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2006/12/12 平成18年文教委員会本文

                  午前9時30分 開議
◯委員長(田中順子さん)  お待たせいたしました。ただいまから、文教委員会を開会いたします。
 まず初めに休憩をとりまして、本日の審査日程及び流れについて御確認をいただきたいと思います。
 休憩をいたします。
                  午前9時31分 休憩



                  午前9時34分 再開
◯委員長(田中順子さん)  それでは、委員会を再開いたします。
 休憩中に御確認いただきました本日の内容によりまして進めてまいりたいと思いますけれども、よろしいでしょうか。
                (「異議なし」と呼ぶ者あり)
 それでは、異議なしということで、そのように確認をさせていただきます。
 休憩いたします。
                  午前9時35分 休憩



                  午前9時37分 再開
◯委員長(田中順子さん)  それでは、文教委員会を再開いたします。
 まず初めに、本日の委員会に当たりまして、傍聴の許可について委員の皆様にお諮りをいたします。本日の委員会の傍聴について許可することに御異議ございませんでしょうか。
                (「異議なし」と呼ぶ者あり)
 ありがとうございます。それでは、そのように取り扱いたいと思います。決定させていただきます。
 それでは、改めまして、本日の文教委員会、議案審査にまず入りたいと思います。議案第72号 三鷹市むらさき子どもひろば及び三鷹市四小学童保育所の指定管理者の指定について、本件を議題といたします。教育委員会より御説明をお願いいたします。


◯教育委員会事務局教育部生涯学習担当部長(山本博章君)  それでは、お手元にございます議案第72号関連の文教委員会参考資料をお開き願います。
 今回、むらさき子どもひろばと四小学童保育所の指定管理者候補者について議案となっておりますが、まず候補者の概要について御説明させていただきます。1ページ目にあります。候補者の指定管理者候補者、法人名は、株式会社日本保育サービスでございます。株式会社JPホールディングス100%出資の子会社でございます。代表者が、代表取締役佐々木幸一氏となっております。日本保育サービスの設立年月日は平成16年10月1日、親会社のJPホールディングスは平成5年3月31日に設立されております。資本金が1,000万円。6番目の役員、職員等ですが、常勤職員が308人ということでございます。主な事業内容は、7に書いてあります保育関連事業──学童保育所の運営、保育所の運営、保育スタッフの派遣等を行っております。
 9月現在の運営事業の実績になりますが、2ページをお開き願います。9月現在の運営実績は、学童クラブ9カ所、児童館5カ所、認可保育所6カ所、東京都認証保育所17カ所、認可外保育所4カ所の計41カ所における乳幼児から中高生までのトータルな子育て支援事業の実績があります。
 続きまして、3ページに移らさせていただきます。3ページは、むらさき子どもひろばと四小学童保育所の管理に係る基本協定の案でございます。基本協定につきましては、先ほど契約いたしました指定管理者である社会福祉協議会の学童保育所関係の基本協定と基本的には同じでございます。
 概略について説明させていただきます。この基本協定書は、趣旨として、適正かつ円滑に管理するため、基本的な事項を定めているものでございます。第28条の疑義の決定までで構成されております。
 第3条につきましては、事業計画書の提出について定めたものでございます。4ページの第4条に移らさせていただきます。第4条では、指定期間について定めております。平成19年の4月1日から平成22年3月31日までの3年間が指定期間となります。次に第6条の指定管理料につきましては、年度協定で定めるということになっております。続きまして、6ページに移らせていただきます。6ページにつきましては、指定管理者の賠償責任とか、施設の管理、改修に関する範囲とか、備品の購入等について定めてあります。備品の購入等については16条です。第18条は事故報告、第19条は苦情処理等について定めたものでございます。7ページに移らせていただきます。第26条ですが、年度協定の締結です。ここでは、指定管理料とか、その支払い方法について、年度協定の中で締結するということについて書かれたものでございます。基本協定については、以上でございます。
 続きまして、9ページに移らせていただきます。9ページは、指定管理者の候補者の選定経過について書かれておりますが、ここでは、審査方法について御説明させていただきたいと思います。9ページの表の6番目になりますが、まず一次審査を行いました。それは11月4日でございます。一次審査におきましては、応募が7法人ありまして、資格、提案内容等について一定の水準に達していたということで、応募のあった7法人について一次審査を通過しました。一次審査が終わった後、11月7日に、この7法人についてプレゼンテーションということで、二次審査を行いました。さらに二次審査といたしまして、11月8日から11月10日に現地訪問をしました。その後、教育委員会内で、担当部長等を中心とした、教育部長、担当部長等で構成する指定管理者の候補者選定委員会の教育部会を開きまして、そこで候補者を選定して、11月14日の施設指定管理者候補者の選定委員会に諮ったものでございます。
 10ページに移らせていただきます。10ページは、前後いたしましたけれども、1番の特定非営利活動法人夢育支援ネットワークから7番の特定非営利活動法人ワーカーズコープまでの7法人について応募があったものでございます。
 説明の最後になりますけれども、日本保育サービスを選定いたしました理由について説明させていただきます。株式会社日本保育サービスにつきましては、先ほど申し上げたような選定の経過を踏まえまして、児童の生きる力を重視する経営者の基本方針が学童保育所の現場の職員にまでしっかりと浸透されており、人材の育成、人事管理にすぐれ、運営の効率性と安定性が高いということでございます。さらに、学校や地域との連携やさまざまな体験活動などによります保育とか健全育成のノウハウの蓄積があり、両施設の一体的運営を支える多様な提案とか職員のバックアップ体制がしっかりしているというような点が見られました。そのようなことにより、利用者等の満足度を高める方策にもすぐれているという評価をしました。さらに、事故防止とか安全対策においてもすぐれている面が見られました。最後になりますが、財政基盤も安定しているというところも選定の理由ということになりました。


◯委員長(田中順子さん)  以上で、教育委員会からの説明は終わりました。
 質疑に入りたいと思います。


◯委員(谷口敏也君)  まず感想は、ちょっと残念なんですけれども、学童の保護者会の方々とちょっと話す機会があって、話をして、先生ががらりと変わってしまうことが一番不安だと。これは学童でも、保育園でもそうなんですけれども。そういう意見が一番強くて、今後先生の引き継ぎとか雇用とかの問題はどうなっているのかということをお伺いします。
 それと、プロポーザルで決定するに当たって、さまざまな諸条件をいろいろと検討されてのことだと、先ほどおっしゃっていたと思いますけれども、また、指定管理料の差というのも重要だったのかなと思うんですけれども、ここに来て、保育園の駅前のところが一時保育の積算にちょっと甘さがあったという理由で撤退を表明していまして、急遽かわることになっていますけれども、そういった指定管理料の積算のところで、市がある程度見積もっているんじゃないかなと。予定価格ではないですけれども、それとの開きはなかったのかどうかをお伺いします。
 それと、23区内の学童クラブは、児童館と併設されているところが多いということを聞いているんですけれども、2ページの資料ですと、学童クラブ9カ所と書いてあって、児童館併設とかは書いてないんですが、今回、四小の場合は、子どもひろばと学童の併設施設になるんですけれども、そういった複合施設を管理している経験はあるのでしょうか。


◯教育委員会事務局教育部生涯学習担当部長(山本博章君)  まず1点目の引き継ぎ等についてお答えさせていただきます。
 保護者会からも、御指摘のように、いろいろとその辺の御心配もいただいておりまして、引き継ぎということは、すべての候補者について提案事項となっておりました。今回の候補者となっている事業者につきましても、一応向こうからの提案といたしましては、3月1日より正職員の2人の配置とか、そういうような提案がなされています。この辺につきましては、保護者会との話し合いを含めまして、どのような形で配置するかと。広さの問題もありますので、十分詰めてから契約をしたいなとは思っております。
 あと、今いる職員の配置につきまして、社会福祉協議会の職員にどのような形で残っていただくかということも含めまして、保護者会と話した上で、市民の方の意見、利用者等の意見を聞きながら、しっかりとした形で引き継ぎができるようにしていきたいと思っております。
 ちなみに、保護者会としては、今いる先生には、7月の学童の事業があるときまでいていただきたいという要望も出ておりますけれども、毎日いる必要があるのかとか、1週間に1回でいいのか、最初は毎日とか、その辺も含めまして、今後詰めていきたいと思います。子どもにとって一番いい引き継ぎ方法を考えていきたいと考えております。
 それから、2番目ですけれども、プロポーザルによる指定管理料の差について、積算についてということでございます。一応提案のあった金額につきまして、多少の変更は可能にはなっていくんですけれども、平成18年度予算ベースで申し上げますと、多少安くなっている。おおむね400万円程度かなと。予算ベースで申し上げますと、安くなっている。ただ、土曜日の開館ということもありますので、実質的に事業の拡大というものも含まれていますけれども、あくまで予算、金額の比較でいうと、400万円ぐらい低くなっている。
 3点目については、担当課長から説明します。


◯生涯学習課長(深谷澄夫君)  3点目の御質問で、児童館的な実績についてお答えいたします。お手元の資料の2ページに、学童クラブ9カ所と書いてございますが、たまたま私ども、学童クラブの最後の猿楽小学校放課後クラブというところに実態調査に行きました。ここは渋谷区の小学校でございまして、学童保育所と全児童のお子さんを対象にした事業を、同じスペースを使ってやっているということで、上2つの渋谷区の小学校は、いずれもそのような経営をしているとお伺いしておりますので、そういう意味では、むらさき子どもひろばと学童とあわせたような形の実態だと考えておりますので、そういう意味で実績はあると考えております。


◯委員(谷口敏也君)  引き継ぎの件なんですけれども、今後保護者会などと話し合いをしていくということなんですが、会社側として、例えば社協の方なり、社協の嘱託の方なりが残りたいと言った場合には、会社側はその雇用を受け入れるつもりはあるのかどうかということをお伺いします。
 あと、現在管理をされている児童館というのは、土曜日はどうなっているんですか。土曜日の時間帯とか、わかればお伺いしたいんですけど。


◯教育委員会事務局教育部生涯学習担当部長(山本博章君)  嘱託等の今働いている職員の引き継ぎの可能性についてですが、その点につきましては、あくまでも保護者という段階での協議ですけれども、一定の可能性については事業者の方も、ほかの自治体でやっている例においても嘱託とか職員の引き継ぎを行っているみたいでして、私どもにおいても、その辺の要請があれば、当然引き受けてくれるという話は受けております。
 2点目につきましては、課長の方から。


◯生涯学習課長(深谷澄夫君)  土曜日の件でございますが、実態調査をしてお伺いした時点では、土曜日も実施をしているということでございますが、時間については定かではございません。確認しておりません。


◯委員(谷口敏也君)  前回の委員会でも質問したと思うんですけれども、今、土曜日は2時までじゃないですか。基本的に今、会社で土曜日午前中だけというのはあんまりないと思うんですよ。やるか、やらないか、働くか、働かないかという感じで、土曜日に会社に出ている方というのは、夕方、通常の勤務と変わらないと思うんですね。ここの場所のプロポーザルに当たって、「2時までではなくて夕方までやらないんですか」と言ったら、「ほかのところとの差が出るからやらない」という御答弁だったと思うんですけれども、仮に日本保育サービスが土曜日の運営で今やっていらっしゃるというお話で、夕方までやっていた場合に、やれるのであればやってもいいという話になった場合でも、教育委員会としてはあくまで2時までというのを貫くお考えでしょうか。


◯教育委員会事務局教育部生涯学習担当部長(山本博章君)  以前も御説明させていただきましたように、2時以降については、むらさきの方で受け入れが可能だということになりますので、そういう中で、一体的な運営ですので、実質的には同じような運営をやっていけるのではないかなと考えております。そういう面からも、ほかの学童との均衡とかというだけではなくて、一体的な運営による効果を出す方策で実施していきたいと考えております。


◯委員(谷口敏也君)  今回は、むらさき子どもひろばと併設だから、そういった運用ができると思うんですけれども、ほかのところは全部違うじゃないですか。指定管理者でプロポーザルにしろ、初めての場所なわけですから、これからここが前例になっていろいろやっていくことを考えると、本当はその辺の運営まで変えていった方がいいのではないかなということがあるんですけれども、今の御答弁ですと、今後のほかの……。今度また2年後に全部かわりますよね。そのときはどうされるのか。今現在どういうお考えなのか教えてください。


◯教育委員会事務局教育部生涯学習担当部長(山本博章君)  土曜日の学童保育所のあり方ということになるかと思いますが、その件につきまして、御存じのように、土曜日の実績というのは非常に低くなっている。しかしながら、子どもの居場所をどうするかという点につきましては、実績を見ながら当然やっていく必要はあると思っていますけれども、例えばむらさきと同じように全児童的に考えていくとか、そのような方法も含めて、実績を見ていく中で、土曜日の学童のあり方につきましては考えていきたいなと思っています。


◯委員(森  徹君)  先ほど株式会社日本保育サービス、これを選定された中で、生きる力ですか、経営者の方針が下まで徹底していると。ノウハウの蓄積というふうに御説明がありましたけれども、設立が平成16年10月1日ですよね。これは、グループ企業が株式会社JPホールディングスですか、そのグループの中で保育サービスがある。このグループの山口さんという社長さんの経歴を見てみますと、コーヒーだとか、いろいろな企業にチャレンジされてきて、そして、民営化の中で保育、学童、これが企業として進出がかなりできるということで、事業展開といいましょうか、学童保育の方に来たと見られるんですね。45歳のまだ若い方で、非常に熱心で、去年ですか、大学で児童学か何かの博士号を取得されたという、企業家としても一生懸命な方だなと思うのですが。学童クラブへ日本保育サービスが進出するというのは、ホームページで見させていただいたんですけれども、2006年、ことしですよね、9月25日に新たにと書いてあるんですが、日本保育サービスが新たに学童クラブの渋谷の臨川小学校に進出する。それから、同じく長谷戸放課後クラブ。先ほど視察に行かれたという渋谷区の猿楽小学校は、10月10日よりとなっておりまして、学童クラブ、保育という点での蓄積という点でちょっと不安があるんですね。経営者としてはいろいろ起業をやられてきて、一生懸命なのはわかるんですが、学童クラブを運営していく、先ほど谷口委員もちょっと残念だという感想を述べられていましたけれども、今までNPOでやられてきたあそこが採用されなかったわけですけれども、このノウハウという点で、蓄積というのをどこに、そこを決められたのか。この企業の中身からすると、これで本当にノウハウがあるのかという心配があります。特に子どもさんということで。この点でひとつお聞きしたいと思います。


◯教育委員会事務局教育部生涯学習担当部長(山本博章君)  日本保育サービスが学童保育所の実績がまだ浅い中で、どういうところが決めた理由になったかということかと思います。確かに学童保育所につきましては、どこの法人におきましても、指定管理者制度が始まってからやっておりますので、どこの事業者においても実績は浅いんです。そういう中で、どのような点を決め手にしたかという点につきましては、御質問の委員さんもおっしゃっていましたように、まず経営者の基本的な健全育成に対する考え方が非常にしっかりしていた。プロポーザルのときにいろいろと御質問した段階においても、経営者みずから、親会社の社長さんみずから出てきまして、子育てに関する、健全育成に関するしっかりしたポリシーを持っていたということがまず感じられた点であります。
 もう少し具体的に申し上げますと、認証保育所とか、児童館とか──特に児童館での運営とか、そういうものも踏まえた職員の育成、全児童に対する育成、子どもの健全育成というものに対する考え方が一番しっかりしていたなと感じました。児童館の実績、保育園の実績をしっかりとミックスした形で、経営方針の中に取り入れていると感じました。その辺が決め手になると思います。


◯委員(森  徹君)  指定管理者という点では、法整備等の関係でそうだと思うんですけれども、会社の経歴等、社歴というんでしょうか、それを見ますと、保育所関係に進出というのが2002年ですね。2002年の5月に西東京──東京都の認証保育所、ここに初めて進出していますね。その後、池袋とか千葉だとか、2003年、2004年と事業展開してきているんですが、そういう状況の中でも、ノウハウの蓄積というのは、どうなんでしょうか。社長さんの意欲といいましょうか、ことし博士号まで取っている方ですから、そういう意欲は感じられますけれども、ノウハウという点で、子どもを預けるという信頼性ですか、三鷹市の安全・安心という基本的な考え方からいって、ここがどうなのか。意欲はわかるんですけれども、現地にも行かれているんですけれども、猿楽でもスタートしてからまだわずかですよね。蓄積はないですよね。保育産業に進出してもまだ4年余りという状況の中で、これで果たして三鷹の一番最初に株式会社に民間委託するというところで、これで大丈夫なんだろうかという心配がありますが、もう一度この点をお聞きしたいと思います。大丈夫なんでしょうか。


◯教育委員会事務局教育部生涯学習担当部長(山本博章君)  選定に当たりましては、現場に行っただけではなくて、いろいろな保育園と接しただけではなくて、ほかの自治体の情報、運営している実績も聞きました。長くやっていて、あるところで確かに評判がいい事業者もありました。しかし、具体的にいろいろ聞いていくと、保育者の資質にばらつきがあったり、個々の指導員とか保育員の育成に関してもシステムが全然できていなかったりとか、一番、日本保育サービスにおきましては、職員の育成に対してもしっかりした考えを持っているとともに、職員の資質もかなり高いものを感じたというのが決定した理由でございます。また、その辺についても、我々、見ていく中で、かなり高いレベルにあると感じたということでございます。


◯委員(森  徹君)  4定の一般質問でも、私ども、民間委託の問題、先ほども谷口委員が言われましたけれども、駅前の問題で、プロポーザルで実際に今回投げ出したといいましょうか、やれなくなったというところは、相当低い金額で落としましたよね。三鷹の市内の保育所で出したところと差があった。低ければいいといいましょうか、やれなかった。ワーキングプアの話もありますけれども、行政が、安ければいいということで、働く環境が悪くなる。先ほど400万円とおっしゃいましたか、実際に駅前のプロポーザルを考えても、そこになったのでしょうかね。やはり経験という点では、7カ所で、1番のところが落ちたという点では、そこは逆に実績があるわけですよね。これが株式会社日本保育サービスとどれほどの差があったのか。採用されないだけの何か問題があったのか。そうではないと思うんですね。そこには、民間委託という宿命といいましょうか、価格との問題という点であったというふうになりますと、安全・安心という点での不安が残りますし、そこだけで決めていくという点で、決めつけては質問はしないですけれども、教育委員会ですから、いろいろな角度から検討されたと思います。子どもの安全問題を考えたと思いますが、しかし、この会社は、このグループは、さらに四国でも現在、全国的な官業の民間開放に伴って、保育所、学童保育などの民営化が急速に推進されるその中で、四国にも展開をしようということで、どんどん進めていますから、子育てというところが、民間企業の企業進出の場になっていく。それに伴って、ここが投げ出される。このことは絶対あってはなりませんし、そこが子どもに負担といいましょうか、犠牲が起こってはならないと思うんですね。この点をしっかりと担保されなければならないと思うんですけれども、この点はどのようにお考えでしょうか。


