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平成18年第4回定例会(第1号)本文

                午前9時30分 開会
◯議長(石井良司君)  おはようございます。ただいまから平成18年第4回三鷹市議会定例会を開会いたします。
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◯議長(石井良司君)  これより本日の会議を開きます。
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◯議長(石井良司君)  日程はお手元に配付したとおりであります。
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◯議長(石井良司君)  この際、議会運営委員長より報告願います。
 5番 緒方一郎君、登壇願います。
                〔5番 緒方一郎君 登壇〕


◯5番(緒方一郎君)  おはようございます。議会運営委員会の協議結果を報告いたします。
 11月30日の議会運営委員会において、議長より諮問を受けた会期の設定案及び会期内審議日程案等について協議いたしました結果、次のとおり決定いたしましたので、報告いたします。
 今次定例会の会期については、諸種の状況を勘案し、12月5日から12月22日までの18日間と設定することが妥当であるという意見の一致を見ました。
 さらに、会期内審議日程については、御配付のとおりの日程を審議目標として努力することを確認いたしましたので、ごらんいただきたいと思います。
 以上、本委員会に諮問された事項の協議結果を報告いたします。よろしくお願いいたします。


◯議長(石井良司君)  議会運営委員長の報告は以上のとおりであります。御協力のほどよろしくお願いいたします。
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◯議長(石井良司君)  会期についてお諮りいたします。
 ただいま議会運営委員長より報告がありましたとおり、今次定例会の会期は、本日12月5日から12月22日までの18日間といたしたいと思います。これに御異議ございませんか。
                (「異議なし」と呼ぶ者あり)
 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。
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◯議長(石井良司君)  次に、会議録署名議員を定めます。
 本件は、会議規則第80条の規定に基づき、議長において指名いたします。
 20番 島田甲子三君
 21番 田中 順子さん
にお願いいたします。
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◯議長(石井良司君)  次に、諸般の報告を求めます。
 まず、事務局長より事務報告をいたさせます。


◯議会事務局長(児玉昇治君)  おはようございます。報告事項は1点、議員の派遣についてであります。三鷹市議会会議規則第157条第1項ただし書きの規定に基づきまして、お手元に配付のとおり議員を派遣いたしましたので御報告いたします。
 報告は以上でございます。


◯議長(石井良司君)  次に、市長の行政報告を求めます。市長 清原慶子さん。
                〔市長 清原慶子さん 登壇〕


◯市長(清原慶子さん)  おはようございます。報告事項は、4点でございます。
 1点目は、フランスの全国市長会への出席及びイッシー・レ・ムリノー市への公式訪問についてでございます。
 私は、フランスの全国市長会から、昨年、世界テレポート連合のインテリジェント・コミュニティ世界トップワンとして表彰された三鷹市の情報都市づくりへの取り組みについて、ぜひ分科会で報告してほしいとの依頼を受け、年次総会に招待されました。また、世界テレポート連合から情報都市づくりトップセブンとして一緒に表彰を受け、昨年10月には三鷹市を訪問された、フランスのイッシー・レ・ムリノー市のアンドレ・サンチニ市長から、石井良司市議会議長ともども正式招待を受けました。そこで、去る11月20日から25日まで、石井議長とともにフランスに出張いたしました。
 フランスの全国市長会は、約3万5,000人の市長及びコミューンの首長等が会員である組織で、89回目を迎える本年度の年次総会は、「共和国の中心的存在である市長 日常における重要な役割」をテーマに、現地時間の11月21日から23日まで、パリ市の国際展示場において開催されました。
 21日の式典に続いて、22日には政策分野ごとの分科会が開催され、石井議長とともに出席いたしました「市長と電子行政」の分科会では、電子行政の実施により住民に還元できるものは何かといったテーマで市長や政府関係者による発表が行われました。
 その分科会で私は、三鷹市の「情報通信技術を活かした協働によるまちづくり」について事例報告をしました。
 次に、イッシー・レ・ムリノー市への公式訪問についてでございます。
 イッシー・レ・ムリノー市は、フランス随一のIT先進都市で知られています。アンドレ・サンチニ市長は、日本の衆議院に相当する国民議会の議員をも兼務しており、通信大臣の経歴もお持ちです。
 パリ市に隣接するイッシー・レ・ムリノー市は、大都市圏における位置関係にとどまらず、情報通信技術を生かした協働によるまちづくり、コミュニティ施策、子ども・子育て支援への取り組みなど、三鷹市と多くの共通点を持っています。
 私は、イッシー・レ・ムリノー市の市長、副市長の皆さんとの会議の席において、三鷹市における市民との協働のまちづくりについてプレゼンテーションをいたしました。
 イッシー・レ・ムリノー市からは、地域の民主化、市民サービスの近代化、情報都市関連のプレゼンテーションがあり、サンチニ市長や担当者の方々と意見交換を行いました。
 また、市内のスポーツセンター、保育園・幼稚園、新産業育成施設、情報通信関連企業などの先端的な施設を視察しました。
 そのほか、フランス市長会年次総会と同時に開催されている、市長・地方団体展示会に出展していた、財団法人自治体国際化協会パリ事務所のブースに、フランス語版の三鷹市のパンフレットを設置し、三鷹市のPRを行いました。
 フランス滞在中にはさらに、在仏日本大使館公使及び一等書記官、独立行政法人情報通信研究機構ヨーロッパ事務所長、自治体国際化協会パリ事務所長と会談し、フランスの情報通信事情や地方自治制度、地方分権の動向などについて情報提供を受けました。
 2点目は、「損害賠償請求控訴事件の判決について」でございます。
 この事件は、西東京市在住者を控訴人とし、三鷹市を被控訴人として、三鷹市が第三者の戸籍謄本の交付を行わなかったことなどに対し、東京地方裁判所に控訴していた損害賠償事件でございます。
 訴えの内容は、「被控訴人に対し、160万円及びこれに対する平成17年7月8日から支払い済みまで年5%の割合による金員を支払え。」というものです。
 訴訟は、平成18年10月4日、第5回口頭弁論をもって結審し、同月25日東京地方裁判所において「本件控訴を棄却する。」との判決があり、同年11月10日に判決が確定し、三鷹市が全面勝訴いたしました。
 3点目は、10月1日付で行いました「部長職の人事異動について」でございます。
 浜 三昭さんを健康福祉部理事に発令するとともに、社会福祉法人三鷹市社会福祉協議会へ派遣いたしましたので、よろしくお願いいたします。
 4点目は、「総合オンブズマンの委嘱について」でございます。
 さきの第3回市議会定例会におきまして、議会の御同意をいただきました山崎源三さん、加藤恵津子さんを、平成18年10月1日付で総合オンブズマンに委嘱いたしましたので、御報告いたします。
 報告事項は以上でございますが、本日、新たに総合オンブズマンに就任されました加藤恵津子さんにお越しをいただいておりますので、一言ごあいさつをさせていただきたいと思います。
 どうぞよろしくお願い申し上げます。


◯議長(石井良司君)  それでは、この際、新たに総合オンブズマンに就任されました加藤恵津子さんからごあいさつをいただきたいと思います。登壇、お願いいたします。
          〔総合オンブズマン 加藤恵津子さん 登壇〕


◯総合オンブズマン(加藤恵津子さん)  皆様おはようございます。ただいま御紹介にあずかりました加藤恵津子でございます。
 このたびの総合オンブズマンの委嘱に際しましては、議会の皆様の御同意を賜りまして、大変ありがとうございます。職務の遂行に際しましては、公正・中立を旨とし、誠心誠意努力してまいる所存でございますので、皆様どうぞよろしくお願いいたします。(拍手)


◯議長(石井良司君)  以上で加藤恵津子さんのごあいさつを終わります。
 以上をもって諸般の報告を終わります。
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◯議長(石井良司君)  この際、議事の都合によりしばらく休憩いたします。
                午前9時42分 休憩



                午前10時00分 再開
◯議長(石井良司君)  それでは、休憩前に引き続き、会議を再開いたします。
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    日程第1 市政に関する一般質問


◯議長(石井良司君)  これより日程に入ります。
 日程第1 市政に関する一般質問、本件を議題といたします。
 これより順次発言を許します。
 14番 嶋崎英治君、登壇願います。
                〔14番 嶋崎英治君 登壇〕


◯14番(嶋崎英治君)  おはようございます。質問通告に基づきまして質問させていただきます。およそ8年ほどの議会活動の中で、初日トップの質問というのは初めてなものですから、ちょっと緊張しておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 最初に、社会保障制度改革について質問をさせていただきます。
 高齢化、多病化の進行を受け、社会保障給付は当然増加しました。憲法25条を具現化しようとすれば、半ば必然ですが、政府、財界は悪であるかのようなキャンペーンを張りました。日本の社会保障制度は、高度成長が破綻した後、「自立・自助」が強調されるようになり、特に「バブル経済」破綻後は、財界の圧力のもとに自己負担化が加速化し、国民負担増と給付抑制で制度「改正」が重ねられてきました。「小泉構造改革」はなりふり構わず強行され、人々が安心して暮らせる仕組みを崩壊してきました。小泉政治の5年有余の間に、勤労国民は痛みを伴う犠牲を強いられました。
 清原市長は、「小泉構造改革」は三鷹市の勤労市民にいかなる影響をもたらし、どのような現状にあると認識され、勤労市民の暮らしを守るためにどのような施策を実行していくのか、順次質問いたします。
 (1)高齢者の生活の現状をどのように認識しているか、お尋ねいたします。
 ア、高齢者は市へ何を求めているのでしょうか。
 イ、「福祉住宅あり方検討会議報告書」をどのように受けとめ、どのように改善していくのでしょうか。
 ウ、調布境の中原にお住まいの方からお手紙をいただき、直接話も聞かせていただきました。今まで歩いて50分ほどかけて市役所に行っていましたが、ひざも悪くなり、歩いては行けなくなりました。同じ税金を払っていながら疎外感を感じています。一刻も早くミニバスを走らせてほしい。つつじヶ丘駅、新中コミセン、杏林大学病院、総合保健センター、市役所を結ぶルートを走らせてください。高齢化が進み中原二丁目、四丁目の年寄りは、みんなそれを今か今かと望んでいると懇願されました。
 上連雀一丁目・堀合地区は、武蔵野市との連携で来年の3月、ワンコインで開通予定です。残る緊急の課題は、福祉の観点からも中原地区の高齢者の公的交通機関確保が急務だと思いますが、つつじヶ丘ルートの調査研究はいかなる状態か、開通は何が障害になっているのでしょうか。
 (2)年金・介護・福祉・医療の現状と課題について。
 ア、保険料2年間全額未納者が445万人(03年度まで)、未納保険料のうち徴収不能(時効)になった額は05年度中の累計で10兆円、これは保険料の5年分に相当する額です。
 払いたくても定職につけず払えない人、年金制度の崩壊状況を察知し、不安で納めない人の増加という悪循環も生まれています。年金制度を崩壊させてきた「小泉構造改革」、政府・財界が進めている正規労働者から非正規労働者への雇用構造劣悪化、賃金切り下げや人減らし、偽装請負、人件費切り下げにこそ原因があると思います。ここに歯どめをかけない限り、年金制度への安定化、信頼回復の道はあり得ないと思います。市長は、国民年金の歯どめなき空洞化をどのようにとらえていますか。
 イ、介護保険制度の改革では、05年10月から施設入所者の居住費や食費の自己負担が実施されました。これで施設入所の自己負担額が月に三、四万円ふえました。06年の4月からは、新予防給付や地域包括支援センターの創設などケアマネジメント見直し、地域密着型サービスが実施されましたが、介護保険制度の現状と課題、問題点はどこにあるのでしょうか。
 ウ、生活保護世帯の現状と課題について。
 格差社会が一層進行する中で、生活保護世帯の急増はとどまるところを知りません。厚生労働省の社会福祉行政業務報告によれば、80年代後半から減り始め、92年度は58万6,000世帯と底を記録しましたが、企業のリストラ攻勢が激しくなるにつれて急増し、01年度には80万世帯、04年10月にはついに100万世帯を突破し、05年9月で104万世帯に達しました。三鷹市も例外ではないと思います。
 2年連続100万世帯を突破、その原因はどこにあると分析されていますか。
 エ、医療制度改革の影響と今後の展望。
 日本の国民医療費は2025年に65兆円まで膨らむので大変だという政府の認識のもとに「医療制度改革大綱」を昨年決定し、「医療制度改革」を進めてきました。
 では、本当に日本の医療費の公的負担は本当に多いのでしょうか。GDPに占める医療費の割合を見ると、OECDの「ヘルスデータ2005」によると、加盟30カ国中最も高いのはアメリカの14.6%、ドイツは10.9%、フランスは9.7%、しからば日本はというと7.9%にとどまり、17位にとどまっています。06年度はさらに後退して21位です。
 医療費の窓口負担率は、03年度日本は18.3%、先進5カ国で最高です。ちなみに改革を進めてきたイギリスは2.0%です。
 また、医師・看護師の配置水準は、国際的に見て──1996年の統計ですが、100床当たり米国が63.9人、ドイツが35.6人、日本は12.0人と極端に少なくなっています。看護師については、100床当たり米国が197人、ドイツ92.9人、日本は米国の5分の1、ドイツの2分の1の41.8人にとどまっています。その後の診療報酬制度改悪によってさらに悪化しているものと推察できます。
 今、政府・与党が進めている医療改革制度はだれにしわ寄せされているのでしょうか。
 具体的に質問いたします。
 質問の1、どこに矛盾が集中しているのでしょうか。
 質問の2、「混合診療」の一部解禁をしましたが、このことにより保険対象外はすべて自己負担になり、民間の保険に加入できる人はいいが、このままいくと、治療も金持ち優遇、「健康格差社会」への警鐘を鳴らしていると思いますが、市長はどのようにお考えでしょうか。
 質問の3、こうした状況で病気治療も金次第になってしまいます。医療についての三鷹市の責任は何であるとお考えでしょうか。
 オ、障がい者福祉の実態。
 御承知のように「自立できない制度に反対!」、「障がい者の負担軽減を!」などの横断幕が何重にも並ぶ中、10月31日、日比谷公園には1万5,000人が集まり、10月から本格実施された「障害者自立支援法」の見直しを政府、国会に求めました。これは一体何を意味するのでしょうか。
 政府・与党はしっかりと胸に手を当てて考えていただきたい。
 障害者自立支援法の問題は、障がい者当事者、施設運営者などから、実施前の時点で問題点が指摘され、本会議でも私ほか複数の議員が問題点を指摘、質問してきたところです。施設に入っていた障がい者を地域に戻し、就労を支援するという建前でやってきました。しかし、現実に何が起きたかといえば、これまで無料だったものが、1割の自己負担を強いられるようになった。その結果、通所をやめる、施設も閉鎖に追い込まれる。国は障がい者向けの予算を削減し、その分を自治体と障がい者本人に押しつける。自立どころか、自滅に追い込んでいます。弱者をどう遇するか、人らしく生きられるようにするのかで問われるのが国の質であり国の文化度です。人が人らしく生きられることをしっかりと社会の仕組み、制度として確立すれば、人々はおのずと国を愛するようになるものです。国を愛する心は、教育基本法を変えて愛国心を強制したり、「日の丸」・「君が代」を強制して生まれることではないことを国民はよく知っています。
 さて、具体の質問をいたします。
 質問の1、「障害者自立支援法」は障がい者本人、家族、施設運営者に何をもたらしているのでしょうか。
 質問の2、三鷹市の今後の対応はどのようになさっていくのでしょうか。
 カ、市民税6%フラット化がもたらす市民生活への影響と対策(セーフティーネット)をどのように立てていくのでしょうか。
 前議会で、この問題に対して私は一般質問をいたしました。市長は、慎重に検討するとの答弁でした。その後の検討結果、または検討方向をお聞かせください。
 質問の大きな2番目は地方財政についてです。
 (1)三鷹市の財政の現状と課題についてお伺いいたします。
 ア、「三位一体改革」は三鷹市に何をもたらしているのでしょうか。
 イ、分権はどのような実態とお考えでしょうか。
 (2)これ以降は提言として受けとめていただきたいと思います。
 歳入の自治を確立することについて。
 ア、国・地方の税源配分を当面5対5とし、国税から地方税への大幅な税源移譲を実現する。
 イ、所得税の累進課税を見直し、高額所得者への適正な応能負担を求める。
 ウ、法人事業税の完全な外形標準課税を一層推進する。
 オ、地方財政計画の策定、地方交付税算定などへ自治体の意見反映をするため、地方六団体、民間学識経験者、政府などで構成する「地方財政会議(仮称)」──これは地方六団体が提案していることでございますが、の法定化。
 カ、地方交付税決定ルールの明確化と総額の確保。
 (3)歳出の自治を確立することについて。
 国の地方への事務事業の義務づけについては、ナショナルミニマム設定以外の不必要な関与・統制は縮小・廃止し、自治体の歳出の自治を高めるようにする。
 イ、公共事業については、公正な事業選択と適正な経費を設定するため、国と地方の協議のもとで公共事業決定を策定し、市民ニーズに沿った公共事業への転換を図る。
 ウ、国の直轄事業については、大幅に縮小し、地方へ移管する。直轄事業地元負担は速やかに廃止する。
 以上でございます。
 このことについては三鷹市でできること、できないことがありますので、国、東京都へね、働きかけていただきたいという提言も含まれているというふうに理解をしていただければと思います。
 以上で壇上での質問は終わります。自席での質問を留保させていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。
                〔市長 清原慶子さん 登壇〕


◯市長(清原慶子さん)  まず第1に、国の社会保障制度改革について、多くの御質問をいただきました。医療制度改革の影響と今後の展望について答弁をいたします。
 このたびの大きな医療制度改革は、国民皆保険を堅持し、将来にわたり医療制度を持続可能なものとしていくため、数多くの中長期的対策、あるいは短期的対策から構成されています。世代間の負担のあり方の見直しなど、一部の方々の負担に影響が出るという面もありますが、安心・信頼できる医療体制の確保や、疾病の予防を重視した保健医療体制への転換など、超高齢社会を展望したものであり、長期的に見れば、健康面、財政面でもメリットのある改革とならねばならないと考えております。
 そして、医療制度についての三鷹市の責任についてでございますが、三鷹市は平成15年(2003年)6月に、健康・福祉総合計画2010を策定し、健康な地域づくりの推進、疾病予防の推進、母子健康・医療等の推進を柱として施策の充実を図ってきました。平成20年度から始まる保険者による特定健診、特定保健指導の義務化とあわせまして、組織も横断的に連携をとることより、これまで以上に積極的に市民の皆さんに働きかけ、疾病予防に力を入れていきたいと考えています。
 次に、障害者自立支援法がもたらしたものについて御質問をいただきました。
 障害者自立支援法による制度移行に関連して、三鷹市の障がい福祉計画策定の資料とするために、利用者、事業者からアンケートやヒアリングを実施してきました。その結果によれば、ホームヘルプサービス系利用者の利用料の負担感は、多くの方はやむを得ないと受けとめています。けれども、10%強の利用者は負担が大きいと訴えています。また、事業者を対象にしたヒアリングでは、事業費の減額──これは日額化、報酬単価の引き下げ、加算の廃止等からサービスの質の維持が困難で、人員の確保に苦慮しているという声が上げられ、新しい体系への移行への不安が示されています。市民会議での意見やアンケート結果などと、この法律の基本理念を踏まえて評価をするならば、3つの障がいを統一した制度であること、就労支援など障がい者の社会的自立を支援することを強く目指している点は評価できます。ただ、経済的側面での所得保障が十分でない障がい者からは、自己負担の点が問題提起されていますし、事業者がその安定的運営に不安を抱いている点など、個々の制度設計に問題があるものと感じています。
 これについては、多くの障がい者団体だけではなくて、全国市長会が「障害者福祉施策に関する要望」を出しています。ここでは、低所得者に対する自己負担や、自治体の超過負担に対して財政措置をすることを求めていますし、安定的な事業運営が可能となるような単価設定について要望しています。私も、国の中央障害者施策推進協議会の委員として、自治体経営の立場から、また、障がいのある市民の皆さんや関係者の皆さんの声を聞いている立場から発言もしてまいりました。
 今後の対応についてですが、市では、自立支援法施行に対応して、利用者の負担増に対する負担軽減、配慮措置を実施してきました。これは、訪問系のサービスだけでなく、通所系サービスにおける市独自の減免制度の創設などにあらわれています。10月からは地域生活支援事業について、移動支援や日常生活用具の分野での減免・助成措置を行っています。今後の対応については、サービス利用者について、自己負担軽減の配慮措置をさらに検討していきたいと考えています。
 これまで実施してきたサービス利用料の減免措置制度を継続するとともに、アンケート調査などで示されている地域生活継続の観点からのグループホーム家賃助成や、授産施設への通所の交通費助成なども検討課題と受けとめています。事業者に対しては、今後、市内の作業所や小規模通所授産施設が訓練等給付の新しい体系に移行していきます。そこで、これらの事業運営が可能となるための支援を検討していきたいと考えています。
 なお、国においても、利用者負担の軽減策については、12月の補正予算編成の中で検討するということですので、それらの動向も踏まえたいと考えています。
 次に、市民税6%フラット化の影響について、また、対策について御質問をいただきました。
 この市民税6%フラット化は、国から自治体への税源移譲の一環です。国税、地方税の合計負担額には基本的には変化はありませんので、個人の住民税と所得税の負担額については、大きな影響はないと考えています。ただし、フラット化による個人市民税への全体的な影響を検討してまいりますと、従来税率が3%の課税標準額200万円以下の方を中心に増額がされると推定しています。
 国民健康保険税については、個人市民税を算定の基礎としているため、国による制度改正により平成19年度以降、大きな影響を受けることになります。そこで、その予想される状況について検討を進めることを踏まえて、できる限り市民生活への影響を抑えるために、賦課方式の変更を含めた抜本的な検討を進めているところです。
 大きな2点目、地方財政改革について御質問をいただきました。
 平成16年度から18年度までに実施された三位一体の改革の第1期分については、平成19年度の本格的税源移譲などを含め、その成果と課題、三鷹市財政に及ぼす影響などについて、これまでも詳しく御説明をしてきました。三鷹市も基礎自治体として東京都市長会を通じて意見を述べるなど、地方六団体の取り組みを支えるとともに、必要に応じて地方交付税不交付団体の立場から三鷹市独自の取り組みもしてきました。現在、地方分権改革推進法案が11月28日の衆議院総務委員会において、地方税財源の充実の明記などの修正の上で可決しました。今後、政府の地方分権改革推進計画の策定に当たっては、地方公共団体に最大限の配慮を払うなど、地方六団体の主張を盛り込んだ附帯決議が行われました。
 議員さん御提言の歳入の自治については、国税である所得税や都道府県民税としての外形標準課税については、コメントは差し控えます。そのほかは全国市長会を初め地方六団体が強く主張している内容でございます。
 歳出の自治の項目につきましても、国と地方の二重行政の解消、国の義務づけ・関与の廃止・縮小の実現などを目指すことにより、地域ニーズに応じた透明性の高い住民サービスを提供できる体制を確立していく必要があると考えています。
 私からの答弁は以上です。その他の質問につきましては担当より補足をいたさせますので、よろしくお願いいたします。


◯健康福祉部長(岩下政樹君)  市長の答弁に補足をさせていただきたいと思います。
 まず、高齢者の生活の現状をどのように認識しているかということであります。高齢者は市へ何を求めているかという御質問でございます。
 一口に高齢者と言いましても、90歳代で大変元気にお仕事をされている方、また、60歳代でもですね、寝たきりの方などもいらっしゃいます。また、家族の構成によって独居の方や高齢者のみの世帯であったり、お子さんやお孫さんに囲まれる大家族であっても、日中独居という方もいらっしゃいます。それぞれ市にですね、対する要望等は千差万別であろうというふうに思いますが、総じて言えばですね、この三鷹市という地域社会の中で、元気で安心して暮らし続けたいということではないかというふうに考えているところであります。特に三鷹市では、ひとり暮らしや高齢者のみの世帯数が多く、このように考えている方が多いと感じているところであります。市としましては、介護保険制度のですね、適切な運営でありますとか、高齢者福祉政策の充実、こういったところにですね、努力をしていきたいというふうに思っているところであります。
 次に、福祉住宅あり方検討会議報告書をどのように受けとめ、どのように改善していくのかということでございます。
 この検討会議につきましては、現在市内に9カ所あります借り上げ型と、都営のシルバーピアの現状と課題を分析しまして、今後のあり方を検討するために平成18年の4月に設置をしたところでありまして、現在取りまとめをですね、行っているところでありまして、まだ市の方には最終的には報告書が提出をされていないという状況でありますので、報告の内容についてのコメントをですね、現段階ではできませんけれども、いずれにしましても、福祉住宅も設置をいたしましてから10年以上たっておりますので、入居されている方々の高齢化が進むという現象もございますし、高齢化に伴ってですね、福祉住宅の中でのサービスのあり方、こういったところが大きな課題になっておりますので、今後ですね、報告書が出ましたら、その後検討をですね、行っていきたいというふうに思っているところであります。
 次に、介護保険制度の現状と課題でございます。
 介護保険制度改正によりまして、地域支援事業等の新たなサービスも創出され、制度全体が予防重視型システムへと変わりました。要支援、要介護認定者数は、平成12年の介護保険スタート時と比べまして、おおよそ1.9倍に増加をしているという状況であります。特に軽度者と言われる方々の増加が目立っている状況であります。介護給付費につきましても2倍近い増加となっている現状でございます。
 今後の課題・問題点としましては、今後さらにですね、高齢者等が増加をしてくる。そして、認知症の高齢者等もですね、一層の増加が見込まれますので、高齢者ができる限り地域で安心して自立した日常生活を送ることができるように、また、介護保険制度のですね、適正な運営が、安定的な運営ができるように努力をしていきたいというふうに思っているところであります。
 最近の状況としましては、特に介護予防事業ですね、これの周知がですね、課題になっておりまして、より多くの方々に利用していただきたいというふうに考えているところでありますけれども、その点につきましても一層の努力をしていきたいというふうに思っているところであります。
 次に、生活保護世帯の現状と課題でございます。
 厚生労働省の統計によりますと、最近の保護動向につきましては、保護世帯が御質問にありましたように100万世帯を超える。また、人数も150万人を超える状況となっております。平成17年度からは雇用情勢の改善傾向が一定程度見られまして、被保護人員の増加の伸びが鈍化をするという傾向にございます。三鷹市での状況は、本年の10月現在、被保護世帯は1,987世帯、被保護者は2,623人というふうになっております。全国的な状況と同様にですね、増加の傾向が続いているというふうに分析をしております。
 保護の内訳で見ますと、三鷹市の場合は、疾病・障がい世帯が40%、高齢世帯が38%、母子世帯が7%、その他世帯が15%というふうになっております。三鷹市ではですね、国全体と比べますと疾病や障がい世帯が比較的多いという現状にございます。このような状況からしますと、生活保護の増加傾向の主な原因といたしましては、人口の高齢化、そして世帯主の病気などによる就労収入の減少などがその原因というふうに考えております。
 そこで、今後の課題でありますけれども、市といたしましては、引き続き生活保護制度の適正な運営と実施に努める。それを前提といたしまして、就労支援策でありますとか、そういったところにつきましてもですね、自立の助長に向けて努力をしていきたいというふうに思っております。以上であります。


◯都市整備部長(田口 茂君)  中原地区におきます公共交通機関の確保につきましてお答え申し上げます。
 この地域につきましては、これまでも地域住民の皆様から強い要望をいただいてきております。かつて開通を目指した一連の取り組みを行いましたけれども、残念ながら現在は中断という状況に置かれております。
 本年度に策定いたしましたコミュニティバスの基本方針につきましても、この地域は早急に改善すべき最優先課題に位置づけております。現在は、この地域から最寄りの鉄道駅であります京王線のつつじヶ丘駅、この間の路線バス運行に向けまして、交通管理者であるとか、バス事業者等との協議を行っております。現在、協議・調整中でございます。非常に課題が多くて時間を要しているという状況にございますので、よろしく御理解をいただきますようお願いいたします。


◯市民部長(川嶋直久君)  市長の答弁に補足をさせていただきます。
 国民年金の空洞化についての話がございました。国民年金制度につきましては、加入者の保険料納付率が低迷しているということでございますけれども、制度全体にわたり深刻な問題であるというふうに認識しております。このことは、社会保険庁の不祥事等がございました──こういったものがですね、年金制度に対する不信・不安等を与えたものと、一つの要因となったものというふうに考えておりますけれども、年金制度は社会保障制度の根幹をなすものでございます。市民生活にも大きな影響がございますことから、三鷹市といたしましても重大な関心を持っております。しっかり見守っていきたいと思います。
 なお、周知の徹底、手続の簡素化など制度改善等につきましては、東京都国民年金協議会及び全国都市国民年金協議会を通して毎年度、社会保険庁や厚生労働省等関係機関に要望を行っているところでございます。
 次に、医療制度改革の、いわゆるしわ寄せというようなことで、混合診療、そして健康格差社会というお話がございましたけれども、今回の制度の改正の中に一部ございました、例えば未承認薬の使用、こういったもので、従来、その治療全体が物すごく高価になっていたところが、今度は一部使用、その部分だけ認められるという、こういうプラスの面もございますけれども、また、一方では、今後、保険医療の対象外となるものがですね、ふえていく心配、そういったおそれがあるわけでございます。東京都とも連携をとってですね、データ等をじっくり分析してですね、節度あるものとなるようですね、私ども、力の限度はございますけれども、見守ってまいりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。以上でございます。


