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平成21年第3回定例会(第1号)本文

                  午前9時29分 開会
◯議長(田中順子さん)  おはようございます。ただいまから平成21年第3回三鷹市議会定例会を開会いたします。
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◯議長(田中順子さん)  これより本日の会議を開きます。
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◯議長(田中順子さん)  議事日程はお手元に配付したとおりであります。
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◯議長(田中順子さん)  この際、議長から議員の辞職について御報告いたします。
 去る7月3日、中村 洋さんから、平成21年7月12日執行の東京都議会議員選挙三鷹市選挙区における候補者として届け出をしたことに伴い、公職選挙法第90条の規定により三鷹市議会議員の職を辞したことになりました。
 報告は以上でございます。
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◯議長(田中順子さん)  次に、議会運営委員長より報告願います。
 13番 谷口敏也さん、登壇願います。
                〔13番 谷口敏也君 登壇〕


◯13番(谷口敏也君)  おはようございます。議会運営委員会の協議結果を報告いたします。
 8月27日の議会運営委員会において、議長より諮問を受けた会期の設定案及び会期内審議日程案等について協議いたしました結果、次のとおり決定いたしましたので、報告いたします。
 今次定例会の会期については、諸種の状況を勘案し、9月1日から9月30日までの30日間と設定することが妥当であるという意見の一致を見ました。
 さらに、会期内審議日程については、御配付のとおりの日程を審議目標として努力することを確認いたしましたので、ごらんいただきたいと思います。
 以上、本委員会に諮問された事項の協議結果を報告いたします。よろしくお願いいたします。


◯議長(田中順子さん)  議会運営委員長の報告は以上のとおりであります。御協力のほどよろしくお願いいたします。
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◯議長(田中順子さん)  会期についてお諮りいたします。
 ただいま議会運営委員長より報告がありましたとおり、今次定例会の会期は、本日9月1日から9月30日までの30日間といたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
                (「異議なし」と呼ぶ者あり)
 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。
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◯議長(田中順子さん)  次に、会議録署名議員を定めます。
 本件は、会議規則第80条の規定に基づき、議長において指名いたします。
 3番 川原純子さん
 4番 緒方一郎さん
にお願いいたします。
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◯議長(田中順子さん)  次に、諸般の報告を求めます。
 まず、事務局長より事務報告をいたさせます。


◯議会事務局長(武田秀己君)  おはようございます。報告事項は1点、議員の派遣についてであります。
 三鷹市議会会議規則第157条第1項ただし書きの規定に基づき、お手元に配付の報告書のとおり議員を派遣いたしましたので、御報告いたします。
 報告は以上でございます。


◯議長(田中順子さん)  次に、市長の行政報告を求めます。市長 清原慶子さん。
                〔市長 清原慶子さん 登壇〕


◯市長(清原慶子さん)  おはようございます。報告事項は、2点でございます。
 1点目は、取り立て金請求控訴事件の判決についてでございます。
 この事件は、CFJ合同会社を控訴人とし、三鷹市を被控訴人として、三鷹市が国民健康保険税の滞納者の過払い金返還請求権について差し押さえを行い、その支払いを求める訴えを提起した事件の控訴事件でございます。
 訴えの内容は、「CFJ合同会社は、三鷹市に対し、53万4,865円及び内金53万1,024円に対する平成19年3月15日から支払い済みまで年5%の割合による金員を支払え」とした東京地方裁判所の判決の取り消しと三鷹市の請求の棄却を求めるものでございます。
 訴訟は、平成21年4月15日、第1回口頭弁論をもって結審し、6月24日、東京高等裁判所において「本件控訴を棄却する」との判決があり、7月9日に判決が確定し、三鷹市が勝訴いたしました。
 2点目は、固定資産評価審査委員会委員の選任についてでございます。
 さきの第2回市議会定例会におきまして、議会の御同意をいただきました渡邉晃男さんを、平成21年7月23日付で固定資産評価審査委員会委員に選任いたしましたので、御報告いたします。
 報告事項は、以上でございますが、本日、新たに固定資産評価審査委員会委員に選任されました渡邉晃男さんにお越しいただいておりますので、一言ごあいさつをさせていただきます。
 どうぞよろしくお願い申し上げます。


◯議長(田中順子さん)  それでは、この際、新たに固定資産評価審査委員会委員に就任されました渡邉晃男さんからごあいさつをいただきます。
 渡邉晃男さん、登壇をお願いいたします。
          〔固定資産評価審査委員会委員 渡邉晃男君 登壇〕


◯固定資産評価審査委員会委員(渡邉晃男君)  おはようございます。ただいま御紹介いただきました渡邉でございます。
 このたびは、三鷹市固定資産評価審査委員会委員の選任に当たりまして、市議会の皆様の御同意をいただき、まことにありがとうございました。
 公正かつ適切な審査のため、固定資産評価審査委員の一員として誠心誠意職務を全うする所存でございますので、今後とも御指導、御鞭撻のほど、どうぞよろしくお願い申し上げます。(拍手)


◯議長(田中順子さん)  以上で渡邉晃男さんからのごあいさつを終わります。
 以上をもって諸般の報告を終わります。
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◯議長(田中順子さん)  この際、議事の都合によりしばらく休憩いたします。
                  午前9時37分 休憩



                  午前9時59分 再開
◯議長(田中順子さん)  休憩前に引き続き、会議を再開いたします。
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    日程第1 市政に関する一般質問


◯議長(田中順子さん)  これより日程に入ります。
 日程第1 市政に関する一般質問、本件を議題といたします。
 これより順次発言を許します。15番 嶋崎英治さん、登壇願います。
                〔15番 嶋崎英治君 登壇〕


◯15番(嶋崎英治君)  それでは、通告に基づきまして質問をさせていただきます。
 市民の暮らしと憲法についてというテーマで質問いたします。きょうは、選挙事務、その後の投票・開票事務を終えて、まだまだ大変御多忙の中、選挙管理委員長に御出席いただきまして質問をさせていただきます。ありがとうございます。
 (1)最高裁判所裁判官国民審査について。
 最高裁の裁判官は全部で15人ですが、そのうちの9人が今回の国民審査にかけられました。最高裁判所の役割は法の番人と言われるように、立法府や行政府に対して憲法(国民)の側に立って、そうした機関をしっかりと裁いたり牽制したりすることだと思います。憲法79条に定める国民の権利です。一度信任されると、その後10年を経過した後、初めて行われる衆議院選挙まで、国民審査に付されることはありません。今回の投票に当たって私に相談があったのは、「裁判官がどんな人かわからない。どうすればいいの」、「23日からでないと期日前投票ができないのはなぜですか」というのが多かったです。
 衆議院選挙の投票数・率より国民審査はいずれも下回りました。投票の結果、全国で罷免を求めるバツが最も多かったのは涌井紀夫氏で、517万6,462人、2位が那須弘平氏、498万8,562、3位が櫻井龍子氏で465万6,462、4位が竹内行夫氏で449万5,571票でした。率に換算すると6.72から7.3%でした。東京都でも同じ順位でした。
 そこで選挙管理委員長にお尋ねします。
 ア、国民審査の意義と今回の投票結果について、どのような所見をお持ちでしょうか。
 イ、期日前投票が8月23日からということについての問題点についてお尋ねします。
 8月16日付の三鷹市報では、国民審査の期日前投票について、2ページの「期日前投票制度をご利用ください」という中見出しの記事の中で、米印をつけて、「最高裁判所裁判官国民審査の受付は8月23日(日)からですので、ご注意ください」とし、投票入場券に、「8月23日(日)から8月29日(土)までとなっておりますので、ご注意ください」との記載がありました。入場券にその旨の記載がないという自治体もあると聞いています。三鷹市選挙管理委員会は親切に対応していると評価しているところであります。
 そこでお尋ねいたします。
 1、三鷹市において衆議院選挙前の期日前投票の投票数、8月23日以前の期日前投票数は何人でしょうか。
 2、8月19日から22日の間に期日前投票した人で、その後に国民審査の投票をした人は何人でしょうか。
 3、最高裁判所裁判官国民審査法第26条に、「審査の期日前7日から審査の期日の前日までの間に審査の投票をしなければならない」とあります。なぜ8月23日からしか投票できないのでしょうかというのが市民からの私への質問でした。なぜでしょうか。また、改善の余地はないのでしょうか。
 質問の2番目です。100年に一度、未曾有の経済・企業経営危機と市民の暮らしについて。
 今、日本の財界・主要企業は、世界金融危機、企業収益の悪化、営業利益の赤字転落などの言葉を呪文のごとく繰り返し、繰り返し唱えつつ、100年に一度の未曾有の経済危機だとして、派遣切りという言葉に代表されるように従業員の解雇を進め、働く者を切り捨てています。それは、1994年末、当時の日経連(日本経営者団体連盟、現日本経営者団体連合会)が財界の経営指針として、1995年版労働問題研究委員会報告を出し、その中で、新時代の日本的経営を明らかにし、これまでの正規社員、最終雇用制を否定し、1、幹部・基幹労働者のみ長期雇用とし、他は2、中期雇用の専門職、そして3、流動雇用の一般労働者という3つの体系の雇用戦略によって総人件費の抑制策を導入しました。そのことにより、売り上げは横ばいでも、低下状態でも、人件費の抑制と切り下げを進めて経常利益の上昇を図り、もって配当をふやすなど株主優遇に努める。そのために財界に都合のいい規制緩和、法制度改悪という総路線を推し進めてきました。その調整弁にされ、切り捨てられたのが派遣労働者など非正規・不安定雇用労働者です。さらにそのきわめつけが小泉・竹中構造改革と言われる新自由主義路線です。財界は、今でこそ未曾有の経済危機とわめきますが、新時代の日本的経営路線により、07年までの史上空前の利益を踏まえ、剰余金や引当金などの企業の内部留保も史上空前の規模になっていることを忘れてはならないと思います。つまり、97年では内部留保は約223兆円だったものが、07年には403兆円という2倍近くまで膨れました。こうした内部留保を日本の主要企業は抱え込み、08年で約230兆円、特別経済対策を織り込んだ09年度の我が国の政府、一般会計が約88兆5,000万円であることに比較すれば、いかに巨額の内部留保を日本の主要企業は持っているということです。
 昨年末からの景気の悪化は、真っ先に派遣労働者の雇用を奪い、中には住居まで奪い、生活を破壊しました。これを可視化したのが年越し派遣村の実態でした。厚生労働省の国民生活基礎調査によれば、2007年、生活が「大変苦しい」が、前年より1.2%ふえて24.0%、「苦しい」というのは全体の57.2%で、6年連続、過去最多を更新し続けました。
 国税庁民間給与実態統計調査によれば、2007年で年収200万円以下のサラリーマンの割合は22.8%、4人に1人が200万円以下の年収です。うち女性は43.7%にも及んでおり、生活保護費の母子加算廃止なども重なり、女性の貧困化を可視化し、今や貧困の女性化へと厳しさを増しています。しかし、この国には、貧困率という統計は1965年以来ありません。また、貯金ゼロ、4世帯に1世帯という状況も続いています。自殺者も11年連続して3万人を超えました。こんな国は世界に類例がありません。自殺者が一番多いのは無職者ですが、2番目が被雇用者・勤め人、28%ほど。自殺の原因の2位は経済・生活問題で、08年度では7,404人で23%。40歳代、50歳代の自殺の原因の1番は経済・生活問題。働き盛りの最大の動機は、リストラによる借金や生活苦で、まさに小泉・竹中構造改革により追い詰められた末の自殺です。
 8月28日、総務省が発表した雇用情勢、7月の就業者は6,270万人と、1年前に比べて136万人減少。就業者数は18カ月連続の減少。完全失業者数は9カ月連続の増加。7月の完全失業者数は359万人と、1年前に比べ103万人増加。中でも非自発的な失業者は163万人で、83万人増加しています。完全失業者のうち、2人以上の世帯における世帯主は89万人と、1年前に比べ31万人増加です。7月の完全失業率(季節調整値)は5.7%と、前月に比べ0.3%上昇し、2004年の同月を更新し過去最高値になりました。もう少し中身を分析すると、完全失業率(季節調整値)は6カ月連続の上昇。男性は6.1%で、前月に比べ0.4%上昇し、過去最高、初の6%台を突破しました。女性は5.1%と、前月に比べ0.1%上昇。15歳から24歳の完全失業率(原数値)は9.9%と、1年前に比べ2.4%上昇しています。このような状況では、景気の回復の実感は市民にはないし、これから年末を迎えていく中で、市民の暮らしの貧困化はますます可視化していくのではないかと思います。
 以上は政府統計などをもとに分析した個人的な見解です。
 そこで質問いたします。
 ア、景気の動向について、市長の所見をお伺いいたします。
 1、政府発表では景気回復基調と言いますが、市民の日々の暮らしでは実感がないと言います。市内の中小、個人企業、ハイヤー、タクシードライバー、料理・飲食店の経営者などの皆さんにはその実感が全くないとのことです。市長はどのように実感をお持ちでしょうか。
 質問の3番目、定額給付金の給付状況について。
 本年1月になって提出された08年度第2次補正予算で、定額給付金については、その目的が景気対策と家計支援との間で揺れ動き、国民の多くが消費税増税の担保として、ばらまき金、あるいは選挙目当てのばらまきと批判する中で、世論調査でも6〜7割が「効果なし」、「やめるべきである」との中で実行されました。
 市長は、本年4月19日付の市報で、寄付金が生み出すまちづくりという表題でコラムをお書きになりました。その意図するところは深くはわかりませんが、定額給付金を本市に寄附された方はいらっしゃるのでしょうか、知りたいところです。「定額給付金を社会連帯に!三多摩市民基金」のカンパ呼びかけにこたえ、4月7日から7月26日までの送付金件数は245件、317万80円でした。そして、あらかじめ指定した4団体、特定非営利活動法人保見ヶ丘ラテンアメリカセンター、三多摩野宿者人権ネット、女性と貧困ネットワーク、反貧困たすけあいネットワークに、77万9,270円ずつ分配しました。
 そこで質問いたします。
 ア、申請者数の現状と給付数(口座振り込み、現金別)はいかなる実態なのでしょうか。
 イ、ホームレスやDV被害者など本市に住民票のない市民への具体の対応はいかなるものだったのでしょうか。
 ウ、定額給付金の効果について、現時点における効果をどのように予測しているのでしょうか。また、本市における効果はどのようなものと市長はお考えなのでしょうか。
 以上でございます。再質問を自席ですることを留保させていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
                〔市長 清原慶子さん 登壇〕


◯市長(清原慶子さん)  ただいまいただきました御質問のうち、景気の動向をどのように認識するかという御質問について、答弁をさせていただきます。
 本年8月の政府の月例経済報告によりますと、景気の先行きについては、「当面、雇用情勢が悪化するなかで、厳しい状況が続くとみられるものの、在庫調整の一巡や経済対策の効果に加え、対外経済環境の改善により、景気は持ち直しに向かうことが期待される」としています。一方、生産活動が極めて低い水準にあることなどから、雇用情勢の一層の悪化が懸念されています。加えて世界的な金融危機の影響や世界景気の下振れ懸念など、景気を下押しするリスクが存在することに留意する必要があることから、「景気は、厳しい状況にあるものの、このところ持ち直しの動きがみられる」ものとしています。
 このようにGDP(国内総生産)や景気動向指数など、リーマン・ショック以降の世界的な経済不況から改善しつつあるとの指標もございますが、一方で、質問議員さんも紹介されたように、完全失業率など悪化している指標もあります。直近の8月26日の内閣府地域経済動向では、全国11地域のうち沖縄を除く10地域の景況判断が、前回の5月から上方修正されました。そして、南北関東地域についても緩やかに悪化しているとの認識から、下げどまっているとの判断を引き上げました。けれども、私は、引き続き厳しい状況下にあることには変わりはないのではないかと認識をしています。
 景気回復に向けての取り組みは、いよいよこれから正念場を迎えることになるものと認識をしているところです。政府において適切な経済・財政運営を進めていくことが必要です。三鷹市といたしましても、市民の皆様の立場に立った要望を、国や広域的対応が求められる東京都に対して行うことを初め、基礎自治体として適切な対応を図ってまいります。
 私からの答弁は以上です。


◯選挙管理委員会委員長(板橋安男君)  おはようございます。それでは、まず最初の国民審査の意義と投票結果についてですが、最高裁判所裁判官の国民審査につきましては、日本国憲法で定められた、国民が最高裁判所の裁判官について審査する非常に大切な機会でありますので、定められた手続に従って適正に投開票を行わなければならないと考えております。また、国民審査の投票結果ですが、当日有権者数が14万7,560人のうち、9万6,810人の方が投票されました。選挙管理委員会といたしましては、選挙も国民審査も、より多くの有権者の方に投票していただきたいと考えております。
 2番目の期日前投票は23日ということの問題点についてですが、投票日当日に投票所に行けない方のために期日前投票制度がございます。御指摘のとおり最高裁判所裁判官国民審査の期日前投票については、最高裁判所裁判官国民審査法により、審査期日の7日前から審査期日の前日までの間に行うと規定されています。衆議院議員選挙は公示日の翌日から選挙期日の前日までの11日間、期日前投票ができますので、期日前投票の最初の4日間は衆議院議員のみの投票となります。
 今回8月30日に執行された選挙では、最初の4日間で2,168人の方が期日前投票に来られました。その中で、国民審査ができていないことについて御質問をされた方には、8月23日以降に再度来ていただければ国民審査が投票できる旨を御説明しております。そして、国民審査だけ投票するために、再度、23日以降に期日前投票に来られた方は25人でございました。衆議院議員選挙やその他の選挙も、法律でそれぞれの期間が定められておりますが、国民審査については、衆議院議員選挙と同じ期間に期日前投票ができるようにするためには、その期間を法改正することが必要になりますが、これまででも国会で期日前投票期間の改正について検討された経緯がございます。平成19年6月に国民審査の期日前投票できる期間を衆議院議員選挙と同じ11日間とする最高裁判所裁判官国民審査法の改正案が衆議院に提出されましたが、最終的には改正に至りませんでした。
 8月19日から22日までに期日前投票所に来られた方については、国民審査の投票ができず不便を感じられた方もいらっしゃると思いますが、そういう市民の方の声が大きくなれば、国において法改正されるものと考えております。
 以上です。


◯総務部長(萩原幸夫君)  定額給付金の給付状況について答弁申し上げます。
 最初に、定額給付金の本市への寄附の状況でございますけれども、5件、10万円の申し出がありました。
 次に、支給状況についてでございますが、申請世帯数は──いずれも8月末という数字で御報告させていただきますが、7万9,475世帯で、支給対象世帯8万8,571世帯の89.7%、約9割の方が申請しております。そのうち支給済み世帯数は7万8,316世帯で、支給対象世帯の88.4%、申請世帯の98.5%に支給を完了しております。なお、支給済み世帯のうち現金支給世帯は273件でございます。
 次に、ホームレスやDV被害者など住民票がない市民への具体的な対応でございます。
 定額給付金の支給対象者は、平成21年2月1日の基準日において三鷹市の住民基本台帳に記録されている方と、外国人登録原票に登録されている方であります。したがいまして、日本国内で生活していたが、いずれの市町村の住民基本台帳にも記録されておらず、かつ、基準日後初めて市の住民基本台帳に記録されることとなった方を除き、三鷹市に住民票のない方への定額給付金の支給はしておりません。なお、ホームレスやDV被害者など住民票のない方に関する問い合わせについては、個別具体の御相談はありませんでした。
 次に、現時点における定額給付金の効果の予測、本市における効果について御質問がございました。
 定額給付金の経済効果については、内閣府によると、昨年末に出された政府経済見通しを作成するに当たっては、定額給付金の4割が消費に回ると想定し、実質成長率を0.2%分押し上げると試算しております。また、定額給付金の約2兆円全額が追加的消費に回ると仮定すると、GDP比で0.4%程度の効果に相当するとの見解を示しております。現時点においては、あくまでも想像の域を出ておりませんけれども、ほかの経済対策と相まって一定の効果があったものと想定されますが、具体的数値を含め、はっきりとしたことを現段階で申し上げることはできないと考えております。
 市における効果については、ことし6月に商店会連合会が定額給付金の支給に合わせてセールを実施しており、商店会の活性化に一定の効果があったものと考えております。
 以上です。


◯15番(嶋崎英治君)  ありがとうございました。それでは、最初に最高裁判所の国民審査についての再質問をさせていただきたいと思います。
 演壇でも申し上げましたけども、三鷹市は投票券にその旨記載があったということですよね。ですから、それもないところもあった。もう1つ、親切ということからいくとですね、投票券、入場券を渡しちゃいますよね。そうすると手元に残りませんから、それと引きかえに、国民審査ができなかった人に、これこれの期間にできますよという、こういうチラシをね、その人に渡していたという自治体も実際にあった。これは選挙管理委員会で判断できて、実施できることではないかなと思うんですけれども、そんな工夫もしていただくと、さらに、今ありましたように、何名でしたっけね、25人でしたっけ、大変少ないですよね。だから、もともとそういうものが渡されないから、ないと思っちゃった人もいるし、まあ、いいやという人もいるんじゃないか。さまざまだと思いますが、25人という、それでもいてくれたというのはね、救いかなというふうには私は思いますが、その辺の改善ができるのではないかなというふうに思うところです。
 それから、どういう人なのかわからないというのがね、やっぱり一番多くて、だから、「嶋ちゃん、そのまましてきたよ」というふうに言われるわけですね。それは、罷免をしないという意思表示であるというところまでいかない、わからないからしなかったというのがね、大方のところだったのかなというふうに私は思うんですけども、板橋委員長が言われたように、憲法上の国民のね、大切な権利でありますし、今回の9人の方は、10年後というのはないんですよね。みんな途中で70の定年を迎えられちゃいますから、この次の審査はないということですから、選挙管理委員会としては、できることというのはね、粛々と法に基づいて事務を進めることだと思うんですけども、先ほど、同時にできるようにしてほしいという国民の声がね、多くなれば、法改正になっていくんじゃないかということがありました。選挙管理委員会として今回の最高裁の審査について、総括的なことを何か東京都の選挙管理委員会とかに言う機会があるのでしたら、そのときにも、こんな声があったとか、三鷹ではこんなことだったということを出していただけたらと思います。
 私自身は、この審査制度、かなり形骸化しちゃって、最高裁の裁判官の任用過程も不透明ですよね。そういうことからいきますと、制度そのものを改善していかなきゃならないかと思いますけど、それは時間がかかると思いますから、それでも国民の皆さんが平等的に投票してもらう、そしてその意義をさらに知ってもらうためには、まだできることがあるのではないかなと思いますので、その辺のところをもう1つお尋ねしておきます。
 次に、100年に一度、未曾有の経済・企業経営危機と市民の暮らしについて、市長から、政府、内閣府の分析、そして御自分でもかなり厳しいものというふうなことがありました。ですから、これから新年度の予算編成に当たっても、なかなか大変だというふうに思いますし、政権がかわったということで、またこれもね、政治的な要素としてまた変わってくるのかなというふうに思います。そういう意味では、先ほどるる申し上げましたけれども、働いている者、まち中で経営している者、本当に厳しいというのが実感で、もう借り切っちゃったと。中小の経営者の厳しい人たちですね。それから、まち中の料理・飲食、小売店などをやっている人は、もう借り切っちゃって、返し方をどうして延期してもらうかということも、今の世の中では目いっぱいだというのが全国的な状況のようですから、ぜひそのことを踏まえながら予算編成に当たっていただければというふうに思うところです。
 3番目の質問については、ここまでの答弁をいただいた後させていただきますので、よろしくお願いします。


◯選挙管理委員会委員長(板橋安男君)  ただいま再質問がございました裁判員制度について、最初の4日間、これについて、まずその都度御説明は、来られた方には、なぜできないかというような御説明はさせていただいております。私ども期日前投票に携わった者について、一々説明するのは本当は大変なので、本来から言えば、11日前から法改正されてできるのが私としても望ましいとは考えておりますが、すぐ法改正というわけにもいかないと思いますので、その4日間については、来られた方には周知徹底をしたいと思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。今後の検討材料とさせていただきます。
 また、法改正につきましては、東京都の選管の委員の方とか、また、26市の委員長会がございます。そこでひとつ申させていただきたいなと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
 以上です。


◯15番(嶋崎英治君)  どうも選挙管理委員長、ありがとうございました。私もよりよい制度にしたいという思いからですので、ぜひ──やれることとして他の自治体の例を御紹介しました。本当に、聞かれた人だけでも、なかなかお話しするのは大変だと思いますからね、1枚、この方はできますよということを、その際、身分を証明するものもお持ちくださいということをやれば、ああ、そうなのかということで、それで終わるというふうに思いますから、そんな工夫もぜひお願いしたいということを申し上げて、この質問を終わります。
 定額給付金ですが、大方の方が申請をされた──88.57%ですか、申請をされているということですよね──89.7%ですか、ごめんなさい──ということでありますけども、残っている人たちというのはどういうところなのかなということの心配がね、多分、事務当局にもあるのではないか。聞くところによれば、大きな寮みたいなところでの若い人というようなことが、申請してない人を見るとわかるような状況だそうですけども、無理やり申請しろということもなんですから、大変だと思いますが、一定の対策が必要なのかなというふうに今、思いました。
 それから、今後の効果のところでね、内閣府のが4割が云々ということがありましたけども、私、忘れないのはですね、地域振興券なんですよね。あれ全国で使ったのが32%で、あとは銀行というか、寝てしまったというかね、そういう感じだったと。68%がですか。ですから、今回もね、まち中で聞くと、行ったよと。行ったけど、そのままだ。だから、今あるお金で使ったということですから、結局、銀行にたまる。銀行はそのほか手数料が入りますね、あれ、41円ぐらいですか、入りますから、結局、銀行がもうかったのかなということと──いうふうに私は今、思っているところです。
 それから、市長は直接、このことをカンパをしてくださいという訴えではなかったというふうに思いますね。いろんなことでカンパというのがあるということの中で、冒頭、定額給付金のことを触れていましたけれども、そのことをカンパしてくださいという呼びかけではなかった。でも、5人ですか、10万円あったということは、貴重な市民の方がいらっしゃるのかなというふうに思ったところです。
 これもね、やっぱり、現時点──あと1カ月ありますからね。その間に、かなり申請もあったり、使い方もあるのかと思いますけども、私としては、意外な現時点だなというふうに思います。何かまだ申請されてない方についての対策というのをお考えなのでしょうか、そのことだけお伺いいたします。


◯市長(清原慶子さん)  定額給付金についての再質問にお答えします。
 たしかそちらの会派は、定額給付金の補正予算というか、予算についてはお認めいただけなかったというふうに私は記憶しておりますけれども、それにもかかわらず、ぜひ有効に市民の皆様には申請していただきたいというお立場からの冒頭の再質問ではなかったかと受けとめました。
 私は、国が決めたこの定額給付金については、市としては適切な事務をさせていただいて、適切に申請していただいた方には確実に定額給付金が届くように、本部もつくって事業を進めてまいりました。この近隣の多摩の市は、なかなか申請率がですね、高くないという動向があります。それは、市民の皆様の意識の1つの反映だと思いますけれども、三鷹市としては、できる限り広報させていただいています。「広報みたか」、あるいは私の「みる・みる・三鷹」というケーブルテレビの広報番組の市長のひとことコーナーでも、8月の後半3週間、ぜひ定額給付金の申請をまだの方はしていただきたいというふうに訴えをさせていただきました。また、担当もですね、それなりの努力をして、お忘れの方は思い出していただきたいということをさせていただいています。
 辞退をされているのかということについては、辞退をするということを明確に申請書に書いていただければいいわけなんですが、それをしていただけない方で、辞退をされている方も当然いらっしゃるとは認識をしております。まだ10月1日まで受け付けておりますので、引き続きですね、せっかくの制度、貴重な定額給付金ですので、2月1日現在、三鷹市に住民登録されている方は、ぜひ申請していただくように努力を続けたいと思っております。
 なお、寄附についてでございますが、このことにつきましては、幸いなことに、最近、三鷹市民の皆様の中には、今までの福祉に加えて、環境基金でありますとか、あるいはほっとベンチでありますとか、寄附をしていただく機運というのが高まりつつあります。これは大変ありがたいことですし、私は、そうした思いが具体的な市政に反映する1つとして、定額給付金の時期の前だったか直後だったかにコラムも書かせていただいたり、広報でも、こういうふうに寄附ということができるのですよということはお伝えをさせていただきました。これ以外にも、公表は遠慮するということで御寄附をいただいている方もいらっしゃいます。私は、やはりまちづくりや地域の貢献の1つとして寄附というものがなされるのであるならば、それは本当に前向きに受けとめさせていただきたいし、これからも市民の皆様の思いをですね、受けとめていきたいと考えております。
 私からは以上です。


◯15番(嶋崎英治君)  ありがとうございました。定額給付金ですけども、我が会派としては、いろんな意味で反対をいたしました。しかし、制度がつくられて、市民の方から、こういう有効な使い方もあるんじゃないんですかということで、先ほど御紹介したようなことの中でも、有効な活用もあるということで、受け取れるものは受け取って、その活用方についてはそれぞれ考えていただければということで対応してきたところです。
 これで締めくくりますけれども、三鷹市に来る定額給付金に係る総費用は27億5,400万円余りだと思うんですけども、本当はね、やっぱり個別に渡すのではなくて、このことが三鷹の市で使えることができたら、やっぱり子どものこと、教育のこと、環境のこと、あるいはそのほかのことで有効な使い方もできたのかなということは、今でも思っていることです。そして、これによって消費が上がればいいんですけれども、やっぱり先ほどもちょっと言いましたけども、これまでの轍を踏まないように、つまり、地域振興券のときは、実際に使われて消費に消えていったというか、使われていったのは32%、残りの68%は貯蓄に回されたというのがね、政府の方の分析だったというふうに思いますから、そういうふうにならないことを、懸念を表明しまして、私の質問を以上で終わらせていただきたいと思います。ありがとうございました。


◯議長(田中順子さん)  以上で嶋崎英治さんの質問を終わります。
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◯議長(田中順子さん)  次の通告者、16番 野村羊子さん、登壇願います。
               〔16番 野村羊子さん 登壇〕