◯教育委員会事務局教育部生涯学習担当部長(山本博章君)  御指摘の点、大変ごもっともなことだと思っております。そのような視点から、我々も、真剣に長時間かけて調査なり審査をしました。特に、安全面におきましても、マニュアルとか、個々の子どもに対するケアとか、日々、例えば安全委員会を設けて、毎月全職員を集めて安全委員会を開いて、安全について検証し合う。それから、研修をしても、レポートを書かせて、研修の結果についてお互いに評価し合うとか、安全面も含め、個々のことも大切にする面も含めまして、他の事業者にはない、しっかりした組織づくりなり育成計画がなされているという面で、すぐれていると感じたということでございます。
 また、料金面につきましても、給与体系につきましても、しっかりと調査しました。どの程度の初任給で、それが一定の水準に達しているか。そういう面では、一番安かった業者ではございません。経営方法とか、そういうものを含めまして、職員の育成とかをどこまで大切にしているかとか、御指摘のあった、繰り返しになりますけれども、安全保育に対する考え方、マニュアルづくりもしっかりしている。マニュアルも一番そろっていたということなんかも、審査結果としてさせていただいた結果でございます。


◯委員(森  徹君)  これで終わりますけれども、ベネッセもそうですけれども、マニュアルとか、そういうシステムはしっかりしているんですね。見た目からしますと、レポートを提出するとか、きちっと会議を持つとか。しかし、ベネッセでも、子どもの置き去り問題とか、マニュアルをやることによっての蓄積がない。保育とか子育てというのは、マニュアルどおりにはいかない。5人子どもがいれば、5人の個性がありますし、そこには経験というのが非常に大切ですね。したがって、社長の意欲とか、安全の会議が行われているとか、ペーパーで提出されているとか、これだけではないと思いますけれども、そこだけでの御答弁となると、ちょっと理解できない部分があるんですが、三鷹市として、教育委員会として、民間委託に出されるという中で、学童保育、今後とも責任を持ってしっかりと見ていただきたい。私どもも、このことを注目していきたいと思います。教育長さん、何か御答弁がありましたら、よろしくお願いします。


◯教育長(貝ノ瀬滋君)  むらさき子どもひろば及び三鷹市四小学童保育所の指定管理者の候補者の選定に関しましては、子どもの最善の利益を一番に考えて選定したいということで始まっております。今、担当の部長からも申し上げましたように、結果的には金額的には必ずしも一番低いところが選ばれたわけではございません。実績は、皆さん、ほとんど変わりませんけれども、ペーパーだけで決めさせていただいたということではないということは、先ほどから申し上げているとおりでございます。実際に現場を見させていただいて、指導者の方たちにも話を聞いたり、社長さんにももちろん聞きましたけれども、それだけではなくて、実際に指導している人たちの話、それから、今あちこちでその方たちを使っている事業者の方たちからも情報を得たりということで、総合的に子どもの最善の利益を考えて選定をしているということでございます。決して安かろう悪かろうということではございません。
 基本的に私どもは、公の仕事を民間の方にゆだねるということにつきましては、民間の方に任せると何か悪いことするのではないかとか、安いコストでもって何でも適当にやるのではないか、そういうふうな、一部世間の偏見はございますけれども、むしろ、最近は公務員の方が、私が言うのもおかしいですけれども、不祥事が多くて、いろいろ世間を騒がせて、御心配かけていることが多いわけで、これは、だれが事業者であろうと、だれが管理者であろうと、責任を持ってしっかりと子どもの最善の利益を優先して考えてくれるところにお願いをしたいというのが私の本当の考えでございます。


◯委員(杉本英騎君)  何点かお聞きしたいと思います。今回の指定管理者の指定というのは、四小学童とむらさき子どもひろばの一体的運営によって市民サービスの向上を図るということなわけですが、そういう中で、これまで四小学童ですと、学童の子どもたちを対象にした、ある意味閉ざされた施設としてあった。むらさき子どもひろばも、そういう意味でいえば、子どもひろばの対象のお子さんたちということで、それを今後一体的な運営にして、相互の交流を図るとともに、それだけにとどまらず、学校コミュニティというか、コミュニティ・スクールの中で子どもたちの居場所づくりを担っていくという新たな役割を付加されたと思うんですが、そういう中で、募集要綱の中にも、具体的にはないんですけれども、前段の募集要綱の素案の中で、一体的運営により充実する点というのが何点か書かれてありまして、その第1が、学校、NPO、地域子どもクラブとの連携事業。これは新規事業ということ。それ以外には、土曜日の開館の問題、子育て情報の問題から、土曜日の校庭開放とか、小学校の子どもの居場所事業云々という形で、10項目について充実する点──新規にやる点、拡充する点というのが出ているわけですが、今回の日本保育サービスのプロポーザルにおいて、どういうふうな提案がされていて、それは具体的にどのように展開されていくのでしょうか。それと、市の方が提案している、こういうのをやってくださいという項目とは別に、自主事業という項目もありまして、それは、新たな自主事業の提案があったのでしょうか。
 先ほどの委員の方もおっしゃっていましたけれども、これが初めての公募による選定なわけですから、ある意味、今後の学童のあり方のモデルとなっていく。いい面でのモデルになるかもしれないし、悪い面でのモデルになるかもしれない。初めてやることですから、いい方向に全力でやっていただきたいと思うわけですけれども、どちらにしても、今後の礎になっていくだろうと思うんですね。ですから、そこら辺についてお聞きをしておきたいと思います。
 それと、ほかの事業者があるんですが、株式会社も参加していますが、三鷹とのかかわりでいえば、社会福祉協議会が結構大きいと思うんですね。今回、応募されました。教育長もおっしゃっていましたように、それぞれが遜色はなかったんだけれども、総合的に比較検討した結果、ここだというお話なわけですが、としても、2年後には残りの、現在、社会福祉協議会が受けているところが対象になるわけですから、そういう面では、これまでの社会福祉協議会がというか、これまでの三鷹の学童保育所がやってきた点との違いがなければ、別に社協でもいいわけですよね。あえて、先ほどの引き継ぎの問題から含めて、利用者の方々、子どもたちに不安を与える必要はないわけですから。そこら辺はどういうふうにお考えになっているのかということと、ある意味では、それは逆に、もし社協が問題だということではなくて、課題があるとすれば、どういうことなのかということも、今後、社協の人たちもそうでしょうけれども、行政を進めていく上での問題ではないかなと思いますので、お聞きしたいと思います。
 それと、あと1つは、今後の問題として、地域との関係がいろいろ出てくるわけですけれども、私が1つ注目していたのは、夢育支援ネットワークが名乗りを上げたということは、非常に大きなことだったのではないかなと評価をしています。僕の立場で、選考にあれを入れろとか、これを落とせとか、そんなことはできるはずもないわけで、今から言うつもりもないわけですけれども、地域の中から自主的な動きが生まれ、それが子どもたちの育成にかかわっていくという点では、夢育だけにとどまらず、市としても育成をしていくという観点が必要なのではないかと思います。実績という面で言えば、今回の募集要綱の中で、子育て支援事業というだけではなくて、教育活動支援事業の実績のある法人というのが応募要件、受託者要件に載っているわけですね。この中ではどれのことを言っているかというと、夢育のことですよね。夢育は子育て事業の実績がないわけですから。そういうところも含めて、門戸を開いてやっていこうということで、従来の子育て支援事業の実績がなくても、受託要件として入れたわけですから、そういうところの育成という観点については、育成と言ったらあれですけれども、それについては、どうなんでしょうか。これは教育委員会どうのこうのという話ではありませんが、コミュニティビジネスの育成ということも一つ大きな課題になってはいますよね。所管が違うかもしれませんけれども。そういう点からも、こういうグループというか、こういう事業者、団体というか、そういうのも、ある意味では三鷹市としての資源である。それも、教育長が率先して進められてやったわけですから。それで夢育が落ちたら、貝ノ瀬さん、自分のところの落としたのではないかと言われないために外れたわけではないと思いますが、そんな要素は全くないと思いますけれども、それは大きな財産なわけですから、それは夢育だけではなくて、今後必要とされているものだと思うんですね。そういう点から、今回のプロポーザルというのはどうだったんでしょうか。今後もそういうところにできる限り門戸を広げていくという視点も必要なのではないかなと。窓口を広げるだけではなくて、育てていくという点について、お聞きをしたいと思います。
 それとあと、細かい点ですけれども、指定管理費ですけれども、予算ベースで言えば、昨年度よりも400万円ほど経費削減になるというのは、四小学童保育所とむらさき子どもひろばの経費を足したトータルの経費との比較で、400万円軽減されると理解していいと思うんですが、これはいろいろな企業情報の問題があって、言えないのかもしれませんが、日本保育サービスは、全7社中何位の金額を提示したのでしょうか。細かい点ですが、お聞きしたいと思います。
 それと、今後の問題にもなってくるんですが、1つは、学童の役割ということで、子どもの居場所づくりということが重要な役割になっていくということなわけですけれども、それとともに、施設改修の問題と待機の解消という問題も、これは、学童のあり方としてどうしていくのかということも考えなければいけないと思います。補正の方で、北野と六小の件が出ていますから、直接触れませんけれども、全体の経費の中で、指定管理そのものが単に安かろう悪かろうとするわけではないわけですから、そうすると、委託費を安く上げて、その分を施設改修に回すとか、そういうふうにもなかなかいかないわけですね。そういう趣旨ではないわけですから。そうすると、待機の解消と施設の改修というのは、今後どういうふうに進めていくのかなと。結構頑張ってこられていると思うんですが、補正でも2つもやりますし。まだ課題が残っている学童がいっぱいあると思うんですけれども、それも、例えば学校の外にある学童だとすれば、学校の中に入って新たな役割を担っていくとかということも出てくると思うんですね。そういうところで、計画的に進めていく必要があるのではないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。


◯教育委員会事務局教育部長・調整担当部長(柴田直樹君)  今、御質問、多岐にわたってありましたが、私からは、コミュニティ・スクールと今回の四小学童、むらさき子どもひろばの一体的な運営とのかかわりについてお答えしたいと思います。
 指定管理者制度を導入するに当たって学童保育所条例を条例改正した大きな理由の中に、事業を新たに追加したところがあります。学校、家庭、地域と連携しての児童の健全育成活動に取り組む。学校、家庭、地域との連携の中での健全育成活動というのが、今まで学童保育としては、放課後児童対策ということで、保育の一環という福祉的な観点での取り組みからスタートした中で、子どもたちの健全育成という観点を加えたわけです。あわせまして、今、三鷹市が進めているコミュニティ・スクールは、学校運営協議会へ向けて、今、取り組みを進めていますが、要するに、地域や保護者が学校運営そのものに参画する。そして教育活動にも参加していく。そういう中で、子どもたちの健全育成の方針を、地域と学校で方針を立てて、それぞれの役割の中で取り組んでいくということです。学童保育の保育という観点と健全育成というのは、両方その中に含まれていることですので、コミュニティ・スクールの考え方に従っての学童保育の活動になっていくわけでございます。あわせて、学童の子どもだけでなくて、全児童対策ということが、今、求められています。ですから、今までの学童という概念をこれからは大きく変えていかなくてはならない。ちょうどその過渡期にあるわけでございまして、その中で、今回の一体的な運営がどのような役割を果たすかということは、非常に重要なところでございます。ましてや、むらさき子どもひろばという、ゼロ歳から保育相談など、いろいろな活動をその中で行って、そして、今度は学校との橋渡しもその中でできていくわけで、それから全児童対策を念頭に入れてのひろばですから、今度は、中学生や高校生も含めた、縦の交流。そしてまた、地域の人たちとのいろいろな連携による活動の体験の幅広い取り組みが可能になってくるわけです。ですから、今までの学童で子どもたちを預かって、その時間、安全に面倒を見るという、そういうものではないということが今回の重要な点でございます。そういう意味で、指定管理者の候補者として選定しました日本保育サービスは、保育事業を幅広く展開して、そういう保育の関係のノウハウも、そして今、学童にも取り組んで、学童のノウハウもあるわけでございます。そのようなことで、トータルに一体的な運営を学校や地域と連携しながら進めていく、そういうところへの取り組みが可能になってくると考えております。
 私も、JPホールディングスの山口社長と、候補者として選定するに当たり、最後に社長とエリアマネジャー、要するに現場の統括責任者にお会いしまして、三鷹市のコミュニティ・スクールの考え方を申し上げましたところ、ぜひそういうところで取り組んでいきたいという力強い言葉もいただいているところでございます。そのようなことで、今回選定をさせていただきました。


◯教育委員会事務局教育部生涯学習担当部長(山本博章君)  柴田教育部長に補足させていただきます。まず1点目の一体的運営による市民サービスの向上を図るという点ですが、どの提案がなされているかという点で、具体的な点についてお答えさせていただきます。例として挙げさせていただければ、企業のスケールメリットを生かした点として、栄養士さんとか、保健師さんとか、専門職が多数おります。そのような専門職を活用して、例えば栄養士さんを活用した食育的なものを取り入れていきたいという提案がありました。さらには、もう少し具体的には、日本伝統を生かしたこまづくりとか、たこづくりとか、そのようなものもやっていきたいという提案がありました。御質問のように、一体的運営による子どもの交流の輪を広げていきたいというものについては、いろいろな多面的な視点から提案がなされております。また、例えば体育の専門員も置いていて、運動についてもノウハウを持って、そこを学童と子どもひろばの一体的運営で生かしていきたいとか、そのような提案がなされております。
 2点目ですが、社会福祉協議会との違いという点ですが、具体的な評価の部分にかかわりますので、差し支えのない範囲でとめさせていただければと思いますけれども、一番言えるのは、保育ニーズに対する迅速な対応がなされるようなシステムづくりが、日本保育サービスではすぐれていたということでございます。その反対面から御推察いただければと思います。先ほど教育部長が説明しましたように、エリアマネジャーを置いて、エリアマネジャーが職員会議の場に参加しまして、例えば職員会議は、むらさきと四小で毎日やるわけですけれども、毎日やった中で、必ず本社に全部送って、課題もあれば、迅速に解決するようなシステムができている。ニーズに迅速に対応できるシステムができるということが大きいかなと思います。
 また、個々の保育員のスキルを上げていくシステム。全体的な平準化した、平等、公平な保育をやるという視点がしっかりしている。そういう点が感じられました。
 それから、経費面は、下から2番目ということでございます。
 最後になりますが、待機児解消につきましては、先ほどこの点についても教育部長から説明がありましたように、地域子どもクラブ等との連携も踏まえた上で、待機児対策を考えていきたいなと思っていますけれども、現実的には、今、1けた台の待機児になっておりまして、今後の計画の中では、今のままでいけばという前提なので、極端な児童数の増とかがなければ、おおむね解消していくのではないかなと考えております。しかしながら、全児童対象の事業という中でも、一定の対策を考えていきたいと考えております。


◯教育委員会事務局教育部長・調整担当部長(柴田直樹君)  夢育支援ネットワークの応募があった件でございます。幅広いネットワークで教育活動に6年のノウハウを有しておりまして、それがコミュニティ・スクールとしての基盤をつくっているということで、私どもも期待しているところでございます。今回は、提案自体はすばらしい提案をいただいておりましたが、課題も別な面でございました。こういう取り組みを夢育支援ネットワークもまた次に向けて頑張っていきたい、そういう意向をいただいておりますので、今回ですべてが終わりというわけではございませんので、私どもも、地域のこういった活動を広げられるような育成支援をしてまいりたいと思っております。


◯委員(杉本英騎君)  簡単なことから確認します。下から2番目というのは、低い方から2番目ということですね。はい、わかりました。
 柴田部長からありましたけれども、前段の今後求める役割というところでは基本的に了承するわけですが、その上で、具体的にお聞きしたいんですが、例えば新規事業として、学校、NPO、地域子どもクラブとの連携事業ということがうたわれているわけですが、細かいことを全部言う必要はありませんが、1つの大きな足がかりであると思うので、今回の四小、むらさきで、どんな新たな連携事業が始まっていくのでしょうか。いろいろなところで、ある意味、学校と地域、子どもクラブなりとのさまざまな課題とか問題とか、これまでのあり方と関係性において、大小さまざまいろいろなことがありますよね。モデルになっていくということですから、今までは、学童と学校の関係で言えば、学童は学童、学校は学校とか、学校からすれば学童が来てもらっては困るという話もあるし、学童の方からするとそんなところに行きたくないとか、そういうのがいろいろあったわけですよね。学校に併設する場合にしたって、敷地の一角に入るにしたって、教室の中に入るにしたって、いろいろな問題があったわけですから、それが子どもたちにとってどういうところかというところから、大人たちが努力していこうということで今、進んでいるわけですから、それが今回の四小、むらさきが、ほかの事業のモデルになるような、わざわざ新たに入れた新規事業というのはどういうことを計画されているのでしょうか。あとは、日本保育ネットワークの方から、自主事業というのは何か特別にあったんですかね。栄養士、保健師を活用した食育というのは、それはそれでわかります。具体的にどういうふうにやるのかまでは、時間もありませんので聞きませんけれども。


◯生涯学習課長(深谷澄夫君)  自主事業につきましてお答えいたします。法人の方からの提案といたしましては、19時までの延長保育と、それに伴いまして、6時以降の延長保育を利用した方につきましては、指導員が拠点まで見送るといった提案が1つございました。