◯14番(嶋崎英治君)  では、幾つか再質問させていただきます。
 最初に、財政構造の関係ですが、全国市長会もそういう考えであるということと、市長みずからも独自のこととして行動されている。常日ごろから、国や東京都に忌憚なく意見を言うのは清原市長の特徴だというふうに私も認識しております。ぜひその際ですね、国と地方が対等・平等になったんだ、あるいは東京都とも対等・平等なんだということは、基礎自治体が実践していかない限り実現しないと思うんですね。地方に行くと、ほとんどが交付税に頼られているということになると、国に対してなかなか物を言えない。しかし、三鷹市は御承知のように不交付団体で、本当に市民の意向を反映しながら行政ができるという条件はかなり多いと。そういう気持ちも代弁しながらですね、ぜひ東京都市長会、そして全国市長会に、本当に基礎的自治体が何をしていったらいいのかということを含めて提言をさらに進めていってほしいということを、私から清原市長にエールを送らせていただきたいと思います。ぜひその点をしっかりとお願いして、本当に自治、あるいは地域主権ということが実現していくようにお願いをしたいと思います。
 障害者自立支援法の関係で、制度の継続と、さらに救済の措置の検討を加えているということでございますから、ぜひですね、国の方も、現行の枠の中でというような条件がついているようですが、見直しをすると、補正予算も組むという方向ですよね。そこがやっぱり、これは間違ったというふうには、なかなかやった本人としては言えないものだから、そうなっているのかなと思いますが、ぜひ当事者の声、施設運営者の声を聞かれて、アンケートもされているということで、そういうものが物すごい力になると思いますから、本当に「自滅支援法」だとか、あるいは、もっとひどいと「自殺支援法」だなんてやゆされていますから、そうならないように、やっぱり市長に積極的な政策を展開してほしいというふうに思います。
 次にですね、医療制度の関係で申し上げますと、この間の政府・与党が進めてきた社会保障制度改革で最大の過ちですね。これはセーフティーネットなどの社会福祉支援を利益だととらえたことだと思うんです。利益に対して金を払え、つまり、応益負担にしたことではないでしょうか。政治の役割は、しっかりと憲法25条、人々の生活を保障することでなければならないと思います。福祉は人々が人らしく生きられるようにするために必要な支えです。それを市場原理にゆだね、自立・自助、自己責任として支えを取っ払い、国の責任を放棄してきたのが今の政治です。本当に私はそう考えますけれども、その辺は市長はどうお考えでしょうかね。
 特にこの医療制度改革については、天皇のために命をささげることを覚悟で戦争に行き、敗戦後、この国の再建・復興のために骨身を削って働いてきたのが今の高齢者の皆さんです。しかし、年金生活者への税負担、介護保険の負担増、医療制度の負担増、本当にひどい仕打ちだと思います。
 きのうですね、夫を30年介護してきた知り合いの方にお会いしました。ここまで負担をふやされると、長生きしてはいけないんだという罪悪感に襲われますよということを言われていましたですよ。一昨日、NHKスペシャル「もう医者にかかれない」、国民健康保険料値上げ、払えない、4,700万人の命綱が危機として、深刻な国民医療の実態を福岡市の例を挙げて報道していました。ごらんになった方がいらっしゃると思います。ごらんになってない方、またもう一度見てほしいと思いますが、再放送がNHK総合テレビで12月5日、今夜深夜、水曜日の未明0時から放送がありますので、ぜひ見てほしいと思います。また、インターネットをごらんになっている皆さんも、ぜひこの番組を見てほしいと思います。そして一緒にこの問題を考えていってほしいと思います。
 そこでですね、住民税6%フラット化の問題で、先ほど課税標準で200万の人が大変厳しい状況になるということで、国民健康保険税の方式、所得割方式というか、その見直しを含めて、極力そういう影響のないようにしたいということが市長からございました。ぜひですね、これは、倍以上に国保税も住民税もなるということで、年金生活者の皆さんは死活問題だと思いますので、国への制度改正を求めて、国民健康保険は社会保障制度のはずですから、その原点に国に立ち返ってもらう。そういうアクションを三鷹市としてやってもらいたいというふうに思います。そして同時に、三鷹市でできることを最大限やってください。つまり、高福祉の三鷹として、それで評価されるんだと思います。もう一度、清原市長の決意をお聞かせいただきたいと思います。
 福祉住宅あり方検討委員会報告書はまだ未提出、で、提出された段階でいろいろ検討していきたいという答弁でございました。私は、かねてからこの問題を指摘させていただいてきたわけですけれども、現状の福祉住宅の問題点として、1つは建物・設備の老朽化、2つは入居者の高齢化による身体的機能の低下、認知症等の増加、3番目は生活協力員の日常業務の負担増だと思います。加齢とともにさまざまなことが起きてくるのは当たり前のことであり、ワーデンさんと──生活協力員の皆さんですね、直接話を聞く機会がございました。
 認知症が始まり、どこへ行っちゃったかわからない。で、お金の管理の問題で大変なんですという相談を受けたお連れ合いの方も実は認知症が始まっている。そういう方が福祉住宅にもいらっしゃる。また、電気を消していた。生活をしていた。それで、どうも行方がわからないと見てみたら、中で亡くなっていた。こういう事例も実際ある。現状では、生活協力員の皆さんや、あるいはLSAですね、ライフ・サポート・アシスタントの皆さんがいないと現実的には暮らしがいかないというのが高齢者の皆さんだと思います。
 この福祉住宅に暮らしている、それでそこから問題が惹起されている。今回は第一線で働いてる人、学識経験者、施設でいろいろ苦労されている方、そして行政が加わってこの検討チームを立ち上げたと思うんですね。大変いいことだというふうに思います。ぜひですね、この問題は、これからの高齢社会というか、問題点を如実にあらわしている氷山の一角だと思います。ぜひ市長におかれてはですね、ワーデンさんなどと直接会って話を聞いて、この高齢社会、あるいは福祉住宅がどんな状況であるのかということをやってほしいなというふうに思います。
 それから、ともするとですね、そこのところに入っている人はいい。だけど入れない人がいる。不公平じゃないか。自立が条件だったはずなのにということが起きて、場合によっては追い出しということも、現状では法律的には無理なんだろうと思うんですけども、しかし、滞留しているのを改善していかなきゃいけないから、出ていってという方策ということを考えるんじゃないかということを心配するんですが、市におかれてはそういう考えがあるのかないのか、お尋ねをしておきたいと思います。
 介護保険制度ですが、この4月から筋力トレーニングや転倒予防、低栄養予防など、こういうことはですね、保障の充実ということから見れば、説得力に欠いているというふうに思います。私のところにやっぱり相談が多いのは、今まで家事援助をしっかり見てもらえたのに、どうしてですかという疑問や泣きの声なんですよね。法律が変わったからなんて言っても、なかなか納得してもらえない。しかも、ヘルパーさん自身も時間をもって切り上げなきゃならない。介護報酬は2%引き下げられて処遇も悪化している。そういうサービスを提供する人たちからも、そういうことを伺っております。そして全国的には事業者が閉鎖に追い込まれたということがありますけれども、三鷹市ではどうなんでしょうか。ここをお尋ねしておきたいと思います。以上です。


◯市長(清原慶子さん)  再質問にお答えいたします。
 まず、社会保障制度改革についても、あるいは地方財政改革についても、三鷹市の市長として国及び都にしっかりと問題提起をして、望ましい改革であるように今後も努めるべきであるという御趣旨からの御質問をいただきました。
 私は、これまで三鷹市という基礎自治体、最も市民の皆様の暮らしに近い──というよりも、ともにですね、暮らす立場から問題を整理し、あわせて基礎自治体の経営者としての視点から、国及び都に積極的に問題提起をしてきました。私自身は国会議員ではありませんので、立法の権限は持っていないわけでございますけれども、ただ、この間、感じてきましたのは、やはり直接市民の皆様の声をお聞きしている立場から、しっかりと建設的な提言をすれば、それは国の政府も聞く耳を持ち、また、具体的な改善の方向もですね、示し得るのだという感触です。したがいまして、今後もしっかりとですね、そうした積極的な意見表明、あるいは要望、要請の活動をしていきたいと思います。
 なお、私の場合は、文書で提出をするということにとどまらず、特に三鷹市独自の取り組みの場合には、しっかり担当の責任者で最も権限をお持ちの方に最大限、直接会う努力をしてまいりまして、直接申し入れをしてきました。そのことをですね、引き続き続けていきたいと思っております。
 なお、御指摘のように、国の制度改革が三鷹市民の皆様に大きな影響をもたらすことは少なからずあります。障がい者自立支援の関係、介護保険の関係、さらには国民健康保険の関係では、私たちはできる限り──厳しい財政の中ですが、独自支援についても取り組んでまいりました。また、国民健康保険については、先ほども答弁いたしましたが、大変大きな影響が平成19年度以降見込まれることから、賦課方式の見直しも含めて抜本的な取り組みをしなければならないと決意しているところでございまして、これについては、市議会の皆様の絶大なる御支援をいただきながら、大きくですね、市民の皆様の立場に立った改革に踏み込みたいと考えております。


◯健康福祉部長(岩下政樹君)  福祉住宅について再度御質問がございましたので、お答えしたいと思います。
 福祉住宅というのは、名前のとおりですね、住宅というふうに私ども考えているんですが、御質問の中にありましたようにですね、高齢化に伴いまして要介護が必要になっていらっしゃる方々が出てくる。現実に90歳以上の方もいらっしゃいますし、要介護度が3以上の方々もいらっしゃいますので、そうなりますと、福祉住宅でありながら、福祉施設ですね、そういったような要望のような状況が出てくるということでですね、その辺が一番大きな課題で、そういう状況になってきますと、ワーデンさんやLSAの方々にですね、非常に御負担がかかってくるということで認識をしております。
 現状ではですね、なかなか結論が出ておりませんけれども、将来の方向としてはですね、ケアつき住宅というのが最近ですね、随分出てきておりますし、東京都でもですね、そのような方向性も一定程度検討しているようでありますので、我々も、入居されている方と入居されていない方々との不公平の問題という御指摘もありましたが、追い出しというふうなことはできませんので、住宅政策全般の中でですね、バランスをとりながら考えていく必要があるだろうというふうに思っておりまして、非常に大きな課題だというふうに考えておりますので、ワーデンさんたちを含めてですね、東京都とも知恵を絞ってですね、工夫をしていきたい、改善の努力をしていきたいというふうに思っております。
 それから、介護保険につきまして御質問がございました。
 介護予防につきましてはですね、保険に予防というのはなじまないんじゃないかと、保険制度にですね。保険制度というのは、保険事故が起きたときに保険給付が行われるべきであって、その前の段階に介護予防をやるのはどうかという御意見がございます。これは健康づくりの面でもですね、生活習慣病予防をですね、医療保険でやるのはどうかという議論があるのと同じように考えていますけれども、全体を考えますとですね、介護予防も生活習慣病予防もですね、非常に大きな課題でありますので、その点から踏まえますと、これらの事業につきましてもですね、力を入れていきたいというふうに考えております。
 それから、介護労働者の方々と話す機会もありますけれども、なかなか介護報酬が上がらない中ではですね、待遇の改善というのもですね、事業所の方もしにくいというようなお話は聞くところでありますけれども、厚生労働省の方も、介護報酬の使い勝手の方ですね、単価ではなくて使い勝手の方では、事業所加算とかですね、いろいろ工夫しながらやっておりますので、そういったところをですね、活用してくださいというようなお話をさせていただいているところであります。
 それから、事業所の閉鎖につきましてはですね、私、事業者連絡会等にも出ておりますが、最近ではちょっと聞いておりませんので、三鷹市の事業所は大丈夫ではないかなというふうに思っているところであります。以上です。


◯14番(嶋崎英治君)  ありがとうございました。福祉住宅の関係では、「都営三鷹牟礼六丁目団地におけるシルバーハウジング・プロジェクト事業計画・推進計画報告書」、これは東京都と三鷹市で共同でつくった報告書がありますね。ここにかなり問題点は集約されていると思いますし、報告書が出た段階でこれともすり合わせしながら積極的にやってほしいと思います。ワーデンさんはやりたくないということではなくてね、先ほどの介護の問題で言えば、亡くなられた方ね、元気になるから大丈夫なんだと認定も受けようとしなかった。そういうところでどうしても認定を受けてほしいというものを何で行かない。その場合、市の職員の皆さんの協力がないとできませんから、そういう訴えを聞いてですね、本当にこのまちに暮らしてよかったという政策に生かしてほしい、こう思います。
 それから、つつじヶ丘ルートの関係ですけれども、課題がなかなか多くて、今、ところだと。いつごろになったら出るんでしょうか。待ちに待っているというところですから、その辺の見通しをお聞かせいただきたい、こう思います。
 それから、市長におかれましてはですね、決意を伺いました。ぜひね、地域主権、市民主権ということで期待していると思いますので、ぜひ奮闘をお願いしたいと思います。その2点、答弁をお願いしたいと思います。


◯都市整備部長(田口 茂君)  なるべく早く解決せよということでございまして、いろいろ課題がありますが、その課題をですね、具体的につまびらかに申し上げますと課題の解決をおくらすことになりかねませんので、現在はなるべく早く解決するように努力をしております。


◯14番(嶋崎英治君)  内容はそうだと思うんですけれども、つつじヶ丘ルートね、いつごろという時期的な問題なんですよ。それくらい長くかかるということでは答弁になっていないと思いますので、どの辺の見通しを立てて市はやっているのかという決意を聞かせてください。


◯都市整備部長(田口 茂君)  なるべく早くということを申し上げておりますが、これは一日も早くということであります。


◯議長(石井良司君)  以上で嶋崎英治君の質問を終わります。
    ──────────────────────────────────────


◯議長(石井良司君)  次の通告者、15番 中村 洋君、登壇願います。
                〔15番 中村 洋君 登壇〕


◯15番(中村 洋君)  議長より御指名をいただきましたので、通告に従い市政に関する一般質問をさせていただきます。
 今回は、テーマを「公正、公平な市政について」としました。現在、国全体の問題として、格差拡大を初め、さまざまなひずみが社会に起きていますが、こうした状況についてどう市政を行っていくのか、さらには、そのひずみのしわ寄せとして発生したいじめの問題について伺います。また、教育については、国において、残念ながら管理化や格差の拡大が進められていますが、その流れとは違って、三鷹市が選んだ教育の改革である小・中一貫教育についての現状と課題について質問します。
 民主党は、新たに「政治とは生活である」とのスローガンを掲げ、格差を是正し、国民が具体的に生活の中で幸せを享受できるようにすることが政治であるとの方針を示しております。まじめに働く人、一生懸命頑張る人が報われる社会、公平、公正な市政を目指して、質問いたしますので、御答弁をよろしくお願いいたします。
 最初の大きな質問として、今後の市政の運営について質問します。
 現在、政府の発表によると、「いざなぎ景気」を超える景気回復とのことですが、国民の所得状況がよくなったという声はほとんど聞かれません。残念ながら国政では大企業、高所得者を優遇することで景気の回復を図ろうとしていますが、一般の国民にまでは波及せず、依然として厳しい状況が続いています。この政府の政策を一刻も早く変えていかなければならないのですが、とはいえ、市民生活に直面している三鷹市政としては、このような状況下でも市民生活を支えていかなければなりません。
 これまでも会派としては、市民生活の向上を主眼に置き、市民の声を市政に届ける仕組みづくりとして自治基本条例の制定やパブリックコメントの制度化を、また、福祉政策として介護保険や障がい者福祉における市独自の施策や、低所得者や激変緩和のための軽減措置などを提案し、実現をしてきました。また、乳幼児医療費助成についても、今般、民主党から乳幼児医療助成費について、4歳、5歳までの拡大を要請していますが、既にゼロ歳から3歳までの市独自サービスについては実現をさせてきました。市民からの声として提案したこれらの政策を市長が実施してきたことは評価しています。
 そこで、景気回復が個人の所得を好転させない中、来年度以降、どのような市政を目指すのでしょうか。国や東京都の福祉切り捨てとも言える政策のもと、市政においては、苦しい生活を強いられたり、今後に不安を持つ方が多くいる中、市民の「負担感」についてのきめ細かく配慮した対応や、セーフティーネットを構築することが必要です。また、自然環境、住環境が急速に変化していくのに対して、地区計画やごみ減量などの施策をとってきましたが、一層の取り組みが必要です。厳しい財政状況のもとではありますが、三鷹市基本構想にもある「高環境・高福祉のまちづくり」による「人間のあすへのまち」の実現を目指さなければなりません。来年度の市政について、予算編成の考え方、さらには、どう執行していこうとしているのかについて、市長の考えをお伺いします。
 次に、「協働」の実践と計画行政のあり方について伺います。
 市では、基本計画のもと、さまざまな個別計画がありますが、市民との協働が言われる中で、計画策定だけではなく、推進や進捗管理、評価においても市民との協働が必要です。例えば、次世代育成支援行動計画については、法律で次世代育成支援対策地域協議会の設置をすることができるので、計画策定後も、その推進や進捗管理を市民参加で行うこともできます。また、環境基本計画のように、市民が取り組まなければ効果が出ないような計画について、市民の取り組みの部分がやや精神論になりがちで、達成のための策定方法や実行、改定方法も変えていかなければなりません。その他の計画でも、福祉における「地域ケア」や、教育におけるコミュニティ・スクールなど、地域住民との協働が進んでいく中で、市の役割は市民活動を促進することですが、直接市民の行動には数値目標がなかなか立てられません。全市同時に取り組んでも、地域による温度差も生まれます。市民が行政の一翼を担う際、しっかりとした事務局機能を行政が果たし、支えていくことは必要です。地方分権から地域内分権とも言われておりますが、全市の計画の後、地域ごとに計画を立てて推進していくことも考えられます。以上を踏まえて、協働の実践における計画行政のあり方についての御所見をお伺いしたいと思います。
 次に、市民参加のための審議会の活性化について伺います。
 審議会は、かつては専門家に意見を聞くために設置されましたが、三鷹市では公募委員を多く委嘱し、市民参加の一つとして運用されていますので、公開の徹底や内容の充実が求められてきます。以前よりは大分よくなったという感じはしますけれども、審議会の公開条例も制定されたわけですから、原則公開にもかかわらず、委員会に諮るまで、わざわざ傍聴に来た方が廊下で待たされるという形式的運営がまだ行われているのも現状です。しかし、条例で公開となっているのですから、基本的には諮る必要はなく、非公開の場合に諮ればよいのであり、冒頭から傍聴を認めるべきです。
 また、審議会の運営についても、市が委員から意見を聞くために設置しているのに、市に対して委員が質問しているだけの運営が大半になっているようにも見られます。公開することにした以上、公開にたえられるだけの内容に質を向上させることも大事ですし、本当の意味での市民参加にもなってきます。活性化のためには事務局機能を強化し、委員に対してしっかりと役割を明確化し説明すること、必ず事前に資料を送付すること、委員同士の議論を活発化することが有効です。
 いろいろな審議会を傍聴させていただいておりますので、事務局職員の運用や委員長の裁き方も比べさせていただいておりますので、審議会によって質的な差が出ているのも事実として受けとめさせていただいております。市民参加のための審議会のあり方や生かし方について、考え方をお伺いいたします。
 次に、大きな質問の2つ目、いじめ問題に対する課題と対応について質問します。
 9月議会では、こうした報道が起こる前に、私自身、いち早くいじめによる自殺対策について質問をし、教員への研修や、子どもに命の大切さを教える教育、家庭支援ネットワークとの連携などを提案いたしました。市民の関心の高い問題ですので、改めていじめに焦点を当てて質問をさせていただきたいと思います。ただ、マスコミがあおり過ぎるために、模倣的ないじめや自殺が起きはしないかと危惧されておりますが、三鷹市でも、現状を把握し、いじめの根絶に向けての一過性ではない、継続した対応を求めます。
 また、いじめの問題は教育現場だけの問題ではありません。子どもは家庭で生まれ育ち、地域で育ち、さまざまな人間関係の中で成長していきます。社会の風潮や変化にも関係します。後に質問しますが、子ども家庭支援センターについては市長部局の担当ですが、こうしたことを踏まえて、昨今のいじめ問題やその対応を含め、何が問題で、なぜこうした事態になっているのか、どうしていくのがよいのか、市長と教育長にそれぞれ御所見を伺いたいと思います。
 次に、実態調査の方法と結果についてお伺いします。
 こうした報道がされる前は、いじめについては、子どもに直接ではなく、学校を通してだけの調査だったため、実態把握とはほど遠かったのではないでしょうか。今回、文部科学省に自殺予告がされた11月11日に合わせた緊急調査が行われ、その後も調査をしているとのことです。これに関して、これまでの調査方法の問題点をどう改善したのか、また、緊急であったとはいえ、調査方法は適切であったのか、いじめられたと記載した児童が、さらに陰湿ないじめに遭わなかったのか。さらには、調査して判明したいじめに対してどう対応し、さらには継続して対応していく体制はできているのか、お伺いします。
 また、不登校の生徒に対しては、その原因の調査はどのように行っているのでしょうか。いじめとの関係性や対応をどう分析し対応しているのかについても、あわせてお聞きします。
 次に、子どもを守るための対応と体制について質問します。
 いじめをなくしましょう、とのかけ声だけでは変わりません。ただ、国の教育再生会議において、最終的には記載されなかったのですが、いじめた子どもを出席停止にしようとしたことには愕然としました。もちろん注意すること、しかることも時には必要ですが、出席停止では何の解決もしません。何よりも、いじめの背景に何があるのか、さらに仕組みとしての問題があるのであれば改善し、対応する仕組みを構築することが必要です。
 まず、いじめについて隠ぺいを防ぎ、きちんと対応することが必要です。学校や教員によるいじめでない場合も、発生したことの責任を問われるのでは、報告がなされなくなってしまいます。もちろん隠ぺいが発覚すれば責任を問うのは当然ですが、そうでない場合は、いじめの発生に対してどのように適切に対応し、改善をしたのか、そこをきちんと評価する方法があればよいのであると思います。
 また、9月の議会でも提案しました、命を大切にすることを授業の中でしっかりと教えていくことが大切ですし、日常における学校生活そのものにおいても教育することが求められてきます。また、原因についても、子どもたちの精神的ケアも必要です。社会的にうつ病が問題となっていますが、子どもたちも社会の変化や核家族化により、人間関係が苦手になったり、受験戦争の過熱から、さらには過剰な親の期待や塾通いなど、さまざまなストレスを抱えています。こうしたこともいじめに無関係とは言えません。現状をどう把握し対応されているんでしょうか。
 また、いじめに対して、いじめた子に適切に注意をした場合でも、いじめた子どもの保護者から抗議され、学校や教員が萎縮することもあります。悪いことをしたにもかかわらず、ともかく我が子かわいさで猛烈な抗議をされることがあるとも聞いています。そこで、現在、コミュニティ・スクールとして学校運営協議会が設置され始めていますが、そうした機関に第三者的な仲裁機関を設置してはいかがでしょうか。親と学校が対立した際も、地域として中立的な立場から仲裁をする。もしくはどちらかがパワーハラスメント的な、やや行き過ぎた対応が起きた場合、また、余りに教育現場で、もしくは家庭教育で問題がある場合には注意することもできます。そういった場合についても御所見を伺いたいと思います。
 また、電話相談窓口を設置しましたが、学校や教育委員会には相談できないこともあります。教育委員会の対応とは別に、民間の市民団体が匿名で相談できる電話相談を行っていますので、連携や支援を強化すべきだと思います。もちろん、名前がわかった方が対応できるわけですが、ともかく話したいとか、解決策を教えてもらいたい、そういった子どもたちもいるわけですので、効果が期待できるわけです。
 以上、さまざまな対応について提案をしましたが、いじめの対応についての御所見をお伺いします。
 次に、先ほども触れましたが、子ども家庭支援ネットワークとの連携についてお伺いします。
 いじめの原因が家庭にある場合、連携した対応が必要です。子ども家庭支援ネットワークでの、家庭環境といじめの関係をどのように考えているでしょうか。いじめられた側のケアは当然必要ですが、いじめた側のケアも必要な場合があります。複雑な家庭環境、児童虐待との関連などもありますので、福祉と教育との連携が必要です。教育現場はとかく閉鎖的になりがちと言われますが、ぜひとも連携していただきたいと思っております。この点については、市長、教育長、それぞれの御所見をお伺いいたします。
 次に、子どもの人権を守るための制度づくりについて伺います。
 これまでたびたび子どもの権利条例をつくることについては提案をしてきましたが、残念ながら現時点ではまだ制定には至っていません。市では「教育・子育てのまち三鷹憲章」を制定するとのことですので、その取り組みについて伺います。現時点ではまだ内容そのものが見えてこないわけですので、どういった内容を想定しているのでしょうか。そして、こういったものを制定するだけではなく、その制定の過程や、取り組みとしてどう施策をするのかが重要です。どのようにお考えでしょうか。いじめの根絶にもつながっていくものと期待をしておりますので、それらを含め、子どもの人権保障と憲章制定とその後の施策を含めてお伺いをいたします。
 最後の大きな質問として、小・中一貫教育について質問します。
 第二中学校、第二小学校、井口小学校がにしみたか学園としてスタートして半年以上が経過しました。折に触れて授業やコミュニティ・スクール委員会を見学させていただいていますが、当該学園の教員や地域の方は本当に御苦労されていると思います。ともかく、関係する方々が、子どもたちにとってよりよいものをつくり上げていこうと意欲的に取り組んでいることには敬意を表しますし、よりよいものになるよう、市長、教育長には積極的に支援をしていただきたいと思い、質問をさせていただきます。
 さて、この半年間、小学校と中学校の先生の連携や、カリキュラムの作成については比較的進んだようにも見受けられますが、なかなか地域参加については定着するまでには時間がかかるようにも見受けられます。まだ半年とはいえ、これまでの取り組みについてどう評価し、課題として見えてきたことは何か、教育長の御所見をお伺いします。
 次に、具体的にはモデル校であるにしみたか学園の現状と支援体制についてお伺いします。
 コミュニティ・スクールを基礎とした小・中一貫教育校は全国でも例がないのですが、モデル校として今後の三鷹市の教育に大きな影響を与えるため、順調な立ち上がりを望んでいます。教員が忙しいとの声もありますが、始まったばかりなので当然とはいえ、教育委員会としてはその実情を把握をしているのでしょうか。忙しさも適正でなければ、本来の教育の課題である授業改善や、教員と子どもとが向き合う時間が確保できているのかという点で心配が出てきてしまいます。さらなる教育委員会としての支援や人員の補充などが必要かと思います。
 また、そうした意味で校長が学園長、副学園長を兼ねているので、大変御苦労もされています。学園長を校長とは分けて専任にすることで、学園としての運営に力を注ぐこともできるようになります。そういったことも含めて、今後のモデル校への支援体制についての御所見をお伺いをいたします。
 次に、小・中一貫教育検証委員会についてお伺いします。
 新しい取り組みを検証して今後につなげるのは必要なことです。大変時間もない中で、多くの項目を検証しているというのは、傍聴させていただいているので、よく認識はしております。ただ、今後への展開に生かしていく前には、まず進捗管理を行って、不足する部分があるなら指摘し、改善していくことも必要になっていきます。この役割を検証委員会が担い、その上で検証していくのが望ましいかと思います。また、その後の他校への展開ということでは、既に、にしみたか学園以外の学校でもPTAと話し合いもされているようです。地域参加はPTAだけではなく、行政が地域と橋渡しをする中で幅広い体制づくりが必要となってきます。どう検証し、他へ展開していくのか、取り組みについてのお考えをお伺いします。
 最後に、ネットワーク大学とそこに設置される教育・子育て研究所について質問します。
 かねてから教育・子育ての懇談会を発展的に解消して、三鷹ネットワーク大学に研究所を設置するということですが、具体的な構想や、そしてまた市の立場から、ネットワーク大学にどう期待されているのか伺います。また、その中の位置づけとして、先行的な取り組みとして教師力養成講座を開講し、三鷹市の方針に合った教員を育成する取り組みを始めました。こういったことを始められた趣旨は理解しておりますが、カリキュラムを見ると、「人間力」や「社会力」の育成についても注力してはいかがかなと思っておりますし、そうした力があれば、先ほど質問したような、いじめへの対応についても期待できるところだと思います。今後の展開についてお伺いをしたいと思います。
 以上で壇上からの質問は終わらせていただきますが、御答弁によりましては自席からの質問を留保いたします。よろしくお願いいたします。
                〔市長 清原慶子さん 登壇〕


◯市長(清原慶子さん)  公正、公平な市政についてということで、幾つか御質問いただきました。順次答弁をさせていただきます。
 まず、今後の市政運営について、格差社会の是正と市民生活を支える福祉政策に関する御質問です。景気回復が個人の所得を好転させない中、どのような市政を目指すのかという御質問です。
 三鷹市の財政におきましても、市税収入の増加は定率減税縮減等の税制改正によるものであり、個人所得は引き続き厳しい状況にあると認識しています。したがいまして、所得の伸び悩みと税負担の増加という市民の皆様の生活実態のもとでは、限られた経営資源を最大限活用して、「選択」と「集中」による機動的行政運営を目指しつつも、それぞれの施策の推進に当たっては、きめ細やかな配慮が必要であると認識しています。
 国政が格差を拡大させる中、市政においてセーフティーネットをどう構築するのかという御質問をいただきました。まさに国政、都政の行財政改革の負の影響から市民の皆様をお守りするために、市民の皆様に最も身近な政府である三鷹市政のきめ細かいあり方が問われています。
 そこで、例えば子育て家庭への支援策として、保護者の勤務状況を考慮した延長保育実施園の拡大の推進や、2カ所の子ども家庭支援センターによる相談・情報提供を、一時保護、ショートステイなどの事業によりましてセーフティーネット機能確保に努めています。また、三鷹市立保育園の効率的運営や、三鷹市立幼稚園跡地の活用による子育て支援施設の拡充も図っています。さらに、増加する母子家庭のために、資格取得助成、自立促進講習会、就労相談事業などの就労支援に加えまして、各種給付事業による経済的支援により、その自立の促進に努めています。さらに障害者自立支援法の施行により自己負担が生じたサービス利用者の中でも低所得者の方々に対しましては、社会参加や就労活動へのモチベーション、つまり、動機づけの低下を防ぐことが課題ととらえておりまして、その対策を検討しています。
 福祉的就労だけではなく、幅広い形で一般就労をも視野に入れ、経済的自立への支援のための専任コーディネーター配置による就労支援センター開設についても着実に取り組みを進めてきました。
 御高齢の方が、住みなれた地域で自立して、安心して生活していただけるように、地域の皆さん、住民団体や市が協働・連携して地域ケアネットワークモデル事業を推進し、その検証と評価をした上での事業拡大の検討をしています。これらはできる限り市民の皆様のニーズにおこたえするための三鷹市独自の取り組みです。
 さて、今後の予算編成等の方向性についても御質問をいただきました。
 私は、常に市民の皆様の立場に立って健全な自治体経営に努めつつ、職員とともに創意工夫を凝らして重層的なセーフティーネットの構築によりまして、だれもがいつまでも安心して住み続けられるまち三鷹の実現に努めたいと思います。住環境の面では、引き続きまちづくり条例や地区計画制度の活用などによりまして、「高環境・高福祉のまちづくり」による「人間のあすへのまち」を目指して、誠心誠意努力を続けていきたいと思います。
 今後の市政運営について、協働の実践と計画行政のあり方についての御質問をいただきました。
 三鷹市では、自治基本条例において、市政は参加と協働を基本とすることを定めています。そして、協働のまちづくりや計画の策定過程等に関する規定を設けています。計画の策定過程等においては、市民の皆さんの多様な参加を保障するとともに、その進捗状況や達成状況を把握し公表し、社会情勢等の変化に弾力的に対応した改定について定めています。
 これまでも答弁をしてきたところですが、協働とは、市民の皆さん、事業者の皆さん、関係団体の皆さん、そして行政といった立場の違う主体が自治にかかわる地域の目標を共有して、それぞれの役割分担を明確にしつつ相互に協力をしながら、その実現のためにともに汗をかき、さらには評価や改善もともに行っていくことだと考えています。
 質問議員さんが御指摘のとおり、今後のまちづくりにおいては、これまで以上に協働の取り組みが必要ですし、有効になると考えています。多様化、複雑化する市民ニーズに沿った質の高い施策、事業を展開するためには、計画策定からその実施、評価、改善に至るまで協働の取り組みが必要不可欠です。また、協働の過程の共有を通して目標の共有化を図ることが、市民満足度の向上や自治意識の醸成にもつながるものであり、策定の過程も非常に重要であると認識しています。
 計画の数値目標としては、行政の取り組みだけでなく、市民の皆さんや関係機関などの協力によって実現を目指すものです。そこで、基本計画の各施策に掲げた目標指標としてのまちづくり指標では、行政の取り組みによる行政指標に加えまして、多様な推進主体の取り組みによってその実現を目指す協働指標を設定することによって、協働における計画のあり方の一つを提起しています。また、地域ごとの計画として、三鷹市は、自治体の総合計画としては、いち早く基本計画に都市空間整備の基本的な考え方の章を設けまして、コミュニティ住区ごとのまちづくりの方向性を明らかにし、それは土地利用総合計画などの個別計画にも反映されています。さらに事業の実施に当たっては、地域特性を考慮し、きめ細かな対応を図っています。今後もこうした協働を重視するとともに、地域の特性を尊重した指標づくりをする必要があると、改めて認識しているところです。
 次に、市民参加のための審議会の活性化について御質問をいただきました。
 三鷹市自治基本条例第30条では、市民、学識者等の意見を市政に反映させるため、市民会議、審議会等を設置することができると規定しています。また、会議の活性化と公正で透明な運営を図るために、設置や委員の選任に関する基本的事項や具体的な基準を別に定めています。この自治基本条例で定めた市民会議、審議会等のあり方を、職員はもちろんのこと、参加していただく市民の皆さん、学識者等の皆さんにもしっかりと認識していただくことが必要であり、さらに周知徹底に努めてまいります。
 また、会議の公開の徹底ということで、傍聴について御質問いただきました。
 これにつきましては、市民会議、審議会等の会議の公開条例においても、非公開とされたときを除き、傍聴することができることとなっています。質問議員さんは、多くの審議会を委員としてのみならず傍聴していただいておりますので、自治基本条例施行の前後で大きく変化があることを御認識いただいていると思いますが、具体的な運営につきましては、質問議員さんの御指摘を含めまして原則公開の趣旨にのっとった運営になりますよう、今後、より徹底してまいりたいと思います。また、審議の活性化につきましては、そのテーマや委員の構成によってさまざまであるとは思いますが、私もできる限り審議会に出席し、趣旨も直接説明していただき、直接御意見も伺っております。こうしたことを重ねる中で、市民の皆様の御意見もより活発化しやすい審議会の運営が進展していくものと期待しています。
 大きな2点目で、いじめ問題に対する課題と対応について御質問いただきました。
 子どもの姿はよく大人の姿の反映と言われます。しかしながら、私は、子ども時代にあっても、私たち人間は、人間相互の関係において、さまざまな出会いと悩みを持つ存在だと思います。すなわち子どもは、まさにその存在が一人の人間としてとうといのです。そこで、さまざまな出会いと悩みを持つ存在であることから、相手の立場に立つこと、自分以外の第三者の立場に立って自分自身を見るという想像力をまだ十分得ていない時代に、その想像力を持つ機会が十分与えられていませんと、言葉や行動で人間は傷つけ合ってしまいます。最近の子どもたちは、ある意味で少子化、兄弟数の減少、地域での異なる年齢集団での経験の減少からか、あるいは情報化の進展に伴う実体験の不足からか、さらには高学歴化の中で教育の場が重視され過ぎる影響からなのか、いわば従来の子どもたちよりも心が傷つきやすくなっていると言えるのかもしれません。反対に、不用意に人を傷つけてしまうことがふえているのかもしれません。原因は多様であり、あるときはいじめる側であった者が、またあるときはいじめられる側に立つこともあり、重要な問題を起こしてしまった当事者の家庭条件も多様で、一概に主たる要因の特定も難しいと専門家も分析しています。
 三鷹市の教育委員会では、確かな学力のみならず、豊かな人間力の育成をその教育の理念として相談に力を入れていることはもちろんのこと、人間関係力を強める取り組みをしてきてくださっていると聞いています。市長部局としましても、教育委員会との適切な連携の中で、触れ合いとそして交流のある、人間の命をとうとぶ子どもたちの日常生活が実現する取り組みをより一層意識を持って強めていきたいと考えております。
 そこで、対応につきまして、子ども家庭支援ネットワークの連携について御質問いただきました。
 子ども家庭支援ネットワークは、昨年、要保護児童対策地域協議会として法的な位置づけを行い、虐待等への対応を強化しています。また、今年度からは、教育委員会に設置された総合教育相談窓口との連携につきましては、教育と福祉の役割分担を整理していくとともに、家庭環境に関する問題といじめの問題は、その根源において密接に関連性を有するものであると考えられることから、子ども家庭支援センターは、総合教育相談窓口と常に協力し合っています。そして、当事者である子どもたちのみならず、その家族の皆さんや関係者のサポートにも積極的に取り組み、いじめ問題等の解決に向けて協力をし合っています。
 総合教育相談窓口は、要保護児童対策地域協議会の運営委員会の構成メンバーでございます。したがいまして、ネットワークを支える強力な機関の一つです。ですから、いじめの問題にしろ、虐待の問題にしろ、個別課題の解決に向けて、ネットワークの事務局である子ども家庭支援センターとの円滑な意思疎通を図り、教育・福祉の連携を密接にしていきたいと考えています。
 続きまして、教育・子育てのまち三鷹憲章の制定の取り組みについて御質問をいただきました。
 教育・子育てのまち三鷹憲章(仮称)は、三鷹市が進める教育・子育てに関する施策の基本的な考え方、そして理念をわかりやすい言葉でまとめ、広く市民の皆様へ周知し啓発を図ることを目指しています。そしてそのことを通して、子どもたちが健やかに成長できる環境づくりに役立てることを目的として制定するものです。基本計画の重点事業に位置づけておりまして、現在、庁内のプロジェクトチームにおいて、検討の進め方や憲章についての基本的な考え方について検討をしているところでございます。
 策定の過程につきましては、子どもにかかわる団体の皆さんや、公募市民の皆さんによる検討会議を開催するとともに、教育委員会と連携しまして、子どもの皆さんからの意見を直接聞く機会を設定するなど、市民の皆様との協働によりその策定を進めていこうと考えております。
 私からの答弁は以上でございます。その他の質問については担当より補足をいたさせます。どうぞよろしくお願いいたします。