◯16番(野村羊子さん)  おはようございます。野村羊子です。今回の私の一般質問は、緑豊かな循環のまち三鷹への取り組み状況についてです。
 最初に、公園及び公共施設における緑の整備状況についてお伺いします。
 自然界は、その生態系において、植物の光合成による生産、動物による消費、微生物による分解という物質循環によって成り立っています。太陽光というエネルギーが降り注ぎ続ける限り、この循環サイクルは回り続けています。その循環を断ち切ってしまったのが人間です。人は、まず農業による作物を耕作地の外に持ち出すということで循環サイクルを断ち切り、このバランスを保つために、辛うじて肥料を補うことで循環を回復させてきます。さらに工業において、焼却・廃棄という形でこのサイクルを断ち切り、結果的に現在の地球環境の悪化を招いています。
 今、世界は、持続可能な開発による循環型社会を目指し、循環するサイクルへと立ち戻ろうと努力しています。都市はこのような現在の地球環境汚染の温床であり、樹木を初めとする緑の植生は、それを緩和させる働きをしています。都市における公園や街路樹、花壇などの緑の植栽は、自然の循環サイクル復活に寄与する社会資本であり、市民の共有財産として重要な存在であるということは言うまでもありません。しかし、都市の植生は、大気汚染、水不足、病害虫、土壌環境の劣化、栄養不足、十分な根や樹幹が確保できない。強制剪定など過剰管理や管理不足といった問題を抱えています。これらの問題を解決するため、社会資本整備という考え方にのっとった計画的な整備が必要です。既に三鷹市は緑と水の公園都市を目指し、緑化施策を進めていることは評価できることです。三鷹市緑と水の基本計画〜第2次緑と水の回遊ルート整備計画〜を2005年に定め、緑と水のマスタープランとしていますが、この計画期間後期に当たり、現在の整備状況と今後について、特に公園及び公共施設における緑の整備状況についてお伺いします。
 三鷹市の1人当たりの公園面積は、2009年4月1日現在で4.32平方メートルです。前年よりもふえていますが、相変わらず多摩地域あるいは東京都の平均より低い状態にあります。また、公園数は、都市公園37カ所、児童遊園139カ所、広場──暫定・一時も含めて7カ所ですが、この現状についてどのように認識していらっしゃるのか、市長の見解をお伺いします。また、1人当たりの公園面積の計画目標値は2010年に5平方メートルとなっているはずですが、この目標をいかに達成させるのか、その見通しをお示しください。
 公園用地の買収を含め、公園面積の拡大に努力をしていることは評価しています。しかし、それだけでは賄い切れない現状の中で、公共施設におけるオープンスペース化や、さまざまな緑化による緑の環境提供も重要だと考えます。そこで、現在の公共施設における緑の整備状況についてもお伺いします。公園・緑地以外の公共施設における樹木や花壇など、植栽、植生、緑の整備状況はどのようなものでしょうか。面積的な割合、あるいは整備方針などをお伺いします。オープンスペースとして市民が自由に利用できる部分があるのか否か、さらには建物の日陰などにも配慮された整備をしているでしょうか。
 また、学校施設においては、樹木、花壇などの植栽はどの程度の割合であるのか。校庭周辺には樹木が配置され、道行く人の目を楽しませていることは承知しておりますが、学校の緑が市街地における緑地保存機能を持っている、保っているということを意識した整備となっているのでしょうか。あるいは維持管理においても、その循環機能を学習教材として活用し得ているのか。現状をどのように認識しているのか、教育長にお伺いします。
 次に、樹木や花壇、植栽など、緑の維持管理状況についてお伺いします。
 グリーン購入法、環境物品等の調達の推進に関する基本方針では、2008年2月の改定で役務に植栽管理の項目が追加されました。植栽管理に関しては、まず農薬以外の病害虫防除手段をとり、農薬の回数や量の削減がうたわれています。現状はどうでしょうか。ことし3月に発行されました「みたか環境ひろば」には、「三鷹市では、街路樹の防虫薬剤の使用を差し控える配慮をしています」と書かれていました。街路樹だけでなく、公園・公共施設の植栽に対しても、農薬、殺虫剤、そして化学肥料といった薬剤の使用は控えられているとは思いますが、実際に使用しているのでしょうか、していないのでしょうか。使われたものがあれば、その薬品名、回数を具体的に御回答ください。また、学校における植栽管理の現状、薬剤の散布状況も教えてください。これらの薬剤散布がもし行われているとしたら、その実施に際して、周辺住民への告知もなされているのでしょうか、あわせて御回答ください。
 次に、保存樹木・保存樹林の保存支援策についてお伺いします。
 緑に覆われた面積割合を示す緑被率は、今回、調査方法が変わったために大幅にアップし、三鷹市、33.9%となりました。樹冠面積をカウントすることにより、民家の庭木、特に大きく茂った樹木の存在が、この緑被率をアップさせたのではないでしょうか。
 実際にまちを歩くと、目を楽しませ、季節を感じさせてくれるのは民家の庭木です。ガーデニングフェスタなど、民家の緑、花壇などをふやすための手だてを講じていることは評価できることです。今後もマンションのベランダ、ルーフバルコニーの活用など、さまざまな緑化奨励策が講じられていく必要があります。それに加えて、生態系の循環から見れば、樹木や木立などの存在は、CO2の吸収、落ち葉などでの土壌の再生・保水力などなど、循環サイクルに寄与するものとして大変重要だと言えます。
 残念ながら、市内の指定保存樹木は2008年度1年間で34本も減りました。一方、面積が300平方メートル以上の指定保存樹林は2007年度に1カ所減って、現在11カ所になっています。市は、指定保存樹林の維持に対する何らかの支援策をとっているのでしょうか。樹木に対する剪定補助実績が2008年度で67件と大幅にふえています。それだけ樹木の維持管理に支援が必要な状況がふえている、そういう現状があるのではないでしょうか。
 実際に落ち葉などの維持管理の問題から、個人の庭にある大きな木が伐採されてしまう。そういう事態が市内であちこち起こっています。高齢の方が落ち葉の処理に困り、また、近隣からの苦情が来て、木を切ってしまうしかないお話をたくさん伺います。市ではこのような現状をどの程度把握されているのでしょうか。そしてこのような保存樹木や保存樹林のみならず、それなりに大きな樹木、まとまった植栽のある民家の庭木に対して、その緑を守る手だてをとっているでしょうか。維持管理をサポートするようなシステムをつくるよう考えているでしょうか。日常的な維持管理ということではなくても、例えばSOSがあったら飛んで行くといったような支援体制ができないものでしょうか。
 三鷹市では、生け垣助成も行っています。2008年度はブロック塀からの変換を合わせて14件、120.6メートルの生け垣が民家に造成されました。生け垣助成の総延長は6,010.9メートルとなっています。生け垣助成を中断する自治体もある中で、継続し続けていることは大変評価できることです。2002年のデータでは、市内の塀の総延長における生け垣化の割合は、生け垣のみで10%、ブロックとの併用を合わせると51%となっています。2002年からこの間、大型マンション、あるいは宅地開発などで接道部の緑化を指導してきていますので、この数値──生け垣の割合が維持される、あるいは増加しているのではないかと思われます。しかしながら、生け垣助成制度、20年前から始まっており、今まで造成された生け垣の現状がどうなっているのか、市では把握されているでしょうか。うまく維持されずに枯れてしまった、あるいは伐採されてしまったということはないのでしょうか。維持管理への助言・アドバイスも含めた支援などは行われているのでしょうか。市内の民家にある庭木や生け垣等々、緑を守るための手だて、支援策についての現状と今後について、市長の御見解をお伺いします。
 さて、大きな樹木を維持すること、それが緑を維持すること、自然の循環サイクルを回復させていくことですけれども、残念ながら、都市計画道路によって近く消失の予定の、あるいは伐採される予定の樹木、公園があります。いわゆる調布保谷線計画線上にある公園、民家の庭木です。大きなものは堀合遊歩道と上連雀通北児童遊園、そして塚交差点の民家、さらには野崎にある神社あるいは民家の保存樹木。井口グラウンドの樹木など、既に伐採されてしまったものもあります。これから消失する予定の公園面積、樹木の本数などを具体的に御回答ください。伐採せずに済むような対処方法は検討されているのでしょうか。東京都の事業ですから、東京都の連携が必要ですが、市として環境保護、緑化施策の観点から、要望を申し入れ、あるいは連絡調整など行っているのでしょうか。また、どうしても伐採しなければいけないということであれば、この消失していく緑、緑地、公園、どう補てんし補充していくのか、今後の方針について市長にお伺いします。
 最後に、緑被率を高め、緑豊かなまちを持続させるための施策についてお伺いします。
 先ほど農薬、防虫など薬剤散布の現状についてお伺いしました。グリーン購入法、環境物品等の調達の推進に関する基本方針の植栽管理には配慮事項があり、3点書かれています。1点は雨水利用、2点は剪定枝・落葉等の堆肥化、3点目が施肥には落葉等の堆肥を使用するとあります。これらの配慮事項の3点について遵守するような植栽の維持管理が現在なされているのかどうか、お伺いします。
 民家に対しても、例えば雨水利用、小型の雨水貯留槽の助成を三鷹市では行っていますが、この雨水浸透ますではなくて、雨水貯留槽の方はまだまだ実績が浅く、2008年度は16基です。前年度より増加したとはいえ、普及状況から言えば十分とは言えません。簡単に据え置きできるものが大変多く、一般家庭で使いやすいものも多い。そのような中で、これらのグリーン購入法による植栽管理、周知徹底、広報していけば、さらにこれらの補助申請等の実績は伸びるのではないか、実際に環境を循環させていくことがふえるのではないかと思いますけれども、どのように行っているのか、植栽管理の周知、広報についてお答えください。
 循環するまちとしての緑の施策の今後のあり方として、本当に複雑で多様な生態系を維持していく。この生態系はそれ自身で安定し、人間を含めたさまざまな生物の環境を維持しています。その複雑さを維持することそのものが生態系を維持させる循環につながる。落ち葉を掃き切らずに木立や樹林に敷き詰めていくこと、あるいは堆肥として使い回していくこと、剪定枝を燃やさずにチップとして、あるいは粉として土に戻していくこと。自然の循環の中でしか生きていくことのできない人間として、環境破壊のもととなってしまっている都市を維持管理する立場にある者として、生態系の循環の中にきちんと戻していくような緑の維持管理が望まれます。三鷹市がこれからも緑豊かな循環するまちであり続けるための今後の施策のあり方について、市長の見解をお伺いします。
 壇上での質問は以上で終わります。御答弁によりましては自席の再質問を留保いたします。御答弁よろしくお願いいたします。
                〔市長 清原慶子さん 登壇〕


◯市長(清原慶子さん)  それでは、今いただきました御質問の、まず公園・公共施設における緑の整備状況について答弁をいたします。
 現在、市が管理しております公園、緑地は、合わせて229カ所あります。全体的に個々の公園面積が狭いことなどから、御指摘のように1人当たりの公園面積は、目標値に比べてやや低い状況にあります。人口が毎年増加する中で、1人当たりの公園面積をふやしていくことは大変難しい課題であると認識しています。そこで、市民の皆様が公園と同じように憩える場を確保することも重要であると考えまして、大規模施設内の緑地の開放を主要事業に位置づけております。特に国立天文台の地域開放の推進に取り組んでまいりました。平成19年4月には、国立天文台敷地の地域開放の全体計画策定に関する覚書に基づきまして、常時公開となったところでございます。
 また、6月議会で提案をさせていただき、お認めいただきました、牟礼地区における花と緑の広場も整備をしているところです。今後も財政状況を踏まえつつ、着実な公園整備に取り組むとともに、大規模施設内緑地の地域開放に向けて、所有者との協議を進めてまいりたいと考えています。
 公共施設の緑化につきましては、新築や建てかえ等に当たりまして、緑化基準に基づき地上部の緑化、接道部の緑化に加えまして、建物内部の温度上昇を抑制するなどの効果が期待できる壁面緑化や屋上緑化を可能な限り実施しているところです。基準では、地上部には空地の2割以上の緑化、接道部緑化といたしましては、道路に接する部分の6割以上を緑化することなどを定めておりまして、その配置につきましても、利用者や樹木等の環境に配慮したものとしています。また、平成18年度からは、地域の皆様との協働によりまして、コミュニティ・センターや地区公会堂を中心に、順次花壇の整備を進めております。
 さて、農薬等の使用についてですが、これにつきましては、化学物質過敏症の方への影響や、質問議員も生態系ということを大変重視されての御質問ですが、生態系のバランスが崩れて、害虫の大量発生を引き起こすなどの可能性もあることから、公園等の植栽管理につきましては、平成13年度から、剪定等による総合防除による病害虫対策に切りかえました。すなわち薬剤の散布を取りやめているわけでございます。また、施肥といたしましては、窒素、燐酸、カリウムを混合した粒状の固形肥料を毎年2月から3月にかけて1回、市内公園の花壇等の草花及び芝生に施しています。
 続きまして、保存樹木・保存樹林の保存支援策についてお答えいたします。
 民家の樹木につきましては、一定規模以上のものについて、自然環境保全地区や保存樹木・保存樹林に指定をし、保全を図っております。保存樹木については、1本につき年3,000円、剪定の際には実費の2分の1以内で、かつ5万円を限度に助成をしております。保存樹林に対しましても、固定資産税・都市計画税の85%を助成しています。また、生け垣助成など緑の保全のための御相談があった場合には、アドバイスをさせていただいたり、用具の貸し出しなどの支援を行っています。しかしながら、市街化が進んだ中で緑を維持していくことは容易ではありません。緑を地域の財産として、地域の皆様や御近所の皆様が協働して守っていくことが重要であると考えています。
 なお、花と緑のまち三鷹創造協会につきましては、8月19日にNPO法人として認証され、8月20日に登記いたしました。今後は花と緑のまち三鷹創造協会と連携しながら、市民の皆様との協働により、緑を守るためのシステムなどについて研究をしてまいりたいと考えております。
 私からの答弁は以上です。


◯教育長(貝ノ瀬滋君)  公園及び公共施設における緑の整備状況につきまして、学校教育についてもお尋ねでございますので、お答えをいたします。
 学校教育におきましては、改正されました教育基本法──教育基本法の第2条の中でですね、教育の目標がございますけれども、その4つ目にですね、「生命を尊び、自然を大切にし、環境の保全に寄与する態度を養うこと」というふうに位置づけられておりまして、そういう意味でも環境教育の推進はですね、重要な課題の1つというふうになっております。
 学校におきます環境にかかわる学習ではですね、各教科、道徳、総合的な学習の時間等で取り組まれておりまして、環境問題の認識だけに終わることなくですね、みずから積極的に環境に働きかけていく態度の育成をねらっているわけでございます。環境や環境問題に対して進んで働きかけていく態度を育成していくためには、観察ですとか、調査などといった体験的な学習活動が大切になってきます。子どもたちがですね、環境問題を身近な問題として感じることができるようにするためには、各学校で、校庭にございます樹木ですとか、花壇の植物などをですね、自然環境を学ぶ貴重な──御指摘のようにですね、教材として活用した学習活動を展開しているわけでございます。
 具体的に申し上げますと、樹木の生態調べですとか、落ち葉によります堆肥づくりですとか、樹木と地球環境とのかかわりなどの調べ学習等々ですね、各校ともさまざまな取り組みを進めているところでございます。今後とも、学校を含め地域における身近な自然などの環境に目を向けていくことをきっかけといたしまして、人間と環境とのかかわりについて関心と理解を深め、生涯にわたって環境に働きかけていくという態度を育てていきたいというふうに考えております。
 私からは以上です。


◯都市整備部長・調整担当部長(大石田久宗君)  市長の答弁に補足いたします。
 まず、調布保谷線の道路事業に関連した御質問がございました。平成18年度以降、道路事業のため伐採された保存樹木はですね、3本ございます。また、道路に組み込まれる予定の公園面積としては、堀合遊歩道と上連雀通北児童遊園を合わせて2,858平方メートルとなります。可能な限りですね、既存樹木を残すとともに、支障となる場合は移植や樹木の補てんをするようですね、東京都にしっかりと働きかけてまいりたいと考えております。
 それから、次にグリーン購入法による植栽管理について御質問がございました。肥料につきましてはですね、一部の公園や苗圃では、場内や他の公園から出た落ち葉でですね、腐葉土をつくって、草花や樹木の育成に利用したり、剪定枝を土に返すといった循環型の管理を試行しているところです。
 また、雨水の利用についてもお尋ねがございましたが、雨水利用に関しまして、地区公会堂の花壇整備に当たり雨水タンクを設置するなど、施設の状況に合わせて実施をしているところでございます。
 周知・広報活動につきましても、広報紙やですね、ホームページ、パンフレット等による活動に加えて、今回ですね、認証されて、また実際に登記をされました創造協会──NPOですね、との連携や、イベント等を活用するなど、機会をとらえながらですね、努力をしてまいりたいというふうに考えております。
 また、新たな環境に配慮した取り組みの1つとして、現在整備を進めております花と緑の広場ですね。これは、市長の答弁にもありましたが、NPOにですね、管理運営を委託をいたしまして、そのNPO──創造協会と一緒にですね、ボランティア活動で発生した剪定チップがありますね、そういうものをストックするストックヤードを整備いたしまして、再利用する具体的な準備を現在進めているところでございます。
 今後もですね、市民や事業者との協働により緑を維持・保全し、生態系の循環する仕組みづくりなどをしっかりとですね、施策の充実に向けて努力を継続してまいりたいと考えております。


◯教育委員会事務局教育部長・調整担当部長(岩下政樹君)  小・中学校の緑の整備・管理について教育長の答弁に補足をさせていただきます。
 小・中学校の緑の整備につきましては、学校ごとに樹木の種類は異なりますけれども、学校の周囲や校庭を中心に、できるだけ多くの樹木を植えるように努めているところでございます。学校の樹木は、卒業記念樹やシンボルツリーなどとともに、校庭に日陰をつくる目的などもですね、ありまして植えられているところでございます。特に道路に面した部分につきましては、校庭からの砂ぼこりなどを防ぐ意味からも樹木を植えているところでございます。これらの結果ですね、現状では、住宅が密集した住宅地の中では、貴重なまとまった緑になっているというふうに認識をしております。これらの管理につきましてはですね、学校と連携をとりながら必要な剪定を行うなどですね、樹木にとってのよいですね、適正管理を行い、緑の維持・増進に努めているところでございます。
 また、花壇につきましては、学校ごとにですね、既に設置をしておりますけれども、プランターなども利用してですね、季節ごとのさまざまな草花を植えるなどですね、教育面での効果も考えながら、学校では積極的に取り組んでいるところでございます。
 次に、薬剤関係でありますけれども、殺虫剤、農薬につきましては、御質問にありましたようにですね、健康被害なども想定されますので、小・中学校ではいずれも使用をいたしておりません。病害虫が発生した際には、病害虫のついた枝葉をですね、伐採・処分することで対応しているところでございます。
 以上でございます。


◯16番(野村羊子さん)  御答弁ありがとうございます。三鷹市としてはしっかりとやってくださっているということはわかりましたけれども、幾つか。民家の樹木について、本当にどの程度──大きな木をね、切らなくてはいけないというようなおうちに対して、どのような支援策というのが考えられるのかということを、きちっと今、伺えなかったように思うので、それはもう一回再質問したいと思います。
 それと調布保谷線。大きな公園というか、大きな緑が消失する。今、本当に何十年もたっているような、まとまった木立がなくなる、失われるというのが現実になるかと思うんです。それについてね、単純にほかのものを植えかえれば済むというものではない。そういうまとまり──例えば鳥が渡っていくときに、伝わっていく、その点となっていく、その基地になっている、そのようなね、存在だと思うんですよ。あれだけの大きな、上連雀通北にしてもね、堀合にしても、それなりのまとまりのあるものがね。さらにその南に塚交差点の民家、やっぱりそれなりのまとまりがありますよね。あれだけのものが点在してるってことは、移動していく鳥や昆虫、生き物たちにとっては、それがすごく大きな目印になっているはずなんです。それがなくなるということをね、どのように考えていくのか。それを多少なりともね、残せるような、つまり、そういう観点からもね、生態系を維持するという観点からも、環境施設帯として残すということが可能なのかどうかというのはありますけども、その辺の交渉をきちっとしていただきたい。
 井口グラウンドも、あれも環境施設帯に残せるんじゃなかったのかなと思うようなところが、ばっさり切られてしまったということがね、ありますので、ちょっとその辺は不確定なものですけれども、そういうふうに見えてしまう状況があったので、このまま、それこそ更地にして渡すみたいなね、ことがないように、ぜひしていただきたいということで、それについてももう一回、再度御答弁いただきたいというふうに思います。
 とりあえず、以上2点お願いします。


◯都市整備部長・調整担当部長(大石田久宗君)  2点御質問をいただきました。
 初めに民家の樹木について、市長の答弁にもあったわけですけれども、この樹木をですね、剪定するに際して助成制度があるわけですね。どういう要件があるかというと、助成要件として4つございまして、まず市が指定しなきゃいけないですね。指定すること、指定された保存樹木であること。だから、勝手にどれでも補助するわけではない。それから、3年以内に伐採する予定がないこと。切られちゃ困りますね。それから、前に助成を受けてから3年以上たっていること。そして、極端な強剪定、つまり、剪定でもいろんな方法があるわけで、御案内のようにばさっと切ってしまっては、剪定ではないわけですから、強剪定でないこと。そういったことを要件にですね、市長の答弁にもありましたように、剪定に要した費用の2分の1以内の額、1本につき5万円を限度とするというようなことでありまして、そうすると、民家の樹木については一定の要件があって、それに該当しないと、当然のことですけど、助成はしてないという、そういう見方もできるわけですけど、これは行政の施策ですから、御理解いただきたいというふうに思います。
 それから、環境施設帯についてですね、交渉してほしいということですけども、要するに今、一部の公園、そういう公園とかですね、緑地がですね、道路に取り込まれるのではなくて、事業の中で上手に環境施設帯になるように。これはですね、具体的に現時点でですね、整備内容は決まっているわけではないわけですから、おっしゃるような視点も当然持ってですね、しっかりと交渉していきたいというふうに思っております。


◯16番(野村羊子さん)  指定保存樹木についての支援・援助というのはわかりました。ですが、それではなくて、そうではないけれども、木を切らなくちゃいけなくなる。落ち葉についての処理に困る。そういうようなおうちについてね、サポート・援助ができないのか。そういうことを考えていただきたい。公園ボランティアとか、みちパートナーとか、いろんな形で公の施設について市民の皆さんのボランティア、支援・サポートをいただいているわけですよね。あるいは高齢者の方を含めた地域ケアネットワーク、地域で支えるということを考えている。
 だとしたら、例えば高齢者でひとり暮らしになって、自分の庭、自分の木、うちの木がちゃんと整理できない、管理できないという方に対して、例えば市民ボランティアがね、行って見守りを兼ねて、定期的に植栽管理をしていくとかね、そういうようなことだって考えられるじゃないかと。そういうことも含めて民家のね、指定できないけれども、そういう豊かな家の庭の緑を守るということをね、考える。そういうようなことを今後考えていただけないかということを要望して、私の時間は終わりましたので、これで終わりにしたいと思います。ありがとうございます。


◯議長(田中順子さん)  以上で野村羊子さんの質問を終わります。
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◯議長(田中順子さん)  次の通告者、17番 半田伸明さん、登壇願います。
                〔17番 半田伸明君 登壇〕


◯17番(半田伸明君)  地方分権について質問いたします。
 今、私たちは、沈没しようという泥船に乗っかっております。この泥船は日本国です。借入金、政府短期証券を含む日本全体の債務残高は既に1,000兆円を突破しております。GDPの2倍近くになろうとしております。例えて言うなら、売り上げ1億の会社が、既に2億借金を抱えるのと同じ状況です。日本は大借金国なのに、低金利で資金を調達できます。無理にでもやりくりできるうちはまだいいのですが、国債の金利が上昇していけば、いずれ破綻するであろうことは火を見るより明らかであります。
 歴史をひもとくと、1989年1月から1990年8月にかけて約1年半で3.2%上昇したという記録があります。もし万が一、これと同じ状況が発生するならば、金利上昇に伴う国債費の膨張により、予算がそもそも組めなくなってしまう事態に陥ります。まさにこれが財政破綻なのです。ですので、長期金利の上昇だけは何としても防がなければならない。低金利政策をとり続けるのも、ある意味理解できる部分はあります。
 では、恐れている長期金利の上昇はいつ発生するのでしょうか。ある学者は次のように述べておられます。国債価格が暴落して、金利の急上昇が生じる事態にならないのは、発行された国債が中央銀行や政府の息のかかった機関に大量に保有されており、非市場性──「あらず」ですね、非市場性の部分が多いため、と説明しています。まさにそのとおりです。とはいえ、国内で膨大な国債発行を消化し切れない事態が発生したら、この非市場性は解かざるを得ません。
 また、別の学者は次のように言います。一般の投資家たちが、このままだと増税もできそうもないし、社会保障もどんどんふえそうだ。しかも、マクロ経済としても中長期的に成長が期待できないと考え、政府の国債残高がふえそうだと予想して、国債の金利だけが上がり始めるような状況になったときに財政破綻が起こる。もし、この指摘の事実が発生するなら一巻の終わりです。何事もそうでしょうが、順調なときは時間が何かとかかるものですが、悪くなるときは一気に悪くなるものなのです。国債が順調に発行されなくなった段階で考え始めても、時既に遅しなのです。仮にこのような状態が来たら、どのような仮説が考えられるでしょうか。円は信用不安が増すので、信じがたい円安時代へ突入すると思います。まさに円の通貨危機という状況が来る可能性があると思うのです。財産を守りたい方は、極端に言えば、日本に見切りをつけ、全財産を外貨にかえて国外へ脱出する事例も出始めることでしょう。こうなったら、もはや国ではありません。今、私たちはこのような瀬戸際に立たされている国、日本の中に生きていることを再度確認・認識をし、国や地方を問わず、今何ができるのかを真剣に考える時代に突入した──いや、突入してしまったと考えるべきであります。このような認識のもと、今回は地方分権について質問をいたします。
 今までもさまざまな議論が展開されてきました。近時はマスコミが、一部知事の方々の発言を取り上げることによって、さらに関心が深まってきたと言えましょう。関心が深まることは大変すばらしいことであると考えております。と同時に、関心が深まりつつある今だからこそ、国の将来像を見据えながら、なぜ分権が必要なのかを改めて議論を整理する必要性が今後高まってくるものと予想しております。地方分権はよく財政面で議論されることが多いです。ここで、いわゆる小泉改革について一言述べてみたいと思います。
 小泉政権は、聖域なき構造改革と表して財政再建に取り組んだ政権でしたが、結果として失敗だったことはだれの目にも明らかでしょう。ここでの失敗というのは、大きく分けて2つあると考えております。1つは、人として生きていく権利そのものを奪いかねない改悪が行われてしまったことです。これは、例を挙げれば枚挙にいとまがありません。お聞きの皆様も重々御承知のことでしょう。障害者自立支援法を初め、数々の改悪がなされました。いかに沈みかかっているとはいえ、自国内に生きる権利を剥奪するような改悪がされてしまう状況は、もはや国ではありません。なぜなら国家は人で成り立っているからです。逃げられてしまう前に、生きる権利を奪うような改悪が数々なされてきたことは、大変残念な歴史と言えましょう。
 もう1つの失敗は何でしょうか。若干矛盾した言い方になりますが、私は、新自由主義をある意味で徹底しなかったところにあるのではないかと考えるようになってきております。言い方を変えますと、本来的に官がやらなければいけないものとは言い切れないはずなのに、そこを厳密に吟味することなく、予算において前例踏襲主義がまかり通っている事実があったことは否定できない事実と言えましょう。その意味で、ある側面においては、改革が徹底されていなかったという側面もあると思うのです。中途半端だったからこそ、逆に国全体の借金はふえ続ける一方であったことも当然の帰結であるということにもなるのではないでしょうか。言うまでもなく、小泉時代はさまざまなしわ寄せが自治体に押し寄せてきたということも指摘できると思います。
 ここでお伺いをいたします。市長は、小泉元首相のもとで行われてきた政治をどのように総括しておられるでしょうか。また、自治体が本来的にやらなければいけないもの、言いかえれば守るべきものについて、どのような認識をお持ちでしょうか。また、その認識は国政によっていや応なく影響を受けたという側面はあるとお考えでしょうか。
 さらに続けます。小泉改革のもと、地方にもさまざまな変革の波が押し寄せてきました。市町村合併がその1つであることは言うまでもないでしょう。財政健全化法もこの変革の一環でとらえることができると思います。よくよく考えると、小さい政府であろうと、大きい政府であろうと、借金しないとやっていけない政府は国民にとって迷惑な存在です。やがては人がいなくなるだけです。破綻した夕張の事例を見ればわかることです。もっとも、自治体も歳出削減に取り組んでいる姿勢が感じられます。我が市においても、職員の皆様の並々ならぬ努力によって、さまざまな改革が行われてまいりました。現場の皆さんの御苦労には改めて頭が下がる思いでございます。
 一方、国はどうでしょうか。地方の借金にはブレーキをかけるくせに、自分自身はどうなんだと言いたくもなります。国が自身で財政規律をできないのに、地方が縛られている側面はいかがなものかという気持ちがします。
 ここで質問いたします。首長の立場から見て、国の財政規律はどうあるべきだとお考えでしょうか。
 さらに続けます。国がどうのこうの、地方がどうのこうのという議論は、マスコミが地方分権について取り上げたということもあり、ほとんどの方が御存じでしょう。知事の方々の一部が地方分権を声高に主張していらっしゃいますが、しかしながら、よくよくその主張を見てみると、実は中央政府の役割は何なのか、地方政府の役割は何なのかという全体像が見えてきません。つまり、将来の日本の姿を映し出してはいないと思えてなりません。一部評論家の間には、単に小遣いの値上げ要求をしているにすぎないというものもあります。この言葉遣いはいかがなものかと思いますが、それはさておき、本質をついている部分があることは私には否定はできないのです。このように地方分権について、国に対して主張はするものの、では、地方側として地方分権のゴールはどういう状態なのか、この議論がなかなか見えてきません。税源移譲の議論は多いが、それ以上の議論がなかなか見えてこないのです。正直申し上げまして、国民のほとんどの方々は、クエスチョンマークがついているのではないでしょうか。国がやろうが、地方がやろうが、どっちでもいいんじゃないというわけです。
 企業で考えてみるとよくわかると思います。大抵の大企業は本社を東京に置いていて、各地方に支店を置いていると思います。これは中央集権そのものです。これで成功しているなら、それはそれでいいわけです。つまり、議論すべきは、中央集権の是非論というよりは、どちらかというと事業の中身そのものにあるのではないでしょうか。例えば生活保護行政。生きていくための事業ですから、憲法25条がある限り、国が責任を負うのは当然のことでしょう。一方で何々振興というたぐいのものは、本来的に国がやらなければならないものかどうかは疑念を感じます。地方でもないのです。これは、そもそも大きな議論の枠組みで言えば、民の世界でなされるべきものではないでしょうか。そう考えると、地方分権の議論とは、もう少し進めていくならば、ある事業につき、官がやるべき、つまり、公金──公の金ですね。公金を支出すべき事業とは何なのか。官がやらなければいけない事業と仮定して、それが国がやらなければいけない必然性があるのか否か。さらに、国がやらなくてもよいと立証できる事業につき、自治体がやる義務があるかどうか。その義務が、もしない場合、自治体の歳出余力があるならば、当該住民の合意とも言える当該自治体議会の賛成を得て、やってもよい事業と言えるのかどうかという順番で各事業を見直すことが必要なのではないかと思います。ただ、税源移譲の議論をするというだけだと、いわばミニ霞が関を各地方につくり出すだけで、各自治体がばらばらの行政を執行し、地域間格差をさらに広げる懸念もあるでしょう。地方分権はいわば権限をくれ、税源をくれという側面だけではだめなのではないかという気もします。
 ここで質問をいたします。市長は、地方分権の議論は今後どのような方向に進むべきであるとお考えでしょうか。また、自治体の首長として、今後、国と地方の関係につき、どのようにあるべきであるとお考えでしょうか、御所見をお聞かせください。
 壇上での質問を終了します。自席での再質問を留保いたします。御答弁よろしくお願いいたします。
                〔市長 清原慶子さん 登壇〕


