラブで対応し、安全管理の徹底に努めています。
 そこで、事故が発生した場合には、市民活動災害補償保険を活用して対応するとともに、事故発生状況等につきましては、地域子どもクラブと市が情報をまず共有しています。そして、その状況を分析し、再発防止に向けた取り組みを行っております。
 私からは以上です。


◯教育長(高部明夫君)  それでは、児童・生徒の事故を防ぐ取り組みにつきまして、まず私のほうから問いの2、3でありますけれども、小・中学校の諸活動における指導、事故防止等の対応や確認について、そして重大事故が起きた場合の対応等についてお答えをいたします。
 小・中学校では授業や部活動、行事などの諸活動におきまして、健康管理や安全管理に配慮した適切な年間の指導計画に基づきまして指導を行うとともに、管理職が全体の活動状況の確認などを行っているところでございます。また、教員の目が行き届きにくい時間帯、休憩時間、放課後等につきましては、活動内容を制限したり、あるいは外部指導員を配置したり、あるいは地域人材を活用した見守り体制などの工夫をしながら、事故防止に努めているところでございます。
 また、学校で重大な事件や事故が起きた場合には、教育委員会は、学校からの報告をもとに、まず事実を把握するとともに、関係機関と連携し、関係者の聞き取り調査をしての原因究明や保護者への対応、あるいは相談体制の整備を含めた事後対応、再発防止の策へとつなげていっているところでございます。
 また、いじめ問題に起因した重大事故等というお尋ねですけれども、いじめ防止対策基本方針、条例等に基づく三鷹市いじめ問題対策協議会──法律家、心理家、専門家などの参加をいただいていますけれども、その緊急事態にはですね、このいじめ問題対策協議会による調査分析も行いますし、さらに重大な事態になった場合は、必要により市長の附属機関としてのいじめ問題調査委員会による調査分析を行うようになっておりまして、市全体でですね、危機対応を図っていくことになっております。
 次に、質問の4番目、人命を守る行動、意識づけとしてのバイスタンダーの拡大という御提案でございます。
 学校におきます救急救命は、まず教員が中心となるわけでございますけれども、学校では現在、市内の中学校3年生を対象に、心肺蘇生(AED)の講習を行っているところでございます。また、小学校ですけれども、これは5年生の保健体育の中で、けがの防止において学んでおりますけれども、けがの手当てですとか、あるいはけが人が出た際の適切な対応について学習をしているところでございます。
 小・中学校における活動の際にはですね、担当教員だけではなく、例えば管理職、あるいは養護教諭が参加する、あるいは教員だけでなくて学校職員も参加し、あるいは外部指導員が参加するなど人員を確保しておりまして、緊急の際には、基本的には大人が当たっていくことになっておりますので、小学校の段階ではですね、ほかの役割分担、例えば近くの人や緊急機関に知らせる、あるいは残った集団の待機や行動、そういったことについての指導を第一に行っているところでございます。あるいは保護者、コミュニティ・スクール委員会の委員の地域の皆様に御協力いただくこともございますけれども、この場合もですね、基本的には事故発生時の通報ですとか、子どもたちの安全確保等々、それぞれの役割分担をお願いしているところでございます。
 次に、学校や地域の活動において発生する事故のリスク管理ということでございます。
 学校ではさまざまな活動場面におきまして発生する事故を未然に防止するため、そして、事故をですね、可能な限り減少させていくため、学校安全計画なり危機管理マニュアルを設けまして、リスクマネジメントに努めているところでございます。体育も含めました各教科の授業や行事の実施に当たりましては、担任教諭が安全に配慮した指導計画を作成し、管理職がその内容についてチェック、確認するとともに、実際の指導の場面でも点検を行っているところでございます。
 また、放課後の部活動につきましても、これは生徒の主体的な活動ではありますけれども、指導員がですね、顧問、あるいは外部指導員が確実に立ち会えるような体制を整えるということで指導をしております。
 それから、学校の安全対策には、やはり環境──施設を整備するということも必要でございまして、日常的に施設整備やさまざまな器具についての事故防止の観点から、点検を行っているところでございます。また、安全教育につきましても、児童・生徒に危険を予測し、回避する能力を育むために、東京都が作成しました安全教育プログラムに基づきまして、安全指導の実施や体育、保健体育のそういう授業の中でもですね、けがの防止、あるいは応急手当ての方法について学習するよう指導しているところでございます。
 その他につきましては、担当よりお答えをいたします。


