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令和5年第3回定例会(第3号)本文

                  午前9時29分 開議
◯議長(伊藤俊明さん)  おはようございます。ただいまから令和5年第3回三鷹市議会定例会第3日目の会議を開きます。
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◯議長(伊藤俊明さん)  本日の議事日程はお手元に配付したとおりであります。
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    日程第1 市政に関する一般質問


◯議長(伊藤俊明さん)  直ちに日程に入ります。
 日程第1 市政に関する一般質問、本件を議題といたします。
 なお、一般質問の実施に当たっては、質問時間と答弁時間の比率が1対1との想定の下、原則として午後5時までに本会議が終わるよう予定を組んでおりますので、御協力のほどお願いいたします。
 昨日に引き続き、順次発言を許します。21番 池田有也さん、登壇願います。
               〔21番 池田有也さん 登壇〕


◯21番(池田有也さん)  おはようございます。それでは、今日1人目ということで、早速一般質問をさせていただきたいと思います。議長より御指名をいただきましたので、通告に従い一般質問をさせていただきます。
 今回は、地域の声と事業者の声を生かしたまちづくりをキーワードに、日々寄せられる本市のまちづくりや市政運営に関する地域の方々からの御意見、また市内事業者の方々からの御要望を生かすことによりまして、より一層満足度の高い市民サービスの向上、そして市民生活の利便性向上を目指す観点から質問をさせていただきます。
 まず初めに、2024年問題への対応について伺います。
 2024年4月より、働き方改革関連法案が適用され、時間外労働の罰則付上限規制が始まります。時間外労働は月45時間、年360時間が原則となり、事業者にとっては労働環境の変革が求められます。しかしながら、主に建設や運輸関係の市内事業者の方々と意見交換をいたしますと、現状としては人手不足、高齢化が進んでおり、事業者側の努力だけでは限界があるとの声が多くございます。
 例えば、建設業の場合、時間外上限規制により総稼働時間が減少するため、市に提出する書類のさらなる簡素化や余裕を持った工期設定などが今後必要になってまいります。
 ここで1つ目の質問です。公共工事におけます2024年問題への対応として、現在、市で検討している取組はございますでしょうか。
 続けて、2つ目の質問です。来年度以降の公共工事の円滑な推進のためにも、提出書類の簡素化と余裕を持った工期設定が必要と考えますが、市の御所見をお聞かせください。
 また同様に、運送業に関しても、時間外上限規制によりドライバーの総稼働時間が減少するため、輸送力の減少により、企業収益の減収が見込まれます。現下の燃料費高騰に加えて、今回の法改正により、インフラ事業者とも言える市内の運送事業者の経営環境の厳しさが増すことが懸念をされております。
 ここで3つ目の質問です。2024年問題への対応として、市内運送事業者への支援についても検討すべきと考えますが、市の御所見をお聞かせください。
 次に、保存樹木、保存樹林を保全するための助成事業について伺います。
 本市では、市内の貴重な樹木や雑木林などを指定して、緑の保全を図っております。また、指定された樹木には、保存樹木剪定費用の助成制度があり、3年に一度、剪定費用の2分の1、1本につき5万円を限度に、また法人向けの場合は最大で10万円を限度とする助成が行われております。本年7月、私が住んでおります井口地区では、町会主催の夏の盆踊りが開催をされました。準備に当たり、会場となる場所にある保存樹木のうち1本が枯れていたことから、近隣地域と訪れる方々の安全確保の観点から、伐採が行われました。現在の保存樹木の助成事業では、枝の剪定は助成対象ではございますが、伐採は対象外となっております。
 ここで、4つ目の質問です。保存樹木への助成について、剪定のみならず、近隣地域と市民の安全の確保のためやむを得ない場合につきましても助成適用を検討すべきと考えますが、市の所見をお聞かせください。
 次に、登下校時の熱中症対策について伺います。
 今年の夏も記録的な猛暑が続き、子どもたちの登下校時の熱中症対策が課題となりました。先日、地元の子ども会の保護者の方々からも相談があり、夏休みの部活動からの帰りの際に軽い熱中症で倒れてしまった生徒がおり、近所で居合わせた人たちで介抱したため、大事には至らずに済んだとのことでございました。現在、市の対応としましては、登下校時の公共交通機関の利用は認めているところではございますが、年々暑さを増す夏の熱中症対策として、さらなる対応も必要と考えます。
 ここで、5つ目の質問です。夏の熱中症対策として、夏休み中の部活動における自転車による登下校なども検討すべきと考えますが、市の御所見を伺います。
 次に、市営テニスコートの使用について伺います。
 本市で貸出しを行っておりますテニスコートの利用については、現在、団体登録した方々が予約できる仕組みとなっており、個人での利用には制限がございます。この件につきましては、以前より個人利用の制限緩和の意見等があり、市側にも相談が届いているものと承知をしております。また、団体利用につきましても、団体登録の利用ルールを見ますと、団体登録の構成員のみでの利用となっておりますが、インターネット上の参加者募集サイトでテニス開催日時を指定した上での募集案件、いわゆる不適切利用が多く見られるとの指摘もございます。こうした現状に対し、本来利用できるはずの方々の利用機会が失われているのではとの課題認識の下、確認をいたします。
 6つ目の質問です。本市で貸出しを行っているテニスコートの利用について、予約を登録団体のみとしている理由をお聞かせください。
 続けて、7つ目の質問です。個人利用につきましても予約できるように検討すべきと考えますが、市の御所見を伺います。
 以上で壇上での質問を終わります。御答弁によりましては自席での再質問を留保いたします。御答弁のほど、どうぞよろしくお願いいたします。
                〔市長 河村 孝さん 登壇〕


◯市長(河村 孝さん)  皆さん、おはようございます。それでは、私のほうから何点か御答弁させていただきます。
 まず、質問の1番目、公共工事における2024年問題への対応についてでございます。建設業では、少子高齢化を背景に、技術者や技能労働者の不足が懸念されており、将来にわたり社会資本を安定的に整備、維持していくためには、建設業労働者の長時間労働の是正や休日確保に向けた労働環境を進め、将来の担い手の育成、確保を図るための取組が求められていることについては、市としても認識しております。現在、三鷹市における工事に関しましては、道路、下水道、公園などの工事については、特記仕様書において土日祝日を工事日から除いており、原則として週休2日で施工するための工期設定を行っていますけれども、一方で、建築などの営繕工事については、週休2日とすることまで求めておりませんが、施設利用への影響を考慮しながら、工事ごとに調整をしていく考えでございます。
 建設業界の中では、やはり零細、あるいは小規模な事業者が多いために、なかなか働き方改革といっても実効性を保つのは難しいということは承知しております。市といたしましても、この2024年問題は今後の大きな課題と捉えておりまして、週休2日が可能な工事については令和6年度から対応するよう検討しているところでございます。工事の種類等によってそれぞれ状況が異なりますので、まずはモデル的に実施し、モデル工事の実施後、実際の運用状況などを検証し、対象工事の拡大などを検討していくようになると考えております。
 続いて、質問の6でございます。市営テニスコートの使用について、予約を登録団体のみとしている理由についてでございます。三鷹市には、スポーツ教室の参加者が自分たちでグループをつくり活動を継続する、いわゆる三鷹方式と呼ばれたスポーツ振興の歴史があります。スポーツを通じた仲間づくりを推進してきたところでございます。また、数に限りのある市民体育施設について、より多くの三鷹市民の方に御利用いただくために、三鷹市民で構成されたグループで利用する形式を取ってまいりました。約半世紀ぐらい続いていると思います。このように、コミュニティスポーツを助長する視点からこれまでやってきましたけれども、同時に現在、個人利用ということでの御利用はかなり広まってきているというふうに思っています。公共施設として何を優先するかというのは、市としての方針もございますので、そこの点もありますけれども、かなり広がってきている個人利用への需要についても、今後、真剣に、スピーディーに検討して、一定の結論を出していきたいというふうに思っているところでございます。
 私からの答弁は以上でございます。ありがとうございました。


◯教育長(貝ノ瀬滋さん)  私からは、夏休み中の部活動における自転車での登下校についてお答えをいたします。三鷹市立中学校における生徒の通学については、原則徒歩によるものとしておりまして、保護者からの申出と校長の許可によっては、公共交通機関による通学を可能としています。熱中症対策につきましては、登下校時に、10度で凍るという蓄冷材等で体温を下げたり、水分補給を適切に行うように指導するとともに、日傘の使用ですとか帽子の着用等を奨励しているところであります。夏休み中の部活動を含めまして、御提案の自転車による登校につきましては、お気持ちは十分理解をいたしますが、例えばせんだっても山形のほうで中学校2年生の女子生徒が、部活の帰りに自転車でしたが、不幸にも亡くなられたというような事案がございましたけれども、必ずしも自転車が全て安全というわけでもないということでありますが、そのほかにもやはり大きな事故のリスクも想定されますので、学校の管理体制及び市内の道路状況に鑑みた生徒の安全管理上、難しいものというふうに考えております。その上で、健康上、個別に配慮を要する場合などは、冷房が効いているバス等を利用するほうが安全であるというふうに考えております。
 以上です。


◯総務部長(高松真也さん)  市長の答弁に補足をいたしまして、2つ目の御質問、公共工事における2024年問題で、提出書類の簡素化、また余裕を持った工期設定についてお答えをいたします。工事に関する書類につきましては、工事の施工に伴う書類等の取扱い基準におきまして、工事着手時、設計変更時、また工事完了時などに提出する書類を規定しているほか、法令等に関わるものなど、必要に応じて提出を求めている書類がございます。労働環境改善の一環としまして、施工業者の負担軽減を図るためにも、こうした提出書類の一層の簡素化や提出期限の柔軟な対応につきまして、引き続き検討していきたいと考えております。
 工期の設定につきましては、原則として週休2日に対応するとともに、適正な期間を確保できるよう、検討したいと考えております。また、工事の品質や円滑な施工体制確保の観点から、余裕期間制度の活用工事の積極的な実施など、施工時期の平準化ですとか計画的な発注に努めていきたいと考えております。
 以上です。


◯生活環境部調整担当部長(垣花 満さん)  私からは市長の答弁に補足をいたしまして、質問の3番目、市内運送事業者への支援についてお答えをいたします。
 2024年問題の物流に関しましては、国においても議論をされており、持続可能な物流の実現に向けた検討会においてまとめられた最終案では、持続可能な物流の実現のために取り組む施策として、荷主企業や消費者の意識改革、物流プロセスの課題の解決、物流の標準化、効率化の推進に向けての環境整備の3点が挙げられているところです。
 これらの問題につきましては、国の法的整備の必要性など、社会全体で取り組む必要のある課題と認識しており、現段階では、2024年問題として、個別に市内事業者を支援することは考えておりません。
 私からは以上です。


◯都市整備部調整担当部長・住宅政策担当部長(高橋靖和さん)  私から、市長の答弁を補足しまして、質問の4番目、保存樹木等の伐採に伴う助成の検討について御答弁いたします。
 保存樹木及び保存樹林は、三鷹市緑と水の保全及び創出に関する条例に基づき、自然環境の保全、美観及び風致を維持するため必要があり、一定の要件を満たす樹木等を所有者の同意を得て市が指定するものでございます。このため、樹木等を大切に保存していただくことが制度の趣旨となります。やむを得ず伐採せざるを得ない保存樹木もあると思いますが、条例の趣旨である貴重な樹木を保全するための制度であることや伐採の助長への懸念などから、樹木の伐採に関わる費用の助成につきましては難しいと考えております。
 以上でございます。


◯21番(池田有也さん)  御答弁どうもありがとうございました。それでは、順次再質問をさせていただきたいと思います。
 まず、2024年問題のところから再質問させていただきたいと思います。先ほど御答弁をいただきまして、これから必要な対策であるということで市側のほうでも認識をされているということで、確認をさせていただきました。総務部長のほうからも、今、御答弁をいただきましたが、やはり提出書類の簡素化という部分、これがこれから非常に鍵になってくるんじゃないかというふうに私も思っているところでございます。どうしても事業者の方々とヒアリングをいたしますと、忙しい中で時間を見つけて、市役所のほうまで書類を提出しに行かなければならない、これがなかなか負担なんだというふうに、そういうふうな意見を多々耳にしたところでございます。
 こうした中にありまして、現在デジタル化を三鷹市でも図っているところですが、やはり電子申請のような形で事業者側の負担を軽減していく。そういうことによって、2024年問題への対応として、建築、建設事業者の方々の負担を低減する必要があるんじゃないかと思いますが、その点について改めて、そういった電子申請の可能性なども含めて御見解を聞かせいただきたいと思います。お願いいたします。


◯都市整備部長・新都市再生ビジョン担当部長(小泉 徹さん)  ただいまの再質問にお答えをいたします。
 現在の建設業の状況を踏まえますと、書類の簡素化というのは重要な観点であるというふうには捉えております。そうした中で、1つの手法として電子化というような御提案をいただきました。いろいろ図面も多岐にわたる部分がありますので、どういった形で電子化ができるかといったことですとか、電子でのソフトの共通化というところもありますので、そういった部分でいきますと、同じシステムを入れていただくという形にもなったりとかということもございますので、どういった手法が取れるかということについては今後研究していきたいと思っております。
 また、書類の簡素化の中では、例えば内容的にほかの書類で確認ができるようなものもございますし、また少量、小規模なものについても提出を求めているものがございますので、そういった多様な観点から、書類の簡素化につきましては今後検討してまいりたいと考えております。


◯21番(池田有也さん)  ありがとうございます。そうですね、どうしても図面関係はCADとかいろいろシステム的な、技術的な課題がありますので、なかなか導入というのが難しいのかなというふうに思います。せめてそれ以外の部分については、できるところから電子申請、徐々にでもいいので進めていっていただきたいと思いますので、その点はぜひ御配慮いただきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
 それと、工期設定についてでございます。先ほど御答弁の中でも、週休2日であったりいろいろ配慮して、また市長からはモデル的にこれからどんどんやっていって、それで様子を見ていくようなことで御答弁をいただきました。私としましても、これは初めてのことというかこれからのことなので、いろいろ市のほうでもシミュレーションは今後されていくとは思うんですが、そのシミュレーションをして、またモデル実施をこれから来年度以降行っていく中で、場合によっては状況次第では見直しを順次図っていく、また補正予算等も使いながら対応していくということがやっぱり大事だと思うんですが、そうした柔軟な対応を行っていく必要があることについて、市としてどのように考えているか、改めてお考えをお聞かせいただければと思います。


◯総務部長(高松真也さん)  再質問にお答えいたします。
 まさに議員おっしゃるとおり、施工に必要な工期の確保というところは、長時間労働の是正、また週休2日の推進につながるのみならず、建設業が魅力的な産業として将来にわたりまして担い手を確保することに寄与するものということで認識をしているところでございます。こうした建設業における長時間労働の抑制の取組として、適正な工期設定とともに、適切な工期変更についても、状況に応じて柔軟な対応を図るようなこと、そして工事の平準化が重要と考えておりますので、引き続き様々柔軟な対応につきまして、現場の状況もよく確認をしながら、関係部署と連携をして、市として必要な対応について検討を続けてまいりたいと考えております。


◯21番(池田有也さん)  分かりました。ありがとうございます。ぜひそういった柔軟な姿勢で、状況に応じて制度、仕組みを見直していく、そういった姿勢でこれからも来年度以降、ぜひお願いをしたいというふうに思います。
 そして、工期の部分で、あまり余裕がないと工事の質の低下にもつながりかねない課題ですから、この点やはり市民の安全を守るという意味でも、余裕を持った工期設定、ぜひ事業者の人たちの意見も取り入れながら、うまく構築していっていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
 そして、運送事業者の方々への対応についてでございます。先ほど調整担当部長のほうからも御答弁をいただきまして、ありがとうございました。やはりこうした取組、本来であれば私も市が独自でというよりも、法律が変わったわけですから、予算的な措置を国なり東京都なりがやっていくべきだと私は思うんです。ただ一方で、昨年は物価高騰でしたけれども、一時的に市のほうで独自にやられたときもありました。国・東京都がなかなか動き出しが鈍いときにつきましては、一時的に時限的な対応であれ、市のほうで独自での対策というのも、場合によっては検討することも可能性はあってもいいんじゃないかと思いますが、その点について改めて御見解をお伺いできればと思います。お願いいたします。


◯生活環境部調整担当部長(垣花 満さん)  御質問いただきましたのでお答えいたします。
 おっしゃるとおり、コロナの発生時ですとか物価高騰の際に、臨時に市のほうで緊急的に個々の事業者の皆様に支援をさせていただいたということもございますし、今回のこの2024年問題につきましても、社会情勢等は慎重に注視しながら状況に応じた対応をしてまいりたいと思いますが、やはり基本的に大きな荷主の意識改革ですとか、それから全国的な効率化のためのパレット化ですとか、そういったことがやはり根本的にはあって、業界全体の生産性を向上させていかなければいけないのかなというところを考えますと、やはり市のほうで臨時的な支援といってもなかなか難しい。その辺の辺りは、今後引き続き研究してまいりますけれども、例えば消費者の行動変容や、市内の発注される側の事業者の皆様の意識の改革とか、そういったところは私どもも商工会さんや消費者活動センターさんと連携しながら進めていく部分もあるのかなと思いますので、引き続き研究をしてまいりたいと思います。
 以上です。


◯21番(池田有也さん)  どうもありがとうございます。ぜひ、なかなか難しい課題でもございますので、動向だけは常に把握をしていっていただきたいと思いますし、おっしゃっているとおり、これは全体の話で、荷主サイドの意識改革的な部分も必要な部分でありますので、商工会さんとの連携と先ほどおっしゃっていましたので、そういったところも連携を取りながら、業界全体の動向というのもこれからも注視していっていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 続きまして、保存樹木のところについて、助成制度について改めて質問をさせていただきたいと思います。先ほど御答弁もいただきまして、なかなか制度の趣旨からいって、導入というか難しい部分がある。また、今回これを認めることによって伐採が促されてしまう可能性というのも分かりました。分かりましたが、一方で、やっぱりこうして地域がなかなか希薄化している中で──今回私が例示させていただいたのは、地元の夏祭りの会場となる場所での保存樹木の木が枯れていたので、有志で伐採せざるを得なかったというケースでした。なかなかこれ、現時点ではまだこういった対応ができるんですけれども、今後こうしてなかなか有志だけで対応していくというのは難しいようにもなってくる時代なのかなというふうに感じておりまして、そういう意味では、近隣の方々の安全を確保するために、どうしてもこれ切らないと危険だねというときについては、個別に対応していただくということも今後必要になってくるのかなというふうに思いますが、改めて御所見を伺えたらと思います。


◯市長(河村 孝さん)  御指摘のように、三鷹市緑と水の保全及び創出に関する条例でございますけれども、ここで規定している保存樹木、保存樹林とか、あるいは自然環境保全地区の指定というのは、半分、それをお持ちの地権者といいますか、その方の善意によってできている制度なわけです。歴史的に考えてみて、保存樹木1本幾ら助成するとか言われても、大体基本的に守っていらっしゃる地主さんというのは、持ち出しでやっている場合が多いわけであります。でありますから、例えば、ふだんあんまり一本一本見ているわけじゃないけれども、今のお祭りのような事態になったときに、枯れている木があって危ないというようなことが発見された場合には、御指摘のように、やっぱり緊急にその危険な樹木を伐採しなければいけない、そういうことがあると思います。それをどういうふうにしてやっていくのかというのは、やっぱり助成金をあえて出すのか、あるいは市のほうに通報してもらって、市のほうで緊急に対応するのかみたいな幾つかの方法論もあると思いますので、ぜひそれは検討させていただきたいなというふうに思っています。
 そうでないと、保存樹木、樹林、あるいは自然環境保全地区を、善意でこれを守りたいというふうに思っている市民の人が、結果的にいなくなってしまう、そういう可能性すらあることだと思います。今、高齢化が進みながら様々な、今まで市に対して無償で協力してもらったり、あるいは僅かなそういう助成金で協力してもらった、そういう事業というのはかなり多いんですよね。それらが一つ一つ曲がり角に来ているということもあろうかと思っていますので、全体を見直す必要が出てきているということでありますから、今すぐどうという話じゃありませんけれども、ここでお答えはできませんけれども、ぜひ検討していくべき課題だと思っていますので、ちょっと時間をいただきたいというふうに思っています。よろしくお願いします。


◯21番(池田有也さん)  ありがとうございます。まさに市長が今おっしゃっていただいたことが、私のお話ししたかった、伝えたかった部分でありまして、どうしても現状のこの制度でいってしまうと、なかなかそうしたいわゆる地域のコモンズのような、入会地的な部分での保存樹木を守っていくことというのは難しいわけでして、こうした部分につきましては、緊急対応として目の前に危険がある枯れた木をどうにかしなきゃいけない、そういった場合については個別に対応していただいて、個別に対応することによって伐採の助長を促すようなことに歯止めをかけていく、そういった対応がこれから必要になってくると思いますので、多少時間はかかると思いますが、そういったことに対する制度設計、これから将来を見通した上で、地域が希薄化する中での課題だとも思いますので、ぜひこれからも御検討していっていただきたいと思いますので、よろしくお願いをいたします。
 続きまして、熱中症対策のほうに移ります。熱中症対策につきましても、教育長からも御答弁いただきまして、ありがとうございました。許可があれば、公共交通の利用が今認められているところでございます。また、そうした中ではございますが、例えば私は井口のほうにいるんですけれども、井口の四丁目、五丁目のほうというのはなかなか公共交通が通ってないんですね。なかなか使おうにも使えませんし、また二小の子だとしたら、そこから二小まで30分近く歩かないといけないという、非常に市境ですので、そういった事情があります。やはりこうした局地的な対応というのは、個別に対応も必要なのかなとは思いますが、そうした局地的にリスクがあることについてどの程度把握をされているかという点について、まず伺えたらと思います。