◯市長(清原慶子さん)  地方分権について御質問いただきました。最初に、その関連といたしまして、小泉元首相の政治や改革の総括と自治体の役割についての御質問をいただきました。
 まず、小泉改革の評価についてでございますが、これは大変多様な視点からの評価があり得ると思います。例えば規制緩和等による構造改革につきましては、その結果として、古い日本型の社会経済構造が効率化されまして、戦後最長の好景気と史上最高水準の企業収益の実現につながったところがあります。その一方で、労働市場の規制緩和によりまして、非正規労働者の割合が3割までふえて、収入が不安定な層が拡大いたしました。そして、景気悪化による雇用不安の深刻化につながったと言えます。また、医療制度改革による医療費負担の引き上げや、生活保護費や児童扶養手当の削減なども行われました。
 しかし、政権交代がなされたわけですから、今後、国においては、改めて雇用保険や医療保険、年金などの国によるセーフティーネットのあり方について、新たな対応が行われるものと考えます。これにつきましては、ぜひ基礎自治体の声をですね、きちんと聞いていただいて、反映をしていただかなければ、よりよいものはできないのではないかと、自治体の立場としては考えているところです。
 また、自治体が本来的にしなければならない役割や責務についての認識ですが、市民の皆様にとって最も身近な政府である三鷹市が、このような国による制度改革の負の影響を最小限にするセーフティーネットとしての機能を果たすことが求められています。また、すべての人々が社会と接点を持って、相互に敬意を払い合い、支え合う地域社会を実現することであると考えています。この基本的な認識は、国政のあり方によって影響を受けたり、変わったりするものではないと考えています。
 続きまして、今後の地方分権の方向や、あるべき国と地方の関係についてお答えをいたします。
 地方分権改革推進委員会を中心に、第二期分権改革が進められています。同委員会からは、昨年の5月に第1次勧告が、そして12月には第2次勧告が出されました。当初の予定といたしましては、今月中に第3次勧告として、義務づけ・枠づけの見直しに関する提言を、そして、来月中に第4次勧告として地方税財政改革に関する提言が行われることとなっていました。そして政府は、これらの勧告を踏まえて新分権一括法を国会に提出することになっておりましたが、今はこのような状況にあるわけですから、私としては、今後の分権改革がどのようになるのかを冷静に注視しつつ、繰り返しになりますが、この間、都道府県の立場が注目され過ぎたというふうに私たちは思っておりまして、全国市長会でも、全国市議会議長会でも、もちろん町村会でも、基礎自治体のあり方がきちんと議論される方向性を期待してきたわけで、今後、そのような分権改革が国レベルでしっかりと議論されることを求めたいと思います。
 さて、あるべき国と地方の関係のあり方についてですが、三鷹市自治基本条例第36条では、国と地方の適切な政府間関係の確立を掲げています。これは、国連やEUの地方自治憲章などでうたわれている補完性の原則に基づきまして、市民自治を原点とするとともに、地方政府と中央政府等の間での適切な役割分担を定めるものです。つまり、補完性の原則とは、市民自治だけではなし得ないものを基礎自治体が補完し、基礎自治体だけではできないものを広域自治体が補完し、広域自治体ができないものを中央政府が補完し、そして中央政府ができないものを国際政府──例えば国連等の国際機関が補完するという考え方に立つものです。このような補完性の原則に基づく、あるべき国と地方の関係が実現することによって、国は、外交や防衛など本来的に求められる重い役割を果たすことができます。一方、内政の大部分については、地方政府となった自治体が担い、また、それが可能となる権限や財源がしっかりと確保され、地域主権の立場によってまちづくりを進めることが可能となります。このようなあるべき国と地方の関係と地域主権を実現する取り組みが、三鷹市の目指すべき地方分権であると考えております。
 私からは以上です。


◯企画部長・都市再生担当部長(河野康之君)  市長の答弁に補足させていただきます。
 国の財政規律についてのお尋ねがございました。国の財政につきましては、現状はですね、おおむね税収が歳入全体の6割強にすぎない。また、3割はですね、国債の発行によって賄われているという現状がございます。また、歳出の2割以上がその償還費として、その償還に充てられているという状況にあることもあります。バブル経済崩壊以降ですね、景気の低迷によりまして、税収の落ち込みや、数次の経済対策に伴う財政支出の拡大、また、減税措置により急速にそうした状況が進んできたという経緯がございます。
 一般会計における歳入と歳出には、現在でも大きなギャップとして財政赤字が生じており、そのギャップを埋めるために、またさらにですね、国債を増発することでそうした借り入れが積み上がってきているという結果となっているところでございます。
 こうした状況に対しまして、政府は、子や孫の世代に負担を先送りしない、持続可能な財政の構築に向けて、2011年度までに国、地方を合わせた基礎的財政収支の黒字化を目標としているところでございまして、平成20年度予算までに公債依存度と新規国債発行額について、4年連続で前年度を下回るなど、財政健全化に向けて取り組んでいるところではございますが、昨年秋のリーマン・ショック以降、100年に一度とも言われる世界的な経済不況の影響を受けまして、経済危機対策といたしまして財政支出を余儀なくされるなど、基礎的財政収支の黒字化という点では再び困難な状況に直面しているものと認識しております。
 なお、こうした対応はですね、基本的には財政政策として国の専管というかですね、その効果が期待されるところでございます。こうした国の財政運営、財政規律についてはですね、地方分権における国と地方の関係の側面でなく、国の政策全体、いわゆる税制やですね、社会保障制度などをですね、トータルで考える必要があると思います。また、国民負担の世代間の公平性のあり方も含めてですね、この国の将来の全体のあり方を国民的な議論が必要な案件であると、このように考えているところでございます。


◯17番(半田伸明君)  何点か……。御答弁ありがとうございました。今回の質問の背景なんですが、東国原さんが地方分権ということで、自民党から総選挙に出る、出るということで、マスコミでがあっと騒いだときに、ある市民の方からですね、地方分権って一体何なのという質問をいただきました。当然いいことだと話をするわけですが、いまいちよくわからんと。地方分権が何で必要なのかって根本的に言えるかと言われて、私は、恥ずかしながら即答ができなかった。なぜ地方分権が必要なのか。当たり前を疑うというのを、やはりもう一回ちょっと考えてみる必要があるのかなというのをおぼろげに感じたわけでございます。
 そこで、地方分権って一体何なんだろうなと考えた場合に、過去の地方分権の歴史をちょっと一からもう一回勉強し直そうと思ってですね、いろんなものを見てみたんですが、結論から申し上げますと、国の縛りがですね、ずっと長いこと続いていた。縛りが続いていたから自由にさせてくれと。ここまではいいんですが、その表裏一体の部分で、1960年、70年あたりからですね、画一的な自治体、要するに均等にサービスを施すということから、各自治体がやっぱり似たような政策をとっていくようになった。それは、補助金という政策がですね、一部、誘導要因になった。ここで、日本の各自治体は、国との関係において最初のミスを私は犯しているんじゃないかなって、近時考えるようになってきております。
 それはどういうことかと申し上げますと、例えば国税とかがですね、三鷹市の人口の分の、払われている国税があるとしますね。それが、例えばもともと三鷹市に入るものだと仮に変わっていったとした場合ですね、そのお金で賄えるような投資を過去してきたのか。そこに疑問を、自分の頭が移ってですね、そう考えていくと、実は──三鷹はまだいいですよ、余力ある方だと思いますからね。全国で見てみた場合はですね、本来的な自治体の持つ能力──能力というのは歳出能力ですね。能力の倍以上ないし3倍以上ということの投資、これは当然国の誘導もあったと思います。夕張を見ればよくわかることです。そういったことが過去積み重なってきたことによって、国も借金を負えば、地方も借金を負えばというような事態になってしまった。そういった過去の負の遺産が脈々とあるわけですね。その反面、地方分権、地方分権ということで、著名な方が、知事さんがですね、お話しなさったことによって議論に火がついた。火がつくことは大変すばらしかったと私は思います。つまりは、地方分権ということがいいことか悪いことかということの論証がですね、なかなか届いていないのではないか、有権者の皆さんにですね、なかなか届いていないのではないかということを最近、私は考え始めております。
 このたび、今回、このように政権交代が行われたわけですが、過去の自公政権のもとでですね、当然官僚支配なわけですから、さまざまな補助金行政が行われてきましたし、今後、民主党政権になったとしてですね、民主党政権が生まれた後にどのような、国が歳出構造をしてくるか、これは正直わからないですね。私は、一番危惧しているのはですね、国が歳出構造を実は変えたようで余り変わってないという事態、つまりは、地方に対しては、やはりさまざまな政策を、国誘導の政策の補助金をやることによってですね、地方が飛びつくという事態が延々繰り返されるとなると、実は地方分権という言葉が先行してですね、気がついたら数十年後には国も地方も大借金でですね、火だるまにならざるを得ないという時代が多分来るんじゃないかなって、個人的には思っております。
 では、そういう状況の中であるにもかかわらず、地方分権ということを今後どのように考えていくかと考えた場合に、私が思いまするに、地方分権というのは、当然地方が自主性を持つことですから、至極当たり前な話なんですが、その行き着く先に、我が国のですね、将来が、本来はこうあるべきである、例えば借金が今の半分減るべきであるとかですね、毎年毎年国債の新規発行をせずに済む世の中にしたいねとかですね、そういったお金にまつわるビジョンですね。本来的に必要な、例えば生存権の保障のために必要なお金、これは国が面倒を見てくださいとかいうことの議論を通り越してですね、今後、将来性を見据えた場合に──今回の総選挙もですね、国の将来のビジョンを競い合ったかどうかという議論については、私は個人的には疑問を感じております。だからこそ、先ほど市長からもお話がございました、都道府県がちょっとクローズアップされ過ぎたというのはあると思いますので、市町村の、基礎的自治体の立場からですね、本来は、地方分権ということを当然言い続けていくわけなんですが、それとあわせてですね、国はこうあるべきなんではないか、私たちの子ども、孫の世代の日本はこうなっているといいねって、それを地方の側から言い続けていく時代がやがて来るのではないかと私は思うんですね。
 例えば特定政策のAという政策が、国がやりましたと。言葉は悪いですけど、思いつきでやったという事業、過去にも何度もありましたですね。そういうのを地方がやる、やらない──当然やらされる部分もあったかと思うんですね。そういった現実的な側面をもう一度見直してですね、今後、国の方がさまざまなそういうメニューをもし用意してくるとした場合に、いやいや、それは地方分権の観点からすると、本来的に必要かどうかは、ちょっとね、国の方へ、私は疑問を感じますよということを地方の側から言っていく必要性があろうかと思うんですよね。当然必要な事業は必要ですし、それについて国の財政支出を求めるのは、これは至極当たり前のことでございます。とはいえ、先ほど申し上げたように借金火だるまの状況はもうすぐそこまで来ています。
 2009年10月危機と国債10年物の市場でよく言われていた言葉ですが、数日前の鳩山発言でですね、一たんちょっと鎮静化しているようでございますが、もしこれが、2009年10月危機が勃発されていたんだったら、これは大変な事態になると思います。そういったことも考えていくとした場合ですね、地方の方から、国の将来像はこうあるべきである。それを今こそ声高に言っていく必要があるのではないか。そのような疑問を感じたんですね。
 総選挙で政権交代は行われましたが、政権交代が行われたから、国の将来が抜本的に変わっていくか、これは当然、今後数年間見ていかなければなりません。このような流動的な国政状況だからこそ、基礎的自治体としては、やはり守るべきものはしっかり守る。そして、守るべきものは守るということの次元を超えて、国に対しては、あんた、こういうふうにならなきゃいけないんじゃないのということを積極的に言っていく、そういうことが必要なのではないかと思うんですね。当然、今までも数々の意見書を初めですね、国の各種審議会を初めですね、いろんな御主張をなされてきたことは重々承知をしておりますが、いや、今このような状況だからこそ、あえてですね、地方の側から、国の将来ビジョンについてさまざまな──辛らつなといった言葉は変ですが、きつい意見もあえてどんどん口に出していって、今まで以上に物申す地方をどんどんふやしていくべき時代に来ているのではないかと思うんですね。この点について、再度市長のお考え、もう一度お伺いをしておきたいと思います。


◯市長(清原慶子さん)  それでは、再質問にお答えします。
 自治の担い手の一方である市議会議員でいらっしゃる質問議員さんから、改めてですね、地方分権とは何かと問い直しているというふうに伺いまして、いや、市議会議員さんこそですね、地方分権の担い手の一方であるというふうに、私は、改めて、質問議員さんにも再確認をしていただければ心強いと思います。
 そして、今回、衆議院議員選挙がありまして、大変高い投票率でしたね。市長選挙も、そして市議会議員選挙もあれだけの投票率を得たいものだと私は思いますね。というのは、やはり残念ながら、市民の皆様には国政選挙についての情報量は圧倒的に多いけれども、地域に対する情報は、やはりどんなに私たち頑張って広報してもですね、相対的にですよ、少ないという特徴があるのかなというふうに思いますし、選挙についてもですね、市議会議員選挙、市長選についてはそんなに報道がなされませんが、国の選挙ともなれば、これだけの報道量ですから、圧倒的な高率の投票率でもありましたね。
 そんな中で、再質問の御趣旨は、ぜひ地方からの声を国に、さらにさらに国のあり方として提起すべきだということでしたが、私は、まず第一義的に申し上げたいのは、先ほど申し上げましたように、どんなに国政が変わろうと、地方政府として、三鷹市として、するべきことはしっかりとしていくということは揺るぎないことであり、それは、市長を中心とした行政だけではなくて、まさに市議会の皆様がそういうことをしていただいているというふうに私は信頼をしているわけですね。そして、地方の声を中央政府に届ける一番の代表は衆議院議員であり、参議院議員といった、まさに地方の選挙区で選ばれた議員ではないんでしょうかね。やはり、ですから、望みたいのは、国会議員というのはしっかり現場の声をですね、進めることで地方分権、地域主権の立場に立った御活躍をいただくと。それはどの党派に属そうとですね、私は、共通してしかるべき国会議員のあり方だというふうにも思うので、大いに今回の選挙で選ばれた国会議員の地域代表としての活躍に期待をしたいと。その上で、私は、きちんとですね、市民の皆様の代表である市長として、そして市議会議員の皆様と御一緒に、三鷹で望ましいと思って課題解決のためにやっていくことは、その実践をですね、しっかりと発信をし、市民の皆様の御評価もいただいて、それが、よいものは広げていく、そして正すべきものはですね、改善させながら定着を図っていきたいというふうに考えているわけです。
 ただ、社会保障制度についてはですね、地方自治体が頑張っても、三鷹市だけがよくなるとか悪くなるじゃ困るわけですから、これは国の責任としてですね、しっかり、日本国民であるならば、同じ条件できちんとしたですね、医療・介護・福祉等をですね、享受できるような、そういう取り組みにしていただかなければいけない。それは介護保険の保険者として、国民健康保険の保険者として、いろいろな機会に言ってきたことをですね、さらに申し述べていきたいと思います。
 最後にですね、財政運営の健全化を図るということが重要であるというふうに質問議員さんはおっしゃいました。これはもっともな観点でございまして、三鷹市は長年にわたり、地方自治を実現していくには財政の自立化ということが極めて重要であると。国に依存し過ぎない。しかし、市民の皆様が納めていただいた国税、都税はしっかりと市民の皆様に還元されるように活用はしてきたわけでございますから、この辺のところはですね、実践を含めて税の正しい配分、そして、引き続き財政の健全化に努めていきたいと、このように考えております。


◯議長(田中順子さん)  よろしいですか。
                 (「はい」と呼ぶ者あり)
 それでは、以上で半田伸明さんの質問を終わります。
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◯議長(田中順子さん)  次の通告者、6番 加藤浩司さん、登壇願います。
                〔6番 加藤浩司君 登壇〕


◯6番(加藤浩司君)  それでは、議長の指名をいただきましたので、通告に従いまして一般質問をさせていただきます。
 私の市政に対する一般質問は、公共施設整備に関する考え方についてと、快適な生活環境についてお伺いさせていただきます。
 最初に、公共施設整備に関する考え方についてお尋ねいたします。
 本年3月に三鷹市が取りまとめた三鷹市都市再生ビジョンの前文にも記述されておりますように、三鷹市は、市制施行直後から続いた急激な人口増加と都市化に対応するため、公共施設の整備を進め、現在ではその当時に整備した施設の老朽化が進むとともに、新たな耐震基準への対応、バリアフリー化、環境への配慮など、あらゆる面から施設の整備を積極的に進めていく時期が到来してまいりました。
 平成20年3月に確定した市の第3次基本計画の第2次改定では、最重点プロジェクトに「都市の更新・再生プロジェクト」を追加していることや、体制面では三鷹市都市再生推進本部を設置したことなど、本格的に議論を進め、実行に移していく時期であると実感しております。
 都市再生・更新の課題として、1つには公団住宅等の集合住宅の建設とリニューアル、2つ目として下水道、水道、道路等の整備とリニューアル、そして3つ目に公共施設のファシリティーマネジメントの推進が掲げられております。3つ目の公共施設のファシリティーマネジメントの推進の中でも、公共施設の整備・再配置の方向性について、この三鷹市の顔でもあります市民センター周辺地区の整備は、市民生活、市民サービスにおいても重要な位置づけであります。ここでは、ふじみ衛生組合と、東京多摩青果様よりお借りしている三鷹市場跡地を含めた市民センター周辺における公共施設の再配置というものは三鷹市の中心的施設の整備であることから、市内全域の公共施設の配置にも深くかかわり合いがあります。
 個々の施設の安全性を確保することは急務でありますが、整備に当たって市民サービスがおろそかにならない配慮も必要とされます。現状では、新ごみ処理施設建設に伴い、ふじみ衛生組合内の配置計画が先行しております。市民センター周辺における公共施設の再配置は、ほかのプロジェクトと違い、後戻りのできないプロジェクトであるという認識で多くの議論がされてきたと推測いたします。
 そこでお尋ねいたしたいのであります。ふじみ衛生組合とは隣り合った敷地関係の中で、同時期に整備を計画する現状を踏まえ、ここまでのさまざまなプロセスも考慮し、相互にメリットを見出すような検討は進められているのでしょうか。また、ふじみ衛生組合の配置計画が市民センター周辺地区の再配置に与える影響について、どのようにお考えでしょうか、市長の御所見をお聞かせ願います。
 公会堂及び公会堂別館につきましては、平成19年度に実施した耐震診断の結果を踏まえ、建てかえの方向で進んでいる公会堂の別館や、耐震補強により安全と利便性を確保するリニューアルで整備を進める予定の公会堂など、配置においては大きく変わらないのではないかと思われます。市民センター周辺地区全体のレイアウトを考えるとき、当然のことながら、メリット・デメリットの両面があります。
 そこでお尋ねいたしたいのであります。市民センター周辺地区全体の再配置の観点から、公会堂と公会堂別館の整備計画と三鷹市都市再生ビジョンとの整合性について、どのようにお考えでしょうか、市長の御所見をお聞かせ願います。
 次に、快適な生活環境についてお尋ねいたします。
 三鷹市では、「たばこを吸う人も吸わない人にも快適な空間をつくるために、街での喫煙マナーの向上に皆さんのご協力をお願いいたします」と、喫煙マナーアップの協力を市のホームページなどで呼びかけているところであります。
 路上喫煙の対策として、千代田区は、路上喫煙禁止地区を設けて、違反者に対して2,000円の罰則金を科しており、これによって歩行喫煙が減少していることは周知のとおりであります。歩行中の喫煙を規制している都内の地方自治体でも、考え方や取り組みはさまざまであります。2,000円の罰則金を定めている千代田区を初め、府中市、品川区などでも罰則金を定めて規制をしているところであります。また、過料徴収を明記せずに、努力義務または禁止を定めている自治体は、立川市、世田谷区、中野区などであります。吸い殻が捨てられていない道路などを維持することや、だれもが安心して歩くことができる道路環境は理想であります。東京都内だけではなく、全国でも歩行禁煙の禁止やポイ捨て禁止を提案しているところは少なくありません。三鷹市内でも、駅前など公共性の高い地域では歩行喫煙に対し規制することも必要なのかもしれません。
 そこでお尋ねいたしたいのであります。三鷹市では歩行中の喫煙を規制する法整備など、今後の方向性についてはどのようにお考えでしょうか、市長の御所見をお聞かせ願います。
 喫煙マナーアップにつきましては、さきにも述べましたとおり、ホームページなどで市民の皆様に呼びかけるとともに、毎年11月の1日から7日を喫煙マナーアップ週間と位置づけ、三鷹駅、三鷹台駅においてキャンペーンを実施しているところであります。平成20年度は三鷹市のキャラクター「ポキ」の描かれた携帯灰皿を配布し、駅の利用者に喫煙マナーの向上に呼びかけを行いました。
 そこでお尋ねいたしたいのであります。このキャンペーンによる効果についてどのようにお考えでしょうか、市長の御所見をお聞かせ願います。
 喫煙マナーアップの1つとして分煙の取り組みを推進していくことは有効な施策であると考えることができます。また、厚生労働省によって制定された受動喫煙の防止に関する法規、健康増進法第25条では、分煙に関して規定をしているところであります。内容は至って簡潔で、ちょっと御紹介をさせていただきますと、第2節、受動喫煙の防止、第25条「学校、体育館、病院、劇場、観覧場、集会場、展示場、百貨店、事務所、官公庁施設、飲食店その他の多数の者が利用する施設を管理する者は、これらを利用する者について、受動喫煙を防止するために必要な措置を講ずるように努めなければならない」とされております。上記の規定に基づき、民間の施設などではロビーのように公共性の高い場所では分煙が当然とされており、必ず近くに喫煙スペースが設けられております。市庁舎内においても既に分煙の取り組みが進められております。
 人込みの中での喫煙は、周囲の方々に対し迷惑であるばかりか、危険を与えることもあります。さらに、吸い殻のポイ捨ては、まちや自然の美観を損ない、また、火が完全に消えてない場合には火災の原因になるおそれもあります。駅付近など屋外において公共性の高いエリアでも喫煙のスペースを確保することは、たばこを吸う人も、吸わない人にも快適な空間、そういった空間づくりの原点ではないでしょうか。
 そこでお尋ねいたしたいのであります。駅付近など公共性の高い屋外における喫煙スペースの設置の必要性について、どのようにお考えでしょうか、市長の御所見をお聞かせ願います。御答弁のほどよろしくお願いいたします。
 以上におきまして壇上での質問は終わらせていただきますが、御答弁によりましては自席での再質問を留保させていただきます。よろしくお願いします。
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◯議長(田中順子さん)  加藤浩司さんの質問の途中でございますが、この際、しばらく休憩させていただきます。
                  午前11時56分 休憩



                  午後0時59分 再開
◯議長(田中順子さん)  休憩前に引き続き、会議を再開いたします。
    ──────────────────────────────────────


◯議長(田中順子さん)  市政に関する一般質問を続けます。
 加藤浩司さんの質問に対する市側の答弁をお願いいたします。
                〔市長 清原慶子さん 登壇〕


◯市長(清原慶子さん)  それでは、公共施設整備に関する考え方についての御質問に答弁をいたします。
 三鷹市都市再生ビジョンの進捗状況に関連しまして、ふじみ衛生組合の新ごみ処理施設の整備と市民センター周辺地区の再配置について御質問いただきました。
 新ごみ処理施設については、三鷹市と調布市との協議に基づき、ふじみ衛生組合において整備計画を定めて取り組みが進められています。したがいまして、市民センター周辺地区の事業化に当たりましては、先行しております新ごみ処理施設整備事業との整合性を図りながら検討を進める必要があると考えています。
 新ごみ処理施設の整備では、発電を中心に、温水など熱エネルギーの活用が考えられています。将来的に市民センター周辺地区において、ふじみ衛生組合が供給する電力や余熱の活用について、これらを低廉で安定的に活用することも可能であることから、今後もふじみ衛生組合と連携し、環境負荷の小さい、効果的な市民サービスの提供に向けて検討を進めてまいります。なお、御指摘の施設レイアウトにつきましては、両施設の運営面に最適となるよう調整を図ってまいります。
 次に、公会堂、公会堂別館の改修に関連する御質問をいただきました。
 市としましては、老朽度等に伴う施設の課題については、現状施設の改修による長寿命化を基本としながら、改修における実施上の課題やコスト等を総合的に勘案した上で、必要な施設については建てかえを行うこととしています。また、建てかえに当たりましては、状況により公共施設の再編・集約化を検討するなど、長期的な視野に立った対応を図る必要があると考え、都市再生ビジョンにおいて基本的な考え方をお示ししています。そうしたビジョンに基づき、リニューアル整備と位置づけておりました公会堂、公会堂別館につきましては、今年度に入りまして、さらに検討を重ね、公会堂等の整備に関する基本方針を7月に取りまとめました。この方針に基づきまして、当面は現状の配置を生かしたリニューアル整備を進めることとしています。
 また、現在、策定に取り組んでおります市民センター周辺地区の整備基本プランとの整合性を図りながら、今後は本庁舎、公会堂等の更新を視野に入れたオープンスペースの活用など、中長期的な視点に立った市民センターのあり方について検討を進めてまいります。
 大きな2点目としまして、快適な生活環境について御質問いただきました。
 質問議員さんの御意見のとおり、道路などにたばこの吸い殻やごみが捨てられていない環境は、市で常に求めているあり方でございます。ポイ捨てにつきましては、三鷹市廃棄物の処理及び再利用の促進に関する条例第47条の2におきまして、吸い殻、チューインガムのかみかす、空き缶、空き瓶等の投げ捨てを禁止しています。しかしながら、罰則の規定や歩行喫煙について禁止地区を設けるなどの規制は行っておりません。市は、今までの市民の皆様との協働の活動から、歩行喫煙やポイ捨ては、行う人のマナーの問題だと考えています。このため、毎年、多くの市民の皆様の御協力を得てキャンペーン活動に取り組むとともに、路上啓発ステッカーを駅前デッキや周辺道路を中心に貼付いたしまして視覚にも訴え、マナーアップを図っております。
 今年度も三鷹駅前において、朝や夕方の効果的な時間帯に、ボランティアの市民の皆様、三鷹駅周辺の商店会、三鷹市ごみ減量等推進会議、三鷹市たばこ税対策協議会、日本たばこ産業株式会社武蔵野営業所など、多くの皆様と協働で喫煙マナーアップキャンペーンや不法投棄防止キャンペーンを行い、マナーの向上を訴えてまいります。このキャンペーンを通じまして、喫煙者が、人込みの多い場所では喫煙しない、灰皿のないところでは喫煙しない、周りの状況を考えて携帯灰皿を使用して喫煙するなどのマナーを守っていただくことが必要だと考えています。
 そこで、市の実施しております喫煙マナーアップキャンペーンの効果についての御質問をいただきました。
 このキャンペーンを初め、ごみ減量・資源化に関するキャンペーンを年5回程度実施しております。それぞれのキャンペーン中は、常に周辺のポイ捨てごみの清掃も実施しております。効果の計測といたしましては、平成19年度より、歩行喫煙者や路上投棄された吸い殻の計測を行っています。平成20年度では、キャンペーン前後での差は余り見られなかったのですが、前年度と比較しますと、歩行喫煙率は減少していました。継続して喫煙マナーアップキャンペーンを実施している効果があらわれているものと考えております。
 そこで、喫煙マナーアップを進める上で、エリアを限定する分煙化が有効な手段ではないかとの御提案に基づく御質問をいただきました。
 確かに三鷹市役所内でも、長年にわたりまして分煙の方法で一定の効果を見ているところでございます。また、このことにつきましては、これまでも多くの議論がございますとともに、本市議会でも議員の皆様から再三質疑をお受けしているところです。また、先日、ある団体から、JR三鷹駅南口喫煙場所の設置に関する要望書が出されました。私としては、質問議員さんも安全で快適な生活環境に関する御質問として、今回、このような御提案をいただいたわけですが、安全で快適な駅前空間の創出ということは大変重要だと思っております。あわせて、率直に申し上げまして、市の財政状況における、たばこ税による歳入の観点も考える必要があります。これらを総合的に考えて判断すべきものだと受けとめているところです。今後、担当セクションに、駅前での設置場所のあり方などについて検討するように指示していきたいと考えております。
 以上で答弁を終わります。


◯6番(加藤浩司君)  御答弁ありがとうございました。幾つか再質問をさせていただきたいと思います。
 まず、都市再生ビジョンにおきます、市民センター周辺地区の再配置に関する再質問をさせていただきたいと思います。
 現状でふじみ衛生組合、新ごみ処理施設が建てかえを、新しくそこの施設が計画されているところでございますが、今あるこの市民センターの敷地、そして、ふじみ衛生組合の敷地、そして、今お借りしております東京多摩青果さんの敷地というこの3つのかぎ状の敷地が──全部をつなげるとかぎ状になるんですけれども、その3つの敷地を使ったときに、本当にどういったレイアウトが今後望ましいのかという観点から、いろいろ、今回、考えて質問をしたところでございます。
 施設の集約化ということと同時にですね、この三鷹市役所周辺がですね、市民にとってどういう影響というか、どういうことが考えられるか、どのような影響というんですかね、与えられるかということをちょっと考えたときに、市民センター──市庁舎があり、今、体育館があり、公会堂がありというような流れで物は進んでいるんですけれども、中心にあるべきものが何で、これからの都市災害とかも考えると、防災に関する拠点があるだとか、そういうものが1つに統合されるようなものがまず必要なんじゃないのかなというふうに、僕はこの3つの敷地をつなげて考えたときに位置づけました。
 たしか一昨年、常任委員会で防災公園を視察したときにも、やはり市庁舎のすぐそばに防災公園があり、そこが防災の際の拠点と、避難の拠点というふうになった次第でございます。そういうこともいろいろ頭の中にありながら、この再配置を考えたときに、今一番、このかぎ状の敷地の中心というか、一番つながってくる部分に新ごみ処理施設ができてしまって、2つの敷地が多少分断化されてしまう懸念がございます。さらに今回の公会堂と公会堂別館のリニューアルの方針では、配置は変わらずという考え方で進めていくということでありますと、とりあえず、今、急務で安全を施さなければいけない建物に関してはそういうふうにやっていくけれども、この3つの再配置という、都市再生ビジョンという流れで、この周辺地区を考えたときには、どこまで有効にこのレイアウトや再配置が考えられているかということにクエスチョンが出ました。という意味でも質問をしたんですけれども、今やらなければいけないものは当然やらなければいけないんですけれども、もう少し、市長の御答弁の中にありましたとおり、中長期的に考えるのであれば、ここで数億のお金をかけていろんなことをやっていく。であるならば、全体のことをやっぱり考えながら、少しずつ、最終的に10年後には、このエリアはやはり三鷹市の拠点になるような、そういったことも考えつつやらなければならないのではないかなと。
 公会堂の別館を使用する機会がここのところ、ちょっと多かったわけですけれども、個人的に多かったんですけども、あそこの要望に、エレベーターの設置が求められておりました。改修でエレベーターを設置して耐震補強までやると、確かに費用がかかるのかもしれません。であるならば、もっと全体的にこの敷地を俯瞰して見ていただいてですね、全体をどういうふうな位置づけで、まずゾーニングをしてやっていく。もう恐らく、今後10年、20年、30年はこういう機会はないんじゃないのかなと思っておりますので、もう少し、ここを三鷹市の顔──大体、市の顔といいますと、駅前だとか市庁舎というのが地方においても一般的だと思います。ですから、今、別の問題では駅前が、三鷹駅の南口周辺のことが再開発の計画がされているわけですけれども、この三鷹市民センター周辺地区の整備を行うに当たっては、もう少し根本的な視野から進めていっていけないのかなと。そういう考え方で物事を進め、当然コストがかかるのも理解してるんですけれども、それを段階を追って進めることができないのかなということでの質問をさせていただきましたので、ちょっとこの辺に関して、再度答弁をいただきたいと思います。
 続きまして、たばこの分煙に関すること、それと、たばこに関するもろもろの考え方には大きく2つぐらいの考え方がありまして、当然、吸う側の考え方と吸われて受動喫煙で嫌がっている方々の意見だと思います。ちょっとホームページを調べておりましたら、全国たばこ販売協同組合連合会の会長さんのあいさつの中で、たばこが人々の生活に親しまれてきた500年という歴史、国や地方財政への貢献、日本全国で2,600万人を超える愛煙家の存在を無視した、たばこのマイナス面ばかりを強調した風潮、そういう議論を取り入れた一方的な政策というのはちょっと残念だというような表現がされておりまして、私も、わざわざ法整備をしてまで路上喫煙を規制することはないというふうな考えでございます。マナーアップを、マナーの向上をしていただいて、それで吸う方も、吸わない方にも快適な空間をつくっていくということに対しては非常に賛成で、規制ばっかりしたところで、その効果がどこまであるか。
 千代田区でやっていますように、2,000円を徴収することに関して多くの予算がつぎ込まれております。当然、専任の職員の方がまち中をパトロールしていくわけですから、それに対する予算というものも莫大であり、逆にそういうたばこを吸う人を見かけて、その場で徴収する、または後ほど徴収していただくために、交通違反じゃないですけれども、反則切符みたいなものがありまして、後で徴収をしていただくんですけれども、それも偽名を使って名前を書かれて、反則切符を切ったことによって何も確かめるすべがありませんので、後で徴収という、非常に徴収率が悪いということも調べたところ、わかった次第です。三鷹市では、そこまでやらないという御判断なので、私もできる限り、周りにそういう方がいれば、喫煙マナーを守って快適な空間をつくっていければいいと思っております。
 最後に、分煙について、駅付近など公共性の高いところに、そのような屋外の分煙スペース、喫煙スペースというところがあればいいなということで御質問させていただきました。
 今、市長の答弁の中に、組合さんからの請願もあり、いろいろ考えていただいているということでありますが、我々がやはり三鷹駅を利用するということ──今までそんなに三鷹駅を利用しなかったんですけれども、これもやはりこの数カ月で三鷹駅にちょくちょく立つ機会があったものですから、よく見させていただきました。その中で、やはりたばこを吸って駅の方まで来ているんですけれども、それを消して捨てるところがないとかいうので、ちょこっとした排水に捨ててしまったりだとかという光景もちょこっと見させていただきました。あそこは、たまに水たまりができるとかいうことも問題視されていますけれども、やはりたばこを吸う人に対しても、優しい駅付近というか、そういうものであった方がいいと思い、そのような方向で御検討いただいているということであれば、非常にうれしい限りでございます。これに対しては答弁は結構でございます。
 都市再生ビジョンに関して御答弁いただければと思います。よろしくお願いいたします。