◯教育長(貝ノ瀬滋君)  まず、いじめ問題に対しましてお答えさせていただきます。
 最近のいじめの問題の背景といたしましては、少子化ですとか、核家族化ですとか、都市化の影響によりまして、子どもたちにですね、欲望や衝動を抑制する耐性、我慢するという、そういうことですね。言葉によって問題解決を図る力、自分自身を大切に思うという自尊感情、肯定感、それから思いやりの心、そういった好ましい人間関係をつくっていくという、そういう大事なですね、必要な能力が十分育っていないという、そういう子どもたちがふえているという現状がございます。
 そのほかにも、保護者がですね、子どもを適切にしかることができない。保護者自身が、親として自分の親から自立できていないといったことですとか、そういった、最近はですね、家庭の教育力にも難しい面がございます。また、昨今の地域社会におきましては、地域の大人が他人の子どもの行動に口を出すということをですね、敬遠する風潮が見られまして、地域社会の教育力の低下ということも指摘されているところでございます。これらを含めまして、先ほど市長も答弁ございましたけれども、さまざまな要因が複雑に絡み合っているのが、いじめ問題をめぐる現在の状況を生み出しているというふうに言えるかと思います。
 そこで、教育委員会ではですね、いじめはどの学校にも、どのクラスにも、どの子どもにも起こり得るものであるという、そういう基本認識に立ちまして、いじめる子どもたちに対しては、いじめは人間として絶対に許されないんだという認識を徹底させる適切な指導をですね、行っていくということ、それから、いじめられている子どもたちを徹底して守り通すこと、これを各学校に指導しております。三鷹市教育委員会では、いじめを苦にした自殺の事件をですね、深刻に受けとめまして、いじめの根絶に向けましての取り組みをさらに強化してまいりたいというふうに考えております。
 続きまして、子どもを守るための対応と体制でございますが、いじめの隠ぺいを防ぐためには、質問議員がおっしゃるようにですね、いじめの発生を責めるのではなくて、学校側の対応で改善したことを評価する仕組みづくりが必要ではないかと、こういうお話でございますが、これは全くそのとおりでございます。先ほども述べましたけれども、いじめはどの学校にも、どのクラスにも、どの子にも起こり得るものという認識に立ちまして、早期発見、早期解決にですね、よりまして、より深刻にならないうちにですね、問題解決が図られた事例なども評価したり、収集し、各学校に情報提供するといったことについても検討しております。
 それから、コミュニティ・スクールとしての御質問がございました。コミュニティ・スクールの第三者的仲裁機関を設置することにつきましてはですね、これは今後、検討する価値があるというふうに考えております。
 それから、民間・市民団体との連携につきましては、個人情報保護ですとか、情報を得た場合の対応上の責任の所在などのさまざまな課題が考えられますが、今後ですね、研究してまいりたいというふうに考えております。
 それから、子ども家庭支援センターとの連携につきましてはですね、子どもの家庭環境がいじめの背景として確認できた場合には、その子どもを支援していくことも必要となりますので、学校と連携してですね、子育て支援ネットワークですとか、総合教育相談窓口のワンストップサービス等を活用しながら、迅速にですね、対応してまいりたいというふうに考えております。
 それから、小・中一貫教育校についてお答えいたします。
 小・中一貫教育校──にしみたか学園ですが、この半年間の取り組みと課題についてでございますけれども、三鷹市のコミュニティ・スクールを基盤とした小・中一貫教育校のモデル校でありますにしみたか学園というのは、全国にも、手前みそでございますけれども、例を見ない取り組みだというふうに考えております。今、新しい義務教育学校のですね、あり方の一つだというふうにも自負しておりますけれども、全国の自治体からもですね、注目を集めているところでございます。現段階ではですね、これまでの実践での取り組みを評価するまでには至っておりません。本年9月に設置いたしました小・中一貫教育校検証委員会でですね、しっかりと検証してまいりたいというふうに考えております。
 それから、そのことに関連いたしまして、学園長を校長とは別にですね、任命したらどうかという、そういう御質問でございますけれども、三鷹市の小・中一貫教育校は、既存の小・中学校をそのまま存続した形での学園構成としています。学園自体はですね、今の法制度上ですね、学校教育法で定められた学校には該当しない。にしみたか学園自体は学校教育法上、それは該当しないということでございますので、にしみたか学園としてですね、新たに学園長をですね、校長と別に置くということはですね、これは極めて法制度上は困難でございます。現在、3校の校長が学園長、副学園長として週に何度となく集まって、副校長を交えて学園の運営について協議をしていただいておりますが、学園としての一体感、連帯感がですね、高まってきているというふうに認識しているところでございます。私からは以上でございます。


◯企画部長(城所吉次君)  教育・子育て研究所(仮称)のあり方について御質問いただきました。
 現在、このあり方につきましては、市長部局、また教育委員会、ネットワーク大学推進機構との間で協議を継続をしているところでございます。当面は、関連分野の講座などをですね、教育・子育て研究所コースといたしまして先行実施をするということにしておりまして、御質問にもございましたみたか教師力養成講座は、教育委員会とネットワーク大学推進機構との共同企画としてスタートをしたところでございます。今後こうした具体的な事業を先行させながらですね、そのあり方について、さらに協議・検討を進めていきたいというふうに思っております。
 また、三鷹市としてどのような期待をしているかという御質問もいただきました。
 この教育・子育て研究所(仮称)につきましては、教育・子育てに関しますさまざまな市の政策課題、その解決に向けました調査研究機能、こうしたものを持ったものとなるようにですね、ネットワーク大学にかかわります民学産公の多様な知的資源を活用していきたいと、このように考えているところでございます。


◯教育委員会事務局教育部長・調整担当部長(柴田直樹君)  それでは、教育長の答弁の補足をいたします。
 まず、いじめの問題についての実態調査の御質問でございます。三鷹市が行った実態調査が適切であったかという御質問ですが、文部科学省によりますいじめの定義というのはですね、自分より弱い者に対して一方的に、身体的・心理的な攻撃を継続的に加え、相手が深刻な苦痛を感じているものということで、極めて限定をしております。そういうことでですね、三鷹市での17年度のいじめの報告は、小学校で1名、中学校で1名という報告になっております。まさに今、問題になっています、いじめの実態を本当に把握しているのかという点での課題がございましたので、三鷹市におきまして、この11月にですね、全小・中学校の児童・生徒を対象に緊急調査と詳細調査を行ったところでございます。今まで教員による把握、学校による把握でしたが、子どもたちによる、みずからがいじめと感じた行為を、その調査の中で素直に出していただくということで行ったものでございます。そういった中でですね、子どもたちの実態を把握し、それをいかに学校として対応していくかという、この対応のための調査として行ったものでございます。
 次に、この回答の中でですね、いじめがあると答えた子どもへの陰湿ないじめという二次被害の防止についての御質問がございました。この調査結果をもとにしまして、それぞれの教員がですね、具体的にその事実関係を把握し、しっかりとそれにフォローしサポートしていくという対応をいたしております。いじめに遭った子どもをまず守るということを最優先にしまして、再発防止に向けた取り組みを進めております。
 それから、不登校といじめの関係についての御質問がございました。昨年度の三鷹市の不登校児童・生徒でですね、友人関係が長期欠席の主な原因となっているという割合は、2割以下でございます。ただ、友人関係に起因するといたしましてもですね、そのすべてがいじめによるものとは限りません。いじめが原因であるという把握をした場合には、適切な対応をとってですね、その解決に向けての対応をしているところでございます。
 それから、小・中一貫教育校についての御質問にお答えいたします。
 現在取り組んでおります小・中の教員の連携、そして一貫カリキュラムの実践ということは比較的進んでいるけれども、地域参加はどうかという点についてでございますが、今、質問議員さん御指摘のようにですね、始まったばっかりで、非常に苦労しながらコミュニティ・スクール委員会も行っております。何しろ3校で進めていることでございますので、徐々に定着しつつあるというふうに考えております。そういう中でですね、今度は教員の授業改善や子どもと向き合う時間の確保についての御質問もございましたが、この点についてもですね、しっかりとその3校で授業の割り振りをですね、調整しながら、子どもに向き合う時間を削っての授業研究ということはしておりません。しっかりと子どもに向き合う時間を確保しての取り組みを行っております。
 最後にですね、にしみたか学園の現状と支援体制についての地域や教員の負担増への対応ということですが、これは、教育長が申し上げましたように小・中一貫教育校検証委員会の中で検証項目として取り上げて、そのことについても検証しているところでございます。検証で確認された課題についてはですね、できることから着実に進めてまいりたいと思っております。
 この検証委員会の中で、他校への展開を含めての地域参加の取り組みについての御質問もございましたが、御指摘のようにですね、地域参加というのはPTAだけの参加ではございません。三鷹市の学校ではですね、幅広くいろんな関係団体、企業も含めてですね、学校への参加がございますので、そういうところで必要な支援は教育委員会として、してまいりたいと思っております。
 これは一番最後になりますが、みたか教師力の養成講座における取り組みでございます。11月の11日にですね、23名の受講者を迎えて開講しております。この目的は三鷹市の教育にふさわしい教員を学生の段階から養成することを目的としたものでございまして、今年度は実践コースということでスタートいたしました。この三鷹市の教員にふさわしいという意味の一つにはですね、三鷹が進めていますコミュニティ・スクールを基盤とした小・中一貫教育校の考え方に賛同できて、なおかつ学校運営にですね、教員以外の保護者や地域の方々、団体、企業の方々とですね、参加や協力ができるような、そういう関係性を構築していくと。そして、調整・協働ができる力のある教員を育てていくということでございまして、まさにこれが人間力や社会力というものを育成する取り組みの一つでございます。こういった面でですね、幅広い協力を得ながら、三鷹市の目指す教育を進めていきたいと思っております。以上でございます。


◯15番(中村 洋君)  質問が多岐にわたってしまったのですが、御丁寧に御答弁をいただきましてありがとうございます。それでは、再質問と意見等を述べさせていただきたいと思います。
 まず、今後の市政運営についてということなんですけれども、本当に先ほど、こちらも質問しましたし、市長もおっしゃったようにですね、今、大変国政が厳しい状況という中でですね、本当に格差が縮まらないどころか拡大をして、将来に展望も開けない方がたくさんいるという状況は大変憂慮いたします。「自己責任」などという言葉もありますけれども、そういうことを言う人に限って、努力もしないのに恵まれている人がいるとか、そういうような状況もあるわけですから、私たちとしては、しっかりと機会の平等を保障し、そしてまた、努力が報われること、そしてそれでもどうにもならない場合の社会保障をしっかりとしていくこと、そういったことが政治の役割だと思っておりますので、そのためにも、どこが責任を持ってしっかりと、国か都か市か、責任と権限ということをですね、明確にした議論をしていかなければならないなと思っております。特に私たちもというか、市議会議員をやっておりますとですね、市の住民税が上がったことや、そういったことに対して非常に苦情を言われますが、そういったことは三鷹市が決めたことではなくて、国が決めていることですということはしっかりと言っておりますとともに、国政を変えなければしようがないということも話をさせていただいております。
 ただ、先ほども言いましたけど、本当に市政において、原因が国にあったとしても、市民の生活を支えなければいけないということで、本当に霞が関の人たちはどうしているのか知りませんけど、市としては市民にまさに直面しているわけですから、そういった意味ではですね、独自の──財政等も厳しいながらも、市の中で施策をしていかなければならないということで、その点も市長も答弁していただいたとは思っております。
 そういう意味では、市からですね、独自でやってくれることはやってほしいですし、やることが難しい場合は、本当に三鷹市の立場として、政党とかイデオロギーとかはあるかもしれませんけど、それを超えてですね、国政とか都政に対して、ある意味で三鷹市民の立場を代弁していくのが市政の役割ですから、そういった意味で今後とも市民の生活をしっかりと見据えてですね、国や都に対して意見を言っていただきたいと要望していきたいと思います。
 あとですね、市民参加の計画行政とか審議会のあり方ということでも質問させていただいてまいりました。いろいろ傍聴はさせていただいておりますので、変わったということはわかりますし、そういう認識もありますけれども、変わってないのもあるという認識もさせていただいております。各担当の方々は、各担当の部署しか見てないのでですね、こちらは全部見ているのでわかるんですが、そういった意味で市全体の底上げということは必要だと思います。
 先日、市長も、ある会議の中でですね、あいさつの中で、条例は運用を通して市民のものになるということをおっしゃっていましたし、それは大変そのとおりだなと思っております。ですから、自治基本条例等々制定しましたけれども、その趣旨が本当にまだ生きているのかなというか、これまでどおりの運用というか、運用の中から条例制定されたんだとは思うんですが、改めて条例の意味をですね、しっかりと見つめ直して、惰性でやるんではなくて、それをどう生かしていくのかということをですね、改めて職員の中にも徹底させていただきたいと思います。
 あとですね、いじめに対する問題についてですね、いろいろと御丁寧な御答弁ありがとうございました。いろいろと原因は確かにあるんだと思うんですけれども、本当にそういう中でですね、どう迅速に対応していくかということがやはり問われていくと思います。時として対応が遅かったりとか、そういうこともあるわけですから、しっかりと状況を把握していくことが必要になると思います。
 ただ、いろんな問題がある中で、問題があるから、じゃ、時代がどうなるかというときに、例えば核家族化になったから、核家族がいけないからやめろということはできないわけですから、そういう時代錯誤な認識をしていくわけではなくてですね、しっかりと今の現状の社会に合った状況、保育にしろ、教育にしろ、共働きにならざるを得ないような社会環境や経済状況もあるわけですから、そういうこともしっかりとですね、踏まえていく中で対応していかなければならないとは思っております。そういう意味でいうと、家庭の中の役割を認識することも必要ですけれども、地域の中でということも大事になってくると思いますし、ある意味でコミュニティ・スクールということは、地域の人たちが学校に参加するということだけではなく、そういった意味合いも含まれていくのかなということも思いますが、本当に犯人探しばっかりをいじめでしていくのではなくて、どういう対応をしていくのかということをですね、改めてちょっと教育長にですね、コミュニティ・スクールとか、地域、家庭を含めたいじめへのですね、対応ということでお考えをお伺いしたいと思います。
 あと、いじめに関連してなんですけれども、教育委員会の方では、教育ビジョンということで、ゼロ歳から15歳までの連携を行っていくということなんですけれども、ゼロ歳ですから、別に学校の勉強だけが教育ではないわけですから、生きていく力ということを含めて、ある意味で市長部局との連携ということはもっと重要になってくると思います。そういう意味では、市の政策としてコミュニティ・スクールもあるし、ある意味で福祉の地域ケアということもあると思いますので、今、高齢者対象というところで、まだスタートしたばかりで、なかなかそこまでいかないでしょうが、障がい者の福祉の問題から子育てということに関してまで広がっていくんであろうなということは思っておりますので、行く行くの将来像ということでも結構なんですが、地域ケアということと、子育て・教育ということの連携の中でのお話ということを、改めて市長にも質問しておきたいと思います。
 また、小・中一貫教育校についてなんですけれども、とりあえず評価の方はさせていただいておりますので、進めていただきたいということは言わせていただいたんですけれども、本当にモデル校として今後の成否がかかわっていくということでお話しさせていただいたので、積極的な支援の方をお願いしたいと思うんですけれども、もう少し整理が必要なのかという気はしているんですね。もともと制度が立ち上がっていくときに、最初の小・中一貫教育校と今の小・中一貫教育校は、途中で教育長の交代もあったかどうかわかりませんけれども、やっぱり人で方針ががらっと変わってしまうということが往々にしてあるわけで、今はいい方向に動いていると思いますけれども、そういう意味で教育ビジョンの策定等でですね、人がかわることに左右されることなく、三鷹の教育はこうだと決めていくことはすごく重要なことだと思うんですね。そういう意味で、小・中一貫教育校でも、例えば三鷹の教育の理念はこうだということをもう少し教育長が現場なりにお話に行って伝えていくということは大事だと思いますし、その理念の部分をある意味でもう少し教育委員会でしっかりと構築していって、実際の学校運営の部分は学校がやっていくというふうに仕分けをしていかないと、少しそこら辺が混乱をしてしまって、お互いに介入になるのか、お互いに主導なのかというところで、まだ私、整理ができていないような気がしているんですね。
 ですから、まずもって、例えば第四小学校で教育長が、コミュニティ・スクールを進められたときも、校長という立場ではあったんでしょうけど、積極的に地域にもお話をされていたということだと思いますが、介入と理念を話すということは違うと思うので、もっと積極的に教育長がですね、話して、自分の理念なりを伝えてもらってもいいと思っておりますので、小・中一貫校に対する取り組みということをもう少しお話をいただきたいと思っております。とりあえず再質問は以上です。


◯市長(清原慶子さん)  いじめ問題に関連して、教育委員会が示している教育ビジョンのゼロ歳から15歳までを受けて、市長部局としてはどのような取り組みをしていくかという再質問をいただきました。
 言うまでもなく市長部局では、妊娠されている母親あるいは父親を含めて、我が子の誕生を迎える準備の段階から、親役割を認識していただくためのワークショップを開いたり、あるいは3〜4カ月児の健診を含めて、誕生してからのそれぞれの子育て、育ちの支援をさせていただくなど、ゼロ歳児ということに象徴される本当に幼い段階から、市政としてできる限りの子育て支援をしていくという取り組みを強化してきています。あわせて教育委員会では、明確に義務教育終了段階までしっかりと責任をとろうということで、ゼロ歳から15歳までという象徴的な年齢を示したビジョンをあらわされているわけです。常日ごろ市長部局と教育委員会は密接な情報共有、そして物事が決まる前の段階でのそれぞれの過程を共有する中から、できる限り市民たる子ども中心のあり方について検討しています。したがいまして、今までもそうでしたが、今後も市長部局、教育委員会が、もちろん一致してですね、望ましい三鷹の子どもの育ち、そして子育て支援のための取り組みを深めていく、これが基本的な考え方でございます。


◯教育長(貝ノ瀬滋君)  三鷹の教育・子育てに関しましてはですね、地域の子どもは地域で育てていくという考え方は、ほぼ全市的にですね、共通理解になりつつあるんではないかというふうに受けとめております。そういう意味でですね、コミュニティ・スクールをですね、やはり早くですね、順次進めていくのが望ましいというふうに考えております。その中で、やはり御指摘のようにですね、地域の皆さんや市民の皆さん、そして学校の先生がですね、フィフティー・フィフティーでさまざまなですね、教育上の問題、子どもの問題についてですね、議論し合って、そして解決を図っていくということは望ましいわけで、そういう意味ではですね、やはり地域の多様な価値観ですとか、それから、多様な年齢の方々、そして多様な経験をお持ちの方々がですね、学校に入ってですね、多様な多くの目で子どもたちを見守って育てていただくということは、非常にこれは、いじめ問題に限らずですね、大変さまざまな問題について新しい視点を与えてですね、解決に導いていくものというふうに考えています。ですから、ぜひですね、そういう中身のあるですね、コミュニティ・スクールの実現にですね、努力してまいりたいというふうに考えています。
 それから、各学校のですね、取り組みで、やはり御指摘のように温度差というのは、これはあるんですが、にしみたか学園もですね、この4月に出発して、まだ1年たっていません。私も校長時代の三鷹第四小学校の取り組みも評価していただいておりますけれども、やはりあの取り組みもですね、四、五年かかってですね、おります。ですから、やはりある一定のですから、時間が必要でありますので、忍耐強くですね、着実にですね、進めてもらうように指導していきたいと思いますが、必要に応じてですね、私も直接学校の先生方、それから保護者の皆さんとですね、今も時々そういう機会を与えていただいておりますけれども、できるだけそういう機会をですね、つくっていただいて、議論をしたりですね、意見交換をしてまいりたいというふうに考えております。以上です。


◯15番(中村 洋君)  御答弁ありがとうございました。まだまだにしみたか学園、本当に十分な人の手当て等支援が要ると思いますけれども、そういった面は来年度以降の予算等の中でやっていくことになるんだと思いますけれども、何よりも、本当にいろいろ忙しい中でも教員や地域の方々がやる気を持ってやってもらうという中では、本当にトップが理念を示していくというのは、予算は1円もかかりませんから、積極的に教育長の理念を話してもらって、やる気にさせていくということが、意欲的に動くことがすごく大きな影響になっていくと思いますから、そこのところはもう少しですね、出てもらってもいいのかなというふうには思っております。
 全般的な話でいじめの対策ということで、本当に、先ほども述べましたが、犯人探しということばかりではなくて、しっかりと社会環境等々ですね、子育ての段階から教育長、市長、連携していただいて、やっていただきたいという思いはあります。そういう意味で、先ほども社会が変わっていくということは言っておりますので、決してもとに戻るわけでは社会はないわけですから、それに即応して対応していかなければならないという思いはあります。ただ、そうは言っても昔とは違いますから、基本的には個人の尊重ということは重要なわけですから、それを踏まえた上で、地域の中や家庭とどう連携していくのか、学校等を含めて連携していくことが大事になると思いますので、対応していただきたいと思いますし、また本当に困っている人に対しては、本当に迅速に動かなければならないところもありますので、そういったところを長期的な計画と迅速にするべき部分とをですね、しっかりと兼ね合いを持ちながらですね、取り組んでいただきたいと思います。以上で終わります。


◯議長(石井良司君)  以上で中村 洋君の質問を終わります。
    ──────────────────────────────────────


◯議長(石井良司君)  この際、議事の都合によりしばらく休憩いたします。
                午前11時56分 休憩



                午後1時00分 再開
◯議長(石井良司君)  それでは、休憩前に引き続き、会議を再開いたします。
    ──────────────────────────────────────


◯議長(石井良司君)  市政に関する一般質問を続けます。
 次の通告者、17番 高谷真一朗君、登壇願います。
               〔17番 高谷真一朗君 登壇〕


◯17番(高谷真一朗君)  議長のお許しをいただきましたので、通告順に従い市政に関する一般質問をさせていただきます。今回は大きく分けて4点の質問となりますが、御答弁のほどよろしくお願いをいたします。
 まず質問の1点目、防災公園についてお伺いをいたします。
 防災公園の設置については、私も折に触れその必要性のお訴えをさせていただいているところではありますが、その意義については活発に議論されていないように見受けます。そこで、建設委員会では、積極的に他市での取り組み状況を視察してきた経緯があります。どちらも大変参考になる視察地ではありましたが、とりわけ参考になったのは、先月24日に建設委員会で視察させていただきました武蔵野市です。他県の市にある防災公園は、施設は立派なのですが、広大な土地に設置されているため、三鷹市では同規模の設置は困難に思われましたが、お隣の武蔵野市と我が市では、同じような地域事情や特性を抱えていることから、同程度のものを設置することも可能と考えました。
 言うまでもなく、住宅が密集した地域での広場は、火災発生時の延焼防止にも役立ちますし、大規模災害の発生時であれば、近隣住民の避難場所として活用されることもあると思います。そこで、避難場所の少ない下連雀・上連雀地域の児童遊園を防災公園として活用することはできないかと考えております。
 先ほど私は、武蔵野市と三鷹市は同程度と申し上げましたが、財政規模は異なります。そこで、一気に進めるのではなく、例えばソーラー電灯や防災倉庫の設置など、できるところから年次計画を立てて取り組むことはできないものでしょうか。そうした取り組みをワークショップ形式で進め、その公園の管理に至るまで地域住民の方々にゆだねることにより、市民の防災意識と地域の防災力向上に役立つと考えますが、いかがでしょうか。
 まず1点目に、防災公園設置に対する市長の御見解をお伺いいたします。
 また、先日の武蔵野市への視察には、都市整備部長の御参加もいただきました。本心から大変うれしく感じましたが、横断的に考えれば、防災課の職員の方の御参加もいただきたいところでした。そこで、都市整備部長の防災公園を視察された感想と、今後、部・課を超えた市内児童遊園の規模や設備の調査・研究についての御所見をお伺いいたしたいと思います。
 続きまして、大きな質問の2点目であります、市職員のあり方についてお伺いをいたします。
 先月20日、電算システムのミスにより、心身障害者手当を誤って市民21人に支払うという事態が発覚いたしました。想定できないレアケースであったとしても、起きてはならない事態になってしまったことを大変遺憾に感じます。このことは、システム開発業者が全額補てんしたことと、職員の方も処分されていることから、深く追及することはいたしませんが、電算システム導入後に頻発しているこのような事態を、今後未然に防ぐために、どのような措置を講じていくのかお尋ねをいたします。私が考えるに、幾らコンピューターが万能な時代とはいえ、それを操るのは人間です。今回の件をとってみても、入念なテストランを行うことと、システムを熟知する職員の存在があれば防げたのではないでしょうか。
 話は変わりますが、昨年発生した耐震偽装問題は、その偽装を見抜くことなく建設許可をおろしてしまった行政側にも問題があると思います。図面を検証する能力を持った職員がいれば、未然に事件を防げたかもしれません。こうしたことに共通するのは職員の専門性です。最近、急速な電算化や定数減などで、職員の方々がみずからを研さんするゆとりがないのではないかと危惧しております。市長はどのようにお考えでしょうか、お伺いをいたします。
 また、最近、市発注の公共工事において不調が発生する事例が何件か起こりました。原因は中国の特需による鉄の値上がりや、原油価格の高騰などにより採算が合わなくなったからと言われております。こうした世界の経済動向を1年前の予算段階で見きわめることは困難と思われますが、それ以前に、設計段階での見積価格に問題はなかったでしょうか。
 私が聞くところによると、現場で働く人間ならわかる数々のむだな部分もあるということでした。設計と見積もりを外部に委託することは非といたしませんが、最終的に職員がそれを検証する能力を身につけた、いわゆる技術屋を育成することで、価格を引き下げることも可能になってくるのではないでしょうか。こうしたエキスパートを育成することは、将来的に三鷹市の財産となると考えます。2期目の市長選に意欲を見せられたことからも、きょうあすでは育て上げることのできない大切な人材に対し、長期的な展望を持って臨むことは重要と考えますので、市長の御所見をお聞かせください。
 続きまして、大きな質問項目の3点目、都市農業についてお尋ねいたします。
 新都市計画法が制定されて以来、都市部における農地は急速に減少の一途をたどっております。しかしながら、昨今の都市農業をめぐる情勢は、ヒートアイランド現象の緩和や学校農園・市民農園への開放、災害時の避難場所、または延焼防止地帯として、大変重要な役割を担っております。我々の立場といたしましては、生産緑地や納税猶予制度など、問題点の改善に取り組まなければなりませんが、こうした中、平成5年に農業経営基盤促進法が成立し、認定農業者制度が創設されました。農業事業者もみずからの経営を見直し、努力するとともに、市民や行政の理解を得ながら都市農業の地位を確立する取り組みです。
 当初は、経営支援に対する見返りが少ないことや、売り上げの基準の高さから、なかなか認定を受ける数も少なかったのですが、改正農業基盤整備促進法などにより制度上の支援策も充実してきました。それにより都内でも各地で認定農業者の認定を受ける農業者も徐々に増加してきました。認定農業者制度だけでは都市農地保全の解決策にはなりませんが、この制度や家族経営協定を結ぶなどしていただき、積極的に意欲ある農業者を育成することによって、都市農地の保全にもつながると考えますし、行政が強力にサポートすることにより、今後起こり得る国の制度改正にも対応できる強い三鷹の農業を確立することにもつながると思います。今後、市としてどのような考えを持ってこの制度に取り組まれるのか、市長の御所見をお伺いいたします。
 続きまして、最後の質問になります。公共工事に関連してお尋ねをいたします。
 公共工事は不況対策の観点からも活用され、日本経済を支えてきました。しかし、昨今の公共工事では、鉄や原油の高騰により、市内受注業者も「採算割れぎりぎり」と悲鳴を上げています。こうした状況下で、下請・孫請業者の賃金の実態について、市としてどのような把握をされているのでしょうか。
 最近、公契約条例の制定を求める声も上がっておりますが、それよりも、まず建設業に携わる方々、とりわけ建設職人さんやひとり親方の賃金実態を明らかにすることが先決ではないかと私は考えます。
 本年8月には、「下請契約における代金支払の適正化等について」の国土交通省からの通達が出されました。この通達は毎年出されているものですが、ことしも例年同様、次のような指摘を行っています。書面による下請契約が行われていない例や、前払い金や労務費相当分の必要な資金についても下請業者に対して適正に行われていない例のほか、いわゆる「指値」発注が多く見られると指摘しております。こうした不適正の結果、不払い事件が数多く発生しています。そして重層下請末端の労働者の賃金にしわ寄せされ、容認できない賃金事情が発生しています。
 建設職人の組合である全建総連の東京都連合会が行った賃金アンケートでは、一人前の職人が1日働いて1万7,000円前後という結果が出ていると指摘しています。この数字に関連して、平成18年の東京都人事委員会の勧告を調べてみました。それによると、職員と民間との給与比較がなされ、職員給与は月額43万1,756円、民間給与も月額43万399円となっていること、そして特別給は4.45カ月になっていることとしています。この数字をもとに月額を16.45倍して年額とし、これを12カ月、月22日稼働として計算し直すと、都の職員で日額が2万6,900円、民間でも2万6,800円となります。これが事実であるならば、建設職人の賃金実態がいかに低いかがわかります。
 公共工事入札・契約適正化促進法成立の際になされた衆議院の附帯決議に次のような項目があります。「建設労働者の賃金、労働条件の確保が適切に行われるよう努めること」。これまでタブーとされた賃金・労働条件に言及するものです。そして、この1行を加えざるを得なかった背景には、不当な契約の結果が「労働者の賃金を不当に低く抑え込む」事実があり、そのことを憂慮したものであります。「だれもがわかっていて何もできない、何もしない」というのでは、建設労働者である市民を守ることはできません。まずは法の趣旨にのっとり、国土交通省の指摘を真摯に受けとめ、市発注の公共工事現場において末端の労働者の賃金実態を調査することが急務と考えます。確かに「行政が雇用関係に口を挟むべきではない」という声もありますが、実態を調査することは雇用関係に口を挟むことではありません。むしろ不当な賃金強要の抑止力になる可能性を秘めていると思います。
 そこでお尋ねをいたします。他の自治体では、このような賃金実態調査をしているところはございますでしょうか。また、三鷹市として、今後、下請・孫請等、末端労働者の賃金実態調査や、市内建設業者に対して調査を実施し、それを公表するお考えについてお聞かせください。
 以上で壇上からの質問を終わらせていただきます。御答弁によりましては自席からの再質問を留保いたします。
                〔市長 清原慶子さん 登壇〕


