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平成23年第1回定例会(第3号)本文

               午前9時30分 開議
◯副議長(高谷真一朗君)  おはようございます。ただいまから平成23年第1回三鷹市議会定例会第3日目の会議を開きます。
 本日は、議長が所用のため、私が議長を務めさせていただきます。御協力のほどよろしくお願いいたします。
    ──────────────────────────────────────


◯副議長(高谷真一朗君)  本日の議事日程はお手元に配付したとおりであります。
    ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
    日程第1 議案第6号 三鷹市職員定数条例の一部を改正する条例
    日程第2 議案第7号 三鷹市非常勤の特別職職員の報酬及び費用弁償条例の一部を改正する
               条例
    日程第3 議案第8号 三鷹市職員の給与に関する条例の一部を改正する条例
    日程第4 議案第9号 三鷹市立学校設置条例の一部を改正する条例
    日程第5 議案第10号 三鷹市立学校施設の開放に関する条例の一部を改正する条例
    日程第6 議案第11号 三鷹市高齢者センター条例の一部を改正する条例
    日程第7 議案第12号 三鷹市立保育園設置条例の一部を改正する条例
    日程第8 議案第13号 三鷹市学童保育所条例の一部を改正する条例
    日程第9 議案第14号 三鷹市乳幼児の医療費の助成に関する条例の一部を改正する条例
    日程第10 議案第15号 三鷹市国民健康保険条例の一部を改正する条例
    日程第11 議案第16号 三鷹市地区計画の区域内における建築物の制限に関する条例の一部を
               改正する条例
    日程第12 議案第17号 三鷹市地区計画の区域内における建築物の緑化率の最低限度に関する
               条例の一部を改正する条例
    日程第13 議案第18号 三鷹市立南浦西保育園建替業務委託契約の締結について
    日程第14 議案第19号 平成22年度三鷹市一般会計補正予算(第4号)
    日程第15 議案第20号 平成22年度三鷹市老人医療特別会計補正予算(第2号)


◯副議長(高谷真一朗君)  直ちに日程に入ります。
 この際、日程第1 議案第6号から日程第15 議案第20号までの15件を一括議題といたします。
                    〔書記朗読〕
 提案理由の説明を求めます。市長 清原慶子さん。
                〔市長 清原慶子さん 登壇〕


◯市長(清原慶子さん)  おはようございます。
 それでは、ただいま上程されました議案第6号から議案第20号までの15件につきまして、御説明申し上げます。
 議案第6号 三鷹市職員定数条例の一部を改正する条例
 この議案は、職員定数の対象となる職員に公益的法人等に派遣した職員を加えるとともに、職員定数の見直しを行うものでございます。
 平成21年12月10日、公益的法人等に派遣した職員に係る人件費を補助金等で負担したことが違法である、とする判決が確定しました。この判決を踏まえ、三鷹市では、平成23年度から当該職員の給与等について市が直接支給することとしましたので、職員定数の対象となる職員に公益的法人等に派遣した職員を加えるものでございます。
 職員定数の見直しでございますが、平成16年4月1日に現行の定数1,128人に改正して以来、各年度において見直しを行ってまいりましたが、平成23年4月1日以降の定数について現行の定数から82人削減し、1,046人といたします。
 この条例は、平成23年4月1日から施行いたします。
 議案第7号 三鷹市非常勤の特別職職員の報酬及び費用弁償条例の一部を改正する条例
 この議案は、非常勤の特別職職員のうち、中国残留法人等支援相談員の報酬について現行の日額1万円以内を月額19万6,500円以内に変更するとともに、産業医の報酬日額について現行の7万8,000円以内を6万5,000円以内に引き下げるものでございます。
 この条例は、平成23年4月1日から施行いたします。
 議案第8号 三鷹市職員の給与に関する条例の一部を改正する条例
 この議案は、国・東京都に準じ、時間外勤務の縮減を目的とした時間外勤務手当の割り増し支給の対象となる月60時間を超える時間外勤務時間の積算の基礎に、日曜日またはこれに相当する日における時間外勤務時間を含めるものでございます。
 この条例は、平成23年4月1日から施行いたします。
 議案第9号 三鷹市立学校設置条例の一部を改正する条例
 この議案は、東台小学校の建てかえに伴う仮設校舎の設置期間について、工事の順調な進捗や工期の見直しにより短縮することができましたので、平成23年8月31日としておりました終期を同年5月8日とするものでございます。
 この条例は、公布の日から施行いたします。
 議案第10号 三鷹市立学校施設の開放に関する条例の一部を改正する条例
 この議案は、第五中学校体育館の建てかえの完了に伴いまして、同校体育館を有料の開放施設とし、使用料を定めるものでございます。
 第五中学校体育館の使用料でございますが、他の有料の小・中学校体育館と同様に「午前9時から午前12時まで」、「午後0時から午後3時まで」及び「午後3時から午後6時まで」を1,800円、「午後6時30分から午後9時まで」を1,500円といたします。
 この条例は、平成23年7月1日から施行いたします。
 議案第11号 三鷹市高齢者センター条例の一部を改正する条例
 この議案は、高齢者センターいちょう苑を廃止するものでございます。
 この条例は、平成23年4月1日から施行いたします。
 議案第12号 三鷹市立保育園設置条例の一部を改正する条例
 この議案は、東台小学校の建てかえに伴う東台保育園の仮設園舎の設置期間を短縮し、平成23年8月31日としておりました終期を同年3月31日とするものでございます。
 この条例は、公布の日から施行いたします。
 議案第13号 三鷹市学童保育所条例の一部を改正する条例
 この議案は、すべての学童保育所において保育時間を延長し、当該時間に係る育成料を徴収するとともに、東台小学校の建てかえに伴う東台小学童保育所の仮設施設の設置期間を短縮するものでございます。
 保育時間の延長でございますが、夏休み等の学校休業期間等を除く月曜日から金曜日につきましては午後6時から午後7時まで、土曜日及び学校休業期間等につきましては、午前8時から午前8時30分まで及び午後6時から午後7時までといたします。
 延長保育時間の育成料でございますが、午前8時から午前8時30分まで及び午後6時から午後6時30分までを200円、午後6時から午後7時までを400円といたします。延長保育時間の育成料の徴収に当たりましては、学童1人1月当たりの上限額を設定することとし、午前8時から午前8時30分までの利用につきましては2,000円、午後6時から午後6時30分または午後7時までの利用につきましては4,000円、総額で5,000円を限度額といたします。
