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平成19年第3回定例会(第2号)本文

               午前9時29分 開議
◯議長(石井良司君)  おはようございます。ただいまから平成19年第3回三鷹市議会定例会第2日目の会議を開きます。
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◯議長(石井良司君)  本日の議事日程はお手元に配付したとおりでございます。
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    日程第1 市政に関する一般質問


◯議長(石井良司君)  それでは、直ちに日程に入ります。
 日程第1 市政に関する一般質問、本件を議題といたします。
 昨日に引き続き、順次発言を許します。15番 浦野英樹君、登壇願います。
                〔15番 浦野英樹君 登壇〕


◯15番(浦野英樹君)  おはようございます。6月の議会におきまして、駅デッキ上の路上喫煙対策について質問させていただきましたが、その後ですね、ホームページを見たという方や、「議会だより」を見たという市民の方からたくさんの意見が寄せられました。そして、多くの意見を聞いて私が感じましたのは、この路上喫煙問題について、市の意識と市民の意識には大きなギャップがあるのではないかということです。つきましては、6月議会に引き続きまして、路上喫煙の問題について質問をさせていただきたいと思います。
 まず、私が感じたのは、喫煙マナーアップキャンペーンにおいてどういう状態になることを目指しているのかということが、市民に余り伝わっていないのではないかということです。例えば、駅を出てくる喫煙者の方を見ておりますとですね、まず駅のデッキの上に出たところで、あれ、ここはたばこを吸えるのかなと、きょろきょろしているわけです。そしてですね、デッキの端の方に行ってこそこそ吸っているかですね、一番多いパターンが、ベンチがあるところまで歩いていって、ベンチの上で喫煙をしているという方をよく見かけます。しかしですね、デッキの上のベンチというのは、どういう人が座っているかというと、例えば買い物帰りの老人でありますとか、家族連れが疲れて休んでいるというのが多いわけでございまして、結果として家族連れの子どもや老人が横にいる喫煙者のたばこの煙を浴びている、そういった状態になっております。こういった状態というのは、喫煙マナーアップキャンペーンの目指すところと反対の状態ではないかと思うわけですけども、キャンペーンの目的をですね、よりですね、市民に明示する必要があるのではないかと、現場を見て感じております。
 そこで、改めてお尋ねいたしますけども、駅デッキ上や繁華街の歩道の上に、緑色のステッカーが張ってあるわけなんですけれども、あの場所はですね、例えばたばこを吸ってはいけない、原則禁煙の場所であるということを目指しているのか、それとも、たばこを吸ってもいいんだけれども、迷惑にならないように吸ってほしい場所であるということを目指しているのか、具体的にどういう状態を目指しているのかということを答弁いただきたいと思います。これはですね、具体的に実際にルールをつくるですとか、規制をするという意味ではなくて、あくまでキャンペーンの目標という意味でとらえていただいて結構でございます。
 また、以前の答弁におきましてですね、喫煙マナーアップキャンペーンの効果は少しずつ上がってきているということでしたが、そういうふうには感じていない市民の方がたくさんおられます。私も、駅周辺の現状を見た限りではですね、確かに少しは状況は改善しつつあるのかなと思うんですけども、それ以上のスピードで社会全体の禁煙・分煙化が進んでいる。相対的に見ますと、三鷹の駅の周辺は余り進んでいないんじゃないか、効果が上がっていないんじゃないか、そう市民の方が感じてもいたし方がないのかなという気もいたします。
 そこでお尋ねいたしますけども、喫煙マナーアップキャンペーンの効果を確認するに当たって、どのような調査を行われているのか、そしてその結果がどうであったのか、できれば具体的な数字を交えてですね、提示いただきたいと思います。そしてですね、今後の対応につきましては、引き続き市民との協働で喫煙マナーの向上を呼びかけていくという方針ということでしたが、私は、それを聞いて感じたのは、市民が行政に対して期待していることが十分にまだ市に伝わっていないんではないかという感想を持ちました。そこで質問なんですけども、今まで市民との協働で喫煙マナーアップキャンペーンを進めてきた中で、市民が市に対して、行政に対して何を期待していると感じておられるか、現状認識をお尋ねしたいと思います。
 ところで、先ほど社会全体の禁煙・分煙化が非常に速いスピードで進んでいるというお話をさせていただきましたけども、もし仮にですね、このままの状態で、つまりは明確に路上喫煙禁止とアピールしていない状態で、市が管理している場所でですね、たばこの火による事故が発生した場合、市が必要な路上喫煙対策をとってこなかったという理由で法的な管理者責任を問われる場面が将来起こってもおかしくないのではないかとの感想を持っております。私が調べた限りでは、自治体がですね、たばこの事故の法的責任を問われたという事例はまだないようなのですが、現に市内で、植栽に火のついたままのたばこが捨てられ、ぼや騒ぎが起きたという例があります。駅近くの繁華街ではたばこの火による小さなトラブルは頻繁に起きております。先々月もですね、カップルが歩いていて、カップルの女性に通りすがりの男性の火がついた。それが原因でけんかになったという事例がありました。これがもし家族連れだったらどうなのかということです。
 このようにですね、もしたばこの火による事故が起きた場合に、市の管理者責任が問われるということは決して非現実的な話ではない、起こり得ない話ではないかと考えます。そして、自治体といたしましてもですね、予防法務的な視点からも、この路上喫煙、ポイ捨ての問題に取り組むべき時代に来ているのではないかと考えます。
 そこでお尋ねいたしますけども、たばこの火による事故が発生した場合に、市の法的な管理者責任が問われる可能性があり得るという認識を持っておられるか。また、もし仮にそういった事態が発生した場合、どういう対応をとられる考えなのか、現状認識をお聞かせいただきたいと思います。また、仮にですね、市の法的責任はない、また市の法的責任は問われないという状況でもですね、例えば市外からジブリ美術館に遊びにきた子どもがやけどをしてしまったというような事故が発生した場合に、間違いなく市のイメージは大幅にダウンしてしまいます。たばこの火による事故により、市のイメージがダウンしてしまうリスクについて、どういう認識を持っておられるか、見解を伺いたいと思います。
 以上で壇上での質問は終了いたしますが、答弁内容によりましては自席での再質問を留保させていただきます。
                〔市長 清原慶子さん 登壇〕


◯市長(清原慶子さん)  皆様おはようございます。それでは、最初の御質問に答弁をさせていただきます。
 前回に引き続き、路上喫煙問題について御質問をいただきました。喫煙マナーアップキャンペーンに特化しての御質問でございますが、まず、その具体的な目標についてどのように位置づけているかということです。私が市長になりました年に、東京都市長会が町村会とともに、東京という都市共通の問題として、喫煙マナーの向上を掲げました。そして、これらはそれぞれの自治体でもちろん取り組みに差異があるけれども、共通して全都的に取り組むべきものであるということで、東京23区にも呼びかけまして、当初は23区は協賛という形でございましたが、東京都内の62の市区町村がともにキャンペーンを実施することとしたものです。これは、1市のみが取り組むのではなく、全都的取り組みをすることで、より共通の都市に住まう者のマナーというものを向上させようということでした。
 三鷹市では、朝、夕方の効果的な時間帯にボランティアの皆様、そして三鷹駅周辺の商店会、三鷹市ごみ減量等推進会議、三鷹市たばこ税対策協議会、日本たばこ産業株式会社武蔵野営業所など、多くの市民の皆様、団体の皆様、また事業者にも加わっていただいて、この喫煙マナーアップキャンペーン及び不法投棄防止キャンペーンなどを実施しています。主として質問議員さんは、三鷹駅南口デッキ上の取り組みを多く目にされているようですけれども、もちろん駅周辺など人通りの多いところでの喫煙者のマナー向上も趣旨の一つでございますが、日常的に私たちが、特に愛煙家の皆様が、嫌煙家、あるいは幼い子どもたちのことも視野に置いて喫煙のマナーを意識していただくということが重要なポイントです。三鷹市は、愛煙家とそうでない方との共生ということを目指しています。規制よりマナーアップでということで、そのような自己責任というものをはぐくむ風土というものを培ってきたつもりです。
 そのような中で、効果はいかに評価しているかという御質問をいただきました。
 質問議員さんが出会われた市民の皆様の中には、喫煙マナーの向上はまだまだであると。まだポイ捨てはあるし、歩きたばこも子どもたちに恐怖を与えている。そういう問題認識から問題提起をされたことと思います。もちろんそうしたマナーの悪い方がゼロになっていないことは確かでございます。しかしながら、私たちは、この喫煙マナーアップキャンペーンほか、先ほど申し上げました不法投棄防止キャンペーン、ごみゼロキャンペーン、ごみ減量キャンペーン等、常に多くの市民の皆様が、自分たちも一緒に呼びかけようという自発的な、ボランタリーな活動の中で検証させていただいておりまして、特に生活環境部長は率先してですね、みずからポイ捨てたばこについては特に注目して、駅前の量等を判断しながら歩いてもらっていますが、この間4年間、幸いごみの中でのポイ捨て等の量がですね、減少傾向にあるということは、これは量的な面で少しずつ検証しているところですが、具体的な数値について、これはいよいよはかるべきであるということで、11月に予定しておりますことしの喫煙マナーアップキャンペーンの前後に、歩行喫煙者や路上投棄された吸い殻数の計測等を行い、統計的な取り組みもしていきたいと考えているところです。
 質問議員さんから、喫煙マナーアップキャンペーンに対して市民が何を市に期待していると認識しているかという御質問をいただきました。
 私は、喫煙マナーアップキャンペーンというその一つのですね、事業について、もし市民の皆様が期待しているものということであるならば、参加されている当事者と、それを、キャンペーンを受けている方、あるいは周辺の方とでは認識がもちろん違うと思います。私が感じておりますのは、市民の皆様の中に、やはり共通に喫煙マナーアップが──悪いことを直していきたい、この思いが強いということを強く感じます。これは、実は愛煙家の方にもあるのです。自分自身が携帯吸い殻入れなどを持ったり、あるいは吸う場所を意識して吸っているのに、一部の心ない愛煙家によって愛煙家全体が社会において大変問題であるかのように指摘されることは残念であると。そうであるならば、ぜひですね、自分たちのマナーの維持を広げていくことによって、むしろ愛煙家とそうでない人との共存を図っていくためにも、喫煙マナーのこのキャンペーンがあること自体がむしろ課題であって、本来こういうキャンペーンはですね、なくすべく、いつかなくなる日が来るはずであるという気持ちで加わっていただいておりますし、最近では、啓発品を受け取っていただき、特に私どもが携帯吸い殻入れなどをお配りしておりますと、「大丈夫だよ。もうそれは持っているから」という方がふえているのも特徴的な傾向だと思います。
 私は、この一つのキャンペーンに対する期待だけを感じていては市長が務まらないというふうに思っておりまして、これは全体としてですね、都市でともに生きる者が、喫煙マナーは1つの象徴的な取り組みでございますけれども、ともにお互いに他者の感情、受け取り方、そういったものにも配慮しながら、人の目をいい意味で気にする生き方をしていくことが地域社会では必要であると。一般的な言葉を使えば、思いやりのあるですね、暮らし方をしていくということを市民の皆様は大変期待しているというふうに思います。
 なお、法的責任が問われる可能性や、喫煙をめぐる事故発生による市のイメージダウンをどう考えているかという御質問をいただきました。
 私たちは法治国家に生きています。私は、市の管理責任という範囲というものもよくよく承知しております。しかし、公共空間において道路管理の責任はもちろんございますけれども、喫煙マナー等、あるいは不用意な個人の責任において処理すべき事柄によって事件が発生することがないようにこそ、このキャンペーンをしているわけでございまして、このような事件が発生しているというふうに承知しておりませんけれども、発生しないことを願いつつですね、発生いたしましたことによって三鷹市がイメージダウンを受けるというような、そんなですね、いわば表現は悪いんですが、小さな思いでやってはいません。三鷹市の中でさまざまな、もっと取り組むべき課題もございますし、法的責任をとるべきものもございます。したがいまして、私は、個人の責任がきちんと実現できるように、そして、何らかの事案によって三鷹市がイメージダウンになるから、そんなたばこの吸い方はやめてくださいなどと申し上げるつもりはありません。私たちが、一人一人の市民の皆様がそれぞれ信頼し合って、特に象徴的なのは、小さな子どもが歩きたばこの火で恐れるような、そういうまちにしないためにこそ、今後もキャンペーンをですね、続けていきたいと思いますし、また、市民の皆様の多様な期待をきちんと受けとめていきたいと考えております。以上でございます。


◯生活環境部長(木村晴美君)  1点だけ市長の答弁に補足をさせていただきますが、効果の測定についてでございます。
 実は、私も先ほど市長からお話がございましたように、毎回のキャンペーンの中で、袋をですね、分別しながらごみを収集して歩いているところでございますが、実感としてですね、減量されてきているなという実感を持っているとともに、実は前回の減量キャンペーンのときなんですけれども、デッキ上の清掃を委託している従業員の方がいらっしゃるわけでございますけれども、この方とお会いすることができまして、この中で、現状、今までやってきている中でですね、どういうふうにこの問題についてとらえていらっしゃるかというふうにお話を伺ったところでございますけれども、これについては、当初から比べるとですね、随分量については減ってきているというふうにお話を伺っているところでございまして、私もそうでありますし、また実際に清掃を行っている方もそのような、同じような実感を持っていらっしゃるということが確認されているところでございます。以上でございます。


◯15番(浦野英樹君)  何点か再質問させていただきたいと思います。
 まず、マナーアップキャンペーンの目標ということで、あくまでも喫煙者とたばこを吸わない方の共生を目指すということだと理解いたしますけれども、先ほどデッキの上のベンチの上の話をいたしました。老人や家族連れが休んでいる隣でたばこを吸っている。こういった状態はやっぱり共生とは言えないと思うんですよね。ですから、こういったことを目指しているということを、もっとですね、喫煙者の方に効果的にアピールする方法をもっと考えてもよいんじゃないかと思うわけです。
 例えば、武蔵野市の例を挙げますと、武蔵野市は条例があるわけでも罰則があるわけでもありません。しかし、この地域は禁煙ですということを明確に言い切っているわけです。結果として、歩行喫煙についても、ポイ捨てについても大幅に減少している。この場所については自治体としてどう考えているのか、あくまでも共生なんですよということをきちんとアピールする必要があると思いますけれども、よりですね、アピールの方法について工夫する必要があると思うんですけれども、見解をお伺いしたいと思います。
 またですね、その効果の測定ということなんですけども、11月に調査予定ということですので、ぜひこれは実施していただきたいと思いますし、できればですね、これを市民の方にですね、わかりやすいような形で伝えていただきたいなと思います。これもまた武蔵野市の例なんですけれども、武蔵野市もですね、歩行喫煙者の数、ポイ捨ての数、データをホームページで公表しております。データがあればですね、新しいアイデアなどもですね、より集まってくるかと思いますし、より多くの市民参加のきっかけにもなるかと思いますので、ぜひよろしくお願いいたします。
 また、予防法務的な視点からですね、取り組む必要があるんではないかという話をさせていただきました。これは、実際には可能性は低いと思うのですが、今現在で、自治体でそういう法的に問われた例がない、こういった状況こそが危険な状況でありまして、もしそういった事故が起きれば、全国のニュースに流れてしまうような可能性もあると思うわけです。それがすべてだとは申しませんけども、こういった予防法務的な視点から考えますとですね、キャンペーンの成果が上がるのがですね、おくれればおくれるほど、そういった市のイメージはダウンしてしまう危険性も高くなるんじゃないかと思いますし、私は自治体を守るという視点からのですね、自治体を守るということを考えたら、予防法務的な視点からも、この路上喫煙の問題は取り組むべきではないかと思います。
 そこでですね、キャンペーンの目標とも絡んでくるんですけども、いついつまでにですね、一定の効果が上がらなければ次の対応を検討するというようにですね、キャンペーンの目標に期限を設けてはどうかと思うんですけども、そうすることによってキャンペーンに取り組む方の意識の高揚にもつながると思います。キャンペーンの目標に期限を設定することについての見解をお伺いしたいと思います。
 またですね、路上喫煙のキャンペーンにおいて、市民が何を期待しているかという質問をさせていただきましたけれども、こういったキャンペーンにおいてですね、普通の市民だからこそできること、また、事業者だからできること、また行政だからできることが当然あると思うわけです。
 そしてですね、私は聞いていて思うのは、行政だからできることということに関しては、市にもっとリーダーシップを発揮してほしい、そういう願いがあるのではないかと思うわけです。例えばですね、駅のデッキの上で、危険な状態であるにもかかわらず、平気で歩きたばこをしている人がいるとします。普通の市民がですね、そういう人に注意ができるかというと、これはまず無理だと思います。もし注意したらですね、けんかになってしまうことを覚悟しなければならないわけです。注意をしたい、でもできない、そういう市民の方がたくさんいるのだということを、多くの市民の方からの意見を聞いて改めて実感したんですけれども、特にですね、女性や高齢者の方、また、呼吸器系疾患の方などは、本当に何とかしてほしいという悲痛な声とも言えるような意見が寄せられております。
 実はですね、駅でよく見かける女性の方で、歩きたばこをしている人に注意をしている方がいます。大変勇気がある方だと思うんですけれども、しかし、勇気を出して注意をしても、無視されて終わり。また、逆に向こうがキレかかって、けんかになりそうになってしまう。そういった場面を見てまいりました。それだけのリスクを負いながらもですね、注意をしている方がいらっしゃるということを知っていただきたいと思います。
 もしここがですね、自分のお店、自分の飲食店だったら、ここは禁煙です、分煙ですと、自分で言うことができるわけですけれども、公共の空間においては、それは一市民はできないわけです。公共の空間に、ここは禁煙でお願いします、分煙でお願いしますと、これは規制するとか、ルールをつくるという以前の問題で、発言することができるのは、これは行政しかできないのではないかと思うわけです。こういった部分については行政しかできない。だからこそできることについては、リーダーシップを発揮してほしいというのが市民の願いではないかと思うんですけども、喫煙マナーアップのキャンペーンにおいて、行政だからこそできることとは何であるか、見解を伺いたいと思います。以上で終わります。


◯副市長(河村 孝君)  よくたばこのですね、喫煙に関して禁止区域を設けてやっているところという、そういうまちがあります。お隣の武蔵野もそうかもしれませんが、御指摘のようなそういうところはですね、基本的に都心のまちとか、あるいは繁華街があるまち、つまり、住んでいる方よりも流入してくる方、要するに昼間人口と夜間人口に大きな差があってですね、昼間そこのまちに住んでない方がたくさん訪れる、あるいは夜訪れるというふうなところで、たばこの規制をかなりやってきているわけです。
 それはどうしてかといいますと、そこの自治体の方に聞いてもですね、やはり我がまち意識がない。自分たちのまちだという意識がないから、勤めて帰るだけだから、たばこをですね、ポイ捨てするという状況が、三鷹どころの話じゃなくて目に余るという状況で禁止ということがですね、進められてきた経過があるわけです。
 三鷹のまちはどうかといいますと、御質問の議員さんもよく御存じのように、朝、お勤めに行って、帰ってくる、そういうお勤めのサラリーマンの皆さんは、やはりこれから都心に働きに行ってきますという気持ちで三鷹駅から行く。ほっとして帰ってくるというふうな、自分たちのまちに帰ってきたというふうな、そういう我がまち意識がある方ばかりだというふうに思っています。ですから、そういう意味で、一律に何回で規制とかいう話ではなくてですね、やはりマナーアップのキャンペーンというところに象徴されるような、モラルに訴える段階が今の段階ではないかというふうに私どもは思っているわけであります。そういう自分たちの今のこの三鷹のまちをどういうふうにとらえるかというところで、私どもは一律に罰則をつけてですね、規制していく方法が三鷹に合うのかどうかということで考えているところでございます。
 あと、禁止区域のところで、お隣の吉祥寺でも、たばこのポイ捨てが減ったかもしれませんが、私どもが担当者のレベルで聞いてみるとですね、その禁止区域を一歩外れたところには大量のたばこの吸い殻があるということで、禁止区域を設けることの功罪というのはあるんですね、やはりね。ですから、私どもは、今申し上げましたように、自分たちのまちをどうするかということで、市長も申し上げましたように、禁止区域だけの話ではなくてですね、まち全体、どこの道路でも、公共の空間ではきちんとマナーを守ってもらいたいというキャンペーンを現在張っているわけであります。それらの効果測定については、御指摘のようにですね、きっちり見ながらやっていかなければいけないと思いますが、先ほども申し上げたように、次第に減ってきている傾向があるということで、さまざまなキャンペーンに工夫をですね、凝らしながら、より減らす方向でですね、頑張っていきたいなというふうに思っているところです。11月に調査をして、それが経年的にですね、ポイントポイントで調査をしながらですね、それらの動向も見守っていきたいというふうに考えています。そういう意味で今のキャンペーン、さまざまなキャンペーンは多角的にですね、やりながらしていきたいと思いますが、今のやり方について即座に期限を設けてというふうには今、考えておりません。
 それから、法的な問題についてですけれども、そういうことで市の方としては、路上のですね、瑕疵があるとかいうことでなければですね、法的にこういった問題でですね、直接的に裁判でどうのこうのという話にはならないんじゃないかというふうに思っています。というのは、たばこ自体が禁止されていませんから。どこの路上で吸ってもですね、基本的には法的には問題はないわけです。そういうものに対して、例えば三鷹の市役所の前の道路でですね、そういう事故が起きたとして、道路の問題として、それを管理している三鷹市として責任を追及されるというふうなことは、直接的にはないだろうなというふうに考えています。ただ、社会的な状況の中ではですね、よりたばこの規制が厳しくなるような状況がある中で、法的にもそういうふうな整備がされてくれば、それに対応した行政としての対応はですね、今のマナーアップのキャンペーンの問題とは別途にですね、考えていかなきゃいけない行政としての責任は出てくるだろうなというふうには思っております。


◯15番(浦野英樹君)  ちょっと今の話を伺って質問させていただきますけども、私も今回の質問はですね、規制をしろという意味でお話ししたわけじゃありませんで、何を目指しているのかということをもっと市民に伝える必要があるのではないかということで質問させていただいたわけです。マナーを守って喫煙者と禁煙者が共生しましょうというのであれば、もう少し表現の仕方についてもですね、工夫のしようがあるんではないか。例えば武蔵野市は路上喫煙は禁止と言っていますけども、別に罰則があるわけではないし、ルールがあるわけではない。この場所は禁煙でお願いしますと、アピールの方法としてあのようなやり方をとっているわけで、私はもう少し、今ここは禁煙なのか、吸っていい場所なのかということを常に喫煙者の方も考えて、ほとんどの方が考えるわけですから、禁煙でお願いしますというふうに、もうちょっと言い切ってもいいんじゃないかと思うわけです。もうちょっと踏み込んだ表現をしてもいいんではないかと思うんですけれども、そのあたりの見解をお伺いしたいと思います。
 また、予防法務的な意味で、確かに可能性としては低いのかもしれませんけれども、例えばですね、他の自治体と比べておくれているというような状況になればですね、そういった可能性も出てくるのかなと思うわけですけども、周辺の自治体と比較して三鷹の路上喫煙キャンペーンの進捗状況についてどういう認識を持っておられるのか、改めて質問をさせていただきたいと思います。


◯副市長(河村 孝君)  禁止区域があって禁止でお願いしますという話になると思いますが、そのことについては先ほど述べたとおりでございます。以上です。


◯15番(浦野英樹君)  あと周辺の自治体と比べて三鷹の現状はどういうふうにお考えなのか、お願いします。


◯副市長(河村 孝君)  私ども、政策を考える場合にですね、進んでいるとか、おくれているとかいうことで選択をすることはないです。自分たちのまちにとってふさわしいか、ふさわしくないか、どれが一番いいかということでいつも政策を考えているものですから、そういう意味で武蔵野市さんは武蔵野市さんの状況があるでしょうし、港区さんには港区さんの状況がある。三鷹は三鷹の状況があるというふうなことだと思っています。


◯15番(浦野英樹君)  それはそれでごもっともな意見なんですけれども、三鷹で生活している方というのは、ずっと朝から晩まで三鷹にいるわけじゃない方が多いんですよね。私もそうだったんですけども、ちょっと出かけたら武蔵野市だし、府中市だったり、小金井市だったり、仕事で都心の方に出かけるわけです。ですから、常にやっぱり他の自治体との比較というのは頭に入れておく。それがすべてだとは申しませんけども、他の自治体と比べて、少なくともおくれているなと感じないようなリーダーシップを発揮していただきたいなということをですね、ちょっと要望いたしまして、時間もありませんので、このあたりで私の質問は終わりたいと思います。


◯議長(石井良司君)  以上で浦野英樹君の質問を終わります。
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◯議長(石井良司君)  次の通告者、17番 半田伸明君、登壇願います。
                〔17番 半田伸明君 登壇〕


◯17番(半田伸明君)  前回に引き続き、協働のことについての質問なんですが、今回は協働から共治へと題しまして、協働の次に来る時代を予測し、それにどう対処していくかという質問をさせていただきます。
 質問に入ります。三鷹市ではかなり前から市民参加の歴史がございます。市民参加という文化はまさに三鷹市の大切な宝物です。出発点はどこにあったのか。また、参加から参画を経て協働に至る流れ、歴史、総括をしていただき、この現象に対する御所見をお伺いいたします。
 次、現状の到達点である協働とは何なのか、どんな特色があるのか、現状分析をしていただき、この現象に対する御所見を伺います。
 次、「公」とは何かということについて、改めてお伺いをいたします。
 今までの質問を踏まえてですね、市長御自身がお考えになっていらっしゃる「公」とは一体何なのか、どういうものを指すとお考えなのか、市長なりの「公」の定義というものを伺いたいと思います。さらに、その「公」を構成する主体にはどのようなものが考えられるでしょうか。行政は言うまでもありませんが、NPO、町会など多様な主体が考えられると思いますが、現時点で市長はどのようにお考えでしょうか。さらに、「公」の事務について伺います。現状、多様な事業を展開されていらっしゃいますが、市長は、それらすべてが行政がやらなければならないものとお考えでしょうか。行政以外でも主体を担い得る「公」の事務というのはあり得るでしょうか。事業仕分けの発想とも関連してきますが、個々の事業の性質につき、行政が主体でなければならないもの、また、行政以外でも主体となり得るものというように分類分けをしたことが、かつてございましたでしょうか。
 次、今度は「公」をどうつくっていくかという質問をいたします。まず、「公」を形成する主体をどう醸成していくのかという質問をいたします。
 民が担う公共の時代と言われていますが、もうすぐそこにやってきていると思います。そういったものを創出していくことに向けてですね、さまざまな主体が自然に発生する土壌の醸成、こういったものにつき、現状の行政としてどうかかわっていくべきなのか、また、かかわっていくべきではないのか。ある公益増進活動をしたいというサラリーマンがいると仮定してですね、その方は平日は忙しく、でも、公益活動をしたいという思いが強い。そういったケースは十分に考えられる。こういった行政がさまざまな「公」の主体を、いわば意図的にですね、積極的に醸成をしていくことが必要な時期に差しかかっているのではないかと考えますが、この点についての御所見を伺います。
 次に、事業の分類も課題になります。例えば生活保護のようにですね、本来的行政事務とも言える部分がありますし、また、そうではなくて、本来的、行政事務とは言えないのかもしれない、共助のレベルで十分に可能な事務など、さまざまな性質があろうかと思います。この点については利用料金制の概念とも関連してきますけれども、どの主体がどの事務をやるのが適当か、役所は最終責任を負わなければならないのであれば、その根拠はどこか。こういった事業の性質・分類といったものをかつてお考えになったことはございますでしょうか。
 最後に資金繰りの問題です。
 複数の主体がそれぞれ円滑な資金状態というわけではございません。公共を形成する資金は、現状は税が主体で、税以外の財源としては寄附という文化があります。公共資金ともいうべきものをどのように形成していくか、各自治体で壮大な実験が今、どんどん始まっております。まず、税というフィルターを通して、通した後にその一部の使い道につき意思表示をできるものとしては、市川市のいわゆる1%条例がございます。これは、税の使途決定権は行政にあるという次元を一部緩めるもの。次に、寄附市場をつくって、税控除という形でメリットを与えるというやり方もあります。杉並区が有名ですが、堺市で近時、似た制度が始まったと聞いております。これは寄附という新たな市場、つまり、税と別財源は見込まれるんだけれども、寄附者のメリットとしては税控除だけだという側面がある。また、諸外国でそもそも行政以外の公の団体にですね、寄附をした場合に、その該当額自体を納税の金額から免除する。そもそも免除してしまうという実例もあるやに聞いております。
 平たく言えば、年間、市民税を20万円納めている方がいらっしゃるとすれば、その20万のうち10万円をあるNPOに──例えばですよ、あるNPOに寄附した場合に、納税額は10万円免除という発想です。これが可能か否かは当然、税法との絡みも問題となってくるでしょう。多くのNPOは行政からの委託に頼っているのが現状でありまして、この現象に警鐘を鳴らす学者の先生方も多くいらっしゃいます。行政が委託に頼ることなく、そもそも税というフィルターを通すことなく、公共資金を形成するルートがあってもよいはずであり、今後の日本では、こういう試みがどんどん出てくるのではないかと推察しております。さまざまな「公」を形成する主体における資金繰りのあり方、公共資金とはそもそも何なのか、この点、現状の市長のお考えをお聞かせいただければと思います。
 最後に、市役所の将来像について伺います。
 私は、協働の先のキーワードは「共治」だろうと考えております。さまざまな行政との協働を通じて、さまざまな経験を積んで、市民みずからが統治主体となって力を獲得し、やがて市民がともに力を合わせて治めていくことに向かう、「共に治める」ので「共治」と表現しておきます。協働はそのプロセスとして、市民がみずから力を獲得していくものとして、さまざまな課題を通じ進められるべきだと考えております。これから必要なことは、統治者と被統治者という区分を協働を通じて混然一体化し、共治の基盤づくりを進める作業ではないでしょうか。さまざまな主体が「公」を構成し、それらのバックオフィスともいうべき共治機構としての本拠が市役所となる。そういう時期がやがてやってくると私は考えております。
 まとめます。協働はどこから来て、どこを目指し、どこへ行くのでしょうか。今後の時代の流れを予測し、市役所はどうあるべきとお考えなのか、御所見をお聞かせください。自席での再質問を留保いたします。よろしくお願いいたします。
                〔市長 清原慶子さん 登壇〕