◯教育委員会事務局教育部生涯学習担当部長(山本博章君)  地域との連携事業についての提案がなされているかということですが、具体的に今後どういうふうに展開していくかは、詰めなければならない面もあります。また、四小につきまして、四小の校長さんとも先日、私も話し合いを行いまして、今度引き受けるようになる事業者との連携についてお話をしたところなんですけれども、具体的に現在の提案としてなされている点といたしましては、地域ボランティアも活用した上での共同イベント等の開催というものは、具体的に提案をされています。今までよりも、何らかの形で、いろいろなノウハウを持っていますので、学校ないし地域子どもクラブ、NPO夢育との連携を深めていくような方策が提案されていくと期待しているところでございます。


◯委員(杉本英騎君)  具体的なことはこれからのことだというふうに理解しました。
 三鷹市は、今、正式には21学童となるんですかね。そうすると、2年後の2009年は、残りの20学童が、3年間の経過が終わって、新たになるわけですけれども、その際に、どういうふうなプロポーザルの出し方になるのでしょうか。例えば残りの20学童を全部個別にプロポーザルするのか。ほかにいろいろなやり方があると思いますが。これをやった上で、経過を見ながらというか、実績も見ながらということだとは思うのですが、間近な話ですから、これは今後の2年後のプロポーザルのあり方というか、中身の問題は、教訓だとか、いろいろ出てくると思いますが、その点についてお聞きしておきたいと思います。


◯教育委員会事務局教育部生涯学習担当部長(山本博章君)  今後の方向性についてですが、あくまでも指定管理者制度の導入の目的というのは、市民サービスの向上という面にあります。具体的には、個々の子どもを大切にし、学童の機能をどういうふうに維持していくかというのがベースにあります。そのような視点から、今後も社会福祉協議会以外も含めたプロポーザル方式を導入していくかどうかは、残りの学童の市民サービスの向上策とか、保育の市民に対する具体的な対応とか、そういうものを踏まえながら検討していくということになります。


◯委員(伊藤俊明君)  他の委員からいろいろ意見、質問が出ましたので、重複するところもあろうかと思って、恐縮なんですが、よろしくお願いいたします。
 今までのいろいろな皆さんの質疑を聞いたり、資料を見させていただいても、保育サービスですか、この会社の充実ぶりというものが特筆されているような気がして、ある意味では、子どもたちにとっても一番いい保育をされるということが、私たちも望ましいところで、このように7法人出そろって、プロポーザルでやっていただいたということはすばらしいことだと思います。プレゼンテーションでは、1社、何分で、プレゼンの形と、特に保育サービスが、なれていると思うんですね。社長さん初め、意欲を感じますし、実態も伴ってという形がすごくするんですね。中央からというか、全国的なあれだと、地元に根差したこの人たちとレベルが違うような形にすら、僕なんかはそのように。片や、地域に根差してというか、経験とか温かみはもちろん。ただ、保育サービスさんも非常にノウハウを持っていて、いろいろな意味で勉強もしているという形で、これからはこういう形が保育のあり方なのかなという意味でも、三鷹市を何でまず選んだのかな。三鷹市に保育サービスさんが応募した動機というものとか、プレゼンの仕方だとか、その辺もお聞きして、これから学童のあり方自体が、先ほど来、出ていますように、全児童保育のあり方といいますか、この会社のものと三鷹市が目指しているものが、コミュニティ・スクールを核としたというもの、それがうまく合致し、そして、子どもたちが実感として、ここで保育サービスを受けてよかったと思えるような形にいくことが私たちとしても一番望むところなので、その辺はどうなんでしょうか。保育サービスさんのあり方と三鷹の教育とが合致したから、このように請け負うことになったと思うのですが、その辺の意識と、先ほど保育サービスさんがノウハウを持っているという話をたくさん聞いているのですが、その辺をもう1回、職員のレベルもそうですし、子どもたちの幅広い、食育を初めとした伝統、ノウハウについてもお聞かせいただいて、もう一度説得力のある説明を聞かせてもらえればありがたいと思います。


◯生涯学習課長(深谷澄夫君)  プレゼンテーションの形という御質問をいただきました。各法人、約50分程度時間をつくりまして、そのうち、約15分から20分ぐらい、法人の方から御説明いただきまして、プレゼンをしていただきまして、その後、お話しされたこと、あるいは事前に出されております企画書等について私ども委員が質問したという形で展開をされました。
 当法人が三鷹市に手を挙げた理由でございますが、一番大きかったのは、経営者の方が、三鷹市で進めていますコミュニティ・スクールについて関心、理解を持っておりまして、ぜひ自分たちも一翼を担っていきたい。そういう強い気持ちが、経営者の方からお話がありました。


◯教育委員会事務局教育部生涯学習担当部長(山本博章君)  株式会社日本保育サービスを選定した理由をもう1回ということで、その点につきまして御答弁させていただきます。
 企画書段階において、またプレゼンテーション段階では、確かに拮抗した、また提案内容も拮抗した事業者というのは何社かあります。ただ、それを今度具体的に、一番最初の方でも御答弁させていただきましたけれども、現場に行ったり、質問したり、現場でも何十項目かを調査したり、現場での保育士さんの意見を聞いたり、ほかの自治体の情報を聞いたりする中で、個々の提案内容についての裏づけをとっていきました。そういう中で、抽象的な段階での御答弁をさせていただきますと、そういう中で、日本保育サービスにおいては、提案内容としっかりと一致した保育がなされているし、経営がなされているということでございます。
 具体的に申し上げますと、先ほども申し上げましたけれども、エリアマネジャーを置きまして、常に均質な保育ができるように、エリアマネジャーが保育員を指導できるような役割を担っています。そこにおいて、職員会議の場なりに、個々に半日ほど顔を出して、保育内容を見て、問題点を常に検証している。個々の子どもを具体的に大切にするというシステムにおいて、提案内容の裏づけが一番なされたということでございます。提案内容だけではなくて、裏づけがしっかりしていたということです。


◯委員(伊藤俊明君)  いずれにしましても、三鷹市にとっても、第1号というか、一番大事なスタートですので、先ほど来いろいろな委員の方からも出ていましたような危惧はなく、これからも、民間に委託することによっての弊害というよりも、むしろ新しいことにチャレンジして、より期待できる面の方が大きいのではないかと思いますので、とにかく子どもたちの不安感をまず、引き継ぎの面だとか、そういう点で多少心配なところはありますけれども、日本保育サービスさんのノウハウをしっかりとこれからも三鷹の保育の方に生かしてもらえるような形。それとともに、ほかの夢育初め、社協の方でも、日本保育さんのいいところは学びつつ、お互いに競争して、切磋琢磨して、すばらしい市民サービスというか、子どもたちの保育のためになってくれればなと。地域で、前から一生懸命やってきたところも、多少やり方をというか、いろいろな新規の方が参入し、また新しいやり方をすることによって、皆さん全体が向上して、いい意味で競争し合って、そしてまた地域で根差して活動してきたところも報われるような、みんなでうまく、共存共栄という言い方はおかしいんですけれども、それでいて、子どもたちにとってもよりよい形にというふうになってくれればと思うので、保育サービスさんの方が、いろいろな意味で、つぼを押さえるというか、ポイントを押さえて、実態ももちろんあるんでしょうけれども、ノウハウもしっかりしているという思いが余りにもするので。ほかの方たちは、想像なんですけれども、アピールの仕方とか、そういう意味でも、積み重ねももちろん大事なんでしょうが、そういうことも考慮に入れて、みんなでよくなっていってもらいたいなと思うのですが、その辺の見解がありましたら。


◯生涯学習課長(深谷澄夫君)  今回期待に沿えなかった法人は6つございます。これは当然文書で通知しているわけですが、その後、各法人から、お話をお伺いしたいということで、皆さん、見えています。そういう中で、保育サービスが始まった4月以降、時期を見て、どういう保育をしているのか、勉強のために見学、視察をさせてほしいという法人もございました。それはぜひ、そういう形で、日本保育サービスにとってもプラスになるでしょうし、ほかの法人にとってもプラスになるでしょうから、そういうことはやっていただきたいとむしろこちらもお願いしたような状況でございます。今回、たまたま残念な結果に終わった法人につきましても、今後、保育園、あるいは学童で三鷹市とのかかわり合いが出てくるかもしれません。そういう意味で、全体のレベルが上がるということは非常にいいと思いますので、そのようなお話をしたところでございます。


◯委員(伊藤俊明君)  今回、縁がなくてというか、採用されなかったところでも、どういう点が負けてしまったというか、劣っていたかという問題点がわかったり、見学をするだとか、これからに向けての調査研究をするというか、非常に大事なことだと思います。そういう意味でも、見学したり、そういうチャンスをみんなに与えつつ、そして、学童とか保育所とか児童館にしても、これからの全児童保育における子どもたちの健全育成にとっても非常に大事な基礎となるところだと思いますので、その辺のフォローもしっかりしつつ、三鷹の子どもたちが全体に健全に育ちますようにお願いいたしまして、終わります。


◯委員(加藤久平君)  先ほどからコミュニティ・スクールを理解しているというお話が出ていますけれども、どのように理解をしているかという部分、どのようなことを話していたのかということをお聞きしたいと思います。
 もう1点、この会社の休日体制、祝日体制、例えば何かあったときに、連絡がとりづらいとか、新宿営業所なりの体制みたいなものはどういう形になっているのか。


◯教育委員会事務局教育部長・調整担当部長(柴田直樹君)  コミュニティ・スクールの理解ということですが、今回、プレゼンテーションをやってみまして、多くの参加している法人の取り組みで、共通したものがあるなということを感じました。それは、大体地域のいろいろな団体と共同して事業に取り組む。学童の子どもたち、今までは、保育員が組み立てた行事で、保護者が参加する。御近所の方も参加するということはありますけれども。多くの法人では、いろいろな地域の活動団体と協力関係を結んで、共同事業を組み立てている。そこには学生ボランティアとか、地域の方々の日常的な保育へのボランティア、そういうものを入れているということがあります。今の社会福祉協議会の保育の体制は、いわば抱え込み、自分たちの閉鎖社会の中で保育をしている。そこの違いがあります。そういう意味で、今、民間で行っているそういう事業は、まさにコミュニティ・スクールとすぐ結びつけられる取り組みなんですね。学校と地域社会とうまく連携しながら、子どもたちにいかに体験活動をさせていこうかとか、いろいろな人がかかわって、中身を充実させていこうか。そういうことを真剣に考えての保育事業をやっています。三鷹市は、まさにコミュニティ・スクールで、地域で子どもたちの健全育成はこういうふうにやろうといったときに、学童保育は、うちは保育は保育だというような、自分たちだけで殻に閉じこもったものを、これからは殻を破って、みんなで連携して、融合して、子どもたち全体の健全育成活動が充実するようにという方向に、実は今、日本保育サービスだけではなくて、ほかの民間事業者もそういう方向になってきています。特に日本保育サービスの親会社の社長は、聖徳大学の大学院にも行って、これからの保育、子どもたちの育成活動はどうあるべきかということも学んできていますので、私どものコミュニティ・スクールに対する理解は深いところがございました。


◯教育委員会事務局教育部生涯学習担当部長(山本博章君)  職員のバックアップ体制についてお答えいたします。御質問にありましたように、職員のバックアップ体制については、審査項目の中でも大切な1つと考えておりまして、その評価につきましては、この候補者につきましては、高田馬場に本部がございまして、そこに有資格者の保育員も常時待機しているという状況。そのほかに人材派遣的なこともやっていますので、有資格の臨時職員とか、そういう人材も一定の人数を抱えていまして、迅速な対応を──直接、私も聞いたんですけれども、高田馬場から来ると聞いております。


◯委員(加藤久平君)  バックアップ体制というんですけれども、よくありがちな形で、例えば電話で相談すると、常駐でいることはいるけれども、担当が休みなのでお答えできませんというケースが考えられる。今まで、違ったところで、そういった部分で、僕も体験しているんですけれども、電話すると出るんです。「担当がきょう休みで、また次にしてください」。そうなってくると、きょう対応しなければいけない問題について対応できるかという部分のクリアはどうするのかということ。
 それと、コミュニティ・スクールで、僕が聞きたかったのは、そちらの会社さんが、どういう言葉を直接発したかということを聞きたかったんですね。例えば今言ったコミュニティ・スクールならば、三鷹の場合はいろいろな組織がありますね。保護者の意見を聞いて、コミュニティ・スクール、地域全体で何とかしようかという発想ですよね。今、部長が言われたお話は、新聞か広報を読めば、大体載っているような記事。組織づくりについてどう考えているのか。地域の意見をどう吸い上げていくか。地域においてどうやるかという部分の認識をこの会社がどう思っているかという部分を聞いてみたかったので。よろしくお願いします。


◯教育委員会事務局教育部長・調整担当部長(柴田直樹君)  日本保育サービスのコミュニティ・スクールに対する考え方は、三鷹市が四小で行われている夢育支援ネットワークでの取り組みを理解しておりますので、私どもがここで指定管理者ということでとったとしましても、今まで活動している夢育支援ネットワークさんとの結びつきをもっともっと深めて、その活動の充実のために自分たちが役割を果たしたいということでございます。そして、どのように意見を吸い上げるかということですが、ここでは、さまざまな保護者会との連携強化ですとか、子育て相談窓口の開設とか、苦情相談の窓口とか、これらは、はっきり申し上げまして、民間の事業者はどこも、保護者のニーズにどういうふうにこたえるか、そのシステムはほとんど完備しています。苦情体制も全部本部に上がって、本部から速やかに回答するというシステム化がなされています。これは民間にとっては、今度は選ばれるか、選ばれないかという評価になってきますから、そこは真剣でございます。今回の指定管理も3年間ですから、その中で成果が上がらなければ交代ということになります。そういう意味で、評価ということは必ず結びついておりますので、いろいろな意見を吸い上げる窓口を設けています。御質問のお答えになっているかどうか。違いますか。では、再質問、お願いします。


◯教育委員会事務局教育部生涯学習担当部長(山本博章君)  再質問の利用者の意見を吸い上げるというか、そのような体制についての御質問かと思いますが、そのような点につきましても、この事業者においてはさまざまな提案がなされておりまして、当然、毎日毎日あったことについては、毎日終わった後、30分の職員会議を設けて検証するということを行うだけではなくて、利用者から本部に直接電話できるようにしてある。それから、メールでも、本部に対してできる。あとは、苦情対応ということですが、そこについては、ほかの事業者からも提案があった部分もありますけれども、御意見箱を設けるとか、苦情相談窓口を現場にも設けるとか、そういうところもありますけれども、ここの事業者においては、先ほども申し上げましたが、本部、それから日々の中での相談を受け付ける体制とか、しっかりしたシステム化がなされていると受け取っております。


◯委員(加藤久平君)  理解度が足りなくて済みません。先ほどの質問の中で、「きょうは担当者がいないので後日」という返答はない、その場へすれば必ず何らかの回答が得られると理解していいわけですね。
 部長のお話なんですけれども、ほとんどの業者がコミュニティ・スクール等について、窓口を持つとかということは理解している。でも、選定したところの会社が、コミュニティ・スクールについての理解度が高いということですが、では、どこの何について感動されたのか。向こう側の発言内容を聞いてみたいんです。ほとんどがみんなやっているとすれば、同じ答えが返ってくるわけですね。その中から選んだということは、この会社が感動を与えた、何か画期的な発言があったんだろうと。その部分をお聞きしたいです。


◯教育委員会事務局教育部長・調整担当部長(柴田直樹君)  先ほどの答弁をもう1回整理して申し上げますと、ほとんどの事業者は、地域のいろいろな団体と連携をしながら共同で事業を組み立てて、子どもたちに中身の充実した活動を提供しようと努力しているということをまず申し上げました。それがコミュニティ・スクールにすぐつながっていきますよということを言いました。日本保育サービスは、その中でもコミュニティ・スクールという今の四小の取り組みを、ぜひ私たちもその一翼を担って進めていきたいという話でございます。四小の取り組みの中で、特に夢育支援ネットワークの果たす役割は非常に大きいので、夢育支援ネットワークとの連携をもっともっと充実して、子どもたちにとっての充実した活動をしていきたい。これが私どもが受けた、コミュニティ・スクールを非常に理解しているという認識でございます。


◯委員長(田中順子さん)  それぞれ御答弁、御丁寧にありがとうございました。以上で、質疑についてはよろしいでしょうか。
                 (「なし」と呼ぶ者あり)
 それでは、ここで一たん質疑を終了させていただきます。
 休憩いたします。
                  午前11時11分 休憩



                  午前11時18分 再開
◯委員長(田中順子さん)  それでは、委員会を再開いたします。議案の取り扱いに入りたいと思いますが、よろしいでしょうか。
                (「異議なし」と呼ぶ者あり)
 それでは、議案第72号 三鷹市むらさき子どもひろば及び三鷹市四小学童保育所の指定管理者の指定について、本件を議題といたします。
 本件について、改めて、質疑を終了してよろしいでしょうか。
                (「異議なし」と呼ぶ者あり)
 それでは、質疑を終了いたしまして、これより討論に入りたいと思います。
                 (「省略」と呼ぶ者あり)
 これをもって討論を終了いたします。
 それでは、これより本件を採決いたします。
 本件を可決することに賛成の皆さんの挙手をお願いいたします。
                   (賛成者挙手)
 挙手多数でございます。よって、本件は可決されました。ありがとうございました。
 ここで、一たん休憩をさせていただきます。
                  午前11時20分 休憩



                  午前11時22分 再開
◯委員長(田中順子さん)  それでは、委員会を再開いたします。行政報告について、教育委員会報告、本件を議題といたします。
 それでは、教育委員会より御報告をお願いしたいと思います。項目アからキにつきまして、一括して御報告をいただきたいと思います。