◯市長(清原慶子さん)  防災公園について御質問をいただきました。設置に対する考え方についての御質問です。
 地域の防災力は、阪神・淡路大震災の教訓にまつまでもなく、被害の最小化や、その後の避難生活の上で防災計画における重要な課題の一つです。地域で自主防災組織の皆さんを中心に、コミュニティ・センターや学校を中心的な拠点施設として、さまざまな防災活動が実践されています。また、災害時には各地区の避難所の開設予定地であるこれらの施設を目標地点として避難行動をとることとなっています。さらに実際の災害時にはどのような被害状況であるか、どんな危険な事態が存在しているのか、それはなかなかわからないことから、公園やその他のオープンスペースを一時避難場所として、安全を確認後にそれぞれの避難所に避難する方法をとっています。こうした基本的な考え方から、施設整備の重点は、これまでコミュニティ・センターや小・中学校の施設に置いてきました。あわせて私立の学校でありますとか、比較的広いスペースを持っていらっしゃるところとは協定を交わすなど、いざというときの重層的な取り組みにも留意をしてきたところです。
 そこで、公園の持つ機能ですが、これは単に一時避難場所としての機能を持つことのほかに、延焼防止や消火、救命等の活動場所としての機能も備えています。そこで、御提案の防災公園については今後十分検討することといたします。
 そこで、市内児童遊園の活用など、今後の調査・研究についても御質問をいただきました。
 現在、防災施設を持っている公園として位置づけられているのは、例えばあけぼのふれあい公園ですとか、丸池公園があります。このほかにも実態的な防災機能を町会等の御協力によりまして持っている公園があります。これらの公園は、地元の要望があって設置してきましたけれども、この公園のあり方や、防災拠点に対する各地域の住民の皆さん、また自主防災組織の皆さんの考え方もさまざまあると思います。御意見や御要望を今後お伺いするとともに、先ほども答弁いたしましたように、今後しっかり検討していきたいと考えています。
 大きな2点目としまして、市の職員の専門性の向上について御質問をいただきました。
 自治体の職員に現在求められている専門性は、先ほど質問議員さんが例示されているような、例えば情報通信システムの活用が増加していることによって求められる専門性にとどまらず、税制、財政、あるいは社会福祉制度などの改革の中でその適正な運用を進めるなど、求められる専門性も多岐にわたっていると認識しています。私はかねてより人材育成の重要性に着目してきました。特に三鷹市役所の職員は、市民の皆様にとっての宝であるとの考え方から、「人材」の「材」の字を、漢字の木へんから貝へんに変えて、そのメッセージも明らかにしました。
 そこで、例えば職員の人材育成のためには、第1に、職員一人一人に対する適正な人事考課や処遇を行い、上司とともに職員のキャリアの向上や業務目標について話し合いを行う人事任用制度をしっかりと置くこと、第2に、職務に必要な研修を的確に実施して、職員の自己啓発意欲にこたえ、知識、能力の向上を図る職員研修制度を整備すること、第3に、職員に自分の能力と適性を自覚する機会を与え、組織に貢献していく気概を養い、その能力と適性やキャリアを最大限に生かすことができる場に人事配置をする人事異動制度が必要です。それぞれが個別にあるのではなくて、密接に連携をしながら十分に機能するように進めていくことが必要です。
 三鷹市では、三鷹市人財育成基本方針に基づきまして、これらの制度の適切な運用を図っています。特に職員の知識と能力、また経験や適性、意欲と市の計画や組織目標との整合性を持つことが必要です。長期的な展望を持って、計画的で総合的な人材育成を図ることが求められています。一般に公務員はゼネラリストでなければならないと言われますが、議員さん御指摘のように、現代の自治体経営に求められる専門的な知識、能力、技術等を有するいわゆるスペシャリストの育成を目指してきています。
 そこで、例えば各種専門研修や講座、通信教育等を受講してもらいまして、自発的な研修を進めるということ、また、講師を招いて職場単位で職場研修も実施しています。また、事務研究会という職場ごとの勉強会により専門的な事項に関して職員の共通理解を図り、実務的なOJT──すなわちオン・ザ・ジョブ・トレーニングを行いまして、職員の専門性の向上を図っているところです。特に私、市長に就任しましてからは、できる限り個々の職員に対して、みずから取り組んでいきたいことと、それぞれの能力、適性を明確に分析することによって能力開発目標を設定してもらうようにしました。こうしたキャリアプランをつくることそのものも、能力研究開発研修として継続的に、あるいは定期的に実施しています。
 また、人事任用制度の運用については、人事考課、つまり人事を評価する際のフォロー面接などを通じまして、先ほど申し上げました職員自身の能力開発等のキャリアプランと、三鷹市の組織目標とのすり合わせを行っています。そういうことをする中で初めて適切な人事異動が行われるものと考えておりまして、これは決して容易ではありません。なぜならば、三鷹市は、これまでも適性さを求めつつ人員を削減してきております。したがいまして、文字どおり三鷹市の伝統である少数精鋭主義を貫いていくためには、少数であるとともに精鋭を備えていかなければなりません。そこで、この難しい課題についても、繰り返しになりますが、職員は市民の皆様にとっての宝でございます。もちろん市長にとっての宝でございますので、しっかりとですね、この難しい課題に取り組んでまいりたいと思います。
 大きな3点目、都市農業について御質問をいただきました。認定農業者制度に対する市の考え方についてでございます。
 平成15年(2003年)の5月30日に確定した三鷹市農業振興計画(改定)では、認定農業者制度の実施目標年度を平成22年度に設定しています。認定農業者制度をつくるためには、この三鷹市農業振興計画(改定)の中に、新たに三鷹市の経営体モデルを設定する必要があります。最近では少量多品目の集約型農業の中で、意欲的な農業経営をPRできるとか、経営を充実するために活用できる制度ということから、農業者や農業関係者に理解されることによって、議員さん御指摘の認定農業者制度を計画する市町村がふえる傾向にあります。三鷹市では、農業委員会やJA東京むさし青壮年部と市が合同しまして、ただいま研究会を開催しています。その中でも、できるだけ早い時期に認定農業者制度を実施してほしいという声が大きくなってまいりました。そこで、実施目標年度を少しでも前倒しして制度化できるように取り組んでまいります。
 認定に当たりましては、個々の農業者の経営改善計画を三鷹市農業振興計画(改定)に照らして認定するため、東京都農業会議、東京都中央普及センター、東京都農業振興事務所、東京むさし農業協同組合、そして三鷹市の農業委員会など、農業関係者によります認定審査会を立ち上げることも必要となります。認定を契機に家族経営の状況を家族全員が知る機会、また、それぞれの我が家の農業の将来について話す機会とするために、文書による家族経営協定についてもよく説明していきたいと考えています。
 認定を受けた農業者の5年後の経営目標に向かって、さまざまな経営上のアドバイスを行う農業経営改善センターを設立することも必要ですので、認定農業者制度が有効に機能していくように、前向きに検討をしていきたいと思っております。私からは以上です。


◯総務部長(萩原幸夫君)  市長の答弁に補足をさせていただきます。
 公共事業について、下請、孫請の賃金の実態調査をする考え方について御質問がありました。
 地方公共団体が締結する契約、御存じのとおりですね、公法上の法律効果を発生させるですね、公法上の契約と、私人との対等の位置において契約する私法上の契約があるわけですけれども、御質問の下請等の賃金については、元請事業者と下請事業者、下請事業者と孫請事業者との間において法律の範囲内で、いわゆる契約自由の原則に基づいて決定されるものでありまして、このことについて行政がどこまで関与できるのかについては非常に難しい問題があり、慎重に対応が求められるところであります。
 公共事業の果たす役割としては、今、申し上げました契約自由の原則が適用される一方で市内商工業者の育成や雇用の創出といった側面をも有することから、市ではそうした効果にも配慮をしながら、これまでも元請事業者に対し、下請事業者の賃金の適正化について指導の観点から必要な周知をしてきたところであります。この下請等の賃金については、今、御質問議員が御指摘のとおり、国土交通省からの通知や、公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律の成立時における、参議院の附帯決議でもある「建設労働者の賃金・労働条件の確保について」も参考にしながら、今後とも引き続き、元請事業者に対する必要な周知、指導を行っていきたいというふうに考えております。
 なお、ほかの自治体での調査・研究の実績についてのお尋ねがございましたが、このことについて照会したということはありませんけれども、今後ですね、近隣市との情報交換の場もありますので、そうしたところを活用してですね、お尋ねの件についても、各自治体の状況等について意見交換をしてみたいというふうに考えております。以上であります。


◯都市整備部長(田口 茂君)  9月に武蔵野市の防災公園2カ所を視察をしてまいりました。それについての感想をということでございますので、二、三申し上げます。
 現在、三鷹市におきましてですね、市街地の中のオープンスペースとして公園がかなり貴重でございますけれども、その整備のあり方については非常に多様な意見があります。例えば一切の遊具を置かない原っぱ的な公園が必要だとか、ないしは健康遊具を置いてほしいとか、トイレを置くべきであるとか、水飲み場が必要だとかですね、いろいろな意見が多様に分かれているという状況にあります。
 武蔵野市の2つの公園というのは、いずれも新設の公園でありました。ここで地域の要望を受け、また、防災計画の背景もあって幾つかの防災的な施設を残したということでございました。三鷹市に置きかえて考えますと、先ほど市長が申し上げましたように、新川丸池公園であるとか、あけぼのふれあい公園の、これは新設整備に際して防災倉庫等の配置を行ったということであります。
 一方、翻って考えてみますと、市街地の真ん中にあります公園というのは、かなり古い歴史もありまして、既存の公園の中に新たに仕掛けを設けていくというのはなかなか難しい側面があるなというふうに考えています。地域の皆さんの使い勝手というものがある程度定着をしている公園というのがありまして、そこにですね、新たな防災公園的な色彩を持ち込むということについては、それなりの調整が必要であろうかなというふうに考えています。
 しかし、何をおいても防災への備えというのは、やり過ぎることはありませんので、例えば完全なリニューアルの公園であるとか、今後新設する公園、こうした整備に際しましては、地域の皆さんともですね、十分話し合いをさせていただいて、そうした防災公園的な色彩を持った公園の整備が可能かどうかについての検討が必要かなというふうに考えています。
 また、ソーラーシステム、ソーラー電灯がありましたけれども、あれは1基大体200万ぐらいかかるということで、直接の費用対効果を考えるととんでもない話ですが、電源が断たれたときには有効に機能するということもありますので、これは、先ほど申し上げたような公園の整備に際しての検討の事項であろうというふうに考えています。以上であります。


◯17番(高谷真一朗君)  ありがとうございました。それでは、何点か再質問をさせていただきます。
 ただいまの防災公園の件につきましては、前向きに今後検討していただけるというような御答弁がありましたので、引き続き調査研究をしていっていただきたいと思います。確かに一気に進めようと思えば、大変に費用のかかる話なんですけれども、申し上げましたように、ソーラー電灯──確かに普通で考えればとても高い値段ですが、災害時にもしそれがあったことで、電気が周りになくて、光がそこに差し込んでいるだけでどれだけ市民の方々が安心するか、また、その公園を利用して資機材の集積場所にできるかなど考えますと、必ずしも高いものではないのかなと思いますので、計画をしながら実行していっていただきたいと思います。
 また、先ほど市長は、学校やコミセンを中心に活動していただいていると、今、現状をおっしゃっていただきましたけれども、武蔵野市ではそういうののほかに、防災公園というものを地域につくり、その近所の方々がみんなで管理しているというような形態をとっておりました。これは三鷹市ではない状況でして、我々が視察に行ったときも、近隣の住民の方々が、三鷹市議会が視察に行くからということで、訓練も兼ねて実際に防災倉庫をあけてくれたり、あるいは仮設トイレの設置をしてくれたりというような状況もありました。それを見たときに、本当にすばらしい防災意識、近隣だけになってしまうかもしれませんけれども、そういったことの積み重ねが今後必要になってくるのではないかなと思いますので、ぜひともそうした組織体系等も含めて御検討いただければありがたいなと思います。
 また、視察した中には、防災備蓄品ですけれども、三鷹市にはないようなものもありました。例えば油圧式のジャッキであるとか、そうしたものは三鷹市ではたしか保管はしてないと思いますので、そうしたものの整備も検討していただきたいと思います。御所見があったらよろしくお願いいたします。
 それから、職員の専門性についてですけれども、確かに人を育てるのはすごく難しいことで、今、るるとその研修の件、フォローアップでの面接でのキャリアプランとか、いろいろ御答弁いただきましたけれども、確かにやっていることはすごいんですが、もし、じゃ、そこについていけないような職員の方々がいらっしゃったとすれば、例えばメンタルの面でも、いろいろとダメージを受けていくということも考えられます。市長も、この矛盾するような難しさの中で、いろいろと対応を図られているとは思いますけれども、あくまでその方々の個人を尊重したやり方をしていっていただきたいという思いがあります。最近では、本当に職員の数もどんどん少なくなってきて、一人にかかる負担というのが物すごく多くなってきているように感じます。そうした中で、だれしもがすばらしい能力を持ってできるわけではありませんので、本当に一人一人個々の適性を見抜いた上での職員配置を心がけていただきたいと思います。
 特に私が気になったのは、質問の中でも申しましたけれども、設計の図面を見れる職員の方が今いるのかどうかということが気になりました。公共工事、図面が設計屋さんから上がってきたときに、ここはこうじゃないんじゃないかと、行政の側から指摘をできるような職員という人がいなくなってしまうと、例えば地元の建設業の方々との打ち合わせのときとかでも、いろいろと意見交換の中で、ここはむだだ、あそこはそうじゃないというような話し合いもできるのではないかと思いますが、そういったことについてどう思われるでしょう。例えばそういう職場にいると、10年とかいなければ、絶対になれてこないという感覚が私にはありますけれども、最近見ていますと、2年、3年で職員の異動が頻繁に行われるような状況の中で、それはどのようにお考えになるでしょうか。
 それから、認定農業者制度についてなんですけれども、前倒しで検討をしていただいているということで、すごくありがたいと思うんですけれども、やはりその後のフォローというものが必要になってきます。認定農業者、あるいは家族経営協定をされるところ、他市の状況がありますけれども、例えば家族経営協定なんていうのも、私の目から見ると、例えばあれは青色申告で専従者給与の実態をがちっと把握するための制度にもなりかねないというような考えがあります。認定農業者制度についても、確かに今の段階ではまだまだ施策面というか、バックアップの面が足りないなという思いはありますけれども、質問の中で、ちょっと色をぼやかしてしまってわからないんですが、例えば今後、相続税の納税猶予制度が変わっていくときに、この認定を受けていなければどうのこうのとか、生産緑地を変える場合に、この制度を持っていればどうのとか、そういった国の方針転換がなきにしもあらずだと思いますので、そういったところをしっかりとサポートしていくことが三鷹市の農業を守っていくことにもつながるのではないかなと思いましたので、しっかりとそのサポートをしていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 それから、公共工事についてなんですけれども、この調査について各自治体と意見交換をこれからというお話しですけれども、多分、この調査をやっている自治体はありません。そうした中で、まず末端の労働者の方々の実態を把握してですね、やることが──例えば実態を把握して、それを例えば市長がコメントとして市民に発するというような取り組みが必要なのではないかと思っています。行政が一体となって下請さん、孫請さんたちの立場を理解しているという姿勢を示すことが、まずこの最低賃金というか、賃金の確保に重要な影響をもたらすのではないかと思いますので、御所見をお願いいたしたいと思います。
 また、こうした厳しい状況の中では、やはり若年層の方々も就労しづらいと思うんですね。そうした若年層の建設業離れが進む中でもですね、やはりまずは実態調査が必要だと思いますので、御所見があればよろしくお願いいたします。


◯市長(清原慶子さん)  人材育成に関する御質問で、例えば図面を職員が読めないような状態はないようにという趣旨からの御質問をいただきました。つい最近も、建築専門の職員採用の最終面接をしたばかりでございます。私としては、すべての領域について最高水準の職員をですね、常に確保できるかどうかと言われたら、それについては決して大ぶろしきを広げるつもりはありません。ただ、しっかりと公正・適正なですね、三鷹市の取り組みを進めていく上で、都市整備部のみならず、その他の部門では必要な判断ができる能力というものを職員に持ってほしいし、あるいは既にそういう資格等を持っている職員が市役所で働いていただけるような、そういう人材計画を持って臨んでいるところです。
 それから、農業の継承について、言葉は違いますが、警鐘を鳴らしての御質問をいただいたわけでございます。これは、三鷹市の都市農業のみならず、商工業についても事業の継承、あるいは承継と反対に言うこともありますが、大変重要で、当事者のみならず、三鷹市の産業振興、いいえ、産業維持の面からですね、私は重い課題だと受けとめております。三鷹市として最大限のことをするとともに、相続税、あるいは事業承継にかかわる税制の改善などについてもですね、市民の皆様から、商工会、法人会等からも、農業関係者以外からも問題提起がありますから、その点についてはしっかりとですね、主張し問題提起をしていきたいと思っております。
 最後に、私は、国土交通省の中央建設業審議会の委員を拝命しました。年に1回、2回ぐらいしか開かれないんですが、さきに私、出席させていただいたときには、私たち自治体の長というのは、地域にお仕事をお願いする立場であると。公共事業をお願いする立場であると。そのときに、しっかりと地域の事業者で、例えば防災協定であるとか、あるいは安全安心パトロールの協定とかですね、結ばせていただいている事業者が、その公共事業を公正にですね、しかも公平に適正に入札して、そしてその仕事を引き受けていただけるような、透明度の高い取り組みをしていく必要があると。そうであるならば、そうした事業者の方を適切に評価するということをしていきたいので、例えば国においては、国が公共事業を発注するときには、しっかりとそうした透明性の高いことをやっていただき、基礎自治体である三鷹市もですね、そういう取り組みをしていきたいので、きちんとしたガイドラインをお願いしたいという発言をしました。
 これについては反響がございまして、あわせていわゆる建設業の下請、孫請等のお仕事をされている団体の代表も発言をされました。私は、国の建設事業に関する取り組みの中でも、改めて、理想ではなくて今の現実、目の前にあるですね、下請、孫請の実態をきちんとですね、労働者の働くことの保障のみならず賃金の保障も含めて考えていくというようなことが、話し合われてきているというふうに思いましたし、三鷹市としてもしっかりそうした時期をとらえて話していきたいと思います。このことについて、議員さん御指摘のように、そうした公式な場での発言のみならず、三鷹市の中でもしっかりと市長として発言をしていきたいと、このように考えております。


◯副市長(津端 修君)  防災公園の関連でですね、再質問をいただきました。
 お隣のですね、武蔵野市との比較において、その公園の運営方法であるとか、備蓄物品についての御質問をいただいたわけでございますけれども、私ども、防災の面におきましてはですね、武蔵野市の取り組みの実態はよく承知しておりませんが、三鷹市としてはですね、各住協単位における自主防災組織を中心にですね、今まで自主的なですね、そういうふうな地域の皆さんの協力と参加を得る中でですね、運営してきているという実績があるわけでございます。したがいまして、公園のみならずですね、防災事業につきましては、今までのそうした取り組みをですね、大切にする中で、さらなる拡充をしていかなければならないと、このように考えております。
 また、備蓄物品等についてもですね、品種あるいは量につきましても、予算の許す範囲においてですね、さらなる充実を図ってまいりたいと思いますので、よろしくお願いをしたいと思います。


◯17番(高谷真一朗君)  ありがとうございました。防災公園については、おっしゃったように、今あるものの拡充ということで、ぜひとも人を生かし、そして設備面でもぜひとも設置に向けて頑張っていただきたい。よろしくお願いいたしたいと思います。
 それから、人材の件に関してなんですけれども、市長は、先ほど来、職員は宝だというふうにおっしゃっております。私の好きな戦国武将で武田信玄という方、彼は生涯、城を持たずにやかただけでやりましたけれども、「人は石垣、人は城」という言葉ですね。三鷹市を一つの国と例えれば、まさに役所はやかたなわけで、人は石垣でありますから、ここのところを心がけて、今後もメンタルな面で参ってしまうような職員を出さないような環境の中でやっていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 以上で終わります。


◯議長(石井良司君)  以上で高谷真一朗君の質問を終わります。
    ──────────────────────────────────────


◯議長(石井良司君)  次の通告者、26番 栗原健治君、登壇願います。
                〔26番 栗原健治君 登壇〕


◯26番(栗原健治君)  では、よろしくお願いいたします。
 まず最初に、コミュニティバス事業について質問をします。
 平成18年6月にコミュニティバス事業基本方針が発表されました。コミュニティバス事業に対する市民の要望、期待は大変大きいものがあります。市は、これまでのコミュニティバス改善の方策として、1路線完結型のコミュニティバスから方向転換し、路線バス、コミュニティバス及び小型車両方式の導入により、それぞれの公共交通における役割分担を明確にし、乗りかえ制度の充実と合わせた体系的な交通ネットワークとして新バス交通連携システム(みたかバスネット)を創設、交通利便性向上に向けた改善事業を推進するとしました。このみたかバスネット実現に向け、3期にわたる見直し計画を策定しています。改善対象ゾーンを抽出し、改善対象ゾーンごとの改善方策の選定、そして見直しに向けた優先順位の決定がされています。最も優先順位の高い平成18年度改善ゾーンを見直しモデルゾーンとし、他のゾーンも次年度以降、優先順位に従って順次具体的な改善を行っていくと言っています。
 平成18年度の改善ゾーンの具体化は、大変大きな意味を持ちます。平成18年度見直し対象ゾーンは、北口ゾーンと新中ゾーンです。北口ゾーンは、三鷹駅北口から上連雀一丁目と武蔵野市を巡回するルートで、武蔵野市と共同でムーバスとして運行されることが決まりました。大変喜ばしいことです。署名や請願など市民の努力に敬意を表するとともに、三鷹市の努力を評価するものです。残るは新中ゾーンです。中原の交通不便地域の解消は長年の地域要求であり、高齢化が進む中で、既存のバス路線のバス停まで10分以上かかる高齢者の声は切実です。最近では、まち中にあった商店街が店を畳み、日常の買い物も困難な状況が生まれています。秋も大分深まり、冬はもう目前です。「つつじヶ丘ルートは、どうなっているのか」という声が寄せられています。また、「どのような形態のバスを運行しようとしているのか」、よくわからないという声も寄せられています。
 ここで新中ゾーンの進捗状況について質問をします。
 1、実証運行の準備は進んでいるのでしょうか。現状、進捗状況をお聞かせください。
 まる2、いつごろ、どのようなルートで行おうとしているのか、お聞かせください。
 3つ目、三鷹市独自の交通システムとして進められると思いますが、新中ゾーンでは、どのようなものになるのかお聞きします。
 (2)バスの運賃について質問をします。
 バスの利用に大きな影響を与えるのが、バスの運賃です。全国の自治体で広がり、身近な住民の足になっているのもワンコイン100円運賃の効用が大変大きいと思います。三鷹市は、100円ワンコイン化を図っていくとしていますが、三鷹市が準路線バスと位置づけたルートは、現行路線バス運賃と同額の200円にしようとしています。武蔵野市のムーバスとの共同もあり、幹線路線的なルートも100円になります。三鷹市内の住む地域の違いで、運賃に格差が生まれることになります。ジブリのルートの運賃も入れると、運賃は3種類になります。市民は納得できるでしょうか。ここで質問をします。
 新中ルートの運賃は幾らを考えていますか。
 2番目、市民の強い要求に従い、市内コミュニティバスの運賃は、準路線バス運賃も含めてすべて100円ワンコインの統一料金にすべきと考えますが、市長の考えをお伺いします。
 3つ目、今後よりよいコミュニティバスにするためには、市民の声をいかに柔軟に反映させるかが重要になると考えます。市民のだれもが喜ばれるバス運賃や、よりよいルート、バス停の位置など、市民の協力と理解がなければ進まない課題も生まれてくると思います。ここで質問します。
 1、コミュニティバス事業について、今後、市民の声を反映するお考えはあるのでしょうか。
 2番目、もし反映するお考えがあるとすれば、どのような方法を用いて反映させるのかお聞かせください。
 3つ目、三鷹市中央部の既存のバス路線は、東西を通る横軸の路線(山中通りでは大成高校から吉祥寺通りまで、連雀通りでは八幡様から南浦まで)が途切れていて大変弱く、中央部でバスが通ってないところの高齢者から、「不便だ」、「不自由をしている」という声が強くなっています。中央ゾーンにおいて市民の声をどのように受けとめ、今後どのように改善していくのかをお尋ねします。
 大きな2つ目です。外環道路計画について質問をします。
 東京都と国が住民を無視して強引に進めようとしている外郭環状線道路計画は、環境への影響が大変大きい、三鷹にとって必要のない大型開発です。建設費用も膨大で、本道部分で1兆3,500億円、今回の計画変更案では取り消されなかった地上部の外環その2は約6,000億円と言われ、合わせて約2兆円、都民負担は1兆円に上ると都議会では問題にされています。都民1人当たり8万円を超える負担になります。孫子の代まで借金づけ、福祉、教育の予算を圧迫する財政破綻の原因にもなるむだ遣いです。一体だれがこの道路を望んでいるのでしょうか。私の周りからは聞こえてきません。
 この外環道路を地下大深度方式で推し進めようという都市計画変更案に対し、07年の1月12日を期限に、今、市長意見が求められています。この市長意見を提出するために、市長意見(素案)が発表され、11月6日、8日、9日と説明会が行われ、市民意見も11月30日まで募集されました。
 市長意見(素案)は「一定の評価を行う」ものとしていますが、外環道は、そもそも道なき住宅街の上に計画線を引いたもので、地域環境に与える影響は、今回の計画案でも少ないものではありません。外環のその2は残り、明確に廃止されてない計画であり、整備されるとなれば、東八道路から北部の牟礼、井の頭の立ち退きも変わりません。市長意見(素案)でも指摘しているように、外環本線に加えて、中央ジャンクション、東八インターチェンジ、さらに換気所が計画されるなど三鷹地域へ与える影響は極めて大きいものがあるもので、今回の外環道路計画変更案でも到底評価できるものではありません。今後も国や都に外環計画の妥当性について、真摯な検討を重ねることを要望するのは当然で、この点は共感するものですが、最後に、総括意見の確実な履行や具体的意見の実現への取り組みを確約することを条件に、都市計画の変更を行うことに同意するとあるのは理解ができません。都が確約しても、明確な保障もなければ、担保もありません。たとえ確約が実行されても、今よりも環境が悪くなることは間違いないからです。三鷹の上水の約6割を占める地下水への影響、東八インターチェンジの出口の交通量や、三鷹市内の幹線道全域の環境影響など、データがまだ不十分で、市民は理解のしようもなく、不安ばかりが大きくなっています。このような状況のもとで、外環道路計画を進めることは到底認められません。三鷹市の未来は、三鷹市民が決める権利を持っていると私は考えます。
 ここで市長に質問します。
 1、市民説明会についてお伺いします。
 1、今回の市長意見(素案)に対し行われた市民説明会において、寄せられた市民の意見の内容はどのようなものが多かったでしょうか。その特徴をどのように認識しているのでしょうか、お尋ねします。
 市長、説明会に参加した多くの市民が、説明会への市長の参加を望んでいました。残念ながら3回の説明会に一度も参加されていませんでしたが、参加した多くの市民は、説明会での市民の意見が市長にどのように伝わり、市長がどのように受けとめたのかを注目しています。市長意見にどのように市民の意見を反映させるのかで市長の姿勢がわかると思います。
 2、市民意見をどのように市長意見に反映させるかをお尋ねします。
 市長、都市計画変更案に同意をすれば、条件をいろいろつけても外環道路計画を推し進めることにつながります。環境問題など外環ができるとどうなるのか、三鷹市民の中でも十分な理解と納得のできる資料はまだまだ提供されていません。また、不十分な資料でさえ、三鷹市民に周知徹底されていません。不安も解消されてないもとで、外環道路事業を進めることは、住民自治の視点からも認められません。
 2、市長意見において、現時点で都市計画変更案には「同意しない」ことをはっきり表明することこそ、三鷹市民の生活と三鷹の住環境を守る最も賢明な対応だと考えますが、いかがでしょうか、御所見をお伺いします。よろしくお願いいたします。
                〔市長 清原慶子さん 登壇〕