◯教育長(貝ノ瀬滋さん)  おっしゃるように、確かに距離的に、いろんな子ども、それから学校間においてはばらつきがあると思いますが、自転車での事故のリスクを考えますと、これはやはりなかなか個別に、ここはいいとかここは駄目とかというふうなことにはなりにくいというふうに思います。むしろ近年の異常な暑さ、想定外で続いている異常気象が普通の状態のような、そういう気候状態の中での部活動の持ち方自体も、やはり検討するときになっていると思います。
 例えば、甲子園なんかの野球もそうですけれども、休憩を入れたり、朝早く始めたりとか、つまりそういうめり張りをつけながら、体に過重な負荷をかけ過ぎないような、そういう持ち方も考えていく必要があると思います。学校でも配慮してくれているとは思いますけれども、よく1時間やったら15分とかそんなふうにいっていますけど、それこそ種目によって、バスケットボールとか、そういうんだったら15分ぐらいで休憩を入れないともたないというようなこともありますので、種目によってスポーツのクラブの場合は、やはり指導者が適宜休憩を入れて、子どもたちの体力を消耗させないような、そういう持ち方をしてというふうな対応は図っていけると思いますので、その点に重点をかけていきたいと思っています。
 確かに距離によってというふうなお話もありますけれども、やはり自転車については、子どもも、それから大人もそうですけれども、非常に乗り方も含めて、今、非常に大きな話題になっている。で、本市に限りませんけど、自転車専用道路があるわけじゃありませんので、そういった面でもやはりリスクが大きいというふうなことで、子どもたちの安全を考える立場としては、やはり現在のところ、認めるわけにはいかないというところでございますので、御理解をいただきたいというふうに思います。


◯21番(池田有也さん)  御答弁どうもありがとうございます。やはり自転車はリスクがありますので、なかなか難しいんだろうなというふうには思っているところでございます。やはりそうした意味では、教育長おっしゃられたように、部活動の運用の仕方というのもやっぱり大事だと思いますし、また、私もおとといちょっと地元の少年野球の応援に行ってきたんですけれども、あまり一方的な攻撃で守備が長い場合には、一旦ベンチに下げて給水をするというのが去年ぐらいから始まったらしいんです。やっぱり水分は大事だなというのを改めて実感したところなんですけれども、例えば、全国的にはまだまだちょっと事例は少ないんですが、通学路上、途中に給水スポットみたいなのを設けている事例というのがだんだんちょっと増えているらしいんです。協力いただける学校関係者だったりとか、近くのクリーニング屋さんだったりとか、指定したところで給水ができるようなポイントを設けているような事例というのがだんだん出てきているそうなんですが、そういったこともこれから研究、検討してもいいのかなと思いますが、いかがでしょうか。


◯教育長(貝ノ瀬滋さん)  面白いと言うと失礼ですけど、いいアイデアかなと思います。既に、御承知でしょうけど、子ども避難所というのがもうできていますよね。そこが駆け込み寺で、何かあったときにすぐ駆け込んで助けを呼ぶという。そのときに調子が悪いのでお水を一杯とか、ちょっと休ませてとか、そういうようなことも加味されるということもあってもいいかもしれませんよね。ですから、そういう意味で、その対応について研究したいなというふうに思います。


◯21番(池田有也さん)  ぜひそうした他市の取組なんかもを研究していただきながら、また来年も恐らく相当暑い夏が来ると思いますので、来年度には何らかのちょっとまたブラッシュアップされた熱中症対策ができればなというふうに思っているところでございます。
 また、現状で既に認められております日傘と帽子ですね。これ、実はかなり効果がありまして、日傘をしている場合としてない場合の頭皮の温度差、どのぐらいあるか御存じでしょうか。


◯教育長(貝ノ瀬滋さん)  残念ながら存じ上げませんので教えてください。


◯21番(池田有也さん)  教育長に代わりまして御答弁させていただきますが、実は日傘をしている場合としてない場合ですが、してない場合の頭皮の温度、55度ぐらいに上がるそうなんです。それに対して、日傘をした場合は40度程度まで、15度も違うわけです。やっぱり15度ってでかいじゃないですか。私もこれを知ったときに、私なかなかちょっと毛髪が弱いので、早く知りたかったなというところもあったんですが、そういうのはちょっと置いときまして、こうした具体的な数字を示すことによって、より説得力を持って児童・生徒の人たちに促す。なかなか男の子って差しにくいと思うんですよ、恥ずかしかったりして。というのも、これだけ違うんだよというのを示して促していくというのは大事なのかなと思いますが、そうしたPRの仕方、いかがでしょうか。


◯教育長(貝ノ瀬滋さん)  御教示ありがとうございました。参考にしながら、その点を生かしていきたいと思います。ありがとうございました。


◯21番(池田有也さん)  こうした具体的な数字をもって、説得力を持ったPR、熱中症対策をぜひお願いいたします。
 続きまして、市営テニスコートの点について再質問をさせていただきたいと思います。御答弁いただきまして、本当にありがとうございます。これについては、今後、個人利用が広がっていることを踏まえて検討をしていっていただけるということで、ありがとうございました。
 それと、ちょっと確認をさせていただきたいのが、私、テニスはしないんですけれども、競技の特性上、比較的やっぱり少人数で活動される方というのも多いのかなというふうに考えているところでございます。よくよくちょっと確認をしますと、団体登録の条件が6名以上で登録ということになっています。6名となっている理由をまずちょっと確認したいんですが、いかがでしょうか。


◯スポーツと文化部長(大朝摂子さん)  再質問にお答えをさせていただきます。
 先ほど市長が申し上げましたとおり、今までの考え方としては、やっぱり三鷹市民で構成されている団体の方に、なるべく多い人数で1つの場所を使っていただくというような趣旨から、6名ということで、団体登録の人数を設定してきた過去がございます。
 ただ、今、質問議員おっしゃいましたとおり、それぞれの団体としての登録は「以上」となっておりますので、6名なり4名なり2名なりといういろんな考え方あると思います。種目の特性に合わせて変更していくということももちろんあっていいと思いますし、今、インターネットでいろいろ申込みをしたり情報共有をしたりという時代になってきておりまして、私どもの持っている制度のほうが少し見直しの時期に来ているというのも、それも事実かなと思っております。市長の答弁にございましたとおり、スピード感を持って対応していくということで考えてまいりたいと思っております。


◯21番(池田有也さん)  ありがとうございます。時代に合った制度の見直しは常にやっぱり必要なことだと思いますので、その点、ぜひお願いをしたいと思います。
 壇上の質問のときにも触れさせていただきましたが、先ほど部長からも御答弁いただきましたけれども、どうしてもインターネット上での募集サイトを使って、有償での枠の取引みたいな感じになっちゃっている事情があるということでございます。これがやっぱりあることによって、本来使えるべきであった市民の方の利用がちょっと阻まれている、そういった事情を何とか打開しないといけないという思いがやっぱりあるんですね。その点について、改めて市の御所見をもう一度お願いいたします。


◯スポーツと文化部長(大朝摂子さん)  再質問にお答えをいたさせていただきます。
 当然のことながら、そういう本来私どもが想定していない御利用の方法というものに対しては、それはやめてくださいということ、発見をする都度に指定管理者である財団のほうから、注意喚起ですとかはさせていただいております。ただ、インターネット上で、見えるところでやっている方だけではなく、ある意味いたちごっこみたいなところもございますので、制度そのものの見直しということも視野に入れないと、対応できない面もあるのではないかなと思います。そういう場合はやはり条例ですとか規則の変更ということも、場合によっては必要かもしれません。先ほどおっしゃっていただいた、個人の利用の方の人数の問題ですとか、そういうことのほかに、少しお時間を要してしまうかもしれませんけれども、そもそも論の体育施設の利用の仕方についてのルールの見直しということも視野に入れて検討してまいりたいと思っております。


◯21番(池田有也さん)  分かりました。ありがとうございます。ぜひそういった制度の見直しなどを図ることによって、今現状起きてしまっている不適切利用──市外の方が使って、そういったインターネットでの募集サイトで有償でやり取りされてしまうという事態についても、なるべくこういうものをなくしていく、それによってまた個人利用の方々の不公平感をなくしていく、そうしたことをこれからもぜひ取り組んでいただきたいと思いますので、ぜひよろしくお願いいたします。
 今回、様々質問をさせていただきました。1つ目の質問の2024年問題というのは、私たち会派で事業者の方々との意見交換をする中で出てきた話題でございまして、今回質問をさせていただきました。また、保存樹木の点と熱中症については、私が日々地元で活動する中で、地元の方々からお寄せいただいた相談でございました。最後のテニスコートの件につきましては、メール等で相談をいただいた案件でございます。
 やっぱり私たち、日々こうして活動する中で様々なチャンネルを使って、市民の方々から御相談をいただきますので、私としてはやっぱりこうしたことを市政に届けていくことが私ども議員の役目だと思いますので、ぜひこれからもこうした課題提起、問題提起、政策提案をさせていただきますので、この場を通じて建設的な議論が行われればと思いますので、これからもどうかよろしくお願いいたします。
 以上で私の一般質問は終わります。本日もどうもありがとうございました。


◯議長(伊藤俊明さん)  以上で池田有也さんの質問を終わります。
    ──────────────────────────────────────


◯議長(伊藤俊明さん)  次の通告者、22番 加藤こうじさん、登壇願います。
               〔22番 加藤こうじさん 登壇〕


◯22番(加藤こうじさん)  議長より御指名をいただきましたので、通告に従いまして、市政に関する一般質問をさせていただきます。
 今回、私の一般質問は、ふれあいの里の将来像について、そして羽沢小学校移転の考え方について御質問をさせていただきます。御答弁のほど、よろしくお願いいたします。
 市内には、井の頭公園や国立天文台をはじめ、三鷹の原風景である野菜や果物などを育む農地、屋敷林や雑木林、歴史と文化を今に伝える玉川上水、緑豊かな国分寺崖線など、数多くの緑と水の空間があり、三鷹のすばらしい魅力の1つとなっています。都市における公園や緑地は、都市のオープンスペースとして、良好な都市環境の保全、防災、レクリエーション、生物多様性の確保、気候変動の緩和など、様々な機能があり、住民が健康で文化的な生活を送る上で不可欠なものであります。
 緑と水の基本計画2022において、本市では大沢の里、牟礼の里、丸池の里、そして北野の里(仮称)の4つのふれあいの里を緑と水の拠点として位置づけています。ふれあいの里は、地域に残された自然、歴史・文化資源を保全しつつ、市民が誇れるふるさと空間を再生しようとするもので、里の中心となる公園エリアと、その周辺の樹林地や農地などの、ふるさとを感じさせる環境を持つ緑と農のエリア、そしてこれらを囲む住宅地、宅地等の里を包むエリアによって構成されています。里づくりに当たっては、それぞれのエリアごとに、市民の憩いや休憩の場となる公園緑地としての整備、民間樹林地や営農による農風景の保全、接道部緑化をはじめとする宅地内の緑化の推進など、多様な主体が多様な緑を創出していく、市民、事業者、関係団体、市による協働の取組が進められています。ふれあいの里の将来像について、4つの里の保全策についてお伺いをさせていただきます。
 大沢の里について。
 大沢の里は、野川と国分寺崖線の緑を軸線として、水田や畑が広がるまとまった農空間が特色で、地区内には数多くの歴史・文化的資源が存在しています。また、崖線からの湧水が、ワサビ田や蛍の生育を可能とさせ、里の大きな特徴となっています。これまでは、大沢の里公園の都市計画決定、水田や古民家、水車用地の公有地化、崖線の木道や遺跡保存施設、崖線上のルートの整備が行われてきました。
 そこで最初の質問です。野川の流れと崖線の緑を軸に、残された貴重な自然環境の保全や文化遺産の保存と活用を図り、市民がふるさと空間として親しめる環境づくりが行われてきました。保全や拡張施策についての検討経過と課題について御所見をお伺いいたします。
 次に、牟礼の里について。
 牟礼の里は、玉川上水の奥に広がる高台にあり、まとまりのある一団の農業空間から構成されています。周囲は住宅地としての開発が進んでいますが、ここには地域の緑の骨格となる玉川上水に隣接し、良好な農地や樹林を残した三鷹の原風景を感じることができます。また、市内で最も標高の高いところに位置するため、良好な眺望が得られ、騒がしい環境や雑然とした景観から隔絶された豊かな風景を形成しています。今後は、公園エリアの拡張と牟礼の里公園と玉川上水のアクセスを確保する取組を進めるとともに、玉川上水に接するこの一帯を昔ながらのふるさとの農風景として保全していくことを基本に、公園等の整備が計画されています。保全や拡張施策についての検討経過と課題について御所見をお伺いいたします。
 丸池の里について。
 丸池の里は、仙川流域の勝淵神社や丸池など、市民生活と密接に関わりながら地区の歴史を培ってきた地域です。特に、かつての仙川の水源の1つであった丸池は、近所の子どもたちの格好の遊び場となっていました。しかし、市街化の進行に伴い、徐々に丸池と市民生活との結びつきが薄れ、昭和40年代には埋め立てられてしまいました。そうした中、地域住民から丸池の復活を望む声が上がり、平成12年に行われた延べ1,000人もの住民が参加した丸池復活プランづくりワークショップを皮切りに、その後も市民の参加を得ながら、順次、公園の開園、拡張が進められてきております。田んぼでの農体験や生き物との触れ合い、隣接する仙川公園等とのネットワーク化など、公園の魅力アップを目指した取組を、公園ボランティアの丸池わくわく村をはじめとした地域住民の皆さんと進められています。
 3番目の質問です。仙川沿いの樹林や農地、水辺空間などの自然環境を維持しながら、湧水を生かした丸池など、緑と水の調和した環境づくりが進められてきました。保全や拡張施策についての検討経過と課題について御所見をお伺いいたします。
 北野の里(仮称)について。
 北野は、ほぼ平たんな地形に低層のまち並みが形成され、平地に広がる農地と、北野ハピネスセンター前のケヤキ並木や雑木林などと一体的な風景を残し、かつて田んぼが広がっていた中川遊歩道が南北にわたるなど、緑と農のある風景が特徴的な地域です。また、江戸時代に開墾されて以来の面影を残す農の営みや、北野地区公会堂を中心とした町会活動、伝統的な祭礼などの良好なコミュニティによる活動の景観が形成されていることも北野地域の特色となっています。
 ここで4つ目の質問です。北野のほぼ中央に整備される東京外郭環状道路中央ジャンクション(仮称)蓋かけ上部空間等及びその周辺を含めたエリアを第4のふれあいの里、北野の里(仮称)として位置づけ、北野の里まちづくり方針に基づき、緑と農とコミュニティを生かした空間の創出が計画されています。そこで北野の里は、北野地域の持つ緑と農のある風景という地域特性を生かした整備が求められます。北野の里の整備の在り方について、これまでどのような検討がされてきたのか、検討課題など、御所見をお伺いいたします。
 次に、羽沢小学校の移転の考え方について質問させていただきます。
 羽沢小学校の移転は、令和元年10月の台風19号の際に、野川の水位が氾濫危険水位を超過したことから、本市で初となる避難所を大沢地域で開設しましたが、羽沢小学校に関しては浸水予想区域に位置することから、水害時には避難所として開設できない防災上の課題が改めて浮き彫りになりました。時を同じくして国立天文台から、今後の研究の継続、発展に向けた財源確保に資する同敷地北側ゾーンの有効活用について、三鷹市に相談がありました。国立天文台と三鷹市は平成21年2月、相互協力に関する協定を締結、今回の相談を機に、国立天文台周辺地域のまちづくりに関する項目を追加し、令和2年2月、改めて相互協力に関する協定を締結いたしました。
 国立天文台が三鷹の地に設置されたのはいつだか御存じでしょうか。1924年──関東大震災が1923年で今年が100年を迎えるので、1924年ということは99年前ということになります。近代日本における国立の天体観測所は、海軍が東京府麻布区飯倉──現在の東京都港区麻布台に1872年に設置した観象台から始まります。別途、東京帝国大学、現在の東京大学に星学科が設立されたとき、その附属の研究施設として新たな観象台が設置され、その後、1888年に帝国大学附属東京天文台となりました。東京の発展により、麻布付近は夜でも明かりが増えて天文観測に適さなくなり、当時は雑木林や田畑が広がる農村でありながら、甲武鉄道──現在のJR中央線の開業により交通の便がよくなった三鷹への移転が決まり、1914年に工事が始まりました。関東大震災に伴う被害のため、予定より遅れて、先ほど申し上げたとおり、1924年に現在の地に移転してきました。
 国立天文台は、日本の天文学研究における代表的な研究機関として、天文学、天体物理学に関連する分野の研究教育活動をほぼ網羅しています。また、大学共同利用機関として、大規模な観測装置の開発と運用を行い、国内外の研究者からの提案に基づく共同利用を実施しています。また、国内の観測施設のみならず、すばる望遠鏡やアルマ望遠鏡など海外にも望遠鏡を設置、運用しているほか、太陽観測衛星や月探査機など、飛翔体による天文学、惑星科学研究なども行っているのであります。天文学専用スーパーコンピューターの運用によるシミュレーション天文学の推進や、先進的な観測装置の開発研究も行っています。皆様が子どもの頃、一度は御覧になったことがあると思いますけれども、あの理科年表の編集を創刊以来行っているのも、この国立天文台でございます。以上、国立天文台は、当時の面影をしっかりと残しつつ、日本を代表する近代的な研究や開発、運用が行われている大変貴重なエリアであります。
 ここでお尋ねいたします。現在、北側ゾーンでは、自然環境調査が実施されています。6月の特別委員会では、遺跡の試掘調査の実地調査を報告されていますが、東京都環境局の見解を含め、現時点までの調査状況の概要をお示しください。
 質問の6番目、自然環境調査と遺跡試掘調査について、今後のスケジュールをお示しください。
 質問の7番目、これまで本市では、地域団体ヒアリング、学校関係団体ヒアリング、国立天文台周辺まちづくり説明会とパネル展示、おおさわ学園教職員ヒアリング、国立天文台周辺まちづくりに関する説明会、おおさわ学園教職員への説明、国立天文台敷地北側の近隣住民向け説明会など、様々周知を行ってきました。
 説明会やヒアリングで出された主な意見については、国立天文台周辺地域のまちづくりを考えるガイドブックに掲載されていますが、ガイドブック策定後にも幾つかの説明会が実施されています。ガイドブック策定後の説明会でどのような意見が寄せられたのか、また方針やガイドブックでは、より具体的な事業内容の明示をしているかと思われますが、策定前と策定後で寄せられた意見に変化があったのか、お伺いをいたします。
 羽沢小学校移転の効果についてお尋ねいたします。
 質問の8番目、羽沢小学校が移転した場合の効果をどのように考えているのでしょうか。市長と教育長の御所見をお伺いいたします。
 以上で壇上での質問は終わらせていただきますが、御答弁によりましては自席での再質問を留保いたします。御答弁のほどよろしくお願いをいたします。
                〔市長 河村 孝さん 登壇〕


◯市長(河村 孝さん)  それでは、私のほうから幾つか御答弁させていただきます。
 まず、質問の4番目、北野の里(仮称)の整備の在り方についてでございます。北野の里(仮称)につきましては、かつて大がかりなワークショップを開催いたしました。そして、緑と農及びコミュニティに関わる市民の皆さんの御意見をたくさんいただき、検討を進めてきております。しかしながら、先般の調布の陥没等による外環工事の遅延によりまして、現在は、事業者側の検討が進んでいないことが課題となっています。そこで市は、これに伴います地域コミュニティへの影響を少しでも軽減するため、北野情報コーナーにおきまして、地域の方々と情報共有や意見交換を積極的に行っています。こうした取組によりまして、緑と農のコミュニティ活動を引き続き支援するとともに、北野の里(仮称)の整備の進め方についても、市民の皆さんと協議をしていきたいというふうに思っております。
 今申し上げましたワークショップからかなり時間がたちましたので、今後、時期を見て、市民の皆さんの先般の問題提起だけでいいのか、もう一度議論をする時期もあろうかと思いますし、北野の里という仮称の名称につきましても地元では様々な御意見もございますので、名称も含めまして真剣に考えていきたいというふうに思っております。
 続きまして、国立天文台の周辺地域につきましての地域の御意見ということでございます。国立天文台周辺地域のまちづくりを考えるガイドブック策定後の説明会では、次のような意見が寄せられております。天文台の緑の中で子どもたちが学べる、夢のある計画だと思う。あるいは、新しい学校では教育のソフト面も拡充してほしい大雨が降ったときにあっという間に野川の水位が上がり恐怖を感じたこともあるので早期に移転すべきだなどという御意見もございました。一方で、羽沢小学校の跡地に商業施設が誘致されることを期待しているなどの声、そしてまた小学校が移転すれば国立天文台のかなりの森林が伐採されるのではないかという御懸念。野川の南側、右岸の住民は、増水しているときに川を渡って避難するのかという御懸念も含めまして、様々な御意見がございました。
 また、地域の意見といたしましても、おおさわ学園コミュニティ・スクール委員会から、大沢台小学校も、このプロジェクトの場合、一緒に移転を希望するという御意見も、市長と教育長にいただいております。
 そして、御質問の8番目として、羽沢小学校移転の効果についてということがございました。羽沢小学校が移転した場合の効果につきましては、浸水予想区域から安全な高台に移転することによりまして、子どもたちの安全安心な学校施設と、災害時の避難所機能を含めました防災拠点が確保されることとなります。また、国立天文台の森を保全、再生しながら、豊かな自然の中で子どもたちが教育を受けられるようになります。さらに、地域に開放できる空間や施設を整備することによりまして、子どもから大人まで多くの世代が森の中に集う、居心地のよい交流の場を創出することができると考えております。
 一方、羽沢小学校が移転した場合の跡地につきましては、商業施設の誘致を検討することによりまして、地域の買物が不便な環境の改善にもつながります。これもかつてから地域の御要望として強いものがあったというふうに考えております。
 このように、羽沢小学校の移転によりまして、大沢地域全体のまちづくりとしての相乗効果も発揮できるものと考えております。
 私からは以上でございます。ありがとうございました。


