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平成23年第1回定例会(第2号)本文

               午前9時30分 開議
◯議長(田中順子さん)  おはようございます。ただいまから平成23年第1回三鷹市議会定例会第2日目の会議を開きます。
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◯議長(田中順子さん)  本日の議事日程はお手元に配付したとおりであります。
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    日程第1 市政に関する一般質問


◯議長(田中順子さん)  直ちに日程に入ります。
 日程第1 市政に関する一般質問、本件を議題といたします。
 昨日に引き続き、順次発言を許します。5番 粕谷 稔さん、登壇願います。
                〔5番 粕谷 稔君 登壇〕


◯5番(粕谷 稔君)  おはようございます。それでは、2日目トップバッターとして質問させていただきます。よろしくお願いいたします。
 議長より御指名をいただきましたので、市政に関する一般質問をさせていただきます。今回は、子育て支援策について伺います。
 初めに、児童虐待防止策についてお伺いいたします。
 昨今、痛ましい児童虐待に関する事件の報道が続きます。昔から焼け野のキギスということわざがあります。キジは、野焼きの野火が迫ってきても、ひな鳥から離れないと言われ、どんな危険にも身をもって子どもを守るという深い愛情の象徴とされ、キジは日本の国鳥に選定されております。こうした古くから美しい愛情豊かな伝統を持つ我が国において、親によって奪われる子どもの命がある実態をいかに変えていくのか、我々には大きな責任と使命があると感じます。
 2009年度に全国の児童相談所で対応した児童虐待の件数が速報値で4万4,210件と19年連続で増加し、過去最多を更新し、痛ましい実態が報告されました。また、厚生労働省の調査によりますと、2008年度に虐待で死亡した子どもは67人に上り、そのうち、ゼロ歳児が約6割の39人、16人は何と生まれたその日のうちに死亡していたとのことです。親の動機は、育児をする気がなかった、育てられないと思ったなどという、とても考えられない報告であったとのことです。また、昨日の報道によりますと、平成10年においては354件の摘発、虐待を受けた児童は362人、33人が死亡と増加の更新をしたとの報道がございました。2000年に児童虐待防止法が施行され、2008年4月に改正児童虐待防止法が施行となりました。児童相談所の家庭への立ち入り権限が強化され、警察官の同行も以前よりは求めやすくなっているものの、悲しいニュースが絶えないのが実情であります。その背景には、経済苦や不安定な雇用や就労、ひとり親家庭、夫婦間の不和、望まぬ妊娠、育児疲れなど、さまざまな要因が浮かびますが、そこに共通するのは孤独であると感じます。もはや地縁、血縁という見えない安全網がほころび、相談や救いを求める場が乏しく、見つけにくい社会であるとの指摘もあります。
 我が市では、産後の家庭訪問事業などきめ細かい子育て支援策の拡充とともに、三鷹市要保護児童対策地域協議会の設置、教育相談窓口による対応の拡充、子ども家庭支援センター職員の研修による専門性の向上などとあわせ、子ども虐待防止対応マニュアルの作成、こどもSOSカードの配付等によって、あらゆる角度から積極的に児童虐待防止に向け対応をしてきていただいております。
 一方で、さきに述べた虐待の理由からも、何よりも妊娠期からの積極的な実態掌握や支援、啓発、対応が必要であるとの指摘があり、早期からの不安解消のための相談や対応でき得る機会の拡充が重要と考えます。子育て世代の女性が他人とかかわることなく孤立化してしまい、その不安解消のために携帯電話等を通してのコミュニティ、掲示板を利用しての相談や書き込みに依存してしまい、熱中してしまう。そうしたことで御飯をつくらない、おふろに入れない、構わない等、結果、ネグレクト(育児放棄)につながる実態があり、こうした問題が大変深刻化していると伺います。授乳期等に強い電波を浴びることや子どもの気を向かわせるためのDVD鑑賞やゲーム機、こうした強い視覚刺激等によって発達に大きな影響を与えるとの研究報告もあります。
 そこで、妊娠初期からの段階から特化した積極的な孤立防止のための対応策や子どもの発達にかかわる正しい知識とより強固に地域で支える取り組みと、さらなる工夫や拡充によって真のチャイルドファースト社会の構築が必要と市議会公明党としても考えます。三鷹市の実態と課題について御所見をお伺いいたします。
 次に、CSP講座の導入についてお伺いいたします。
 神奈川県茅ヶ崎市での取り組みとして、昨年からCSP(コモンセンスペアレンティング)講座を導入し、暴力・暴言を使わない子育て技術を習得することを目的にし、保護者向けプログラムを拡充し少人数で受講することで効果が上がっていると伺います。同市では、2009年に市に寄せられた、子育てが苦しいといった切実な相談が209件と増加し、2005年実施の実に5倍増であったとのことであります。こうした経緯から、3歳から12歳の子どもを持つ親を対象として、虐待の予防・解消を目指し、短期間で効果が上がる特徴からも注目される取り組みと思われます。多くの市民への児童虐待防止への啓発とあわせ、育児・子育てに不安を持つ親の世代への支援として我が市でも調査研究及び導入を検討すべきであると考えますが、市の御所見をお伺いいたします。
 次に、ステップファミリーの支援についてお伺いいたします。
 多様化する家族形態の1つにステップファミリー(子ども連れの再婚家庭)があります。欧米では日常的にステップファーザー、ステップマザーと当たり前のように呼ばれ、スタンダードな家族形態の考えであり、支援体制も多く存在しているとのことです。しかし、我が国ではまだ、まま母やまま父といったマイナス的な扱いが一般的であり、認知が低い状況であります。死別や離婚を経験し、新しいパートナーとの出会いを経て新しい家族での生活をスタートさせる際に、環境の変化を初め、実子、継子との関係、かかわり方やしつけ、急激な家族の増加による経済的な問題、前の配偶者との本人、子どもとのかかわり等、初婚家庭とは違った独特な、さまざまな悩みに直面するとお伺いいたします。みずからの実体験からこうした家庭支援に取り組む団体が誕生し、活動が広がってきております。特殊な家族形態から悩みを相談する先輩や相手が見つからず、結果、ネグレクトや虐待につながってしまうケースもあると聞きます。三鷹市内においても、ステップファミリーを支援しようと行動を開始された方々もいるようであります。子育て支援策のさらなる拡充の背景の考え方として、多様な家族形態の実態に合った支援が必要であると考えるものであります。
 我が国でも年々離婚率が向上している実態からも、現時点でもこうした課題と向き合っている市民もいると確信いたしました。今後、多くの市民へ向けたステップファミリーの実態と課題の周知が必要と考えます。また、こうした家族の皆様への支援策、特に相談を受ける側の知識の習得や人材育成が必要と考えます。また、子どもの側から見れば、多感な時期にステップファミリーであるがゆえに、人知れずに悩んだり、いじめを受けるケースもあります。児童・生徒への生活、育成環境と向き合う学校現場での教師の知識、認識として、ステップファミリーの周知と実態を知っていただく機会を設けることも重要であると考えます。市の取り組みと御所見、また、教育長の御所見もあわせてお伺いいたします。
 続きまして、2点目の項目といたしまして、安全・安心施策についてお伺いいたします。
 初めに、西部地域の課題解消についてお伺いいたします。
 西部エリア、特に井口、深大寺地域の市民の方々から寄せられる不安の声として、地域に交番、派出所がないことが上げられます。最も近くても山中通りの東野住宅交番になることから、緊急の通報入力から初動まで時間がかかってしまうのではないでしょうか。昨年から地域ではコンビニ強盗が続いていることからも、交番、派出所の設置によって警察官が身近にいることでの犯罪抑制効果と日々の安心を地域住民から期待されているのではないかと考えます。設置基準として交番また派出所の違いがあるのでしょうか。また、交番設置が不可能であれば、せめて安全安心ステーションを設置する等で地域の不安解消に有効と考えます。こうした市民からの要望に関して、市としての御所見をお伺いいたします。
 次に、三鷹駅利用市民の安全についてお伺いいたします。
 最近、駅のホームから転落し、悲惨な死亡事故に至るケースが相次いでおります。特に視覚障がいのある方の3人に2人が、ホームに転落した経験があるとの報告が寄せられ、過日、公明党として団体からの要望をお受けいたしました。また、最近では泥酔者、また体調不良や投薬等による目まい等が原因となるケースも多く、鉄道事業者による駅ホーム落下防止さくの設置や検討が進んでおりますが、財政や設置規格基準など多くの課題があり、山手線駅における設置もなかなか進まないとお伺いいたします。
 三鷹駅周辺は市の顔としての景観を備え、バリアフリー化が進み、多摩地域でも大きなターミナル駅としての乗降客も大変多い実態があります。多くの市民が利用していることから、さらに安心で使いやすい三鷹駅になるべく、ホーム落下防止さく設置の見通しについて、JRや三鷹駅からの情報提供があるのでしょうか。また、未定であれば、三鷹市として市民の安全安心のためにも積極的に設置を要望すべきと考えますが、市の対応と御所見をお伺いいたします。
 最後に、市民と協働の夜間安全対策について、お伺いいたします。
 緑地の多い傾向を持つ三鷹市として、若い女性を初めとして、夜間帰宅時における道路の暗さの御指摘、そして、死角が多くて怖いとの声が頻繁に寄せられます。多くの方が幹線道路を通り、遠回りをして帰宅されている実態があります。安全安心のまちづくりに向けて、三鷹市ではこれまで積極的に街路灯を設置し、照度アップも図ってこられました。例えば市民との協働、協力で門灯や住宅の外灯を深夜まで点灯していただくことも積極的に推進されてきましたが、その反面、CO2削減へのまちづくりも大きな課題であります。市民の環境意識や節電意識も高まっていることから、協力を得にくい実態があると思われます。そこで、市民ニーズを幅広く的確に掌握し、足元を照らす街路灯の導入や、また、例えば当該地域住民が門灯、外灯をLED球への変換する際に助成制度を設けることなども大変有効ではないかと考えます。また、市内に見られる痴漢注意等の看板は、注意喚起を促す看板というよりも、いかにも痴漢が出るエリアであるとの指摘をしている効果にすぎないと思われます。逆に犯罪を呼んでしまう効果があるのではないでしょうか。観点を変えて、重点パトロールエリア、重点パトロール地域等の注意喚起看板に切りかえることで抑止効果が得られると考え、提案をさせていただきます。市の御所見と今後の取り組みについてお考えをお伺いいたします。
 以上で壇上の質問を終わらせていただきますが、御答弁によりましては自席での再質問を留保させていただきます。御答弁のほどよろしくお願いいたします。
                〔市長 清原慶子さん 登壇〕


◯市長(清原慶子さん)  おはようございます。それでは、ただいまいただきました御質問に答弁をいたします。
 まず、児童虐待防止策についての御質問です。
 議員が御指摘されましたように、児童虐待防止対策では個別の施策を展開するとともに、子ども家庭支援ネットワークの強化を図りながら積極的に取り組んでいます。虐待リスクの高い新生児、乳児段階での虐待防止の取り組みにつきましては、保健センターで行っております新生児訪問や産後早期の心の健康支援事業、3〜4カ月児健康診査等を活用した早期の段階での相談と対応に努めております。何らかの育児困難を抱えた家庭については、子ども家庭支援センターと連携し、さまざまな育児サービスを使いながら支援を行っています。さらに、すくすくひろばでの育児講座の開催、保育園の地域開放事業や出前保育などは、育児の正しい知識を知る機会になっていると期待しているところです。
 今後は乳児家庭訪問事業を民生・児童委員の皆様に御協力をいただきまして、試行的に取り組んでいくことも検討しています。民生・児童委員の皆様は、子育ての先輩であり、また育児のサポーターとして地域の情報をよく知る立場からもかかわっていただければと思っているわけです。すなわち育児の孤立化の防止につながることを期待しています。これは新しい地域でのつながり、地縁をつくっていくきっかけづくりにもなるのではないかと考えております。
 2月24日の報道によりますと、質問議員さんも御指摘されましたけれども、昨年1年間に全国の警察が摘発した18歳未満への児童虐待は前年よりもふえているということ、特にですね、虐待による殺人や傷害致死などで摘発されたのが、前年よりも31人ふえていて367人であるということ、また、養父や継父や内縁の父など実父以外の男の親が26人増の159人で、全体の4割を占めているということでした。これは、まさに質問議員さんが指摘されましたステップファミリーへの支援の重要性を指摘する最新の情報ではないかと思います。ただ、同時に、警察庁の発表によりますと、通報をする人が、家族や知人や児童相談所に次いで近隣が前年から倍増したということです。すなわち三鷹市も取り組んでおりますが、地域の見守りや地域の子育て世代への関心というのが大変重要なポイントだと思いますので、今後、そうした地域の子育て世代への関心を喚起する取り組みも必要だと思っております。
 続いて、CSP講座に関連して三鷹市の事例から答弁をしたいと思います。
 実は今年度、児童虐待防止推進月間講演会で、感情のコントロール、アンガーマネジメントの講座を行いました。アンガー、つまり、怒りをいかに本人がコントロールできるか、マネジメントできるかという講座でございました。育児・子育てに不安を持つ保護者を含め、総合して130名の参加がありました。この講座では、市民への虐待予防の啓発にとどまらず、実際子育てをする方が意識的に自分を変えようとする姿が感じられました。子育てをするというときは、悩みはつきものですし、自分の子どもだけが何かほかのお子さんと違うのではないかと、そのように悩んでしまい、自分自身がほかに悩みがあるときなど、先ほどアンガーマネジメントという講座を実施いたしましたように、親が怒りや感情をコントロールできないまま子どもに向かうことが子どもを傷つけているということを知っていただき、保護者がみずからの感情をコントロールするということを学び、身につけていただいた講座でした。これにつきましては、今現在、何らかの問題に直面していない保護者の方が熱心に参加をしてくださったことから、PTAなどを通じてですね、このような取り組みが共有されていることを願っております。
 続きまして、大きな御質問で、安全安心にかかわる御質問についてお答えをいたします。
 市内の防犯を担う警察署や交番の配置につきましては、現在、三鷹警察署が幸い1市1警察署ということで三鷹市にはございます。また、交番は11カ所、駐在所は4カ所、地域安全センター2カ所の合計18カ所がありますが、市民が安全に安心して暮らしていただけるためには、それぞれの交番などが市内全域を平均的に犯罪抑止を初めとする防犯活動をするべく取り組みを進めていただいています。
 そこで、西部地域でございますが、深大寺にあります東野交番が管轄しております。今後も交番などの増設や機能拡充について、これまでも東京都に強く要請することから一定の定着が見られ、廃止が覆されたりですね、駐在所がふえたりということになっているわけですが、今後も強く要請をしていきたいと思います。あわせて、安全安心・市民協働パトロール活動の強化を図るなど、市民が安心して暮らすことができるまちづくりを推進してまいります。
 なお、最近でございますが、コープとうきょう、つまり、生協の皆様も市長と覚書を交わしまして、この安全安心パトロールをしていただくこととなりました。その生協さんも含めて安全安心パトロールに取り組んでいただいている商工会、農協、金融機関の皆様と意見交換をしたばかりでございますが、やはりこうした市民の取り組みが警察の取り組みと連携することで、より三鷹市の強さを増すと思います。ちなみにですね、三鷹市では、昨年1年間、刑法犯の認知件数が1,750件台と、さらに前年を下回りまして、人口がふえているにもかかわらず、刑法犯の認知件数が他市に比べて減少しているということは、こうした総合力のあらわれだと認識をしているところです。
 続きまして、三鷹駅利用市民の安全についての御質問にお答えをいたします。
 JR中央線三鷹駅は、1日に何と約9万人の方が乗降していらっしゃいます。多くの三鷹市民が通勤・通学等で利用されています。そこで、可動式ホームさくについてでございますが、申すまでもなくホームから転落する事故を防止する有効な手段でございます。鉄道事業者各社が設置に向けた取り組みを進めています。JR東日本旅客鉄道株式会社八王子支社によりますと、平成22年6月に山手線の恵比寿駅、そして同8月には目黒駅の2つの駅に先行導入されました。技術的な課題、列車運行に与える影響等を検証した結果を3駅目以降に反映して、2017年度を目途に大規模な駅改良工事等がある駅を除きまして、山手線のすべての駅に整備を進めていく予定とのことです。特に最近、視覚障がいの方が落下されるなど本当に痛ましい事故が続いておりますので、私も大変必要な対応だと思っています。
 それでは、中央線はどうなのかというのが私も常に関心を持っているところでございまして、折々にJRあるいは三鷹駅長さんに確認をしておりますが、現在のところ、整備計画が示されてはいません。しかしながら、車両の規格の統一化などが進んでいるわけでございますので、三鷹駅も安心して御利用いただけるよう、可動式ホームさくが早期に設置されるように要請をしていきたいと考えております。
 続きまして、夜間の安全対策についての御質問もいただきました。
 街路灯の照度アップ整備や街路樹の剪定などにつきましては、私が市長になりましてから、緑を大事にするとともに、人の命を大切にしたいということで積極的に進めてまいりました。地域の防犯改善につきましては、特に青色回転灯を装備しました安全安心パトロールによる目視等によりですね、さらに必要なところについて確認しながら、道路交通課との連携も図っているところです。特に市内には住宅街が多いわけでございまして、門灯や防犯のためのセンサーライトが設置されている住宅が多くなっています。警察署はもちろんですが、消防署にお聞きしましたら、このセンサーライトがあることなどによって、実は三鷹市の放火犯というのが急激に減少しているという効果もあるようです。一昨年は年間15件の放火があったわけですが、昨年は2件、実質1件と急激に減少しております。したがいまして、放火も犯罪でございますけれども、このような防犯のために、確かにこのような装置の有効性というのは検証されていると思います。今後、地域の町会・自治会など所管する部署と連携いたしまして、地域の自主防犯力を高める対策については、いずれも生活環境部の中にコミュニティ文化課と安全安心課があるわけですし、都市整備部の道路交通課では照度については常に気にしてくれておりまして、この間一貫して照度アップに努め、また、LED化なども検討してくれておりますので、ぜひですね、積極的な取り組みをと思っています。なお、商店街の取り組みとして元気出せ商店街ってあるんでございますが、それは、街路灯の整備及び、これは安全安心課との関係、都との関係もありますが、防犯カメラの設置なども商店街として進めてくださっています。したがいまして、こうした商店街との連携も町会・自治会とともに重要になってくると思います。
 さて、三鷹市及び警察署との関係で、三鷹防犯協会の取り組みも心強い限りですが、その協働で、実は古くなった防犯の看板を2月に37カ所交換いたしました。その名称は、パトロール警戒中、そして、ひったくりに注意というものでございます。このパトロール警戒中というのは、質問議員さんが御指摘のように有効であると思いますし、実際に三鷹市では警察官の方が、深夜でもですね、順次各地域を警戒していただいておりますことも、窃盗などの減少につながっていると思います。今後とも安全安心のまちづくりにより一層の努力をしてまいりたいと思います。
 私からは以上です。


◯教育委員会事務局教育部長・調整担当部長(藤川雅志君)  教育委員会に対しまして、支援を必要とされるような場合のですね、子育て施策についてお尋ねがございました。
 三鷹市におきましては、障がいのある子もない子も、子どもの日ごろの様子から支援が必要なお子さんがいる場合には、学校、教育委員会、さらには福祉・保健・医療等の関係機関が連携いたしまして、子ども自身及び保護者を初めとする家庭支援を行っているところでございます。家庭に虐待やネグレクト等が予想される場合には、市で作成いたしました虐待防止マニュアルに基づきまして、各部署で共通理解を図りまして対応しているところでございます。また、学校教育の中でも人権教育の視点より、家庭環境の変化等今日的な状況の中でですね、生じる偏見等に対しまして、教育の面からもですね、防止に努めているところでございます。
 さて、具体的に御指摘のございましたステップファミリーのような子ども連れの再婚家庭の問題でございますけれども、当該保護者の経験した死別とか離婚とか、そういった問題によりましてですね、新しい家族でのスタートの際に、保護者自身ばかりかですね、子どもも不安定になるなどの課題が生じるということがあろうかというふうに考えているところでございます。三鷹市では、学校の教職員を対象としました教育支援関係の研修会の中で、このような家族形態より予測される課題とか対応につきまして、精神保健や発達支援等さまざまな角度からの周知を図っているところでございます。
 また、ステップファミリーのような子ども連れ再婚家庭であるということの場合はですね、学校や教育委員会における相談の中では、なかなか最初から相談内容としては出てきにくい問題でございまして、ただ、教育相談、転入学、就学相談等、親身になってですね、お聞きしている間に、子ども連れの再婚家庭であることを告げられるというような場合があるというふうに理解しております。こういう場合にはですね、御指摘がありましたとおり、新しい家族同士の関係ということで、細心の注意を払いながら今後も引き続き扱ってまいりたいというふうに思っております。よろしくお願いします。


◯子ども政策部長(酒井利高君)  ステップファミリーにつきまして、市長答弁に補足をさせていただきます。
 現在のステップファミリーに関しましては、ステップファミリーのみならず家族の形態が複雑になりまして、いろんなリスクをですね、抱えている御家族の方がふえているという状況にあるというふうに思っています。そういった中でですね、例えばステップファミリーに関しましても、人によりましてはですね、そういった事実を知られたくないという御家族もいらっしゃいますし、いろんなプロセスの中でですね、その辺が判明していくという例もございます。そういう意味では私どももですね、さまざまな配慮を施しながら対応をしていかなければいけないと。そういう意味では最初から入り口を特定するのではなくて、幅広い相談窓口を置きながらですね、その中で受けとめながら、必要な専門的な相談窓口につなげていくと、そういう形を基本にしたいというふうに思っているところでございます。あわせてこういったステップファミリーにつきましては、当事者同士のですね、いわば自助グループ、セルフヘルプグループですね、こういった存在のですね、活動というのも重要な要素があるかというふうに思っております。そういった活動がですね、始まる場合には、市としてもですね、一定の支援等についても検討していきたいというふうに思っております。
 以上です。


◯5番(粕谷 稔君)  御答弁ありがとうございました。本当に私も今回、市が実施していただいたアンガーマネジメントコントロールに、これは100名以上の方が参加したということをお伺いをして、関心の高さというか、問題意識の高さ、これは非常に三鷹市の中でも根づいているなっていう、地域で児童虐待防止に向けた意識が非常に高いということが私も感じました。また、先ほどちょっと例として紹介させていただきましたCSP講座なんですけれども、これに関しては、やっぱり少人数で行うプログラムということで、相互のコミュニケーションが図れるということが非常に有効ではないのかなということをちょっと今回、勉強させていただく中で感じたところでございます。大変こうした大きな、大人数を対象としたセミナーという部分も非常に有効であろうかと思いますが、片や、先ほどちょっと、質問の中でちょっと御紹介させていただきましたけれども、やはり今の子育て世代のお母様方といいますか、父親世代も含めてだと思うんですけれども、我々が育った環境とは違う、ITというかですね、いろいろな情報があふれている中での今、子育ての世代かなというふうに思いますので、さまざま育児の先輩のアドバイスという部分は非常に有効かと思うんですけれども、こうしたIT、今、電磁波の悪影響を訴える専門家もふえてきておりますけれども、こうした部分の、早くから本当にしつこいぐらいの啓発という部分が大事ではないのかなという気がいたします。こうした部分もあわせてさらに拡充をしていくべきだと考えますけれども、できれば、こうした少人数のお母様方を対象に、双方向のコミュニケーションがとれて、その不安解消につながる工夫という部分が重要だというふうに思いますので、こうした部分の考え方、何か今後の御予定とかございましたら、ちょっとお伺いしたいのが1点ございます。
 あと、JRの方なんですけれども、落下防止のための可動式のさくでございますけれども、非常にJRが高架化したことによって、自死というか、自殺で電車がとまってしまうということも過去多かったかと思います。こうした部分の防止にも非常に、高架化したことによって大きな効果が、高くなったことによって大きな効果が得ているかなというふうに考えます。積極的に1日も早いですね、設置に向けた要請をしていっていただきたいというふうに思います。また、こうした部分の1点、JR側との何か市としての連絡会みたいなものが定期的に開催されているのでしょうか、1点これをお伺いしたいというふうに思います。
 あと、最後にですね、教育、ステップファミリーの方なんですけれども、本当に大変デリケートな問題で、口外したくないという家庭も多々あろうかと思います。これは、まだまだ認知度が低いという部分のですね、実態が大きな、やっぱり壁になっているのかなという気がいたします。市民に向けてですね、周知も大変重要かと思います。この辺の徹底も必要かと思いますので、その辺の考えがございましたら、1点再質問させていただきたいと思います。


◯市長(清原慶子さん)  再質問にお答えいたします。
 まず、CSP講座についてです。実は三鷹市でも平成20年度に子ども家庭支援センターでこのCSP講座、試験的に行いました。これは、やはり個人を対象とした、大変深い部分にかかわる、いわば密度の濃い対応ということにもなりますので、児童相談所等との連携が大変重要であるというふうに認識をしたところです。
 私たちとしては、例えば妊婦さんであるとか、あるいは出産直後の皆様であるとか、保健センターを中心とした取り組みもありますし、同様に各保育園等でもですね、ひろば事業ということを通して、さまざまな御相談には乗らせていただいています。質問議員さんもおわかりのように、人は自分の悩みを抱えている段階ですと、なかなか解決には結びつかない。それをどのぐらい具体的に外に出すことができるかということが重要なプロセスになってまいりまして、保育士であれ、あるいは保健師であれ、三鷹市の職員はその部署がどうであろうとですね、できる限り子育ての深い悩みについては、それを問わず語りに出していただけるような取り組みというのはさせていただいています。これをCSP講座と銘打ってやるかやらないかということでございますと、私たちとしては、その重要性がわかっておりますので、逆に余りCSP講座というようなことを表立って言わなくても、実質的なですね、効果を上げられるような取り組みについてしていきたいと思います。
 なお、アンガーマネジメントの講座にたくさんの保護者が見えたというのは、もちろん児童虐待というのが特別な家庭で特別に生まれるものではなくて、どなたにでもそのようなことに遭遇する、あるいは直面する、あるいは当事者になる可能性があるかもしれないということを、報道などからですね、感じ取られて、まずみずから学ぼうとする市民の方が、保護者の方が多かったというふうに私は認識をしております。それが1つのきっかけになって、より深く御相談をいただく場所として子ども家庭支援センターやひろば事業や保育園の地域開放などが位置づけられていけばいいなと思っています。
 JRとの関係でございますが、JRにつきましてはですね、議会月以外、年8回開いております三鷹市公共機関連絡協議会の有力なメンバーでございまして、基本的には毎回、三鷹駅の駅長さんは出てきてくださっています。で、お互いにですね、それぞれの税務署、警察、消防、あるいは西部公園緑地事務所、年金機構、ハローワーク、労働基準監督署などがメンバーでございますけれども、共有をする中で多面的に意見を交換させていただいております。そのほかにですね、定期的ではございませんけれども、私が八王子支社に出向いたり、八王子支社が三鷹市に来てくださったりしながら、それぞれの取り組みを議論しておりまして、この間、駐輪場の整備ですとか、発車メロディーの整備ですとか、そういうことにこれらの話し合いがありますし、もちろんエレベーターやエスカレーターの整備については、法に基づいて三鷹市が予算を計上しなければならない制度にもなっておりますので、そうしたことについても厳密に話し合っているところです。なお、駅ナカの商店街などについてもですね、地域の商店街との共存共栄という課題もございますので、そんな案件についても話し合っているところです。ですから、定期的ではございませんが、可動式のさくの点についてなどもですね、そのような話し合いの中で1つのテーマとして位置づけられているところです。
 3点目に、ステップファミリーについての課題や状況をもう少し啓発してはどうかということについては、私も先ほど紹介いたしましたように、警察庁の報告によればですね、新聞の表現ですから、相変わらず養父とか継父とかって表現するわけですけれども、片仮名で言えばステップファミリーで、児童虐待が多く起きているという現状からすれば、その保護者たちは悩みに遭遇しているんであろうと思われます。したがいまして、いわゆる血縁関係のない親子関係を持ちながら、これからどのように家族をつくり上げていくかということについて、長寿化の中では当然のことながら、ステップファミリーもそれなりに数はふえていくと思いますから、私たちも、職員が認識することを通して、子ども家庭支援センターなど、あるいは保健センターでの親業への取り組みなどですね、そういうことを通して皆様に周知を図っていきたいと考えております。
 私は、やはり重要なのは、差別を喚起してはならない。やはりそれぞれの御家庭の事情をそれぞれが尊重するという風土がなければですね、コミュニティの創生はできないと思っておりますので、このことについては、本当に人権問題に深刻な事態が発生しないようにということも配慮しながら、その存在についてきちんとですね、お知らせをしていきたいと考えているところです。
 以上です。


◯5番(粕谷 稔君)  再質問の御答弁ありがとうございました。本当に今回、幾つかの点質問させていただいたのは、地域の市民の皆様方からいただいたお声を質問に反映をさせていただきました。今までも、これからもですけれども、この子育て支援策においても、また、安全安心施策においても、大変きめ細かくやってきていただいてきていることの上で、さらにということで質問をさせていただきました。これからもこうした、きのうも市長、おっしゃっていましたけれども、一人でも多くの市民の声という部分を我々も届ける努力をしていかなければいけないと思いますし、きめ細かい対応をして住みやすい三鷹のまち、安全安心の三鷹のまちづくりをしていっていただきたいと、このように思います。
 質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。


◯議長(田中順子さん)  以上で粕谷 稔さんの質問を終わります。
    ──────────────────────────────────────


◯議長(田中順子さん)  次の通告者、4番 緒方一郎さん、登壇願います。
                〔4番 緒方一郎君 登壇〕


◯4番(緒方一郎君)  議長より御指名をいただきましたので、通告に従い市政に関する一般質問をさせていただきます。御答弁のほどよろしくお願いいたします。
 質問に入ります前に、クライストチャーチの地震におきまして、いまだ瓦れきの下で発見されない方々がいらっしゃいます。一刻も早く救助されますこと、また、犠牲になられた方へお悔やみを、またおけがをされた方、お見舞いを申し上げたいと思います。三鷹市が大変お世話になっている市でございますので、一言申し添えさせていただきます。
 今回は、大きく二元代表制と議会及び議員改革についてお伺いいたします。
 過日行われました名古屋のトリプル選挙や大阪都を目指す橋下改革、はたまた鹿児島県の阿久根市に見られるように首長と議会、市民と議会間におけるさまざまなあつれきや不信といったものが形を変えながら、ここ1年は特に顕著にあぶり出されているという現状があります。3ない議会、修正しない、提案しない、公開しないをやめようなどと呼びかける社説まで飛び出る始末ですが、これまでも三鷹市議会では、各会派、各議員が協力し合いながら一定の議会改革は進めてきたつもりでした。しかし、昨今の世論は、そうして漸進的な動きではもはや納得をしていただけないほど画期的で目に見える改革を求めていると言えましょう。
 そこで、市議会公明党としては、次期へのステップとして、これまでの漸進的な改革ではなく、抜本的で大胆な議会改革、議員改革を目指して、その先頭に立って積極的に取り組む決意を新たにいたしました。今後は、選挙後の新体制の中で常設的な議会改革委員会(仮称)の設置を提案しながら、議会一丸となって取り組んでいくことを望んでおります。定数や報酬の削減や政務調査費の見直しを含め、各種行政委員会への参加の是非など、まずは身を削った上で市民の理解と共感を得られる議会にしなくてはならない、議員にならなくてはならないと思います。それは、市民のために議員としての仕事力を増進していかなくてはなりませんし、同時に議会改革そのものにも行政の理解と協力は不可欠です。
 そこで、今回は、過日の臨時議会での論点や実感も踏まえながら、まず、二元代表制と住民投票等市民参加について、その基本的な考え方として、実際の市政運営でのバランスやコストやスケジュールといった要素も加味しながら、市長の御所見をお伺いしたいと思います。
 次に、自治基本条例制定後の変化も踏まえ、今後、自治基本条例の進化・改定についてはどのように考えられているか、特に修正や改定をする課題、項目、時期等についてお聞かせください。その中でも常日ごろから市民への情報提供と情報収集は欠かせません。定期的なアンケートから個別案件の情報収集方法までどのように拡充されていくのか、公聴と広報についての今後の方向性と対応をお聞かせください。
 市議会公明党では、議会改革は行財政改革の一環としてもとらえております。議員と議会がそのチェック機能、能力を高め、行政に対してしっかりと精査と監視と指摘を行うとともに、その提案能力を育成強化して、具体的な要望だけではなく、新たなサービスの提案、制度設計や条例案の提案の実現までできるようにしていかなくてはならないと考えています。その際に、行政改革の一環としての議会改革への協力について、行政側も対応していただかなくてはなりませんが、例示として通年議会というものを開催する場合について、課題や懸念と考えられることはありますでしょうか、行政側の対応として大きく変化しなくてはならないことがありますか、お聞かせください。
 その一環として、あるいはまた通年議会の先行的な形として、決算から予算までの継続審査及び公会計制度導入、それも東京都が採用している複式簿記や発生主義会計といったものを念頭に行う場合はいかがでしょうか。実施するとすれば、準備期間や地ならし期間も含め、スケジュール的な面からも課題や実現へのプロセスをお聞かせください。また、土日議会や夜間議会の開催や出前議会、予算・決算特別委員会を初め各種常任委員会等のインターネット中継も実施したいと考えています。その場合は絶大なる御協力もお願いしなくてはなりません。課題、問題点があればお聞かせください。
 そして、事務事業総点検と事業評価等いわゆる事業仕分け的な制度、今回の事務事業総点検については大変評価しております。削るところを見つけるだけではなく、緊要なサービスが本当に必要なところを探り、しっかりとフラッグ立てをしている両輪がすばらしいと思います。名古屋市のように1兆8,000億の市債を抱え、しかも、つい数年前までは交付団体として、多いときでは1,000億円に上る交付金を受け取っておきながら、ちょっと余裕が出たからと10%の減税を図って、効果も出ない景気刺激策をとるようなパフォーマンス市政ではなく、きめ細かく着実に紡ぎ上げる市政こそが求められていると思います。この手法の意義と今後の拡充策とともに、同時に事業評価的なものへの質的な発展や並行性、あるいはある時点での議員参加等についてのお考えをお聞かせください。こうしたことも含めて、ますます全体像を見据えながら、客観的な数値基準をもとに、市政への経営的見通しを行えるPRE(パブリックリアルエステート)そのものの見方と手法の活用等適用の拡大は行政経営の上で必須の前提となります。今後の計画行政と柔軟な取り組みには、より一層のイマジネーションとしての想像力やクリエイティブな創造力がともに求められてきます。
 最後に、三鷹市のこうしたPREの適用について、昨今の考え方の進化や更新についてお聞かせいただきたいと思います。
 以上で自席での再質問を留保して壇上での質問を終わります。御答弁のほど、どうぞよろしくお願いをいたします。
                〔市長 清原慶子さん 登壇〕