◯市長(清原慶子さん)  都市再生ビジョンに基づく、とりわけ公共施設の再配置の観点からの再質問をいただきました。
 市民センターとふじみ衛生組合の新ごみ処理施設建設用地と暫定管理地というのは、御指摘のとおり大変三鷹市民の皆様にとって重要なスペースでございます。私たちは、都市再生推進本部──これは第一副市長を本部長としている組織ですが、すべての部長が本部員としてかかわりながら、鋭意それぞれの観点から緻密な検討を進めておりまして、平成21年度の施政方針でも申し上げましたように、これはしかるべき時期にですね、適切に市民代表たる市議会の皆様にも御報告をしながら歩みを進めていきたいと考えております。その中で、私どもが検討しております論点について質問議員さんからいただいておりますが、この場につきましては、例えば本日9月1日、まさにあの関東大震災が起きて、私たちにとっては重要な防災を考える日でございまして、質問議員さんからも、防災拠点としての市民センターのあり方について重く位置づけるようにとのお立場からの御質問をいただきまして、私もそれにつきましては大変重要な機能だと認識をしております。
 また、新ごみ処理施設を調布市と共同でつくろうとしておりますふじみ衛生組合の管理者でもございますので、調布市との協議、そして調布市民の皆様、三鷹市民の皆様双方にとって安全で信頼できる新ごみ処理施設をつくるということと、あわせて先ほど答弁いたしましたが、電力であるとか、熱エネルギーであるとか、そうしたものをですね、有効に使うという、双方をですね、目指していきたいというふうに考えております。
 なお、暫定管理地につきましては、御案内のように民間の所有されている土地でございます。これにつきましては、私たちとしては、できる限り取得したいとの考え方から丁寧なやりとりを進めておりますので、これは大変デリケートな問題でもございますので、しかるべき時期、しかも遅くない時期にきちんとした御報告ができるように進めてまいります。現時点では以上のような方向性で、前向きにですね、丁寧に市民センター周辺地区の計画についても取り組んでいるということを申し上げて、答弁としたいと思います。


◯6番(加藤浩司君)  再質問に御答弁いただきまして、ありがとうございます。三鷹市内であれほど、これほど大きな敷地が一遍に動き出すということは、今後そんなに多くないのかなと思い、貴重な機会に私もここで質問をさせていただいたと思っております。
 都市再生本部に各部の部長さんがなられて、その部の問題ごとで提示しながら、市内全体を見ていただいているということで、今、認識をさせていただきました。私もそのような仕事に携わっていたわけですから、どちらかというと、木を見て森を見ずというふうに先輩にしかられたことがあります。やはり一つ一つ細かく検討を重ねていくことにより、全体をやはり俯瞰して見ながら物事を進めていかなきゃいけないんじゃないのかなというふうに、老婆心ながらちょっと思ったものですから、この場をもって質問させていただきました。
 以上で質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。


◯議長(田中順子さん)  以上で加藤浩司さんの質問を終わります。
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◯議長(田中順子さん)  次の通告者、9番 土屋健一さん、御登壇願います。
                〔9番 土屋健一君 登壇〕


◯9番(土屋健一君)  議長の御指名がありましたので、通告に従いまして市政に関する一般質問をいたします。
 最近、NHKの「特報首都圏」や、読売新聞の掲載等でよく目に、そして耳にします「買い物難民」という言葉はいつごろから使われるようになったのでしょうか。数年前、朝日新聞掲載の「食卓は、語る」にこの言葉が出てきているそうですが、そこで、今回は、高齢者が安心して買い物ができるまちづくりについて、高齢者のいわゆる買い物難民化防止施策について質問いたしますので、御答弁のほどよろしくお願いを申し上げます。
 さて、経済産業省の調査によりますと、経済不況や長引く消費低迷のため、自治体に届け出た大型店の新規出店計画件数が2008年度は前年度対比13.4%減の650件と、大規模小売店舗立地法が施行され、届け出が義務づけられた2000年以降最大の減少率であります。後継者不足に加え、大規模小売店舗法廃止による大型店の増加により、さらに加速した小規模店舗衰退後のこのような状況下において、大型店の新規出店抑制や不採算店の閉鎖が、日用品や生鮮食料品を購入できる店舗が近隣になくなったといった、高齢者のいわゆる買い物難民のさらなる増加になると懸念されております。このように高齢者が買い物に困りつつ、買い物難民化という現象が全国的に生まれているのは事実であります。
 ここで言います買い物難民とは、高齢者が買い物をできなく、生活ができなくなったために、長年暮らしていた地域から引っ越しをせざるを得なくなった人を指しますが、その前段階でもあります買い物難民化やその予備軍についてのお考えを伺います。三鷹市においては、まだそれほど現実的ではないと私は思っておりますが、その現状認識と中長期的に見てのこれからの推移についてのお考えを伺います。
 次に、商店空白地域についてお伺いをいたします。
 佐賀市では、車が運転できないため、買い物に不自由する買い物難民が社会問題化する中、小売店の現状調査や消費者の購買調査を行い、生鮮食料品や日用品などを扱う小売店が半径500メートル以内にないことなどを目安に、商店空白地域を把握しております。また、板橋区での65歳以上のあるアンケート調査によりますと、自宅から利用小売店の平均距離は733メートルで、1キロを超える人も多く、その距離に不満を感じる人ほど買い物に行く回数が少ない傾向が見られました。2日間で3食のいずれかを食べなかったという欠食率は、週に3回以下しか買い物に行かない人で8.3%と、4回以上行く人の4.9%をかなり上回っております。このように高齢者の健康にまでも影響を及ぼすことから質問いたしますが、三鷹市では、高齢者が生活用品や生鮮食品などを購入する商店と自宅の距離の目安はどのくらいまでが許容範囲であると考えているか。そして、生活情報センター(仮称)の設置検討に伴い、このような商店空白地域の実態調査などを行うなど、早急に三鷹市全体の現状を把握すべきと考えますが、お答えをお願いします。
 「買物難民−もうひとつの高齢者問題」の著者でもある杉田 聡教授は、2005年に、ひとり暮らしまたは夫婦だけで生活している65歳以上の高齢者を対象に、買い物に関するアンケート調査を行いました。買い物の行き帰りに苦労があると答えた人は49.1%で、特に75歳以上の人は、6割以上が苦労を感じていました。その理由のほとんどは、足腰が弱っている、店まで遠い、歩いていくのが大変、荷物は余り運べない、であります。苦労を減らすために期待することは、近くに新たな商店ができる、42.6%が最も多く、商店街の衰退を食いとめる、が続いております。
 三鷹市では、三鷹市商店街の活性化及び商店街を中心としたまちづくりの推進に関する条例を制定し、商店街の活性化をもって、さらなる地域の健全な発展や、市民生活の向上を目指した施策を展開されております。しかし、多くの高齢者が含まれる市民生活の向上を目指すというのであれば、地元の商店を活性化させる施策を、商業施策というより、高齢者福祉施策としてもとらえ、並行して展開すべきと考えますが、御所見を伺います。
 現在、市内に多く存在するコンビニエンスストアも、高齢者にとっては便利な、まさにコンビニエンスな地元商店として貴重な存在であると考えます。しかしながら、さらなる少子高齢化に伴い業績の低迷が予想され、今後、大規模な業界再編に結びつく可能性があると昨今報道されていることを踏まえての質問になりますが、今、コンビニの果たしております役割をどのように認識し、そして、今後の展望を市はどのように考えているか伺います。
 このようなコンビニ業界の現状を踏まえますと、今後、商店確保施策においても、大手コンビニを視野に入れていたのでは、持続可能な商店確保には疑問を感じます。昔から地域コミュニケーションの中にある商店は貴重です。高齢者のために地元商店、特に住宅地の中にぽつんと残された、とても貴重な商店をなくさないための、これまでされてきた守備的な施策とは何か、そして、これから何をすべきかの方向性を伺います。また、空き店舗の現状と空き店舗活用への推進状況を伺います。そして、さらに地元に商店を開設させるというような、攻撃というか、建設的な施策について伺います。
 杉田教授は、買い物は高齢者にとって生存にかかわる重要な問題。商店街をライフライン(生命線)として見直し、高齢者の視点から考えたまちづくりが必要だ。同時に、宅配やコンビニエンスストアを充実させるべきだと提言しております。私も、今後、行政がそれぞれの地域の高齢者ニーズに合った、生活インフラとしてのコンビニエンスストア的な空間等を開設すべき時期がそんなに遠くなく訪れるのではと考えます。
 住宅地近くにある空地や建物、施設などを利用し、その地域で手に入らない生鮮食品や日常品などを補充させるべく店舗や空間等を開設させる施策検討について、高齢者と商店双方にとっての効果があると考えますが、御所見を伺います。
 以上で壇上での質問は終わりますが、答弁によりましては自席での再質問を留保いたします。
                〔市長 清原慶子さん 登壇〕


◯市長(清原慶子さん)  ただいま高齢者が安心して買い物ができるまちづくりの観点から、買い物難民、商店空白地域と表現される状況について御質問をいただきました。
 三鷹市には、現在、32の商店会を初め、個店やスーパーがありますが、御高齢の方や障がいをお持ちの皆様が、徒歩で日常のお買い物をする際に不便を感じている方がいらっしゃるということは認識しております。全国的に見るならば、三鷹市は市街化が進んでいる地域でもあり、比較的近くに商店がある地域とも言えます。しかしながら、不況の影響もありまして、ここ数年で幾つかの商店会が解散しているという現状にもあります。このことは三鷹市に限ったことではありませんが、このままの状況が続きますと、日常の買い物に不便を感じる皆様が増加していくことも考えられます。これ以上、高齢者が、あるいは障がいをお持ちの方が買い物難民化していったり、商店空白地域化が広がらないように、三鷹市としても商店会連合会や三鷹商工会など関係機関と連携を図りながら、市内でお買い物をしていただくことを推進する施策や、その周知の徹底など、多角的に支援していきたいと考えています。
 商店空白地域についての具体的な御質問をいただきましたが、市でも、高齢者や障がいのある方々が徒歩でお買い物に行く場合、10分程度、すなわち500メートルから800メートルの距離が目安になると考えています。現段階では、こうした商店空白地域についての調査は考えておりませんけれども、地域ケアの観点からの取り組みもしておりまして、問題は認識しているところです。
 三鷹市の重点事業として推進しております地域ケア推進事業の中で、地域の住民同士でちょっとした困り事を解消する地域生活支援サービスシステム、通称ちょこっとサービス支えあいを井の頭地区で実施しておりますが、今後、こうした共助の仕組みづくりを全市展開していきたいと考えています。
 また、地域ケアネットワークに参加している地域の商店会の中には、既にこうした問題の解消に向けまして、宅配事業を推進している商店会もございます。今後、連携を検討していきたいと思います。
 また、介護保険制度による要介護認定で、要支援あるいは要介護の状態になられた方は、ヘルパーによる訪問介護サービスの一環として買い物の代行サービスが受けられます。要介護認定で非該当(自立)となられた方でも、心身の障がい等によりまして日常生活に支障があり、周囲からの援助が得られない場合には、三鷹市独自のサービスであります高齢者生活支援ヘルパー派遣制度により、買い物を含む日常生活に必要なサービスの提供を行っています。有料にはなりますが、三鷹市社会福祉事業団による介護・家事等サービスなども利用可能となっています。
 続きまして、高齢者が利用しやすい商店環境についての御質問に答弁いたします。
 質問議員さんが御指摘されましたように、今後の高齢社会に備えた施策を展開する上で、商店や商店街への支援策には、いわば福祉的な視点が大変重要であるとも考えています。三鷹市商店街の活性化と商店街を中心としたまちづくりの推進に関する条例では、安全安心、地域福祉、環境問題への取り組みなど商店街が果たす役割の重要性に着目し、身近な商店街の存続と活性化を図り、商店会や事業主が主体的にまちづくりに関与することを目的としています。
 そこで、商店の存続の問題は、地域社会の全体的な課題としてとらえるべきものであり、単に産業の振興という面にとどまらず、御指摘いただきました高齢者の福祉や環境、コミュニティなど、多様な視点からの検討や取り組みが必要であると考えています。最近では、児童・生徒の登下校時に商店会の皆様が見守りの役割を果たしていただくなど、そうした機能は、高齢者の方ばかりでなく発揮されていると思います。
 特に質問議員さんは、コンビニエンスストアの役割について御質問をされました。
 コンビニエンスストアは、今や身近にある多様なサービスの拠点としまして、高齢者はもちろんのこと、広く市民生活に重要な役割を果たしています。ただし、急な店舗の閉鎖も見られたり、あるいは経営上の問題により地域偏在があるなど、問題点もないわけではありません。しかしながら、コンビニエンスストアは、もともとお米屋さんであったり、あるいは酒屋さんであったり、地域の商店が新たな形態としてコンビニエンスストア化するなどですね、そうした地域に根差したコンビニエンスストアの取り組みもあることも事実です。したがいまして、市では今後も、コンビニエンスストア業界との連携を図ることで市民生活の利便性の向上に寄与できるのではないかと考えております。
 他の質問については、担当より補足をいたさせます。


◯生活環境部調整担当部長(清水富美夫君)  商店の確保の施策について御質問がございました。
 先ほど市長から御答弁ありました活性化条例、そういった趣旨にですね、沿って、国・東京都とも連携しながら、商店、商店街を支援をしているところでございます。
 地域商店を活性化させる方策として、さまざまなセールス、あるいはイベント事業を行う。そういう方策のほかにもですね、地域の中で商店が存続できるような、例えば特別商業活性化地区の指定、そういったことでですね、取り組んできているところでございます。今後もですね、むらさき商品券事業のように、商店街あるいは関係機関との組織強化、異業種連携につながるような施策を考えていければなと思っております。
 次に、空き店舗の状況でございます。平成18年でございますけれども、商店街商店数1,825店舗のうちですね、空き店舗、63店舗で、率としましては3.5%ということになっております。これら空き店舗につきましてはですね、一部商店街ではイベント等で活用されております。今後もですね、観光、あるいは情報交換、休憩・休息の場、託児サービスなどにもですね、視野を広げた形で活用を促進をしてまいりたいと思っています。
 また、空き地等の活用した店舗の新規開設につきましてはですね、既存の商店街あるいは商工会連合会の活動などを支援しながらですね、商店による宅配サービスの促進、地域の活動を支援していくことが買い物難民や商店空白地域への支援となるという点で重要であると考えておりますので、こうした取り組みを通じてですね、取り組んでまいりたいと思っております。
 以上でございます。


◯9番(土屋健一君)  ありがとうございました。まず、今の空き店舗等の現状なんですけども、平成17年度に商工会の方で空き店舗調査を行ったと基本計画の方にも書いてありますけども、その後は、もう4年がたっていますけれども、その後の調査等がされていれば、お答え願います。もしされていないならば、今後、市で行う予定があるのか、そういうこともお聞きしたいと思います。
 生活情報センター(仮称)なんですけども、このセンターは、たまたま本日、9月1日に開設というか、スタートする消費者庁との関連があるのかないのか、その辺のことをお伺いします。
 高齢者福祉施策としてのとらえ方について再質問いたしますけれども、基本計画改定に向けたまちづくりディスカッションの実施報告書によりますと、日常生活の不便という中に、店が少ないというのがありまして、また、高齢者にも暮らしやすいまち──暮らしにくいと感じるのはどんなことだと思いますかということで、近所の商店がなくなり買い物が不便ということで、この市民意見をですね、骨格案への市民意見として、近所で買い物ができるように市内にある小売店を育成・保護してほしいということにつながり、さらに、対応する基本計画の中の施策と事業ということでは、商業環境の整備、商業の活性化の推進と支援という方向に向かっております。要するに先ほどの条例に基づき、商業活性化の推進と支援のこの中で取り組みますという反映のされ方をしております。この過程はもちろん大変すばらしくて、結果的に商店街を活性化させることが、お年寄りたちの不便を解消される。この流れ的にはもちろん大変よろしいと思うんですけども、この施策の事業を途中で枝分かれさせまして、高齢者福祉の充実という観点、もちろん健康づくりの推進とか、健康づくり、食育の推進、また介護予防の推進と、もちろんそちらにも枝分かれしていくかもしれませんけども、そちらについても分かれていって考えても、反映してもよろしいのかな、お年寄りを中心に考えてもよろしいのかなと思いますので、その辺についてもう一度お願いを申し上げます。
 やはりコンビニエンスストアは、コンビニ神話って一時言われたこともありまして、ずっと右肩上がりだったんですけども、日本フランチャイズチェーン協会によりますと、7月の売り上げは前年同月比7.5%減で、2カ月連続マイナスになっているという結果が出ております。もちろんこれは、たばこのタスポが普及したことにより、その影響もあるということなんですけども、コンビニは出店余地が乏しくて、今後の少子高齢化に伴い事業の低迷が予想されておるという報道もされております。
 このような中、やはり、確かに先ほど市長、御答弁の中で、もともと酒屋さんとか、地域に根差した商店が大手コンビニと──お店の形を変えたお店も中にはありますけれども、新しくできたコンビニは、やはりこういう、いわゆる大手のコンビニでありまして、名前を出しますと、例えば伊藤忠商事とか、三菱商事さんとか、三井物産さんがもし相手になるとなると、なかなかこの三鷹の施策にとって、近所のお年寄りのためにという観点がなかなか仕向けられないのではないかなと。個人商店を相手にして、やはり三鷹市のまちづくりを考えるのとは、やはりちょっと無理があるのではないかと懸念されるところでございます。その点についてお答えを願います。
 以上です。


◯市長(清原慶子さん)  再質問の幾つかの点について私からお答えして、その他を担当から補足いたさせますが、最後のコンビニエンスストア、あるいは個人商店、そうしたところを、それぞれよさを生かしながらですね、高齢者の暮らしを支えていかなければならないということについては、やはり個人商店がなかなか、後継者の問題であるとか、あるいは消費者の行動の変化であるとかの中で、経営が厳しくなっているということは、単なる不況だけではなくて、さまざまな要因があると思います。
 その中で、三鷹市においては、商店街振興会の連携であるとか、商工会の商業部会の相互支援であるとか、そうした支え合いの中で商店街維持というのが、歯を食いしばってですね、進められているというふうに認識をしています。したがいまして、高齢者の皆様の自立的な生活を支える機能というところにも着目をしまして、今後もですね、地域商店街の支援というのは続けていかなければならないと思っています。
 なおですね、三鷹市の市民の皆様の消費行動を見ておりますと、もちろんコンビニエンスストアも有力な機能を果たしているわけですが、例えば宅配という機能においては、生活協同組合もですね、かなりの展開をされているという実態がございます。私たちは、やはり考えなければいけないのは、さまざまな事業展開が形態的にはあるわけですが、高齢者が孤立しないように、先ほど申し上げましたように、お買い物ができる方には地域の商店街が必要ですが、お買い物が何らかの心身の事情でできない方には、やはり暮らしを支えるお買い物支援のサービスは重要でしょうし、一様ではないサービスが現時点、長寿社会の中で求められているというふうに思います。
 そういう意味で、先ほど日常生活の不便の中で、商業活性化の方向性にまちづくりディスカッションの課題解決の方向性を見るだけではなくて、健康を守るとか、最近ですと介護予防とかいったような部分にも福祉的に力を入れるべきであるという方向はごもっともでございまして、現に健康福祉部ではですね、健康長寿のまちづくりでこうしたことを進めておりますので、これも質問議員さん御指摘のようにですね、今後、総合的な高齢者の生活支援という観点から、維持していきたいと考えております。


◯生活環境部調整担当部長(清水富美夫君)  空き店舗の調査の関係でございます。調査につきましてはですね、現時点では考えてはおりませんけれども、市商連におきましてはですね、空き店舗を活用した検討をですね、したいような意向をですね、私も聞いております。市商連ともよく協議しながらですね、検討をしてまいりたいと思っております。
 また、生活の情報センターの関係でございますが、これは、特に消費者庁とはですね、直接関連はないということでございますので、よろしくお願いします。


◯9番(土屋健一君)  ありがとうございました。よく今、お答えはわかりました。先ほど市長から、宅配もあるという、みたかモール等もありますし、確かに便利なものだと思います。私の家でも、父が寝たきりで亡くなるまでは、やむなく宅配の方を利用していました。確かに時間とか、仕事をされているとか、時間がないということで宅配を選択するということは、大変結構なことだと思います。2009年3月、ことしの3月現在ですね、東京都生活協同組合連合会によりますと、都内で地域生協に加入している世帯は186万世帯、前年度比5万以上もふえ、加入世帯は区部で24.2%、多摩地域で41.3%、東京都全体では30%、約3割だそうです。この自治体別地域生協組合加入率は、立川市と武蔵野市では約30%ということで、府中市は35%、三鷹、調布は40%、小金井市は45%という、私が考えるよりも高い数字なんですけれども、このような加入率だということです。
 この宅配、または生協等も、先ほど申しましたように、買い物時間がないので、宅配、生協を選ぶということは、もちろん選択肢として結構なことですし、選んで、選択として結果的に生協、宅配を選ぶということは大変よろしいことだと思うんですけれども、結果的に生協とか、宅配しかなくなったという時点で、生協、宅配を選ばざるを得ないという、やっぱり精神的にあるのは随分違うと思います。やはり自分で、例えばしょうゆ1つでも、何か1つでも、近くの商店に買いに行ける。やっぱりこういう環境が大切なのかなって思いますので、これからも市民のお年寄りの不便をなるべくつくらない、こういう商店環境のまちづくりに努めていただけたらなと思います。
 以上で終わります。


◯議長(田中順子さん)  以上で土屋健一さんの質問を終わります。
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◯議長(田中順子さん)  次の通告者、8番 伊東光則さん、登壇願います。
                〔8番 伊東光則君 登壇〕


◯8番(伊東光則君)  議長から御指名をいただきましたので、通告に従い一般質問をさせていただきます。
 本年7月7日、晴れる確率が低いとして知られる七夕の日なのですが、快晴のとても暑い日でした。この日、国立天文台の構内に三鷹市星と森と絵本の家が開館しました。現代からタイムスリップしたような大正時代の建物、緑あふれる天文台構内という非凡な環境、その中に、市民が絵本の文化と出会う場であり、宇宙・自然・科学への知的好奇心をはぐくむ場として、子どもだけではなく、すべての世代にとってその利活用が期待される三鷹市星と森と絵本の家が開館しました。この星と森と絵本の家の現状と課題についてお聞きいたします。
 七夕まつりなど特色のある事業を計画、実施されていますが、その事業内容において、どのようなコンセプトをお持ちなのかお聞かせください。
 星と森と絵本の家が市民からどのように評価されているのか、1つの目安として来場者数とリピーター数が考えられます。来場者数、リピーター数をお聞かせください。また、来場される方のお住まいの地域、年齢などのアンケート調査などを行っているのか、お聞かせください。
 開館して、もう少しで2カ月になりますが、運営上の課題があるのか、ないのか。あるならばどのような課題があるのか、具体的にお聞かせください。来場者からの御意見、御要望も届いていると思うのですが、その内容と、それぞれの対応についてお聞かせください。
 興味深い絵本を数多く用意されているようですが、蔵書の選択基準について、具体的な選択の手順をお聞かせください。
 次に、絵本の家と小・中学校との関係についてお聞きいたします。
 小・中学校の授業として絵本の家の利活用を考えられているのか。もしお考えがあるならば、具体的な内容をお聞かせください。たくさんの児童・生徒が来場しているようですが、反響にはどのような事柄があるのか、お聞かせください。
 市立図書館、小・中学校図書室などとの連携のあり方についてお聞きいたします。星と森と絵本の家に置かれている絵本は、文字通り絵本ですが、その中には、大人が読んでも十分満足させるものも数多くあります。読み聞かせなどの本へのアプローチの方法も用意されています。これまでの市内のさまざまな実績を踏まえた画期的な環境が実現したと言ってもよいと考えます。この成果を市立図書館や小・中学校図書室などにフィードバックできれば、新しい発展も出てくるかと考えますが、星と森と絵本の家と図書館、図書室との連携のあり方について、どのように考えられているのかお聞かせください。
 最後に、いわゆる絵本館構想の具現としての星と森と絵本の家が開館したわけですが、計画は平成22年までとなっています。今後の発展をどのように考えられているのかお聞かせください。
 以上で壇上での質問は終わりますが、御答弁によりましては自席での再質問を留保いたします。よろしくお願いいたします。
                〔市長 清原慶子さん 登壇〕


◯市長(清原慶子さん)  星と森と絵本の家について御質問いただきましたので、答弁をいたします。
 平成21年7月7日にオープンして以来、星と森と絵本の家の来館者は、8月末までの累計で約5,600人、平均1日約110人以上の来館者を迎えています。この中には、延べ300人以上の市民ボランティアの皆様も含まれていまして、さまざまな活動をしてくださっています。
 来館者は乳幼児から高齢者まで大変幅広く、平日には親子連れが目立ち、また小学生や、国立天文台の一般公開見学者なども訪れてくださっています。そして、土曜日、日曜日には家族連れが目立ちます。絵本ばかりではなくて、大正時代に建てられた官舎の復元ということもございますので、建物に関心のある近隣の市や区からもお客様が訪れておりまして、大変多岐にわたっています。
 2カ月足らずでございますが、リピーターが既にあらわれています。リピーターカードを発行していますが、例えば連日のように訪れる近隣の親子連れや小学生がおりますし、また、特に家や展示の雰囲気、絵本の取りそろえ、自然を生かした活動などに評価をされまして、家族や友人を伴って再訪されるケースが多く見られて、ありがたく思っています。
 星と森と絵本の家の特色ある事業としましては、つい先日、8月26日には、初めての夜のイベントとしまして、伝統的な七夕まつりを開催しました。昼の部と夜の部合わせて350人ほどの参加者がありました。屋根よりも高くそびえる竹に笹飾りや短冊を飾りつけまして、里芋の葉の露で墨をすって短冊に願い事を書くなど、昔ながらの季節の行事を楽しみました。夜には庭で、まさに国立天文台と三鷹ネットワーク大学の連携で養成されております星のソムリエの、七夕の伝説の話や星空の案内を聞きまして、天体望遠鏡で星を眺めました。帰り道はちょうちん行列でお見送りをしました。このイベントは、国立天文台や絵本の家のジュニアスタッフ、絵本の読み聞かせ、季節行事、星などさまざまな分野のグループの協力によって成立をいたしました。
 宵やみの中に明かりをつけた建物が浮かび、夏の夜らしい季節感と星空を楽しみ、まさに地の利を生かした、すばらしかったという感想を多数いただきました。今後、10月3日に十五夜のお月見などございますので、お時間がございましたら、参加をしていただければと思います。
 さて、まだ開館して短いけれども、運営上に何か課題はないかという御質問をいただきました。
 問題点というよりは、取り組むべきテーマということで認識している点はあります。それは、この施設の日常的な活動の基礎づくりです。絵本の家では、多数の市民の皆様が意欲的な企画を持ち寄ってくださっていますが、大人の「教えたい」とか、「楽しませたい」という意欲は、参加する子どもたちを、ともすると受け身にさせてしまう、受動的にしてしまうというおそれもあります。したがいまして、この施設の特色を十分に生かして、子どもたちが主体的にかかわって、体験やコミュニケーションを通して成長できる事業のあり方とはどういうものなのかということを具体的に検討する必要があります。また、公共的な施設でございますから、市民の皆様と活動の考え方や使い方のルール、また、組織のあり方などについて調整をしなければならないと考えています。
 来館者の皆様からはですね、一方で施設や展示内容、活動などについて評価をいただいています。それは、例えば文化財を建物としてですね、保存するという点にも与えられていますし、それを活用した施設ができたということそのものに評価をいただいているということは事実です。ただし、自然と共存する場所でございますし、そもそも国立天文台というのは研究施設なんですね。ですから、駐車場というのが十分ではありません。遠くから来られる方については駐車場を求める声が多いので、研究施設であります国立天文台との協議が必要になっています。
 また、施設面では庭が広く、また、土がそのままでございますので、余り具体的なことを私が申し上げるのもなんでございますが、例えば庭で活動したときの手洗いの場所だとか、足洗いの場所が必要だとか、そういう利用上の課題が寄せられています。
 さて、蔵書の選定基準についても御質問いただきました。絵本の家では、現在約2,000冊の絵本を展示しています。昨年9月に発足いたしました26人の市民の皆様によります絵本プロジェクトが、星と森と絵本の家にふさわしいジャンルとして、星、地球、森、植物、動物、そして人、暮らしに関連する絵本の選定を行ってきました。欲張ってはいけません。せっかくの環境を生かすためには、天文学関連については、国立天文台普及室にリストを作成していただきました。また、企画展示テーマの月の絵本については、市内小・中学校の学校図書館でアンケートを行いました。収集範囲は、物語の絵本や詩や言葉遊び、昔話、ノンフィクション、解説書、図鑑、つくり方・遊び方の本、赤ちゃん絵本などにわたりまして、書棚には、例えばカエルというジャンルであるならば、カエルが主人公の物語から、カエルの図鑑や解説までが一緒に並びまして、子どもたちにとって、より親しみや興味を感じてもらえるように工夫しています。
 質問議員さんは、この施設が市立図書館や小・中学校図書館とも連携をすることが望ましいとの観点から御質問いただきましたので、そのことについてもお答えいたします。
 8月から市立図書館本館・分館──これは下連雀図書館を除きますが、それぞれに星と森と絵本の家の本棚として、ロゴマーク入りのブックトラックを設置いたしました。そして、各図書館の蔵書の中から、絵本の家の企画展示テーマの月の絵本を現在は並べています。星と森と絵本の家で出会った絵本を借りやすくして、それぞれの御家庭で楽しんでいただくために、市立図書館との連携による活性化と相乗効果を目指しています。また、小・中学校の学校図書館には、月の絵本選定のアンケートなどで協力をいただきました。特に近隣のおおさわ学園の小・中学校図書館では、ジュニアスタッフの募集も行いました。今後は絵本に関する情報交換など、さらに連携を深めていきたいと考えています。
 そこで、今後の絵本館構想についてどのように考えるかという御質問をいただきました。
 絵本館構想は、絵本館構想検討会議の提言を経まして、平成18年度から、市内全域でみたか・子どもと絵本プロジェクトの活動を展開してきました。子どもたちが触れ合いの中で生き生きと成長することを願うという理念を、多様な市民が集い、創造と交流のネットワークを広げて、絵本を通して子どもたちを豊かにはぐくむ地域文化を創造することを目指しています。星と森と絵本の家は、その特色ある拠点となるものです。立地を生かして自然科学や芸術文化への関心につながる子どもたちの知的好奇心や感受性をはぐくむ絶好の資源を持っています。その多面的な魅力によって、さらに多様な市民の皆様が集まり、そして新たなつながりが生まれることで、絵本館の構想や、子どもと絵本プロジェクト推進を一層豊かなものにすることができると考えています。
 星と森と絵本の家が誕生したことによりまして、絵本館構想が新たな段階を迎えています。ただ、まだ2カ月足らずでございますので、まずは絵本の家の活用とその検証を丁寧に進めるとともに、この施設に来られる方だけではなくて、幅広く絵本に関する市民サービスのあり方を実践することを通しまして、将来のあり方について検討を進めてまいります。
 答弁は以上です。