◯教育委員会事務局教育部長・調整担当部長(山口忠嗣君)  それでは、私からは教育長の答弁に補足いたしまして、3点お答えをさせていただきたいと思います。
 まず、お尋ねの1番目、小・中学校におけます児童・生徒の事故についてということでございます。
 平成26年度におけます、小・中学校におけます児童・生徒の負傷の状況についてお答えをしたいと思います。
 昨年度、平成26年度、児童・生徒が学校活動中に負傷した影響で後遺症を残す結果となった事故は、幸いにもございませんでした。
 負傷の状況でございますけれども、小学校全体の発生件数が316件ございまして、その割合といたしましては、保健体育の授業中がおおよそ35%、その他の授業中が8%、そして休憩時間中が38%、課外活動中が1%、校外活動中というのが2%、特別活動中が6%、学校行事中が2%、そして通学途中というものが8%という割合になっているところでございます。
 次に、中学校でございますけれども、こちらは全体の件数が238件ございまして、そのうち保健体育の授業中がおおよそ31%、その他の授業中が2%、部活動中というのが45%、休憩時間中が12%、校外活動中が5%、特別活動中が2%、そして、学校行事中が0.4%で、通学途中というものは2%というような結果になっているところでございます。
 次に、お尋ねの6番目でございます。こちらは校務システムの効果ということでお尋ねをいただいてございます。
 校務支援システムの導入によりまして、通知表であったり、あと指導要録、出席簿等の作成に係る業務が、教員の皆さん、軽減されるとともにですね、学校間、教員間での連携が円滑になったというところでございます。平成26年度予算で、サーバー機器の老朽化によります校務支援システムの機器の更新を行いまして、データセンター及びクラウドサービスの活用によって信頼性の向上と運用の安定性の確保を図っているところでございます。今回の更新が、直接ですね、教員の皆さんの残業時間の減であったり、書面の削減等につながるものではございませんけれども、今回のICT環境の整備につきましては、今後の校務軽減への取り組みを円滑にするものというふうに考えているところでございます。
 続きまして7番目、教師が抱える仕事の軽減というお尋ねでございます。
 学校経営の一環といたしまして、学校管理職につきましては、教員のですね、勤務状況であったり、心身の状況について常に把握するように努めておりまして、また、教育委員会事務局でですね、こういった学校管理職からのヒアリングを行う場合にはですね、一部の教員に職務が集中することのないように、一人一人の教員の実態をですね、よく把握して、それぞれ適材適所で十分な力が発揮できるように指導・助言をしているところでございます。この点につきましては、今後も学校が校務を円滑かつ適切に運営するための指導・助言をするとともにですね、組織的に、例えば事務的業務の軽減など校務の改善によりまして、教職員の負担軽減に努めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
 以上でございます。


◯5番(増田 仁君)  御答弁ありがとうございました。教職員のところからまず行こうと思います。
 校務システムでですね、数値系のところというのは、これはかなり気を使うところなので、その辺は効率化できたのはよくわかります。じゃあですね、こういったことの機能をどんどん追加をしていってですね、最終的には定時で帰れるぐらいの心づもりでいろんなものを改革をしていくようにしないとですね、なかなか先に進まないというところがありますが、この時点ですね、今後も含めて、どういったところがですね、校務支援システムで効率化ができそうというところを把握、何か提案とか、そういうのはあるか、その辺をまず伺いたいと思います。
 次にですね、今回、報道で出ていた教師の個人端末ですね、画像が出てしまったという問題が起きた。これは典型的な失敗事例なんですけども、ただですね、授業で活用──個人端末でありながらも活用すると創意工夫はある意味、評価はしなければいけないというところはあると思います。そこを考えるとですね、今後、MDMという端末アプリを使って、月数百円なんですけども、それを入れて問題が起きないようにするとかですね、BYODというか、個人端末を使うことを学校として認める、もしくは二、三年のリースで、iPadですとか、そういった端末をですね、リースで、何千万もかかってしまうんですけれども、それを各教師に行政が配備するのか、そういったところを、今後、授業の効率化ですね、負担軽減を図っていくのにどういったところを考えているのか、これもあわせてお伺いをしたいと思います。
 次にですね、重大事故の意識というところで、事故の話、今、いろいろいただいたんですけども、その中でですね、今回出てこなかったのが、熱中症が原因になったのか、これがありませんでした。実はですね、熱中症というのは、事故の結果として起こった骨折の原因になっているところって、実は結構ありまして、打ちどころが悪かった、熱中症になって倒れたときに。そういうのがありますので、熱中症についての把握というのはいかがでしょうか。
 次はですね、お伺いをしたいのが、先ほどのバイスタンダーのところですね。バイスタンダーのところでいきますと、基本的には大人が対応するということだったんですけども、教員がいないところで、CSの方でも、運悪くですね、講習を受けたことがない人しかいなかったとき、そういったときにどうするのか、命をつなぐ作業は誰が行うのか。ここを考えると、子どもに、児童に一回でも受けさせておくことが、つなぐ活動になると思うんですけども、ここまでで一旦お伺いをしたいと思います。