◯市長(清原慶子さん)  二元代表制と議会(議員)改革についての御質問に順次答弁をいたします。
 まず、二元代表制と住民投票等についての基本的な考え方にお答えします。
 三鷹市自治基本条例のあり方を検討したまちづくり研究所の議論におきまして、議会と住民投票のあり方については時間をかけた検討がなされました。当時、地方自治法の抜本改正を検討している政府の地方行財政検討会議の学識委員でありました西尾 勝先生は、このまちづくり研究所の座長をお務めいただきました。西尾座長は、自治基本条例の検討におきまして、近年どうも安易に住民投票にゆだねようとする傾向があるけれども、まずは二元代表制に基づいて市民から直接選ばれた議会において、議会が市民の皆様の声を聞きながら、市政の重要事項について十分な審議と決定を行うという議会本来の役割を再確認する必要があるとおっしゃいました。その上で住民投票の制度設計をするべきであるとの御意見でございまして、したがいまして、市では、まちづくり研究所の検討でのこのような方向性を尊重して、自治基本条例に次のように住民投票については定めたわけでございます。すなわち市民からの住民投票の実施請求については、市議会において実施の可否を決定するという制度を自治基本条例で定めたということです。また、政府は、ただいまの国会におきまして、新たな住民投票のあり方を含めた地方自治法の改正案を提案する予定だと承知しております。この改正案では、大規模公共施設の建設を議会が承認しても、住民投票で反対多数なら建設できないとする制度を自治体の判断で導入できるようにしたり、地方税の税率変更を住民の直接請求の対象に加えたりすることが柱となっております。
 これにつきまして、地方六団体からは、これは住民投票の結果に拘束力を持たせると議会制民主主義を変質させる、あるいは迷惑施設と言われがちではあるけれども、住民生活にとって不可欠な一部の必要な公共施設の建設ができなくなるのではないか、また、減税の請求が乱発されるおそれがあるなどの意見を出しているところでございます。
 私はですね、制度としての住民投票の有効性や必要性を認める立場ではあります。しかしながら、住民投票の実施こそが、すなわち市民の政治参加の拡大や民意の反映につながるというような単純なものではないのではないかとも考えています。すなわち三鷹市自治基本条例の検討や地方自治法改正における地方側の意見にあらわれておりますように、憲法に基づく二元代表制を基本とした制度の検討がまず必要でございまして、その上で住民投票制度ということもですね、位置づけられてくるのでないかと思います。このような政府による制度改正がなされようとしておりますけれども、それが成立する、しないにかかわらず、私は、これまでも市民の皆様の御意見を聞き、また市議会の皆様の御意見をできる限り反映し、市民の皆様に積極的な情報提供と広報に努めてまいりましたので、引き続き市議会の皆様とともに開かれた市政運営を行うということが、まずは取り組むべき前提ではないかと認識をしております。
 次に、行財政改革の一環としての議会改革への市の協力に関する御質問をいただきましたので、お答えをいたします。
 首長による行財政改革が推進されたり、住民意識が高揚することによりまして、議会の政策立案や監視機能を充実するために、全国的に議会改革に取り組む動きが高まっております。三鷹市議会におかれましても、歴代議長を中心に議会改革を推進されてきていることに心から敬意を表したいと思います。そして今回は、市議会公明党としてのお立場で議会改革への取り組む決意が力強く表明されるとともに、通年議会など具体的な例示をされまして、それについての市の協力について御質問をいただいたわけでございます。私は、これまでも市議会というのは二元代表制の重要な一翼であり、そして、その市議会を尊重することを第一に努めてまいりました。本会議や委員会での議案審議、行政報告など、できる限り適時適切に対応をしてまいりました。
 そこで、例示されました通年議会、土日議会、夜間議会など、これまでの三鷹市議会の慣例的な議会運営とは異なる運営について、もし仮に議会としてそのようにしたいと御指摘があるならば、もちろんそれに対しまして最大限の御協力をしたいと思っています。そこで、もしそうするならばどんな問題があるかという御確認の御質問でございます。土日議会や夜間議会になりますと、施設整備の管理運営、あるいは土日や夜間に適正な人的配置をすることが求められますので、もちろん今までとは違う調整が必要になると思います。ただ、今後も三鷹市議会として議会改革について引き続き御検討されると思われますので、ただいまのような通年議会や土日議会や夜間議会などが具体的に議会改革として検討されていらっしゃるならば、その検討状況について適時適切に市の方にもお知らせいただければと思っています。
 もちろん土日議会や夜間議会になりますと、昼間ほかのお仕事をされている議員さんも、議員になりやすくなるという効果もあるかもしれませんし、通年議会というのがどのような形になるのか、ちょっと具体的にはまだわかりませんけれども、申し上げられることは、二元代表制を生かしていくために議会改革の中でどのようなことが出されましても──いきなりこうしたいと言われてもですね、なかなかすぐに難しいかもしれませんけれども、途中経過を含めてお知らせをいただければ、もう最大限ですね、調整をさせていただくのが市の立場ではないかと考えております。
 次に、決算から予算までの継続審査及び公会計制度の改革に関する御質問にお答えいたします。
 公会計制度の改革は、現金主義、単式簿記による地方自治体の会計制度に、発生主義、複式簿記などの企業会計の手法を導入しようとするものです。財務諸表などについては、労力の割に目的とすることが達成できていないのではないかという意見もありまして、総務省の地方財政検討会議などにおいては、公会計制度改革の方向性についての議論がいまだ定まっていません。また、現実の導入を考えた場合、システム開発や維持管理に多大なコストを要することや財務会計制度の抜本的な変更が必要なことなど、多くの課題を解決する必要があります。発生主義を取り入れた東京都でも、検討委員会の設置からシステムの稼働まで3年以上の期間を要しました。実情として多くの地方自治体、さらに国ですら発生主義方式の導入には至っておりません。
 ただ、三鷹市では、平成13年度以降、財務諸表を公表してきております。また、公会計制度改革の有無にかかわらず、議会審議のための諸資料の充実を図りまして、市民の皆様に広く情報を提供してきています。公債費や職員人件費の推計などを踏まえながら、適切に今後の財政見通しを立ててきているところでございます。さらにこれからの持続可能な自治体経営に向けては、公共施設の保全計画などに基づく将来のコスト試算などの管理会計の側面における充実が一層重要になるものと考えています。したがいまして、平成21年度に定めました新たな行財政改革推進計画の策定に向けた基本方針においては、今後の公会計改革の取り組みに関する方針を定めることを目標としています。また、ファシリティーマネジメントに基づく対応などを優先としながら、発生主義の導入については、国の動向などを見定めながら慎重に対応していきたいとも考えています。なお、決算から予算までの継続審査については、審査に当たる委員会の設置などの手法というふうにその御提案を理解いたします。市議会の中で十分な御検討をお願いしたいと思います。
 私からの最後の答弁でございますが、PREに関しての御質問をいただきました。
 質問議員さんがPREに御関心をお持ちいただきましたように、パブリックリアルエステートというのは、公的不動産や資産を合理的に所有し利用を進める取り組みとして、近年、大変自治体経営の中でも重視されつつある概念でございます。このPREの用語を用いましたのは、三鷹市では平成21年度からでございます。三鷹市、武蔵野市、小金井市、そして西東京市で構成しております四市行政連絡協議会では、毎年、合同研究会を開催してまいりました。実は平成21年度、三鷹市長が幹事長になりましたので、私から4市に研究テーマとしてですね、PREを紹介いたしました。で、三鷹市以外の3市の市長さんも、これは重要なテーマであるから、ぜひ一緒に研究しようということで、合同研究のテーマとしたのがPREでございます。庁内に設置しました三鷹市の将来構想検討チームにおいても、この4市の協議と並行しまして、独自にPREの研究をしてもらいました。このPREについて複数の自治体が共同研究をしたのは、専門家によりますと初めてだろうと言われておりますし、その後、幹事長が小金井市長になりましても、実は継続して平成22年度、PREをテーマとした研究が進められ、このほど報告書がまとめられました。21年度も22年度もこのテーマで研究したことは、私たち多摩の市でほとんどが地方交付税不交付団体でございますので、共通の重要な課題でございました。
 三鷹市について申し上げますと、都市の再生は市制施行60年を迎え大変重要でございます。先ほど質問議員さんは、イマジネーションの想像力とクリエーションの創造力、その両方が必要ではないかというふうに御指摘いただきまして、その1つにPREがあるのではないかと位置づけていただいたことは、自治体経営に当たる者としては、大変その共感を心強く思います。公共施設を計画的に維持保全するというファシリティーマネジメントの取り組みと市内に散在する施設をですね、いかに有効に複合化していくか、あるいは再配置していくかということは、今後、財政が厳しい中で、三鷹市のような自治体にとっては重要な課題でございますので、利用の必要や保有の必要がなくなる土地等を適切に活用する方向性や、どのようなタイミングで売却を図るか、あるいは交換を図るかなど、施設の所有や利用形態を最適化するPREの取り組みは、今後検討します第4次基本計画における持続可能な自治体経営というテーマにおいて重要な政策課題に位置づけられると、このように認識をしているところでございます。
 私からは以上です。その他につきまして担当より補足をいたさせますので、よろしくお願いいたします。


◯企画部長・都市再生担当部長(河野康之君)  それでは、市長の答弁に補足させていただきまして、事務事業総点検と事業評価についてお答えさせていただきます。
 事務事業総点検運動は、平成22年度の市税収入の大幅な減収、これに加えまして社会保障関係経費のさらなる伸びなど極めて厳しい財政状況が続く中で、主に平成22年度の事業の緊急見直しと平成23年度の予算編成に当たっての経常経費の大幅な削減を目指して取り組んだものでございます。この手法の意義といたしましては、所管部みずからがですね、行政サービスのあり方を検証した上で、すべての事務事業の点検を行う点にあるところでございまして、今後はこの取り組みの成果を生かしつつ、新たな行財政推進計画の策定する過程の中でも、市が直接行っている事業をですね、市民満足度向上の観点から総点検し、例えば事業者側からの積極的な提案に基づくアウトソーシングなど、サービスの質の確保と向上を前提とした民間活用の検討をするなどですね、取り組みを進めていきたいというふうに考えているところでございます。
 次に、事業仕分け的な制度につきましては、これまでも申し上げてきたように、いわゆる国が行っているスタイルの事業仕分けを実施することは考えていないところでございます。事業評価の関係で申せば、現在の行っております事業評価と予算編成と連動強化を一層図ることによりまして、新たな施策展開におきましては、極力既存事業の見直しをあわせて行うスクラップ・フォア・ビルドを着実に進めていきたいというふうに考えております。またですね、内部評価である事業評価をさらに拡充するとともに、決算の審議や予算審議等における、議会における活発な審議なども通しましてですね、市政におけるいわゆる広義の評価プロセスにおいても、市議会の御意見を十分反映していけるものと、このように考えているところでございます。
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◯議長(田中順子さん)  恐れ入ります。緒方一郎議員の質問の途中でございますけれども、この際しばらく休憩をいただきたいと思います。
               午前10時39分 休憩



               午前10時51分 再開
◯議長(田中順子さん)  休憩前に引き続き、会議を再開いたします。
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◯議長(田中順子さん)  市政に関する一般質問を続けます。


◯4番(緒方一郎君)  御答弁ありがとうございました。住民投票の件からいきます。
 先日ですね、市議会が市民アンケートをとらせていただきまして、私がショックだったのは、第4次基本計画、知っていますかと言ったら、78.5%が知らない、全く知らないで、関心がありますかというと、関心が大いにある、少しあるで73%、つまり、3分の2ぐらいの方が、知らなかった、余り知らなかった。だけど、そういうことならば、これは関心があるという方が逆に3分の2ふえる。じゃ、その策定のいろんな市民会議やいろんなものにかかわりますかというと、半々に分かれるんですね。私どもでは、あるいは行政の側からいうと、こういった第4次基本計画というのは、もう、1年ぐらい前からいろいろなところでお知らせもし、そして向こう12年間の大事な大きな計画を決めるわけですけれども、これ御存じなかった。もちろんこのアンケートも、年代的には割かし高齢の方が多く、60代、70代の方で4割ぐらいを占める。80代以上になっちゃうと5割を占めるということで、アンケート自体にお答えになる方が高齢者が多いんですが、逆に長い間、20年以上で5割以上ということで、長くお住まいの方の御回答なんですね。そうすると、長く住んでいて、いろんな1次計画、2次計画、3次基本計画、そしてここまで来て、こうした行政についてまだまだお知りにならなかったというのは、私はショックだったんです。それで、いろいろなことを考えますと、今の住民投票、いろんなところで直接──住民投票だけに限りませんね、直接請求というような形で議会をすっ飛ばして何か投票しようという思いがあるということは、わからないでもないといいますか、本当に逆に議員がだらしなかったなということと、行政が思って広報してらっしゃることが、やはりよく伝わってないという、両方が反省しなければいけないことではないかというふうに思います。
 確かに今、市長から御答弁をお伺いしましたとおり、住民投票にかけられる前に、もっともっと継続的、持続的に、また多角的に議会は、あるいは議員は、行政のことに対して問いただし、また提案をしていかなければいけないということを深く考えたのと同時に、やはりお伝えする方法も、いわゆる見える化という形もしていかなければいけない。先ほど広報と公聴やアンケートにも触れましたけれども、日ごろからいろいろな、網と言っては失礼なんですけど、手段を通して市民に対してお訴えをし、また市民からのお声を聞かなきゃいけないだろうということを痛感いたしました。
 で、先ほどの決算と予算のことの連続性にもかかわるんですけれども、11月から9月に決算が早まったのはいいんですけど、やっぱり検査の審議会の日程も短くなってしまいましたし、多角的ということでは、当年度、該年度、当該年度だけではなくて、やはり長期的、二、三年先、五、六年先のことも含めて審議をしてこの1年というふうに両側にこしらえていかなければいけないということもありますので、そういった意味からも議会改革は必要だなというふうに思っております。
 住民投票、もう1つはちょっとコストの面からも確認をさせていただきたいんですが、きのうの同僚議員の質問の中で、投票機会を拡大するとともに、いろいろな方の、実は、コストというのは悪い意味ではなくて、支えとかですね、ボランティアの方やお金も含めて、時間も含めて、実は投票行為を公正・公平にするということは大変なことだということがございます。ほかの国政や何かと一緒ではなくて、単独に住民投票をする場合のコスト、直接的なお金としてはどれぐらいかかるのか、ちょっとお聞かせいただきたいと思います。
 それから、公会計制度でございますが、東京都で私どもの都議会議員が提案をしまして取り入れました公会計制度の中で私が一番感じましたのが多摩ニュータウンのことでございました。多摩ニュータウンがバブルのころに、実は南大沢とか多摩境の方まで土地を買って、バブルの崩壊とともに、そこを、何も建てられずに終わったと。結局、ずっと塩漬けになっていて、それらを公会計制度の中で、土地が今までは含み資産と言われていましたけど、隠れ借金、つまり、金利がかさんで、そこにお金だけ積んでいるけれども、たなざらし、雨ざらしになっている土地がある。それは所有として持っているように、財産に思えるんだけれども、金利負担やそれの維持管理では積年の経費がまたそこにかかっているということで、それを見直して、御承知のとおり民間に売却をした。そうしますと、南大沢というのはまさに首都大学、あるいはアウトレットモール、特養施設等々も入ってきましたし、多摩境では高級な住宅地まで広がってということで、むしろ商業環境や福祉環境としてはすばらしい生まれ変わりをしたということがございます。公会計制度、それから、PRE、全部これ関連していますけれども、やっぱり長期的な視野ということと数値的な裏づけということ、しかも、それも公会計制度の中であぶり出していくというか、市民の方や都民の方に納得をしていただいて、これは処分をする、あるいは貸す、あるいは自前で何かをする、あるいはどこかと等価交換をするといった土地利用ということも、これからは大変大事なことだと思うんです。
 今、たしか三鷹市では、21年度の決算からでしたっけ、公会計制度の決算を取り入れていただくということを伺っておりますが、その辺はどうなっているのか。そして、東京都の本格的なといいますか、公会計制度に至るプロセスについて御考慮されているのかどうか、あるいは三鷹市として、今の総務省の改訂版等々でいくのか、その辺についてあわせてお聞かせいただきたいと思います。
 それから、実は持続可能な自治体経営というのは、昨日の市長答弁、石井議員に対するところで、住み続けたいまちというのがありました。行政側からいうと、持続可能な自治体経営なんですが、住む側からいうと、心から、それから、生活や生計の面でも住み続けていきたいまちというのは、これ、表裏だと思うんですね。その住み続けていきたいと、あるいは引っ越してきたいと思われるインフラの整備、そしてコミュニティ環境といったものを醸し出すのは行政の責任、あるいは共助での役割ですけれども、お一人お一人の個人や家族にとっては、住み続けていきたいというところをいかにして実現していくことが大事かと思います。
 そうしたことから、ぜひ、これはまた逆の形ですけれども、こういった予算書や、あるいは決算書やいろんなことの中にですね、市民の側から感じるものというスタイルといいますか、感想といいますか、そういった観点も取り入れながら、そしてお訴えをしていくことが、先ほどのアンケートや皆様のお気持ちにつながるんではないかと。数値的にこうだ、行政用語でこうだということとあわせて、市民の側から見てそうした観点、こういうサービスがあるんで喜んでいます、こういう設備があるんで喜んでいます、こういう交通環境なんで住み続けようと思っていますということも重ね合わせた表現にしていただきたいなと思いますが、この辺はいかがかと思います。
 それから、まさに隗より始めよで、私は、議会改革や議員改革はまず国会議員からすべきだろうと。国会議員がまず身を削らないで何を言っても始まらない。しかも、都議会議員もそうだと私は思います。政令市議会議員もそうだと思います。本当に地方議員というのは、我々含めてここにいらっしゃる全員が歯を食いしばって生活をしながら皆さんのお声を聞いているその第一線、血まみれといいますか、泥まみれになってやっているような感じがある。ところが、それは国や都で言えばですね、全くそうしたものを無視して、1回都庁に行けばのお話をしましたけれども、1万円ももらえるような、そんなところで何がわかるのかということをまず言いたいと思いますので、私は、今回、先送りということをせずに、まずやってみて、やる中で改善・修正をしていくべきだと思いますので、先ほど御答弁がありました、通年であるとか、決算・予算にしても、拙速にという意味ではありません。準備をよく重ねた上で、そうした方向の中で展開をすべきだというふうに考えております。ただ、御指摘がありましたとおり、行政と、勝手にこちらが、議会がやって、これでいきますということではなくて、御準備もありますし、お仕事の都合もありますから、そうしたことも連携をとりながらやらせていただきたいということは同意でございます。とりあえず、じゃあ、今の点、よろしくお願いします。


◯副市長(河村 孝君)  議会改革に関連して、住民投票とか市側の対応ということで再質問がございました。市長が申し上げたとおり二元代表制ということを最大限尊重するという立場でありますから、議会改革の中身についてですね、論評は差し控えさせていただきますが、御質問のありました住民投票のコストということでお答えさせていただきますと、推測でしかないんですけれども、例えば都知事選挙であれば3,000万ちょっとぐらいのお金がかかるわけでありますが、そこから、掲示板とか、そういうものは要らないものもあるでしょうから、その前後だろうなというふうに、今の段階で、突然の御質問でありますので、推測ということでちょっとお答えさせていただきたいと思います。
 私からは以上です。


◯企画部長・都市再生担当部長(河野康之君)  再質問で公会計制度についてのですね、貴重な御意見いただきました。例えばですね、自治体によってはですね、塩漬け土地であるとかですね、隠れた負債というのがあぶり出されるという効果があることは承知しているところでございます。そもそもこの公会計制度改革というのが言われ始めたのは、要は北海道の自治体における赤字団体に転落するプロセスが、なぜですね、議会や監査のチェックをくぐり抜けていたのかということや、また、各自治体における、一部自治体におけます公金不正使用問題ですね。こうしたことがなぜ発見されなかったのか。そうしたことの反省に立ってですね、やはり公会計制度の改革が必要であろうというふうに言われたというふうに承知しておりましてですね、御案内のとおり、これまでも御説明したとおり、三鷹市においては、当初からですね、事業別予算編成や市政情報の積極的公開によりましてですね、また、監査委員及び議会における詳細な審議によりましてですね、そうした事象がないというふうに考えているところでございますが、なお一方ですね、公会計制度改革によってですね、やはり見えないコストというのが明らかになる側面もあるところでございますので、これまでも取り組んでいるところでございます。
 その中でですね、例えば東京都の複式簿記の導入でございますけれども、これについてはですね、26市の自治体の中ではですね、やはり慎重な対応をとっているところでございます。と申しますのは、いわゆる複式簿記会計というのは非常に洗練された高度なシステムでございますが、それだけ非常に専門的な知識を要するところでございます。一般企業であればですね、どこでもやっているという議論はあるところでございますが、逆に言うとですね、経理の専門家が必要なわけでございます。一方で官庁会計、いわゆる我々がとっている会計制度はですね、大福帳会計とやゆされる面もありますが、一方でですね、すべての職員が伝票を処理しておりますので、そうしたものにですね、かなっている制度でもあるのは事実でございます。そうしたですね、現実的な側面によってですね、この複式簿記を完全に導入しますとですね、市政の構造自体を根本からですね、やはり変えざるを得ないというところがあるところなので、これについては、市長答弁にありましたとおり、やや慎重にならざるを得ないというところがあることを御承知いただきたいと思います。
 一方でですね、いわゆるこれまで見えなかったコストというのは、現在の会計システムにおいてもですね、例えば将来負担の予測とか、これについては工夫によりお示しすることは可能でございます。現在、三鷹市においてはそのような対応でとっておりますので、積極的な財務情報の公開、これは、これまでと同様にですね、さらに進んでいきたいというふうに考えておりまして、なおですね、御質問の中にありました、21年度決算における、いわゆる総務省の改定モデルにおけるバランスシートの公開ですね、これについては今年度中に作成すべく、現在準備を進めているところでございますが、これについては、自治体経営白書での御紹介などもですね、検討していきたいというふうに考えているところでございます。
 以上でございます。


◯4番(緒方一郎君)  ありがとうございます。実際の複式簿記、発生主義という都の方式に完璧に移動する前にもですね、今お話がありましたとおり、民間企業ではやっている考え方が行政の方では抜けている。例えば前で言えば減価償却という考え方がなかった。つくってしまったら価値はそのままだというようなことがあったりですね。一方で、行政の方では特徴的なことありますね。例えば同じ資産でも、絶対に学校や橋なんていうのは売れるわけはありませんし、それを売価でどうのこうのということはできないということもございます。ただ、その中に、学校の土地の中に、またこれ、代表質問や予算でやりますけれども、民有地や国有地が混在をしている中で、同じ会計だけれども、民間とのいろいろやりとりをそこでしなければいけないときがあるようなことも入っていけばですね、やっぱりそうした物の考え方や手法というのは、すべからく取り入れていかないと実態が把握できないというふうに思います。
 今回の21年度のバランスシートの会計につきましても、経営白書でぽんと来るんではなくて、さっきの裏返しですけれども、新たな対応が議会にお示しされる場合には、事前にやはりこちらにも準備として、今度はこういうものを新たにプレゼンスしていくよというお話をしていただきませんと、9月の短い中では、急に何かをされてもできません。こちらも勉強し、準備をしながら、それらについて御質問ができるようにしていきたいと思います。そういう双方向のやりとりもですね、私は、通年議会等であれば、常日ごろからそうした問題点をお互いが研究していく、あるいは検討していく会議も持てるんではないかというふうに思っております。今お願いしたいことは、お互いがそうしたこと、新しい取り組みや何かをする場合には、ぜひ事前に御連絡をいただきながら、市民から見える形の財政の出動、あるいは財政の運営というものを御一緒させていただきたいというふうに考えております。
 先ほどお話がございました中に、もう1つは新たな戦略会計というような形の中で、環境会計、例えばエコに関して、これは今、例えば三鷹市の税が何かサービスに行くときに、税がやったお金がそのまま等分で価値としてあるんではなくて、もっと大きな効果を得る。あるいは、今ここでは大きな価値は生んでないけれども、環境という観点からは物すごい価値がある。非常にエモーショナルというと語弊がありますけれども、サービスの面で、さっき申しました市民の人が感じ取れる、あるいはもっと大きな観点からすれば、それがお金では換算できない価値もあるということもやっぱり表現していかなければいけないと思います。非常に緻密な数値的なこと、会計的なこと、同時にそれの価値、サービスといったこともやはり表現していきませんと、先ほどの例えば4次基本計画というのは何ぞやということがほとんどの方はおわかりにならない。そこで展開されるものが、どういったものが市民生活にどれだけ生かされ、自分の身近なことにかかわるのかということがない。急に何か具体的な形にあらわれるときに議論が沸騰する。それ自体はいいんですけれども、やっぱり日ごろから市が計画をすること、やることが市民の感覚とフィットしたプレゼンスがされる、表現がされるということは、ぜひ御検討いただきたいというふうに思います。
 それから、最後になりますけども、事業総点検のことでございますが、本当に私、これは今回すばらしいことだったと思います。後で事業仕分け的なことを議員が参加するか、しないかということはございますが、これも、私は、むしろ経営白書をもっと長期的に深く議論する機会ができれば、それで私は1つ実現すると思うんですね。ただ、経営白書に選ばれた事業以外の事業もあるわけで、そこに実は課題や問題点もあるところもあるわけですから、そこは1つ議論が出てきますけれども、今回の事業総点検というのは本当にすばらしい。私はよく言うんですが、三鷹市というのは自転車操業だと、いい意味で。1つは行財政改革という前輪を回して、後輪で本当にきめの細かい市民サービスもやっていると。市長はその上に乗っかって国と都から、上から降ってくるんだけれども、よくわからない補助金をぱっぱっぱっとつかんで、そして取り入れて、そしてサービスの方にやっているという、これは本当にすばらしいことだと思うんですね。だから、行財政改革をとめても、市民サービスをとめても、こぐのをとめても、手をとめても倒れちゃう。だから、一生懸命やっているんだと思うんですね。どこか近隣で、古いキャデラックに乗って、昔のまま走っている自治体もありますけれども、そうじゃないというところがすばらしい。それだけにこの事業総点検の手法で得られたこと、それから、こちらでフラッグを立てて、これをやります、やります。確かに予算書に載っているんですけど、これもぜひですね、市報や何かを通して市民の方々にアピールをしていただきたい。いいことはぜひアピールをしていただきたい。事業総点検って、これ、行政用語ですよ、やっぱり。それで何があったのか、何をしたのかということをもっとわかりやすい言葉でぜひお訴えいただきたいと思います。この辺のプレゼンスについてはどうお考えでしょうか。


◯市長(清原慶子さん)  議会改革の具体的な手法については、本当に二元代表制でございますので、議会の中での改革を尊重したいと思いますが、これまでも例えば閉会中に常任委員会を開かれるなど、それは私が市長になった当初は余りなかったことだというふうに思いますが、それが定例会と定例会をつなぐ中で、必ず行政報告や、あるいはそれぞれ委員会で必要なことをされてこられたと思うんですね。そういう定例会と定例会をつなぐ試みについて今までされてきたことが、議会の中で今後どのように形をまた示していかれるのかということについては、私としては、市の働き、あるいは教育委員会の働きというのは、これは通年なわけでございますから、また、市議会議員の皆様の個々の御活躍は通年でございますから、繰り返しになりますが、それをどういう形にされていくかということについては、私たちとしては最大限尊重させていただきたいと思います。
 それから、お金だけでは見えないものを、会計制度を変えることによってより市民の皆様にお示ししやすくなる点もあるし、市議会の皆様にわかっていただきやすくなる面もあると思うんですが、質問の御趣旨は、会計制度を変えるということによって、市民の視点で見えてくるもの、例えばお金でいえば新エネルギーをですね、導入するとか、導入を支援すると言ったらこれだけのお金がかかるというところしか見えませんけれども、そのことによって三鷹市全体の環境にかかる負荷をこのぐらい低減できるとか、あるいは1年でかかるコストを10年に延ばすことができるとか、何かそういうあたりの説明の仕方をもう少し市民の立場でわかりやすくしてはどうかという1つに公会計制度の改革などを例示されたのでないかなと認識しております。
 先ほども御質問されましたように、私たちがどのように広報しているつもりでも、情報提供しているつもりでも、市民の皆様にとっては、それをみずからが受けとめていただいて、読んでいただくとか、見ていただくとかっていうことがないと、それはなかなか、言葉としては知っているけれども、中身までわからないよとおっしゃる正直な市民の皆様が多いのが三鷹の現状だろうと思いますので、説明の仕方には、これまで以上にですね、努力をしていきたいというふうに思いますし、かなり片仮名用語や行政用語はこれでも減ってきたつもりでございます。ただ、専門的なやりとりをするときに、最小限、市議会の場ではどうしても片仮名語があると思いますので、そのあたりも含めてですね、より中身がわかるようにしていきたいと思います。
 それから、事務事業総点検運動について大変御評価をいただいて、うれしく思います。私は、国及びほかの自治体が事業仕分けということをされていましたけれども、私たちとしては、もう常に三鷹市では行財政改革の一環として常なる事務事業点検というのはやってきたわけでございます。そうでなければ、毎年の予算というのは編成できないわけですから、その意味では、私は、創造力あふれる職員が、私が市民の皆様から受けとめた問題意識をどう施策として、サービスとして、事業として、行事として具体化するかということには知恵を絞り続けてくれてきていると思います。その上で、今回、総点検運動として時限的、集中的に取り組みましたのは、平成22年度の取り組みを本当にきちんとしなければ、平成23年度の予算がつくり上げられないだろうというぐらい、かなり厳しい状況が全庁的に認識されるべきだと思ったからでございます。その意味では個別具体の、本当にいろいろな方法、手法が編み出され、そしてこの間、やはりこれは市民の皆様に御説明しながら、市議会の皆様に御理解いただきながら、やめなければいけない、あるいは抑制しなければいけないというものについても、今まで以上にざっくばらんに庁内で議論ができたと思います。
 ここはあえて申し上げますけれども、市長も選挙で選ばれています。市議会議員さんも選挙で選ばれています。選挙で選ばれる立場というのは、できればいろいろなことをやりたいわけでございますね。あれもしたい、これもしたいとなりがちなわけでございますよ。そこのところは、三鷹市においては、市長も、あれもこれもではなく、あれかこれかをしてきたのは、もう、歴代市長がそうでしたし、市議会も、これはしなくてもいいんじゃないか、これを優先するならこれは抑制すべきではないかというようなことをですね、いろいろオープンな議論の中で決断をされてこられたと思うんですね。そういう風土がなければ、事務事業総点検運動をするときに、政治家である市長を見たりですよ、あるいは市議会議員さんも、予算要望の中には政治家として訴えたいものがたくさん詰まっているわけですから、それは第三者的に見ていいか悪いかということだけじゃなくて、ここのところは、あれはもう市長、やめてもいいから、自分の価値観でこれをという思いはすべての方におありになると思うんですね。けれども、あれもこれもできないときに、何を減らして、何をどう工夫して、何を──先ほどすばらしい表現で自転車操業のことを言っていただきましたが、国や都から持ってきたらいいのかと。それも競争環境下ですからね、補助金も交付金もやっぱり三鷹市がいいプレゼンテーションをしなければ国から来ないわけです、都から来ないわけですから、そういうところを頑張ることを受け入れてくださる市民の皆様や市議会があるということ、これがやはり事務事業総点検運動を一定の効果あるものにしたゆえんだと私は認識をしております。そういう意味でですね、そういうことも含めて市民の皆様にわかりやすいように、むだをなくし、そしてこれをやったということをですね、ぜひお知らせをしていきたいというふうに思いました。
 以上でございます。


◯4番(緒方一郎君)  それで、御答弁の流れの中でお話をされたんだと思うんですが、ちょっと再確認をさせていただきたいのは、私どもの、これは全議員で話し合うことですけれども、議会改革はやはり議会基本条例という形で新たにまとめなければいけないと思っています。同時に自治基本条例の議会条項というのは3項目しかなくて、それも議会改革に伴って大きく拡充をする、更新をする必要があると思うんですね。質問の中に、自治基本条例についての改定の時期とかですね、あるいは改定をする条件、煮詰まり方というのはどうだということをちょっとお聞きしていたと思うんですが、そこについてちょっと御答弁いただければと思います。


◯市長(清原慶子さん)  市議会が総意で議会に関する条例をおつくりになるのであれば、それはもう、その議会の取り組みを私たちは大いに注目をさせていただきますし、その中身と三鷹市の自治基本条例が整合性をとるようにするのは当然のことでございますので、しかもですね、この自治基本条例については、これを制定したら、それでもう終わりということではございませんので、もちろん議会の取り組みの影響というものは受けると思っています。それは、まさに、自治基本条例をお読みいただければそのことが含まれているというふうに私は承知しておりますので、繰り返しになりますが、議会の取り組み、そして、私たちは、国・東京都等との政府間関係についてもしっかりと補完の原則、そして自治の原則というのを貫いている自治体でございますので、あくまでも三鷹市という自治体における議会の取り組みについては、最大限、繰り返しになりますが、尊重した対応をしていけると思います。
 ただ、ここのところは、私がこれ以上申し上げられないのは、議会のことだからでございます。議会に関する条例のことも、議会でお決めになるわけでございますから、私がこれ以上申し上げることは不適切だと思いますので、一貫して私も副市長も担当も抑制的に申し上げておりますのは、二元代表制を尊重していきたい、その思いからでございます。


◯4番(緒方一郎君)  どうもありがとうございました。引き続きお互いが切磋琢磨して頑張っていきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。


◯議長(田中順子さん)  以上で緒方一郎さんの質問を終わります。
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◯議長(田中順子さん)  次の通告者、12番 岩見大三さん、登壇願います。
                〔12番 岩見大三君 登壇〕


◯12番(岩見大三君)  議長より御指名をいただきましたので、通告に従い一般質問をさせていただきます。
 今回は、勤労者が住みやすいまち三鷹というテーマについて、そのことに伴う課題について質問をさせていただきます。私自身も議員になる前は三鷹駅を活用し通勤する一サラリーマンでありまして、議員になって最初の一般質問は、そのサラリーマンの目線で当時からの社会問題となっておりました格差問題について取り上げました。今回は1期目最後の一般質問になりますので、当時を振り返り、また4年という月日の社会情勢の変化もかんがみ、三鷹市が本当に勤労者にとって安心できる自治体になり得るかどうか、検証をしてみたいと思います。
 三鷹は言うまでもなくサラリーマンが多く住むまちであります。勤労世帯の生活上の課題は多々ありますが、三鷹が住みやすいと勤労世帯が思い、長く居住してもらうことが肝要であります。三鷹は一般的に住みやすいとの声も市民から聞きますが、今回のテーマは、イメージのみならず、勤労世帯の生活の実態把握と課題について、どの程度市が理解し、課題解決についての認識を持っているかを問うものであります。
 まず、勤労世帯の就労、雇用、賃金の環境の実態についてでございます。
 まず、三鷹市民の勤労世帯の根本的な実態についてお伺いしたいと思います。特に近年叫ばれている雇用格差、賃金格差といった観点から、いわゆる生活保護世帯以下の年収のワーキングプアと言われる世帯がどの程度存在するか、またはどのような年齢層と予測されるか、伺います。同時に、生活上困難のない経済状況の勤労世帯はどの程度存在するかをお答えいただきたいと存じます。
 また、低所得の勤労世帯が一時的にも生活の困窮を回避できる制度については、どのようなものがあり、また、それをどう周知して、どの程度活用されているか、お伺いをしたいと思います。さらに三鷹市は勤労世帯の人口移動について、実態とそれに対しての分析をどうされているか、お伺いをしたいと思います。
 次に、個人市民税の落ち込みと勤労世帯の実態についてでございます。
 昨年度は約20億円の税収の落ち込みがあり、この原因が勤労世帯の雇用、賃金の状況が影響されているとの声もありますが、この減収と勤労世帯の状況の関連性をどのように分析、認識しておられますか、御所見をお伺いいたします。
 次に、通勤時の市内の交通インフラについてであります。
 三鷹市民が通勤時に活用する駅は、御承知のように集積の度合いが大変高くあります三鷹駅、吉祥寺駅、武蔵境駅、三鷹台駅などであり、地域で異なるが、バス交通機関の整備も課題であると思いますが、市民の根本的な駅の数やバス交通に対する要望を市はどのようにとらえているか、大変多岐にわたると思いますが、現実的な整備の可否は別にして、市民の要望は将来的な、総合的な交通整備の指針に役に立たせるべきであると思います。所見をお願いをいたします。
 続きまして、勤労世帯の孤立化についてであります。
 孤立化とは、病気やけがといった不測の事態の場合、近隣において緊急の救済措置がとれないなど人や社会との相互疎通は著しく閉鎖された状態と私なりに定義しますが、孤立化の問題は何も高齢者に限ったことではありません。平成17年の国勢調査で、三鷹市のひとり暮らし高齢者は7,056世帯でありましたが、勤労世帯のひとり暮らし世帯はどの程度と認識しておられますか。当然でありますが、勤労世帯のひとり暮らしが即孤立化になるわけではありません。しかし、生活最低限の低所得で近親者が近くにいない場合、孤立化の状態が長引けば、最悪死に至るケースもあります。そういった観点から、勤労世帯のひとり暮らしの実態について、その世帯数や年齢層、所得等について市が把握しておく必要があると思いますが、所見をお伺いをいたします。
 続きまして、マンション建設と待機児童の関連性についてお伺いをいたします。
 共働きの子育て勤労世帯において、保育所の問題は生活、経済に直結する深刻な課題であることは言うまでもありません。ふえ続けるマンションが子育て勤労世帯を増加させ、結果、待機児童がふえているという指摘もありますが、市としてはどう認識しているか、所見をお伺いいたします。また、仮にその傾向が顕著であった場合、一定規模以上のマンション建設について、事業者に対し保育施設の義務化を促す必要があると思いますが、現実的に可能かどうか、所見をお伺いをいたします。
 最後に、勤労世帯が本当に住みやすいまちにつきましてお伺いをいたします。
 勤労者が多い三鷹にとりまして、勤労者が住みやすいまちについての将来像を持つことは必要不可欠だと思います。基本的に三鷹市は都心からの電車交通のアクセスもよく、緑も多く、環境のバランスがとれた、いいまちであります。しかしながら、多くの、特に都市にある自治体と共有する課題は、残念ながら三鷹にも存在をいたします。本日私が列挙した課題は、その一部かつ根本的な今日的課題でもあります。三鷹市がそれらの課題を解決するための独自の方策を模索し、余り声を発することの少ないと思われる勤労者の方々の要望を受けるパイプをより構築していただくことが、繰り返しになりますが、勤労者が今後とも長く安心して居住してもらう早道だと思います。その意味で、今後の勤労世帯の人口減少や高齢化に備えて、本当に安心できる住みやすいまちのグランドデザインをどうするか、所見をお伺いをいたします。
 以上、自席での再質問を留保いたしまして、壇上での質問を終わらせていただきます。御答弁の方、よろしくお願いいたします。
                〔市長 清原慶子さん 登壇〕