◯教育長(貝ノ瀬滋さん)  では私からは、羽沢小学校が移転した場合の効果をどのように考えているのかということでの御質問にお答えいたします。羽沢小学校の移転の効果といたしましては、まずは風水害時の児童の安全、そして安心でございます。そして、学校教育の継続性を確保できるということが挙げられます。さらに、教育的な観点から申し上げれば、天文台の森の自然豊かな学習環境を提供できるとともに、第七中学校、大沢台小学校と近接する中で、おおさわ学園としての一体性を高めながら、科学教育などを中心に、重要な研究機関であります天文台との連携を深めまして、従来からのコミュニティ・スクールを基盤とした小・中一貫教育校として、魅力ある最先端の教育を展開できると考えています。また、そういうふうにならなきゃならないというふうに思ってもおります。
 また、学校教育のみならず、コモンズとして、放課後の子どもたちの居場所や、地域の大人の活動拠点にもなります学校3部制のモデルとなるような学校施設を目指してまいりたいというふうに考えています。
 私からは以上です。


◯都市整備部長・新都市再生ビジョン担当部長(小泉 徹さん)  私からは市長の答弁に補足いたしまして、3点についてお答えをさせていただきます。
 初めに、御質問の1番目、大沢の里の保全や拡張施策についての検討経過と課題についてでございます。大沢の里には、数多くの歴史・文化的資源が存在しており、これまで大沢の里公園の公有地化とその整備、崖線の自然環境保全地区の指定、水車の動態保存や大沢の里古民家の保存整備などに取り組んでまいりました。また、豊かな自然環境を保全するため、水田での農体験や崖線樹木の維持管理、蛍の生息環境の保全、大沢ワサビの復活などの取組を市民の皆さんと協働で行ってまいりました。引き続き、人と農業や自然が共存する伝統的農村風景、里山の暮らしとしての豊かな自然環境と歴史的文化資源を市民の皆さんと協働で保全いたしまして、その技術、文化を次世代に継承していく必要があると考えております。
 また、大沢の里の豊かな自然環境を支えている1つとして湧水がございますが、近年、湧水量が減少しております。湧水を保全していくためには、崖線上部にあります国立天文台等の緑の保全、再生なども課題であると捉えております。
 続きまして、御質問の2番目、牟礼の里の保全や拡張施策についての検討経過と課題についてでございます。牟礼の里では、まとまりのある農空間が周囲の住宅地として開発される中で、都市的な環境から隔絶され、玉川上水と一体となって三鷹の原風景を感じることができる緑豊かな空間を創出しており、牟礼の里の大きな魅力となっております。これまで牟礼の里の公園の整備を行う一方で、農空間につきましては、経営耕地による保全を基本に取り組んでまいりましたが、今後は豊かな農空間の保全によるふるさとの農風景づくりをテーマに、市民の皆さんと農業との触れ合いの場の創出や、牟礼の里の入り口でもあります牟礼の里公園から玉川上水までのアクセスと連続一体化した空間を確保し、玉川上水を軸とする公園緑地のネットワークを形成していくことが課題であると考えております。
 続きまして、御質問の3番目、丸池の里の保全や拡張施策についての検討経過と課題についてでございます。丸池の里につきましては、地域の皆さんから、かつて子どもたちに親しまれていた丸池の復活を望む声が上がり、丸池復活プランづくりワークショップを経て、平成12年に公園の一部を開園いたしました。その後も市民の皆さんの参加を得ながら、順次、公園の拡張整備を進めてきたところでございます。
 また、近隣の小学校の児童による田んぼでの農体験や丸池ツアー、かいぼり事業を通した植物や生き物との触れ合いなど、公園の魅力アップを目指した取組を地域の皆さんと協働で取り組んでまいりました。今後も仙川を軸に、農業公園、仙川公園、新川天神山青少年広場をつなぐ緑と水の連続空間といたしまして、緑の面的な空間の創出や保全に取り組んでいきたいと考えております。
 また、丸池の里では、公園区域内の未買収地の公有地化や、かいぼり事業の実施による良好な丸池の環境保全、農業体験事業、適正な樹木管理など、地域に親しまれる公園、魅力ある里づくりを継続して、地域の皆さんとともに取り組んでいく必要があると考えているところでございます。
 私からは以上です。


◯都市再生部エリアマネジメント担当部長(田中元次さん)  私からは市長の答弁に補足をいたしまして、質問の5、質問の6について、関連しておりますので一括して答弁をいたします。
 質問の5、自然環境調査と遺跡の試掘調査の状況について、質問の6、自然環境調査と遺跡の試掘調査の今後のスケジュールについて、自然環境調査の状況につきましては、土地利用を検討している北側ゾーンにおいて、令和5年5月の時点で確認された動植物の注目される種、17種類について、東京都環境局に中間報告を行い、遺跡の試掘調査の着手に問題はないとの見解をいただいております。遺跡の試掘調査につきましては、この東京都環境局の見解を踏まえて調査を開始いたしました。現状では、石器などが少数確認されています。引き続き調査を継続し、本掘調査が必要となるかどうかについて、今後確認をしてまいります。
 なお、自然環境調査では、その後の調査で新たに動植物6種類の注目される種が確認されておりますけれども、遺跡の試掘箇所から外れていることなどから、調査には影響はございません。
 今後のスケジュールにつきましては、自然環境調査が9月まで、遺跡の試掘調査が11月までを予定しております。
 以上になります。


◯22番(加藤こうじさん)  幅広く御答弁をいただきましてありがとうございました。一つ一つちょっと確認と、再質問に向けてお話をさせていただきたいと思います。
 大沢の里についてですけれども、本当にここは崖線が広がるすてきな風景が残っております。残すためには、やはり民間の力も必要ですけれども、市が公有地化を図り、市が進めている緑と水の空間、そういったものをしっかりと保全していくことが必要だと思われます。
 緑と水の基本計画2022、この冊子によりますと、公有地化を進めていくということが非常に多く書かれております。公有地化に向けてどのような取組が──今大体、三鷹市としては、この程度の範囲は公有地化しなきゃいけないと思っている中での、現在、公有地化が何%ぐらい進んでいるかのお尋ねをいたします。よろしくお願いします。


◯都市整備部長・新都市再生ビジョン担当部長(小泉 徹さん)  ただいまの御質問にお答えいたします。
 大沢の里につきましては、質問議員さんのおっしゃるとおり、いろんな地域資源がございまして、田んぼであるとか水車であるとか、また大沢の古民家、こういったものがございます。そういった地域資源が集中しているところ、こういったところにつきましては、大沢の里公園としての位置づけを行っておりまして、そこにつきましては公有地化を完了しているというところでございます。
 また、一方で、崖線の部分でございます。こちらにつきましては、市の自然環境保全地区の指定をするとともに、東京都の都条例に基づきます緑化保全地域の指定をしているところでございます。一部未買収のところが、民有地の部分がございますけれども、こちらにつきましては都条例の中で、一定の活用についての規制をかけているという関係から、申出があれば用地を取得するというような制度設計になっておりますので、それぞれ地権者さんのタイミングによって、東京都のほうで公有地化されるものというふうに考えております。
 既に東京都のほうで公有地化した部分につきましては、市のほうで使用貸借でお借りをして、里としての活用をさせていただくという形になっておりますので、一定程度今後もそういったような形で公有地化が図られていくというふうに考えております。
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◯議長(伊藤俊明さん)  加藤こうじさんの質問の途中でございますが、この際、しばらく休憩いたします。
                  午前10時47分 休憩


                  午前10時59分 再開
◯議長(伊藤俊明さん)  それでは、休憩前に引き続き、会議を再開いたします。
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◯議長(伊藤俊明さん)  市政に関する一般質問を続けます。


◯22番(加藤こうじさん)  休憩に引き続きまして、再質問をさせていただきます。
 大沢の里について、先ほど再質問させていただきました。いろいろな条例等々によって、急にその土地が住宅地になるようなことはないというようなことまで、しっかりと保全をしていただいているようですので、少し安心をいたしました。最近ではすてきな風景があっという間に住宅地になってしまうというところが多いので、そういった手を先に先に打っていただくということは非常にありがたいことだと思います。ありがとうございます。
 丸池の里について再質問をさせていただきます。先ほどの緑と水の基本計画2022では、この丸池雑木林ゾーンや梅林のゾーン、農地のゾーンなど、そして先ほど部長からの御答弁もありましたけれども、農業公園や仙川公園などなど、一体的に面的空間として進めていくというお話をいただきました。となると、やはりその間、間で、どうしても公有地化というお話も出てきてしまうかと思うんですけれども、それについてはどのように進んでいるか、お伺いをさせていただきます。


◯都市整備部長・新都市再生ビジョン担当部長(小泉 徹さん)  ただいまの再質問にお答えいたします。
 丸池の里につきましては、今御指摘ございましたとおり、仙川を軸に農業公園、仙川公園、新川天神山青少年広場をつなぐ緑と水の連続空間となるように、新川丸池公園の都市計画決定を行っているところでございます。おおむね公園エリアの整備としては完了しておりますけれども、一部公園の都市計画決定エリアの中で宅地が残っている部分ですとか、あと借地の部分がございますので、そういったところにつきましては、今後、地権者の方の御意向を踏まえながら、公有地化等を図っていく必要があるものと考えているところでございます。


◯22番(加藤こうじさん)  御答弁ありがとうございます。今、大沢の里と丸池の里の公有地化について御質問をさせていただきました。牟礼の里の公有地化について、この緑と水の基本計画に特にうたわれていないんですね。ただ、ここにも書かれていますとおり、非常に昔ながらの原風景が残る農空間が残っているところですので、それに対してもやはり手を打つべきだと考えますけれども、御所見をお聞かせください。


◯都市整備部長・新都市再生ビジョン担当部長(小泉 徹さん)  ただいまの再質問にお答えいたします。
 牟礼の里につきましては、牟礼の里公園の整備を行っておりますけれども、やはり今後はまとまりのある農風景を形成しているエリアにつきまして、これを永続的に保全していく中で、都市における農業の役割を理解する場、市民が農に親しめる場の創出を図っていく必要があるものと考えております。そのため、生産緑地制度や特定生産緑地制度の活用、営農支援を行いながら、経営耕地として保全していくことを基本としつつも、将来にわたって保全が図られるよう、公園や農園としてのエリア拡張等についても、今後検討していきたいというふうに考えております。


◯22番(加藤こうじさん)  ありがとうございました。本当に先手先手を打っておかないと、やはり民間のことですので、急激な動きがあると三鷹市ではちょっとついていけないという部分もあると思いますので、御検討をお願いいたします。
 北野の里(仮称)についてお伺いをさせていただきます。先ほど市長の答弁で、久々に大がかりなワークショップをやる必要性についての言及をいただきました。私も大がかりなワークショップから随分時間がたっていること、そしてやはり情報コーナーはできていますけれども、それだけでは市民の声をしっかりと吸い取ることができないだろうというふうな観点から、大がかりなワークショップ、いろんな方々から様々な御意見を聞きながら進めていくことは非常に賛成だと考えております。
 しかし、その答弁の中で、名称についても改めて議論をするというようなことがありましたけれども、北野の里という名前は当然仮称ですけれども、変わる可能性があるんでしょうか。もしよろしければ御所見をお願いいたします。


◯市長(河村 孝さん)  今、断言することはできませんが、そういう声も地元ではあるという話です。


◯22番(加藤こうじさん)  分かりました。4つのふれあいの里の1つとしてなっているので、またこれがどんな名前になるのか、それは皆様の御意見を聞きながら進めていただければと思います。
 そして、道の駅を造るという声も実は上がっているというふうにお聞きしていますけれども、北野の里の今後の展開に、三鷹市ではここを道の駅として運用していくということは、どこか考えていることはあるのでしょうか。


◯市長(河村 孝さん)  道の駅というのは、1つの愛称と思われる方も多いと思いますが、1つの仕組みといいますか制度でありまして、いろんな条件もあります。車がいっぱい来るところになりますので、ジャンクションのあそこの場所がふさわしいかどうかとか、実際にどういうような動線にするかとかということもいろいろあるでしょうから──我々は今のところ、ワークショップで市民の皆さんの御意見をベースに考えているところでありますから、現在はそういう考えはありません。また、将来にわたっても、より混雑するところにより混雑を重ねるみたいな形になりますから、非常に難しいんじゃないかというふうに思っていますね。そういう意味で、可能性が全くないとかあるとかということを今言う段階ではありませんけれども、非常に難しいのではないか、我々の検討の外であるというふうには思ってはいます。


◯22番(加藤こうじさん)  様々な要望を寄せられつつ、三鷹市で国と東京都としっかりと議論をしていただき、道の駅というのは名称だけでなく、制度として、駐車場の台数や、そこの観光スポットも含めてどういうエリア、どういうものが必要で道の駅として認定されるかということも承知はしておりますけれども、そういう制度を活用した道の駅でなかったとしても、あれだけ多くの農地を犠牲にしてジャンクションができているということから考えると、その農地を思う人たちの意見もしっかりと聞いて進めていただきたいというふうに思います。
 それでは、国立天文台周辺についてお伺いをさせていただきます。令和4年6月に策定された国立天文台周辺地域土地利用基本方針では、羽沢小学校の移転について検討をすることが、基本方針のゾーニングの考え方という欄に記載をされています。先ほどの御答弁によりますと、市長の御答弁で、いろいろ説明会に対する意見等、お話しをいただきました。先ほどの御答弁によりますと、移転に対して不安に思っている市民はほとんどいらっしゃらなかったという理解でよろしいでしょうか。


◯市長(河村 孝さん)  異論はあったというふうには思っています。ただ、説明会の会場というのは、意見を同じ人が10回言っても1回、そういう意味では、もちろんどっちが多数派とか決める場所でもありませんので、様々な御意見があったというふうに考えているところでございます。ただ、私どもは令和元年の台風19号の際の水害をベースにお話ししたんですけれども、やはり地域でいらっしゃる方の中には、それ以前の、恐らく平成17年だったと思いますが、最初の三鷹で集中豪雨があった時の記憶を持っていらっしゃる方がいて、全市的なすごい集中豪雨でありまして、まだ御記憶のある方もいらっしゃるかもしれませんが、東八道路が全くの冠水状態になりまして、天文台通りを滝のように水が流れ、まさにマンホールが吹き飛びというような状況を記憶されている方も地元でいらして、なるべく早くやってほしいというふうな御意見が切実にあったということは、お一人でありますけれども、私はそういうことを記憶されている方がいらっしゃるんだということを思いました。防災というのは常に、そういう意味で忘れた頃にやってくるというようなことになりますから、この記憶は大切にしなければいけない地域の記憶だというふうに思っています。


◯22番(加藤こうじさん)  いろいろな思いがあることは事実ですし、その中から何が大切か、何が本当に市民のことになるのかということはしっかりと把握されて、決断をしていただきたいというふうに思います。ありがとうございます。
 国立天文台周辺地域土地利用基本方針策定から1年が経過しました。今後は、土地利用基本構想を策定するというふうにスケジュールされておりますけれども、現状、どのような検討が行われてきたのか、お伺いをさせていただきます。


◯都市再生部エリアマネジメント担当部長(田中元次さん)  現状の検討につきましては、今、質問議員さんからありましたように、自然環境調査、遺跡の試掘調査、これは当初はこの時期にやるというふうには考えてなかったんですけれども、やはり天文台の森をどのようにきちんと自然を生かして保全、再生していくのかというようなところから、こういうことが非常に大事だろうというようなことで、今現在そういったことをさせていただいています。それをベースに、今後は基本構想に向けたスケジューリングですとかそういったものを検討して、お示しをしていきたいというふうに考えております。


◯22番(加藤こうじさん)  ありがとうございます。そこでは新たな課題というのが出てきているのか、そして今後のスケジュール、議会や市民の皆様への公開のタイミングなど、そういったことが決まっていればお示しください。


◯都市再生部エリアマネジメント担当部長(田中元次さん)  再質問にお答えいたします。
 今やっている自然環境調査、特に注目される種というようなものが見つかっていますけれども、そういったものは移植ができるものですとかというようなことで、これについては東京都のほうとしっかりと、計画をお示しして、問題がないように進めていきたいというふうに思っておりますので、その点について大きな課題があるというふうには認識しておりません。
 また、遺跡の試掘調査もまだ道半ばではございますけれども、現段階では、遺物が少数見つかっておりますけれども、史跡に値するようなものというのは、現実的に今見つかってございませんので、今のところは記録保存をしていけば特段問題ないのかなというふうに思っておりますが、まだ全てが終わったわけではありませんので、本掘調査が本当に必要ないかどうかというところを見極めて、スケジュールについてもそういったところを反映した上でお示ししていきたいというふうに思っております。


◯22番(加藤こうじさん)  ありがとうございました。ここまでいろいろと羽沢小学校移転の考え方について御質問させていただいております。市が出しているガイドブックや、それ以外の方針等々についても、あくまでも方針ということで、羽沢小学校を移転しますというふうにしっかりと言及した文章はどこにも見当たっておりません。今の段階で三鷹市は羽沢小学校を移転するおつもりなのか、もしお答えできればお願いをいたします。


◯都市再生部エリアマネジメント担当部長(田中元次さん)  再質問にお答えいたします。
 基本的にしっかりと今は検討ということでお示しをしていますけれども、やはり羽沢小学校、危険な浸水予想区域にあるというようなことでございますので、これについては基軸として考えているということで、今後そういったところもしっかりと、市民の皆さん、議会の皆さんはじめ、お示しをしていければというふうに思っております。


◯22番(加藤こうじさん)  分かりました。しっかりと検討していただいて、先ほど市長や教育長から、効果についてもちょこっとお話をいただきましたけれども、移転することの最大のメリットということも考えられると思いますので、その辺を説明をしていただいて、多くの方々に御理解いただけるように努力をしていただきたいということを要望いたしたいと思います。
 私はこの国立天文台の中の、本当に当時から残っている、誰も触れることがなかったというか触れなかったからこそ原風景が残っているこの緑を、移転により伐採するというのは非常に英断だなというふうに思っておりますけれども、それに対して、今後のこれからの未来の子どもたちが、あそこで天文学等を緑豊かな自然の中で学ぶことができること、それを考えて、どちらを優先するべきかということをやっぱり考えていかなければならないんだというふうに思います。
 羽沢小学校が移転するということは、羽沢小学校に通っていた人たちにしてみれば、自分が通っていた学校がなくなるのではなくて、発展的にあそこに移転するんだと。そして、あそこの場所は大沢台小学校の学区でもあるので、全体的におおさわ学園を考えていかなければならないんだという、そういったこともしっかりと議論、研究をしていただいて、あの場所が、緑豊かないい場所が学校になって、先ほどの教育長のお話のように、先進的な小・中一貫校でありコモンズになる、学校3部制の指標にもなるような、そういったことになるように要望いたしまして、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。


◯議長(伊藤俊明さん)  以上で加藤こうじさんの質問を終わります。
    ──────────────────────────────────────


◯議長(伊藤俊明さん)  次の通告者、20番 半田伸明さん、登壇願います。
               〔20番 半田伸明さん 登壇〕


◯20番(半田伸明さん)  景気悪化局面になった場合、大きな事業の検討そのものを棚上げにすることが必要であるとの主張の下、今後の財政運営の在り方について、具体的には財政悪化局面においての大事業中断の可能性について、以下6個の質問をいたします。御答弁のほどよろしくお願いいたします。
 質問1、リーマン・ショックのような急激な景気悪化は、いつでも起こり得ます。景気とは波であり、一本調子で上がり続けることは絶対にありません。今は株高で円安の局面ですが、ある日突然、株安で円高という事態になることは、近い将来あると見ています。駅前再開発や天文台のまちづくりは巨額の債務が発生しますが、景気悪化局面になってもこれらの大事業の検討を続けるとなると、市民感情を逆なですることになると思います。この場合は一旦棚上げし、福祉の充実に絞るべきだと考えますが、御所見をお伺いします。
 質問2、今から幾つか事例を挙げますが、まず井口特設グラウンド。ここはもともと総合スポーツセンター建設予定の土地でした。もう随分昔の話なんですが、当時、なぜこの事業が凍結をされたのでしょうか。当時の事情を確認をしておきたいと思います。
 質問3、総合スポーツセンターはもう随分昔の話なんですが、まとまりかけていて中断になった事例は、実は直近でもあります。数年前、井の頭文学施設(仮称)、太宰治文学記念館の構想でしたね。年明けに急遽凍結されました。そのとき、なぜこの事業が凍結されたのか、当時の事情を確認しておきたいと思います。
 一方、凍結しない事例もあります。リーマン・ショックが発生したにもかかわらず、粛々と検討が進んでいったものがありました。防災公園・元気創造プラザ整備事業がそうですね。リーマン・ショックの影響は約3年続いたわけなんですが、にもかかわらず、検討が中断しなかったのはなぜだったのでしょうか。当時の背景をお伺いします。
 質問5、大きな事業の場合、構想をつくって、その後、計画となり、基本設計、実施設計と続いていきますが、これら設計が終わった後でも、財政悪化などで当該事業が凍結をされる、設計は終わったんだが施工はしないということは、論理上あり得ると見ていますが、その見方でよろしいでしょうか。御所見を伺います。
 質問6、最後になります。設計と施工を一括発注することも考えられますが、この場合、設計が終わった時点で仮に事業中断を決断をした場合、一旦決まった施工につき白紙になるわけで、業者にとっては当然痛手となります。この場合、例えば違約金などのペナルティーは発生するのでしょうか。
 御答弁のほどよろしくお願いいたします。自席での再質問を留保します。
                〔市長 河村 孝さん 登壇〕