◯市長(清原慶子さん)  外環道路計画についての御質問にお答えいたします。
 市長意見(素案)の市民説明会についてでございます。
 東京外郭環状道路計画については、ことしの6月より東京都において都市計画の変更手続が進められているところです。この都市計画変更の手続において、東京都より市長意見の提出について、1月12日を期限として求められていることから、三鷹市として外環計画の都市計画変更案に係る市長意見(素案)を作成し、市民の皆様からの御意見をお寄せいただくため、説明会を実施いたしました。
 市民説明会の開催状況ですが、市内東部地区の3カ所を会場として、11月6日、8日、9日の3回実施しました。出席された方は3カ所の合計で214人でした。御質問の、市民説明会における意見の内容と、その特徴については、出席した担当部長よりしっかりと説明を私は聞いておりまして、個別の御意見についても読ませていただいております。発言された多くの方が、都市計画変更案や市の意見書について批判的もしくは修正を求める立場から意見を出されたものと認識しています。また、外環についてのマイナス面の影響を心配・懸念する意見も少なくありませんでしたが、こうした意見については、基本的には市としても、これまでも課題として認識してきたところと重なりますので、問題意識を共有しているととらえています。
 なお、私には、説明会に出席していなかった市民の皆さんからの御意見も届いています。市民の皆さんの御意見は多様です。こうした市民の皆さんからの御意見につきましては、これまでの各委員会や審議会での御意見も含めまして、最終的には所管審議会であります都市計画審議会での審議の際に参考とさせていただくこととしています。
 次に、市長意見(素案)について御質問いただきました。
 本来、環状にネットワーク整備されるべき外環道が、三鷹市を含む東京区間が未整備であり、交通幹線として十分な機能を果たしているとは言えない現状を理解した上で、首都圏における環状道路の必要性については、市としても一定の理解をするものです。また、従来確定している高架方式から地下方式を基本とする計画への変更案についても、高架方式よりは周辺環境への影響に配慮したものとして一定の評価をしてまいりました。しかしながら、市内には中央道とのジャンクションや、東八道路にはインターチェンジ、さらには換気所が計画されるなど、外環が三鷹市域へ与える影響は、他の沿線区市に比べて大きいものがあると考えています。このことから、今回の市長意見(素案)の中では、市の将来都市像であります緑と水の公園都市の実現に向けて良好な住環境の保全や地域の環境保全の観点から、周辺地域への影響や対応策について、計画の具体化の中で国及び東京都の主体的な責任において適切な対応を求めています。
 このため、市としては、10月に臨時に開催いただきました外環特別委員会で既に詳しく御説明をさせていただきました。また、まちづくり推進委員会等でも御説明させていただきましたが、私としては、現段階で事業着手まで容認するものではありませんが、市長意見(素案)で述べている意見について確実に履行することを条件に、これまで数年間にわたる検討プロセスを経てまとめられた今回の高架方式から地下方式を基本とするものへの都市計画の変更案については、同意してまいりたいと考えています。
 私からは以上です。


◯都市整備部長(田口 茂君)  1点目のコミュニティバスに関してのお尋ねにお答えをします。
 この内容につきましては、けさ一番でお答えした内容と全く同じでありますが、だからと言って省略するわけではありませんけれども──同じであります。現在のコミュニティバスの基本方針の中でお尋ねのですね、新川中原地区、このゾーンは、改善を最も急ぐべき最優先課題であると位置づけておりまして、先ほども申し上げましたけれども、現在の進捗状況といたしましては、交通管理者であるとかバス事業者等と、お尋ねの地域から最寄りの鉄道駅であります京王線つつじヶ丘、この駅間を結ぶことについてのですね、路線であるとか、その方法をめぐっての協議を進めている。ただ、先ほど申し上げましたように、課題が多くて時間を要しているということでございます。
 運賃につきましては、他の地域の路線バスを利用する皆さんとのバランスというものを勘案する必要がありますので、バス事業者等による路線バス運行として通常の路線バス運賃での運行を考えているということであります。
 また、コミュニティバスの運賃につきましては、全市的なバランスを図る中で、改善対象ゾーンの地域特性であるとか、運行の形態によりまして、見直し改善後のワンコイン化というものを目指しているということでございます。
 また、コミュニティバス事業の見直しに当たりましては、パブリックコメントによりまして多くの皆様から御意見、御要望をいただいております。今後は具体的な路線の見直し作業の中で、ヒアリングであるとか、アンケート調査等を行って地域の皆様の御意見や御要望を把握し、事業計画に具体的に反映していきたいと考えています。
 また、市の中央部のバス路線につきましては、コミュニティバスの基本方針に沿って、高齢者の方々を初めとする地域の皆様からの御要望等、大変多くございますので、これらを参考にしながら、中央ゾーンでの改善事業の中で計画的に取り組んでいきたいと考えております。以上であります。


◯26番(栗原健治君)  再質問させていただきます。
 コミュニティバスなんですけれども、高齢化が本当に進んできていて、私も議員になる前から、つつじヶ丘ルートの件では、地域の方々の声を伺いました。また、変化してきているのも実感しているところです。それで、この点でですね、具体的に検討をして、いろいろな努力をされていると思うんですけれども、その取り組みがなかなか見えてこないと。平成18年度につつじヶ丘ルートを考えていると思いますが、年度内での着手というところができる見通しを持っているのかお伺いしたいというふうに思います。
 この点では、午前中の質問でもまだ課題が多々あるという点で、その課題をどのように解決していくのかという点で、経験豊富な三鷹ですから、対応もしているとは思いますけれども、重要なのはその問題をどのように地域で共有して、その問題を解決していくのかと。清原市長の三鷹の市政のあり方でもあるように、協働のあり方がここでも問われていると思います。この点で問題の共有の仕方、また、克服の取り組みについてお話しいただければと思います。
 外環についてお伺いをします。
 私も説明会にも参加しましたし、30日までの意見を上げるのに当たって、いろいろな方に働きかけもし、また地域の声も聞いてきました。私はこの声を聞いて、どういうふうに判断するのかという点で、同意をしていきたいという市長の今の答弁ですが、これで市民の声にこたえることができるんだろうかと。私は本当に市長に頑張ってもらいたいという声も市民の中から多く寄せられているのを伺いました。どういうふうに頑張ってほしいのか。これは、三鷹市の環境を守っていってほしい、住み続けられる三鷹をつくってほしいという点にあります。この外環道路の計画ですけれども、さまざまな環境への影響に対しての対策がその中心的なものになりそうですが、私は、そこは一つ置いといてですね、そもそも外郭環状線道路計画というのはどういうものなのかという点で、まだ解決してない問題が東京都全体でもあると思います。今、市民負担増が大きな問題で、財政破綻も国、また、地方自治体でも大きな問題になっている中で、この道路計画を進めていいのか、もっとやるべきことがあるんじゃないかという声があります。
 この外環道路は、高速道路の整備を決める国幹会議でも、まだそれを決定してない道路で、さらに40年間凍結されてきた道路です。これを、必要性が本当にあるのかという点では疑問の余地がありますし、それに対しての市民の明確な外環に対しての、つくってほしいという声はほとんど聞かれなかった。大変多く、必要ないという声があると。要らないという声が強いというのがこの間の経過だと思います。環状線道路計画ということであるならば、もっとある面では早く進めていくべきものだったのかもしれません。それが凍結されてきたというこの40年間の経過こそ重要だと私は思います。この点では、三鷹市のですね、協働のまちづくりという視点からも、道路を決定するということに対しては、三鷹市の視点で明確に物を言うことが私は必要だと思います。この点では、同意をするということは、市民の声を反映することにはならないのではないかと思いますが、もう一回お伺いしたいというふうに思います。
 この点では一定の評価というものも言われましたが、一定の評価が本当にできるものなのか。環境の影響ということで考えても、一つ挙げれば、大深度地下方式での地下への影響は大変大きなものがあると。実際にその影響がよくわからないというのが私は現状だと思います。国や東京都が問題なしと言っていることをうのみにしていいのかという点では、上水はライフラインにもかかわりますので、大変大きいと思うんですね。この点では、圏央道で八王子の城跡のわき水が枯渇していると。そしてその対策がなかなか有効な手だてがないと。一度つくってしまって影響が出たら、もう取り返しのつかないことというのがこの問題でもはっきりとしていると思うんですね。
 これでは一つ、環境影響ということでは、大深度地下による地下水への影響をどのように三鷹市としては見ているのか、1点、ここでは環境への影響の特徴的な点としてね、お伺いしたいと思いますが、答弁をお願いいたします。


◯市長(清原慶子さん)  質問議員さんには質問を訂正していただきたいと思っております。私は、国や都の言い分をうのみにした覚えはありません。三鷹市長として市民の皆様の声を多角的に聞かせていただいた上で、昨年から私は、質問書、要望書、また、環境アセスメントに関する意見書についても積極的に問題提起をして、個別具体にですね、取り組みも問題提起をしてきたつもりです。これにつきましては、私は前例を踏襲しませんでした。また、他市のこともしんしゃくしませんでした。三鷹市として、市民の皆様にとって、国、都がきちんと決めていく可能性のあることについて、きちんと基礎自治体として言うべきことは言う、示すことは示す、そのようにしてまいりましたので、ただうのみにしたというふうにまとめられては、それはまことに心外ですし、正確ではありません。私としては、市民の皆様の声を──先ほども繰り返しました。説明会に御出席の方ばかりが市民ではありません。ただ、説明会にわざわざ足をお運びいただいた市民の皆様の声を私は最大限尊重をしているつもりですし、御出席できなかったけれども、長年計画線上の上にお住まいで、いろいろな思いのある方のお声も真摯に聞かせていただいております。その上での私は、この時点、最大限振り絞っての意見書をまとめておりますので、その内容についてですね、軽々に一定の一面的な御判断をされるのはいかがかと思いましたので、このように言わせていただきました。


◯副市長(河村 孝君)  つつじヶ丘ルートのですね、整備について、地元の方で大変御要望が強いということは私どもも十分承知しております。高齢化が進んでですね、買い物等でもお困りの方が出てきているというようなお話は、この地域に限らずですね、さまざまどこのところでも、私ども、西でも東でもそういう御意見をお聞きしているところでございます。そういうことで、その中でどういったルートが適切か、それから、それは路線バスがいいのか、コミュニティバスの方がいいのか、そういうことも含めて総合的に今、調整をしているところでございます。
 そういうわけで、全体の優先順位、それから、時期等についてはですね、基本方針の中でも示しておりますが、つつじヶ丘ルートは賛成の方ばかりではないということで、反対運動があって延びてきている経過もありますから、そういったこと全体をですね、勘案して、しっかりと実施に向けての調整をしておりますので、いましばらくお待ちいただきたいというふうに思っております。


◯都市整備部広域まちづくり等担当部長(藤川雅志君)  外環につきまして、市長の御答弁に4点ほどつけ加えさせていただきます。
 私どももですね、質問議員さんがおっしゃられたとおり、三鷹の環境を守る、住み続けられるまちをつくる、こういう大前提のもとに頑張っている最中でございますので、その点は御理解いただきたいと思います。
 それから、外環にかける市民負担といいますか、税の投入という問題がございました。本来、環状につながるべき道路がつながることによってですね、経済効果は年間約3,000億というふうに見られております。それで、外環を整備するための用地買収費、工事費に向こう40年間の維持管理の経費をかけてもですね、3.3倍の効果があるというふうに見られておりまして、それだけの国民の富を今現在、浪費しているということでございますので、この試算を全面的に信用するということまでは申し上げませんけれども、これはある程度認められたそういう推計値として今までも議論されているところをよく御理解いただきたいと思います。
 それから、三鷹市の視点でどう言うべきかということで、我々も三鷹市としての視点で今までいろいろ申し上げてまいりました。私どもはアンケート調査はしておりませんけれども、国、都が実施いたしましたアンケート調査によりますと、6割から8割近い方が外環は必要だというふうにおっしゃっておりますし、三鷹市民でも非常に多くの皆さんの賛同がある道路でございます。
 それから、またですね、練馬区、世田谷区、それから、環八の周辺の皆様からですね、外環を早く整備すべきだという強烈な声がございます。私どもの公害、どうしてくれるんだというような強い声もございまして、やはり三鷹市は公共団体でございますので、そういった地域社会に生きる一員としての立場というのを自覚する必要があるのではないかというふうに考えております。
 それから、大深度地下方式の影響でございますが、これにつきましては、環境影響評価──環境アセスとしてですね、きちっと6月から半年ほどかけて議論していただきました。現在の予測ではですね、ほとんど影響がないというのが環境アセスの予測でございます。ただ、これが実際にそのような形でいくかどうかということを我々は心配はしておりまして、これからもきちっとですね、その辺は検証してまいりますし、国の方でも大深度地下トンネルの技術専門委員会等で真剣な議論をしているようでございますので、この辺については、我々も、今後も引き続き注意深く見守っていきたいというふうに考えております。


◯26番(栗原健治君)  それでは、再質問させていただきます。
 まず市長に、うのみをして信じていいのかと、三鷹市はうのみをして信じているというふうに言ったのではありません。うのみをして信じていいのかと。今までいろいろな環境への影響評価の中身が、対策も含めて不十分だというふうに言ってきた市が、やっぱり市民のこれからの生活の基盤となる住環境を守る視点から、さまざまな検証をしなければならないというふうに思います。その点では、国や都の提供しているものが本当に確かなものなのか、そういう点での地下水のものでは、掘削したボーリングの数が不十分じゃないかという指摘もありますし、圏央道での水の問題では影響が出ていると。それに対しての対策──で、国のその中身を三鷹は認めないと。八王子の自治体の市長は認めているけれども、そういう流れは戦わなければならない実態が生まれてくるわけですね。この点では、やっぱり自治体の本来の役割でもある市民の安全を守る立場でしっかりと取り組まなければならないというふうに思います。その点では、経済効果と言われますけれども、経済効果と健康と命ということであれば、健康と命があってこそ経済効果の意味があるんであって、私は、東京都のこのあり方ですね、一極集中の中でのまちづくりがさまざまな問題を起こしている中で、もっと身の丈に合った、人に優しいまちを目指していくべきだと思います。その点では外郭環状線道路計画というのは余りにも行き過ぎていると。過ぎたるは及ばざるがごとしといいますけれども、圏央道と中央環状新宿線と、その上に外環道をつくると。環状線を幾つつくればいいのかということになります。
 私、手紙をちょっと紹介したいんですけれども、私に寄せられたお手紙でですね、「環八、環七沿いの空気や環境の悪さがこの静かな歴史ある三鷹にも及んでくると思うと怒りでいっぱいです」と。「お上の言うことに物申すことがはばかられるような風潮、強いもの、長いものには巻かれろみたいな雰囲気は恐ろしいことです」ということなんですけれども、外環道路も地域の住民の声から出ているものではないんじゃないかと。東京都や、それにまずは道路をつくって得する人たちの、言ってみればもうけの道具になっているんじゃないかと。そういう点がですね、住民の声が、言ってもなかなかそれが受け入れられないというところに不満があるんだと私は思います。この点でもですね、外環道路についてですが、三鷹市はですね、これは市民の認識でもあると思うので、その点では共通していると思いますけれども、ジャンクションや東八インターチェンジ、また、換気塔というのは迷惑施設ですよ。最大限の対策を求めるのは最低限のやっぱり自治体の責務で、いささかの妥協も許されないというふうに思います。その観点に立ったときには、外環の中止を求めることこそ市民の立場に立つことですし、住環境を守ることになるというふうに私は思います。
 東八インターチェンジも認めないということを明確にすることこそね、僕は必要だというふうに、この間の説明会に寄せられている声でも思います。外環ができたら便利じゃないかという方は確かにいらっしゃいます。ですけれども、市民が苦しむ、また、環境が悪くなることを代替にしてまで進めていいのかという点では、考えさせてもらいたいというか、そこまで必要なものなのかというふうに言われる方も大勢聞いてきました。その点でも私はですね、市長に外環道の建設をすることにつながってしまうね、同意はしていただきたくないと。そういう立場でね、意見書を出していただきたいというふうに思います。それが市民の声だということをお伝えすると同時に、つつじヶ丘ルートについては努力していただきたいのと、100円ワンコインのことについては、さらにこれから運動を通してお伝えしていきたいというふうに思います。


◯議長(石井良司君)  それでは、以上で栗原健治君の質問を終わります。
    ──────────────────────────────────────


◯議長(石井良司君)  次の通告者、27番 森 徹君、登壇願います。
                〔27番 森  徹君 登壇〕


◯27番(森  徹君)  それでは、質問いたします。
 この秋、児童・生徒のいじめによる、痛ましい自殺が連続して起きました。楽しいはずの学校での陰湿ないじめがテレビ・新聞などで報道されています。いじめによる自殺で、教師や教育委員会に批判が集まっていますが、それだけでは連鎖は防げません。かけがえのない子どもたちの命の価値を、社会全体がどのように伝えていくかを重視すべきではないでしょうか。
 学校で陰湿ないじめがなぜ起こっているのか。また、子どもたちを取り巻く現状はどうなっているのか。新聞報道にも、「学校を批判するだけでは済まされない。経済優先で自然の命を軽視してきた社会全体の風潮を改め、続く世代と命の尊さを共有し、話し合う機会を見つけていかねばならぬ」とあります。子どもたちに、この数値と効率を絶えず追いかける社会全体の風潮からのストレスはないのでしょうか。
 以上、児童・生徒のいじめによる自殺の背景についてのお考えをお聞かせください。
 次に、三鷹市におけるいじめの掌握と、都教委への報告についてお聞きします。
 文部科学省の統計では、全国の児童・生徒の「いじめによる自殺」は、1999年度以降7年間ゼロとなっています。しかし、北海道滝川市では、小学校6年生女子児童の自殺も、いじめが原因だったことが判明しました。新潟市では、いじめの年間目標を「ゼロ」にしないと、その学校の報告書を市の教育委員会が受け付けないとしていたそうです。三鷹市ではそのようなことはないと信じたいと思いますが、いかがでしょうか。三鷹市のいじめの実態掌握と報告の内容はどうなっているのでしょうか。お聞かせください。
 いじめによる自殺は何としてもなくさなければなりません。自殺の連鎖が報道されると、三鷹ではどうかと本当に心配です。いじめをなくすために何が求められているのでしょうか。早期発見と教師集団の一致協力した取り組みが必要と言われていますが、家庭・地域との関係はどうすべきかなど、社会全体で取り組むべき課題と言えます。
 児童・生徒のいじめと、それによる自殺という現象の中には、学校教育のあり方と社会の矛盾が集中的にあらわれているのではないでしょうか。日本の学校教育が過度に競争を進めているということについては、国連の子どもの権利委員会により、二度にわたって勧告が出されています。ことし10月のNHKの討論会で、伊吹文部科学大臣が、「文部科学省の指導にも、若干問題があったと反省している」、「いじめゼロである学校が「よい学校」だという打ち出し方をすると、みんなよく見てもらいたいと思い、教師はいじめを隠す、教育委員会は報告しないという現象が起こってくる」、「教育行政の(いじめの)評価のあり方を変えないといけない」と述べています。これは、数値目標による「いじめ対策」の問題があったことを認める発言です。いじめをなくすために、今何が求められるとお考えでしょうか。教育長の御所見をお聞かせください。
 次に、三鷹市の教育ビジョンについて質問いたします。
 三鷹市の教育ビジョン(案)は、慶応大学大学院教授の金子郁容氏を座長に、4人の策定助言者により昨年4月から作業が行われました。この中で、学校長やPTA役員との意見交換会がそれぞれ1時間となっています。1時間でどれだけの意見交換がなされたのでしょうか。余りにも形式的と考えますが、いかがお考えでしょうか。また、日ごろ子どもたちと接している現場の先生の参加は何よりも重要と考えますが、その参加がありません。現場の教師の声がどのように生かされたのでしょうか。このビジョン(案)は、三鷹市教育委員会が中・長期的な観点から取り組む、基本的な方向と施策として取りまとめたとされています。作業は学識経験者主導で進められましたが、現状を把握し、現場の実態が反映されたビジョンでなければ、三鷹の子どもの教育には生かされません。三鷹でいじめと自殺を生まないためにも、子どもと接している教員や市民との協働の力で、三鷹の教育ビジョンを練り上げる努力が大切ではないでしょうか。小・中一貫教育校構想の取り組みの中で示された市民の教育への熱意は、教育委員会も認識されていると考えます。この力を集める努力が、いじめの根絶にもつながると考えますが、いかがでしょうか。
 パブリックコメントについてお聞きします。
 広報を見た方から、「読んでみたが理解できない」、「ビジョンの内容をもっと詳しく知りたい」などの声が聞かれました。広報に掲載された内容では、市民への情報の提供に問題があるようです。「パブリックコメントを実施し、保護者、市民の方々からの幅広い意見をお聞きして」作成するとしていますが、寄せられた意見は31件と聞いています。幅広い意見の集約は今回のパブリックコメントだけで終わるのでしょうか。検討されていることがあればお聞かせください。
 「自律した学校」と「学校長のリーダーシップ」についてお聞きします。
 これからの学校づくりは、学校が自律性を持って、教育を進めることが大切であり、校長がリーダーシップを発揮して、自律した学校経営が進められる体制を確立するとしています。学校の運営には、教師集団の参加と民主的運営が不可欠です。このビジョンからは、「校長のリーダーシップ」の強調が見てとれますが、教師集団が見えてきません。リーダーシップの強調は、学校現場の民主的運営を妨げ、むしろ集団の力を弱めることにつながりかねません。教育に上からの押しつけはなじみません。また、学校長に過度の責任を強いたその弊害として、子どもの自殺に対する責任から、学校長みずからが自殺する事態にまで追い込んでしまったという悲劇も生んでいます。教育の現場は、豊かさとおおらかさと、何よりも自由が大切です。校長のリーダーシップを強調した体制づくりはやめるべきと考えます。御所見をお聞かせください。
 また、「策定に向けての提言(最終まとめ)」で、三鷹市では、「学校は地域の経営体」という考え方に基づいて、それぞれの学校が責任と自由度を持った自律した存在の体制を確立するとしています。学校は地域の経営体とはどういうことでしょうか。また、それが三鷹市の考え方とされていますが、お聞かせください。
 最後に、清原市長の市政運営について御質問いたします。
 市長は、来期への出馬を表明されました。新聞で知りましたが、実は今年度の施政方針の中で市長は次のように述べられております。「経済や社会が不安定な現在だからこそ、私は市民の皆さんにとって「最も身近な政府」である三鷹市が、希望への道筋を明確に示すとともに、セーフティーネットとしての機能を果たすことが何よりも必要だと考えます」。現在、格差社会による貧困化が進む中での市政運営の考え方として、この文言を私は特に注目をし、市政を担ってこられた市長の重い発言と受けとめています。市長のお考えをお聞かせください。
 この場での質問を終わります。御答弁よろしくお願いいたします。
                〔市長 清原慶子さん 登壇〕


◯市長(清原慶子さん)  市長の市政運営について御質問をいただきました。
 平成18年度の施政方針を定めたときの社会状況でございますが、景気回復の歩みは確かなものになっていると言われるものの、三鷹市において、いまだその効果は社会全般に行き渡っているとは言えず、また、国の内外における自然災害の猛威、また、子どもたちをめぐる痛ましい事件の続発、そして、耐震強度の偽装事件などの発生によって社会不安が増大していた時期でした。一方、国や東京都では、さまざまな行財政改革を進行していました。それによってもたらされる市民の皆さんの痛みや、また、三鷹市の財政負担の拡大にどう対応していくのかという課題が顕在化しておりました。いわば時代が大きな転換期を迎えて、経済や社会が不安定な時期でございました。私は、三鷹市という市民の皆様にとって最も身近な政府の市長を務めています。そこで、何よりも暮らしの感覚、生活感、そして実感というものを市民の皆様とともに最も感じているその立場から、希望への道筋を明確に示すとともに、いわゆるセーフティーネットとしての機能を市がしっかりと果たしていくことが何より必要だと考え、それを施政方針で明確に示しました。
 計画レベルでも、第3次三鷹市基本計画の改定で新たに、安全安心のまちづくりを最重点プロジェクトといたしました。文字どおり市民の皆さんの生命、財産を守り、安全安心に暮らしていただけるその条件整備が市政の土台であるという位置づけを行いました。そして、さまざまな課題解決に当たっては、市役所のみで当たるのではなく、市民の皆さん、関係諸機関や関係団体の皆さんと連携して、積極的に事業の実施に努めてまいりました。
 市民の皆様には今、絶対的な貧困ではなくても、相対的な貧困であるとの感じ方を持っている方は増してきているように受けとめています。三鷹市が厳しい財政状況にあって、単に経済的側面のみでセーフティー機能を果たしていくことは、決して容易ではありません。市民の皆様に三鷹市の経営状況についても的確な情報を提供し、共有していただくことが必要です。そして何よりも市民の皆様同士が触れ合いと生きがいを感じ取れるような、まさに心の豊かさの実感を共有できる地域社会を築いていくことなくして、私はセーフティーネットとは言えないと思います。これは決して容易なことではありませんが、三鷹市の市政の理念であります高環境・高福祉による「人間のあすへのまち」をつくるために、たゆまぬ協働の取り組みを進めていきたいと改めて決意しているところでございます。


◯教育長(貝ノ瀬滋君)  いじめについて御質問がございました。私ども子どもにかかわるすべての関係者一人一人がですね、改めてこのいじめの問題の重大性を認識しまして、いじめの兆候をいち早く把握して迅速に対応する、その必要があると強く感じております。本市でもこのことをですね、深刻に受けとめまして、いじめの根絶に向けての取り組みを強化しているところでございます。
 さらに、御質問のですね、いじめを原因とする自殺の背景、理由でございますけれども、御承知のように子どもを取り巻く社会環境は大きく変化しております。また、物の豊かな時代にありまして、子どもたちの規範意識の希薄化ですとか、家庭の養育上の問題等々が指摘されているところでございます。一方、社会ですとか、大人のですね、生活のゆがみとでもいいましょうか、マスコミュニケーションのですね、負の影響も無縁ではないというふうに考えられます。これらの影響によりましてですね、欲望ですとか衝動を抑制する耐性、言葉によって問題を解決する能力、自分自身を大切に思うという自己肯定感といったものがですね、子どもたちに十分育っていないという、そういう現状もありまして、これらがですね、複雑に絡み合って、いじめによる自殺の一因になっているというふうに考えられるのでないかというふうに思います。
 それにしましてもですね、やはり人が自分の命を断つということはですね、やはりこれは、いろいろ申しますけれども、やはり他人にはうかがい知れないものがあろうかと思いますが、その点についても留意していく必要があります。そのいじめの解決に向けましてですね、学校・家庭・地域のコミュニティが連携して、子どもたちが人としてよりよく生きていく、そういう人間力ですね、人が人とつながり、よりよい社会をつくっていくという社会力、こういうものをですね、やはり教育の中で育成していきたいというふうに考えております。
 それから、いじめをなくすためにはということでございますけれども、いじめはですね、御承知のように我が国固有の問題ではございません。世界各国でも大きな問題となっているわけで、いわば本来人間に共通する病理とでもいいましょうか、そういうとらえ方もできます。それだけにですね、特効薬というものはないわけでありますが、それでもですね、そのいじめがエスカレートをですね、未然に防ぐということはですね、必ずしも不可能ではないというふうに思います。
 子どもたちがですね、人としてよりよく生きていく力としての、先ほど申し上げました人間力と、社会力をはぐくむことが何よりも重要であります。そのためには、まずですね、子どもたちの活動の場である学校が中心となりまして、教師集団が共通理解のもとに指導に当たるということは当然ですけれども、学校と家庭、地域のコミュニティが連携をして、いじめの未然防止、早期発見・早期対応に努めていくということが求められるわけでございます。
 具体的にはですね、やはり自分が嫌だと、してほしくない、言ってほしくないという、そういうことをですね、人にやったり言ったりしてはいけないという、そういうやはり指導が大事だろうと思いますし、また、優しさとか思いやりということの大切さ、その心ですね、それをやはり育てていく、人権感覚を育てていくということも大事でありましょうし、また、いじめをですね、見たときに、やめろと、こういうふうに言えるような、そういう力を持った子ども、そして、傍観者とか、はやし立てるとかですね、そういった子どもたちを何とかしてですね、いじめをですね、やめさせられるような、そういう力を持った子どもたちに育てていくということも大事でありましょうし、何よりもですね、やはり学校や社会にですね、正義感を──正義感というのは、今、死語になっていますが、ひきょうというのも死語になりつつありますけれども、そういうものをですね、やはり学校だけじゃなくて、大人社会にもですね、しっかりと取り戻していくという、そういうことが大事なんではないかというふうに思います。
 教師が学校におきまして組織的に一致協力して取り組むことはもちろんですけれども、保護者や地域の協力を集めまして、地域全体で子どもたちを育てるコミュニティ・スクール、私どもが目指しておりますコミュニティ・スクールをですね、推進していく、つくっていくことがいじめ問題に対しても非常に重要だと考えて、今後も取り組んでいきたいというふうに考えております。
 それから、三鷹市教育ビジョンについてお答えいたします。
 三鷹市教育委員会ではですね、三鷹の教育が目指す基本的かつ総合的な構想であります三鷹市教育ビジョンを策定することが、市民や保護者の願いや時代の要請にこたえ、家庭・地域・学校がですね、三鷹の子どもたちの人間力や社会力をともに培い、三鷹の教育の一層の充実を図る礎になるというふうに考えております。
 また、校長のリーダーシップについて否定的なお話がございましたけれども、いじめや不登校などですね、子どもをめぐる問題が多様化している中でですね、学校がそれぞれの諸問題に主体的に対応して課題解決を図っていくということは、これは急務でございます。特に学校教育の場の最高責任者であります校長はですね、教育活動の具体的な目標などをですね、示し、教職員に対してリーダーシップを発揮して質の高い学校教育を提供するということがですね、これは職務でございます。また、これからの学校づくりでは、児童・生徒の実情や保護者のニーズ、それぞれの特性、地域性などを踏まえまして、学校が自律性を持って学校現場の創意工夫に満ちた教育を進めるということも重要になっているわけであります。
 このことがですね、三鷹市教育ビジョン策定助言者会議からの提言に示されました「学校は地域の経営体」という、そういう考え方になっているのであるというふうに考えます。さらに、三鷹市教育委員会では、これらの内容につきましては、平成18年度の基本方針と事業計画において「開かれた学校教育の推進」ということで位置づけまして、「学校自律経営支援予算」制度を導入するなど、学校裁量の拡大に取り組んでおりまして、それぞれの学校が権限と責任を持った自律した学校づくりを推進できるように取り組んでいるわけであります。
 特に学校運営協議会制度の導入によりまして、保護者・地域・住民等が一定の権限と責任を持って学校運営に積極的に参加して、校長が作成した学校運営の基本的な方針等を承認したり、意見を述べたりすることを通しまして、一層開かれた学校教育を推進してまいりたいと思います。教師の専門性と市民、保護者の皆さんの良識、この2つのですね、力の発揮、そして、このバランスをとって学校運営をしていくというためにもですね、学校長のリーダーシップというのは非常に大事だというふうに思っております。私からは以上でございます。