◯市長(清原慶子さん)  それでは、勤労者に関する御質問に順次お答えいたします。
 1点目、勤労世帯の就労、雇用等についてでございます。
 生活保護世帯以下の年収と言われるワーキングプア世帯がどの程度存在するのかという御質問をいただきましたが、個人住民税という観点からとらえた場合、個人に対する賦課でございますので、世帯単位での収入額の把握はなかなか難しいわけでございますが、個人の給与収入額が200万円以下でとらえますと、平成22年度では、給与収入がある方のうちの14.7%を占めています。この中には、パート、アルバイトの方も多く含まれているものと考えられます。また、年齢層については、詳細、なかなか把握できていないところでございます。
 市としての就労支援の取り組みですが、就職面接会、就職支援セミナー、しごとの相談窓口などの事業を行うことを通して、特にハローワーク三鷹、財団法人東京しごと財団、わくわくサポート三鷹等の関連機関との連携を強めつつ支援をさせていただいているところです。
 次に、個人市民税の落ち込みについて御質問をいただきました。
 平成22年度の個人市民税につきましては、現年課税の調定ベースで、21年度当初予算173億9,000万円余に対しまして、159億7,000万円余と14億2,000万円余の減収を見込んだところです。そのうち所得割については、12億8,000万円の減収を見ております。予算編成時に活用しました東京都の賃金、労働時間及び雇用の動きによりますと、東京都の給与所得者の平成21年の年間の賃金の最終値は、対前年度比でマイナス6.7%となっております。今年度の個人市民税の税収見通しにつきましては、現時点では当初の見込みどおりとなっています。
 特に勤労世帯との状況の関連性について御質問をいただきました。
 給与所得に係る納税義務者が7万2,231人で、納税義務者全体の8割を占めております。まさに三鷹市は勤労者のまちと言われるゆえんでございます。給与所得者の1人当たりの平均給与額は、22年度は527万4,000円と、前年度に比べて16万3,000円、3.0%の減収となっております。
 次に、勤労者が住みやすいまち三鷹の課題ということで御質問をいただきました。
 特にですね、低所得勤労世帯等の生活支援を行うために、平成20年度から緊急総合対策3か年事業として、東京都と連携し生活安定応援事業を実施してまいりました。この事業についてでございますが、低所得者及び離職者のための生活相談窓口を三鷹市の社会福祉協議会に設置しているものでございます。社会福祉協議会が経常的に行っております生活福祉資金の貸し付けなどとあわせまして、生活相談、就業支援、その他該当する関係施策の紹介など、大変きめ細やかに自立に向けた支援を行っておりまして、低所得者や離職者の方の生活の安定が図られているものと思います。三鷹市としては、いまだ厳しい経済、雇用状況が続いておりますので、今後もこの事業を、一部見直しを行いながらも継続していきたいと思います。そして、そのことを通しまして、低所得の勤労世帯等の生活の安定に向けた支援が進められると思います。東京都と連携して広報やリーフレットの作成などに努めまして、20年度は438件の相談件数でしたが、21年度は870件、そして22年度は、昨年の11月まででございますけれども、988件と相談件数がふえております。
 さて、勤労者が住みやすいまち三鷹といっても、実は勤労者の孤立化も課題ではないかという観点から御質問いただきました。
 勤労者のひとり世帯の世帯数、年齢層や所得等については、現在、そうした統計は行っておりませんし、国勢調査においても、なかなかそういう形のデータは出てこないのではないかと思われます。ただし、御質問者が問題意識として思われていらっしゃいますように、高齢者のひとり暮らしだけではなくて、勤労者にも不測の事態が起こったとき、ひとり暮らしであれば対処がなかなか困難ではないかということは言えると思います。通常、地域には属さず、むしろ企業や団体等の集団に属している意識の方が強いと思われますけれども、私たちとしては、ぜひですね、三鷹市という地域に職場やその他の友人関係とは別のですね、居場所という感覚を持っていただければありがたいなと思っています。
 したがって、ひとり暮らしの勤労者の方がどのような暮らしの感覚を持っていらっしゃるかということについては、これまでも市長と語り合う会で、例えば独身の勤労女性にお声を伺ったり、あるいは三鷹市にお住まいで、日ごろは外で働いていらっしゃる勤労者の方の声を直接伺ってもみました。その際、皆様やはりですね、孤立感を持っていらっしゃるわけではないんですね、お若いので、まだ体力的にも健康的にも問題がないということで。しかし、納税者でもいらっしゃいますし、地域の図書館でありますとか、あるいはその他の子どもに関する施設などは、御本人も、あるいは友人たちも使っているというようなことで、その観点や、自転車に関する通勤時の課題やバス利用における課題などについては積極的に御意見もいただいたところです。したがいまして、実は今後もですね、こうした皆様のお声を反映するために、第4次基本計画の策定過程においても、無作為抽出によるまちづくりディスカッションなどに、ぜひこうした勤労者の皆様の御参加を進めていきたいと考えているところです。
 総合的に勤労世帯が本当に住みやすいまちとはどのようなまちと考えているかという御質問にお答えをしたいと思います。
 言うまでもなく、三鷹市の場合、勤労者である市民の皆様は、人口構成でいいますと、まさに生産年齢人口でもありますし、まちの活力やにぎわいを維持・向上させる原動力である存在です。これから少子長寿化社会が一層進行することを考えますと、この世代の市民の皆様に、引き続き三鷹市に住み続けたいと思っていただくことは大変重要なことですし、これから三鷹に住んでいきたいというふうに考えていただくことも重要です。例えば勤労世帯よりも若い世代であります大学生や専門学校生として三鷹市に居住している方もいらっしゃいます。そうした方が就職したり結婚しても、あるいは出産してもなお三鷹に住み続けたいと思っていただくことは、地域の人口構成の観点からも、あるいはバランスのとれた地域の構成メンバーを三鷹市が確保させていただくという意味でも重要だと思っています。三鷹市が暮らしやすく、働きやすく、子育てしやすく、また、長寿になっても安心して過ごすことができるという要件を整えていくことが重要だと思います。具体的には、住環境の整備やコミュニティバスを初めとする交通環境の整備といったハード面の整備はもちろんのこと、ただいま進めております子育て支援の強化や都市型産業の誘致、雇用の創出、総合的な安全安心のまちづくりなど、生活の質の向上に向けた取り組みが必要であり、これは勤労世帯の皆様に住みやすいと思っていただくだけではなくて、小さなお子さんから御長寿の方にまで評価される取り組みだと思います。市政というのは、特化して何かをという場合もございますが、今申し上げましたように、勤労世帯の皆様にとっても住みやすいまちを考えるということは、バランスのとれた市政運営をますます求められているものと認識しております。
 私からの答弁は以上でございます。


◯都市整備部長・調整担当部長(大石田久宗君)  それでは、市長の答弁に補足をいたします。
 初めにですね、通勤時の市内の交通インフラについてお尋ねがございました。どのような要望が市民からあるかという点でございますが、地域公共交通活性化協議会において、バス交通を含むですね、公共交通に関するアンケート調査を実施いたしました。この中でですね、幅広い意見をいただいたわけですが、基本的にですね、路線バスではですね、運賃とか、運行本数、定時性等の各要素で一定の高い評価をいただいております。利用しやすいというですね、御意見が多くてですね、9割近い方が回答をそのようにしていただいています。ただ、一方でですね、環境については、バス停の屋根がですね、上屋が欲しいとかですね、ベンチを設置してほしいとかですね、そういうものがありました。引き続いてこの地域公共交通活性化協議会におきまして、アンケートでいただきました市民の皆さんからの御意見を十分に踏まえまして、だれもが移動しやすい交通体系を目指してですね、総合的な、議員もおっしゃいましたけれども、総合的な交通整備の指針を策定してまいりたいというふうに考えております。
 続きまして、マンション建設と待機児童の関連性でございます。
 待機児童につきましてはさまざまな取り組みを行っておりまして、保育園の定数、市長の答弁にも毎回出ておりますけれども、大変な数を増加させたわけでありますが、それを上回るですね、需要がありまして現在に至っております。マンション建設がですね、他地域からの流入人口を招いているというのは、これは事実でございますので、全くその要因となっているというふうに認識しているところであります。
 そこで、三鷹市では、三鷹市開発事業に関する指導要綱を改正いたしまして、一定規模以上の共同住宅、事務所の建設につきましては、子育て支援施設の設置に関して市と協議を行うという規定を設けて、平成23年、つまり、ことしの4月1日より運用を開始する予定でございます。ただ、議員の御質問にもありましたけれども、義務ではありません。じゃあ、この要綱改正によってですね、どれぐらいの効果があるかと、これは今後の課題でございますけれども、言えることはですね、今でも、義務ではなくてもですね、大変いろんな形でですね、事業者の皆さんに御協力いただいていることはありますので、これは窓口できちんとした対応をしていくということになろうかと思います。義務化には踏み込んでいけるのかということでございますが、法制度がですね、それを許さないと思います。必ずそういう施設をつくらなければいけないという義務を伴ったようなですね、制度の確立というのは難しいということでありますので、将来的な課題というふうに考えております。


◯12番(岩見大三君)  御答弁ありがとうございました。それでは、再質問の方をさせていただきたいと思います。
 今回は勤労者ということをテーマに、私自身が思う課題についてお伺いをいたしました。それで、まず最初にですね、ワーキングプアということを申し上げたわけなんですが、この点に関しましては、実はワーキングプアの定義というのは、今の時点でも大変あいまいでありまして、国においてもなかなか定義はしづらいということはあります。
 先ほど市の中のですね、年収200万以下の方の割合ということで市長の方から御答弁いただきましたが、国におきましては、年収200万以下で統計では1,100万人を超えていると。2010年時点ですね。昨年時点で、というような統計でありまして、また一方、これはOECDの基準らしいんですが、年収124万円以下ということになりますと641万人ということで、まさしく国全体の大きな課題であるということが言えると思います。私ごとで恐縮ですが、私も議員になる前はですね、サラリーマンを退職いたしまして、短い期間でありましたが、日雇いでですね、派遣労働ということをやった経験があります。これは、現場で要するに毎日6,000円、7,000円のですね、日給をもらいまして、いわば実家でないとなかなか暮らしていくのは非常に困難な給与体系となっていまして、実家でない方は、よく言われるインターネットカフェというところに流れていくと。これは、現場にいた当時の話ですが、若い方だけでもなくですね、非常に私と同年代の人間も多く存在しておりまして、非常に全体的な世の中に蔓延するですね、深刻さを痛感したところであります。
 それで、このワーキングプアに関しましては、御承知のとおり数がふえております。これに関しましてはですね、1997年時点では458万世帯ですか、現在は675万世帯ということで、国の責任も大変大きいと思います。その中でこういった課題を、自治体がですね、やはり解決ということではなくて、まずはこの実態を把握をしていくということの働きかけはやはり必要なんではないかというふうに思います。
 それで、もう1つ関連いたしまして、これも社会用語でありますが、パラサイトということが言われております。特に中高年のパラサイトという問題が今後の、これも大きな社会問題として出てくるのではないかというふうに思います。つまり、そうですね、私は現在44でありますから、私と同年代の人間が、失業もしくはアルバイト生活の中でですね、親の年金で暮らしているという世帯が大変、これはふえていると思います。これはもっと実態がわかりにくいと思うんですが、つまり、この層はですね、高齢者の親の方が亡くなれば、イコール孤立化をしていくというような可能性が大変に多い世帯ではないかというふうに思いまして、これは恐らく、今すぐどうこうではないんですが、今後10年の間に相当数ふえていく課題ですので、このことも自治体としてですね、ぜひ御認識をいただきたいということを思うわけでございます。
 こういう貧困層といいますか、勤労者の貧困層に関しまして、社会問題化して本当に久しいのでありますが、勤労者のまち三鷹としてですね、その実数把握というのは本当に難しいことだろうと思いますし、今後の課題でありますが、ぜひですね、こういうことの実態の調査をですね、サンプルとして今後は考えていく必要があるんではないかということに関してですね、将来の税収にもつながってまいりますので、御所見をいただきたいと思います。まずは、済みません、よろしくお願いいたします。


◯市長(清原慶子さん)  これは毎年、三鷹市の取り組みを御紹介する中で、必ず生活保護世帯が増加しているということをお話ししておりまして、ダイレクトにワーキングプアとかパラサイトとか、それに結びつくことではないかもしれませんけれども、実際に所得水準が低下し、また、家族にそれぞれ固有の問題に直面していらっしゃる方にですね、生活福祉課ではしっかりとした御相談にも乗らせていただいているわけです。あわせて就業を支援させていただくこと、あるいは生活の自立を支援させていただくことでこのことを克服できるということもございますので、先ほど御紹介いたしました東京都と連携をしていたり、国と連携する取り組みの中で、まずは就労支援というのは大変重要なことだと思っていますし、東京都との連携の中では、就学支援、つまり、塾にかかる費用を補助させていただくことで、高校入試、大学入試に取り組んでいただくと。このことはですね、先ほど申し上げましたように相談件数がふえていることにもあらわれているわけです。
 私たちとしましては、なかなか統計といってもですね、ダイレクトにとれないかもしれませんけれども、生活をしていらっしゃる市民の皆様の多様な部署での御相談に乗りながら、今の勤労者の皆様が置かれている実態、あるいは働きたくても、いわゆる定職になかなかおつきになれない方のお悩みなどには御相談に乗っていますし、あわせて納税課などは、市民税が前年度に課税されるわけですから、前年度の申告等に基づいて課税をさせていただくけれども、現年度お支払いがない場合の御相談などに乗りながら、その実態には寄り添いながら対応をしてもらっているところでございます。基本的に雇用の問題については、私は国が責任を持ってすべきであると。国民の働くことの保障をですね、していくのは国の仕事だと思っておりますが、国の組織あるいは東京都の組織と連携をしながら、一番の生きる現場であります市として精いっぱい取り組んでいるところでございます。


◯12番(岩見大三君)  御答弁ありがとうございました。市長のおっしゃるとおりですね、私も先ほど申し上げましたが、雇用の根本的な課題はやはり国の問題であります。企業の雇用体系あるいは賃金体系というものを根本的に見直すことの仕事を、やはり政府、国がやっていただくことがまずは根本的課題で、ただ、自治体の方は、市長がおっしゃいましたように、できる範囲のですね、雇用、賃金に関する低所得者の方の救済の措置をとっていただいて、その苦しい声を聞いていただいて実態を把握していただくということで、引き続きよろしくお願いをしたいと思います。
 それでは、次の質問に入りますが、先ほどマンションの関係のですね、保育所のことで4月1日からという御答弁をいただきました。それで、こういったことが進行していくことは大変結構なことでありますし、ぜひですね、事業者の方とも発展的なこの話をですね、行っていただきたいということをお願いするわけでありますが、済みません、ちょっと1点、この4月1日からのですね、これは、特に相手先のマンション規模とか、そういったことは余り関係はしてないんでしょうか、ちょっとそのことだけ教えていただきたいと思います。


◯都市整備部長・調整担当部長(大石田久宗君)  今、要綱についてですね、お尋ねがございました。戸数はですね、100戸以上を基準としております。あと幾つか要件がありますけれども、とりあえず御質問にはお答えします。


◯12番(岩見大三君)  ありがとうございます。そうしますと、やはり100戸以上のマンションとなると、かなりの──今後の建設の状況にもよると思うんですけれども、数に上るかと思いますし、そこは、話し合いと言っても大変に、人的要素も含めまして大変だと思いますが、ぜひ引き続きこれを実現につなげていただくようにですね、よろしくお願いを申し上げます。
 それでは、最後になりますが、昨日の市長の答弁からも種々ありましたが、今後の人口減少あるいは高齢化ということに関しての今後の自治体の取り組みということは、やはり地域再生と申しますか、創生というお言葉はきのうおっしゃっていましたが、やはり行政の取り組みだけではですね、なかなかやはり解決することができない課題を含んでいるんではないかと思います。それはやはり地域の方の横の連携であったり、あるいは孤立化を防ぐ処方せんがあったり、おっしゃったように昔のようにですね、なかなか地域の声につながるといいますか、向こう三軒両隣みたいな、ということは、やはりこういったことはもう難しいんじゃないかと。意識としてですね。ですので、隣にやはりどなたが住んでいるかとか、あとはうっとうしくない程度のコミュニケーションであるとかいうことを1つずつ広げていってですね、で、そこが孤立化を防いでいって、最終的にはこういう今の経済状況であるとか、あるいは地域の孤独死の問題であるとか、そういうことの無縁社会という今の状況を1つずつ解決していく処方せんになるんではないかと思いますので、引き続きそういった観点からも取り組みの方をよろしくお願いを申し上げまして、私の質問を終わらせていただきたいと思います。ありがとうございました。


◯議長(田中順子さん)  以上で岩見大三さんの質問を終わります。
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◯議長(田中順子さん)  この際、議事の都合によりしばらく休憩をいたします。
               午前11時54分 休憩



               午後1時00分 再開
◯議長(田中順子さん)  休憩前に引き続き、会議を再開いたします。
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◯議長(田中順子さん)  市政に関する一般質問を続けます。
 次の通告者、14番 浦野英樹さん、登壇願います。
                〔14番 浦野英樹君 登壇〕


◯14番(浦野英樹君)  それでは、通告に従いまして質問をさせていただきます。
 今回の質問、大きなテーマ1つ目、共通番号制度について質問させていただきます。
 まず1つ、基礎自治体の側から見たメリットについて質問します。
 社会保障と税の共通番号制度について、1月31日の政府・与党社会保障改革検討本部において、2014年6月に国民に番号を配布し、15年1月から段階的に利用を開始するスケジュールを明記した基本方針が了承されるとともに、番号制度創設推進本部の設置が決定されました。
 この共通番号制度、呼び方は国民総背番号制など時代によって変わってきましたが、古くは佐藤内閣の時代、1960年代より検討されてきたようです。しかし、その後、なかなか実現に向けての議論が進まず現在に至っております。当初は、国民個人個人の所得を正確に把握することで適正な課税を行うことが大きな目的であったようですが、最近は、国民が、自分が受けられる公的な社会保障給付、行政サービスを受けやすくするためにも、国民に共通する番号制度の必要性が認識されてきているようです。また、税と社会保障の一体改革にも共通番号制度の導入は必要不可欠であるとの認識が大半です。
 長い期間検討されてきた共通番号制度ですが、実現に向けての議論が進まなかった大きな要因の1つがセキュリティーの問題であろうと思います。確かに共通の番号制度によって、国民の情報が一元管理されてしまうと、情報が漏えいしたときのダメージは大きくなります。情報漏えいによる被害の可能性は、共通番号制度の最大のデメリットの1つであることは間違いありません。
 しかし、一方、ここ数年、情報が一元管理されていないことによる問題点が次々と発生し、国民生活に大きく暗い影響を落としております。年金記録問題が最たる例ですが、もし年金情報が一元管理されていれば、自分の年金記録がわからないといった事態は避けることができたはずです。また、悪化する経済情勢のもとでは、自分が受けられる公的給付、サービスの情報を素早く認識することが重要です。しかし、現在は、例えば会社員であれば、健康保険、雇用保険、年金、税、家族の介護、それぞれ別々の番号で管理されているため、例えば所得税の医療費控除を受けられるのに受けていない、高額医療・介護合算制度が十分に活用されていないといったように、情報が一元管理されていないことにより、本来受けられる給付やサービスを受けていない、または受けるのに非常に時間がかかってしまうという問題が発生しております。
 情報を一元管理するデメリットであるセキュリティーの問題は、もちろん慎重な検討や進め方が必要なのは言うまでもありませんが、技術的にはこれはいずれ乗り越えていける課題ではないかと思います。民間では当然に乗り越えるための努力をしておりますし、技術の蓄積も進んでおります。一方、情報が一元管理されていないことによるさまざまな問題点は、情報の一元管理を進めていかなければ解決は難しいわけで、基礎自治体である三鷹市においては、適正な課税と住民サービス向上に向けて、この共通番号制度については最大限に協力し、活用していただくことを期待するものであります。
 そこで最初の質問ですが、共通番号制度について基礎自治体の側から見たメリットについて、市長の見解をお聞かせください。
 続いて、共通番号制度について、先行した取り組みの可能性について質問いたします。
 共通番号制度についての市民の理解を深めるには、情報の一元管理の実現は、実は市民にとってもメリットが大きいということを周知する必要があると考えます。例えば私は民間のインターネット通販サイトをよく利用しておりますが、IDとパスワードでログインすれば、今までの買い物の履歴もわかりますし、たまっているポイントの数や交換できる商品などが確認できます。また、興味がある商品の情報について、事前に登録しておけばメールで最新情報が送られてきます。これは情報が一元管理されているからこそできるサービスですし、情報が一元管理されていることのメリットを実感できるシステムではないかと思います。共通番号制度の導入に先立ち、例えば市の窓口やホームページなどで、市民の方が、自分が受けられるサービスや給付について、わかりやすく情報提供を受けられるような取り組みがあれば、共通番号制度への理解が進むと考えますが、御所見をお聞かせください。
 続きまして、大きなテーマの2つ目、国民年金「運用3号」適用について質問させていただきます。
 実はこの国民年金「運用3号」適用問題、非常にちょっと問題があるという問題意識で質問を通告させていただきましたけれども、昨日の衆議院予算委員会で厚生労働大臣が一時停止すると、この措置を一時停止する旨発言がありました。ただ、現時点では一時停止でありまして、最終的な結論ではないということと、同措置についての基礎自治体としての考えを確認をしたいということが私の質問の趣旨でありますので、通告どおり、またあえて原稿もそのままで質問させていただきます。
 まず1つ、措置についての見解について質問をします。
 12月議会で国民年金第3号被保険者から第1号被保険者への種別変更手続が行われていない例が多数存在する件について質問いたしましたが、その後、政府の新たな救済策が決定され、ことし1月より、いわゆる「運用3号」適用の措置が開始されました。この「運用3号」適用措置の内容ですが、1、未手続、過去に手続をしてこなかった期間について、過去2年間は保険料を徴収する。本来は第1号被保険者でありますので、保険料を払わなきゃなりません。それについて過去2年間は保険料を徴収する。そして、2、過去2年間の保険料を支払えば、それ以前の、本来なら第1号被保険者期間であった保険料の未納期間については、第3号被保険者、つまり、保険料はありませんとみなすというものです。わかりやすく言えば、過去2年間保険料を支払えば、それ以前の、本来なら第1号被保険者期間は保険料を支払わなくてもよいということになります。支払わなくても年金額は第3号被保険者と同じということになりますね。新聞報道などでは、専業主婦の年金に新たな不公平といった報道をされることが多いですが、この「運用3号」措置は2つの大きな不公平を抱えております。
 1つ目、「運用3号」に該当する人は過去2年間のみ保険料を納めればよいことになりますので、過去にまじめに手続をした人は、同じ年金額でも保険料をたくさん負担することになります。仮に10年前に離婚をして手続を放置していた場合、きちんと手続すれば、10年間保険料を払い、手続をしてなければ2年間のみ払えばよい。それで年金額は同じということになります。まじめに手続を行い保険料を払った人と、そうでない人が同じ年金額になってしまうという現象が発生します。
 問題2つ目、この「運用3号」適用措置は平成23年1月以降に変更手続した人のみが対象となります。昨年以前に、ああ、自分は手続を忘れていた。手続をしようと思って手続をした方は、手続の時点で過去2年間の保険料の追納ができましたが、それ以前の第1号期間は未納となります。ですので、そういった方は救済されません。ですから、ことし以降手続をした人だけが得をするような結果になります。また、今後、厚生労働省は──今後といいますかね、この適用措置を決めた時点の見解ですけれども、厚生労働省は、データ照合の上、職権で種別変更を行うとしていますが、種別変更を行う時期がおくれればおくれるほど、いわゆる「運用3号」期間──保険料を払わずに年金額に反映される期間が長くなりますので、手続をせずにほうっておいた方が保険料を払わずに済む期間が長くなってしまうことになります。厚生労働省は職権で行うと言っていますけれども、いわゆる協会けんぽの被保険者は比較的わかるんですけれども、組合健保の方というのは、厚生労働省でも必ずしもデータを把握しておりませんので、職権適用の時期も加入する健康保険制度によって大きな差が出てくるのも現実です。
 このように不公平という問題に加え、法定受託事務として国民年金の事務を行う基礎自治体にとっては、大きな問題があります。厚生労働省が、これはホームページで公表した文書によりますと、この「運用3号」措置を行わなければ、年金行政の現場が大混乱するとの記載があります。確かに年金事務所や年金相談センターは、この措置を行うことで混乱を避けられるかもしれません。しかし、法定受託事務として第1号被保険者の事務を行う市町村の立場はどうなるのでしょうか。今まで市町村は、配偶者の離職や離婚などで第3号から第1号に変更となった方々に対し、早く手続をするよう呼びかけを行ってきたはずです。私も12月議会で種別変更についての広報の充実を呼びかけ、その後、市報にも第1号への種別変更の案内が掲載されておりましたが、市町村の呼びかけに応じてまじめに手続をした被保険者の立場はどうなるんでしょうか。法律にのっとり市が広報を行い、それを見てまじめに手続をした被保険者が結果的に損をしてしまうのです。損はしませんけども、ばかを見てしまう結果になります。
 厚生労働省は、年金行政の現場が大混乱すると言っておりますが、その年金行政の現場の中に、法定受託事務として第1号被保険者の手続を行う市町村の現場が全く考慮されていないことは明白であります。この本「運用3号」措置は、不公平であるばかりでなく、地方軽視以外の何物でもありません。私は、このように年金不信を増大させ、末端で手続を行う市町村の現場の努力を軽視したこの「運用3号」措置は、即刻中止すべきであると考えておりますし、政府内でも総務省の年金業務監察委員会では、同措置について、法的にも問題がある可能性があるとして調査を開始いたしました。そして、昨日の厚生労働大臣の一時停止の表明に至ったわけですけれども、そこで質問です。法定受託事務として国民年金第1号被保険者の事務を取り扱う基礎自治体の長として、この国民年金「運用3号」適用措置についていかなる見解をお持ちであるか、市長の御所見をお聞かせください。
 また、現時点で第3号から第1号へ種別変更を行う被保険者のうち、「運用3号」が該当する可能性がある方に対していかなる対応をされてこられたか、これは現時点でというか、きのうまでの時点ですね、市窓口への市民からの問い合わせ、苦情等の現状をお聞かせください。
 続きまして、質問大きなテーマ3つ目、観光施策について質問いたします。
 観光マップの活用についてお尋ねいたします。
 私は、4年間というか、最初に選挙に出たのは8年前なんですけれども、三鷹駅南口駅デッキ上でレポートを配布しておりますけれども、市外からの訪問される方や外国人の観光客から、ジブリ美術館などへの道を尋ねられることがいまだに多いのが現状です。道案内をする、ルートを表示する掲示板はあることはありますけれども、いわゆる改札を出てからの動線から外れた場所にあったりですね、また、動線上にあるデッキの上にある、天井にある円形の掲示板は非常に見にくく、見ても理解がなかなかできないようです。本来ならわかりやすい場所に掲示板を設置するのがベストなのですけども、それが物理的に難しいというのであれば、三鷹駅の構内や駅デッキのわかりやすい場所に、市外や外国からのお客様向けの観光マップを置いてはいかがでしょうか。現在もこの観光マップに相当するものとして、みたか散策マップというものがありまして、みたか観光案内所で配布しておりますけれども、この散策マップというのは、どちらかといいますと、三鷹のまちをじっくりと見て回りたいという方のものでして、音声ガイドにも対応するなど、かなりしっかりしたつくりです。これはこれで必要ではあると思いますけれども、一方で、ポケットに入るようなサイズで、観光スポット以外でよく道を尋ねられるような、例えば杏林大学病院といった施設などへのルート案内も含めてわかりやすく掲載したような、機能的な使いやすいマップも市外からの来訪者には利便性があり、必要ではないかと考えますが、御所見をお聞かせください。
 観光マップの配布拡大により、本来の目的地以外の市内観光スポットの広報もより強力に行えますし、将来的には、例えば観光マップにジブリ美術館や山本有三記念館などのスタンプを押してもらえれば、市内商店で割引サービスが受けられるといったサービスを提供し、市内商店街への市外からのお客様の集客の強化を図るといった展開も考えられます。観光マップを通じた市外からの観光客向けのサービスの拡大について、市長の見解を伺います。
 以上で壇上からの質問は終わります。次年度予算に直接触れる事項については答弁は不要でございます。よろしくお願いいたします。
                〔市長 清原慶子さん 登壇〕


◯市長(清原慶子さん)  それでは、まず最初に、現在、国が検討を進めております税と社会保障の共通番号制度に関する御質問にお答えいたします。
 1月31日に、政府・与党社会保障改革検討本部が決定しました社会保障・税に関わる番号制度についての基本方針においては、「番号制度は、国や地方公共団体等が国民一人ひとりの情報をより的確に把握し、一方、国民が国や地方公共団体等のサービスを利用するための不可欠な手段となる」としています。そして番号については、住民基本台帳ネットワークを活用した新しい番号とされていますが、どのような範囲での情報連携が行われ、どのような情報管理が施されるのか、さらに、個人情報の保護について具体的にどのような方策がとられるのかについては、今後、国の実務検討会等で詳細な検討が進められることとされています。
 基礎自治体である三鷹市としても、医療・福祉・介護・年金等の分野での市民の利便性の向上のためにこの共通番号制度が有効かつ適正に活用されるのであれば、あわせて事務処理の正確性や効率性も図られるものととらえています。例えば税においては、正確な賦課や二重課税の防止などが期待できます。また、医療保険においては、資格の得喪や速やかな把握によりまして、加入の勧奨や迅速な賦課が可能となります。さらに、高額医療・介護合算制度でありますとか、後期高齢者医療制度などにおける基準収入額適用申請において正確な所得情報や収入情報が把握できるようになれば、行政から積極的な通知を出すことが可能となります。いわゆるプッシュ型のサービス行政を行うことによりまして申請者の負担が軽減されるということも期待されるわけでございます。そのほか、社会福祉の分野においても、正確な所得の把握によりまして、利用者へのさまざまなサービスの勧奨、つまり、お勧めすることでありますとか、手続の簡素化が期待できると思います。むしろ、まずは基礎自治体においてなされる市民サービスの向上につながるような制度設計をしていただきたい、このように考えているところでございます。
 こうした中、先行した取り組みとして共通番号制度のメリットについて、市民の皆様へ積極的な周知をという御提案に基づく御質問にお答えいたします。
 実は昨年11月2日、民主党税制改正プロジェクトチームの総会において、私は、全国市長会の会長から指示されまして、全国市長会を代表して社会保障・税の共通番号制度のヒアリングに臨むようと言われ出席をいたしました。三鷹市としての住民基本台帳カードの活用などの事例を紹介しつつ、意見を述べさせていただきました。また、この共通番号制度については、その後、全国市長会において、11月18日に共通番号制度等に関する検討会が設置されました。これも全国市長会会長に指名されまして、三鷹市長が委員に就任し、出席できないときは担当の部長に出席をしてもらっています。
 今、まさに全国市長会でも市長同士の議論が始められたばかりでございます。先ほど述べましたように、共通番号制度にはメリットもあると思いますけれども、やはり課題もないわけではありません。内閣官房からの調査につきましては、市長会の検討会に三鷹市の考え方も反映していただき、意見を提出したところです。さらに1月12日には国の実務検討会の与謝野座長あてに、市長会の検討会として国と地方公共団体との協議機関を設置してほしいということなどを含む意見書を提出いたしました。したがいまして、この共通番号制度については、今後、広く国民の間での議論が必要だと考えています。
 このたび社会保障・税に関わる番号制度及び国民ID制度における個人情報保護方策の骨格案が示されました。この中には、国民の懸念として、国家によって国民が監視されたり、監督されることについて懸念があるので、それについては、例えばいわゆる三条委員会などを設置して、きちんと国民の個人情報が守られる方策をつくらなければならないというような中身が含まれていました。質問議員さんは、三鷹市民に共通番号制度のメリットをもっと伝えるべきだという観点からの御質問でございますが、三鷹市といたしましては、今後の国と地方公共団体、とりわけ市区町村との協議に基づくさまざまな議論について、メリットについても、デメリットについても、また、デメリットをどのように克服することができるのか、そして、そのことによってどのように市民の皆様に、本来的な医療や福祉や介護保険、さまざまな取り組みにとってメリットがあるのかということについて、適時にお示しをしていきたいと考えているところです。
 続きまして、観光マップの活用についてお答えをいたします。
 市外からの訪問者や外国人観光客に対して、三鷹の森ジブリ美術館等の御案内を目立つ形でデッキ上に設けることについては、まずは案内板が有効と考えます。ただ、三鷹駅前のデッキ上に看板が多数設置されることには、景観上あるいは安全安心上、問題がないわけではございませんので、今後、多角的な課題を整理して検討していきたいと思います。加えまして現状では、観光案内所の場所がデッキ上からわかりにくいというお声も届いておりますので、今までも工夫してまいりましたが、さらに観光案内所の場所がわかりやすくなるように工夫していきたいと思います。例えば次のような取り組みも効果があったと認識しています。それは、昨年9月に実施いたしました太陽系ウオークラリーにおいて、三鷹駅の協力を得まして、スタンプラリーのマップとスタンプ台を三鷹駅の構内に設置させていただいたということです。今後、観光マップにつきましても、三鷹駅や商店街の御協力を得まして配布するなど、観光に三鷹を訪れた皆様に市内を案内する方法を有効なあり方に向けて協議してまいりたいと考えています。これらの取り組みを行いながら、特に商店街への集客を増大する、そのような取り組みについて、みたか都市観光協会や商店会との連携を深めながら検討していきたいと思っています。
 来訪者向けのマップに関しては、三鷹市では一般市民向け、特に転入者に対しまして、無料でみたかガイドマップを配布しています。来訪者向けの新たなマップの作成について、現在、三鷹市独自としては予定はしてはおりませんけれども、既存の観光マップやガイドマップのさらなる活用に向けまして、配布のあり方、また、今後改定していく場合に向けては大いに工夫をしていきたいと考えております。
 私からは以上です。その他につきましては担当より補足をいたさせます。