◯市長(河村 孝さん)  私から、まず御答弁させていただきます。
 質問の1として、景気悪化局面で、大事業の棚上げの検討についてということでございます。三鷹駅前再開発と国立天文台のまちづくりは大事業だというふうに思いますが、それぞれの拠点整備の効果をまち全体に広げ、付加価値の高いまちへとしていく重要な一歩となる取組であるというふうに思っています。こうしたことから、三鷹市では最優先プロジェクトに位置づけております。こうした未来に向けたまちづくりの事業を着実に進めていくため、基金の残高を確保するなど、計画的な財源確保を図ることとしております。景気の悪化等が市の財政に及ぼす影響は様々ですので、その時点での状況に応じ、市の事業全体を見通した総合的な、あるいは柔軟な判断を行うことが必要であると考えております。
 今現在、三鷹市に限らず、例えば新型コロナウイルスの蔓延で、財政が厳しいということが様々な自治体でもあると思います。その場合、事業縮小、あるいは──近隣の自治体では現在、物価高騰によりまして、あるいは資材、あるいは人材の払底ということで、事業を延長している場合もございます。そういった形で、恐らく様々な見直しをしたり、苦闘していくというふうに思いますが、現段階で何をどういうふうにするかということは、状況自体がまだ流動的でありますので、そういう意味で、断定的に述べることはできないというふうに思っています。そうした状況をきちんと見極めながら、政策判断をしてまいりたいというふうに考えております。
 私からは以上でございます。ありがとうございました。


◯企画部調整担当部長(伊藤恵三さん)  私からは市長の答弁に補足いたしまして、3点御答弁をさせていただきます。
 まず、質問の2、井口の総合スポーツセンター建設事業の凍結の事情についてでございます。井口の総合スポーツセンターにつきましては、平成10年度の予算編成時において、建設時期の見直しを表明いたしました。これは当時、国が行った特別減税による市の減収見通しをはじめ、特別減税の恒久化やさらなる特別減税なども議論されており、バブル崩壊後の深刻な経済不況を踏まえると、建設費のほか、整備後の運営費も含めた費用負担がその後の市の財政運営に大きな影響を及ぼす可能性があると当時の市長が判断し、市議会の御理解をいただきながら決定したものと認識しております。
 続きまして、質問の4番目でございます。防災公園・元気創造プラザ事業を中断しなかった背景についてでございます。三鷹中央防災公園・元気創造プラザにつきましては、三鷹市都市再生ビジョンの中核的なプロジェクトに位置づけ、耐震性に課題のある公共施設を集約し、防災センター機能を加えた施設として整備を進めてきたものでございます。リーマン・ショック後の大幅な税収減に直面した中でも、東日本大震災を経て、市民の皆様の命と暮らしを守るための防災拠点となる公共施設の安全性を確保し、安定的な施設サービスを提供していくことは、市の重要な責務であり、最優先に取り組まなければならない重要な課題であったことから、国庫補助金や市債を有効に活用しながら、積極的に財源を振り向け、事業の中断をせずに整備を進めることとしたものでございます。
 続きまして、質問の5番目でございます。設計終了後の事業の凍結についての所見でございます。大きな整備事業につきましては、計画、設計、工事、完成の流れとなるもので、設計が終了して以降の事業の凍結につきましては、まれな事例となります。
 私からは以上でございます。


◯スポーツと文化部長(大朝摂子さん)  私からは、市長の答弁に補足をさせていただきまして、御質問の3点目、井の頭文学施設(仮称)の整備事業の凍結の事情についてということで答弁させていただきます。都立井の頭恩賜公園での井の頭文学施設(仮称)の整備につきましては、市議会からの慎重に進めるべきとの御意見や、2度行いましたパブリックコメントにおきまして、生態系の保全等の観点から同公園以外で整備すべきとの御意見があったことから、このような御意見を踏まえまして、計画を見直すことといたしました。
 以上です。


◯総務部長(高松真也さん)  市長の答弁に補足して、質問の6、設計施工一括発注方式の工事における事業中断についてお答えをいたします。設計施工一括発注方式の工事について、三鷹市においては、令和3年度に、市民参加拠点施設等整備工事をプロポーザルにより実施した実績がございます。その際に制定をしました三鷹市設計・施工一括発注方式プロポーザル試行ガイドラインの中では、本工事の契約において、設計には建築または土木設計委託契約約款が、施工には工事請負契約約款が適用されることとしております。御質問にありますように、設計施工一括発注方式の工事におきまして、仮に設計が完了した時点で、市が当該事業の中止を決断したような場合は、約款の規定によりまして、設計に係る経費については契約どおりの支払いを行い、施工に関しては市が契約を解除したことにより受注者に損害を及ぼしたときは、その損害を賠償することになるものと考えます。
 答弁は以上です。


◯20番(半田伸明さん)  個人的に疲れているんでね、再質問やめとこうと思ったけど、やっぱり聞いたら出てきますね。幾つかちょっとやっぱり聞きますよ。
 太宰ね、そういうことは分かっている。地方消費税交付金の算定基準の見直しの話があったでしょう。私がこの質問で答弁を求めていたのは、当時、年明けに急遽見直したでしょう、お金の面で。そのことを聞きたかった。その答弁をお願いします。


◯企画部長(石坂和也さん)  再質問にお答えいたします。
 結論から申し上げて、総合的に判断するといったところが1つの答えになるかなというふうに思っています。先ほどスポーツと文化部長が言われました議会での御意見等、市民団体の意見もありました。そういったところと地方消費税交付金の清算基準の見直し、当時の施政方針でも明確にしているといったところでございます。そういった総合的に判断をした中で、御意見を踏まえて計画を見直した、そういった経過でございます。


◯20番(半田伸明さん)  つまりね、井口特設グランド総合スポーツセンターを一旦棚上げしたのは、特別減税の話ってさっきあったでしょう。太宰は地方消費税交付金の算定基準の見直しが大きく影響したのは間違いないんですよ。一方、リーマン・ショックがあったにもかかわらず、防災公園は粛々と進んでいったわけだよね。つまり、何らかの税制とか国の制度の改正だとかがあって、もうどうしようもないというときは凍結しているなと見ることができる。ところがリーマン・ショックみたいに、何ら国のほうが変わったというわけではない普通の民間の景気の波だったというときは粛々と進んでいる、このように見受けられるんです。ここはやっぱり一定の基準って必要なのかなと思うんですね。例えば、税収で2割減、3割減がいきなり来た、だったらちょっと一旦全部止めようか──ちょっと事例が若干ずれますけど、財調も50億だっけ、何か基準がありますよね。そういった内規っていろいろあると思うんだけど、片や特別減税で一旦中断して、片や地方消費税交付金の算定基準の見直し、片や中断して、片やそういう制度が何もない場合は、あれだけの景気悪化があったのに粛々と進んでいって、これどうなのと思うんですね。
 だから、私は税収の数字が一番分かりやすいと思うんだけれども、何らかの一定の基準をつくって、それに該当したら、取りあえずは単年度だけでも一旦見直すというような内々の決まりをつくるべきじゃないかなというのがあるんですよ。この点、御所見をお伺いしたいと思います。


◯副市長(土屋 宏さん)  たまたまこの井口グラウンドのこととか太宰の文学館のこと、景気の状況によるものもあるし、特別減税の状況によるものもありますけれども、これはたまたまそうなっただけで、先ほど御答弁申し上げたとおり、やっぱり防災公園に関してはどうしてもやらなくてはいけなかったということがございます。ですから、これはたらればの話になってしまいますけれども、もし防災公園を進めているときに減税があったとしても、これは歯を食いしばってでもやったかもしれない。そういうことがあり得ると思うので、議員さんおっしゃるように、景気の状況と制度の状況によって結論が変わるということではないというところでは御理解いただきたいなというふうに思います。
 その上でなんですけれども、大規模な事業を中断なり凍結なりするときのルールということです。やはりこれも、そのときに基金がどのくらいあるかというところもありますし、むしろ減税の幅がこのくらいということもあるかもしれませんけれども、やはり財政状況に応じて変わると思います。ここで明確に幾ら減税になったから、あるいはどういった減税になったからこういう事業を見直すという内規、これを今定めるのって非常に難しいんじゃないかというふうに思います。
 実際に財調についても、今50億円という基準をつくっていますけれども、これは今の状況であれば50億円ぐらいあれば我々は苦しいときもしのげるというようなところで50億円ということを設定しておりますけれども、これも本当の内々々規くらいの我々の心積もりということ、これを議会の皆様にも共有させていただいているということですので、我々としてももちろん本当に財政状況が立ち行かなくなれば、かつてやった事務事業総点検のようなことを踏まえながら、どうやったら財源が捻出できるか一生懸命考えながら、それでもどうしようもないときには、もちろんある一定の立ち止まり、あるいは事業の縮小ということもあり得るかもしれませんけれども、それについて今この段階でルールをつくるということは非常に困難であるということだけ御理解いただければと思います。


◯20番(半田伸明さん)  リーマンのときに特別減税が重なっていたら歯を食いしばってやったかもしれないというのは、何か面白い答弁だったと思います。そういうの好きです。
 言わんとしていることは分かりますが、我々というか私個人でいうと、やっぱり制度が変わったときには止まる、でもあれだけの大変動があったときには止まりませんってやっぱり捉えちゃうんですよ。だから、質問1で言ったけど、市民感情を逆なですることにつながるというリスクは考えておいたほうが私はいいと思う。その観点から、事前に内々の基準をつくっておいたほうがいいのではないかという問題提起でした。言っていることは理解いただけていますよね、大丈夫だと思いますから。
 財調50億円、一例として挙げたけど、あの時期の税収で50億円ですから、今もっと上がって当たり前なんですよ。変動するんですよね、いろんなことがね。ですから、大事業を一旦棚上げするというのは、当時、総合スポーツセンターについては安田さんの大英断だった。太宰が一旦ああいう形になったのは、私はやっぱり清原さんの大英断だったと思いますよ、制度云々関係なく。河村さん、どうなるんですかね。そういう、制度が変わるかどうか、いろいろ今後あろうかと思いますが、本当に大変だ、これはちょっとやっぱり一旦、1年だけでも遅らせたほうがいいと考えるか否かは、最終的にやっぱり市長判断になるんですよ。いかがですか。


◯市長(河村 孝さん)  もちろん提案権は市長にありますから、市長の最終判断だと思いますけれども、先ほど申し上げたように、今いろんな状況、大きく社会変化しておりますので、どういうふうに転ぶか分かりませんけれども、そういう判断を今の段階でするしないは断言できない。今、言う時期ではないというふうに思っています。
 そういう意味でいいますと、様々総合的な判断というふうに企画部長も申し上げましたが、井口のところに総合スポーツセンターを造るとき、それも特別減税もありましたけれども、様々なことがありました。私はその頃、もちろん一番近いところで政策判断をしておりましたから、状況はよく認識しておるつもりであります。安田市長がそのとき判断したときのものも、そういう意味で総合的に判断をした。ですから、本当に直近になって、予算を提案をするときに大きく方針転換をしたということを目の当たりに、この辺で見ておりましたので、そういうことはよく分かっています。清原市長のときでいうと、元気創造プラザ、これも私も副市長として支えておりましたから、どういうふうに、歯を食いしばってでもこれを実現しなければいけないかということについて、一緒に苦しんできたというふうに思っています。
 そういう意味では、あのときの一番の課題は、公共施設の耐震補強を100%行う、そのための最後の社会教育会館、あるいは福祉会館、体育館などについて、残っていた公共施設、100%でなかった公共施設、あるいは老朽化が進んでいた公共施設を、お隣の多摩青果のところが空いたというときに──これも地権者交渉で大変長引きましたけれども、このときしかない、これで歯を食いしばってやるしかないということで、実現した経過がございます。
 そういう意味で、太宰 治の記念館のときには私はいませんでしたけれども、その途中までは私も関わっておりました。そういう意味で、最終的な断念のときにいなかったのは残念ではありますけれども、そういう意味で、様々なそれぞれの施設については、それぞれの固有のいろんな問題、財政的な問題ももちろん大きくありますけれども、それだけではありませんので、一般的な基準をつくるべきだというお考えはよく分かりますけれども、基準というよりも、1つの要因を必ず理解しておく必要があるだろう。そのときに、財政問題は一番大きいということは私もよく分かっていますけれども、これが、さきに申し上げたように、歯を食いしばってでもやらなければいけないのかそうでないのかということの、そういう総合的な判断を市長としてはしっかりやっていきたいというふうに考えております。


◯20番(半田伸明さん)  なかなか熱い言葉で、いい答弁だったと思います。ありがとうございます。
 歯を食いしばってやるべきかだと、今思い返すと、やっぱり防災公園事業はそうだったかもね。実際に体育館の部分で、万が一ああいう東日本大震災レベルの大変なことがあった場合に、遺体をどう収容するだとか、そういったかなり生々しい議論も実際にはありましたね。だから、あれは分かる。一方、駅前再開発、天文台はどうなんだろうと考えたら、私はやっぱりちょっと温度差があるのかな。そこは問題提起をしておきます。
 そこで、総務部長、質問5と6なんですが、企画部調整担当部長のほうから、基本設計、実施設計と続いた後に中断というのはまれな事例だという御答弁がありましたが、まれな事例ということは、実際まれだけどあり得るという話じゃないですか。片や質問6で、実際に契約解除なわけですから、契約解除になった場合の損害賠償というのは当然発生するわけですよね。それを考えた場合に、設計、施工をプロポーザルで一括してどおんとやった場合のメリット面と、いや、やっぱり分割したほうがリスク回避は意味あるよねというメリット面と、私、比較考量する必要があるんじゃないかなと思う。
 何を言いたいかというと、天文台が一番心配なんですよ。設計と施工を一緒にプロポーザルで発注するとなると、それをやっちゃった後にどかんともし何かあった場合に、これはもう断念せざるを得ないということにもしなるんであれば、そのときに契約解除といってもすごい金額、損害賠償となりかねない。ここを恐れているんですね。いかがでしょうか。


◯総務部長(高松真也さん)  再質問にお答えいたします。
 大きな整備事業においては、一般的には計画、設計、工事、完成という流れになるものと承知しております。一方で、先ほど申し上げました設計施工一括発注方式でございますけれども、目的としましては、事業者が有する高い技術力を有効に活用しまして、コストの縮減や工事目的物の性能機能の向上、さらには工期の縮減等の施工の効率化を図ることを目的とするという中で、本市においては令和3年度に1件の施行実績があるというような状況でございます。基本的にはいただいた御指摘の要素も総合的に勘案しながら、市の事業の推進は進めていくべきものというふうに考えております。
 以上でございます。


◯20番(半田伸明さん)  令和3年度の実績というのと、天文台の事業とはレベルが違うんですよね。だから、天文台みたいに、再開発もそうなんだけど、でっかい話になっていくと、設計、施工の一括発注というのはちょっとリスクが大きいんじゃないかと思うんです。この点はそういう問題提起をしますので、今、田中部長いらっしゃいませんけどね、どのように今後考えていくかは、ぜひ御検討いただきたいと思います。
 いろいろいいやり取りができたと思います。実際に私は、大きな景気変動があった場合は棚上げするべきだろうという考えの持ち主です。ただ、それができないという言い分もよく分かる。安田市長、清原市長が英断を下したときをぜひ見習って、自分だったらどうなのかということは、ぜひ為政者として、市長に、今後とも考え続けていただきたいと思います。
 大きな景気変動のときは、私は検討そのものを棚上げすべきであるという考えを主張させていただきました。一定の答弁に満足をしております。ありがとうございました。これで終わります。


◯議長(伊藤俊明さん)  以上で半田伸明さんの質問を終わります。
    ──────────────────────────────────────


◯議長(伊藤俊明さん)  次の通告者、5番 成田ちひろさん、登壇願います。
               〔5番 成田ちひろさん 登壇〕


◯5番(成田ちひろさん)  1、プールに関する施策について。
 (1)、学校施設のプール、プール授業の在り方を検討することについて。
 6月定例会で、コミュニティ・センターのプールに関する御答弁の中で、市長から、プールや体育館等の施設機能に関しては、学校施設との一体化について検討していくという方向性を新都市再生ビジョンの中で示していると説明がありました。さらに生活環境部調整担当部長より、公共施設全体のプールの在り方やコミュニティ・センターの機能の在り方を検討するということが説明されました。また、新都市再生ビジョンの中で、老朽化した各校のプールについては、地域にも開放する屋内プールとすることや集約化を検討しますという記載があります。
 現在、三鷹市立学校では、各学校にある屋外プールを使用して授業が行われていますが、学校にある屋外でのプール授業に関しては、熱中症のリスクがあること、天候不順によって授業時間の確保がしにくいこと、授業準備のための教員の負担が多いこと、水泳指導は特に専門性が高く、個々の児童の能力に合わせて適切に水泳指導をすることは難易度が高いこと、授業を行うに当たって大人の手が不足していることなど、様々な課題があると報道されています。
 質問1、公共施設全体のプールの在り方を検討するに当たっては、現在のプール授業の改善も視野に入れ、学校施設のプール、プール授業の在り方を同時に検討し、その結果を建て替えや改修時に、学校施設に反映させていく必要があるのではないでしょうか。考えを伺います。
 (2)、直近の建て替え予定の学校施設のプールについて。
 新都市再生ビジョンで示されているように、直近の建て替え予定の中原小学校は、来年度から建て替えに向けた計画が始まるとされています。仮に今回、私が求めている学校施設のプール、プール授業の在り方が検討されたとしても、中原小学校の建て替え計画には間に合わない現実もあると考えます。その一方で、プールの有無は、工事内容やその後の維持管理費にも影響していきます。
 質問2、直近の建て替え予定の学校については、在り方の検討とは別に、複数の学校でのプール施設の共同利用や民間施設の活用の検討を早急に行う必要があるのではないでしょうか。
 質問3、同様のことを教育長に伺います。
 (3)、今後のプール授業について。
 適切な水泳場の確保が困難な場合、プール授業を行うことは必須ではなく、水辺の事故防止に関する座学のみを実施する学校や自治体も出始めています。
 質問4、子どもたちの泳力について、現在どのように把握しているのでしょうか。また、プール授業の継続についての考えをお伺いします。
 プール授業を行う場所について、学校施設にあるプールではなく、全校で市営や民間の屋内プールで行うといった方針を示す自治体も出始めています。また、水泳指導についても、外部人材を活用し、現在の課題の解決につなげる取組が始まっています。
 質問5、子どもたちの水泳環境の改善と、先生方のプール授業を行うことに関する負担軽減の視点で、学校施設外の屋内プールでプール授業を行うことについて、教育長の考えを伺います。
 質問6、プール授業については、人手と指導の面で不十分さを感じます。民間のインストラクターに水泳指導に加わってもらえるような取組の必要性について、教育長の考えを伺います。
 2023年2月には、市内の教員による政策提言発表会があり、その発表会に関する資料(令和4年度三鷹のこれからの教育を考えるワークショップ資料集)を見ると、様々な提言がある中で、プール授業に関する提言もあったと認識しています。
 質問7、プール授業に関して、市内の教員はどのように考えていると捉えているのか、伺います。
                〔市長 河村 孝さん 登壇〕


◯市長(河村 孝さん)  それでは、私から、まず御答弁させていただきます。
 質問の1、学校施設のプール、プールの授業の在り方の検討について、質問の2、複数の学校でのプール施設の共同利用や民間施設活用の検討についてでございます。
 学校施設の建て替えや改修におけるプールの在り方については、単純にその機能を引き継ぐのではなく、時代に即した見直しが必須の視点と捉えております。プール授業は、国が示しているとおり、命に関わる重要な授業であると認識しておりますけれども、屋外プールでは、御指摘のように、熱中症のリスクや、天候や水温による中止、教員への負担など、取り巻く環境は大きく変化していると考えています。屋内プールでの通年の授業や複数の学校による共同利用、授業の改善、コミュニティ・センターと学校施設のプールの一体化など、ハード、ソフトの両面から課題を捉え直す必要があると考えております。民間スポーツ施設の活用を含め、多様な選択肢の中から、経費面を含め、メリットやデメリットについて整理しつつ、利用者の視点に立って、プールの在り方について丁寧に、今後、検討を進めていきたいと考えております。
 一遍に学校の現在のプールがなくなるとかということではなくて、御指摘のように、建て替えのときにどういうふうに考えるかとか、あるいは民間で指導員がいる場合に先生に代わってもらうというようなことも、教育委員会もいろいろ検討しているようでございますので、ぜひ私どもも検討を進めていきたいというふうに考えております。どうもありがとうございます。


◯教育長(貝ノ瀬滋さん)  私のほうからは、直近の建て替え予定の中原小学校におけるプールの在り方の早急な検討についてということで御質問がありましたので、お答えいたします。
 中原小学校のプールの在り方につきましては、水泳授業の在り方やコミュニティ・センターのプールの在り方も重要な要素であると認識しております。子どもたちの授業状況や安全を最優先としつつ、市長部局と連携を図りながら、早急に方向性を定めていきたいと考えています。中原小学校の建て替えスケジュールに支障のないように、市長部局と連携しながら、早急に検討を進めていきたいというふうに考えています。つまりは、建て替えの前にちゃんと整理をしたいということでございますね。
 それから、学校施設外の屋内プールでプール授業を行うことについてのお答えをいたします。御指摘のとおり、学校施設外のプールを活用した水泳指導を実施している自治体もあることは承知しております。施設管理に伴う教員の負担軽減や、より専門的な指導によります子どもたちへの教育効果、通年を通してプールを利用できることによる柔軟な教育計画の立案が可能となりますなど、様々な効果が期待できると考えております。一方で、各校からの移動距離ですとか、移動手段を考慮した場所の選定が必要なこと、外部利用に伴う必要予算等の調整、確保ですとか、教員の意向や考え方の把握を含めた校長会等との意見交換と合意形成など、検討課題も多いことではありますが、学校プールの在り方についての丁寧な議論が必要であるというふうに考えておりますので、これも開始したいというふうに思っております。
 それから、民間のインストラクターによる水泳指導の必要性についてお答えいたします。専門的な水泳指導のノウハウを有する民間のインストラクターと連携することで、水泳指導に係る教員の指導力の向上が期待できると考えております。一方で、教育課程として行う水泳の授業は、あくまでも教員が主として行うものでありまして、教員の授業力向上が喫緊の課題であります。その意味では、現在、三鷹市公立小・中学校教育研究会体育部会──これは先生方の自主的な研究団体ですけど、それを中心としながら授業改善に取り組んでおりますけれども、今後、必要に応じて民間のインストラクター等とも連携しながら、授業改善に取り組んでまいります。
 私からは以上です。あとは部長のほうからお答えをいたします。