◯市長(清原慶子さん)  協働から共治へということで幾つか御質問をいただきました。第1問目は、これは数時間いただかないとですね、お話しできない。三鷹市政における市民参加から協働に至るまでの歴史を総括してくれと、こういう御質問でございました。私は、三鷹市の市議会議員さんですから、私が御説明するまでもなく、こうしたことを踏まえて議員をされていると思いますが、僣越ですが、短時間で総括をさせていただきます。
 私自身が昭和40年度後半、50年代初め、1970年代に、三鷹市が第1次の三鷹市基本計画を考える際のまちづくり市民会議の委員として三鷹市に参加をしました。私の人生はまだ55年しかないわけですが、三鷹市政は57年、その私が20代前半で既に学生として参加の機会を与えられるほどの自治体ということは、どのぐらいの柔軟性を持って包容力を持っているかということは、この一つの、ただ一人の個人の経験からでも象徴できると思います。
 市民参加の出発点にはいろいろなとらえ方がございますけれども、象徴的な出発点としては、昭和46年(1971年)の中期財政計画で初めて明らかにされたコミュニティ・センターの建設構想から始まると思われます。コミュニティ・センターというのは、それを住民協議会による自主管理をしていくという、それまでの自治体の中では想像もできないような思い切った管理運営の構想を伴うものでした。したがいまして、コミュニティ・センターの建設と管理運営から始まった住民協議会の活動は、次に昭和53年(1978年)から着手した市民によるコミュニティ・カルテの作成──もちろんこれは職員との協働でした、そして、昭和62年からはまちづくりプランの作成へと進みました。住民協議会の活動は、計画策定においても市民参加の主たる役割を担うというところまで展開をすることになったのです。そして、大切なのは、こうしたコミュニティ・カルテやまちづくりプランなどの内容というものは、それが単に集約されて三鷹市の計画の中に位置づけられただけではない。具体的に平成9年から始まった新川丸池公園の公園プランづくりや、平成10年からの高山小学校の学校プランづくりというふうに、それぞれ具体的な、象徴的な建設事業でもワークショップ型の市民参加への取り組みへと展開したわけです。
 常に三鷹市においては、計画づくりから具体の事業展開も、市民の皆様が市役所の職員とともにパートナーで進めるということが顕在化してきたわけですが、それをより一層明らかにしたのが平成11年(1999年)、もう20世紀も終わりに近づこうとしていたころ、私も一人のメンバーでしたが、全員公募の組織、みたか市民プラン21会議と市とのパートナーシップ協定による計画づくりへの展開でした。この第3次基本計画の素案は、昨年施行された自治基本条例の制定を提案の一つにも含めておりますし、子どもをより重視したまちづくりをすべきであるというところから、今の教育・子育てを最重点課題に置くというような展開にも流れました。
 私は、最初のころの基本計画への参加の後からも、審議会あるいはさまざまな市民参加の経験を個人的にも持たせていただき、直近ではみたか市民プラン21会議にも参加をしておりましたので、より参加と協働が定着すべきであるということで、市議会の熱心な審議と、議会条項まで含んだ三鷹市自治基本条例が制定されるとともに、平成15年(2003年)には市民協働センターが開設されることによって、コミュニティ・センターのみならず、さまざまな市民活動が拠点を持ち、支援をされ、また、新たな形として協働運営を模索しているということになります。
 私は昨年、三鷹青年会議所の提案を受けて、無作為抽出による討議方式である、いわゆるサイレントマジョリティーの声をできる限り把握しようという一つの試みであったまちづくりディスカッションが多くの市民の皆様の主体的な参加のもとに成立し得たことも、これは三鷹市の大きな特徴で、他の市、区ではなかなかこれほどまでにはいかないという実情をお聞きするにつれ、三鷹市の市民参加と協働の歩みは、たまたま私はですね、30年余り経験を持っているわけですが、市民の皆様には出入りがあります。もう何百年も三鷹市に住み続けていらっしゃる、それを継承されている市民もいらっしゃれば、新たにこの数年前に転居されてきた方もいらっしゃるわけで、このような取り組みが経験を継続できているということは、個人の中でだけではないというところに三鷹市の強みがあると思います。
 象徴的なのは、この市民参加と協働の取り組みをともに進めてくださっている市議会の構成メンバーの中にも、もう三鷹に長く住んでいらっしゃる、そうした御出身の方もいらっしゃれば、ここ数年の間に三鷹に転居されてこられた方もいらして、しかし、ともにこの自治基本条例をつくるプロセスにも参加してくださり、また、それ以降の市議会のメンバーにもなっていらっしゃるわけです。このことは私は単に、単に市民参加と協働が、市民の皆様のコミュニティ・センターの自主管理やパートナーシップ方式による計画づくりというところで注目されているだけではない。自治基本条例に議会条項が入っていることも全国的に注目されている、この礎になっているというふうに確信をしているわけです。
 三鷹市の協働の特色というのは、協働とは、立場の違う主体が自治にかかわる地域の目標を共有し、それぞれの役割分担を明確にし、相互協力をしながらその実現のためにともに汗をかき、さらには評価や改善もともに行っていくこと、そのことを明確にしてきたプロセスを持っているということです。市民の皆様の中には、プランづくり、あるいは発言をするのは得意だけれども、いや、ちょっと汗をかくのは苦手という方もいらっしゃれば、公園づくりや、あるいは道の整備など美化活動に汗をかき、手を使うということが得意な方もいらっしゃいます。それもまた協働なのです。多元的な協働を実現していくこと、これはこれまでの特徴の中からさらに今後も続けていくべきものだと考えています。
 次に、「公」とは何か、「公」をどうつくっていくのかという御質問をいただきました。
 これもですね、釈迦に説法ですので、本当に簡潔にお答えいたしますが、「公」や「公共」という言葉は、もともとは英語の「パブリック」という言葉から来ておりますけれども、これは、社会全体に関するものとして公開制を有するとともに、人々に参加の機会が開かれている領域であるというふうにとらえることができると思います。ですから、「公」や「公共」を構成し担い手となる主体は、市役所だけではありません。市議会だけでもありません。三鷹市自治基本条例第32条の協働のまちづくりでも規定していますが、行政だけではなく、市民の皆様やNPO、事業者など多様な主体が「公」を担うことができます。自治体が担うすべての業務に通じる公共のための活動、公共政策と言われるものを実施するためには、質問議員さんも提示されました事業分析や事業仕分けの手法というのは、職員自身や第三者によって公共政策における行政のかかわりのあり方を検討するものであると考えます。
 「公」や「公共」をつくるための行政のかかわりは、同じく自治基本条例で定めていますが、多様な主体が相互に連携・協力をして、協働のまちづくりを推進するための環境整備や必要な支援を行うことです。そして、それぞれの主体が情報を共有し、意見を交換し、積極的な参加と意思形成が図られるように、多様で開かれた場と機会の創設が必要です。自治体としましては、民間事業者やNPOが活躍できる領域では、民間の移転を積極的に進めることが求められています。しかし、行政が果たす役割というのはやはり引き続き残るわけです。例えばサービスの実施や決定の基準を策定し、明らかにすること、第2には、その基準に従って公正に決定・実施されているかの調査や点検を行うこと、第3に、必要なサービスがしっかりと市民の皆様に届いているかのモニタリングを行い、求められる必要性に応じて改善措置を図るという責任が行政にはあるのです。
 資金繰りについても御質問いただきました。
 三鷹市は言うまでもなく地方交付税の不交付団体ですが、税を主たる財源としています。しかし、おかげさまで私が市長になりましてから、市民の皆様からいただく寄附が増加傾向にありまして、御記憶のある方も多いと思いますが、さきの3月議会では、寄附に基づく健康福祉基金への上乗せができたということで、これは大変ありがたいことです。寄附文化の問題につきましても、私たちは課題を整理する必要があるというふうに考えています。
 最後に、市役所の将来像についても御質問いただきました。
 私は、長く市民として活動をさせていただいてきました。私はそのとき感じたことがあります。市役所には、もちろん、先ほど申し上げました「公」の責任というのはしっかりととっていただきたい。特に計画等が整合性のあるものかどうか、国の法律にのっとって、あるいは適切な学問の世界、科学の世界で提示されている基準などにのっとって、その仕事をきちんとですね、質を維持するような基準づくりや、その評価や、そしてそれを公表していくという、アカウンタビリティーの責任をとっていただきたいとは思っていました。けれども、同様にですね、行政だけにすべてを任せてこなかったからこそ、今の三鷹市政の健全性があるというふうに市民の側から自負していたわけです。常に批判する、評価する、それだけではなくて、実際にともに責任をとる市民が多くいるということが大変重要だというふうに思っています。
 これは、基本構想で述べているとおり、これからの行政の主な役割は、これまでの直接的なサービス提供中心のあり方から、総合的な、コーディネート機能を重視したあり方へと転換していくものと思います。私たち市民の声が届いたからこそ、第3次基本構想の中では、このことが明確にうたわれたのです。行政がとるべきリーダーシップもあるでしょうが、私たち市民が活躍できる場所や、その主張をコーディネートする力量こそが、今、市役所には求められておりますし、これからも求められていくでしょう。
 自治基本条例に定めるとおり、市民が主権を持ち、その市民の信託によって自治体政府は成り立つのです。そして、市議会も成立しているのです。市民と行政のパートナーシップが一層深まることはあっても、両者が混然一体化するということは自治の論理ではないのではないかと。私たちは、この民主主義国家の中で、行政の責任をとる市長も、そしてそれをよい意味で監視し、そして自治基本条例によれば、牽制する市議会も選挙によって信託されて選ばれているのです。この実態こそが私は、協働であるだけではなくて、共治ということを既にあらわしているのではないかと、このように思います。だからこそ、私は、民主主義の車の両輪たる市長部局、教育委員会と、そして市議会の皆様とのこの緊張関係こそ大事であって、両方とも市民の代表であるという意味で、私は、市民の声を反映した共治、それを具体的な場面で生かしていくプロセスが協働ではないかと、このように認識しております。


◯17番(半田伸明君)  ありがとうございました。お考えはよくわかりました。私が質問したかった中身のポイントはですね、市長の答弁にもありましたが、参加の機会は実はあるわけですね。協働センターに行くこともあるだろうし、コミュニティ・センターで活動する方も当然いらっしゃるだろう。そういった方々が、いわば本格的な事業型NPOといいますかね、そういうふうになっていくのが私は本来、理想なのかなという気がちょっとしております。その参加の機会があるという部分を、形式的な参加機会というのではなくて、なるべくここは実質を伴えないかなと。入り口の段階で株式会社の設立で言うと、最初から資本金に当たる部分をですね、運転資金に当たる部分を別の人間が出すというのはどうかというのもありますけど、どうも最近のNPOを見ていますと、東大の田中弥生先生もおっしゃっていますけど、なるほどなと思って本を読んでいましたが、どうしても行政下の委託が行ってしまう文化が今、もう根づいてしまっている。これは内部留保の問題も当然出てきますが、そのこと自体がやはり行政の安売り化につながりかねない部分が当然出てきてしまうわけですね。そういう部分を超えて、最初の入り口の段階から公共資金の振り分け方を、いわば意図的に行政の方から仕掛けていく時期が来ているのではないかという趣旨の質問をさせていただきました。混然一体化はない、自治の論理に反するというお考えでしたので、それはわかりました。ちょっと根本的にやっぱり違うのかなと思いましたけれども、ぜひ複数の事業型NPOがですね、活動しやすい環境づくりを、お金の面も含めてですね、ぜひ環境整備を本格的に図っていく時期なのかなという気がしておりますので、その点について、ぜひ前向きに御検討をいただければと思います。
 協働センターについてもですね、1製版当たり40円ですか、リソグラフね。ああいうサービスはやっぱり非常に重要なものだと思うし、それは紙代を安くするというのは当然出てくるかもしれない。ただ、NPOが一番抱えている課題といったら、これは言うまでもなく人件費もあれば、家賃もあれば、ガス・水道、光熱費もあれば、いろいろあるわけです。あるNPOが最初からAという課題を背負わされるかといったら、なかなかそうもいかない。その意味で市長の、市役所が最終責任を持つというのは、私はそれは賛同します。その意味で、私は、市役所は最終的にはやはりバックオフィスになるんだろうなという気はちょっとしているんですけれども。その意味で協働の特徴である委託の文化がやっぱり抜け切れない部分がどうしてもやっぱり残ってしまうのかなという気がいたします。委託と補助と協力というイメージがどうしても協働の場合、強いんですけれども、最初からですね、別々の柱があるというのもありなんじゃないかなという質問をさせていただきました。
 再質問の1点目なんですが、これはちょっと確認なんですけど、協働の精神をですね、自治基本条例を初め、大変すばらしい対応をなさっていらっしゃるところなんですが、現状、その要綱をですね、例えば委託にしろ、補助金にしろ、協力体制にしろですね、要綱をいろいろ定めていらっしゃると思います。その各要綱につき協働の精神が盛り込まれているのかどうか、あるいはすべての要綱をチェックなさったのかどうかをちょっと一度確認をしておきたいと思います。じゃ、その点、お願いいたします。


◯市長(清原慶子さん)  再質問の冒頭で、こういう趣旨で質問したかったということを最初の質問で言っていただければですね、長きにわたる三鷹市の参加と協働の総括をすることに時間を割かなくても、端的にお答えできました。
 NPO法人との協働、そのことについては言うまでもなく、例えば象徴的なことですけれども、さまざまな事業を既にNPOの方にお願いをしております。NPO法人子育てコンビニに子育てねっとをお願いしていることもありますし、シニアSOHO普及サロン・三鷹等々にもお願いしておりますし、また、三鷹ネットワーク大学は、私が市長になりましてから、大学・研究機関をコーディネートする中でNPO法人として設立していただいて、多数の事業展開をしていただいておりますし、最近では緑と水のサポート組織に関する検討会から、NPO法人も想定した組織づくりをという提案をいただきましたので、そのことについても市がコーディネート機能を発揮してですね、つくろうとしておりまして、私は、市が最終責任をとるのは当然のことですけれども、プロセスにおいて多くの、今、質問議員さんが例示されたようなことは既にさせていただいておりますので、端的にそういう観点からの御質問をいただければ、そのことに時間を割くことができましたので、どうぞよろしくお願いいたします。


◯副市長(河村 孝君)  御質問の中で、本格的な事業型NPOに行くのが理想ということですが、NPOとか、そういうボランティアの世界というのは、どの形が理想ということはなくてですね、御希望を持っている方がさまざまな選択をしていくということだろうというふうに思っています。
 それから、NPOの活動の中で、一般的によく本の中で、いろいろ行政側の委託で安上がり行政になるようなことで使われることが多いというふうな話ですけれども、三鷹の中でどうなのかという御質問をしていただきたいなというふうに私は思っております。三鷹の中では、そういう形でNPO法人と、いわゆる今おっしゃられた委託の文化に基づいて委託をするというふうなことはしてきていないつもりでありますので、御指摘があれば是正していきたいと思いますが、ぜひそういうふうに思います。
 また、NPO法人の側もですね、先ほど市長は子育てコンビニの例もありましたけれども、全国的に有名な幾つかのNPO法人が三鷹で生まれて、今、成長してきていますけれども、どの法人もですね、財源的なことではいろいろ苦労していらっしゃいますけれども、市からの事業だけではなくて、自分たちで、民民のベースでですね、業績を上げるべくさまざまな活動をして努力をされているんではないかなというふうに思っています。かなりプライドを高く、誇りを持って活躍されている実態が一方であるということをですね、ぜひ三鷹の実態としても御認識いただきたいなというふうに思っているわけです。
 いろいろな市の実例の中で、最初から1%枠をですね、NPOとか、そういうところに渡すというふうな、そういう方式をとっているところもあるようですけれども、それはそれぞれの自治体のお考えですけれども、私どもとしてはそういう考えは持っておりません。基本的には、議会の中でですね、予算できちっと認められていく事業の中でやっていくものであってですね、どういう人でやっていくかと、こういうことの吟味、審議なしにですね、無前提でNPO法人だからということで事業費を割り当てるというふうなことはどうなんだろうかなというふうに思っているところです。
 環境基金を活用した奨励という意味でのそういう事業費を充てていくというふうなことは一方でやっておりますけれども、毎年、経常的な費用をですね、そういう形でやっていくということは、私どもの方法としては考えていないということでございますので、ひとつよろしくお願いしたいと思います。


◯17番(半田伸明君)  要綱行政について答弁漏れがあります。


◯企画部長(城所吉次君)  協働の精神がですね、要綱に生かされているかということでございます。すべての要綱をですね、全体を事細かくすべてチェックしているわけではございませんが、自治基本条例におきまして、協働のまちづくり、こちらにつきまして、自治基本条例では中核をなしているわけでございますが、この自治基本条例の職員向けのハンドブック、こちらを作成いたしまして、職員へのですね、周知に努めていますし、また、新人の職員につきましては、必ず宣誓を行うということにしています。また、施政方針等でもですね、当然、市の重点的な取り組みの基本的な考え方として協働のまちづくりを掲げていますので、そうしたことも当然、部課長職はもちろん他の職員にも周知がなされていますので、そうした中でですね、要綱についても浸透をしているものと思っておりますが、まだ不備な点が若干あるかもしれませんですが、そうした点も徐々に改善をしていきたいと思っております。


◯17番(半田伸明君)  じゃ、これで最後にしますが、NPOの委託の現状はよくわかりました。勘違いしないでいただきたいのは、三鷹の現状批判とかいうわけじゃないですよ。一般論でお話をさせていただいたわけで、協働の文化の一つの特色としてその委託があるのではないかということで、その問題提起をさせていただいたということで御理解いただければと思います。
 それと、あと要綱行政はわかりました。ぜひ変えるべき点はどんどん変えていただければと思います。
 最後になりますけど、自分が納税するときに、20万なら20万納税金額があるとして、その一部を税という手段を通さずにですね、「公」を形成する資金に充てることができるんだということがもし日本のどこかでですね、そういう実験が始まったならば、その自治体の住民の方はですね、これはひいては政治参加につながっていくだろうなと思うんですね。税についてフリーハンドで、まさに特別徴収ですから当然だと思うんですが、で、選挙に行くかといったら、これはなかなか行かない現実がある。投票率を上げようと言っても、なかなか厳しい現実がある。そういったところで、すべての方々が政治参加をするための一つのきっかけにもなると思いますので、その点についてもあわせて今後の御検討課題にしていただければと思います。以上で終わります。


◯議長(石井良司君)  以上で半田伸明君の質問を終わります。
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◯議長(石井良司君)  次の通告者、14番 嶋崎英治君、登壇願います。
                〔14番 嶋崎英治君 登壇〕


◯14番(嶋崎英治君)  それでは、通告に基づきまして一般質問をさせていただきます。今回は、日本国憲法は市民生活にどのように生かされているかということで通告させていただきました。
 憲法99条は「天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し、擁護する義務を負ふ」と規定し、憲法を守らなければならない権力者をしっかりと定めています。しかし、近年、その任にある国務大臣が憲法改正を主張していることに危惧を感じています。また、自民党は、憲法改正案ではなく新憲法草案としていることと、その草案で、現憲法の前文から「政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する」を削除していること、さらに、現法9条2項「前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない」を、「我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全を確保するため、内閣総理大臣を最高指揮権者とする自衛軍を保持する」と改悪しようとしていることに危惧を禁じ得ません。
 私たちの国の憲法は、アジア・太平洋戦争の反省から、二度と武力を持たない、戦争をしないと世界に約束したものです。そのことにより、敗戦後62年間、戦争により直接諸外国の人を殺さず、また国民も殺されず、名誉ある地位を築いてきたと確信しています。幸い憲法9条は変えてはならないという世論は大きくなっています。
 そこでお尋ねいたします。市長、教育長にとって、日本国憲法とは何なのかということについて質問します。市長の基本的な考え方、教育長の基本的な考え方をお聞かせください。
 次に、憲法教育について質問します。
 今から3年前、講演をしました。参加者500人ほどですが、小学校、中学校、高等学校の授業で憲法を学んだことのある方、正直に手を挙げてくださいと尋ねたところ、手を挙げたのは1名でした。そこでお尋ねします。職員、市民への憲法啓発事業をどのように推進してこられたのでしょうか。また、今後の啓発事業計画はどのようなものがあるのでしょうか。学校教育や社会教育で憲法をどのように取り入れてきましたか。憲法9条を初め平和教育の実績をお尋ねします。
 次に、国民健康保険税の改定は市民生活にどのような影響を与えているか、質問します。
 07年度の国保税についての市民の苦情、相談内容はいかなる内容・実態でしょうか。後期高齢者医療保険制度の発足に伴い、市民負担はどのようになるのでしょうか。昨日、他の議員からこのことに関する質問もあり、答弁もありましたが、確認の意味も含めてお尋ねします。負担はふえるのでしょうか、減るのでしょうか、簡潔にお答えください。
 次に、2006年4月診療報酬改定の市民生活への影響について質問します。市民負担の増は直接的には生じないと思いますが、医療難民はいかなる状況でしょうか。開業医の経営状況はいかなる実態でしょうか。赤字閉院の危機はないのでしょうか。
 次に、今後の医療保険制度の展望について質問します。
 今日の医療の後退は、このままでは2025年の国民医療費は65兆円になり、医療制度改革を実施すれば56兆円に抑制できるという厚生労働省のキャンペーンから始まりました。しかし、よく考えてみれば、団塊の世代が現役からのき、高齢人口がふえ、医療が進歩し、当たり前の治療、安全治療を維持するだけでも国民医療費は自然増するはずです。なぜ65兆円ではいけないのかという言及が国会でなされなかったように記憶しています。持続可能な医療制度にするためと称して医療制度改革が進められ、このままでは、本当はふやさなければならない療養型病床群を逆に38万床から15万床に減らし、自由診療をふやして医療保険が適用されない部門がふやされていく。日本の医療はどうなってしまうんだろうという不安を多くの人々が持ち始めています。憲法25条に大きくかかわる問題だと思います。この間の医療制度改革は、端的に言って「高齢者見殺し」、「病院つぶし」、「自治体つぶし」、「医療難民促進法」、「医療従事労働者カロウシ促進法」と言った方がぴったりなのではないかと思います。今後の医療制度はどのようになっていくのでしょうか。三鷹市民及び三鷹市にどのような影響が出るのでしょうか。市民の命と健康を守り、向上させていくことが市政の大きな役割です。今後の医療保険制度についてどのような見直し、展望をお持ちか、市長の所見をお聞かせください。
 以上で壇上での質問は終わります。自席での再質問を留保させていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
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◯議長(石井良司君)  嶋崎英治君の質問の途中でございますが、この際、しばらく休憩いたします。
               午前10時41分 休憩



               午前10時55分 再開
◯議長(石井良司君)  それでは、休憩前に引き続き、会議を再開いたします。
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◯議長(石井良司君)  市政に関する一般質問を続けます。
 嶋崎英治君の質問に対する答弁をお願いいたします。
                〔市長 清原慶子さん 登壇〕


◯市長(清原慶子さん)  それでは、市政に関する一般質問について答弁をいたします。
 三鷹市におきましては、自治基本条例において、憲法に定める地方自治の本旨の実現をその目的とするとともに、現行の、この三鷹市の基本計画の中におさめられております基本構想でもこのように記述しております。「私たちは、日本国憲法に基づき、世界平和への寄与、基本的人権の尊重、協働とコミュニティに根ざした自治の推進を基調として、「人間のあすへのまち」の実現をめざします」。
 私は、このような基本構想に基づく市政の責任者として、常にこの趣旨を具体的にあらわしていきたい、その思いで毎日を過ごさせていただいております。また、三鷹市におきましては、職員が三鷹市に採用されますときに服務の宣誓をしてもらっておりますが、この服務の宣誓におきましても、日本国憲法を擁護するとともに、三鷹市自治基本条例を遵守することを誓ってもらっています。
 具体的な憲法の啓発事業といたしましては、「憲法を記念する市民のつどい」や、市民憲法講座を開催するとともに、私もできる限りこの事業に参加をさせていただいておりますし、市民の皆様によるこの企画運営の会議にも出させていただいております。また、各住民協議会が主催する憲法・平和事業への助成等を行っております。憲法の前文をまとめた小冊子「憲法手帳」、これは大変市民の皆様から御好評をいただいているものですが、希望する中学校に配布している他、憲法関連事業において配布するなど、さまざまな機会をとらえて憲法の啓発に取り組んでおります。市民の皆様に大切な憲法を実感していただけるよう、今後も地道で着実な活動を進めていきたいと考えております。
 三鷹市の職員に対する憲法教育についてお答えをいたします。
 すべての職員は、採用に当たり、先ほど申し上げました服務の宣誓をしてもらっておりますが、研修におきましても、市町村職員研修所の必修研修であります新任研修を初め、法律基礎部門研修の行政法Iに憲法を学ぶカリキュラムを組んでおります。
 次に、医療保険制度についての御質問をいただきましたが、私は、今後の医療保険制度の展望についてお答えをさせていただきます。
 今後の医療保険制度につきましては、国の改革、これは国民皆保険制度を堅持し、将来にわたり医療制度を持続可能なものとしていくという趣旨のもと、数多くの中長期的な対策から構成されています。私といたしましては、これらの改革が市民の皆様にとって具体的な生活や医療に求める要望に沿ったものでありますよう、適時の問題提起や意見表明をしてまいりたいと思います。そして、これがまさに実質的に市民の皆様にとって望ましい保険制度であるべく、運用について、国民健康保険につきましてはもちろん保険者として最大の努力をさせていただきますとともに、東京都の後期高齢者医療広域連合が進めておりますそのプロセスにおきましても、適切に市民の声をお届けしたい、このように考えております。
 私からは以上です。その他につきましては担当より補足をいたさせますので、よろしくお願いいたします。


◯教育長(貝ノ瀬滋君)  日本国憲法につきましてお答えをいたします。
 日本国憲法は、我が国の統治の仕組み、それから、国民の権利・義務などを定めました日本の最高法規でございます。この憲法は、基本的人権の尊重、国民主権、平和主義といった諸原則によりまして民主主義の基礎をなす個人の尊厳と人権の尊重が保障されるとともに、戦争の放棄をうたい、我が国に今日の平和と反映がもたらされる上で大きな役割を果たしてきたというふうに認識しております。
 また同時に、基本的人権の尊重、国民主権、平和主義を基本といたします日本国憲法のですね、崇高な精神は、世界各国がそれぞれの国の歴史の中で実現してきた人類の普遍的な価値を表現したものであるというふうにとらえております。
 私は、日本国憲法を尊重するということはですね、公教育に従事する者としては当然のことというふうに受けとめておりますし、また、憲法の精神をですね、具体的な教育施策の中に生かしていくということは大変大切なことだというふうに考えております。
 次に、憲法教育でございますが、学校教育におきましては、小学校の6年生の社会科と中学校の社会科、公民的分野におきましてですね、日本国憲法について学ぶことになっております。学習指導要領の趣旨にのっとりまして、日本国憲法が基本的人権の尊重、国民主権及び平和主義を基本原則としていることについての理解を深めまして、我が国の政治が日本国憲法に基づいて行われていることの意義について、児童・生徒は各発達段階に応じて学んでおります。また、国語ですとか、道徳の時間、総合的な学習の時間などを通しまして、個人の尊厳・人権・平和についてですね、考える学習も実施しております。
 また、社会教育におきましてもですね、憲法に規定されましたすべての人々の基本的人権の保障、世界の平和と人類の福祉に貢献することなどのですね、基本的な考え方に基づきまして、生涯学習の事業が進められているところでございます。私からは以上でございます。


◯副市長(津端 修君)  それでは、医療関係についてお答えをいたします。
 まず、後期高齢者医療制度のですね、負担はふえるのでしょうかという具体的な御質問がございました。これは、昨日来お答えしておりますけども、まだ明確にですね、決まったわけではございませんので、はっきりしたことは申し上げられないわけでございますが、国が負担するとされている12分の4のうちの1がですね、財政調整をする機能の調整交付金で交付されると。これの交付のあり方がですね、まだ明確ではございませんが、東京都においてはですね、相当の影響を受けるであろうということで、危惧をしているところでございます。
 したがいまして、昨日、市長が答弁しましたように、この件に関しましてですね、東京都後期高齢者医療連合並びに埼玉県、千葉県、神奈川県の4団体でですね、厚生労働省大臣あてに緊急要望を出したところでございますが、その主な内容がですね、今申し上げました保険料への影響の軽減、それから、システム構築に伴う市町村への財政負担の軽減、それから、被保険者に対する制度の十分な周知、それとですね、我々も困っているんですが、政省令の大幅な提示時期のおくれから事務がとれないから、早く全システムを提示してほしいというような緊急要望を出しているわけでございます。今申し上げましたようにですね、国すらも、まだこの制度に対する細部のですね、システムが明示されておりませんので、現段階においてはですね、保険料等について明確な答弁については申し上げられないのが実態でございますので、よろしくお願いします。これにつきましては、いろんな見方がございますけども、慎重にかつ精力的にですね、国や都にも要望する中で適切に対応していきたいというふうに考えております。
 それからもう一つ、2006年4月のですね、診療報酬の市民生活への影響でございます。
 2006年のですね、診療報酬につきましては、医療費は3.4%の削減がされたわけでございます。この医療費の削減につきましてはですね、本人の一部負担にも影響がございまして、この部分における医療難民ということは、制度改正によってですね、新たに生じたということはないというふうに考えております。
 それからもう1点、それに関連しまして、開業医のことについても御質問がありました。これにつきましては、日本医師会での調査によりますと、開業医に平均でですね、7〜10%程度の収入の落ち込みが見込まれるということで、この診療改正によりですね、開業医の運営については相当厳しくなっているというふうにうかがえますが、幸いに三鷹市においてはですね、こうした影響で閉院するというような事例は、現時点では発生していないというふうに承知しております。以上でございます。


◯教育委員会事務局教育部生涯学習担当部長(山本博章君)  社会教育における憲法・平和教育につきまして、教育長の答弁に補足させていただきます。
 社会教育における憲法・平和教育につきましては、みたか生涯学習プラン2010で、生涯学習の機会と場の提供といたしまして、平和・人権・自治に関する学習の推進を図ることを取り組み事項としていることに基づきまして、社会教育会館における市民大学総合コースの中でですね、ことしの5月から6月に、平和等をテーマとした連続講演を3回開催したところでございます。10月にも1回、憲法に関する講座を予定しております。
 また、「憲法を記念する平和のつどい」では、ことしは会場の都合で実施できませんでしたけども、例年、集いの会場でですね、平和等に関する、また憲法に関するですね、図書の展示・貸し出しを行っているところでございます。さらに、「みたか平和のつどい」では、平和に関する児童書をですね、展示しております。以上です。


◯市民部長(川嶋直久君)  平成19年度の国民健康保険税の改定についてお答え申し上げます。
 通知書は、7月11日水曜日でございましたけれども、発送いたしました。その後の翌週、この2週間に大変問い合わせが集中したわけでございますけれども、その主な内容は、なぜこんなに保険税が上がったのかというものが最も多い状況でございました。私ども、国保財政の現状や仕組み、並びに税制改正の影響など丁寧に説明をさせていただいて、一定の御納得はいただいたというふうに考えております。いずれにしても、大変厳しい内容だというふうに認識しております。以上でございます。


◯14番(嶋崎英治君)  再質問をさせていただきますが、少し区切りを持ちながら再質問させていただきます。
 市長の考え方、よくわかりました。先ほど同僚議員が、三鷹市の協働ということの総括の中でもですね、市長がるる市民主権という立場から総括をされ、お話をされていました。なるほどと思って聞いておりましたし、その視点で引き続き市政を運営していっていただきたいというふうに思います。
 それから、教育長ですが、教育長は自治体の一般行政職及び教育公務員を経験なされて、憲法を守ることを宣誓・署名をされてこられたと思います。そして、先ほど教育長としての答弁があったんですが、その当時と今とでは、気持ちというんですかね、憲法への思いというのは差があるのでしょうか、深くなっているとか、浅くなっちゃっているとかとあると思うんですけれども、その辺のところをもう少しお聞かせいただきたいと思います。
 それから、小学校6年、それから、中学校のところであるんですが、私のですね、先ほど500人というのはどういう人たちなのかということなんですけれども、二十代から60前の地方公務員なんです、実はね。それで、手を挙げるということですから、恥ずかしさもあったのかもしれませんけれども、すぐ手を挙げられた方は一人しかいなかったということで、どうしてそうなっちゃってるんだろうかということで不安だったんですよ。それはカリキュラム上の問題もあって、やりたいんだけれども、2学期とか3学期とか、中学生になると受験が入ってきちゃうということの中で、なかなかそこまで入り込めないで終わってしまうということがあるのかなというふうに思いますが、カリキュラム上の問題でそういうことはないんでしょうか、あるんでしょうか、そこをお尋ねをいたします。


◯教育長(貝ノ瀬滋君)  憲法のですね、最初の出会いは学校教育での授業でございますけども、就職時のですね、教員になるときの宣誓ということがございましたが、率直に申し上げて、当時はやっと就職できたということで、そちらの方のうれしさが先行しておりまして、代表がですね、宣誓を行ったということもありまして、正直なところは、それほどのですね、自覚もなくそのときを過ぎております。ただ、司法試験の勉強などもしておりましたこともありましたので、当然のことと──日本国憲法を守ってですね、仕事をしていくというのは当然のことであるというふうに思っておりましたので、決して軽く見ていたというわけではございません。
 ただ、今現在ですね、教育長という職にあってですね、日本国憲法についての受けとめ方でございますけども、御承知のようにですね、地教行法で、教育長は、11条だったでしょうか、政治的にですね、中立でなければならないという、そういう要請がございます。その中でですね、今、日本国憲法が政治的な争点になっているということについてですね、やはり私自身も勉強をしながらですね、やはりこれから我が国のですね、教育のありようを考えたときにですね、どうあったらいいのかということで、今、私自身もですね、勉強をしているというのが現状でございます。
 500人の方々の中で1名だけ手が挙がったというようなお話ですけれども、どういう方々かよく存じ上げませんけれど、ただ、手を挙げるとですね、当てられるんじゃないかとか、質問されるんじゃないかということで控えたという方もいらっしゃるんじゃないかとは思いますけれど。ただですね、世代によりましてはですね、私もそうですけれど、受験真っ盛りのですね、受験加熱状況の高度成長時代にはですね、3学期に近現代史を学習するわけですけれども、大体の方はですね、そのころは受験勉強の方に振りかえられたりですね、それから、学校の方の都合でですね、はしょられたりというふうなこともあったようなことは伺っております──本市のことじゃありませんよ。私は、そのころはどこか違う田舎の方におりましたので、そういうことじゃなくてですね、一般的にそんな話も聞いておりますけれども。ですから、近現代史のですね、憲法それ自体をやはりしっかり学んでないという、そういう現状があるようであります。
 そういうこともですね、踏まえまして、本市は御承知のように小・中一貫教育校のですね、スタンダードのカリキュラムをきちんとつくってですね、各学校にお示ししていますし、そのスタンダードのものをもとにしてですね、各学校なりのカリキュラムをつくってですね、指導なされているわけでございまして、社会科におきます近現代史につきましてはですね、きちんと指導されているということでございますので、本市においては、そういう御心配いただかなくても結構なんですが、かつてはそういうですね、こともあったように伺っておりますので、大変残念な時代もあったようでございますが、本市においてはそういう御心配はございませんので、申し上げておきたいと思います。以上でございます。


◯14番(嶋崎英治君)  ありがとうございました。市長におかれましても、あるいは教育長におかれましてもですね、今、いみじくも憲法云々ということが政治課題というようなことでね、あると。三鷹ではありませんけれども、他の自治体では、いわゆる改憲手続法ができてからですね、憲法にかかわるこの種の講演会だとか、映画会だとか、そういうことについて、市が協賛をするとか、賛同するとか、市とか自治体がですね、二の足を踏み始めているという、大変私は怖い状態だなというふうに思っています。先ほど市長からありましたように、憲法を記念する市民の会、憲法講座、やっぱり三鷹の誇りだと思いますね。それから、手帳が配られますよね。なかなかないんですよね。そういう地道な努力が暮らしの中に、市政の中に憲法を生かしていくということにつながると思いますので、積極的にさらに続けていってほしいと思います。
 それから、社会教育の関係で、ことしの事業、初夏と秋ということで答弁がありました。これは今までに比べてふえているんでしょうか、減っているんでしょうか、その点、もしわかりましたら教えていただきたいと思います。


◯教育委員会事務局教育部生涯学習担当部長(山本博章君)  先ほど御案内いたしましたですね、社会教育会館での事業につきましてはですね、例年、自主講座的な部分として、受講生の参加も得て決定していくものでございます。そのような意味ではですね、昨年度とか、例年ですね、憲法に関して、昨年よりは今年度は多かったということでございます。例年何らかの形で憲法関係とか入っていることは多いです。必ずこういうことをやるというものではございません。以上です。