◯教育長(貝ノ瀬滋君)  では、教育委員会より7件の行政報告をさせていただきます。1点目でございます。三鷹市教育ビジョンの策定についてでございます。助言者会議の提言などを踏まえまして、平成17年度から2年間にわたり検討してまいりました教育ビジョンについて、パブリックコメントを経て、12月1日の教育委員会におきまして確定いたしましたので、御報告いたします。今後、教育委員会では、教育ビジョンに掲げた施策の実現に向けて、全力で取り組んでまいりたいと考えております。
 2点目でございます。学校運営協議会の設置についてでございます。学校運営協議会は、地域全体で学校を支え、コミュニティ・スクールを推進する仕組みでございます。9月議会におきまして、学校運営協議会の設置に関連する議案として非常勤特別職の報酬及び費用弁償条例の一部改正と補正予算の承認をいただきましたので、本年10月に地方教育行政の組織及び運営に関する法律に基づきまして、第四小学校及び第七中学校に学校運営協議会を設置しました。この2校は、文部科学省の研究指定校の指定を受け、研究しておりますので、ここで先行して設置をいたしたというわけでございます。
 3点目でございます。いじめ対策の強化についてでございます。さきの一般質問でも、多くの議員さんから御質問いただきましたけれども、10月の北海道、福岡でのいじめを苦にした自殺、並びに、文部科学省に寄せられました自殺予告文書を契機といたしまして社会問題化しておりますいじめ問題について、いじめの根絶に向けた三鷹市としての取り組みを御報告させていただきます。
 4点目でございます。三鷹市特別支援教育検討委員会報告書についてでございます。検討委員会におきましては、三鷹市における特別支援教育の現状と課題を整理いたしまして、特別支援教育のあり方と今後の方策について取りまとめましたので、御報告をいたします。なお、本報告書を踏まえまして、年度内に推進計画を取りまとめる予定でございます。
 5点目でございます。にしみたか学園三鷹市立第二中学校体育館建替工事実施設計についてでございます。平成19年度に建てかえを予定しております第二中学校の体育館について、実施設計の内容を御報告させていただきます。
 6点目でございます。天文台構内古墳についてでございます。既に現地をごらんいただいた委員さんもおいでになりますけれども、天文台構内の貴重な古墳につきまして、調査内容の御報告をさせていただきます。
 7点目でございますが、社会教育会館のアスベスト除去工事についてでございます。9月下旬に社会教育会館の屋上にあります機械室でアスベストの含有がわかりました。ここで、詳細な調査を実施いたしまして、除去工事を行うことといたしましたので、御報告をさせていただきます。
 本日は、三鷹市教育ビジョンを初め、報告事項が7件と多岐にわたっております。御審議のほど、よろしくお願い申し上げます。


◯指導室長(里吉武仁君)  行政報告アからウまでを私から御報告させていただきます。
 まずアの三鷹市教育ビジョンの策定についてでございます。三鷹市教育ビジョンを策定するに当たりまして、教育ビジョン(案)に対します市民の意見の概要と教育委員会としての考え方について御報告いたします。パブリックコメントの実施期間につきましては、平成18年9月14日から10月23日までの40日間でございました。意見提出者は31人でございまして、提出意見数は84件でございます。提出方法につきましては、ファクス、電子メール、郵送、直接の口頭等でいただいております。
 それでは、私から、市民からの意見の概要とその意見に対します教育委員会の考え方及び教育ビジョンの修正点につきまして、資料をもとに御報告をさせていただきます。お手元の資料1−1をごらんいただきたいと思います。この教育ビジョンでございますが、これまでの経過につきまして、16ページをごらんいただきたいと思います。教育ビジョンの案から新たにこのページを追加させていただいております。そこにございますように、平成17年の4月19日に学識経験者4人から成ります三鷹市教育ビジョン策定助言者会議を設置いたしまして、計7回の会議を実施し、中間のまとめにつきまして、シンポジウムを経まして、平成18年2月20日に教育ビジョン策定に向けての提言、最終まとめの提出をいただいたところでございます。その後、この提言を踏まえまして、8月11日の教育委員会の定例会にて、教育ビジョン(案)を取りまとめ、パブリックコメントを実施し、ここに最終的な三鷹市教育ビジョンを取りまとめたということでございます。
 それでは、主な修正点につきまして御説明をいたします。表紙をめくっていただきまして、「はじめに」のところをごらんいただきたいと思います。「はじめに」の左側のページの一番下の行でございますが、「この「三鷹市教育ビジョン」の策定過程過程において」から始まりまして、次のページの部分につきましては、パブリックコメントの実施とその反映に努めたということで追加しているところでございます。
 続きまして、1ページをごらんいただきたいと思います。Iの「三鷹市教育ビジョン策定の趣旨」についての中でございますが、子どもたちや学校の現状分析の表現につきまして、修正をいたしました。1ページの中段ぐらいでございます。「しかしながら」から始まった段落でございますけれども、「自ら伸びる力をもちながら、それが十分に育成されない現状が現れてきています。便利で豊かな社会、人々の価値観や生き方が多様化する社会にあって」を追加いたしました。規範意識や学ぶ意欲の低下などの課題の背景にあるものを明確化いたしました。
 また、その下のところでございますが、ちょうど中央付近でございます。「さらに、長い不況下の中で拡大した」を追加いたしまして、ニートやフリーターが拡大した社会的背景を加えてございます。
 さらに案では、いじめ、不登校等の子どもの健全育成にかかわる問題というふうに表現をしておりましたが、不登校は、子どもたち、本心から欲しているものではないのに、これでは不健全と読めて妥当ではないという御指摘をいただきました。もっともなことということで、「不登校等」を「非行等」に改めてございます。
 6ページのほかの箇所につきましても、その趣旨を生かした表現に修正をしてございます。
 次に、3ページをごらんください。ここでは、IIの「三鷹市教育ビジョンがめざす子ども像」としまして、人間力と社会力についてうたっているところでございますが、人間力につきまして、案の段階では、「三鷹市教育委員会では、「人間力」とは、文部科学省が現行の学習指導要領に加えて、「共に生きていく力」をあわせもったものと定義をします」としてまいりました。これに対しまして、生きる力では不十分だから、それにともに生きる力をつけ加えるという趣旨かという疑問が出されました。確かにそのような誤解を生む表現と言えるということでございます。学習指導要領でいう「生きる力」のねらいは、みずから学び、みずから考える力を育成することとともに、豊かな人間性や社会性、国際社会で生きる日本人としての自覚を育成することなどの幅広い内容を含んでおります。教育ビジョンでは、目指す方向をできるだけ明確に表現する必要がありますので、「「生きる力」をより明確にし、「共に生きていく力」を含むもの」と修正をしました。このため、その後に続きます「具体的に言うと」の文章もその文脈で整理してございます。これがこのページの中央の部分でございます。
 次に、6ページと7ページをごらんください。(3)の「基本的な力をつけるための多様な学習機会の提供」の項でございます。案で示しておりました望ましい勤労観、職業観をはぐくむ機会の提供とアントレプレナー教育(企業教育)の推進。この2つの施策につきましては、いずれもキャリア教育として望ましい勤労観、職業観をはぐくむためのものということで、このことをよりわかりやすくするために、1つの文章に整理し直してございます。6ページの一番下の行から7ページの上3行にかけてでございます。
 続きまして、お手元の資料1−2の「「三鷹市教育ビジョン(案)」に対する市民の意見(概要)と教育委員会の考え方」につきまして御報告をさせていただきます。
 今、修正点について御説明をさせていただきましたので、重複するところにつきましては避けさせていただきます。1ページ、2ページにつきましては、御説明、御報告をさせていただいたところでございます。3ページの三鷹市教育ビジョンの基本方針のところをごらんいただきたいと思います。基本方針に対します市民からの主な意見といたしまして、学校運営と学校経営の文章表現について、経営という視点を強調することは、採算やむだが問題となり、効率化が要求され、落ちこぼれが切り捨てられることにつながるという心配。校長先生の権限が拡大するのかといった質問が寄せられておりました。
 教育委員会の考え方といたしましては、学校経営とは、学校という組織目的の実現に向けて、責任を持って、主体的かつ効率的に組織を動かしていくという趣旨で使用しており、創意工夫により、特色ある教育活動を展開するためには、学校の権限が強化され、運営から経営への転換が必要であることから使用したこと。自律と責任のある学校を実現することで、教育の充実を図れるものと考えており、子どもたちの教育に企業の営利主義や競争を持ち込む趣旨ではないということにつきまして、回答させていただいております。
 3ページの下の「安心と信頼のある学校」につきましては、5ページをごらんいただきたいと思います。主な意見といたしまして、現行の6・3制を崩して、9年間を1つの校舎で生活する必要性、また、小学校と中学校では、根本的にカリキュラムが違うのに、一貫カリキュラムにすることへの意義、小・中一貫教育にすることがエリート教育につながるなどの意見がございました。
 こういったことから、現在三鷹市が取り組んでおります小・中一貫教育校につきまして、まだ誤解されている部分もあるということで、小・中一貫教育校の学習効果、現行の6・3制を崩さずに学習指導要領の範囲内で教育活動を行う意義につきまして、教育委員会の考え方を説明してございます。
 7ページをごらんいただきたいと思います。にしみたか学園の実践と検証にかかわりまして、にしみたか学園の検証がすべて終了していない段階で、小・中一貫教育校を全市展開することへの批判。現場の声を十分聞きながら検証するようになどの意見がございました。教育委員会の考え方といたしましては、現在、教育委員会で検証委員会を設置しており、検証に当たっては、現場の教員からのヒアリングや、保護者、児童・生徒からのアンケート調査を実施し、成果、課題、改善方法等について、十分に検証していくことについて、説明させていただいております。
 9ページをごらんいただきたいと思います。特別支援教育にかかわりまして、特別支援教育にもっと重点を置いてほしいとの意見がございました。教育委員会として、今年度中に策定をいたします三鷹市特別支援教育推進計画を踏まえまして、重点化していくことについて回答してございます。
 10ページの「自律した学校」のところをごらんいただきたいと思います。主な意見といたしまして、校長にかなりの権限が与えられることへの危惧や学校運営協議会の導入により、教員の人事権の行使や学校運営協議会委員の選出基準の明確化、児童・生徒や教員も構成メンバーに入れてほしいなどの意見がございました。教育委員会の考え方といたしましては、学校運営協議会は、法に定められた制度で、校長が作成した学校運営の基本的な方針等を承認し、教員等の人事に関する意見を述べることができるという、委員にとっては一定の権限と責任を持つものであり、校長も、独断で学校運営を行うことができず、校長の権限は適正に実施されるものであること。また、協議会委員の選出基準や構成メンバーにつきましては、三鷹市教育委員会が定めた三鷹市公立学校における学校運営協議会に関する規則に基づきまして、校長が地域の人や有識者を推薦して、教育委員会が任命し、教員の代表も入ることができること。児童・生徒や教職員の声は、協議会委員との懇談会、学校評価などのアンケートで反映させていくことができることなどにつきまして、回答してございます。
 14ページをごらんください。14ページの「地域と共に創る学校」につきましては、学校が使用していない施設を地域に開放していくより、部活動など、学校に通学している児童・生徒の生活を充実させてほしいという意見がございました。教育委員会といたしまして、学校の持っている教育資源を家庭や地域の学びの場として提供し、学校は家庭や地域と一体となり、ともに学び、ともに成長するためのコミュニティの拠点とするという考え方でございますが、当然ながら、部活動や学校行事が最優先されるということについて、回答をさせていただいております。
 同じく、14ページの「情報共有のためのモニタリングシステム」につきましては、情報共有のためのモニタリングのシステムは管理と統制の強化につながるようなシステムで、特色ある学校をつくるために、学校間の競争につながる危険性があるという意見がございました。この点につきましては、質の高い教育を提供するためには、計画、実施、点検、改善といった一連のサイクルを実施する上で、必要な情報をいつでも、保護者、地域、住民等から収集し、活用できるシステムを構築していくことが必要であると回答してございます。
 15ページ以降の教育ビジョン全般につきましては、教育ビジョン策定に当たり、教育基本法を遵守すること、教員の声を反映させること、教育現場の忙しさを改善して、教職員が安心して子どもたちに授業ができる条件を整備することなどの意見がございました。
 教育委員会の考え方としましては、この教育ビジョンは、教育基本法を初めとします現行の法制度のもとに作成をしておりまして、教育ビジョンに盛り込まれた施策の実現に当たっては、保護者や地域、教員の声を反映させながら進めていくこと。また、子どもたちを取り巻くさまざまな教育課題が学校に集約されている現状において、学校だけですべてを解決することには限界がありますので、地域が学校を支えるコミュニティ・スクールを導入することによって、このような課題への対応策の1つとして考えていると回答しております。
 今後、作成をしました教育ビジョンにつきましては、主な修正点を広報みたかに掲載するとともに、教育ビジョン全文とパブリックコメントの結果を教育委員会のホームページに掲載してまいります。
 以上が教育ビジョン(案)に対する市民からの意見の概要とその意見に対する教育委員会の考え方でございます。
 それでは、続きまして、学校運営協議会の設置について御報告をさせていただきます。お手元の資料2をごらんいただきたいと思います。
 1ページから5ページまでが第四小学校、6ページから10ページまでが第七中学校の学校運営協議会にかかわる会則等の資料でございます。地方教育行政の組織及び運営に関する法律第47条の5第1項、三鷹市公立学校における学校運営協議会に関する規則第3条の規定によりまして、平成18年10月6日に学校運営協議会を設置する学校として、第四小学校と第七中学校を指定いたしました。なお、指定に先立ちまして、東京都教育委員会と協議をした結果、指定をしようとする協議については異議がないとの回答も得ているところでございます。
 指定をした理由としまして、まず第四小学校でございますが、平成12年度から教職員一丸となって学校、家庭、地域社会が連携をした参画型コミュニティスクールとして、子どもたちの生きる力や夢をはぐくむ夢育の学び舎の実践に取り組んできております。年間延べ2,300人の教育ボランティアによりまして、多様な学習及び授業の質の向上が図られているところでございます。
 また、第七中学校につきましては、第七中学校区の小・中一貫教育校の早期開設を目指しまして、小・中学校の強固な連携、地域と一体となった学校づくりを推進し、小・中学校の合同授業の推進、地域人材の積極的な活用、地域行事への積極的な参加に取り組んでいるところでございます。
 両校につきましては、平成12年度から学校運営連絡会を設置いたしまして、地域住民等の意向を学校の運営に的確に反映し、一層地域に開かれた、信頼される学校づくりに取り組んでまいりました。平成18年度は、文部科学省のコミュニティ・スクール推進事業の2年間の委嘱を受けまして、学校運営協議会の円滑かつ効果的な運営について研究を進めているところでございます。このたび、研究とあわせまして、コミュニティ・スクールとしての一層具体的な取り組みを推進するために、学校運営協議会を設置する学校として指定したところでございます。
 両校の指定期間につきましては、規則第3条第4項の規定では4年以内となっておりますが、研究の委嘱の終了する平成20年3月31日までとしております。
 なお、規則第10条の第2項に規定されております教職員の人事に関する意見具申につきましては、今年度はその内容について研究することにとどめ、平成19年度の人事異動について実効性を行使することはございません。
 両校の学校運営協議会を実際に運営して、研究を進めた成果につきましては、来年度設置を予定しております、にしみたか学園の学校運営協議会の運営に生かすこととして、にしみたか学園に先んじて指定することといたしました。
 現在のところ、両校ともに9人の委員で構成されておりまして、第四小学校では協議会に4つの部会、第7中学校では3つの部会を置いて、両校は既に2回の協議会を開催いたしまして、会則の決定及び正副会長の選出、校長が作成した基本的な方針等の承認、各部の活動計画等を決定いたしまして、具体的な活動を進めているところでございます。
 学校運営協議会の設置についての報告は以上でございます。
 次に、ウ、いじめ対策の強化につきまして御報告をいたします。お手元の資料3をごらんいただきたいと思います。今までも、いじめ問題を初めとします健全育成につきましては、各学校を指導してきたところでございますが、他県等におきまして、いじめによりまして、児童・生徒がみずから命を絶つという痛ましい事件が相次いで発生していることに伴いまして、三鷹市教育委員会では、このことを真剣に受けとめ、1ページから2ページにかけてございますように、10月4日以降、いじめの根絶に向けての取り組みを強化しているところでございます。いじめは決して許されないことであり、また、どの学校にも、どの学級にも、どの子どもにも起こり得るものであるという基本的認識に立って、各学校とともに進めている取り組みを一層徹底しているところでございます。
 いじめ問題に関します実態調査についてでございます。2ページと4ページのところに集計したものがございます。いじめ問題に関する実態調査につきましては、これまでも毎年3回、市内の小・中学校の教員を対象にいたしまして、各学校がいじめ問題や不登校等についての実態調査を行ってまいりました。教員を対象とした調査では、各学校におけるこれまでの実施状況を総点検しまして、現状や課題等について把握しておりますが、教員を対象として調査するだけでは児童・生徒の実態等を十分に把握し切れないということが懸念されるところでございまして、4ページにございますような調査を実施したところでございます。
 まず11月11日の自殺予告に対応いたしました緊急調査についてでございますが、11月9日から10日にかけまして、全小・中学校の全児童・生徒を対象に、友達からとても嫌だと思うことをされたり言われたりしていないか。また、質問で、いじめられていると答えた子どもには、どんなことがあったか、だれに相談したかを記入する欄を設けまして、子どもが1人で困ったり悩んだりしていないかを把握できるように調査いたしました。そこにございますように、調査の結果、特に深刻と学校が判断した件数は、既に学校が把握していた事案も含めまして、小学校で11件、中学校で9件という結果になりました。これらの事案につきましては、現在、指導中のものもございますが、改めて個表によって状況を把握しましたところ、これらの解決を困難にしている要因としまして、いじめられている子ども自身がコミュニケーションをとることが得意ではない。気持ちや考えを表現することが得意ではない。状況に応じた言動をとることが苦手であるなどといったこと。また、学校を休みがちで、継続した指導が徹底できないこと。さらに、保護者が状況を十分理解できずに行動したことによって、事実に対する指導が複雑化してしまっていることなど、さまざまな要因が複雑に絡み合って、解決を困難にしている状況が見られることがわかっています。
 また、11月21日から27日にかけまして、ことし4月から11月までの期間で、継続的に受けた言葉でのおどかし、冷やかし、からかい、持ち物隠し、仲間外れ、集団による無視等々につきまして、自分自身がいじめられたこと、いじめたこと、友達のいじめを見たことについて、全児童・生徒から詳細な調査を実施いたしました。その結果、自分がいじめられていると感じていることが今も続いている小学生が879人、11.3%、中学生が201人、6.9%。自分がいじめていると感じている小学生が169人、2.2%、中学生が53人、1.8%。友達がいじめられていると感じている小学生が748人、9.6%、中学生が192人、6.6%という結果になりました。現在、詳細な分析を進めているところでございますけれども、この速報値から見てみますと、いじめられたと感じている子どもの割合と友達がいじめられていると感じた子どもの割合が数値的に近いということがわかったところでございます。友達がいじめられていると感じたとき、自分がどう行動すればよいのかを指導する必要性を示しているととらえているところでございます。
 これらの調査をもとに、各教員が事実関係を把握いたしまして、いじめに遭った子どもを守ることを最優先にしながら、再発防止に向けた指導を行い、現在も継続的に指導しているところでございます。
 5ページをごらんいただきたいと思います。いじめ問題の根絶につきましては、学校、家庭、地域社会が連携をして、いじめの問題に対応することが重要でございます。このため、校長会代表、指導主任会代表、スクールカウンセラー代表、PTA代表、指導室、総合教育相談窓口の職員から構成いたします三鷹市いじめ問題対策会議を設置いたしまして、学校、家庭、地域社会に向けてのいじめ問題解消のための提言をまとめてまいります。
 提言の内容としましては、いじめの未然防止に関すること、いじめ問題に関する指導のあり方に関すること、いじめ問題の解決に向けた学校、家庭、地域社会の連携に関すること、その他いじめ問題の根絶に向けての必要な事項につきまして、学校、家庭、地域社会に向けて発信したいと考えているところでございます。12月25日の午後4時から第1回目の開催を予定しております。
 各学校では、これらの提言を踏まえまして、いじめ問題の未然防止、早期発見、早期対応に関する組織的な対策、対応の指針を策定するとともに、生活指導等の改善にかかわる計画を年度内に作成しまして、公表してまいります。