◯教育部調整担当部長(松永 透さん)  私からは教育長の答弁に補足いたしまして、質問の4点目、7点目についてお答えいたします。
 まず、質問の4点目です。子どもたちの泳力の把握、それからプール授業の継続についてというお尋ねです。子どもたちの泳力につきましては、小・中学校ともに、平成29年告示の学習指導要領解説に記載された目標及び内容に即した授業を計画、実施する中で、各校が工夫しながら、泳力の適切な把握、そして評価を行っております。水泳運動系は、水中という特殊な環境での活動における浮力、水圧、抗力、揚力などを生かし、浮く、呼吸する、進むなどの課題を達成し、水に親しむ楽しさや喜びを味わうことのできる運動です。今後も、水に親しむ楽しさや喜びに触れる中で、水泳の基本の動きを身につけるとともに、自己の体力や技能に応じて泳ぐための安全確保に係る知識や、水辺での人命救助の方法や留意点もしっかり身につけられるよう、施設管理に伴う教員の負担軽減や、より専門的な指導による子どもたちへの教育効果等の課題を検討しつつ、指導を継続してまいりたいと考えております。
 続きまして、質問の7点目、プール指導に関する市内教員の考えをどのように捉えているかという御質問です。先生方は授業を通しての水の中での運動の特性を体感し、水になれ親しんだり、課題を達成する楽しさに触れたりする子どもたちの様子を見てやりがいを感じている先生や、水難事故等防止の観点からも、水泳指導を実施することに意義を感じている先生が多いと認識しています。一方で、議員が冒頭に御指摘いただきましたとおり、熱中症のリスク、天候不順による授業時間の確保のしにくさ、水泳指導の専門性の高さ、個々の子どもたちの能力差等によって、指導の難しさを感じている先生方も一定数いると承知しているところです。
 答弁は以上です。


◯5番(成田ちひろさん)  御答弁ありがとうございました。
 今回、質問するに当たって、新中コミセンが使えない中で、五中のプールを活用してイベントが行われたということや、機会がありまして、五中の可動式の屋根のあるプール、こちらを見学させていただいたこと、そしてこれをもっと活用できないかと感じたこと、また小学校のお子さんを通わせている保護者の方からお話を伺う機会がありまして、水泳授業の際にボランティアに入ったときに、やっぱり人手が足りなくて大変そうだというようなお話を伺う機会がございました。こういったことがございまして、今回の質問につなげさせていただいております。
 いただいた回答はかなり私の考えとも近いものとか、進めてくださるというような回答で、よろしくお願いしますというところなんですけれども、再質問を幾つかさせていただきたいと思います。
 屋内プールについては、言葉がぽんと新都市再生ビジョンに出てきているのですけれども、屋内プールってどのぐらいかかるんだろうということに個人的にも興味がございまして、様々資料を探しておりましたら──まず調布市の調和小学校のプール開放事業というのがありまして、こちらは学校の施設の中にプールがありまして、それを開放事業しているというところなんですけれども、令和5年度の予算で、約8,000万円弱かかっていると。現実的な数字を見ると、そんなに安くはないというところでございます。こちらは学校施設含めた全体の建設費は35億円と聞いております。一般的に学校を造るとなると、もう少し価格は安いのではないかなということもありますので、屋内プールを造ることによって学校施設を造る建設費が高くなっているというふうに見受けられます。また、世田谷区では、ちょうど今、小学校のプールの在り方を検討されておりまして、その資料──先ほど少し共有させていただきましたけれども、概算経費というところで、耐用年数65年としたライフサイクルコスト、こちらが屋外プールと屋内プールを比較したものが出ておりまして、ちょっと驚いたんですけど、条件はいろいろあると思うんですけれども、屋外プールの12倍、屋内プールはしてしまうと、そういうようなシビアな数字を拝見しました。
 この点については、屋内プールと、あと市民開放と、あと学校のプール授業というのを複合的に考えていく必要があるとは思うんですけれども、もしかしたら学校のプール授業を主体的に考えて屋内プールを考えていくというほうがよいのではないかというふうに考えておりますが、この点についてお伺いします。


◯教育長(貝ノ瀬滋さん)  プール指導については、これはほかの議員さんからも御質問、御指摘がありましたけど、やはり体育科の授業としてプールの指導というのは学習指導要領に規定されておりまして、これは本務として行われるというものでありますので、これは大事にしなきゃいけないというふうに思いますが、それにしてもやはりなかなか課題があって、様々今、指導員の、補助の問題ですとか、それから、これは副次的な問題ですけど、教員の負担増というふうな面もあるにはあるんですけれども、そういったことも含めて、猛暑が続いておりまして、前にもお話ししましたけど、暑いからプールに入るというよりも、暑いので、また水温が上がってお風呂に入るみたいなので入れないというふうな、プールについて非常に深刻な問題がちょうど今発生してきているという中で、やはりこれを機にプールの在り方というのを検討しなきゃいけないのではないかというふうにも、本当にそう思います。
 ですから、そういった面で考えたときに、やはりそれぞれの学校に、理想的には──授業があるわけですから、理想的なプールを設置をしてというふうな、そういうふうなのはよろしいのではあるんですけど、しかし財政的な問題ですとか、それから市民の御利用というふうなことも考えたり、そういった面で考えたときに、そしてプールをどの期間活用するのかということもありますけど、総合的にやっぱりこれを検討していかなきゃいけないと。拠点校として理想的なプールを設置するということもあるかもしれないし、また外部のプールの活用ということも検討にもあるでしょうし、様々総合的にやはり考えていく必要がある。これはやはり何よりも現場の先生方、それから子どもたちの意見も聞くというのが今、常識になってきていますので、そういった面も含めて、これは本当に検討、議論をしていかなければならないというふうに思いますので、今、一方的にこの段階でこうしたいとか、こうすべきだとかという話は控えたいというふうに考えますが、検討はしなきゃいけないと思っています。


◯5番(成田ちひろさん)  ありがとうございます。私もフルコース、全部するとしたら、先生方の施設管理とか、今、大変な指導の問題とか、あと人手不足ですね、見学の子たちを見る余裕がないというようなところとかもありますので、そういうことをすると、やっぱり各学校に屋内プールとか水泳指導をつけるとか、そういうことがフルコースだと思うんですけれども、なかなかそういうことができないというところで検討をお願いしているというところです。
 市内の公共施設のプールの配置というのを考える際に、1つ気にしなきゃいけないなと思うのは、コミセンエリアとか、あと学園単位で考えないこと、これがポイントになってくると思いますが、いかがでしょうか。


◯企画部長(石坂和也さん)  ただいまの再質問に対して答弁させていただきます。
 今回のプールの問題というのは、市役所はとかく縦割りになりがちなんですが、そこに横串を刺す視点というのは大事なのかなというふうに捉えているところでございます。コミュニティ、あとスポーツ施設、所管がまたがるところでございます。一番大事なのは、利用者視点に立って、どういった最適な施設や運営ができるのか、施設を配置したらいいのかということを考えることが大事だというふうに思っています。丁寧な検討を進める中でそういった議論を深めて、答えを導き出したいというふうに考えているところでございます。


◯5番(成田ちひろさん)  ありがとうございます。どうしても三鷹市においては、コミセンの住区とか、あと学園単位ということに引っ張られがちなので、それで適切な数じゃなくて多く造り過ぎてしまうとか、プールのニーズをちゃんと生かしたものにならないとか、そういうことがあると思いますので、この場で言わせていただきました。
 最後に、この在り方を検討していただく中で考慮が必要だと考えている点について幾つか述べます。今の住区とか学園単位で考えないことということもポイントになるということと、あとプールの在り方については、ケース別の検討が必要だと思います。世田谷区の資料──すみません、お渡ししているのには載ってないんですけど、その続きがございまして、民間施設を利用した場合とか、様々なことをミックスしたケースが3つ載っております。共同利用とか自校に造るとか、そういう話も載っておりますので、そちらもケース別に考えていただくのが必要かと思います。単純に全てよいとなるようなケースがないということがよく分かります。効果とともに課題が出てくる案件だと思います。
 最後になりますが、学校施設の話なので──先ほど教育長から御答弁いただきましたが、子どもや保護者、教員の声を、意見を反映していただきたいということがあります。今日は、三鷹市のプールに関して、問題提起を含め、質問いたしました。


◯議長(伊藤俊明さん)  以上で成田ちひろさんの質問を終わります。
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◯議長(伊藤俊明さん)  この際、議事の都合によりしばらく休憩いたします。
                  午後0時02分 休憩


                  午後0時59分 再開
◯議長(伊藤俊明さん)  それでは、休憩前に引き続き、会議を再開いたします。
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◯議長(伊藤俊明さん)  市政に関する一般質問を続けます。
 18番 中泉きよしさん、登壇願います。
               〔18番 中泉きよしさん 登壇〕


◯18番(中泉きよしさん)  日本維新の会の中泉きよしです。どうぞよろしくお願いいたします。
 今回、私が問うのは、三鷹駅前再開発事業についてです。当該事業は、河村市長が市政の一丁目一番地と位置づけ、その推進に向け、副市長3人体制まで取り、その異例とも言える人事権の行使はさきの定例会でも賛否を分けました。異例の権限行使は、その執行と同時に、それにふさわしい大きな果実を市民にもたらすという結果責任をも引き受けることとなります。そのことを改めて河村市長と共有し、さらには三鷹市民とも共有するために、これからの質問につなげます。
 さて、今回の一般質問の構想は、当該事業関連の書き物をひもとくことからスタートさせました。本日は、それらを読み解く過程で想起された数々の懸念と疑問を河村市長御自身に問うことで、三鷹市民や私の頭の中に、まだぼんやりとしか立ち上がっていない三鷹駅前南口の将来像に輪郭と彩りを添えることを試みます。河村市長、御協力をどうぞよろしくお願いいたします。
 ただし、残念ながら、ひとりぼっち会派の私には、数多くの懸念と疑問の全てをここで問う時間は与えられていません。思い切って質問を3つに絞りましたが、その拙い質問から河村市政に対する私の大きな期待が伝わるか不安です。これからの問いは、決して言葉尻をあげつらうものではありません。対立したいのでもありません。河村市長のまちづくりに関する考えが、職員や書き手にしっかりと浸透して書かれた言葉たちなのか、それとも消化不良のまま言語化されたものなのか、それらを土台としてこれから築き上げられていく事業計画は適切なものなのか、その手がかりを探るものです。この機会に改めて、河村市長御自身の言葉で、どうぞ丁寧に語り、それを待つ19万余の三鷹市民に向けて届けてください。
 では、質問に入りましょう。「百年の森」のまちづくり(三鷹駅前再開発事業コンセプトブック)を何度も読み返しました。その読後感を端的に申し上げるならば、残念ながら、三鷹駅前のまち並みに対する愛情と敬意の欠如です。それは何か所にもわたって顕在化していますが、ここでは象徴的な1ページ目の表記についてのみ取り上げます。そこにはどこかのまち並みを鳥瞰したイラスト図で、現在とこれからが記されています。そして、現在のイラストには、次の2つのキャプションが付されています。「建物空間にゆとりがない」、「無機質で冷たいイメージ」、イラストは極端に簡略化、一般化されていますが、キャプションはこのページの趣旨からいっても文脈からいっても、決して一般論ではなく、三鷹駅前のまち並みを指し示しての言葉であることは明らかです。さらには三鷹駅前地区まちづくり基本構想、この29ページにも、三鷹駅前に対し、「圧迫感のある従来のまち並み」という表現が当然のように記されていますので、よほど強い嫌悪感をお持ちなのでしょう。
 しかし、三鷹市政は、これまでのまちづくりに長年にわたって強大な権力を持ち、様々な規制をかけ、市民の多大な協力を得て、一貫して主導的な役割を果たしてきたはずです。その三鷹市政自身がこれらの言葉を使うことには、どのような意思が働いているのでしょうか、どのような意味が生まれるのでしょうか。現在のまち並みをつくり上げた責任から忌避してはいませんか。さらには、再開発に前のめりになるあまり、現在の三鷹駅南口のまち並みに対する愛情と敬意を忘れてはいませんか。私を含め、今の三鷹駅前のまち並みを愛する多くの人に、三鷹市政が発する前述の言葉はどのように届くのか、想像してみてください。
 そこで、1つ目の質問では、河村市長御自身の三鷹駅前の現在のまち並みに対する思いを改めて伺うとともに、その思いと、「無機質で冷たいイメージ」、「圧迫感のある従来のまち並み」、これらの言葉との整合性をお尋ねします。
 時間がありませんので、次の質問にまいりましょう。最近私の手元に届いた都市整備部と都市再生部が編さんした「事業の概要 令和5年度版」を読みました。その187ページの三鷹駅前地区再開発の推進についての中で、現状課題が幾つも記されています。時間の都合上、ここではその筆頭に記された課題についてしか伺いません。そこには、三鷹駅前地区を取り巻く環境は、東八道路への大型ロードサイド店の進出による購買力の分散云々により厳しい局面が続いているとあります。これは三鷹駅前の課題という前提があるとはいえ、三鷹市全域の均衡ある発展や利便性の向上を図る三鷹市政自らが、購買力の市内での分散を課題の筆頭に掲げることがいいことなのか、甚だ疑問です。さらには、主に自家用車を利用するであろう東八道路の大型ロードサイド店に対する利用者ニーズと三鷹駅前でのニーズがどう競合するのか、私にはうまく想像できません。
 そこで、2つ目の質問です。もし、前述の購買力の市内での分散という現象を、三鷹市政自らが課題と位置づけるならば、三鷹駅前再開発で目指す買物需要の喚起やにぎわいの創出が、三鷹市内のほかの地域やほかの事業者からそれを奪うことになるという懸念はないのでしょうか。市内のほかの地域に分散した購買力を取り戻すものではなく、市外からの新たな需要を創出するということならば、そもそもこの現象を課題の筆頭に掲げることが適切なのか、その居心地の悪さを私は禁じ得ません。そこにどんな意図があるのか。あまりにも定型様式に過ぎるこの文章からは、私にはその真意を読み取ることができないため、河村市長の所見を伺う次第です。
 ここで、2つの質問に共通する私の懸念を申し上げます。狭義の意味で三鷹駅前再開発事業だけを取り出してみれば、それぞれの言葉や施策案は正しいものなのかもしれません。しかし、一歩引いて、三鷹市政全体を俯瞰してみましょう。例えば、時間を縦軸として見た場合に、これまで営々とつくり上げてきたまち並みとの整合性に矛盾はありませんか。例えば、市内各所の地域性を横軸として見た場合に、ほかの地域の発展やほかの事業との整合性に矛盾はありませんか。三鷹市政のあちらこちらに合成の誤謬が生じていないか、強い懸念を抱きます。
 その一方で、希望も持ち得ます。これらの誤謬を見つけ、固くなってしまった結び目を丁寧にほどき、三鷹市の将来像を改めて紡ぎ直していく先頭に立つのが、河村市長と副市長の役割です。そして、その困難なミッションに挑むことに、異例の副市長3人体制が大いに機能していることを三鷹市民が実感できたときに、副市長増員に関する条例案の提案作法に異議を唱えながらも、その人事権行使に賛成票を投じた私の行動に一定の是があったものと安堵します。
 そこで、3つ目、最後の質問です。異例の副市長3人体制を取っている河村市長の現在の任期末、令和8年度末の明確で検証可能な成果目標を御提示ください。異例の体制にふさわしい、意欲的でかつ野心的で、そしてそれは多くの三鷹市民と凡庸な新人議員である私が胸躍らせるような成果目標であることを心から期待しています。成果目標がまだ決まっていないなどとは言わないでください。目標というのは、体制を整えてから決めるものではありません。目標を決めてから、その達成に必要な体制を整えるのですから。自席での追加質問の時間はあまり多くは残していませんので、丁寧で明快な答弁をお願いいたします。それは私に向けたものではなく、三鷹市民に向けた河村市長御自身の言葉として、心を込めて語ってください。そして、いつものように、チャーミングにユーモラスに語ってください。
 以上で私の壇上での質問を終えます。私がこの質問原稿を上手に読み上げ、幾ばくかの残り時間を残すことができたならば、河村市長の答弁に対して、自席で追加質問なり感想なりを述べたいものです。おしまい。
                〔市長 河村 孝さん 登壇〕


◯市長(河村 孝さん)  それでは、私から、質問の中で幾つか御答弁させていただきます。チャーミングに話すのはなかなか難しいんで御評価いただけないと思いますが、誠実にお答えさせていただきたいというふうに思います。
 まず、質問の1、三鷹駅前の現在のまち並みに対する思いについて、質問の2、「百年の森」まちづくり(三鷹駅前再開発事業コンセプトブック)の記載についてでございます。
 三鷹駅前は三鷹の玄関口というふうに言われて久しいわけですが、現在のまち並みは、広い意味での三鷹市のもちろん財産だというふうに捉えています。なかなかまちに対する愛情表現というのは、人に対する愛情表現と同じように、理解してもらうのが難しいんだなというふうに改めて思いました。コンセプトブックを記載のとおり読むと、ああ、そういうふうに読む人もいるんだというふうに改めて思ったところです。
 なぜ無機質だとか、問題があるかのように表示されていたかというのは、恐らく三鷹駅前にまだまだ問題があるというふうに思っているからです。駅前地区は、玉川上水や風の散歩道、品川用水の形状を残すさくら通りなど、特色のある緑や水、歴史的資源のほか、文学者ゆかりの地として、いろんな魅力のある場所でございます。ただ、それと同時に、コンセプトブックの中で言おうとしていたことは、江戸時代に、江戸のまちのほうから火事で逃れてきた人たち、その人たちが新田開発を三鷹で行った。これは大体古い方は皆さん御存じだと思いますが、連雀地域だとか井口の辺りで、井口新田もそうですね、古い名称で、そういう新田開発が行われまして、それで短冊状にまち並みができてきたということなんですよね。それは農業をするには、新田開発で、そういう区分で新田を開発する人たちを集めてきたときには非常に有意義だったし、意味があるものでありました。それが住宅地として、現在残っているわけです。
 短冊状のまち並みというのはどういうものかというと、南北には非常に道ができているんだけれども、東西の道がないんです。それはきっと、恐らく江戸時代には田畑でありますから、東西になくても行き来はかなり自由だったんじゃないかというふうに思います。ところが住宅になって、歩行者が、南北は行けるけれども、東西に曲がろうとすると結構距離を持たなければいけない。それが実際にまちづくりにおいて不便を来している。例えば、子どもたちが通学路で使おうとするときに、ぐるっと回っていかなきゃいけないとか、そういうようなことが幾つもありまして、現在の三鷹の駅前を──そういう形のまちの区画ができている関係から、障害になってきているということなんです。
 ほとんど住宅地で、東西道路を──道路だけで抜くというのはほとんど不可能ですから、そうしますとある部分でどうしても必要だからということで東西道路を抜こうとすると、本当に10年以上かかってしまう。何らかの機会が、地権者の方にもないとなかなかできない。その課題を常に、学校関係者とかPTAとか地域の方からいただいてはいるんですけれども、それが大きな課題になっているので、再開発のときにも同じように、この機会に一気に解決したいという気持ちがあるがゆえに、そういう不便さに対して、10年以上職員が、1本のたかだかここからここまでぐらい、30メートルぐらいの道を抜くのに時間がかかって苦労していることが、きっとそういう蓄積が表現として、恐らく中泉議員さんにはちょっと引っかかるなというふうに思われたんじゃないかと思っています。
 恐らく古い方だとそういうことを読むと、そんなに引っかからないんです。だから、同じようにまちを変えたい、まちを変えなければいけないところもある。いいところも残しながら、でも変えなきゃいけないという、そういう視点に立ったときに、どこで引っかかるかという問題があって──申し訳ありません、私どもはあんまり引っかからなかったんです。それが議員さんの誤解を生んだようでございますので、申し訳ないなというふうに思っています。気持ちは、愛情があってのことであります。田んぼと今の住宅地の違いの中で、大きく変えていかなければいけない、そういうところが我々の問題意識の最初にあったということでございますので、ぜひ御理解いただきたいなというふうに思っています。
 それから、全部答えたいような気持ちもいっぱいなんですけれども、議員さんへの愛情があふれているわけじゃありませんが、ぜひいっぱい答えたいと思っていますが、あんまり私が答え過ぎるとまた問題がありますので、あともう一つだけお答えしておきます。
 最後の御質問にお答えします。副市長3人体制の成果目標についてということでございます。これは6月の定例議会でさんざん申し上げましたので、深くは言いませんけれども、端的に言いまして、成果目標として、これが副市長3人体制の中で絶対やりたいみたいなことで具体的に文言として表記されたものはございません。それは6月定例議会で、なぜ3人目が必要かということを申し上げたとおりでございます。私は、その自治体、自治体でやるべきことがあって、そのことについては、成果目標という意味でいうと、各部長と私の間では、成果目標を決めて、その目標について市長に約束をするという形で行っています。既にそういう意味で各部の中で、その組織構成に応じて、全部長が私に対してその成果を約束するという形態を取っております。そういう意味で、3人の副市長に対しても格別どうのこうのという話じゃなくて、重点目標をさらに捉える中で、副市長はそれぞれをさらに所管しているわけでありますから、3人の副市長が、その成果目標を自主的に私に対して約束しているという格好になると思います。
 特にこの3人体制にしたことによって、まさにその目標が少しでも早く、スピーディーに行われることが当然のこととして想定されるわけでありますから、私としては、3人目の副市長だけではなくて、3人の副市長全員が、私に対して目標を素早くスピーディーに実現すること、それがこの成果目標であるというふうに考えております。
 以上、私からの御答弁とさせていただきます。ありがとうございました。