◯市民部調整担当部長(桜井英幸君)  市長答弁に補足させていただきます。
 御質問の大きな2点目、国民年金「運用3号」適用についてお答えしたいと思います。
 御質問のありました国民年金における「運用3号」ですが、質問議員さんの繰り返しになりますけれども、本来、第3号被保険者は、扶養者である配偶者が厚生年金を脱退したり、離婚などしたときには、第3号から国民年金第1号へ切りかえる手続、届け出をして保険料を納めていかなければならないものです。しかし、今回の措置は、届け出をせず3号のままで保険料を納めていない人には、直近2年分は納めていただくものの、それ以前の期間は納めたものとみなすということで、質問議員さん御指摘のとおりですね、まじめに届け出をしてきた方と不公平感があるということは否めないものでした。
 このことに対してはマスコミなどからも疑問が投げかけられる報道もあり、さらに総務省のですね、年金業務監視委員会からも見直しを求める声が続出していたところです。まさにきのう、2月24日のですね、衆議院予算委員会の席上で厚生労働大臣が、今後開かれる2月28日の年金業務監視委員会の結論を踏まえた上で方針を早急に決定したい。それまでは手続をすべて保留すると述べたそうであります。また、総務大臣においても、年金業務監視委員会の結論を受けて、厚生労働大臣と相談して結論を出してもらうと述べたという報道がありました。まだ市にはですね、厚生労働省及び年金機構の方からの正式な文書、通知というものがありませんので、今後すぐあると思いますので、それを待ってですね、適切な対応をしていきたいと思っております。
 国民年金の2点目、市民からの問い合わせの件でありますが、新聞報道をされた直後、電話による問い合わせが1件ございましたけれども、内容についての一般的な質問でございましたので、概略について御説明したのみとなっております。
 以上です。


◯14番(浦野英樹君)  答弁ありがとうございます。それでは再質問させていただきます。項目ごとに再質問させていただきます。
 まず、共通番号制度について、市長の答弁の中から、共通番号において行政から積極的な働きかけができる。そして、申請者の負担軽減という言葉がありましたけれども、まさに本当にそういう、基礎自治体としては、もちろん徴税の利便性、徴税コストの圧縮だとか、徴税を確実に行うということもそうですけれども、やはり住民サービスの向上という観点から、ぜひこの問題に取り組んでいただきたいなと思います。国家によって番号を管理される懸念というのは、当然、これは今もそういった議論はあるわけなんですけれども、一方で、やはり情報が、国民、市民が自分の情報についてよくわからないから損をしてしまうという問題はあるわけで、これは必ず何らかの形で乗り越えていかなければならないと思いますので、とにかく市民サービスを向上させるために必要なんだという認識で今後もよろしくお願いしたいと思います。
 先行した取り組みについて質問させていただきましたけど、これはちょっと言葉足らずだったかもしれないですけど、必ずしも共通番号制度のようなものを使わなくてもいいと思うんですよね。例えばホームページに一応IDを入れてログインするような機能を持たせておいて、これ匿名で構わないです。例えば20代男性、会社員とか、例えば30代女性、子どもがいます。そういった情報を登録していれば、そういった属性に合う情報がぱっとわかりやすく表示される。それだけでもですね、逆に行政が情報をちゃんと持っていることは、自分にとっても情報を引き出しやすいんだということが伝わってくるんじゃないかなと思うんですけれども、これでしたら個人情報まで踏み込まなくてもできるわけですね。登録する側も年齢と性別と属性を入力すればいいですし、提供する側も、例えば市のホームページにたくさん載ってある情報から、その方に必要であろう情報を抽出すれば済むわけですから、そういった取り組みは、やろうと思えば今すぐでもできるのではないかと思うので──今すぐはできないかもしれないけれども、そういった取り組みは共通番号制度に先立ってできるのではないかと思うんですけれども、ちょっとそれについて御所見をお聞かせください。


◯市長(清原慶子さん)  今の御質問は、要するに市民の皆様がそれぞれの必要性や属性、ライフステージに合わせて、市が行っているサービスについて、それを認識しやすくする周知徹底の手法として取り組む何かはないかということですね。つまり、共通番号制度が実現する前段階で、いわゆるプッシュ型の情報提供はできないかという趣旨の御質問だということは、今の御説明で理解できました。そういうことであればですね、三鷹市でもホームページのリニューアルの際に、いわゆるポータルサイトといいましょうか、そういう形で情報をより入手しやすくするにはどうしたらよいかという検討はこれまでもしてまいりました。
 1つのあり方で、余りライフステージとか個人的なところには合ってはいないんですけれども、三鷹市長のメールマガジンでも、事前にですね、あらかじめジャンルを決めさせていただいて、そのジャンルについての情報は毎月2回は送るというようなお申し込みをいただいています。そのとき、高齢者の方には、教育・子育ての情報は要らないかもしれないけれども、まさに子育て真っ最中の方には、できる限り教育・子育てに関する情報はプッシュ型で定期的にお届けするとかですね、そういうことは今の枠組みの中でもさせていただいてきたところです。
 今後、いろいろな制度がきめ細かくなればなるほど、自分がそのサービスを受けることに該当するのかどうか迷われる方も少なくないというふうに承知していますので、情報提供の手段のあり方として、今御提案のようなことは、全く可能性がないわけではないとは思っています。ただし、あくまでも共通カードがなされたとしても、そのことを私たちが、税に関することや社会保障に関することで、どのぐらい市民の皆様が、私たちがプッシュする情報を受けとめていただけるかということについては、できる限りの、何ていうんでしょうかね、御本人の意識とか、あるいはリクエストの立場というのを尊重しなければいけないということは思っているところです。


◯14番(浦野英樹君)  ありがとうございます。要は市が持っている情報で自分に必要な情報をより得やすくする環境をつくる。その延長線上に例えば共通番号制度もあるんですよ。例えば今まで自分がどれだけ税金を払ってきたのかって、確かに住民税の通知を見ればわかるかもしれないですけど、そんなに保管はしてないですよね。わからなかったりすることが多いので、それでどういったサービスを、じゃあ、自分の年収だったらどういったサービスを受けれるのか、そういったこともわかるようになりますよっていうとらえ方でですね、いろいろ克服しなければならない課題もたくさんあるかと思いますけども、よろしくお願いしたいと思います。
 あと、順番は逆になりますけれども、観光マップについてなんですが、掲示板はどうしても物理的な制約がありますので、難しいのかなと思いますけど、先ほど答弁で、太陽系ウオークラリーで駅構内にマップアップを設置してもらったと。そういった協議というのは継続的にですね、やはり交番の場所も三鷹の南口はわかりにくいし、先ほど答弁にもありましたが、観光案内所の場所も現時点ではやっぱりわかりにくいわけで、やはり三鷹駅の構内に市外から訪れた方がわかりやすくするようなマップを置くというような協議というのは、これからもちょっと機会を見て行っていただきたいなと思います。
 あと、構内になるのかどうかわからないんですけど、ちょうど改札を出て、駅から出るところのわきの階段のところに、市報ですとか「議会だより」を置いているラックがありますよね。あそこに簡単なマップを置くだけでも一定の効果があるんじゃないかなと。また、あのラックをもうちょっと目立つように工夫してもよいのではないかなと思いますけれども、これはどうでしょうか。検討できますでしょうか。


◯生活環境部調整担当部長(清水富美夫君)  今、御指摘の点も含めましてですね、三鷹の駅の方ともですね、先ほど来、いろんな関係を持っておりますので、検討させていただきたいと思っております。


◯14番(浦野英樹君)  ありがとうございます。私は、この質問をさせていただいたのは、やはり三鷹駅というのは、海外から来られる方もたくさんいらっしゃいますし、市外から来られる方は多いと私は思います。そういった市外の方にも魅力的なスポットは多いと思います。例えば地方の方が東京に出てきて、1日目はディズニーランドへ行って、2日はジブリ美術館に行こう、そういった方も多いと思いますので、そういった方により便利というか、そういう方が訪れて気持ちいいような環境というのはですね、ぜひつくっていただきたいと思いますし、そういった、せっかく外からのお客様をやはり市内の商店の発展につなげる取り組みというのを、引き続きですね、むらさき商品券というのは、どちらかというと内向きというか、市内の方向けですけれども、市外の方のお客様を市の商工発展につなげるというような取り組みというのは継続的にお願いしたいなと思います。
 あと、「運用3号」の問題で、これは正直言って、本当に市町村の窓口、問い合わせがほとんどなかったということで、よかったと。よかったというのは変なんですけれども、これ、対応困っちゃうなと思うんですよね。私も公人としてはですね、これは早く手続をしてくださいということを以前から言っていましたし、そういうふうに議会でも質問させていただきましたけれども、この「運用3号」措置を続けられてきたらですね、これは手続をほうっておいた方が、結果的に保険料を払わなくていい期間がふえちゃいますので、市役所の中で相談されたら、いや、これは手続してくださいと言いますけど、市役所の外で説明、それはほうっておいた方がいいですよというような答え方せざるを得ないんですよね。年金行政の現場が大混乱するとか、厚生労働省は言っていますけれども、もしこの措置を続けていたら、今まで、例えば離婚をして大変な状況でも1万5,000円近くの保険料をずっと払い続けたような方は、これは保険料を返せと言ってくると思います。そういう問題になると思います。市役所の広報を見て、市役所に手続に行って、後になってこれは払わなくてよくなった。これ、市役所に当然文句が来ると思います。第1号被保険者の手続は、市が行っているわけで、やはり市町村も年金行政の現場であるんだということをですね、こういった機会、今後機会をとらえてですね、ぜひ強く発言をしていただきたいと思いますし、やはり年金は国の制度かもしれませんけれども、地方もその最前線で手続を行っておりますので、市町村の立場というものもですね、より強く情報発信していただきたいなと思います。
 例えば厚生労働省がですね、ホームページに出している文章で、例えば過去に手続をした方から、保険料を返してくれという問い合わせが来たらどうするかというようなですね、そういったQアンドAみたいなものというのは、市町村の現場に来たか。一番考えられるのは、過去に手続をしてまじめに保険料を払った方が、保険料を返してくれとかいうような問い合わせをしてくることは、これは想定されるかなと思うんですけれども、そういったことについてどういった対応をすべきだというような、国の方から何か通知というか、案内というのは来たんでしょうか。


◯市民部調整担当部長(桜井英幸君)  年金に関しての再質問にお答えしたいと思います。
 今回のみなし3号の取り扱いにつきましては、昨年の12月の17日に厚生労働省の担当課長名で各市町村の担当課長へという通知1本が参っただけです。その中に1月1日から、ことしの23年の1月1日からこういう取り扱いをしますと。ついてはですね、1号に対する届け出に関しては、法定受託事務でありますので、我々の責任としてやらせていただきますけれども、このみなし3号として扱うかどうかについては我々の仕事ではないということで、厚生労働省の方もですね、それなりの資料をその後、提出してきまして、みなし3号とはどういう制度なのか、どうやって扱うのかというその説明するパンフレットはいただいております。ですから、そういう方がもし相談に来られましたら、こういうことを今、政府の方は考えて手続中なんですという案内をしようとは思っておりましたけれども、問い合わせは、きのうまでで、電話が1本あっただけで、窓口にもいらしておりませんけれども、いずれにしましても、この通知の後、1月に年金の部課長会などが開かれて、やはりこれはおかしいんじゃないかという問題提起をさせていただいたところなんですね。そういうこともありまして、案の定というか、こういう、今、停止状態にあるということでございますので、いずれにしても、今後通知を待ってですね、適切に対応していきたいと思っております。


◯14番(浦野英樹君)  本当にこの問題、市町村の現場では本当に苦情を言ってこられる方がいても対応ができないような、これは年金事務所にお願いだから行ってくださいというような対応しかできないような措置だったと思います。結果的にですね、一時停止ですし、多分、この措置は中止になってしまうのかなと思うんですけれども、本当にこれ、じゃあ、ほかにいい解決策はなかったかというと、そんなことないんですよね。例えば過去2年だけではなくて、本来だったら1号期間、過去2年を超えて追納できるようにすれば、今まで手続をした方との不公平というのはなくなりますし、もし保険料を払えないんだったら、いわゆる受給資格期間、25年かどうかを見る期間には含めるけれども、年金額には反映させない。空期間というんですけれども、これは法改正が必要なのですけれども、そういった対応策は、不公平感を損なわない形で今まで手続をしてこなかった──これは手続をしてこなかったのはやっぱり国の責任があるわけですから、不公平感を損なわないような形で解決できる対応というのがあるわけですし、これは今後の法改正の動向を見据えながら市町村としての対応をしていくしかないと思うんですけれども、やはりこれ、やっぱり現場の声、協議する場で本当、伝えていっていただきたいなと思います。
 以上で、時間はありますが、私の質問は終わりたいと思います。


◯議長(田中順子さん)  以上で浦野英樹さんの質問を終わります。
    ──────────────────────────────────────


◯議長(田中順子さん)  次の通告者、26番 栗原健治さん、登壇願います。
                〔26番 栗原健治君 登壇〕


◯26番(栗原健治君)  よろしくお願いいたします。
 それでは、昨年取り組んだ市政アンケートをもとに、地域経済活性化と市民要求について質問をいたします。
 まず初めに、地域経済活性化のための経済対策として、住宅リフォーム助成制度についてです。
 09年のリーマン・ショック以来、厳しい経済状況が続き、地域経済、雇用にも深刻な影響を与え続けています。総務省が21日発表した2010年労働力調査(詳細集計)によると、雇用者に占める非正規労働者の割合は34.3%で、02年以降最も高くなっています。雇用者総数は前年比9万人増の5,111万人で、このうち正規雇用は25万人減り3,355万人になり、パート・アルバイト、派遣社員、契約社員など非正規雇用の労働者は34万人増の1,755万人です。正規雇用が減少し、非正規雇用がふえる状況は、市民の所得の減少を生み出し、経済的不安が個人消費の活性化を妨げています。民間の賃金はピークのときの1997年から年収で平均61万円、総額で30兆円減りました。個人消費は、国内総生産(GDP)の6割近くを占めており、日本経済の最も重要な部分です。経済振興には、賃上げによって国民の消費購買力を引き上げることがまず第一に必要です。非正規労働者の正規雇用、正社員化と中小企業への支援と一体で最低賃金時給1,000円以上への引き上げと、大企業と中小・中堅企業の賃金、待遇格差の是正、雇用規制のルール強化で、無法なリストラ、解雇の規制をする総合的な賃上げの実行が求められています。それに加えて冷え込んでいる内需を喚起し、活性化させる経済支援策が重要となります。地方自治体における地域経済振興策として、三鷹市においても商工振興助成として市内共通商品券事業などを取り組んできたことを認識していますが、地域経済を足元から温める内需活性化の経済対策はたくさんあります。
 その1つとして、全国各地で取り組まれているのが住宅リフォーム助成制度です。この住宅リフォーム助成制度は、リーマン・ショック以来深刻化している建設不況の中で、地域に根差した建設・建築事業者の仕事の拡大と掘り起こしにつながり、大変喜ばれている経済対策です。建設・建築事業者だけでなく、利用した市民からも喜ばれています。平成10年10月31日現在で1県、秋田と173市区町村が行い、東京では10の自治体で行っている制度です。緊急経済対策として行われ、市民の住居環境の向上と中小業者の仕事確保、住宅関連産業等地域経済の活性化を促すことが目的として取り組まれています。
 この制度は、市内施工業者を通じて市民が住宅等をリフォームする場合に、工事費用の一定割合もしくは一定額を補助するものです。この制度の特徴は、対象を耐震補強に限定した、三鷹市でも取り組んでいる耐震補強の助成制度とは異なり、助成の対象を広く市民の住居環境の向上に拡充している点です。対象工事は、住宅の増改築工事に加え、屋根のふきかえ、塗装、設備工事、畳やふすま、造園まで幅広く取り組むところもあり、住宅エコポイントとあわせて取り組み、相乗効果を生み出し、より一層の地域経済活性化の効果を得ている自治体もあります。対象を広げることで市内の建設事業者の幅広い事業者に仕事が行き渡り、利用する市民も利用勝手がよく、仕事の規模の拡大につながり、より大きな経済効果を生み出しています。厳しい建設不況のもとで、地域で内需、仕事を掘り起こし、地元中小零細建設・建築業者を支援し、救済する有効な経済対策になっています。
 ここで質問します。1、厳しい経済状況の中で、三鷹市内の建設業者の現状について、三鷹市はどのように考えていますか、市長の認識をお伺いします。
 第2に、建設不況と言われる中で、中小零細建設業者の廃業・失業が相次いでいますが、市内建設業者数の推移はどのようになっているでしょうか、お尋ねします。
 第3に、三鷹市の経済振興策として住宅リフォーム助成制度の実施を求めます。今、全国で取り組まれている住宅リフォーム助成について、三鷹市はどのような検討をされているのかをお尋ねします。
 次に、学校の学習教材について質問します。
 市内の小学校に通っている児童をお持ちの方から、学習教材が購入しづらいという御相談がありました。学校で配付された漢字書き取り用のノートをなくし、近所の文房具屋で買い求めようとしたが、取り扱っていない。市内の文房具屋でも同様で、やむなくインターネットで調べ、メーカーに問い合わせて、搬入されたという武蔵野市の大きな店舗に行っても、売り切れで在庫がなく、インターネットのモールでやっと購入できたというものでした。ほかにもあります。書き初め用の半紙です。大きさが特殊で、ぴったり同寸法のものが近所の文房具屋で売っていない。文房具屋さんが寸法に合わせてはさみで切りそろえたという例もございました。市内の文房具屋さんで問い合わせてみると、小学校で取り扱っているノートなど特殊なものがあって、メーカーの意向で小売店には卸していないなど、取り寄せにくいものがあると伺いました。
 ここで質問します。1、学校で配付している学習教材の選定はどのように行われているのか、お尋ねします。まる2、学校から配付する学習教材はどこでも購入できるもの、近所の文房具屋でいつでも購入できるものにできないでしょうか、お尋ねをします。また、地域の文房具屋さんが容易に仕入れられて販売できるものにできないでしょうか、重ねてお伺いをします。
 次に、入浴サービス拡充と他自治体の浴場利用の拡大について質問します。
 高齢者無料入浴サービスで、現在、配布されているおふろ券は30枚です。年間枚数を12カ月で割ると、月々2.5回分です。真夏の猛暑の時期を考えれば余りにも少な過ぎると私は考えます。
 そこで質問します。1、利用状況は7割程度ということですが、7割の利用状況にとどまっている原因、理由をどのように考えていますか、お尋ねをします。
 まる2、三鷹市内の公衆浴場が減り、中原、新川、北野地域、三鷹の南東地域には、歩いていける公衆浴場は市内にありません。中原地域で一番近く、市民に利用されている公衆浴場は、調布市の梅の湯です。三鷹市のこの利用券は市内の浴場に限られています。近隣自治体と連携して隣接する自治体の公衆浴場を利用できるよう改善を求めます。市長の御所見をお伺いします。
 まる3、高齢者の健康増進と触れ合いを図る立場からも、低所得者の公衆衛生を守る立場からも、また公衆浴場の存続支援のためにも、せめて週に一度は利用できるように、おふろ券の配布枚数を拡充できないでしょうか。拡充を求めたいと思いますが、市長の御所見をお伺いします。
 最後に、敬老のつどいについて質問します。
 新川・中原地域や大沢の方から、敬老のつどいに参加しようと早くから準備し、会場に向かおうとしたけれども、市役所行きのバスが満員で乗り切れず、バス停で長時間待たされ、集いに間に合わなかったという声をいただきました。
 ここで質問をします。1、敬老のつどいに参加する高齢者のために、臨時バスの運行を必要と考えます。主なバス路線での会場を起点とした循環・ピストン運行の実施などを検討していただきたいと考えます。市長の御所見をお伺いします。よろしくお願いいたします。
                〔市長 清原慶子さん 登壇〕


◯市長(清原慶子さん)  それでは、まず最初に、住宅リフォーム助成制度について答弁をいたします。
 三鷹市内の建設業者の現状についての認識ですが、各業者の財務状況等については、統計調査データ等はございませんけれども、公的な受注契約に関しましては、公共事業全体が減少傾向にありまして、受注環境が厳しい状況にあると認識しています。また、民間の契約におきましても、景気低迷の影響で受注額が減少していると思います。
 そこで、市内の建設業者数の推移についてでございますが、総務省の事業者統計調査によりますと、個人事業者も含めて事業所数は、平成13年に564、平成16年に518、平成18年に502と、徐々に減少する傾向にあることがうかがえます。そこで、住宅リフォーム助成について、これを行ってはどうかというお立場からの御質問でございます。
 全国的な住宅リフォーム助成制度の実施状況ですが、2011年の3月現在の全国商工新聞による調査結果では、29都道府県で175の自治体が実施しているとのことですが、住宅は、まずは個人の資産であると位置づけられます。その資産を保守していくことは、基本的には所有者の責任において行うべきものでございます。三鷹市民のほぼ半数が賃貸住宅に居住している状況でありますとか、近年の市の財政状況から、こうした助成制度の新設については十分配慮し、慎重に検討していかなければならないと考えています。ただし、健康福祉部におきましては、高齢者自立支援事業での住宅のバリアフリー化リフォーム工事等に対しての助成制度を設けております。昭和56年6月以前に建築された木造の住宅につきまして、耐震性向上を目的とした耐震改修工事によるリフォームに対して助成を行っております。ただしですね、こうした場合も、実は市民の皆様は、住宅を建築した建築業者に改修工事を依頼したいという御要望がある場合もございますので、必ずしも施工業者が市内業者限定とはなっておりません。
 続きまして、入浴サービスについての御質問をいただきました。
 高齢者無料入浴サービスの利用状況でございますが、65歳以上で市民税が非課税世帯の方に、市内の公衆浴場で利用できる入浴券を年度ごとに30枚交付しています。入浴券の利用状況につきましては、平成21年度実績では、交付件数が904人、2万7,120枚、そのうち利用枚数は1万9,181枚で、利用率が70.7%となっています。こうした利用状況をどう考えるのかという御質問をいただきました。まず1つにはですね、一般に都内の自治体では入浴券の交付事業を、自宅におふろがないということを条件としている場合が多いわけですが、三鷹市では高齢者の心身の健康保持を援助するとともに、触れ合いの機会の提供ということを目的としていますので、自宅におふろがあっても、御希望があれば交付をしております。そうしたことから、必ずしも30枚すべてを使わない方もいらっしゃるということが考えられます。
 また、質問議員さんも言われましたが、最近、おふろ屋さん、いわゆる銭湯、公衆浴場が少なくなっておりまして、御自宅から遠いという点も要因の1つかとは思われます。そこで、入浴券の交付枚数についても御質問いただきましたが、これは予算にも関係しますけれども、交付条件や実施方法等の見直しを含めまして、私としては今後の検討課題にしたいと考えております。
 私からは以上でございます。その他について担当より補足をいたさせます。


◯教育委員会事務局教育部長・調整担当部長(藤川雅志君)  教育に関連いたしまして、学習教材の選定についてお尋ねがございました。
 授業の中で使用いたしますドリルや資料集等の学習教材につきましては、学年の児童・生徒全員が同じように使用するため、学校が児童・生徒の学習の実態に応じまして効果的な教材を選定しております。これらの学習教材につきましては、教材業者に一括して発注し、児童・生徒に配付しているところでございます。
 また、ノートについてでございますが、小学校で一斉にノート指導をするなど、指導上の面から同一の品物を全員が持っている必要がある場合には、一括して発注いたしまして、児童に配付をしているところでございます。その際、学校ではできるだけ一般的なノートを使用するように配慮もしているということでございます。
 御指摘の書き初め用紙でございますけれども、東京都判という規定用紙を使用しているものでございまして、学校でまとめて購入し、児童・生徒に配付しているものでございます。不足等に対応可能な枚数を購入しておりますので、まず学校に御相談いただければ対応可能かと考えております。いずれにしましても、紛失や不足等に対しては、まず学校に御相談いただくように保護者の方にも周知してまいりたいというふうに考えております。


◯健康福祉部長(城所吉次君)  それでは、幾つかの点につきまして、市長の答弁に補足をいたします。
 まず、高齢者の無料入浴券につきまして、隣接自治体の公衆浴場を利用できるようにということの改善の御質問がございました。
 この事業につきましては、高齢者のための事業であるとともにですね、また市内の浴場の経営を支援すると。市内の浴場を経営されている皆様方の支援を行うといった役割も持っているものでございます。そんなこともございまして、入浴券の使用は市内に限定しているということでございます。また、現実にですね、隣接する自治体がどのような事業を行っているかといいますと、こうした形で無料入浴券という形で事業をやっていないところもございます。介護予防的な形で特定日についてですね、実施をしているとか、あるいは条件といたしまして、先ほど市長からもございましたが、自宅におふろがないことが条件、このような条件設定をしていたりするところもございまして、現在のところ、難しいというふうに考えているところでございます。
 それから、敬老のつどいの日における臨時の巡行バスの関係について御質問をいただきました。
 敬老のつどいについては、毎年3,500人以上の方に御参加をいただいておりますが、ほとんどの方がですね、路線バス、あるいは御家族の送迎などによりまして来ていただいております。それで、御指摘の臨時バスの運行ということにつきましては、現在のところ、考えてはおりませんが、実際には、バス会社にはですね、事前にこの行事のお知らせをしております。また、その対応についてもお願いをしているところでございまして、実際に路線バスの増便という形でですね、対応をしているところでございます。ただ、今御質問にもございましたような、御指摘があるような点についてはですね、よく検討させていただきながら、路線バスの必要な増便についてはですね、さらに検討をしていきたいと思っているところでございます。
 以上です。


◯26番(栗原健治君)  それでは、順次再質問させていただきます。
 初めに、敬老のつどいに行かれる方の高齢者のための送迎のバスですけれども、市長、こういう状況になったのは御存じだったですか。私が伺ったのは中原地域なんですけれども、中原のですね、仙川からですね、普通で行けばこの地域の方は新川も通っていくわけですけれども、三鷹駅のバスに乗ることになりますが、新川一丁目の下水処理場のところから、もう人が乗り始めて、市政センターのところではもう並んでいる人がいると。中原小学校のところではもう乗れなくてですね、次のバスを待つという状況でした。ですから、その後に公団ですよね、島屋敷通りの公団を通っていくわけです。公団の中では当然乗れない状況で、身なりを整えて、集いにですね、間に合うために時間を合わせて来た方が、間に合わなかったというのは、何としてもね、なくしていきたいというふうに思うんです。
 いろいろな要因があると思うんですけれども、やはり土日なのでね、普通の路線のバスが少ないので、増便されている、お願いをしているということですけれども、やっぱり実態に合ったね、増便というか、時間が限られているわけですから、始まる時間というのはわかっているわけですから、それに合わせたね、臨時バスの増便というのは、事業者と本当に相談すれば改善できる課題ではないかと思いますので、ぜひ、事業者のですね、実態、そのときに運行したときの状況をね、確認して、どのくらい増発すれば対応できるのかと。三鷹市で一番、この公会堂を使っての参加者が多い集いだと思います。また、これからふえていく要素がある事業なので、参加しようと思っている方が本当に時間に間に合うように対応していただきたいというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。
 公衆浴場ですけれども、この中におふろがないおうちにお住まいの方、いらっしゃるでしょうか。私、今は本当におふろがないおうちというのは数少ないと思いますけれども、高齢者で低所得者の方では、まだまだ銭湯に通っておられるという方がいらっしゃいます。また、その人にとっては、本当に銭湯というのは大切な、公衆衛生の点でも、健康維持の点でもすごく重要なところです。私も小学校までは銭湯に通った経験がありますけれども、今、銭湯は450円で、中原地域でもし三鷹の駅前ですとかね、行くとすると、バスの往復、210円の往復で420円で、450円普通で払うとすれば、おふろ上がりに牛乳1本飲んだらですね、1,000円になってしまうという、これね、なかなか大変だ。経済的な負担でね、毎日入れないということが容易に想像できるというふうに思います。
 健康増進、触れ合いの事業ということですけれども、月に2.5回ということでいうと、触れ合いの場所であったというのは、僕も経験としては持っていますけれども、やはり回数重ねられるということがですね、顔見知りにもなるし、いつもの時間に来てないということで、元気なのかなとか、そういう見守りにもつながる事業だと私は思うんですけれども、ぜひ、枚数ですね、高齢者、低所得者に対して、この配布というのはされていて、住民税非課税で、高齢者でいえば65歳以上ということですけれども、本来のこの意味とですね、この制度で助けられている、おふろのないところに住んでいらっしゃる高齢の方のサービスにつながっている点で、ぜひ拡充をですね、求めたい。
 夏の時期って考えると、本当は1日に2回、3回と、おふろに入りたい、シャワーを浴びたいという気持ちというのはだれでも共通していると思うんですよ。私に相談された、話を伺った人でも、本当にあせもでですね、ことし大変だったって。クーラーもないっていう方もいらっしゃるんですよね。ですから、そういう点では拡充を──市長からも検討したいということなので、配布している方の、申請されたときにね、お話など聞きながら、よりよい制度としての拡充を求めたい。30枚の倍ぐらいにはね、一気にしていただきたいというふうに要望を述べさせていただきたいと思います。
 学習教材の件ですけれども、学校に相談してほしいということですけれども、学校の中でですね、同じものを買いそろえてほしいというふうに言われたという状況が実際にはあるんですよね。特殊なというか、同じような形態のノートは、国語の漢字の書き取りとか算数でもあるんですけれども、横のところにですね、1行あって、プラス・マイナスがついていたり、わきに振り仮名を振れるようになっていたりっていうノートが、意外と特殊で、同じものをそろえようとすると大変なんですね。私の伺った人はですね、インターネットで最終的には買うということをここでお話ししましたけれども、1冊ノートを買っただけではね、送料がかかるんですよ、500円。送料がかからないようにするために、ほかのものもあわせて買ったということがあったりして、実際に余計な負担をね、させているという例も、実際に取り扱いの関係でね、生まれている。だから、学習教材をするときには、ぜひそういう、学校で買いそろえるというか、配付するっていうのでしたら、足りなかった場合の対応をですね、しっかりとどの学校でもやってもらいたい。それぞれの学校で対応が違うのかどうなのか、ちょっとお伺いしたいと思うんですけれども、半紙なんかの場合ではですね、1,000枚単位で仕入れなくてはいけないというようなこともあるということを伺いました。数十枚、練習するにしても買い求めたいといったとき、1,000枚のものをね、それを取り寄せてというわけにはいかないということで、購入に来た人に対しておわび申し上げたというふうに言っていましたけれども、商店のですね、活性化という点でも、地元の身近な文房具屋さんで買いそろえられるようなものにすることは、利便性という点でもですね、いいと私は思います。
 以前は、必ず校門のそばにですね、文房具屋さんがあって、そこで学習教材、足りなくなったものを買った。そうですよね、教育長。今、その文房具屋さんがなくなってきているっていう事態をね、やっぱり経済の、この不況の問題でもあると思います。コンビニだとかで普通のカッターだとか、そういうものは買えますけれども、本当に必要なものというのがね、いつでも買えるようなことを、学習教材というものを通しての経済活動という中ででもね、支援はできるんじゃないかと。私は、地域の文房具屋さんが仕入れることができるようなものをね、ぜひお願いすれば、本当に1部でも2部でもね、取り寄せたいというふうに思っているんですよ。だけども、卸値で卸さない。小売価格でしか卸さない。小売の店とは取引してないというようなね、学習教材もあるっていうことはね、やっぱり少し考えてもらいたい、地域経済のためにも考えてもらいたいと。また、使っている生徒のためにも、その利便性をね、向上していただきたいと思いますので、改善をお願いしたいと思います。
 最後に、住宅リフォームの問題です。これですね、高齢者のバリアフリーとか、耐震補強ということでの事業としてですね、市内の建設業者に限られてないということは、そうです。実際に。これ、全国で今取り組まれているのは、私、本当に経済危機の中でですね、本当に仕事がなくて困ってらっしゃる、建築・建設業者の方ですよね。朝の6時ごろにですね、会ってお話しした方が、仕事に集まるので、早いんですよね。その方が、週に2回の仕事になった。月に1週間働くことができるかどうかもわからない。貯金を切り崩しているというお話でした。市内に仕事がない。仕事があれば税金も払えるけれども、払いようがないっていうね、この厳しい状況の中でどうやって活性化を図っていくのかっていうことだと思うんですよ。
 全国でこれ取り組まれているんですけれども、これ、市長、質問したいんですけど、1月の国会の論戦の中でですね、住宅リフォームの助成制度の支援を求めてですね、社会資本整備総合交付金を活用することができると菅首相は答えています。これで住宅リフォームなどの経済振興につながるような対策をね、支援していくんだと言っていますけれども、三鷹市はどういう対応をこれにしていくんでしょうか、お願いします。


◯市長(清原慶子さん)  どういう文脈で住宅リフォームをその審議の中で言われたのかわかりませんけれども、すなわち市内あるいは地域内の建設事業者の方の仕事をふやすためにリフォームを進めるのか、そうではなくて、耐震化や、あるいは自立支援を進めるためにリフォームを進めるのか、その目的というのがはっきりしませんけれども、私たち、今、顔を見合わせましたのは、その国会の論戦についてですね、突然の御質問でございまして、議事録等がないまま不適切な答弁をしてはですね、大変質問議員さんにも迷惑がかかりますし、国のやりとりをされた議員さんにも迷惑がかかると思いますので、つまびらかじゃありませんので明快なお答えはできませんが、重要なのはですね、市がお金をつけるというときには、そのことが公明正大じゃなきゃいけないわけですよね。
 ですから、先ほども繰り返して申し上げましたが、住宅リフォームの場合、個人の資産である住宅をですね、リフォームするのに、その目的が高齢者福祉でさせていただいているもの以外に、市内の建設事業者を支援するためだということでお金が出せるのかどうかというのは、大変深刻な課題だと思っておりますので、その辺をですね、明確にできなければ、やはり軽々にですね、市内建設事業者を守るために内需をふやすために市からお金を出すということの結論には、すぐにはならないということでございます。ただ、私自身は、質問者が言われたような、市内の建設事業者の皆様の困難も承知しておりますし、公衆浴場を営業されている方の困難も承知はしておりまして、それについてはそれなりの支援をですね、させていただいてきましたし、これからもそのような取り組みをと思っております。


◯26番(栗原健治君)  三鷹市で今御紹介した制度を活用してないということだと思うんですけど、補助金活用にたけている三鷹市では、ぜひ国会の参議院の本会議の中での論戦なので、ぜひ検討していただきたい。調べてみてね、使えるものなら使ってもらいたいと思うんですけれども、この概要ですね、活力創出ですとか、市街地の整備ですとか、地域住宅支援の政策目標を実現するためということで概要があってですね、社会資本総合整備計画を作成して、計画期間を3年から5年という、そういう計画をつくってですね、事業をすると。交付金のですね、事業費でいうと45%の助成がつくというようなものなんです。今、全国でやっているのは、耐震というふうに限らないで、住宅リフォームということでいえば、どんなことでも拡大しようと。そのことでですね、5倍から10倍、15倍というぐらい、補助金のパーセンテージにもよりますけれども、事業を拡大してね、仕事がふえる。
 今、私、お話、タイルの商売をしていた人が、防虫駆除の仕事の中でですね、仕事に入って、それで身近なリフォームの仕事をとって、それで地域の皆さんと一緒にその事業をね、確保している。そういう苦労をされてるわけですよ。必ず10年、15年たてば修繕するんですよね。その修繕をするのに、今、経済的に厳しいけれども、支援があれば、またいい人がいれば、手を入れなければならないという中で仕事を頼むんですよね。その呼び水になるのがこの住宅リフォーム助成制度という形で各地が取り組んでいるものなんですよ。ですから、私は、内需を喚起するという点でね、ぜひ検討していただきたいというふうに思いますけれども、文脈がわからないので、この点では明確なお答えができるかどうかわかりませんけれども、地域の経済振興の観点から、市内の建設業者の方々ね、これ、市内というふうに限定することで、市内の事業者がね、仕事をするということにつながっているのでね、有効な経済対策となると思いますので、御検討をお願いしたいと思うんですけれども、最後に答弁をお願いして質問を終わりたいと思います。