 東台小学童保育所の仮設施設の設置期間につきましては、平成23年8月31日としておりました終期を同年5月5日とするものでございます。
 この条例は、延長保育の実施及び東台小学童保育所の仮設施設の設置期間の短縮は平成23年4月1日から、延長保育時間に係る育成料の徴収は同年6月1日から施行いたします。
 議案第14号 三鷹市乳幼児の医療費の助成に関する条例の一部を改正する条例
 この議案は、乳幼児医療費助成の対象者に係る所得制限を撤廃するとともに、現況届の省略を図るものでございます。
 乳幼児の医療費助成につきましては、1歳児から就学前の年齢の児童に係る対象者の所得制限を廃止し、乳幼児医療費助成のすべての対象者に係る所得制限を撤廃するものでございます。
 現況届でございますが、市民負担の軽減の観点から見直し、市において確認できるときは省略できることとするものでございまして、ひとり親家庭等の医療費助成及び義務教育就学児の医療費助成に係る現況届についても同様といたします。
 この条例は、所得制限の撤廃は平成23年10月1日から、現況届の省略は公布の日から施行いたします。また、平成24年4月1日から施行される児童福祉法改正に伴う規定の整備につきましては、同日から施行いたします。
 議案第15号 三鷹市国民健康保険条例の一部を改正する条例
 この議案は、平成21年10月1日から平成23年3月31日まで暫定的に42万円としております出産育児一時金の支給額を恒久化するものでございます。
 この条例は、平成23年4月1日から施行いたします。
 議案第16号 三鷹市地区計画の区域内における建築物の制限に関する条例の一部を改正する条例
 議案第17号 三鷹市地区計画の区域内における建築物の緑化率の最低限度に関する条例の一部を改正
       する条例
 この2つの議案は、いずれも三鷹都市計画下連雀五丁目地区地区整備計画区域に関するもので、建築物の制限及び緑化率の最低限度を定めるものでございます。
 建築物の制限でございますが、同区域内で吉祥寺通りに面する建築物につきましては、外壁またはこれにかわる柱の面から道路境界線までの距離は、原則として建物の高さに応じて3メートルから9メートル以上でなければならないとするものでございます。
 また、緑化率の最低限度につきましては10分の2としますが、戸建て住宅の場合は10分の1.5とします。
 この2つの条例は、公布の日から施行いたします。
 議案第18号 三鷹市立南浦西保育園建替業務委託契約の締結について
 この議案は、老朽化した都営三鷹下連雀アパートの建てかえに伴い、併設されております南浦西保育園の建てかえ業務に係る委託契約を締結するものでございます。
 議案の内容でございますが、契約の方法は随意契約とし、契約の金額は概算で3億2,974万2,000円でございますが、出来高により清算することといたします。契約の相手方は、東京都新宿区西新宿二丁目8番1号東京都でございます。
 履行期間は、契約確定の翌日から平成25年3月31日まででございます。
 議案第19号 平成22年度三鷹市一般会計補正予算(第4号)
 今回の補正は、歳入歳出予算の総額に、それぞれ14億3,042万4,000円を追加し、総額を670億931万6,000円とするとともに、繰越明許費、債務負担行為及び地方債の補正を行うものでございます。
 補正の内容につきまして、歳出予算から御説明いたします。
 最初に総務費でございますが、1点目が職員人件費の減4,400万円で、給与改定などによるものでございます。なお、他の款で計上している職員人件費の減についても同様の理由でございます。
 2点目の財政調整基金積立金の増10億1,122万4,000円と3点目のまちづくり施設整備基金積立金の増838万円は、いずれも元金積み立てを行うものでございます。
 次に民生費でございますが、1点目が職員人件費の減8,100万円でございます。2点目が健康福祉基金積立金の増1億3,177万1,000円で、元金積立金を増額するものでございます。3点目が私立保育園緊急整備事業費の増1,836万3,000円、4点目がまなびの森保育園三鷹(仮称)整備事業費の増312万5,000円で、いずれも、東京都の補助金を活用し、さらなる事業者負担軽減のために事業費を増額するものでございます。
 次に衛生費でございますが、1点目が職員人件費の減4,500万円でございます。2点目が環境基金積立金の増72万6,000円で、元金積立金を増額するものでございます。3点目がふじみ衛生組合関係費の減2億2,212万円7,000円で、同組合の補正に伴い、本市の負担金を減額するものでございます。
 次に商工費でございますが、職員人件費の減900万円でございます。
 次に土木費でございますが、街路灯維持管理費の減2,253万8,000円で、電気料の減による不用見込み額を減額するものでございます。
 次に教育費でございますが、1点目が職員人件費の減4,200万円でございます。2点目が、学校図書館図書整備事業費700万円で、国の住民生活に光をそそぐ交付金を活用して、学校図書館の図書整備等を図るものでございます。3点目が学校空調設備整備事業費の増7億1,550万円で、12月補正予算に続いて、夏季における猛暑対策として、小・中学校の良好な学習環境を確保するため、国・東京都の補助金を活用して、平成23年度以降の事業計画を前倒しし、学校空調設備の早期整備に取り組むものでございます。
 続きまして歳入予算でございます。
 最初に市税でございますが、法人市民税の増2億3,400万円、固定資産税の増1億800万円及び市たばこ税の増3,300万円で、市税全体で3億7,500万円を増額するものでございます。
 次に利子割交付金でございますが、東京都からの交付見込みに従い6,100万円を増額するものでございます。同様に地方消費税交付金を1億円、自動車取得税交付金を5,800万円それぞれ増額するものでございます。
 次に国庫支出金でございますが、1点目が安全・安心な学校づくり交付金の増8,204万4,000円、2点目がきめ細かな交付金1,878万3,000円で、いずれも教育費の学校空調設備整備事業費に係る財源でございます。3点目が住民生活に光をそそぐ交付金700万円で、教育費の学校図書館図書整備事業費に係る財源でございます。
 次に都支出金でございますが、1点目が待機児童解消区市町村支援事業補助金4,297万6,000円で、民生費の私立保育園緊急整備事業費とまなびの森保育園三鷹(仮称)の整備事業費に係る財源でございます。2点目が公立学校施設冷房化緊急支援特別事業補助金1億107万9,000円で、教育費の学校空調設備整備事業に係る財源でございます。
 次に寄附金でございますが、民生費寄附金で1億2,176万1,000円、衛生費寄附金で72万6,000円、土木費寄附金で205万5,000円をそれぞれ増額するものでございます。
 次に繰入金でございますが、老人医療特別会計繰入金を1,000万円増額するものでございます。
 次に市債でございますが、小学校空調設備整備事業債を1億9,700万円、中学校空調設備整備事業債を2億5,300万円、それぞれ計上するものでございます。なお、地方債補正についても、同様の内容で起債の目的・限度額等を追加するものでございます。
 続きまして、繰越明許費補正でございますが、繰越明許費を設定して翌年度に繰り越すものでございます。