◯14番(嶋崎英治君)  ありがとうございました。安心をいたしましたが、憲法を記念する市民の会でですね、かつて澤地久枝さんをお招きしたことがありました。澤地さん自身が感動されていたんですよね。こういうことを市民と自治体がやるということが本当に憲法を生かしていくということになり、三鷹の市民の皆さんの努力に敬意を表しますという、私も対談する機会がちょっとありましたものですから、そう言っておられたです。そういう数少なくなってしまった自治体だと思いますので、より伸ばしていただきたいということを申し上げまして、次の質問に移らせていただきます。
 国民健康保険にかかわることですが、私のところに引き続き相談があるんですね。この質問を改めてするきっかけになったのはですね、70歳、年金生活者、視力ゼロの障がい者で、配偶者は75歳の方からの相談なんです。その市民の方は、市民税が前年の倍近くになり、さらに国保税がほぼ倍になり、なぜ、計算違いじゃないんですかという怒りと疑問でした。私も市民税が6%にフラット化されたことによって、国民健康保険税を従来どおり課税をするともっと負担が多くなってしまうので、課税方式を変更したことと、軽減措置が2年間あると説明しました。負担増になったことは、その方は理解してくれましたけれども、納得はできないというふうに言っていました。そして、先ほど後期高齢者のことで負担がふえるんですかということを言ったら、連れ合いの方は別に払わなきゃいけないと。この本人は世帯ですから、1人になりますから軽くなりますけど、どうなんですかということで、不安でしようがないと。今まで滞納したことはないっていうんですね。一生懸命義務は果たしてきましたと。その世代の人ってそうだと思うんです。ですから、今後ですね、滞納がふえるんではないのかということを心配します。
 また、この方のように後期高齢者医療に移行する世帯は、本当に私は負担増になるんじゃないかと思うんですが、まだ決まらないと。いつごろになるかということについてもね、なかなかね、副市長の方から答弁がありませんでした。このまま推移すればですね、高齢者は生活が極めて困難になりますし、戦後の日本の再建を担ってきた人々に対して、ひどい仕打ちだと思います。来年1年で経過措置は終わりますけれども、経過措置を延長して、さらなる軽減措置をとるということはできないのでしょうか。
 それから、納付率で気になるのは、厚生労働省が去る6月14日、2008年4月から開始される国保税を年金から天引きする特別徴収制度について、都道府県に事務連絡をしました。その内容は、事務連絡となっていますけれども、極めて露骨な特別徴収の強要で、導入しなければ法令に違反するとおどしているような文言まであると思います。それは直近3年の平均収納率が98%を超えるか、もしくは口座振替と納付組織の実施割合が85%を超える場合は導入は任意としていますが、そういう事実は把握されていますでしょうか。
 3番目、後期高齢者医療の準備は、正直言っておくれていると思います。あと6カ月そこそこですよね。国の方は決めりゃいいんだけども、準備する自治体としては……、この間、介護保険だって何だって、皆大変ですよね。本当に市民への周知期間として大丈夫なんでしょうか。
 保険証へのQR、二次元コードですね、それをやろうとしてやめましたですよね。そのことを都道府県や、あるいは都道府県の連合会に通知をして事務のやり直しという事態が生じていると思うんですよ。本当にこのまま行くのはちょっと困難だなと思います。別の議会でやらなきゃいけないことかと思いますけれども、周知が行かないで不満が行くというのは市民にありますから、市長としてしっかりとらえてですね、そんなにおくれるんだったら、実施をやっぱりずらすというようなことも視野に入れてやってもらいたいと思いますが、いかがでしょうか。


◯市長(清原慶子さん)  後期高齢者医療保険制度につきましては、先ほど来、昨日から答弁させていただきますように、今、もう本当にぎりぎり、いろいろ時間のない中、議論を急ピッチで進めているプロセスです。私は、それが円滑に進み、そして市民サイドから考えて妥当なものであるように、できる限りのことをしていく責務があるというふうに認識しております。これは、東京都の広域連合という組織をつくってやっていかなければならない、構成の各市区町村すべて首長が同様の認識であるというふうに私は思っておりますので、私は、この制度がですね、国の考え方によって進んでいくにせよ、御指摘のとおり、市民の皆様に最も身近なのは市役所ですから、そこの私たちの考え方や、市民の皆様の声を適切に伝えつつですね、周知期間も含めて私も十分だとは思っておりませんので、それが法にのっとったものとして円滑にいきますように、そして現場がそれにきちんとした対応ができますように、あらゆるですね、手段を検討しながら私も取り組んでいきたいと、このように決意しているところでございます。


◯市民部長(川嶋直久君)  国民健康保険税の特別徴収のお話でございますけれども、事務的にですね、そういったもの、政令案とか、そういった形でですね、議論はされていることは承知しておりますが、大きな流れとしてですね、この特別徴収の方向は従前から示されておりまして、この流れに沿った形で今、手続が徐々に徐々に進んでいる、こういった実態はございます。以上でございます。


◯14番(嶋崎英治君)  昨日来からね、この後期高齢者医療問題についてさまざまな角度から質問・意見もありました。ここの議会の議員の気持ちも市長の気持ちもやっぱり一体だと思いましたので、本当に市長の決意は心強く思いました。ぜひ奮闘していただきたいと思いますし、私どもは私どもでね、代表を送っていますから、その中で議論を進めながらいきたいと思います。
 それから、特別徴収の問題ですけども、もしこれが適用されるということになると、三鷹市は該当しちゃいますよね、特別徴収しなきゃならないような。ということになると、またすごい反響というんですかね、来るんじゃないかと思います。そういう意味で、さっき質問しました軽減措置を、2年ですから、来年1年やれば終わりますよね。それを今から準備していく必要があるんじゃないかというように思うんですが、その辺答弁がなかったんで、そういうふうに、さっき言った特別徴収が適用される団体になっちゃうのか、団体にされたらどうしようとするのか、それから、先ほど言った軽減措置を延長するというような考えはないのかどうか、お聞かせいただきたいと思います。


◯副市長(津端 修君)  国保税のですね、軽減措置についてでございます。今年度から、従来の課税方式をですね、大幅に改めまして現在の制度を導入したわけでございますが、その際にですね、急激な変化を避けるということで、2年間に限っての軽減措置を提案し、議会でお認めいただいたところでございまして、本年度スタートしたわけでございますけれども、現時点においてですね、これを2年後どうするか、こうするかについては、答弁を差し控えさせていただきたいと思います。これからいろいろなですね、状況を見る中でですね、判断をしていくべきことというふうに考えておりますので、よろしくお願いします。


◯市民部長(川嶋直久君)  特別徴収についてお答え申し上げます。
 これは、国の法令、それから、政令というレベルで規定されてくることでございますので、私どもは、その規定にのっとってですね、事務を進めていくということになりますけれども、その中でも、機械的に特徴に移るということではなくてですね、今、さまざまな事務の打ち合わせの中で出ておりますけれども、一定の基準を設けてですね、除外する。除外しても、これは普通徴収になるわけでございますけれども、そういった検討がなされております。以上でございます。


◯14番(嶋崎英治君)  ありがとうございました。最後にですね、日本の医療制度がどうなるのかということを、私、大変気になっています。先日、「シッコ」という、アメリカの医療保険制度を描いたドキュメンタリー映画を見てきました。「華氏911」を制作したマイケル・ムーア監督の作品ですが、絶対、日本の医療制度をアメリカのようにしてはならないというふうに確信しました。
 先進資本主義国で最低だそうですけれども、とにかくアメリカの医療制度はひど過ぎます。救急車を呼ぶ前に予約しろ。国民皆保険制度はないし、6人に1人が無保険で4,700万人、毎年1万8,000人が治療を受けられずに死んでいる。映画は、保険にかかっている人なんですよね。そのアメリカの保険制度を日本の医療保険制度がまねしていったら、とんでもないことになるというふうに思います。ぜひ「シッコ」という映画を議員の皆さんも、理事者の皆さんも、職員の皆さんも見ていただいて、今後の医療制度を一緒に考えていってほしいと思います。以上で終わります。


◯議長(石井良司君)  以上で嶋崎英治君の質問を終わります。
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◯議長(石井良司君)  次の通告者8番 伊東光則君、登壇願います。
                〔8番 伊東光則君 登壇〕


◯8番(伊東光則君)  議長から御指名をいただきましたので、通告に従い一般質問をさせていただきます。御答弁のほどよろしくお願い申し上げます。昨日の一般質問に同様な項目がありましたが、重ならないように質問させていただきます。よろしくお願い申し上げます。
 さて、三鷹市の人口は、本年8月1日現在、外国人登録を含め17万7,336名、約8万6,000世帯となっています。私も、生まれてから現在まで44年間、この三鷹で生活させていただいています。今回の私の一般質問は、三鷹市での日々の暮らしが安全安心できる、よりよいものになるようにと願って質問させていただきます。
 まず、ごみ対策についてお聞きいたします。
 ごみ対策については、昨日、市長から大切な問題としての認識で対応しているという旨の御答弁をいただいております。私も同じように考えます。市内から家庭系ごみ、事業系ごみが排出されています。市民の皆様、企業の皆様に御理解・御協力をいただき、ごみの減量・資源化を推進しています。平成15年9月には、三鷹市ごみ処理総合計画2010が策定されています。その中に計画の目標が記載されています。1つ目の質問です。ごみ総排出量の削減目標、リサイクル率の達成目標、焼却量の削減目標、最終処分量の削減目標について、現在の成果はどの程度ですか。
 次に、可燃ごみの処理施設である、新川にある環境センターについてお聞きいたします。
 まず、「環境報告書2007」によりますと、焼却量が減っているとあります。2つ目の質問です。焼却量が少なくなると焼却施設を傷めると聞いていますが、問題ないのでしょうか。
 次に、ESCO事業による公共事業の省エネ化により、平成18年度には、平成15年度比で電気量は15.6%、原油で約290キロリットルに相当する省エネができたということです。さらに、焼却処理後に排出されるダイオキシン類についても、適切な処理を施すように施設を改良し、基準を十分下回るように運用されているようです。努力していただいていると評価いたします。3つ目の質問です。さらに環境に優しく、効率のよい運用に向けて事業の見直しを行っているのか、御所見をお聞かせください。
 現在、大震災の発生が危惧されていますが、大震災後には大量のごみが出ることが明らかになっています。そのためにも処理施設が壊れてしまっては困ります。4つ目の質問です。完成当時は最新だったとはいえ、環境センターは23年前の昭和59年完成、翌年稼働開始の施設です。アスベスト問題を含んだ、耐震性について、対応は十分でしょうか。老朽化も進んでいると考えますが、いつまで運用できるのでしょうか。
 次に、新ごみ処理施設について、少しお聞きいたします。5つ目の質問です。さきに質問いたしました環境センターのかわりの施設として計画されている新ごみ施設ですが、新ごみ処理施設整備基本計画の進捗は順調なのでしょうか。平成25年稼働と計画されていますが、計画どおり稼働できるのでしょうか。
 さて次に、水道事業における東京都と三鷹市の関係について、多摩地区水道経営改善基本計画について、三鷹市の対応をお聞きいたします。この計画は、水道事業を東京都に移行し、東京都がすべて行うとする計画です。また、平成17年の第4回定例会の一般質問で取り上げられています。その際、市長の答弁に、安全安心を最大限尊重するとあり、水道部長の答弁に、お客様サービスの向上や安定給水の確保に留意しながら委託化が図られていくとあります。6つ目の質問です。その答弁のお考えにお変わりはございませんか。そして、もしも東京都の方針または運用が三鷹市民に不利益になる場合は、三鷹市として、当局に対して意見をし、市民を守ることが大切だと考えます。そのためには、都当局との関係を親密に保つ必要もあると考えますが、所見をお聞かせください。
 7つ目の質問です。既に都の水が4割ほど入っている三鷹市の水道事業ですが、完全に東京都に移行した後は、三鷹市民にとってどのようなメリットがありますか、お知らせください。
 8つ目の質問です。安全安心なおいしい水を市民の皆様に提供するために日々努力されていると思いますが、その現状をお知らせください。
 さて次に、情報提供の方法について質問いたします。市民の皆様は、市政に関する情報を得る権利があると考えます。現在、情報提供の方法として「広報みたか」などの紙媒体、インターネットのホームページ、「みる・みる・三鷹」などのケーブルテレビ、三鷹市安全安心メールなどの電子メールで、さまざまな情報提供が行われています。9つ目の質問です。各媒体の提供内容に対しての市民の皆様の反応において、十分な効果があるのかお伺いいたします。特にFMむさしので三鷹市の情報番組を平日の午前10時20分から25分の5分間放送していますが、市民の皆様の反応はどのようなものなのでしょうか、教えていただきたいと思います。
 さて、大規模災害時には、被災者の皆様にとって、他の情報提供媒体の少ない中、ラジオ放送が情報源として有効活用されます。10番目の質問です。三鷹市では災害時のラジオ放送の活用についてどのように考えられているのか、所見をお聞かせください。隣接の武蔵野市、調布市、世田谷区には独自のFMラジオが開局しています。三鷹市民の皆様の中にも、地域のイベント、交通情報、音楽などの情報源として活用されている方もいらっしゃいます。三鷹市独自のラジオ放送局があれば、災害時の活用、市民活動の活性化など有効利用できると考えます。11番目の質問です。三鷹市独自の開局の可能性について、所見をお伺いいたします。
 以上で壇上よりの質問は終わらせていただきます。御答弁によりましては自席からの再質問を留保させていただきます。ありがとうございました。
                〔市長 清原慶子さん 登壇〕


◯市長(清原慶子さん)  日々の暮らしの安全安心ということで幾つか御質問いただきました。
 まず1点目、ごみ対策についてでございます。現在のごみ処理能力について御報告をいたします。
 ごみ処理総合計画2010の平成22年度の目標に対しまして、平成18年度のごみの総排出量の実績について御紹介をいたします。1人1日当たり930グラムと目標を設定したところ、892グラムと目標を下回りました。削減がなされているということになります。同様にリサイクル率の達成目標は、総資源化率33.7%のところ、42.0%、焼却量の削減目標は、平成9年度の実績比13%以上が17.9%となりました。最終処分量の削減目標はゼロを目指すところですが、埋め立て量278トンとなりました。ただ、今までのところ、埋立量というのは、エコセメント化施設の稼働によりまして、実質ゼロとなっているわけです。このように市民の皆様が大変熱心にごみゼロ、あるいはごみ減量に対する取り組み、さらには資源化・リサイクルへの取り組みをしていただいておりますので、三鷹市ではごみの減量化が徐々に進んできていると言うことができます。
 そこで環境センターについてでございますが、現在、環境センターの処理能力は、1日当たり195トンでございますが、約64%の処理量で焼却炉を効率的に運転しておりますので、先ほど量が少ないことが逆に問題ではないかという御質問をいただきましたが、処理に問題はありません。また、環境センターにつきましては、平成16年度に環境センターと、そしてこの稼働を委託しております事業者両方とが協働してISO14001を三鷹市の公共施設としては初めて認証されました。最適な状態を維持するために随時見直しを行っております。また、質問議員さんに御評価いただきました、同じく平成16年度より行っておりますESCO事業におきましては、その活動を常に継続し、効率的な運用が図られ、いわゆる地球環境に配慮した事業運営をしております。
 さらに、環境に優しい施設の取り組みはないかという御質問です。
 環境センターは、昭和60年(1985年)1月の稼働開始から22年がたっております。安全で安定した施設運営のために、定期的に年2回のオーバーホールを行うとともに、問題点を早く抽出・補修して、部品の交換や修理を随時行って、維持管理に努めてまいりました。また、平成17年度からは、比較的大規模な改修工事を5年計画で進めてきております。新ごみ処理施設の稼働が平成25年度を目途に進められておりますので、それまで機能の低下が起こらないように最善の管理に努めているところです。
 御質問いただきましたアスベストについてでございますが、平成17年度の1%を超えた建築物の調査では含有が認められませんでした。そこで、新基準の0.1%を超える建築物の調査は、これから間もなく実施して確認をいたします。耐震性についてですが、昭和56年(1981年)建築基準法の改正による新耐震基準に基づいて建設されておりますので、耐震性は確保されているものと認識しております。
 少しだけ新ごみ処理施設について御質問いただきましたので、それについてお答えをいたします。
 この新ごみ処理施設は大変重要な施設です。平成18年3月に新ごみ処理施設整備基本計画を策定して、その10月から、事業主体でありますふじみ衛生組合で、平成25年度の稼働を目指して新ごみ処理施設整備の事業に取り組んでおります。私は、このふじみ衛生組合の管理者でもあるわけですし、三鷹市長でもございますから、この施設整備に当たりましては、何よりも環境と安全に関する徹底的な配慮をするとともに、大変経費のかかる施設でございますので、コスト意識を持ち合わせた、バランスのとれた施設づくりを目指して計画を進めております。現時点、両市において調整すべき事項がございますが、平成25年度内の稼働ができるものと考えております。
 続きまして、個別の事項については担当より補足いたさせますが、水道事業について基本的な方針について御質問いただきましたので、私からまずお答えをいたします。
 三鷹市水道事業は安定的な水源確保と供給を図るために、平成14年(2002年)4月1日をもって都営水道に一元化し、一元化後は東京都から地方自治法に基づいた事務委託を受けて、受託水道事業という形で市民の皆様への水道水の提供を行っております。だからこそ、東京都水道局とは日常的に緊密な連携を図っております。水道部長を先頭に、必要に応じて移行を見据えた協議を具体的に東京都水道局とは重ねてきております。
 また、私も随時、水道局長と直接お目にかかっているわけですが、特に昨年1月には、当時の御園水道局長をお訪ねして、随分ゆっくり対話をする機会を得ました。その中で三鷹市の考え方をお伝えし、私たちの水道事業の長きにわたる歴史がございますので、市民の皆様の三鷹市への御信頼が高い。そうしたこともあることから、熱心に協議をさせていただいております。三鷹市といたしましては、多摩地区水道経営改善基本計画の計画期間の最終まで、つまり、平成23年度末までは市長が責任を持って水道事業に当たってまいります。
 大きな3点目で、情報提供について御質問いただきました。包括的な事柄について私がお答えいたします。
 市民の皆様に情報提供を丁寧にしていくということは自治体の基本ですし、自治を推進する上で不可欠なことです。市民の皆様は多様でございますから、どのような情報媒体、メディアが有効であるかということは、なかなか人それぞれでございます。私たちは、広報紙、インターネットのホームページ、ケーブルテレビ、あるいはその他のさまざまな手法を通じて市民の皆様に広報活動をしているわけでございますが、特に私は、これに加えて、新聞等のパブリシティー、つまり、ほかのメディアで三鷹市のことを御紹介いただくということにも、その体制を強化いたしまして、各部課の広報担当にはパブリシティーのマニュアルを渡し、研修も重ねながら、そうしたいわゆるマスメディアとの、あるいは地域メディアとの連携も強めているところです。
 市民の皆様の反応及び効果という御質問ですが、実際的に御紹介できる具体的な媒体別のアンケート調査はしておりませんが、来年度、ホームページ全体のリニューアルを準備しておりまして、市民の皆様、特に高齢者や障がい者の皆様の御意見・御要望を伺って、ウェブアクセシビリティーといいますが、情報が障がいのある方や高齢者の方にも利用しやすいような取り組みを進めております。
 なお、私は折に触れて市民の皆様とお話しするときに、例えばこの事業については広報のこの面で知ったとか、あるいは「みる・みる・三鷹」の番組で知ったとか、私もできる限り「みる・みる・三鷹」の市長のひとことコーナーや、あるいは広報の1面でいろいろな事業の御紹介もしているわけですが、それらを聞いたことによって初めて参加した、初めて三鷹市との関係を持ったという方が、大変声を上げて私にお話をしていただくことを心強く思っております。なお、もちろん広報紙は各戸に個別配布をしておりますが、あわせて駅頭などでも置いておりますが、その追加に置かなければいけないほどお読みいただいているというような反応もございまして、私たちとしましては、広報活動が広聴活動と連動しているということを重視しながら、今後も情報提供に努めてまいります。私からは以上です。


◯水道部長・調整担当部長(前田真紀子さん)  それでは、水道事業につきまして市長の答弁に補足をさせていただきます。
 水道に関する質問の2つ目でございます。東京都に移行した後、三鷹市民にとってどのようなメリットがあるのかという御質問にお答えをいたします。
 区部と一体的に市町域を越えて事業運営やサービスが展開されるということになりますが、例えばどこのサービスステーションにおいても、市域にかかわらずですね、サービスの提供を受けることができる、あるいは問い合わせや相談をすることができる。また、利用可能な金融機関が大幅に拡大をいたします。あるいは給水区域が市域内に限定をされないということがございますので、給水安定性が向上をするということなどが挙げられます。今後もきめ細かな丁寧な対応が進められますよう、先ほど市長の答弁にもございましたが、必要に応じて東京都と協議を進めてまいります。
 それから、水道の3つ目の質問ですが、安全安心なおいしい水についてお答えをいたします。
 水道水につきましては、国が定めた50項目の水質基準をクリアしなければなりません。さらに東京都水道局では、常に安全な水をお届けするために、水源から蛇口に至るまで140項目以上の厳しい水質検査を行っておりますが、このようなことによりまして水道水の水質を良好に保つように日々努力をしているところでございます。
 また、平成16年度からは、安全でおいしい水プロジェクト、これを進めておりますけれども、その中で東京都独自のおいしさに関する水質目標、これを設定しておりまして、特においしさの阻害要因と言われております、カビ、カルキ──塩素のにおい、これらを抑えております。三鷹市に入っております利根川、あるいは荒川の水でございますが、これも同様でございまして、オゾンや生物活性炭を使った高度浄水処理、これが相当進んでまいりました。市内の蛇口から直接水をお飲みいただいても安心でございます。さらに、カルシウムやマグネシウムなどミネラル分がほどよく含まれておりますので、先ほど申し上げましたように、においも抑えられております。少し冷やしていただければ、なお一層おいしく飲んでいただけるものと考えております。以上でございます。


◯企画部長(城所吉次君)  それでは、私から市長の答弁に2点について補足をさせていただきます。
 まず、むさしのFMの関係でございます。三鷹市ではさまざまな広報メディアを活用いたしまして情報提供を行っておりますけれども、その一環といたしましてむさしのFM、こちらにつきましても、質問議員からもございましたが、週5日ですね、各5分間の放送を行うということで、最新の市政情報をお伝えする番組をお願いをしているところでございます。
 むさしのFMの放送エリアは、むさしのFMということも当然ございまして、武蔵野市中心でございますけれども、三鷹でも北部を中心に、市域の半分以上で聴取可能というふうにされているところでございます。三鷹の全域をカバーするものではありませんけれども、三鷹市にとりましても、一つのメディアといたしまして、御質問にもございましたが、災害時の活用も含めまして、引き続き適切に活用をしていきたいというふうに思っております。
 それからもう1点、三鷹市独自のラジオ放送開局の可能性ということで御質問いただきました。こうしたコミュニティFMの放送に関しましては、現在、多摩地域では6つの地域で運営がなされております。地域に密着したメディアの一つといたしまして、災害時等の活用も想定しつつですね、三鷹市においてもその開局の可能性については大きな関心を持っているところです。ただ、現時点ではFM放送に利用いたします電波の周波数帯の制約もございまして、総務省の考えといたしましても、関東管内で新たにコミュニティFM放送を開局することは難しいというような状況でございます。したがいまして、直ちに三鷹市におきまして開局を目指す動きをとることは困難ではございますが、引き続き情報収集に努めながらですね、今後の検討課題とさせていただければと思っております。以上でございます。


◯8番(伊東光則君)  御答弁ありがとうございました。ごみの問題については、市長の方より丁寧に答弁いただきまして、ありがとうございます。
 私もやはり生活していますので、毎朝ごみを出したり──毎朝というか、決まった日にごみを出したりするのですが、そのごみがですね、最終的にちゃんと処理されているという確信を得ましたので、安心して、個人ではごみを減らしていきたいと思います。よろしくお願いします。
 また、水道のことですが、朝起きると、まず顔を洗ったりするときに水道水を使います。その水道水が安全なのかという疑問というのがですね、今まで随分あったんですが、やはり今のお話で、前よりももっとおいしくなっていると。そして、冷やせばとてもおいしいという御答弁をいただきましたので、子どもにもどんどん水道水を飲ませていきたいと思います。ありがとうございました。
 そして、ラジオの問題ですが、なかなか法令上、開局は今のところ難しいというお話ですが、前向きに検討していただくという御答弁をいただきました。FM放送ですね。私の周辺ではですね、高齢の方、また一般の家庭の方もそうなんですが、家の仕事をしながら何かを聞くという方が多いです。そのときに、テレビというのはちょっと難しい媒体です。ただ、今、ラジオですと、小さくもなってますし、毎日の散歩のときにラジオを聞きながらという方も大勢いらっしゃいます。また、ひとり暮らしの老人の方もですね、夜寝ながらですね、ラジオをつけっ放しにされる。つけっ放しがいいかどうかというのはちょっと置いといてですね、聞きながら寝られているという方も大勢いらっしゃると聞いています。そういう方に対して、三鷹の情報が流れて、耳から入るような情報が提供できれば、三鷹市のことをよりよく理解していただけるんじゃないかと考えております。
 そこで、水道のことについてもう一つ御質問させていただきます。
 平成14年から都の水が入っているというお話だったと思うんですが、入ってきて、日常生活をしている上でですね、水道の圧が高くなったんじゃないかという気がしています。例えば2階にいるところに、水が今まではちょろちょろしか来なかった気がするところが、しっかりと出るとかいうこともあるのかなと思うんですが、その辺についてどうなっているのか。また、私は消防団を少し経験いたしまして、三鷹の大沢の地区でもそうですが、水圧の低いと言われている地区が私のやっているときにはありました。その辺は今、解消されているのかということについてお聞きしたいと思います。よろしくお願いいたします。


◯水道部長・調整担当部長(前田真紀子さん)  それでは、今、再質問いただきました、特に水道の水圧についてお答えをいたします。
 御案内のとおり、平成14年一元化した前後でですね、東京都からの水は同じように入っております。ただ、一元化前は買っていたということで、一元化後は購入の必要はなくなったということでございますけれども、ただ、一元化前は東京都から買って入れる、都の補給水という言い方をしておりますけれども、その補給水の総量に限度が決められていたということがございます。ところが、一元化によりまして、都からの補給水の総量規制が緩和をされたために、市内の配水圧を上げることができたということでございます。それにより、先ほどの御質問にもございましたが、低水圧地域の解消や、あるいは直接、例えば3階までですね、タンクを通さずにですね、つないで出すことのできる直圧給水方式の拡大を図ることができました。ということで、今では市内全域でいわゆる水圧の低い地域の解消は行われておりますし、ほとんどのところでですね、特別な事情がない限り3階までの直圧の給水ができるという状況でございます。以上でございます。


◯8番(伊東光則君)  ありがとうございました。それでは、最後の再質問をさせていただきます。
 先ほど新ごみ処理施設が25年稼働ということで、問題なくいきそうだということなんですが、そうなった場合に、今ある新川の環境センターはどうなるのか、もしくは計画があれば教えていただきたいと思います。お願いします。


◯副市長(河村 孝君)  新ごみ処理施設が稼働した後はですね、環境センターは取り壊しになると思います。その後の活用方策についてはこれからです。


◯8番(伊東光則君)  以上で終わります。


◯議長(石井良司君)  以上で伊東光則君の質問を終わります。
    ──────────────────────────────────────


◯議長(石井良司君)  この際、議事の都合によりしばらく休憩いたします。
               午後0時00分 休憩



               午後1時00分 再開
◯議長(石井良司君)  それでは、休憩前に引き続き、会議を再開いたします。
    ──────────────────────────────────────


◯議長(石井良司君)  次の通告者、6番 加藤浩司君、登壇願います。
                〔6番 加藤浩司君 登壇〕


◯6番(加藤浩司君)  それでは、議長の御指名をいただきましたので、通告に従いまして一般質問をさせていただきます。
 防災に関する質問ですが、さきに質問された議員さんと多少同様な部分もございますが、視点を変えて質問させていただきたいと思いますので、御答弁のほどよろしくお願いいたします。
 私の市政に対する一般質問は、主に防災について御質問させていただきます。防災と一言で申しましても、多岐にわたるので、ここではポイントを民間住宅の安全性と災害発生時の三鷹市の災害対策本部について絞って御質問させていただきます。
 まず最初に、市民の皆様の生活の中心であります住宅の安全性についてお伺いいたします。
 本年7月に新潟県に発生いたしました新潟県中越沖地震は記憶に新しいことと思います。被害状況は死者11名、全壊約1,000棟、半壊及び損壊合わせて約2万8,000棟と、いまだに多くの方が避難所生活を強いられております。我々のまちに同規模の地震が発生することなど、ふだんの生活からは想像することはできません。我々政新クラブは、市民の安全を重点項目の一つとし、三鷹市に災害が発生したときのことを想定し、ふだんより活動・勉強をしております。
 今回の地震が発生いたしました7月16日の直前にも、神戸にあります「人と未来防災センター」、そこに会派として視察に行ってまいりました。御存じの方も多いと思われますが、ここは平成7年1月17日に発生した阪神・淡路大震災の貴重な資料が多く展示されており、同時に、実際の震災の被害を体験することができるブースや、震災に遭われた方のお話を直接お聞きすることもできます。その他多くのことから、災害対策についてとても参考になりました。
 昨今、各地で地震が発生し、その被害状況を確認するときに、木造住宅の建設時期の話が取りざたされます。いわゆる昭和56年に改正された新耐震基準以前の基準により建てられたものは、新耐震基準により建てられたものより被害は多いということが現状であります。
 では、三鷹市についてでありますが、総務省のデータによりますと、昭和56年以前の三鷹市内の木造住宅は、平成5年調査時では約2万1,000軒ありました。10年後の平成15年の調査時には約1万3,700軒と、10年間で約7,000軒余り減っております。現在は平成19年ですから、減り方が同じように推移したとしても、約3,000軒の減少で、いまだに昭和56年以前の住宅は約1万軒残っていると想定できます。三鷹市では、市民の住宅を守るための一助として、平成7年より木造住宅の耐震診断に対する助成制度が進められてまいりました。市民の利用度は、昭和56年以前の建物と、毎年の耐震診断助成制度の利用数で単純に計算してみますと、利用率はほとんど1%に満たない状況であります。費用の3分の2を補助するこの制度がこの程度の利用率とは、市民に対して認知度が低いのではないかと思われます。そこでお尋ねいたしたいのであります。事態の重要性から考えて、利用率が低いと思いますが、どのようにお考えでしょうか、市長のお考えをお聞かせ願います。
 次に、耐震診断方法の今後の進め方についてお伺いいたします。
 現在三鷹市で助成しております耐震診断の判定は、安全、一応安全、やや危険、危険という4段階の診断結果を出す方法となっており、専ら目視診断による目安を示すものとなっております。この診断は、自己負担額1万2,000円と比較的リーズナブルな料金で建物の危険度を示すわけですが、今後、市が進める診断としては、一般診断や精密診断を視野に入れて進めるべきではないのでしょうか。そこでお尋ねいたしたいのであります。耐震改修促進法の観点より、この進め方をどうお考えでしょうか、市長のお考えをお聞かせ願います。
 次に、密集市街地の整備についてお伺いいたします。
 三鷹市では、上連雀地域の一部と井の頭地域が高密度の木造密集市街地であり、延焼の危険度が高い地域であります。この地域は、生活道路の大半が狭隘であるため、災害時の支援活動のための緊急車両が進行することが困難な状況であると考えることができます。あわせて避難所へ至る経路の確保という点からも整備が必要と思われます。そこで、お尋ねいたしたいのであります。このような市内の道路整備状況を踏まえ、早急に対処するべきと考えますが、市長のお考えをお聞かせ願います。
 大きく分けて2つ目の質問でございます。災害発生時の三鷹市の災害対策本部についてお伺いいたします。
 最近の警報などで、防災課を中心に対策準備を講じたものとしては、7月29日や8月28日の集中豪雨が原因によるものでした。地震に限らず、市内で災害が発生した場合、市の職員の方々や消防団を中心に情報の収集を始めるのですが、その体制について考えてみました。一部のお話では、過日の集中豪雨の際、三鷹市では、現在の防災課のスペースとその前のスペースを利用して出水対策本部を立ち上げたということでした。有事の際には、情報を収集するために防災課に専用の電話を数台設置し、被害状況を把握するとのことです。
 武蔵野市では、ことしの5月に防災・安全センターを建設いたしました。調布市では防災課を移動・拡張したと聞いております。近隣市と比較し、災害時に有効に機能する役割を担うために、災害対策本部、出水対策本部はハード・ソフトの両面で見直しの必要があると思われます。有事の際に必要不可欠な設備やシステムを集約した災害対策室なるスペースを設けることが先決ではないでしょうか。スペースにも限りがあると思いますので、平常時は会議室の用に供する等、有効利用していただくことを視野に入れて、ぜひ設置していただきたいと思います。
 設備やシステムについては、情報の共有化という面で、有事の際には外部からの情報を在室の関係者が一斉に情報を把握できるようにする情報システムの設置を考えてみてはいかがでしょうか。さらに、災害発生場所の職員の方々とテレビ会議的なシステムを設置すること、災害をいち早く発見するために、市内を見渡せる幾つかの場所にカメラを設置することなどを考えてみてはいかがでしょうか。現状で似たようなシステムがあるとも聞いておりますが。
 そこでお尋ねいたしたいのであります。先ほど武蔵野市の防災・安全センターを例に出しましたが、あのような立派な施設が三鷹市に必要かどうかの議論は後にしても、限りあるスペースを上手に活用し、拡張した調布市のように、市民に対する安全安心のまちづくりの視点から、災害対策本部は地震や水害だけでなく、さまざまな危険から市民の安全を守るポジションとして、設備やシステムを更新、または一新し、機能の充実を図るべきと思いますが、市長のお考えをお聞かせ願います。
 次に、災害時の市民に対する対応窓口についてお伺いいたします。
 災害時に市民に対しての対応をするために設置する窓口業務は、市民に対して配慮すべき重要な点であると考えられます。災害発生時に誤った情報が流れないように、最大限努力することも市側として大切な役目の一つであります。例えば、ライフラインがストップしてしまった状況で、給水車の支援状況や被災者に対する救助についてなど、市民に対して不安を抱かせず、正確な情報を公開する場であると考えられます。そこでお尋ねしたいのであります。災害時の市民の問い合わせ、相談を扱う窓口について、職員等の人員の確保、配置やスペースについて確保されているのでしょうか。
 これで壇上よりの質問は終わらせていただきますが、御答弁によりましては、自席での再質問を留保させていただきます。ありがとうございました。
                〔市長 清原慶子さん 登壇〕