◯都市再生部調整担当部長(向井研一さん)  市長の答弁に補足いたしまして、再開発事業に関連して、質問の3番目と4番目、3番目はロードサイド店の進出と三鷹駅前再開発について、4番目は三鷹駅前再開発で目指すものについてでございます。
 御指摘のロードサイド店の進出に係るこの記載については、購買力の分散のほか、市外商圏との競合、また地域間競争など、駅前地区の商業を取り巻く環境の厳しさが増しているということを表現したものでございます。駅前と東八道路の商業の在り方が違うということで、特徴があり、違いがあるということを表したものでございます。これは駅前のまちづくりのことだけを考えているものではなく、駅前再開発を契機に、駅前地区が市内外から人が集まるにぎわいの拠点となり、市内の各地域と連携を図りながら、その効果を駅前から市全体へ波及させていくことが必要だというふうに考えています。
 私からは以上です。


◯18番(中泉きよしさん)  ありがとうございます。市長の答弁、原稿答弁でつまらなかったですね。河村市長の答弁は、再質問に対する原稿なしのほうがずっといいものが出ますので、次のお答えに期待します。言い過ぎたり脱線したり、そして高ぶったりすることも含めてチャーミングという言い方をしましたので、改めて市長のこの事業にかける思いだとか、そうしたものを語ってください。私はそれを市長御自身の言葉で伺うために、3か月に一度しかもらえない、このたった1回の10分の時間を使っているんですが、原稿を読み上げて、はい、中泉議員、おしまいよということでは少し寂し過ぎますので、改めて市長の気持ちをお願いいたします。


◯市長(河村 孝さん)  何か新たに質問事項があるかと思いましたが、ないんですね。私が語ればいいんですね。いつも語り過ぎて怒られていますので、しゃべる時間が長いということになるかもしれませんが、私の言葉で言うと、といいますか、今言ったとおりですよ。この原稿を作るために──別に単に出てきた原稿を読んでいるわけじゃありませんから、何回も推敲しながら、また自分の言葉も入れながら作っているわけなので、ほとんど変わらないと思いますけれども。
 駅前はそういう意味で、御指摘のような点で、中泉さんが──私は誤解だと思っていますが、冷たいというお話について、そうではないということを申し上げさせていただいたつもりです。つまり、変えたいという思いがあって、それと現実のまち並み、歴史的なまち並みがある。それはもちろん愛すべきところもあるし、大事にしなきゃいけないところもあるけれども、そういう歴史的な経過を超えて、やっぱり変えていかなければいけない、未来に向けていいものにしていかなければいけないということをテーマにしたのが駅前の再開発でありますから、私は、これまでの歴史とも大きく変わっていない部分もありますし、また大きく変えなければいけないというところもあると。そういう意味で、ある部分、恐らく表現が行き過ぎたというふうに──というよりも、そういう誤解を生んでしまったなということは残念でたまりませんけれども、「百年の森」のまちづくりを目指すに当たりまして、これまでのまちを基礎としながらも、新しいものを目指していきたいというのが子どもの森の構想でございます。
 私は結果的に、今の駅前の再開発というのは、三鷹の背丈に合ったものになって、結果的に──今のいろいろな経済的な危機に御懸念をいただく議員さんも、この前に質問された議員さんもいらっしゃいましたけれども、そういう意味では、超高層のマンションとか、そういうものを目指すのではない、三鷹なりの緑にあふれたまち並みの再開発というのは、私はこれこそが新しい時代に即した再開発だというふうに思っていますので、これは大事にしていかなければいけないというふうに思っているわけでございます。


◯議長(伊藤俊明さん)  以上で中泉きよしさんの質問を終わります。
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◯議長(伊藤俊明さん)  次の通告者、19番 蛯澤征剛さん、登壇願います。
               〔19番 蛯澤征剛さん 登壇〕


◯19番(蛯澤征剛さん)  議長より御指名がありましたので、通告に従い質問をさせていただきます。よろしくお願いします。
 人権基本条例(仮称)の制定に向けた取組についてお伺いします。
 令和5年6月に開かれました総務委員会において、人権基本条例(仮称)の制定に向けた基本的な考え方が示されました。この考え方の趣旨には、条例制定に向けての背景として、三鷹市が基本構想の基本理念に人権の尊重を位置づけ、人間の尊厳、自由、平等などの実現に向けて率先行動に努めてきたことに加え、全ての個人の尊厳が守られる社会は、いまだ途上の段階にあると示されていました。人権に関わる差別問題はあってはならないことであり、憲法14条には「すべて国民は、法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない」と定められています。このように人権に関わる問題は憲法にも明記されていますが、三鷹市が独自にこの条例を制定しようとしている背景やこれまでの取組、人権課題について三鷹市がどのような認識を持っているかという視点から質問をさせていただきます。
 人権基本条例(仮称)の制定に向けての経緯や課題について。
 質問1、昨今、全国の自治体において、人権に関する条例が制定され、それぞれの地域の課題を背景とした解決に向けた取組がなされています。三鷹市においては、具体的にどのような背景や事例があり、どのような議論の末に条例を制定する方向性に至ったのか、伺います。
 質問2、総務委員会で配付された資料の3、個人の人権課題への対応の中で示されている当事者や関係団体へのヒアリング、ワークショップやパブリックコメントなどにより、幅広く意見を聞きながら、個人の人権課題を的確に捉えとありましたが、具体的にどのような課題が明るみになったのか、伺います。
 質問3、政府統計の全国人権相談の総件数は年々減少傾向にあります。三鷹市の現状については、令和4年度の「市民相談のあゆみ」の報告によると、三鷹市の人権・身の上相談件数は、平成30年は15件、令和元年は9件、令和2年はゼロ件、令和3年度は4件、令和4年度は6件となっています。もちろん人権課題は数の問題ではなく、早急に解決すべき問題であり、この数値は氷山の一角にすぎないとも言えます。しかしながら、この現状を踏まえた上では、条例を制定して人権課題に取り組むよりも、月に1回、第3水曜日のみの市の相談窓口の拡充や、個別案件の対応の充実に努めたほうがよいのではないかと考えますが、市の見解を伺います。
 質問4、今回の条例制定について、多くの市民に周知が行き届いていない印象があります。ワークショップやパブリックコメントだけでは、一部の限られた方のみの参加で、市民の多様な意見を聞くことが難しいと感じます。実際にこの条例の取組について市民に尋ねてみると、全く知らないと答える方が多くいらっしゃいました。もっと多くの市民に周知徹底するべきだと考えますが、市の見解を伺います。
 質問5、昨年度の8月27日行われました市民ワークショップの意見の中には、制度があっても差別や偏見がなくならないという実感があるとの意見がありました。ワークショップの中では少数意見ではあるものの、同じような考えを持っておられる方はほかにもいると予想されます。条例を制定することによる影響や効果をどのように認識しているか、市の見解を伺います。
 質問6、今回の条例の骨格案では、市民や事業者への責務や権利侵害の禁止などの文言が記載されています。冒頭でも述べましたとおり、そもそも憲法において、差別されないという人権に関する規定が示されています。今回、条例を制定しなければならない合理的な理由、条例を制定しなければできない具体的な政策があるのか、市の見解を伺います。
 以上で壇上での質問を終わります。自席での再質問を留保します。御答弁のほどよろしくお願いいたします。
                〔市長 河村 孝さん 登壇〕


◯市長(河村 孝さん)  それでは、私のほうから幾つか御答弁させていただきます。
 まず、質問の1、人権基本条例(仮称)の制定に向けての背景や経緯についてでございます。人権につきましては、御質問議員もおっしゃっていたように、日本国憲法にも定められておりますし、世界人権宣言の基本理念にも、もちろんこのことが権利として尊重されるものだということで記されているものでございます。その中で、なぜこれが課題になってきたか、三鷹の中でということは、私は、この時代の中で、権利が守られていない、人権が守られていない状況があらわになってきた部分があるというふうなことは、以前からも申し上げています。
 例えばそれは、子どもの貧困という問題でございます。私が副市長時代とか企画部長時代、10年、20年前であると、子どもの貧困というのは、日本ではそんなにテーマにならなかったです。子どもの問題は大事です。でも、貧困の問題って、子どもの貧困という形でくくられる形でのカテゴライズされた領域というのはあまり意識されていなかった。子どもの問題であればいじめの問題とか、そういうことは三鷹の中では言われていましたけれども、そしてまたそのための憲章がつくられてきた経過もございましたけれども、貧困の問題、これが人権の問題であるということで意識されるようなことはなかった。ヤングケアラーの問題もそうですよね。ちょっと私も若干古い人間になりつつあるので、最初ちょっと面食らったところもありますけれども、本当にそういうことが現実にあるんだなと。市内でも、子ども食堂というのはどんどんできてきましたし、フードバンクみたいなものも出てきました。これは新しい課題であるというふうに思いました。
 そして、超高齢化社会になるにつれて、認知症高齢者もたくさん出てきました。もちろん長寿は別に悪いことでも何でもない、とてもおめでたいことなわけですけれども、長寿に応じてどんどん認知症になっていく、そういうふうに全ての人がなっちゃうかもしれないという、これも大きな課題として考えています。
 現在、私──これは以前の坂本市長ぐらいから始めていると思いますが、長寿者回りというのがあるんですが、それが70代から始まって、だんだんと全部回り切れないので、どんどん年齢が上になってきて、今では99歳以上ですよ。99歳、100歳以上の方のお誕生日月に市長が回るんです。そのときにお祝いを持っていくというふうになっているんですけれども、そういうことが──1950年代の日本の全国の100歳以上の人の数が、今、三鷹市1市でほとんど同じぐらいになっています。全国がですよ、三鷹1市になっている。そのぐらい99歳以上でもたくさんの方がいらっしゃる、そういう状況です。もちろん全員を回っているわけじゃなくて、御希望があるところを回っているということでありますから、しかもこの間はコロナがありましたから、かなり抑制的な感じになっていますけれども、そういう意味で、認知症高齢者に対する人権問題というのは、やはりこれはたくさんあるというふうに思っています。
 日本では、全体としてはLGBTの関係での人権問題というのはあるんですけれども、三鷹の場合には潜在化しているのがほとんどだと思いますので、私はそういうグループとお会いしたことはありますけれども、その方たちが言っていた言葉の中で──これは3つ目ですけれどもね、人権問題だなというふうに思いました。ただ、普通、我々はなかなか分からない。自分の名前で呼ばれると、例えば男であれば男名で呼ばれると、自分が女性だと思っている方にとってはすごく苦痛である。窓口で自分の名前を呼ばれるだけで吐き気がしてくる。そういう話を聞いたときに、やっぱりこれも人権問題として、大変複雑でありますけれども、考えていかなければいけないと。人権問題というのは、憲法で決まっているから解決できるはずだとかということではなくて、かなり皆さん、生活するところに近い基礎自治体が真剣になって取り組むべき課題だというふうに思って、この課題を挙げているところでございます。
 1つで終わらないことで、御質問でもございましたけれども、じゃあ具体的に何をするのかということとセットでもありますけれども、同時に理念的な方向を定めて解決していくんだと、こういう方向に行くんだという、そういうことを高らかに掲げて、自治体自体をそういう形で縛っていくといいますかね、監視していくと、そういう条例というのは必ず必要だというふうに私は思っています。そうでなければやすきについてしまいますので、自治体が何もしないということは、やっぱり市民生活にとってはよくないことだというふうに思っています。ということで、それらのことを体系的に条例化していくことが、あるいは順番に条例化していくことが私は必要だというふうに思っていますので、現在、取組を様々な形で始めているところでございます。
 私からは以上でございます。ありがとうございました。


◯企画部長(石坂和也さん)  私からは市長の答弁に補足いたしまして、順次お答えいたします。
 まず、質問の2点目、これまでの取組で明らかになった人権課題についてでございます。人権に関する課題等を把握するため、これまで各審議会にて御意見をお伺いするとともに、人権擁護委員の皆様をはじめ、性的マイノリティーや外国籍市民の当事者の皆様など、合計15以上の関係団体の皆様に御協力いただき、条例に期待することや、生活の中で感じた人権課題などをお聞きしてまいりました。ヒアリングを通しまして、偏見や差別を解消すること、あらゆるハラスメントを解消すること、アウティングやカミングアウトを禁止することなど、共通課題を補足し、骨格案に反映することといたしました。
 続きまして、1つ飛びまして質問の4点目、条例制定に向けた周知徹底についてでございます。市では人権基本条例(仮称)の制定に当たり、検討のプロセスを市民の皆様と共有することで、社会全体の意識を高め、多くの皆様の理解と共感を得られるように取組を進めてきたところでございます。昨年度に開催した市民ワークショップ、条例制定に向けた取組状況のホームページでの公開、骨格案に対する市民アンケートの実施のほか、マチコエの活動を通じた市民参加など、これまで幅広く市民の意見を聞きながら、その過程で周知に努めてきたところでございます。
 今後は、市民の皆様の声を聞く段階を終えて、行政として責任を持って条例案を作成し、市議会の皆様と意見を交わし、パブリックコメントを経て最終案を取りまとめていきたいと思いますが、こうしたプロセスの中でも、やはり市民の皆様への周知に努めてまいりたいと考えております。なお、市民の皆様により深く条例を御理解いただく機会といたしまして、今後、専門家によるフォーラムの開催を予定しております。
 続きまして、質問の5点目と6点目、条例制定による影響や効果、条例制定しなければならない理由については、関連いたしますので一括して答弁をいたします。
 今後、制定を目指しています条例は、人権に関する基本条例と位置づけております。具体的な政策を盛り込むのでなく、これまでの人権を尊重したまちづくりを基礎といたしまして、三鷹市が取り組む各施策に通底する人権に関する理念や方向性を明確にする指針となるものでございます。その性質から、条例制定後すぐに効果が現れるものではないと認識をしております。条例制定は、多様性を認め合い、お互いに思いやることで、人権を尊重する意識を社会全体に浸透させていく1つの契機になる、そういうふうに捉えてございます。また、相談などの救済措置のほか、継続的な周知啓発活動を通して、誰もが安心して暮らしやすいまち三鷹を目指し、取組を進めていきたいと考えているところでございます。
 私からは以上です。


◯総務部長(高松真也さん)  私からは市長の答弁に補足をいたしまして、質問の3、人権・身の上相談の拡充や、個別案件の対応の充実についてお答えをいたします。
 人権擁護委員の皆様によります人権・身の上相談につきましては、定期相談として、毎月第3水曜日に相談日を設けますとともに、特設相談を年2回実施をしております。ここ数年、御指摘のとおり、相談件数が減少した要因としましては、感染症の影響によりまして、相談窓口の開設を見合わせた時期があるようなこと、また市イベント等での人権啓発活動を通じました周知を行うことが困難であったことなども影響しているかと考えているところでございます。三鷹市におけます人権に関する相談については、人権・身の上相談のほかにも、男女平等参画相談、DV・ストーカー等女性に関する相談など、各担当課におきましても専門相談を実施しておりますので、相談内容によりまして適宜御案内するなど、個別案件に丁寧に対応しているところでございます。
 人権・身の上相談の充実につきましては、今後も広報や人権啓発活動などを通じてさらなる周知を図るとともに、引き続き御相談の内容に応じまして、適宜適切な相談窓口を御案内するなど、関係部署とも連携を図りながら、相談者の御要望にお応えできるよう、取組を進めてまいりたいと考えております。
 答弁は以上です。


◯19番(蛯澤征剛さん)  御答弁ありがとうございます。幾つか再質問をさせてください。
 市長の答弁でありました、子どもの貧困という言葉が出てきたんですけれども、子どもの貧困とは具体的にどのような状態なのか、教えていただけますでしょうか。


◯市長(河村 孝さん)  こういう用語なんで、ちょっと子どもが貧困なんじゃなくて、子どもを取り囲む様々な家庭環境等が貧困な状態にあって、例えば食事ができないとか、あるいは子どもに対する親の──ヤングケアラーで言われるようなことも全て入ると思いますが、子どもにとって環境の面、教育とか、そういう面も含めまして貧困な状況にあるというのが、この間あらわになってきたことだというふうに思っています。
 例示的に言うと、例えば学校給食が中止になって、学校が休校になって、昼間の昼食というのをその休業期間に三鷹市で出すことにしたんですが、これも議会の中で以前御答弁させていただきましたが、昼御飯を食べないと、つまり学校給食がないと、1日の食事も満足にできない子どもたちがたくさんいたということが、休業しているときに、私どものほうで知ることができたということなんです。食事もちゃんと食べられない、あるいは食べ方自体教わってない。手でつかんで食べてしまうみたいなことが、実は学校の給食の現場で見えない形で進行していて、そのとき発見されたこともあるんでしょうけれども、私が知ることになったのは、その時期ではございました。そういう意味で、子どもの貧困という言葉でくくられて現在一般に言われていますけれども、そういうこと全体のことを指すんだというふうに私は思っています。


◯19番(蛯澤征剛さん)  ありがとうございます。子どもの貧困と一言で言っても、多分いろんなケースがあるとは思いますが、今お話にあったような、給食しか栄養源がないというようなことが明るみになったのは、恐らく3年ぐらい前だと思われます。これは、恐らく給食以外で食事が取れないということは、いわゆるネグレクトに当たる、これも人権侵害に当たると思うんですけれども、3年前に分かったということは、この条例を制定してどうにかするというよりも、まず先にそちらの対応をするべきじゃないのかなというふうに私は思って、今回の人権基本条例について少し疑問を抱いているところです。今おっしゃられた子どもの貧困に対する対策というのは、3年間なされてこなかったんでしょうか。


◯市長(河村 孝さん)  いや、ですから、子どもに対する食事の問題、それから様々な虐待の問題、それぞれやっているわけですよ。ですから、それを統合して人権の問題として、今回条例の中でも位置づけて、さらにその方向性を強めていこうというふうに考えているということでございます。この3年間何もやってなかったということはないです。


◯19番(蛯澤征剛さん)  それはこの条例を制定しないとできない政策なんでしょうか。


◯市長(河村 孝さん)  条例を制定しなければできないということじゃないですよ、一つ一つのことはね。ただ、全体の方向性について、行政はそういうことをしなければいけないとか、あるいは市民はこれは責務ですとか、事業者はこういうことをやりましょうとか、例えばそういうことであるとすれば、全体として三鷹のまちはそういうことを目指すんだということを明確にするのが条例なんじゃないでしょうか。行政がただやろうと思ったら、行政の計画の中で位置づける、あるいは予算の中で、議会に認めていただいて事業化を進めるということは、個別にはもちろんできるんです。じゃあ、条例は何でつくるかといったら、それは長期的な方向性もそれで体系的にやっていくんだという、そういうことの意思表示だというふうに私は思っています。そこに議会の皆さんが条例を可決していただければ、そういう形で市全体が動き出すということがあると思います。
 そういう意味で、先ほど企画部長の答弁の中でも、即効性がある場合とそうじゃない場合があります。例えば、相談窓口をつくるということを条例化した場合には、単純に相談窓口を事業としてやるんであれば、単発的にはできるんです。でも、それが継続的に、必ず三鷹市というのはそういうものをつくっていくんだ、そういう相談窓口をつくるんだということになれば、市長が私であろうがなかろうが、その条例が生きている限り、必ずやそういう形になっていくわけです。職員も含めてそういう体制で動いていく、それが条例化の持っている意味だというふうに思っていますから、私は条例化は必要だというふうに、この人権に関しては思っているということでございます。


◯19番(蛯澤征剛さん)  先ほど、この基本条例は、理念や方向性を示すものだというふうにお話があったと思うんですけど、実際には禁止などのかなり強い条件がついています。今、意思表示というふうにおっしゃいましたけど、ちょっとこの辺りが、私は懸念をしているところです。
 ちょっと最後に意見を述べて終わりたいと思うんですけれども、先ほど市長は、この条例で縛るとか監視という言葉をお使いになりました。骨格案の中には市民の責務の中に、人権侵害の早期発見への協力という文言が組み込まれています。これ、つまり市長のおっしゃるとおり、縛るとか監視につながるんじゃないのかなと私は懸念しておりまして、これらによってお互いあら探しのようになって、余計に人間関係がぎくしゃくしてしまうのではないかというふうな、私は懸念を抱いております。
 そして、人権課題を解決するためには、私は必ずしも条例が必要だとは思いません。決まりや責務を押しつけても、人の心は変わらないと私は思っております。時間はかかるかもしれませんけれども、本当に人権に関する理念の共有や、それから学校教育の充実に努めることが私は最善だと考えております。これは意見です。
 以上で一般質問を終わります。


◯議長(伊藤俊明さん)  以上で蛯澤征剛さんの質問を終わります。
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◯議長(伊藤俊明さん)  次の通告者、7番 原めぐみさんにつきましては、都合により、質問通告の全部を撤回する旨、議長宛てに申出がありましたので、さよう御了承願います。
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◯議長(伊藤俊明さん)  次の通告者、6番 山田さとみさん、登壇願います。
               〔6番 山田さとみさん 登壇〕