◯教育長(貝ノ瀬滋君)  星と森と絵本の家につきまして、小・中学校への影響、利活用についてということでお尋ねがございましたので、お答えをいたします。
 御承知のようにですね、2009年にオープンいたしました星と森と絵本の家は、絵本との出会い、立地を生かした豊かな体験を通して、広い世代の人々の星と森、つまり、宇宙、自然へのですね、関心を高めて、触れ合いの中で子どもたちの知的好奇心や感受性をはぐくむという絶好の場と機会を提供するものというふうにとらえております。
 そのために、7月のオープンに向けまして、星や森や絵本や家に関心のある多様な方々が集まりまして、星と森と絵本の家ならではの活動を検討し、準備を進めていく中で、ジュニアスタッフのアイデア会員にですね、おおさわ学園の大沢台小学校と羽沢小学校の5・6年生が参加をいたしまして、自分たちはどんなことがしたいのかなどにつきまして、具体的なですね、楽しいアイデアを出すなどしまして、準備段階から参画し、現在も19名の5・6年生が、自分たちのですね、出したアイデアの実現に向けて、毎週水曜日に意欲的に活動をしているという現状でございます。
 オープンしたばかりの施設でございまして、学校単位で利活用した実績はまだございませんけれども、7月、8月の2カ月間でですね、約1,100名程度のですね、小・中学生が利用して、上々の反響であるということを担当の方から伺っております。
 今後はですね、各学校を通じまして星と森と絵本の家を親子の触れ合いの場として利用することを啓発していくということとともにですね、学年や学級単位での学習の場として利用することを検討していきたいというふうに考えております。
 また、来年度はですね、教員を対象といたしました研修会ですとか、見学会等もですね、計画するなどしまして、この利活用をですね、推進していきたいというふうに考えております。
 以上でございます。


◯8番(伊東光則君)  御答弁ありがとうございました。大変ですね、興味深い施設でですね、たくさんの方が来ているという実感はあったんですが、実際に1日平均すると100人を超える方々が来ていると。それほど大きくない施設で、それだけ来るとですね、やはりすごいにぎわっているのかなという気もしますので、これがですね、ますます充実するようにしていっていただければと思います。
 また、先ほど天文台の方の星のソムリエさんたちが、星に関しての本のチョイス等をしていただける、イベントを手伝っていただけるというお話もあったんですが、実際に今の絵本の家で、スタッフとして活躍していただいている方たちも、すごいですね、本好きな方たちなのかなと。で、子どもたち、小さい子たちが興味のあるような本を選んでいただいて、ちゃんと、こんな本、おもしろいですよというようなこともされているようなんですね。その辺なかなか、個人的なスキルとかですね、そういうところが多く反映してしまうかもしれませんが、そういうスタッフ、優しいスタッフがたくさんいる施設なのかなという点も感じていますので、そういう点、ますます充実していただければなと思います。
 それで、先ほど市長の方からもありましたが、車がとめれない。それは仕方ないことだと思うんですが、余り、例えば駅からあそこまで行くのにですね、アクセスが若干悪かったりする面もあります。これだけすばらしい施設というものですので、ぜひアクセスの便をですね、もう少し考えていただいて、市内の方が、どこにいる方でもすぐ行けるような、そういうアクセスの手段を考えていただければなと思います。
 そして、あと、できたばっかりでですね、手洗い場とかいうお話も出ていましたが、それはある面、自然のあるところですので、手が土で汚れたりするのは仕方ないのかな、逆にそういう場所があっていいのかなという気もしますが、できればそういう施設もですね、充実していただければと思います。
 1つだけ質問させていただきます。絵本館構想の今後の、少し御答弁いただいたんですが、もう少し詳しくですね、お聞きしたいんですが、絵本以外のですね、本ってあると思うんですね。いろんな、小学生・中学生を対象にするような専門書的なものもあると思うんですが、その辺をこの絵本館構想の中に引き込むようなことはないのかどうか。
 というのは、絵本というのはすばらしいものなんですが、それで、気持ちがですね、星のことだとか、いろんな興味を持った子どもたちが、もう一歩先の専門的な知識というかですね、そういうのにリンクしていくような、発展していくような試みというのは、どういうふうにお考えなのかという点をお聞きしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。


◯市長(清原慶子さん)  再質問にお答えいたします。
 先ほど蔵書の選定基準のところで御紹介をさせていただきましたが、私たちは、もちろん絵本館構想の中の1つの大切な拠点として星と森と絵本の家を整備したわけですから、そこの蔵書については、基本的には絵本を中心に考えておりました。けれども、同時にですね、教育委員会とも話し合う中で、国立天文台の中の立地を生かすということであるならば、絵本の中でも特に科学する心、知的好奇心の芽をですね、支えるような選書というのも有効ではないかということで、現にですね、先ほど御紹介いたしましたような図鑑等についても、積極的に選書をしてもらっています。もちろん解説書というたぐいのものもございますし、単に絵本の家だからといって、形式上、絵本という形のものだけにこだわらずに、できる限りの関連性を持った書物をですね、訪れる人に紹介したいというふうに考えています。
 さらにですね、これはもちろん重要なポイントなんですが、みたか・子ども絵本プロジェクトということで、子どもたちの健全な育ちを支える中で絵本館構想というものが大きく検討されてきた経過があるのですが、このプロセスの中で、実は支える側として、大人の皆さんが──それは中学生、高校生、大学生を含めて積極的にボランティアとして活動していただくということも顕在化してきたわけです。そうした方々にとって必要な資料だとか、文献だとかっていうものを考えますと、必ずしも子どもだけを対象にした絵本があるから絵本の家ではないのではないかと、あるいは絵本館的プロジェクトではないのではないかということもわかってきましたので、柔軟にですね、選書はしていくことになるのではないかと思います。
 ただ、現在、蔵書は約2,000冊と申し上げましたように、決してですね、潤沢な書庫がある施設ではございませんので、テーマ別に整理をしながら、いわゆる図書館とは違う、しかし、しっかり図書館とも連携をした施設として活用ができればなと、このように考えております。


◯8番(伊東光則君)  ありがとうございました。大変興味深く見守っているというかですね、そういうふうに今、なっております。また、地域でもなかなかいいものができたという評判もありますので、今後もぜひいいものにしていっていただきたいと思います。ありがとうございました。


◯議長(田中順子さん)  以上で伊東光則さんの質問を終わります。
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◯議長(田中順子さん)  次の通告者、7番 渥美典尚さん、登壇願います。
                〔7番 渥美典尚君 登壇〕


◯7番(渥美典尚君)  議長より御指名をいただきましたので、通告に従い市政に関する一般質問をさせていただきます。よろしくお願いいたします。
 三鷹市は約16平方キロメートルという小さなエリアでありますが、優秀な企業・団体・学校が数々ある市であります。それら企業・団体・学校は、今まで活動してきた中でそれぞれに独自の特許や技術を開発し、ノウハウを蓄積してきています。そういった独自の特許や技術やノウハウを総じて、今回の質問の主題といたしました知的財産と位置づけることができるものであります。
 さて、それら知的財産ですが、みずからの組織の中では休眠してしまっていることがあるようです。今の段階で、あるいは将来的にもその技術は、みずからの組織では活用することはないのではないかと、塩漬けにしてしまっているものも多いということが多々あるとのことです。そのような場合、他者に、その知的財産を必要としている先に供与することができれば、供与された側は、その知的財産を活用して新たな活動を起こすことができますし、また、与えた側は相応の対価を受け取ることができます。また、休眠させず常に活用しているものであっても、他者に供給することが可能なものならば、対価を受けつつ供与することは、供与する側・される側の双方にとって同じくメリットが生じます。このように知的財産の分配は、いわゆるウイン・ツー・ウインの関係をつくることができるわけであります。
 さて、ここで問題になるのは、それら供与してもよいという位置づけの知的財産を他者に告知する方法がなかなかないということです。特許など公に告知しているものであれば、必要としている側は必要に応じて調べることができますが、そうでない場合は、人づてに聞きでもしない限り、情報の入手のしようがありません。
 そこで、三鷹市の主導のもと、これら知的財産を集積し、そして分配するというマッチング機能に精通した組織があってもよいのではないかと考えます。マッチングに際しては、当然、法的な手続も必要となりますが、行政が、あるいは行政と同様の位置づけのある組織がこのような機能を持ち、知的財産のマッチングをし、コーディネートやフォローアップを行うことにより、民間同士が知的財産をコラボレーションする際には、より強い信頼と安心が醸し出せるものと思います。第三者として知的財産の評価や契約交渉の場において、供与する側とされる側の意見調整役として、中間の立場として参加できることも、行政という立場のメリットだと考えます。知的財産の集積と分配とは、地域産業の強化を目的とした活動であることも明白です。市の御所見をお聞かせください。
 続きまして、三鷹市役所内における「知的財産・情報」の集積と分配についてお伺いいたします。
 三鷹市役所には約1,000人の方々が勤務し、本庁舎はもちろん、庁舎外にも多くの部署・部門があります。これら各部署が持つ知的財産、これはいわゆるノウハウを含むものと考えますが、知的財産、また情報について、その部署のみで保有しているものも多いのではないかと思われます。人事異動があれば、異動先でそのノウハウ、情報が生かされることもあると思いますが、半年や1年での頻繁な人事異動ということも現実的ではないですから、それらのノウハウや情報が滞ってしまうという弊害もあり得ると考えます。ホウレンソウと言われる報告・連絡・相談の徹底や、各部署間における情報交換の場も必要です。それらを効果的に行わせるための研修や仕組みづくりに関する工夫はどのようなことを行っているのでしょうか。
 また、団塊の世代が大量退職する時期を迎えています。三鷹市も例外ではありません。長きにわたり三鷹市で勤務されてきた方々が得てきたもろもろのことは、この先の市政運営にもとても大切なものが多いと思います。では、その方々が持つ技術や情報の蓄積、ノウハウを伝承する仕組みにはどのようなものがあるのでしょうか。
 以上で壇上での質問を終わらせていただきます。なお、御答弁によりましては自席での再質問を留保させていただきます。ありがとうございました。
                〔市長 清原慶子さん 登壇〕


◯市長(清原慶子さん)  それでは、市内企業・団体・学校等が持つ知的財産のマッチングについて答弁をいたします。
 三鷹市内には有益な知的財産を有する企業や大学・研究機関等が数多くあります。こうした組織に市民の皆様や自治体をも含め、民学産公の知的資源を最大限に活用することが求められています。三鷹市ユビキタス・コミュニティ推進基本方針では、5つの基本目標の1つとして地域社会の活性化の促進を掲げています。この中で、基本的な考え方としまして、地域産業の活性化については、知識や情報を生かして、他の事業者とのいわゆる差別化を図るような企業活動が期待される中で、情報通信技術(ICT)の活用は不可欠であり、三鷹市の目指す価値創造都市型産業の振興に向けた地域ICT産業と既存企業等との連携・協働が一層重要となるとしています。具体的には都市の活力を高めるための取り組みとして、ICTの活用による経営基盤の強化や企業競争力の向上を支援するとともに、SOHOやコミュニティビジネスを起業する市民への場所やノウハウの提供など仕組みの充実を図ることで、都市型産業の育成・支援を進めることとしています。
 また、三鷹ネットワーク大学では、設立のときのそもそもの発想といたしまして、市内とその周辺の知的資源を活用するということを意識していました。これまでに、こうした考え方からさまざまな事業を展開しています。例えば協働研究事業では、市内の大学や企業、あるいは複数の中小企業が手を組んで協働で実証実験を行いまして、地域における産業の活性化や新しい事業の創出などの実績を上げています。また、ネットワーク大学で開催するさまざまな講座も、地域の大学や研究機関、市内で活動するボランティア団体のメンバーなど、数多くの方々の協力のもとに実施しています。そして、幅広い市民の皆様に受講もしていただいています。これも、ある意味で講師の知識や経験、あるいはその所属する組織の持つノウハウなどを、広く受講者である市民の皆様に享受していただくことであり、知の共有とも言えると思います。
 さらに、ネットワーク大学では、会員である大学や企業・団体等が相互に交流できる事業としまして会員交流会を開催してきました。今年度からは、「サイエンス&テクノロジーフェア」を開催いたしまして、会員同士や市民の皆様が相互にみずからを紹介し合い、交流を図れる企画とする予定です。こうした事業によりまして、質問議員さんが言われる休眠特許を含めて地域の知的財産を有機的に結びつけていくこと、そして、そこから新しい価値や活力を生み出していくことがまさに三鷹ネットワーク大学の役割だと言えます。今後とも市の担当課と緊密な連携を図りながら、知的創造の場の形成とネットワーク化を進めることで、三鷹市における、質問議員さんが言われた、まさに知の共有、「知的財産・情報」の集積と分配に向けての新しい可能性を開いてまいりたいと考えております。
 私の答弁は以上です。


◯総務部調整担当部長(佐藤好哉君)  それでは、次に三鷹市役所内における「知的財産・情報」の集積と分配について御質問をいただきました。
 各部署が保有する情報やノウハウを滞らせない仕組みにはどのようなものがあるのか。また、団塊の世代の職員が多数定年退職していく中で、三鷹市の組織において技術や情報などを伝承する仕組みにはどのようなものがあるかという御質問でございました。
 これまで市政の中心を支えてきた部課長を含めたベテランの職員が多数定年退職をしていく中、御質問いただいた課題はまさに喫緊の重要課題であるというふうに認識しております。そして、これらの課題に対応するために、まず第1に、三鷹市では従来から定期的な人事異動や担当がえを行ってきております。これらは組織の活性化や職員の幅広い知識や経験の伝承を促すとともに、あわせて人材育成や危機管理にも寄与しているというふうに考えております。
 また、次に、御質問にもありました、各部間における情報交換の場づくりを進めるため、市長就任以来ですね、毎週開催している経営会議や、予算編成に先立って来年度の重点施策を議論し定める経営会議、また、各種の課題について検討を行う調整会議を開催するなど、努めて職員と直接、理事者が議論をし合い、また、情報を共有する場をつくって運用してまいっております。
 同じく、市長が就任以来続けておりますトークセッション研修では、毎回、部間を超えた職員が10人程度集まりまして、それぞれの職場の課題や情報についてですね、直接市長もしくは出席者が相互に議論をし合う場をつくっております。
 昨年度、育休中の職員等を除いてですね、すべての職員と一度、一巡をいたしました。今年度は新たにですね、例えば同じような時期に昇任・昇格をしました各部署のですね、同じ役職者の人を集めて情報交換と対話を続けていくなどを行っております。その他各部署においてもですね、日ごろから部内会議、課内会議、それから、事務研究会などを開催しまして、その中で職員同士がそれぞれ担当する事務事業についてですね、議論を深め、また、報告・連絡・相談を徹底するとともに、相互に知識、経験等の共有化を図っているところでございます。
 そのほか、知識、情報等を蓄積する仕組みといたしましては、グループウエアの導入による情報の蓄積と共有化がございます。また、各部課におきましては、それぞれ業務マニュアルを作成して情報の共有化を図っているところでございます。
 また、今年度はですね、これらに加えて、ユビキタス・コミュニティ推進事業の一環といたしましてFAQシステム──よくある質問と回答の構築に取り組んでおります。各課の事務事業に関する知識や情報を整理する作業を進めておるところでございます。このFAQシステムでございますけれども、市民の方々からよく受ける質問と、その答えを体系的にまとめまして、いつでもインターネットを通じて情報を得ることができるようにするものでございます。このシステムの構築によりまして、市民の皆様だけでなく、職員もまたいつでも、また、そして部間を超えて、だれでもがですね、この基本的な知識や情報を得ることができるようにするとともに、寄せられた質問や対応履歴を蓄積し、質問の傾向やニーズを分析することによりまして、広く施策の立案やですね、業務改善などに役立てるように、できるようになるというふうに期待しているところでございます。
 その他、今後ともですね、各部署において蓄積しました知識・経験・技術、またノウハウなどを確実に伝承されるように、さまざまな取り組みを進めてまいりたいというふうに思っております。
 以上です。


◯7番(渥美典尚君)  御答弁ありがとうございました。やはり知的財産というものの難しさというのは、形がないものですから、いかに蓄積していく、またそれを活用していくかというのが非常に難しいものだと思っております。今回、通告した後に、これに関してのお教えいただいたところがあるんですけども、こういったもの、ナレッジマネジメントということだそうです。話には聞いていたんですけれども、改めて読んでみると非常に奥が深く、また幅の広いものであるようです。だれもがわかっているような暗黙知を明示化するには原理的に大きな困難が伴うと。共有化された知識は余り役に立たない常識なものが集まりやすい。実際に欲しい熟練した技能や知恵は掘り出せないことが多いということで、やはり情報の一元化というんでしょうか、蓄積、それから、その検索機能というもののつくり方がいかに難しいかというのをここで教えていただいた次第なんですけども、これも、私が通告という形で公にしたがゆえに教えていただけたという、いわゆるホウレンソウの一種でしょうか。これがあったからこそ、この情報がいただけました。御提供いただいて感謝しております。
 こんな形でですね、ホウレンソウすることによって新たな情報が生まれるということが多々あると思います。そういった形で三鷹市役所内部でもですね、よりこのようなホウレンソウがしやすい環境をつくっていくことが大事なのかなと、今、御答弁を受けて思っておりました。
 それから、FAQが近々導入されるということですが、これは膨大なデータが入る──ウェブ上でございますし、また、検索機能があるということで、取り出したい情報が素直に、シンプルに取り出せる機能でありますので、有効活用していただければと私も期待しているところであります。
 それから、三鷹市内にある企業・団体・学校に関してですが、ネット大でこのようなことを行っているのは私も存じ上げておりました。実際にネット大のプログラムを拝見してもですね、とても一般の人には受講しにくいような、学術的に専門的なものも多々あるようでして、そういったところに関心のある方は、そういうところに受講しに行っているのかと思っております。ネット大のこのような講座は、一般市民に広く、わかりやすいといいますか、一般市民が求めるような基本型のカリキュラムも必要ですけども、より専門的な、このような学術的なものもこれからますます必要になっていくと思いますので、充実を期待しているところであります。
 今回ですね、この知的財産と三鷹の関係を調べておりましたところ、つい先日のニュースを入手することができました。これは、三鷹光器さんと東京天文台のコラボレーションということで、新しいソーラーパワーシステムが開発されたということでございます。どういうものかといいますと、鏡を使って太陽光の熱を集める。それを物すごい熱にすることによってエネルギーとして活用しようというシステムのようなんですけれども、やはり問題は太陽光を追跡するシステムらしいですね。それを、天文台の力量を知らない方々は、独自で追跡システムをつくろうとして膨大な開発費用がかかるんですけれども、三鷹光器さんは東京天文台の天体追跡システムを活用して、三鷹光器と東京天文台のコラボレーションによって、割と安価に開発することができたという内容でした。このような三鷹独特、三鷹オリジナルのコラボレーションというのはですね、それこそ市長がコラムに書かれてもいいぐらいのコラボレーションなのかなと、その記事を見て思っておりました。このような三鷹の内部でのコラボレーションがますますこれから進んでいくことを期待しているところであります。
 そんな中でですね、毎年、まちづくり三鷹が主催だったかと思うんですが、SOHOのフェスタがございます。そこに何度か行ったことがあるんですけども、そこでは、技術というよりも、もう完成した商品の発表の場というのが色合いとして強いところでございます。1つ考えるに当たってですね、このSOHOフェアをですね、SOHOを超えて三鷹の企業も含めてですね、こういった技術、まだ形にはなっていない技術を発表するような場、いわゆる学会みたいな機能を持たせることも必要なのかなと思っております。
 まちづくり三鷹は、三鷹市とはまた別の事業体ではございますが、三鷹市と深くかかわっているところでございますので、この辺、もし考えるところがあればお聞かせいただければと思います。


◯市長(清原慶子さん)  最初に私の方から考え方をお話ししまして、あと担当から補足いたさせますが、1点目、知的財産あるいは科学知識の市内でのコラボレーションということで、国立天文台と三鷹光器さんのコラボレーションのことを御紹介されました。
 実は、その両者と三鷹市、そして三鷹市教育委員会は協働の取り組みをしようとしておりまして、間もなく公表できると思うんですが、今、内示段階だということでございましたので、私、ちゅうちょしておりましたけれども、いわゆる太陽光発電の仕組みを三鷹光器さんとですね、協働することによって、児童・生徒の環境教育に役立てる見学の設備を整備しようということで取り組んでおります。
 これはですね、いずれきちんと公表させていただきますけれども、まさに市内にある企業の研究プロセスを三鷹ネットワーク大学が支援し、そのことについて三鷹市及び三鷹市教育委員会では、ぜひ開かれたものにしたいということで、児童・生徒を対象にした、見学もできるような、体験もできるようなものにできないかということで構想をまとめて国に提案をし、そして何らかの補助をいただくという枠組みでございます。
 つぶさにいろいろなことを、先ほどの答弁では御紹介いたしませんでしたけれども、市内企業がそうした形で新たな先駆的な技術革新をするときには、三鷹市の生活環境部の生活経済課が直ちに情報を入手いたしまして、できる支援をしてきているという経過もございます。今後、できる限りそうしたプロセスをですね、市民の皆様にも公表して、PRしていく必要があるのではないかということを、ただいまの質問議員さんの御指摘から確認したところでございます。
 SOHOフェスタについては、担当からちょっと補足答弁をいたさせます。


◯副市長(河村 孝君)  市長の答弁に補足をさせていただきます。
 まちづくり三鷹でやっていますSOHOフェスタ、この場自体がですね、まさに御指摘のように、完成品という御指摘でありましたけれども、それは、最終段階といいますか、展示というレベルではそうですけれども、事前からのいろんな、育成だとか、連携だとかを含めますと、まさに知的財産のですね、ストックそのものではないかなというふうに思っております。
 こういう、実際に御質問にありましたような、さまざまな特許を含めたアイデアが実際のビジネスとして成立するにはですね、いわゆる知識の静的なといいますか、たまっているという状態での知識じゃなくて、実際それにかかわる人間だとか、資金だとか、いろいろなものが、あるいは実験をしてみるだとか、そういうことも含めたダイナミックな状況をどういうふうにその地域で生み出せるかという、そういうところが実はまさに知的財産の活用にかかわる一番大きな、起業化に向けたテーマだというふうに考えています。
 三鷹市の場合にはですね、さまざまなモデル実験だとか、「あすのまち・三鷹」推進協議会だとか、あるいはまちづくり三鷹の株式会社、それから、ネットワーク大学というふうに多様な機関を通して、そういった情報、あるいは人間関係、あるいは大学・研究機関との連携などをつくっていきながら、そういうものをつくり出してきているというふうに御理解いただけたらというふうに思います。SOHOフェスタはその成果の1つの発表の場であるというふうに思います。具体的には、現在、ネットワーク大学に加盟しております電通大だとか、あるいは国立天文台などは、まさにそういう特許の山がありまして、それを今、地域とか、そういう企業に開いていこうというふうな動きを、ネットワーク大学を絡めてですね、三鷹市も働きかけているということで、先ほどちょっと市長が答弁にあったこともその一端としてありますけども、さまざまなことがそこで起きてきているというふうに御理解いただけたらというふうに思っております。


◯7番(渥美典尚君)  御答弁ありがとうございます。三鷹光器と東京天文台のコラボレーションによる技術開発、新製品開発というのは、これ、私、インターネットで見たので、その時点まではもう発表されていることだと思います。しかし、市長、一歩踏み込んで、それをどのように市内で教育的に活用させていくかというところまでお話しいただきましたので、それにさらなる期待を寄せたところでございます。
 三鷹においての産業競争力を強化し、経済を活性していくためにはですね、研究活動や創造活動の成果を知的財産として戦略的に保護・活用していくことが重要だと思っております。このため、三鷹市として知的財産戦略を樹立できれば、必要な政策を強力に進めていけ、三鷹の産業発展になると確信しておりますので、これからも積極的に推進していただければと思います。
 以上で終わります。


◯議長(田中順子さん)  以上で渥美典尚さんの質問を終わります。
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◯議長(田中順子さん)  この際、議事の都合によりしばらく休憩いたします。
                  午後2時47分 休憩



                  午後3時14分 再開
◯議長(田中順子さん)  休憩前に引き続き、会議を再開いたします。
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◯議長(田中順子さん)  市政に関する一般質問を続けます。
 次の通告者、18番 伊藤俊明さん、登壇願います。
                〔18番 伊藤俊明君 登壇〕


◯18番(伊藤俊明君)  こんにちは。議長より御指名がございましたので、通告に従い一般質問をさせていただきます。
 今回の一般質問では、これからの三鷹のまちづくりについてをテーマとし、これまでも私が重点的に取り組んでまいりました農のあるまちづくり、そして食育の推進について、大きく2点の質問をいたします。御答弁のほどよろしくお願いいたします。
 さて、内閣府が昨年9月に実施した食料・農業・農村の役割に関する世論調査によりますと、現在の食料自給率が低いと回答した方は57%に上り、どちらかというと低いの21%を合わせた約8割の方が、日本の食料自給率が低いと回答しています。また、将来の食料輸入に不安があるという回答は93%に達し、食に対する国民の危機感が明らかになっています。
 農林水産省は、先月、2008年度の日本の食料自給率が前年度を1ポイント上回る41%になったと発表しましたが、これは、国際的な市況の高騰で輸入が減った影響も大きく、日本が先進国の中で最低水準にあることに変わりはありません。国は、日本の食料自給率を2015年までに45%、将来的には50%以上にすることを目標として掲げていますが、日本では、食料を供給する生産者は、人口の3%にすぎないと言われています。食料自給率を上げるには、具体的な政策として、1つは耕地面積をふやすこと、そして、都市農業を含め小規模農家や兼業農家が農業を継続できるような農業施策の推進を図ることが必要だと考えています。
 一方、食料自給率の問題は、突き詰めて考えれば、一人一人の食卓の延長にあります。日本の農業は、日本独自の食文化や生活文化に貢献してきましたが、今こそ、こうした日本の伝統文化を守るとともに、新たな食の文化を育てる食育の推進が必要ではないでしょうか。
 先日、新聞で「未来の食卓」というフランス映画が日本で公開されていることを知りました。「未来の食卓」は、毎日の給食を有機農産物に切りかえた南フランスの小学校のドキュメンタリーで、子どもたちに校庭の畑で栽培を体験させ、親や農家を巻き込みながら有機農産物の生産・消費をふやそうとする村の動きを描いた映画です。子どもの農業体験は海外でも注目のテーマだとコメントされていました。野菜を店で買うのではなく、自分で育てると愛着を感じます。畑にはさまざまな生き物もいますし、自分と野菜との関係性、食の大切さを考えるようになります。農業、そして食育は、人間にとって命を考えることであり、子どもたちにとって、すぐれた総合教育でもあります。
 さて、三鷹市では、市と農業者、JA東京むさしとの協働により都市農業研究会を設置し、平成18年度から20年度までの3年間をかけて調査・研究が進められました。5月11日には研究会の座長ほか委員が来庁され、報告書を市長に直接手渡し、検討の成果を具体的な取り組みにつなげるよう意見交換が行われたと聞いております。
 この報告書では、農地関係制度への対応、農家の小規模化・高齢化への対応、農産物の生産・流通・販売等への対応という大きな3本の柱を立て、取り組むべき課題が整理されています。特に三鷹市の都市農業においては、税負担の問題や農地の小規模化、従事者の高齢化が大きな問題であり、さらに東京外郭環状道路計画により、約7ヘクタールの農地が影響を受けるとの具体的な課題もあります。
 ここで、農のあるまちづくりについて、1点目の質問をいたします。
 都市農業研究会の報告書には、都市農業にかかわる相続税、贈与税の納税猶予制度の堅持・拡充と、持続可能な都市農業を実現するため、関連税制全般の見直しが上げられています。また、関係する課題としては、先月8月14日に三鷹市都市農政推進協議会とJA東京むさし三鷹地区資産管理部会が、固定資産税・都市計画税の負担軽減と課税制度の抜本的な見直しを要望しています。都市農業の維持・継続に必要な納税猶予制度の堅持と、市民農園等に農地を貸した場合にも納税猶予の適用ができる新たな制度の創設など、農地関連制度の見直しについて国等への強力な働きかけが必要と考えますが、市長の御所見をお聞かせください。
 次に、生産緑地の追加指定と外郭環状道路に関係した対応についてお尋ねをいたします。2点目の質問です。
 去る6月19日に、三鷹市農業委員会は、生産緑地地区の追加指定に関して市長に建議書を提出しました。建議書の中では、生産緑地地区の再度の追加指定、外郭環状道路に関連し代替農地を確保する仕組みの構築を要望しています。市長は、この建議書への回答の中で、生産緑地地区の追加指定については、今後実施できるよう検討する。代替農地を確保する仕組みの構築については、「対応の方針」に示された内容の確実な実行を国・東京都に強く要請していくという内容でした。いずれも都市農地を維持するために重要な課題であり、市長の回答についても評価をいたしておりますが、さらに積極的な取り組みを期待しております。市長の御所見をお聞かせください。
 次に、認定農業者制度の評価と今後の取り組みについてお尋ねをいたします。
 三鷹市における認定農業者制度の導入につきましては、幾つかの課題から取り組みがおくれていましたが、ことしの4月に、41経営団体、54人の農業者が認定されました。5月11日の認定書の交付式には私も出席させていただきましたが、厳粛な中にも温かみのある交付式でした。若くして認定農業者となられた農業者からは、しっかりとした決意が述べられ、農業後継者が着実に育っていることを感じたところです。このことは、我々の会派が要望していた認定要件の緩和や、農業者の理解促進などについて市長に対応していただいたこと、さらには、三鷹市優良農地育成事業補助金交付要綱の改正により認定農業者への補助金を上乗せするなど、独自の支援策が整備されたことが実を結んだものと感謝いたしております。
 ここで3点目の質問をいたします。認定農業者の認定については、今後も認定を受ける農業者に、より具体的なメリットのある制度となるよう、さらなる制度の充実を検討していただきたいと考えております。市長の認定に対する評価と期待、今後の取り組みについて御所見をお聞かせください。
 次に、農のあるまちづくりについて、最後の質問をいたします。
 愛知県の安城市では、平成20年3月に、アグリライフ構想という計画が策定されました。アグリライフとは、一言で言えば、農のある暮らしという意味になります。日常的に農とのかかわりを実感し、農業と食料の持つ役割について市民の理解を深め、豊かな暮らしの実現を目指す取り組みが進められているとのことです。
 一方、三鷹市においても、農業祭や、ことしで28回目の開催となった都市農業を育てる市民のつどいなど、農業振興と農のある暮らしを支援する事業が展開されております。今後は、こうした農と食の関係を実感できるような取り組みを体系的に整理し、アグリライフの推進という視点からビジョンを策定すべきと考えます。農に関する市民の理解と主体的な取り組みを促進し、生活文化としての農が暮らしに根づくことの重要性からの質問です。市長の御所見をお聞かせください。
 次に、食育の推進についてお尋ねをいたします。
 東京都が平成21年6月に発表した、東京の農業にかかわる都政モニターアンケートの結果を見ますと、東京の農業・農地に期待する役割として、食育などの教育機能が第3位、40.1%となっています。また、農業振興のために東京都がどのような施策に力を入れるべきかとの質問においては、学校給食への地場産農産物の使用が52.8%で1位、子どもを対象にした農業体験や食育の推進が第2位となっています。こうしたアンケートの結果からも、農業と食育の重要性が読み取れるところです。
 ここで食育に関する1点目の質問をいたします。私は、平成17年の一般質問において、食育基本法に基づく食育推進計画の策定について質問をいたしました。市長の答弁では、市の食育推進計画についても検討していきたいとの御答弁をいただきました。今、第4次基本計画の策定に向けた取り組みも進められておりますが、食育についてはさまざまな部課が関係することから、体系的に整理し、総合的な視点から計画策定が必要であると考えております。今後の食育推進計画の策定について、改めて市長の御所見をお伺いいたします。
 次に、2点目の質問です。食育の推進については、次世代育成支援行動計画など、既に市の関連計画にも位置づけられ、取り組みが進められていることは承知しておりますが、今後のさらなる食育の推進に向けて、市の取り組み、教育委員会の取り組みについて、現状と課題をお聞かせください。
 また、全市的な食育の日の制定や中学生が自分で弁当をつくり学校で食べる弁当の日など、市民にわかりやすい象徴的な取り組みも必要だと考えます。市長、教育長の御所見をお聞かせください。
 次に、3点目の質問です。文部科学省は、2008年に学校給食法を改正し、学校現場で食育を推進する方針を明確に打ち出しました。給食での地元食材の活用はその柱の1つで、2010年までに地場産品の利用率を食材数ベースで30%に引き上げる目標を掲げています。三鷹市では学校給食における三鷹産の野菜、果物の導入を進め、事業を開始した平成14年度と比較すると、協力農家も3軒から8軒に増加し、実施校は7校から全小・中学校の22校まで増加しました。こうした取り組みは高く評価をいたしておりますが、学校給食における三鷹産の農産物のさらなる使用促進について、現状と今後の課題をお聞かせください。
 以上で壇上よりの質問は終わらせていただきます。御答弁によりましては自席からの再質問を留保させていただきます。ありがとうございました。
                〔市長 清原慶子さん 登壇〕