◯教育委員会事務局教育部長・調整担当部長(柴田直樹君)  私から補足答弁をさせていただきます。
 まず、児童・生徒のいじめと自殺についての御質問の中の、いじめの実態報告とその対応についての御質問にお答えします。
 先ほどの答弁の中でも触れましたけれども、本年11月にですね、教育委員会が独自にいじめに関する調査を2回実施しております。1つは緊急調査と、そして詳細調査でございますが。この調査におきましてはですね、児童・生徒がいじめであると感じたことはすべていじめとしてカウントするということで、子どもたちの実態に即した調査を行ったわけでございます。この調査結果をもとにしてですね、各教員が事実関係を把握して、いじめに遭った子どもの対応、フォローに当たるということを目的として行ったわけでございます。したがいましてですね、新聞報道で御指摘のあった、他府県の教育委員会の評価等を気にして、学校がいじめの実態を上げてこなかったという、そういうことはございません。
 私どももですね、この調査を行うに際しまして、校長会の中で、これは件数を把握するものではなくて、学校が実態を把握して、子どもたちにすぐに、子どもたちの立場に立って対応するための調査であるということを徹底いたしました。そういうことで、今回、詳細調査の方はまだ速報値でございますが、自分がいじめられていると感じていることが今も続いているという小学生が879名、11.3%、中学生が201名、6.9%と、こういうように、子どもの声がしっかりと届くような実態調査を行って、その分析をし、対応に当たっているところでございます。
 それから、三鷹市教育ビジョンの策定に当たってのですね、パブリックコメントについて御質問がございました。学識経験者主導で進められたというような御指摘と、現場の教員の参加が十分でなかったではないかという、そういう御指摘と受けとめておりますが、昨年度ですね、三鷹市教育ビジョン策定助言者会議を設置して、7回にわたる会議を重ねてまとめたわけでございますが、その途中におきましてもですね、三鷹市の教育の現状と課題につきまして、小・中学校長と、それからPTAなどですね、各学校の代表の方との、この助言者と意見交換を行っておりますが、それだけではなくてですね、中間のまとめでは、シンポジウム、あわせてパブリックコメントもその時点で行っております。そういうふうにして最終まとめができて提言をいただいたわけでございます。
 その提言をいただいたものを踏まえまして、ことしの8月11日にですね、教育委員会として三鷹市教育ビジョン(案)を作成して、これにつきましてもパブリックコメントを実施しております。「広報みたか」に概要を掲載すると同時にですね、本文をホームページに掲載しております。全文掲載しておりますし、また、この点におきましてもですね、今度はですね、教育委員と各小・中学校のPTAの代表の皆さんとの懇談を行って意見をいただいておりますし、また、それ以外にですね、小・中学校の全保護者にもこの概要の内容をお知らせいたしましたし、幼稚園・保育園にも全保護者に配付いたしました。もちろん、小・中学校の教員にも本文冊子をですね、配付するなど、非常にきめ細かく丁寧に実施してまいりました。これほど丁寧にやっているところは多分ほかにはないぐらいだと思いますが、そういう経過を踏まえまして、12月1日の教育委員会において教育ビジョンを承認し、確定をしております。
 これからもですね、これで終わりではなくて、このビジョンに即して今度は施策をですね、具体的に推進してまいりますが、その際にもさまざまな御意見をいただきながら、もちろん現場の教員の皆さんの意見、保護者、市民の意見をいただきながら進めてまいります。以上でございます。


◯27番(森  徹君)  それでは、何点か再質問させていただきます。
 いじめの問題ですけども、いろいろ説明がありましたが、やはり政府が、いじめ半減5カ年プラン、こういう数値目標を示してきたというところに、一ついじめがですね、隠されてきたということがあるんではないでしょうか。10月の19日に文科省は全国の教育委員会担当者会議を開きまして、いじめの早期発見と教師集団の協力体制が必要と、2つの指示を出しておりますけれども、やはり数値目標の設定、問題があるというふうに認識しているんですが、この点いかがでしょうか。
 それから、伊吹大臣がですね、いじめの隠ぺいというのを認めたわけですが、その中で新聞報道では、要は校長、教頭、教育委員会の人間力が足りなかったと。今、教育長もですね、人間力のお話をしましたけれども、こういう、どちらかというと現場の責任にですね、転嫁する発言がありましたが、こういう発言があったことは御存じでしょうか。また、この発言をどうお考えでしょうか。
 それから、スクールカウンセラーは三鷹の中で、このいじめ対策の中でどんな位置づけをされているんでしょうか。この3点、お聞きしたいと思います。
 それから、教育ビジョンの問題で、教員に冊子を配ったから、これほど丁寧なことはないという御答弁ですが、やはりまとめた報告を現場の教師に配ればいいという問題じゃないと思います。やはり教育ビジョンですから、それを作成する段階から、子どもに接している現場の教師の意見、教師集団の意見をやはり吸い上げていくということが大切だ。この視点がやはりあるのかないのかということは非常に大切な点じゃないかというふうに考えます。
 それから、「地域の経営体」という点で、助言者会議からの提言だと言われましたけれども、これは、ということは、そもそも三鷹の教育委員会としてこういう位置づけではなかったと。助言者会議からそういう提言がされたので、そういう位置づけにしたというふうに理解をしていいんでしょうか。
 この教育ビジョンのですね、提言のための最終まとめ、これを読んでみますと、やはりこれが三鷹の子どもたちの置かれている教育の実態からこのビジョンの必要性、それがつくられたというふうには、ちょっと思えないんです。といいますのが、こういうふうに言っていますね。「策定に向けて」というところで、この数年、教育の分権化を促進するための法制度が整いつつあると。「この機会に」と言っているんですね。この機会に思い切った取り組みをスタートさせるということでこのビジョンをつくるという流れになっております。ということから見ますと、三鷹の教育現場の必要性・重要性・緊急性というところからこのビジョンづくりがスタートしたのではないのではないかと。やはり必要性・緊急性というのが見えてこない。やはりこのビジョンをつくるということであるならば、小・中一貫教育校、この検証がこれから行われるわけです。この検証をやる中でいろいろな問題点が洗い出されると思います。新たな課題がその中で整理をされた。こういう中でも、こういう上に立ってビジョンづくりというのが行われていいんではないか。やはり国の法制度の整備に合わせたビジョンづくりというところから、やはり今の上からの管理といいましょうか、教育基本法の改悪も含めて学校長のリーダーシップの強化ということが位置づけられるし、学校長の裁量権の拡大ということが強調されていると。で、現場の教師の声が生かされていない。いろいろ意見を聞いたと言っても、各校長、PTAの意見交換会というのはそれぞれ1時間だと。1時間でどれほどの意見交換がなされたのか、ここは非常に形式的ではないかという疑問を感じるところであります。
 11月の12日の東京新聞にですね、矢継ぎ早の制度改革がどんどん出されているけども、いずれも政治の側面からの改革案で、教室や家庭からの発想ではない。教育に企業社会のような競争原理を導入する点も気になる。こういう指摘が出されております。やはり今回の教育ビジョンというのは、国の法制度の整備、これに合わせて行われてきて、三鷹の独自性、三鷹の現実から出発する三鷹の子どもたちの悩み、そして現場の教師の苦労、その上に立っての三鷹の教育改革、そのビジョンではないんではないかという点では、教育現場の実態を反映したものに、ぜひですね、検討というものが求められるんではないか。急ぐ必要はないんではないか。
 それから、教育ビジョンのところで、これはちょっと気になる部分で、正確に私自身も理解したいんですが、「教育ビジョンがめざす子ども像」というところで、今の現状をいやが応でも競争社会にさらされていると、今の子どもが。国連の勧告も、日本は過度な競争社会、競争教育が行われていると勧告が出されておりますが、このビジョンの目指す子ども像の中で、そういう競争社会があるんだけども、行動してその結果に責任を負える人をつくるんだ、そういう子ども像を目指しております。このことは、競争社会の中でも、言葉としてそうだなと理解されますけれども、結論的には自己責任ということで、教育がやはり人格の形成という教育基本法の置かれている点というところから大分ずれたところでこのビジョンづくりがされているのではないか、そういう危惧を持ちますが、いかがでしょうか。この点での御答弁をお願いします。


◯教育長(貝ノ瀬滋君)  まず、いじめの問題でございますけれども、いじめのですね、最初の段階で数値目標などが設定されたからというふうな、そういうふうなお話もございましたけど、私はですね、数値目標云々というよりも、このいじめのですね、文科省の定義にやはり問題があったというふうに考えています。自分より弱い者がですね、一方的に身体的・心理的な攻撃を継続的に加えて、相手が深刻な苦痛を感じているということがいじめだという、そういうふうになりますとですね、なかなか現場の先生としては、何か事例があってもですね、これがその定義に当てはまるかどうかとちゅうちょするという、そういうことがあったんではないかと思います。ですから、現にですね、非常に数字が少なく報告されて、しかし、子どもに直接聞くとですね、相当数の数が出てくるということがあるんではないかというふうに思います。
 ですから、これはやはり文科省自身もですね、このたびの件を受けてですね、見直しを図りたいというふうに言っておりますので、遠からず改善されていくと思いますけれども、やはりそういう点でですね、やはりもっと子どもたちの、いじめられる側の心情に即してですね、やはり調査をしていくということも大事でありましょうし、常にやはり校長、教員、担任を通して調査をするという、そういうことだけではなくてですね、直接やはり子どもに調査するという、本市のようなですね、そういうこともあってもいいんではないかというふうに思います。そういう点でこれから改善が図られていくんではないかというふうに考えております。
 それから、文科大臣がですね、現場の責任についての御発言があったというふうなあれですけれども、私は聞いておりませんので、コメントは差し控えさせていただきたいと思います。
 それから、カウンセラーの位置づけでありますが、これはカウンセラーは非常に大事な、重要な位置づけになっておりまして、いじめの問題に限りませんが、子どもたちのさまざまな悩みについてですね──また、教師たちもです、教師たちの悩みもですね、聞き取っていただいてですね、十分な働きをしてくれております。それだからこそですね、大きないじめ問題にならないで終息しているというケースが非常に多いわけで、これは守秘義務をですね、ちゃんと守りながらも、しかし、学校の先生方とも上手に連携をとってですね、指導に生かしているという、そういう実態がございます。ですから、カウンセラーの皆さんは非常に大きな役割を果たしてくださっております。
 それから、教育ビジョンでございますけれども、これは、学校というのは組織体ですので、校長だけからとかですね、教員だけからとかって、そういうことじゃなくて、やはり労使関係で分けて考えるという問題じゃありませんので、教育問題ですのでね。これはやはりお互いに心を一つにして一緒に取り組んでもらうという中で、やはりこの意見を一緒に出してもらうという、そういう機会が多かったと思いますが、パブリックコメントもやっておりますので、その中で、ですから、今回現にですね、先生方から締め切り間際にどっとですね、特定の方たちだけですけれども、どっと意見が寄せられましたが、それについてもですね、丁寧にお答えさせていただきました。
 それから、教育ビジョンのですね、教育の実態、子どもの実態を十分どこまでも踏まえての話かということでありますけれども、これはやはり教育活動というのは、どの場合でもそうですけれども、子どもの実態というのはもちろんベースになりますけれども、それとですね、やはり社会の要請とか、時代の要請とかですね、そういうことも十分踏まえた上でですね、やはりこれからの教育を考えていくというのがこれは常道でありまして、そういう意味ではですね、この教育ビジョンが三鷹の子どもたちの実態については、PTA、保護者の皆さん方からヒアリングをしながらですね、十分踏まえながら、そして高い見識を持ってですね、提言をいただいたと、そういうものでございます。
 それから、東京新聞でのお話がございましたけれども、これも私、読んでおりませんけれども、過度な競争原理がですね、学校現場に持ち込まれるということにつきましては、私もですね、危惧しております。競争性は必要です。お互い友達同士競い合うというようなことは教育上有益なこともありますが、競争原理そのものがですね、教育にということは私はなじまないと思っておりますが、そういう現実が三鷹の学校にあるかというと、ございませんので、そういう御心配はないというふうに思います。
 子ども像ですが、これは、子ども像も、それから教育ビジョンもそうでありますが、これは教育基本法との関連でですね、作成されていると、そういう、何か衣の下によろいがあるのでみたいな、そういうお話でございますけれども、そういうことは全くございません。三鷹の教育は文科省の下請機関じゃありませんので、それとは関係なくですね──関係なくというと言い過ぎですが、大きな流れはですね、これは私ども求めようがないわけでありますが、三鷹の実情に応じて、三鷹の子どもたちが本当にこれからどうあったらいいのかということをですね、真剣に考えたときに、三鷹の教育ビジョンとして結実したと、そういうものでありますので、御理解をいただきたいと思います。以上です。


◯27番(森  徹君)  ありがとうございました。三鷹はやはり教育委員会、東京都との関係でも、まさに自律をした教育運営といいましょうか、それをしっかりとやっていただきたいということを期待をしております。
 ただ、過度の競争は三鷹の中はないということですが、一つ私は非常に心配なのは、足立区が東京都の学力テストで最下位だったということで、非常に必死になっていると。その中で先生方もですね、この授業をしっかりと教えたいけども、学力テスト向けにですね、テストに出そうな教育をどうしてもせざるを得ない。そういう発表をされると、目がそちらに行っちゃうと。子どもの目や、子どものいじめの命というふうに目を向けたいけども、こういうことをやられて発表されると、どうしても目が上に行っちゃうんだと。それは教育長さんがしっかりと、そういうことはないということで信頼したいんですが、現実にそういうことが起きております。したがって、過度といいますか、誤った競争というのは絶対に教育の中ではあってはならないというふうに考えます。
 それで、この「みたかの教育」の3ページ目にですね、東京都の学力テストの結果が出ております。その中でいろいろ分析もされておりますが、こういう形がですね、三鷹の場合には、それぞれの子どもまでの教育の発表は、成績はしてないわけですけれども、こういう形で出る中で、それぞれ学校が学力テストの結果を意識せざるを得ないということにならざるを得ないという心配を持ちます。そういう点での慎重な対応というのが教育の場では必要ではないかというふうに考えます。
 それで、私ども、教育ビジョン、先ほど質問もし、指摘をした、そういう危惧を持っております。慎重な対応を、ひとつ教育委員会も対応していただきたい。教育ビジョンの申し入れをしましたが、やはりいろいろ助言者中心ということで問題点が大きいんではないか。何と言っても、やはりこういう場合になぜ現場の先生の意見、小・中一貫のときもそうでしたけれども、もっと意見を聞く。そういうシステムが、教師の声が生かされるというものがなされないのかという点をつくづく考えるんですが、ひとつその辺をですね、これからも生かしていただきたい。
 それから、いじめの問題では、三鷹の教育委員会は独立しているという点で、やはり間違ったこと、東京都の教育委員会に対してもはっきりと意見を上げる、こういう勇気をぜひ持っていただきたい。市長も教育長もですね、毅然たる対応をですね、していただきたい。このことについて何かあれば、御答弁をお願いしたいと思います。
 それから、市長の先ほどの市民の貧困化の問題、やはり三鷹に住んで生きがい、これを実感できる市政、これはやはり市長が初めて市政運営されて、いろいろやってきた中での、構造改革の中での今の政治のですね、厳しさといいましょうか、我々市民にとっての厳しさ、構造改革の影響、こういうものに対して、やはりワーキングプアというものが、こういう言葉が本当に全国に知れわたるという中で、憲法25条の最低限の生活ということからいっても、自治体の果たす役割というのが非常に求められていると思います。そういう上からもですね、北九州で餓死が起こるとか、北海道でもホテルマンが自殺するとか、それから、今、年間で3万人以上の方が自殺する。こういう国であっていいのかという中での身近な政府としてのセーフティーネット、この役割は非常に大きいと思います。これをぜひですね、そういう言葉を述べられているわけですので、私どもも、いいもの悪いもの、そういう中でもこういうことはおかしいんじゃないかというのがあります。来年度の施策にですね、ぜひこの立場で生かしていただきたいということを最後に要望したいと思います。
 先ほどの点で御答弁があれば、よろしくお願いします。
                 (「なし」と呼ぶ者あり)


◯議長(石井良司君)  ないようであります。
 以上で森 徹君の質問は終わります。
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◯議長(石井良司君)  この際、議事の都合によりしばらく休憩いたします。
                午後3時09分 休憩



                午後3時40分 再開
◯議長(石井良司君)  それでは、休憩前に引き続き、会議を再開いたします。
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◯議長(石井良司君)  市政に関する一般質問を続けます。
 次の通告者、28番 岩田康男君、登壇願います。
                〔28番 岩田康男君 登壇〕


◯28番(岩田康男君)  それでは、質問をいたします。実は今回、質問は、学校給食の民間委託と、駅前保育園の質問を準備していたんですが、議案が出たものですから、それには触れないように、直接的には触れないように質問いたします。
 民間委託問題のその1は、「新地方行革指針」・行革推進法・市場化テスト法と三鷹市の対応です。
 言うまでもなく05年3月に新地方行革指針が出されました。翌年、ことし06年5月に行革推進法と市場化テスト法が成立をいたしました。これらの法案や指針を見ますと、これまで見なかった、かつてない大規模な職員削減、それと民間委託の推進、これが求められています。三鷹市は、三鷹市行財政改革アクションプラン2010、これでこの法律・指針による対応をしたというふうになっています。
 そこで、この法律で求められている職員削減数は、05年から5年間で4.6%以上を求められています。ちなみに三多摩全体の計画を平均いたしますと、9.1%という削減数になっています。三鷹市は、アクションプランで数値目標は出ておりませんが、130人がこの5年間で退職者になる。この130人の退職者で、実質的にはどのくらいの削減計画をしているんでしょうか。1つ質問します。
 2つ目は、民間委託が今、行革の決め手ということで国や地方が盛んに行っておりますが、何のために民間委託を行うかという理念が、最近全然飛ばされて、委託ありきという形にはなっていないだろうか。それは行革推進法の法案の中に、「民間委託とは効率行政を求める」という、このくだりがあるように、本来、行政が民間委託をするというのは、使い勝手の悪い、あるいは効率性が非常に、市民が利用していく上で効率性が悪い。こういったものを民間活力を導入することによって利便性、あるいは安全性や生活の向上性、こういうものが求められるということのために民間委託をやるわけでして、私どもも、箱根荘が民間委託されたり、企業委託されたり、市の駐車場が企業委託されたりしたことについて、反対はしていません。むしろ民間委託の精神といいますか、目的そのものがしっかりしてないというところに問題があるのではないかと思いますが、市の民間委託に対する考え方を質問の2点目にお尋ねします。
 大きな2点目は、これまでの民間委託の課題と問題点についてお尋ねします。
 その1つは、これまでの三鷹市の民間委託でのメリット・デメリットの主なものは何か、お知らせをいただきたいと思います。
 その2つ目は、全国的に今、民間委託をされた保育園が、企業閉鎖等で保育園を続けていくことができないという事態が各地で生まれています。こういったことが民間委託にとっては一つのデメリットということになるわけですが、三鷹市での民間委託の委託内容・手法・手続、こういったものをこの機会に見直しをする必要があるのではないかと思いますが、考え方をお尋ねいたします。
 民間委託につきましては、市民のプライバシーの保護の問題が重大な問題です。最近、富士ゼロックスによる戸籍データの漏えい事件というのがネット上であらわれました。そこでは、三鷹市、葛飾区、鹿児島市、この3市の戸籍データをいわば抜き取ったというのがネット上にあらわれました。その後、裁判が行われています、この件に関して。裁判の内容は、盗んだ戸籍データが本物であったという検察側の冒頭陳述が行われました。この記事を読売新聞、東京新聞で拝見をしたわけですが、あるいは三鷹市という名前をネット上で見たんですが、重大な問題だというふうに私は考えます。この件についての御報告をきょうはお願いしたいと思います。
 民間委託の3点目は、ワーキングプアと市政の役割。
 最近は請負なのか労働者派遣なのかということが明確でない委託の仕方というのが非常に行われています。委託の場合に、当然のことながらそこで働く労働者の賃金は公務員の賃金よりも安い。これは当然なことなんですが、どのくらい安いかというのが問題だと思うんですね。ちなみに三鷹市のごみ収集の委託、駅前市政窓口、公設民営の保育園、こういうところでは、公務員の賃金とここで働く労働者の賃金差、これがどのくらいあるのかお聞かせをいただきたいと思います。
 今、働く貧困層、ワーキングプアという言葉が大変新聞紙上等で書かれておりますが、働いても働いても貧困から抜け出すことができない、こういう労働者というのがふえています。企業がこういった労働者をつくること自体も問題ですが、行政、市がこういう労働者をつくり出すということはあってはならないことだというふうに思いますが、この関係についてお尋ねいたします。
 大きな2点目は、障がい者の自立支援法の施行後の問題点についてお尋ねいたします。
 質問の1つは、この時点で市長が国に対して意見をですね、上げてもらいたい、言ってもらいたいということなんですが、どんな意見かということなんですが──私の要望はですね、どんな意見かということなんですが、今、御承知のように、この自立支援法の1割負担の問題は、これが施行されてから、東京で言いますとほとんどの自治体が独自助成策をつくっている。あるいは各政党、与党──法案をつくった自民党も公明党もですね、要望書を出している。最近の11月30日の自民党の中間まとめというのを見ますと、応益制度そのものを否定するような中身、つまり、非課税者じゃなくて、課税者に対しても助成策が必要だということを述べているんですね。したがって、応益制度そのものがどうであったのかというのがみずから問われるような中間まとめをしているわけです。野党はもちろん、日本共産党も要望書、国会質問等を行っていますが、各政党すべてが今、この自立支援法問題について意見を言っている。もちろん団体も、自治体も言っている。しかも、その言っている意見の中身が、手直しとか、経済的助成策はもちろんそうなんですが、応益制度そのものの根本にかかわる問題についてね、やはり意見を言う。そこに問題があるんだというふうに言い始めているというところが、今の特徴ではないかというふうに思います。
 市長は、05年5月2日に厚生労働大臣に意見を出しました。この意見の中で、実はこの応益方式といいますか、障がい者本人の所得方式による負担というのをですね、訴えているんですね。これはまさに応益制度に矛盾があって、これが破綻をするものだということを見抜いた上での意見書になっているわけです。したがって、こうした時点での市長の意見というのは大変大事だと思いますので、応益制度そのものを根本から変える意見を国に出してもらいたいというのが1つです。
 2つ目は、三鷹市の独自助成は、いろんな角度から、いろんなものが今求められていますし、何よりも障がい者の皆さんが社会に対して生きがいを感じる、自分は本当に生きていてよかった、社会に役に立つ、こういうものがあらわせるというのは、労働、賃金──労働に参加するということと、労働に対する対価、賃金をみずからの力で得ることができるというね、そのことが生きがい、喜びの大きな要素の1つだというのは言うまでもないんですが、それが根本から、今、施設利用料の負担で失われようとしている。あるいは食費の自己負担によって健康が損なわれるという事態も生まれている。あるいは重度の人ほど負担が重いという矛盾に直面して、切実な声が出されている。こうしたものが一つ一つ、何をどう助成をしたら一番障がい者とその家族や市民に役に立つのかということをよく研究してですね、助成策をぜひ実現をしていただきたい。
 最後に、この問題では、1割自己負担制が導入されますと、当然、三鷹市の負担は軽くなるはずです。この1割が導入されたことによって、幾ら三鷹市は負担減になったんでしょうか。また、独自の助成のために幾らの費用を組んで、幾らぐらいの執行になりそうでしょうか。お尋ねして壇上からの質問を終わります。よろしくお願いします。
                〔市長 清原慶子さん 登壇〕


◯市長(清原慶子さん)  まず初めに、「新地方行革指針」・行革推進法・市場化テスト法への三鷹市の対応について、総括的に申し上げます。
 国レベルのこれらの法や指針の策定によりまして、三鷹市が新たに取り組みをしなければならないものはほとんどないと思っています。大変僣越ですが、むしろ三鷹市がこれまで先駆的に実施してきた施策について、ようやく国においても制度化が図られたものであると考えています。
 総務省が平成17年(2005年)3月に策定した地方公共団体における行政改革の推進のための新たな指針、いわゆる新地方行革指針では集中改革プランを策定することを求めました。しかしながら、三鷹市では既に平成8年度に行財政改革の方策をつくっておりますし、平成12年度には行財政改革大綱、そして同実施方策を策定して、行革の取り組みを進めてきています。
 続いて平成16年度には、現行の行財政改革アクションプラン2010を策定して、これらの取り組みの進捗状況や実績については、毎年発行する三鷹市自治体経営白書などで明らかにしてきています。ことしの5月には、競争の導入による公共サービスの改革に関する法律、これがいわゆる市場化テスト法でございますが、この法律が成立しまして、住民票や戸籍等の交付の請求の受け付けや、引き渡し業務の民間開放が可能となりました。しかし、これも、三鷹市が平成14年から構造改革特区で求めてきたことをようやく国が認めたものでございます。このように三鷹市は国の法制化や指針の策定以前からも、積極的な行財政改革や民間開放を進めてきました。そこにおいては効率的に市民サービスを提供するとともに、何よりも市民の皆様にとっての安全の確保や利便性の向上、行政サービスの質の向上を図ってまいりました。今後もそのような視点をしっかりと堅持していきたいと思います。
 次に、民間委託の課題と問題点についてお答えします。
 民間委託における行政の役割については、三鷹市基本構想の自治体経営の基本的な考え方で市の考え方を示すとともに、第3次三鷹市基本計画(改定)の中で、より具体的な取り組み課題を提示しています。基本計画では、市の業務についてはNPOや民間企業などに委託や移転を積極的に行うとともに、行政は安定した市民生活を保障する仕組みの確立を図り、民間事業者のサービスのチェックや情報収集を図ることを明記しています。すなわち市としましては、民間事業者やNPO等が活躍できる領域では、民間への移転を積極的に進めつつも、行政の果たす役割としては、第1に、サービスの実施や決定の基準を策定し明らかにすること、第2に、その基準に従って公正に決定・実施されているかの調査・点検を行うこと、第3に、必要なサービスがしっかりと市民の皆様に届いているかのモニタリングを行い、必要な場合は改善措置を図ること、などの責任を果たすことが必要であると考えます。
 このような観点から、民間委託のメリットとしては、コストを抑えつつ、民間事業者の有するノウハウや資源を活用して、事業の柔軟性を持つすぐれた市民サービスの提供を行うことができる点です。デメリットというものに関連しましては、今まで直接行政が実施してきたサービスについて民間委託を行いますと、そこでは行政の役割転換が求められることです。適切なサービスの実施基準の策定やモニタリングのスキルが必要となりまして、このような取り組みに適切な対応を行っていくことが求められます。
 また、市民のプライバシーや命と健康にかかわる事業は直営でとの御指摘でございますが、現在、金融機関を初め多数の民間事業者が、市民の個人情報に接する業務を行っており、また、命と健康にかかわる民間の病院や事業者も多数存在します。そこで、業種や業態によって直営か委託かを峻別するのではなくて、例えば命と健康にかかわる事業についても、すべて行政が直接実施するから万全というわけではありませんので、むしろその守備範囲において適切なコーディネーター役を果たしていくことが求められています。仮に委託事業者が引き受け続けられない状態や、委託を継続しても適切なサービスの提供が図れないような状態が生じた場合には、委託内容や契約のあり方自体の見直しを行うことが行政の当然の役割と考えています。
 次に、障害者自立支援法の施行後の課題について御質問をいただきました。特に国への要望についての御提言でございます。
 三鷹市としましては、昨年の5月2日、障害者自立支援法案が国会に上程された時点で厚生労働省に意見書を提出し、その法案の責任者に私と担当者で直接三鷹市の意見を説明した経緯があります。しかしながら、障害者自立支援法が成立し、その施行後、利用者負担の軽減を求める声を初め、さまざまな要望が三鷹市に寄せられています。また、今年度は障がい福祉計画策定のための市民会議の中でも、この法律の問題点が数々指摘されているところです。
 私は、さきの議員さんの御質問でも答弁いたしましたが、国の中央障害者施策推進協議会の委員を、市町村の長としては、潮谷熊本県知事とともに、市町村からはただ一人選ばれておりますが、7月に開催されました協議会の席においても直接発言をいたしました。意見書を出すことも有効かとは思いますが、私は、ことしの7月の時点で、1つには、障がい者の皆さんの雇用機会を積極的に提供することが大企業、地域の中小企業にとっても望ましいことであるということについて、国が積極的に周知・啓発してほしいということ、2点目には、障害者自立支援法の施行後、負担増の声が市民の皆様から三鷹市には多く寄せられているということ、それを踏まえて、三鷹市が実施している市ができる補助制度などは、大変わずかな実践だけれども、大きな評価をいただいているぐらいで、実態はまことに深刻であると。したがって、実態調査について総合的に把握をしていただき、地域格差が出ないように、国として標準的な基準を持った取り組みを、検証しながら進めていただきたい旨などを問題提起いたしました。
 潮谷知事も同様の問題提起をしてくださいましたので、最後の部分で中村社会・援護局長は、このようにお答えをしてくださっています。「実情把握をすべきではないか、これは私どももそのように考えております」。そして、「制度の運営の実情について地方公共団体の御協力もいただきながらフォローをしてまいりたいと思っています」。「法律でも3年後の見直しということが規定されておりますし、その前におきましても、私ども、きちんとフォローいたしまして、緊急に対応を要するものにつきましては考えてまいりたいと、そういうふうに思っております」と。なお、最後にですね──これは私が指摘した内容ではありませんが、ほかの委員さんの指摘に答えて、「特に障がい者の方の就労関係、福祉サイドでも重要な課題だというのは、授産施設等における工賃が月額1万5,000円という極めて低い状況にあるということを反省材料と思っている。工賃なども倍増、こういうことを目指して福祉関係の皆様と手を携えてやってまいりたい」というふうに答弁をしていただきました。
 私は、このように市民の皆様の要望や問題点の中身を十分に吟味しながら、市長会を通じて──結束してできることは市長会を通じて、また、三鷹市としての行政課題も整理して、必要に応じて意見書などの手段を持ちながら、関係政府機関への働きかけをしてまいりたいと考えております。
 私からは以上でございます。その他の質問については担当より補足をいたさせますので、よろしくお願いいたします。