◯市長(清原慶子さん)  それでは、ただいまいただきました防災に関する御質問に答弁をいたします。まず、民間住宅の安全性に関する御質問です。
 木造住宅耐震改修の進捗でございますが、三鷹市では平成7年(1995年)の1月17日に発生しました阪神・淡路大震災の教訓を受けまして、災害時に市民の皆様の生命と財産を守るため、同年の11月に木造住宅耐震診断助成制度を創設しました。昨年度末までの実績は522戸と、近隣市と比較すれば、実は突出して多い件数となっています。しかしながら、対象となる住宅の戸数から見れば利用率は高いとは言えませんので、これからも御指摘のとおり助成制度の認知度を高めるために、広報、ホームページへの掲載や、建築関連事業者団体の御協力をいただきまして、イベント時に市の助成制度パンフレットの配布をお願いするなど、啓発活動をさらに推進してまいりたいと考えております。
 次に、耐震診断方法についてでございますが、平成18年に耐震改修促進法の改正、そして耐震改修促進税制の創設などがございました。また、近年の地震に対する社会情勢の変化や、市民の皆様の要望などを勘案いたしまして、現在、耐震改修促進計画を策定中でございます。これとの整合性を図りながら、耐震助成制度の抜本的な見直しを行っているところです。今後も耐震診断及び耐震改修の必要性と重要性につきまして、さらなる啓発活動を推進し、災害に強いまちづくりを目指してまいります。
 続きまして、災害対策本部の設置について御質問をいただきました。
 私は災害対策本部長でもあるわけでございますから、この災害対策本部のあり方については、市長就任後、多面的に調査・研究をしてまいりました。災害対策本部はまず第1に、市の地域に大規模な災害が発生し、または大規模な災害のおそれがある場合、第2に、市の地域に震度5強以上の地震が発生した場合、これは自動設置となるわけですが。また3点目、警戒宣言が発せられて災害が発生するおそれがあると認められる場合などに設置されることになります。7月29日及び8月28日のときは、幸いにも災害対策本部の設置までには至りませんでした。出水対策本部を置きまして、その対応をしたところですが、その活動の拠点が3階の防災課及びその前面の廊下を使用しておりましたので、そのことについての御質問だと思います。
 災害対策本部は、原則市長公室に設置することとしております。この本部には、指令情報班、職員配備班、本部施設対策班、広報・情報班などが設置されまして、3階すべての業務のフロアを使用して活動をいたします。現在、各種の防災行政無線機や通信機器、また、気象情報収集システムが3階に配備してある関係から、3階が基本となります。ただ、最近頻発する集中豪雨や、また、発生が危惧される地震などに対しまして、より機動的に対応していくためには、現在の状況が最善であるというふうに考えているわけではありません。この間も、市の他の施設との連携、活用状況、またほかの機関との連携をいかに有効に果たしていくか、そのような多角的な観点から研究をしておりますので、今後も大規模な災害により適切な対応が可能となる防災センター的な機能を持つ施設のあり方、これは実は私自身が今期市長選に臨むに当たりまして、マニフェストの中にもその方向性を書かせていただいたものですが、その施設のあり方を先進事例に学ぶとともに、あわせて適切な情報収集体制についても検討をしてまいります。
 さて、災害時に市民の皆様の問い合わせが殺到するということについては、私も実際経験をいたしました。一昨年の9月の集中豪雨時には、土曜日の夜間でございましたと記憶しているのですが、市民の皆様からの御相談が殺到いたしました。そのことから学びまして、このような状況が予測されるときには、電話対応、職員対応、そのことについてまずは最優先で取り組みを進めているところです。特に災害に関する広報、広聴につきましては、災害対策本部に設置する広報・情報班が担当して、市民の皆様からの問い合わせに対応するとともに、広報や情報提供、また、マスメディア等も問い合わせを多くいただきますので、実はこのことも防災課の職員を中心として大変重要な役割となっております。ラジオ・テレビ等での情報を市民の皆様が頼りにされるということもございますので、三鷹市の状況等についても適切な対応が求められているわけです。
 避難所等が開設された場合は、各避難所等への情報提供や問い合わせは各避難所運営班と協力して対応することとなります。避難所となる小・中学校やコミュニティ・センター、警察署、消防署などは、地域防災無線を配備することによって、単に防災関係機関ということではなくて、ネットワークとして結ばれております。この無線機にはファクス機能が備えられておりますので、これは適時に使用訓練などをしながら、活用をしているところでございます。
 人員の確保については、災害の状況に応じて第一次非常配備態勢、職員の20%から、第三次非常配備態勢、全職員の各段階を予定しております。なお、市内及びその近隣に居住し、すぐに登庁可能な職員は約6割でございますが、もちろん時間軸を置いて第三次の場合には全職員に集まってもらうこととなっております。私、市長になりまして毎年ですね、職員が時間帯によって集合の可能性も違ってくるわけですから、庁内にいるときはどのように対応するか、休日等の場合にはどのように対応するか等々をシミュレーションをしながら訓練を重ねてきておりますが、今後もそのような実際的な訓練と図上訓練とを重ねながら、職員の体制も強めていきたいと考えております。


◯都市整備部長(田口 茂君)  次に、民間住宅の安全性の確保という項目にお答えを申し上げます。
 木造住宅の密集市街地の改良・整備についてでありますが、これは、三鷹市の基本計画であるとか、土地利用総合計画、いわゆる都市計画マスタープランにおきまして、具体的には井の頭地域であるとか、上連雀の一部の地域につきまして、今後において災害に強いまちづくりを推進する必要があるということで、木造住宅不燃化を促進する地域としております。これを受けて平成8年度に行った、用途地域の見直しを行ったわけですが、その際、この地域を準防火地域に指定をし、住宅の建てかえ時における不燃化の促進を図るという方策をとっております。
 また、平成16年度でございますが、建築物の、建築における最低敷地面積の制度を導入いたしまして、狭い敷地での建築を制限し、密集市街地の解消に努めております。なお、密集市街地を解消するためのその他の方策といたしましては、先ほど御指摘のありました狭隘道路の解消であるとか、袋路になっている道路の解消、また都市計画道路の整備による延焼遮断帯の整備、避難路の確保、こうしたことがあります。今後もですね、災害に強いまちづくりに向けて、道路整備を軸にですね、まちづくりを進めてまいりたいと考えております。


◯6番(加藤浩司君)  御答弁ありがとうございます。まず最初に御質問させていただきました耐震診断の助成制度、これからも広く市民に認知していただきたく、よろしくお願いいたします。そして、その耐震診断の方法につきまして、今、市長の御答弁にもありましたが、耐震改修促進法の観点より、適合なのか、不適合なのか、そういうこともあわせ持って進めていただきたいと思います。
 そこで、現在の目視による耐震診断助成制度、これは比較的安価で、一つの目安として取っかかりになるとは考えられます。ぜひ残す形で検討を進めていただきたいというふうに考えますので、よろしくお願いいたします。
 続きまして、都市整備部長の方から今御答弁いただきました密集市街地の件でございますが、早い時期に、やはり防災環境軸という面で整備をしていただいて、危険な地域を早くなくすということに努めていただきたいと思います。これについて、できれば具体的な時期等が考えられているのであれば、もう一度御答弁の方をお願いしたいと思います。
 次に、防災・安全センターを例に出しまして、三鷹市の災害対策本部、出水対策本部ということで御質問をさせていただきました。三鷹市がこのように先進なる技術でIT化が進められている以上、できればそのような技術をもって安全安心の分野で情報の収集など、そのような分野にもぜひ活用していただけるようなことを考えていただきたいと思います。例えば今、市長もおっしゃいましたが、御答弁の中にあったように、20%、50%、全員というような形で順を追って職員さんが来られるというシステムになっていると思いますが、果たしてどこまでの職員さんが今、登庁したのかということが、参集したのかということがわかるようなシステムがあるとはちょっと聞いておりません。多くの方々がそのような事態のときに、一生懸命、市に向かって、市民のために職員さんが来てくれるわけですから、その方々全員が市民の皆さんのために活動できるような考え方として、もう一度お考えしていただければと思います。御検討をよろしくお願いします。
 そして、最後に市長が御経験されたという災害時の市民が殺到する窓口なんですけれども、これに関しても、そのような情報班、広報班がその任務に当たるということですけれども、実際、その広報班は、三鷹市内の近いところに住んでいる方がどれくらいいらっしゃるのでしょうか。やはり職員の近い方はすぐにでも市役所に集まってくると考えられますので、なるべく広報班ということで縛ることなく、なるべく近い方をそういう方に任命していただいて、早急なる窓口対応をお願いしたいと思いますが、その辺の件、もう一度御答弁いただければと思います。よろしくお願いいたします。


◯市長(清原慶子さん)  再質問にお答えいたします。防災センター的な機能の中に、質問議員さんはぜひ情報通信技術を活用して、市民の皆様にわかりやすいだけではなくて、登庁してきた職員の所在であるとか、そうしたこともわかりやすいように、そういう総合的なセンター機能を果たす仕組みをという趣旨での御質問をいただきました。これは本当にもっともなことでございまして、私たちもですね、安全安心を確保していく上で、防災あるいは防犯等について、特に市民の皆様に適切な、正確な情報をいかにお知らせすることができるかということは最優先だと思っております。その意味では、情報提供方法につきましてもですね、もちろん防災無線もございますが、その他、例えば電力が使える状況であれば、ホームページ等が考えられますし、また携帯電話も錯綜するという状況でなければ、携帯電話上のウェブサイトも活用できるでしょうし、そうしたことを総合的にですね、考えていく趣旨もこのたび、ユビキタス・コミュニティ推進担当部長を置いた中にはございます。
 さらにですね、このたびも私は国土交通省の方の社会資本整備審議会の河川の小委員会の専門委員を頼まれたんですが、その趣旨はですね、東京都三鷹市のような、河川管理という、大きな河川がないところでも、例えば下水道と本当に連動した都市型水害が起こるようなとき、河川の管理にいかに情報通信技術を活用すべきかと。それはセンサー技術もあるでしょうし、それを知らせる技術もあるでしょう。そういうものについて、現場の声をという趣旨で参加をしているわけなんですけれども、一つには情報提供のための手段として情報通信技術を考える。あるいは何らかの異常事態をですね、感知するための仕組みとして情報通信技術を考える。さらには、IT消防団ということで消防団に積極的にかかわってもらっておりましたが、携帯電話等を使ってその即時の映像をセンターに送ることによって、その判断ができるようにするというような、情報収集のための手段として使う。また、これはまだ流動的でございまして、はっきり言えないし、いろいろ課題もありますが、職員がどのようなところに配置されているかということをよく本部長が掌握し、各班の班長が掌握できるような場合のICTの使い方についても検討課題となるかとは思います。
 また、今年度考えております防災の計画の見直しの中でも、地図情報というものを大いに活用したあり方を検討しておりますので、そのあたりも総合的に、先ほどおっしゃいました防災センター的機能の中の情報センターとしての部分の強化にですね、積極的な努力をしていきたいと思っております。私からは以上です。


◯都市整備部長(田口 茂君)  木造密集市街地改善事業、略して木密事業といいますけど、これについてはですね、現在、東京都で実施しているのは、実は環八の内側の地域だけです。言いかえれば三多摩地域ではまだ1カ所も実行されていないのであります。なぜならばですね、環八の内側で現在実行中の木密改善事業というのは、その規模において、その深刻さにおいてですね、到底三鷹の比ではないという状況になっています。簡単に言いかえれば、建てかえがきかない地域がですね、非常に広大な面積で残っているということでありますので、その地域に集中的な改善事業が行われているということであります。三鷹市においてもですね、一部そういう地域を抱えておりますので、加藤議員、いつ変えるかはっきり言えと先ほどおっしゃいましたけど、それはなかなか難しい事業でありますので、これからですね、さまざまな道路計画であるとか、建物の構造の分布その他も見きわめながらですね、いずれにせよ、今年度は無理だと思いますが、なるべく早くですね、こうした事業に着手できるような体制を整える必要があると考えております。


◯総務部長(萩原幸夫君)  窓口職員の対応、問い合わせ職員の対応についての御質問がございました。
 情報提供、問い合わせに対して的確に対応するということはですね、被災された住民の方、あるいは危険を感じている住民の方に大変勇気を与える、安心を与える上で大変重要です。市長も御答弁申し上げましたように、その点についてはですね、最大限努力をしていかなきゃいけないというふうに思っております。ただ、緊急時の場合の職員配備の点においてはですね、そこに意を用いていきますけれども、必ずしも全部が全部ですね、うまく近隣にすぐ登庁できる者が配備できるかどうかはなかなか難しい面があります。それから、実際の職員運用においては、やっぱり機能別に重要なところもありますので、そういったところを加味しながらですね、実情に合わせて適切に職員の配備体制を組んでいきたい、こんなふうに考えております。


◯6番(加藤浩司君)  いろいろとありがとうございました。市長の方でもその辺の安全安心にかかわる情報収集等、災害対策本部に思う気持ちが一緒だということを確認させていただきまして、非常に私としては、市民が安心したのではないかなというふうに思っております。早急な対応をよろしくお願いしたいと思っております。そして、総務部長の方からの今の御答弁ですが、適切な配置をするために職員の参集を把握できるようなシステムを一緒に導入していくことが必要かと思いますので、あわせてお考えいただければと思います。以上で質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。


◯議長(石井良司君)  以上で加藤浩司君の質問を終わります。
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◯議長(石井良司君)  次の通告者、7番 渥美典尚君、登壇願います。
                〔7番 渥美典尚君 登壇〕


◯7番(渥美典尚君)  議長より御指名をいただきましたので、通告に従い市政に関する一般質問をさせていただきます。よろしくお願いいたします。
 三鷹市は、緑と水が豊かな武蔵野の面影を色濃くするまちであり、多くの文人や芸術家から愛され、住まわれてきたまちであります。小説「人間失格」の文庫本の表紙を人気漫画家が描いたこともあり、若い読者もふえたという太宰 治については、桜桃忌が今も毎年のように注目を集め、マスコミにも大きく取り上げられております。また、三鷹出身の指揮者は、国際的に活躍し、とても高く評価されております。三鷹の森ジブリ美術館は、設立された2001年10月の開館以来、国内各地はもとより外国の方々にも御来館いただき、連日のように盛況を重ねております。先日終了しました三鷹市美術ギャラリーでのモーリス・ユトリロ展は、美術ファンも満足し得る内容とボリュームで大変見ごたえがあり、私が訪れた際も、平日であるにもかかわらず、大盛況でありました。これらのことをかんがみると、三鷹はまさしく芸術文化のまちとしてふさわしい評価を得ているものと思います。
 三鷹の芸術文化振興を語る上でまず重要な組織は、財団法人三鷹市芸術文化振興財団であります。三鷹市芸術文化振興財団では、音楽、演劇、芸術、文芸の各部門で独自に企画した自主事業を数多く実施し、三鷹ならではの演目が多いということで各方面のファンからも好評だとのことを聞いております。また、芸術文化センターや公会堂、美術ギャラリー等の施設管理も受託し、その運営も順調になされております。平成7年に設立されたこの財団法人三鷹市芸術文化振興財団が順調に機能されていることも十分に評価できることだと思います。
 さて、バブル崩壊と同時に勢いを潜めたかのように見えた民間によるメセナですが、実のところ、着実に根づいてきています。社団法人企業メセナ協議会は1990年に設立され、約200の法人・団体が加入し活動しています。企業は社会を構成する一員としてその行動が及ぼす影響力の大きさを自覚し、社会貢献活動に積極的に取り組むようになりました。その活動の一環として芸術文化を支援するメセナに取り組む企業がふえたのです。
 社団法人企業メセナ協議会の設立趣旨には以下のように書かれています。「芸術文化は次代を映す鏡であり、社会の発展を促す「革新性」や「創造力」を持っています。企業にとって、地域文化の振興や新たな価値を生み出す芸術活動への支援は、未来の日本社会への重要な投資であり、将来にわたって自社の安定的な発展を促すための必要な活動であるともいえます。また、企業の総合的なブランド力が問われるようになった昨今、革新性に満ち、柔軟な発想と豊かな感性にあふれた芸術活動との接点を持つことは、自社の事業革新をはかるうえで、企業にとって大きな糧となることでしょう。さらに、日々のメセナ活動を通して社会とのコミュニケーションを深めることで、社内の価値構造が多元化し、質の高い企業運営が期待されます。こうしたことから、今後、真に豊かな社会の実現のために、企業によるメセナ活動の重要性はますます高まっていくものと思われます」。
 以上が社団法人企業メセナ協議会の設立趣旨により抜粋させていただいたものです。この設立趣旨の文中の企業、または自社などの部分を、自治体、三鷹市に当てはめても、全く同じ趣旨を持てるのではないかと考えます。
 そこでお伺いいたします。市がお考えになる今後の芸術文化振興策のさらなる一歩をどのように考えられているか、お聞かせください。また、三鷹市芸術文化振興財団への評価と、これからの期待のほどをお伺いしたいと思います。
 さて、三鷹市では、美術資料等の収集も進めております。平成17年時点での資料によりますと、市所蔵の美術品・文芸資料などの総数は1,528点となっています。それらに活用される基金である文化基金には、毎年約500万円が繰り入れられています。その文化基金を活用し、美術資料等を購入するに当たり、1件500万円以上のものについては、市職員や有識者などで組織する美術資料等選定検討委員会という委員会にて購入が検討される決まりになっております。では、1件500万円未満の物件についてはどのように購入が決められているのでしょうか。また、500万円以上であるか、500万円未満であるかにかかわらず、購入すると決めた美術品などの見立て方法はどのようなものであるのでしょうか。職員に目ききの方はいらっしゃるのでしょうか。あるいは外部のアドバイザーを活用している場合、その方はどのような方なのかをお聞かせください。美術資料等選定検討委員会のメンバーや、そこでの検討内容などとあわせてお聞かせいただければと思います。
 さて、市が検討し購入したものや、寄贈を受けるなどして新規に入手するに至った美術品などが昨年度は100点以上あります。しかし、それらがどのようなものなのかということは、なかなか市民には知り得ないというのが実際ではないでしょうか。ゆえに入手した美術品などの写真や解説、そして入手に至った経緯を公表することも重要ではないかと思います。先ほども申し上げましたが、市の美術品などの収蔵点数は1,500点以上あります。しかしながら、その多くを市民が目にできる機会は約5年に一度開催されるという収蔵作品展の場でしかありません。驚くほど開催頻度が少ないなというのが実感であります。また、その収蔵作品展といえども、限られたスペースの都合もあるでしょうし、一般公開には耐えられないような、デリケートな資料や作品などもあると思われ、公開されるのは一部の作品のみになるのが通常であり、収蔵作品の一挙公開はまずあり得ないことと思われます。市民のための収蔵美術品ですから、それではもったいないとしか言いようがありません。美術鑑賞は子どもから大人までだれもが楽しめ、学ぶことのできる貴重な機会であります。その機会をつくるための市収蔵作品展を頻繁に行うことは理想的ではありますが、実際には難しいことであると理解をしております。
 そこで、三鷹市収蔵美術品のインターネット美術館の開設が早期に実現されるよう提案いたします。これは、三鷹市第3次基本計画の中にも取り上げられてはおりますが、ICT先進都市三鷹としては、まさにふさわしい事業ではないでしょうか。他の自治体に先駆けて実現することを強く望むものであります。
 以上で壇上での質問を終わらせていただきます。なお、御答弁によりましては自席での再質問を留保させていただきます。ありがとうございました。
                〔市長 清原慶子さん 登壇〕


◯市長(清原慶子さん)  芸術文化振興について御質問いただきました。芸術文化振興策のさらなる一歩について、ということについて答弁をさせていただきます。
 これまで三鷹市では、平成6年に制定した三鷹市の芸術文化方針によりまして、三鷹市芸術文化センターを核とした芸術文化施設のネットワーク化を図るとともに、財団法人三鷹市芸術文化振興財団、また教育委員会、さらには市民による三鷹市芸術文化協会の皆様などと密接な連携をとりながら、さまざまな芸術文化の領域での振興を進めてまいりました。特に御指摘の財団法人三鷹市芸術文化振興財団は、一昨年、設立10周年を迎えました。改めて芸術文化振興の意義を考えるとともに、芸術文化が広く市民の皆様に浸透し、そのすそ野が広がるよう、地域文化の発展に一層取り組む必要性を感じたところです。
 太宰治賞も復活後9年を経過し、文学賞としての認知度が高まるのみならず、その文学賞を中心として、例えば選考委員の皆様が芥川賞の選考委員にもなるなど、選考委員御自身も御活躍をされ、受賞された方も2冊目、3冊目を刊行されるなど、まさに文学における太宰治賞の地位を向上してきてくださっていると思います。
 昨年は山本有三記念館の開館10周年を迎え、その記念事業をいたしましたし、名誉市民とさせていただいた福王寺法林さんの展覧会を開催するなど、各ジャンルでさまざまな事業が展開されています。さらに、平成16年に展示部門を閉鎖しようとしていた財団法人中近東文化センターの博物館の企画展の支援につきましても、市民の皆様に中近東の歴史・文化に触れる機会を提供し、これもまた、今まででは考えられない万単位の来館者を呼ぶ施設として復活しております。
 言うまでもなく三鷹の森ジブリ美術館は、三鷹市立アニメーション美術館でございますが、国際的な注目を浴びており、いまだ来館者数が衰えない。むしろアニメーション文化の振興の拠点として位置づけられているほどです。前館長は文化庁の新人賞を受賞するユニークな館の管理も注目されているわけです。
 文化芸術の秋を迎えました。芸術には人の心を豊かにし、夢や活力を与えてくれる力があります。特にイマジネーション、想像力の力、クリエーション、創造力の、2つの「そうぞうりょく」の力を与えてくれます。そうであるならば、次の一歩をどのように進めていけばよいのかということにつきましては、第1番目に財団法人三鷹市芸術文化振興財団の評価をしっかりとしつつ、その拠点性をさらに高めていきたいと考えています。昨年度、演劇を初め美術事業など全体で144の公演と8つの展示、82の講座を実施する中、特に美術事業では、美術ギャラリー開館以来最高の来館者3万人を超える「没後30年 高島野十郎展」が全国から来館者を呼び寄せました。この美術ギャラリーは特色ある展示を評価され、公立美術館の実力評価で小規模館第1位に選ばれました。
 市民に誇れる美術館は、広くなくてもよい。狭くても珠玉の美術館が三鷹市では成立し得たわけです。平成18年度より指定管理者制度を導入しまして、さらなる市民満足度の向上に努めているところですが、引き続き、この芸術文化振興財団の取り組みを、文化の薫り高い三鷹にふさわしい拠点として位置づけていきたいと思います。
 なお、もう一つ大きな取り組みは、これは専門家が展示をしたり、演劇をする、そうしたことを支援しているだけの財団ではないということです。私は、毎週のように市民の皆様が展示されたり、演技されたり、踊りを踊られる舞台を芸術文化センターや公会堂や、あるいはさまざまな地域のコミュニティ・センター等で拝見をしております。芸術文化のプロとしての高度な質を享受できる場所であるだけではなく、一人一人の市民の皆様がそれぞれの芸術文化活動を表現できる、交流できる、そうした芸術文化振興が2点目に必要になってまいります。そうであるならば、3点目に、それを支援するための仕組みが必要です。私たちは、先ほど来の御質問に共通していることですが、まだまだ、いいことであっても市民の皆様に周知徹底をしていく必要があると考えております。PRを尽くすこと、また、適切な地図を適切に必要とされている方に手渡すこと、さらには、それぞれの場所に見やすいサインを置くことなど、今年度もこうした事業を進めておりますけれども、それを芸術文化の取り組みや健康、防災等の取り組みといい意味で連動させながら、市民の皆様にとりまして、歩きやすいものとしていきたいと考えております。
 芸術文化振興の次の第一歩というのは、今までの芸術文化振興の積み重ねの先に初めて成立するものです。今ある財産、市民の皆様の活動、そして専門家の皆様の三鷹市に対する注目、そのことについて私はそれを引き継いでいく、そのための努力を惜しまずしていきたいと考えております。
 2点目に、美術品等の購入につきまして御質問をいただきました。
 美術品の購入につきましては、美術資料の収集に関する基本指針にのっとりまして、市内在住、あるいは本市ゆかりの作家の作品で、その芸術性・文化性が高く評価されているもの、特に美術資料として適すると思われるものを基準として収集しております。500万円未満の物件につきましても、この方針にのっとりますとともに、専門的知識を有する者の意見及び評価を受けて決定してきております。美術品の購入につきましては、芸術文化振興財団の学芸員を初め、専門的知識を有する各分野の関係者等から情報提供を受けておりまして、評価者につきましては、収集資料に関する分野の専門家に個別的にお願いをしております。また、御寄附をいただきますときにも、それを鑑定させていただいたり、評価をさせていただくことが必要でございますので、適時その領域の専門家にお願いをしてきております。
 美術資料等選定検討委員会のメンバーは、副市長を初め各関係の部課長で構成されておりまして、委員会の都度、収集資料に関する分野の学識者に依頼する形になっております。ただ、私が市長になりましての間は、この500万円以上の作品の購入実績がないため、まだ委員会は開催されていない状況でございます。
 以上で私からの答弁は終わります。その他につきましては担当より補足いたさせますが、芸術文化振興は、お一人お一人の参加が必要です。みずから演ずる芸術文化をたしなむだけではなくて、鑑賞するということも大変重要な営みです。私は、鑑賞もしやすいまちづくりということが芸術文化振興において重要な部分ではないかと認識をして、これからも推進をしてまいります。


◯副市長(河村 孝君)  市長の答弁に補足させていただきます。
 収蔵美術品等の公開についてということで御質問いただきました。御指摘のようにですね、たくさんいただいた寄贈品をですね、すべてなかなか展覧会等で公開はできないという、そういうことがございます。広報等でもその都度、市民の皆さんにお知らせしたりしておりますけれども、昨年度のように100点以上御寄附をいただいたりする場合には、全部を紹介できない、そういう状況がございます。ただ、部分的にはですね、図書館とか、社会教育会館、あるいは川上村の校外学習施設などに一部展示したものもございますが、やはりそういった問題をどうするかということは大きな課題で、我々も宿題として十分認識しているところでございます。
 ITを活用した御指摘のような公開の仕方につきましては、これまでも、「あすのまち・三鷹」プロジェクトの中で検討をしたことがございます。各社からいろいろな御提案をいただいて、まずその仕組みについて対応していこうというふうなことで研究を進めていたわけでございますけれども、具体的な課題として著作権の問題とか、あるいはコストが──現在の場合、余り普及していないこともあって、かなり多額な金額になるということ、それから、無料の場合には関係ないんですけれども、有料で公開する場合などがある場合には、課金制度といいますか、システムで見たときにお金が入る仕組みをどういうふうにつくっていくか等のですね、バーチャルな美術館ならではのいろんな問題がございまして、現在もそういう意味では基本計画にのせているぐらいでございますので、前向きに検討はしているんですけれども、これからも研究をしながらですね、ぜひ御指摘のように公開をしていく方向でですね、検討を進めていきたいというふうに考えております。


◯7番(渥美典尚君)  御答弁ありがとうございました。私が最初に申し上げた部分を市長に細かく補足していただいたような内容でありまして、三鷹市の芸術文化振興活動がよくわかる御答弁をいただきました。ありがとうございます。
 今回の質問に当たりですね、私がまず思ったことは非常にシンプルなことでありまして、どんなものを買って、また、いただいたり、寄贈したりして三鷹のものになっているんだろうかという素朴な疑問から発生しております。当然市民としては、見たいし、知りたいし、中には触れてみたいというものもあるでしょうから、それをですね、十分満足し得るレベルで何かしら公開できないかということがきっかけでありました。500万円以上とか、500万円未満であるかという金額の問題というのは、ここではさほど問題ではないと思います。美術品というのは一品ものでありますから、出たときにそれを買わなくては手おくれになりますし、入札をしてどっちかを買うと、同じものが2つあるわけではないから、そういうわけにもいきません。ですから、そういったその場での瞬間瞬間での状況判断がいかにできるかということも、知識や研究の積み重ねだと思っております。そういった意味でですね、一般的に行われているオークションというものがあります。市民でもだれでも参加できるものなんですけれども、国際的にはサザビーズとか、クリスティーズといったものが有名でありますけども、国内コレクター向けにも何社か有名なオークション会社があります。そういったところの資料というのも常に市の担当者は目を通したり、研究されたりしているのでしょうか。そういったことがやはり美術品収集に当たっての知識として積み重ねになるかと思うんですが、いかがでしょう。


◯副市長(河村 孝君)  三鷹市においてですね、美術品収集をですね、してきているわけでありますけれども、ただ、美術品を積極的に収集・保存するための体制とですね、その購入、収集というのは連動しているわけでございまして、三鷹市の美術ギャラリーというところは、御承知だと思いますが、小さな施設で、保存の専門的な施設があるわけでもないわけです。ですから、都道府県立の大きな美術館とかですね、そういうところと比較してですね、やはりそういう収集・保存、それから、来たものをさらに調査してですね、その上で公開もしていくという体制が、先ほどの御指摘のようにですね、なかなかつくれないという実態があるわけでございます。そういう中で、じゃ、どういうものを収集するかといいますと、やはり三鷹市にゆかりのあるもので、物を中心にですね、在住だとか、三鷹のものを描いたり表現されているものを中心にするとか、そういった一定の基準に基づいて購入等をそのとき適宜行うというのが現状でございます。そういう意味で、この間行われてきたのは、やはり三鷹にゆかりのある作品、あるいは作家、あるいはすばらしい作家の方のですね、企画展等があるときにですね、その関係での資料を一部購入し、また一部御寄贈いただくような形で収集してきたというような経過があるわけであります。
 そういう意味で、オークション等も活用してやっていくということは、これからもある意味必要だとは思っていますけれども、三鷹のような小さな規模の自治体で、小さな規模の美術館の中でやっていく体制では、一定のそういう制約の中で動いているということはぜひ御承知いただきたいというふうに思っております。


◯7番(渥美典尚君)  御答弁ありがとうございました。美術品の特性としまして、本当に一品限りのものが多いです。一度ほかの人の手に渡ってしまうと、その後なかなか市場に出てこないというのも常でありますし、また、個人所蔵とか企業所蔵の場合ですね、相続ですとか、経営状態によってそれがいつの間にか売られてしまう。どこか、だれに売られたのかわからなくなってしまうというような、いわゆる美術コレクションの散逸ということもあるんですね。そういったことがないのが自治体によるコレクションのメリットだとも思いますので、ぜひですね、細かいアンテナを張りめぐらして、買うべき美術資料等はなるべく目をつけていただけるようなシステム、組織をつくっていただければいいんではないかと思います。以上で終わります。


◯議長(石井良司君)  以上で渥美典尚君の質問を終わります。
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◯議長(石井良司君)  次の通告者、9番 土屋健一君、登壇願います。
                〔9番 土屋健一君 登壇〕