◯教育長(高部明夫君)  何点か再質問いただきましたけれども、まず校務支援システム等々のですね、教員が使うシステムの効率化ということですけど、さらにその拡充できないかということで、私どもも本来はですね──今まで健康情報ですとか、成績処理ですとか、出席状況ですとか、そういった可能な限り校務システムで効率化していこうということなんですけど、もっとさらに言えば、いろんな子どもの状況とか履歴とかですね、そういったものをやれば、一々紙に転記することもなくてですね、と思ったんですが、まだ業者のほうからですね、そういったシステムが開発できてないというですね──オリジナルになってしまう、非常にコストが高くなる。ちょっとそこは断念せざるを得なかったということで、今後ですね、そういうニーズは全国的な学校であるわけですから、ぜひ業者の方にも頑張っていただいてですね、そういうものがシステム化できるように、今後も検討を続けていきたいというふうに思っています。
 それから、先ほど教員がですね、私物のパソコンを持って、教材を活用したいと思ってやってしまったミスが契機なんですけれども、私どもも、市費でですね、三鷹の費用で教員に1人1台の環境をつくっているわけで、また学習に使えるようなですね、教材づくりも、学校にあるパソコンの中で可能ではあるんですけども、やはり先生方は今、自分の使い勝手のいいですね、モバイル端末というものをですね、重宝されているようで、そこら辺、ちょっと非常にジレンマもあるわけですけども、しかし、やっぱり一定の学校のルールで、私物を持ち込むことによるリスクというのは高いわけですから、先日の臨時校長会の中でも、そこが徹底できるように、どういう形で校内で教材が活用できて、それをチェックして、ちゃんと生徒に提供できるのかですね、そういったルールをもう一回確認しましょうということを徹底したところでございます。
 それから、教員の負担軽減ということでございます。これは、校務支援システムだけじゃなくて、全体言えることではありますけれども、従来も一人に偏らない校務分担の軽減とかですね、あるいは会議の精選等も行ってまいりました。やはり部活動も含めていろんな教員が授業以外の負担というのが多いのは事実でございまして、やはりチーム学校という形で今、文科省は推進しておりますけれども、やはり専門スタッフの強化ですね。三鷹市は先行してスクールカウンセラーもスクールソーシャルワーカーも学校図書館の司書もですね、さまざま配置してきたわけですけれども、さらにそういった専門家のスタッフをですね、国や東京都の動向を見ながら、やっぱり強化していきたいと思っていますし、もう一つはやはり調査物が多いということですね。事務負担ですね。これは国や東京都にもぜひ御協力いただきたいんですけれども、市も含めてですね、そういった調査だらけ、調査に追われているというような状況のないように、十分留意していきたいというふうに思っております。
 それから、バイスタンダーの件でございますけれども、先ほども言いましたように、基本的には教員──担任だけではなくて、さまざまな学校スタッフ全体でですね、救命講習を受けた人が必ず引率をして、いざというときには人命救助はその人が優先に当たると。あと通報とかですね、子どもの安全確保とか、さまざまな部分は役割分担で、来ていただいた保護者とか、残った学校の小学生等で対応することも予定していますけれども、小学校の学習指導要領の内容によりますと、やはり消火器の使い方とか通報は学びます。ただ、AEDについては、例えば所在を確認しましょうというレベルなので、それは任意の部分なんですけれども、今、必須化することは、当面考えておりません。


◯教育委員会事務局教育部長・調整担当部長(山口忠嗣君)  重大事故の中で熱中症の件数ということでございますけれども、我々が統計的に捉えてございますのは、結果の症状、症例ということでございまして、その原因となりますような、例えば熱中症というようなところについてはですね、その件数は把握してないところでございます。


◯5番(増田 仁君)  ほとんどもう時間ないので、保護者の方がですね、子どもたちを連れて遊びに行ったときとかに、そのバイスタンダーの役割を誰が担うのかという、要は学校でないところですね、こういうのがありますので、その点はですね、よくよく考えていただいて、やらないでいいのか、大丈夫なのかというのは、もう一度考えていただきたいと思います。
 あと、熱中症についてもですね、これは多臓器不全につながるものですので、この辺は留意いただければと思います。
 質問を終わります。


◯議長(後藤貴光君)  以上で増田 仁君の質問を終わります。
 これをもって市政に関する一般質問は終わりました。
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◯議長(後藤貴光君)  以上で本日の日程は全部終了いたしました。本日はこれをもって散会いたします。
 なお、次回の本会議は12月2日午前9時30分に開きます。文書による通知はいたしませんから、さよう御了承願います。お疲れさまでした。
                  午後6時25分 散会