◯副市長(津端 修君)  それでは、私の方から2点お答えをさせていただきたいと思います。
 1つは、国の新地方行革指針等にかかわるですね、三鷹市の今後の定数の削減数についてという質問でございました。
 先ほど市長がお答えしましたように、三鷹市としましては、平成8年以降ですね、この問題に着手しておりまして、既に現在までに257人、19.3%ほどの職員定数の削減を見ているところでございます。そうした中で、平成17年3月に作成しました現行の行財政改革アクションプラン2010の中では、あえてそうした経過を踏まえて、削減目標数値は掲載をしませんでした。もちろんその中にですね、事務的には一定の数は押さえていたわけでございますけれども、今後、多様化する行政需要とですね、新たなニーズ、そうしたことに対応するためにはですね、一定のプラス要因も必要になってくるだろうという配慮も含める中でですね、私どもは削減数を、数値目標としては掲げませんでしたが、そうした中、国が新地方行革指針を定め、国が、さっき4.数%とお話がありましたが、国が5.7%のですね、今後5年間の削減目標をつくりましたので、それに合わせた地方も計画をつくるようにというような指導がなされているわけでございます。
 したがいまして、私どもは、この行革2010のアクションプランの中では、主要事業としてですね、例えば学校給食の業務委託化、市立保育園の効率的運用等々をですね、重点目標として掲げ、さらにこの取り組みを強めるというふうなことは掲げておりますけれども、再三申し上げますけれども、削減目標は出しておりませんでしたけれども、そうした指導の中でですね、ここで、ここでですね、今申し上げましたような重点施策を絞って計上すれば、70名程度はですね、削減できるということで、ここで再確認いたしまして、70名のですね、削減目標数値というものを決めましてですね、国・東京都に報告をしているという状況でございます。具体的にはですね、学校給食の業務委託、あるいは市立保育園の民営化、上水道事業の東京都一元化等々がですね、課題として上がっておりますので、それらを累計するとそういうふうな数字になるということでございます。
 それから、2点目でございます。富士ゼロックスについての御質問がございました。
 私どもは、この件につきましてはですね、新聞情報で承知するとともに、すぐに富士ゼロックス社と緊密な連携・連絡を取り合っておりますけれども、刑事事件にですね、発展している経過から、富士ゼロックスのデータがですね、警察の方に提出、押収されているということも踏まえ、また、現在は刑事事件としての訴訟中であるということからですね、再三富士ゼロックスとも今後の対応、あるいは防止策等についてもですね、また、この事実関係についても確認をしているところでございますけれども、新聞報道以上の内容について、私どもはまだ確認できてないという状況でございます。
 なお、読売新聞のですね、報道等に接した後もですね、富士ゼロックス社に再三の報告を求めておりますけれども、それにつきましてもですね、今、申し上げましたような経過からですね、三鷹市のデータ等についてのですね、確認はできてないというふうな状況でございます。なお、この被疑者というんですが、この方、あるいは警察からも特に本市への直接の問い合わせ等もございませんので、新聞報道以上の確認は現時点ではできていませんということで、御了承いただきたいと思います。よろしくお願いします。


◯総務部長(萩原幸夫君)  民間委託につきまして、ワーキングプアと市政の役割について御質問がございました。請負と労働者派遣についてであります。
 労働者派遣事業というのは、御案内のとおりですね、派遣元の事業主が自己の雇用する労働者を派遣先の指揮命令を受けて、派遣先のために労働に従事させることを業として行うことをいいます。また、一方ですね、委託事業、請負とは、労働の結果としてですね、仕事の完成を目的とするもので、労働者派遣事業との違いは、委託事業、請負には発注者と労働者との間に指揮命令関係が生じないという点にあります。
 委託事業と労働者派遣事業の区分については、実務上必ずしも容易ではありませんが、労働者派遣法等との考え方では、どちらに該当するかは、契約形式が労働者派遣契約、業務委託契約のいずれかになっているからではなくて、指揮命令関係の有無について個別具体的に判断することとしていますので、契約の締結に際しましては、この点に十分留意する必要があるということについて認識しているところであります。
 それから、委託で働く労働者の賃金格差について御質問がございました。
 企業は当然のことでありますけれども、企業のノウハウを駆使して経費の節減に努めています。したがって、具体的な事業の人材確保についても、可能な範囲であらゆる雇用形態を考慮した業務分野とのシナジー効果にも配慮して参入してまいります。こうしたことから、実態としてですね、個別具体の賃金比較は難しい面がありますが、直営での事業費と民間委託による事業費の比較では、おおむね7割程度であり、その点から市職員の平均賃金と委託賃金の比較を推計しますと、おおよそ6割から7割程度になるだろうと思います。
 それから、3番目に、働く貧困層に対する市の役割について御質問がありました。
 ワーキングプアがふえる背景としては、非正規雇用の拡大が1つの要因として挙げられています。これには、バブル経済の崩壊以降、企業は国際競争における競争力の維持・向上を図るため、総人件費の抑制、コストの削減に努め、正社員の採用を抑制する一方で、アルバイトやパートなどの非正規採用をふやすことにより総人件費の抑制を図ってきたという背景があると言われております。このワーキングプアにつきましては、社会保障制度のあり方等にも密接な関連を持つ問題ですが、国においても、重要な社会、労働問題として正規雇用の増大についての議論が現在されているところであります。市といたしましても、こうした国の動向等に注視しながら、委託業務のあり方とともに、必要な対応について検討してまいりたいと考えております。以上でございます。


◯健康福祉部長(岩下政樹君)  障害者自立支援法施行後の問題点についてのうち、独自助成についてお答えをしたいと思います。
 御質問の中にありましたように、工賃が利用料に消えると。市民会議の中でも、参加されている委員の方々からですね、職場に行くのにどうしてお金を払わなければいけないんだというような御意見が出ておりまして、そういう意味では、現在の制度の中の低所得者対策といいましょうか、利用者の負担の軽減対策、これが不十分かなという気がしております。
 それから、食費の関係でございますが、支援費の時代は施設事業費の中に含まれておりましたので、それが介護保険と同じようにですね、施設関係の者と同じように食事代が自己負担になるということになっているわけでありまして、そういう意味での負担感は大きいだろうというふうに思っております。ただ、市内の通所施設におきましては、昼食の提供がないところも含めましてさまざまな提供形態になっているというふうに理解をしておりまして、そういう意味では負担額もまちまちであるという状況であります。また、非課税世帯の利用者には食事提供加算に伴う減免もある状況でありまして、市としましては、先ほど市長も申し上げましたけれども、国の動向を踏まえてですね、利用者負担の軽減策についてさらに検討していきたいというのが現状でございます。
 それから、次の御質問の、1割負担制になってですね、市の財源は幾ら負担減になっているのかというような質問でございますが、施設関係支援費で比べてみました。17年度の半年と、それから18年度前半の6カ月、半年で比べますと、同じ時期に施設費の精算が月額精算から日額精算に変更されているため、利用者負担がすべての理由ではないというふうに考えておりますが、約3,400万円、定率負担導入後の負担が減っております。一方ですね、減免施策でありますが、これにつきましては、通所施設を利用する方に対する減免、それから、国制度であります社会福祉法人減免、それから、都の制度でありますホームヘルプサービスを利用される非課税世帯の方に対する7%減免──いずれもですね、平成18年4月から実施しておりますけれども、18年度当初予算では約860万円の予算措置をしているところであります。以上です。


◯28番(岩田康男君)  ありがとうございました。民間委託につきましては、ある施設がですね、雪が降っても雨が降っても、10時から貸しているから10時まではあけないと、ドアを。ロビーにも入れない。9時まで貸しているんだから8時45分には出てもらいたいというね、そんな話が以前ありましたね。ああいうものを、せめてロビーに入れてあげるとかですね、9時まで貸しているんだから9時まで貸すとかね、市民本位に使いやすくするために民間活力を使うんだということについて、僕らが反対しているわけじゃないんですよね。ただ、命にかかわるとかですね、プライバシーにかかわる問題について、株式会社が利益をここで上げるという目的で委託をするということが、どんな危険性があるのかということは全国の例をまたないわけでして、いろんな事態が起きてからでは遅いということで、多少の費用はかかってもですね、そこは企業委託というのは僕らは反対をしています。
 という問題と、もう一つはですね、ワーキングプアで、当然その企業は、委託を受ければ労働者の賃金は安くなるわけですが、先ほどのお答えでね、なかなか調査はしづらいと思うんですが、私も若干調査をいたしました。ごみの収集でですね、約43%ぐらい。保育はいろいろさまざまですが、私のとった事例で言いますと54%、駅前はお答えどおりでした。それぞれですね、受けた会社にもよるんですが、受けた事業体にもよるんですが、私はですね、やはりそういった労働者を生み出すということが不安定雇用にもつながりますし、また、市民の生活がどうかという問題もあるので、こうした委託問題についてはさらに調査をして、見直しをするということについて質問したいと思いますが、お答えをいただきたいと思います。
 富士ゼロックスの件なんですが、富士ゼロックスからはどんな報告がされているんでしょうか。私は、刑事事件といえどもですね、三鷹が被告でもない。原告でもない。被害者になるかもしれない。しかも、戸籍データが流出していたということになれば、情報としては第一級の情報、これほどの情報はないわけですよね。だから、万が一ということになれば重大な事件になるわけでして、名前までネット上に出ているもんですから、大変心配する人も多いということでですね、ぜひですね、富士ゼロックスからはどんな報告が三鷹市にあって、三鷹市としてはどんな確認を現時点でされているんでしょうか、再度お答えをいただきたいと思います。
 あと、障がい者の問題についてはですね、ぜひ、こういう事態ですので、私は、応益負担制度そのものについてね、意見をやはり述べてもらいたいという問題と、7,000万円、年間ね、浮くんだから、1,000万ぐらいのお金かけても軽いじゃないですかという言い方はしません。しませんが、しかしですね、一定の助成額は考えてもいいんじゃないかと思いますが、再度お答えをいただきたいと思います。


◯副市長(津端 修君)  委託の関係でございますけれども、委託の仕様の見直し、あり方、これにつきましてはですね、常に一定の見直しを、工夫をしながらですね、臨んでまいりたいと、このように思いますので、よろしくお願いしたいと思います。


◯市民部長(川嶋直久君)  富士ゼロックスシステムサービスの件でございます。
 事件、これは8月の上旬にございました。その時点ですぐですね、第一報といいますか、関係団体みんなに同様にということ、そのうちの1つでございますけれども、私どもに連絡が来ております。そして、9月の上旬、逮捕があった。そういったことについても報告がなされております。そして、その事件の内容、何が恐喝の材料になったか、その辺についてはですね、なかなかガードがかたい。警察、検察ともガードがかたくて、中身について、きょう現在まで中身の具体的なものについてはわからないと。ただ、ネット上で三鷹の名前が出たという、これは非常に特殊なサイトというふうに私どもは認識しておりますけれども、事実関係、その辺の裏づけがはっきりしないまま載っているものでございまして、これについては、報道各社もその存在は知っていると思いますけれども、新聞社からの報道はございません。
 また、新聞の報道に関しましてもですね、議員さんが知ったとおりのこの内容、新聞報道内容以上のことは実際ございませんで、どういう職員が関与したのかとか、そういった形でいろいろ私どもも報告を求めているわけですけれども、なかなか具体的なですね、報告はないと。もちろん、捕まった本人がどういう立場の者で、どういう動きをしていたか、そういったものの報告もございました。三鷹との直接の関係というものについてはですね、具体的にこの戸籍データに関してですね、具体的にデータそのものに関与した──三鷹の庁内でですね、そういった事実はないという報告、そこまで確認しております。以上でございます。


◯健康福祉部長(岩下政樹君)  応益負担の問題ですけれども、これは国会の審議などをですね、見てみますと、サービスを利用している人としていない人との差をどう考えるんだと。あるいは福祉サービスの利用をたくさん使っている人とそうでない人の公平をどうするんだというような議論があったようでありますので、我々としましては、引き続きですね、国の是正措置がどういうふうになっていくのか、見守っていきたいというふうに思っております。
 それから、年間7,000万円浮くんだから、一定の助成額をというお話でありますけれども、福祉サービスの水準はですね、現行の水準は後退させない、充実していくというのが市の方針でありますけれども、自立支援法絡みだけのですね、福祉サービス、障がい福祉サービスだけではありませんので、他のですね、一般財源を使った施策もたくさん──たくさんといいましょうか、ありますので、そちらの方とのバランスも見ながらですね、理事者と協議をしてまいりたいというふうに思っております。
 以上です。


◯28番(岩田康男君)  富士ゼロックスのですね、捕まった人がどんな仕事をしていたかというのはわかっているんですよね。三鷹を担当していたということもわかってますし、三鷹の市役所に端末を持ってきたということもわかっているわけですよね。富士ゼロックス何システムでしたっけ、その子会社ですよね──に対する派遣社員ですが、それが会社の中でどんな作業をしていたのか、戸籍データの打ち込みにかかわっていたのかということもわかっているわけですよね。それは当然報告はありますよね、富士ゼロックスから。富士ゼロックスがこの件に対してどんな対応をとったのかということも、当然、三鷹市にはあるはずです。あるはずですというのは、お隣の武蔵野市の総務委員会にですね、この件に関する一連の調査報告書が総務委員会に出されていて、この同じ人物が武蔵野市も担当しておりまして、武蔵野市の経過報告書というのが総務委員会で公表されていますので、事務局を通して私はいただいたんですが、三鷹の事務局を通していただいたんですが、当然のことながらね、そこまでわかっているんだと思うんですよ。
 そこまでわかっている人でですね、私は、単なる、いかがわしいという言い方をすると失礼なんですが、いかがわしいネットでね、信じているわけじゃなくて、そこまでわかっている事実があって、第一級の情報だということもありますのでね、ぜひ私は、つぶさな調査をして報告をしてもらいたいと思うんですが、いかがでしょうか。


◯市民部長(川嶋直久君)  今、この富士ゼロックスの派遣社員ということでお話しいただきましたけれども、富士ゼロックスシステムサービスと申しますけれども、その直接の社員ではなくて、派遣を受けている社員ということで御理解いただきたいと思うんですが、私どもも、どういう作業をしたかというのは、先ほどお話ししたように聞き取りをいたしましてですね、私どもがセットアップした2年前でございますけれども、その時点では本庁の方で、この戸籍のデータに直接かかわる仕事はしておりません。ただ、私どもの庁舎、広さに限りがございますので、実はデータは、厳重な管理のもとにですね、富士ゼロックスシステムサービス社の、非常に特定された1カ所でございますけれども、その中でデータをセットアップした。そういうような状況でございます。その中の社屋に出入りしたことはあるということで、それ以上の細かなですね、三鷹のデータについてどういう関係にあったかということは、特にそこまでは追跡できない。そういう環境の1つの閉じられたところ。そういう意味では富士ゼロックスシステムサービス社、シェアがナンバーワンで、実際、全国で約800の自治体を担当した実績がございます。その中の1つということですね、三鷹市は。そういう状況でございますので、三鷹のデータだけを特段ですね、どういう形でその者に接近する状況があったかという、そういったつぶさな経過はなかなか報告受けれないと。実際調べても難しいというような状況でございました。
     (「だから、調査して報告してほしいという質問をしたんです」と呼ぶ者あり)


◯28番(岩田康男君)  大事な問題なので、漏れてなきゃ漏れてない方がいいんですよ。だから、漏れてないというんなら、漏れてないという証明を、調べてね、御報告を後日いただきたいという質問ですので、つぶさに調査をして後日、御報告をいただきたい。漏れてないという安心を与えてもらいたい。


◯市民部長(川嶋直久君)  現状ではなかなかデータ、その辺のことは難しいところがございます。刑事事件でございます。今後なるべくですね、そういったものの調査に努めてまいりたいと思います。よろしくお願いします。


◯28番(岩田康男君)  それでは、富士ゼロックスの件については、第一級の情報ですので、万が一ですね、事件に巻き込まれているということになれば重大な問題ですし、巻き込まれてないという事態がね、私は望ましいわけでして、ないということならば、ないということをですね、三鷹市として富士ゼロックスの調査をですね、依頼をして。どうもですね、お隣の報告書を読みますと、富士ゼロックスがここで緊急セキュリティー対策というのをやったと。その対策はどの部分をやったかというと、自治体の中をやったんですね。自治体の中での作業の対策をやったんですね。つまり、この犯人がみずからの会社の中でデータを打ち込む作業には一切かかわってないということが証明できたと。で、もしかかわれるとすれば、自治体に来てからの作業だということで……。


◯議長(石井良司君)  質問者に申し上げます。時間でございます。


◯28番(岩田康男君)  ああ、そうですか。ということで、ぜひですね、調査をして御報告をいただきたいというふうに思います。よろしくお願いします。


◯議長(石井良司君)  以上で岩田康男君の質問は終わります。
    ──────────────────────────────────────


◯議長(石井良司君)  次の通告者、7番 宍戸治重君、登壇願います。
                〔7番 宍戸治重君 登壇〕


◯7番(宍戸治重君)  議長の御指名をいただきましたので、一般質問をいたします。既に質問、または答弁で重複するところがございますが、本日は基本的な考え方を御質問させていただきます。
 きょうこのごろは、あちらこちらの景勝地の紅葉も落ちつき、寒さがひとしおであると感じているところですが、私が通う東八道のイチョウや畑のイチョウが色づき、周り一面真っ黄色の世界が広がり、見事な景観をつくり出してまいります。この景観こそ観光資源にならないかと、銀輪を転がして、先を急ぐ私でございます。
 さて、来春になりますと、4月は統一地方選挙で、都知事選挙は3月22日告示、4月8日投票、市長・市議選は4月15日告示、4月22日投票が本決まりとなりました。次期選挙は、従来とは相違した新たな政策と実行を希求されております。石原都知事は、オリンピック誘致、多摩国体、花博覧会の開催を契機に、東京都の活性化案を打ち出しています。毎度おなじみの政策では有権者に通用しないと考えます。地方分権が進められている中で、地方分権改革推進法案が成立いたしました。これは、国と地方公共団体の役割を明確にし、地方公共団体の自主性を高め、みずからの判断と責任において行政運営を推進し、個性豊かで活力に満ちた地域社会の実現を図ることを基本とし、行われることを理念とするものです。
 地方分権のもとでは、自治体が行政サービスの質を競い合うことが求められ、市区町村によっては行政サービスの内容や負担に差が出ることが予想できます。従来の各市自治体レベル横一列という手法は過去のものとなり、自治体の貧富差の拡大が明確になることは間違いありません。このことによって、どこを自分の住み場所とするか、自治体は選ばれる時代、よいサービスだけをつまみ食いする時代となることが予想できます。市民は、高環境・高福祉、持続可能な、安定した行財政運営を行う自治体を求めています。その実現のためには、自治体のリーダーシップが問われ、求められております。
 11月の月例経済報告では、景気回復が継続し戦後最長の「いざなぎ景気」を超え、「いざなぎ景気」を凌駕すると言われておりますが、景気回復は大手企業のみで、中小企業は剣が峰に立たされており、消費の現場では「好景気の実感がわかない」との声は依然として強いところでございます。
 また、国勢調査によると、日本の総人口が2005年に戦後初めて減少に転じ、「人口減少社会」に突入しました。少子高齢化がますます進み、生産年齢人口は減少し、都市圏に集中するなど、経済成長や社会保障制度にも大きな影響があると考えられます。三鷹市においても、行財政運営に影響は避けることはできないと考えられ、しっかりと将来を予測した対応に取り組むべきと考えます。
 さて、清原市政は4年前に安田市政を継承としてスタートいたしましたが、その4年間には、三位一体の改革、地方分権、税制改革と大きなうねりの中で運営を余儀なくされてまいりましたが、花を咲かせ、成果を収穫した4年間でもあったとも言えます。その間には、全国市区行革革新度調査において、3回連続4度目の総合評価スリーAと評価を獲得しました。この評価を得たことや、安全安心のまちづくりへの取り組みなど、大いに評価ができるところでもございます。
 ここで市長に質問いたします。
 市長になられた4年間の中で、市政運営についてどのように感じられましたか、御所見をお伺いいたします。また、12月1日に市長は記者会見におきまして、次期市長選挙に、出馬の意思表示を行いました。ぜひともこの場で、力強い決意を伺いたいと存じます。
 次に、現在、予算編成に当たられていることと思いますが、予算に市長の意思を明確に反映する必要があると思いますが、御所見をお伺いいたします。
 また、市民は、夢や希望を感じることができる明るいビジョンを求めています。地方分権が進められる中で、これから三鷹市が目指す「個性豊かで活力に満ちた地域社会」である三鷹市について、御所見をお伺いいたします。
 次に、財政状況について質問をいたします。
 国と地方の税財政改革である三位一体の改革は、地方自治体への財源移譲がねらいでありますが、個人住民税のうち市区町村分の税率が一律6%となるため、大半の市区町村では増収となると言われていますが、課税所得が700万円を超える人の市区町村税が下がるために、この層の多い市区町村は減収となる可能性があると言われております。また、それに伴う補助金や交付金の削減が予想されます。さらに恒久減税の廃止に伴う税収への影響など、歳入にかかわる影響は大きく、市民の納税負担も増加することが考えられます。財源確保のために、国・東京都への働きかけが重要課題であると考えます。
 「個性豊かで活力に満ちた地域社会」を実現するためには、税収増を目指し、SOHOへの取り組み、起業家の育成、定着率の向上や、企業誘致、産業振興などに積極的に取り組み、自主財源の確保に知恵を発揮することが必要であると考えます。また、現在、近隣市と横並びでもありますが、コスト計算から割り出された適正な応能・応益に見合った手数料や、使用料、利用料などの見直しが必要と考えます。
 ここで市長に質問いたします。
 三位一体の改革による税源移譲、恒久減税の廃止など税制改革の19年度の財政への影響について、また、それを踏まえた予算編成方針について、将来予測についてお伺いをいたします。
 また、今後の税収増への取り組み、自主財源の確保への取り組みについてもお伺いをいたします。
 次に、歳出面で、生活保護、高齢者福祉、障害者自立支援法を初めとして、国民健康保険、介護保険事業も含め、福祉関係費は自然増が避けられないものと考えますが、少子高齢社会に対応できる、安定した財政を維持するためには、まず経常収支比率の改善に取り組み、新たな行政ニーズにこたえるために、思い切った事業の見直しや事業の外部委託を進めるなど、さらなる行財政改革による行政全般のスリム化・効率化に取り組む必要があると考えます。三鷹市においても、事業の民間委託、民営化、指定管理者制度など、さらに推し進める必要があると考えますが、行政の経費節減・サービスの質の向上など基本理念を明確にし、適切に政策的コントロールをし、効果向上や課題解決を行うために、市民のモニタリングを組み込んだ情報提供、評価システムの構築への取り組みが必要であると考えます。
 また、団塊の世代の退職者の増加期を迎え、厳しい財政状況が予想される中で、給料や退職金のあり方について、これからの福祉のあり方も検討すべき時期が来ているものと考えます。
 ここで質問をいたします。これからの財政事情を踏まえ、事業の見直し、事業の民間委託、民営化、指定管理者制度の運用などの外部化など、職員定数の見直し、職員の給料、退職金のあり方、福祉のあり方などの行財政改革にどのように取り組まれるのか、お尋ねをいたします。
 教育基本法改正案が国会において審議されております。北海道滝川市で小学校6年の女児が、いじめを訴える遺書を残して自殺した悲惨な事件がありました。ほかにも、いじめによる悲劇は後を絶ちません。そのような中で、学校や教育委員会の対応の悪さや、隠ぺい体質が問題とされ、教育委員会のあり方や不要論が問題となり、いじめは犯罪であり、加害者は厳罰に処するべきだとの意見も出ております。また、中学校、高等学校の必修科目の未履修、受験競争の加熱による履修操作がクローズアップされました。ゆとり教育の廃止、学力の低下が議論されているところであり、教育現場の信頼感が薄れる事件が続発しております。
 三鷹市においても、私立中学への進学率が高く、児童・生徒は大方が塾に通うなど、学校の質や教員の質が問われ、信頼感が失われているものと考えざるを得ません。また、教育委員会のあり方についても問われているものと考えます。小・中一貫校への取り組み、それに対応した教員を養成する「みたか教師力養成講座」などの取り組み、全市内の実現に期待をしているところです。教育は国の政治、経済生活に必要な有能な市民と、生産的な労働者を社会に輩出するという公益性を忘れてはならないと考えます。「米百俵」の趣旨から、将来を担う子どもたちの教育のために、環境整備、教員の指導力の向上、人材確保を最重点項目として位置づけることが必要と考えます。
 ここで教育長に質問いたします。
 これからの三鷹の公教育のあり方、小・中一貫校の推進について、環境整備、教員の指導力の向上、人材確保についてどのように取り組まれますか、これからの教育委員会のあり方についてお尋ねをいたします。
 以上で壇上での質問を終わりますが、再質問を留保させていただきます。
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◯議長(石井良司君)  一般質問の途中でありますが、お諮りをいたします。間もなく定刻となりますが、しばらくの間、時間の延長をいたしたいと思います。これに御異議ございませんか。
                (「異議なし」と呼ぶ者あり)
 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。
    ──────────────────────────────────────


◯議長(石井良司君)  答弁をお願いします。
                〔市長 清原慶子さん 登壇〕


◯市長(清原慶子さん)  今期を振り返り、今後の市政運営について御質問いただきました。
 市長に就任して3年7カ月が過ぎました。申すまでもなく、市長職は非常に重責ですが、おかげさまでまことに充実した日々を過ごさせていただいてきました。市民の皆様の安全安心を確保するために何事にも即時に対応できるように、まずは健康管理に努め、できる限り市内をきめ細かく歩き、できるだけ多くの市民の皆さんと直接対話することに努めてきました。
 私には、議員経験も行政経験もありません。ただ、一人の市民として、あるいは教員・研究者として、20代前半から30年間、三鷹市で市民参加と協働の経験を重ねてきていたことが基礎にはありました。だからこそ、自治の主人公たる市民の皆さんに信託をいただいた市長の責務を重く受けとめ、市民本位の市政を進めたいと心がけ、日夜、誠心誠意、一生懸命にその職責を果たす努力をしてきました。
 この間、二元的代表民主制の一方の市民の代表である市議会の皆さんの御理解と協調により、また、多くの市民の皆さんによる参加と協働の歩みを重ね、そして、職員の皆さんの改革の気概にあふれた誠実な職務遂行の努力のおかげさまで、大過なく、三鷹の市政を前進させることができたのではないかと思っています。
 振り返れば、選挙時に掲げた公約のおおむね実施あるいは着手ができていますが、時代の激変と地域課題の多様化は、さらなる行政サービスの質の向上を必要とし、新たな政策課題を提起しています。加えて、それを支える自治体経営改革の進化を必要としています。
 そこで私は、引き続き、来期も市長としての責務を果たさせていただきたいと決意しています。もう一方の市民の代表である市議会の皆さんと御一緒に連携・協調するとともに、緊張感を持って切磋琢磨し、三鷹市をさらに市民本位のものとしつつ、未来に確かなビジョンをつなげる、夢のある、21世紀型の創造的自治体にすべく努力していきたいと決意しています。どうぞよろしくお願いいたします。
 さて、平成19年度の予算編成について御質問をいただきました。
 平成19年度予算の考え方については、予算編成方針の中では、例年どおり総合予算主義に立った予算編成を行うこととしており、したがって、年度間を通じて見込み得るすべての歳入と歳出を把握し、予算編成を行ってまいりたいと考えています。
 続いて、地方分権が進められる中で、これからの三鷹市が目指す個性豊かで活力に満ちた地域社会についてお答えします。
 三鷹市が目指す地域社会は、今を生きる人々が、将来にわたって安心し、生き生きと自立して暮らせると実感できる地域社会です。そして、市民の皆さんとともに、知恵を絞り汗を流す協働を通して、安心して生き生きと暮らせるまち三鷹をつくることが今後も求められていると考えます。
 質問議員さん御指摘のとおり、今後、本格的な地方分権と人口減少時代を迎える中で、国も地方もあるべき政府の形を模索し確立するという、かつてない使命を果たすことが求められています。三鷹市はこれまで、パートナーシップ方式による新たな市民参加方式の開発や、市民の皆さん、民間事業者の皆さんとの協働による情報都市づくりや自治体経営の確立など、数々の新たな事業スキームをつくり上げてきました。今後も三鷹市は、三鷹から日本の未来を創造するという意気込みで、分権時代における基礎自治体の政策開発とその実践に努めていきたいと思います。その意味でも、平成19年度(2007年度)をさらなる挑戦、三鷹新時代のスタートの年と位置づけ、市民の皆様の信託と信頼に基づく市政を築き、21世紀の創造的自治体として夢のある計画を、着実に堅実に一歩一歩進めていきたい、このように決意しています。
 続きまして、大きな2点目として三位一体の改革、税制改正の財政への影響につきまして御質問をいただきました。
 平成18年度予算の施政方針で詳しく御説明させていただいていますように、三位一体の改革など地方税財政制度の全般にわたる改革は、三鷹市の財政に大きな影響を及ぼすものでございます。具体的には国庫補助負担金の削減がある一方で、税源移譲としての市民税6%化による増収分はほとんど期待できないことが指摘されます。恒久減税の廃止による税収の復元はあるものの、地方特例交付金の大幅削減が行われることなどで、この影響は平成19年度の予算編成にも、スタート時点から極めて厳しい条件となっています。
 このため、既に平成17年、昨年の12月におきまして、こうした見込みをいち早く立てまして、私は国及び東京都に対して、地方交付税不交付団体の立場から要望書を提出いたしました。その効果は若干はございますので、今後も適宜にこうした取り組みを進めていきたいと考えています。
 平成19年度の市税の見込みにつきましては、さきに申し上げました大きな影響はある一方、納税義務者の増などによる増収見込みもあります。そこで、一般財源総額のマイナスを一定程度補うものになるのではないかと考えています。そこで、的確な税収の見積もりを行いながら予算編成を進めてまいります。また、一層の税収増、収入増の取り組みにつきましては、特に市税などの未納対策をしっかり行いまして、市民負担の公平性を確保していきたいと思いますし、大変重要なのは、市内産業の振興を初めとする税収増につながる諸施策の展開を図ることで自主財源確保に向けた努力を多角的に行う必要があると考えています。
 平成19年度に限らず、地方税財政制度の改革の影響予測に基づく今後の財政運営と事業展開につきましては、平成19年度中に行うこととしております第3次の基本計画の第2次改定における財政フレーム再構築の主要課題であると位置づけ、その中で整合性をしっかり図りたいと思っております。
 さて、3つ目に事業の見直し、事業の民間委託、民営化、指定管理者制度の運用など、外部化など、職員定数の見直し等々についての御質問もいただきました。
 三鷹市では、これまでも積極的に事務事業の民間委託等を進めてまいりました。このことを通して行財政改革に取り組み、計画的な職員定数の見直しを進めてきました。職員定数では、取り組み前の平成7年4月と比較して、ことしの4月までに、人数では257人、比率にして19.3%の削減を実施してきました。少子高齢社会への対応など、ますます増大するのが行政需要でございます。したがいまして、その多様化する行政需要に対して、厳しい財政状況の中で対応することを認識するならば、私たちは引き続き積極的に行財政改革の取り組みを進める必要があります。そこで、平成17年3月に行財政改革アクションプラン2010を策定いたしました。このプランの重点的な取り組みが、学校給食の調理業務、市立保育園等の運営にかかわるものですが、さらなる事務事業の委託化、民営化の可能性を進めてまいります。
 アクションプラン2010の最重点課題の1つは、行政サービスの質の確保と効率的な運営です。つまり、私たちは、行財政改革は何のためにするべきかという原点を忘れてはなりません。つまり、何よりも市民の皆さん本位で行政サービスの質の向上とその確保を図ることを目指して、効率的な運営を進めなければならないのです。したがって、行政経費の削減を行うとともに、求められるのは評価システムの確保です。しっかりと行政サービスの質の向上、そしてその維持を図りながら経営資源を最大限生かしていくこと。このことが行財政改革を進める上で大変重要なポイントであると認識し、たゆまぬ努力を職員とともに、そして市民の皆様、市議会の皆様にしっかりと御説明をしながら進めていきたいと考えております。