◯9番(土屋健一君)  議長の御指名をいただきましたので、前回の優しい三鷹のまちづくりに引き続き、今回は強い三鷹のまちづくりについて一般質問をさせていただきます。
 まず、防犯力の強いまちづくりについてです。1番目に安全安心パトロールについてです。
 安全安心パトロール車や、安全安心のボディーパネルをつけた多くの車が走っているせいか、そして3,000を超える子ども避難所の効果等により、2006年は2005年に比べ三鷹管内の犯罪件数が約16%、実に400件余り減少したことは大変喜ばしいことであります。ことし、さらに三鷹商工会も246台が安全安心・市民協働パトロールに参加していただき、ボディーパネル装着車は525台と拡充され、また、パトロール車も市内企業による寄贈を受け、3台とふえました。しかし、台数が増加するだけであって、走行していなければ目的が達成されません。実際、事業所の多くは、土日・祭日はお休みであり、その間はほとんど走っていないので、特にその時間帯は3台のパトロール車がフル稼働することがより効果的であると考えます。市民の安全安心のため休ませることなく活用されることを、心ある寄贈業者も望んでいらっしゃるはずであります。
 そこで質問いたします。19年度施政方針に、登録しているパトロール団体への安全安心パトロール車の貸し出しを行うとあります。防犯団体へのパトロール車の貸し出し状況と、3台にふえたことで常勤パトロール隊を増員させるべきか、お伺いいたします。また、夜間や休日など市民協働パトロールの手薄な時間帯に、今後、新たな企業等のさらなる増強が見込めるかという点もお聞きいたします。
 次に、市内発生の事件や事故の情報提供についてです。
 三鷹市は、市民や市内在勤者・在学者の安全を守るため、危機的な事件や事故が起きたときには、いち早く多くの方にその情報を提供するべきであると考えます。現在、安全安心メールを発信していますが、時間が経過してからの着信である上、3月現在、6,187人の登録者のうち、他地域からの市内在勤者はわずかに1.6%、98人であることから、昼間三鷹市にいる多くの方に提供されていないことがこのことからもわかります。連続被害や二次的被害の防止を考えると、他の媒体も使い、より多くの人に、より迅速に、かつ正確に提供すべきであると考えます。
 そこで質問です。緊急性のある情報を発信する手段として、三鷹市安全安心緊急情報対応マニュアルでは、安全安心メールのほかに、安全安心パトロール車などの広報車や防災無線等も含まれていますが、最大限活用されているのでしょうか。今までにどの程度利用されたかという点と、今後、これらの活用構想についての所見をお伺いいたします。
 次に、「まちのお巡りさん」のいる交番増設についてです。
 三鷹市の北西部地区は、信託銀行三鷹総合グラウンド跡地の戸建て住宅建設、ゴルフ練習場跡地の戸建て住宅と大規模マンション建設、相続が起因と思われる旧農地の宅地造成と、今まさに建設ラッシュ状態であり、急速に住宅がふえているところでもあります。しかも、家族向け形態であるため、年内の子どもたちの急増も予測されます。しかし、これまでこの地域は緑が多かった点と小金井市に近いという点からか、交番がありません。このような地域はほかでも見られます。そこで、このような宅地急増地域に、早急に市民の安全安心の精神的なよりどころでもある「まちのお巡りさん」がいる交番の増設が必要だと考えます。第3次基本計画(第2次改定)で拡充を行う最重点プロジェクトでも、「すべての人が心安らかに暮らせる、安全安心のまちづくりプロジェクト」とあり、さらに、ともに信頼し責任を担う協働のプロジェクトも最重点とされています。防災面では、よく「自分たちのまちは自分たちで守る」をテーマにしますが、防犯面においては、三鷹市と三鷹警察と地域との協働による防犯活動が重要であり、より効果的であると認識しております。
 そこで質問いたします。第3次三鷹市基本計画の新規・拡充事業の交番・駐在所の増設要請では、今後、井の頭公園周辺や新川島屋敷地域等に要請するとありますが、このような住宅急増地域へも都へ要請していくべきと考えますが、所見をお伺いいたします。
 次に、防災力の強いまちづくりについて質問いたします。まず、自主防災組織へのサポート体制についてです。
 現在コミュニティ住区ごとに自主防災組織がありますが、その内部事情はそれぞれであり、中には住区内の町会や商店会などの組織の役員がそのまま役員として集められ、構成員の一部には、頼まれたから名前だけ貸しているとの認識の人や、体の不自由なお年寄りや、亡くなられている方の名前が載っていたりし、残念ながら、いわゆる名ばかりの名簿だと言わざるを得ないものも存在しております。第3次基本計画での主要事業に、自主防災組織の活性化と地域防災化施策の実施とありますが、きのうの総務部長の答弁では、組織率が40%そこそことありました。今後、ただ自主防災組織をつくってもらうことにとどまらず、実態のある自主防災組織の整備や運営に向けサポートしてこそ、実現できると考えております。
 そこでお伺いいたします。今後も市側は、自主防災組織という本来の意味合いから、あくまでも住民協議会に任せ、自主性を尊重させ確立していくべきとお考えなのか、お伺いいたします。また、災害時に現行の組織でどの程度機能するか把握しているのか、お伺いいたします。
 次に、防災訓練のエリアについてです。
 近年の各住協における総合防災訓練では、平日の昼間の災害時において大戦力となり得る中学生を巻き込んでの中学校開催が多く見られてきました。とても有効であるとともに、自分たちのまちは自分たちで守るという意識を子どもたちに持たせるにはとても大切なことであると認識しております。本日の新聞によりますと、江戸川区の中学3年生の方も初期消火活動をし、通報し、未然に大火を防いでおります。しかも、災害時には避難所として災害拠点になる学校と、コミュニティ住区が基盤の自主防災組織とが一体となって訓練を行うことはとてもよいことだと思っております。しかし、三鷹市では、7つの住民協議会のエリアと7つの中学校区がありますが、残念なことに、その歴史的背景からも同じではありません。自主防災組織をより円滑に機能させるには、本来、住民協議会のエリアと中学校区が同じ方がより合理的ではありますが、もはや物理的にもその統一化は難しく、仕方のないことではあると感じております。
 そこで質問いたします。通学している中学校や、同じ学区内の小学校で行われる総合防災訓練において、主催のコミュニティ住区と違う住区内の中学生とその家族等はどちらを優先して参加すべきかお伺いいたします。子どもたちやPTA役員、担当委員さんは、学校や開催住協から参加要請され、家族の方は地域住協から要請、中には訓練担当の係の方もおられます。開催も同じ日が多く、とても両方の参加はできないと困惑しております。
 昨日の5番議員さんの質問に対する市長の御答弁にも、メーン会場を見たい人たちのために、今後、時期の見直しを検討するとありましたが、このようなエリア問題を持ちつつ、より多くの方が防災訓練に参加できるようにするには、これからは9月1日前後にこだわらず、住民協議会ごとに時期をずらす議論もしていくべきだと思います。御答弁のほどよろしくお願いします。
 最後に、災害協定業者確保の取り組みについてです。
 阪神・淡路大震災以降のそれぞれの震災時対応を検証しますと、道路や上下水道の復旧と避難所の十分な仮設トイレが重要であることがわかります。そこで、土木やライフライン関係団体との災害協定に基づく迅速な復旧や連携は重要であり、地元企業と行政とのパイプをより太く、より強固にすべきと考えます。しかし、三鷹市では、防災訓練の協力や、有事のときに頼りにしている安全安心のまちづくりにおいての協力団体の業者と、市内で公共工事を行っている他地域業者との扱いが同じであります。バブル経済崩壊後、いまだ中小企業には景気回復の兆しが見えず、厳しい状況が続いている現状の中、コスト削減、リストラ等の経営努力により、どこもぎりぎりの経営状態で頑張りながら、それでも三鷹市のために御尽力いただいてきましたが、近年、その限界が近づきつつあり、廃業や、メリット性を理由に脱会する企業も出てきました。
 現在、電子入札システムが導入され、公正性・透明性・競争性の確保を図り、より効果的な契約制度の確立に向けて取り組まれていますが、協働の取り組みの中で三鷹市への貢献度が評価される制度づくりが必要であります。協働による安全安心のまちづくりの観点からも、重要な協力団体や業者の確保のため、今後どのような取り組みをしていくお考えなのかと、具体的に現在、契約において何か工夫していることがあれば教えてください。また、競争入札時に三鷹市に対する貢献度のポイントを加味するなどのお考えはないのかもお尋ねいたします。
 以上で壇上での質問は終わりますが、答弁によりましては自席での再質問を留保いたしますので、よろしくお願いいたします。ありがとうございました。
                〔市長 清原慶子さん 登壇〕


◯市長(清原慶子さん)  犯罪や災害に強いまちづくりをという観点から御質問をいただきました。
 まず1点目、防犯力の強いまちづくりについて答弁をいたします。
 安全安心パトロールの拡充についてでございますが、青色回転灯を装備した安全安心パトロール車1台の寄附をこのたび受けました。合計3台のパトロール車となりました。三鷹市ではパトロール車の有効な活用を図るため、パトロール団体への貸し出しを行うこととしておりまして、現在5団体、約40人の申し出があり、警視庁に手続をしまして、運転者向けの講習会を実施する段階です。すなわち、ただ自動車運転免許証を持っているだけでは、このパトロール車の運転はできません。当面、人的体制の増ではなく、このような地域でパトロール活動をしていらっしゃる団体にパトロール車の活用をお願いするなどしながら、有効に活用してまいります。
 パトロール団体が行うパトロールの時間帯につきましては、安全安心・市民協働パトロール団体の自主的な活動として、さまざまな時間帯での活動をお願いしております。そこで、小・中学校の下校時のパトロールについてですが、これは、安全安心パトロール車による、学校や通学路を中心とした重点的な巡回を行うほか、市民の皆様によるパトロール団体や、三鷹警察署によるパトロールカーや交番等の警察官による、下校時間に合わせたきめ細かいパトロールを実施しております。このことによって被害防止に努めているところでございますが、夜間や土曜日・日曜日・祝日の市民協働パトロールの増強についての御質問ですが、事業所の申し出により覚書を締結して実施している、ボディーパネルを装着したパトロール車は、営業時間内の活動が中心ですので、やはり夜間や土日・祝日には少なくなる傾向があります。今後、事業者からの協力が得られれば、こうした曜日にもお願いするとともに、先ほど申し上げました、特に安全安心パトロール車の貸し出し事業は、こうした土日や祝日を主として期待して開始することでもございますので、これを進めたいと思います。
 あわせて、従来から、実は三鷹警察署は率先してパトロールカーや警察官による巡回強化をしてくださっておりますが、さらにその強化についての継続をお願いしてまいります。
 2点目に、市内発生の事件や事故の情報提供について御質問をいただきました。
 緊急情報における広報車や防災無線の活用構想につきましては、これは常時できるというわけではございません。広報車や防災無線のこれまでの実績につきましては、例えば過去、いわゆる振り込め詐欺が特定の地域に集中した際、三鷹市と警察の広報車により、その集中した地域に注意を呼びかけた例がございます。また、教育委員会と相談をしまして、防災行政無線につきましては、児童が下校する時間帯に試行的に短期間、市民の皆様の見守りを呼びかけたことがあります。しかしながら、市民の皆様には、こうした防災無線の利用に御理解がいただけない反応が大変多く、継続を断念した経過がございます。
 また、最近、加入者がふえております携帯電話を活用した安全安心メールで配信している情報については、大変注目をしていただいております。御質問の緊急情報における対応につきましては、三鷹市安全安心緊急情報対応マニュアルにも示してありますが、事件や事案の内容によっては、今後も緊急情報として広報車や防災無線の活用などを図りたいと考えております。
 次に、いわゆる「まちのお巡りさん」のいる交番増設について御質問いただきました。
 治安に対する不安が増大する中、警視庁は、この交番の整理・統合についての考え方を昨年示されました。私は大変困惑いたしました。そこで、都の財政状況が厳しい中での判断とはいえ、現場の三鷹市長としては、大変現実と離れた対応であるとの思いから、当時の副知事に直接交渉を生活環境部の部長及び安全安心課長とさせていただきまして、他の自治体では大幅に削減・統合される中、おおむね現状維持が確保されているところです。御指摘の住宅急増地域における交番の増設につきましては、今後も地域市民の皆様の要望として東京都に要請してまいりますので、市議会としてもぜひ御協力をいただきたいと思います。
 大きな2点目で、防災力の強いまちづくりのうち、私は、市内事業者との契約における関係についてお話をさせていただきます。
 三鷹市では従来から継続的に入札契約制度の見直しを行っております。直近では昨年、平成18年1月に、第1として制限付一般競争入札における地域要件の緩和、第2に工事成績評定の見直しと公表、第3に社会貢献度に対する評価の導入などを柱とする見直しを行い、市内事業者の地域貢献という側面にも配慮した見直しを実施したところです。
 従来から市内事業者につきましては、一般競争入札、指名競争入札ともに入札参加の機会を確保するため、一定の配慮をしてきたところですが、今回の見直しでは、市内事業者のまちづくりに対する貢献度についての評価をより明確にするために、第1に市内に本店のある事業者、第2に市内に支店・営業所のある事業者、第3に市外の事業者について、一般競争入札の参加要件の一つである経営事項審査総合評定値に差を設けることとしたところです。また、貢献度ポイント制の導入については、今回の見直しでは、社会的貢献度としてISOの9000Sまたは14000Sの認証取得者及び障がい者雇用率を遵守している事業者について、経営事項審査総合評定値に一定の点数を加算する、いわゆるポイント制を導入しております。この社会的貢献度に対するポイント制の導入については、今後も時宜に即した項目を追加していきたいと考えております。
 そこで、議員御指摘の防災協定などの地域貢献に対するポイント制の導入について、現在、検討をしているところでございます。私たちが求めなければいけないのは、何よりも契約の公正さということです。しかし、私は、国土交通省の中央建設業審議会の委員を市長の代表として拝命しましたので、そのプロセスで国土交通省にも問題提起をいたしました。入札・契約が公正でなければいけないけれども、市のような基礎自治体で取り組んでいますと、例えば安全安心パトロール車の関係ですとか、あるいは防災協定ですとか、さまざまに地域貢献をしてくださっている事業者が現在いると。その事業者にこのようなポイント制を導入することがもし不公正だと言われたら困るので、この地域事業者の社会貢献を評価し、その発展を支援することと、そして契約の公正さの両方をですね、同時に実現しなければならないので、こうした取り組みについてきちんと政府も認識してほしい旨の発言をいたしましたところ、政府の公共事業の見直しでも、当然のことながら、こうした加点制度については検討しているところであり、それらを一つのガイドラインとしながら、市でも慎重に、しかし、前向きに検討するべきであるというような判断をいただいた上で取り組んでいる改善でございます。私からは以上でございます。


◯総務部長(萩原幸夫君)  市長の答弁に補足をさせていただきます。
 災害に強いまちづくり、防災力の強いまちづくりについての御質問でございます。自主防災組織へのサポート体制についてと、それから、防災訓練エリアについて御質問をいただきました。
 本市の自主防災組織は、昭和46年に市民の防災組織として発足以来、約40年近くにわたり活動をしてきました。各地区の自主防災組織では、年1回、三鷹市総合防災訓練の各被災地の訓練実施のほか、救急救命実技訓練、可搬式ポンプの運用訓練、防災館の体験訓練など、さまざまな訓練を通しまして防災リーダーの育成と防災行動力の向上を図ってきております。こうした実績のある自主防災組織につきましては、こうした経過からも、主体性を持った住民による自主防災組織として、今後もさらに地域から信頼され、十分機能し発展するよう、市としては支援をしていきたいというふうに考えております。
 具体的には、市では各自主防災組織に財政的な支援を行い、資機材の装備の充実を図るとともに、市主催の自主防災組織を対象とした研修会の実施や、自主防災組織のさまざまな活動支援を通じましてサポートを強化していきたいというふうに考えております。
 いざ災害が起きたときに、初期の消火に対する自主防災組織の貢献度というのは、いろいろな講演会等でも、よくその講演者が最初に話される中身でもありますので、こうしたことを今後もですね、自主防災組織との連携強化を進め、充実に努めてまいりたいと、このように考えております。
 それから、防災訓練エリアにつきまして御質問がございました。防災訓練の実施につきましては、防災の日を中心に、各地区の自主防災組織が独自で立案し、それぞれが御提案をいただいて、連絡会等で協議をしながら実施をしているというのが現状であります。防災訓練の実施の時期や時間につきましては、一人でも多くの市民が参加できる防災訓練が必要と考えておりますし、御質問のコミュニティ住区と違う住区内の中学生とその御家族の防災訓練への参加ですが、基本的には災害が発生し避難をする場合には、お住まいのコミュニティ住区の避難所に避難することが基本となるということから、お住まいのコミュニティ住区主催の防災訓練へ参加していただきたいとは考えております。ただ、こうした訓練というのは、自主防災組織の訓練だけでなく、各地区、各町会でやっているケースもありますので、そういったものには積極的に御参加をいただきたい、このように考えております。
 今後、自主防災組織の防災訓練の実施時期につきましては、御指摘の点も踏まえまして、自主防災組織連絡会などで協議をしながら、一人でも多くの方が防災訓練に参加できるように検討してまいりたいというふうに考えます。以上でございます。


◯9番(土屋健一君)  御答弁ありがとうございました。幾つか再質問をさせていただきたいと思います。
 まず、安全安心パトロールなんですけれども、青色灯のパトロール車、現在3台にふえました。2台のときはですね、9時半から18時、13時半から22時の2台、2組4人制をとっていたというお話ですが、今度3台になったということで、最低でも3組6人、できれば8人ぐらいに増員すべきと考えますが、いかがでしょうか。市長の答弁に、小・中学校の下校時の安全安心パトロールというお話がありました。現在、カナリア号という、こっちは交通安全の方の車なんですけれども、走っていると思います。その連携はどうなっていますか、そのこともお伺いいたします。
 市内発生の事故の情報提供についてなんですけども、継続を断念されたというお話がありました。ありましたけれども、確かに騒音問題も考えていかなければなりませんけれども、やはり緊急性のあるときは、命を守ることの重大さを考慮していただきまして、今後、警察との連携を強化、情報の共有を図りながら、できるだけ防災無線、スピーカーの同報無線というんですか、あれを活用すべきだと考えていますけれども、その点についてもお伺いいたします。
 防災訓練のエリアについて、防災の日を中心という御答弁がありましたけれども、総合防災訓練のメーン会場の方は、やはり9月1日前後、防災週間内の方がよろしいのかなと私は個人的には思っていますけれども、他の住協等で行われるメーン会場以外の訓練は、各住協の都合の日程で開催してもよろしいんではないかと思います。特にことしはさほどでもなかったんですけど、9月1日、非常に暑い日が多く、お年寄りの方には大変負担となっているのも事実であります。もちろん災害は、暑い日、夜間を問わないんですけど、やはり多くの方の参加という点を踏まえますと、やはり残暑厳しい9月1日前後よりも、もう少し気候のよい時期でもよろしいのかと思いますが、その辺についてもよろしくお願いします。
 再質問の最後に、災害協定業者の確保についてなんですけれども、平成17年4月に施行されました公共工事品質確保法では、公共工事の品質は、経済性に配慮しつつ価格以外の多様な要素をも考慮し、価格及び品質が総合的にすぐれた内容の契約がなされることにより、確保されなければならないとあります。先ほど市長の御答弁の中に、経審に差をつけているという御答弁がありました。公共工事品質確保法の施行に伴い、地方公共団体の長は、施工実績、工事成績、地域貢献の実績評価を重視した簡易型総合評価方式の導入拡大に努めるべきであると考えていますが、いかがでしょうか。以上です。よろしくお願いします。


◯市長(清原慶子さん)  安全安心パトロール車について答弁いたしますが、私は現行、市が保有しております2台の安全安心パトロール車を、夜間及び休日等、有効に活用していただくとともに、市民の皆様からの御要望を踏まえて、そうした新しい、市民の皆様が利用していただける枠組を今年度提案して、実行に移そうとしてきたやさき、幸いなことに市内事業者の方から1台御寄附をいただけるということになりました。そうなりますと、現行の2台につきましては、私たちが今までやってきたものをですね、きちんとしますとともに、さらに市民の皆様の御協力をいただいて、ふえることになりました1台目を有効に活用していきたいと、このように考えております。したがいまして、私の現時点での考えでは、パトロール車が御寄附で1台ふえたからと言って増員は考えておりません。現行2台のですね、パトロール車を有効に活用することによって、おかげさまで犯罪認知件数も減少傾向にありますし、より一層ですね、この3台目を有効に活用することをまず実践してから、その先のことは考えていきたいと考えております。
 次に、防災無線についてでございますが、緊急時、万やむを得ず活用させていただくことはあるかと思います。しかしながらですね、その状況というものが、一定のいわゆる放送媒体として防災無線を使うのは、趣旨、目的からいってよくない。乱用はよくないと思っておりますので、この辺はきちんと基準にのっとりましてですね、活用してまいりたいと思っておりますので、むしろ御質問の御趣旨は、より一層安全安心に関する情報が多くの市民の方に行き渡るための手段について、もう少し工夫をしてはということだと思いますので、このことにつきましては、防災無線の利用だけでですね、代替するということではなくて、多角的なメディア利用を考えていくということにさせていただきます。


◯副市長(津端 修君)  契約制度について再質問をいただきました。
 契約制度そのものの議論にはですね、いろいろな改善の工夫、あるいは見直しがあろうかと思います。きょうの質問のですね、いわゆる防災を中心とした地元業者との連携という面からはですね、先ほどお答えしましたように、一定の配慮をしているところでございますし、また、三鷹市がですね、災害時に三鷹市のみでですね、完結するような状況も想定されませんので、市内のあらゆる業者、あるいは団体、あらゆる人々と連携しなきゃならないわけでございまして、特に建設業界でいえば、御指摘のとおりですね、ここ数年では、廃業を含めてですね、かなり数が減ってきている状況を考えれば、そうした業界へのですね、育成助成金の部分がですね──ある意味での助成ですね──が必要だというのは十分承知しているところでございまして、いろんな入札制度で基準を設ける中でもですね、一定の裁量をもって市内の業者に配慮して運営をしていることも御承知かと思いますし、そうした点も含めてですね、市内業者の育成という面について、相当の配慮をしてきていますし、また、そうしたことも今後も続けていきたいと思いますが、一方、契約のですね、市長もお話ししましたように、競争性であるとか、公正性というものをちゃんと担保しなきゃならないということから考えれば、入札における競争性という面からすればですね、一方、市内の業者も一定の努力をしていただきたいということも申し添えなければいけないかなというふうなところでございます。以上でございます。


◯生活環境部調整担当部長(藤川雅志君)  安全安心パトロール車とカナリア号との関係でございますが、特に巡回するコースを調整したりというような意味での連携はしておりませんけれども、カナリア号も児童の交通安全という形で、夕刻時ですね、学校の通学路等を重点的に回っておりますし、パトロール車もですね、同じように児童の下校時の安全性というものを見ておりますので、かなり手厚くですね、両者相まってパトロールがされているというふうに認識しているところでございます。以上です。


◯総務部長(萩原幸夫君)  訓練のあり方について御質問がございました。
 先ほども御答弁申し上げましたし、また昨日も市長の方から答弁をさせていただいておりますが、自主防災組織を中心とした訓練の実施時期や時間帯の設定の仕方、それらについてはですね、さまざまな議論があります。また、御紹介しましたように、メーン会場については、ぜひ見学したいという御希望もございます。そうしたものを調整しながらですね、自主防災組織以外にも協力していただいている各機関の方がいらっしゃいます。そういった方々ともですね、よく協議をしながらですね、自主防災組織を中心とした訓練の実施時期については、さらに連絡会等で検討していきたいというふうに考えております。


◯9番(土屋健一君)  大変親切丁寧な御答弁ありがとうございました。
 本日の新聞に、9月1日墨田区で安全安心メールのプログラムミスによる誤配信という記事が載っておりました。メールは迅速に、かつ正確にというのが大変大切だと思いますので、これからもその辺の点に気をつけて配信、または情報提供していただきたいと思います。
 最後の契約のことについてですけども、当然公平性、もちろん私は何も入札しろとか、談合しろとか言っていることではないので、あくまでも合法的にですね、市内業者を大切にしていただけたらなと思います。市内業者が元気ということはですね、いざ災害が起きたときの三鷹市の大きな味方になるというだけではなく、当然法人市民税も増収になるわけですし、三鷹市の活性化にもつながると思います。さらにですね、やはり距離が近いということは、工事車両や材料運搬車両の距離短縮につながります。エコロジーの面でも有効であるというメリットがありますので、ぜひその辺も踏まえて検討していただけたらと思います。以上で終わります。ありがとうございます。


◯議長(石井良司君)  以上で土屋健一君の質問を終わります。
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◯議長(石井良司君)  次の通告者、18番 伊藤俊明君、登壇願います。
                〔18番 伊藤俊明君 登壇〕


◯18番(伊藤俊明君)  議長より御指名がございましたので、通告に従い一般質問させていただきます。
 私は、前回の一般質問において、ハード面から都市の空間整備の基本的な考え方を、ソフト面からは協働のまちづくりを支える「人財」についてお尋ねをいたしました。これらは、長期的なまちづくりのビジョンとして、ハード・ソフト両面における重要な課題であるとの認識からの質問でした。そこで、今回は、前回の質問を踏まえ、こうしたハード面からのまちづくりの推進を支えるための財源確保について、そして、ソフト面といいますか、人材育成とコミュニティの形成の視点から非常に注目をしているコミュニティ・スクールについて、大きくこの2点をお尋ねをいたします。御答弁のほどよろしくお願いをいたします。
 さて、私はこれらのまちづくりを考えるためには、自治体経営という視点が一層重要になると考えております。そのためには、自治基本条例の内容や基本構想に定める自治体経営の基本的な考え方を全職員が十分に理解し、日々の取り組みにおいて実践するとともに、行財政アクションプランに基づく施策・事業を着実に推進することが必要です。また、こうした自治体経営を確立するためには、まずは根幹となる歳入をしっかり確保することが重要だと考えています。
 さきに閣議決定された経済財政改革の基本方針2007では、地方分権改革について、今までの国と地方の関係を大胆に見直し、「地方が主役の国づくり」を目指すとされ、「新分権一括法案」を3年以内に国会に提出することが盛り込まれました。一方、税源移譲については、地方六団体が求める国税と地方税の税源配分を5対5にすることは明記されず、課題が残りました。真の地方分権を実現するためには、さらなる国からの税源移譲を進め、地方税財源の充実・強化を図ることが重要であり、第二期地方分権改革の取り組みに注目しております。
 また、こうした税源移譲の中では、地域間格差の調整も議論されています。確かに税源移譲に当たっては、地域間の格差を調整することも重要だと考えますが、一方で適正な自治体間の競争は必要だと考えますし、こうした中で頑張る自治体の努力が生かされるような分権改革を強く望んでいます。自治体経営の確立に向けては、こうした国レベルでの税財政制度の見直しが不可欠だと考えますが、財源確保という視点からは、自治体の創意工夫により可能なものも多くあるのではないでしょうか。今後も国の制度見直しに対して積極的に意見を表明するとともに、財源確保に向けた自治体独自の取り組みを積極的に推進することが重要だと考えております。
 さて、前回の質問でもお尋ねいたしましたが、今、三鷹市にとって都市の再生・修復は大変大きな課題です。急激な人口増加と都市化に対応すべく整備してきた都市施設が更新の時期を迎え、下水道の改善や公共施設の耐震化など、多大な経費を要する施設整備は避けられなくなっています。ファシリティーマネジメントの取り組みも進められていますが、安全安心の視点から今後のまちづくりを考えたとき、公共施設を適切に維持・管理するとともに、必要に応じて建てかえによる整備も必要になってくると考えています。箱物批判と言われるように、これまではハード系の施設整備は敬遠されてきましたが、20年あるいは30年先まで見越した場合、改修がよいのか、建てかえがよいのか、適切に判断し、決断することも必要です。いずれにいたしましても、多大な経費を要するこうした施設整備が財政的に大きな負担となり、今後の市政運営に大きな影響を及ぼすことが懸念されます。
 基本計画改定に向けた基本的方向の中にも、主な財政指標の目標数値がありますが、今後、都市の再生・修復において多大な経費を要するという現状を踏まえると、三鷹市が将来にわたって健全な財政運営を維持するためには、斬新な発想による財源の確保や施設整備手法の検討など、さまざまな工夫が必要になると考えています。市民の皆さんが将来にわたって安全で安心して生活できるまちをつくるためには、財源確保の問題がこれまで以上に大変重要な課題になってくるとの認識があります。
 ここで1点目の質問をいたします。健全な財政運営を維持するための歳入確保についての総括的な質問です。健全な財政運営に向けた取り組みには、コスト削減などの歳出の工夫によるものと、市税収納率の向上など、歳入の確保によるものがあると思います。歳出の削減に向けた取り組みは、行財政アクションプランにも多く施策が掲げられていますが、これらの歳入の確保についても、これまで以上の創意工夫と積極的な取り組みが必要だと考えています。
 三鷹市では、既にホームページにバナー広告を掲載するなど取り組みを進めていますが、他の自治体には、味の素スタジアムのように公共施設のネーミングライツについて検討している自治体もあると聞いております。また、新潟県では県有財産を証券化し、資金を調達するという民間のノウハウを生かした新たな手法にも取り組んでいるとのことです。こうした視点も踏まえ、健全な財政運営に向けた歳入確保の視点から、今後の課題と取り組みの方向性について市長の御所見をお聞かせください。
 次に、財源確保に向けた具体的な項目についてお尋ねいたします。1つ目は、企業誘致による税収確保についてです。
 観光振興を含めた商業の活性化は、魅力と活力ある都市づくりの視点はもとより、歳入確保からもその成果に大いに期待をしております。一方、法人市民税の割合が近隣市と比較して低い三鷹市においては、都市型産業や企業の誘致も重要な課題であると考えております。平成13年に策定された第3次基本計画には企業誘致に関する条例制定の検討という項目がありますが、これまでの検討状況と今後の取り組みについてお聞かせください。
 次に、新税の創設についてお尋ねします。
 課税自主権を活用した法定外普通税の導入については、三鷹市においても調査研究を行ったことがあると聞いております。その際には、導入に向けた具体的な検討にまでは至らなかったとのことでした。一般に法定外税の活用によって大規模な税収確保を図ることは期待できないとされていますが、豊島区では、狭小住戸集合住宅税により5億円の税収を確保しているとのことです。法定外税は都市の特徴を踏まえたものですから、そのまま三鷹市に適用できるかはわかりませんが、税収確保とまちづくりの政策誘導の両面から新税導入を検討することも必要ではないかと考えます。市長の御所見をお聞かせください。
 さて、次に地域に開かれた学校づくりについてお尋ねします。
 地方分権、教育改革が進展する中で、学校にも変革が訪れていると考えます。端的に言えば、自律と責任のある学校であり、教育ビジョンの柱の一つともなっている、地域とともにつくる学校ではないでしょうか。三鷹市においては、法改正も踏まえ、保護者、地域住民が学校運営に参加するコミュニティ・スクールの取り組みが進められ、小・中一貫教育の推進とともに積極的な展開が図られています。三鷹市はコミュニティ住区と同じ7つの中学校があり、中学校区を単位とした小・中一貫教育校の設置は、コミュニティの形成からも適切な広さであると考えております。コミュニティ住区との整合に配慮する必要はありますが、今後のまちづくりを考えると、中学校区が一つのまちづくりのエリアとなり、地域コミュニティの充実のために学校が地域に開かれ、地域との交流がより促進されることが重要だと考えています。
 ここで2点目の質問をいたします。地域に開かれた学校としての具体的な取り組みとしては、大きく分けて施設の地域開放と地域住民の学校運営への参加や地域交流事業など、人的な交流があると思います。施設開放については、体育施設が少ない現状を踏まえると、さらなる積極的な開放が必要だと考えますが、一定の評価ができると思います。一方、地域住民の学校運営への参加や交流事業の実施についてはどのような状況でしょうか。地域住民が学校運営に参加すると言っても、地域との交流の実態がなければ難しい面もあると思います。積極的に地域とのかかわりを持つ努力をしている学校もあると承知しておりますが、具体的な仕掛けが必要です。地域人材の活用や、地域との交流における現状と今後の課題について、教育長の御所見をお聞かせください。また、学校を地域の拠点として見直し、活用を図るためには、教育委員会だけでなく、庁内のさまざまな部署との連携・協力が必要だと強く感じています。
 少し細かな話になりますが、例えば地域に開かれた学校づくりプロジェクトのような庁内検討チームを設置し、教育委員会だけではなく、広く関連部課の参加を図り、情報共有と課題の共通認識を持つことは必要ではないでしょうか。このことは、地域に開かれた学校づくりには全庁的な検討が必要だとの趣旨からの質問です。この点につきましても、あわせて御所見をお聞かせください。
 以上で壇上よりの質問は終わらせていただきます。御答弁によりましては自席からの再質問を留保させていただきます。どうもありがとうございます。
                〔市長 清原慶子さん 登壇〕


◯市長(清原慶子さん)  自治体経営の重要性を指摘されての都市の再生・修復を促進するための財源確保に関する御質問をいただきました。
 御指摘のとおり、事業推進に際しての財源確保の工夫に努めることは大変重要な事柄です。健全な財政運営を維持するための歳入確保において、もちろん基本は、市民の皆様による税の収納率の向上です。それに加えて、例えば一つには、広告の活用について、三鷹市ではホームページのみならず、「市民便利帳」、「グラフみたか」など、幅を広げて広告の収入を少しずつですが、得るようにしてまいりました。また、2点目に、例えば「ほっとベンチ」の実施に当たっての寄附制度の導入など、市民の皆様に関心がある事柄について、ともにかかわっていただきながら歳入確保の考え方を事業展開に生かしております。
 さらに3点目に、ESCO事業がそうですが、公共施設の設備更新を財源負担なく行いながら、あわせて省エネルギー化を進める発想にも取り組んでまいりました。
 今年度、施政方針に明確に掲げ、ただいま検討を進めておりますのが都市の更新・再生の取り組みです。これは、御指摘のように三鷹市は公共施設の老朽化が進んでいる中、改修だけでは保てず、建てかえも含む可能性が見込まれることから、多額の経費を要することが予測されています。そこで、既に所有している資産の活用や、公共施設の再配置等に加えまして、いわゆるPFI(プライベート・ファイナンス・イニシアチブ)と呼ばれる民間資金等の活用のほか、PPP(パブリック・プライベート・パートナーシップ)と呼ばれる官民連携事業が有効だと考えられます。さらに、御指摘くださいました資産の証券化、あるいはネーミングライツなども可能性があるかと思います。すなわち従来行ってまいりました市債や基金の活用のほかに、資金調達、事業手法の検討もいよいよ必要になってきていると、このように考えております。
 具体的に、例えば企業誘致による税収確保はどうかという御質問をいただきました。
 私は、市長に就任して直後、これまで三鷹市内で営業されていた事業者の方が、なかなか三鷹市内にとどまりにくいという事情などをお伺いする中から、例えば住工共生地区、つまり住まうことと工業とがともに成り立つ地域を特別用途で指定するなど、工場等の事業者が三鷹市の外に出ないようにとどめるということに、まずは努めてまいりました。しかしながら、今後は、積極的に企業誘致をすることも課題になってきていると考えております。市内産業の活性化や雇用の確保、また税収確保などの観点から企業の誘致も重要性を増していると思います。
 そこで、三鷹市の第3次の基本計画改定に位置づけました企業誘致に関する条例制定の検討状況については、これまで産業振興を所管しております生活環境部生活経済課を中心に、八王子市や調布市などで進められている先行事例を調査したり、企業や用地保有者のインセンティブのあり方などを検討してまいりました。今後は、現在行っております第3次三鷹市基本計画の第2次改定におきまして、企業誘致に関する条例制定の検討を積極的に位置づけたいと思っております。このことは、都市の再生や公共施設の再配置等も関係する取り組みになってくるかと思いまして、市民の皆様にとって効果的な企業との住宅都市としての共生ができる企業誘致手法について検討してまいります。
 3点目に、新税の創設についても問題提起をいただきました。
 いわゆる法定外の新税の創設に当たりましては、租税の原則に基づきまして、市民の皆様の受益と負担の関係を明確にし、市民の皆様や納税者の理解が得られる内容でなければなりません。そうでなくても、近年、税に関するいわゆる負担感というのは市民の皆様に増しているわけです。そこで、税収確保を目的とした新税の導入というのは、現状では課題が多く、難しい状況と認識しています。御指摘の豊島区の例は、いわゆるワンルームマンションの規制を目的とした新税の創設ですから、どちらかといえば規制をする形でのまちづくり政策誘導を目的とした新税の創設です。このような取り組みは効果が期待できる可能性もありますので、現在既に検討を指示しているところでございます。
 新税の創設というのは、大変市民生活に大きな影響をもたらすものでございますから、慎重な対応が求められていると、このように考えております。私からは以上です。