◯施設課長(吉岡則明君)  行政報告のオになります。にしみたか学園三鷹市立第二中学校体育館実施設計の概要についての報告でございます。この実施設計の基本的な方向性につきましては、去る10月13日付で各委員さんには資料を送付させていただきまして、報告させていただいております。本日の報告につきましては、その後、より具体的な施設計画について検討し、また、学校関係者、学校長、PTA、同窓会等々、説明会を開催いたしまして、御意見を伺いながら取りまとめた実施設計の内容についてでございます。
 まず、初めに配付してございますにしみたか学園の第二中学校の建てかえ工事の実施設計の図面、表紙を入れますと5枚になりますが、まず1ページをお開きいただきたいと思います。こちらは配置図でございます。方位は、右側が北方向になります。ピンク色に塗ってあるところが既設の体育館、校舎等でございます。計画している敷設場所につきましては、図面左側下、オレンジ色の斜線が入っている箇所になります。構造及び階数につきましては、鉄筋コンクリート造、一部鉄骨になりますが、階数は2階建て、競技場、アリーナ部分については、1階で、吹き抜けとなっているという状況です。高さにつきましては、最高高13メートル、かまぼこ型の形状の屋根にしております。有効の高さ10メートルを確保している状況でございます。建築面積につきましては、1,285.74平米、延べ面積が1,530.22平米でございます。既存の体育館につきましては、右側のピンクのところになりますが、競技場、舞台、トイレ、更衣室などを含めまして、約720平米の広さがございますので、おおよそ規模的には2倍以上の延べ面積ということになります。
 説明会を行いまして、保護者の方や学校関係者から要望が幾つか出ております。紹介させていただきますと、まず、にしみたか学園3校の全生徒が入れるような面積にしてほしいという御意見。また、公式のできるバスケットボールコートなどを確保してもらえないかということ。それから、ミーティングルーム等を設置してほしい。4番目に、男女別のトイレを設置してほしいということで、これにつきましては、現在、古い体育館等については男女共同のトイレがあるという学校もありますので、そうしたことから、こういう要望があったということです。それとあと、校庭内に緊急車両が通行可能な配置にしてほしいという形で要望が出されております。そうしたことで、この配置を計画いたしました。
 また、この設計に当たっては、教育委員会としましては、3つのコンセプトを設計に反映させていただいています。教育環境の場の確保、機能を持たせるものが1つ。2つ目は、地域防災の拠点としての機能を持たせること。3つ目に、地域スポーツの活動の場としての機能を持たせる。この3つをコンセプトとしまして、設計にかかっております。
 続きまして、2枚目をお開きいただきたいと思います。こちらについては、1階の平面図でございます。黄緑色の部分は競技場、アリーナ、及びグリーンの舞台、ステージ、そして、トイレ、更衣室、廊下、倉庫などを配置してございます。まず黄緑色の競技場でございますが、広さは783.7平米。約1,200人が収容できる広さということで、設計をしてございます。この広さにつきましては、にしみたか学園、4年生から9年生、いわゆる高学年の児童・生徒が式典等で一堂に収容できるような面積ということで、確保しています。また、バスケットボールの競技の公式の広さを確保し、またバレーボール2面、バドミントン4面。こちらについては、ソフトバレーも4面、できる広さがございます。その他の施設としましては、玄関ホールのほか、エレベーターの設置、また、だれでもトイレの設置、また更衣室には、車いす対応のシャワー室を設けるなど、バリアフリーの対応も配置しているということでございます。また、体育倉庫につきましては、茶色でお示ししてございますが、屋内用と屋外用の2カ所を確保してございます。
 1階の平面は以上です。
 次に、3枚目をお開きいただきたいと思います。こちらが2階の平面図になります。アリーナにつきましては先ほど申し上げましたように吹き抜けになっております。舞台の2階部分には、放送室及び管理準備室という、教員、先生が待機する施設を設けております。それから、ピンク色の会議室でございますが、こちらについては、1、2を設けておりまして、この会議室はパーテーションで間仕切りをしておりまして、使用用途によっては、1つの会議室として、また間仕切りをすべてスライドして、廊下を含めた、広いホールとして使用するなど、多目的に対応できるような格好をしてございます。
 また、黄色い廊下部分につきましては、ちょうど下側の東側に点検歩廊がございますが、反対側の廊下側にも点検歩廊を設けるように一般的にはなっているわけですが、そこの用途を観覧場所としても転用できるということでのスペースを確保していまして、こちらについても、詳細な説明会を行った段階で、保護者、市民の方から、もっと拡大して、このような観覧できるスペースをつくってほしいという要望がございましたので、こういう計画としております。
 2階の部分については、以上です。
 最後のページ、これは断面図になります。こちらは、ごらんになっていただければわかりますが、こちらは、南北方向に切った断面図でございます。それから、下の部分については、東西方向に切った部分の断面図でございます。
 以上が、にしみたか学園第二中学校の体育館建てかえ工事にかかわる実施設計でございまして、今後は、この設計に基づいて、基準法に規定されている手続のほか、関係条例等の審査を受け、来年度の工事に向けて取り組んでいきたいと考えております。
 以上でございます。よろしく御理解をお願いいたします。


◯委員長(田中順子さん)  今、ア、イ、ウと来まして、エの特別支援の方が後になりまして、今、オのにしみたか学園の実施設計についてお話をいただきました。時間も12時を少し回っております。皆様にお諮りといいますか、ア、イ、ウとオを今、御説明いただいたということで、一括の説明を今いただいているところですけれども、ここで一たん休憩をとらせていただきまして、1時再開で、改めて次のエ、カ、キについて御説明をいただいて、その後質疑に入るという形をとらせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 休憩いたします。
                  午後0時05分 休憩



                  午後1時00分 再開
◯委員長(田中順子さん)  それでは、委員会を再開いたします。教育委員会からの行政報告の続きでございますが、カの天文台構内古墳についてに移らせていただきます。よろしくお願いいたします。


◯教育委員会事務局教育部生涯学習担当部長(山本博章君)  天文台構内古墳の調査状況につきまして、報告させていただきます。本調査は、古墳の築造状況、古墳の規模、周溝の確認等を目的として実施されたものでございます。まず資料6の4ページのA3の紙をお開き願います。このA3の図面が概略図ですけれども、ここに書かれています西側周溝、北側周溝、東側周溝、それからAという部分を今回調査しました。戻っていただきまして、2ページ目の写真をお開き願います。2ページ目は、墳丘内にある石室を正面から撮った写真でございまして、ことしの2月に調査しまして、既に報告させていただいたものでございます。この墳丘の周りを今回は追って調査したものでございます。
 次の3ページ目をお開き願います。3ページ目のAという上の写真ですが、これが先ほど4ページ目の墳丘の一番上を、Aという側から、矢印側から撮ったものでございます。この調査に基づきましてわかったことは、この写真の下の方に黒い土が長方形状であると思います。これは墳丘を、古墳をつくる前からの土でございます。この上に、焦げ茶とか薄い茶とか、しま状になっていると思いますが、ここの部分が、人工的に古墳時代に積み上げられたという土の層をあらわしております。
 次に、この下になりますが、この下の部分につきましては、4ページ目のBの部分ですけれども、墳丘側から撮った写真です。これにつきましては、掘った跡のところの層が見えるかと思いますが、この層につきましては、古墳の周りから流出した土が堆積したものです。このことからわかりますことは、要するに古墳時代の土が周溝に堆積していたというものでございます。この周溝は、周溝から墳丘とかに土を盛るとともに、ここが小さなお堀のような役割も果たしているというものでございます。
 今回のこの調査でわかりましたことは、周溝を見ていただければおわかりになるかと思いますけれども、いわゆる方墳と言うんですけれども、土台の部分といいますか、下の部分は四角い形をしているのではないかと。さらに上の部分がどうなっているか、丸なのか、上の方も四角なのかというところが、今後の調査にまたれるところでございます。
 資料6と書いた1枚目に参考までに戻らせていただきますが、これにつきましては、八王子市にあります北大谷古墳と真ん中にあります府中の武蔵府中熊野神社古墳、それから、天文台構内古墳、これが一直線に結ばれているということで、このことがどういう意味を示すかということは、まだなぞの部分もございますけれども、今後の調査、研究にまたれるところかなと思います。ただ、同時代につくられているというところから、何かの意味づけがあるのかなという期待も持たれているところでございます。
 天文台古墳の調査状況については、以上でございます。


◯委員長(田中順子さん)  続きまして、キの社会教育会館アスベスト除去工事について、お願いいたします。


◯教育委員会事務局教育部生涯学習担当部長(山本博章君)  社会教育会館のアスベストの工事について、調査状況及び工事について御説明させていただきます。まず、お手元の資料7をごらん願います。
 資料7については、分析結果について、それから、社会教育会館の工事箇所についてお示しさせていただいたものでございます。まず経過報告についてですが、9月下旬に屋上の防水工事の必要性を職員が検討中、職員が屋上の機械室に吹きつけアスベストらしいものを発見いたしまして、至急調査の必要があるのではないかということで、10月2日にアスベストの分析調査及び空気中のアスベスト粉じん濃度測定を業者に依頼いたしました。その依頼の結果、資料7の一番上にございます、11月8日にアスベストの分析調査結果を受領いたしまして、その中に、ここにも書いてありますように、吹きつけ材内のアスベストの含有分析結果ですが、23.5%という結果が出ました。さらに11月14日に、3枚目ですが、空気中の濃度本数が0.5本未満ということです。空気中のアスベストの含有については、1が基準ですので、それ未満ということがわかりました。
 このような結果、工事をするということで、至急対応しまして、予算を流用いたしまして、3月にアスベストの除去工事を行うという決定に至りました。3月に工事を行うということにつきましては、暖房機の機械室の除去工事なものですから、暖房機関係をとめることによって市民の方へ不自由をかけないために、3月に行うというものでございます。
 なお、このような結果が、前の段階の調査、平成16年度に行った調査で発見されなかったのはなぜかというところが問題になりますけれども、前回の調査では、設計の図面に基づきまして、アスベストの使用について調査を行ったわけですけれども、結局屋上の部分について、図面上明記がされていなかったということで、調査対象から漏れてしまったということでございます。工事箇所につきましては、4枚目になりますけれども、屋上の機械室部分になります。約15平米強になります。アスベストの除去面積は35平米となっております。
 最後のページになりますが、これは南側から見た除去工事箇所を示したものでございます。


◯委員長(田中順子さん)  以上で説明を一たん終わらせていただきます。
 それでは、今御報告いただきました6項目について、質疑に入りたいと思います。


◯委員(谷口敏也君)  教育ビジョンなんですけれども、私も、知り合いの子どもと同学年の保護者の方といろいろ話をしたり、こういう教育ビジョンが今策定されているので意見を出してくださいと言って、直接市側に送った方もいれば、私の方に送ってくれた人もいるんですけれども、おおむねそんなに悪いことはあんまりなくて、むしろ、よくつくってくれたとか、あるいは、これをどう生かしていくんですかというのが多かったんですけれども、ここで策定されて、実際の運用とか、先ほど市民に対する広報としては、広報に全文載せるとかというのがありましたけれども、どこかでこの教育ビジョンについての発表会というか、これをもとにこういうふうに三鷹の教育は進んでいくんですよみたいなことを知らせる文章だけではなくて、できれば、教育長の思いなどが伝わるようなことも必要なのかなと思うんですけれども、その辺の計画はどういうことを計画されているのかお伺いしたいと思います。
 それと、いじめ対策なんですけれども、今回の議会、本会議でも多くの議員の方が質問されていたんですけれども、私は監査なので一般質問できないので、ぜひ教育長に聞きたいと思ったのが、貝ノ瀬教育長が四小の校長時代は、どう把握されて、どういう対応をされていたのかなと。現場を経験されている教育長なので、その辺の現場の声というか、実体験を聞きたいなと思っていたので、お伺いします。四小は、前々から不登校ゼロということをよく耳にしていたので、いじめに関してはどうだったのかなということをお伺いしたいので、その辺のことをお聞かせください。
 アスベストなんですけれども、先ほどの御報告ですと、9月の下旬に見つかって、見つけられなかった理由が、図面上明記されていなかったということなんですが、2年前、かなり大々的になって、アスベストとPCBという問題は、議会でも大分問題になって、調査して、一件落着ではないですけれども、もう見つからないだろうということで落ちついたと思ったら、またこういうことがあったわけなんですが、図面上に明記されていなかったということは、実際の建物を目で見て、全部調べたわけではなくて、図面上で判断して、ここは使っていそうだということで、前回の調査は終わられたのでしょうか。


◯教育長(貝ノ瀬滋君)  まず教育ビジョンについてお答えさせていただきます。今後どう生かしていくかということでありますが、これにつきましては、例えば新年度の三鷹市教育委員会の教育目標、教育委員会の基本方針等を毎年更新して、その年のニーズ、時代に合ったものを策定して、お示ししながら教育活動を進めていくという指針がつくられているわけですが、これは教育委員さんと協議して決めるわけでありますけれども、えてして、それぞれの見識で議論していたところがございますけれども、今後は、教育ビジョンがベースになりながら、教育委員さんの御見識を加えながら、深い教育目標、基本方針がこれから提示できるのではないかと思っています。そのように活用していきたいと思っております。
 また、何らかの組織を内部に設置いたしまして、具体的な、特にゼロ歳から15歳までの対応につきましては、市長部局との相当な連携や相互理解が必要ですので、これにつきましては、既に非公式にはいろいろ検討に入っているんですが、正式に委員会でも設置して、具体的に対応策を考えていきたいと考えています。
 また、御提案の発表会のようなもの、いろいろな形があると思いますけれども、今流で言えばフォーラムみたいな形で何かできないかなということで、考えておりますので、その節はまた御協力をお願いしたいと思っています。
 いじめ問題については、第四小学校の校長時代の取り組みでございますけれども、これは、ほかの校長先生方ともそんなに根本的に違うことはないと思いますが、少なくとも第四小学校では、御承知のように、地域と連携して、地域の皆さん方が学校に週平均、延べ人数で二、三十人、年間2,000人以上の方が出入りするということでありますので、毎日が授業参観ですので、そういう学級での問題行動、またはいじめ等がありますれば、必ず担任の先生以外の多くの目でキャッチされて、担任の先生、または学年主任の先生、生活指導主任の先生等に連絡が行く。別にこれは監視機関として入っているわけではないんですけれども、広く健全育成、子どもたちをみんなで育てていくという意味では、そういう事態が生じたときに、黙っているとか、放っておくわけにいきませんので、よりよく解決していくためには、そういった方々の御意見も必要ですので、そういうものをいただきながら、早目早目に対応していたということがございます。
 また、これはほかの学校でもやっていらっしゃると思いますけれども、教育相談部会とか、職員会議はもちろんですけれども、スクールカウンセラーがすべての学校に配置されておりますけれども、その方たちとの意見交換会などがあります。カウンセラーの方は、特に個人情報などがあったり、プライバシーがあって、十分配慮してくださっておりますけれども、そこの問題をクリアしながら、早目に対応しなければならないものについての情報をいただいて、具体的に対応を図るといったことがございました。
 もう一つは、これは校長会等でも今後強くお願いしていきたいと思っているのですが、自治的な活動ですね。小学校では児童会、中学校では生徒会と言いますが、そういう自治的な組織ができていて、そこでさまざまな自分たちの問題を解決していく、そういうものが相当昔からあるんですが、学習指導要領上もちゃんと明記されておりまして、特別活動という領域で、学級会の話し合いなんかもそうなんですけれども、そういう自治的な活動が活発に行われなければならないのですけれども、えてして、狭い意味の学力中心主義が今はびこってきまして、そういうものがおろそかにされているという傾向にあるのではないかと思います。ですから、そういうものを復活させて、自分たちの問題は自分たちで解決させるという当事者意識を持って、自分たちの問題を解決していく。これはイギリスやノルウェーでも成功しているんですけれども、こういうことに力を入れていきたいと考えております。
 それから、アスベストの問題でありますけれども、これは御指摘のように、図面上明記がされていなかったということが、すなわちないと考えるのは早計であったと思います。すべて図面上の確認と同時に、目視といいますか、実際に足を運んで目視して、ちゃんとチェックするということが必要だったわけでありますが、まことに申しわけないことに、1カ所だけ見落としてしまった。大変申しわけなく思っております。私としては、大変申しわけないという気持ちでいっぱいで、早速対応を図りたいと思っております。