◯市長(清原慶子さん)  農のあるまちづくりについて答弁をいたします。
 まず、都市農業の課題と今後の取り組みについてでございます。
 都市農業は、安全で安心して食べることができる新鮮な農産物の市民への供給のほか、緑環境の保全、防災機能の向上など、多面的な役割を担っています。一方で、都市化の進行などによりまして、三鷹市においても都市農業を継続することが難しい状況が生じています。特に農業者に相続が発生したときに生じる高額な相続税の支払いのため、やむをえず農地が売却され、宅地化が進み、農地の減少が進んでいる状況にあります。後に御質問がございました認定農業者制度もあわせて考えますと、私は、地方の農業とは異なる都市農業を真に産業として位置づけるべきであり、三鷹市都市農業研究会での検討結果にもありますように、三鷹市では市民の共有財産となる農地を保全するために農業を発展させていきたいと思っております。
 私は、こうした考え方につきまして、これまで国や東京都に対し、あらゆる機会を通じて発言をしてまいりました。また、同じ課題を抱える東京都の自治体が総力を結集して、都市住民の声が反映された農地制度の実現と都市農業の振興に取り組むため、昨年10月に都市農地保全推進自治体協議会が設立されました。三鷹市もこの協議会の会員として、同協議会を通じまして、国や都に都市農地への税制上の見直しや都市計画法上の都市農地の位置づけに対する見直しを強く求めたところです。引き続き、都市農地の保全に向けて最大限努力を続けてまいります。
 なお、昨年12月にJA東京むさし三鷹地区の青壮年部の皆様が、石破農林水産大臣を三鷹市に呼ばれました。そして、農業後継者としての思いを直接、現職の農林水産相に語られました。石破農林水産大臣は、改めて、地方の農業だけではなくて、むしろ都市農業のことを考えるべき農林水産省の役割があるということを確認されたと、このように伺っております。今後、農政においてもこの都市農地保全の考え方が必ず継承されることを願ってやみません。
 さて、都市農地を計画的に保全することにつきまして、生産緑地地区への追加指定に関する御質問をいただきました。私も大変有効な手法として生産緑地地区への追加指定があると考えています。そこで、生産緑地地区の再度の追加指定につきまして、都市計画法及び生産緑地法の趣旨を勘案し、実施に向けて取り組んでまいります。
 また、代替農地の確保につきましては、東京外郭環状道路の都市計画変更案に係る意見書や要望書、「対応の方針」(素案)に係る要望書など、市はこれまでさまざまな機会をとらえ、営農を続けたい農業従事者の意向に沿って代替農地を確保できるよう、具現化に向けた仕組みづくりに早急に取り組むことを国や東京都に要望してまいりました。国及び東京都はこれを受け、平成21年4月に「対応の方針」において、代替農地の確保や仕組みづくりの構築などについて具体的に示しています。市は、対応方針に示されたことが確実に実施されるよう、引き続き国及び東京都に強く要請をしてまいります。
 なお、本年5月29日に外環道路が事業化されたことに伴いまして、国及び東京都は代替農地の確保や仕組みづくりの具現化に向け、関係する農業従事者に対する意向調査の準備など調整に着手しているところでございます。
 続きまして、認定農業者制度の評価と今後の課題についてお答えをいたします。
 三鷹市では、農業委員会の提案を反映いたしまして、昨年よりこの取り組みを始め、ことしの4月に、先ほど質問議員さん、おっしゃいましたように、41経営体、54人と多くの認定に至りました。私は、御夫婦がそろって認定を受けられたり、あるいは親子で認定を受けられる経営体もございまして、大変農業の継承というものを感じ、頼もしく思っております。今後も積極的に認定事務に取り組んでまいります。
 さて、御質問の具体的なメリットのある制度の充実についてでございますが、国や都の支援策が十分でない中、三鷹市では、三鷹市優良農地育成事業補助金を改正いたしまして、既にこの制度を申請され、御利用いただいた認定農業者や関係機関から、経営改善の一助となったと評価をいただいています。今後は、さらなる各種支援策については、農業者を初め関係団体と連携いたしまして、制度の充実を検討したいと考えております。
 次に、アグリライフの推進についてお答えをいたします。
 先ほど質問議員さんは、みずからが野菜づくりを体験される中で、農業をすることは命を考えることだというふうにおっしゃいました。まさに私たちにとっても、農のあるまちづくりは、命を大切にするまちづくりにつながると思っています。安城市アグリライフ構想によりますと、アグリライフとは、その基本理念として、市民が農を身近に感じて、楽しむことと定められています。その具体的な施策として、農作物の収穫体験などの農業体験イベント、担い手を求める農業者と農体験を希望する市民をつなぐ援農サポーター制度や実習農園などを整備しアグリライフ構想を総合的に推進する(仮称)食育サポートセンターの整備などを掲げています。まさにこれは、農業祭を実施したり、都市農業を育てる市民のつどいを開催したり、援農ボランティアを育成するとともに、三鷹市農業公園を持ち、三鷹市農業振興計画(改定)に基づいて、農のあるまちづくりを取り組んでいる三鷹市と多くの部分で共通するものがあると再確認いたしました。
 年々減少を続ける市内の農地を守っていくためには、都市農業に対する市民の皆様の理解が欠かせません。そのためにも、アグリライフの推進といった視点にも留意しながら、今後の第4次基本計画を初め、市の計画づくりの中での検討を行いたいと思います。
 次に、食育の推進について基本的な考え方を私の方から答弁し、その他について担当より補足をいたさせます。
 食育の推進は、各ライフステージごとに推進することが大切です。三鷹市では、三鷹市健康づくり目標「健康みたか2010」を策定しましたが、この計画に基づきまして、住民協議会の皆様と協働で健康づくりを進めています。栄養・食生活分野の目標にあります野菜350グラム以上摂取や朝食の必要性については、学校、保育園の栄養士会と連携をとりまして、その必要性を、例えば給食便りに掲載したり、また、総合保健センターでは、妊婦、乳幼児、高齢者等を対象にした講習会を開催したり、相談時にあらゆる世代に食育の観点を持って御指導させていただいたり、相談に答えているところです。
 また、住民協議会で協働で行っている栄養料理教室は、野菜350グラム摂取や簡単にできる朝食づくりをテーマに取り上げまして、その必要性について取り組みを進めています。食育はさまざまな部課や住民の皆様と協働で推進することが必要です。食は命の基本であり、健康の基本でもありますので、三鷹市としては、せっかく都市農業が頑張ってくださっているのですから、地産地消にも配慮しながら、引き続き三鷹市健康づくり目標を推進してまいります。
 私からは以上です。


◯教育長(貝ノ瀬滋君)  三鷹市の教育委員会における食育のさらなる取り組みについてお答えをいたします。
 近年ですね、御質問者御指摘のとおり、国民の食生活をめぐる環境の変化、それから、食の安全性のですね、問題が問われておりまして、学校教育におきましても、食育基本法の趣旨を踏まえた食育の推進、充実が大変重要なですね、課題であるというふうにとらえております。
 三鷹市教育委員会では、平成20年の2月に三鷹市立学校における食育の推進に関する指針を定めまして、各学校におきまして組織的に取り組んでいくよう指導しております。各学校ではそれに基づきまして、食育に関する目標を設置いたしまして、年間における指導計画を作成いたしております。また、食育リーダーを中心にですね、食育推進チームを設置するなどいたしまして指導体制の充実を図るとともにですね、家庭や地域と連携いたしまして朝食を食べる会を設けたり、学校農園活動に取り組んだりしまして、食育をですね、具体的に推進しております。
 各学校ともですね、さまざまな取り組みを推進しておりますけれども、家族団らんでのですね、食事時間の減少ですとか、偏食傾向などが見られますので、子どもたちにですね、食の楽しさや大切さについて、一層のですね、指導の充実が求められるというところでございます。
 お尋ねのですね、食育の日ですとか弁当の日など、市民にわかりやすい、象徴的な取り組みの提案につきましてはですね、食育についての学校・家庭・地域の連携のあり方ですとか、学校給食との関連をですね、踏まえまして、今後のですね、検討課題にさせていただきたいというふうに思っております。
 今後はですね、各学校におきまして、健康で健全な体をつくることだけにとどまりませんで、食事の楽しさですとか、食べ物への感謝の気持ち、食前食後のですね、礼儀作法、マナーですね。それですとか、日本の食文化を理解する機会となりますよう、家庭や地域と一体となった食育の展開をですね、さらに目指していきたいというふうに考えております。
 以上でございます。


◯健康福祉部長(城所吉次君)  それでは、食育の関連で市長の答弁に補足をさせていただきます。
 食育の推進の現状と課題、また、食育の日の制定などの取り組みということで御質問いただいたところでございます。
 健康づくり目標の推進事業といたしまして、平成20年度から、3歳から5歳児を対象にいたしました親子料理教室、これを住協と協働で実施しているところでございます。また、ウオーキング大会を開催しておりまして、地場産の野菜の配布などもそこで行っておりますけれども、地産地消の大切さ、野菜の効果、350グラム摂取についてのチラシも入れながらPRをしたところでございます。
 また、JA東京むさしにおきましては、食育カレンダーを作成しているところでございますが、市の学校、保育園、保健センター、また地域活動の栄養士会がJAの青年部と協働いたしまして、しゅんの三鷹地場産野菜を使った献立を考えて、掲載をしたところでございます。
 また、農業と食をつなぐことは、生産から食卓、健康までをつなぐ大切なものでございますけれども、今後ともですね、課題といたしましては、こうしたJAやその他の機関との連携をより一層図っていくことが課題であると考えておりますが、こうした取り組みをですね、今後、連携を図りながら引き続き行うとともに、さらに拡充に努めていきたいと思っております。
 それから、食育の日の制定などについてでございますが、今、教育長からも答弁がございましたけれども、ちょっと補足いたしますと、これは、6月はですね、全国的な規模で食育月間ということになっておりまして、また毎月19日が食育の日ということになっております。例えばですね、今年度の食育月間の取り組みといたしましては、多摩府中保健所、また、関係6市が共同でですね、食育のPR事業を実施したところでございます。さらに、この食育の日の前後におきましては、保健所と三鷹、武蔵野市、両市が連携いたしまして、母親学級のフォローアップ講座としてですね、プレママ食育講座などの実施も行ってきたところでございます。このような形で全国規模、あるいは三鷹市としても、食育の日、中心に事業展開をしておりますので、当面はこうした形での取り組みをですね、続けていきたいというふうに考えているところでございます。
 私からは以上です。


◯教育委員会事務局教育部長・調整担当部長(岩下政樹君)  学校給食におけます三鷹産農産物の使用促進の現状と今後の課題について、教育長の答弁に補足をさせていただきたいと思います。
 御質問にありましたように、三鷹市では学校給食への市内産野菜・果物の活用を平成14年度から始めまして、平成19年度からはすべての小・中学校で活用できるようになってまいりました。
 市内産野菜・果物の活用を始めた当初は、なかなかその使用が進まない状況がありましたけれども、協力農家と学校や職員がですね、一堂に集って、毎年行われている意見交換会で検討を重ねること、あるいは学校給食の方でですね、献立や調理の工夫を行うというようなこと、また、農家側でもですね、学校給食の献立によく使われるニンジンやタマネギなどの作付面積をですね、多くしていただくなどのですね、協力を得る中で拡大が図られてきたところでございます。現在ではですね、市内産野菜・果物の割合が、当初は0.8%でありましたが、20年度は2.9%というふうになっております。20年度は19年度に比べまして若干下がっているという結果になっております。
 課題といたしましては、三鷹市の農家はですね、露地物が多い。また、少量で多品種の生産を行っております都市農業としてのですね、性格がございますので、学校が必要とする量を1年間安定的に確保することが難しいといったようなことがございます。しかしながら、市内産野菜等につきましては、新鮮でおいしいものが食べられる。また、食育などの教育効果が得られる。さらには、地域の都市農業の振興にもつながるという効果もございますので、今後もですね、協力農家の方々と事前に十分な協議を行うなど、より一層の情報交換と、お互いが工夫を凝らすということによりまして、使用の促進を図っていきたいというふうに考えております。
 以上です。


◯18番(伊藤俊明君)  どうも皆様、御丁寧な御答弁、本当にありがとうございました。それでは、何点か再質問をさせていただきます。
 まず最初に、生産緑地の追加指定、検討していただけるということで、本当にありがとうございます。これはまさに都市農業の生命線でありますので、ここで随時、生産緑地の指定を認めていただけないと、これがないと納税猶予ですね──租税特別措置法第70条の6の第1項の相続税猶予制度というのが受けられないと、これは本当に莫大な相続税がかかってきてしまいますので、本当にこれからも生産緑地の追加指定に関しましては、心からお願いを申し上げます。
 と言いつつも、それでも、それだけ行政の方でも取り組んでくださっていても、平成5年に生産緑地が190.5ヘクタールあったんですね、平成5年の時点では。それが平成10年で183ヘクタールになり、去年、平成20年には155ヘクタールになってしまうということで、これも15年前から35ヘクタールですか、大体1年間に2.5ヘクタールずつ減ってしまっているということと、特にこの近年、減るペースが速いんですよね。やはりそれぞれの大きな地主さんが亡くなってということもありますが。そういうことで、これはもう本当に何としてでも、この都市の高環境の担う重要な位置づけである都市農業を守るためにということで、そこで、生産緑地に当たっては、そのようにしっかり、逐一、生産緑地は認めていただきたいということももちろんなんですが、これから、今まで、例えば駐車場であるとかね、アパートであるとか、そういうことも今、非常に、少子化になったり、利便性とか、不景気になって、やはり駅の近くとかじゃないと入らないというような状況もどんどん出てきて、逆に今度は農地にとか、農業をした方がいいんじゃないかっていうような考え方の方も聞くんですよね。これからはやっぱりこれだけ高環境というか、今、農業に再認識、市民の方からもされているということもあって、何とか……。また、駐車場やら倉庫やらアパートにしたけども、やはりまた畑に戻したいなというような話も聞くので、そういう方にも何か、例えば3年とか5年とか農業を続けて、現状畑になっていれば、またそういうものも認めてもらえるような、何か制度というものはできないものかな、ちょっと考えていただけたらなと。
 このままで行くと、生産緑地、どうしてもじり貧で、どうやったってふえていくことはないんですよね。だから、これが逆に減っていくだけじゃなくて、ふえるような取り組みというか、仕組みができないかということで、その点も何か、もし行政として考えつくものがあれば……。絶対このままだったら、もうなくなっていくしかないことが事実なので。後からよく考えたけど、やはりこの時代のとか、時代背景によって、後から生産緑地に乗れるというような仕組みが、もしできましたら考えていただきたいなということで、その点に関してもよろしくお願いいたします。
 あと、この都市農業研究会からの報告書の中でもありますように、外環のふたがけに関するところなんですが、これも、外環に関しても、やはり約7ヘクタールぐらいということで、先ほど市長からも御答弁いただきましたように、国交省の方でも代替の仕組みとか、また調査ということで取り組んでいただけるということで、ありがたいなと思います。それで、また、それに関しても、できる限りやはり近くで代替農地を確保したいというのが農業者の希望なので、やっぱりその点も、トラクターで通える範囲内のということで、近隣にできる限り残していただきたいなと。
 また、それとともに、その仕組みをつくって、その方とマッチングさせるまでの間も、やはり畑というのは一度荒らしちゃうと、なかなかもとに戻すのに10年かかると言いますが、草の実をこぼすと、よく、もとに戻すのに10年かかると。この今、梅雨時が終わって暑くなりますと、すぐ草がこのぐらい、1メートル、1メートル50とかなってしまいますので、その間も、やはり代替でもらった人が気持ちよく、もうすぐにその次から農業に取り組めるというか、作物をつくれるようなシステムを何とか……。あと、そこまでの間でも、作物はつくらないにしても、維持管理ですよね、その間にそういう維持管理をして、畑らしくなっている状況にできるような仕組みをぜひつくっていただけたらなということです。また、これに関してもちょっと御所見をお聞かせ願います。
 続きまして、認定農業者の方に関しましても、54名の方ということで、本当に、これから三鷹の農業も、後継者の方のあれだけ力強いあいさつを聞きますと、立派な、非常に頼もしく拝見した次第であります。それとともに、あのときに100名からの、説明会にはお見えになっていたんですね。それで54名の方が認定農業者ということで受けてくれたんですが、やはりまだあと半分ぐらいの方も、迷ったりとか、いろんな条件で、今回は乗らなかったのかもしれませんが、これに対しても、いろいろ手続だとかが複雑というか、煩雑なところもありますが、また事務局の方も非常に大変だなとは思うんですが、この辺も、一応説明会に来てくれたという、前向きなというか、やる気のある方たちも、何か後ででも拾っていただけて、また認定していただけるような、また、何かの機会にそういう説明会というのも開いていかれるようなシステムをつくっていただけたらと思います。
 あと、アグリライフの構想なんですが、これに関しましても、やはり皆さんが、三鷹市では特に学校農園が各学校にありますから、子どものうちから農業にも親しんでくれていますから、本当にありがたいんですが、やはり農業というのは、すそ野を広げることによって、みんなが土のありがたさというか、作物の収穫の喜びだとか、感じてくれることによって、何ていうんですかね、命の大切さとか、やはり自分で育てて収穫する喜びというものから、食べ物を大切にしたりとか、人に対しても優しくなれるような気持ちが芽生えるんではないかと思いますので、ぜひそのすそ野を広げるような取り組みというんですかね、をやっていただけたらな。
 結局、これから、今、いろいろな意味で食糧危機だとか、自給率の向上が叫ばれている中で、やはり自分たちが自分の庭でとか、家庭菜園なり、プランターなり、身近にそういうものがつくれる──つくれることがすごく大事だと思うんですよね。それはやっぱり親も教えたり、学校でも教えて、やっぱり自分からやってみるというか、つくってみるということが、いざ何かあったときにも、できるということが非常な自信になると思いますので、その点の取り組みも、ひとつ引き続きよろしくお願いいたします。
 あと、食育に関しましても、非常に取り組みを行っていただけているということで、教育委員会も指針をつくっていただいて、いろんな形で取り組んでいただいているということで、ありがとうございます。
 それで、食育の日が6月19日ということは私も承知しておりましたが、三鷹市の中でも、特にこの日は地産地消の観点からとか、南浦では地場産のを使ってカレーの日だとか、やりましたよね、4年ぐらい前にも。やはりそういうような……。あと青壮年部でもお米をつくったりとか、いろんな取り組みをやっているので、そういう、6月19日でもいいですし、何か市を挙げて、この日は地元産のものを使ってやるんだということで、もう一回、食を考えてみようじゃないかみたいな取り組みができたらいいな。ちなみにきのうは8月31日で、野菜の日だったんですよね。ですから、そういうふうに野菜を考えたりとか、あと、その前の前なんですが、焼き肉の8月29日、焼き肉とか、いろいろちょっと駄じゃれっぽくなりますが、そういうように、みんながね、何かちょっと笑えるようなというか、それでいて食とか、足元から食を考えようみたいな取り組みができればなと思いますので、ひとつその辺もよろしくお願いをいたします。
 それでは、もう一度、済みませんけど、御所見をお聞かせいただければ。よろしくお願いいたします。


◯副市長(河村 孝君)  今、幾つか御質問ありましたけれども、私の方からも答弁させていただきます。
 まず1点目、アパートから農地への逆転換といいましょうか、そういう流れが今できてきているということで、それを何らかの形で支援できないかという、そういうお話であったと思います。生産緑地の関係とか、さまざまな、制度的なハードルもあると思いますけれども、御趣旨は三鷹市としても大賛成でありますので、何らかの御支援をしていきたいというふうに思っております。
 農地じゃありませんけれども、6月の議会で御審議いただきました花と緑の広場もですね、実はやはりそういう違う用途から、これは農地じゃないですけれども、緑の方で生かしてもらいたいということで、三鷹市もそのチャンスに乗ったということであります。今後そういうことが多くなってくると思いますので、ぜひ検討していきたいというふうに思います。
 それから、外環の問題に絡めましてですね、代替農地の維持の問題といいますかね、確保の問題の次は、維持の問題がテーマになりまして、しっかりとマッチングして農地として活用されるまでの間、どういうふうに使っていくかということで、御指摘のように、その間にですね、雑草が生えてしまったら大変なことになりますので、しっかりとした管理をしなければいけないということで、先般、株式会社まちづくり三鷹の方からJA東京むさしの方にお話を申し上げて、外環の代替農地だけじゃありませんけれども、後継者がいなくなったりしてきている農地の維持管理も含めまして、農業生産法人みたいなものをつくれないかという、そういう勉強会みたいなものをやろうというお話を、今、してきているところです。これは以前から、同じ会派の別な議員さんからも問題提起があった部分でありますけれども、私どもとしては、その部分はしっかりと受けとめて、都市農業研究会の後のですね、1つのテーマですけれども、具体的に詰めていく段階になってきているのではないかということで、早急に結論を出していきたいというふうに思っているところです。
 プロの農家の方たち、それとJA東京むさしの方、事務局をまちづくり三鷹が支援しながら、援農ボランティア等の市民の方もうまくかかわれるような形で、三鷹の農地、緑を維持していく新しい都市型農業のビジネスモデルになるような、そういう仕組みをですね、全国に向けて発信していきたいなというふうな意気込みで、今、最初のお話をしているところでありますので、ぜひよろしくお願いいたします。
 私の方からは以上でございます。


◯生活環境部調整担当部長(清水富美夫君)  認定農業の関係でございます。御案内のとおり認定農業者制度、効率的で安定した農業経営を目指す農業者を支援するという形で、三鷹市もやっとですね、今般、初のですね、制度導入を行ったところでもございます。それまでさまざまな御意見等を伺いながらですね、おくればせながら始めたわけでございますけれども、審査会でもですね、多少の意見はございましたけれどもですね、この41経営体、54名の方はですね、すべて認定をするということで取り組んだところでもございます。そうした中でですね、今後、私どもも、先ほど市長が御答弁をさせていただいたようにですね、認定事務を取り組むわけでございますけれども、特に国や東京都におきまして、農業経営に関する政策支援の対象がですね、徐々に認定農業者に絞られてくるようなことも言われてもおります。そういう意味もありますので、できるだけ多くのですね、農業者の方に認定農業者になっていただくようですね、進めてまいりたいと思っております。
 以上です。


◯教育長(貝ノ瀬滋君)  食育の日ですとか、野菜の日ですとか、焼き肉の日ですとか、大変おもしろく聞かせていただきまして、多分、子どもたちもですね、その分、やはり強い印象を持ってですね、この食育を推進していく、いいきっかけになるだろうと思いますね。実際にはですね、各学校とも食育月間等でさまざまな指導をやっておりますので、各学校でもですね、いろんな、例えば6月4日でしたか、虫歯の日だとかね、そういうふうにいろいろ数字をごろ合わせをしましてですね、そういうきっかけをつくって指導しておりますので、教育委員会が一斉にですね、こうしろとかって言うよりも、今までの学校でのそういう自主的な取り組みを尊重してですね、こういう日もあるよというふうなことで──焼き肉の日はちょっとなかなかね、給食では焼き肉もちょっと難しいですから、現実には難しいところもありますけど、各学校の取り組みを尊重しながら、そういったですね、今の話をですね、提案していきたいというふうに考えております。


◯18番(伊藤俊明君)  どうも御丁寧な御答弁、本当にありがとうございます。また、代替農地に関しましては、その間の肥培管理というか、管理の仕組みをしっかりとつくっていただければと。よろしくお願いいたします。
 それで、先ほども最初に質問の中で言いましたが、今、農業者が生産──農業に携わっている人たちが3%ぐらいしかいないという話で、それが、人口にしますと大体315万人ぐらいと言われているんですね。それで、その方たちも65歳を超えている。非常に農業が高齢化しちゃっているということと、それとともに、食料自給率はそういう意味で今、41%になりましたが、3%ということは、そういう意味では食の自給力というんですかね、は3%しかないという理屈じゃないですか。要するに担い手の農業従事者が3%しかいない、約315万人。ということは、その人たちが、その技術なり何をしっかりと子どもたちに伝授していただけないと、つまり、いろんな場をして、子どもたちにもそういうつくれる力というのか、それを技術なりを伝承していただかないと、これ、なかなかね、すぐに農業をやれと言ったってできるもんじゃないんですよね、これが。やっぱり小さいうちから土に親しんだりとか、自然の生活の中に、さっきのアグリライフじゃないですが、生活の一部の中に農が入っているということが、いざ何かあったときにも、食糧の危機というものが僕なんかも非常に心配なんで、ここに何でそこまで、ちょっと取り越し苦労に終わればいいんですが、このあれには、ドイツやヨーロッパなどの諸国は、ヨーロッパの農業と農業者は、安全安心を守っている。農村の美しい景色を守っているのは農業者である。2つの大戦で飢餓の恐ろしさを知っているので、自給率を向上する。こういったことが国民のコンセンサスであるということで、やはり日本は非常に恵まれた中に育ち過ぎちゃっていて、何かこの41%だということも、なかなかこれを向上させていくことにいかないんですが、生産従事者は3%しかいないという、このことをちょっと重く受けとめて、しっかりと、できるところからやっぱり取り組んでいかなきゃなというような思いで質問させていただきました。
 いずれにしましても、三鷹市にとっても都市農業というものの重要性を深く認識しつつ、また、市民の方たちも大変理解をしていただいているので、農業者も力強くこれからも頑張りたいと言っていましたので、これからも三鷹市のまちづくりのために頑張りますので、よろしくお願いいたします。ありがとうございました。