 1点目は民生費における南浦西保育園建替事業費についてです。本事業は、東京都が行う都営三鷹下連雀アパートの建てかえ事業の中で行われるものですが、その工事発注方法の変更や事業進捗のおくれなどにより、年度を越えて執行する見込みとなったことから、繰越明許費7,893万7,000円を設定するものでございます。
 2点目は土木費の市道第135号線(三鷹台駅前通り)整備事業における用地の取得につきまして、用地の引き渡しが本年度中に完了しない見込みとなったことから、用地取得費と物件補償費の一部について繰越明許費2億4万4,000円を設定するものでございます。
 3点目は土木費のコミュニティバス関係費について、年度内の用地取得が一部困難となったため、繰越明許費1,665万円を設定するものでございます。
 4点目は教育費の学校図書館図書整備事業費で、住民生活に光をそそぐ交付金の活用を図るため、小学校費で75万1,000円、中学校費で624万9,000円について、それぞれ繰越明許費の設定を行うものでございます。
 5点目は教育費の学校空調設備整備事業費で、国や東京都の補助金等の活用により、事業の早期進捗を図るため、小学校費で3億2,150万円の繰越明許費の設定を行うとともに、中学校費について、繰越明許費の金額を2,150万円から4億1,550万円に変更するものでございます。
 続きまして、債務負担行為補正でございますが、三鷹市土地開発公社が平成22年度に融資を受ける事業資金について、東京外郭環状道路における生活再建救済制度に係る用地の維持管理費に対する債務保証を設定するもので、期間を平成22年度から平成37年度までとし、限度額は融資を受ける事業資金1,000万円に対する償還元金及び利子相当額とするものでございます。
 議案第20号 平成22年度三鷹市老人医療特別会計補正予算(第2号)
 今回の補正は、歳入歳出予算の総額に、それぞれ1,000万円を追加し、総額を2,676万4,000円とするものでございます。
 この補正は、今年度末をもって老人医療特別会計が廃止となることに伴い、歳入において第三者納付金を1,000万円増額するとともに、歳出において一般会計繰出金を1,000万円増額して、歳入歳出の調整を行うものでございます。
 提案理由の説明は、以上でございます。
 どうぞよろしく御審議のほどお願い申し上げます。


◯副議長(高谷真一朗君)  提案理由の説明は終わりました。
    ──────────────────────────────────────


◯副議長(高谷真一朗君)  この際、議事の都合によりしばらく休憩をいたします。
               午前10時01分 休憩



               午前10時15分 再開
◯副議長(高谷真一朗君)  休憩前に引き続き、会議を再開いたします。
    ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
    日程第16 議案第21号 平成23年度三鷹市一般会計予算
    日程第17 議案第22号 平成23年度三鷹市国民健康保険事業特別会計予算
    日程第18 議案第23号 平成23年度三鷹市下水道事業特別会計予算
    日程第19 議案第24号 平成23年度三鷹市介護サービス事業特別会計予算
    日程第20 議案第25号 平成23年度三鷹市介護保険事業特別会計予算
    日程第21 議案第26号 平成23年度三鷹市受託水道事業特別会計予算
    日程第22 議案第27号 平成23年度三鷹市後期高齢者医療特別会計予算


◯副議長(高谷真一朗君)  この際、日程第16 議案第21号から日程第22 議案第27号までの7件は、いずれも平成23年度予算に関する議案でありますので、一括議題といたします。
                    〔書記朗読〕
 施政方針並びに提案理由の説明を求めます。市長 清原慶子さん。
                〔市長 清原慶子さん 登壇〕


◯市長(清原慶子さん)  施政方針、平成23年度予算編成に当たって
I 施政方針
  平成23年度(2011年度)一般会計予算及び特別会計予算を提案するに当たりまして、施政方針及び
 予算の概要について御説明申し上げます。
1 初めに
  〜都市再生とコミュニティ創生で切り拓く、「輝く三鷹の未来」を目指して、持続可能な高環境・
 高福祉のまちづくりの推進を〜
  平成22年(2010年)11月3日、三鷹市は市制施行60周年を迎え、文字通り「市民参加と協働」で実
 施した多くの記念行事を通して、三鷹市のこれまでの自治の歩みを振り返りつつ、改めて三鷹市が積
 み重ねてきた「市民参加と協働による高環境・高福祉のまちづくり」の意義とその実践の重みを再確
 認することができました。
  そして、新しい年に入り、世界経済を見渡すとき、各国の景気刺激策の効果もあって、緩やかな回
 復過程を歩んでいるとの報道がなされてはいます。しかしながら、引き続きいわゆる下振れリスクが
 高い状況が続いており、信用収縮傾向の継続や先進国における高い失業率など、2008年以降の世界的
 な金融・経済危機がもたらした後遺症に、世界は今なお苦しんでいる現状にあると言わざるを得ませ
 ん。
  日本経済についても、景気の持ち直しの兆しは見られると言われるものの、円高や長引くデフレに
 直面し、今なお混迷の中にあります。失業率は、依然として若年層を中心に高水準で推移し、特に大
 学卒業者の就職内定率が「超就職氷河期」と表現されるレベルにまで悪化するなど、厳しい雇用情勢
 が続いています。
  このような景気の停滞とともに、国政における不透明な状況も加わり、新年になってから債権等の
 格付機関により日本の国債が格下げされたことに象徴されるように、経済財政的に不安定な日本の様
 相は解消されていないと言えます。加えて、エジプト等の激動が報道される中、日本はアメリカ、ロ
 シアやアジア諸国との国際関係が不安定な状況にあります。
  こうした変動する現代にあって、三鷹市は、直面する諸課題を解決するための具体的施策を実行し
 つつ、「輝く三鷹の未来」を切り開いていくという強い意志と改革の力を求められていると考えます。
  例えば、日本においては、高度経済成長期に整備した都市施設や公共施設の老朽化が進み、「都市
 再生」が全国的に重要な課題になっていますが、昨年11月に市制施行60周年を迎えた三鷹市でも、公
 共施設等の更新時期を一斉に迎えており、計画的で、しかも迅速かつ適切な対応が要請されています。
  また、近年急速に少子長寿化が進み、高齢者の単身世帯が増加する中で、「無縁社会」というメデ
 ィアの表現に象徴されるように、地域での人々のつながりの希薄化や空洞化が進行する傾向にありま
 す。男女ともに平均寿命が長い傾向にある三鷹市でも、高齢者の単身世帯や高齢者のみの世帯が増加
 する傾向にあるとともに、核家族化が定着し、子育ての知恵が伝承されにくい環境の中で子育てをし
 ている若い世代が一般的になっています。そこで、少子長寿化が進展する地域において、住民同士の
 「支え合い」による新たな「共助」の仕組みとでも言うべき「コミュニティ創生」がますます求めら
 れてきています。
  振り返れば、これまで三鷹市は、日本の自治体が直面してきたさまざまな政策課題に対して、率先