◯教育長(貝ノ瀬滋君)  では、地域に開かれた学校づくりについてお答えをさせていただきます。
 私は、地域ぐるみで子どもを育てるという本市のですね、コミュニティ・スクールの基本的な考え方でございますけれども、これは単にですね、学校教育を改善していくということにとどまりませんで、教育の地方分権を推進していくということ、そしてですね、市民がですね、教育の当事者として、地域の教育は地域で支え、協働してですね、子どもたちをよりよく育てていくと、そういうことにですね、なっていくものというふうに考えております。この考え方はですね、先ほど話題になりました防犯への対応とか、防災への対応、こういうことにもですね、みんなつながっていく考え方でございまして、民主的なですね、市民社会における主権者意識、これをですね、高めていくということにつながっていくものと考えております。
 そこでですね、三鷹市では、このコミュニティ・スクールを基盤といたしました小・中一貫教育校の全市展開に向けまして、各学校においては、保護者や地域の方々が直接学校運営にかかわることのできる学校運営協議会の設置をですね、順次進めております。既にですね、設置済みの学校が7校ございます。年内に設置する学校が9校でございまして、計16校の学校に設置するということになります。最終的にはですね、全校を指定していくということになります。
 このような取り組みを進めていくためにはですね、保護者や地域の方々から、学校の教育活動等へのですね、支援をいただくことが大変大事なことになってまいります。にしみたか学園を初めといたしまして、小・中学校の多くが、豊かな人生経験をですね、持たれた方や、職業を通してですね、専門的な技能・知識等を身につけられた方にですね、教育ボランティアとしてですね、授業等の教育活動や児童・生徒の個別の学習支援、安全確保、学校の教育環境の整備など、学校教育のさまざまな場面での支援に当たっていただいております。
 地域との交流事業につきましては、今年度もですね、もちつき大会ですとか、夏祭りですとか、農業体験などの活動におきましてもですね、保護者や地域の方々の協力を得ながら交流活動を行ってございます。また、校長先生を中心にですね、児童・生徒、教職員が積極的にこの地域の行事などにですね、参加して、この地域との交流を深めていると、こういった開かれた学校づくりにも努めているところでございます。
 今後ですが、保護者や地域の方々に、学校へ一層のですね、御支援をいただくためには、教育委員会と学校が積極的に情報発信をしていくということ、学校教育とですね、学校支援者とのコーディネート機能を充実していくということなど、学校教育へのですね、理解とその支援者の育成・養成を図っていくことなどが重要であると、今後の課題であるというふうに考えております。私の方は以上でございます。


◯教育委員会事務局教育部生涯学習担当部長(山本博章君)  学校施設の開放面について、教育長の答弁に補足させていただきます。
 現在、公立の小・中学校で校庭や体育館、さらに会議室等を積極的に開放しましてですね、市民活動、スポーツ等の地域活動の場として活用されているのが現状でございます。それらの中で、今後ですね、学校をですね、地域のコミュニティの拠点としてさらに有効活用をし、地域とともにつくる学校の推進を図るためには、さまざまな人々や団体がかかわってくるようになります。そのような中でですね、そのような団体や個人が効果的に活動できるようなですね、仕組みづくりも大切になってくるかなというふうに考えております。
 そのような視点から、御指摘にもありました、何らかの全庁的なチームづくりにつきましてですね、生涯学習プラン2010でですね、小・中学校施設が地域に開かれた施設として活用されることを推進目標としておりまして、その中で、生涯学習計画推進会議というのを設置しております。そこにおいてですね、情報の共有と課題の共通認識を持つ努力をしましてですね、地域に開かれた学校づくりについても取り組んでまいりたいなというふうに考えております。以上です。
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◯議長(石井良司君)  伊藤俊明君の質問の途中でございますが、この際、しばらく休憩いたします。
               午後3時05分 休憩



               午後3時30分 再開
◯議長(石井良司君)  それでは、休憩前に引き続き、会議を再開いたします。
    ──────────────────────────────────────


◯議長(石井良司君)  市政に関する一般質問を続けます。
 伊藤俊明君の質問をお願いいたします。答弁は終わりましたので。


◯18番(伊藤俊明君)  それでは、何点かまた再質問させていただきます。
 まず、ネーミングライツ初め、証券化とか新税のということがありましたが、それは私がなぜそういう提案をしたかということは、本当に公共施設のこれからのファシリティーマネジメントに対しても大変な財源が必要だからという観点からはもちろんそうなんですが、やっぱり転ばぬ先のつえじゃないですけど、早いうちから手を打つ。そして、今、最も三鷹市が、ICTでも世界的な評価も高いし、内外にも物すごく注目されていますし、評価は高いです。だから、固有名詞を出して失礼ですが、北海道のようになってからでは、やっぱりなかなか、だれもこういうふうに……。こういう乗っているときこそ、最高にいろんな意味で三鷹市が何をやっても注目されるし、また高く売れるじゃないですけど、そういうことから言った提案なので、本当に、市長初め理事者の方々、皆さん、もうよく御存じで、本当に先ほど市長じゃないですけど、釈迦に説法で恐縮なんですが、一つ一つちょっとやらせていただきます。
 それで、まずネーミングライツの問題ですが、これは、皆さんよく御存じの味の素スタジアムも、2003年から5年で12億ということでね、すごい税収に貢献しているんですが、ほかにも横浜国際総合競技場である日産スタジアムが、5年で23億5,000万とか、ヤフードームが5年で25億とか、グッドウィルドームが25億とか、フルキャストスタジアムも6億とか、こういう景気のいい話がどんどん出ているので、三鷹市においても、芸文センター──芸術文化センターだとか、ちょっとリフォームをもう1回しなくちゃいけないんですが、三鷹市公会堂だとか、産業プラザだとか、いろいろそういう建物にしても……。渋谷公会堂も昨年リフォームして、「C.C.Lemonホール」ということで、これも衣がえして4億円の税収ですね、これ。1年間8,000万で5年で4億ということですから、三鷹市公会堂も、これはリニューアルオープンすれば、僕は十分に可能性があると思うんですが、いかがでしょうか、試しに。というようなことも。
 それと、そのほかに三鷹市の中でもさまざまな可能性があるものとしましても、例えば公共施設がほかにもありますね、いろんな。コミュニティ・センターとてやっぱり例外ではなくて、そういうネーミングライツの対象になるんじゃないか。あと公園とかありますよね、公園もそれぞれいろいろありますし、バス停を初め、橋だとか、道路だとか、数え上げたら切りがないぐらい、可能性としてはですよ、やるやらないは、まだこれから検討してもいいんですが、いろんな意味で、これは注目度が高い自治体でなければ絶対できないことで、いろいろ地方でもやりたい自治体は大勢あるそうなんですが、なかなかこの契約がとれない。今現在、10都道府県6市で23施設が契約になっているというようなデータも出ていますが、これもやはり注目度が高い自治体だからこそということで、私も並みの自治体だったらこんな提案はしません。こんな無謀な提案はしません。これは三鷹市だからこそということで、ぜひともその点もお酌み取りいただいて、そしてネーミングライツの問題で……。
 それから、今度は証券化ですね。証券化のことも、新潟県の例とか、札幌の例とか、市長さんもよく御存じだと思いますが、それぞれがいろんなやり方がありますよね、開発型の証券化だとか、セール・アンド・リースバック方式の証券化だとか、いろんなことがありますので、その辺もちょっと検討の余地があるのかどうか、ちょっとお聞かせください。
 それと、新税の導入に関しましても、豊島区のワンルームということで、それも、ある意味で豊島区では余りにもワンルームが急にたくさんふえてしまってということで、政策誘導という意味もあって、それが多少は効果があったらしいんですが、また近年ではちょっとその効果が薄くなってということで、豊島区の方でも、税収は確かに上がっているのも事実なんですが、なかなか、今はそれを超えてでもまた人がふえてきちゃっているというのが実態だそうです。
 そのほかに、課税自主権を使った法定外の普通税の中でも、いろんな税が結構あるんですね。東京の宿泊税は皆さんはよく御存じのとおりですが、そのほかにも豊島区はワンルーム税、熱海の方では別荘など所有税とか、太宰府天満宮の太宰府市では歴史と文化の環境税だとか、北九州でも環境未来税だとか、それぞれいろんなことを知恵を絞りながら、少しでも税収をふやす方策を講じているというような例があります。
 そして、企業誘致という観点からも、三鷹市でも、市長も先ほど来おっしゃっていただきましたように、とどまらすことももちろん大事ですが、もちろん市長の人脈といいますか、広報活動を通して優良な企業を三鷹市にも誘致していただけるように、これからも御尽力いただければと思いまして、その辺の観点から再質問させていただきます。
 それとともに、平成9年に他市に先駆けてSOHOの集積・誘導をする新しい都市型産業振興施策を行って、想定以上の経済効果を上げているということが検証されました。それなので、税収確保という観点からもさらに市内にSOHOの連携を強めたり、ICT事業との連携、まちづくり三鷹などを通して適切なマッチングだとか、コミュニティビジネスに結びつくような場を提供し、さらに情報通信産業の集積地としての仕掛けというか、づくりを何かお考えでしたら、その点も再質問いたします。
 いずれにしましても、企業誘致によって地域経済の活性化、活性化すれば人も集まるし、買い物客もふえるし、住民もふえるし、働く人もふえるということで、その波及効果というんですか、経済効果が地元に物すごい大きなものがある。それで税収の確保はもちろんですが、法人事業税、法人住民税、固定資産税、不動産取得税、企業の本社が来ればなおのこと法人税も入るということで、あらゆる観点から考えても、優良企業をやはり三鷹に持ってくるということが、非常にこれからの自治体経営という観点からも重要なのではないかと思いますので、その点も皆さんの英知と人脈を使ってといいますか、何としてでもその辺の御尽力をお願いいたします。
 それと、学校の方なんですが、開かれた学校づくりに関しまして、やっぱりコミュニティ・スクールを基盤としたということで、施設の開放を初め、今、学校が子どもたちにとっての拠点であることはもちろんですが、まちづくり、また、三鷹の場合には、うまいぐあいに中学校の7校がいい条件というか、ちょうどいいところにあるということで、これは本当に災害時にしても、ふだんのコミュニティの観点からも、まちづくりの拠点になり得るものであるので、これをもっと有効に利用してもらいたいということで、地域子どもクラブ事業を初め、校庭開放とか、体育館においては施設は非常に有効に使われているんですが、教室といいますか、施設の開放は、三中は交流棟は有効に使われているんですが、学校開放の施設の利用状況を見ますと、三中が2,313人で、四中が3,323人で、ほかの学校──開放している高山小、二中、五中、七中というのは限りなくゼロに近いので、ちょっと発表するのがはばかられるぐらい人数が少ないんですね。ですから、ちょっとこの辺も、なぜそういうふうなばらつきがあるのかということで、これはPR不足なのか、それとも、やはり特定の人たちが余りにもこういうふうに使っていて、ほかの人たちが使いにくいような状況があるのか、どういう状況でこういう、余りにも偏りというのか、ばらつきがあるのか、ちょっとその辺の現状と課題をお聞かせください。
 それと図書館ですね。学校図書館の地域開放に関しましても、これが平成17年から18年、小学校・中学校という大ざっぱなくくりですが、それでも、17年のときには8,717人が利用していた、延べですけど。それが18年には6,841人ということで、学校図書館の開放も非常に減ってきているということで、これはマンネリ化してきているんでしょうか、それともPR不足なのかわからないんですが、やはりこれからも、学校はいろんな地域にとっても、よりどころというか、拠点となるのに、ちょっとこの数字というか、こういう状況では寂しいと思いますので、その点も改めてお聞かせいただいて、それで私も、実は地域としての交流事業のことをさっき質問させていただきましたが、夏休みの終わりに、六中の学区、これは小・中一貫を見据えてのことですが、六中の校庭で六中のブラスバンドが最初に演奏してですね、それで地域の青少対、交通対の地域の方が中心になって、PTAとか、町会とか、皆さんが集まって、一小と北野小の子どもたちのために、もちろん六中生もいるんですが、そこで飯ごうでカレーつくってということでやっていて、あと7時からは映画を上映していたんですね、校舎に布を張って。非常にその状況を見て、みんなの輝く笑顔というか、うれしそうな笑顔を見て、ああ、こういうことをやっぱり地域で一体となってやるということが、どんなに子どもたちが夏休みの思い出をつくる上でもうれしいのかなと。
 そしてまた今度は、先日、9月1日から2日にかけては中原小学校へ行きましたが、中原小学校でも、また地域の方々ですね、学校運営連絡協議会の会長はもとより、おやじの会というんですか、地域の方たちが皆さん一致団結して、校庭にテントがですね、3人ぐらいの小さいテントから7人ぐらい入れる大きなテントまで、これが30か40ぐらいかな、張ってあって、それでキャンドルサービスというか、屋上からそれを見て、夜になったらそれをつけてということで、あといろんなイベントがそこで計画されていて、もう本当に感激しました。みんな地域の方たちが……。
 それで体育館の方に行ったら、今度は上級救命訓練を体育館でやっていたと思ったら、今度はビデオの上映が始まって、それですごいなと思って、こういういろんなね、企画をしながら、地域を盛り上げていくというんですかね、地域の力というのを。きっと子どもたちは、僕はあの思い出は一生忘れないんじゃないかと思うんです。こういう思い出づくりが大きくなってからも、やっぱり地域愛というか、郷土愛だし、これから小・中一貫教育校もさることながら、こうやって思い出づくりというのは、すごく子どもたちの、とにかく笑顔が違うんですよね。勢いがもう……。それで次の日に防災の体験をするという訓練もあるんですが、夜泊まれるというのがまた何とも、学校に泊まれるという思いがすごいらしくて、もううれしそうで、こっちまで思わずうれしくなりました。
 というような、ごめんなさいね。済みません。こういう場で思い出話をしちゃってもあれなんですが、そういうことで、非常に三鷹は、他地区のどうこうをまねするよりも、現にその地域地域の特性に応じたすばらしいコミュニティ・スクールの取り組みをしているということをどうしても伝えたかったですし、また、市長や教育長が来てくださったということがね、皆さんすごい励みになったと。市長や教育長も僕たちの取り組みというか、これを見ていてくれるし、応援していてくれるということが、すごく父兄の方も、子どもたちも喜んでいたので、その点もあわせて。ですから、これからもいろんな取り組みがあると思います。忙しいと思いますが、市長も教育長もぜひ、議長も伺ってみて、地域のあれを見ていただければという思いで再質問させていただきます。よろしくお願いします。


◯市長(清原慶子さん)  それでは、再質問の幾つかの点について私から答弁いたします。
 まず、ネーミングライツの件です。私は三鷹市長として、株式会社味の素スタジアムの取締役もしております。取締役会でやはりこのネーミングライツの件については情報を得ながら、実績を聞きながら協議をし、さらに延長できる可能性について、今、検討していただき、協議をしていただいているところですけれども、私は一方で、三鷹市が、質問議員さんが言われたように、このような取り組みをしたときに注目をしていただき、可能性を民間企業を中心に検討していただける、そうした力は持っている自治体だというふうに私も自負しております。
 ただ、このネーミングライツについて調べてみますと、残念ながら、その企業が不正なことを起こしてしまったために、イメージがですね、悪くなった事例があったり、あるいはもう御調査された上でのことで、だからこそ三鷹市と言っていただきましたように、公募をしてもなかなか応募者がないケースなども現実にはございます。そうした中で、私は、質問議員さんと同じ思いで、可能性があることについて、やはりしっかりとですね、着実に三鷹市としてふさわしいやり方については検討していくべきであろうと、このようにこの選択肢の一つとしてネーミングライツを位置づけたいと思っております。
 2点目に、これも関係することですが、企業誘致についてです。恐らくは三鷹市にとって、企業誘致ということは、そんなにですね、積極的に行われてきた事案はないと思いますし、むしろ既に三鷹市とともに歩んできた、三鷹市にある事業所の方がそれなりにいらっしゃいます。
 ただ、私がちょうど市長になったころの景気状況、経済・社会状況を見ますと、まず第一義的に、やはり三鷹市にいらっしゃる事業者がとどまっていただくための条件整備というのが緊急であったということが1点。2点目に、質問議員さんも御指摘いただきましたように、1996年以降、三鷹市が積極的に、いわゆる住宅都市として産業と共生するためのあり方として、スモールオフィス・ホームオフィスの取り組みを奨励してきた。これは全国に先駆けての取り組みでありましたから、より三鷹市ブランドというのがこのSOHO事業者には強く信頼をされています。三鷹市でSOHOを起業すること、ベンチャーすることがその後の発展に必ずや結びつくということで、やはりそれなりの集積が見られているということがあります。
 そうであるならば、最近結成されましたICT事業者協会というような組織というものがさらに、一つ一つのSOHO事業者が発展するだけではなくて、連携することによって集積の効果、あるいはビジネスマッチングの効果を上げていくことを積極的に支援していくことが重要ではないかと思っております。その上で3点目に、これ、質問議員さんも大変慎重に問題提起してくださいました。どこの企業でも来ればいいというものでもないかもしれない。やはり市民の皆様の心情というものがあります。市民の皆様にとって、市が率先して誘致する場合にですね、やはりそれなりの基準なり方針なりが明確になっていなければいけないでしょうし、先ほども答弁いたしましたが、ただいま都市の再生と公共施設の再生・再構築・再配置ということについて明確に施政方針として打ち出し、私も進めさせていただいている以上ですね、このプロセスにおいて、公共施設の適切な配置、そして住環境としての質の高さの維持を図りつつ、非常に三鷹市内は市域が狭いので、それほど空閑地はないわけでございますけれども、それなりに進出していただける企業をですね、絶えず模索していく。あるいは企業が何らかの進出を考えるときに、三鷹市も選択肢としてきちんと考えていただけるような発信はしていく必要があるかなというふうに思っております。
 そのことも含めてネーミングライツという、いわゆる民学産公といいましても、産業界、特に民間企業の皆様の取り組みと、三鷹市のような公共団体の取り組みとが、市民の皆様の立場、視点を中心とした市民本位の取り組みでどのぐらい目標を一致しながら、相互のイメージアップや、あるいは活力に生かせるかという、そうしたコーディネートがですね、三鷹市にはさらに求められていると思います。
 質問議員さんは、人脈も大事というふうに御指摘されました。清潔でクリーンな人脈こそ大いに生かしながら、市民の皆様にとって透明度が高く、わかりやすくですね、そのような取り組みについては、毅然として公正さを認識して進めてまいりたいと考えております。私からは以上です。


◯教育長(貝ノ瀬滋君)  コミュニティ・スクールについてお話がございましたが、事例としてですね、六中学区、そして五中学区のですね、活性化した楽しい様子が目に浮かぶようで、まさに御質問者がですね、六中学区で主体的にですね、かかわっていらっしゃるという、そういうことのあかしだろうと思って伺っておりましたが、そういう五中学区、六中学区の例はもちろんでございますが、ほかの学区におきましてもですね、コミュニティの拠点としてですね、学校が活性化しですね、そして、さまざまな地域の方々の協力によってですね、さまざまな企画を実践してですね、子どもたちがよりよく育っているという現状がございます。
 ただですね、お話のようにですね、利用のですね、例えば学校の施設の利用などについて人数的な偏りなどが指摘されておりますけども、これはやはり仕掛けが必要だろうというふうなお話がございましたが、やはり私もそう思います。やはり学校運営協議会をですね、指定されているところは、やはり活発なですね、活動が行われていますし、そういうことから言いますと、やはり早い、早いと言ってもですね、やはり地域の事情もありますが、この地域の事情を見ながら、学校運営協議会の指定をしていきながらですね、御自分たちで学校をですね、地域の拠点としての学校をですね、活性化していただくということが大事だと思います。
 上の方からですね、こうしろ、ああしろというふうなことじゃなくて、やはり地域の底力といいますか、郷土愛とかですね、そういう子どもたちのために何とかしようという、そういうお気持ちがですね、活性化していくものというふうに考えています。
 これは、ただコミュニティの拠点としての学校、これはやはり子どもたちが真ん中にいるということがですね、やはり多くのいろんな立場の人たちがですね、力が結集されていくものだと思いますし、また、地域の方々の主体的な力を信じるといいますか、つまり、ガバナンスでですね、やはりスクールガバナンスで運営されていくということ、そういう意味ではですね、本当におらが学校をですね、御自分たちでつくっていくという中で、子どもたちもよりよく育っていくと思うんですね。そういう意味で、学校運営協議会というこの仕掛けをもってですね、ほかの多少温度差が低いところもですね、活性化するような手だてを講じてまいりたいと思いますし、図書館のですね、土曜開放などにつきましてもですね、これは開放の委員会ができておりますので、そこで課題をですね、議論してもらって、そして積極的にですね、攻めのですね、開放ができますように、方策をですね、立てていきたいというふうに考えております。どうぞ今後とも御支援をよろしくお願いしたいと思っています。以上でございます。


◯企画部調整担当部長・ファシリティ・マネジメント担当部長(河野康之君)  資産の証券化についての御提案がありました。この件につきましては、かねてから理事者から検討を指示されているところでございます。
 そのときに調べた結果ですね、基本的にはこれは市場型間接金融と言われる手法でございまして、民間企業が行う場合には企業の信用力と資産の信用力の差によってですね、非常に有利な金融資金調達ができるという手法でございます。これを検討した結果ですね、自治体においては、基本的には自治体の資金調達コストが市場に比べて非常に安価で有利に借りられるという現状と、あと証券化においてはですね、コマーシャルペーパーの発行等をですね、一定のコストがかかるところから、ストレートに言えば、まず通常型の資金調達の方が有利なのではないかというふうに考えているところでございますが、ただ、これは先ほど市長が申し上げました、官民連携事業の一つの形でもあります。したがって、官だけの事業であるとそういうような整理ができるわけですが、民の行うですね、事業者の行う事業と組み合わせることによって効果がある場合も考えられるということがございます。したがいまして、官と民がですね、一緒に事業をやることによって、民の行う事業自体の資金調達コストが有利になるということは考えられるわけです。そうしたことをあわせて事業提案を行うことによってですね、非常に効果的な事業展開もあり得るという一定の整理をしているところでございますので、もし今後ですね、そういうことが利用できる事業、仕組みがあれば、検討してみたいというふうに考えております。
 一方ですね、スピードを要求される事業においてはですね、一定の調整が必要なところから課題があるところだと、このように考えているところでございます。


◯18番(伊藤俊明君)  どうも皆様、御丁寧な御答弁、本当にありがとうございました。証券化に関しましても、あらゆる角度から御検討をいただきたいと思います。
 それで、依然として三鷹市の場合、三位一体の影響を受けて歳入の大幅な減ということで、大変財政が厳しい状況にはありますが、引き続き「選択と集中」といいますか、それでこの厳しい状況下にあっても、やはりまちづくりにおいて消極的にならずに、やっぱり積極的に財源確保、人材確保をしながら、より効率的に、透明な、創造的な自治体経営を推進していく中でファシリティーマネジメントとか、都市の再生・リノベーションに向けてより一層の取り組みを進めていただくようにお願いをいたしまして、私からの質問を終わります。どうもありがとうございました。


◯議長(石井良司君)  以上で伊藤俊明君の質問を終わります。
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◯議長(石井良司君)  次の通告者、21番 加藤久平君、登壇願います。
                〔21番 加藤久平君 登壇〕


◯21番(加藤久平君)  議長より御指名をいただきましたので、通告に従いまして一般質問をさせていただきます。御答弁よろしくお願いいたします。
 さて、6月3日の「広報みたか」では、CAPワークショップの御案内が掲載されました。西児童館で保護者とその子どもの小学生が対象であって、子どもがさまざまな暴力に遭ったとき、どう対処できるかを学ぶ参加体験型プログラムということでした。そこで、グーグルで「CAPセンター」を検索し、その2ページ目の「性教育過激派・PEACE暴力防止トレーニングセンター」を開きました。このページを見て驚きました。ぜひ市民の皆さんや市の職員にも見てほしいと思います。
 そこで、西児童館でのCAPワークショップでありますけれども、子どものプログラムは大人が傍聴すると効果が薄れるので、原則大人の傍聴は認めないとのことでありました。そして、以前のことですが、実施されたCAPワークショップの録音テープの提供を求めたところ、三鷹市の担当職員から、著作権があるので貸し出しはできませんとのことでありました。大人の傍聴は認めない。内容は著作権があるので、テープの貸し出しは認めない。では、一体いつ、どこで、だれがこのワークショップを検証することができるのでありましょうか。情報公開はどこにあるのでしょうか。私は思います、一体何を考えているのですかと。
 そこでお尋ねをいたします。1つ目の質問です。CAPの起源は、どのような団体が、どのような経緯で、どのような形で、どのような運動や活動を主張してきたのか、教育現場の長として教育長がお示しの上、感想をお聞かせください。
 2つ目の質問です。「性教育過激派・PEACE暴力防止トレーニングセンター」に掲載されている写真はどのようなものなのか、教育長がお示しの上、この写真についての教育長の御所見をお聞かせください。また、本市が目指している、子どもがさまざまな暴力に遭ったとき、どう対処するかというプログラムと、この写真の内容を含めたCAPワークショップ全体の事業との整合性について、教育現場の長としての教育長の御所見をお聞かせください。
 3つ目の質問です。本市は情報公開ということでは世界的にトップレベルにあると思いますが、このCAPワークショップに限っては、どうしてこのような情報公開を拒むとも誤解を与えるようなスタンスであるのか、教育現場の長としての御所見をお聞かせください。
 さて、井の頭池入り口の井の頭恩賜公園が三鷹市であることは、市民のみならず全国的に周知されているところであります。しかしながら、新聞報道では、井の頭恩賜公園が武蔵野市と紹介されることもあります。また、議会事務局にある東洋経済新報社の「都市データパック」では、井の頭恩賜公園が武蔵野市と紹介されているわけであります。これでは市民の皆さんや他市の方にも誤解を与えるのではないでしょうか。郷土を愛するということでは、井の頭恩賜公園が三鷹市であるということを周知させることが大切であると考えます。そのためには、武蔵野市と三鷹市の井の頭恩賜公園との行政境をはっきりと表示すべきであると考えます。行政境を表示することについては、井の頭恩賜公園が三鷹市であるという確認ができるわけであって、そして、市民の皆さんが大いに三鷹市を自慢できるわけであります。特にこのことは、児童・生徒にとっても大きな教育的な効果があると考えます。しかしながら、表示をするための標識は、国道とか都道のような大きな道路には必要だが、余り大きくない道路には必要ないという考え方が存在するのも事実であります。そこで私は思います、一体何を考えているんですかと。
 そこでお尋ねをいたします。4つ目の質問です。有名な井の頭恩賜公園の中に、三鷹市であるという表示を行政境に表記することは、児童・生徒が郷土を愛するということにつながると考えますが、その教育的効果について教育長の御所見をお聞かせください。
 5つ目の質問です。誤解を与えるような新聞報道やデータパックがありますが、武蔵野市と三鷹市の井の頭恩賜公園における表示の表記は必要ないという考え方について、教育的な負についてどう思われるのか、教育長の御所見をお聞かせください。
 さて、三鷹市の公的な教育現場で発行された文字を御紹介いたします。「女男」とつづられた1つの熟語であります。強いて読めば「じょなん」とでも発音するのでしょうが、辞書で調べたところ、「じょなん」では見つけることができませんでした。もしこの熟語が容認されれば、学校での混合名簿は「じょなん混合名簿」とでも発音するのでしょうか。
 そこでお尋ねをいたします。6つ目の質問です。「女男」として1つの熟語では何と読むのでしょうか。お示しの上、教育現場ではこのような文字を使用することを容認しているのかどうか、お考えをお示しください。また、正しい日本語を指導するというのではどのようなお考えか、教育長の御所見をお聞かせください。
 7つ目の質問です。「男女」はよく見かけますが、女が前で男が後の熟語は見たことがありません。そこで思い出すのが男女平等参画であります。女が先で男が後という熟語の主張が男女平等の考え方の中にあるのかどうかということをどう思われるのか、教育長の御所見をお聞かせください。
 さて、中学の「新しい社会 歴史」教科書の記述であります。歴史教科書の188ページには、「この事件は南京大虐殺として国際的に非難されましたが、国民には知らされませんでした。女性や子供を含む中国人を大量に殺害しました」と紹介されています。南京大虐殺の歴史にはいろいろな見方が存在するのであります。中国政府のように、一方的に30万人大虐殺を主張する。また、ある新聞社のように、30万人大虐殺説は自社の主張ではなかったような社説を掲載する。また、自民党の有志議員による「日本の前途と歴史教育を考える議員の会」が、資料などを駆使し、死者30万人という南京大虐殺事件は虚構であると完全否定する検証結果を明らかにするなどなど、いろいろであります。しかし、この南京大虐殺のことが日本人の心に多くの自虐的歴史観を持たせたことや、日本人そのものに自信を持てないといった心を持つようになったことや、近代史に興味を持たないように至ったことなど、多くの負の要素をはぐくんできたのも事実であると考えます。
 そこで、歴史教育を考える議員の会の検証を御紹介させていただきます。日本軍による南京陥落は1937年12月13日でありました。しかし、終戦直後のGHQの民間情報教育局が編さんした「真相箱」のラジオ番組の台本を御紹介しますと、そのラジオ番組は、戦後、日本人を自虐史観に洗脳するためにGHQが制作したものです。その中に婦女子2万人が惨殺されたという記述がある。でも、虐殺が始まったとされている日には、実際にはまだ日本軍は南京を陥落させておらず、南京城内には入城できていなかったという資料が紹介されました。また、南京陥落の翌年の2月、当時の外務省の機密文書によると、国際連盟の理事会で中国政府代表が、南京の死者は2万人と演説をしていた英文記録が存在した。そして、その日本語翻訳文では、2万人虐殺されたというところが抜けていたということである。つまり、当時の外務大臣や政府首脳らは、中国がこのような主張をしていることを知らなかったということであります。
 さて、南京事件の真実を検証する会の温家宝国務院総理閣下への公開質問状の要点を御紹介させていただきます。故毛沢東主席は、30万人市民大虐殺について、生涯に一度も言及されなかったことについてどう思われますか。当時の国民党の「中央宣伝部国際宣伝処工作概要」によりますと、1937年12月1日から38年10月24日までの間に、外国人記者、外国公館職員の平均35名が参加をし、300回の記者会見を行ったと記録されています。宣伝部がただの一度として、南京で市民虐殺があったこと、捕虜の不法殺害があったと述べていないという事実についてどう思われますか。南京安全区の国際委員会の活動記録が「ドキュメント・オブ・ザ・ナンキン・セーフティー・ゾーン」として、国民政府国際問題研究所の監修により、1939年に上海の出版社から刊行されました。それによりますと、南京の人口は、日本軍占領直前は20万人であって、占領1カ月後には25万人と記録されています。30万人虐殺はあり得ないと思いますが、どう思われますか。南京大虐殺の証拠だとする写真が、南京の虐殺記念館を初め多くの展示場、書籍などに掲載されています。しかし、その後の科学的な研究によって、ただの1点も南京虐殺を証明する写真は存在しないことが明らかになりました。もし虐殺を証明する写真が存在しているのでしたら、ぜひ御提示をお願いしたいと思います。
 このように南京大虐殺ということは、どう考えても常識では考えられないことであります。それでもあったとお考えでしたら、我々が提供する資料も踏まえて、公平、客観的にその検証を進めていただきたいと考えます。ところが、現状では、貴国は南京に大虐殺記念館を建て、大々的に30万人虐殺を宣伝しています。このようなことは史実をないがしろにする不当極まりないことであるばかりか、貴国が唱えられる日中の友好の方針とも真っ向から対立するのではないかと考えます。さらに、ことしは南京事件から70年ということで、貴国のさまざまな機関が南京虐殺映画を制作・企画し、進めていると伝えられています。こうしたことは日中友好を願う我々日本人にとって耐えがたい裏切り行為と受けとめております。閣下はどのようにお考えでしょうか。
 以上、概要の質問でありました。ちなみにお答えはいただけなかったそうです。
 さて、南京事件の歴史認識については、さまざまな主張があります。南京事件はなかったという主張の根拠については、いろいろと御紹介できました。
 そこでお尋ねをいたします。8つ目の質問です。南京大虐殺があったと中学の歴史教科書では記述をされていますが、南京大虐殺があったという根拠をどのように児童・生徒に指導されているのか、お聞かせください。
 9つ目の質問です。「南京大虐殺として国際的に非難されました」と教科書には記述されています。公開質問状で御紹介したとおり、外国人記者や外国公館員を集め300回の記者会見を行ったとしていますが、ただの一度も大虐殺については報道されなかったにもかかわらず、国際的に非難されたとなっていますが、どこの国とどこの国が非難をしたのか、国名については児童・生徒にどのように指導されているのか、お示しください。
 10個目の質問です。南京大虐殺は日本の子どもたちが自虐的になる一つの原因であると分析する方もいるようですが、教育長は大虐殺と自虐的の因果関係をどのように分析されているのか、御所見をお聞かせください。
 11個目の質問です。前回の教科書検定のとき、前段で御紹介した188ページの記述については、教育委員会ではおおむねどのような意見があったのか、お示しください。
 12個目の質問です。教育長は、南京大虐殺についてどのような御所見をお持ちなのか、お聞かせください。
 さて、中学校の歴史教科書の第6章1と2を読むと、日本人としての誇りや自信をなくし、自虐的な思考を持つ児童・生徒がふえそうな気がいたします。この時代を生きた先人の思いや苦労、あるいは外国との苦しい外交など、どのような苦労の中で先人たちが生きてきたかということの記述が少ないような気がします。それでも、児童・生徒が日本人として誇りや自信を持てるような第6章1と2の歴史教育であってほしいと思います。6章第2では、世界恐慌と日本の中国侵略となっていますが、日本を占領していた連合軍最高司令官マッカーサーは、日本をみんなで寄ってたかってつぶしたからであるということを晩年理解したのでありました。特に朝鮮戦争の体験は、戦前の日本を侵略国と見ることは間違いであることをマッカーサーは知ったのでありました。1951年の5月、アメリカ上院の軍事外交合同委員会という公式の場で、マッカーサーは、したがって、日本が戦争に突入したのは、主として自衛のためにそうせざるを得なかったのであると証言したのでありました。このマッカーサーの言葉は、すべての日本人、できれば世界じゅうの人々に覚えていただきたいと考えます。
 そこでお尋ねをいたします。13個目の質問です。マッカーサーの証言について教育長はどのように思われるのか、御所見をお聞かせください。また、児童・生徒に歴史教育の中で、マッカーサー証言を教育現場で紹介することについてどう思われるのか、御所見をお聞かせください。
 以上で壇上での質問を終わらせていただきます。なお、御答弁によりましては再質問を自席で留保させていただきます。ありがとうございました。