◯議長(田中順子さん)  以上で伊藤俊明さんの質問を終わります。
    ──────────────────────────────────────


◯議長(田中順子さん)  次の通告者、21番 加藤久平さん、登壇願います。
                〔21番 加藤久平君 登壇〕


◯21番(加藤久平君)  議長より御指名をいただきましたので、通告に従いまして一般質問をさせていただきます。
 さて、日本はすばらしい国であった。そして、日本はすばらしい国であると、堂々と胸を張って言えることができる児童・生徒たちを育てていきたい、そんな思いでお話をさせていただきます。
 日本はすばらしい国であったと児童・生徒がさらに認識するためには、日本の歴史、伝統、文化、先人たちのたゆまぬ努力などを知ることが必要であると考えます。例えば蒙古襲来や大陸の勢力によるアジアの併合、また、欧米によるアジアの植民地化などから先輩の皆さんが日本を守ったことであります。また、聖徳太子、北条時宗、二宮金次郎、吉田松陰、明治天皇、伊藤博文、東郷平八郎、豊田佐吉、夏目漱石など、日本の発展に尽くした人たちを知ることによって、児童・生徒みずからがさまざまな歴史的事象などに興味が持てるような、そんな指導的な教育が必要であり、そして、児童・生徒自身が進んで学習したいと思うことができるような教育が必要であると考えます。
 例えば教育委員会や三鷹市が主催となって、日本はすばらしい国であったと題しての講演会を実施することも1つの手だてと考えます。児童・生徒に正しい歴史認識が生まれ、先人たちのたゆまぬ努力があったということを理解させることができれば、今以上に自国に誇りを持つことができ、そして、生まれた故郷や生まれた国を自然と愛することがさらにできるようになれるものであると信じるのであります。まさに教育基本法第1条の目的及び同法第2条に掲げる教育の目標であり、同法第5条第2項の義務教育の目的及び学校教育法第21条に掲げる義務教育の目標並びに同法に定める各学校の目的及び教育の目標の理念的なことがここにあると考えます。
 しかしながら、昨今のマスコミ報道や教科書などを見たり聞いたりしますと、日本は悪い国であったと思わせるような風潮が先行していて、これでは日本はすばらしい国であったと思う児童・生徒が育ちにくくしていると考えるのであります。日本はすばらしい国であったとさらに児童・生徒が言えるようになるためには、教育現場で教育基本法を通して、児童・生徒みずからが正しい自国の歴史と伝統と先人たちの努力などを理解できるようになればなと考えますが、お尋ねをいたします。このような考え方について教育長はどのように思われるのか、御所見をお聞かせください。
 また、市長にお尋ねをいたします。教育行政の独立に触れないということを前提に、日本はすばらしい国であったと児童・生徒がさらに思えるようになるための施策について、市長部局としてできることにはどのようなことがあるとお考えか、市長の御所見をお聞かせください。
 さて、三鷹市自治基本条例に基づき、施策の方向性を定めて策定された三鷹市教育ビジョンでありましたが、その後、新教育基本法が公布され、学習指導要領も新しく改訂がされました。その間、教育振興計画の策定も義務教育化されたのでありました。そして、地方教育行政の組織及び運営に関する法律の改正が行われ、教育に関する事務の管理及び執行の状況の点検及び評価等が規定をされ、実施が義務化されました。また、教科書の検定制度が大きく改善され、教科書内容が新教育基本法が定める教育の目的・目標と一致しなければならないことなどが新たに規定されました。三鷹市教育ビジョンを推進するための法律や計画などの教育環境は大きく変わってきていると考えます。教科書検定基準の各教科共通の基本的条件として、教育基本法第1条の目的及び同法第2条に掲げる教育の目標に一致していること。また、同法第5条第2項の義務教育の目的及び学校教育法第21条に掲げる義務教育の目標並びに同法に定める各学校の目的及び教育の目標に一致していること。我が国の立場、国益の尊重、日本人としての育成などを目的とした教科書策定の基準が新たに設けられたことであります。
 三鷹市に限って考えれば、当然のこととして、一致していることとしての新しい検定基準に沿った教科書であるならば、三鷹市教育ビジョンの目指す子ども像と教育基本法第1条の目的及び第2条の教育の目標が一致しなければならないし、教育基本法の第2条の内容の周知徹底も含まれなければならないものであると考えます。そして、一致しているということでは、毎年度、本市の主要な事務事業の管理及び執行の状況の点検及び評価が実施され、報告が存在しなければならないと考えます。
 さて、三鷹市教育ビジョンは、新教育基本法や学習指導要領を十分に尊重しつつ策定されました。また、教育基本法につきましても教育の基本になるものでございますが、大部分の教員が理解していないので、理解してもらうべく手だてを講じたい。基本法の目的の部分については、総論的なところは文言がそのまま使われていませんが、三鷹市教育ビジョンの中で足りていないところは基本方針の中で補いたい。また、ビジョンの見直しの時期が来ると思いますが、教育基本法を尊重したいとの趣旨の教育長の議会答弁をいただきました。
 さて、ここに問題があると考えます。「三鷹市教育ビジョンは、事後法である新教育基本法や学習指導要領を十分に尊重されつつ策定された」についてでありますが、事後法であるにもかかわらず、どのように十分に尊重されたのか、疑問の残るところであります。また、「大部分の教員が理解していないので」についてであります。教員が理解していない基本法の目的や目標の部分について、児童・生徒にどのように理解させることができましょうか、ここが考えさせられるところであります。
 また、「手だてを講じたい」についてですが、どのように講じてきたのか、効果・実績が感じ受け取られにくく思います。そして、情報として、教材として不十分であるし、教育長が御指摘のとおり、基本法第2条の目的の文言そのものが提供をされていないからであると考えます。基本方針の中身についても同様であると考えますし、足りていないところについては、教育長御指摘のとおり、教育ビジョンそのものの見直しの検討も視野に入れるべきと考えます。
 さて、地方教育行政の組織及び運営に関する法律の改正であります。点検及び評価の目的として、三鷹市教育委員会は毎年度、主要な事務事業の取り組み状況についての点検及び評価を行い、評価や取り組みの方向性を明らかにすることにより、効果的な教育行政の一層の推進を図らなければならなくなりました。点検及び評価の実施方法としては、三鷹市教育委員会の主要事務事業の取り組み状況を総括するとともに、課題や今後の方向性を示すものとして主要事務事業の進捗状況を取りまとめ、学識経験者の意見を聴取した上で、教育委員会において点検及び評価を行うことが義務づけられたものであると考えます。すなわち三鷹の教育は、ある意味で学識経験者と、教育委員会と、教育委員会の指揮監督のもとにその事務をつかさどっている教育長が担っているものであるとも考えられるわけであります。
 そこで、三鷹市の主要な事務事業であります。私は、新教育基本法で改正された第1条及び第2条の5項目の目標については、三鷹市の主要な事務事業になければならないと考えます。また、教科書検定の新しい検定基準として一致しなければならないとした部分についても、三鷹市の主要な事務事業とならなければならないと考えます。
 そこで問題であります。教育に関する事務の管理及び執行の状況の点検及び評価の前回の報告書には、新教育基本法の目的・目標の部分や検定基準である「一致しなければならない」部分の報告が見つからないのであります。三鷹市の主要な事務事業として扱われていないのではないかと考えます。学識経験者、教育委員会、教育委員会事務局が、三鷹市の主要事務事業としてどうして報告しないのでありましょうか。教育長が御指摘のとおり、教員が理解していないという範疇なのでありましょうか、疑問の残るところであります。
 そこでお尋ねをいたします。地方教育行政の組織及び運営に関する法律の改正をどのように理解しておいでなのか、教育長の御所見をお聞かせください。
 お尋ねをいたします。教科書検定制度の新たな基準が改善されましたが、我が国の立場、国益の尊重、日本人の育成などと教科書内容が新教育基本法が定める教育の目的・目標と一致をしなければならないことなどについて、どのように検定基準が改善されたとお考えか、教育長の御所見をお示しください。
 お尋ねをいたします。教科書についてですが、知・徳・体の調和のとれた人間、国家社会の形成に主体的に参画する国民、我が国の伝統と文化を基盤としての国際社会を生きる日本人を育成するため、豊かな情操と道徳心、伝統と文化の尊重や我が国と郷土を愛することなどといった目標を達成するため、一致していなければならないと検定基準に明記され、教育基本法の内容を周知徹底するため、教育基本法第2条の教育の目標も併記されましたが、このことをどのように思われるのか、教育長の御所見をお示しください。
 お尋ねをいたします。新教育基本法が定める教育の目的・目標が教科書内容と一致しなければならないと規定されたことは、教科書内容と三鷹市教育ビジョン及び基本方針も教科書内容と一致しなければならないと考えます。この一致した目的・目標は、当然、三鷹市の主要な事務事業となり、地方行政の組織及び運営に関する法律の改正の対象となると考えます。そこで周知徹底でありますが、学識経験者、教育委員会、新教育基本法を理解していない教員などに、一致しなければならない部分の理解をどのように周知徹底させるのか、教育長の御所見をお示しください。また、教育基本法を理解した教員が、周知徹底された内容や事象を児童・生徒にどのように指導すべきとお考えか、教育長の御所見をお聞かせください。
 お尋ねをいたします。大部分の教員が理解をしていないので、理解してもらうべく手だてを講じたい。基本法の目的の部分については、総論的なところは文言がそのまま使われていませんが、三鷹市教育ビジョンの中で足りていないところは基本方針の中で補いたいとの議会答弁をいただきました。であるならば、新教育基本法の目的・目標の部分で直接表現されている文言を、「一致していること」ということで補うとするならば、三鷹市教育ビジョンや基本方針の中で教育基本法と同じ文言で補えば、議会答弁との整合性が立証されると考えますが、教育長の御所見をお聞かせください。
 以上で壇上での質問を終わらせていただきます。なお、御答弁によりましては自席での再質問を留保させていただきます。ありがとうございました。
                〔市長 清原慶子さん 登壇〕


◯市長(清原慶子さん)  日本はすばらしい国であった。そして、日本はすばらしい国であると児童・生徒が思えるようになるための市長部局の施策について御質問いただきました。
 これからの日本の未来を担う子どもたちが、日本の国土と歴史、そして、それらにはぐくまれて継承されてきた日本の伝統と文化について理解と愛情を深めること、国民としての基礎的素養を培っていくこと、国際社会に生きる日本人としての自覚や誇りを身につけていくことは、質問議員も御指摘のとおり大変重要なことであると私は認識しています。
 日本の伝統と文化、それをはぐくんできた国土や歴史に対する愛情は、偏った理解の上に成り立つものではなく、広い視野に立って日本の国土や歴史に対する理解を深めた上で、はぐくまれるものだと考えます。市長部局といたしましては、教育委員会のもと、各学校において、学習指導要領に基づき、各教科や道徳、特別活動などで日本の国土と歴史に対する理解と愛情を深め、世界の中の日本人としての自覚や誇りをはぐくむ教育の充実を期待しています。
 そこで、教育基本法の精神にのっとり、三鷹市教育ビジョンの基本方針にある子どもたちの人間力と社会力の育成に向けて、教育委員会と連携を密にし、学校・家庭・地域が連携して取り組んでいく教育施策等を支援してまいります。
 私からは以上です。


◯教育長(貝ノ瀬滋君)  教育基本法を通して正しい自国の歴史や文化等についてですね、指導すべきという考え方についてですね、お尋ねがございました。
 国際化のですね、進展に伴いまして、児童・生徒が将来、国際社会において尊重されて、信頼される日本人としてですね、成長していくためには、日本人としての自覚を養い、国を愛する心、伝統と文化を尊重し、それらをはぐくんできた我が国と郷土を愛するとともに、他国を尊重し、国際社会の平和と発展に寄与する態度を育てるということはですね、質問議員御指摘のとおり重要なことであるというふうに認識しております。
 質問議員も御案内のようにですね、平成20年3月に教育基本法の趣旨を踏まえて改訂した新しい学習指導要領が告示されております。また、今年度から、小・中学校では新しい学習指導要領によります移行措置期間の学習がスタートしております。教育基本法を踏まえまして改訂されました学習指導要領にのっとってですね、適正な教育を各学校が推進していくということがですね、我が国の伝統と文化を尊重し、それらをはぐくんできた我が国と郷土を愛する心を育てていくということであるというふうに認識しております。
 私からは以上でございます。


◯教育委員会事務局教育部長・調整担当部長(岩下政樹君)  2番目から7番目までの御質問につきまして、教育長の答弁に補足をさせていただきたいと思います。
 教育基本法の改正に伴うもの、それから、教育施策に関する一連の質問であるというふうに受けとめておりますので、御質問の内容と順番は多少前後いたしますけれども、まとめて御答弁させていただきたいと思います。
 まず、地方教育行政の組織及び運営に関する法律の改正についてでありますが、御質問議員も御案内のように、本法律の第27条で、教育委員会は、毎年、その権限に属する事務の管理及び執行の状況について点検・評価を行い、その結果に関する報告書を作成し、これを議会に提出するとともに、公表しなければならない。そして、この点検・評価には、教育に関し学識経験を有する者の知見の活用を図るものというふうにされております。その際、どのような点検・評価項目を設けるか、また、報告書の様式などにつきましては、各教育委員会が実情を踏まえて決定するということになっておりまして、三鷹市教育委員会ではですね、本年7月に、20年度のですね、点検・評価については教育委員会で決定しておりますけれども、20項目を選定をしたところでございます。その20項目につきましてはですね、教育委員会の中で、教育委員さんの議論の中でですね、決定をされたということでございます。
 それから、教科書検定基準の改善についてでございますが、改正教育基本法では、第2条に教育の目標として5項目が示されました。これを受けまして、平成21年4月1日から改訂されました義務教育諸学校教科用図書検定基準では、教科用図書の検定の基本条件として、教育基本法第1条の教育の目的と第2条の目標に一致していることというふうに明記をされました。
 教育は、教育基本法第1条の教育の目的と、第2条の目標に基づいて行われることから、学習指導要領に基づいて行われる授業において、その主たる教材であります教科書が教育基本法と一致していることを明文化し強調したということは当然のことというふうに受けとめております。
 それから、教育基本法第2条のですね、教育の目標も併記されたことについてでありますけれども、教育基本法の内容を周知徹底するために義務教育諸学校教科用図書検定基準に併記されたという御指摘がございましたが、周知徹底というよりもですね、教育基本法にある教育の目標に即した内容の教科書を編さんしていくことを出版社に求めたものであるというふうに認識をしているところであります。教育基本法の趣旨を踏まえて改訂されました今回の学習指導要領では、すべての教科で道徳の時間などとの関連を考慮しながら、各教科の特質に応じて適切な指導をすることが明記されております。その点も踏まえた編集を促したものであるというふうに考えております。
 次に、新教育基本法の定める教育の目的・目標と一致していることについての周知徹底でありますけれども、平成20年3月に告示された学習指導要領は、新しい教育基本法で示された教育の目的及び目標を具現化したものでございます。そこで、市の教育委員会ではですね、管理職及び教員対象に改訂された学習指導要領の内容についての説明等を実施する中で、根拠となる新しい教育基本法に規定する教育の目的・目標について周知徹底を図ってまいりました。具体的に申し上げますと、ことしの2月に小・中学校の全教員が一堂に会する三鷹市立学校教育研究会で、学習指導要領の内容について教育基本法の改正も含めた説明会を実施し、周知徹底を図ってきたところでございます。
 次に、教育基本法を理解した教員がどのように児童・生徒に指導すべきかという御質問ですが、学習指導要領にのっとった適正な学習等の指導を行うことが教育基本法の趣旨に基づいた指導につながるものと考えております。市教育委員会としましては、今後も引き続き、学習指導要領に基づいた児童・生徒への指導の徹底が図られるように指導してまいりたいと考えております。
 最後になりますが、三鷹市教育ビジョンの策定についての議会答弁との整合性についてでございます。
 三鷹市教育ビジョンに掲げた施策につきましては、国の教育法制度の枠組みの中で、創意工夫しながら推進するという記述がありますように、あくまでも国の教育法制度の枠組みの中で行うものでありますので、その大前提には教育基本法があるのは当然のことというふうに言えると思います。
 文言の整合性についてでありますが、一致している必要があるのは文言そのものではなくて、目標、方向性の内容であるというふうに考えております。このことから教育基本法と三鷹市教育ビジョンとの整合性は図られているというふうに認識しているところでございます。また、三鷹市教育ビジョンは、教育施策の方向性を示すものであることから、法律の文言をそのまま用いるのはそぐわないのではないかというふうにも考えているところであります。
 以上です。


◯21番(加藤久平君)  ありがとうございました。最初に、再質問をしたいと思いますけれども、御答弁ありがとうございました。
 冒頭、講演会というお話をさせていただきました。やっぱり日本のことを児童・生徒がよく知るということでは、やっぱり歴史的な背景とか、歴史的な人物を子どもたちに、もうちょっと細かく指導する。そういったことによって、日本の歴史を知ることによって、自国に対して誇りを持ったりとか、我が国を愛するという気持ちがもっともっとはぐくまれるのかなと思うわけですね。そういう意味合いの中で、例えば年に一度とか、年に二度ですね、そういった、例えば聖徳太子についてとか、東郷平八郎についてとか、そういった形。あるいは欧米のアジアの植民地化、そういったことについて講演会を開くということが大切ではないかと思うんですね。一致しているということにそれがつながると思うんですね、さまざまな教育の分野の中で。ぜひその辺の講演会を教育委員会の主催の中で、学校の教育現場とは別枠で持つということについては、どんなふうに考えているのか、ぜひお聞かせをいただきたいと思います。
 周知徹底でありまして、周知徹底がされていれば、このような感じの──私が感じるような教育の結果にはなっていないと思うんですね。例えば議会答弁で、大部分の教員が理解していないという話をさせていただきましたけれども、周知徹底がされていれば、こういったことについては理解をしている。理解をしていれば、当然、そういった方向で教員の皆さんも、この教育基本法の目的・目標の部分の一致していることについて児童・生徒に指導していくんじゃないかと。だから、この辺の部分が足りていないというふうに思うわけですね。
 地方教育行政の中で、報告という話をしましたけど、私、読まさせてもらったんですね。ところが、今言った教育基本法の目的・目標の部分の報告は見つかってないわけですよ、私の中ではね。ほかの、おいしい水プロジェクトとか、いろんなところではあるんですけれども、教育基本法の目標・目的の部分については、内容を私が見た中では見つかってない。しかも、教育委員さんも周知徹底をされているならばわかるはずだし、教員の先生も周知徹底されているならわかるはずだし、教育長はそういうことなんでしょう。そうならば、周知徹底されているとすれば、間違いなくそういったことが文言として子どもたちに直接教えちゃった方がわかりやすいんじゃないかというふうな。今ね、答弁の中で、適切じゃないというふうな答弁もありましたけど、そんな難しい、あれ、文言ではないと思うし、読めば口語体であるような気がするんですよね。そんな昔の「師のたまわく」とか、そんなような言葉は使っていないと思うので。認識の違いなんでしょうけど。
 その中で、主要な事務事業というお話も質問させていただきましたけれど、主要な事務事業を選定するということが大切なんですね、私の質問の中では。今言ったように、主要な事務事業となり得るものは、教育基本法でも改正をされて、地方教育行政でも改正をされて、教科書会社との連携かもしれないけれども、教科書検定基準の中でもそういうふうにしなさいというふうに改正をされているというのは、この部分については、国としては相当重要な部分というふうに重たい認識を持っていると思うんですね、今言った部分については。改訂や法律の改正をしているんですから。ここが足りていないから。その部分が主要事業というふうにならないというのは、やっぱりどういうことなんだろうと。まさしくこじつけて言えば、周知徹底がされていないだろうと。教育長の議会答弁で言えば、大部分の教員が理解していないということにつながっちゃうと思うんですね。だから、この辺を何とかきちっとしていただいて、主要事業に格上げをしていただきたい。
 この主要事業に格上げするということは、1回やればいいということではなくて、子どもたちは毎年、小学校、中学校と行くんですから、この子どもたちが小学校で1回、あるいは中学校で1回経験するように、単年度事業としてではなくて、単年度ではなくて、継続的な指導という形の中でやらないといけないんですね。1回やったらいいんだということではないと思うんですね。その辺のお考えをお聞かせをいただきたいと思うんですね。
 まさしく私が最後に言いたいのは、教員の皆さんが児童・生徒にどう指導するかということなんですね。教員の皆さんを教育委員会事務局の関係の中で最高の状態にして、今言った改正された部分についてきちっと教員に認識をさせていただいて、児童・生徒へ指導するということが、今度の教育基本法改正、地方教育行政の改正もそうですし、教科書検定についての改正もそうなんですけど、全部つながっているわけです。だから、この辺のところをしっかり認識をしていただいて、いい形の教育行政を推進していただきたいと思うので、御答弁をよろしくお願いいたします。


◯教育長(貝ノ瀬滋君)  幾つか再質問いただきましたが、1点目のですね、過去の歴史上の人物をですね、その方自体をクローズアップするような講演会などはどうかというふうなお話だったかと思いますが、これは、御承知だと思いますけれども、歴史上の人物については40名前後ですね、学習指導要領にも記されておりますが、これはあくまでも、お読みいただくとわかりますが、例示として記されているということでありまして、そのものの人物をですね、業績そのことを教えることが目的ということではなくてですね、まさに前半おっしゃられたような日本のですね、歴史・文化をですね、正しく指導していくための1つの例示としてですね、人物を取り上げてわかりやすくですね、指導するという、そういう意味で扱われているわけでありまして、私どもとしてはですね、とりたててその人物を、例えば聖徳太子なら聖徳太子についての人物像についての何か事業をというふうなことは、今現在では考えておりません。
 2つ目のですね、基本法の周知徹底でございますが、これは、前回のときにはですね、まだ学習指導要領の説明会等も行われておりませんでしたが、学習指導要領の周知徹底を図るためにですね、当然のことながら、その根拠法となる教育基本法についてもですね、指導しておりますので、もう現在はですね、大部分の先生方はですね、御理解いただいているものというふうに受けとめております。
 それから、3つ目のですね、教育委員会の業績評価の点検・評価でございますが、これは、教育基本法のですね、文言そのものをというふうなことよりもですね、これは、例えば地方自治法がありますけど、その目的そのものがですね、例えば三鷹市の行政のですね、業績評価についてどうこうというふうなことではなく、あくまでもその趣旨をですね、趣旨が生かされているかというふうなことでやはり考えていくべきではないかというふうに考えます。ですから、主要な事務事業の評価について、その選定のですね、観点などについてもですね、基本法の趣旨をですね、できる限り生かしていきたいというふうに考えてはおります。
 それから、教員がですね、基本法をどう指導するか、子どもたちにどう指導するかでございますけれども、これはですね、基本法についてはですね、教育基本法については、しかるべき歴史の勉強をする学年になりましたら、それはダイレクトにですね、指導するということになっておりますけれども、しかし、やはり日常のですね、先生方がやはり毎日の授業の中でですね、指導していくということでは、学習指導要領というものがございます。学習指導要領というのは、お話しのように教育基本法をですね、体現したものでございますので、これをですね、きちんと指導していくということが、結局は基本法の趣旨を理解させるということにもつながっていくということになろうと思いますので、日々ですね、先生方、学習指導要領に沿ってですね、指導していただくということにですね、お願いをしていきたいというふうに考えております。
 以上でございます。


◯21番(加藤久平君)  ありがとうございます。歴史についてはいろんな見方があると思うんですけれども、中学校でちょこちょこって歴史をかじって、高校へ行くと日本史の歴史は選択科目になるわけですね。そうすると、中学校、小学校で教わっていない子どもたちが、高校へ行って日本史を勉強しようと思ったら、選択科目ですから、全く日本史を知らないまま大人になっていっちゃうわけですね。教育長として、制度のことなので、それはしようがないんだというふうに教育長が思われるんだったらそうなんでしょうけど、少しでもその部分を補うとすれば、講演会等で児童・生徒が日本の歴史、あるいは実情などを知ることによって、みずから勉強するような気持ちをはぐくませるという、教育長がそう思わないんでしたらそうなんでしょうけど、僕は、その方が子どもたちにとっていいのかなと思いますけれども、もう一度その辺のところの御所見をお聞かせください。
 道徳の話が出たんですけれども、道徳の教科書はどのように教育委員会としては考えているのか、ここの部分についてもお示しください。
 趣旨ですよね、まさしくそのとおり、教育長がおっしゃっているとおり趣旨なんですね。ここが難しいんですね。教育長が言っている趣旨というのと、僕らが思っている趣旨というのが随分差がある。だから、どうしてもこの分野は1つの結論が出ないで、ずうっと来ていたわけですね。今まで教育長が考えているような趣旨でずうっと教育行政がなされてきて、僕が思うような児童・生徒たち、歴史認識に陥っちゃっているというふうに僕はとらえるわけです。だったら、今の子どもたちを少しでも改善しようと思うなら、ちょっと違う見方の趣旨を取り入れて、とりあえずやってみるというのも1つの、いろいろなパターンだと思うんですね。長い間、教育長がおっしゃったとおりの趣旨で来たと思って、間違いじゃない。間違いじゃないけど、結果は、僕が思うような結果にはなってない。教育長は、教育長が思うような結果になったと言えばそうなんでしょうけど、僕はそう思ってないので。その辺の部分について、私が言っているような趣旨で少し変えてみるような教育行政があってもいいんじゃないかというふうに思うので、その辺の御答弁をお願いしたいと思います。
 先ほど基本法という話で、基本法の文言、同じ話になっちゃうんですけど、やっぱり難しいですかね。そんなに、口語体で、あのままの文言を使っても……。あれが、でもね、なじまないというふうな考え方なんでしょうけど、よっぽど……。目指す子ども像も悪くはないですけど、あれに、どちらが、点があれかと言ったら、御判断なんですけれども、もう一度よく読んでいただいて、検討する価値があるんだったら、ぜひその言葉をね、基本方針の中でもいいですから、あの方が絶対子どもたちは理解しやすい。でも、教育長は、今の目指す子ども像の方が理解しやすいと言えば、今までと変わらないんですよ。趣旨も変わらないけど、目指す子ども像も変わらない。子どもたちの今、現場に置かれているあの状況も変わらない。やっぱり変えないといけない。今、はやりで、おととい、変えなきゃいけないという結果が出たみたいですけれども、やっぱり変えていかないと、その辺……。教育長が、いや、変えなくてもいいんだと、自信があるんだと言えばそうなんでしょうけど、ぜひその辺の御所見もお聞かせいただきたいと思います。


◯教育長(貝ノ瀬滋君)  幾つかまた御質問いただきましたが、日本の、我が国の歴史ですね。これについて、特に文化ですね。歴史もそうですが。これについて、やはり子どもたち、特に青年もそうですけれど、大人もそうかな。よくわかってないということはですね、これはさまざまな場面でよく指摘されますよね。外国などへ行っても、日本のですね、歴史・文化をですね、きちんと紹介できないと。英語はうまく使えるんだけど、日本のですね、歴史について語れないという大人がいらっしゃるというふうな、そんなふうなことを考えますとね。ですから、やはり日本の、我が国の歴史をですね、やはり理解するという、やはり学習は大事だというふうに思っています。
 ただ、高等学校の方はですね、私の所管じゃありませんのでコメントを控えますけれど、少なくともですね、小学校、中学校での歴史の勉強はですね、小学校でも6年生で歴史を勉強しますし、中学でも勉強しますので、やはり現在のですね、おっしゃるような教育基本法を体現した学習指導要領の趣旨、それをのっとったですね、やはり社会科の学習をきちんと日々積み重ねていくことによってですね、これはやはり達成されるんではないかというふうに考えております。
 それから、道徳の教科書等の関連ですけども、ほかの教科に比べて日本の文化・歴史等の尊重につきましてはですね、これはやはりダイレクトにですね、扱われているという内容が多いですね。特に道徳ノートですか、これは、やはり日本の国をですね、愛するというふうな、そういうことについてもですね、ダイレクトに扱われておりますので、そういう意味ではですね、教育基本法の、我が国を尊重して、愛して、そして他国も尊重すると、そういうことの趣旨についてはですね、よく体現しているというふうに考えられるものだというふうに思っております。
 ここにコピーがあるんですけれども、「心のノート」ですが、これは文部科学省の方で出しておりますけど、私たちの国の生活に息づく文化ということで、和服のことですとか、和室ですとかね、それから、和食のことですとか、そういったことについて扱うようになっておりますし、中学生のですね、中学校の「心のノート」では、我が国を愛しその発展を願うというふうな内容がございます。美しい言葉がある、美しい四季があるというふうな、そういうことでですね、道徳教育を進めるという、そういう資料がですね、国からの方も届いておりまして、それを活用しているところでございます。
 それから、趣旨ということでのですね、私の理解と御質問者の理解が違うんじゃないかというふうにおっしゃられますけど、そんなに違わないんじゃないかというふうに思っておりますが、今の子どもたちがですね、日本の今までの歴史についてですね、非常に否定的にとらえているというふうに何か思っていらっしゃるんではないかと思いますが、そういうデータは特に私はつかんでおりませんし、そういった意味ではですね、そんな心配はしておりません。ですから、正しくですね、まさに教育基本法、そして新学習指導要領、で、教育ビジョンをですね、これをしっかりですね、指導していくということの中で、そういう御心配はですね、払拭されるんではないかというふうに思います。
 それから、基本法をですね、大事にしていくということ、これは私も同感でございまして、これは何度も申し上げておりますけども、学習指導要領、そして教育ビジョンにもですね、趣旨は体現されているわけでありまして、文言そのものをですね、基本法は法律ですから、そういう意味では、それぞれ学習指導要領も教育ビジョンもそれぞれ違うものですので、その文言をそのまま使うということはないわけであります。使っているものもありますけどね。ですから、趣旨を生かしていくということでありまして、もし全部文言が一致しなければならないんでしたら、教育基本法1つだけあればいいということになりますよね。ですから、さまざま、やはりいろいろな場面においてですね、必要なものでありますので、基本法はもちろん大事なものでありますが、それぞれそれに基づくものもですね、大事にして活用していきたいというふうに考えております。
 以上でございます。


◯議長(田中順子さん)  以上で加藤久平さんの質問は終わります。
    ──────────────────────────────────────


◯議長(田中順子さん)  お諮りをいたします。間もなく定刻となりますが、しばらくの間、時間の延長をしたいと思います。これに御異議ありませんか。
                (「異議なし」と呼ぶ者あり)
 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。
    ──────────────────────────────────────


◯議長(田中順子さん)  市政に関する一般質問を続けます。
 次の通告者、23番 吉野和之さん、登壇願います。
                〔23番 吉野和之君 登壇〕