◯委員(谷口敏也君)  いじめに関しての対応というのは、私も大人の目が多くあった方が効果があるのかなという気がしますので、それには、コミュニティ・スクールというのも1つの解決策になるのかなと思います。ただ、今は昔と違って、他人の子をしかれる大人が、私も含めてなんですけれども、いないじゃないですか。コミュニティ・スクールになって、地域の先生みたいな形で入っていたとしても、それがどれだけできるのかなということを考えると、うまくいくのかなという気もします。今、四小でも進んでいるコミュニティ・スクールの中でも、子どもとの接し方というか、いじめに関して、何か教育委員会の方で、コミュニティ・スクールで先生として入ってくれるボランティアの先生たちにアドバイスするなり、あるいは、発見した場合にこうしてくださいとか、疑いがある場合にはこうしてくださいとか、そういった協議はされているのでしょうか。先生だけでは限界があると思うので、そういった地域の力は必要だと思うんですけれども、取り組みをお伺いしたいと思います。
 それと、アスベストなんですけれども、正直、こうなるともう1回、今まで調査していなかったところも調査してもらわないといけないでしょうし、また、アスベスト以外のPCBについても、また調査漏れがあるのではないかという、疑いの目ではないですけれども、そういう感覚になってしまうので、早急に対応ということでしたら、ぜひほかのところも含めて、漏れのないように対応していただきたいと思います。
 それと、9月の下旬にそれらしきものを発見して、10月に調査をしたということなんですけれども、きのうの生活環境部の報告だと、生活環境部の方に報告があったのが12月ということなんですが、役所の危機管理体制の甘さなのか、教育委員会と市長部局との縦割りではないですけれども、そういうところの弊害なのか、前回議会とかで問題になったときに、早急に報告、連絡をするということをたしか徹底していたのではないかと思うのですが、その辺の報告がおくれたというのは、意図的にではないでしょうけれども、危機管理体制が甘いのではないかということになるのですが、その辺はどうしておくれたのでしょうか。


◯社会教育会館調整担当課長(狩家雅昭君)  環境対策課には、吹きつけアスベスト材が屋上にあるかもしれないということで、その時点で、9月の下旬、一度口頭で報告はさせていただいております。それと、12月になってから報告ということなんですけれども、アスベストの除去計画ということを仕事として立てる、そして、それを広報するということが環境対策課の仕事であるということを私は理解しておりませんでしたので、その除去計画の追加という形の報告をさせていただいたのが、12月に入ってからという形になってしまったということで、これは私が理解していなかったということが原因で、大変申しわけなく思っております。


◯教育長(貝ノ瀬滋君)  いじめ対応でございますけれども、おっしゃるように、コミュニティ・スクールが設置されていく中で、いじめの問題も、多くの目で発見をし、また、子どもたちが先生には相談しにくいようなことも、地域の方や市民の方がお入りになっているということで、接点が持てるわけですので、先生とは違った形でもって相談を受けるということもあるかもしれませんし、どちらにしても、いじめ等の問題行動については、いい方向にいくだろうと思っています。また、第四小学校でも、そういうふうにいい方向にいく実績を積んできていますので、これは間違いないと思っています。
 ただ、大事なことは、ボランティアの方々や市民の方々に対して、特にいじめ問題についての対応についての話し合いなり研修等は、正直に申し上げて、今のところは一切やっておりません。今後は、いじめの問題だけに限りませんが、子どもへの対応の仕方、児童理解、生徒理解の仕方とかを含めて、学校に入っていただく方たちに、ただ入ってくれればいい、手伝っていただければいいということではなくて、健全育成に手助けをいただくわけですので、そういった一定の研修等を考えなければいけないということは御指摘のとおりでございます。
 ただ、基本は、コミュニティ・スクールもそうですし、地域の子どもは地域で育てるという、開かれた学校づくりのベースになるのは、先生も、地域の方も、市民の方も、みんなオープンマインド、開かれた気持ちで、人の子どもも自分のうちの子どもも、みんな同じようにおおらかに接しながら、子どもを育てていく。また、我が子が注意を受けても、素直に受け入れられるとか、人のお子さんに対して注意しても、お互いに了解し合えるような、そういうオープンマインドな気持ちが、コミュニティ・スクールという推進の中で育っていくものだと思っています。これは、地域の方だけではなくて、先生もそういうふうになってもらわなければいけませんので、その点につきましては、研修も重ねながら、オープンマインドの精神を定着させるような対応を図っていきたいと思っています。


◯施設課長(吉岡則明君)  1番目に御質問がございましたアスベストの関係で、もう一度調査をしなければならない、早急に対応をということでございますが、情報として御説明するのですが、9月1日の改正で、労働安全衛生法の施行令、石綿障害予防規則の中で、これまで1%であったものが0.1%以上ということで、規定が変わっておりまして、今後、これは厚生委員会の方で具体的に調査方法については報告をするということになると思いますけれども、再度調査をするということになろうかと思います。その辺で、図面調査を含めて、教育長が申し上げましたように、目視等も積極的に、適正に進めていく形で検討していきたいと思っています。


◯委員(杉本英騎君)  アスベストの件については、今質疑があったので、繰り返しません。そういう方向でよろしくお願いします。
 次に、中学校の建てかえの問題なんですけれども、新しくできるということで、関係者の方も、子どもたちも大変喜んでいます。うちの娘もバスケ部なので、卒業してしまうので間に合いませんが、公式試合ができるということで、非常に喜んでいます。そういう中で、当然予算の問題があるのですが、地域のスポーツということもそうでしょうけれども、地域スポーツ、地域防災、教育活動が重点ということですが、教育活動というふうに考えた場合に、ここの学校施設というのが、先ほど来からの議論と関係しますが、地域の中での学校ということで、地域の行事に使っていくだとか、地域との連携をする取り組みに使っていくという役割が大いに期待されるのではないかと思います。先日、1日家庭教育学級がにしみたかでありまして、二小で音楽の発表会が行われました。教育委員会からも柴田部長と深谷課長に来ていただきました。二小の吹奏楽と二中の吹奏楽、井口小の合唱と二中の合唱が、ある意味で初めて一堂に会して、プロの方も招いてコンサートをするということで、総勢105人の大合唱オーケストラというか、そういうのがありまして、非常によかったのですが、当初の予定から過ぎて、2時間45分ぐらい、3時間近く、二小のすき間風の体育館の中でやったわけです。これは初めての取り組みなわけですが、その子たちの発表の場も保障するという教育的な価値もあるでしょうし、特に合唱とかオーケストラというのは、1人だけうまい子がいてもだめなんですね。ソロでやる場合はいいかもしれませんが。要するに、みんなと調和してやる。ワン・フォー・オール、オール・フォー・ワンではないですけれども、みんなで協力してやるという意味では、すごく教育的効果がありますし、いじめ問題への対応ということにもつながっていく教育効果のあるものであると思うし、それがそのまま地域の人たちが参加するなり、これはにしみたか音楽祭として続けていけないかみたいな声が出ていました。こういうことは、音楽を通じて教育的効果もあるし、地域の人も参加する。地域の保護者の人も、バンドとかあったら、参加してもいいわけですね。そういう取り組みをしていく際に、寒いんですね。本当に寒いんです。前、井口小で演劇発表会がありました。あれも日程の都合で冬になったんですけれども、寒くて。わかっている人は、毛布とかを持っていくんですけれども、お年寄りなんか、寒くて、自分の子だけ見たら、さっさと帰っちゃう。最後の6年生まで見ると、参加している人の半数以上が涙を流すという感動的なシーンが毎回あるんですけれども、そういうような状況ですから。全校に冷暖房完備をした体育館とは言いませんけれども、今回これから冷暖房という話にはならないと思いますが、冬期の暖房施設をそれぞれの体育館に設置するような取り組みはできないのかなと思いました。二小の場合は、二小のPTAが、大きな業務用の石油ストーブを独自に持っているんです。PTAの会費で買ったんです。それはやっぱり、そういうことを重視したという二小のPTAの姿勢だと思うのですが。それは二中にもないし、井口小にもないことですけれども。そう考えると、例えば3校なら3校で、持ち回りでもいいわけですね。二小には2基あるんですね。それをできればもう1基ぐらいふやそうかと言うことをおっしゃっていましたけれども、そういうような対応を図っていくというか、それもPTAだけにお願いするのではなくて、体育館の冷房までは言いませんが、床暖房ができないのであれば、そういうことも教育委員会として考えていく必要があるのではないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。


◯施設課長(吉岡則明君)  設計の段階では、委員さんがおっしゃるように、冷暖房も検討いたしました。ただ、経費的なことを考えると、費用対効果というか、そういうものがあります。各学校にあります既存の体育館は、確かにすき間風の出入り等が結構あって、寒いという状況になっています。三中、高山、新しい体育館等については、ほとんど密封されておりますので、温暖関係はクリアされているという状況になっています。今の委員の御質問は、暖房施設よりも、設備だと思いますが、こちらについては、今現在も各学校に暖房器具等は配置していますけれども、持ち回りという部分がありますので、これについては、各学校に暖房機を購入するという形で検討していきたいと考えております。


◯委員(杉本英騎君)  最初からやれれば、それにこしたことはないのですが、そこまでわがままというか、ぜいたくになるのかどうかわかりませんが、言いませんが、そういう措置というのを、小さなストーブではだめなんですが、業務用のそれなりのものを設置していただくということで、対応を図っていっていただければ、地域の取り組みが、場所的にも保障されていくのではないか。そうでないと、冬期の事業というのは、子どもたちが体育をするのだったらまだいいです。私も中学のときは、雪国でしたから、雪の中、暖房も何もないまま、はだしで柔道とか剣道とかやらされましたから。地域とのことを考えれば、当然必要な措置ではないかと思うので、来年度予算にどう反映されるかどうかわかりませんが、よろしくお願いしたいと思います。


◯委員(伊藤俊明君)  何点か質問させていただきたいと思います。順番は前後しますが、アスベストの話がさっきございましたね。9月1日に改正されて、基準が一層厳しくなりましたよね。ということは、もう一度全部調査をし直すということなんですか。その点の対応だけお聞きしたいと思います。
 あと、天文台の古墳に関しましても、非常に貴重なもので、古代のロマンというか、見学させていただいて、思いをはせたのですが、ぜひこういうものはこれからも残していってもらいたいし、また見せてももらいたいしという、非常に複雑な……。見せれば傷むという問題もありますが、今後の予定というんですか、これがどのように、また埋め戻すらしいですが、それとか、観光資源にと言っては失礼なんですが、これだけのものなので、どうにか保存しつつ、市民にも公開できるようなシステムをと思いますので、その辺の東京都との話し合いだとか、今後の経過とか、三鷹市の考え方についてお聞かせください。
 あと、にしみたかの体育館も、どうせつくるならと言ったら失礼なんですが、確かに行事としてとか、防災とか、これからいろいろな意味で必要だと思いますので、エリアの大きさはしようがないと思いますが、冷暖房だとか防音とか、近くに家が建ったりいろいろすると、問題も出てきてしまうと思いますので、特に冷暖房とか防音とか、あと使い勝手がいいような形で、地域の要望を入れて、どうせつくるなら、いいものをということでお願いしたいと思いますので、その辺をお聞かせください。
 あと、いじめの対策に関しましても、教育長も、現場をよく御存じで、今のお話を聞いても、確かにコミュニティ・スクール自体が全三鷹の小・中学校に普及した暁には、本当の意味でのいじめがなくなるのではないかと心底思えるのですが、今の状況、そこにいくまでの間には、いろいろな問題が生じてしまうのではないかと思います。現に数字でも、いじめの問題が出ておる状況を考えますと……。いじめ対策の委員会、その中に各小学校校長とか、中学校校長を初め、何人かおられて、12月25日が第1回なんですか、ということで、対策会議の設置期間を31日までとするということで、報告書を出したら解散ということなんですか。それとも、もっとこれからも、いろいろな意味で大事なことだと思いますので、これからもずっとというか、その内容にもよりますが、公共的な組織として当分必要ではないかと思いますので。
 それと、子どもたちの意見を聞くという意味でも、今までは先生からの聞き取り調査を、今度は子どもたちにということは、すばらしいと思うんですね。子どもたちの意見を吸い上げるという意味でも、こういう会議にも、夜の会議はもちろんできないですが、児童会の代表とか、生徒会の代表ではないですけれども、そういう方も、子どもたちの代表という形で、いきなり大人たちの中では気おくれしちゃうと思いますが、何かそういう子どもたちの……。このアンケートにおいてもすばらしいとは思うのですが、より一層子どもたちの意見を反映させられるようなシステムができればなと思うのですが、その辺のお考えをお聞かせください。
 あとは、学校運営協議会の設置に関しましては、四小、七中ということで、取り組み方も、非常に順調にいっているなと思うのですが、あとは、これからもほかへの広がりというんですか、今後の取り組みをお聞かせください。
 あと、三鷹市の教育ビジョンの策定に関しまして、これは本当によくできているのではないかと思いますので、これをいかに現場の教職員の皆さんたちに浸透させるための方策というか、取り組みに関してもお聞かせください。


◯施設課長(吉岡則明君)  1番のアスベストについて、今後すべての施設の見直しをするのかということですが、前回調査をした結果と、それから、今回法律が改正された部分と、その辺を調整しながら、再度調査をしていくということで、灰色部分についても調査をしていきたいと検討しています。具体的には、厚生委員会の方で報告していくということになるかと思いますけれども、調査方法については、そちらの方で検討していくということです。


◯教育委員会事務局教育部生涯学習担当部長(山本博章君)  天文台古墳の今後の保存ないしは活用方策についての展望についてお答えさせていただきます。先ほども報告させていただいた内容も含めまして、今回の調査では、坂詰立正大学名誉教授を委員長とした調査団を組みまして、その中で、今後の方向性についていろいろ議論されました。その調査団の報告に基づきまして、先ほどもちょっと触れさせていただきましたが、より古墳の形を明確にしていくことがまず先だろうと。明確にした後、天文台内には、アインシュタイン塔を初めとしたさまざまな貴重な文化財があります。それらも含めた形で、保存活用について考えていきたいと思っております。


◯施設課長(吉岡則明君)  にしみたか学園の体育館の建てかえについての市民等への意見を聞いてということでしたけれども、説明会等については、学校関係者については3度ほど、体協、住協、家庭婦人バレーボール協会等々、個別と含めて説明会を開催しております。その都度、図面等をお示ししまして、意見を伺って、設計に取りかかったということでございます。
 それから、暖房の件につきましては、先ほど杉本委員さんの御質問にお答えしたとおりでございます。今後、使用方法等については、学校と地域のスポーツ団体等と協議をした上で、学校教育に影響のない範囲内で開放していくという形になろうかと思いますので、よろしくお願いします。


◯指導室長(里吉武仁君)  御質問いただきました三鷹市いじめ問題対策会議の件でございます。12月25日初回ということで、現在、準備を進めているところでございます。今後の取り組みといたしましては、年度内中は、対策会議の中で具体的な提言をまとめて、家庭、地域、学校に発信をしてまいりたいと思います。今後につきましては、それを今度具体的に実践をしていくための何らかの委員会、組織等を考えまして、学校として、地域として、いじめ根絶に向けた取り組みをできるような組織も今後検討してまいりたいと考えております。
 それから、子どもたちの意見を聞くシステムをということでございますが、この点につきましても、基本的には、各学校でいじめ問題につきましては、未然防止、早期発見が基本ということでございますので、教職員と児童・生徒、教職員間、あるいは保護者、さまざまな取り組みの中で、子どもたちの通常考えていることも十分学校の根絶の中に取り入れてまいりたいと考えております。今回調査を実施いたしましたが、今後、さらに同じような調査を実施して、この推移がどんな状況になるかということも見ていく必要があろうと考えているところでございます。
 それから、学校運営協議会の今後の設置の取り組みでございますけれども、今年度四小と七中を指定いたしまして、来年度につきましては、にしみたか学園の3校と、残りを合わせまして、今の予定では14校を来年度中に新たに学校運営協議会を設置する学校として指定していくということで、各学校が準備しているところでございます。
 それから、教育ビジョンの具体的な今後の施策等の取り組みについての御質問でございますが、小・中一貫教育校の全市展開・拡大につきましては、このビジョンの中で示されたような方向で進めてまいりたいと考えておりますし、今年度11月にネットワーク大学推進機構と連携を図りまして、みたか教師力養成講座という、インターンシップの1つの方法として取り組んだところでございまして、今後、こういった形で、教育ビジョンの中に示されたものを具体的な施策として、先ほど教育長からも申し上げましたように、教育委員会の教育目標、基本方針等の中にきちんと位置づけて、実施してまいりたいと考えております。


◯委員(伊藤俊明君)  前向きな御答弁をいただきましたので、大体はいいのですが、あと、いじめのことだけもう1点お聞きしたいのですが、いじめに関しても、未然防止で、早期発見されることはもちろん一番大事なことでありますが、いじめた側に対しての指導というか、もしわかった場合、どのように行うとお考えなのか。いじめた側への教育的指導というか、罰則というか、どのようにお考えなのか。
 あと、いじめ自体が、小学校と中学校では変質してきていると思いますので、小学校でのいじめと中学校のいじめはどのように違っているという形で分析なさっているのか。今、いじめられている方の声をとか、相談窓口としてもいろいろな手段を講じていただいて、特にこの名刺型の、非常にこれはいいアイデアだなと思って感心している次第ですし、これに関して、非常に皆さんが心を砕いてというか、取り組んでくださっている様子がひしひしとわかりますので、本当にありがたいなと思います。特に近年は、今のコミュニティ・スクールのように、いろいろな方に開放されて、学校に入ってくることによって防ぐこともかなりの部分できると思うのですが、ただ、メールだとか、個人に返ってからのというか、陰湿ないじめも幾つか報告されていますよね。そういう点に対してまではなかなか難しいとは思うのですが、そういう個人個人になっていったときのいじめに対しての防止策というか、お考えをお聞きしたいと思うのですけれども、よろしくお願いします。