◯教育長(貝ノ瀬滋君)  たくさんございましたんですが、集約してお答えをさせていただきます。
 まずですね、正しい日本語の指導についてお答えをいたします。
 学校教育におきましては、国語科を中心として、国語による表現力、理解力の育成ですとか、国語を大切にする態度の育成を図っているところでございます。また、確実にですね、漢字の力を育成するなど言語事項を発達段階に応じて系統的に指導して、言語を適切に使うことを目指しているというところでございます。
 御指摘のありましたですね、熟語としての「じょだん」というんでしょうか、「じょなん」というんでしょうか、はありませんですね。三鷹市教育ビジョンの目指す子ども像の一つに、「様々な人と適切なコミュニケーションを取ることができる人」ということが挙げられております。豊かなコミュニケーションの基盤となる言語能力のですね、育成を今後とも図ってまいります。
 また、男女平等参画についてでございますけれども、女性に対する偏見の解消や、固定的な性別役割のですね、分業意識の解消を図って、男女が対等に参画する社会の実現に向けまして男女平等意識を醸成するということは大切なことでございますが、「女男」という熟語をですね、男女平等のですね、主張になるということは理解に苦しむところでございます。
 次にですね、中学校の新しい歴史教科書の記述についてお答えをいたします。8番目の御質問から12番目の御質問につきましてはですね、答弁内容が重なりますので、幾つかまとめて答弁をさせていただきます。
 まずですね、初めに、教科書のですね、検定制度について説明させていただきたいというふうに思います。教科書検定制度はですね、民間がですね、教科書の著作・編集を行うことによりまして、著作者の創意工夫に期待するとともにですね、国が、国がですね、検定を行うことにより適切な教科書を確保することをねらいとして設けられています。教科書の検定は、学習指導要領や検定基準に基づきまして、教科用図書検定調査審議会の専門的な審議を経てですね、厳正に実施するものでございまして、また、検定におきましては、記述内容を具体的に指示するというものではなくて、どのような記述とするかは申請図書のですね、著作・編集者の判断にゆだねられているところでございます。
 歴史教科書の検定は、国が特定の歴史認識や歴史事実等を確定するという立場に立って行うものではございませんで、あくまでも検定基準にのっとりまして、申請図書の具体の記述について、その時点における客観的な学問的成果や適切な資料等に照らしまして欠陥を指摘するということを基本として実施しております。学習指導要領や検定基準に基づく国の検定を通過した教科書をですね、本市教育委員会として採択し、学校は採択した教科書を主たる教材として使用して、学習指導要領にのっとって授業を行うということになるわけです。
 8番、9番目のですね、御質問の南京事件の根拠及び国際的に非難した国名について、生徒への指導の件でございますけれども、歴史的事象の指導に当たりましてはですね、中学校学習指導要領に基づき指導することからですね、歴史的事象の根拠ですとか、教科書の記述以上の内容に踏み込んだ指導はしていません。学習指導要領自体がそういう要請をしていないわけでございます。
 10番目の御質問の南京事件と自虐的因果関係につきましては、日本の児童・生徒がですね、日本の歴史を自虐的にとらえているといった公式的なデータ、研究はないですから、因果関係について一概に私の方で述べることは難しいということでございます。また、学習指導要領の目的にはですね、「我が国の歴史に対する愛情を深め、国民としての自覚を育てる」とございます。学習指導要領に基づきましてですね、適切に指導を行うことによりまして、おっしゃるようなですね、自虐的な歴史観を抱く指導にはならないというふうに考えております。
 11番目の御質問のですね、教科書採択の際の意見についてでございますけども、教科書採択のための調査資料の作成の段階で、すべての教科書に南京事件の記述があることは確認しております。採択に当たりましては、三鷹市の生徒の実情を踏まえて、より学習への興味・関心や学習効果の高いですね、教科書について総合的な観点から意見が出されまして採択いたしました。
 12番目の御質問の南京事件、13番目の御質問のマッカーサーの証言についての所見でございますけども、平成7年の内閣総理大臣談話におきまして、我が国の植民地支配と侵略によって多くの国々、とりわけアジア諸国の人々に対して多大な損害と苦痛を与えた事実を謙虚に受けとめ、痛切な反省と心からのおわびの気持ちを表明しておりますけれども、こうした認識は私としても異なるものではございません。私は、児童・生徒が我が国及び世界に対する理解を深め、近隣諸国を初め諸外国とですね、未来志向的な関係を発展させるなど、国際社会に主体的に生きる日本人としての自覚と資質を身につけることを期待している次第でございます。
 また、マッカーサー証言を取り扱うことにつきましては、学習指導要領では記載はございません。そういう要請はございません。マッカーサーの証言をですね、学校教育の場で紹介するということにつきましてはですね、これは学習指導要領の趣旨に基づいて、ねらいや意義を踏まえた上でそういうことを紹介する場合はですね、生徒の発達段階を十分やはり考慮していくということが重要であると考えます。東京裁判のですね、内容、それから、判決文などを扱う高等学校以上のですね、段階で紹介・議論することがですね、望ましいのではないかというふうに考えております。私の方からは以上でございます。


◯教育委員会事務局教育部生涯学習担当部長(山本博章君)  CAPに関する御質問にお答えいたします。
 まず1点目のCAPの起源、経緯等についてですが、CAPは1978年、子どもたちがいじめ・誘拐・虐待といったさまざまな暴力から身を守るための教育プログラムとして、アメリカで開発されたものです。全米では200以上の都市で幼稚園から高校までの授業に取り入れられたとの記録がございます。日本には平成7年に専門家を養成する講座が相次いで開催されました。平成10年には「CAPセンター・JAPAN」が設立されまして、平成17年にNPO法人となりまして、その後、全国に広がっていったという記録がございます。
 日本におきましては、子ども自身が人権意識を持ちまして、暴力から自分を守るための知識や技能を持つことを願って、CAPの普及活動を各地で展開しているところでございます。6月に西児童館で開催されましたCAPのワークショップは、このような趣旨のもとにですね、NPO法人CAPユニットに依頼しまして、市民を対象に広報で参加者を募集して行われたものです。
 このワークショップにつきましては、第3次基本計画にございます人権意識の啓発、子どもの人権の尊重の具体的な取り組みとして平成14年度から行っている事業でございます。
 次に、「性教育過激派・PEACE暴力防止トレーニングセンター」という記事の件についてでございますが、正式にはPEACE暴力防止トレーニングセンターの性教育プログラムは、「P・S・P性教育プログラム」という名称でございます。性教育過激派という文言はついておりません。
 学校における性教育につきましては、学習指導要領に基づきまして、児童・生徒の発達段階に応じて適切に指導を行うものでございます。したがいまして、このPEACE暴力防止トレーニングセンターの性教育プログラムは、児童館や学校では実施しておりません。また、この「P・S・P性教育プログラム」はこの団体独自のプログラムでございまして、CAPのプログラムとは全く別のものであるというふうに理解しております。
 続いて、CAPの傍聴を原則として認めないことや、検証についてお答えいたします。
 このCAPの趣旨から、大人が大勢で傍聴することはですね、子どもへの心理的な負担になるということが予想されるため、スタッフを含めまして原則3人までという取り決めになっているということでございます。また、このプログラムにですね、かかわります著作権をアメリカのインターナショナルCAPという団体が保有しておりまして、録画はできないという取り決めになっているということでございますが、検証につきましては、担当職員が立ち会っておりますし、必ず児童館で子ども向けにやる事業については、保護者が事前にですね、ワークショップを受けるということが前提となっていますから、そのような中で一定の検証がなされているものというふうに理解しております。私の方からは以上です。


◯教育委員会事務局教育部長・調整担当部長(岩下政樹君)  井の頭恩賜公園の標識設置についてお答えいたします。この標識設置につきましては、教育委員会の所管事項ではありませんが、御答弁をさせていただきたいと思います。
 4点目と5点目の質問でございます。議員御指摘のとおり、井の頭恩賜公園は市民にとっての憩いの場であり、児童・生徒にとっても三鷹市のランドマークとして大切にしていきたい場所の一つでございます。三鷹市教育委員会では、地域とともにつくる魅力ある学校づくりを推進しておりまして、地域の人々とともに、地域と結びついた学習を進める地域学習を義務教育9年間の小・中一貫カリキュラムとして位置づけているところでありまして、小・中学校ともに井の頭恩賜公園を題材とした教育活動を設定しております。
 また、市教育委員会で作成した小・中学校の社会科副読本におきまして、井の頭恩賜公園が三鷹市と武蔵野市の2市に属していることを説明しているとともに、境界線を明示した写真等を掲載しまして、知識として学ぶことができるようにしております。そのほかにも教育委員会で作成しました道徳の副読本に掲載されている、井の頭恩賜公園を舞台として資料化した読み物資料での学習や、社会科、道徳の時間、総合的な学習の時間等を中心としまして、井の頭恩賜公園を取り上げた学習を展開しております。したがいまして、このようなことから、行政境の必要性につきましては担当部課において判断しているものと考えておりますが、教育委員会としましては、井の頭恩賜公園そのものが三鷹市にあるということで、児童・生徒の郷土に対する愛着をはぐくむ上で教育効果があるというふうにとらえているところであります。以上です。


◯21番(加藤久平君)  ありがとうございました。終わります。


◯議長(石井良司君)  以上で加藤久平君の質問を終わります。
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◯議長(石井良司君)  次の通告者、19番 白鳥 孝君、登壇願います。
                〔19番 白鳥 孝君 登壇〕


◯19番(白鳥 孝君)  やっと議長のお許しをいただきましたので、一般質問をさせていただきます。今回はICT社会への対応についてですけれども、少しだけ質問をさせていただきます。
 2000年度ぐらいからですか、IT、インフォメーション、コミュニケーション、テクノロジーといった言葉を、政府、総務省等が言い始めてきました。それ以前はニューメディア、そしてマルチメディア、そしてIT革命という言葉が記憶に新しいところであります。現在はICT時代ということですが、IT時代までは、広域にわたるケーブル網の整備や、その技術等のハード面の整備が主たる課題でした。これは、政府が二、三年前に進めてきた最先端のIT国家を目指すというe−Japanの基本的な考え方です。
 しかし、その一方ではソフト面が追いついていきませんでした。そこでICTが登場となるわけです。ITと違い、ICTにはコミュニケーションが入ってくるわけです。そこでICTということでございますけれども、ITと違い、ICTにはコミュニケーションが入ってくるわけですけども、つまり、人と人のつながりをどうするかという発想が入ってきます。ハードが先行してソフトが後から追いかけるのは社会の常とも考えられますが、いまだに紙文化の時代で、むしろ紙がふえた感もあります。今後、ネット文化への移行は、長い時間をかけた文化の21世紀的な大転換となると言えるでしょう。これからはICT社会、ICTで社会が変わるのではなく、ICTが社会を変えていくという考え方が考えられます。だからこそ、今後も法整備が必要となります。また、「人財」開発が必要です。いわゆる指示待ち的な「人財」育成ではなく、ICT時代にかなう「人財」開発が望まれます。政府は、2006年以降も世界最先端のIT国家であり続けるための政策としてu−Japanを進め、2010年にはあらゆる人や物が結びつく、いつでも、どこでも、何でも、だれでもと、ネットワークが簡単につながる、人と物、物と物とが結ばれるユビキタスネット社会の実現を目指しています。今後、u−Japan政策を進めることによって地域活性化や地域の課題解決が一層図れることを期待しております。
 そこで、情報技術は地域の活性化や地域の課題解決のため、大きな役割を担うものと認識されていると思いますが、今、私が話してきた中でどのような議論がなされ、考えているか、お示しいただきたいと思います。また、高速情報通信基盤を利用できる社会の構築について、この地域はどのような状態であるのかお聞きをいたします。そして、各課題を通じて今後の考え方をお伺いいたします。
 まず、ICTを活用したまちづくりでは、GISシステムを地域コミュニティ支援ツールとして活用することや、普及しつつあるさまざまな情報共有システムを活用し、地域の防犯・防災・安全安心の取り組み、さらには地域振興・観光にはどのように生かしながらまちづくりを進めていくのか、お聞かせください。また、高齢化やマンション化、新興住宅地の開発で地域の結びつきがないなど、コミュニティの課題があり、地域福祉・地域防犯・地域健康づくりといった課題に対して、地域づくりができるICTはどのように活用していくのでしょうか。また、ICT活用には、地方分権の進展に伴い、みずからの地域はみずからでつくるという発想が基本的にあると思うのですが、地域づくりに関する情報がまだまだ整理が必要な状況もあり、それぞれの地域づくりの連携・総合化と人々の相互間の情報の交換を行う仕組みづくりの整理等はどう考えるのか、お聞かせください。
 最後に、平成19年度地域ICT利活用モデル構築事業として総務省より委託の採択を受け、どのような展開を図っていくのか、その見通しと、市民の意見なども取り入れる余地がないのかについてお伺いをいたします。
 これで終わりますが、自席での再質問を留保いたします。
                〔市長 清原慶子さん 登壇〕


◯市長(清原慶子さん)  ICT情報通信技術が生かされる社会にどのように対応していくかという御趣旨の御質問をいただきました。まず、総論的にいわゆるICT社会に対して、三鷹市としてはどのような認識をして取り組んでいくのかということについて答弁をいたします。
 情報通信技術の革新は、御指摘のとおり大変急速で、特にパソコンや携帯電話の普及が進みますとともに、インターネットの利用が社会の情報の流通の仕組みや、人々のコミュニケーションの形態を大きく変えてきています。それは、今まで専らいわゆる受け手として情報を受けてきた人が、みずから発信ができる。あるいは近隣や、あるいは日本国内にとどまらず、全世界的、国際的に情報にたどり着くことができる情報検索機能の進歩や電子決済の範囲の拡大など、消費行動や経済の面での企業活動に大きな変化をもたらしています。その中で私たちが住んでおります日本は、御指摘のように2005年まではe−Japan戦略ということで、2005年までに世界有数のIT国家へということで、情報通信基盤の普及に努め、国際的にも安い料金で情報通信ネットワークが使える国となりました。
 しかし、私も痛感していることでございますけれども、普通の市民にとって、本当に情報通信技術の利便性、恩恵というものが実感できているのかどうか、むしろセキュリティーの問題や、あるいはネットワークを使った犯罪等がふえていて、何となく人間関係がぎくしゃくする不信の時代になってはいないかと、このような市民感情も多々あるわけでございます。そこで、質問議員さんの御質問にありましたように、三鷹市としては、国家の動きのみならず、三鷹市民の皆様の暮らしの実情に合わせて、このような情報通信技術を活用していくことこそが今求められていると痛感しているわけです。
 私は、たまたまメディアの研究者でございましたので、e−Japan戦略のときに、市長になる直前まで、e−Japan戦略IIを構想する専門委員会の委員をしておりました。そのときようやく、便利とか、感動とか、元気とか、そうしたことこそ日本も情報通信政策で生かすべきだという声が強くなってまいりました。その後提案した評価こそ必要であるということが通じて、2003年市長になりましてから、IT戦略本部の評価専門調査部会の委員を務め、その後、有識者本部員としてこのIT戦略本部会議に出席しているわけですが、この中で国の戦略も大きく変わってきたと思います。もともと私は、余り「戦略」という言葉が好きではないんですけれども、「政策」と読みかえさせていただくならば、まさに質問議員さんがおっしゃった基盤づくりのe−Japan戦略から、人々の利活用を考えるu−Japan、ユビキタスジャパン戦略へと変わってきた中、三鷹市でも、それではどのように進めていくのかという御質問にこれからお答えしたいと思います。
 地域活性化の側面でのICTの利活用と地域ICT利活用モデルにつきましては、関連いたしますので、それを含めながらお答えをいたします。
 まず、「人財」開発についてです。三鷹市ユビキタス・コミュニティ推進基本方針をことしの5月に策定いたしました。その中で、市民の皆様にとって、ICTの活用によって暮らしがとても豊かになったとか、あるいは便利になったとか、楽しくて感動するとかという実感を得ていただくためには、それを支えるいわゆる「人財」が必要です。それは一方で、市役所の中で、市民の皆様のサービスをあたかもICTを使っていないかのごとく、リアルに直接対面しているかのごとくに成立できるような手段としてICTを生かせる「人財」が必要ですし、セキュリティーについてしっかりと認識を持って、市民の皆様の個人情報を保護し、損なわない認識が必要です。これは全庁的に、いわゆる情報セキュリティーシステムの運営を進める中で、そうした「人財」をはぐくんでいます。
 さらに、質問議員さんの御趣旨は、単に庁内の市役所の職員がICTを使えるだけではなくて、地域でもそれを生かせる「人財」をやはり育てていくことがなければ、市民サイドに立ったICTの活用はなされないであろうということです。このことにつきましては、単にいわゆるコンピューターやインターネットを使えるといった情報リテラシーを高めるといった講習会や研修の段階から、今実際にそれぞれ私たちとともにサービスを構築しながら生かしていただけるような「人財」が必要です。それは、一方で、大学・研究者の皆様と三鷹市との交流の中で、専門性の高い方を育成する上で三鷹市がフィールドとして貢献するという面もありますし、また、先ほどの質問議員さんの質問にも答弁いたしましたが、いわゆるSOHO(スモールオフィス・ホームオフィス)や、ITベンチャーと言われる企業が三鷹市に集積をしておりますが、そうした皆様の高いICTリテラシーや活用能力を大学・研究機関との連携の中でさらにはぐくんでいくような、そういう取り組みも必要かと考えております。
 このユビキタス・コミュニティ推進基本方針の中では、基本的な方針の中に、ユビキタス・コミュニティを支える基盤の整備の一つに「ICT人財の育成」を掲げさせていただいておりまして、そのことは、まさに質問議員さんと問題意識を共有しての位置づけになるかと思います。
 それでは、御質問にありました、いわゆる地域ICT利活用モデル構築事業によって、具体的にどのような地域の活性化が図られる見通しかという御質問にお答えいたします。
 ICTの活用による豊かさ・便利さ・楽しさを実感できる地域社会の実現を目指すのが三鷹市のユビキタス・コミュニティの推進基本方針ですが、具体的には、1つとして安全・安心な生活環境の実現、2つとして地域社会の活性化の促進、3つ目として魅力ある教育・生涯学習の推進、4つ目に情報提供の充実と行政手続の向上、そして5つ目にユビキタス・コミュニティを支える基盤の整備を掲げております。その中で具体的なICTの活用につきましては、本年度、総務省の地域ICT利活用モデル構築事業に応募し、厳しい競争結果を勝ち抜いて採択をしていただきました。そこで、私たちは、ICTの利活用について、三鷹市において具体的なモデルケースを踏みながら成功事例を生み出していきたいと考えております。そして、そのことを期待しての三鷹市の採択ではなかったかと思っております。
 詳細につきまして、現在、総務省と大詰めの詰めを行っている段階ですが、これは、この1年限りではなく、年次ごとにさらに進めていくものですが、具体的な例としては、1つ、GPS携帯電話を活用した親子安心システム、すなわち親子の関係で、子どもが今どこにいるのか、学童保育なのか、あるいは病院なのか、塾なのか、親戚の家なのかといったことを相互に、親子ですが、登録をしていただいて、それぞれの地点を通過したときに把握ができるシステム、また、インターネット上で簡単に情報交換や情報共有ができる、いわゆる匿名性を乗り越えた、それぞれのメンバーシップを尊重した上でのソーシャル・ネットワーキング・サービスを生かしていくということ。また、私たちとしては、さまざまな市民の皆様の知恵を生かして、この地域社会を暮らしやすくしていくためには、市役所が一方的に情報源となるのではなく、市民の皆様の知恵を集めていくナレッジネットワーク、知識の通信網といいましょうか、そうしたものをつくることにも取り組みます。
 さらに、これは三鷹市のような比較的小さな自治体では、なかなか効率性の観点から、従来取り組みがちゅうちょされておりましたが、市民サービスの向上を目指し、市民の皆様のさまざまなお問い合わせに対応する協働コールセンターの開設や、観光移動支援のための「e−ご案内システム」といったものについても検討を進めることとしております。これらを進めていくときには、市役所の中で従来、庁内のプロジェクトチームでさまざまな可能性を検討し、総務省とのやりとりの中で採択をしたわけですが、これを推進していく体制が重要です。
 そこで市民の皆様や関係団体、大学・研究機関や企業等と協働を進めるための三鷹市ユビキタス・コミュニティ推進協議会を設立して推進体制を整えることといたしまして、今その準備を行っております。市民の皆様にもこの協議会を通して実際に御意見をいただくだけではなくて、具体の取り組みにも参加していただき、さまざまな御意見をいただきながら、まさに、単につながるだけでなくて、そのサービスが有効であると実感していただけるような仕組みづくりを考えております。
 おかげさまで三鷹市では、既に1984年に、いわゆる光ファイバーを使ったINS実験の経験を持っております。しかも、三鷹市内にありますケーブルテレビ局は、日本の中で国内で最初にケーブルテレビ事業者でありながら、インターネットのプロバイダーサービスを始めた先駆的な企業です。さらに、電電公社からNTTに移行する中、NTTという基幹的な電気通信事業者も、三鷹市がまさに日本の中で、いいえ、世界の中で最初に高速のデジタル情報通信ネットワーク網を敷設した地域であるということから、新しい取り組みについては、いち早く三鷹市で試験的に試行していきたいという意欲を持ってこれまでも取り組んでこられました。だからこそのSOHOの発達・発展でもあったわけです。
 私たちは、これからも、いわゆるICTとか、情報通信技術の関連する言葉は難しく、しかも、何か専門性がよほどなければ使えないような、そうした壁がある技術でもございますので、少しでも、若い方だけではなくて、中高年がさまざまな局面で地域における活用ができますように、慎重に、しかし、果敢に先駆的な取り組みを試行していきたいと考えております。
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◯議長(石井良司君)  お諮りいたします。白鳥 孝君の質問の途中ですが、間もなく定刻となりますが、しばらくの間、時間の延長をいたしたいと思います。これに御異議ございませんか。
                (「異議なし」と呼ぶ者あり)
 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。
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◯議長(石井良司君)  市政に関する一般質問を続けます。


◯19番(白鳥 孝君)  御答弁ありがとうございました。最初にまずセキュリティー、市長の方からも言っていただきましたけれども、一番大切な問題でございまして、御答弁をいただきましたので、セキュリティーの問題は、重要なことでございますけれども、お伺いをいたしませんで、今の答弁で結構だと思います。
 ICTを推進するに当たりまして、壁を乗り越えない問題というのがいっぱいあるかと思うんですけれども、まず時間が必要なことと──要するに時間というか、スピードですよね。それから、情報格差があってはならないというふうに思うんですけれども、そんなところ。そして、一番地域の、何ていうんですか、組織の壁みたいなものがあるかと思うんです。要するにネットワーク化できる状態に持っていくには大変なことだなというふうに思っております。その情報格差の中で、予算の関係もございますでしょうけれども、他地区が情報が入り、ほかの地区では情報が入らないようなことがあってはならないかなというふうに、これは特にハードのことも含まれてはいると思うんですけれども、そんなところが一番重要なところも、ひとつ認識しておかなければならない問題ではないかなというふうに思っております。その辺をまたお伺いをいたします。
 あと、ICT利活用の促進の中で、何というんですか、情報を自分で取捨選択できない、活用の能力がないと言ったら語弊がありますけれども、そういう能力を身につける、学習ができるような、要するに情報リテラシーというんでしょうか、そんなところの場所というんですかね、今、インターネットがあふれんばかりの情報が入ってきている中で、その中で、クリック商法だとか、いろんなものが入ってきます。そういったところで、自分で取捨選択できないような、特に高齢者の方々なんかもひっかかってしまうようなところもございますし、そういうところで、先ほども「人財」開発のことについてお話をさせていただいたんですけれども、そういう、何ていうんですか、今いろいろと市民大学等々がございますけれども、そういうこともこれからやっていかなければいけないんではないかなというふうに思うんですけれども、特に高齢者の方々は、余りキーボードをたたかない方もいらっしゃるし、また、たたく人もいらっしゃる。そして中高年もこれからまた高齢化になっていくわけでございますけれども、特にそういった意味では学習をしていかなければ、これからのユビキタス社会の中で、いろいろとそういった、先ほども言いましたような、何ていうんですか、情報格差といいますか、そんなところでいろんなことが出てくる場面があるんではないかなというふうに思うんですけども、そういう意味で知識を身につける意義は大きいと思うんですけれども、そういったことで質問をさせていただきます。
 今、大変情報のスピードの速さというのが、昔は何といいますか、ドッグイヤーというふうに言っていたそうなんですね。犬は人間の7倍ほどの速さで成長をしていくということで、その表現でドッグイヤーというふうに言ったらしいんですけれども、今はマウスイヤーというふうに言って、ネズミは人間の18倍ほど成長が速いということで、まさにICTの環境ですか、そんなところが非常にスピードが速い時代になってきてしまいました。革新的なスピード変化はしておりますけれども、ユビキタス社会になればなおさらではないでしょうか。その辺のところで、市民がこのICTが公平に受けられるためにも、先ほど言ったように、学習、情報リテラシーみたいなところで機会を与えられるべきではないかなというふうに思うんですけれども、お考えをお尋ねをいたします。
 それから、その中で地域活性化の道具として活用すべく、すべてのことを、特に注目されているソーシャル・ネットワーキング・サービス、SNSですけれども、の取り組みも行われなくてはならないと思いますけれども、特に高齢者が置き去りになるようなことのないような、また、社会変化に対応した市の職員の「人財」育成も必要になってくるんではないでしょうか。IT技術を自由自在に使うことができるコミュニティのソーシャルワーカーのような職員の配置ですね、たしか昔、住区担当職員みたいなものが、昔、何かの、議員になる前に委員会に出たことがあるんですけど、住区担当職員なんていうのがあったかと思うんですけれども、そんなような考えがあるでしょうか、お伺いをいたします。
 あとICTになって、また、地域がビジュアル化になってしまうんじゃないかという、社会変化の中でそういうおそれが市民の間に起こるんではないかなというふうに思うんですけれども、その辺のところをお伺いをいたします。


◯市長(清原慶子さん)  それでは、再質問に答弁をいたします。
 1点目、情報格差の問題について御質問をいただきました。三鷹市の中で何らかの情報が届きにくい、受け取れないというような地域的な格差はあってはならないぐらいの狭い市域でございますから、その点については十分、そんなことがないようにですね、配慮したいと思っておりますが、これは、国内的には大変重要な問題で、三鷹市では、幸い東京にもありますし、先ほど申し上げました光ファイバーが全国に先駆けて敷設されたような地域でございますし、さまざまな情報提供サービスも三鷹市では利用できる。三鷹市内には携帯電話が使えないエリアはないと思います。受信しにくい場所は何カ所かあるかもしれませんけれども、でも、ほかの道府県では、いまだに携帯電話が通じない地域があるということから考えれば、基盤整備の点でも、サービス提供の面でも、三鷹市がいわゆる地域格差、情報格差ということではないとは思います。ただ、私たちが配慮しなければいけないのは、地域による格差以上に、例えば年齢によって、高齢者の方がやはり情報がなかなか届かないようなことがあってはいけないからこそ、情報通信技術を通じてのみ情報が利用されるような環境であってはならないわけですね。
 三鷹市は、ほかの市と比べまして、パソコン及びインターネットの普及率というのは相対的に高い市です。世帯普及率が高いのです。しかし、世帯普及率が高いということは、世帯にいるすべての方がインターネットを使っているということではありません。世帯の普及率が7割、8割と高率であろうとも、それを使っている人は若い方だけかもしれない。あるいは反対に高齢の方が使っていて、いわゆる子育て世代が使っていないかもしれない。ですから、普及率だけでははかれない情報通信技術の利用の格差ということについては減らしていかなければなりませんから、公共的な端末をコミュニティ・センター、あるいは図書館等の整備等で留意をしていくとかですね、そういうことも必要ですし、多元的な取り組みが必要だと思います。
 関連して、2点目に、情報活用能力というか、情報リテラシーというものが問われてくる中、それをなかなか身につけるのは難しいのではないかと。それに対する対応はという御質問をいただきました。教育委員会では、三鷹市は国際的にも全国的にも情報リテラシー、文部科学省的には情報活用能力というものについて、情報モラルの教育も含めて先駆的に切り開いて実績を上げてくださっています。
 あわせて、例えば社会教育会館とか、あるいはネットワーク大学ではまちづくり三鷹等と提携をしながら、企業から御寄附をいただいたパソコンを安価で、あるいは無償だったでしょうか、市民の皆様に提供しながら、ITリテラシーの教育を開いてくださっていたり、もちろんまちづくり三鷹はそのような講習会を頻繁に開催をしています。健康福祉部の方で対応してもらいながら、障がい者の皆様にもそうした機会をですね、開く努力をしてきたわけですが、それでも御指摘のとおり、すべての三鷹市民の皆様に、いわゆる情報リテラシー、情報活用能力というものを高めるには、まだまだ機会が少ないかもしれません。
 そこでですね、できる限り教育委員会とも連携をしながら、改めてこの情報通信技術に触れ合いたいという方に対する機会については拡充をですね、考えていきたいと思いますし、もう一方で、庁内の「人財」についても御質問いただきました。特に地域SNSの取り組みの中で、こうした新しい取り組みはいいんだけれども、きちんとした取り組みやコーディネートをしないとついていけない市民の皆様や、阻害が起こるかもしれないという御懸念の中でのことだと思います。
 先ごろ8月に、庁内でSNSに関しましても研修会を開きました。主として担当している職員以外にも関心を持ってもらいたいために、かなり幅を広げた募集をいたしまして、三鷹市の職員以外での専門家を招いての研修会でしたが、大変若い世代から、20代から50代まで、そして男女ともに多くの参加を得ました。いわゆる単なる操作的なですね、研修ではなくて、こうした目的を持ったネットワーキングというものについて、どのように具体の日々のそれぞれの政策課題の中で活用できるかという問題意識を持っての研修でございましたが、こうした研修を重ねることによって、ただ操作できるだけではない目的に適合的な情報通信技術の活用ができる職員の「人財」開発及び「人財」発掘にはですね、積極的に取り組んでまいりたいと思います。
 一番最後の、地域がビジュアル化してしまうのではないかというのは、透明度が上がって可視的になってしまうという意味なんでしょうかね。私たちの都会の暮らしやすさというのは、一方で匿名性があるということも期待されているわけです。他方で、いざというとき、災害時や緊急時は名前がわかって、助けに来てくれる人がいる。支え合える。しかし、いつも何か家庭や、あるいは家そのものや、近隣が映像化されてしまうということ、あるいはいろんな事情があぶり出されてしまうことについては、不安感というか、懸念があるということのバランスをどうとるかという御趣旨の質問ではないかと思います。
 私たちはやはり個人情報の保護をですね、大変重要としている仕事が市役所の主たる仕事だと思っておりますし、そうしたことに留意しながらも、しかし、ネットワークといっても、すべてが匿名制ではなくて、きちんとだれがメンバーなのかということがわかっているネットワークを求める声もあり、特に学校教育においては、これまでも保護者や地域の皆様が、そうしたかかわりを持って、リアルな学校現場と、そしてそれを支えるネットワークを育ててくださったという経験も三鷹市にはございますので、行き過ぎたビジュアライゼーションというふうに質問議員さんは表現されましたが、可視化といいましょうか、見える化が進むのではなくて、いい意味での相互の信頼が増すような運用に心がけていきたいと思います。