 して解決に向けた取り組みを行い、自治体行政における「フロントランナー」としての役割を果たし
 てきました。例えば、全国的に自治体の財政状況が厳しかった高度経済成長期において、三鷹市は行
 財政改革の推進と受益者負担制度の導入によって財源を生み出し、1973年に日本で初めて公共下水道
 100%完備を達成しました。また、高度経済成長期に生じた地方から都市への人口の急激な流入によ
 って、旧来の地縁組織による「ムラ」が崩壊するという都市自治体共通の問題に対しては、古くから
 住み続けている市民と新たに転入した市民とが「地域性」と「共同性」をはぐくむために、コミュニ
 ティ・センターを拠点とした住民協議会の活動を推進するという、新たなコミュニティづくりの自治
 体政策モデルを実現してきました。
  そして、昨年、市制施行60周年を迎えた三鷹市は、今、都市として成熟期を迎える中で、これまで
 先駆けて都市基盤整備等を進めたことから、いち早く、今日の都市政策の課題に直面しています。だ
 からこそ三鷹市は、この問題に正面から向き合い、いわば「課題解決先進自治体」として「都市再
 生」と「コミュニティ創生」による取り組みを進め、新たな自治体政策モデルを提示し、それを実践
 することが求められているのです。
  昨年刊行した市制施行60周年記念図書のタイトルは、「三鷹がひらく自治体の未来〜品格ある都市
 をめざして〜」としました。この「都市再生」と「コミュニティ創生」による「未来に向けた自治体
 政策モデル」の実践は、「輝く三鷹の未来」に向けた飛躍につながると同時に、現在、ともすると閉
 塞状況にある日本の未来を切り開き、「日本再生」に向けた確かな歩みに確実につながるものだと考
 えます。
  そこで私は、昨年度の取り組みをさらに発展させ、本年度を「都市再生」と「コミュニティ創生」
 で切り開く、「輝く三鷹の未来」を目指す年度と位置づけ、今を生きる市民の皆様とともに、未来へ
 の責任を果たすために、「持続可能な高環境・高福祉のまちづくり」を引き続き推進していきたいと
 考えます。
  以上のような基本的な考え方に立って、私は「都市再生」と「コミュニティ創生」の2つを本年度
 の最重点課題とするとともに、「生活のセーフティーネットの確立」、「子育て・教育環境の充実」、
 そして「協働による第4次三鷹市基本計画の策定及び個別計画の策定・改定」の3つを重点課題とし
 て、市政の使命を確実に果たし、「豊かさと品格ある三鷹市」を実現するための予算の編成に努めま
 した。
  最初の最重点課題である「都市再生」の取り組みとしては、市の暫定管理地としている東京多摩青
 果株式会社三鷹市場跡地において、防災公園、スポーツ施設、多機能複合施設の整備を行う「市民セ
 ンター周辺地区防災公園街区整備事業」を引き続き進めます。本事業は、独立行政法人都市再生機構
 の防災公園街区整備事業に位置づけて、用地の取得及び整備に対する国庫補助金等を活用しながら効
 果的・効率的に事業を進め、本年度は平成22年度に取り組んでいる基本設計を踏まえ、平成25年度の
 工事着工に向けて実施設計に着手します。この取り組みでは、耐震性等の安全確保の観点から建てか
 えが必要とされる、昭和40年代に建設されて老朽化が進んでいる第一体育館、第二体育館、福祉会館、
 社会教育会館、総合保健センター等の既存施設を移転して集約するとともに、「防災拠点」と「元気
 創造拠点」の機能を果たす新たな施設の整備を行うという、「都市再生」を進めるプロジェクトの中
 核的な事業となります。
  また、公共施設の計画的な維持・保全を進めるファシリティ・マネジメントの取り組みとして、施
 設の適正かつ効率的な維持管理に向けた調査研究やそのための計画の策定を行います。さらに、建て
 かえ等の対応の必要がある公共施設を東京多摩青果株式会社三鷹市場跡地等に移転・集約することに
 よって、利用や保有の必要がなくなる土地等の適切な活用や売却の検討など、施設の所有や利用形態
 を最適化する「公的資産のマネジメント」(パブリック・リアル・エステート)の確立を図り、市の
 健全財政の維持に努めます。
  第2の最重点課題である「コミュニティ創生」の取り組みとしては、地域に暮らす人々が、つなが
 り、支え合うための新しい「共助」の仕組みづくりである「地域ケアネットワーク」の推進などに取
 り組みます。近年、特に都市部では家族や地域との関係が希薄化し、社会から孤立する人がふえてい
 ます。そこで、三鷹市では、市民の皆様や関係機関等を結びつけ、支え合いのネットワークを構築す
 ることによって、一人一人をつなげる、ぬくもりのある地域社会の実現を目指します。具体的には、
 東部地区に設立するネットワークの事業展開を図るとともに、新たなネットワークの設立に向けた支
 援を行います。また、既に設立されている井の頭地区、新川・中原地区、西部地区において、相談、
 居場所づくりや見守りなどのネットワーク化を支援する取り組みを推進します。
  また、町会・自治会等との協働によって「災害時要援護者支援事業」を段階的に展開するとともに、
 専門家や市民の参加によって、「コミュニティ創生」のあり方に関する研究活動を進めます。
  次に重点課題の第1である「生活のセーフティーネットの確立」の取り組みとしては、市民の安定
 した生活を確保するために、国の社会保障制度への適切で着実な対応などに取り組みます。具体的に
 は、生活保護受給者への就労支援等による自立の促進と生活保護制度の適正な運用に向け、自立支援
 員の配置を行うとともに、低所得者、離職者のための相談窓口を継続して開設します。また、市内中
 小企業者の経営支援に向けた無利子融資あっせん事業の促進や、緊急雇用創出事業に取り組みます。
 さらに、買物が不便な地域における日常生活の利便性向上を図るための買物支援のモデル事業を開始
 するとともに、消費生活の安定と商店街の活性化に向けて、商店会連合会と商工会による三鷹むらさ
 き商品券(市内共通商品券)事業を継続して支援します。
  第2の重点課題である「子育て・教育環境の充実」の取り組みとしては、少子化が進む中、これか
 らの三鷹のまちづくりを担う子どもたちをはぐくむ上で、若い世代に住みたいと思われるようなまち
 としていくために、子育て支援施策などのさらなる拡充を図ります。具体的には、「待機児解消」の
 取り組みとして、公有地を活用して平成24年度に開設する定員100人を超える規模の民間認可保育所
 の誘致を進めるとともに、公立保育園の市民ニーズに対応するための弾力的な運用による定数増で36
 人程度の定数拡大を図ります。また、平成25年度に新施設の開設を予定する南浦西保育園の建てかえ
 によって、24人程度の定数拡大を図ります。また、学童保育所については、羽沢小学童保育所の整備
 や全施設での保育時間の延長を行います。学校教育に関しては、コミュニティ・スクール型の小・中
 一貫教育の推進に資するためにも、学校耐震補強工事や三鷹中央学園第三小学校の建てかえに取り組
 むとともに、平成24年度末までにすべての小・中学校に空調設備を整備するなど、教育環境の向上を
 図ります。
  さらに、子どもたちの健康保持の観点から、子宮頸がん予防ワクチン、Hibワクチン、小児用肺