◯指導室長(里吉武仁君)  いじめている子どもたちに対しての指導ということでございますが、基本的にはいじめは絶対に許されないという毅然とした態度で子どもを指導しまして、まずいじめをやめさせるということが一番だと考えております。その次には、いじめられている子どもたちの気持ちに注目させまして、いじめることが相手をどれだけ傷つけて、苦しめているのかということにも気づかせていく必要があると思います。さらに、いじめている子ども自身に対しましても、状況によりましては、いじめてしまう、そういった気持ちというものも理解できるところがあれば、そういったところも十分聞き取って、心の安定を図って、教師との信頼関係をつくっていくといった指導も、いじめている子どもについては必要だと思いますし、学校でもそのような指導をしていただいているところでございます。
 小・中学生のいじめの分析についてでございますが、今のところ、細かいところまでは分析はしておりませんけれども、小学校低学年、中学年、高学年、中学校と上がるに従いまして、いじめ自体の深刻さといいましょうか、発達段階に伴いまして、集団の活動の質も高まってまいります。例えば小学校の低学年の子どもたちの様子などを見てみますと、いじめられている子どもに対して、「いじめはやめなさいよ」とか、自分がいじめられていれば、「やめて」と言える人間関係にあるわけでございますけれども、中学年になると、集団をつくって、その集団の中での自分自身の位置を求めてくる状況がございます。今回の調査をさらに分析して、ここら辺についても、それぞれの子どもたちの発達段階ごとに、委員さん御指摘のように特徴があると思っておりますので、発達段階ごとの特徴を踏まえたいじめの指導についても、学校の方に指導してまいりたいと考えております。
 それから、子どもたちが家庭に戻って、あるいは、個人、個々の状況でのいじめの防止につきましては、先ほども申し上げましたけれども、学校と家庭と地域ぐるみで子どもたちを守るんだといったことをそれぞれの子どもたちに自覚させ、さらに、学校の教育活動の中で、教師と子ども、子ども同士、教師同士の信頼関係をしっかり熟成していく中で、いじめは許されない、それから、いじめられたら毅然と自分で注意もしたり、報告もして、根絶に向けていく姿勢をとれるように、子どもたちの気持ちを高めていきたいと考えております。


◯教育長(貝ノ瀬滋君)  いじめの問題については大変根深くて、小・中一貫教育校が即、すべていじめがなくなるというものではないということは、御質問者の御指摘のとおりであります。本市も独自にいじめ調査をして、分析をしておりますので、今後明らかになってくると思いますけれども、小学校でのいじめが中学校でも引き続いて行われているというケースは、以前からも指摘されているところなんですね。一たんやんでも、中学でまた再燃をしたりとか、また小学校でいじめがあって、指導がされて、おさまった。しかし、同じクラスにはしない方がいいという小学校の段階で、先生方がそう考えていたとしても、うまく接続がされていないと、中学でまた同じクラスになって、また発生する。これはいじめに限らないんですけれども。相性というのもありまして、いじめまでいかなくても、難しい人間関係になっていくということも、また再燃するということもあるんですね。しかし、そういう意味でも、小学校と中学校が接続して、先生方がオープンに親しく交流されていれば、そういうこともないわけですけれども、今までは、えてしてそういうことも多かったということですので、そういう意味でも、小・中一貫というのは、指導面についても、大変大事だと。生活指導の面でも、大事であるということは言えると思います。
 いじめの指導は、いじめる子は、私の経験でも、説諭とか、時には大きな声を出すときもありますけれども、ただやっぱり一喝しても、これは心理的な問題、心の問題も含んでいますので、その場では一たん涙を流して反省したとしても、数時間後には、またそういう気持ちが起きてくるということが多いんですね。ですから、これは時間をかけながら、指導していかなければいけませんし、保護者、親の方の御協力も得ないと、なかなかうまくいきません。えてして、いじめっ子の場合は、親御さんは、「うちの子はそんなことない」と大体おっしゃるんですね。「うちではそんなことない」とおっしゃるんです。納得してもらうのがまず難しいところでありまして、そういう意味でも、学校での子どもたち一人一人の、例えばいじめている子の行状について、きちんとメモをとっているとか、記録をとってあるとか、ほかの子の証言だとか、具体的なものをもって親御さんに接しませんと、むしろ人間関係を悪くするような、信頼感をなくすようなことも発生し得るんですね。ですから、軽々な対応ではなくて、しっかりと、担任1人ではなくて、学年の先生方、生活指導担当の先生方と一緒にチームを組んで、そういう問題に対応していくということが必要になってくると思います。
 最終的には、これは理論的な面ですけれども、難しいということになれば、出席停止とかということも、今の法制上もできるんです。ただ、現実にそれを実行した学校は日本国じゅうほとんどないわけですけれども、それをするような段階は、警察の御厄介にならなければいけないような状態でしょうから、むしろ、出席停止ということになるよりも、犯罪として対応していくという方がいいかもしれません。その方がその子にとっても教育的にかえっていいということもあり得ますよね。ですから、そういうことも含めて、先生方や親御さんともよく相談して、そのためにどうあったらいいかということを考えながら、いじめている子に対しても、同じように教育的な見地で、総合的な対応をしていかなければいけないと思っています。


◯委員(伊藤俊明君)  もう1点なのですが、いじめのアンケートをとるときに、どういう形でとったのかなと思って。ただ、これに該当するものに丸をつけてという形なのか、それとも、いじめの例とか、命の大切さとかを話したときにというか、それとともにこういうアンケートをとっているのかとか、このアンケートの結果を今後の道徳の授業とか、どういうふうに生かそうと思っているのかということをお聞きしたいです。


◯指導室長(里吉武仁君)  実は11月11日の自殺の予告をした対応のときに、東京都教育委員会、文部科学大臣もそうなんですけれども、緊急のアピールを出されました。11月11日以前の段階で、すべての小・中学校で、全校集会、あるいは学年集会等を実施しまして、緊急アピールの全文を校長あるいは担任が読み上げまして、いかに命の大切さ、いじめ問題のむごさといいましょうか、悲惨さについて指導してございます。それを受けまして、今回の11月20日過ぎに実施したものにつきましては、各学級単位で、学級の中で、学級担任のもとに記名式の調査を実際したということでございます。特に小学校低学年の児童につきましては、指導室の方で、各担任に説明用のマニュアルをつくりまして、同じような状況で指導できるようにということで、実施をしたところでございます。各学校から届けられます「学校だより」等を拝見しましても、各学校ごとに調査の集計をしたものをもとに、校長が、子どもたち、あるいは保護者に対して、いじめ防止についての考えも述べておりますし、これに伴っての道徳の授業、あるいは学級会活動もそれぞれ実施されているというのが現状でございます。


◯委員(伊藤俊明君)  いずれにしましても、子どもたちが楽しく学校に通えるようによろしくお願いいたします。


◯委員(森  徹君)  それでは、教育ビジョンのことで、本会議上でも質問させていただいたのですが、パブリックコメント、広報に出されてから約1カ月ちょっとありましたよね。ここには、住所、氏名、電話番号と。氏名を書くとなっているものですから、今回のパブリックコメントで無記名で寄せられた意見というのはあるのでしょうか。先ほど話にありました、31人、84件ですか、これは名前を書かれた方だと思います。それ以外、無記名というのがあったのかどうか。あったとすると、その扱いはどうなっているのか。先ほどの中に生かされているのか、どうなのか、これをお聞きしたいと思います。
 それから、このビジョンを策定するといいましょうか、ビジョンをつくろうというきっかけはどこにあったのでしょうか。また、これは教育長の発案なのでしょうか。教育ビジョンについてお聞かせください。
 学校長のリーダーシップの問題で、これは本会議上でも御答弁いただきましたけれども、これが強過ぎますと、いろいろ心配もあると思いまして、リーダーシップに際して、配慮するといいましょうか、気をつける点は何か教育長としてお考えがあったらお聞かせいただきたいと思います。
 あと、小・中一貫の問題で、検証のところで、アンケートをとるとなっていますね。アンケートとともに、例えば意見交換会、小・中一貫、最初の段階で、1年間延期されて、その中で相当ピンポンをやられましたよね。ここの意見交換会というのは、生の声がそこで出されるという点で非常によかったと思うんですね。1つの手法として、アンケートというのは非常に大切だと思うんです。アンケートだけではなくて、意見交換会が小・中一貫の検証ということでは重要ではないかなと思いますが、いかがでしょうか。
 それから、いじめの問題で説明がありましたが、青少協の場で、六中でしたでしょうか、具体的な例が出されましたけれども、この方は、具体的な相談の件数に入っているのでしょうか。また、具体的にこの対応はどうなされているのか、この点をお聞かせいただきたいと思います。


◯教育長(貝ノ瀬滋君)  まず、教育ビジョンの発案とおっしゃいましたか、これはどういうきっかけでというお話でございますけれども、これは、教育委員さんとの協議会等の中で、三鷹市には、市としての基本計画、基本構想があるわけですけれども、その中でいろいろなところに教育の問題、子どもの問題がたくさん載っているわけでありますけれども、十分整理されてはいますけれども、教育委員会として、私たち教育委員会がやれること、やるべきこと、そして、ただ行き当たりばったりではなくて、長期的な見通しを持って取り組んでいくということからも、基本計画との整合性を図りながら、三鷹市の教育の理念といいますか、未来のたいまつが必要ではないか、そういう話の中から出てきたことでございます。
 それから、校長のリーダーシップが強過ぎるのではないかというお話ですけれども、リーダーシップは、今の法制上も校長先生の権限というのは大変大きなものがあります。でも、私に言わせますと、十分制度の中で力を発揮してないと思っています。やるべきことをやっていないと思っています。ですから、これは新しく何か特別に、現行法を超えて、学校をリードして変えていく、そういうふうなリーダーシップは想定していません。そういうのはリーダーシップと言わないと思います。一定の総意を踏まえながら、正しい理念に向かって、着実に実現に向かって、人々をリードしていくというのが正しいリーダーシップだと思います。よく自由が行き過ぎるとかと言いますけれども、自由というのはあってもいいのではないかと思います。それと同じで、リーダーシップというのは、もっともっと十分に発揮されていいのではないかと思います。そういう意味で、正しい方向でのリーダーシップはいいのではないかと、歓迎しております。ただ、行き過ぎというような、違法なことを想定していらっしゃるとすれば、そういうことはあり得ませんし、そのためにも教育委員会が存在しておりますので、私どもは適正に指導していくという立場ですので、そういうことはあり得ない。また、コミュニティ・スクール委員会等がこれから順次できていくわけでありますので、その中で、校長先生の方針とか人事構想などについても、コミュニティ・スクール委員会で確認をとらなければいけないという作業が入ってきますから、独断専行はできないわけです。これは三鷹ではありませんけれども、校長先生方の中には、コミュニティ・スクールについては非常に警戒しているといいますか、そういう方たちもいらっしゃるわけです。つまり、枠をはめられてしまうということで、警戒を示されている方もいらっしゃるぐらいであります。そういうぐらいのことでございますので、御理解をいただきたいと思います。


◯指導室長(里吉武仁君)  教育ビジョンのパブリックコメントにつきましての無記名での御意見はございませんでした。すべて記名をいただいております。
 それから、いじめ問題につきまして、青少協で御発言のあった六中の生徒の件でございますが、この件につきましても、個表を学校から提出していただきまして、具体的な指導に当たっていただいているという現状でございます。


◯委員長(田中順子さん)  小・中一貫の中の意見交換会の必要はという御質問。


◯指導室長(里吉武仁君)  小・中一貫教育校の検証委員会の状況につきましては、アンケートのみではなくて、具体的にインタビュー等もしていく予定でございますので、アンケートに加えて、意見交換会を実施することについて、今ここで必ずしますとは申し上げられませんけれども、直接の声は、インタビュー等で、教員、コミュニティ・スクール委員会の委員の代表の方々から直接の声は聞いていくということで、今、対応を考えているところでございます。


◯教育長(貝ノ瀬滋君)  小・中一貫教育校の検証委員会の内容、結果等に応じて、意見交換会はどうかというお話でございますけれども、にしみたか学園は、小・中一貫教育校のモデル校として出発しておりますが、これを着実に成功させていくという意味で、やはり検証が必要だということは、私どもみんな了解していることでございます。この検証は、今のところ大きく三重の構造になっております。1つは、教員自身が行います自己評価とでもいいます学校評価。これはことし始まったことではありませんで、何十年続いておりますけれども、学校評価、自己評価というものが行われています。そして次年度の改善が図られているわけです。2つ目は、外部評価と言われるもので、保護者の方々や子どもたちの意見を取り入れて、評価をしていく。この実施をもう既にやっているところ、小・中一貫教育校でないところでもやっているところがありますが、私のいた四小などでもやって、全部公表しておりましたけれども、こういう外部評価。そして、いわゆる第三者の方々、学識経験者も入った今回の検証委員会。こういう三重構造でもって綿密に検証をしていくというのが三鷹の方式です。ですから、そういう意味では、非常に着実に検証しながら進めていくということでありますが、本来でしたら、教育特区を申請して、今までの制度外のことをやるのであればともかく、今の制度の中でのことですので、そう大げさに考えることもないという意見もあるんですけれども、ただやはり注目される制度でありますので、三重でやっていくということであります。それも全部公表していきます。公表して、市民の皆さん方と検証の内容を共有しながらやっていくわけですが、その際、必要が生じれば、意見交換会等も考えていくということでありまして、今からそういうことを想定しているということではございません。


◯委員(森  徹君)  そういうことも考えて、今後必要があればということだと思いますので、モデルケースということでスタートしていますし、確かに特区ではないにせよ、小学校の教科、子どもからすると選択なのでしょうか、先生からすると担任みたいな、そういう新しいものも導入されていますし、特にいじめの問題なんかを考えますと、担任がいなくなっちゃう時間があるわけですから、新しい要素、子どもの担任の先生とは違う要素が出てきますから、いろいろ状況も変わってきていると思いますので、その点ではしっかりとした検証が必要だと思います。私自身、小・中一貫の当初の段階で、意見交換会に出させていただいて、いろいろ意見が率直に、最初は6年生が向こうに行くというので、大変な騒ぎでしたけれども、そうではなくて、どう教育するのかということから、いろいろ出されてきて、あれは非常にすばらしいやりとりだったのではないかと思いますので、ぜひそういう力を生かしていくということはお願いしたいということで、今、教育長から考えるという方向も一応ありましたので、これはぜひ検討していただければと思います。
 それから、校長のリーダーシップは、やるべきことをやっていないということと言われまして、しかし、一応こういうビジョンの中に文言で書かれますから、やるべきことをやっていないと言うならば、指導という形で対応できるのではないか。それを校長の裁量権の拡大とか、リーダーシップという中で、その文言があるものですから、そのところは気になった部分でして、ここでも行き過ぎがないように、適切な指導ということをおっしゃられたので、ぜひそういうことで対応していただきたいと思います。
 それから、いわゆる外部評価、自己評価という点で、検証の中で、3段階といいましょうか、この中で、慶應大学が文科省か何かの予算でやりますね。あれとの関係、外部評価、これはどういうふうに理解したらいいのでしょうか。これのとの関係なのでしょうか。私自身が十分理解できていないかもしれませんけれども、その点に対する御答弁をお願いしたいと思います。


◯教育長(貝ノ瀬滋君)  慶應大学の文科省からの予算を得ての研究でございますけれども、これは研究でありまして、にしみたか学園を研究対象といたしまして、慶應大学が新しい日本の義務教育学校の1つのモデルになるのではないかという仮説を持って、3年間にわたってにしみたか学園を研究していきたいということであります。ですから、研究の対象として先方は考えているということでありまして、にしみたか学園は、検証の被対象になっているわけでありますが、にしみたか学園として小・中一貫教育校を進めていくという実践の主体はにしみたか学園にありますし、管理は三鷹市教育委員会にございます。そういう関係でありますので、研究のためににしみたか学園の実践が曲げられていくとか、そういう御質問ではないと思いますが、それぞれの主体性を持って歩みを進めていく、そういう関係でございます。決して何かあいまいになっているような、にしみたか学園が文科省の研究を進めているという関係ではございません。


◯委員(森  徹君)  わかりました。それとの関係で、関連をお聞きしました。慶應大学がにしみたか学園を対象にしたということで何かお聞きしていることがありましたら、ここで答弁いただきたいのですが。知り得ている状況だけで結構です。いわゆる特区制度ではなくてスタートしたというところからやったのかもしれません。検証を地元でといいましょうか、自己評価、地元も含めて教育委員会がしっかりやると。その中で、慶應大学が進めている調査といいましょうか、研究対象。研究対象の3年間の結果、これは三鷹の教育委員会として、そこから採用するといいましょうか、研究の結果を生かすということが検討されているのか。あくまでも向こうは向こうとして、文科省の予算で研究して、それはそれで終わるという関係なのでしょうか。


◯教育長(貝ノ瀬滋君)  1つ目の、なぜにしみたか学園かということで申し上げますと、これもお話しすると自慢ぽくなるのですが、御質問者も御指摘になりましたように、特区制度を申請せずに、小・中一貫教育を進めている。それも、基盤をコミュニティ・スクールに求めている。こういう義務教育の学校は全国でないんですね。にしみたか学園だけなんです。そして、三鷹市はこのモデルを全市展開しようという考えでいます。そういうこと自体が非常にユニークではあるのですが、同時に汎用性が高い。つまり、合築型ではありませんので、地方の都市部でも、お金がかからずに小・中一貫教育校が進めやすい。でも、私どもは別に、お金がかからないということを前提にしながら始めたのではなくて、それぞれの学校の独自性、特色、個性を維持しながら、小・中一貫教育を進めるということで、結果的に連携型になっているわけでありますけれども、これ自体が非常に汎用性が高いと認めてくれているわけです。
 そういうことで、にしみたか学園に注目していただいて、研究対象としたいと。これを日本の新しい義務教育の1つのモデルとして提起できないかというふうに慶應大学は考えてくださっているわけであります。そういう研究が3年間続きますけれども、私どもが注目しているのは、その中で、モニタリングシステムといいますか、地域の皆さんや保護者の皆さん方の小・中一貫教育校に対するいろいろな思いとか、批判も含めて、そういう評価をいち早く学校の改善や学校運営に生かしていく。そのことについて、慶應大学なりのシステムを持っておりまして、考え方も持っておりまして、それをもし参考にできるならばということで御提案もいただいているわけです。そういう意味で、私どもも、その辺について勉強しておりますけれども、本当に三鷹に合うかどうかということも含めて、研究しております。そういうことがございますが、3年間続きますけれども、研究の内容によっては、いいものは取り入れていきたいと思っています。それも含めて、検証委員会等で検討していくということになるということであります。


◯委員長(田中順子さん)  ほかに御質疑ございますか。よろしいでしょうか。
 それでは、今、他の委員会に御出席いただいた説明員の方にお戻りいただきました。
 それでは、一たん休憩させていただきます。お座席等を御調整いただいて、改めて再開させていただきますので、よろしくお願いいたします。
                  午後2時30分 休憩