◯19番(白鳥 孝君)  ありがとうございました。前回、補正予算の中で、地域ICT利活用モデル構築事業の費用として、その前に、ノミネートして委託を受けたわけでございますけれども、全国的に68件ほどの提案団体があったそうでございまして、その中で東京では世田谷と三鷹だけというふうな感じですけれども、これは、きっと市長が持ってきたことではないかなというふうに思うんですけども、ぜひですね、民学産公ということで連携をしてですね、実現に向かって努力をしていただければなというふうに思います。
 そして、最後にですね、この話を持ってきたという、多分、国の政策委員として市長がいろいろとやってらっしゃる。ICT関係だけでも4つほどやっていらっしゃるというふうに思うんですけれども、やっておられる中でどのようにですね、市民が活用できるか、また、活用しようとして市長がいるのか、その辺のところをお伺いをしていきたいと思います。


◯市長(清原慶子さん)  2005年に三鷹市民の皆様、NPO団体の皆様、あるいは大学・研究機関の皆様との協働が評価されて、インテリジェント・コミュニティ・オブ・ザ・イヤーというものを世界テレポート連合からいただきました。そのときに、市議会の皆様はもちろんのこと、一般市民の皆様からも、なかなか情報通信技術を使っているということが、目立って見える仕組みではないので、どうしても何か実感としてですね、情報通信技術が三鷹市民であるからこそ、生かされているというような実感がもう少し欲しいねという、そういう応援の声を多々いただきました。
 私は、市長になる前からメディアの研究者であったということもあって、政府のIT戦略本部にはかかわっていたわけですが、改めて市長になりまして、政府IT戦略本部の専門調査委員や、あるいは有識者本部員にもさせていただき、総務省の情報通信審議会の委員も、市長に出馬するので辞職しましたが、その前からかかわっていたということもあり、私を通じてそれまでも市民の皆様、利用者の皆様の声を国は聞いていただいてきたと思います。加えて市長として自治体経営者の観点から、国の制度に対して、かけ声だけでは自治体は何にもできない。もう少しきちんと医師法であれですね、学校教育法であれ、変えていただかないと私たちとしては使えないというような、かなり思い切った発言もさせていただいてきました。そうであるならば、このような可能性があるときにチャレンジをさせていただいて、応募させていただいて、決して市長が委員だからといってですね、そんたくして優遇されたとは思っておりません。むしろ、常に遠慮しないで、いろいろな応募機会に応募してきたということが、一方で総務省の採択となり、もう一方では別の──これは三鷹市に直接お金は入りませんが、国立天文台との協働の取り組みで、内閣府から地域再生計画が採択されたというようなことになったのだと思います。
 私は、常に市民の皆様の実感を大切にしたいと思っています。そのためにはお金がかかりますが、三鷹市は財源厳しく、やはりこういう補助金をですね、いただいてこないと試行的なことはできません。これからも、応募しなければ採択されないわけですから、応募をするためには1週間で書類をつくらなければいけないというような、とんでもない日程を国は持ってきますが、職員に頑張ってもらってそのような応募をこれからも続け、市民の皆様の実感を得られる取り組みをしていきたいと思います。


◯19番(白鳥 孝君)  ありがとうございました。ぜひ努力をしていただき、活用していただき、またその中で御期待をしながら終わりにさせていただきます。


◯議長(石井良司君)  以上で白鳥 孝君の質問を終わります。
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◯議長(石井良司君)  次の通告者、23番 吉野和之君、登壇願います。
                〔23番 吉野和之君 登壇〕


◯23番(吉野和之君)  議長より御指名がありましたので、通告に従い一般質問をさせていただきます。
 現在の教育が、特にモラルの面で極めて危機的な状況に立たされていることは皆様方御承知のとおりであり、あえてここで述べる必要はないかもしれませんが、先日、テレホン相談で、いじめ問題等で悩み苦しむ子どもたちの生の声を聞く市民団体の方々のお話を聞く機会があり、改めて問題の深さ、広がりに危機感を覚えました。また、学力面での低下も甚だしいものとなっており、子どもたちを指導する教師の質についても大いに問題視をされております。
 私は、これらさまざまな教育問題を解決するキーポイントの一つは、戦後の教育のあり方そのものを、その利点及び反省点をもう一度原点に返って見直すことであると考えます。まず、いわゆる戦後教育の反省点の一つは、特にモラルの点で戦前の教育を全否定して葬り去った点にあると考えます。確かに戦前の教育に反省し、正す点が多々あったであろうことは認めますが、全否定をして葬り去るのではなく、部分否定をして、よき点は残すべきではなかったかと考えます。反省とは、よくなかった点を認めて改めようと考えることであり、決して全否定をして葬り去ることではありません。例えば戦前の教育の精神的支柱をなす教育勅語についてもそうではないでしょうか。国会で執行排除の決議がされて、教育の場から完全に消え去り、日教組からは反動教育の見本のように忌避され、常に批判の対象とされてまいりました。
 私は、質問をする準備の過程で、過去、三鷹市議会で教育勅語についてどのような発言があったかを検索すると、そこに出てくるのは、すべて私とは立場や考え方を異にする方々が批判の対象として挙げている発言でした。そこで、私は再度、教育勅語を読み返しました。確かに現代から見ると見直すべき点があるとは思いますが、その中に現代にも十分通用する道徳の基本を述べた箇所が多々あると考えます。
 さて、この教育勅語が全面的に否定されて、ジョン・デューイ流のいわゆる進歩主義的教育思想が尊重され、子どもたちの自主性を重んじることが教育の理想とされ、徳を押しつけることは反動であると言われ続けてまいりました。確かにデューイ流の進歩主義的教育思想も大いに意義のあるものであることは認めますが、問題なのは、子どもの自主性を尊重する余り、教育のもう一つの重要な面である、厳しく教え込むことが軽視されてきているところであります。
 以上のことを念頭に置き、まず教育基本法の改正に対する見解をお伺いします。
 さて、今回、教育基本法の改正によって、第2条に初めて道徳心の養成と文化・伝統の尊重が掲げられました。改正前の教育基本法は、どこの国へ行っても通用する法と呼ばれ、無国籍の蒸留水と例えられておりましたが、文化・伝統・道徳心が明確に基本法に位置づけられたことにより、今後、教育の中に生かすことが義務づけられたことは一歩前進であると考えます。三鷹市において、本年度基本方針の中で道徳の時間を充実させる、道徳心を身につけさせると書いてありますが、道徳心を身につけるためには、同時に日本固有の文化・伝統を知り、尊重する心を養成することも必要不可欠であると考えます。
 まず、いわゆる戦後教育の反省のもとに改正された教育基本法の道徳、文化・伝統について今後どのように教育の場に生かしていくべきか、基本的な考え方をお伺いいたします。
 次に、今回の改正のもう一つ重要な点は、新改正法の第16条に、教育は、不当な支配に服することなく、この法律及び他の法律の定めるところにより行われるべきであるとの後段の文言が明示されたことであります。不当な支配とは、制定当時の時代的背景からいうと、当時は軍部や外部の圧力団体を指しており、国の教育行政を指しているものではないと考えますが、一部考え方を異にする教師たちはこの文言を盾にとり、国の教育行政そのものを不当な支配として運動をしてきた経緯があります。この後段の文言は当然の文言ですが、本文言が加えられたことにより、自己の思想信条にそぐわない教育行政を不当な支配と考え、従来のような勝手な解釈はできなくなるものと考えます。本文言が加えられたことの意味についてどのような御見解をお持ちかお伺いいたします。
 次に、学力向上とゆとり教育についてお伺いいたします。
 2003年に実施され、2004年12月にその結果が発表されたOECD学力調査において、日本は数学第6位、読解力第14位に転落し、学力の低下が大いに問題となりました。21世紀を生きる子どもたちにとって、国際化の進展による国際的な競争の中で生きていかなければならないということは、まさに現実のものとなっています。一例を挙げれば、近年放映されたドラマではありませんが、ハゲタカのように、すきあらば日本企業の買収をねらっている外国企業もあり、まさに国際化という大変に厳しい状況の中で子どもたちは生きなければならないということであります。
 私がかつて市議に初当選したときに、第1回目の一般質問で主張したことは、国際化教育の充実でした。その後、IT社会の急激な進展が起こり、子どもたちはますます国際競争の中で生き抜いていかなければならない状況になっています。日本でゆとり教育の名のもとに学力が低下する一方、諸外国の子どもたちは、厳しい国際社会の中で生きていくための勉強を必死になって行っております。先日のNHKのテレビの討論番組の中でも、先進国へ留学している日本人留学生と他のアジア諸国の留学生を比べると、決定的な違いは、日本の留学生は必死になって勉強をするというハングリー精神が欠如しているという趣旨のことを述べられておりました。資源のない日本にとって、唯一世界に誇れるのは人、すなわち教育水準の高さだということは昔から言われていることですが、そのことが今、危機に陥りつつあることを再認識する必要があると思います。
 教育再生会議の第1次報告の中でも、「情報や知識の社会的価値の重要性が格段に高まる中、イノベーションを生み出す高度な専門人材や国際的に活躍できるリーダーの養成が急務です。近未来の我が国と国際社会の情勢を見据え、世界最高水準の教育を達成しなければなりません」と書かれています。続いて、「公教育の機能不全」という大変に厳しい言葉で、現在の公教育を批判し、特に公立学校できちんとよい教育が受けられること、このことをしっかりと実現していかなければなりませんと述べています。
 私は、この観点から、ゆとり教育を見直し、正しい競争原理を学校教育の中に積極的に導入していくべきであると考えます。
 教育長は、本年8月19日付の「みたかの教育」の中で、「今、教育改革と言いながら、いたずらな競争心をあおり、数値であらわされるマス化された学習の結果だけで子どもを追いつめていないでしょうか。一人ひとりの子どもをていねいに見取り、励まし、将来にわたって「自ら学ぶ力」を着実に育てていくことが何よりも大切です」と述べられています。
 教育長の考え方は、豊富な御経験に基づく大変立派な御見識として大いに敬意を表しますが、私は、公教育の問題点の一つは、逆に、余りに競争原理に慎重であり過ぎた点にあると考えます。私は、ゆとり教育により学力の公私間格差はますます広がっていったものと考えます。私立学校の多くは、学力向上のために競争原理を積極的に導入し、成果を上げています。同じ学力を持ちながら、公立学校に通う生徒と私立学校に通う生徒の間に明らかに学力の面での格差が生じているのが現状ではないでしょうか。
 私がかつて市議に立候補した動機の一つに、当時、私は塾で子どもたちに教えていましたが、公立に通う子どもたちと私立に通う子どもたちに、余りに格差が生じてしまってきている危機感からでありました。
 具体的に言うと、当時、中学校での英語の時間が公立では3時間、一方、私立ではその倍以上あり、しかも、成績別にクラス編成を行うことによって多大なる効果を上げてきている。こういう学校もあるわけでございます。これでは同じ能力を持ちながらも大きな差が生じてしまう。公立の時間数をふやすことは、市レベルでは不可能でも、外人講師の時間枠をふやすことによって、少しでも公立学校のレベルを上げるべきだ、こういう主張をかつて提言いたしました。こう言うと、学力だけがすべてではない、人格形成の方がもっと大事であると反論されますが、公私間格差は学力だけではなく、人格形成の面でも出てきております。私立に通わせている親御さんの方々に聞くと、学力もそうだが、私立の方がしつけが厳しく、安心して子どもを通わせることができるという声が多いのが、残念ながら現実であります。私は、機会の平等と結果の平等の違いをしっかりと認識して、一定の競争原理を公教育にも導入し、競争を一つのモチベーションとしていくのも公教育のレベルアップを図る一つの方法であると考えます。
 ここで質問ですが、公教育の中に競争原理を持ち込むことについて、特に公私間格差是正のためのモチベーションアップにもつながり、必要なことと考えますが、御見解をお伺いいたします。また、ことしの4月に行われた共通学力テストの結果については、学校間の格差、序列化を招くおそれがあり、発表しない方針であると聞いておりますが、この点についての御見解をお伺いいたします。
 次に、教員の質の向上について質問をいたします。
 先ほどのOECDの学力調査の結果、読解力の項目ではフィンランドが世界第一位となっております。この点について、先日のNHKのテレビ討論の中で解説委員の方が、フィンランドの場合、授業時間数は他国と比べて少ないが、先生の質が極めて高い。子どもたちの将来なりたい職業のベストワンは教師であるという趣旨のことを述べられていました。この方は、ゆとり教育の批判をして授業時間をふやせば学力が向上するものではないということを言いたかったのでしょうが、しかし、私は、授業時間をふやすこと、そして教師の質の向上を図ること、両者を並行的に進めなければ学力の向上は図れないものと考えます。ふえた授業時間をどう生かすか、これは教師の質に係るものであると考えます。このことは学力向上のみでなく、モラル向上などすべての面について言えることであり、教育改革のかぎを握っているのは教師であると考えます。
 三鷹市では、昨年よりネットワーク大学で教師力養成講座を開設し、他の自治体に先駆けて優秀な教師を自治体で養成する取り組みを開始しましたが、教育改革に対する先進的取り組みを大いに評価し、今後の発展に期待をするものであります。8月27日付の毎日新聞「教育の森」でも、このことが大きく取り上げられていました。記事の中では、養成講座の内容が紹介されていましたが、最後に、「三鷹市が最終的に目指すのは質の高い公教育だ。都内では公立離れが著しく、私立中学校を受験する児童は少なくない。市教委は、「親が私立受験を勧めても、地元の公立に行きたいという子もいる。そんな姿を見て教員の意識も変わる」と話す」と結ばれていました。私も最後のコメントに大いに賛同いたしますが、私立ではなく公立を選択してくれた子どもや保護者の方々に、本当に公立を選んでよかったと思われるような、質の高い公教育を目指していくべきであると考えます。
 ネットワーク大学で実施された教師力養成講座の実績はどのようなものであったか、お伺いいたします。また、今後どのように展開していくのか、考え方をお伺いいたします。また、本年度基本方針の中で、養成した優秀な教師を三鷹市の学校に配置されるよう東京都教育委員会に要請していくと書かれておりますが、要請されれば確実に三鷹市内の学校に赴任できるかどうか、その見通しについてお伺いいたします。
 次に、民間人を校長に登用することについてお伺いいたします。
 平成12年に学校教育法施行規則が改正され、教員免許状がなく、教育に関する職に従事した経験がない者でも校長に任用できる制度が導入されて以来、文部科学省の資料によりますと、現在までに小学校24校、中学校15校、高等学校67校の任用実績があります。この民間人校長については賛否さまざまな議論があり、多大なる成果を上げたところもあれば、問題を起こしたところもあるというのが現状であります。
 この点については、過去、本会議でも質問され、一定の答弁はいただいておりますが、その後、この民間人校長というのが、なかなか全国的にも広がっていない。そういう現状があることは認識しております。しかし、組織的運営、イノベーションなど、教育改革に必要な要素、民間のマネジメント的発想を取り入れることによって、教育現場に取り込むためにも、この民間人校長ということは一つの方法であり、検討する価値は十分にあると私は思います。利点と反対の問題点も多々あるのは承知しておりますが、民間人を校長に登用することについてどのような御見解をお持ちかお伺いをいたします。
 以上で壇上よりの質問は終わりますが、御答弁によりましては自席よりの再質問を留保させていただきます。


◯教育長(貝ノ瀬滋君)  まず、教育基本法の改正についてお答えをいたします。
 御承知のようにですね、昭和22年旧法が制定されましてから60年が経過しておりますが、科学技術の進歩、少子高齢化など、教育をめぐる状況が大きく変化してまいりました。このことによりまして、お説のようにですね、道徳心・自立心・公共の精神、また、国際社会の平和と発展への寄与などについて重視されることが望まれてきたという背景があったと受けとめております。
 改正された教育基本法の前文には、新たに公共の精神の尊重、豊かな人間性と創造性、伝統の継承が規定されております。この公共の精神とは、国や社会の問題を自分自身の問題として考え、そのために積極的に行動する精神としておりまして、社会全体のために行動する人間を育てる必要について述べております。また、伝統を継承し、新しい文化の創造を目指す教育の推進につきましては、我が国の長い歴史を通じて培われ、受け継がれてきた風俗・習慣・芸能などを大切にして次代に引き継いでいくとともに、これまでに培われました伝統や文化を踏まえまして、さらに発展させ、時には他の文化を取り入れながら新しい文化を創造することと述べているのだと受けとめております。
 日本人をして日本人たらしめているこの独自性、いわゆるアイデンティティーを構成する要素の一つが伝統文化であると考えるならばですね、この伝統文化を守り伝えていくということは大事なことであるというふうに考えます。このようなことから、第2条、教育の目標の中に位置づけられたことと理解しております。今後どのようにですね、教育の場に生かしていくかでございますけれども、道徳心の育成につきましては、今までのようにですね、道徳、各教科、特別活動など、学校教育全体で一層取り組んでいくということと、家庭、地域との連携をより深めまして、家庭や地域、コミュニティの力もおかりしながら、道徳的な心情・判断力・実践意欲と態度などの道徳性を養っていきたいというふうに考えております。
 文化・伝統の尊重につきましては、日本に受け継がれてきました風俗・習慣・芸術といったことで季節の行事・伝統芸能・伝統産業、また伝承遊びといったものをですね、次代に引き継いでいくことと認識しております。このことにつきましては、小学校の生活科での昔遊びですとか、季節行事に関する学習、小・中学校の社会科におきます、地域に残る文化財、年中行事について学ぶ機会をより積極的に設けていきたいというふうに考えます。さらに、本市が現在推進しております小・中一貫教育校の一貫カリキュラムの一つでございます地域学習におきましては、子どもたちが地域コミュニティにおける地域行事等への積極的なかかわり、地域の伝統文化に触れるなどしてそれらを継承していけるよう、各学校に働きかけてまいりたいというふうに考えております。
 次にですね、教育基本法の第16条についてでございますが、教育が国民全体の意思とは言えない一部の勢力に不当に介入されることを排除してですね、教育の中立性、不偏不党性を求めておりまして、大事な条文であるというふうに考えております。
 また、今回の改正におきましては、昭和51年の最高裁判決によります、「法律の命ずるところをそのまま執行する教育行政機関の行為は、不当な支配とはなり得ない。国は必要かつ相当と認められる範囲内において、教育内容についてもこれを決定する機能を有する」ということが明らかにされたことを踏まえまして、「この法律及び他の法律の定めるところにより行われるべきもの」の一文が加えられました。このことはですね、不当な支配に服してはならないという旨の理念を掲げつつですね、教育においても、法律の定めるところによりまして行われるべきと新たに規定をしているわけでございます。したがいまして、この意味につきましては、国会において制定される法律に定めるところにより行われる教育が不当な支配に服するものではないことを明確にしたということであるととらえております。
 教育委員会としては、今後もですね、これまでどおり学習指導要領に即した適切な教育活動が展開されるよう、各学校を指導・助言及び支援をしてまいりたいというふうに考えております。
 次に、学力向上と、いわゆるゆとり教育についてでございますけれども、現行の学習指導要領におきまして、ゆとりの中で、みずから学び、みずから考える力などの生きる力の育成を基本として、一人一人の個性を生かすための教育の推進等が進められてきたという中でですね、御指摘の学力低下等のですね、懸念も指摘されているところでございます。また、行き過ぎた平等主義からですね、児童・生徒の学習意欲の低下についても懸念されているというところは承知しているところでございます。
 本市におきましてはですね、確かな学力向上に向けまして、基礎的・基本的な内容の定着を図るとともに、児童・生徒がみずから学んでいくという、そういう力をですね、はぐくむための教育を推進しております。したがいまして、各学校では、児童・生徒がみずから課題を発見して、その課題の解決に向けて主体的に取り組んでいく。学習意欲を高めるための動機づけとして一定の競争性を持たせて、互いに切磋琢磨し合いながらともに高め合う学習活動等も適宜取り入れながらですね、学習活動が行われているわけでございます。
 この取り組みの結果ですが、本市の児童・生徒の学力につきましては、昨年度実施した東京都の学力定着を図るための調査におきまして、小・中学校とも主要教科の平均点が前年度を上回るという結果となっております。また、OECD学力調査につきましては、質問議員御指摘のようにですね、結果になっておりますけれども、その後ですね、平成16年の1月から2月にですね、国立教育政策研究所の実施いたしました小・中学校教育課程実施状況調査、いわゆるこれも学力調査でございますけども、この結果はですね、全体としては学力の低下傾向に歯どめがかかったものと。一方では、確かに国語の記述式問題ですとか、中学校の数学にですね、課題があると。また、勉強が楽しいとか、宿題などはですね、十分にやってこないという、そういう指摘もされておりますけども、全体としてはですね、学力の低下傾向に歯どめがかかったというふうに国は言っているところでございます。
 このテストでございますけれども、前回との同一問題に関しまして、正答率は上回っておりまして、無回答率は下回っているなどの結果が出ておりまして、国はこの調査の結果、学力低下の傾向はないというふうに述べております。
 次に、御質問にございました競争原理についてでございますけども、動機づけとしてのですね、競争性ということではなくて、競争原理というそのものをですね、学校教育に導入して、いたずらにですね、学校間を平均点で比較するというような、そういうことで学校にですね、序列を持ち込むということではなくてですね、どの学校においても質の高い教育を提供するということで、子どもたちが安心してですね、教育を受けられるようにするということが、義務教育としてはですね、大切なことであるというふうに考えております。
 今後はですね、小・中一貫教育校を推進していく中で、義務教育9年間を見通したカリキュラムを作成いたしまして、教科ごとに系統的・継続的な学習活動を展開していくとともに、指導の工夫の一つとしてですね、児童・生徒に、今までもやっておりますけども、一定のですね、モチベーションとしての競争性を持たせる。健全な競争性というものを取り入れるということでございますけれども、御質問の趣旨にございました、正しい競争原理というお言葉がございましたけれども、それとつながるものと思いますけれども、一層のですね、確かな学力向上に取り組んでまいりたいというふうに考えております。
 続きましてですね、4月に実施いたしました共通学力テスト、これは文部科学省が小学校6年生、中学校3年生を対象に実施いたしました全国学力・学習状況調査ということでの御指摘だと受けとめましたけれども、この調査結果はですね、国が全国的な義務教育の機会均等とその水準の維持・向上の観点から、各地域における児童・生徒の学力・学習状況を把握・分析するということで、教育及び教育施策の成果と課題を検証してその改善を図るということ、各教育委員会、学校等もですね、同様に全国的な状況との関係においてですね、みずからの教育及び教育施策の成果と課題を把握してこの改善を図っていくという、そういう2つのねらいをもとにですね、今年度の4月の24日に実施したというものでございます。
 したがいましてですね、本市教育委員会といたしましては、全国的な児童・生徒の学力の状況がどうなっているかという、そういうことを把握するとともにですね、調査結果を分析した資料を参考に、各学校においてですね、授業改善推進プランを作成して、指導法の見直し、改善などを図るようにしております。また、調査結果はですね、子どもたち一人一人に返却いたしまして、教科ごとのですね、各観点別に自分の学習の習得状況を確認し、個別にですね、みずから学ぶ力を育成することに役立てるように指導しております。
 このようなことからですね、本調査結果につきましては、各学校ごとの平均点等をですね、公表してですね、学校間の競争を求めるという、本来の趣旨とは違ってまいりますので、そういうことではなくてですね、あくまで学校や教師の教育活動や指導法の改善、児童・生徒みずからが学ぶ力を高めるための資料として活用しているということでございますので、本市教育委員会としてはですね、この学校の順位づけをですね、発表するということは控えたいというふうに考えているわけでございます。
 それから、教師のですね、質の向上についてでございますけれども、みたか教師力養成講座、このことについてお答えをいたします。
 本市教育委員会ではですね、子どもたちに魅力ある教育活動を提供するために、これまでもですね、市内小・中学校の教職員を対象といたしまして、研究授業等をですね、中心にいたしましたOJTですね、そういう手法で実践的な研修を実施いたしまして、教員の資質向上に努めてきているところでございます。さらにですね、平成18年12月1日に策定いたしました三鷹市教育ビジョンに基づきまして、三鷹ネットワーク大学推進機構と連携を図りまして、御案内のようにですね、教員のインターンシップ制度に当たるみたか教師力養成講座実践コースをですね、平成18年11月から開講いたしました。
 本講座はですね、教育に熱意、情熱があって、人として柔軟な対応力等を持った三鷹市にふさわしい教員をですね、学生の段階から養成していくというものでございます。受講生は半年または1年間にわたりまして、市内の小・中学校におきまして、週2時間以上の特別教育実習を行うとともにですね、毎週土曜日には、大学で学ぶことの少ない実践的な内容の講義や演習を受講いたします。受講生の多くはですね、非常に熱心で真摯な姿勢で学んでおりまして、特別教育実習を受け入れている学校の校長からも高い評価を得ているところでございます。
 また、受講生にはですね、市内小・中学校のさまざまな教育活動、子どもとの触れ合いを通しまして、この三鷹の教育に対する理解と実践力がですね、養われてきているというふうに受けとめております。このことからですね、東京都の教員採用試験に合格して三鷹に着任した折にはですね、即戦力としてこの三鷹の教育に寄与することが期待されるわけでございます。このようなですね、教員を市内の学校に配置するためには、東京都の教員採用試験に合格して名簿登載された際にですね、いわゆるコミュニティ・スクールの学校運営協議会を設置している小・中学校にありましては、学校運営協議会が法的な権限に基づいて、任命権者である東京都教育委員会にみたか教師力養成講座で学んだ受講生をですね、教員として配置してほしいという、こういう意見を言うことができます。東京都はですね、この意見をですね、できる限り尊重しなければならないという、そういう法律になっておりますので、実現されるだろうというふうに考えております。
 民間人の校長でございますけども、これはですね、民間人校長の学校経営についての実践ですとか、活躍についてはですね、さまざま私どもも情報を得ております。御指摘のようにですね、学校経営に当たりましては、民間企業のマネジメントというのも学んでですね、生かしていくということは、組織の活性化を図って質の高い教育をですね、一層進めていくという上ではですね、大変に重要なこと、役立つことだというふうに受けとめております。本市ではですね、このことを踏まえまして、校長や副校長を対象にですね、民間企業でトップマネジメントをされている方々を講師として招聘して、経営に対する考え方ですとか、学校経営に生かせるノウハウ等を学ぶことができる研修会を実施しております。
 最近ではですね、来週の月曜日だと思いますが、経済同友会のもとの代表幹事の北城恪太郎氏をですね、講師として招聘して校長研修を予定しているところでございます。
 三鷹ネットワーク大学推進機構と連携を図りましてですね、みたか教師力錬成講座、これはスクールリーダーですけど、スクールリーダーを育成するコースでございますけれども、この夏から開講いたしまして、民間企業の方々を講師としてコーチングですとか、PDCAに基づくマネジメントのあり方等につきましてですね、実践的な講義・演習を行っておりまして、今後なお一層の充実を図っていきたいということでございます。
 民間人校長の導入についてでございますけども、民間企業の方をですね、学校管理職として招聘するためには、少なくともですね、学校教育についての専門的な内容や教育課程の編成等につきましてですね、事前研修が必要となってくるだろうと思いますが、現在ですね、三鷹市では小・中一貫教育校の全市展開を進めているということで、小・中学校の教育それぞれにやはり精通しているですね、教育職の校長による立ち上げがですね、欠かすことができないという、今はそういう状況がございます。
 このような現状におきましてですね、やはり時間ですとか、コスト、リスクを考えますとですね、当面はですね、現職の校長に民間企業のマネジメントの研修を継続的にですね、実施して、学校経営に関する力量をつけていくということが、教育改革を進める上でも現実的であると受けとめております。その後、小・中一貫教育校の開設とともにですね──将来的にはですよ、将来的には小・中一貫教育校の一層の充実ですとか、特色ある教育活動を求めていく中でですね、民間企業の中からですね、校長を招聘していくということについても検討するということも考えられると思います。
 ただ、やはり企業のマネジメントにすぐれた人がですね、必ずしもスクールマネジメントにすぐれているということは言い切れないわけでございますので、その辺もですね、よく研究しながら、他地区の状況もよく調査しながらですね、そのときはですね、検討していきたいというふうに考えております。以上でございます。


◯23番(吉野和之君)  御答弁ありがとうございました。それでは、時間もあんまりないので、絞って再質問をさせていただきます。
 まず第1点はですね、教育基本法の改正について、特に文化・伝統・道徳心、これをどのように生かしていくかという考え方なんですけれども、今の教育長のお話では、道徳は道徳、それから、文化・伝統は文化・伝統、それぞれですね、当然充実を図っていくというお話なんですが、私は、一口に道徳と言っても、どうも余りにも漠然としている。やはり日本の文化・伝統とですね、この道徳教育というものが深く結びついたものでなければですね、本当の意味での身についた道徳教育というのはなかなか得られないのではないかなというふうに思うわけであります。
 そこで私は教育勅語の例を出したわけなんですけども、この文化・伝統と、それから道徳と、このリンクについてどのようにお考えかということが1点です。
 それからもう一つ、やはりこの道徳教育を行う上において、今まで否定されておりました、教え込む、厳しく教え込むということがですね、私は一つ必要なのではないかというふうに思うわけでございます。いわゆるゼロ・トレランスという教育の中で一つの考え方がございますけれども、これにはかなり批判的な意見もございますが、やはり厳しさというものがですね、この道徳教育に伴わないと、どうしても生きる礎というか、規範というか、そういうものをですね、子どもたちがなかなか見失ってしまう。これが現状ではないかと思うわけでございます。
 先日の読売新聞8月31日の調査の結果でも、日本人のマナーが悪化しているという結果が出ております。日本人のマナーが悪くなったと感じることがあると感じた人がですね、1998年には44.6%だった人が、今回は53.5%ですか、非常に上昇していると。大変に厳しい状況でして、新聞紙上もですね、今までは考えられなかったような道徳の崩壊が起こっているということでございますので、この道徳教育については、確かに自主性を尊重するということも必要ですが、特に小学校の低学年のうちはですね、厳しく教え込むということをですね、今後基本において考える必要があるのではないかと思います。
 それから、あともう1点、競争原理、私はどうも今まで公立学校が競争原理に慎重だった。これが問題の原点ではなかったかと思うわけでございますが、この点について再度お考えをお伺いいたします。


◯教育長(貝ノ瀬滋君)  文化・伝統と道徳をリンクさせてというふうなお話でございますが、お話はよくわかります。道徳といいますとですね、すぐ道徳の時間ということだけを考えてですね、週1時間どこかでやればいいんじゃないかというふうな、そういうことでお茶を濁すというふうなですね、そういう話も聞きますけども、道徳教育というのは全教育活動で行われなければならないというのは、これは学習指導要領総則にきちんと記されているわけで、そういう意味ではですね、やはり道徳の時間ということだけで矮小化しないで、やはりすべての教育活動、子どもの生活のすべての中でですね、家庭とも連携し、地域とも連携してですね、子どもたちの道徳性を高めていくという、これは、それこそ地域ぐるみ、社会総ぐるみでですね、みんなでやっていく必要があるというふうに考えます。
 それから、徳目をですね、厳しく教え込むということも大事ではないかというふうなお話でございますが、学習指導要領にはですね、徳目を教え込んではいけないというふうにはっきりと明示されておりましてですね、これは、結局、やはり道徳的な心情というものをですね、自分自身、いろんな体験や経験の中から、みずからですね、築いていくという、ですから、そういう道徳の指導につきましては、自分自身がいろんな生活の状況の中で、みずから築いていくという、そういうシチュエーションをですね、教師の方で設定をしてですね、そして指導をしていくというのが今の道徳のですね、指導のあり方なんですね。ですから、徳目を教え込むということはですね、これは学習指導要領に書いてないからということではなくてですね、やはり効果の面でですね、やはり道徳性を高めていくということを考えたときにですね、いかがかなと思います。
 ただですね、ただ、学級指導という、そういう面も別にあるわけですね。これは釈迦に説法でございますけれども。これはやはり徳目ではなくてですね、やはり例えばあいさつをきちんとしなさいとか、そういうことについてですね、きちんと教え込む、ちゃんと指導する、はっきりとですね。そういうことも分野としてありますし、また求められているわけで、そういう指導をきちんと、はっきりとできるという、しなきゃならないという、そういうところとですね、やはり調和をとりながら道徳教育というのは進められていった方が効果があるんではないかというふうに考えております。
 また、競争原理、確かに昔、私が教員になりたてのころはですね、運動会でみんな手をつないで一等賞とかですね、とにかく差をつけないという、そういうことが行き過ぎたですね、平等主義とでも言ったらいいんでしょうかね、そういうふうなことがまかり通っておりましたけれども、ただ、またその反動でですね、朝から晩まで競争競争と。先生に朝会ったときに、一番早くあいさつしたのはだれかというのでね、それをですね、いつもチェックしてですね、一覧表にするとかですね。それから、給食を一番速く食べたのはだれかと、それで一番速く食べた人がですね、おかわりができるとかですね、そんなふうに朝から晩まで競争競争、子どもたちの目がぎらぎら輝いちゃいましてですね、もうこれは、それこそ人格形成ということではなくてですね、やはり問題があるわけで、おっしゃるようなですね、正しい競争性というか、モチベーションとしての競争性、競わせるというのは教育で大事なことですので、それについてはですね、やはり適宜取り入れながらですね、人格形成を図っていくということが望ましいというふうに考えます。以上でございます。


◯議長(石井良司君)  以上で吉野和之君の質問を終わります。
 これをもって市政に関する一般質問は終わりました。
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◯議長(石井良司君)  以上で本日の日程は全部終了いたしました。本日はこれをもって散会いたします。
 なお、次回の本会議は9月5日午前9時に開きます。文書による通知はいたしませんから、さよう御了承願います。御苦労さまでございました。
               午後5時53分 散会