◯副市長(河村 孝君)  現段階では、先ほど市長が申し上げたとおりですね、その制度の中身がつまびらかにわかりませんし、市内業者に限定できるかどうかもわかりませんし、また、具体化する話だとか、来年度予算ともかかわる話になりますので、今そのようにお話を承ったということで御理解いただきたいと思います。市の公共事業全般は全部内需拡大につながる事業でありますから、そういう御意見であれば、ぜひ我々の提案にもいろいろ賛成していただきたいなということを考えております。


◯26番(栗原健治君)  公共事業でも、URを介して使った公共事業でですね、地元の事業者に仕事が回らないというようなものよりも、身近なね、市民の需要を喚起する経済対策をとった方が、もっといい三鷹の経済の発展につながると思いますので、提案させていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。


◯議長(田中順子さん)  よろしいですか。
                 (「はい」と呼ぶ者あり)
 では、以上で栗原健治さんの質問を終わります。
    ──────────────────────────────────────


◯議長(田中順子さん)  次の通告者、27番 森 徹さん、登壇願います。
                〔27番 森  徹君 登壇〕


◯27番(森  徹君)  昨年の6月議会でも小田急バスの武蔵境営業所回送運行問題を質問しましたが、その後の経過もありますので、再び、また今期は最後の質問ですが、この問題を取り上げます。よろしく御答弁お願いします。
 小田急バス武蔵境営業所のバスが、利用者に事前の説明もなく突然回送運行になって、ことしの7月でちょうど丸2年になります。これまでこのバスを利用していた沿道の皆さんから、営業運行の再開が強く望まれております。営業運行を求める要望書の署名欄に、87歳という年齢を記入した方だとか、それから、署名にですね、手紙を添えてくださった方もあります。そこには、昨年夏の猛暑、ことしの寒い中、5台も6台も回送バスが通過していきます。やっと来たバスは満員で座席に座ることもできず、足が痛く、つらい病院通いを強いられています。なぜ回送バスにしたのか理解できません。1日も早くもとの営業運行に戻してください。お願いします。このような手紙が添えられていました。
 昨年の6月議会の「議会だより」でこの報告が載りまして、私の質問を読んでくださった方から、8月に電話をいただきました。その方は、小田急バスや関東の陸運局など、改善を求めて働きかけを行い、その中で国交省の返事が、小田急に対して回送運行は指導していない、こういうことでした。小田急バスが国の指導でやむを得ず回送運行しているとのことでしたけれども、説明とは違いが出たということです。
 私、この方から電話をいただいた後ですね、私自身も小田急との話し合い、2回ほどやってきましたけども、この方のおっしゃるように、国の指導でということでありまして、事実確認のために昨年の12月に国交省に行きまして、自動車交通局旅客課バス産業活性化対策室、ここの専門官という方の話し合い、地元の笠井 亮衆議院議員とともに行ったわけであります。そこで確認された内容は、文書でもいただきましたけども、吉祥寺営業所、それから生田営業所、ここへの運行計画の定時性──時間をしっかりと定めて走るということですが、この確保については指導しているけども、回送運行への変更指示はしていない、こういう国交省の回答といいましょうか、その場での答弁、説明がありました。そして、その文書をいただいた中には、武蔵境営業所への指導というものは含まれておりませんでした。国交省の専門官は、利用者の視点から見た利便性の問題としてどうするか、関係部局から事業者、小田急バスへ対応するように伝える、こういう、改めて利用者の利便性ということで国としても指導するということもあわせて回答がありました。
 これを踏まえて、ことしの1月、小田急バスと私ども共産党市議団との話し合いを持ちました。この中で小田急バスからは、これまでの説明とは違う、国から回送運行への改善命令は出ていませんと。そして、回送の運行は小田急バスの経営判断で実施したということが、今までの私たちにした説明とは違う、みずからの判断で回送運行したということがその席で話されました。また改めて、その中でも営業運行に戻すという作業にも入っているんだという話も出されたわけであります。そういう状況の中で私ども2点、この場で小田急さんに、2項目について申し入れを行いました。その第1は、平日のダイヤだけでも116台のバスが営業所から三鷹駅に出庫していると。三鷹駅始発ということで出庫しているわけですから、出庫ダイヤは、これは定時運行が可能であると。したがって、この部分だけは確実に営業運行ができるだろうと。これをぜひ検討していただきたい。これが第1でありました。
 2つ目は、営業が終わって武蔵境営業所に戻るバス、これは三鷹の北口では関東バスですね、これが営業所へ戻る、また営業所から出るというのは、今まで小田急が行っていたと同じように、現在もすべて営業運行している。小田急バスが定時性確保というために回送運行した経営判断、こういう問題はやはり市民には理解されないだろうと。ぜひ1日も早くもとの営業運行に戻してほしい。以上2点について、その場で再度検討していただきたいという申し入れを行ったわけであります。
 バス事業の経営が厳しいことは、私ども新聞報道でも見ております。そういう中で、なぜバス停のお客を乗せない回送運行を会社の経営判断としたのか、これは疑問が残るところです。1週間で1,200台以上のバスがバス停を素通りしているこの現実を三鷹市としても見過ごすことはできないと思います。高齢化社会への対応と今日の地球温暖化対策の上からも、三鷹市内の路線バスの大部分を担う公共交通としての小田急バスの運行責任、これは非常に重要であると考えます。小田急バスの経営判断による回送運行の現状を三鷹市としてどのように考えておられるか、お聞かせください。
 昨年6月議会の私の質問に対し、市長は、市民にとって利用しやすい公共交通のバスのあり方についても検討を進めていきたい、このように答弁がされております。その後、開かれた活性化協議会では回送運行についてどのような検討がされたのか、お聞かせいただきたいと思います。この市長の答弁の中で、三鷹市の地域公共交通活性化協議会、この会長もされているということでしたので、このこともお聞かせいただきたいと思います。
 車を運転できない高齢者にとって、病院通いや買い物など、日常生活にバスは大きな移動手段であります。小田急バスは暮らしのためになくてはならない公共交通となっています。寒い季節、夏の猛暑、バスを待つ高齢者の前を素通りするバスの運行は、とても理解できるものではありません。小田急バスが市民の期待にこたえ、1日も早く営業運行を行うよう、三鷹市は小田急バスとの話し合いを行い、その解決に努力をしていただきたい、努力を求めるものであります。回送バスをもとの営業運行に戻す署名運動には市民の皆さんの大きな期待が寄せられ、また、署名運動をする中で、市民の皆さんから、バス路線に対する改善要望とともに、さらに交通不便地域の解消など新たな要求も寄せられております。回送バスの解決とあわせ、高齢者の日常生活の支援と交通不便地域の解消に対する市長のお考えをお聞かせください。
 以上、よろしく御答弁お願いいたします。
                〔市長 清原慶子さん 登壇〕


◯市長(清原慶子さん)  それでは、小田急バスの現行、回送バスに関する御質問にお答えいたします。
 質問議員さんは、国土交通省にも行かれ、小田急バスさんにも交渉されたということでございますので、私としてはですね、小田急バスの会社ではございませんので、私は、その署名をされているのも小田急バスさんに出されるためにされていらっしゃるんですよね。あて先はそういうことですかね。つまりですね、私が申し上げたいのは、この間、三鷹市としてもこの課題につきましては、市民の皆様により一層バスを有効に使っていただくためにも有効なことであるということでお話をしてまいりました。都市整備部では部長を初めですね、努めてもらいましたし、市長も努力をしておりますが、先ほど小田急バスさんとの交渉の中でも明らかにされたようでございますけれども、道路運送法及び旅客自動車運送事業運輸規則に即した運行をする、ダイヤを守る、そうしたことをお考えになって企業として判断をされて、平成21年の7月よりこのような運行を、運行というか、回送ということを判断されているようでございます。私たちとしても、社内においてまだ協議は継続していらっしゃるということですので、ぜひ市としては、回送バスではなくて、時刻表に掲載して運行を定期的にしていただきたいと、このようなことで交渉をしてまいりましたし、これからも粘り強くですね、そのような交渉をしていきたいと思っております。
 民間の企業の判断でございますので、私たちとはまたはかり知れない、いろいろな御判断があってのことと拝察いたしますが、私たちができることは、市民の皆様にとって小田急バスのその路線は大変重要な公共交通であるということをですね、説得しながら、とにかく粘り強くと思っております。
 さて、地域公共交通活性化協議会での検討について御質問いただきましたが、この間、三鷹市民の皆様を対象にさせていただきましたアンケートを中心に、委員の皆様から御意見を伺いました。その中では、バスについては、路線バスのみならずコミュニティバスについても多様なアンケートの結果がございまして、それについて共有しながら御意見をいただきました。市民として利用しているお立場から、また、運行しているバス会社のお立場から、バスを運転されている従業員のお立場から、いろいろな御意見をいただきましたが、たまたまでございますが、この回送バスの走行の件については、その場では議論をされませんでした。今後、これまでの経過等をですね、本協議会へ担当から情報提供をしてもらいたいと思っております。
 総合的に質問議員さんは、高齢者の日常生活の支援と交通不便地域の解消のためにバスというのは重要であるという御指摘でございまして、これはもう大方の市民の皆様、市議会議員の皆様が共通の認識であるというふうに思います。三鷹市は路線バスがかなり縦横無尽に走っておりますので、路線バスが少ない地域とは異なりますけれども、だからこそ、路線バスが通っていないところが不便であるというふうに感じるその思いは増幅されているようにも思います。また、コミュニティバスにつきましても、ただいま事業の基本方針に基づきまして、とりわけ優先順位を決めて交通不便地域についての取り組みを進めてまいります。予算に絡みますので、固有の路線名を言えないのが大変残念でございますけれども、私としては一生懸命その努力をさせていただくことで、特に高齢化が進んでいる地域、高齢者の比率が高いところにコミュニティバスの重点的な必要性というのを認識した方針を持っておりますので、そのことも努めていきたいと思います。
 なお、小田急バスさんの取り組みにつきましては、企業の経営の自由を尊重しつつ、引き続き市民の皆様の利便性向上のために粘り強く要望していきたいと思います。
 以上でございます。


◯27番(森  徹君)  直接バス事業は三鷹市がやっていないことは十分理解をして、しかし、市民の皆さん方が、先ほど紹介しましたように、特に高齢者の方、非常に苦労されていると。1日も早くもとに戻してほしいというのが──そのために三鷹市としてもしかるべき仕事といいましょうか、小田急バスとの関係でも働いていただきたいということですね。
 実はこの「議会だより」を読んで電話をいただけなければ、私ども、11月の4日にも小田急の本社の方とも、それから、私、昨年の6月議会で質問する前に、武蔵境営業所を訪れましたけれども、いずれも国の指導だと。お上の言うことだから、なかなか運行できないんだということでした。実際には、先ほどそこで質問したような状況が明らかとなって国交省との話し合いとなったわけでありますが、今、市長も、この三鷹市の地域公共交通の活性化の協議会、これの会長ですが、この法律が平成19年5月につくられておりますね。この趣旨は、やはりバス会社、どこでも会社の経営は楽ではない。と同時に、急速な少子高齢化の中で、今、現政権のもとで国民の移動権ということで交通基本法ですか、そういう作業もされているようですけども、やはり地域の公共交通、生活の足としてのバス事業、これは民間の判断、経営判断をした、民間の判断と言われましたけども、公共交通ですね。単なるもうけを上げるという民間企業ではありませんで、やはり、特に三鷹の中では、小田急のバス以外選べないという方は多くあるわけでありますから、単なる民間の判断と言えない公共交通で、この法律が平成19年5月につくられたのも、目的の1つには地域住民の自立した日常生活及び社会生活の確保、これが地域公共交通の法律がつくられた目的の第一になっています。
 それから、2つ目には住民のために日常生活を確保するため、この法律をつくられたんだと。それから、地域公共交通、いわゆるこの公共交通のこれを活性化していくと。例えば三鷹市でいうと小田急バスの活性化、再生するためにもこの法律が生まれた。こういうことが目的に述べられております。そして、第4条の4項では、公共交通事業者の努力義務、述べられております。1つには、旅客の運送に関するサービスの質の向上、それから、地域公共交通としての利用を容易にする、その充実に努めるということが述べられておりまして、そうすると、1週間で1,700台以上の車がいきなり回送運行になったということは、これは非常に大きな、大変な沿道の利用者にとっては問題だろうと。小田急はそういう点では、やはり民間の判断、経営判断ということですけども、公共交通としてこの経営判断とした回送運行、これは本当に理解に──経営面からいっても、この法律は公共交通の活性化と再生と言っているわけですから、そこをお客さんを乗せないということにも理解に苦しむところであります。
 回送運行になって2年、法律ができて4年、この目的、住民の生活確保、そして地域公共交通の活性化、こういう状況から見てですね、当初、私たちにも回送運行というのは、今、市長も御答弁になりました道路運送法、この旅客自動車運送事業運輸規則という中でのコンプライアンス、しかし、実際に地域活性化のための新しい法律の趣旨からいっても、この法律の、逆にいうとコンプライアンス、努力義務を怠っているんじゃないかというふうにも考えますけども、この点はいかがでしょうか、市長でしょうか、どちらでしょうか。


◯市長(清原慶子さん)  私が考え方、答弁いたしまして、足りないところは補足をしてもらいますが、まず小田急バスさんとの関係ですが、三鷹市と同じ今年度、創業60周年を迎えられました。ともに60年の歩みを進める中で、市民の皆様にとって有力な公共交通としてですね、発展をされてこられたと思います。記念の図書におきましても、これは小田急バスさんが創立60周年で発行されたものですけれども、近隣の市長の中から三鷹市長が選ばれまして、一緒にさきの社長さんと対談もさせていただきましたが、相互にですね、信頼関係を持ちながら、路線バス及びコミュニティバスの運行をしてまいりましたので、市民本位の公共交通の担い手であるという認識を強く持って営業されてきたものと認識をしております。
 さて、公共交通でありますから、その中で公益性、公共性がまず第一義的に守らなければなりません。しかし、公共交通といっても路線バスとコミュニティバスだけが対象ではありません。実はタクシーも公共交通として位置づけられて、一緒にメンバーとして法律の対象でもありますので、協議をしております。タクシー会社さんも規制緩和の中で大変台数がふえた。そこでなかなか営業も大変であるということで、これは国の指導もありですね、約20%は各社が台数を減らして現状に至っているというようなこともございます。共存共栄を図る、それぞれの事業が民間としてやっていくということは、公共交通であっても、それぞれ企業のコンプライアンスと営業努力というものがありますし、また職員、社員も存在するわけでございますので、先ほど国土交通省がよく示されますが、定時運行してほしい、定時に運行してほしい、これは大変重い課題だと私は認識しております。交通渋滞もなかなか予測できない中、定時に運行するということは至上命題ではないかと私は思います。ですから、具体的に定時運行するためにどうしたらよいかという手法については、各会社が判断するという余地はあるものと思いまして、私は、まずはそれをお考えになったのではないかなと拝察はしております。
 ただ、私自身、公共交通としてバスがですね、市民の皆様にとって有用であり、この路線については回送バスに変更になってから、大変たくさんのお声が市にも届いているわけですから、繰り返しになりますが、粘り強くお願いをさせていただくということでございます。私としては、小田急バスさんは公共交通としてこれまでしっかりとですね、運行してきてくださっている会社の1つであると認識しておりますし、会社の利害だけを考えてですね、取り組んでいらっしゃるとは思っておりません。したがいまして、もう何度も繰り返しになりますが、引き続き粘り強くですね、取り組んでいくということでございます。


◯27番(森  徹君)  ぜひですね、粘り強くぜひその解決のためにですね。特に武蔵境営業所ができて、小田急さんは60周年ですけども、武蔵境の営業所は、私は詳しく知りませんけども、40年以上あそこにあるんでしょうか。これを今までの営業運行、市民の皆さん方から、何ら支障ない、困るということは出てなかったと思います。それで、今、市長が、確かに小田急バスの定時運行というのは、確かに大切なことですから、しかし、三鷹駅始発のダイヤに乗せるために、武蔵境営業所からしっかりとダイヤが組まれて出されております。ですから、このバスはですね、ここがおくれますとね、おくれることも中にはあるでしょう。しかし、それに対して三鷹始発、例えば武蔵境営業所は調布駅始発だとか、いろんな始発に朝出していっていますけども、それに向けてのダイヤが組まれております。私もその資料をいただいておりますけれども。したがって、これはね、出せるでしょうということで、そのことはきちっと具体的に指摘をして、市民の不便が現実に強いられているわけですから、これを経営の自由を尊重するということではなくて、やはり市長として、三鷹市民が今、大変な状況に置かれているということで、しっかりと仕事をしていただきたいというふうに思います。
 これは、署名用紙に添えられてきた手紙ですので、紹介をさせていただきます。昨年11月に中央病院の診察が済み、松崎整形外科へ行くため三鷹行きを待っていたら、何と7台もの回送バスが通過し、足は痛いし、悲しくなってしまいました。でも、歩くのが大変で待ちました。やっと来たら大変混雑で、立っているのがやっとでした。今も2カ所へ通院していますが、回送バスは二、三回は必ずあります。雨の日、寒いとき、猛暑のときは物すごく疲れます。空で通過は非人情で、またむだなことと思います。この際何とかしてくださいという手紙なんですね。やはり小田急バス、どうも内部事情でいろいろあるようですけども、経営判断というふうに言っておりますけども、いろいろあるようです。やはり改めて小田急がこういう回送運行を選択したというのはいいことではないと。業者、市民に理解されてこそ、やはり公共交通としての小田急の今後があるんじゃないかというふうに考えます。
 先ほどの昨年7月23日、三鷹市の第1回の地域公共交通活性化会議、ここで市長は、真に市民本位の公共交通の推進、このことをあいさつされております。また、委員の方も、移動がちゃんと普通にできる、当たり前の社会が大事、こういう発言もあります。関東バスは、先ほども紹介したように、回送運行しておりません。こういう同じ事例を紹介しながら、三鷹市はですね、やはりもとの──新たにじゃないんです。もとの営業運行への改善、これを具体的に市長として、新しい選挙もあって忙しい中だと思いますが、ぜひ話し合いを進めていただきたいと思いますけれども、再度いかがでしょうか。


◯副市長(河村 孝君)  選挙のことまで御心配いただきまして、ありがとうございます。私どもはですね、若干事実関係の認識、そごがあるようですから、私の方からちょっと一言言わせていただきますと、従前の小田急バスの、今の回送バスの話なんですけれども、従前、回送バスだったんです。そこにお客様を乗せていたことについて、市民の方からおかしいじゃないかという指摘があって、それを法令遵守の立場からやめられたというふうに、そういうお話を聞いています。ですから、もとの営業運行に戻す署名運動というふうに先ほど御質問の中で言われましたけれども、私どもは、そうではなくて、法令遵守の立場から、回送運行であったものをですね、適正な形で、まず最初にそういう経営判断でおやめになられたというふうに思っています。ただ、何度も市長が申し上げているように、市民の方が実際それを利用してきてですね、で、いろいろなお困りのこともあって、それを、回送運行を便宜的にやるんではなくて、ちゃんとした営業運行をしていただきたいということを粘り強くこれまでも交渉してきましたし、これからも交渉していくと。で、その協議会の中でですね、市長が申し上げたように市民本位の、そういう公共交通の体系をですね、しっかりとやっていただきたいということで、そういうお話をしてきているところです。
 部分的にはですね、例えば芸文センターのところで、公演が終わったりしてですね、お帰りになる際、臨時バスという形でちゃんとした営業運行ということで財団の方と連携しながらですね、増便をしていただいたりというようなこともしてくれています、それから以降ですね。これも市と財団の粘り強い交渉の1つの成果だというふうに思っていますが、これからもそういう形で、森議員さんのおっしゃることは我々もよくわかりますから、同じ問題意識を共有しておりますので。ただ、相手方の事情とか、そういう経営判断があるということで、どうしても粘り強い交渉になるという、そういう趣旨でありますので、私どもは、同じ趣旨、立場で、そこのところはそんなに変わらないと思いますので、頑張らせていただきたいと思っております。いろいろな方がですね、そちら様だけではなくて、いろんな方が署名活動もしていますし、地域の中で動いていらっしゃるわけでありますから、市としては公平に、市民の皆さんの立場でですね、これからもやっていきますので、そのように御理解ください。


◯27番(森  徹君)  副市長の答弁、非常によくわかりました。ぜひ……。ただ、市民の方からというのは、これは三鷹市民の方ではないですよね。共通の認識、市民の方から国交省に話があったというのは……。市民の方といいますと、今の副市長の話でいきますと、三鷹の市民の方からというふうに受け取られるようですが、そうではないですね。ちょっと確認させてください。


◯副市長(河村 孝君)  三鷹の市民の方か、そうでないかは私は存じ上げません。ただ、その指摘は正当だったからこそ、一度はそういうことで判断されたのではないかというふうに私は思っています。


◯27番(森  徹君)  担当課長に聞いていただければ、11月4日の小田急との交渉や、ことしの1月の21日の交渉もですね、課長さん同席されておりますので、そのことは確認をしていただきたいと思います。いわゆる武蔵境営業所関係のところからではなく、別の営業所のところからそういう話が行ったと。小田急バスはそういう、いわゆるダイヤに組まれていないバスが運行しているから、その話が国交省に行って、そして国交省の指導でということでしたけども、国交省はそういう指導はしてないということですね。それは先ほど言ったように小田急の経営判断だと。小田急の経営判断といっても公共交通としてしっかりと仕事をしてほしいということでしたので、私の質問の趣旨と問題点は共有されているということでしたから、私の方も、住民の皆さん方と小田急さんとの話し合いといいましょうか、それをあわせてやっていきたいと思いますし、そういうこととあわせて三鷹市としてもしっかりと三鷹市としての役割を果たしていただきたいということを最後にですね、要望しまして私の質問を終わります。よろしくお願いします。


◯議長(田中順子さん)  以上で森 徹さんの質問を終わります。
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◯議長(田中順子さん)  この際、議事の都合によりしばらく休憩をいたします。
               午後2時53分 休憩



               午後3時21分 再開
◯議長(田中順子さん)  休憩前に引き続き、会議を再開いたします。
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◯議長(田中順子さん)  市政に関する一般質問を続けます。
 次の通告者、25番 大城美幸さん、登壇願います。
               〔25番 大城美幸さん 登壇〕


◯25番(大城美幸さん)  教育・子育て支援について質問します。
 まず初めに、子ども・子育て新システムについてです。
 待機児解消、二重行政をなくすなどの名目で現行の幼稚園と保育所を廃止し、幼保一体化するとしてきた民主党政権ですが、幼稚園側の反対などもあり、今回の政府案ではすべての施設をこども園に一本化することは断念し、こども園とともに一部の幼稚園と2歳児までを対象とする保育所は残すことにしました。民主党政権は幼保の一体化で、現在、厚労省と文科省に分かれている二重行政のむだをなくすと宣伝してきました。しかし、完全な一体化を見送ったことで、制度は現行より複雑化し、二重行政がなくならないどころか、厚労省、文科省、内閣府と三重行政になる可能性もあります。待機児解消という点でも、待機児の85%が2歳以下の子どもであるにもかかわらず、2歳以下の子どもの受け入れの義務づけもこども園に求めていません。これでは待機児解消にはならないと考えます。また、政府案は給付の仕組みや契約方法についても大きく変えて、保護者と園との直接契約にしようとしていますが、私は、保育が介護保険と同じように市場化され、保育園の運営が不安定化し、保育者の待遇が悪化、ひいては保育の質が下がることを心配しますが、市長の子ども・子育て新システムに関する評価と見解をお聞かせください。
 私は、子ども・子育て新システムの導入で、待機児解消になるとは考えられません。今、目の前にいる待機児を抜本的に解消するためには国の役割と責任が大きいと考えます。自治体が待機児解消のための公立保育園建設を行うときは、土地取得や建設費補助、運営費補助を国が行うのが当然のことと考えます。市長会を通して、あるいは三鷹市独自ででも国の財政責任を明確にした待機児解消・保育園増設計画の作成を求め、国の財政的支援を求めて国に意見を上げるべきと考えます。待機児解消に向けて国にどのような働きかけをしてきたのか、今後どのように働きかけるのかお聞かせください。
 2つ目に、学童保育のガイドライン作成についてです。
 昨年12月の議会で採択された請願で、学童保育のガイドラインの作成を求めています。請願が採択されたばかりではありますが、子ども政策部としては請願採択をどのように受けとめ、今後、学童のガイドライン作成にどのように取り組むのか、お聞かせください。
 3つ目、「教育は無償」への取り組みについて伺います。
 子どもの貧困が問題となる昨今、親の収入によって子どもの将来が決まってくるとも言われていますが、憲法で保障されている教育を受ける権利を実現する上で、本来、教育は無償であるべきではないでしょうか。私の息子がことし4月、中学校に入学します。1月の終わりに、入学する中学校の体育館で学生服や体育のジャージなどの寸法をはかって注文をしました。そのときに、上履きや校章なども買いましたが、入学に当たって幾らかかるのか、ざっと計算をしただけでも7万円を超えます。小学校では3万円からランドセルの値段が大きく5万円にも上ります。その他教材費、給食費など年間で小学校では5万200円、中学校では7万2,000円という試算が文科省の平均でも出されています。「教育は無償」、この立場に立って教育にかかる費用、学校での保護者負担を少しでも軽減させることはできないのかということで質問をさせていただきます。
 まず、就学援助制度は4月の申請のため、認定されて支給されるのが7月ということで、利用している方から、4月から7月までの家計が一番苦しいとの声がありました。また、4月、就学援助では入学準備金を出しているところもあります。新入学学用品や修学旅行の費用についても実費払いで、後払いになっていますが、こういったものを概算で出して前払いすることはできないのでしょうか、お尋ねをいたします。医療券についても、7月に認定されてからの利用ということでは、実質3月後半から認定までの7月までは医療券が使えないということになります。就学援助制度を利用者の立場から改善する方向での検討を三鷹市の教育委員会では行ったことがあるのか、ぜひ改善を検討していただきたいと考えますが、教育長の御所見をお聞かせください。
 小学校では、1年生になると鍵盤ハーモニカを購入します。5,200円もかかります。府中市など他の自治体では鍵盤ハーモニカを備品として扱っており、新入生は吹き口400円の負担で済んでいるところもあります。三鷹市では備品として扱うことができないのかお伺いをいたします。
 4つ目、障がい児の育ちを支援することについて伺います。
 まず初めに、三鷹市の障がい児の数と学童の受け入れ状況について、現状と課題をお聞かせください。ハピネスを卒業した障がいのある子どもたちが、学童にも行けずに、おうちで日中を過ごすことになります。障がいのある子どもたちの日中の居場所確保に、市としても、もっと力を入れる必要があると考えますが、お考えをお聞かせください。
 兄弟が3人いて、一番下の子が障がいのある子をお持ちのお母さんから、健常な子どもを夏休みに遊園地などに連れていって遊ばせたくても、重い障がいの子を一緒に連れていくことができないので、預かってくれるところを探すのが大変という声を聞きました。障がいの子どもを預かってくれるところ、ショートステイもありますが、定員が2名で、必要なときにはなかなか利用できない。良心的に受け入れてもらえても、場所が遠く送り迎えなどいろいろな困難があると聞きました。障がい児の夏休みなど長期休暇の場合、障がいのある子どもの居場所の確保について、三鷹市としてはどのように考えておられるのか、障がいのある子を抱える保護者の支援についてはどのようなニーズと支援が求められているのか、現状と課題について市の考え、認識をお聞かせください。
 以上で壇上での質問を終わります。御答弁によりましては自席での再質問を留保させていただきます。御答弁よろしくお願いします。
                〔市長 清原慶子さん 登壇〕


◯市長(清原慶子さん)  それでは、子ども・子育て新システムにつきまして答弁をいたします。
 子ども・子育て新システム基本制度要綱が昨年6月末に少子化社会対策会議決定事項として公表されています。その後、子ども・子育て新システム検討会議の中に3つのワーキンググループが設置されました。私は、その中の1つであります幼保一体化ワーキングチームの委員に、全国市長会の推薦で選ばれ、現在までに6回開催された作業グループに出席し、基礎的自治体の現場から意見を述べてきました。
 実は2月24日、本会議の日にも第7回目が開かれたわけでございますが、そのときはあいにく出席はできませんでしたけれども、この間、新システムの検討が、現場である基礎自治体の役割をしっかりと、基礎自治体の声を反映してつくっていただくように声を上げてまいりました。特に国と地方の役割分担や恒久的な財源等を明確にし、地方自治体、関係者等を含めた国民的な議論を十分行うとともに、制度のあり方について慎重に検討していかなければならないと思っています。
 幼保一体化は、それ自体が目的であるはずはありません。常に私が発言してきたことですが、子どもたち本位の制度をつくり上げるための手段としてとらえなければなりません。段階的ではあっても、具体的にわかりやすい制度にすることが必要です。その上で制度の質的な向上を目指すべきであると考えます。これまで幼稚園、そして保育所がそれぞれの経過と実績を積み重ねてきました。私は、それぞれの取り組みを尊重しながら、子どもたち本位にこれまでの課題に適応できる形とするように、建設的に取り組んでいくことが重要であると思います。繰り返しますけれども、時間をかけて十分な議論を尽くすということも必要ですし、大方の国民から、拙速であるというふうな評価を得ないことが重要だと思っています。すなわち国民に選択の余地があるスムーズな移行を目指すことが必要だと思っています。そのために、すべての施設を短期間にこども園に統合するのは無理があると思っております。ただし、そうはいっても、質問議員さんが言われたように、そのことが二重行政から三重行政になることによって、子ども本位が失われるということはあってはならないことでございますので、しっかりと三鷹市としても、市長会を代表しての取り組みにも力を注いでいきたいと思っています。
 次に、待機児童解消についての御質問をいただきました。
 幼保一体化が待機児童対策として有効であるということは、言えないわけではないと思います。しかし、私は、幼保一体化イコール待機児童解消策ではないというふうに思います。児童福祉法に基づきまして、国を含む行政が子どもの保育環境を整備し、子どもの発育や発達を保障するとともに、保護者の就労を支援するセーフティーネットの機能の役割は極めて重要だと思っています。私は、こうした原点に照らして、市町村の立場から問題と思われる点については、事あるごとに意見表明をしてきました。例えば三位一体の改革の一環として、平成16年度から公立保育所運営費及び整備費の一般財源化が図られました。このことにより、特に地方交付税不交付団体であります三鷹市は、急激な財政負担を強いられることになりました。そこで、三鷹市長として、各地方公共団体の実情を勘案した対応を求める公立保育所負担金廃止に対する要望書を当時の総務大臣あてに提出いたしました。また、最近では、国に対して、子ども手当等国の政策として行う子育て家庭に対する経済的支援は何よりもまず全額国が負担して行うことを求めてまいりました。また、地方への負担金等の交付については、地方交付税の不交付を理由とした財源調整等や交付税措置を行うことなく、必要かつ十分な額を各地方自治体に直接交付することなどを提言してまいりました。財源なき制度の改革は実現性がありません。
 また、私は、この間、社会保障審議会少子化対策特別部会においても、この子ども・子育て新システムにかかわることでありますけれども、保育の必要性を認めるお仕事を基礎自治体がするのではなく、一気に契約にというような動きについては警鐘を鳴らし続けてきました。私としては、基礎自治体の現場で、市民の皆様の暮らしの現場で取り組んできたことがしっかりと尊重されるだけでなく、その上で私たちの取り組みがよりよく進められるような国の対応を、どの政権であっても求め続けていきたいと思っています。
 昨年10月には、三鷹市が内閣府の待機児童ゼロ特命チームに全国の自治体の中からヒアリング対象の自治体として選ばれ、政府や厚生労働省と意見交換をする機会を持ちました。私は、その場で三鷹市の待機児童の解消への取り組みを発表すると同時に、公立保育所に対する財政的支援の必要性、また保育所整備に係る補助金の対象設置主体を多様な主体に広げることが今まさに求められているとの要望を申し上げました。そのヒアリングの結果を反映しまして、来年度から新たな取り組みとして、国と自治体が一体的に取り組む待機児童解消「先取り」プロジェクトが検討されているところです。このように待機児童ゼロを国も東京都も標榜しているわけですが、具体の現場は三鷹市のような基礎自治体です。しかも、全国津々浦々同じ状況かというと、そうではありません。待機児が問題として存在しない、むしろ幼稚園や保育園を継続するには、入園する児童数が急激に減少している限界集落の例などもあります。したがいまして、三鷹市のような基礎自治体の状況に適合的であると同時に、全国のそれぞれの地域事情に応じた対応ができる柔軟な制度が、子ども・子育て新システムにおいても、待機児童解消においても重要だと考えております。
 私からは以上です。その他の質問については担当より答弁をいたさせます。


◯教育委員会事務局教育部長・調整担当部長(藤川雅志君)  教育委員会への御質問にお答えしたいと思います。
 小学校入学に当たりまして、就学援助費のうち新入学用品費を前倒しして支給できないかという御質問でございます。
 就学援助制度につきましては、学校教育法第19条等に基づきまして市が実施しているところでございます。この19条では、「経済的理由によって、就学困難と認められる学齢児童又は学齢生徒の保護者に対しては、市町村は、必要な援助を与えなければならない」となっておりまして、これに基づいて三鷹市の補助要綱を定めまして、援助費の対象者は三鷹市に在住し、国公立の小学校または中学校に在学する児童・生徒の保護者というふうになっているところでございます。このことから、就学援助の申請は小学校在学後にしていただきまして、認定基準となります世帯の所得などを確認した上で認定しているところでございます。特に所得の確認ができますのが5月の下旬以降になりますので、直ちに認定作業を行いまして、6月の下旬から7月の初旬に決定し、支給しているところでございます。したがいまして、就学援助費の新入学用品費の前倒しによる支給につきましては、法制度上困難であると考えておりますけれども、できるだけ早い認定作業を行い、少しでも早い支給に努めたいと考えております。
 次に、鍵盤ハーモニカの件でございます。
 鍵盤ハーモニカにつきましては、歌口というパイプの部分ですね、については、衛生上、個人で購入することにしていただいておりますけれども、300円ぐらいでございますが、楽器本体の購入については任意ということになっているところでございます。学校によって台数は異なりますけれども、歌口だけを持っている児童が使用するための楽器本体が、音楽室とか低学年の教室に保管されておりまして、それを使用することができるということになってございます。また、PTAが中心となりまして、購入したんだけれども、卒業する際に要らなくなったというような楽器をですね、1年生に引き継ぐなどの活動も行われているようでございます。
 以上でございます。