◯23番(吉野和之君)  議長の御指名をいただきましたので、通告に従い一般質問をさせていただきます。
 地方分権は今回の総選挙でも大きなテーマになり、各党、競って分権の必要性を訴えていました。選挙前には、橋下大阪府知事ら全国知事会の動きもあり、地方分権への時代潮流は今後一層加速することは確実であります。中央集権から地域主権へと時代が大きく動いていく中で、地域の果たす役割は格段に重要性を増してくるものであります。
 8月26日付の読売新聞にも、「分権改革 覚悟はあるか」という記事が掲載されていましたが、その中に、地域再生のキーワードとして挙げるのが、住民と行政の協働だ。公共サービスを行政任せにせず、ともに担う。その仕組みが地域の主体性を育てるという文章がありましたが、これこそまさに三鷹市が目指している方向性そのものであると考えます。また、同記事中、何のための地方分権かという問いかけもありました。私は、この地方分権を支えるのは市民の皆様方であり、市民の皆様方がどれだけその地域に対する郷土愛を持っているかが地方分権の成功のかぎであると考えます。仕組み上、分権化が幾ら進んでも、その基盤となる市民の皆様方の協力なくしては分権はできないし、分権化の大きな目的は、その地域に住む人々が、自己の郷土を愛するがゆえに郷土を発展させることにあると考えます。
 今後、分権化が進むと、いい意味での自治体間の競争も表面化してくるでしょうが、その際、何よりも重要なのは、その自治体に住んでいる方々が、その地域をどれだけ愛しているか、帰属意識を持っているかではないでしょうか。今住まわれている地域を愛し、その地域のために行政と一緒になってまちづくりを行っていく。この意識を持ち行政を進めていく、これが私は分権の真の目的であると考えます。確かに財源の移譲、権限の移譲、その他膨大な行政システム上での大胆な改革がさらに必要である。このことは言うまでもありませんが、地域の方々が郷土愛を持っていなければ、行政システムを幾ら変えても真の分権はできません。三鷹市は、協働のまちづくりを推進し、地域コミュニティを大切にしたまちづくりを行ってきており、その意味でも、今、私の述べた方向性で進んでいますが、地方分権が大きな争点になった選挙が終了した今、もう一度地方分権の意味、地域コミュニティの果たす役割、その基盤にある郷土愛について考えてみる必要があると思います。
 かつて安田前市長は、ベストではなく、オンリーワンを目指すと発言されていました。市民にとってかけがえのない、唯一の愛するまち、郷土三鷹をともに創造していくこと、私は、このことこそが分権の大きな目的であると考えます。分権を大きなテーマにした総選挙の終了した今、地方分権と郷土愛についての市長の御見解をお伺いいたします。
 次に、小・中一貫教育についてお伺いいたします。まず、小・中一貫教育の意義についてお伺いいたします。
 9月の鷹南学園の開園で市立の小・中学校がすべて小・中一貫校となりますが、全校導入は全国でも初めてであるということで、全国の注目を浴びております。小・中一貫校の目的、意義につきましては、既に議会でもさまざまな機会にお伺いしておりますが、本日は、先ほども質問させていただきましたが、地方分権、地域の時代へと時代潮流が加速化する中で、地域に開かれた学校、コミュニティ・スクールをその基盤とする小・中一貫校はより大きな意義を持ってくるのではないか、そういう趣旨で質問をさせていただきます。
 教育長は、かつて、規範意識・家族・地域再生分科会の中で、小・中一貫教育の起点は第四小学校長時代の夢育の学び舎構想にあると述べられています。これは、コミュニティ・スクールの起点ともいうべきものであり、地域に開かれた学校で、地域の方々とともに子どもを育てていくことであります。地域の方々の生きがいにもなり、新たな風を入れることで教師の資質向上にもつながった。学園全体が地域コミュニティの1つの核となり、子どもたちがより密接に地域の方々とのつながりを持つことに、自然な形で郷土愛が芽生え、育成されていくものであると考えます。ICT時代、人と人との直接のコミュニケーションが少なくなりつつある現代こそ、コミュニティ・スクールはその重要性をより一層増してくるものと考えます。ボーダーレスのグローバリズム化される今こそ、教育におけるローカリズムが必要であり、その意味でも先見性のある施策として大いに評価するものであります。分権化の潮流にある今、コミュニティ・スクールを基盤とする小・中一貫教育の意義について、御見解をお伺いいたします。
 次に、中高一貫教育についてお伺いいたします。
 今、小・中一貫教育は大変に大きな時代的意義のある先見性に富んだものであると言いましたが、市内小学生の進路を見ると、中高一貫校に進む子どもが多いのも現実であります。市内全体では約2割、地域によっては3割以上の方々が中高一貫校を中心とした私立校等へ進学しています。週刊東洋経済6月20日号で、中高一貫校の特集を組んでいますが、その中で、中学受験をさせたい理由の調査があります。それによりますと、中学受験をさせたい理由の第1は、大学進学に有利、第2は、地元の公立学校は不安とあります。一方、地元の公立中学に行かせたい理由は、私立中学は学費が高い、遠距離通学をさせたくない、受験勉強をさせたくない、義務教育までは公立に通うべきだというものでありました。今見たように、中高一貫校の最大の長所は、学力の向上が図れるということであります。このことは現実に各大学への進学実績を見ても極めて顕著にあらわれていることは皆様方、御承知のとおりであります。
 また、この中高一貫教育は都立高校でも導入され、当初2校の予定であったものが、都民のニーズが高く、2008年までに6校が開校、2010年には10校になる見込みであるとのことです。都立一貫校の人気は高く、例えば都立武蔵の場合、適性検査倍率は15倍を超えたとのことであります。
 ここで、市内小学校卒業生でも約2割以上の方々が選択をし、公立学校でも導入が進んでいる中高一貫教育について、どのような御見解をお持ちか、お伺いをいたします。
 次に、小・中一貫教育と中高一貫教育の整合性についてお伺いいたします。
 今述べましたように、地方分権の時代、コミュニティ・スクールを基盤とした小・中一貫教育は大変に大きな意義を持つものであり、一方、中高一貫教育は特に学力向上の面から見ると大変に大きな成果を上げてきており、近年公立学校でも導入されてきており、今後とも増大するものと思われます。しかしながら、両者が今後進むに従い、その整合性をどのように図っていくかという課題も出てくるものと考えます。
 三鷹市の保護者の方々から、地元の公立中に進ませたら地元の都立高に入れなくなる。同じ公教育なのに、市と都でやっていることがばらばらだという声をいただいております。都立三鷹高校は2013年から高校での募集がなくなり、お隣の武蔵高校でも募集枠が従来の1学年8クラスから2クラスに減るということであります。また、先ほど申し上げましたが、現在でも市内の小学校卒業生の2割から3割が中高一貫を中心とした私立中学等に進学しているという現状があります。
 以上のような現状の中では、中高一貫校に進む子どもたちにとっても、小・中一貫校が意義のあるものとなる必要があります。読売新聞でも7月13日の社説で、「一貫教育 学校間の連携を強化しよう」と、小・中一貫校、中高一貫校の問題が取り上げられていましたが、特に公立の中高一貫校の人気が加熱しつつある今、小・中一貫の最先進都市である三鷹市はこの問題に取り組む必要があると考えます。
 この問題について、日経グローカル誌では、表現は適切ではないかもしれませんが、次のような問題提起をしております。市町村は小・中一貫で子どもたちを囲い込み、高校は中学生の囲い込みに走る。選択肢が広がる一方で、小・中・高の接続に混乱が生じたり、受験の低年齢化や教育格差拡大につながる側面もある。こういう問題提起であります。
 三鷹市の場合、小・中一貫教育といっても、決して小学校で中学校の授業の先取りを行うわけではない。むしろ中学校の生徒や先生と触れ合うことで、市内の中学校へ進学しない子どもにとっても有意義ではないかという側面もあります。しかし、現実には三鷹市には高校から入れる公立高校がなくなる。また、今後、中高一貫校がふえるに従い、三鷹市内中学校への進学率が低下するのではないかという懸念。また、中高一貫校を目指す児童、保護者の小・中一貫教育に対するモチベーションをどのように考えるかなど、中高一貫教育が進行する中で、全市内公立小・中学校が小・中一貫教育を行う三鷹市では、中高一貫教育をどのようにとらえ、どのようにそれとの整合性を図っていくかが課題となっていると考えます。小・中一貫教育と中高一貫教育の整合性について御見解をお伺いいたします。
 次に、小・中一貫英語教育についてお伺いいたします。
 小・中一貫教育の中で英語教育をいかに行うかは主要なテーマであります。新学習指導要領では、小学校での英語教育は2011年度から5・6年で必修となりますが、既に多くの小学校で実施されており、三鷹市も小学校1年生から英語教育を取り入れて実施しております。小学校英語はいわゆる文法英語ではなく、いかに英語になれ親しんでいくかというアプローチであると考えますが、その際重要なのは、外国人講師の質の問題であります。小学英語の導入の段階での英語に対するイメージというのは大変に大切であり、よいイメージを持てば、中学校へ進んだときの本格学習によい影響を与えますが、逆の場合にはマイナスイメージを植えつけるおそれがあります。
 現在、小学校の担任の先生と外国人講師が協力をして授業を行っているとのことですが、まず、担任の先生の小学校英語についての十分な理解が必要であります。また、外国人講師については、三鷹市では業者と契約を結び、講師を派遣するシステムを採用していますが、この際、外国人講師の質の確保と小学校の担任との連携関係が重要な問題となります。
 また、中学校では週1時間程度をですね、外国人講師を派遣しているとのことですが、この際に、教師と外国人講師との連携、教師の質の確保をどのように行っているかが問題となってまいります。現在、小・中一貫教育における英語教育の現状、外国人講師の質の確保、教師との連携はどのようになっているか、お伺いいたします。
 次に、小・中一貫校における学力向上についてお伺いいたします。
 先ほども述べましたように、コミュニティ・スクールを基盤とした小・中一貫校の意義は極めて大きいものであると評価をしておりますが、保護者の側からすると、小・中一貫教育が学力向上にどのように寄与しているかも大きな関心事となります。三鷹市内の各学園とも小・中の連携による学力向上を図ることを目指してプログラムを組んでおりますが、その成果をどのようにとらえ、その後の学習指導にどのように生かしていくかが問題となります。この点、1つの尺度としての全国学力テストの結果をどのようにフィードバックし、学力の向上に役立てていくかが重要であります。なお、この全国学力テストの動向については、新たな民主政権のもと不透明な部分もありますが、ここでは現状をもとに質問をさせていただきます。
 政府の規制改革会議が6月に公表したアンケートの結果によると、全国学力テストの結果を学校ごとに公表するべきであるかどうかとの問いに対し、保護者の67.3%が公表するべきであると回答したのに対し、市区教育委員会の86.7%が公表するべきではないと回答をしております。ここに保護者側と教育委員会側の意識の違いを如実に見ることができます。保護者が公表に賛成するのは、学力を向上させるのは学校、教師の責務であるから、学校ごとの結果は学校選択のための基本情報の1つだから、説明責任を果たすために公表するのは当然だから、ということであります。
 また一方、教育委員会側が公表に反対するのは、学校間の序列化や過度な競争につながるから、指導方法の改善に役立てるためで、公表しなくてもできるからというのが主な理由であるとされています。
 地域コミュニティを基盤とした小・中一貫教育は、郷土愛、コミュニティ意識、子どもの健全な成長、精神成長のためには大変意義のある教育であり、今後とも積極的に推進していくべきものであると考えますが、同時に、教育における競争原理の必要性というものも再度認識をしてみる必要があると思います。温かい地域コミュニティの中で子どもたちが健やかに成長していくこと、このことは何にも増して喜ばしいことですが、現実社会の競争原理の厳しさ、学ぶことの厳しさということも決して忘れてはならないと考えます。
 私学は生徒、保護者に選択されて入学するものであり、その意味では絶えず競争原理にさらされております。公教育においても競争原理の厳しさを教えることも必要であり、学力向上の具体的モチベーションも必要であると考えます。全国学力テストの結果を学力向上にどのように役立てているか、また、結果の公表についてどのようにお考えか、御見解をお伺いいたします。
 以上で壇上よりの質問を終わりますが、御答弁によりましては自席での再質問を留保させていただきます。
                〔市長 清原慶子さん 登壇〕


◯市長(清原慶子さん)  地方分権と郷土愛について御質問いただきましたので、答弁をいたします。
 郷土三鷹を愛する心につきましては、市民憲章を初めとして三鷹市自治基本条例の前文や、三鷹子ども憲章においてもうたわれています。これらは、市の理念を端的にあらわしている重要な文言を含む憲章や条例の制定に際しては、市議会において丁寧に御審議をいただきまして、議決をもって定めてきたところです。
 このように市政運営の基本となる条例等には、必ず郷土三鷹を愛する心がうたわれておりますが、私は、この郷土三鷹を愛する心が地域の協働のまちづくりに携わる人々に共通する行動の原点であると考えております。例えば、三鷹子ども憲章の4、「のこそう自然 三鷹らしさを いつまでも」の説明文には、「わたしたちは、郷土三鷹を愛し、三鷹らしい自然環境と地域の伝統・文化を次の世代に伝えていきます」とあります。まさに郷土を愛する心というものは、さまざまなものを柔軟に吸収する学齢期において身につけ、大人になってもそれを大切に守っていくといった人の生涯を通じての一貫性、普遍性を持ったテーマであると考えています。
 さて、前市長の安田養次郎さんは、地域間競争が激しかった時代にあって、むしろ競争をするのではなくて、それぞれの地域を尊重したオンリーワンのまちづくりこそ求めるべきと、このように主張されました。まさに地域それぞれの個性を生かしたまちづくりを進めることこそ、ザ・ベストワンを求めるよりもオンリーワンを求める三鷹市政の特徴を示している言葉だと思います。今、協働と共生の時代を迎えて、言うまでもなく、それぞれの地域の個性は相変わらず重要です。そして、郷土を愛するということは、他の地域を軽視したり、また、比較の中で評価をすることではありません。むしろ自己の郷土を愛するということは、他の地域に対する思いやりや尊敬の基礎にもあると私は考えます。もし、「ワン」という英語をあえて使って表現するならば、今、協働、共生の時代は、ワン・フォー・オール、オール・フォー・ワン、1人はすべての人のために、すべての人は1人の人のためにといった、ともに支え合うあり方が協働には求められていると思います。ただし、三鷹のような都市にありましては、生まれた場所が三鷹である人は少ないと言ってもいいと思います。むしろ三鷹以外から、今は三鷹に住んでいる人が郷土三鷹と思っていただけるような、まさに質問議員さんがおっしゃったような、アイデンティティーをともにつくり出すようなまちづくりが求められていると私は思います。郷土三鷹を愛する心を持つという人々は、生まれたから郷土ではない。三鷹に今ともに生きるから郷土であるというふうに考えたいと思いますし、三鷹に住民票を持っていない方でも、郷土三鷹と感じていただけるような、多少欲張った取り組みも必要だと思います。みずからのまちに対して誇りと希望を持ち、理想とする未来の実現に向かっていく姿勢こそ、三鷹における自治の確立に向けた原点ともいうべき、それが郷土三鷹を愛する心ではないかと思います。
 地方分権や地域における自治の推進といったものが求められる時代の中にあって、私は、市民の皆様とともに、地域を愛する心、郷土愛を持ちつつ、同じ地域に住まう人々が相互に敬意を払い、尊敬し合って協働していくことを通して、まさに真の地方自治が進められるものだと考えております。
 以上で私の答弁を終わります。


◯教育長(貝ノ瀬滋君)  まず、小・中一貫教育についてお尋ねがございましたので、お答えいたします。
 小・中一貫教育のですね、全市展開に当たりましては、これまでもですね、御理解、そして力強い御支援を賜りましたことに深く感謝を申し上げたいと思います。また、きょうもですね、御質問の中で、コミュニティ・スクールを基盤とした小・中一貫教育についての評価をいただきましたことも、あわせて感謝を申し上げたいというふうに思います。今後ともですね、引き続きこの小・中一貫教育の充実に努めてまいりたいので、今後とも御支援をいただきたいというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。
 まず、小・中一貫教育の意義ということでございますけども、御質問の中にですね、地方分権、地域の時代へと時代潮流が加速化する中で、地域に開かれた学校、コミュニティ・スクールをその基盤とする小・中一貫校はより大きな意義を持っているのではないかという御指摘がございましたけども、私はですね、現代の教育改革の本質をついた御指摘だというふうに思い、賛同するものでございます。
 御承知のようにですね、三鷹市が推進しておりますコミュニティ・スクールを基盤とした小・中一貫教育はですね、子どもの人間力、社会力を育成していくために、学校・家庭・地域がそれぞれの立場で当事者意識を持ってパートナーシップを築いていくということで、今以上の質の高いですね、教育を提供するということを理念としているわけでございます。それは、保護者や地域の方々が学校運営に参画し、学校を支援していただく中で、地域コミュニティを大切にしたですね、そして、高い志を持って郷土に貢献できる子どもの育成にもつながっていくものというふうに考えております。
 次に、中高一貫教育に対する見解でございますけれども、御質問者御承知のようにですね、平成11年4月から施行されました学校教育法等のですね、一部を改正する法律に基づきまして、中等教育の多様化を一層推進し、生徒の個性をより重視した教育を実現するためという、そういう趣旨のもとにですね、中高一貫教育を行うこの制度が設けられたわけでございます。
 私はですね、文部科学省のこの改正の通知文にもありますように、生徒一人一人がそれぞれの個性や創造性を伸ばして、我が国が活力ある社会として発展していくためには、学校制度について、生徒一人一人の能力、適性、興味、関心、進路希望等に応じた多様で柔軟なものにしていく必要があるという考え方にですね、決して反対するものではございません。しかしですね、国がですね、現在の我が国のですね、教育の根幹である義務教育、この義務教育制度をですね、維持していくという前提のもとであればですね、今でさえですね、内容的にも、財政的にも、さまざま人的な定数の問題についてもですね、不十分な義務教育の中でですね、国や都はですね、しっかりと責任を持ってですね、充実していく決意があっての話だというふうに考えております。少なくともですね、平成10年5月のですね、国会での中等教育のことについてのですね、改正案成立のときの附帯決議はしっかりとですね、遵守してもらいたいというふうに願っているわけでございます。
 御質問者は御承知でございましょうが、それを申し上げますと、1つはですね、児童・生徒や保護者のニーズ、地域の実情に十分に配慮することということになっていますが、配慮してないですよね。
 それから、2つ目、ゆとりある学校生活の中で、児童・生徒の個性や創造性を大いに伸ばすという本旨にのっとり、受験準備に偏った、いわゆる受験エリート校化するなど、偏差値による学校間格差を助長することがないようにすることということが2つ目でございます。
 3つ目がですね、入学者選抜に当たっては、学力試験は行わないこと、受験競争の低年齢化を招くことがないよう十分に配慮することという、こういう附帯決議が出ているわけでございまして、これらのですね、国会の決議を踏まえて実施していただきたいと。ですから、そういったことで、都の方にもですね、この趣旨を踏まえたですね、要請をですね、していきたいというふうに考えています。
 それから、小・中一貫教育と中高一貫教育の整合性でございますけれども、中高一貫教育がですね、開設されることによりまして、保護者、児童の中学校の選択の幅は広がるということになるわけですから、本市教育委員会はですね、保護者、児童・生徒にとって魅力があってですね、本物の力がつく小・中一貫教育校となりますようにですね、一層のやはり内容の充実に努めていくということが必要であるというふうに考えております。
 質問議員御指摘のようにですね、三鷹市の公立中学校に進学することによってですね、地元の都立学校に高校段階で入学できないということは、三鷹市としてはまことに残念なことであるというふうに受けとめているわけでございまして、このため、三鷹地区中高一貫6年制学校のですね、計画段階から、本市教育委員会としましてはですね、当該校の高校段階に当たる後期課程での入学が可能となるようですね、東京都教育委員会に強く要請してまいりましたが、まだ実現しておりません。せんだってもですね、市長と一緒にですね、東京都教育委員会、教育長にも面談をして要請をしたところでもございます。三鷹市のですね、小・中一貫教育校実施の後にですね、中高一貫教育校のですね、設定でございますので、そういう意味ではですね、やはり都の方でですね、本市の実情をですね、やはり十分理解しているわけでございましょうから、十分配慮してですね、やはり進めていくべきではないかというふうに申し入れているところでございます。この件はですね、ほかの地区への影響も考えられますが、引き続きですね、努力していきたいというふうに考えております。
 私からは以上でございます。


◯教育委員会事務局教育部長・調整担当部長(岩下政樹君)  小・中一貫英語教育、それから、学力向上について、教育長の答弁に補足をさせていただきたいと思います。
 三鷹市立小・中一貫教育校では、小・中一貫教育校の開設に関する実施方策に基づきまして、小学校低学年におきましては、15時間から20時間、中学年においては20時間から25時間、高学年におきましては、平成20年3月告示の学習指導要領に基づきまして、35時間の外国語活動または総合的な学習の時間における国際理解教育に位置づけて、英語教育を実施してまいります。その際、御指摘のようにですね、外国人外国語指導助手の果たす役割はですね、非常に重要であるというふうに認識をしております。
 そこで、平成21年度に三鷹市のすべての公立学校が小・中一貫教育になることから、英語教育の質の向上を図るため、外国語指導助手──外国人講師でありますけれども、をプロポーザルによりまして2社の業者を選定し、小・中一貫教育校に同一の外国人講師がですね、配置されるようにしたところでございます。外国人講師を派遣する業者の選定に当たりましては、外国人講師に対しての事前研修の実施、配置期間中における外国人講師の活動状況の把握と評価、また、教員と外国人講師へのですね、研修を実施するなど、重視して選定したところでございます。引き続き外国人講師のですね、質の確保と向上に努めてまいりたいというふうに考えております。
 また、小・中学校とも外国人講師の配置は1日滞在型の配置をしておりますから、小・中学校教員と外国人講師は、授業のない時間帯に随時打ち合わせができ、円滑な連携ができるように配慮をしているところでございます。
 次に、小・中一貫教育における学力向上についてであります。
 小・中一貫教育校の重要な使命の1つは、義務教育9年間を通して確かな学力を児童・生徒に定着させることであります。児童・生徒の基礎学力の向上につきましては、にしみたか学園のですね、3年間にわたる検証の結果にも出ているところでございます。現在、市内のすべての学校が、国の学力・学習状況調査や三鷹市の学習到達度調査等を活用しまして、みずからの学校のデータを分析・考察しまして、授業や学力の現状と課題とを把握し、これらに基づき授業改善推進プランの改善・見直しを毎年度実施しているところでございます。
 市教育委員会としましては、全国学力・学習状況調査について、小・中学校、教科別に三鷹市全体の結果を分析・考察し、授業改善に生かすようにまとめた資料を各学校に配付するとともに、その概要版を市のホームページ等にも掲載いたしまして、保護者の方、市民の方にもお知らせをしているところであります。
 全国学力・学習状況調査の結果の公表についてですが、国は、先日27日に全国の都道府県ごとのですね、平均正答率を公表いたしました。国におきましてはですね、この全国学力調査の実施教科が2教科のみであるということ、それから、学習指導要領の全体をですね、網羅する学力調査にはなっていないということをですね、十分留意して、学力の特定の一部分をですね、把握をした調査だということ、それから、学校における教育活動の一側面にすぎないということに十分留意すべきであるというふうに、実施要領などではですね、留意事項として示されているところでございます。
 三鷹市教育委員会としましては、市民の方々、保護者の方々の関心も非常に高いということから、誤解のないようにですね、配慮しながら、全国、東京都、三鷹市の平均正答率を数値として公表しているところでございまして、本年度もですね、十分な議論、教育委員会における議論を踏まえまして、取り扱いについては検討してまいりたいというふうに考えております。


◯23番(吉野和之君)  御答弁ありがとうございました。まず1点目の地方分権と郷土愛について御答弁いただきまして、ありがとうございます。市長の御見解、承りました。私も全く同じ意見です。
 きょう、この質問を第1にしたのはですね、やはり先ほど市長のお言葉にあったように、郷土愛が、かなりの部分、当然、後から三鷹に住んだ方、この方にも三鷹を愛していただく。これはですね、いろいろ努力されて、これも必要なことだと思いますが、1つには、教育の観点から、学齢期に身につけるということがございました。これですね、やはり。それが三鷹の小・中一貫教育のコミュニティ・スクールと非常に密接に大きく連関しているんじゃないかなということでございます。いわゆる小学校、中学校で学んだところというのが、ある意味では第1の故郷になるわけでございまして、ここにおけるコミュニティ・スクールの意味というのを私は非常に大きく評価をさせていただきたいということでございます。
 それを評価する一方でですね、やはり保護者の側から立つと、学力の向上、これを何としても図っていただきたいというのが実は1つ大きな声としてあるわけです。そんな形で中高一貫校に進学される生徒さんがですね、この三鷹市の場合に非常に多いという、これも実は現実でございます。今、小・中一貫校の大きなメリットを言いましたけども、中高一貫校の大きなメリットとしては、やはり何といっても学力の顕著な向上があるということでございます。
 私もかつて塾で教えていた経験があるんですけれども、どうしても中学3年でできる子というのは、そこで足踏みをするわけですね。ところが、中高一貫ですと、一番頭が柔軟なときに、一番吸収できるときに伸びるということで、大変な、学力の面ではですね、大きな成果が上がっているということ、これは御承知のとおりだと思います。そういう意味で中高一貫にですね、進学させる方も多いと。あるいはまた都立校でも凋落傾向ですね、学力の低下が見られるので、中高一貫校を開設したところ、大変な人気が出てきたということでございます。
 そんなことで、やはり中高一貫校に関しましてもですね、否定的な見方だけではなくてですね、やはりこういう1つの中高一貫校へ進ませる保護者の方、お子さんも多いわけですから、それに対しても、やはりある程度肯定的な見方もですね、1つ重要ではないかというふうに私は思うわけです。ですから、かなり多くのお子さんが中学校受験を目指している方もいらっしゃるわけですね。そういう方々にとっても、小・中一貫校というものが意義のあるような、そういう1つの配慮というか、これも必要ではないかと思うんですが、これについての御見解をまず1点お伺いします。
 それから、あと、今度は個別的な質問なんですけども、英語教育でございます。これ、やはり日本人の、日本の先生とですね、それから、外国人講師との連携というものが何よりも重要となってくるわけです。今、業者と委託をしてですね、派遣していただいているということなんですけども、日本の先生方のですね、指導が本当に十分行き渡っているのかどうか、この外国人講師との関係が本当にうまくいっているかどうか、そこら辺についての御検証はされているのでしょうかということをお伺いいたします。
 ということは、特に小学校英語の場合、小学校でですね、英語に対するマイナスイメージを持つと、本当に逆効果になっちゃうんですね。ですから、そのパーソナリティーといいますか、講師のパーソナリティーはかなり大きなウエートを占めていると思いますので、この辺についての御見解をお伺いいたします。
 それから、もう1点、私はともかく小・中一貫校を大いに評価しているわけなんですが、先ほど言ったように、保護者のですね、方々との意識の差があるわけですね。先ほど言いましたように、学力テストの結果を公表するか、しないかについてもですね、先ほど申し上げたような大きな差が出てきております。で、先ほど、今度政権がかわることによってですね、この学力テストに対するとらえ方も大きく変わる可能性も出てくるわけですね。新聞報道によりますと、民主党、学力テスト大幅縮小、抽出方式、見直し方針と序列化の懸念に対応という見出しで出ておりますけれども、今後ですね、この学力テストのあり方については、政権がかわったことによって大きく見直される可能性もある。これはどのように見直されるかという、また今後の世論等の動きにもあると思うんですけども、ただ、私、1つ言えるのはですね、公教育だからといってですね、やはり競争原理ということ、これを無視してはいけないと思います。
 先ほど言いましたように、私立の学校はもう既に競争の中に入っているわけです。生徒や保護者の方から選択をされて入るのが私立の学校なんですね。ところが、公立の学校、一時、学校選択制ということが言われましたけれども、三鷹はそれとは全く違ってですね、その地域で入学して、その地域で中学校まで勉強していただくという1つの方向性をとっているわけです。非常にコミュニティの面ではすばらしいんです。ただ、学力アップというですね、このモチベーションに関して、これとやはり両立させなければいけない。そのためには、ある意味では1つの学力テストというものが尺度となるのではないかなというふうに思うわけですね。一歩出れば、私立は競争の世界なんです。だからといって、すべて競争原理を持ち込んでいいというふうには言いませんけれども、だからといって、全く外の世界と隔たれていいというようには思わないわけですね。現実に競争の社会の厳しさというものを、私は生徒にもやはり知っていただく必要がある。
 というのはですね、やはり、なぜ日本がこれだけ栄えているかというと、基本的には資源のない国でありながら、日本人の能力がすばらしいという、これだけなんですね。それだけなんです。資源は全くないですね。中東のように石油があるわけでもなければ、中国のように膨大な国土があるわけでもない。あるのはまさに人間の力。これが低下をしてしまっては全くどうしようもないという、今はそういう現状にあるわけです。そこでゆとり教育が見直されて、やはりもっと学力を重視しなければいけないという方向性になってきたんですが、ここでまた政権がかわってですね、どうなるかわからないという状況、不透明な部分もありますけど、少なくとも三鷹市においてはですね、やはり生徒の皆様方の学力をつける、このことに大きく教育の目的というものをですね、そちらの方もクローズアップする必要があるというふうに私は考えているわけなんです。この点についての見解をお伺いいたします。


◯教育長(貝ノ瀬滋君)  再質問いただきました。小・中一貫教育は私ども進めておりますけれども、中高一貫もですね、これは私は、市民、国民の選択肢としてですね、幅が広がったということは、これは結構なことだというふうに思っております。先ほど述べたとおりです。ですから、反対するものではありませんが、しっかりとですね、最初の趣旨をしっかりと守って進めてくれるとありがたいと、こういうわけでございます。
 ですから、私どもは、公立学校、義務教育を預かる者としてですね、義務教育に学ぶ子どもたちがですね、すべての子がですね──いろんな子がいますよ、いろんな子がいますけれども、すべての子が、やはり学校へ来てよかった、勉強してよかったというふうに思えるようにですね、そして、卒業できるように、そして勉強の、受験学力だけじゃなくてですね、人間力、社会力をつけて、そして卒業していけるような、そういう子どもたちの育成をですね、まさに人格形成を願ってですね、教育に邁進しているわけでございます。ですから、それをですね、やはりしっかりと進めていきたいと。
 ですから、学力調査のですね、公表につきましてもですね、これは、国の方は、通知文でですね、公表しないようにと、しっかりとですね、そういう通知文が出されておりますが、しかし、私どもは、市の教育委員会としては、国の平均点、都の平均点、それから、本市の平均点という数字は出しているわけであります。各学校もですね、数値は出しておりませんけれども、学校便り等でですね、経年的にですね、学力の推移についてわかるような、保護者が理解できるようなですね、そういう情報提供をしてですね、そして学力向上に努めているというのが現状でございます。
 それから、公表にかかわりましてですね、確かに市民の方の関心が高いことはわかっておりますけれども、しかし、しっかりとですね、この調査の趣旨を理解していただかない段階でのですね、やはり公表というのは、困ったことになると。ですから、実際に先進的に進めてきましたイギリスではですね、スコットランドもそうですし、ウェールズもそうですけれども、順位を発表するのをやめておりますが。ですから、そういう流れになってきているわけですね。ですから、そういった点も考えませんといけないというふうに考えております。
 それから、競争性も1つの尺度だと。それはおっしゃるとおりです。私もそう思っております。競争の厳しさというのもですね、子どものころからわかった方がいいと。でも、わかっているんじゃないでしょうかね。親の姿を見たり、大人の姿を見て、今の弱肉強食のですね、なかなか厳しい経済状況の中で、そういう姿は私はわかっているというふうに思いますよ。ですから、むしろですね、学力向上のモチベーションとしてですね、競争原理というよりもですね、やはり意欲、学ぶ楽しさとかですね、自分自身の学びとかですね、やはりそういう自分自身の向上のために、また、人の役に立つ学びという、そういう観点でですね、意欲を持って、そういうモチベーションで頑張っていけるようなですね、子どもを育てたいというふうに思っているわけでございまして、決して競争性は否定いたしませんけれども、競争原理としてですね、競争が目的化するような形になるのは好ましくないというふうに考えております。
 私からは以上です。


◯教育委員会事務局教育部長・調整担当部長(岩下政樹君)  小学校におけるですね、外国語の活動、あるいは総合的な学習の時間における国際理解教育の、英語教育でありますが、小学校段階で子どもたちがですね、英語をどのように体験していくかというのは非常に重要な要素になりますので、教育委員会としましてはですね、指導主事や担当職員と業者がですね、授業観察等を行う中で現状の課題を把握しまして、改善すべき点は速やかに対応するようですね、業者の指導を行っておりますし、小学校教員を対象としました研修会を夏季休業日に実施いたしまして、ここで小学校教員が主体となって、効果的に外国人講師をですね、活用できるような外国語活動について、その連携のあり方も含めてですね、研修をしているところでございます。
 以上です。


◯23番(吉野和之君)  御答弁ありがとうございました。それでは、ちょっと時間もないので1点だけ再質問をさせていただきたいと思います。
 先ほど教育長の御答弁の中で、もう子どもたちは現実の社会の厳しさはですね、競争社会であるということをある程度わかっているんではないかなというような御答弁ございました。しかし、現実にはですね、わかってないと。例えば私の大学の講師をしている友人なんかに聞くとですね、いわゆるアジアの留学生と日本の学生との決定的な違いというのはですね、学問に対する態度が全く違うと。つまり、大学に来てどれだけ多く吸収するか、それに全精力を費やしていると。一方、日本の大学生、これはすべてじゃないんでしょうけども、かなり多くの部分が、単位を取って、どこかのところに就職できればいいやと。ともかくエンジョイしようと、大学生活を。こういうことを私はじかに複数の友人から聞いたことがございます。これはまさに、今ですね、日本の力が国際的な中でどんどん沈下をしているという、こういう現実があるわけです。
 そんな中でですね、競争の厳しさというものをやはりある程度子どものころからですね、現実的に知って、自分が向上しなければいけないというですね、そういうものを教育の中でやはり教えていくというのも1つの方向性ではないかな。特に小・中一貫のコミュニティ・スクール、これは大変に、ある意味では子どもたちが健全に成長するため、郷土愛を持つために大変に必要な、大変に重要なシステムである。全国に先駆けたですね、大変にすばらしいシステムだと言いながら、もう一方では、その郷土愛に包まれながらですね、どうも現実の厳しさ、一歩出れば私立の学校は大変な競争をしているわけです。そこら辺もやはり加味していく必要があるのではないかなと思います。
 今後、自治体の裁量ですね、どうなるかわかりませんけれども、教育における自治体の裁量もかなり拡大する方針もあるとも新聞記事に書いてあります。ですから、国の動きがどうなろうとも、この学力テストがどうなろうともですね、やはり三鷹市としては、この子どもたちの学力を伸ばすということ、これも1つの大きな目的としてですね、小・中一貫教育をぜひとも進めていきたいと、進めていただきたいというふうに思います。
 終わります。


◯議長(田中順子さん)  以上で吉野和之さんの質問を終わります。
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◯議長(田中順子さん)  本日はこれをもって延会いたします。なお、次回の本会議は9月2日午前9時30分に開きます。文書による通知はいたしませんから、さよう御了承ください。お疲れさまでございました。
                  午後5時45分 延会