                  午後2時35分 再開
◯委員長(田中順子さん)  それでは、文教委員会を再開させていただきます。
 行政報告のエに移りたいと思います。三鷹市特別支援教育検討委員会報告書についてを議題とさせていただきます。報告、よろしくお願いいたします。


◯学務課長(石渡 裕君)  それでは、私から、10月6日付で教育長の方に提出されました三鷹市特別支援教育検討委員会報告書につきまして、A3判の裏表の概要版を使いまして、御説明させていただきます。
 御存じのとおり、特別支援教育の検討委員会につきましては、平成17年7月から平成18年の10月まで、計10回にわたり開催されております。また、そこのもとに置かれました専門部会でも、6月から7月にかけて、10回にわたって集中的な討議をしてきたところでございます。その中で、三鷹市教育委員会が目指す特別支援教育のあり方と今後の方策などについて議論をし、10月6日に報告書が取りまとめられたということでございます。
 本報告書は、全体が4つの構成になっておりまして、第1、第2、第3ということで、第1につきまして三鷹市の特別な教育的支援を必要とする児童・生徒の現状と課題、第2で、三鷹市における特別支援教育に関する現状と課題、第3で、特別な支援を必要とする幼児、児童・生徒に関係する部署における支援の現状と課題という3つの部分と、それから、第4のところでありますけれども、三鷹市教育委員会が目指す特別支援教育のあり方と今後の方策ということで、4つの項立てになっているところでございます。
 1から3につきましては、以前の文教委員会で報告させていただいておりますので、今回は第4の部分につきまして御説明させていただきます。
 まず概要の1ページ目でございますが、こちらにつきましては、特別支援教育のあり方と今後の方策の概要が書かれているところでございます。1つは、三鷹市の特別支援教育は三鷹市教育ビジョンに基づき、乳幼児期から就労に至るまで、一貫性のある支援体制を構築し、展開するとしております。2つ目は、新しく対象になった軽度の発達障がいを有する児童・生徒だけではなくて、学習や学校での集団生活、人間関係に対する適応が困難な児童・生徒も対象とするとしております。また、3つ目に、総合教育相談窓口を初めとした、各関係機関が保護者とともに、共通理解を深めながら有機的な連携のもとに特別支援教育を進めていくことが必要であると述べているところであります。そのため、三鷹市の特別支援教育につきましては、1つ、一人一人の教育的ニーズにこたえる特別支援教育、2つ、小・中一貫教育で推進する特別支援教育、3つ、総合教育相談窓口が支援する特別支援教育、この3本の柱で推進するとしております。
 2ページ目をお開きいただきますと、こちらの方には、一人一人の教育的ニーズにこたえる特別支援教育について記載しているところでございます。発達に課題を有する児童・生徒への教育的支援を実現するために、学校においては、児童・生徒の学習面や生活面における実態把握を行い、個別の指導計画、個別の教育支援計画を立てて、継続的・系統的な指導を行っていくとしております。また、通常の学級では、学習環境の整備を行うとともに、担任教員を補助する形で支援する特別支援教育ボランティアの育成を提案しているところでございます。通級におきましては、通常の学級が在籍校として主体性を発揮して、通級指導学級での指導を通常の学級でも有効に生かしていくこと。固定の学級では、通常の学級との交流、また共同での学習を推進する、進路指導についての充実を図るとしております。
 また、こうした一人一人の児童・生徒を支援する学校の体制づくりが大切ですので、校長先生がリーダーシップを発揮して、組織を生かして、特別支援教育を推進する。また特別支援教育コーディネーターの育成を初めとした教育の研修の充実ということをしております。
 右側の3ページでございます。小・中一貫教育校で推進する特別支援教育について述べておりますけれども、三鷹市の特別支援教育は、市の最重要課題でありますコミュニティ・スクールを基盤とした小・中一貫教育校に位置づけられまして、義務教育9年間を一貫して支援していく。また、乳幼児から義務教育終了後においても、障がいのある人や家族をコミュニティ全体として支え合い、助け合うシステムの構築を目指すとしております。中学校区を単位として特別支援教育コーディネーターを中心とした支援システムの検討のほか、心身障がい学級につきましては、通常学級を支援するセンター校的な機能を発揮していくこと。また、心身障がい学級の計画的な配置を行っていくとしております。コミュニティの中では、学校は、保護者や地域の住民に対する啓発を行うとともに、特別支援教育ボランティアの協力や支援を呼びかけます。また、都立の盲・聾・養護学校と連携して、交流活動や副籍事業を行っていくとしております。
 次に4ページを開いていただきますと、3番目の柱として、今年度開設しました統合教育相談窓口が支援する特別支援教育について記述をしているところでございます。総合教育相談窓口は、必要に応じて、福祉、医療、療育、保健等々との連携を図り、ゼロ歳から18歳までのライフステージに応じた支援を行うことの必要性について述べているところです。関係機関の連携による地域支援連携協議会の設置の検討や各中学校区に同一のスクールカウンセラー、また巡回相談員の配置を行い、中学校区ごとに学習指導員をきちんと配置するなどの検討について述べているところでございます。また、総合教育相談窓口は、各関係機関と連携して、公立小・中学校と関係機関の窓口としての役割を果たすと同時に、個別の指導計画や個別の教育支援計画を保護者の了解のもとに機関から機関に確実に引き継ぐ体制の整備を行う必要があるとしておるところでございます。
 以上が報告書の概要でございます。教育委員会では、この検討委員会の報告書を受けまして、三鷹市の特別支援教育について、平成19年4月から本格的な実施ということで、どのように実施していくのかをまとめる特別支援教育の推進計画について、現在策定作業を行っております。原案がまとまりましたら、改めて御報告させていただくとともに、市民の皆様に対して、皆様からのパブリックコメントを求める予定でございます。パブリックコメントの御意見をいただきながら、来年3月末までに推進計画を策定する予定でございますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 また、もう1点、報告させていただきます。先ほど御報告をさせていただきましたいじめ対策の強化についてにおきまして、補足の説明をさせていただきたいと思います。11月1日から11月30日の電話相談対応についてでございます。相談件数は31件ございました。内訳につきましては、こちらに書いてあるとおり、昼間の間につきましては延べ22日間で25件、うち、本人からいじめがあると相談が来たのが4件、また夜間、これは8日間でございますけれども、こちらも、本人からいじめがあると来たのが4件でございました。合計31件の電話相談が昼、夜とありました中で、内容的には、主訴がいじめについては、ほとんど電話対応で済んでいるところでございます。相談員が電話で話す中から、電話をかけてきた児童・生徒が、それでは先生と相談してみますとか、友達と話をしてみたいというような解決がほとんどなされてきていますけれども、学校側に連絡しなければいけない事項につきましては、4件ありましたけれども、それは指導室から各学校に連絡をしているところでございますけれども、すべて各学校で既に把握をしている事例でございました。また、これまで電話相談のほとんどが保護者の方から、特に母親からの電話相談が多かったのですけれども、先般、電話相談カードの配布をした中では、小中学生本人からの電話が、合わせて12件本人からの電話が入っております。全体で31件、いたずらもあったのですけれども、中で12件が本人からの電話ということで、カードを配った成果が一定あったのかなと思っております。


◯委員長(田中順子さん)  ただいま項目エにあります、三鷹市特別支援教育検討委員会の報告書についてということで御報告をいただきました。また、改めまして、先ほどウのいじめ対策の強化についての総合教育相談窓口の電話相談の実績について御報告をいただきました。
 それでは、この項目につきまして、御質疑をいただきたいと思います。


◯委員(杉本英騎君)  一般質問でも、基本的なところをやりましたので、重複しないようにはしようと思うのですが、今ちょっと話がありましたけれども、位置づけは、検討委員会の報告書なんですよね。とはいいながら、検討委員会の委員に各それぞれの教育委員会を初め、福祉等々のそれぞれの責任ある方というか、入っていますよね。健康福祉部から何人も課長さんとか室長さんとかも入っていますし、そういう意味では、特別支援教育に関連するところは全部入っているわけなんですが、具体的な中身になりますとですね。ところが、実際の検討委員会の専門部会になると、ほとんど教育現場の人たちが中心になってつくっているんですね。この報告書を見ますと、教育委員会に関連する部分、ゼロ歳から18歳のライフステージを支援するといいながら、事実上、義務教育9年間のところは、具体的なことも含めて提言をされているのですが、それ以外のところになると、連携を図るとか、体制が必要だとか、検討を要するとかということで、教育委員会が実際やる9年間の部分に比べると、具体性に欠ける面があると率直に思うんですね。これは一般質問で質問しましたが、要するに、障がいを持っている子ども、発達障がいとか、つまずきを持っている子どもたちを一貫して支援をしていく、そういう部署はないんですよね。湖南市は発達支援室というのがあるわけですけれども。就労の方はまだ取り組みの途中ですから、今の雇用の実情からすると、障害者自立支援法の関係でも、なかなか難しい面がありますけれども、でも、責任を持っていこうという体制をつくって取り組んでいるところなので、そことの関係が、引き継ぎだとかということが当然必要なのですが、小・中一貫でもそうでしたけれども、小学校は小学校、中学校は中学校で、小学校は6年間責任を持つけれども、中学行ったらどうなったかよく知らないとか、中学は小学校はどうなっているか知らないというのは、一貫したシステムの中で、お互いの交流だとか意識の違いだとかというのがあって、スムーズな接続というか、引き継ぎをしていこうというシステムをつくっているわけですよね。そうすると、この報告書ですと、教育委員会としての取り組みのさまざまなことはわかるし、課題もわかるのですが、システムとしての一貫性という面については、課題が残るのではないかと思うのですけれども、それは今後、どういうふうに市長部局の方と、そういう意味でも連携をとりながら、一貫したシステムとしての体制をつくっていくのかということをお聞きしたいです。
 あとは、この間、いろいろ問題になっていたのですが、これは湖南市に行って1つは勉強になったのですが、要するに、幼稚園、保育園との連携という問題がどうしてもありまして、それはここにも課題として書いてあるのですが、保育園の場合は、保育園そのものが全部公設ですから、民営もありますけれども、基本的に公設ですから、私立の保育園もありますけれども、かなりの部分、それなりの体制がとれていると思うのですが、幼稚園については、全部民設民営という状況で、湖南市の場合は、公立も私立も両方あるんですね。全園を集めて特別支援教育を幼稚園でやっていくに当たって、発達支援室が中心になって、指導員を毎年配置しているんですね。その幼稚園の人たちが全部集まって、ことしはここの幼稚園がこれだけ必要ですということを現場の人たちが納得ずくでやって、それを予算を上げて、配置をしているという状況があるんですね。逆に幼稚園の方からしても、今、3歳児から保育をやっていますから、大体の民間の幼稚園は障がいのある子は、みんな面接でぱんぱん省いちゃって、受けないんですね。三鷹は保育園とかでは一生懸命やってくださるところがありますけれども、そうでないところは、面接で落としちゃうというところが結構多いんですけれども。しかしながら、3歳ですと、発達障がいのある子も入ってくるわけです。どうしても対応が必要になる。対応が必要になるけれども、市の方の支援がなければ、合わないからやめてくださいとやめさせるか、三鷹幼稚園で引き取ってくださいとやるか、というしかない現状もあるわけです。そこがきちんとなっていれば、小学校にも引き継いでいくというか。今、5歳児健診ということが問題になっていますけれども、そういうこともいろいろ出てくるだろうと思います。そういう意味での連携というか、一貫したシステムづくりというか、そういうのをどういうふうに今後展開されていくのかについてお聞きしておきたいと思います。


◯教育委員会事務局教育部長・調整担当部長(柴田直樹君)  特別支援教育に関連して、子ども施策の一貫したシステムというふうに受けとめました。これが本当に今、一番大きな課題というふうに認識しておりますし、また市長部局でも、今、対応をどうするか、組織の見直しの関連で、この点が大きな課題として挙がっております。今のところ、その方向性まで詰めていける状況にはございませんが、これから検討委員会の報告書を教育委員会としての推進計画にする際には、今後の組織のあり方についての展望を市長部局とも十分協議した上で、一定の考え方をまとめていければと考えております。
 また、幼・保・小との連携につきましても、今まで具体的に進んでおりませんでしたので、これについても、一定の具体的な施策の方向づけを今、検討しております。特別支援教育も含めて、小1プロブレム対策も含めて、三鷹市が目指すのは、ゼロ歳から15歳、そして特別支援教育では18歳までの連携ということでございますので、トータルに一貫したシステムをどう構築するかの検討を推進計画の中で市長部局と連携しながら取り組んでまいります。今の段階では、そういうところでお答えさせていただきます。


◯委員(森  徹君)  4ページから5ページにかけての心身障がい学級の現状と課題というところなんですが、私も議会で取り上げさせていただいて、ことし、くすの木学級でしたっけ、ここを読んでみても、それができたけれども、まだ解消されていない。東京都の中でも、1.59倍ですか、三鷹が多いということになっております。くすの木ができるまでも、教育委員会の現状分析の中で、つくらなければならないということがあって、何年ぐらいだったでしょうか、かなりの期間、なかなかそれができないで、ようやくくすの木ができた。よかったなと思ったら、こういう状況で非常に大変だと思うのですが、こういう現状認識で、また同じような状況にいくというのは非常に困ると思いまして、こういう現状と課題の上に立って、どういうような検討をされているのか、お聞かせいただければと思います。


◯学務課長(石渡 裕君)  心身障がい学級の現状についての御質問でございます。こちらに書いてあるとおり、確かに三鷹市では割合的には多いと見えますけれども、東台小学校のくすの木、そして、平成19年度には第六中学校に障がい学級を開設する中で、少しずつですけれども、きちんと整備を進めていっているところでございます。今後も、心身障がい学級の整備のあり方について、推進計画の中で十分検討させていただきたいと考えております。


◯委員(森  徹君)  そうしますと、今のところ、まだ具体的に検討されているとかというところまで、まだ踏み込めてないということでしょうか。もう少しお聞かせいただければ。


◯教育委員会事務局教育部長・調整担当部長(柴田直樹君)  この検討報告書では、中学校区単位に充実を図っていくという考え方を出しておりますので、この考え方を踏まえながら、財政事情を考慮して、着実に進められるように努めていきたいと思っております。


◯委員(杉本英騎君)  今の答弁があったのであれなんですけれども、これは検討委員会の報告書ということで、外部機関に出した報告書ではないですよね。あくまでも市の内部なり、教育委員会の内部で出したわけですから、それはほかの、例えば教育ビジョンなんかとか、あるのかもしれませんが、いわゆる第三者に報告してもらったというのは、できることがあれば、取捨選択してやるということになるわけですが、基本的には、内部で職員がかかわってやっているわけですから、それはいつどの時期に実現するかどうかはあると思いますけれども、基本的にこの方向でやるということは間違いないわけですよね。これは報告書だから、これはできませんと言ってばっさりということはないんですよね。そこだけ確認しておきたいのですが。


◯教育委員会事務局教育部長・調整担当部長(柴田直樹君)  これも職員の自由な討議の中でまとめてきております。これを政策化するというのが推進計画でございます。したがいまして、これは市のトップの施策の選択というフィルターを通す必要がございます。それと財政状況と総合的な判断の中で、これの推進計画の取りまとめがされていきますので、教育委員会だけで推進計画を取りまとめることはできませんので、先ほど御答弁しました、市としてのシステムの一貫性も踏まえて、これからの取り組みを市長部局と協議した上での取りまとめをさせていただきます。


◯委員(杉本英騎君)  システムではそうなっていくだろうと思うのですが、自由な議論といっても、好き勝手に何でも言いたいことを言ってもいいという話ではないわけですから、それなりの責任ある部署の人たちがそれなりに現場でやりながらつくられてきた報告書なわけですから、要するに検討委員会の報告書をもとにして推進計画をつくっていくということになるわけで、ここに書かれている提言なりを最大限具体化、実現化する方向で推進計画をつくっていき、またトップ、教育長とか、市の経営のトップとやっていくという方向なり意気込みでいらっしゃるというふうに理解してよろしいのでしょうか。


◯教育長(貝ノ瀬滋君)  基本的にはそのように考えておりまして、三鷹市特別支援教育検討委員会の報告書の考え方を最大限尊重してまいりたいと考えております。


◯委員長(田中順子さん)  以上で質疑を終了してよろしいでしょうか。
                (「異議なし」と呼ぶ者あり)
 それでは、質疑を終了させていただきます。
 これをもちまして、教育委員会の行政報告を終了させていただきます。ありがとうございました。
 一たん休憩をいたします。
                  午後3時02分 休憩



                  午後3時32分 再開
◯委員長(田中順子さん)  それでは、委員会を再開いたします。
 続きまして、4番目になりますが、管外視察結果報告書について、本件を議題としたいと思います。平成18年度の文教委員会の管外視察結果報告書ということで、正副案をつくりましたので、委員の皆様に確認をいただきたいと思います。
 休憩いたします。
                  午後3時33分 休憩



                  午後3時42分 再開
◯委員長(田中順子さん)  それでは、委員会を再開いたします。
 お手元の文教委員会管外視察結果報告書(案)をもって報告書とすることに御異議ございませんか。
                (「異議なし」と呼ぶ者あり)
 ありがとうございます。それでは、御異議なしということで、そのように確認をさせていただきます。最終日に報告書として提出させていただきたいと思います。
 休憩をいたします。
                  午後3時43分 休憩



                  午後3時44分 再開
◯委員長(田中順子さん)  それでは、委員会を再開いたします。
 続きまして、5の所管事務の調査について、本件を議題といたします。
 三鷹の教育・文化・スポーツの振興策について、本件につきましては、議会閉会中の継続審査を申し出ることに御異議ございませんか。
                (「異議なし」と呼ぶ者あり)
 それでは、そのように確認させていただきます。
 続きまして、6の次回委員会の日程でございますけれども、最終日、12月22日の本会議休憩中の中で委員会を持つということで、よろしいでしょうか。
                (「異議なし」と呼ぶ者あり)
 それでは、そのように確認させていただきます。
 7番、その他でございます。委員の方から何かございますでしょうか。
                 (「なし」と呼ぶ者あり)
 それでは、本日、大変長い文教委員会になりましたけれども、御苦労さまでございました。これで、委員会を閉会とさせていただきます。ありがとうございました。
                  午後3時45分 散会