 炎球菌ワクチンの接種事業を実施するとともに、乳幼児医療費助成制度の所得制限を撤廃します。
  第3の重点課題である「協働による第4次三鷹市基本計画の策定及び個別計画の策定・改定」の取
 り組みは、次期の総合計画となる第4次基本計画とともに、同時に取り組みを進める24の個別計画の
 策定や改定を行うことです。取り組みに当たっては、第3次基本計画に掲げた改革の総仕上げと、21
 世紀最初の10年の市政の軌跡を総括した上で、「輝く三鷹の未来」に向けた、いわばグランドデザイ
 ンの検討と策定を進めます。
  具体的には、第4次基本計画と各個別計画の骨格案と素案の策定を順次進める中で、各段階で広報
 特集号を発行してこれらの概要を一体的に情報提供するとともに、関係審議会や市民会議での検討、
 パブリックコメントの実施や無作為抽出の市民の皆様による「まちづくりディスカッション」の開催
 など、多元的で多層的な市民参加と協働による計画策定を進めていきます。
  さて、本年度の予算編成は、昨年度と同様に大変厳しい環境にありましたが、この厳しい状況は今
 しばらく続くことも想定する必要があります。また、厚生労働省の推計によれば少子長寿化は今後急
 激に進み、2050年には労働人口が現在の3分の2に減少するとされていることから、将来的には市の
 予算や経営資源も、さらに制約を受けるかもしれません。こうした厳しい経済財政状況にあって、次
 の計画期間となる12年は、「更なる選択と集中」による市政運営が必要な時期となることから、今後
 も徹底した行財政改革を推進するための計画も策定し、持続可能な自治体経営の確立を図ります。
  それとともに、市民が相互に助け合いながら、心の豊かさがもたらされる共生と連帯による協働の
 まちづくりが、これまでより一層重要になってくると思います。
  私は、かねて「平成16年度施政方針」で、協働で得られるものは必ずしも物的・経済的なものに限
 られず、その過程においては、「自己実現による真の意味での「心の豊かさ」」をも得ることができ
 ると申しましたが、その思いは、この間の市民の皆様との協働の経験からさらに強まっています。協
 働で進める「都市再生」と「コミュニティ創生」の取り組みを通して、人と人とが、人と機関が、機
 関と機関が、相互の信頼で支え合う「地域の絆」が強化されていくものと信じています。
  私は、三鷹市という都市が持つ潜在的な可能性は大きなものがあり、その可能性を実現できるのが
 市民の皆様の「市民力」であると思います。そして、協働の取り組みには謙虚に市民の皆様との協働
 を進める「職員力」が不可欠でもあります。私は、8年前、市長に就任したときの「初心」を忘れず、
 かつて市民として経験した「参加と協働のまちづくり」の意義を再確認しつつ、今は市長として、市
 民の皆様との協働への「思い」とそれを推進するという「志」の原点を大切にしたいと思います。そ
 して、「輝く三鷹の未来」を見据え、将来のあるべき基礎自治体の自治の実現に向けて、市民の皆様
 と御一緒に、引き続き「持続可能な高環境・高福祉のまちづくり」を推進していきたいと決意してい
 ます。
  私は、本年度も、誠心誠意、全力で市政運営を行い、「協働・感動・躍動が息づく、輝くまち三鷹」
 の創造に取り組んでいきます。
2 市政運営の基本的な考え方
  平成23年度の予算編成に当たっては、以上のように、都市再生とコミュニティ創生で切り開く、
 「輝く三鷹の未来」を目指す年度と位置づけ、「持続可能な高環境・高福祉のまちづくり」を引き続
 き進めていくために、次の3点を市政運営の基本的な考え方といたします。
  市政運営の基本的な考え方の第1は、さきに3つ目の重点課題として示したように、平成22年2月
 に定めた「第4次基本計画及び個別計画の策定等に関する基本方針」に基づき、諸計画の策定・改定
 に取り組みながら、諸施策の実現を図ることです。平成22年度に「第3次基本計画(第2次改定)」
 の計画期間の満了を迎えることから、平成22年度に実施した「まち歩き・ワークショップ」などの取
 り組みの成果を踏まえ、本年度は無作為抽出の市民の皆様による「まちづくりディスカッション」な
 ど多元的で多層的な市民参加とパブリックコメントを実施し、骨格案、素案の策定を経て計画を取り
 まとめます。また、関連する24の個別計画についても第4次基本計画との連動と整合を図りながら、
 一斉に策定や改定を行います。
  平成23年度の主な新規・拡充事業については、冒頭で申し上げた「都市再生」、「コミュニティ創
 生」の2つの最重点課題と、「生活のセーフティーネットの確立」、「子育て・教育環境の充実」、
 「協働による第4次三鷹市基本計画の策定及び個別計画の策定・改定」の3つの重点課題を踏まえて、
 「第3次基本計画(第2次改定)」に準じた分野ごとに、次のとおり取り組むこととしました。
  それでは、平成23年度予算の主な施策を説明いたします。
  「安全安心のまちづくり」では、市民センター周辺地区防災公園街区整備事業などを踏まえた「地
 域防災計画」の改定や、非常時優先業務の選定に係る震災対応の「事業継続計画(BCP)」の策定
 に取り組みます。また商店会・町会で構成する地域団体が行う防犯カメラ等の購入・設置について東
 京都の補助制度を活用して支援するとともに、町会・自治会などでの市民相互の支え合いを基本とし
 た要援護者本人同意方式による災害時要援護者支援事業に取り組むほか、引き続き家具転倒防止器具
 設置普及事業や安全安心・市民協働パトロールなどによる総合的な安全安心体制の推進を図ります。
  「地域ケアの推進」では、引き続き傾聴ボランティアの養成・活動支援や認知症サポーター、地域
 福祉ファシリテーターの養成など地域福祉を担う人財の育成を進めます。また、東部地区に続き5カ
 所目の地域ケアネットワークの設立に向けた支援を行います。さらに、社会福祉法人による障がい者
 就労支援事業所の移転整備に対する助成や、認知症グループホームなどの地域密着型サービス拠点の
 整備に対する助成を行います。
  「都市の更新・再生」では、さきに示した市民センター周辺地区防災公園街区整備事業のほか、三
 鷹中央学園第三小学校の建てかえ、学校耐震補強事業、大沢コミュニティ・センター耐震補強事業を
 実施するとともに、老朽化の進んだ公会堂の耐震補強を含むリニューアル事業及び公会堂別館の建て
 かえ事業に取り組みます。
  なお、公共施設の保全・活用に向けた取り組みとしては、公共施設データベースシステムの整備を
 継続して行いながら、その登録データを活用して主要施設に係る今後4年間の計画等を定める「公共
 施設維持・保全計画」の第1次計画を策定します。
  「バリアフリーのまちづくり」では、「バリアフリーのまちづくり基本構想」の策定に加え、あん
 しん歩行エリアとして、市道第7号線、市道第86号線、市道第124号線などの整備に取り組むほか、
 高山地区公会堂のバリアフリー化工事を実施します。
  「子ども・子育て支援」では、民間認可保育所の誘致や公立保育園の弾力運用による定数の拡大、
 認証保育所に対する開設準備経費及び運営費の助成を行うなど、待機児童解消に向けた環境整備を図
 ります。また、乳幼児医療費助成事業において、1歳児から就学前までの児童に係る所得制限を撤廃