◯6番(山田さとみさん)  市民との「協働」から「共創」への取組について伺います。
 参加型評価の導入について伺います。
 令和5年7月8日、三鷹市市民参加でまちづくり協議会(マチコエ)から政策提案の提出がありました。大変意欲的な活動と、その成果として極めて有意義な政策提言が多くなされました。その中では、今後の市民協働についての政策提案もあり、私は大きく3つのポイントがあると捉えています。
 1点目は、市民が参加する機会をつくり続けてほしい、新たな協議会を設置したいといった、今後も市民協働の継続を求める御提案です。2点目は、新たな市民協働の仕組みづくりの方向性についてです。各団体の役割を明確化し、それぞれの団体の強みを生かし、全体として大きな方向性に向かうことでスピードアップを達成したい。各地区、団体が継続的に活動している小旗の風が、日頃からの結びつきで大きな風になるよう、戦略的に仕掛けていく。三鷹という土台で各セクターが有機的につながり、市民、行政、企業、大学など、地域に関係する人々が共につくり上げる共創を通じて、なりたい姿の実現を目指したいといった、行政と市民、団体との有機的、継続的なつながりを重視する御提案です。3点目は、あるべき姿と現実のギャップについて、市民からも見えるようにし、具体的な進捗を行政、関係者、市民がチェック、共有できるようにするといった、市民が行政の施策を理解し、適切にチェックできる分かりやすい評価制度の導入の提案です。
 市は提言をしっかりと受け止め、市民協働の仕組みを強化していくべきです。マチコエの御提案は、様々なバックグラウンドを持つ参加者が共通の社会課題解決のために協働して取り組む、コレクティブインパクトを目指すものと言えます。
 このようなお声を実現していくためには、継続的な市民参加の取組を行っていく必要があり、そのためには協働促進役となる職員を育成、配置することが必要と考えますが、見解を伺います。
 次は、先ほど述べた3つ目のポイントである、市民が行政の施策を理解し、適切にチェックできる分かりやすい評価制度の導入について伺います。
 これまでの事業評価は、主に市の職員が指標を設定していたと考えますが、市民参加を強化する観点から、参加型評価の取組が有効と考えます。これは市民、三鷹市行政をはじめ、共に汗をかいてくださる地域の利害関係者でワークショップを行い、アウトカムの設定も含めて協働し、政策やプログラムの改善について共にPDCAを回していく評価の手法です。
 兵庫県豊岡市では、2013年度から、行政評価に参加型評価を活用した協働型プログラム評価を導入しています。この評価方法は、ロジックモデルの手法を用いて、目指す姿(アウトカム)を明確にした上で、目的達成に強い因果関係を持つ手段を選択して体系化し、体系そのものをPDCAサイクルで検証していきます。豊岡市では、このロジックモデルの手法を基本構想、地方創生総合戦略、行財政改革大綱、老人福祉計画・介護保険事業計画など、多様な計画に盛り込んでいます。
 この参加型評価、協働型プログラムの評価のこれまでと異なる点は、市民が目標設定から参加することで継続的な協力が期待できる、市民が指標をつくるので市民も理解しやすい指標になる、行政の縦割りを打破した政策に取り組むことができる、現場の実践知を政策に盛り込むことができる、多様な利害関係者が一堂に会し議論をすることでお互いの理解が深まり横の連携が深まるなどであり、市民参加の質の向上が期待できます。
 三鷹市の行政評価において、三鷹市民への説明責任を果たす観点から、事業評価の分かりやすさの向上や、市と市民と協働して設定したアウトカムを達成できたのかという視点でPDCAを回していくツールとして、参加型評価を導入すべきです。
 令和2年8月の三鷹市議会総務委員会において、当時の企画部長は、目標指標についてはアウトカムをどのように表現するか、あるいは基本計画における目標指標とどのように関連づけるかなど、幾つかの課題がある。この点は、第5次基本計画の策定に向けた検討の中で整理していきたいと説明しています。三鷹市は、第5次基本計画の策定に向けた検討の中で、評価の手法についてどのような検討を重ねてきているのか、伺います。あわせて、共創型の市民協働の手法である参加型評価を導入すべきと考えますが、見解を伺います。
 発達支援施策への参加型評価導入について伺います。
 この参加型評価を発達支援の取組に導入している自治体として、千葉県習志野市があります。習志野市では、市民との協働によるソーシャルインクルージョンの理念に基づく市の発達支援施策を推進することを目的として、保護者、町会・自治会、学識経験者、障がい者団体の構成員、障がい者地域共生協議会の委員、市職員などが構成員となり、習志野市市民協働こども発達支援推進協議会を設置し、発達支援施策に関するロジックモデルを策定しています。
 これまで発達支援について一般質問をしてきましたが、令和4年第4回定例会では、保育所等訪問支援事業について、私立の保育所、幼稚園ともさらに連携を進め、地域で育つ子どもたちのよりよい育ちにつなげていくべきと求めました。市長は、子ども発達支援センターに関して、何らかの形でさらにノウハウを積み重ねて、横展開もできるようにしていきたいと思っていると答弁されました。さらに子ども政策部長から、学校と子ども発達支援センターを含めた就学前の施設、そして保護者の3者が連携を図り、学校で取り組めること、家庭で取り組めることを具体的に共有しながら進めていくことが有効である。地域の多様な主体の参画と協働による子ども・子育て支援施策の推進に取り組んでいくと答弁がありました。
 令和5年第1回定例会では、三鷹市、三鷹市教育委員会の発達支援施策において、福祉と教育の縦割りによる弊害が生じている点について指摘し、連携の強化を求めました。教育長からは、関係諸機関と引き続き密に連携を図っていくと答弁がありました。
 このように、市側からは様々な答弁をいただいてきましたが、地域全体で発達支援に取り組むという視点では、十分な進展が見られていないと考えます。今後は、さらに市長部局と教育委員会の連携を深めるとともに、発達に課題感を抱えているお子さんを取り巻く地域の利害関係者とも連携を深めていくべきです。三鷹市全体で大きな一歩を踏み出すためには、参加型評価を発達支援の取組に導入すべきと考えます。
 三鷹市においても、発達に課題感を抱えているお子さんを地域全体で支援していくため、利害関係者を洗い出し、例えば、当事者、子ども発達支援センター、障がい者支援課、教育委員会、小・中学校の教員、地域子どもクラブ、幼稚園、保育園、町会・自治会など、三鷹市の地域全体で発達障がいのお子さんと関わる利害関係者で構成する協議会を設置し、参加型評価を実施すべきと考えますが、見解を伺います。
 同様のことについて、教育長にも伺います。
 御答弁のほどよろしくお願いいたします。
                〔市長 河村 孝さん 登壇〕


◯市長(河村 孝さん)  それでは、私のほうから御答弁申し上げます。
 継続的な市民参加の取組、協働促進役となる職員の育成及び配置という御質問がございました。7月にマチコエから提出されました政策提案では、マチコエのような市民参加の取組の継続、協働の取組に対する提案を幾つかいただいております。マチコエは基本構想改正や基本計画策定に向けた新たな市民参加の取組として実施したものでございますが、今後も様々な場面で市民の皆さんの声を聞く機会を想定しております。これからまた続けたいという方もいらっしゃいますし、ここでやめるという方もいらっしゃいますから、いろいろ議論をしていきたいというふうに思っています。
 また、協働についても、多様な主体が目標を共有いたしまして、相互に連携、協力しながらまちづくりを進めるもので、市民参加と同様に、まちづくりには欠かせないものとなっております。まちのあるべき姿を多様な主体と共有し、それぞれの役割を明確にして分担しながら、対等なパートナーシップの下で協働のまちづくりを進めていくためには、多様な資源をつなぐコーディネーター役としての職員の役割が重要となります。単なる事務局ではなくて、それらを結んでいく職員というのはそれなりの素質といいますか役割になってきますので、そういう意味で、異動で単にそこに来たというんではなくて、学習をしながら学んでいく必要性があるというふうに考えております。
 と同時に、参加と協働を一体的に進めていくために、推進体制の整備など、つまりその職員を孤立させない全体、全庁的な体制づくり、組織づくりも検討が必要となっていきます。マチコエ後の新たな協働の在り方、市民参加の在り方について、まだ結論が出ているわけじゃありませんけれども、市民の皆さんの声を聞きながら、在り方について深めていきたいというふうに考えております。
 私からは以上でございます。ありがとうございました。


◯教育長(貝ノ瀬滋さん)  では、私からは、発達支援施策への参加型評価の導入についてお答えをいたします。
 三鷹市では、教育支援プランを平成19年に策定したときから、障がいのある子もない子も、学校、家庭、地域の力を得て、次代を担う人として心豊かに育っていくことを支援していくという理念を掲げています。また、発達に課題のあるお子さんを地域全体で支援していくためには、学校と家庭だけではなくて、地域の理解ですとか協力が不可欠であるというふうに考えています。そのための、今、お話のように、利害関係者のネットワークというのは非常に重要だというふうに受け止めました。現在、教育委員会では、教育支援推進委員会を設置しまして、関係者の御意見をいただく機会を設けてはいますが、一方で、入学前の児童・生徒の保護者など、関係者や地域の方のお考えをお聞きするためには、既存の委員会では十分ではないというふうに考えておりますので、御提案のように、地域全体で発達障がいの子どもと関わる利害関係者で構成される協議会の設置につきましては、屋上屋を重ねることなく、実効性のあるものとすれば、大いに期待ができるものというふうに考えております。
 私からは以上です。


◯企画部長(石坂和也さん)  私からは市長の答弁に補足いたしまして、質問の2点目、事業評価手法の検討状況についてお答えいたします。
 アウトカム指標は、施策を実施することでどのような効果が生じるかを測定するものといたしまして、定期的に行っている市民満足度調査と連動する形で設定することを考えているところでございます。複数の事業の効果が施策全体に及び、満足度となって現れることで、アウトカムを捉えることとしております。その一方で、アウトプット指標につきましては、施策全体の効果を上げるために個別事業が着実に進捗しているかを評価するための数値指標となります。第5次三鷹市基本計画の策定に当たりましては、アウトカムとアウトプットの両指標を組み合わせて設定することによりまして、単年度ごと、そして計画期間における進捗や効果を明らかにし、まちづくりに反映していきたいと考えております。
 参加型評価につきましては、市民協働の視点で有効な手法と思われますが、基本計画は広範囲に及ぶ総合計画で、短期間での策定が求められることから、運用面でも課題があるものと捉えております。個別の分野での導入が可能かどうか、他市の事例も参考にしながら検討を深めていきたいと考えております。
 私からは以上です。


◯子ども政策部長(秋山慎一さん)  では、市長の答弁に補足をいたしまして、3点目の御質問、発達支援施策への参加型評価の導入についてお答えをいたします。
 御質問にありました参加型評価の手法は、多様な利害関係者が一堂に会し議論することで、お互いの理解が深まり、横の連携が深まる点が特に優れているということでございますので、そうした点では、発達に課題があったり、障がいがあるお子さんをその家族が暮らす地域による理解と支援により支えていく障がい児支援施策とは、親和性の高い評価手法であるというふうに考えております。三鷹市にも現在、子どもや障がい者の施策に御意見をいただく市民会議や審議会などがございますが、これらは行政や学識経験者、また関係団体の代表者により構成されているところでございます。地域における障がい児支援のさらなる充実のため、当事者の生活の場である地域社会を支える町会や自治会関係者、また直接の利害関係者の参加を求めるという視点はこれまで持ち合わせてこなかったため、御提案いただいた手法などにつきましては、例示のありました実際の事例などを参考にしながら、今後研究をしてまいります。
 答弁は以上です。


◯6番(山田さとみさん)  御答弁ありがとうございます。全体的に前向きに検討していただけるんだなというふうに捉えました。本当にありがとうございます。順次、再質問させていただきます。
 第5次基本計画の中での参加型評価の導入について、全て網羅的なので難しいというふうにおっしゃいました。部分的に個別分野で検討していくという御答弁をいただきました。私も、そうであれば部分的に取り入れていただければなというふうに思っています。
 この部分的というのは、2つの論点があります。1点目は、この参加型評価の導入については、最初は特定の政策から始めてみるのはいかがかなと思っています。例えば、市長肝煎りの重点政策であったりとか、多様なセクターの協働が不可欠なヒューマンサービスの分野の政策などから始めてみて、徐々に、参加型評価を導入することが効果的と考えられる政策に徐々に取り入れていくということを提案しますが、見解を伺います。
 2点目についても一気に聞きたいと思います。2点目の論点としては、第5次基本計画の中で、参加型評価の評価手法の一部を取り入れるということです。具体的に申し上げますと、先ほど申し上げたマチコエの今後の市民協働についての政策提案の3つ目のポイントです。ポイントの3つ目、市民が行政の施策を理解し、適切にチェックできる分かりやすい評価制度、つまり市民への説明責任、アカウンタビリティーを高めるための評価制度という視点で、参加型評価の中でツールとして使っているロジックモデルを評価制度に取り入れるということです。第5次基本計画について、もしくは個別事業でも構わないんですけれども、今後、職員と市民が同じ目線で評価を行えるように、計画が目標達成するに至るまでの論理的な関係を体系的に図式化することを提案します。
 この図式は、目指したい社会の変化、状態である、上位目的である最終アウトカムを設定した上で、それを達成するために必要となる戦略──作戦の中間的成果ですね、作戦の目的となる中間アウトカムを設定し、中間的成果を達成するために必要な活動──アウトプットです、の達成によりもたらされる直接的な変化、プログラムの手段である直接アウトカムを設定し、直接アウトカムに貢献する個別施策を設定し、三鷹市が何を目指していて、どのような作戦を立てて、どのような施策につながっているのか一目で理解することが、市民への説明責任、アカウンタビリティーを向上することにつながると考えますが、見解を伺います。


◯市長(河村 孝さん)  現在やっている市民参加でまちづくり協議会のマチコエというのは、分かりやすく言うと、市長が事業を実行する前に市民の皆さんの意見を聞いて、それを職員にも参加してもらって一緒の計画をつくって、そしてまたそれを評価してもらいながら実行に移すという方法ですけれども、基本的に私はこの市民参加というのは、選挙というのが一番の政治的な分野でございますけれども、この評価の仕組みの根本にあるというふうに思っています。ですから、行政の段階で、そんなに詳しくしちゃうことがいいのかどうか。その結果責任は、議員の皆さんもそうですし、選挙で選ばれる市長も同じように、市民の方に理解してもらわなければ評価してもらえないわけでございますから、そういう意味で、基本は選挙であるというふうに思っています。これが民主主義の根幹であって、私どもが市民参加で事業を行う、あるいは計画をつくるということの根底は、選挙がある中で、市長はそれなりの権限を、あるいは議会の皆さんも分任しているわけではございますけれども、特に行政の場をつかさどっている市長というのは、それなりに権限──というよりも、事業そのものが膨大にあるわけですよね。ですから、私どもがというか私が常に考えなければいけないのは、選挙でどうなったかということで、全てのことが市民の皆さんから任せられているわけではない。そのことを肝に銘ずるべきでございまして、市民の皆さんから委ねられた権限で事業を執行するに当たって、個別の細かい分野については、それなりの、やはり市民の皆さんの御意見を聞いたりすることが重要であるというような立場で、市民参加、協働というものを行ってきている、そういうふうに思っています。
 そういう意味で、やらなければいけないことが行政というのはたくさんありますから、したがって、先ほどの議員さんの御指摘でいえば、様々な分野でやっていかないといけない。そうじゃないと、抽象的な話でやっていっても、なかなか市民の皆さんは個別の自分の生活の中でぴんとこないんですよね。意欲が湧いてこない。やっぱり自分のまちのこの範囲の中で、あるいはこの分野のことについてはすごく真剣になるというのが、当たり前の普通の人間の姿でありますから、そういう分野ごとで、御指摘のあったそういう仕組みをいろいろ活用してやっていくことが必要だというふうに思っています。
 ただ、この間、私が改めて市長になって感じたのが、市民参加もやり過ぎるとよくないんですよ。それは行政もそうですし、市民の人も同じです。我々は給料をもらってやっているわけですよね。そうすると、職員と市民が同じ目線で立ってという、それは比喩で言われたんだと思いますけれども、なかなかそういうわけにはいかない。やっぱり市民の人は、どんどん自由に言ってもらうのは、私はそれは市民参加の根本として絶対に必要なことだというふうに思いますけれども、職員はそれを受け取って、自分たちがいろいろな法的な規制とか財源的な規制がある中で、どういうふうにそれを具体化できるかというのはちょっと違う目線になるはずなんですよね。ですから、それは両方必要であって、職員も、自分の職務だけじゃなくてもっと自由にならなきゃいけないし、市民の人にもそういうことを理解してもらうための分かりやすい資料づくり、評価制度というのは、おっしゃるようにすごく必要なことだと思っていますけれども、共通の基盤を、完全にできるというふうには私は思っていないので、それぞれの視点があって構わない。そうでなければ、それぞれの役割、特に職員であれば、私もそうですけれども、給料をもらって、市民の皆さんの税金を使ってやっているわけでございますから、日中の一番の時間をそういうことに専念できるわけでありますので、そういうことをしっかりとやっていかなければいけない。
 だから、市民参加でやり過ぎるとそういうところが曖昧になってきて、職員は職員の自覚、我々は我々の自覚で行政をしっかりと委ねられているというその基盤は、やっぱり選挙でありますから、そこでその自覚をしっかり持って進めていくことが大切だというふうに思っていますので、ぜひそういう点を御理解いただいて、我々もしっかりといろんな知識を得ながら頑張っていかなければいけないというふうに思っていますので、よろしくお願いいたします。


◯6番(山田さとみさん)  ありがとうございます。多分、でも、お気持ちは一緒だと思うんですよ。何でもかんでも参加型評価というのは、もしかしたら向かない施策もあるかもしれないですし、先ほど御答弁があったように、個別の分野で検討していったりとか、あと先ほど子ども政策部長もおっしゃったとおり、この事業だと親和性が高いとか、そういったこともあるかとは思います。職員の方は本当に政策にコミットしていただいて、でもやっぱり市民も思っていることがあって、現場で起こっていることというのが、なかなか政策に反映されていかないなというような不満があったりとか、なかなか横の連携ができていないなというところで、何かもったいなさみたいなものを──日々の政治活動の中でヒアリングしていると、もっとみんなで一緒に話し合えば、もっと御理解が深まって、もっと一緒の方向に向いていけるんじゃないかなというふうに思っております。そこはきっと、今分かっていただけているのかなと思いますので、ぜひ今後、御検討いただきたいなというふうに思います。
 次に行きます。協働促進役について申し上げます。協働促進役も御検討をされて、在り方を深めていく、職員が学んでいく必要があるというような御答弁をいただきましたけれども、協働促進役の役割は、評価に関する主な利害関係者の選定であったりとか──この参加型評価に関してですね、参加型評価のワークショップでファシリテーター、評価の設計、データの収集、分析などを担う人材のことを指します。先ほど御紹介した豊岡市では、市の職員がこの役割を担えるように研修を受けています。市民との協働を深化するため、協働促進役を担える職員の育成と必要な部署への配置を可能とすべきと考えますが、見解を伺います。
 あともう一点、豊岡市では、一気に職員を育成するのではなく、毎年この研修を行って、協働促進役になるためのファシリテーターの研修を受けています。こうすることで、参加型評価を担う人材が毎年増えて、人事異動にも対応できますし、市側の知識の積み重ねによって、将来的に参加型評価ができる政策が増えていくと考えます。協働促進役を担う職員育成について見解を伺います。


◯副市長(土屋 宏さん)  この間いろいろと再質問を含めていただいているんですけれども、一応念のため誤解のないように申し上げさせていただきますと、そもそも今の段階で我々は、今回のマチコエ、この活動が取りあえず12月で終わります。そして、その後の新たな参加と協働の仕組みをどのようにやっていこうかという、そもそも論の議論を始めたところです。ですので、参加型評価等々について、具体的にまだ我々はそこまでの議論をしているわけではございません。
 そのことはちょっと前提にしていただきたいんですけれども、そういった観点での協働促進役となりますと、やはりこれからの参加と協働の取組をどのようにやっていくのか、例えば市民協働センターが三鷹市にございますし、ネットワーク大学の民学産公の連携のいろいろな取組もございます。そういったものを活用するのか、新たな仕組みをつくるのか、そもそも論のところでそこをしっかりと議論させていただいて、そこでこれからの参加と協働の取組が、方向性が見えるプロセスの中で、じゃあ評価ということについても、市民参加って果たしてできるのかどうか、やるんであればどのような方向があるのか、そこをもう一度考えさせていただきたいと思いますので、御提案は御提案として今受け止めさせていただきますけれども、そういうことについて、今こうしますという方向が出ている状況ではないということだけは御理解いただきたいと思います。


◯6番(山田さとみさん)  ありがとうございます。では、御検討のほどよろしくお願いいたします。
 次に、教育長から御答弁いただきましたけれども、参加型評価について、前向きな御答弁いただいたと思っています。市長部局と共に参加型評価に参画して、今後も継続的な協働をし、発達障がい、またはグレーゾーンの児童・生徒に対してしっかりと寄り添った支援をしてくださると、こういう理解でよろしいでしょうか。


◯教育長(貝ノ瀬滋さん)  結論から言いますとそのとおりですが、それが必ずしも教育委員会が中心になってがふさわしいかどうかというのは検討する必要があると思います。特に発達障がいのネットワークということになりますと、既に子ども家庭支援センターのような、それを中心としているところもありますので、そことの連携をやはりしっかりしていく必要があるなというふうに考えます。
 それから、もう一つは、参加型の評価というのはとても大事だと思います。教育委員会では、以前からコミュニティ・スクール委員会、学校運営協議会、そういった面でまさに参加型の評価をしています。確かにおっしゃるように目標を設定して、指標を決めて、プラン・ドゥ・シーでというふうな、そこまでのいわゆるかちっとしたものでやっているということではまだありませんが、全体として、先ほども市長の答弁でお答えになったように、ふわっとしたというふうな、そういうふうな扱いで、改善しながら進めているということは間違いありませんし、そういった手法はいろんな場面で拡大して、教員たちのいろんな研究事業の後の話合いなんかも、ある意味参加型と。
 ただ、そこで大事なことは、教員なども、例えば授業をやって、授業について成果が出ているのかどうか、子どもがちゃんと理解しているのかとか、そういった面での評価をきちんと毎時間本来すべきなんですが、評価のための評価というふうなことになっちゃうと、なかなか続かないんですよね。それで結局はおじゃんになっちゃいますので、その辺はやはり状況を見ながら、管理者のほうは、持続していくような本当に改善に役立つような評価手法を、自分流というか我が市なりのものを編み出して、そして実効性のあるものにしていくことが大事ではないかなというふうに思いますが、でも御提案の趣旨はよく分かりますので、前向きに受け止めております。


◯6番(山田さとみさん)  ありがとうございます。やっぱり評価疲れという言葉もございます。評価のための評価というのは私もよくないと思っておりますので、持続的に改善ができるような、そういったものをぜひ三鷹型ということで、三鷹モデルということでやっていただきたいなと思います。
 今、教育長から発達支援センターという言葉が出ました。ぜひ発達支援センターを中心として、こうした発達障がいのお子さんを取り巻く利害関係者を集めて参加型評価をしていただきたいと考えますが、もう一度お伺いいたします。