◯子ども政策部長(酒井利高君)  市長の答弁に補足をしまして、学童保育所におけるガイドラインの問題につきまして、答弁をさせていただきます。
 学童保育所の運営につきましては、市の条例、規則、さらには国・東京都が定めているガイドラインや実施要綱に基づきまして行っているという現状でございます。国とか東京都のガイドラインは、学童保育所を運営するに当たっての必要な基本的な事項を定めていまして、市ではその内容に沿って施設運営やサービスの質の向上に努めています。またですね、指定管理者とのですね、契約に関しましては、市が作成する仕様書の中におきまして、三鷹市の特徴、独自性をですね、うたい込みまして、例えば各小学校の地域子どもクラブとか、さらには地域との連携です、そういった中身につきましても、契約の中にですね、含めながら対応を図っているということでございます。現状におきましては、そういった流れの中で、事実上ですね、運営事業者は異なりがあったとしても、運営上の違いとかサービスの質に差異が生じているということはないものというふうに認識をしております。これまで三鷹市においてはガイドラインがないということからですね、特別な格差が生じているとか、そういった大きな問題が生じているという認識には立っておりませんけれども、今後、指定管理者の公募を進めるという方向性もございますし、その意味では市独自の学童保育所の運営にかかわる基本的な考え方を示す方策の1つとしてガイドラインを設定をしていくということも検討できるかなというふうに思っております。
 また、現在ですね、先ほども市長がお話ししましたけれども、子ども・子育て新システムが国の方で今、検討されておりますけれども、当然ですね、小学生の子どもたちのですね、学童保育所を含めた放課後児童給付、こういったことも検討されております。そういった方向性も見据えながらですね、あわせて検討をしていく必要があるかなというふうに思っております。そういった過程の中では、あわせてこの23年度はですね、三鷹市では健康福祉総合計画の策定でありますとか、次世代育成支援行動計画のですね、一定の見直しとか、そういった要素も入ってきますので、そういったことの流れも含めながらですね、あわせて検討をしていきたいというふうに思っております。
 以上です。


◯健康福祉部調整担当部長(後藤省二君)  市長の答弁に補足をいたしまして、障がい児の育ちを支援をすることについてお答えをいたします。
 三鷹市における身体障害者手帳、愛の手帳の交付を受けている18歳未満の障がい児は、平成22年度当初で延べ322人となっております。
 まず、学童保育所における障がい児の受け入れについてですが、平成19年度より全学童保育所で受け入れ体制を整えています。平成22年度当初は15カ所、27人の入所がありました。障がい児の受け入れに当たりましては、入所審査会で児童の状況を把握をするため、児童青少年課が北野ハピネスセンターとも連携し、対応しているところでございます。
 課題といたしましては、集団の中での安全性の確保の観点から、原則1学童保育所2人の定員を設けていますが、教育支援学級の固定級が設置されている学校からの希望者が増加をしており、受け入れについては柔軟に対応していますが、保育体制整備と受け入れの拡充が課題となっています。
 障がい児の放課後の居場所の対応や障がい児の長期休暇時の取り組みについては、今申し上げました学童保育所の障がい児童の通所のほか、各特別支援学校での行事開催、また保護者の介護等による日ごろの心身の疲れを回復させ、また介護の疲れを予防するいわゆるレスパイトのための近隣の短期入所事業所の利用などがあります。障がい児本人の在宅時間がふえる長期休暇時には、障がい児に対する移動支援の時間数をふやすなどして、障がい児の外出機会の充実を図るほか、自宅等への福祉訪問員の利用などを進めているところでございます。なお、市内のNPO法人なかよし会が、障がい児(者)の放課後の通所訓練事業を実施をしており、この法人では夏休み等長期休暇中も登録している障がい児が希望する日に自主通所し、原則午後1時半から5時まで、自立に向けての自立生活訓練を行っています。
 居場所の確保に関する課題としましては、対象となる障がい児の障がいの種類や程度などが広範にわたることから、それぞれの障がい児に合った適切なサービスを提供するためには、かなり多種類のメニューを用意する必要があり、これらを担うことができる施設等が少ないなどの点があります。今後も障がい児の居場所の確保については、さまざまな観点から支援の枠組みを検討してまいりたいと思っております。
 以上でございます。


◯25番(大城美幸さん)  再質問させていただきたいと思います。1つずつ質問いたします。
 最初に、子ども・子育て新システムですけども、市長が3つのワーキンググループのうち、幼保一体化のグループでこの間、意見を述べられてきた。先ほどの答弁でも、財源なき制度の改正は実現性がないというふうにもおっしゃっていましたし、昨年の6月10日に子ども・子育て新システムに関する意見交換会の中で市長が述べた意見も、見ていると、地域主権改革が財政的な面での国の責務の縮減を前提とするものであってはならないということや、一人の子どもも排除されない制度の構築をということで意見を述べておられます。市長会を代表して市長がこういったものに参加をし、三鷹市の取り組みも紹介しながら、さまざま意見をおっしゃっているのはわかるんですけども、国の方はこの3月にも法案を提出して、もう今議会で採決をしようというふうなことが報道でもなされています。先ほどの答弁でも時間をかける必要がある、国民の理解を得る必要があるというような答弁がありましたけども、私は今この時期に、やはり三鷹市独自でこの新システムに対する意見を上げる、あるいは市長会として意見を上げていくっていうことが求められているのではないかっていうふうに考えるんです。先ほど来、市長は、子どもたち本位の立場で主張していらっしゃる。その声をやはり直接届ける、国に上げる必要があると思うのですが、今、この時期、意見を上げていただけないか、お答えをいただきたいと思います。


◯市長(清原慶子さん)  私は、一方では全国市長会の代表というか、推薦を受けてですね、全国市長会の社会文教委員会と連携をしながら、このワーキングチームで発言をしてまいりました。もう一方でですね、今申し上げました全国市長会の中に社会文教委員会というのがございまして、そこの委員長であります大阪府の池田市長さんが、基本制度設計のワーキングチームのメンバーでいらっしゃるんですね。そんなことからですね、社会文教委員会でもしっかりと市長会、早急に議論をして、全国市長会として国に意見を上げていくことができないかというような動きを始めつつあります。内々のことなのに本会議で言ってしまいましたけれども、一応、従来は社会文教委員会の私、メンバーではなかったんですが、期が浅いので。けれども、あえて社会文教委員長から、子ども・子育て新システムの方のワーキングチームの委員を、市長会から出ているんだから、その議論にも入って一緒に議論をして、国にですね、しっかりと具体的な現場の声を頻繁に届けていこうということになっています。
 それは、例えば文書で出すということもあり得るんですけれども、具体的に内閣府ですとか、厚生労働省ですとか、文部科学省のこの担当の職員に対しても、社会文教委員会としてしっかり声を反映していこうというふうになっています。ですから、その動きに参画しつつ、それでもどうしても基礎自治体の声が反映されないままの法案になりそうなタイミングにはですね、ぜひ今まで同様、三鷹市長としてしっかりとですね、声を上げていきたいと、そのように考えております。


◯25番(大城美幸さん)  ぜひ基礎自治体、現場の声ということではありますが、子ども本位、子どもを真ん中に置いた子ども本位の立場での意見を上げていただきたいということを要望いたします。
 次に、学童保育のガイドラインの問題なんですけども、学童保育所等の管理業務仕様書というのを私も見ました。先ほどおっしゃっているように、条例、規則、学童クラブ事業実施要綱、その他関連法案を遵守すること、また、放課後児童クラブガイドライン、これは厚労省の、趣旨に沿った運営に努めるとともに、以下の点に留意して放課後の児童の健全育成を図ることと、業務遂行に当たっての基本的心構えが第2のところで書かれてあります。先ほどの答弁では、三鷹市の独自性もこの中でうたって対応している。サービスに差異はないということでしたけども、今、私が読み上げた業務遂行に当たっての基本的心構えでは、東京都のガイドラインということは出てこないんじゃないかなって思うんですけれども、国のガイドラインの趣旨に沿った運営に努めるとともにというふうに書いてあって、あくまで努力義務ではないかというふうに考えるんですね。やはり三鷹市が、学童保育にも三鷹市の独自性、これまで培ってきた三鷹市の学童保育の質を確保し、さらに向上させていくっていう点では、三鷹市独自のガイドラインを持ってやるべきだと思うんです。保育には保育のガイドラインを、努力されてつくってこられたことを考えると、私はやはり学童保育にも三鷹市独自の学童保育のガイドラインが必要だと考えますが、先ほど来、今後の次世代育成や健康福祉計画の中で検討するようなことをおっしゃってましたけども、姿勢として私はつくっていくべきだと思うんですが、もう一度答弁をいただきたいと思います。これでは努力義務であって、やらなくてもいいのかなっていうふうに受け取られても困るので、ぜひお考えをお聞かせいただきたいと思います。


◯子ども政策部長(酒井利高君)  まず東京都のですね、ガイドラインで、東京都のガイドラインはこのピンクのものなんですけれども、ある面ではチェックリストのような要素もですね、持っているということもあるんですけれども。したがって、体系的な意味でですね、ガイドラインというふうに言えるかどうかというのはありますけれども。あとはやはりガイドライン自体ですね、どのレベルでそのカテゴリーをですね、整理するのかということもあると思います。その意味ではですね、例えばマニュアル的なですね、細かい要素も含めてですね、設定をしていくのか、大枠を決めて、ある程度はですね、実際の運営する事業者の地域性なんかも含めてですね、そこの自主性をある程度尊重するのかとかですね、そういったことがありますので、本来はそれらを含めてですね、いろいろ多角的に協議しながらですね、三鷹市としての方向性を決めていくというのがいい方向かなというふうに思っています。
 私どももですね、つくらないというふうに言っているわけではないので、つくる方向、その認識はしておりますので、その中でですね、検討をしていきたい。ただ、今の段階で、いつどうするこうするというのはちょっと言えないということでありまして、方向性だけはそういうふうに確認をしたいというふうに思っております。


◯25番(大城美幸さん)  先ほどサービスに差異はないとおっしゃってましたけども、指定管理の委託が複数の業者になってきている中で、夏休み等のお弁当を注文するところとか、いろいろ差異が出てきていると思うんですね。そういう中で、三鷹市がやっぱりこれまで取り組んできた学童保育のいいところ、また課題となっている点など、やはり関係する人、利用している人も含めて十分な議論をしていいものをつくっていく。だから、真っ直ぐ子ども政策部の職員が一、二枚のペーパーで、頭の中で考えたガイドライン、マニュアルを出すのではなくて、やはり現場の声をもとにしたものをつくっていくという方向でぜひ取り組んでいただきたいということを要望しておきます。
 「教育は無償」への取り組みということで再質問をさせていただきます。
 日本では受益者負担、自己責任という考え方が学校の中にもあるんですけども、世界の中では教育は無償という流れがもう当たり前の状況になっているんですが、私は、先ほど新入学学用品の前払いというのは困難、法的な関係からも困難だというふうなことをおっしゃってましたけども、全国の自治体の中では、修学旅行の費用など概算で前払いをしてっていうようなところも幾つかあるようです。ぜひ、憲法にはすべて国民は教育を受ける権利を有する。義務教育はこれを無償とすると書いてあり、国や自治体、そして公務員にも憲法を守る義務が課されているわけで、学校でお金のないことでせつない思いをする子どもや保護者をなくしていく取り組みを、教育委員会がイニシアチブをとっていく必要があるというふうに私は考えます。その意味からも、就学援助制度を利用者の立場から改善する方向での検討を三鷹市の教育委員会は行ったことがあるんですかって聞いたんですが、その答弁は漏れていたので、お答えをいただきたいと思います。


◯教育委員会事務局教育部長・調整担当部長(藤川雅志君)  そのような御指摘いただいておりますので、そのたびに検討はしております。


◯25番(大城美幸さん)  じゃあ、そのたびに検討したということで、改善した具体例がありましたらお答えいただきたいんですけど。


◯教育委員会事務局教育部長・調整担当部長(藤川雅志君)  お答えは先ほどお答えしましたとおり、現在の制度上難しいというふうに考えて、現状に至っているところでございます。


◯25番(大城美幸さん)  私は一例を挙げたんですね、入学学用品準備金だとか、修学旅行費の前払いということで一例を挙げたんですけども、他市や23区の就学援助の状況を見ると、卒業アルバムやクラブ活動費を23区はほとんど出していますが、多摩では、市部では全く出ていないという──卒業アルバムについては出ているところがありますが、クラブ活動には全く市部では出ていないわけですが、こういった他市、近隣自治体との比較等も行って、少しでも改善する、保護者の負担を軽減する努力っていうのを私は教育委員会自身が行うべきだと考えて質問しているんですが、そういう検討はしていただけないんでしょうか。


◯教育委員会事務局教育部長・調整担当部長(藤川雅志君)  他市の状況等もですね、担当はよく調べて承知してございまして、いろいろ検討しておりますが、先ほどからお答えしているとおりでございますので御理解ください。


◯25番(大城美幸さん)  現在はできないというお答えはわかります。だけども、少しでも教育にかかる費用を軽減する努力というのをしていただきたいということで質問しているんですね。具体的に鍵盤ハーモニカのことを言いますと、先ほど学校にも鍵盤ハーモニカは置いてあるとおっしゃいましたけども、じゃあ、それはクラスの人数分そろっているということでしょうか。


◯教育委員会事務局教育部長・調整担当部長(藤川雅志君)  クラス全員が──学年全体とか、そういうのはまた別ですけれども、クラスが練習するときには、できるだけの数はそろっているものと考えております。


◯25番(大城美幸さん)  それなら、1年生に入学するときに、どうして新しい鍵盤ハーモニカを買わなきゃいけなくなるんでしょうかね。私は不思議でしようがないんですが、うちの子も鍵盤ハーモニカを5,200円で買ったんですけども、先ほど学校によって取り組みが違うんですけども、うちの子どもが通っている第五小学校では、PTAがリサイクル委員会というものがあって、卒業する方が置いていったものを、とっても古いものは無償で、あるいはきれいなものは1,000円でとかっていうことでリサイクルしています。体育着とか上履きとか、そういうものをリサイクル、いろいろなものをリサイクルしていますけども、私はやはり、府中市は教材費はなるべく公費でという考え方のもとに、鍵盤ハーモニカは購入しないで、先ほどおっしゃっていた吹き口のところを300円から400円で保護者に買ってもらっているということを聞いています。そういうふうに最初からなぜできないのか。もちろんそろっているのに、そういうことは知らされないで新しいものを買わされているっていうふうなのはおかしな話だと思うんですが、それは周知の仕方がおかしいんだと思うんですけども、徹底していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。


◯教育委員会事務局教育部長・調整担当部長(藤川雅志君)  今回御質問いただきましたので、一応調査をしましたが、入学準備品としてですね、希望者の方に販売するという学校が2校、それから、使うとき、使う時期が来たら希望者に販売するというところが7校、あとは原則吹き口、歌口というものを300円で購入していただくという形になっております。ただ、それが徹底してないとすればですね、問題ですので、その辺については、校長会等を通してですね、きちっと徹底してまいりたいというふうに考えております。


◯25番(大城美幸さん)  希望者っておっしゃったんですけども、私の認識では、もう最初から買わなくちゃいけない。五小では新入学のときに、入学式のときに、リサイクルのものもあって、その場で買ったり、注文したり、あるいは自分で購入したりということがあったんですけども、別の学校の人は、ついこの間使うから必要だって言われて、近くのところになかったので、慌てて吉祥寺まで行って5,200円で買ってきたっていう話を聞いたんですね。だから、希望者って言われても、最初から学校にそろっているんですよっていうことが保護者にちゃんと認知されているのかっていうことが、私は今お話を聞いて思ったんです。そのことはちゃんと周知をしていただいて、買う必要はないものを買わされているんではないかというふうに思うので、ぜひその点は周知をしていただきたいということを要望いたします。
 それと、くどいようですが、これは、鍵盤ハーモニカは一例です。本当にいろいろな教材費が毎月、私も子どもの教材費で2,500円だとか、1,800円だとか、取られるわけです。取られると言ったらおかしいんですが、集金されるわけですけども、少しでも備品として扱えるもの、あるいは学校で用意できるものっていうのは、教育委員会が主導してなるべく保護者の負担を減らしていく、「教育は無償」の立場で、この備品はどうなのかとかといったチェックをしていただきたいというふうに要望したいと思います。
 最後に、障がい児の育ちを支援することについて質問しますが、障がいのある子どもたちの日中の居場所なんですけども、愛の手帳322人で、学童に通っている方27人とおっしゃったかしらね。私も障がいのある子を抱えているお母さん、何人かの方を知っていますけども、障がいの程度、障がいの種類、程度を、答弁でも広範で対応が難しいということも十分承知をしていますけども、教育委員会にお尋ねしたいんですが、放課後の校庭開放の中で、障がい者が在籍している学校で校庭開放に障がい児が参加するということはできないのか、そういう手だてということは考えられないのか、検討されたことがあるのかどうか、お答えをいただきたいと思います。


◯教育委員会事務局教育部長・調整担当部長(藤川雅志君)  校庭開放につきましては、学童だとか、それから、地域子どもクラブだとか、いろんな使い方──今おっしゃったのは、多分、校長の管轄下の中での学校開放ということでしょうか。学校の校庭を使っていただくということは、できればですね、非常にいいことかなというふうには思いますけれども、いろんな面で、指導者はどうする、管理どうする、安全性どうするというようないろんな問題がございますので、そういったことも含めて考えてはいるんですけど、なかなか現実的にはいい方法がないという現状でございます。


◯25番(大城美幸さん)  障がいの程度、種類によってその子にかかる手間暇というか、いろいろあるし、専門性が必要な対応も求められたりとかするとは思うんですけども、障がいがあっても健常者と一緒に校庭開放、学童クラブ等参加できるように、ぜひ支援を検討していただきたいと思います。
 長期の夏休みの保護者の方への支援なんですが、新たな制度とか、そういうものをつくってやってくれというふうに言っているわけではなくて、今ある制度を活用して保護者を支援することができないのか、先ほど福祉訪問員などもやっているっておっしゃいましたけども、介護保険のヘルパー派遣制度と同じように、障がい児のあるお母さんを支援するとか、障がい児の子どもを一時預かる場所をもうちょっと多く確保するとか、そういう今ある制度で利用できていないところを拡大して、障がい者が利用できるように拡充する取り組みというのをぜひ検討していただきたいと思いますが、御答弁のほどよろしくお願いします。


◯健康福祉部調整担当部長(後藤省二君)  今御質問のありました障がい児の居場所の問題、議員さんは新しい制度、サービスというよりも、現行の制度、サービスの枠組みの中での拡充はできないかという御質問かというふうに理解をしております。このあたりについては、現行の制度の中でですね、できるだけ市の方でもですね、御相談がある場合に、そのお子さんの状況に合わせて適切なサービスを、例えばそれは移動支援でありましたり、福祉訪問員でありましたり、日中の一時支援でありましたりというような形でお勧めをしたりということをしているところではございますが、一方で、これも御質問にありましたように、サービスが提供可能な総量の問題がやはり1つあると思います。このあたりにつきましては、平成23年度に障がい福祉計画(第3期)の計画を立てる際にですね、サービス提供の総量の目標設定をするということの作業もございますので、そんな中で十分に検討してまいりたいというふうに思います。


◯25番(大城美幸さん)  御答弁ありがとうございます。保育新システムのこともそうなんですけども、子どもは自分のことを主張できません。障がい児も自分のことをこうしてほしい、ああしてほしいって主張できません。だからこそ私たち大人が、その子どもたちのこと、障がい児のことを、本当にその障がい児や子どもを真ん中に置いて、その声に耳を傾けて施策を展開していくことが必要だというふうに考え、質問をさせていただきました。ぜひ市でもそのような立場でお仕事を頑張っていただきたいと思います。
 以上で質問を終わります。


◯議長(田中順子さん)  以上で大城美幸さんの質問を終わります。
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◯議長(田中順子さん)  ここでお諮りをいたします。本日の予定を終了するまで、時間の延長をしたいと思います。これに御異議ありませんか。
                (「異議なし」と呼ぶ者あり)
 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。
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◯議長(田中順子さん)  市政に関する一般質問を続けます。
 次の通告者、17番 半田伸明さん、登壇願います。
                〔17番 半田伸明君 登壇〕


◯17番(半田伸明君)  今回は無縁社会について質問をしたいと思います。
 近時、マスコミが無縁社会問題をさまざま特集をいたしまして、国民的な関心が集まっております。この無縁社会ブームに個人的には若干の違和感を感じております。無縁か否かは個々人の選択の結果であるにもかかわらず、無縁状態はおかしいというムードの中に、有縁であるべきという「べき論」が先行しているような感じがしてならないんですね。縁は個人が自主的に維持されるからこそ続くのであり、縁を官がつくり出すことはできません。インターネットの世界では、年代や住んでいる地域が異なる個人と個人が緩やかにつながっているという現状もある。これはまさに有縁社会です。個々人はつながりたければつながることはできるんです。では、つながりたくてもつながることがなかなか難しい、いわばつながることが困難な方の場合はいかがでしょうか。ここで考えなければならないのは、まさにですね、こういう方々の生きるを守るためにコミュニティが必要ですね。その点で本当に足りるんだろうかという問題提起でございます。見方を変えれば、こういう方々の真のニーズはコミュニティそのものなのかにつき、きちんとやはり検証していかなければならないのではないかと考えます。官の役割は縁をつくり出すことではなく、民の生きるを守る保障だと考えます。無縁だからコミュニティをつくりましょう、有縁にしましょうというのでは、いわば価値観押しつけの全体主義と誤解されかねない側面があります。そうではない。無縁で困った人を官がどう支えるのか、これがやはり筋なのではないでしょうか。いわば無縁社会の現象というのが問題というよりは、無縁の個人の方をどう支えていくんだろうか、そこがやっぱり問題の本質なのではないかと考えます。
 ここで質問をいたします。無縁社会についての現状と課題についてどのように認識していらっしゃいますか、御所見をお聞かせをいただきたいと思います。
 さて、無縁個人の生きるを守るために、私たち市民に何ができるか、また、最終的な公助として官に何ができるのかを考えなければなりません。そこでコミュニティ創生という言葉の議論が必要になってきます。20年4月、国土交通省は「新たな公」によるコミュニティ創生支援モデル事業を募集をいたしました。官民の多様な主体が協働し、伝統・文化などの埋もれ行く地域資源を活用してコミュニティを創生しようとする活動についての提案を広く募集をし、モデル的に実施することにより新たな公の担い手の拡大を通じた地域づくりの新しい道筋をつけ、全国に展開することをねらいとするものですと紹介をされておりました。新たな公を考える事業ですので、官単独での応募は実際は不可とされていたようでございます。
 ここで2つ目の質問をいたします。今後、国の方でですね、このようなコミュニティ創生の支援、さまざまなモデル事業が今後出てくるのかもしれませんが、そういうことがあった場合、三鷹市としては手を挙げていくおつもりはあるでしょうか。
 次に、昨年度のですね、施政方針演説の際に用いられたコミュニティ創生という言葉について、無縁社会との関係で質問をいたします。なお、言うまでもございませんが、今回の予算に関係する部分はもちろん割愛してくださって構いませんので、その旨答弁において御配慮いただければと思います。
 まず、1年前にですね、市長がおっしゃられていた言葉を一部引用いたします。既に三鷹市で1970年代から進められてきたコミュニティ再生の取り組みの経過を基礎として、多くの現代的課題の解決に向けた新しい方向性として、いわばコミュニティ創生が求められているのではないでしょうか。そこで今年度は都市基盤と公共施設を中心とした都市再生とともに、市民の暮らしの諸課題を協働と新しい共助で乗り越えるコミュニティ創生を目指していきたいと考えますと、このようにお話をなされております。改めて読み返してみても、やはり私には難しい。コミュニティ再生に取り組んできた三鷹市が、なぜコミュニティ創生をするのでしょうか。再生と創生は意味が当然違います。ここで必要なことは、再生に取り組んできた結果、どのような学び、反省点が生まれ、そしてそれらをどのように今から三鷹市が取り組むであろう創生という概念にですね、つなげていくんだろうかというところなんだろうなと思うんですね。
 先ほど国土交通省の話をしましたが、当然ながら三鷹市固有の考え方としての創生の概念をおっしゃられていると思います。ここはやはり創生と再生の概念、整理をしておく必要があろうかと思います。
 で、3つ目の質問になります。市長のおっしゃられているコミュニティ創生と昨今の無縁社会の問題、どのように関係づけられるとお考えでしょうか。再生に取り組んできた結果、再生できなかったからこその創生なのでしょうか。それとも再生と創生とは別次元のお話なのでしょうか。再生と創生の区別点及び昨今の無縁社会について、関係について御所見をお聞かせいただければと思います。
 壇上の質問はこれで終了いたします。自席での再質問を留保いたします。
                〔市長 清原慶子さん 登壇〕


◯市長(清原慶子さん)  無縁社会についての御質問に答弁をいたします。
 無縁という響きには、無機質で冷徹なイメージが連想されますが、無縁状態にあると一般に言われている単身で生活されている高齢者の方などの実情を見る限り、地域の人と交流を持ちたいというお気持ちがないわけではありません。介護保険のサービスを受けている方は、ヘルパーさんなどと出会ったりして、かえって孤立していないようですが、自立していらっしゃる高齢者の方が、ひょっとしたら、1日の間だれとも会話しないということがあるかもしれません。けれども、昔から遠くの親戚より近くの他人などと申しますけれども、核家族化、単身世帯化が進んだ現代では、自発的に地域の相互扶助を発展させることは大変難しい状況です。そうはいいましても、行政が全面的に支援する公助については、昨今の厳しい財政状況下では一定の限界点がございますし、場合によっては余計なお世話となることもあり得ます。
 そのような中で三鷹市としては、住民協議会の諸活動や地域ケアネットワークの展開を初めとする共助の仕組みを、市民の皆様と行政が協働して築いてまいりました。これは、地域のきずなを再認識するためにも大変意義深い取り組みであり、しかも、公助ではカバーできない部分を補完するには余りある貴重な地域の財産になってきていると考えています。営利を目的とせず、お互いさま、おかげさまと助け合う共助の精神は、人々が、いかにインターネットが普及し、ひょっとしたら画面だけ見ているだけで世界とつながっているような錯覚を持ちやすい現代人においても、やはり生身の人間同士で暮らしていくということはごく自然な姿ですから、これからの少子長寿社会にこそ必要な取り組みが共助であろうと思います。
 人は一人で心豊かに生涯暮らし続けることはできないと言われています。今は健康で、経済的に困ることもないから、無縁でも大丈夫と考えている方も、その状況がいつまで続くとは限りません。いつしか必ず人との交流や、だれかの助けが必要となるときがやってきます。そのときに慌てることなく、お互いさまだから、おかげさまだからと助け合えるような地域社会というのは、21世紀にあっても私は必要だと確信しています。その取り組みこそがコミュニティ創生の取り組みです。暮らしを守り、安心をもたらすセーフティーネットの構築に向けた取り組みがコミュニティ創生ということで私が表現させていただいたものです。
 さて、突然ですが、その中で、国土交通省が推進している新たな公共によるコミュニティ創生支援モデル事業について御質問いただきました。恐らく関連しているというふうに質問議員さんが直感的に思われたんだと思います。
 私は現在、国土交通省の国土審議会政策部会の委員を務め、この国土政策部会の中に設置されております国土政策検討委員会の委員を務めています。具体的には新しい公共検討グループの分科会に所属しまして、報告書をまとめたところです。まさに新しい公共の担い手によるコミュニティづくりをテーマに検討を重ねてまいりました。2月19日の土曜日には、世田谷ものづくり学校で開催されました「新しい公共」大集合と題した全国大会のシンポジウムにパネリストとして参加し、三鷹市の事例を紹介しつつ、各地域で活動中の皆様と意見交換をいたしました。
 三鷹市には地域をエンパワーメントする協働のパートナーとして多様な分野で地域づくりに参画する民学産公の多様な主体がいらっしゃいます。その具体例が、例えばNPO法人のシニアSOHO普及サロン・三鷹であり、子育てコンビニであり、三鷹ネットワーク大学推進機構であり、みたか都市観光協会であり、あるいは株式会社まちづくり三鷹でございます。民学産公のそれぞれのかかわり方は異なりますが、三鷹では既に活躍中の団体の豊富な事例があります。そこで、国土交通省のコミュニティ創生支援モデル事業に応募しないかという御質問をいただきましたけれども、既にそれなりの活躍をしていただいていますので、現時点では直ちに本支援事業に手を挙げることは考えておりません。
 大きな3点目で最重点課題として位置づけているコミュニティ創生と、それから、無縁社会の関係についての御質問をいただきました。
 言うまでもなく、地域にお住まいの皆様同士が信頼し、支え合う新たな共助の仕組みをつくり上げるということについては、今まで三鷹市でも取り組んでまいりました。地域のつながりが一般的には希薄になったと言われる現代において、昔ながらの地縁関係、いわゆる「ムラ」社会を再生することは、必ずしも時代のニーズに合致したものではないと考えます。既にこれまでほかの質問議員さんにもお答えしてきたことなんですけれども、個を大事にする、個人が尊重される現代の価値観の中で、単純に昔ながらの深いおつき合いを復活させることが望ましい地域社会のあり方とも言えません。それぞれ個が尊重されつつ、しかし、必要に応じてしっかりと共助の関係が持たれること、これが今、求められているのではないかと思います。そうであるならば、時代の市民の皆様の価値観や、あるいは求めに応じた共助の仕組みが必要になります。私は、コミュニティ再生の取り組みがあったればこそ、三鷹市は今、コミュニティ創生を目指すことができると考えています。個人を大事にしつつ、緩やかに地域とつながることが求められています。これこそがコミュニティ創生の取り組みです。昔から地域の中にあったものを、そのままの状態でよみがえらせる再生ではなく、現代の社会事情に柔軟に対応できる新たなコミュニティのあり方をともに考えていくこと、それがコミュニティ創生ということになります。
 無縁社会と言われる現代において、質問議員さんは、生きることを支える、守るということが重要であるとおっしゃいました。まさに基礎自治体というのは、市民の皆様の命を守り、そして支えていく取り組みだと思います。この無縁社会と言われる現代において、時代のニーズに合致した共助の仕組みづくりこそ、行政には課せられていると認識しております。余計なおせっかいではなく、やるべきことはしっかりとセーフティーネットを守りつつ、人権を保障しつつ、市民の皆様の相互の信頼に基づいた関係を築き上げていくということは、どの時代にあっても私は必要であり、それは昔に戻ることではなく、今を生きる皆様を対象にした、ともに支えるコミュニティ創生の事業だと認識しています。


◯17番(半田伸明君)  お話はよくわかりました。再生と創生の、日本語の問題じゃないかと言われるかもしれませんけど、やっぱりそこはきれいに、ちょっと1回論点を整理しておいた方がいいなということもありましてですね。緩やかにつながるというのは1つのキーワードかなとは思います。お考えはよくわかりました。
 それで、あと国土交通省の話はですね、私は何でこれ関心を持ったかというと、地域資源をですね、地域資源を通じたつながり、例えば天文台の話、絵本館の話もありましたですよね。いろんな地域資源、水車の話もございます。そういったものを守るために緩やかなつながりをつくるっていうやり方、なるほどそれはあるのかなと思いましたので、取り上げをさせていただいた次第でございます。
 それと、セーフティーネットのお考えもよくわかりました。私の杞憂な心配だったなって、今改めて思ったんですが、コミュニティ創生ということを今後おっしゃられていくということを踏まえるときにですね、ぜひお願いしたいことがあります。それは、コミュニティ創生ということとあわせて、言うまでもないことなんだけれども、一人一人のですね、皆様の生きるを支える、これが当然大前提なんだって。で、それを踏まえた上でですね、私たち三鷹市としてはコミュニティ創生を考えていきたいんだということを、ぜひセットでですね、いろんなところでお話、今後なさっていくんでしょうが、コミュニティ創生のお話をなさるときには、ぜひ一人一人を守っていくんですよということもあわせてですね、お話をいただければなということをぜひお願いをしておきたいと思います。
 それで、コミュニティ創生についてですね、もう少しちょっとお伺いしておきたいと思うんですが、実際にはそういう、私は、これも市長も多分、同じような感覚でいらっしゃるんだろうなと思いますが、実際には縁がない、無縁個人の方をですね、どのように緩やかなつながりの中に入っていただくかということを考えていった場合に、これはやっぱり大きな壁があろうかと思うんですね。その壁というのは何かといったら、まず家から出てもらう、外出をしてもらう。例えばお買い物のケースもあろうかと思います。お散歩のケースもあろうと思うんですね。そういった、立ち位置を入れかえてですね、実際に独居の高齢者の方の気持ちで考えていった場合に、どういう行動パターンがあるんだろうかということは、やはりちょっと考えておくべき必要があろうかと思います。例えば既存の町会とか住民協議会とかに対してですね、いろいろ補助をなさるのは、それは政策のあり方としてはあるんでしょうが、それと同時並行でお願いしたいことはですね、ぜひ無縁個人の方々が、ふだんはですね、どういう生活スタイルを営んでいらっしゃるのかということには、ぜひちょっと関心をやっぱり寄せていきたいなと思うんですね。
 例えばかえで通りの近くに、野崎なんですが、ちょっとした八百屋さんがございます。その八百屋さんが、私は本当、感心しているんですが、電話一本でですね、宅配をしていらっしゃるんですよ。それはなぜ電話一本で宅配するんですかっていうのを私、ばか正直に聞いたことがあるんですが、それはやっぱり買いに来たくても来れない方がいらっしゃるからだとおっしゃったんですね。そこはやっぱり1つのコミュニティができ上がっていると思うんですね。その八百屋さんに買いに行かれる方はまだいいです、体が元気ですからね。で、その方はその方で、実際に何時にあの方は来るんだけど、きょうは来ないねとか、そんな会話をしていらっしゃる。そういったことを、いろいろ現象を見ておりますとですね、やはり行動パターンというのをきっちり、やっぱり見ていく必要があるんだろうな。その行動パターンを見ていく中で、無縁の方が有縁状態にですね、入ってくるのはどういうきっかけがあり得るんだろうかというのを、私たちはやっぱり研究をしていかなきゃいけない時期に来ているんじゃないかなと思うんですね。
 そこで1つの例なんですが、やはりキーワードでですね、ぜひちょっと保育園を考えていただきたいと思うんですね。私は2人子どもがおります。それぞれ子どもが別々の保育園なんで、送り迎えは本当、大変な思いをするわけなんですが、保育園でですね、西部地区のとある保育園なんですが、おもしろいなと思うのは、けやき苑とですね、交流している保育園が現にあります。その保育園は、二中生も来るんですね。職場体験ということで来るわけですがね。また、西部地区のとある保育園は、地元の小学校の方が行ったり来たりということですね。
 おもしろいなと思うのは、そういう現象を見ていて改めて気づかされたんですが、それは、施設と施設の交流なんですよね。A保育園、B保育園という施設とですね、甲小学校、乙中学校という施設とですね、丙何々施設という高齢者施設とですね、つまり、施設の利用者と施設の利用者の交流が現にあるわけです。これは見ていて、子どもたちを、息子を見ていて、夕飯のときとか、そういう会話があるんですよね。ああ、こんな、何々のおじいちゃんたちの集まっているところへ行ったとかですね、そういう会話がある。こっちも話を聞きながら、ああ、よかったねなんて話をする。そこではっと気づかされたんですが、実はそこの施設に通ってない方が現に無縁個人なんですよね。そういう方々を、外出をしていただいてですね、その行き先はどこかといったら、私はここに異世代交流の発想があっていいのかなと思うんですよね。ですから、これは御提案も兼ねてなんですが、ぜひ保育園というのをある意味核にできないだろうか。実際に保育園を核にした場合、どういうことが考えられるかというとですね、ここから先は民生委員さんの御活躍になろうかと思うんですが、ないものを今つくろうとすると、これはやっぱり膨大な労力がかかるわけでございまして、そう考えていくと、実際に無縁であろう方々が、何をしたがっているのかということに考えていった場合ですね、さきの保育園とここでつながってくるわけなんですが、私の取材レベルなんで、しょせん一無所属人なんで限界はあろうかと思うんですが、伺っている話でなるほどなと思ったのはですね、お話をしたいんですよ。そういう高齢者の方はですね、とにかくお話をしたい。
 実際私がお邪魔して中に入っていったら、やっぱり、まあ、お茶でもどうぞということで20分、30分になっちゃうわけですね。あるとき、ちょっとある方のところに息子を連れていく用事がありまして、話をしたら、まあ、もうとにかく盛り上がるわけですね。そういうことを考えていくと、今、るる申し上げましたが、コミュニティ創生というキーワードを今後深めていくときに、ぜひ地域単位で、保育園を核として無縁個人の方である方々をですね、集めることってできないもんなんでしょうか。実際に施設と施設の交互の交流はあるんだけれども、例えばおひとり暮らしの方がですね、何人か集まってですね、サークルみたいなのでもいいかなと思うんですが、例えば地域のお住まいの保育園のところに遊びに行ってですね、交流をするというようなことが1つ入り口としてあってもいいのかなと思うんですよね。子ども政策部長、いかがでしょうか。実際にそういう事例が現にあるというんだったら、話は別なんですが、お考えをお聞かせいただければと思うんですが。市長でももちろんいいです。