◯教育長(貝ノ瀬滋君)  これからの三鷹の公教育のあり方、教育委員会のあり方についてお答えを申し上げます。
 三鷹市の将来を担う子どもたちへ質の高い教育を提供いたしまして、子どもたちが安心して教育を受けられるようにするということは、教育委員会の大きな責務であると考えております。御指摘のように、今、我が国の公教育は、社会の大きな変化の中でさまざまな課題を抱えております。御指摘のとおりでございます。そこで、三鷹市教育委員会では、これらの課題を解決するというだけではなくて、未来を見据えてですね、三鷹の教育が目指す方向を明らかにするために、三鷹市教育ビジョンを去る12月1日に教育委員会で定めました。教育ビジョンでは、基本方針として、1つ、安心と信頼のある学校、2つ目が自律した学校、3つ目が地域とともにつくる学校、4つ目が情報共有のモニタリング、評価ですね、の4つの柱を立てて具体的な施策を進めていくことにしております。
 その大きな特徴といたしまして、ゼロ歳から15歳までの連携教育を確立していくということがございます。そのために、市の関連部署と連携のもと、幼稚園や保育園、学校、地域コミュニティなどが協働をして教育環境の整備に努めていくということが必要でございます。
 また、小・中一貫教育校の推進に当たりましては、義務教育全体の中で、学習内容ですとか、指導方法のあり方を見直しまして、児童・生徒に確かな学力を定着させて、豊かな人間性をはぐくむことをねらいとして環境整備に全力を尽くしていくというふうに考えております。
 これは御質問者の御指摘のようにですね、公教育の質の向上、これは行財政改革と同じでございますが、質の向上をですね、しっかりと確保していくということが重要でございます。小・中一貫教育校を支える教員の資質や能力の向上につきましては、三鷹ネットワーク大学や企業などの連携によりまして、キャリア支援と研修プログラムの充実を図ってまいります。また、三鷹市が求める教員の人材を確保することについては、法令に基づきまして学校運営協議会の設置によりまして、東京都教育委員会に三鷹市での配置を希望することを可能としておりますので、今後、積極的な活用を考えていきたいと考えております。
 同様にこの秋ですね、三鷹ネットワーク大学にみたか教師力養成講座を開講いたしまして、三鷹市の学校の教員になりたいという、そういう熱意と希望を持った社会人・学生を受講生として迎えまして、インターンシップ制度として人材育成に努めております。今後、これらの教育ビジョンに基づきまして、施策を推進するための条件整備を図りましてですね、熱い思いを持って着実に取り組んでまいりたいというふうに考えております。以上です。


◯7番(宍戸治重君)  御答弁ありがとうございました。力強い決意も伺いました。それで再質問をさせていただきます。
 まず、厳しい財政状況の中で、また、将来予測とも大変厳しいものがあると。または景気の回復だけに期待をしてはいけないものであろうと思います。その中で事業の民間委託や民営化などの外部化に伴って、それを評価する評価システムをこれからきちっととらなければいけないというような御答弁がございましたが、全くそのとおりでありますが、また、そこにですね、専門性や管理能力が求められているとも考えられます。また、それにはですね、ぜひ考えなければいけないことは、育てるのか、実際に今、プロフェッショナルを雇ってしまうのかというような問題もあろうかとも思いますが、その辺をいかがにお考えかなというふうに考えます。
 それと、福祉のあり方については総論的に御答弁をいただきましたが、いろいろな制度が今、変えられて、まだ十分とは言えないところではございますけれども、その制度変更に伴って、既存の仕組みや施設の検証、または見直しが必要ではないか。これもコストだけの問題ではございませんけども、ぜひ進めていただければと思います。
 また、総務省は、4月に実質公債費比率の指標の導入を行いましたけども、第三セクターや土地開発公社などが反映されていないことなど、実態とかけ離れている点が指摘をされております。ここのところで東京都は、企業会計の要素を取り入れた決算書をつくる決算書作成システムを導入することといたしました。三鷹市においても、いろいろ指標についても取り組みは進められているところですが、企業会計の取り組み方について、考え方がございましたらお伺いをしたいと思います。
 また、大変財政が厳しい中で、三鷹市はIT・SOHOへの取り組みや、TMO・産業プラザなど多くの施策を国や東京都から誘引してまいりました。これからの国や東京都の施策の誘引について、考え方についてお伺いをしたいと思います。
 次に、公教育でございますが、どのくらい市民から公教育が見捨てられているかという数字がここにございますが、ちょっと言い過ぎたかもしれませんが、中には、小学校の中で50%、40%、30%の人が、子どもたちが三鷹の公教育を離れて私立中学へ進んでいるというのが現状でございます。公教育である学校も質が問われ、十分に質を確保できないところは市民から切り捨てられ、私立の学校へ離れていくものと考えられます。
 考え方を申し上げますと、公教育は公共教育機関として知育・徳育・体育をバランスよく組み合わせた公教育をきちんと行い、公共機関らしく地域住民に信頼されることが第一であり、そこに勤務する公務員としてみずからを律して、全体の奉仕者の自覚を持つことが必要であると考えます。ここのところで政府の教育再生会議が開かれ、教育委員会は教員人事の権限移譲、教員評価制度、不適格教員の取り扱いの適切な仕組みを検討することとされておりますが、今、期待をしているところでございます。教育委員会は学校の公共性を担保する行政機関であることの自覚が必要と考えますが、御所見がございましたらお願いします。
 また、三鷹市は、教育ビジョンが、今、御答弁がありましたように検討されているところですが、個性豊かで活力に満ちた地域社会、三鷹の中で個性豊かで活力に満ちた学校がやはり求められているものだろうというふうにも考えます。今こそ私たちが将来を託す子どもたちの行く末のために、さらに学校教育に財源と英知を結集し、市民に信頼され、それを求めて子どもたちが集まるような、わかりやすい、実効性のある施策に取り組む必要があると思います。御所見をお願いしたいと思います。


◯市長(清原慶子さん)  行財政改革の評価システムについて御質問いただきました。
 きちんと質を評価していくということは大変重要なことですが、その評価のあり方につきましては、私たちも少しずつ経験を重ねてきています。例えば公設民営保育園の評価の場合には、専門家にもお願いしましたし、市民の皆様にも御参加いただきましたし、職員もパートナーとして参加をいたしました。
 育成か導入かということであれば、基本はもちろん職員のですね、専門性を醸成していくという育成というものが第一だと思いますけれども、その評価の仕組みに、やはり専門家はもちろんのこと、利用者である市民の皆様、あるいは多角的な必要が生じたときには、事業者の皆様にですね、参加していって複眼で評価をしていくということが求められてくるのではないかと思います。なお、こうした評価のシステムについては、それほど多くの先行事例がないことから、私たちとしても、前向きにですね、意欲を持って、工夫をしながらチャレンジをしていきたいと思っております。
 2点目に、国や都の施策の誘導について御質問いただきました。
 私たち三鷹市は、地方交付税の不交付団体でございますので、三位一体の改革が進んで交付税の改革も行われるわけですけれども、いわゆる交付税措置ということを受けて何らかの仕組みをしていくという機会には恵まれていません。したがって、何らかの先導的な取り組みで、三鷹市に基礎なり、あるいは創意工夫の活動があって、それに対して国が、あるいは都がモデル性を見出すような契機はですね、大いにつかんでいきたいというふうに思っております。したがって、私は、職員にも、あるいは市民の皆様にもお願いしていることですが、アンテナを張って、さまざまな新しい取り組みをしていく際の補助事業や、あるいはモデル事業などについては情報を共有して、そして市役所だけ、あるいは職員だけが頑張るのではなくて、文字どおり民学産公の三鷹市の協働の取り組みの中で具体的な取り組みをし、そのことによって市民サービスの質の向上や、あるいは拡充ができるように、積極的な取り組みを今後もしていきたいと、このように考えております。


◯教育長(貝ノ瀬滋君)  大変公教育に対する厳しい御指摘がございましたけれども、特定のですね、特定の中学校へ進学する小学校のお子さんが私学に流れているというのは事実でございます。しかし、すべての学校がですね、そういうふうになっているというわけではございません。ほかの学校は、ほかの近隣とですね、そう変わらないわけでありますが、結果としてはそういう小学校も現に存在しているということは事実でございます。その点ですね、謙虚に受けとめましてですね、やはり公教育の質の向上、そして信頼回復、これは本当にそのとおりでございます。私ども、今後ともですね、小・中一貫教育校を推進していく中で、着実なですね、信頼を回復すべく努力をしてまいりたいというふうに考えておりますので、今後とも御支援よろしくお願いいたします。以上です。


◯7番(宍戸治重君)  御答弁ありがとうございました。市長からは力強い決意をお聞きしたところでもございます。質問した内容について、また、御答弁をもとにですね、政新クラブは積極的に政策提案をしてまいりたいというふうに思います。
 また、個性豊かで活力に満ちた地域社会、三鷹市の実現のために、また、三鷹市や市民発展のために私たちも努力をしてまいります。
 以上をもちまして質問を終わります。ありがとうございました。


◯議長(石井良司君)  以上で宍戸治重君の質問は終わりました。
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◯議長(石井良司君)  次の通告者、10番 白鳥 孝君、登壇願います。
                〔10番 白鳥 孝君 登壇〕


◯10番(白鳥 孝君)  議長の御指名をいただきましたので、壇上よりごく一般的な質問を一生懸命やらさせていただきますので、よろしくお願い申し上げます。
 質問は大きく分けて2つあります。1つはコールセンターの設置について、もう一つは職員採用と人材育成についてであります。
 まず、コールセンターの設置についてでございます。
 自治体におけるコールセンターの設置が進んでおりますが、賛否両論があるようでございます。先日、会派視察で札幌市を訪れましたが、札幌市では、自治体ではいち早くコールセンターを設置し、高い評価を得ています。近隣では、杉並区が2月から、町田市が4月からスタートしていると伺っております。このコールセンターの設置の動きというのは、加速していくのか否か、判断の難しい状況にあると思います。1つは自治体の規模感です。札幌市のように大きな人口を抱える自治体では、行革の視点からも有効な手段と言えるかもしれませんが、三鷹市の人口を考えるとき、果たしてその効果があるかどうか、検証が必要だろうと思っております。
 さて、コールセンターの設置には、実は、もう一つの大きな要素があると伺っています。それは、市の業務全体をデータ化するということによる利点です。コールセンターを設置するには、市のあらゆる手続について、データベース化することが必要になります。これを公開することにより、ネット利用者には、大きく利便性を向上させることになります。つまり、コールセンターは、ネットを利用しない人のための補完的システムという言い方もできます。ここで注目したいのは、コールセンターという見えやすく、わかりやすい言葉であらわされるものは、実はそれほど重要ではなく、ユビキタスネットワークの中でも言われておりますが、自治体業務のデータ化、形式知化──知る、化学の「化」なんですけれども──という大きな要素があることです。これは、実は、避けて通れない道であると思います。
 手続のデータ化は、そんなに大きな手間がかかることでは、ないように思います。多分、重要なのはQアンドAを積み上げていくことで、市民の知りたいことが、明らかになっていくことと、そして、これまで、職員の暗黙知で対応してきたことも、だれでも見えるようになることだと思います。そのきっかけとしてのコールセンターの意義は、十分あるのではないか。そう考えるものです。
 そこで質問です。まず、自治体におけるコールセンターの設置の動きについて、総務省を初めとする機関の動きがあればお知らせください。その上で、三鷹市として、コールセンター設置の可能性をどう考えているのか、お聞かせください。また、インテリジェント・コミュニティ世界トップワンの三鷹市として、行政情報、手続だけではなく、市民の必要とする情報の顕在化について、今後どのような手法を考えておられるのか、現時点でのお考えをお聞かせください。
 情報化というのは、ただ単にコンピューターやネットが普及すればいいというものではなく、それを使って、何をするかということだとすれば、こういうデータ化という事業こそ重要だと考えます。例えば市民からの質問、もしくは合図の中には、行政に何を求めているのかという、傾向が必ず隠されているはずです。民間ではマーケティングの貴重なデータとして活用されるでしょう。こういう情報に目を向けるべきですし、職員にとって、マニュアルに書かれていない業務の継承という視点からも目を向けるべきだと考えます。インテリジェント・コミュニティ世界トップワン、効率的で開かれた自治体日本一の三鷹市として、広い意味での「情報化」における今後の取り組みの方向性についてお伺いをさせていただきます。
 次に、職員採用と人材育成についてであります。
 三鷹市では、行財政改革を積極的に進め、その評価として、日経のランキングでは3回連続日本一を獲得しています。11月19日号の市報においても、人事行政に関する状況を公表しており、これも大切なことだと考えます。こういった取り組みの積み重ねこそ重要であり、それが評価されているものと考えます。三鷹市では、職員定数の削減を進め、行財政改革アクションプラン2010について、今回の市報において、職員数の削減目標を70人と明確に示したことは、評価するところです。ただ、ここで、一つ気がかりなのは、新しい職員が入らないことによる、世代の断裂ということです。最近では、新規採用を実施していますが、その前は、特に一般事務職の採用がない時期が続き、職員の構成にもはっきりとした変化が生じています。もちろん行革の具体的な数値としての職員数の削減を実現するには、新規採用を行わないという以外には、現行法では不可能です。そのことは、前提としつつ、職員構成の世代断絶をどう解消していくのかという、難しい課題を解決しなければいけないと考えます。
 一般的には、数年間、新規採用がない場合、その弊害を解消するのに、倍以上の時間がかかると言われているようです。例えば、5年間採用がなければ、若い職員は5年以上、新入職員の仕事をしなければなりません。もちろんその間、養うべき、部下という関係づくりや、新たな職務の習熟など、入所後の5年間というのは、大切な時期と言えます。もっと大きく見れば、これまで三鷹市の職員の養ってきた、目に見えない財産の継承という点でも、大きな課題を残すことになってしまうのではないかと心配するものです。実は、こういった議論というのは、余りされてこなかったのではないでしょうか。現在の三鷹市の評価というのは、ほかの自治体から見たら、うらやましいものばかりです。しかし、10年後にこの状態を継続するためには、何をしなければならないかという議論が少ないように感じます。大変大きなテーマですので、今後、この課題について取り上げていきたいと考えますが、本日は、その中でも、職員構成の世代断絶に絞って質問をします。
 まず、このようなことについて、庁内での検討はなされたことがありますでしょうか。ございましたらどのような改善策を立てられたのか、お聞かせください。
 世代断絶とは、その年齢の職員を後から補充すればいいというものでは、ないように思います。問題の一つである、部下のいなかった期間を経験した職員のフォローをどうするかという視点もお考えでしたらお聞かせください。また、よく言われる「三鷹市の職員のDNA」の継承というのは、現時点では、うまく機能しているのでしょうか。お聞かせください。
 最後に、職員の人材育成プランの大きな改革がありましたが、このプランには、こういった課題について対策は、盛り込まれているのでしょうか。お聞かせください。
 以上で、壇上での質問は、終わりますが、答弁によりましては、自席での質問を留保いたします。
                〔市長 清原慶子さん 登壇〕


◯市長(清原慶子さん)  それでは、コールセンターの設置についての御質問にお答えします。
 総務省のまとめによりますと、現在、コールセンターを設置している自治体は、札幌市、横浜市など11市と杉並区で、そのほかにも現在検討中の自治体はあるとのことです。ただ、議員さん御指摘のように、いずれも人口数が多いところ、あるいは政令市で、行革の観点から進めている事例が多いと承知しています。
 総務省の動向について御質問いただきましたが、総務省では、有識者研究会がコールセンターの専用番号として、例えば警察の110番のような3けたの全国共通番号をつくることが適当であるとの報告書を提出したことを踏まえ、サービス内容等を議論し、検討を進めているとのことです。
 三鷹市におけるコールセンターの設置については、個別の分野では国勢調査時やごみの分別の変更など、一部の業務で期間限定で設置した例があります。ただ、全庁的な設置となりますと、三鷹市の人口規模や財政規模で実施していくことには、経費の問題はもとより、効果的な実施手法等についてさらに調査・研究が必要であると考えています。しかしながら、質問議員さんが御指摘されましたように、コールセンターの事業効果としては、ワンストップサービスの実現だけではなくて、問い合わせの内容を蓄積して整理し分類することで、市民ニーズの把握や情報提供内容の高度化を図ることが期待されます。また、担当職員が問い合わせの電話に対応する時間を考えますと、業務の効率化の視点からも効果が期待されます。また、市民の皆様が、電話を担当者間で回されてしまうということなどについての御不満もないわけではありませんので、そのような丁寧な対応についても効果が考えられます。
 実は11月に、石井議長と御一緒に訪問しましたフランスのイッシー・レ・ムリノー市でも、このような取り組みを実施していました。特に市民の皆さんに迅速に対応ができることや、対応職員の集中による効率性が指摘されておりました。今後も調査・研究に取り組み、検討を進めていきたいと考えています。
 また、市民の皆さんが必要とする情報の顕在化、広い意味での情報化における今後の取り組みの方向性についてでございますが、御質問の趣旨は、コールセンターの事例も含めて、いかに情報を整理し活用していくのか、そして市民の皆さんに対して適切な情報提供やサービス提供をどのように行っていくのかという御質問だと理解いたしました。
 そこで、基本的な考え方についてですが、電子自治体の構築においては、まさに情報をどのように整理し活用するかという視点を持つことが必要です。そして、市民ニーズに応じたサービスの提供や、業務の効率化を図ることが重要な課題となります。このことは、いわゆる電子自治体の構築にとどまらず、透明で公正な行政の確立という自治体経営の基本的な考え方の一つでもあります。今後もセキュリティーの確保を図る中で、また、情報バリアフリーにも留意しながら、適切に情報を整理・活用するとともに、多様な情報手段を活用して、市民生活に必要で役に立つ情報の積極的な提供に努めてまいります。
 現在、地域情報化の基本方針としてユビキタスコミュニティ推進基本方針(仮称)の策定作業を進めています。この方針では、今後も電子自治体の構築を進めるとともに、このユビキタスという言葉が意味しているところですが、市民の皆さんが、いつでも、どこでも、だれでも情報通信技術を利活用して、その利便性を享受できる、利便性を実感できる地域社会の構築を目指してまいります。
 大きな2点目としまして、職員採用と人材育成について御質問いただきました。
 一般事務職の職員の新規採用を行わなかったことによる職員構成の世代間の断絶に関する御質問です。これまで私が市長に就任するまでの間に、5つの年度で行財政改革の取り組みの一環として一般事務職職員の新規採用を行わなかった年度がありました。これによりまして大きな財源効果を得ることはできましたが、その一方で、職員の年齢構成には20歳代の職員数が少ない状態が生じました。これに対しまして、平成17年3月に策定した行財政改革アクションプラン2010では、最重点課題の一つとして戦略的視点に立った職員定数の見直し、適正配置の実施を掲げましたが、その中で若年層の補強と適正な年齢構成分布を持つ組織を構築し、組織力の向上とさらなる活性化を図っていくこととしました。
 具体的には、もちろん、引き続き経営努力による職員定数の削減には努めます。ただし、私が市長に就任してからは、毎年度、決して多数ではありませんが、継続的に必要な一定数の職員採用を毎年行うこととしてきました。また、職員採用に当たりましては、採用対象者の年齢要件を引き上げるとともに、今後は必要に応じまして対象年齢を引き上げた、いわゆる経験者採用についても実施を検討しているところです。これは、御指摘の世代の断絶を防ぐという意味もあります。
 また、部下のいなかった期間を経験した職員のフォローをどうするのかという御質問をいただきました。
 確かに職場には、部下のいなかった期間が長かったという問題のほかにも、事務分担の問題、評価や昇任・昇格の問題、また、いわゆる一般的な人間関係の問題など、多くの問題が生じる可能性が潜んではいます。職場について、平成16年3月に策定した人財育成基本方針の中で、業務遂行と人財育成という両面において重要な役割を果たす場であると位置づけました。つまり、単に業務をするのが職場ではないということです。私は、市民の皆さんとの協働や創造的な自治体経営を可能とする三鷹市という組織が持つ、いわゆる改革のDNAというのは、組織の風通しがよく、活発な議論が行われて、積極的に創造的な施策に取り組む、あるいは若い人の提案もそれが生かされる、まじめに取り上げられるという組織風土によって培われていくというふうに考えております。
 そこで、例えばそうした組織風土の維持・発展を図るため、私は市長就任以来、職員一人一人と話し合う、あるいは少人数の職員と直接対話をするトークセッション研修を実施し、現在約1,100名の職員のうち約800名の職員とそうした機会を持つことができました。また、副市長や部長は、例えば政策提案の職員チームの助言者になったり、特にプロジェクトチームでは、主担当のリーダーは調整担当部長、あるいは課長である場合でも、部長にアドバイザーとしての役割を持ってもらって、質問議員さん御心配の改革のDNAの継承、あるいは若い職員が、課長や部長と率直に、あるいはある時は副市長と、あるいは市長とけんけんがくがく議論ができる、そうした風土を保ってきているところです。
 また、政策会議における事業評価や、各部の実施方針と個別事業の決定に当たっては、時間が許す限り議論を尽くすことに心がけています。職員研修でも、それぞれの職場におけるオン・ザ・ジョブ・トレーニング──OJTの活性化や、職員のチャレンジ精神を支援するような研修を実施することにしています。職場の活性化による職場の諸問題のフォローに努めてきているところです。
 さて、この人財育成基本方針の策定についてでございますが、そのときも私は、いわゆる改革のDNAを三鷹市の職員組織の伝統として単に蓄積するだけではなくて、継承していくということが重要だと思いました。そこで、この改革のDNAをさらに発展させるために、目指すべき目標や具体的な研修体系など創造的な自治体経営の実現に向けて、経営感覚や、最近では協働感覚と言っていますが、協働をするということができる人材育成に取り組むこととしたところです。
 三鷹市では経常業務も大事です。窓口で、あるいは現場で市民の皆様に安心して一つ一つの経常業務が果たされなければなりません。しかし、その上で求められているのが経営感覚や協働感覚です。私たちはこれからも、職員一人一人がその能力と可能性と努力が伸ばされるように、生かされるように、そうすることで組織力の全体的な向上が図られるように、その活性化に努めてまいります。


◯10番(白鳥 孝君)  ありがとうございました。三鷹市も提供するサービス、事務の大半を大胆にネット上に移行し、パソコンも窓口、そしてパソコンが職場という新しい行政運営の形態へと変革をしつつあるんですけれども、先ほども前の議員さんからもIT化の問題がありましたけれども、窓口のIT化、ITを活用した内部の行政事務の効率化等によって生じた経営資源をですね、その資源というのは職員であったり、その中で予算であったりと思うんですけれども、それについて、従来の事務処理を中心とした業務から、それが高付加価値の業務、例えば高付加価値の業務というのは、人でなければできないような、創意工夫が求められる業務ですよね。そういった業務がこれから円滑に、また、再配置していくのかどうか、そんなようなところがもしお話がありますれば、お聞かせをしていただければと思うんですけれども、もう10年も15年も前でしょうか、市の職員の中で若い人たちが研究をですね、やっていたようなグループが見受けられたんですけれども、今もそんなようなグループがあるのでしょうか、そんなところもお聞かせをしていただければと思うんですけれども、お願いします。
 あと、具体的にですね、例えば防災課と、それから安全安心課がですね、統合してですね、危機管理センターとか設置してですね、総合的な対応ができるような、そういうものっていうのは、やっぱり自分のところの職場だけ一生懸命業務でやってしまうと、それだけしかもう見えなくなってしまう。そういった大きな目で見る人たち、職員がですね、今後そういうふうにあらわれてほしいんですけれども、そういう芽があるのかどうか。そしてまた、そういう芽を摘まないような市長であってほしいんですけれども、そういったところがぜひ、もしそんなところもお話があれば、お聞かせをしていただければなというふうに思っています。今の防災課と安全安心の統合というのはぜひ、そんなところで、危機管理センターみたいなところで同じような業務をやっているんでしたら、そういったことをやっていかなければいけない問題もあると思います。
 あと、教育委員会もそうなんですけれども、今、教育委員会の中でも福祉関係が結構入ってきております。体育課があるもんですから、福祉は福祉の方で、一生懸命こちらの方でもやっていらっしゃる。ただ、体育課の方は体育課の行政で一生懸命、窓口やっていらっしゃるんですけれども、単なる縦社会のそういったことではなくてですね、それをマネジメントできるようなものというのは、今後つくられていかれるのかどうか、そんなところをお考えがありますればお聞かせをしていただければと思うんですけれども。
 今、私の方で、質問の中でコールセンターの設置と、それから職員採用の人材育成について、これはキーワードは高付加価値の業務についてということでお尋ねをしているつもりなんですけれども、そういう意味ではですね、いろんな御意見があるかと思うんです。ぜひ市長にお聞かせをしていただければと思います。
 もっとさらに、もっと具体的に言えば、先ほどもどなたでしたでしょうか、工事のことだったでしょうか、エキスパートのことをどなたか話をなさったんですけれども、私は、積算技術をきちんと持っている職員がいらっしゃるのかどうか、その辺、例えばですね、1級とか2級とかって持っていらっしゃる方がいらっしゃるんだと思うんですけれども、ペーパードライバーみたいな形で、単なる紙切れだというんでは困るので、そういったエキスパートがいらっしゃるのかどうか。要するに積算技術ですね。例えば具体的に言うと、ペンキを塗るに当たっても、1平米、例えば2平米でもいいです。例えば0.8人工かかるというところで、計算では単価本と物価本を持ってきて、それでそれに掛けて、それで合計出して、0.8人だから0.8人でいいかというと、そうではないと思うんですね。じゃ、0.8人でやってくれるかどうかの問題、計算というのは、確かにそれは計算なんです。ペンキだって、足場のいいところだったら、それはいいですけれども、込み入ったところなんか、もっとかかるはずなんですけれども、そういった積算の技術、また、そういう目を持っている方がいらっしゃるのかどうか。
 そして、例えば八王子の方のコンサルト会社が委託を受けて設計をし、また計算をして、それを見る目があるのかどうか。八王子の方の物価だと安いはずですよね。工事をするには、例えば仮設用地だってあるわけですけれども、八王子の方では例えば1,000円ぐらいだったけど、こっちの方では、仮設用地を借りるんでも、恐らく高いと思うんですけれども、そういったこと。それから、三鷹市はやはり一方通行等が多いもんですから、片側だけ一生懸命工事をやって、もう一方は終わってから工事をやる。そういう積算の単価もですね、非常に割高になってしまうような工事をやっぱりやらざるを得ない。そういう意味では、物価本や単価本の掛けるだけでやってしまうと、そういうだけだと、労務費がですね、非常に今度はきつくなってしまって、先ほどのお話じゃないけれども、労務の方で無理が生じてしまうというような契約内容になってしまうんではないかなというふうに思うんですけれども、そういう技術等々、やはりベテラン的な人たちの人材育成というのもやっていかなければならないというふうに思うんですけれども、その辺、もし何かありますればお話を伺いたいと思います。よろしくお願いいたします。


◯市長(清原慶子さん)  再質問で御指摘いただきました点の包括的なところを私から答弁いたします。
 職員が望ましい効率化が図れる中で、その力量をですね、高付加価値を持って発揮してもらうような、そうした取り組みについてどう市長は考えるかということだったと思いますが、私は、御指摘いただきましたように、今、市民の皆様に対して求められている職員の専門性、あるいはあり方というのは、一方で大変総合性が求められていると思います。例えば社会福祉のさまざまなサービスを全般的に承知して、今、目の前にいるお客様に対して、どのような支援がコーディネートできるのかという点についてですね、やはり例えば福祉の総合窓口の担当者というのは、大変力量のある人材が必要であり、その育成をしなければならないと思っております。ですから、一般的、簡単なものについては、簡略化した仕組みの中できちんとした対応ができるとともに、より専門的な対応については、望ましい、正しい情報が蓄積されたデータベースが支援するということもあるでしょう。したがって、1番目の御質問と2番目の御質問はまさに密接な関係があり、望ましい市民サービスの質の向上のために職員を支えるような情報通信技術、データベースの活用などは、私たちにとっては不可欠のものだろうと思います。
 あわせて、職員がですね、例えば市民の皆様と協働を進める上で制作してきている論点データ集などは、若手の職員を公募しまして積極的に関与してもらっているわけですが、自分が責任を持っている職務だけに専念するのではなくて、地域の課題を総合的に認識する取り組みであるとか、あるいは自分が所属している係のみに専念するのではなくて、課単位あるいは部単位で総合的な認識や知識が広がるような取り組みをしていくことを通してですね、小さな気づきが大きな自治体経営改革にもつながることがありますし、マクロな視点を持つことによって、今、自分がしている仕事の価値が認識されますから、そうした広い視野と専門性の行ったり来たりをですね、することができるような仕組みをつくっていくこと、これが三鷹市のような自治体では特に求められているのではないかなと、このように感じているところです。
 まとめますが、情報通信技術を使うときにも、まさに行政サービスの質の向上を市民の皆様に対しても、職員にとっても支援するような、そういう方向での取り組みを通して、人が生かされるようなあり方を追求していきたいと、このように考えております。


◯副市長(河村 孝君)  何点か再質問に関して市長の答弁に補足させていただきます。
 改革のDNAということで、職員の中に今どんなふうに息づいているのかということで、かつての職員の自主研究グループのお話もありましたが、そういう意味で言いますと、そういった自主研究グループが今も幾つか残っていると思いますけれども、当時のような形ではないです。それは、当時の場合には、なかなか仕事の中で自分たちの意見が、提案しても反映できないという状況の中で、自主的にまさに結成されて、幅広い広範な職員が勉強会をしたり、市民の人と勉強したりとかいうようなことがあったわけです。今は、それは制度的にですね、かなり仕組みの中に入っていると。まさにそのころやっていた人たちが、今は皆さん部課長でここに大体いらっしゃる方もいるし、独自でやっていた方もいらっしゃると思いますが、そういう形で根づいてきているということがあると思います。ですから、政策課題研修だとか、職員提案制度だとか、そういう形でいつも毎年さまざまな提案がですね、具体的に出されてきます。
 それから、現在、予算制度の中でですね、各部に配当されている中で、部長が認めていけばですね、自分たちの日々の事業の中でさまざまな工夫をして新しい事業提案をしていくということが、これは日常的にやられておりますので、それをまさにきら星のごとく、さまざまな提案がですね、具体的な現場から出てきているというふうに思っています。
 今後の新しい改革の次の10年後の姿みたいなところで、まだ出てきてないんじゃないかという御心配がおありのようですけれども、やはりこれまでの三鷹市のですね、改革の流れもですね、いわばその都度の、思いつきが悪いとか、アイデアが悪いというわけじゃありませんが、そういう個別にぽつんぽつんと出てきたもので改革がされてきたわけではなくて、日々の現場の中での改善・改革の提案がつながって、一つ一つ次の課題、次の課題へというふうにつながってきたというふうに我々は考えておりますので、そういう意味では、その大きな流れはですね、まさに三鷹市の行政の中で脈々と流れているのではないかなというふうに思っております。
 それから、組織改正に関して御提案が幾つかございました。コールセンターそのものもそうでありますし、危機管理センターだとか、あるいは介護予防とスポーツの関係の、まさに健康づくりというところで結ぶことはできないかというような、そういった御提案だと思います。そういうことも組織の見直しの中でですね、そういった形になるかどうかは別にして、今、議論が行革の中で組織の見直しということで進められてきておりますので、いずれ大きなそういうことも含めて御提案できるような時期が来るのではないかなというふうに思っております。


◯10番(白鳥 孝君)  ありがとうございました。まだ時間はたっぷりあるんですけれども、あしたの質問者がありますので……。今、質問いたしましたことを御承知していただき、また次につなげていただければありがたいかと思いますので、どうぞよろしくお願いしまして、これで終わりにさせていただきます。ありがとうございました。


◯議長(石井良司君)  以上で白鳥 孝君の質問を終わります。
    ──────────────────────────────────────


◯議長(石井良司君)  本日はこれをもって延会いたします。
 なお、次回の本会議は12月6日午前9時に開きます。文書による通知はいたしませんから、さよう御了承願います。ありがとうございました。
                午後5時48分 延会