◯子ども政策部長(秋山慎一さん)  再質問にお答えいたします。
 先ほどもちょっと答弁の中でというか御質問の中にあったように、多様な利害関係者を集めてということになりますから、当然対立する意見であるとか異なる立場の意見、そういったものを相互に理解していく、そのためにいろいろ可視化をするということで、先ほどロジックモデルのようなお話もあったかと思います。そういう中では、やはりそれを実現していくために、今ちょっと前に議論のあったファシリテートとか、そういった技術というか手腕を身につけることも非常に重要かなというふうに思っています。ソーシャルインクルージョンとか発達支援について、昨日もいろいろ議論があったところでございますけれども、本日はその実現に向けた具体的な提案というのをいただいたわけですので、私どもとしてもそれをしっかりと受け止めて、先ほど答弁したとおり、しっかりと勉強して、研究をして、検討につなげていけるよう取り組んでいきたいというふうに考えています。
 以上です。


◯6番(山田さとみさん)  ありがとうございます。前向きな御答弁いただいたとは思っているんですけれども、やっぱり検討します、勉強しますって、やっぱりちょっと議員にとっては怖い言葉で、本当に検討してくれるのかなとか、いつ具体的にお示しいただけるのかなとか、これは本当に事案によって様々だとは思うんですけれども、ちょっと確認させてください。どのように研究して、いつまでに御決断いただけるのか、お示しできたら──難しいと思います、いきなり質問しているので。お示しできたらお願いします。


◯子ども政策部長(秋山慎一さん)  再質問にお答えいたします。
 参加型評価、私も今回御質問をいただいて、初めて少しずつ調べ始めたような状況です。実際に習志野市の事例などを御紹介いただきまして、資料なども拝見しましたので、まずは先行して行っている自治体の状況などを確認しながら、あるいは今、三鷹市が取り組んでいる、そういう発達支援の事業、取組の状況とか、その辺をもう一回さらい直して、そういうところからいろいろ研究していきたいと思っています。既存のそういった会議体などもありますので、それを活用するとか、先ほど屋上屋というような話も出ていましたけれども、そういうことにならないように整理をしていきたいと思います。
 そういう中で、じゃあ実際にこれを取り入れていけるのかどうか、そこも含めた検討がありますので、ちょっと今この場で、いつやるというのはなかなか申し上げるのは難しいところですけれども、先ほどお答えしたように、発達支援の分野とは非常に親和性が高いというふうには思いますので、その辺りはしっかり前向きに捉えて取り組んでいきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。


◯6番(山田さとみさん)  ありがとうございます。答えにくい質問を答えていただいてありがとうございます。
 本当にワークショップでは、例えば、参加者同士の発言でエンパワーメントが生まれたりとか、あとは新しい意見がいっぱい出て、それで新しいアイデアが生まれたりとか、すごくいい側面もありながら、やっぱり声の大きい人だったりとか話の長い人とか、なかなか発言をするのが難しくて発言をしないまま、何か抱えたまま終わってしまうようなこととか、そういうことも懸念されるとは思うんです。ただ、うまくファシリテートして、そしてロジックモデルというような、みんなが分かりやすいような論理をつくることで、話の方向性を一つに持っていくことができると考えておりますので、これまで様々に発言しました。そして評価手法、そしてこれまで発達支援、様々に、何度も一般質問でしてきましたけれども、ぜひ参加型評価を導入していただきまして、いい事業にしていっていただきたいと思います。ありがとうございました。


◯議長(伊藤俊明さん)  以上で山田さとみさんの質問を終わります。
 これをもって市政に関する一般質問は終わりました。
    ──────────────────────────────────────


◯議長(伊藤俊明さん)  この際、議事の都合によりしばらく休憩いたします。
                  午後2時28分 休憩


                  午後2時45分 再開
◯議長(伊藤俊明さん)  それでは、休憩前に引き続き、会議を再開いたします。
    ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
    日程第2 議案第62号 議会の議決に付すべき定期借地権の設定を伴う土地の貸付け又は借入
               れに関する条例
    日程第3 議案第63号 令和5年度三鷹市一般会計補正予算(第5号)


◯議長(伊藤俊明さん)  この際、日程第2 議案第62号及び日程第3 議案第63号の2件を一括議題といたします。
                    〔書記朗読〕
 提案理由の説明を求めます。市長 河村 孝さん。
                〔市長 河村 孝さん 登壇〕


◯市長(河村 孝さん)  ただいま上程されました議案第62号及び議案第63号の2件につきまして、御説明申し上げます。
 議案第62号 議会の議決に付すべき定期借地権の設定を伴う土地の貸付け又は借入れに関する条例
 この条例は、地方自治法第96条第2項の規定に基づき、5,000平方メートル以上の定期借地権の設定を伴う土地の貸付け、または借入れについて、議会の議決に付すべき事件とする内容となります。
 この条例は、公布の日から施行します。
 議案第63号 令和5年度三鷹市一般会計補正予算(第5号)
 この補正は、歳入歳出予算の総額にそれぞれ2億328万6,000円を追加し、総額を800億6,387万4,000円とするとともに、債務負担行為の補正を行います。
 補正の内容について、歳出予算から御説明いたします。
 初めに、総務費についてです。1点目の財政調整基金積立金1,071万4,000円、2点目のまちづくり施設整備基金積立金503万7,000円の増額は、令和4年度末に収入した寄附金相当額について基金へ積立てを行うもので、民生費、衛生費において、同様に基金への積立てを行います。
 次に、民生費についてです。1点目は、介護・障がい福祉サービス等事業所物価高騰対策支援事業費1億738万9,000円の増額です。介護・障がい福祉サービス等事業所に対する食材費や光熱費等の高騰分を10月以降も引き続き支援することで、利用者への負担転嫁を回避し、事業者の負担軽減を図ります。なお、後ほど御説明いたします保育施設と幼稚園に対しても同様の支援を継続します。
 2点目は、障がい者施設整備助成事業費1,521万円の増額です。市内社会福祉法人による日中サービス支援型の共同生活援助を含む複合施設MUGEN(仮称)の整備に当たり、国庫補助が不採択となったことを受け、東京都と市町村が連携して、国庫補助相当分を支援する都独自の補助制度を活用することで、施設整備を促進し、障がい者の地域生活の支援を図ります。
 3点目は、健康福祉基金積立金を1,006万2,000円増額します。
 4点目は、保育施設等物価高騰対策支援事業費1,954万3,000円を増額します。
 5点目は、子ども・子育て基金積立金を63万9,000円増額します。
 次に、衛生費は、環境基金積立金を5万1,000円増額します。
 次に、農林費は、農業施設用燃料費助成事業費154万1,000円の計上です。原油価格の高騰に伴い、市内農業者に対して、施設栽培用設備の燃料費を助成し、農産物の価格の上昇を抑制し、農業者の負担軽減を図ります。
 次に、土木費は、タクシー事業者継続支援事業費2,539万7,000円の計上で、原油価格の高騰に伴う負担を軽減するため、市内に事業所を有するタクシー事業者に対して給付金を支給し、事業継続の支援を図ります。
 次に、教育費は、校庭開放事業費770万3,000円の計上で、子どもたちの居場所づくりと、身体を動かす機会の確保を図るため、朝の時間帯における小学校の校庭の開放を、11月以降、準備が整い次第実施します。
 続きまして、歳入予算について申し上げます。
 国庫支出金は、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金1億5,387万円の増額で、民生費の介護・障がい福祉サービス等事業所及び保育施設等の物価高騰対策支援事業費、農林費の農業施設用燃料費助成事業費、土木費のタクシー事業者継続支援事業費の財源とします。
 次に、繰越金は、前年度繰越金を4,941万6,000円増額し、今回の補正予算における財源不足への対応を図ります。
 続きまして、債務負担行為補正について申し上げます。
 障がい者共同生活援助等事業所MUGEN(仮称)助成事業は、令和6年度までの施設整備となり、出来高に応じて助成を行うことから、限度額3,549万円の債務負担行為を追加します。
 提案理由の説明は以上です。どうぞよろしく御審議のほどお願い申し上げます。ありがとうございました。


◯議長(伊藤俊明さん)  提案理由の説明は終わりました。
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    日程第4 議案第64号 令和4年度三鷹市一般会計歳入歳出決算の認定について
    日程第5 議案第65号 令和4年度三鷹市国民健康保険事業特別会計歳入歳出決算の認定につ
               いて
    日程第6 議案第66号 令和4年度三鷹市介護サービス事業特別会計歳入歳出決算の認定につ
               いて
    日程第7 議案第67号 令和4年度三鷹市介護保険事業特別会計歳入歳出決算の認定について
    日程第8 議案第68号 令和4年度三鷹市後期高齢者医療特別会計歳入歳出決算の認定につい
               て
    日程第9 議案第69号 令和4年度三鷹市下水道事業会計利益剰余金の処分及び決算の認定に
               ついて


◯議長(伊藤俊明さん)  次に、日程第4 議案第64号から日程第9 議案第69号までの6件は、いずれも令和4年度決算に関する議案でありますので、一括議題といたします。
                    〔書記朗読〕
 提案理由の説明を求めます。市長 河村 孝さん。
                〔市長 河村 孝さん 登壇〕


◯市長(河村 孝さん)  ただいま上程されました議案第64号から議案第69号までの令和4年度一般会計及び各特別会計決算を御審議いただくに当たり、提案理由を御説明いたします。
 令和4年度は、新型コロナウイルス感染症の影響に加え、ウクライナ情勢や円安の進行による原油価格や物価の高騰が、地域経済や市民生活に大きな影響を及ぼした年度でした。それでも、市議会の御理解と御協力により、感染症対策やきめ細かな支援に柔軟かつ機動的に取り組みながら、「第4次三鷹市基本計画(第2次改定)」に基づく各施策を着実に推進することができました。
 こうした令和4年度の決算について、各会計の概要から御説明します。
 一般会計の歳入決算額は、784億2,700万円余で、前年度比21億7,800万円余の減、歳出決算額は761億1,800万円余で、前年度比22億8,300万円余の減、翌年度への繰越財源額を差し引いた実質収支は、21億9,500万円余となりました。令和3年度から4年度にかけて国の経済対策として実施した、住民税非課税世帯等や子育て世帯に対する臨時特別給付金の減により、歳入・歳出ともに前年度決算を下回ることとなりました。
 なお、歳入の根幹である「市税」の決算額は399億4,600万円余で、給与所得の伸びを反映した堅調な個人市民税の影響などで、前年度比15億4,800万円余の大幅な増となりました。
 各特別会計は、全体の歳入決算が375億2,300万円余、歳出決算が371億1,400万円余で、いずれの会計も前年度を上回る規模となりました。
 会計ごとに見ると、「国民健康保険事業特別会計」は東京都への国民健康保険事業費納付金の増、「介護サービス事業特別会計」は牟礼老人保健施設の大規模改修事業費の増、介護保険事業特別会計は令和3年度の保険料余剰分の基金への積立て、「後期高齢者医療特別会計」は被保険者数の増などが影響しています。
 次に、「下水道事業会計」は、「収益的収支」における差引き額が2億7,800万円余のプラス、資本的収支における差引き額が7億800万円余のマイナスで、このマイナス分は損益勘定留保資金等で補填しました。また、当年度未処分利益剰余金のうち、資本金への組入れを除いた1,000万円余については、企業債償還の財源に充てるため、減債積立金に積立てを行います。
 続きまして、令和4年度の主な取組と成果について、御説明します。
 まず、「新型コロナウイルス感染症と物価高騰への対応と支援の継続」についてです。令和4年度は、感染症の再拡大に加え、原油価格や物価の高騰による影響が予算編成後に顕在化したことから、5月に策定した「各部の運営方針と目標」において、「社会情勢の変動を捉えた機動的な対応」を各部共通の目標に位置付け、迅速な支援に取り組みました。
 新型コロナウイルス感染症への対応としては、小児や乳幼児なども含め、希望者への円滑なワクチン接種に取り組んだほか、医療崩壊を防ぐため、病床確保や遠隔診療、往診、PCR検査を行う医療機関への支援を継続しました。
 自宅療養者に対しては、市独自の「自宅療養者相談支援センター」で、保健所との情報共有を図りながら、電話相談や食料支援などを行い、在宅生活を支援しました。
 さらに、今後の感染症への対応力を高めるため、感染症対策として実施した様々な対応についての検証を行い、報告書を取りまとめました。
 原油価格や物価の高騰への対応としては、国の補助事業により、住民税非課税世帯等に対する給付金を給付するとともに、地域応援商品券を発行し、物価高騰に伴う市民生活の支援や地域経済の活性化を図りました。また、子育て世帯の生活支援として、国の低所得世帯向けの給付金に加え、市独自に全ての子育て世帯を対象とした「物価高騰対策子育て応援給付金」を給付しました。さらに、介護・障がい福祉サービス事業所や保育施設等に対し、食材費や光熱費等の高騰分を支援するとともに、市内中小企業、運送及びタクシー事業者、市内農家などへのきめ細かな支援にも取り組みました。
 次に、「「第4次三鷹市基本計画(第2次改定)」に基づく施策の推進」についてです。
 「「百年の森構想」の実現に向けた段階的なまちづくり」では、三鷹駅前地区の再開発について、「三鷹駅前地区まちづくり基本構想」を策定するとともに、三鷹駅南口中央通り東地区再開発事業に係る施設機能や施設配置などを盛り込んだ「「子どもの森」基本プラン」をまとめました。
 また、国立天文台周辺地域のまちづくりでは、「土地利用基本構想」の策定に向けた自然環境調査に着手し、井口特設グラウンドの利活用に関しては、「土地利用構想」を策定するとともに、医療機関の誘致に向けた検討を進めました。
 「環境と調和した持続可能なまちづくり」では、10月に開催した「星空の街・あおぞらの街」全国大会を契機として、脱炭素社会の実現を目指した「2050年ゼロカーボンシティ宣言」を行いました。また、コミュニティ交通の小型EV車両やAIデマンド交通の実証運行にも取り組みました。
 次に、「地域における防災活動の充実・強化」では、公共施設の建て替え・改修の基本的な方針や優先順位の考え方を定めた「新都市再生ビジョン」を策定しました。また、防災NPO「Mitakaみんなの防災」を設立し、防災意識の啓発等に向けた活動を本格的に開始しました。
 「まちの多様な声と活動をつなぐまちづくり」では、「市民参加でまちづくり協議会」が政策提案に向けた活動を展開したほか、令和4年12月からは「みたか地域ポイント」の試行運用も開始しました。
 「時代の変化に対応したコミュニティの創生」では、「三鷹市福祉Laboどんぐり山」の令和5年12月の開設に向けて、改修工事に着手するとともに事業の検討を進めました。
 「未来を担う子どもがひかり輝くまちづくり」では、令和4年4月に、保育園と学童保育所の待機児童を解消することができました。また、義務教育就学児医療費助成制度に係る中学生の所得制限を撤廃したほか、18歳までの高校生等を対象に所得制限を設けず全ての子どもの医療費助成を開始するなど、安心して子育てできる環境の充実を図りました。
 「「文化の薫りの高い三鷹」に向けたまちづくり」では、桜井浜江記念市民ギャラリーを令和4年4月に開設するとともに、吉村昭書斎の令和6年2月の開館に向け、移築整備工事に着手しました。
 このほか、「ウクライナへの人道支援」として、引き続き、募金箱を設置し、日本赤十字社への寄附を行ったほか、市内に避難してきた方に対しては、生活支援給付金の給付や交流を深めるイベントを開催するなど、支援の継続を図りました。
 続きまして、「持続可能な自治体経営の推進」に向けた取組です。
 まず、「行財政改革の推進」についてです。「行政サービスの適正化に向けた事業の見直しと適正事務のための環境整備」としては、東京都で類似の事業が実施されている働き方改革応援事業などの見直しを行いました。また、令和4年4月に「適正事務管理制度基本方針」を策定し、各部課で自己評価・自己点検を実施するなど、財務事務を中心とした適正な事務執行を確保するための環境整備と運用を図りました。
 「組織の見直しと職員定数の適正な管理」では、令和4年4月から「市民参加でまちづくり協議会」の活動支援や「スマートシティ三鷹」の推進などの諸課題に対応するための組織体制とするとともに、国の給付金の支給を含むコロナ禍での対応などを踏まえ、職員体制の充実・強化を図りました。
 「「スマートシティ三鷹」の推進」では、非接触型手続きの基盤整備となるマイナンバーカードについて、「三鷹市マイナンバーカードセンター」を設置し、交付体制を強化しました。また、「受益と負担の適正化」については、「三鷹市福祉Laboどんぐり山」の施設使用料を設定しました。
 次に、「財政の健全性の確保」についてです。
 ふるさと納税による市税減収の影響は約11億1,000万円にも及び、財政運営に深刻な影響を及ぼしています。そうした中で、新たに民間宿泊施設を活用した返礼品を導入したほか、三鷹市立アニメーション美術館の将来的な大規模修繕や吉村昭書斎の整備に向けて寄付を募るなど、多くの方に共感いただけるよう、地域の魅力を掘り起こしながら財源確保に努めました。
 「国や東京都の補助金の積極的な活用」では、東京都の子供・長寿・居場所区市町村包括補助金を活用し、「福祉Laboどんぐり山プロジェクト」の推進、「学校3部制」に向けた環境整備や「みたか地域ポイント」の導入を進めるなど、市の施策に合致するメニューの活用を図りました。
 次に、「市債借入の抑制と基金残高の確保」では、市債について、都市再生の財源として活用しつつも、新規借入を抑制して将来負担の軽減を図りました。基金については、令和3年度決算で生じた実質収支や令和4年度の執行において生じた不用額、市税収入等の上振れ分を積み立てるとともに、取崩しを抑制したことから、前年度を上回る残高を確保することができました。
 最後に、令和4年度決算における財政指標について申し上げます。
 「経常収支比率」は89.5%で、前年度比2.0ポイントの減となりました。市税収入が前年度を大幅に上回り、比率算定の分母となる「経常一般財源等」の伸びが、分子となる「経常経費充当一般財源等」の伸びを上回ったことから、比率は前年度を下回り、80%台に改善しました。
 また、「地方公共団体財政健全化法」に基づく健全化判断比率等については、「実質公債費比率」は1.0%、前年度比0.2ポイントの増となりましたが、すべての項目について、いわゆる黄色信号とされる「早期健全化基準」を超える状況には至ることなく、健全な財政状況を維持することができました。
 以上、令和4年度決算について、概要を御説明いたしました。よろしく御審議の上、御認定いただきますよう、お願い申し上げます。ありがとうございました。


◯議長(伊藤俊明さん)  提案理由の説明は終わりました。
 次に、監査委員から、各会計決算に関する審査意見の報告を求めます。
               〔監査委員 河並祐幸さん 登壇〕


◯監査委員(河並祐幸さん)  監査委員の河並祐幸です。
 地方自治法第233条第2項及び同法第241条第5項の規定により、令和4年度三鷹市各会計決算及び各基金の運用状況について、岩見監査委員と共に審査を行いましたので、私が代表して、その結果について御報告いたします。
 審査の対象は、
  令和4年度三鷹市一般会計歳入歳出決算
  令和4年度三鷹市国民健康保険事業特別会計歳入歳出決算
  令和4年度三鷹市介護サービス事業特別会計歳入歳出決算
  令和4年度三鷹市介護保険事業特別会計歳入歳出決算
  令和4年度三鷹市後期高齢者医療特別会計歳入歳出決算
  令和4年度財産の状況
  令和4年度各基金の運用状況
についてであります。
 審査の期間は、令和5年6月19日から8月21日まで行いました。
 審査の手続といたしましては、市長から提出されました各会計の歳入歳出決算書、歳入歳出決算事項別明細書、実質収支に関する調書、財産に関する調書及び各基金の運用状況を示す書類が、地方自治法等関係法令に準拠して作成されているか、計数が正確であるか、予算の執行が適正かつ効率的になされているか等に主眼を置き、それぞれの関係諸帳簿及び証拠書類との照合並びに関係者からの説明聴取など、通常実施すべき審査のほか、必要と認めるその他の審査を実施いたしました。
 審査の結果につきましては、審査に付された各会計の歳入歳出決算書をはじめとする各書類は、先ほど述べました方法により審査いたしました限り、重要な点において、法令に適合し、かつ正確であると認められました。
 また、予算の執行はおおむね適正になされており、その概要は、令和4年度決算等審査意見書に記載のとおりでございます。
 財産に関する調書及び各基金の運用状況の概要は、同意見書の財産の状況及び基金の運用状況の項で述べているとおりであります。
 決算の概要につきましては、主に計数の説明等でございますので、同意見書を御高覧願うこととし、説明は省略させていただきます。
 最後に、同意見書の50ページから55ページに審査結果のまとめを申し述べさせていただきましたので、よろしくお願いいたします。
 次に、令和4年度三鷹市下水道事業会計の決算審査の結果について、御報告いたします。
 地方公営企業法第30条第2項の規定により、審査を行いました。
 審査の期間は、令和5年6月19日から8月21日までであります。
 審査の手続でございますが、市長から提出されました決算書及び決算附属書類が、地方公営企業法その他関係法令に準拠して作成されているか、計数が正確であるか、当事業の経営成績及び財政状態を適正に表示しているかなどに主眼を置き、関係諸帳簿及び証拠書類との照合並びに関係者からの説明聴取など、通常実施すべき審査手続により実施いたしました。
 審査の結果につきましては、審査に付された決算書及び決算附属書類は、先ほど述べました方法により審査いたしました限り、重要な点において、法令に適合し、かつ正確であると認められました。
 また、予算の執行はおおむね適正になされており、その概要は、意見書に記載のとおりでございます。
 決算の概要でありますが、主に計数の説明でございますので、お手元の意見書を御高覧願うこととし、説明は省略させていただきます。
 なお、同意見書の76ページに審査結果のまとめを申し述べさせていただきましたので、よろしくお願いします。
 以上をもちまして、令和4年度決算等審査結果の報告とさせていただきます。以上でございます。


◯議長(伊藤俊明さん)  以上で監査委員の審査意見の報告は終わりました。
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◯議長(伊藤俊明さん)  本日はこれをもって延会いたします。
 なお、次回の本会議は9月8日午前9時30分に開きます。文書による通知はいたしませんから、さよう御了承願います。お疲れさまでした。
                  午後3時15分 延会