 するほか、子ども手当や幼稚園就園奨励費補助金に係る国の制度拡充に伴う予算を計上しました。さ
 らに、子宮頸がん等の予防接種事業の拡充を図るとともに、妊婦健康診査の公費負担の対象に「HT
 LV−1」に関する抗体検査を加えます。
  また、学校教育については、夏季における猛暑対策として、小・中学校の良好な学習環境を確保す
 るため、平成22年度の補正予算に続いて学校空調設備整備事業に取り組むほか、学校給食調理業務の
 民間委託化などを進めます。
  「協働のまちづくり」では、NPO法人三鷹ネットワーク大学推進機構との協働により、三鷹ネッ
 トワーク大学のさらなる活用に向けた取り組みを推進し、第4次基本計画の策定に合わせて、三鷹ま
 ちづくり総合研究所にコミュニティ創生のあり方及びサステナブル都市に関する研究会を設置するほ
 か、「三鷹の森 科学文化祭」を引き続き実施します。
  「ユビキタス・コミュニティの推進」では、「ユビキタス・コミュニティ推進基本方針」に基づき
 実施してきた事業の成果を踏まえて「地域情報化プラン」を策定し、情報通信技術(ICT)のさら
 なる発展や普及に対応した施策を推進します。また、次期基幹系システムの構築については、平成24
 年4月までの全システム稼働に向けて、トータルコストを抑制しつつ、安定性や機能の向上を図りな
 がら、データ移行、運用テストなどの具体的な業務に取り組みます。
  その他の主要な施策として、まちづくり施策では、引き続き三鷹駅南口中央通り東地区における再
 開発事業の推進、都市計画道路3・4・13号(牟礼地区)及び都市計画道路3・4・7号(連雀通り)
 の整備に取り組むほか、「みたかバスネット」の推進施策として新川・中原ルートの新規運行ととも
 に、国・東京都の補助制度を活用し、明星学園ルートに路線バスとしては都内初となる電気バスを導
 入します。緑と水の拠点・ルートの整備については、引き続き野川左岸の用地取得等の「大沢の里」
 整備事業や児童遊園などの公園整備に取り組みます。
  環境施策では、引き続き、太陽光発電等の新エネルギー導入やごみの減量、資源の循環・再生等、
 高環境の創出に資する先導的な活動を支援するため、環境基金を活用する事業を推進します。
  商工振興施策では、三鷹むらさき商品券(市内共通商品券)事業や商店街等のイベント、街路灯の
 LED化事業を支援するとともに、買物支援のモデル事業を実施するほか、平成22年度に制定した
 「三鷹市都市型産業誘致条例」に基づき創造性や付加価値性の向上を目指す都市型産業の誘致促進を
 図ります。
  そのほか、平成25年度に東京都で開催予定の「スポーツ祭東京2013」(第68回国民体育大会・第13
 回全国障害者スポーツ大会)に向けた実行委員会の広報活動、競技場設営方法の検討などに対する支
 援についても拡充を図ります。
  なお、平成23年6月1日に予定されている地方議員年金制度の廃止に伴う予算措置については、関
 連法案の成立を待って必要な対応を図ることといたします。
  市政運営の基本的な考え方の第2は、「行財政改革の推進及び新たな行財政改革推進計画の策定に
 向けた取り組み」です。
  「行財政改革アクションプラン2010」が平成22年度に計画期間の満了を迎えることから、平成23年
 度は、さらなる「行政のスリム化」と「行政サービスの質の向上」を目指した新たな行財政改革推進
 計画の策定に取り組みます。
  これに先立ち、平成22年1月に、「新たな行財政改革推進計画の策定に向けた基本方針」を確定し、
 「緊急課題」及び「重点課題」について、計画策定に先駆けて取り組みを進めました。さらに、平成
 22年7月からは、今後の財政の健全性を維持しつつ平成23年度予算を確実に編成するため、全庁的に
 「事務事業総点検運動」を開始しました。
  こうした取り組みの中で、平成23年度予算編成に当たっては、次のような行財政改革を推進しまし
 た。
  すなわち、平成23年度は、前年度に大幅な減となった市税収入の顕著な回復が見られない一方で、
 社会保障関連経費がさらなる伸びを見せるなど、極めて厳しい財政状況が想定されましたので、「事
 務事業総点検運動」の一環として、各部が積極的な事業見直しに取り組むとともに、経常経費全体で
 4%の削減を目標に予算見積もりを行うこととしました。また、従来の「創造的予算編成」における
 各部配分予算を一時凍結し、すべての事業について徹底した経費の精査を行うことで、より一層の予
 算のスリム化を図りました。
  人件費に関しては、給料月額の引き下げや学校給食調理業務、市政窓口業務の民間委託化、水道業
 務の東京都への移行などにより、全庁的な職員定数の見直しなどに取り組む中で総額の抑制を図りま
 した。なお、本年度から公益法人等への派遣職員人件費の支給方法を見直し、従来の補助金等による
 支給から市の直接支給に切りかえ、派遣職員も職員定数に含めることとしました。
  また、経常経費の削減に向け、次期基幹系システムの契約内容の精査やスケジュールの調整などに
 よる事業費の縮減、ごみ減量に伴う環境センター管理運営費の縮減、まちづくり新聞発行事業の見直
 し、大沢野川グラウンド駐車場管理設備の機械化による管理業務委託料の縮減などに取り組みました。
  市の外郭団体及び主要な財政援助団体への補助金等についても、市の経費節減の取り組みに準じた
 対応を図りました。また、公益法人制度改革に伴い、三鷹市芸術文化振興財団、三鷹国際交流協会、
 三鷹市勤労者福祉サービスセンターの基本財産と留保資金を一定額まで減じることとし、これらを取
 り崩して事業費に充当することで、運営費補助金等の削減を図りました。
  このほか、引き続き国や東京都の補助金等の獲得に努め、緊急雇用創出事業臨時特例補助金、保育
 所緊急整備事業補助金、子宮頸がん等ワクチン接種緊急促進事業補助金、公共交通グリーン化促進事
 業補助金、国民体育大会競技普及啓発事業費補助金などの活用を図りました。
  さらに、受益と負担の適正化を図る観点から、使用料等の新設などを行いました。
  市政運営の基本的な考え方の第3は、「地域主権の確立に向けた市政運営」です。
  「地域主権改革」を政策実行の「一丁目一番地」と掲げた新政府ですが、昨年3月に国会に提案さ
 れた国と地方の協議の場を設置する法案、義務づけ、枠づけの見直しと地域主権戦略会議を法定化す
 る地域主権推進一括法案、そして、基本構想策定義務の撤廃などを盛り込んだ地方自治法改正案から
 なる「地域主権関連3法案」は、地方六団体が早期成立を要望したにもかかわらず、昨年から継続審
 議となったままです。
  さらに政府は本国会に、一括交付金事務に関する関連整備法案、都道府県から市町村への権限移譲
 と第2次の義務づけ・枠づけの見直しを行う新たな地域主権推進一括法案、そして、長と議会の関係
 のあり方の見直しや新たな住民投票制度の導入を盛り込んだ地方自治法改正案の3法案を提案する予
 定です。
  継続審議の3法案とともに新規に提出される3法案についても、現在の政治状況において成立は不
 透明ですが、国会審議の動向を注視するとともに、市としても積極的な取り組みを進めていきます。
 特に、法案が成立し、都から市へ権限移譲がなされることとなった場合は、事務・権限に要する経費