◯市長(清原慶子さん)  市長でもと言われましたけど、市長に対する質問だと思っておりまして、大変僣越なんですけど、質問議員さんが言われた例示、ほとんど三鷹市でさせていただいております。最近取材されたので新鮮に感じられたんだと思うんですが、地域ケアネットワークの重要な取り組みの中に傾聴ボランティアというのがございます。人の話を聞くというのは、市長も議員さんも本当は養成講座を受けた方がいいかもしれませんが、なかなかこれ、難しいことで、話すことも難しいですが、聞くことも大変ですよね。それを民生委員・児童委員の皆さんや、あるいはほのぼのネットの皆さんや、地域のボランティアの皆様が講習会を受けていただきまして、身につけて家庭を訪問したり、施設を訪問したりしています。先ほどおっしゃいましたように、おひとり暮らしの方は、お話をしたいし、聞いていただきたいというニーズにかなうための取り組みを、もう重ねております。100人以上の傾聴ボランティアの方が取り組んでくださっています。そして、御用聞きっていうのは、これはもう昔ながらの取り組みでございまして、宅配の八百屋さんに感動されたようですが、もともとはそういうものでございました。私たちは、介護保険で、デイケアの取り組みでやはり集まっていただく。あるいは東京弘済園でおひさま保育園を誘致していただいたのも、高齢者と子どもたちとの出会いが、質問議員さん御指摘のように異世代交流で有効だと考えているからです。
 保育園でも、もちろんさまざまな取り組みをし、多くの保育園が高齢者施設と連携していますが、おっしゃいましたように施設と施設ではなくて、個人とどう結びつくかということについては、今申し上げておりますようなコミュニティ創生の中の1つの中核的な取り組みであります地域ケアネットワークの中で、そのような観点でですね、取り組んでおりまして、各地域ケアネットのサロンなどは、まさにおひとり暮らしの方を地域の方がお連れになって一緒に語り合うような場をですね、紡ぎつつありますので、私としては、ぜひ、質問議員さんのような世代がこうしたことに注目するというのは大変重要なことだと思いますし、三鷹市もやっていることに誇りを持ってですね、これからも健康福祉部も、そして子ども政策部も、そして、教育委員会でもいろんな取り組みをしてくれていますので、それを進めていきたいと考えます。


◯17番(半田伸明君)  保育園の現場で、そういう地域の独居高齢の方がですね、例えば紙芝居でも絵本読みでもいいですが、実際の地域の保育園に行って交流するっていう機会は、その場所が保育園であると。つまり、出かけるわけですね。そういった事例は現実はあるんでしょうか。


◯子ども政策部長(酒井利高君)  保育園と近所のですね、高齢者との交流ということにつきましては、先ほど議員さんもおっしゃいましたけれども、施設と施設の関係がメーンでございますけれども、例えば西部地域であればですね、野崎保育園とけやき苑の関係でありますとかですね、そういったことがあります。さらには、最近ではですね、地域ケアネットワークの取り組みとしてですね、あとは地域のほのぼのネットですね、その関係でですね、例えば西野保育園と地域ケアネットワークのですね、参加をされているお年寄りの関係者がですね、交流をすると。で、古い遊びで遊ぶとかね、そういうことも単発ではありますけれども、新しい試みは今出てきておりますので、そういった意味ではですね、保育園だけではなくて、その地域のですね、いろんな社会資源がですね、うまく連携をし合って、そしてそこに住んでいるいろんな方たちがですね、相互に交流し合ってですね、そういう無縁ではない交流をですね、つくり上げていくということが必要かというふうに思っております。


◯17番(半田伸明君)  実際に独居の方がですね、保育園に行ってお話しする機会というのは、実はないですよね。私、そこが何か突破できる壁がないかなって前から思っていて、今回、ちょっとコミュニティ創生に絡めてでですね、質問させていただいたんですが、実際に独居の方々が、市長がおっしゃられた傾聴ボランティアの話も、地域ケアのことも、それは当然そうなんですが、まず、家を一たん出る。で、その外出先を、どこを選定するかということを考えていった場合に、いろんなキーワードが出てくるのかなというのは、ちょっとぜひ今後研究していくべきなのかなとは思います。
 最後に、大沢一丁目のある方をちょっと御紹介いたします。大沢台小学校から帰ってくるお子さんとあいさつをするために、わざわざ午後2時、道端に出る。その方は、残念なことにそれしか会話がない。じゃあ、地域の保育園云々って、当然、話も聞いたことないし、一人で行くかといったら、それは、一人で今から電話して、今から行きますよって、そんなわけにはいかない。80代のおばあちゃんの方です。そういう話を聞いていますと、やっぱりセッティングってあっていいのかなとは思いますし、あと、いかにしてそういう方が外出をする環境を整えていくか、外出するというのは、あくまで目的地があるから外出するわけですから、楽しみがある、あそこに行けば子どもたちに会えるとかですね。ぜひそういったのを、コミュニティ創生とおっしゃるのであれば、ぜひ今後、新しい研究としてやっていただければと思います。
 長くなりましたが、以上で質問を終わります。


◯議長(田中順子さん)  以上で半田伸明さんの質問を終わります。
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◯議長(田中順子さん)  次の通告者、16番 野村羊子さん、登壇願います。
               〔16番 野村羊子さん 登壇〕


◯16番(野村羊子さん)  それでは、先例と御要望に従って、さきに提出いたしました原稿に沿って登壇での質問にさせていただきます。
 さて、今回の私の質問は、市民生活に展望の開けるまちづくりについて、大きな項目2点についてお伺いします。
 まずは、三鷹市における空き家の現状についてです。
 危険老朽空き家の現状について、あるいはその今後の課題について。
 三鷹市は、戦前戦後を通して住民が住み暮らすまちとして発展してきました。住宅は財産として親から子へ引き継がれるものでした。しかし、戦後に新たに建てられた家々の多くは、新たに核家族を形成した世代によるものです。その子ども世代は親と同居することなく、別な場所に新たな居を構えることが多くなりました。もちろん二世帯住宅に建てかえるなどして同居している住宅もありますが、比率としては多くはないのではないでしょうか。結果的に高度経済成長期に建てられた住宅の所有者が高齢となってきている中で、入院や施設入所、あるいは子ども世帯宅への転居などによって、その住宅が空き家となり始めています。今後は、世代間継承がスムーズにいかずに空き家となる、さらに長期間放置によって倒壊のおそれがある危険老朽空き家が増加する可能性が高まっていると言えるのではないでしょうか。総務省の2008年住宅・土地統計調査によれば、空き家率は関東、中京、近畿の3大都市圏が12.1%です。さらに高齢単身世帯は414万世帯となり、前回2003年に比べて76万世帯、22.4%の増加と、過去最高ということです。しかも、65歳以上の高齢単身者の54%が一戸建ての持ち家に暮らしているという追加集計の結果も公表されています。
 このような中、三鷹市内の空き家について、現状はどうなっているのでしょうか。近隣からの苦情や適正な管理についての問い合わせがここ数年でふえていると伺いました。先日いただいた数字では、2009年度に21件、2010年度には20件の情報が寄せられたということです。この市内の空き家の現状についてどのように認識し、分析しているのでしょうか。また、高齢者がひとり暮らしをしている戸建て住宅がふえているということは、今後10年のうちに大きな課題となってくると考えます。空き家対策について、特に危険老朽空き家についての現状認識と課題をどうとらえるかについて、市長の見解をお伺いします。また、この間実施してきたまち歩き・ワークショップの中では、この問題については課題として上げられたのか。もし上げられているのでしたら、どのような対応策が検討されたのかもあわせてお伺いします。
 危険老朽空き家を未然防止するための今後の施策についてお伺いします。
 家は人が住まなければ荒れるのが早いと言われています。空き家となった住宅では、庭木が生い茂る、塀や家屋が崩れるといった実質的な近隣への被害を初め、防犯・防火の観点、景観の観点からも、まちづくりを進める上で今後さらに大きな課題となっています。中でも早急な対処を求められるのが、長時間放置され、倒壊などの危険性がある危険老朽空き家です。近隣からさまざまな苦情や情報を寄せられたとしても、個人所有の家屋に対しては、所有者に問い合わせ、対処をお願いするほかにすべがないのが現状です。しかし、そのまま倒壊するに任せてはいられないと、幾つかの自治体では危険老朽空き家対策事業を展開しています。これらの先行事例について、三鷹市ではどのような研究・検証をしているのでしょうか、まずはお伺いします。その上で、三鷹市としては危険老朽空き家の発生原因をどのように分析し、どのような課題と位置づけているのか、今後の対応策をどう検討していこうとしているのか、その方向性について市長の見解をお伺いします。
 現在、市内に危険老朽空き家と言える事例はごくわずかと伺っています。しかし、三鷹市においても高齢単身世帯がふえており、今後、世代間継承がスムーズにいかなければ空き家が発生し、場合によっては長時間放置され、老朽化していく可能性がある。いいえ、今後は確実に増加すると推測できるわけですから、問題発生は未然に防ぐ施策を、今、長期展望の中で検討していく必要があるのではないでしょうか。せっかくの資産である住宅を倒壊させてしまう前に、住宅を活用する方向を模索することが空き家を防ぐ対策ではないかと考えます。優良な住宅に対しては、武蔵野市福祉公社が始めた土地家屋を担保に生活資金を貸し出し、利用者が死亡後にそれを売却するなどして債権を回収するというリバースモーゲージの手法がまず考えられます。現在、幾つかの民間金融機関でも実施をしています。三鷹市のような資産価値の高い都市部においては、利用価値のあるものではないでしょうか。住宅改修の費用の融資が可能な場合もありますので、良好な状態のまま住宅が維持され、その後は不動産業者を通じて中古市場に出てくる、資産として活用されていくと考えられます。
 また、リバースモーゲージの低所得者向けとして厚生労働省が実施している生活福祉資金の長期生活支援資金制度があります。居住している自宅を担保として、推定相続人が保証人となり、利用者の死亡後に売却などをして融資された資金を返済するものです。空き家にしない、住みなれた地域で住み続けていただくという点では、もっと活用されていいものではないでしょうか。このリバースモーゲージ、あるいは長期生活支援資金の手法についての展望と課題について、市はどのように認識しているのかお伺いします。
 居住している高齢者が、住宅の維持管理が大変、常に見守りが必要な状態になったなどという理由でそこに住み続けられないと判断された場合、どうなるでしょうか。高齢者住宅や施設などに住みかえられた場合、売却か空き家かというのが今までの状態でした。住宅を住宅として利用する、すなわち貸し家として活用するという手法があります。定期借家制度、定期建物賃貸借の活用が考えられないでしょうか。一度決めた契約期間は延長がない、更新しないことを前提とする借家制度です。また、一般社団法人移住・住みかえ支援機構(JTI)のマイホーム借上げ制度の利用が考えられます。JTIの仲介で空き家を転貸する制度で、子育て世代の戸建て住宅へのニーズにこたえながら、国庫補助をもとに貸し手に家賃収入を保障するものです。このようなさまざまな制度の利活用を進めながら、三鷹市の良好な住宅環境を維持し、住民が展望を持って暮らせる空き家対策、特に危険老朽空き家を発生させない施策を展開することについての市長の見解をお伺いいたします。
 次に、子育て支援策について質問いたします。さきの質問議員さんと重なる部分が一部ありますけれども、別の観点からの質問として答弁をお願いいたします。
 子ども・子育て新システムのとらえ方について、すべての子どもに対する子育て支援についての公の責任のあり方についてお伺いします。
 政府は、昨年6月に子ども・子育て新システムの基本制度案要綱を発表し、十分な国民的議論もない中、それに基づいた関連法案を2011年に成立させようとしています。この子ども・子育て新システム(以下「新システム」)では、「すべての子どもへの良質な成育環境を保障し、子どもを大切にする社会」、「出産・子育て・就労の希望がかなう社会」、「仕事と家庭の両立支援で、充実した生活ができる社会」、「新しい雇用の創出と、女性の就業促進で活力ある社会」の実現を目指すとしています。この目的に賛同するものですが、過去、介護の社会化という理念を掲げ、結果的には介護者や介護サービス提供者に過大な負担を負わせ、国民の期待を裏切っている介護保険制度の現状を考えたとき、新システムによる制度設計案では同様のことが起きるのではないかという不安に駆られます。なぜなら、すべての子どもに対する子育て支援を一体だれが責任を持って行うのか、それは公の責任であるはずなのに、それが明確に見えません。何よりも子どもの最善の利益を図り、子どもの権利を保障するための子どもの成長発達を保障する環境整備であるべきなのに、子どもの権利には一言も触れられていません。国が、公が責任を持って、すなわち財源を確保して、子どもたちの成長発達する権利を保障する、それが児童福祉の基本であり、社会保障ではないでしょうか。
 新システムの制度設計についても幾つもの問題があります。市町村は保育の必要性を認定するだけなので、必要な保育を保障されがたい環境にいる子どもたちに本当に良質の保育が保障されるのか、その担保がありません。国の最低基準、ナショナルミニマムを廃止することによって、また、利用時間によって負担が生じる応益負担と上乗せ徴収によって、国、公がどの子へも等しく保障すべき保育環境に格差が生じます。子どもの貧困に対する早期支援、貧困予防の視点が全く抜け落ちています。子どもの育ちは、保護者の経済力と自己責任というのでは、子も親もどちらの人権も守られない状況が生じてしまいそうです。保育事業への株式会社の算入に非を唱えるものではありませんが、補助金で運営される保育事業の収益を他の事業に振りかえることは、支出された目的外に税金を使用することになり、大変問題だと感じます。また、突然倒産した事例が過去にありましたが、そのような事態への対応策が検討されているようにも思えません。福祉サービスはそれを担う人によって、その質を維持されるものです。点数制の介護保険、あるいは利用時間でカウントされる障害者自立支援法、どちらの制度も施設の運営が厳しくなり、非正規、ワーキングプアを生み出し、経験の蓄積による専門性の向上などが困難になっています。保育園でも保育士という専門家による親の支援、ともに育つ親と子と保育士のコミュニティが破壊され、孤立した親を支援し切れなくなるのではないかという事態が予想されます。しかし、改革は待ったなしで進むようです。今後の国の動向に留意しつつも、直接の子どもたちの生育環境を担う立場であり、新システムでは直接の実施主体と位置づけられている地方自治体としてどのようにとらえているのか。先ほど基本的な認識の御答弁がありましたが、特に公の責任のあり方について市長の見解をお伺いします。
 次に、子育てにおいて公が担う責任と、公立保育園のあり方についてお伺いします。
 保育を必要とする子どもと支援を必要とする親とを支援するあり方について。
 現代の子育て環境において、すべての子どもに質の高い幼児教育・保育を提供するには、保育を必要とする子どもへの直接の支援と同時に、支援を必要とする親へのサービスが必要となっています。働いている親へは、子どもの良質な保育の提供それ自体が支援であるわけですが、親同士の仲間関係、保育士と親と子がともに育ち合う関係をはぐくみ、生活全般、親子が生きることへの支援もともに提供してきた歴史が保育園にはあります。また、在宅での子育て支援は、子育ての知識や技術の伝達と同時に、孤立しがちな親を地域に引っ張り出し、仲間関係と専門家のアドバイスによって生きることの支援をするものです。虐待や傷害を未然に防ぐ意味合いからも、すべての子どもと親へのかかわりが必要です。
 子どもはすべて質の高い保育を必要としています。今後も保育施設や子育て支援施設がネットワークを組み支援していく体制を強化する必要があります。現在、三鷹市では常設の親子ひろば事業や出前事業、インターネットの相談コーナーなどさまざまな工夫を凝らし、すべての子どもを地域で支える子ども支援と子育て支援を実施していると思います。現在の子育て支援のあり方と今後の方向性について市長の見解をお伺いします。
 次に、子育て支援センターのサテライトとしての公立保育園の活用についてお伺いします。
 三鷹市は、子育て支援ビジョンで、公設公営保育所のあり方として施設保育機能を果たし、地域の子育て拠点としての役割を強化していくとしています。既にあちこちの保育園で園庭の地域開放あるいは子育てインフォメーションなど、地域に開かれた事業を日常の保育とあわせて展開しています。この保育園の子育て支援機能をさらに強化し、子どもと親双方への子育てと生きることを支援する場として位置づけることを提案していきたいと思います。例えばバギーを押して出かけられる距離、中学校区に1つの拠点保育園を指定し、スクールソーシャルワーカーの保育・幼稚園版、子育て支援専門員というような位置づけのワーカーを配置する。さまざまな事業で気軽に保育園に足を運んでもらい、その地域の就学前の子どもたちにかかわる相談などを、まずは地域の拠点保育園で受けとめていく。必要であれば保健センターや子ども家庭支援センターにつなぎ、連携して支えていく。保育、子育てのプロである保育士の力を生かし、保育園をすべての子どもたちの良質な保育の提供の場にしていく。それが今後の子育て支援の充実につながると思います。公立保育園の活用のあり方について市長の見解をお伺いします。
 以上で壇上での質問を終わります。自席での再質問を留保いたします。御答弁よろしくお願いいたします。
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◯議長(田中順子さん)  野村羊子さんの質問の途中でございますが、この際、しばらく休憩をいたします。
               午後4時56分 休憩



               午後5時10分 再開
◯議長(田中順子さん)  休憩前に引き続き、会議を再開いたします。
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◯議長(田中順子さん)  市政に関する一般質問を続けます。
 野村羊子さんの質問に対する市側の答弁をお願いいたします。
                〔市長 清原慶子さん 登壇〕


◯市長(清原慶子さん)  まず1点目、危険老朽空き家に関する御質問に一括して答弁をいたします。
 危険老朽空き家の存在は、三鷹市における総住宅数が世帯数を上回っていることから、その存在が推測できます。国土交通省が行いました平成21年度空家実態調査の東京都内区部及び市部の抽出調査結果によりますと、空き家化の原因として、賃借人などの入居者が退去したが59.45%と最も多く、次いで別の住居へ転居したとの回答が32.2%を占めています。また、近県の自治体の実態調査では、自己居住用の物件については、高齢な居住者の死亡、高齢な居住者の施設等への入居、賃借用の物件については、家屋の老朽化や利便性の低さなどから借り手の需要がないといったものが挙げられています。
 危険老朽空き家については、近隣の住民の皆様などから、市の窓口、例えば安全安心課、防災課、環境対策課、道路交通課などに情報や苦情が寄せられることによりまして、その存在を認識しています。通報を受けた際の市の対応といたしましては、まず何よりも現地調査を行い、状況を把握いたします。その後に建物所有者の調査を行いまして、所有者への訪問や文書による通知によって危険性を認識していただいています。そして適正な管理をお願いしているところです。所有者等が不明で連絡がとれない場合、また、権利関係が複雑で所有者等において処理を拒否するような場合にあっては、市の関係部課はもとより、消防署や警察署としっかり連携を図りながら、緊急、応急的な措置といたしまして、危険部分を除去したり、養生したり、道路通行者への安全対策や危険周知を行った事例もございます。
 総合的にこうした老朽危険な空き家に対しての課題ですが、国土交通省から平成21年7月に公表されました土地政策の中長期ビジョンにおいては、次のように報告がなされています。すなわち少子高齢化や人口減少、核家族化等に伴い全国的な課題として空き地や空き家の管理等の問題が外部不経済化を招いているということです。また、この報告書では、行政がどこまでかかわるべきか明らかでないなど、対応に苦慮している状況であるため、自治体が円滑かつ実効的に対応できる方策を検討することが課題として位置づけられております。このように国の検討においても、問題の所在は認識されつつ、それをどのようにですね、解決していったらいいかということについては、まだ明確な方向性が示されていないことになります。
 御提案いただきました定期借家制度、マイホーム借上げ制度以外にも、NPO主体で始まったコレクティブハウスやケアハウスといった仕組みで、高齢者を孤立させない家づくりやアパートの活用の例があります。いずれの例も住宅が空き家にならないためというよりも、高齢者が展望を持って暮らせるように高齢者福祉の視点からの住宅施策の位置づけと受けとめております。住宅をお持ちの方は、住み続けられる工夫を、お持ちでない方には高齢者住宅を確保するというサービスはもちろん重要です。今後、国土交通省や厚生労働省といった省ごとの行政の枠を超えた高齢者のための住宅政策のあり方というのは、基礎自治体としても重要でございますが、改めて国や東京都の取り組みを注視しながら検討を求められていると思っています。
 続きまして、大きな2点目、子ども・子育て新システムについての御質問にお答えいたします。
 子ども・子育て新システムにおいては、市町村はその実施主体として事業計画を策定するとともに、子ども・子育て支援が必要な子どもに対してサービスや給付の水準を保障し、必要なサービスが確実に利用できるよう支援するということになると受けとめております。現在、子ども・子育て新システム検討会議の作業グループの議論の中でも、市町村が新システムの実施主体として、市民の皆様、住民の皆様に対して、地域の実情に応じて子ども・子育て支援のサービス給付の提供を確保する責務を負うことが法律上明記されることになるようです。法律上明記していただくことは一向に構わないんですけれども、その責任を果たせるような裏づけの財源が見えません。これが、私たち基礎自治体の立場では最も大きな課題となっています。
 とかくですね、市長会代表や町村会代表が財源保障がないないと言いますと、何か国にお金がないので、それを保障せよと、お金のことばっかりを言っているみたいに受けとめられるんですが、このごろ違ってまいりました。各委員の皆様も、市町村が現場で一番実施主体として責任をとるのであるから、しっかりとした財源の保障をしなければいけませんねと、市長会代表及び町村会代表以外の委員の皆様が発言をしていただけるようになってまいりました。私は、国が全国一律の最低基準、ナショナルミニマム、私はあえてチャイルドミニマムと言っていますが、それを確保した上で、こども園(仮称)において幼保一体給付として、必要とする子どもに質の高い幼児教育と保育を保障することが求められていると思います。その際には、保育需要が供給を上回る場合、必要に応じてあっせんしたり、特にひとり親家庭の子どもや虐待事例の子どもなどが優先的に利用を確保されなければならないというふうに考えています。また、障がいのある子どもについても受け入れ可能な施設をあっせんするなどの役割が市町村に求められているわけですが、このあり方が重要です。それが実現できるような仕組みにならなければなりません。また、利用者負担とその価格設定についても、公定価格を基本として付加的な自由価格の設定が一定限度抑える仕組みにならなければなりませんが、このあたりがまだ議論が不十分なところがあります。私は特に低所得者に対しては、その保障が求められていますし、すべての子どもに幼児教育や保育を受ける機会を保障する観点から、国によりどこの地域で保育や幼児教育のサービスを受けようと、共通に保障されなければならないと考えています。
 新システム導入によるサービスの量の確保のためには、実際的には多様な経営主体の参入によるサービス基盤の整備が避けられないところです。その際にも、国が全国一律の最低基準を設定するなどしてサービスの質の確保をしなければならないと考えています。三鷹市は平成21年3月に策定された三鷹市子育て支援ビジョンとその具体化を図るために、平成22年3月に策定した三鷹市次世代育成支援行動計画(後期計画)において、施設保育や在宅子育てを含むすべての子どもと子育て家庭を多様な主体の参画と協働によって支援する体制を整備していくという方向性を示しています。
 三鷹市においては、その中での公の役割、公がすべてを直接整備・運営をしていくことから、多様な主体の参画と協働をコーディネートする役割も強まっていると認識しています。これが新システムを導入する際の基本的なスタンスとしては重なり合う点だと考えています。
 そこで、改めて子育てにおいて公が担う責任、公立保育園のあり方について御質問いただきました。
 新システムにおいては、保育の対象が現在の児童福祉法における保育に欠ける児童から積極的に保育を必要とする子どもに拡充される方向性です。新システムは保育サービスの量的拡大とともに、家庭における養育支援の充実も目的として明確に位置づけられることになります。現状の保育においても、平成21年4月1日に施行された新保育所保育指針の中で、保育所における保護者の支援について保育士の業務として明記されました。また、独立した章を設けて保護者に対する支援の事項が明確にされております。引き続き、三鷹市においても保護者支援の取り組みを、保育所の特性や地域の資源を生かして、子どもの成長の喜びを共有する方向で保護者の養育力向上に努めていかなければならないと考えています。
 そこで、公立保育園の位置づけについても再度御質問いただきました。
 三鷹市は昭和63年度から全国に先駆けまして、市立保育所を地域における子育て拠点として、保育所の保育を初めとする栄養、保健など専門的な機能を生かした地域開放事業を推進してきました。また、市内2カ所にあります子ども家庭支援センターの親子ひろば事業を充実させるとともに、子ども家庭支援センターから遠い地域のコミュニティ・センター5カ所に、月2回ずつ、地域内における公立保育所等の保育士、栄養士、保健師が出向いております。また、助産師会の協力も得て、出前型の親子ひろば事業を実施しています。三鷹市では、質問議員さんが指摘されるまでもなく、子ども家庭支援センターを中心とした三鷹市子ども家庭支援ネットワークによる総合的な子育て支援サービスを推進しています。それを堅持するようにという観点からの御質問だと受けとめております。
 三鷹市の公立保育園は、一貫して市民の皆様の子育て世帯を支えてまいりました。今後も引き続き、公立保育所の地域における子育て支援の拠点としての役割を果たしていきたいと考えていますし、そのことをしっかりとビジョンや計画でも示していると思います。なお、そうは申しましても、子ども・子育て新システムの中で、こども園ということで将来的に収れんすることがうたわれております。その中で公立の果たす役割と責務について、さきの質問議員さんにもお答えしましたが、一貫として三鷹市の現場の声をきちんと国に上げ、反映を求めていきたいと考えております。
 私からは以上です。その他について担当より補足をいたさせます。


◯健康福祉部長(城所吉次君)  それでは、市長の答弁に補足いたします。
 リバースモーゲージについての御質問がございました。この制度につきましては、一般的にはですね、御質問者からもございましたが、自宅に住み続けながら、自宅を担保にして生活資金を融資すると、そうした制度でございます。そして、死後にその担保物件を処分して清算をするということでありまして、公的な事業のほかにですね、現在、民間銀行なども取り組んでいるというものでございます。私どもの方からは、このうち公的な事業であります長期生活支援資金貸付制度についてですね、申し上げます。
 この事業は、東京都の社会福祉協議会が実施主体となりまして、三鷹市の社会福祉協議会が窓口を行っているというものでございますけれども、この制度ではその対象を低所得の65歳以上の高齢者世帯と定めまして、公的な福祉制度として運営を行っているところでございます。
 この制度は、住みなれた地域におきまして、隣近所などの地域とのかかわりを保ちながらですね、あるいは必要な在宅サービスを受けながら安心して暮らし続けていくことができると。こうしたことを経済的に支える地域福祉の推進にとっても有効なものというふうに私どもは考えているところでございます。ただ、先行してですね、市ないし、あるいは市の公社等の単独で始めたところではですね、貸付限度額の決定に当たりまして、その当時、貸付時の資産評価、例えばその資産評価の7割程度でですね、貸付限度額を一定のリスクを見ながら決めていたわけですが、その資産評価が土地の下落で大幅に下がっていると。あるいは貸付期間につきましても、貸付当時の平均寿命を基本にですね、決めているということですが、長寿化が進行してきたこと、こうしたことからですね、結果といたしまして、担保割れといいますか、資産よりも貸付限度額の方が上回るような現象が生じているということで、運営に苦慮されているところがあるというふうに聞いているところでございます。


◯都市整備部長・調整担当部長(大石田久宗君)  まち歩き・ワークショップの中で、空き家の課題はどうだったかというお尋ねにお答えいたします。
 アイデアシートが数枚出ておりまして、いずれも防災の側面でございまして、今後ですね、その内容をですね、課題を整理した上で必要な対応策を考えてまいりたいと思っています。


◯16番(野村羊子さん)  御答弁ありがとうございました。まず最初に、じゃあ、空き家対策についてちょっともう一回質問したいと思います。
 1つは、三鷹では、だから、まだ本当にどうにかしなくてはいけないという差し迫った問題ではなくて、でも、まちの中を歩くとやっぱり目につくものも中にはあるというふうな実態だと思うんです。それこそ長崎市ではね、5年間で1億円近い予算を確保して、空き家を所有者から市に対して寄附をいただき、その倒壊しかける危険な老朽空き家を除去するというふうな、そういう事業をしていますけども、これ4年間で208件の申し込みがあって、28件除去したというふうな話で、引き続き、これ、社会資本整備交付金を使うということで、次の5年間延長するみたいな話になっているようです。長崎は長崎の歴史があって、こういうことをなさっていると思います。三鷹は三鷹の歴史があって、逆に言えば、こういうことをしなくてもいいようなことを今考える、今ちょうどそういう時期だと思うんです。これから10年、20年に向かって放置したらこういうことをしなくちゃいけないことが起こるかもしれない。だからこそ未然に今考えるというふうなことが大事なのではないかと思います。それについて、そもそもこれから先の10年を考えるまち歩きなのでね、どのようなことがあったのかというふうなことをお伺いしましたけども、このことを、まだ目につかない段階で、先を見てしっかりと検討していく必要があるのではないかと思いますが、この件についてもう一度お伺いしたい。
 それと、マイホーム借上げ制度とか、そういうようなことについてね、例えば宝塚市では、一般財団移住・すみかえ支援機構と連携して相談窓口をホームページ上で紹介をして、そこからそこのホームページへ飛べるようにするとかという形で積極的に紹介していく。もちろん全体の空き家対策というのはそこもやっていて、やはり大きな住宅があいているというのをどうやって使おうかということをいろいろやっているわけですけれども、その中の1つとして、こういうものを使ったらどうでしょうかという情報提供を積極的にしているというふうなことがあります。そういうことについてもね、三鷹市としては考えて提供していく。もっと情報をね、皆さんに提供して、だから、未然にどうやって防いでいくのかというようなことを、まず最初は個人の方の、所有者の方の努力というのが必要なわけだけれども、それを支援するためのさまざまな情報提供ということも必要ではないかと思うんですが、そのことについて今後どう考えていくのかということをお伺いしたいと思います。お願いします。


◯市長(清原慶子さん)  先ほど御紹介しました国土審議会の土地政策分科会企画部会の報告書でもですね、この不在の老朽化による外部不経済について指摘されています。これは、未然に防ぐという意味では、国の政策としても、これはかなり地域を超えた普遍的な課題になるということを認識しての位置づけがなされていると思います。ただ問題は、その検討では、じゃあ、自治体がどうできるか、行政がどうするかということについては問題の羅列に終わっておりまして、具体的な対策が示されていないんですね。三鷹市の事例では、数は少なくても、我が市の職員はとにかく現場主義、そして、とにかく近隣の皆様が不安感を持たれるわけですから、場合によってはその古い家が、管理が行き届かなかったら、所有者でない方が住まうということも起こりますし、また、老朽化によって倒壊であるとか、あるいは火災を誘発するようなことがあってはいけませんから、先ほど紹介しましたように、防災課、安全安心課、それから、まちづくり推進課等がですね、道路交通課も含めて現場に行って、場合によっては警察、消防と対応しているのが現状です。現状で所有者がですね、不明確である場合には、このようなリバースモーゲージが例えばありますよというようなこともお知らせすることができない。これは国家的に私は大きな課題になっていると思います。私たちも、所有者がはっきりしないときに、どのぐらい市として行動ができるのかということについては、法的なですね、担保がなければ、基礎自治体であっても、公の立場でそこの民地に入ることすら難しいのが現状です。
 したがいまして、質問議員さんは、未然に防ぐというふうにおっしゃって、それはもう国家的課題としてですね、共通認識されていると思いますし、私としても、三鷹市の取り組みにとどまらずですね、大変重要な課題ですし、不動産の適正管理ということは国家的課題だと思っておりますので、ぜひ、三鷹市ではできる限りの法的に支障のない取り組みはいたしますけれども、あわせてですね、国等の取り組みについて、さらにスピードアップをして、少なくとも地域の私たちが何か未然に防ぐためのことをしていただけるような法的なですね、担保を得なければならないなと思っているところです。


◯16番(野村羊子さん)  ありがとうございます。本当にそういうことだというふうに思いますので、また国の方に対しても言っていただきたいですし、市の方でもいろんな課が対応するということで、情報集積をお互いにし合って、情報交換をして、今後について準備をしていっていただければと思います。
 そうしたら、保育園についてちょっともう一回お伺いします。
 保育園は本当に市長の答弁、大変心強く感じたことがいっぱいあって、三鷹の保育園、すごく頑張っているということも私もわかった上で、だからこそこのシステム、大きな制度変更に当たって、いかに今、三鷹にある保育園のよさをしっかりと堅持していくのかというふうなことを、やっぱり確認したいというふうな思いで質問させていただきました。
 よく言われているのが、公立保育園は高いからね、民間の参入がコストダウンが図れるからというふうな言い方をしますけれども、私は、やはりそれは、専門家として人がいるということが大変重要だというふうに思っていて、そのことは、逆に言えば公の強みであるというふうに思っています。例えば、なぜ人件費が違うのかというと、公の保育園は基本的に平均年齢が40歳だっていう話があります。私立は20歳代、二十何歳というところで、そうすると蓄積した経験が違うわけだし、それに伴って払われる給料が変わってくるから金額が変わってくる。でも、それは、逆に言えば公の保育園の強みであり、そのことを、だから、地域にしっかり出して見せているんだということをね、もちろんわかっていて聞いていますけれども、今後もそれをしっかりと維持していただきたいということで、プロとしての技術とか知識をしっかり継承していけるような人事構成というのをこのまま続けていっていただきたいと思うんですが、もしできたら、それについて御答弁をお願いできますでしょうか。お願いします。


◯子ども政策部長(酒井利高君)  公立保育園の保育士のですね、年齢構成とか経験の関係ですけれども、今後との、再生産との関係ではですね、ちょうど三鷹の場合は、昭和50年代のですね、前半期にですね、今の公立直営保育園の約半数がですね、昭和50年から55年の間にできているという関係もございます。そういった中でですね、現在の職員のですね、年齢構成ですが、大体10歳刻みでいきますとですね、20代から50代までが大体バランスよく今、配置がされているという現状がございます。そういった中でですね、言ってみればベテランと中堅と若手がですね、うまくミックスをされながら保育を実施できる体制がですね、総体的には確立はされているというふうに思っております。その意味では、新保育所指針でもですね、保護者支援というのがですね、大きなテーマとしても入ってきておりますから、そういう意味ではですね、いろんな経験をですね、社会経験も含めてですね、経験を持った保育士がですね、そういったことにも当たれるというのは、よりですね、親御さんから見ても安心したですね、環境と相談ができると。そういった意味ではそういったところも含めてですね、三鷹の場合はいろんな事業主体がですね、うまくかみ合いながらやっていきたいというふうに思っています。
 以上です。