 が、地方交付税の不交付団体にも確実に措置されるように関係機関に対して働きかけを行う必要があ
 ると考えます。また、補助金等の一括交付金化についても、現状においては都道府県向けが先行し、
 市町村向けの配分基準などの制度設計が後回しになっていますが、本制度は、自治体の自由度を高め
 るとともに、総額が確保されることが必要です。なお、一括交付金化は、あくまでも税源移譲への経
 過措置であり、今後、自治体への抜本的な税財源の移譲が早急に行われるべきであると考えます。
  さらに、国・地方の政府間関係の問題として特に大きな課題は、平成22年度から開始された子ども
 手当です。本年度も、地方との十分な協議のないまま地方負担が残されるという課題などがあり、本
 来は基礎自治体との十分な協議が必要であったものと考えます。
  今後も、このような国による大きな制度改正の行方を注視し、真の地域主権の確立に向け、東京都
 市長会等と連携して積極的に発言していきます。また、国の財源調整制度が、財政力の弱い自治体へ
 の支援という名のもと、結果として地方交付税の不交付団体に不利益が生じるような仕組みとなって
 いることなどについての問題提起を、従来にも増して積極的に行いつつ、第4次基本計画の策定等を
 通じて、地域主権にふさわしい自立した自治の実践を進めていきたいと考えます。
II 予算の概要
1 市財政を取り巻く環境
  政府の発表によりますと、平成23年度の経済成長率は実質1.5%、名目1.0%程度になると見込み、
 景気の基調判断を「景気は、足踏み状態にあるが、一部に持ち直しに向けた動きが見られる。ただし、
 失業率が高水準にあるなど依然として厳しい状況にある」とし、平成23年1月に7カ月ぶりに総括判
 断を上方修正しました。また、先行きのリスクとして、海外景気の下振れ、為替レートの変動等に留
 意する必要があるとしています。
  こうした経済見通しのもとに編成された平成23年度の国の一般会計予算は92兆4,116億円で、前年度
 当初予算比0.1%の増により、当初予算としては3年連続で過去最大の予算規模となっています。この
 うち国税収入は2年ぶりに40兆円を超え、前年度当初予算比9.4%増の40兆9,270億円を見込む一方、
 国債については前年度当初予算額をぎりぎりで下回った44兆2,980億円、国債依存度を47.9%としてい
 ますが、当初予算時点で国債発行額が税収を上回るのは2年連続となります。また、地方財政計画の
 規模は82兆5,054億円で、前年度と比較して3,786億円、0.5%の増であり、地方税収入は2.8%の増、
 地方債依存度は13.9%となりました。
  一方、東京都の平成23年度予算は、一般会計の予算規模を6兆2,360億円、前年度当初予算比0.4%
 の減とし、都税は、企業収益に改善が見られたものの、円高の影響などで前年度当初予算比1.7%の
 増、都債発行を4.3%の減、起債依存度を7.3%とし、「厳しい財政環境が続く中にあっても都政の使
 命を確実に果たし、中長期的に施策を支え得る財政基盤を堅持しながら、東京の新たな活力と成長へ
 と結びつける予算」としています。
2 本市予算の財政的特徴点
  次に、三鷹市の予算につきまして財政的な特徴点を申し上げます。
 (1) 予算規模
   一般会計の予算規模は649億8,711万7,000円で、前年度予算比5億2,086万6,000円、0.8%の増と
  なりました。
   この増の主な要因は、鷹南学園東台小学校建替事業費の減がある一方で、公有地を活用した民間
  認可保育所の誘致や子ども手当の増額など「子ども・子育て支援」の取り組みの拡充、公会堂及び
  公会堂別館の整備や三鷹中央学園第三小学校の建てかえなど「都市の更新・再生」に向けた取り組
  みのほか、生活保護費の増などによるものです。
   なお、特別会計全体の予算規模は367億5,450万円で、前年度予算比8億6,828万7,000円、2.4%の
  増となりました。
   本年度は、「下水道事業特別会計」が、建設費の減などにより前年度予算比3億5,219万7,000円
  の減となり、「受託水道事業特別会計」は、都営水道事業の事務委託解消に向けて最終年度の予算
  計上となりますが、組織改正による業務課業務係の廃止などで、前年度予算比3億3,998万円の減と
  なっています。
   一方で、「国民健康保険事業特別会計」が、保険給付費や共同事業拠出金の伸びなどにより、前
  年度予算比10億6,307万1,000円の増となり、「介護保険事業特別会計」が、保険給付費の伸びによ
  り4億5,889万4,000円の増となるため、特別会計全体では増となりました。
   なお、「老人医療特別会計」は、平成22年度をもって廃止となりました。
 (2) 市税等の状況
   本年度の市税収入は337億4,823万8,000円で、前年度予算比2億6,055万8,000円、0.8%の増を見
  込んでいます。これは、景気の回復基調等による法人市民税の増と、税率引き上げの影響の平年度
  化による市たばこ税の増が主な要因です。
   また、「自動車取得税交付金」など各種交付金等についても5,600万円余の増を見込んでいます。
 (3) 基金の活用
   各基金については、市税収入が顕著に回復する見込みがないことなどにより、後年度における事
  業の財源担保の観点から一定の残高確保も念頭に置きながら、年度間の財源調整機能を果たすため
  に活用を図ります。本年度は、「まちづくり施設整備基金」9億5,000万円、「健康福祉基金」10
  億円、「財政調整基金」7億7,060万1,000円など、一般会計で27億7,650万8,000円の活用を見込ん
  でおり、前年度予算に比べ12億856万6,000円の減となりました。
   また、「介護保険保険給付費準備基金」は、3億518万2,000円の活用を予定しています。
 (4) 市債の発行
   本年度の一般会計の市債総額は36億6,000万円で、前年度予算比4億4,000万円、10.7%の減とな
  りました。
   一般会計では、公会堂等整備事業、三鷹中央学園第三小学校建替事業、公有地活用型民間認可保
  育所整備事業などの財源として活用を図るほか、地方全体の収支不足を補う起債である臨時財政対
  策債の発行を予定しています。
   また、下水道事業特別会計では、都市型水害対策事業などに6億7,120万円の発行を予定してい
  ます。
   なお、市債については、一般会計全体に占める市債の割合(市債依存度)を5.6%にとどめ、財政
  の健全性の維持に留意いたしました。今後も市民センター周辺地区防災公園街区整備事業など「都
  市の更新・再生」を推進するために一定の投資が必要となりますが、公債費支出の減少傾向が続く
  と見込まれる中で、抑制を図りながら後年度負担に配慮した適切な活用に努めていきます。
 (5) 使用料・手数料その他
   学童保育所の一層のサービス向上を図るため、保育時間の延長を行うこととし、これに合わせて、
  延長時間の利用について学童保育所延長育成料を新設するとともに、昨年10月に制定した「三鷹市
  大沢の里水車経営農家条例」に基づく入場料を計上しました。そのほか、市民農園利用料金の改定
  やスポーツ教室利用料金の新設など、受益と負担の適正化に努めました。
III 結び
  以上が、新年度を迎えるに当たっての施政方針及び予算の概要でございます。
  議員各位及び市民の皆様の一層の御理解と御協力をいただき、基本構想の基本理念である「平和の
 希求」「人権の尊重」「自治の実現」を基礎とする「高環境・高福祉のまちづくり」により、「人間
 のあすへのまち」の実現を目指して、引き続き誠心誠意、努力してまいります。
  なお、新年度に取り組む諸施策の詳細につきましては、この後のページに「平成23年度の主要事業
 一覧」として取りまとめてありますので、御参照ください。
  また、予算案及び同説明書については、その概要を担当より御説明申し上げます。
  どうぞ、よろしく御審議を賜りますようお願いいたします。
   平成23年(2011年)2月
                              三鷹市長 清 原 慶 子


◯副議長(高谷真一朗君)  御苦労さまでした。次に、補足説明を求めます。


◯財政課長(郷原 彰君)  市長の説明の補足としまして、計数面を中心とした平成23年度予算の概要を御説明いたします。お手元の施政方針予算概要の29ページをお開きください。
 平成23年度の各会計予算は、このページの(表1)各会計別予算総括表のとおりでございます。一般会計の予算規模は、市長の御説明のとおり649億8,711万7,000円で、前年度予算に比べて5億2,086万6,000円、0.8%の増となっております。また、特別会計予算では、国民健康保険事業特別会計の増などに伴い8億6,828万7,000円、2.4%の増となっております。
 次に、一般会計及び各特別会計のそれぞれの予算の概要について御説明いたします。41ページをお開きください。
 一般会計予算のうち歳入予算から御説明いたします。(表7)歳入予算の款別内訳に基づきまして、主な増減の内容を申し上げます。なお、ただいま市長から御説明いたしました第1款 市税のほか、第7款 自動車取得税交付金等の各種交付金などと、第17款 繰入金、第20款 市債については省略させていただきます。
 まず、第13款 国庫支出金でございますが、子ども手当負担金や生活保護費負担金の増などにより、前年度予算比7億9,700万円余、8.6%の増となっております。
 次に、第14款 都支出金でございますが、公有地活用型民間認可保育所整備事業や子宮頸がん等ワクチン接種緊急促進事業の実施に伴う都補助金の増、都市計画道路3・4・7号(連雀通り)の整備に伴う都委託金の増などによりまして、前年度予算比3億9,200万円余、6.1%の増となっております。
 次に、第15款 財産収入でございますが、土地売払収入の増により、前年度予算比6億4,200万円余、96.8%の増となっております。
 続きまして、歳出予算について御説明いたします。47ページをお開きください。
 このページの(表10)歳出予算の款別内訳に基づきまして、主な増減の内容を申し上げます。
 まず、第3款 民生費でございますが、前年度予算比23億500万円余、8.0%の増となっており、これは、子ども手当等支給事業費や公有地活用型民間認可保育所整備事業費、生活保護費の増などによるものです。
 次に、第8款 土木費でございますが、前年度予算比2億500万円余、3.7%の減となっております。これは、都市計画道路3・4・7号(連雀通り)整備事業費やコミュニティバス関係費の増がある一方、市道第135号線(三鷹台駅前通り)整備事業費や橋梁架替事業費の減などによるものでございます。
 次に、第10款 教育費でございますが、前年度予算比14億6,100万円余、17.0%の減となっております。これは、三鷹中央学園第三小学校建替事業費などの増がある一方、鷹南学園東台小学校建替事業費や同第五中学校体育館建替事業費の減などによるものでございます。
 続きまして、特別会計予算の概要について御説明いたします。131ページをお開きください。
 最初に、国民健康保険事業特別会計予算について申し上げます。予算規模は166億6,200万円余で、前年度予算比6.8%の増となっております。款別の内訳は133ページの(表14)のとおりでございますが、主な項目について御説明いたします。
 歳出では、医療費の伸びに伴い、保険給付費が増となるとともに、共同事業拠出金については、東京都国民健康保険団体連合会の算定誤りに起因して課題となっていた拠出金の年度間調整が前年度に行われ、その影響がなくなることから増となっております。
 歳入では、国民健康保険税が減となったものの、給付費の伸びに伴う療養給付費等交付金の増や共同事業交付金が歳出の共同事業拠出金と同様の理由から増となったことなどによりまして、全体では、前年度に比較して増額となっております。こうした結果、繰入金が前年度予算比900万円余、0.3%の減となっています。
 134ページをごらんください。下水道事業特別会計予算について申し上げます。
 予算規模は35億900万円余で、前年度予算比3億5,200万円余、9.1%の減となりました。これは主に建設費が減となることによるもので、平成18年度から着手した都市型水害対策について、一定の事業進捗を踏まえまして事業量を調整して推進することとしたためです。
 続きまして、135ページをごらんください。介護サービス事業特別会計予算について申し上げます。
 予算規模は10億9,800万円余、前年度予算比9,800万円余、8.2%の減となっております。高齢者センターいちょう苑について、施設の老朽化が進んだため、平成23年3月で廃止することなどによるものでございます。
 続きまして、136ページをごらんください。介護保険事業特別会計予算について申し上げます。
 予算規模は105億6,100万円余で、前年度予算比4億5,800万円余、4.5%の増となっております。これは、第四期介護保険事業計画の最終年度となる3年目の計画に基づき計上しているものでございますが、本年度は、保険給付費が増となることなどによるものでございます。
 続きまして、138ページをごらんください。受託水道事業特別会計予算について申し上げます。
 予算規模は17億4,800万円余で、前年度予算比3億3,900万円余、16.3%の減となっております。都営水道事業の事務委託解消に向けて最終年度の予算計上となりますが、組織改正により業務課業務係を廃止することなどによるものでございます。
 続きまして、139ページをごらんください。後期高齢者医療特別会計予算について申し上げます。
 予算規模は31億7,400万円余で、前年度予算比1億4,200万円余、4.7%の増となっております。これは、広域連合納付金の増などによるものでございます。
 なお、老人医療特別会計については、平成22年度をもって廃止となりました。
 補足説明は以上でございます。


◯副議長(高谷真一朗君)  ありがとうございました。以上で施政方針並びに提案理由の説明は終わりました。
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◯副議長(高谷真一朗君)  本日はこれをもって延会いたします。
 なお、次回の本会議は3月3日午前9時30分に開きます。文書による通知はいたしませんので、さよう御了承願います。お疲れさまでした。
               午前11時27分 延会