◯16番(野村羊子さん)  ありがとうございました。私自身も20代で福祉施設におりましたけども、その施設も割と交代が早くて、20半ば、3年目、4年目でもうリーダーをやらなくてはいけないというふうな事態になって、保護者との対応で大変苦慮した記憶があります。やはり経験のある方がしっかりといて、だからこそ地域にいるすべての子育てを支援できるのだというふうに私は思っていますし、三鷹市もそのように、今の答弁でね、思っているというふうなことは大変心強く思いますので、これからもそのようなことでやっていっていただきたいと思います。ありがとうございました。


◯議長(田中順子さん)  以上で野村羊子さんの質問を終わります。
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◯議長(田中順子さん)  次の通告者、嶋崎英治さん、登壇願います。
                〔15番 嶋崎英治君 登壇〕


◯15番(嶋崎英治君)  最後の質問者、20番目になりました。お疲れのところ大変恐縮ですけれども、しばらくの間、よろしくお願いしたいと思います。
 今回は、地域社会を支える公共サービスの質の確保と環境政策についてというテーマで質問を通告させていただきました。
 (1)公契約の現状と課題について。
 総合評価方式を導入した成果と課題は何かについてお尋ねします。
 2005年4月に公共工事の品質確保の促進に関する法律が施行され、三鷹市においても公共工事の品質確保のための取り組みとして総合評価方式を試行導入しましたが、どのような成果と課題があるのでしょうか。
 人間らしい働き方の国際基準、ILO94号条約についての市長の見解をお伺いします。
 ILO94号条約について、私は、ILO(国際労働機関)は第一次世界大戦後のベルサイユ平和会議で1919年に発足しました。ILO憲章前文には、いずれかの国が人道的な労働条件を採用しないことは、自国における労働条件の改善を希望する他の国の障害となるから、とうたっています。1944年には第二次世界大戦終結をにらんで、労働者は商品ではないというフィラデルフィア宣言を発しています。ILO94号条約は、市民の税金をもととする公的事業で利益を得る企業は、労働者に人間らしい労働条件を保障すべきであり、発注者である国・自治体や公的機関はそれを確保するための責任を負っていると理解しています。本条約を日本政府が批准していないことは理解に苦しむところです。人間らしい働き方の国際基準であるILO94号条約について市長はどのような見解をお持ちか、お聞かせください。
 地域を不幸にしたダンピング競争入札、安いだけからの脱却について、どのような方策を立ててきたかお尋ねします。
 2001年東京都文書管理システムの入札で、日立製作所はたった750円で落札しました。東芝の入札価格は1億3,200万円でした。公正取引委員会は独占禁止法違反、不当廉売の疑いがあるとして文書警告をしました。当時はこうしたダンピングに対するすべがありませんでした。1999年12月、さいたま新都心に建設された国の合同庁舎のビル設備管理の入札で月額1万5,000円、清掃が2万5,000円で落札されました。公共工事では最低制限価格が設定されていましたが、サービス業務については設定されていませんでした。関東財務局も法的問題はないとしてきました。
 一方、良心的に最低制限価格を設定した大阪府立病院の清掃業務の入札は違法とされ、2000年大阪府高裁判決でも違法とされました。北海道新聞2002年6月22日付は、札幌市の市立病院では、1996年清掃業務委託費が2億円でした。以降、年々下がり続け、2002年には3分の1の6,700万円に下がりました。こうしたダンピング、不当廉売がパート労働賃金不払い、社会保険料の不払い、賃金切り下げを引き起こし、中には8時間労働でも生活保護を受けざるを得ない人が出始めた旨、報道しました。
 埼玉県ふじみ野市では、1,900万円だったプール管理委託費が1,100万円、40%減、2007年、小学2年生の死亡事故発生、港区営住宅エレベーターの管理を随意契約から競争入札に切りかわって競争入札が繰り返され、450万円の落札価格が約4分の1の120万円に急降下し、エレベーターに挟まれ死亡という事故が発生しました。ふじみ野市の場合、委託に出した市の担当課長と係長が刑事罰に問われ、有罪判決、失職。落札した会社は、経験のない高校生アルバイトが監視をしていたといいます。落札価格が下がり続け、受託した仕事をしっかり遂行できる労働者や技術者が雇えない契約金が実は重大な問題であり、自治体の責任も重大です。このようなダンピング入札は、地域社会を不幸にしたといっても過言ではないと思います。三鷹市はこうしたダンピング競争入札を防止するために、どのような対策を立ててきたか、お聞かせください。
 公共サービス基本法制定の意義について、市長の見解をお伺いします。
 2009年5月20日に公布された公共サービス基本法第1条は、この法律は、公共サービスが国民生活の基盤となるものであることにかんがみ、公共サービスに関し、基本理念を定め、及び国等の責務を明らかにするとともに、公共サービスに関する施策の基本となる事項を定めることにより、公共サービスに関する施策を推進し、もって国民が安心して暮らすことのできる社会の実現に寄与することを目的とすると定め、第3条で、公共サービスの実施並びに公共サービスに関する施策の策定及び実施(以下「公共サービスの実施等」という。)は、次に掲げる事項が公共サービスに関する国民の権利であることが尊重され、国民が健全な生活環境の中で日常生活及び社会生活を円滑に営むことができるようにすることを基本として、行わなければならないとし、安全かつ良質な公共サービスが、確実、効率的かつ適正に実施されることなど5項目を定め、それを理念とし、さらに国の責務、地方公共団体の責務、公共サービスの実施に従事する者の責務、公共サービスを委託した場合の役割分担と責任の明確化、国民の意見の反映等、公共サービスの実施に関する配慮、公共サービスの実施に従事する者の労働環境の整備について、11条にわたって定めています。公共サービス基本法の制定された意義について、市長の見解をお聞かせください。
 公契約条例の制定の動きについて、市長の見解をお伺いいたします。
 2008年6月、山形県公共調達基本条例の制定、2010年9月、野田市の条例制定、国分寺市の制定の動き、川崎市が労働者報酬の最低限を定め、違反が発覚した場合は指名停止措置をとるなどの内容で制定、本年4月施行、多摩市なども制定・施行の方向です。私は、公契約条例について一般質問を行い、提言してきました。こうした公契約条例の制定の動向について市長はどのような考えか、見解をお聞かせください。
 (2)臨時・非常勤職員等の現状と課題について。
 派遣切り、偽装派遣、生活保護水準にも満たないワーキングプアなど、非正規雇用労働者の問題が大きな社会問題になっています。非正規労働雇用者は日本の全雇用労働者の約3割、1,800万人を超え、こうした雇用破壊は格差、貧困社会を激化しています。全国の自治体職場でも正規職員の大幅な人員削減の過程で、現在、全職員の3割、約60万人を超える非正規職員が働いています。公共サービスの担い手としてなくてはならない働き手として存在し、その役割を発揮していながらも、不安定な雇用条件と低い賃金のまま放置され、官製ワーキングプアとの指摘がなされています。
 そこでお尋ねします。市長部局の臨時職員、嘱託職員の直近と5年前の人数と賃金総額は幾らか、またその差はどのようになっていますか。教育長部局の臨時職員、嘱託職員の直近と5年前の人数と賃金総額は幾らか、またその差はどのようになっていますか。嘱託職員(非常勤職員を含む)の期末手当についてお尋ねします。こうした職員に期末手当等を支給していますか。
 次に、30人学級実現に向けた課題と展望について、お尋ねいたします。
 30人学級の全国の実施状況について、教育長にお尋ねをいたします。
 全国で事実上30人学級を実現していないのは石原都政のみと言われていますが、全国の30人学級の実施状況をどのように把握しているでしょうか。本市において30人学級実施に要する財源はどのくらいになるでしょうか。また、低学年から実施した場合は財源はどのくらい必要になるでしょうか。
 次に、公共施設の電気代についてお尋ねいたします。
 年間支払い総額の過去5年間の推移はどのようになっているでしょうか。電気代を節約する方策をどのように実施してきたのでしょうか。環境学習として全小・中学校に緑のカーテンを設置するとどのような効果が期待できるでしょうか。今後の電気代削減の方策として、いかなることを検討しているのでしょうか。この件について、補正予算にかかわることを除いたところで答弁をしていただきたいと思います。
 次に、環境政策についてお尋ねいします。
 ごみ処理費用の過去5年間の推移をお尋ねします。そのうち収集・運搬にかかる費用はどのようになっているでしょうか。一般家庭系ごみの有料化で削減されたでしょうか。容器ごみの発生抑制と再使用の促進について、いかなる施策を実行してきたのでしょうか。市民センター周辺の落ち葉等の活用について、庁舎南側の林の落ち葉はどのように処理しているのでしょうか。
 以上が壇上での質問になります。答弁によりましては自席での再質問を留保させていただきたいと思います。どうぞよろしく御答弁のほどお願いいたします。
                〔市長 清原慶子さん 登壇〕


◯市長(清原慶子さん)  それでは、初めに総合評価方式についてお答えします。
 今年度、第五中学校体育館建てかえ工事と水道工事の2件について、総合評価方式による入札を試行いたしました。第五中学校体育館建てかえ工事については、市内事業者による4つの建設共同企業体が参加しまして、うち3つが予定価格超過により失格となりました。水道工事については、市外事業者1社を含む9社が参加し、うち6社が予定価格超過により失格、1社、これは市外事業者でしたが、最低制限価格未満により失格ということになっております。
 総合評価方式による入札は、価格と品質が総合的にすぐれた調達を行うことによりまして、品質確保の促進を図ることを目的とするものです。参加する事業者が少なかった場合や、参加しても多くの事業者が失格となる事態が生じた場合には、こうした目的を達成することが困難となります。そこで、このような課題に対応するため、現在、三鷹市総合評価方式実施ガイドライン(試行版)──この試行というのは試みる、行うと書きます。試行版の改定に取り組んでいるところでございまして、来年度につきましても改定後のガイドラインに基づいて試行を続けるとともに、制度の継続的な見直しに取り組んでまいります。
 ILO94号条約とは、国や自治体など公の機関が発注する契約においては、その契約のもとで働く労働者の賃金や労働時間、安全衛生、福利厚生などの労働条件が労働協約や法律などに定めるものよりも有利なものとするように定めたものです。日本では、賃金等の労働条件は最低基準である労働基準法や最低賃金法などを守ることは当然ですが、その具体的なあり方は労使間で自主的に決定されることが原則であるとの当時の厚生労働大臣政務官の考え方にあらわれていますように、現在のところ、本条約は批准しておりませんし、市といたしましてもそのような状況を認識しているところでございます。なお、三鷹市の契約に際しましては、労働基準法など日本の法令遵守を条項に定めているところでございますし、不適切な事業者への対応につきましては指名停止等の措置も行うこととしています。
 次に、ダンピング競争入札についての御質問にお答えいたします。
 三鷹市では、三鷹市契約事務規則第28条で、工事または製造その他についての請負の契約について最低制限価格を設けることができることとしています。具体的には同規則第29条第1項で予定価格の100分の85から100分の60までの額の範囲内で定めることとしています。最低制限価格につきましては、平成14年(2002年)3月25日に公布・施行されました地方自治法施行令の一部を改正する政令により、それまで工事または製造の請負の契約に限定されていたものが、工事または製造、そのほかについての請負の契約に拡大されました。これに伴い三鷹市においても、平成15年2月12日に契約事務規則を改正し、最低制限価格の対象を拡大しています。最近の例で申し上げますと、三鷹市民センター及び三鷹市暫定管理地総合管理業務、第二中学校ほか1校の空調設備設置工事実施設計等業務など委託業務や設計業務などにおいても最低制限価格を設定しています。最低制限価格の設定範囲につきましても、経済状況等を勘案して、逐次見直しを行ってきました。最近では、平成21年4月に、それまで10分の8から10分の6となっていたものを、上限を100分の85に引き上げるとともに、特別な事情があるときには、この範囲を超えて設定できるよう規定を見直しました。
 さきにお答えいたしました総合評価方式による入札につきましても、価格のみの競争から、価格と品質の総合的にすぐれた調達への転換を図るものでございまして、こうした最低制限価格制度の適切な見直しと総合評価方式の活用によりまして、単に安いだけにはならない入札の実現に取り組んでおります。
 次に、公共サービス基本法の意義についての御質問をいただきました。
 この法律は平成21年5月に公布され、同年7月1日から施行されています。この法律では、公共サービスの定義を、国または地方公共団体の事務または事業であって、特定のものに対して行われる金銭その他のものの給付または役務の提供と定めています。その基本理念として、安全かつ良質な公共サービスが確実に効率的かつ適正に実施されること、公共サービスに関する必要な情報、学習機会の提供と国民の意見の反映などを定めるとともに、国や地方公共団体の責務、また、公共サービスに関する施策の基本となる事項が定められています。三鷹市では、この法律の施行に先立ちまして、平成18年4月に施行している三鷹市自治基本条例の第23条に、行政サービス提供の基本原則を定めています。この条文にはこのようにあります。「市長等は、行政サービスに関する情報を分かりやすく市民に公表するとともに、公平かつ効率的で、質の高い行政サービスの提供を図り、市民満足度の向上に努めなければならない」とあります。自治体経営白書の公表や市民課窓口における市民満足度調査、福祉部門における第三者評価実施などに取り組み、これらにあらわれる市民の皆様のお声を私たちは常に反映するよう努めているところでございまして、この公共サービス基本法の理念は、三鷹市の自治基本条例にも、また日々の取り組みにも反映されているものと思います。
 ただし、公共サービスの実施に従事する者の労働環境の整備など、この法律に基づく今後の取り組みについては、まだまだ具体的措置などが示されていないこともありますので、当面、その推移を見守っていきたいと考えております。
 続きまして、環境施策に関する御質問にお答えをいたします。
 まず、ごみ処理経費に関する御質問です。ごみ処理経費の推移については、平成21年度までに環境センターの大規模修繕の実施などによる中間処理費の増や新ごみ処理施設に係る増はあるものの、平年度ベースとして約28億円余で推移しています。一方、収集・運搬にかかる経費についてでございますが、質問議員さんは、ごみが減れば自動的に減る可能性もあることからの御質問だと思うんですが、実はごみの増減にかかわらず市内全域を収集していただかなければなりませんので、原則としては、ごみの量によらない基本的な取り組みではあります。ただし、ごみの減量・資源化施策の実施によりまして、三鷹市では市民の皆様がこの間一貫してごみ量を減らしてくださっています。そこで、私たちは、関係事業体と交渉を重ねまして経費の削減を図ってまいりました。例えば可燃ごみ、不燃ごみ収集・運搬経費については、平成17年2月から新たな分別収集を実施いたしましたときに、1.7%の減を図りました。また、平成21年10月から家庭系ごみを有料化いたしましたので、ごみ収集量の大幅な減量が見られました。そこで、可燃ごみ、不燃ごみ収集・運搬委託料の3%の減を図ったところです。このことは、家庭系ごみ有料化の目的にもありましたごみ処理経費の削減に対して、企業の協力もいただいた大きな成果だと認識をしております。
 次に、容器ごみの発生抑制に関する御質問でございます。
 容器包装廃棄物については、市においても分別収集を実施し、リサイクルに努めているところですが、発生抑制や再使用の促進を進めるためには、製造・販売・小売事業者が取り組む仕組みづくりを全国的に構築することが必要です。市といたしましては、このことを踏まえまして、全国都市清掃会議や全国市長会を通じ、要望を続けております。また、一部事務組合等の取り組みの中でもこのような要望をいたしました。こうした要望によりまして、単価低減や品質向上に寄与した市町村に対して、事業者からの資金拠出制度の改正がありまして、一部経費面での改善が図られているところです。しかしながら、拡大生産者責任を踏まえた発生抑制や再使用の全国的な取り組みは、今後もまだまだ強化していく必要があると思っておりますので、引き続き国に力強く要望してまいります。
 次に、市民センター周辺の落ち葉等の活用についてもお答えいたします。
 庁舎南側の雑木林の落ち葉については、平成22年度は90リットル袋で610袋、約3トンの落ち葉を収集しました。この落ち葉については特定非営利活動法人花と緑のまち三鷹創造協会に提供し、同協会の花と緑の広場において腐葉土に加工していただきまして、資源の再利用のために有効に活用していただくこととしています。また、市民センター周辺の樹木の剪定によりまして、約3.5トンの剪定枝が発生しました。この剪定枝は剪定業務の委託業者からリサイクル業者に処理依頼されまして、堆肥化して緑化のために活用していただいています。
 私の答弁は以上です。その他については担当より補足をいたさせます。


◯副市長(津端 修君)  市長の答弁に補足いたしますが、公契約条例の件につきまして私の方からお答えをしたいと思います。
 市長も今、答弁いたしましたように、ILOに関する国のですね、考え方等、私どもとですね、スタンスが違わないわけでございまして、従来から申しておりますが、この件につきましてはですね、近隣各市の動きも十分情報を収集しておりますけれども、現時点におきましてはですね、当座、様子を見ていこうというふうな状況でございます。
 以上でございます。


◯教育長(貝ノ瀬滋君)  30人学級実現に向けた課題と展望について、私の方から答弁させていただきます。
 全国における30人学級の状況でございますけれども、文部科学省の調査によりますと、平成22年度に学級編制の弾力化として学級編制人員をですね、30名としているのは、小学校1・2年での実施が12件、中学校1年での実施が5件となっておりまして、合計17件。ただし、この中にはですね、30人を上回るということもある、30人程度の学級という県もありましたり、一部の学校のみで実施しているという、そういうことも含めての数でございますので、よろしくお願いします。
 それから、本市においての30人学級実施に要する財源等ですけれども、現在、三鷹市の小・中学校の児童・生徒数というのは合計1万1,132人、平成22年度は40人学級制で学級編制を行っているわけでありますが、小学校で242の学級数、中学校は91学級の合計333学級で編制しているというところでございます。もしですね、30人学級制を実施するということであれば、同じ人数でも小学校は305学級、つまり63学級がふえる。中学校は115学級で24学級がふえるということで、合計420学級となりまして、現在と比べますと87学級という大幅な学級増となるわけであります。これは、当然のことながら、さまざまな影響が生じることが考えられますけれども、まず学校施設面としてのですね、教室の数の不足、また、学級を運営するための教職員の定数の増が影響の大きなものとして挙げられると思います。教室の不足につきましては、学校施設の増改築、場合によっては校舎の建てかえが必要となるというわけで、多額の費用と時間を要するということでございます。
 以上でございます。


◯総務部長(佐藤好哉君)  市長の答弁に補足の説明をさせていただきます。
 まず、市長部局におけます臨時職員と非常勤特別職職員でございます嘱託職員の人数と賃金総額についてお答えをいたしたいと思います。いずれの職員につきましてもですね、年間を通しての実績が出ていますので、直近の21年度と平成16年度の決算実績によりお答えいたしたいと思います。
 まず、市長部局の臨時職員ですけれども、平成21年度は延べ568人、短時間の勤務の方が多くいらっしゃいますので、1日の標準勤務時間で換算いたしますと約120人、賃金総額は年間約2億1,470万円でございます。5年前の平成16年度は、延べ484人、換算人数ですと約98人で、賃金総額は年間1億8,128万円でございましたので、比較いたしますと、換算人数で約22人、賃金総額で約3,342万円の増となっております。なおですね、市長部局の臨時職員は、保育助手などの保育園で働いていただいている臨時職員が約半数を占めておりますので、21年度実績では約66人が保育園の職員の臨時職員でございました。
 次に、市長部局の嘱託職員でございますけれども、平成21年度は延べ275人、標準的な勤務時間であります週30時間で換算いたしますと181人、報酬総額は年間約4億6,320万円で、平成16年度はですね、延べ206人、換算しますと152人で、報酬総額は年間約3億3,963万円でございましたので、比較いたしますと、換算人数で約29人、賃金総額で約1億2,357万円の増となっております。
 なお、臨時職員に対しましては、賃金及び交通費を、また非常勤特別職職員であります嘱託職員に対しましては、報酬及び通勤に要する費用である付加報酬をそれぞれ支給しておりますところでございますけれども、期末手当等のですね、手当は支給しておりません。
 以上でございます。


◯教育委員会事務局教育部長・調整担当部長(藤川雅志君)  教育委員会における嘱託職員と臨時職員の人数、総額についてもお尋ねがございました。
 教育委員会の嘱託職員は、平成21年度に233人分、年間約4億2,400万円を支給しました。代表的なものとしましては、学校で勤務しております給食調理員とか用務員のほか、介助員、補助教員など、週30時間以内の短時間勤務ということでございます。平成16年度と比較しますと55人の増で、年間の支給額が約1億300万円の増となっております。また、臨時職員でございますけれども、平成21年度は標準時間換算で28.5人、年間約5,600万円を支給しておりまして、平成16年度と比較して、人数でほぼ横ばい、1人増ですね。金額では1,300万円の減となっております。ただし、16年度は国の経済緊急雇用の対策で緊急地域雇用創出特別補助金事業というのが入ってまいりますので、ちょっと計算があれなんでございますけれども、それで賃金約2,180万円を支給した影響額がございますので、こういった特殊要因を除きますと、金額では800万円増加となっているところでございます。
 次に、公共施設の電気代等々という絡みの中でですね、緑のカーテンの御質問がございました。
 アサガオとか、ヘチマとかですね、その他緑のカーテンはですね、葉っぱのですね、蒸散作用等によりまして温度を下げる効果があるということで、カーテンの中身によりますけれども、室温をかなり下げる効果があるということが報告されているところでございます。また、小・中学校におきましては、緑のカーテンを設けることによりまして、緑を育てるということ、土やり、水やりなど植物の成長を体験する理科的な内容とか、地球環境問題、そういったようなテーマまでですね、教育的な側面が期待されるところでございます。現在は教育活動の一環としまして、数校で小規模ながら緑のカーテンの育成を行っているという状況でございます。ただ、今後は環境マネジメントシステムの導入等も考えてございますので、そういった環境マネジメントシステム等の広がりとも連携しながらですね、今後の実施の拡大については、主体となる学校とも検討を進めてまいりたいというふうに思います。


◯生活環境部長(高畑智一君)  市長の答弁に補足をさせていただきます。
 公共施設の電気代について、年間支払い総額の過去5年間の推移はどうなっているのかということでございますけれども、市が直接払うもので全会計の決算額ベースの合計は、平成17年度から平成20年度までおよそ5億4,000万円から6億3,000万円の推移となってございます。平成21年度は水道部の浄水所などのポンプの電気代が都の負担となりましたので、この負担を除かれ4億2,000万円となっております。このポンプ代を除きましてですね、その推移を申し上げますと、17年度が4億2,700万余、それから、18年度が4億3,100万余、19年度が4億3,900万余、20年度が4億8,800万余、そして平成21年度が4億2,400万円余というふうに推移をしているところでございます。
 電気代を節減する方策をどのように実行してきたかということでございますけれども、電気代は御存じのとおり季節的な要因を初めといたしまして、原油の単価や社会情勢、発電コストにおきます燃料調整費などによりまして、電力単価がですね、上下をいたします。こうした中で、三鷹市では、以前より地球温暖化防止の観点から電気使用量の削減に取り組んでまいりました。例えば公共施設の省エネルギー対策といたしまして、本庁を初めといたしまして、牟礼コミュニティ・センター、環境センター、芸術文化センター、東部下水処理場にESCO事業を導入しますとともに、平成21年度からはスーパーエコ庁舎推進事業といたしまして、本庁舎や第二庁舎の窓ガラスを真空複層ガラスに交換をし、太陽光発電装置の設置やLED照明を導入するなどの省エネルギーに努めてまいりました。さらにISO14001の認証取得や簡易版環境マネジメントシステムの導入によりまして、電力使用量の削減を行っていきたいというふうに考えております。
 今後の電気代節減の方策はいかなることを検討しているかということでございますが、公共施設の新たな建設や大規模改修時に、エコガラスや高効率照明などの省エネルギー機器の採用や教育委員会と連携して学校版環境マネジメントシステムの導入などを推進してまいるところでございます。なお、さらなる電気量削減策といたしまして、25年度に稼働を予定しておりますふじみ衛生組合新ごみ処理施設からの市民センター等への低コストでの電気供給も予定されておりますので、電気量の削減に大きく貢献するものと考えているところでございます。
 以上でございます。


◯15番(嶋崎英治君)  答弁ありがとうございました。再質問からは、時間の許す限り一問一答でお願いしたいと思います。
 最初に、嘱託職員というかね、その皆さんには期末手当などについては支給をしてないということでございました。実際に勤務した地方公務員の身分を有する臨時・非常勤職員、これに諸手当を支給し、給料、報酬を昇給的に運用して支給することは、法改正をまつまでもなく、条例、規則、労働協約、労使協定に基づき実施することが多くの場合、可能だというふうに私は認識しております。しかしながら、にもかかわらず、自治体に雇用される臨時・非常勤職員に期末手当や退職手当を初めとする諸手当を支給することが違法だとする解釈や誤解が流布されていると思います。このために実際の運用でも非常勤嘱託職員に諸手当が支給されず、任用更新を何度も重ねて実質的に勤務年数が長期にわたるにもかかわらず、当該経験が給料や報酬に反映されていない例が多く見受けられると思います。諸手当の支給を例にとれば、地方自治法203条の2や204条の規定を見る限り、条文上、非現業職の非常勤職員に諸手当の支給を許容していないように見えますけれども、この間の裁判事例に見られるようにですね、勤務実態が常勤職員と同様であれば、地方自治法上の常勤の職員とみなされ、諸手当の支給は許容されるというふうに理解し、条例で定めれば可能だと理解します。臨時・非常勤職員の処遇改善に向けて検討していただきたいと思いますし、答弁は求めませんが、ぜひそうした具体的な措置で、違法ではないと。先ほど数の推移のこともありました。臨時や非常勤や、そういう非正規雇用の人たちの力をかりなければ、市の業務が遂行できないという事態、人数からいってもそうだと思いますね。そうしたら、そのことを正当に評価し、さらに暮らしていけるということで、そうした手だてを今後、検討していっていただきたい、こういうふうに思います。
 公契約条例については近隣を見守りたい。それはそうでしょうね、総合評価方式を試行して、そして今、そのガイドラインも見直しの検討に入っているということですから、そういう積み重ねの中でね、最終的にどうしたら一番、当初の目的が達成できるかという中で、ぜひ今後も検討していっていただきたいなというふうに申し上げておきたいと思います。
 次に、公共施設の電気代について、移らせていただきます。
 相当な金額ですよね。水道のポンプ室の関係のがなくなりましたから、1億円ぐらい減ということなんですけども、先ほどあった数字は、指定管理のところというのは入ってなくて、あくまで市の直接というところというふうに理解していいでしょうか。


◯生活環境部長(高畑智一君)  市が直接払う分だけを精算したものでございまして、指定管理料分は含まれておりません。


◯15番(嶋崎英治君)  福祉事業団や芸文財団や株式会社まちづくりなどは含まれていないと、こういうふうに理解してよろしいですね。そこで、実名は避けますけれども、多摩地区のある自治体はですね、PFI方式の学校給食調理場が建設されているんですけれども、その仕様書にインフラ関係で東京電力から電力を買うように書かれているんですね。当該市の担当課長は、必ずしも東京電力と決めているわけではないと。自由化の中でよりよいものを購入すると答弁したと聞いています。したがって、今後ですね、電力の自由化というのをぜひ活用してほしいと思うんですよね。2004年4月に電力の自由化が実施されました。2005年には50キロワット以上の需要家にも利用できるようになって、電力の購入先が選べる施設が実は多くなった。入札によって安い電力を提供する新規の電力会社から購入することができるようになったわけですね。ですから、大きな百貨店などでも大きな経済効果を上げて電気代の節減に役立っていると。
 立川市ですけれども、低迷する競輪事業に対して、経費を節減することを目的に、2010年に電力の購入先を見積もり合わせをやったんですね。4社が出てきたんですけれども、その結果、東京電力を100とすると、他の新規の電力会社は71、77、79、結果、S社が4,243万7,097円で落札しました。予定価格は7,236万5,391円、これは税抜きですけれども。それで、実際にそのS社と契約してみてですね、2010年の12月までの実績で、前年より73%価格で推移しているそうですよ。これまで6,200万円支払っていたものが4,500万円程度で済む計算ができるそうです。1,700万円も節減できると。これは競輪事業から一般会計に繰り入れられるのは1,000万円だそうですから、それを上回る効果を電力の入札によって得たということなんですね。ぜひ三鷹市も見積もり合わせによる、電力自由化で4億、5億かかっている電力を節減する方策をとったらいいと思うんですけども、いかがでしょうか。


◯総務部長(佐藤好哉君)  電力の入札といいますか、契約のことですので、私の方からお話をさせていただきたいと思います。
 電力の自由化につきましては、ただいま質問議員さんがお話しされたような形で、従来ですね、東京電力が一元的に独占していた供給をですね、自由に売買できるようにする規制緩和の1つの動きであるというふうに存じております。また、一般的にはですね、東京電力にこだわらず、特定のそういう電気事業者に、入札をした場合は、もしかすると安くなるという可能性もないわけではございません。ただですね、送電線は既定のものを使わなければいけないとかですね、また電力会社の十分な協議が必要となります。またですね、こういう新規の電力会社というのは火力発電が中心でございますので、原油価格の高騰を非常に受けやすいという側面も持っています。現にアメリカの例でございますけれども、電力の自由化をした州はですね、逆に自由化をしてないところよりも高くなったというような実例もあるところでございますし、本当に安価な電力がですね、安定してしっかり供給されるのかということをしっかり見きわめていきたいというふうに思っております。またですね、電気事業のCO2の排出係数でございますけれども、東京電力の係数を他のすべてのですね、事業主が上回っているという状況もございますので、しっかりとそういう状況も見きわめながらですね、検討してまいりたいというふうに思っておるところでございます。
 以上です。


◯15番(嶋崎英治君)  S社には送電線がありません。どうやって送るのということになると、東電に使用料を払うんですよね。それでもその会社が成り立つと。それから、CO2の関係でいえば確かにそうですけども、東電によらないことの効果ということで、電力自由化と原子力発電、現状と課題ということでね、資源エネルギー庁が2005年の12月12日に報告書を出しているんですよ。これもぜひ目を通してほしいと思います。つまり、とまったり何か、それから、原子力発電というのは廃棄物の処理の問題を考えると、果たしてどうなのかということの問題提起もしています。それから、株主が、リスクが大きいので、株主の方も投資にちょっとちゅうちょしているというようなことも含めて報告されています。ですから、ぜひそういった面も考慮しながら、入札ということを検討していってほしいと思いますし、指定管理者や、あるいは他の外郭団体と言ったらいいんでしょうかね、そこにも促すように、大規模というとなかなか大変かもしれませんので、学校ごとにやるとか、そういう施設ごとに入札をやるとかということで、やってみるのも手だと思いますので、ぜひその点の御検討を引き続きお願いをしたいと思います。
 次に、30人学級ですけども、教育長、低学年から、小学校の低学年ですけれども、実施した場合については計算なされましたでしょうかね。答えがなかったんです。


◯議長(田中順子さん)  いかがですか。


◯15番(嶋崎英治君)  別の機会にぜひ試算をしていただきたいと思いますが、先ほど市長が、ごみ処理費用の関係でね、まだ拡大生産者責任を国の方でやってもらわないと、ということがありました。運搬費用が一体幾らかけているのかということについて、ちょっと御報告というか、答弁がなかったんですが、日本の容器包装リサイクル法の最大の欠陥がね、収集運搬が自治体の責務だとされているところ、これが解消されて、生産者や販売者や、その人たちが回収することになると、私は、約20億近い恒常的な費用が浮くのではないか。そのお金ができれば、私は30人学級も、あるいは直近の課題としてある特養ホームの待機者の問題や保育所の待機者の問題もね、かなりそのお金を有効に使えるんじゃないかなと思います。これは法改正を待つしかないんですけれども、それ以前にも、先般も店頭回収どれくらいあるんだと聞いたら15店舗ぐらいということでした。その店頭回収を広めていくことによって、収集・運搬処理費用、それから、再資源化されていくといい循環が生まれていくと思いますからね、ぜひそういうことも拡大しながら、教育や子育ちや高齢者の施策に有効にお金が使えるように努力をしていっていただきたいというふうに思うんです。
 先ほど私が、容器の発生抑制と再使用の促進についていかなる施策をということで、それなりの答弁がありました。そういう店頭回収、あるいはそこに優良マークをして、啓発して市民もそこに持っていく、そこで買い物をするというようなことを促進する考えは、市側にはないでしょうか。


◯生活環境部長(高畑智一君)  御指摘のとおりですね、拡大生産者責任に基づいて、生産、開発、製造、流通、販売等でですね、ごみにならないような工夫をですね、私どもも機会あるごとにプッシュをしているわけでございます。そして今申し上げましたとおり、そういうふうな事業者がですね、回収する場所を設けて、自主的にみずから回収をするというふうな方法をですね、とっていただくように、私どもも拡大するように、各店舗等、大型店等を含めまして働きかけてまいりたいというふうに考えております。


◯15番(嶋崎英治君)  ぜひそういう活動をしてですね、15店舗が1年たったら30店舗になっていたと。それで、ああ、そういうことをやってくれるんだったら、そこで買おうよ、そこへ持っていこうよということで、いい循環が生まれると思いますのでね、そういう点での努力をお願いしたいと思います。
 最後にですね、市民センター周辺の落ち葉等ということで、先ほどいただきました。NPO法人で花と緑ということではわかりました。ぜひですね、多摩市の実践例を参考にしてほしいと思うんですね。市庁舎の近くにそうした処理施設を置いて、市民が落ち葉を入れて、市民が腐葉土をつくって、そしてそれをまたいい循環の方に持っていくと、こういうことがあります。とにかくわかりやすいところ、見えるところ、だれでも行けるところで、そうしたことの施設をつくって市民がやるという、そこに行政がアシストをするということをぜひ検討してほしいと思うんです。新ごみ処理施設ができる。そうすると一定のスペースがあいたりするのかなと思ったりするもんですから、ぜひその辺の御検討を加えていただきたいと思うんですけど、環境部長、いかがでしょうか。


◯生活環境部長(高畑智一君)  いろいろと難しい点がございますけれども、いわゆる市民の皆さんが落ち葉を持ってきてですね、その場所の問題ね、場所の問題もそうですし、その堆肥化をするスペースの問題、位置の問題もありますから、そういった点も含めまして、どういうふうなことができるかについてですね、ちょっと研究・検討してみたいというふうに思います。


◯教育長(貝ノ瀬滋君)  先ほどは大変失礼いたしました。30人学級で1年生、2年生、想定いたしますと11学級の増と、小学校ですね。中1の場合は8学級の増ということに──ごめんなさい、1、2年生足しますと21学級の増でございました。21です。中学校1年は8学級の増でございます。大変失礼いたしました。


◯15番(嶋崎英治君)  全体をやるのはね、なかなか難しくても、ぜひ低学年、小学校の1、2年、中学校の1年、これを、きょうは答弁ありませんでしたけれども、一体幾らあればね、できるのか、学校もまた教室をふやすということになるとなかなか大変かと思いますけれども、そういうことを目標に置いて、そしてそのために、さっき言いましたようにね、ごみの収集・運搬の費用を削減をしていくという、あれも恒常的にかかりますからね。そういうところにみんなで向けていくということによって、今、子どもたちのさまざまな抱えている課題、あるいは親御さんを取り巻く課題についても、一人一人に行き届いた教育ということで、また新たな道が開かれるんではないかなというふうに思います。教育長、新たな国の役割も負ったようですけれども、ぜひそういった点も検討していただくことをお願いして、質問を終わります。


◯議長(田中順子さん)  以上で嶋崎英治さんの質問を終わります。
 これをもって市政に関する一般質問は終わりました。
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◯議長(田中順子さん)  以上で本日の日程は全部終了いたしました。本日はこれをもって散会いたします。
 なお、次回の本会議は2月28日午前9時30分に開きます。文書による通知はいたしませんので、さよう御了承願います。大変お疲れさまでございました。
               午後6時28分 散会